説明

監視映像記録装置、監視映像記録方法およびプログラム

【課題】監視映像記録システムの状態に応じて撮影装置から送られる映像の画質調整を行うことを可能とすることを目的とする。
【解決手段】監視カメラ2から送られた映像を記録する監視映像記録装置1であって、監視映像記録装置1自身における異常である機器異常の発生頻度を計数し、発生頻度が高いと、映像の記録レートを低く設定し、発生頻度が低いと、記録レートを高く設定することを特徴とする。また、監視映像記録装置1の外部に設置されているセンサアラーム入力端子3から入力されるセンサアラームの入力回数、監視カメラにおける映像中で動く物体が検知された回数および監視カメラの異常発生回数を基に、優先度を算出し、優先度が高いと記録レートを高く設定し、優先度が低いと記録レートを低く設定することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視映像記録装置、監視映像記録方法およびプログラムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
監視映像記録システムは、商店街や店舗などの犯罪を防止することが、主要な目的であり、センサアラームの検知や、監視映像中で動く物体が検知されたときや、レコーダ異常を検知した際における撮影装置(監視カメラ)で撮影した映像を記録することが重要である。このような監視映像記録システムとして、監視カメラの映像中の動きを検出し、その動きを異常発生(以下、動き検知アラームとする)のトリガとして記録を開始する動き検知アラーム記録が一般的に行われている。
また、監視映像記録システムでは、いつ異常が発生するのか予測ができない場合が多いため、24時間連続して記録を行ったり、あるいは監視カメラ周辺や異常が発生しやすそうな場所を予め予測して、センサを設置し、このセンサが検出した異常発生信号(以下、センサアラームと称する)をトリガとして記録を開始する映像記録システム、映像記録制御方法および装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
さらに、センサアラーム記録・動き検知アラーム記録に関して、記録対象外の監視カメラの映像でも、センサアラーム発生時に記録することができる画像記録装置、画像記録システムおよび画像記録方法(例えば、特許文献2参照)や、センサアラーム発生時の映像を高品質で記録する監視映像記録装置および監視映像記録システムが開示されている(例えば、特許文献3参照)。
【0004】
また、センサアラームや動き検知アラームを使用し、監視カメラ毎に優先度を決め、この優先度に従って記録時のビットレートや解像度、フレームレートなどの記録レートを設定する監視映像記録装置も開示されている(例えば、特許文献4参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−8167号公報
【特許文献2】特開2003−348539号公報
【特許文献3】特開2006−339982号公報
【特許文献4】特開2008−167101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2のように、一般的に行われている監視カメラの映像中の動きを検出し、検出された動き検知アラームをトリガとして記録を開始する技術では、動き検知アラームを検出する動き検知機能はソフトウェアで実現されている。しかしながら、このような動き検知機能では、風などにより画面中に動く物体があるといった撮影条件による影響で誤検知や検知漏れが発生する可能性がある。
また、特許文献1に記載の技術では、センサにおける接触不良や断線などによる誤検知や検知漏れが発生する可能性があるという問題がある。このように、従来におけるアラームをトリガとして記録する方法は、誤検知や検知漏れによってトリガが発生する可能性があり、その結果、監視映像記録システムの主要な目的である本当の異常発生時における監視カメラの映像の記録に失敗する可能性がある。このため、信頼性が不十分であるという問題がある。
【0007】
これらの問題点の解決案として24時間連続して記録を行う方法がある。しかしながら、監視カメラの映像を高品質な状態でハードディスクドライブ(以下、HDD(Hard Disk Drive)と称する)などの記憶装置へ記録すると、記録可能な期間が短くなってしまう。従って、このように24時間連続して記録を行う場合は、映像を低品質で記録しなければならないという問題がある。
【0008】
また、特許文献3の技術では、センサアラームのみを用い、特許文献4記載の技術では、監視カメラ毎の優先度を決定する要因としてセンサアラームと動き検知アラームのみを用いている。従って、CPU(Central Processing Unit)の異常や、HDD異常など、その他の異常が考慮されていないという問題や、優先度の決定が定期的に行われないため、監視対象となる環境が変化した際に最適な記録レートを自動的に算出できないという問題がある。
【0009】
