説明

監視装置、監視制御装置、電源装置、監視方法、監視制御方法、蓄電システム、電子機器、電動車両および電力システム

【課題】蓄電モジュールにおける電池毎の電圧値と、電流経路に流れる電流値とを同時に検出する。
【解決手段】蓄電モジュールは、一例として、電池毎の電圧値を示す第1のアナログデータを第1のデジタルデータに変換する第1の変換器と、複数の電池を流れる電流値を示す第2のアナログデータを第2のデジタルデータに変換する第2の変換器とを備えており、第1のアナログデータと第2のアナログデータとは、同一タイミングのデータである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えば、複数の電池を有する電源装置を監視する監視装置、監視制御装置、監視方法、監視制御方法に関する。また、本開示は、例えば、複数の電池を有する電源装置、電源装置を使用した蓄電システム、電子機器、電動車両、電力システムに関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン二次電池などの用途が太陽電池、風力発電などの再生可能なエネルギーシステムと組み合わせた電力貯蔵用蓄電装置、自動車用蓄電池、家庭用電気機器などに拡大している。近年では、大出力を発生するために、1または複数の蓄電モジュール(組電池などとも称される)を接続した電池システムが使用される。蓄電モジュールは、例えば、1または複数の電池ブロックが外装ケースに収納されることで形成される。電池ブロックは、蓄電素子の一例である単位電池(単電池やセルとも称される。以下の説明では、単に電池と適宜称する)が複数個接続されることで形成される。
【0003】
電池システムでは、例えば、電池毎の電圧値や電流値を検出し、電圧値や電流値をパラメータとして使用した演算によって、電池や蓄電モジュールの状態を検出することが行われる。下記特許文献1には、自動車用組電池における蓄電モジュールの電圧値と電流値とを同期させて検出する装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4035913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の発明は、電池毎の電圧値を検出するために複数のA/D変換器を使用している。このため、A/D変換器の性能のばらつきに起因する、電圧値の検出誤差を考慮しなければならないという問題がある。さらに、特許文献1に記載の発明は、12個の電池からなる蓄電モジュールの電圧値を検出するタイミングに同期させて、電流値を検出している。このため、個々の電池の電圧値の検出タイミングと電流値の検出タイミングとを同期させることができないという問題がある。
【0006】
したがって、本開示の目的の一つは、電池毎の電圧値を検出するタイミングと同時に、電流経路に流れる電流値を検出する監視装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本開示は、例えば、
電池毎の電圧値を示す第1のアナログデータを第1のデジタルデータに変換する第1の変換器と、
複数の電池を流れる電流値を示す第2のアナログデータを第2のデジタルデータに変換する第2の変換器とを備え、
第1のアナログデータと第2のアナログデータとは、同一タイミングのデータである監視装置である。
【0008】
本開示は、例えば、
電池毎の電圧値を示す第1のアナログデータを第1のデジタルデータに変換する第1の変換器と、
複数の電池を流れる電流値を示す第2のアナログデータを第2のデジタルデータに変換する第2の変換器と、
第1の変換器から供給される第1のデジタルデータと、第2の変換器とから供給される第2のデジタルデータとに応じた制御を行う制御部とを備え、
第1のアナログデータと第2のアナログデータとは、同一タイミングのデータである監視制御装置である。
【0009】
本開示は、例えば、
複数の電池と、
電池毎の電圧値を示す第1のアナログデータを第1のデジタルデータに変換する第1の変換器と、
複数の電池を流れる電流値を示す第2のアナログデータを第2のデジタルデータに変換する第2の変換器とを備え、
第1のアナログデータと第2のアナログデータとは、同一タイミングのデータである電源装置である。
例示した電源装置を1または複数備え、電源装置が再生可能なエネルギーから発電を行う発電装置によって充電される蓄電システムでもよい。
例示した電源装置を1または複数備え、電源装置に接続される電子機器に電力を供給する蓄電システムでもよい。
例示した電源装置を1または複数備え、電源装置から電力の供給を受ける電子機器でもよい。
例示した電源装置を1または複数備え、電源装置から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、電源装置に関する情報に基づいて、車両制御に関する情報処理を行う制御装置とを有する電動車両でもよい。
1または複数の例示した電源装置と、他の機器とネットワークを介して信号を送受信する電力情報送受信部とを備え、電力情報送受信部が受信した情報に基づき、電源装置の充放電制御を行う電力システムでもよい。
例示した電源装置を1または複数備え、電源装置から電力の供給を受け、または、発電装置または電力網から電源装置に電力を供給する電力システムでもよい。
【0010】
本開示は、例えば、
複数の電池と、
電池毎の電圧値を示す第1のアナログデータを第1のデジタルデータに変換する第1の変換器と、
複数の電池を流れる電流値を示す第2のアナログデータを第2のデジタルデータに変換する第2の変換器と、
第1の変換器から供給される第1のデジタルデータと、第2の変換器とから供給される第2のデジタルデータとに応じた制御を行う制御部とを備え、
第1のアナログデータと第2のアナログデータとは、同一タイミングのデータである電源装置である。
例示した電源装置を1または複数備え、電源装置が再生可能なエネルギーから発電を行う発電装置によって充電される蓄電システムでもよい。
例示した電源装置を1または複数備え、電源装置に接続される電子機器に電力を供給する蓄電システムでもよい。
例示した電源装置を1または複数備え、電源装置から電力の供給を受ける電子機器でもよい。
例示した電源装置を1または複数備え、電源装置から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、電源装置に関する情報に基づいて、車両制御に関する情報処理を行う制御装置とを有する電動車両でもよい。
1または複数の例示した電源装置と、他の機器とネットワークを介して信号を送受信する電力情報送受信部とを備え、電力情報送受信部が受信した情報に基づき、電源装置の充放電制御を行う電力システムでもよい。
例示した電源装置を1または複数備え、電源装置から電力の供給を受け、または、発電装置または電力網から電源装置に電力を供給する電力システムでもよい。
【0011】
本開示は、例えば、
第1の変換器と、第2の変換器とを備える監視装置における監視方法であり、
第1の変換器によって、電池毎の電圧値を示す第1のアナログデータが第1のデジタルデータに変換され、
第2の変換器によって、複数の電池を流れる電流値を示す第2のアナログデータが第2のデジタルデータに変換され、
第1のアナログデータと第2のアナログデータとは、同一タイミングのデータである監視方法である。
【0012】
本開示は、例えば、
第1の変換器と、第2の変換器と、制御部とを備える監視制御装置における監視制御方法であり、
第1の変換器によって、電池毎の電圧値を示す第1のアナログデータが第1のデジタルデータに変換され、
第2の変換器によって、複数の電池を流れる電流値を示す第2のアナログデータが第2のデジタルデータに変換され、
制御部によって、第1の変換器から供給される第1のデジタルデータと、第2の変換器とから供給される第2のデジタルデータとに応じた制御が行われ、
第1のアナログデータと第2のアナログデータとは、同一タイミングのデータである監視制御方法である。
【発明の効果】
【0013】
少なくとも一つの実施形態によれば、蓄電モジュールにおいて、電池毎の電圧値を検出するタイミングと同時に、電流経路に流れる電流値を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本開示における電池システムの構成の一例を示す略線図である。
【図2】本開示における電源装置の構成の一例を説明するためのブロック図である。
【図3】電池毎の電圧値と、電流値とを検出するタイミングの一例を示す略線図である。
【図4】本開示の一実施形態における、電池毎の電圧値と、電流値とを検出するタイミングの一例を示す略線図である。
【図5】本開示の一実施形態における、電池毎の電圧値と、電流値と、電池毎の温度を検出するタイミングの一例を示す略線図である。
【図6】本開示の変形例における電源装置の構成の一例を説明するためのブロック図である。
【図7】本開示における監視装置の構成の一例を説明するためのブロック図である。
【図8】本開示における監視制御装置の構成の一例を説明するためのブロック図である。
【図9】本開示における電源装置の応用例を説明するためのブロック図である。
【図10】本開示における電源装置の他の応用例を説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、説明は、以下の順序で行う。
<1.一実施形態>
<2.変形例>
<3.応用例>
なお、以下に説明する実施形態、変形例および応用例は、本開示の好適な具体例であり、これらの実施形態、変形例および応用例に限定されないものとする。
【0016】
<1.一実施形態>
「電池システムの構成」
図1は、本開示の一実施形態における電池システムの構成の一例を示す。電池システム1は、複数個の蓄電モジュールとコントローラCNTとを備えている。図1に示す例では、電池システム1は、6個の蓄電モジュールである、蓄電モジュールMOD1、蓄電モジュールMOD2、蓄電モジュールMOD3・・・蓄電モジュールMOD6を備えている。なお、個々の蓄電モジュールを区別する必要が無い場合は、適宜、蓄電モジュールMODと表記する。
【0017】
コントローラCNTを介して、電池システム1が外部システム(負荷)に接続される。電池システム1から外部システムに電力が供給されるとともに、電池システム1と外部システムとの間で、例えば、RS−232C(Recommended Standard 232 version C)やCAN(Controller Area Network)等の規格に準じた通信がなされる。外部システムは、電気自動車におけるモータ系のインバータ回路や、家庭用の電力システムなど電池システム1の用途に応じて設定される。
【0018】
電池システム1では、6個の蓄電モジュールMOD1〜蓄電モジュールMOD6が直列に接続されている。なお、蓄電モジュールMODの数や、蓄電モジュールMODの接続形態は適宜、変更できる。例えば、直列に接続されたN個の蓄電モジュールMODが並列に接続されてもよい。各蓄電モジュールMODの正極端子および負極端子が、パワーケーブルによって接続されている。例えば、蓄電モジュールMOD2の正極端子は、上位の蓄電モジュールである蓄電モジュールMOD3の負極端子に接続されている。蓄電モジュールMOD2の負極端子は、下位の蓄電モジュールである蓄電モジュールMOD1の正極端子に接続されている。なお、最下位の蓄電モジュールMOD1の負極端子および最上位の蓄電モジュールMOD6の正極端子は、コントローラCNTにそれぞれ接続される。
【0019】