さらに、監視映像記録装置(レコーダ)には、監視カメラが複数台接続されることが一般的であり、これらすべての監視カメラに対し、記録レートを設定するには、多数の項目の入力が必要となり、ユーザビリティにも難がある。
【0010】
このような背景に鑑みて本発明は、監視映像記録システムの状態に応じて撮影装置から送られる映像の画質調整を行うことを可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するため、本発明は、撮影装置から送られた映像を記録する監視映像記録装置であって、監視映像記録装置自身における異常の発生頻度を計数し、前記発生頻度が高いと、前記映像の記録レートを低く設定し、前記発生頻度が低いと、前記記録レートを高く設定することを特徴とする。
その他の解決手段については、実施形態中において説明する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、監視映像記録システムの状態に応じて撮影装置から送られる映像の画質調整を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態に係る監視映像記録システムの構成例を示す図である。
【図2】本実施形態で処理の対象となる異常の種類を示すリストである。
【図3】各種アラームにおける強度の定義例を示す図である。
【図4】故障レベルの定義例を示す図である。
【図5】故障レベル、優先度およびビットレートの関係を示す図である。
【図6】故障レベル、優先度およびフレームレートの関係を示す図である。
【図7】本実施形態に係る監視映像記録装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】本実施形態に係るパラメータ変更画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明を実施するための形態(「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
《システム構成》
図1は、本実施形態に係る監視映像記録システムの構成例を示す図である。
監視映像記録システム5は、監視映像記録装置(レコーダ)1と、所定の場所に設置され、かつ監視映像記録装置1に接続されている撮影装置である複数の監視カメラ2と、監視映像記録装置1に接続されている映像確認用のモニタ4から構成されている。監視カメラ2で撮影された映像は、アナログ信号の状態で監視映像記録装置1に伝送される。現在時刻の監視カメラ2の映像および監視映像記録装置1に蓄積されている映像は、モニタ4において再生表示可能である。
【0016】
そして、監視映像記録装置1はメモリ10、CPU30、A/D(Analog/Digital)変換装置20、エンコーダ40、HDDなどの記憶装置50、デコーダ60、D/A(Digital/Analog)変換装置70を有してなる。
【0017】
複数の監視カメラ2から監視映像記録装置1に入力されたアナログ信号映像は、それぞれ監視カメラ2毎に設けられているA/D変換装置20に伝送され、A/D変換装置20は入力されたアナログ映像信号をディジタル映像信号に変換する。変換されたディジタル映像信号は、各監視カメラ2共通のエンコーダ40に入力され、エンコーダ40は入力されたディジタル映像信号を圧縮符号化した後、このディジタル映像信号を記憶装置50へ格納する。また、記憶装置50に格納されているディジタル映像信号は、デコーダ60で復号化された後、D/A変換装置70でアナログ映像信号に変換され、モニタ4へ送られる。また、A/D変換装置20からD/A変換装置70へ直接、映像信号を送ることにより、リアルタイム映像をモニタに表示することもできる。
【0018】
ここでは、監視カメラ2としてアナログ監視カメラを想定しているが、ディジタル監視カメラなどを用いてもよい。この場合、A/D変換装置20が不要となり、監視カメラ2から監視映像記録装置1に入力されたディジタル映像信号は、そのままエンコーダ40へ入力される。
【0019】
また、記憶装置50に格納されてるプログラムがRAM(Random Access Memory)などのメモリ10に展開され、CPU30によって実行されることにより、制御部11、入力信号処理部12、動き検知処理部13、異常検出処理部14、積算処理部15、レベル算出処理部16、記録レート処理部17が具現化している。
【0020】
制御部11は、各部12〜17の全体制御を行う機能を有している。
A/D変換装置20から出力されたディジタル映像信号は、動き検知処理部13へ入力され、動き検知処理部13では、入力された映像を基に動き検知アラームの出力有無の判定および動き検知アラームの出力を行う。
【0021】