蓄電モジュールMODは、外装ケースを備える。外装ケースは、高い伝導率および輻射率を有する材料を用いることが望ましい。高い伝導率および輻射率を有する材料を用いることにより、外装ケースにおける優れた放熱性を得ることができる。優れた放熱性を得ることで、外装ケース内の温度上昇を抑制できる。さらに、外装ケースの開口部を最小限または、廃止することができ、高い防塵防滴性を実現できる。外装ケースは、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金、銅、銅合金等の材料が使用される。
【0020】
蓄電モジュールMODは、外装ケース内に電池ブロックを備える。電池ブロックは、例えば、8本の円筒状のリチウムイオン二次電池を並列接続したものである。外装ケース内で、例えば、16個の電池ブロックが直列に接続されている。電池ブロックの個数および接続形態は、適宜、変更できる。また、リチウムイオン二次電池以外の二次電池が使用されてもよい。リチウムイオン二次電池の1個当たりの出力電圧を例えば、3.2Vとすると、蓄電モジュールMOD1個あたりの出力電圧は、略51.2V(3.2V×16)である。すなわち、6個の蓄電モジュールMODを備える電池システム1は、外部システムに対して略307.2V(51.2V×6)の電圧を供給できる。
【0021】
蓄電モジュールMODおよびコントローラCNTは、ホトカプラなどの絶縁インタフェースを通じて接続されている。絶縁インタフェースを通じて、それぞれの蓄電モジュールMODとコントローラCNTとの間で通信がなされる。コントローラCNTから上位の蓄電モジュールMODに対して送信される制御信号は、例えば、下位の蓄電モジュールMODを介して、順次、伝送される。コントローラCNTから各蓄電モジュールMODに、制御信号が直接、伝送されてもよい。所定の蓄電モジュールMODと、その蓄電モジュールMODに対して上位または下位の蓄電モジュールMODと間で通信がなされるようにしてもよい。
【0022】
コントローラCNTは、電池システム1の全体を制御する。例えば、コントローラCNTは、それぞれの蓄電モジュールMODの内部情報を受け取る。受け取った内部情報に応じて、それぞれの蓄電モジュールMODに対する充電電流および放電電流を供給または遮断する制御を行う。
【0023】
さらに、コントローラCNTは、蓄電モジュールMODの内部情報から、蓄電モジュールMODや電池ブロックを構成する個々の電池の状態を検出する処理を行う。例えば、コントローラCNTは、個々の電池の電圧値と蓄電モジュールMODの電流経路に流れる電流値とを蓄電モジュールMODから受け取り、電圧値と電流値とを使用して個々の電池の劣化状態を検出する。電圧値と電流値とを使用してSOC(State of Charge)を算出する処理がコントーラCNTによって行われてもよい。個々の電池の電圧値が適正な値であるか否かが、コントローラCNTによって判定されるようにしてもよい。判定結果に応じて、複数の電池の電圧を均一にする処理(セルバランス制御)がコントローラCNTによって行われてもよい。
【0024】
「蓄電モジュールMODの構成」
図2は、電源装置の一例である蓄電モジュールMODの構成の一例を示す。図2は、蓄電モジュールMOD1を例にしている。他の蓄電モジュールMODである蓄電モジュールMOD2等についても図2に示す構成と同様の構成である。
【0025】
蓄電モジュールMOD1は、例えば、直列に接続された16個の電池ブロックBAT1、BAT2、BAT3・・・BAT16を備える。それぞれの電池ブロックを区別する必要がない場合は、適宜、電池ブロックBATと称する。なお、以下の説明では簡単のため、各電池ブロックを1つの電池でそれぞれ表し、電池ブロックを単に電池と称する。
【0026】
電池BATは、例えば、リチウムイオン二次電池である。電池BAT1の正極側が蓄電モジュールMOD1の正極端子11に接続されている。電池BAT16の負極側が蓄電モジュールMOD1の負極端子12に接続されている。
【0027】
それぞれの電池BATの端子間に、パッシブ方式のセルバランス制御を行うためのFET(Field Effect Transistor)1、FET2、FET3・・FET16が接続されてもよい。例えば、電池BAT2の劣化が特に進行し、電池BAT2の内部インピーダンスが増加したとする。この状態で蓄電モジュールMOD1に対して充電を行うと、電池BAT2以外の電池BATは、例えば、3.5Vまで正常に充電される。
【0028】
これに対して、電池BAT2は、内部インピーダンスが増加しているため、3.5Vまで充電されず、例えば、3.0Vまでしか充電されない。このため、電池BAT毎の電圧が異なり、セル間のバランスにばらつきが生じてしまう。しがたって、セル間のバランスのばらつきを解消するために、電池BAT2以外の電池BATに接続されているFETをオンし、電池BAT2以外の電池BATを0.5V放電させる。放電後にFETをオフする。放電後は、各電池BATの電圧は、例えば、3.0Vとなりセル間のバランスがとれる。このように、パッシブ方式と称されるセルバランス制御を行うようにしてもよい。なお、セルバランス制御の方式は、上述したパッシブ方式に限らず、いわゆるアクティブ方式や他の様々な方式を適用できる。
【0029】
蓄電モジュールMOD1には、電池BATの端子間の電圧を検出する電圧検出部(図示は省略している)がそれぞれ備えられる。電池BATの電圧値は、例えば、充電中および放電中を問わず、常時、検出されている。所定の周期で電池BATの電圧値が検出されるようにしてもよい。
【0030】
電圧検出部によって検出された各電池BATの電圧値(アナログ電圧データVb)がセル電圧マルチプレクサ(MUX(Multiplexer))13に供給される。例えば、電池BAT1の電圧値を示すアナログ電圧データVb1がセル電圧マルチプレクサ13に供給される。電池BAT2の電圧値を示すアナログ電圧データVb2がセル電圧マルチプレクサ13に供給される。同様に、電池BAT3〜電池BAT16のそれぞれの電圧値を示すアナログ電圧データVb3〜アナログ電圧データVb16がセル電圧マルチプレクサ13に供給される。
【0031】