監視映像記録装置1や、監視カメラ2や、あるいは監視カメラ2が設置されている部屋などには、センサアラームを検出するための端子(以下、センサアラーム入力端子3と称する)が設置されている。センサアラーム入力端子3からは図示しない2本の端子線が延びており、この端子線が互いに接触することによりセンサアラーム信号が出力される。例えば、監視カメラ2が設置されている部屋のドアにセンサアラーム入力端子3が設置されている場合、ドアの開閉などによってセンサアラーム入力端子3の端子線が接触・短絡すると、センサアラーム信号が出力される。監視映像記録装置1に入力されたセンサアラーム信号は入力信号処理部12に入力され、入力信号処理部12は、センサアラーム信号からセンサアラーム出力有無の判定およびセンサアラーム出力を行う。
【0022】
異常検出処理部14は、CPU30や、記憶装置50や、メモリ10や、図示しない電源や、内蔵ファンなどを監視しており、これらの機器における異常発生有無の判定を行う。また、異常検出処理部14は、監視カメラ2や、USB(Universal Serial Bus)デバイスなど外部機器の監視も行っており、これら外部機器の異常などを検出する機能も有している。
動き検知処理部13や、入力信号処理部12や、異常検出処理部14は、異常を検出すると、その結果を時刻と共にログとして記憶装置50に格納しておく。
【0023】
積算処理部15は、記憶装置50に格納されている所定期間におけるログからセンサアラーム、動き検出アラーム、機器異常アラームの発生回数をカウントする。
レベル算出処理部16は、積算処理部15がカウントしたセンサアラーム、動き検出アラーム、機器異常アラームの発生回数を基に、各監視カメラ2の優先度や、故障レベルの算出を行う。優先度および故障レベルについては後記する。
記録レート処理部17は、算出された優先度および故障レベルを基に、ビットレートや、フレームレートなどの記録レートを決定・更新する。
【0024】
《本実施形態で対象となる異常の種類》
図2は、本実施形態で処理の対象となる異常の種類を示すリストである。適宜図1を参照する。
図2におけるNo.1のセンサアラームは、入力信号処理部12がセンサアラーム入力端子3の短絡・開放時に検出によって出力される信号である。
No.2の動き検出アラームは、動き検知処理部13が、監視カメラ2からの入力映像中で動いている物体を検出すると出力される信号である。
【0025】
No.3〜No.8は、異常検出処理部14によって検出される信号である。
No.3のCPU異常は、監視映像記録装置1のソフトウェアの不具合などにより正常に機器(監視映像記録装置1)が動作しない状態を異常検出処理部14が検出することによって発生する異常である。
No.4の記憶装置異常は、記憶装置50がフルである状態や、記憶装置50の寿命などによって記憶装置50へ映像が記録できない状態といった、異常検出処理部14が記憶装置50の故障を検出することによって発生する異常である。
No.5の停電異常は、停電発生時や、手動で電源をOFF,ONにするなど、監視映像記録装置1の電源が一度落とされたことを異常検出処理部14が検出することによって発生する異常である。
No.6の内部機器異常は、監視映像記録装置1に内蔵されているファンが故障したり、内蔵のメモリ10などに不具合が発生したりすると検出される異常である。
No.7の外部デバイス異常は、異常検出処理部14が監視映像記録装置1に接続される監視カメラ2の電源や、USBデバイスなどに不具合があることを検出する異常である。
No.8のカメラ異常は、異常検出処理部14が、監視カメラ2と監視映像記録装置1との接続の切断などを検出すると発生する異常である。
監視映像記録装置1で検出可能なその他の異常を含めてもよい。
なお、No.3〜No.7の各異常を機器異常と記載することとする。
【0026】
次に、図1および図3〜図6を参照しつつ、図7に沿って本実施形態に係る監視映像記録装置1の処理を説明する。
図7は、本実施形態に係る監視映像記録装置の処理の流れを示すフローチャートである。
まず、制御部11は、現在時刻が記録レートの更新時刻か否かを判定する(S101)。
ステップS101の結果、更新時刻ではない場合(S101→No)、制御部11はステップS101へ処理を戻す。更新時刻は固定でもよいし、異常の発生回数に応じて、制御部11が間隔を変更してもよい。また、更新時刻になると処理を開始するのではなく、図示しない入力部を介して入力された処理開始指示を契機として図7に示す処理が開始されてもよい。
【0027】
ステップS101の結果、更新時刻である場合(S101→Yes)、積算処理部15が記憶装置50に格納されているログから各異常が所定時間中に何回発生しているかをカウントする異常発生回数算出処理を行う(S102)。ここで、カウントされるものは、センサアラーム入力回数、動き検知アラーム入力回数、カメラ異常入力回数および機器異常入力回数である。
ステップS102において、図2におけるセンサアラーム、動き検知アラーム、カメラ異常は、監視カメラ2個別の異常であるため、監視カメラ2毎にカウントを行い、機器異常(図2のNo.3〜No.7)に関しては、監視映像記録装置1全体としての異常であるので監視映像記録装置1でNo.3〜No.7のいずれかが生じた回数のカウントを行う。なお、センサアラーム、動き検知アラーム、カメラ異常は、監視カメラ2が動作したときから、あるいは監視映像記録システム5がリセットしたときからの入力回数が累積され、機器異常(図2のNo.3〜No.7)は、現在時刻から1時間あるいは1日間の異常発生回数をカウントする。