セル電圧マルチプレクサ13は、例えば、所定の制御信号に応じてチャネルを切り替え、16個のアナログ電圧データVb1〜アナログ電圧データVb16の中から一のアナログ電圧データVbを選択する。セル電圧マルチプレクサ13によって選択された一のアナログ電圧データVbが、ADC(Analog to Digital Converter)14に供給される。所定の制御信号は、例えば、コントローラCNTから通信部20を介して供給されるチャネル切替信号である。
【0032】
蓄電モジュールMOD1には、それぞれの電池BATの温度を検出する温度検出部15が備えられる。温度検出部15によって、電池単位の温度が検出されてもよく、電池ブロック単位の温度が検出されるようにしてもよい。温度検出部15は、サーミスタ等の温度検出素子からなる。電池BATの温度は、例えば、充電中および放電中を問わず、常時、検出されている。所定の周期で電池BATの温度が検出されるようにしてもよい。
【0033】
温度検出部15によって検出された電池BAT毎の温度を示すアナログ温度データTが、セル温度マルチプレクサ(MUX)16に供給される。例えば、電池BAT1の温度を示すアナログ温度データT1がセル温度マルチプレクサ16に供給される。電池BAT2の温度を示すアナログ温度データT2がセル温度マルチプレクサ16に供給される。同様にして、電池BAT3〜電池BAT16のそれぞれの温度を示すアナログ温度データT3〜アナログ温度データT16がセル温度マルチプレクサ16に供給される。
【0034】
セル温度マルチプレクサ16は、所定の制御信号に応じてチャネルを切り替え、16個のアナログ温度データT1〜アナログ温度データT16から一のアナログ温度データTを選択する。そして、セル温度マルチプレクサ16によって選択された一のアナログ温度データTが、ADC14に供給される。所定の制御信号は、例えば、コントローラCNTから通信部20を介して供給されるチャネル切替信号である。
【0035】
第1の変換器の一例であるADC14は、セル電圧マルチプレクサ13から供給されるアナログ電圧データVbをデジタル電圧データVbに変換する。ADC14は、アナログ電圧データVbを、例えば、14〜18ビットのデジタル電圧データVbに変換する。なお、ADC14における変換方式には、逐次比較方式やΔΣ(デルタシグマ)方式など、種々の方式を適用できる。
【0036】
ADC14は、例えば、入力端子と、出力端子と、制御信号が入力される制御信号入力端子と、クロックパルスが入力されるクロックパルス入力端子とを備える。入力端子には、アナログ電圧データVbが入力される。出力端子からは、デジタル電圧データVbが出力される。
【0037】
制御信号入力端子には、例えば、コントローラCNTから通信部20を介して供給される制御信号が入力される。制御信号は、例えば、セル電圧マルチプレクサ13から供給されるアナログ電圧データVbの取得を指示する取得指示信号である。取得指示信号が入力されると、ADC14によってアナログ電圧データVbが取得され、取得されたアナログ電圧データVbがデジタル電圧データVbに変換される。そして、クロックパルス入力端子に入力される同期用のクロックパルスに応じて、デジタル電圧データVbが出力端子を介して出力される。出力されたデジタル電圧データVbがメモリ21に記憶される。
【0038】
さらに、制御信号入力端子には、セル温度マルチプレクサ16から供給されるアナログ温度データTの取得を指示する取得指示信号が入力される。取得指示信号に応じて、ADC14によってアナログ温度データTが取得される。取得されたアナログ温度データTが、ADC14によってデジタル温度データTに変換される。アナログ温度データTが、例えば14〜18ビットのデジタル温度データTに変換される。変換されたデジタル温度データTが出力端子を介して出力され、出力されたデジタル温度データTがメモリ21に記憶される。なお、ADC14の動作の詳細については、後述する。
【0039】
蓄電モジュールMOD1には、蓄電モジュールMOD1の電流経路に流れる電流値を検出する電流検出部が備えられる。電流検出部は、複数の電池BATに流れる電流値を検出する。電流検出部は、例えば、電池BAT16の負極側と負極端子12との間に接続される電流検出抵抗17と、電流検出アンプ18とからなる。電流検出抵抗17によって、電流検出抵抗17の両端の電圧値を示すアナログ電流データVcが検出される。アナログ電流データVcは、充電中および放電中を問わず、常時、検出されている。所定の周期でアナログ電流データVcが検出されるようにしてもよい。
【0040】
検出されたアナログ電流データVcが電流検出アンプ18に供給される。供給されたアナログ電流データVcが電流検出アンプ18によって増幅される。電流検出アンプ18のゲインは、例えば、50〜100倍程度に設定される。増幅されたアナログ電流データVcがADC19に供給される。
【0041】
第2の変換器の一例であるADC19は、電流検出アンプ18から供給されるアナログ電流データVcをデジタル電流データVcに変換する。ADC19によって、アナログ電流データVcが、例えば14〜18ビットのデジタル電流データVcに変換される。なお、ADC19における変換方式には、逐次比較方式やΔΣ(デルタシグマ)方式など、種々の方式を適用できる。
【0042】
ADC19は、例えば、入力端子と、出力端子と、制御信号が入力される制御信号入力端子と、クロックパルスが入力されるクロックパルス入力端子とを備える。入力端子には、アナログ電流データVcが入力される。出力端子からは、デジタル電流データVcが出力される。
【0043】