なお、入力信号処理部12や、動き検知処理部13や、異常検出処理部14が、アラームあるいは異常の検知のたびにカウントを行い、ステップS102では積算処理部15がカウントしていた回数を取得するだけとしてもよい。また、図2のNo.3〜No.7の異常は、1時間当たり、あるいは1日あたりの平均値を積算処理部15が算出してもよい。
【0028】
次に、レベル算出処理部16が、ステップS102の結果を用いて監視カメラ2毎の優先度を算出する優先度算出処理を行う(S103)。
レベル算出処理部16は、以下の式(1)から優先度を算出する。
【0029】
優先度=(センサアラーム強度×センサアラーム入力回数)+(動き検知アラーム強度×動き検知アラーム入力回数)+(監視カメラ異常強度×カメラ異常入力回数)
・・・ (1)
【0030】
優先度決定の際に用いる各強度は、例えば図3のように予め設定されている。強度は、異常の発生頻度や重要性を考慮して、場面に応じて修正してもよい。
【0031】
また、ステップS103の段階で、レベル算出処理部16は、算出された監視カメラ2毎の優先度を基に、優先度の高い監視カメラ2から順番に、例えば3段階にグループ分けを行い、優先度(高)・優先度(中)・優先度(低)に分類する。
【0032】
次に、レベル算出処理部16は、ステップS102で算出した図2のNo.3〜No.7の機器異常発生回数を基に故障レベルを算出する故障レベル算出処理を行う(S104)。
機器異常発生回数と、故障レベルの関係は、例えば図4に示すような形で予め設定しておく。
故障レベルは、故障レベルが高くなるにつれ、監視映像記録装置1の記録レートを低くすることにより監視映像記録装置1の負荷を軽くし、本当に必要な監視カメラ2の映像の記録を残すために設定されるものである。
例えば、図4の故障レベル「1」は、1日に一度も機器異常が発生していない状態であり、監視映像記録装置1として正常に動作している状態である。それに対し、故障レベル「2」は、1日に1回の機器異常が発生した状態であり、監視映像記録装置1としての信頼性が、故障レベル「1」よりやや低い状態である。図5に示すように機器異常発生頻度(機器異常発生回数)が高くなるにつれ、故障レベルが大きくなるようになっている。なお、故障レベルを決定するための機器異常発生回数は、監視映像記録装置1を設置する環境などに合わせて変更してもよい。
【0033】
次に、記録レート処理部17がステップS103で算出された優先度と、ステップS104で算出した故障レベルから、ビットレートや、フレームレートといった記録レートを決定する記録レート決定処理を行う(S105)。
優先度、故障レベルおよびビットレートの関係は、例えば図5に示すような形で予め設定しておき、優先度、故障レベルおよびフレームレートの関係は、例えば図6に示すような形で予め設定しておく。なお、図5および図6に示す情報は記憶装置50に格納されている情報である。また、図5および図6においてハイフン(「−」)は設定が行われない、つまり該当する監視カメラ2を停止することを示している。
このとき、低優先度・高故障レベルである監視カメラ2ほど、低ビットレート・低フレームレートとなるよう記録レートを設定し、高優先度・低故障レベルである監視カメラ2ほど高ビットレート・高フレームレートとなるよう記録レートを設定する。
【0034】
つまり、センサアラームや、動き検知アラーム、カメラ異常などが多く入力されている優先度の高い監視カメラ2は、重要な映像が撮影されている可能性が高いため、高ビットレート・高フレームレートとなるよう設定される。また、センサアラームや、動き検知アラーム、カメラ異常などの入力が少ない監視カメラ2は、重要な映像が撮影されている可能性が低いため低ビットレート・低フレームレートとなるよう設定される。
また、図2のNo.3〜No.7における機器異常が多く入力されている(故障レベルが高い)場合、監視映像記録装置1の負荷をできるだけ少なくする目的で低ビットレート・低フレームレートとする。加えて、機器異常が多く発生している(故障レベルが高い)場合、映像が正しく撮影されていない可能性が高いため、低ビットレート・低フレームレートでも問題ないと思われるためである。
【0035】
なお、図4〜図6に示すテーブルの各値は、監視映像記録装置1に用いる映像符号化形式や、エンコーダ40の能力などにより適宜変更してもよい。
【0036】
次に、記録レート処理部17が、ステップS105で決定された記録レートをエンコーダ40に設定する記録レート更新処理を行う(S106)ことで、監視カメラ2の映像の記録品質の更新を行う。具体的には、ステップS105において、記録レート処理部17は、監視カメラ毎に決定された記録レートを監視カメラ2を識別する監視カメラIDなどに対応付ける。そして、記録レート処理部17は監視カメラIDに基づいて、該当する監視カメラ2から送られる映像の記録レートを決定された記録レートで記録するようエンコーダ40を設定する。