ADC19の制御信号入力端子には、例えば、コントローラCNTから通信部20を介して供給される制御信号が入力される。制御信号は、例えば、電流検出アンプ18から供給されるアナログ電流データVcの取得を指示する取得指示信号である。取得指示信号が入力されると、ADC19によってアナログ電流データVcが取得され、取得されたアナログ電流データVcがデジタル電流データVcに変換される。そして、クロックパルス入力端子に入力される同期用のクロックパルスに応じて、デジタル電流データVcが出力端子から出力される。出力されたデジタル電流データVcがメモリ21に記憶される。なお、ADC19の動作の詳細については、後述する。
【0044】
通信部20は、コントローラCNTと通信を行う。通信部20とコントローラCNTとの間で、シリアル通信の規格であるI2CやSMBus(System Management Bus)、SPI(Serial Peripheral Interface)、CAN等の規格に準じた双方向の通信が行われる。通信は、有線でもよく無線でもよい。通信部20は、メモリ21に記憶されているデジタル電圧データVbおよびデジタル電流データVcを、例えば、時分割多重してコントローラCNTに送信する。通信部20を介して、メモリ21に記憶されているシステム情報がコントローラCNTに送信されてもよい。
【0045】
コントローラCNTから蓄電モジュールMOD1に送信される制御信号は、通信部20によって受信される。受信された制御信号が蓄電モジュールMOD1の各部に伝送される。通信部20によって受信された制御信号が、セル電圧マルチプレクサ13、セル温度マルチプレクサ16、ADC14、ADC19等に適宜、伝送される。なお、蓄電モジュールMOD2等の上位の蓄電モジュールMODに対する制御信号は、例えば、下位の蓄電モジュールMOD1等を介して伝送される。
【0046】
メモリ21は、例えば、不揮発性メモリからなる。ADC14から供給されるデジタル電圧データVbおよびADC19から供給されるデジタル電流データVcがメモリ21に記憶される。ADC14から供給されるデジタル温度データTがメモリ21に記憶されてもよい。メモリ21にシステム情報が記憶されてもよい。システム情報は、例えば、電流検出抵抗17の抵抗値や、出荷時における電池BATのインピーダンスや適正な電圧値である。システム情報は、例えば、蓄電モジュールMODの使用開始時に検出され、検出されたシステム情報がメモリ21に記憶されるようにしてもよい。複数個のメモリによって、メモリ21が構成されてもよい。
【0047】
BGR(Band Gap Reference)22は、ADC14およびADC19における変換処理で、論理的な1または0を判定するための基準電圧を生成する。電池BATからBGR22に電力が供給されてもよく、外部の電源からBGR22に電力が供給されるようにしてもよい。
【0048】
電池BAT1の正極側と正極端子11との間のラインに、レギュレータ(REG)23が接続される。レギュレータ23は、例えば、シリーズレギュレータである。レギュレータ23は、電池BAT1等から出力される電圧を降圧して、蓄電モジュールMOD1の各部を動作させる電圧を生成する。レギュレータ23は、例えば、上述したBGR22に供給する電圧や、蓄電モジュールMOD1内にマイクロコンピュータ等の制御部が設けられる場合の、制御部を動作させる電圧を生成する。レギュレータ23は、例えば、3.3〜5.0Vの電圧を生成する。なお、スイッチを設け、レギュレータ23から供給される電圧と、外部から供給される電圧とが切替可能とされてもよい。
【0049】
電池BAT1の正極側と正極端子11との間のラインに、パワーシャットダウンスイッチ24が接続される。パワーシャットダウンスイッチ24は、通常時はオンとされ、蓄電モジュールMOD1に根本的な異常が生じた際にオフされる。例えば、通信部20とコントローラCNTとの間で通信が不可能になった場合や、ADC14と通信部20との間でデータの伝送が不可能になった場合に、パワーシャットダウンスイッチ24がオフされ、蓄電モジュールMOD1の回路が遮断される。パワーシャットダウンスイッチ24に対するオンオフの制御は、例えば、コントローラCNTによって行われる。
【0050】
「ADCの動作」
上述したように、一実施形態における蓄電モジュールMODは、2個のADCとしてADC14およびADC19を備える。ここで、参考のために、本開示とは異なり、蓄電モジュールMODが1個のADC(以下、このADCをADC30と適宜、表記する)で構成された場合の動作を説明する。ADC30には、セル電圧マルチプレクサ13から出力されるアナログ電圧データVbと、電流検出アンプ18から出力されるアナログ電流データVcとが入力される。
【0051】
図3は、ADC30の動作のタイミングの一例を示す。ADC30の制御信号入力端子に制御信号(取得指示信号)が入力される。取得指示信号に応じて、電池BAT1のアナログ電圧データVb1がADC30によって取得される。取得されたアナログ電圧データVb1がデジタル電圧データVb1に変換され、変換されたデジタル電圧データVb1がADC30から出力される。同様に、電池BAT2〜電池BAT16のアナログ電圧データVb2〜アナログ電圧データVb16がADC30によって順次取得される。取得されたアナログ電圧データVb2〜アナログ電圧データVb16がADC30によってデジタル電圧データVb2〜デジタル電圧データVb16に変換される。デジタル電圧データVb2〜デジタル電圧データVb16がADC30から出力される。
【0052】
全ての電池BAT1〜電池BAT16のアナログ電圧データVbが、ADC30によってデジタル電圧データVbに変換された後に、ADC30の入力端子にアナログ電流データVcが入力される。入力されたアナログ電流データVcがADC30によってデジタル電流データVcに変換される。変換されたデジタル電流データVcがADC30から出力される。
【0053】