【0037】
このように本実施形態では、優先度が低い監視カメラ2であっても、センサアラームなど各種アラームが入力された際は、一時的に記録レートを高くして記録を行う。
【0038】
図8は、本実施形態に係るパラメータ変更画面の例を示す図である。
パラメータ変更画面800におけるカメラ番号入力窓804に監視カメラ番号を入力し、アラーム入力回数リセットボタン801をユーザが選択入力することにより、該当する監視カメラ2のセンサアラーム入力回数や、動き検出アラーム入力回数といったアラーム入力回数をリセットすることができる。
また、異常発生回数リセットボタン802をユーザが選択入力することにより、機器異常回数をリセットすることができる。
このような処理は、低優先度や、高い故障レベルが算出された場合、各値をリセットしないと、以降ずっと低優先度あるいは高い故障レベルのままとなることを防止するためである。
さらに、テーブル編集ボタン803をユーザが選択入力することにより、図3〜図6に示す各テーブルを編集することができる。
【0039】
《まとめ》
本実施形態によれば、監視映像記録装置1の故障レベルに応じて、記録レートを制御することで、故障レベルが高い(機器異常が生じる回数が多い)ときには、ビットレートや、フレームレートといった記録レートを低くして、監視映像記録装置1の負荷を軽減することができる。また、故障レベルが高いときは、高い記録レートで記録しても記録できない可能性があるため、予め記録レートを低くしておくこともできる。
【0040】
また、本実施形態では、センサアラームの入力回数や、動き検知アラームや、監視カメラ2異常など、映像や、監視カメラ2そのものの異常を基に優先度を算出し、この優先度に基づいて、優先度の高い(重要と考えられる)監視カメラ2の記録レートを高くし、優先度の低い(比較的重要ではないと思われる)監視カメラ2の記録レートを低く設定することにより、24時間記録を行っても記憶装置50を効率的に使用することができる。
そして、定期的に自動的に記録レートが更新されることにより、ユーザが設置環境に応じて複数台の映像装置の記録レートを調整する必要がなく、利便性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0041】
1 監視映像記録装置(レコーダ)
2 監視カメラ(撮影装置)
3 センサアラーム入力端子
4 モニタ
5 監視映像記録システム
10 メモリ
11 制御部
12 入力信号処理部
13 動き検知処理部
14 異常検出処理部
15 積算処理部
16 レベル算出処理部
17 記録レート処理部
20 A/D変換装置
30 CPU
40 エンコーダ
50 記憶装置
60 デコーダ
70 D/A変換装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影装置から送られた映像を記録する監視映像記録装置であって、
監視映像記録装置自身における異常の発生頻度を計数する積算処理部と、
前記発生頻度が多くなるにつれて、前記映像の記録レートを低く設定し、前記発生頻度が少なくなるにつれて、前記記録レートを高く設定する記録レート処理部と、
を有することを特徴とする監視映像記録装置。
【請求項2】
前記監視映像記録装置の外部に設置されているセンサアラーム入力端子から入力されるセンサアラームの入力回数、前記監視カメラにおける映像中で動く物体が検知された回数および前記監視カメラの異常発生回数を基に、優先度を算出するレベル算出処理部を、さらに有し、
前記記録レート処理部は、
前記優先度が高くなるにつれて、前記記録レートを高く設定し、前記優先度が低くなるにつれて、前記記録レートを低く設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の監視映像記録装置。
【請求項3】
前記記録レートは、映像のビットレートおよび/または映像のフレームレートである
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の監視映像記録装置。
【請求項4】
撮影装置から送られた映像を記録する監視映像記録装置による監視映像記録方法であって、
監視映像記録装置自身における異常の発生頻度を計数し、
前記発生頻度が多くなるにつれて、前記映像の記録レートを低く設定し、前記発生頻度が少なくなるにつれて、前記記録レートを高く設定する
ことを特徴とする監視映像記録方法。
【請求項5】
請求項4に記載の監視映像記録方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−199737(P2011−199737A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−66178(P2010−66178)
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】