ここで、電池BAT1個あたりのアナログ電圧データVbをデジタル電圧データVbに変換する処理時間が、例えば、10msecとすると、16個のアナログ電圧データVbをデジタル電圧データVbに変換する処理時間は、略160msecとなる。このため、ADC30によって電池BAT1のアナログ電圧データVb1が取得されるタイミングと、ADC30によってアナログ電流データVcが取得されるタイミングとの間には、少なくとも160msecの誤差が生じる。このように、誤差のあるタイミングによって検出された電圧値および電流値を使用して、例えば、電池BAT1のインピーダンスを算出しても正確なインピーダンスを算出することができない。他の電池BATについても同様の問題が生じる。
【0054】
特に、電池システム1に対して、例えば、負荷変動が激しいモータ系のインバータ回路が接続された場合には、負荷の変動に追随して、ある時点における正確な電圧値および電流値を検出し、正確なインピーダンスを算出することが要求される。しかしながら、上述したように、1個のADC30では、電圧値を検出するタイミングと電流値を検出するタイミングとの間に、必然的に誤差が生じてしまう。このため、例えば、電池BATの正確なインピーダンスを算出することができない。
【0055】
そこで、本開示における一実施形態では、例えば、2個のADCを使用して、電池BAT毎の電圧値の検出および電流値の検出を同時に行う。図4は、電池BAT毎の電圧値の検出および電流値の検出のタイミングの関係を模式的に示したものである。図4は、例えば、電池BAT1のアナログ電圧データVb1の取得指示信号がADC14に供給され、ADC14によってアナログ電圧データVb1が取得されると同時に、そのタイミングにおけるアナログ電流データVc1の取得指示信号がADC19に供給され、ADC19によってアナログ電流データVc1が取得されることを示している。他の電池BATについても同様のことを示している。
【0056】
動作を詳細に説明する。はじめに、コントローラCNTから蓄電モジュールMOD1に制御信号が送信される。制御信号は、例えば、ADC14およびADC19に対する取得指示信号S1と、セル電圧マルチプレクサ13に対するチャネル切替信号ST1とを含む。送信された制御信号が蓄電モジュールMOD1の通信部20によって受信される。受信された取得指示信号S1がADC14およびADC19に供給される。チャネル切替信号ST1がセル電圧マルチプレクサ13に供給される。
【0057】
セル電圧マルチプレクサ13は、チャネル切替信号ST1で指定されたチャネルに切り替え、一のアナログ電圧データVbを選択する。例えば、セル電圧マルチプレクサ13によって、電池BAT1のアナログ電圧データVb1が選択される。選択されたアナログ電圧データVb1がセル電圧マルチプレクサ13から出力され、出力されたアナログ電圧データVb1がADC14に供給される。
【0058】
ADC14は、供給された取得指示信号S1に応じて、セル電圧マルチプレクサ13から供給されたアナログ電圧データVb1を取得する。取得されたアナログ電圧データVb1がADC14によってデジタル電圧データVb1に変換される。変換されたデジタル電圧データVb1がADC14から出力され、出力されたデジタル電圧データVb1がメモリ21に記憶される。
【0059】
ADC19は、供給された取得指示信号S1に応じて、電流検出アンプ18から供給されたアナログ電流データVc1を取得する。取得されたアナログ電流データVc1がADC19によってデジタル電流データVc1に変換される。変換されたデジタル電流データVc1がADC19から出力され、出力されたデジタル電流データVc1がメモリ21に記憶される。デジタル電圧データVb1およびデジタル電流データVc1が、例えば、対応付けをもって記憶される。
【0060】
ここで、ADC14およびADC19は、同一の取得指示信号S1に応じてアナログ電圧データVb1とアナログ電流データVc1とを取得している。すなわち、アナログ電圧データVb1およびアナログ電流データVc1は、同一タイミングのデータである。
【0061】
なお、ADC14からデジタル電圧データVb1が出力されるタイミングと、ADC19からデジタル電流データVc1が出力されるタイミングは、ADC14およびADC19に入力されるクロックパルスによって規定される。この2つの出力タイミングは、同時でもよく、異なるタイミングでもよい。
【0062】
デジタル電圧データVb1とデジタル電流データVc1とがメモリ21に記憶されると、通信部20からコントローラ20に対して終了信号が送信される。コントローラCNTは終了信号を受信すると、制御信号を蓄電モジュールMOD1に送信する。この制御信号は、例えば、ADC14およびADC19に対する取得指示信号S2と、セル電圧マルチプレクサ13に対するチャネル切替信号ST2とを含む。取得指示信号S2がADC14およびADC19に供給され、チャネル切替信号ST2がセル電圧マルチプレクサ13に供給される。
【0063】
セル電圧マルチプレクサ13は、供給されたチャネル切替信号ST2に応じてチャネルを切り替え、一のアナログ電圧データを選択する。セル電圧マルチプレクサ13によって、電池BAT2のアナログ電圧データVb2が選択される。選択されたアナログ電圧データVb2がセル電圧マルチプレクサ13から出力され、出力されたアナログ電圧データVb2がADC14に供給される。
【0064】
ADC14は、供給された取得指示信号S2に応じて、セル電圧マルチプレクサ13から供給されたアナログ電圧データVb2を取得する。取得されたアナログ電圧データVb2がADC14によってデジタル電圧データVb2に変換される。変換されたデジタル電圧データVb2がADC14から出力され、出力されたデジタル電圧データVb2がメモリ21に記憶される。
【0065】
ADC19は、供給された取得指示信号S2に応じて、電流検出アンプ18から供給されたアナログ電流データVc2を取得する。取得されたアナログ電流データVc2がADC19によってデジタル電流データVc2に変換される。変換されたデジタル電流データVc2がADC19から出力され、出力されたデジタル電流データVc2がメモリ21に記憶される。ここで、ADC14およびADC19は、同一の取得指示信号S2に応じてアナログ電圧データVb2とアナログ電流データVc2とを取得している。すなわち、アナログ電圧データVb2とアナログ電流データVc2とは同一タイミングのデータである。
【0066】
同様にして、コントローラCNTからの取得指示信号S3に応じて、電池BAT3のアナログ電圧データVb3がADC14によって取得される。同時に、ADC19によってアナログ電流データVc3がADC19によって取得される。電池BAT4、電池BAT5・・電池BAT16についても同様の処理が行われ、個々の電池BATのアナログ電圧データVbがADC14によって取得されると同時に、それぞれのタイミングにおけるアナログ電流データVcがADC19によって取得される。
【0067】
全ての電池BATのアナログ電圧データVbに対する変換処理が終了すると、メモリ21には、16個のデジタル電圧データVbと、それぞれのデジタル電圧データVbに対応付けられた16個のデジタル電流データVcとが記憶される。通信部20は、メモリ21に記憶されているデジタル電圧データVbおよびデジタル電流データVcを、例えば時分割多重してコントローラCNTに送信する。
【0068】
一例として、送信するデータのヘッダに蓄電モジュールMOD1を示す識別子(ID)が付加され、その後にデジタル電圧データVb1、デジタル電流データVc1、デジタル電圧データVb2、デジタル電流データVc2・・デジタル電圧データVb16、デジタル電流データVc16が多重化されたデータがコントローラCNTに送信される。なお、蓄電モジュールMOD1の電流検出抵抗17の抵抗値や、出荷時における各電池BATのインピーダンス等のシステム情報が、送信されるデータに含まれてもよい。
【0069】
コントローラCNTは、通信部20から送信されたデータを受信し、受信したデータに応じた処理を行う。例えば、コントローラCNTは、デジタル電流データVc1と電流検出抵抗17の抵抗値とを使用した演算を行うことで電流値を算出する。そして、コントローラCNTは、算出した電流値とデジタル電圧データVb1とを使用して、電池BAT1のインピーダンスを算出する。
【0070】
コントローラCNTは、算出したインピーダンスと、蓄電モジュールMOD1から送信された出荷時における電池BAT1のインピーダンスとを比較し、電池BAT1の劣化度を求める。なお、出荷時における電池BAT1のインピーダンスは、コントローラCNTに記憶されていてもよい。
【0071】
コントローラCNTは、同様にして電池BAT2〜電池BAT16の劣化度を算出する。そして、コントローラCNTは、算出した劣化度に応じて、例えば、上述したセルバランスの処理を行う。最も劣化した電池BATのインピーダンスを求め、出荷時のインピーダンスに対する割合から蓄電モジュールMOD1の劣化率を求めるようにしてもよい。なお、各電池BATの劣化度を求める処理は、他の公知の手法を採用することができる。さらに、コントローラCNTによって他の処理が行われてもよい。例えば、求めたインピーダンスからSOCを算出するようにしてもよい。例えば、蓄電モジュールMOD1から送信されたデジタル電圧データVbが適正な範囲の値であるか否かが、コントローラCNTによって判定されてもよい。
【0072】
ここで、デジタル電圧データVbおよびデジタル電流データVcは、同一のタイミングにおけるアナログ電圧データVbおよびアナログ電流データVcが変換されたデータである。したがって、あるタイミングにおける正確な電圧値および電流値を得ることができる。さらに、タイミングの誤差(ずれ)に起因したインピーダンスの検出誤差が生じることなく、正確なインピーダンスを得ることができる。さらに、電圧と電流を同時に測定することでセルのインピーダンスを精度よく計算し、残量精度を上げることができる。
【0073】
「温度の検出について」
なお、図5にタイミングの一例を示すように、温度を検出する処理が行われてもよい。上述した処理の後に、コントローラCNTから蓄電モジュールMOD1に対して制御信号が送信される。制御信号は、例えば、ADC14に対する取得指示信号S17と、セル温度マルチプレクサ16に対するチャネル切替信号ST17とを含む。チャネル切替信号ST17に応じて、セル温度マルチプレクサ16はチャネルを切り替え、一のアナログ温度データを選択する。例えば、電池BAT1のアナログ温度データT1がセル温度マルチプレクサ16によって選択される。選択されたアナログ温度データT1がADC14の出力端子から出力される。出力されたアナログ温度データT1がADC14に供給される。
【0074】
ADC14は、コントローラCNTからの取得指示信号S17に応じて、セル温度マルチプレクサ16から供給されるアナログ温度データT1を取得する。取得されたアナログ温度データT1がADC14によってデジタル温度データT1に変換される。例えば、アナログ温度データT1が14〜18ビットからなるデジタル温度データT1に変換される。変換されたデジタル温度データT1がADC14から出力され、出力されたデジタル温度データT1がメモリ21に記憶される。
【0075】
デジタル温度データT1がメモリ21に記憶された後に、通信部20からコントローラCNTに終了信号が送信される。コントローラCNTは、終了信号を受信すると、制御信号を蓄電モジュールMOD1に送信する。制御信号は、例えば、ADC14に対する取得指示信号S18と、セル温度マルチプレクサ16に対するチャネル切替信号ST18とを含む。
【0076】
チャネル切替信号ST18に応じて、セル温度マルチプレクサ16はチャネルを切り替え、一のアナログ温度データを選択する。例えば、電池BAT2のアナログ温度データT2がセル温度マルチプレクサ16によって選択される。選択されたアナログ温度データT2がADC14に供給される。
【0077】
ADC14は、コントローラCNTからの取得指示信号S18に応じて、セル温度マルチプレクサ16から供給されるアナログ温度データT2を取得する。取得されたアナログ温度データT2がADC14によってデジタル温度データT2に変換される。変換されたデジタル温度データT2がADC14から出力され、出力されたデジタル温度データT2がメモリ21に記憶される。同様にして、電池BAT3〜電池BAT16のアナログ温度データT3〜アナログ温度データT16が取得される。取得されたアナログ温度データT3〜アナログ温度データT16がデジタル温度データT3〜デジタル温度データT16に変換される。変換されたデジタル温度データT3〜デジタル温度データT16がメモリ21に記憶される。
【0078】
メモリ21に記憶された16個のデジタル温度データT1〜デジタル温度データT16が、通信部20によってコントローラCNTに送信される。デジタル温度データTは、デジタル電圧データVbおよびデジタル電流データVbと共にコントローラCNTに送信されてもよく、デジタル電圧データVbおよびデジタル電流データVcとは別にコントローラCNTに送信されてもよい。さらに、16個のデジタル温度データTが、異なるタイミングでもって個別に送信されるようにしてもよい。
【0079】
なお、アナログ温度データTがアナログ電圧データVbを検出する間隔より長い間隔で検出されてもよい。例えば、アナログ電圧データVbを読み込む処理が周期的に行われ、16個の電池BATのアナログ電圧データVbを読み込むのに160msecの処理時間がかかるとする。この場合に、アナログ温度データTの検出が160msec毎に行われておもよく、160msecの整数倍毎に行われるようにしてもよい。
【0080】
電池BATのアナログ電圧データVbの変動や電流経路に流れるアナログ電流データVcの変動に対して、電池BATのアナログ温度データTの変動は小さい。このため、アナログ電圧データVbの検出と同時にアナログ温度データTの検出を行う必要性は小さく、本開示では、例えば、全ての電池BATのアナログ電圧データVbを検出した後にアナログ温度データTの検出を行うようにしている。アナログ電圧データVbの検出と同時にアナログ温度データTの検出を行わないため、アナログ温度データTをデジタル温度データTに変換するための専用のADCを設ける必要性がない。したがって、ハードウェア的な構成を小さくすることができ、コストを低減できる。さらに、使用電力を抑制することができる。
【0081】
<2.変形例>
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は、上述した実施形態に限られることなく、種々の変形が可能である。以下、変形例について説明する。
【0082】
図6は、変形例における蓄電モジュールMODの構成の一例を示す。図6では、蓄電モジュールMOD1を例にしている。蓄電モジュールMOD2〜蓄電モジュールMOD6についても同様の構成とされる。なお、図6において、一実施形態における蓄電モジュールMOD1と同一の構成については、同一の符号を付している。
【0083】
図6に示すように、変形例における蓄電モジュールMOD1では、セル温度マルチプレクサ16から出力されたアナログ温度データTがADC19に出力される。そして、アナログ温度データTがADC19によってデジタル温度データTに変換される。変換されたデジタル温度データTがADC19から出力され、出力されたデジタル温度データTがメモリ21に記憶される。このように、セル温度マルチプレクサ16から出力されたアナログ温度データTがADC19に供給されるようにしてもよい。蓄電モジュールMOD1によって行われる処理は、上述した一実施形態における蓄電モジュールMOD1の処理と同様である。
【0084】
本開示は、監視装置として構成することもできる。例えば、図7に示すように、少なくともADC14およびADC19を含む監視装置40として構成することができる。監視装置40がメモリ21を備える構成としてもよい。なお、BGR22の機能がADC14およびADC19のそれぞれに組み込まれていてもよい。監視装置40において、上述した一実施形態における処理と同様の処理が行われる。
【0085】
本開示は、監視制御装置として構成することもできる。例えば、図8に示すように、蓄電モジュールMOD1に制御部25が設けられる。制御部25が、上述したコントローラCNTの機能をつかさどるようにしてもよい。少なくとも、ADC14、ADC19および制御部25を含む監視制御装置50として構成してもよい。監視制御装置50がメモリ21を備える構成としてもよい。監視制御装置50が通信部20を含む構成としてもよい。
【0086】
さらに、制御部25が通信部20を介さず、ADC14、ADC19およびメモリ21を直接、制御するようにしてもよい。さらに、少なくとも、複数の電池BATと、ADC14と、ADC19と、制御部25とを含む蓄電モジュールMODとして構成することもできる。さらに、制御部25を1チップのIC(Integrated Circuit)とし、ADC14、ADC19、メモリ21等の機能が制御部25に組み込まれるようにしてもよい。監視制御装置50において、上述した一実施形態における処理と同様の処理が行われる。
【0087】
上述した一実施形態および変形例において、デジタル電圧データVb、デジタル電流データVcおよびデジタル温度データTが、メモリ21に記憶されずにコントローラCNTに送信されてもよい。
【0088】
上述した一実施形態および変形例では、電流検出抵抗17の両端の電圧値と、電流検出抵抗17の抵抗値を使用して電流値を求める演算がコントローラCNTで行われるようにしたが、蓄電モジュールMODで演算が行われてもよい。
【0089】
上述した一実施形態および変形例では、16個の電池BATのアナログ電圧データVbを検出した後にアナログ温度データTを取得するようにしたが、間欠的にアナログ温度データTが取得されるようにしてもよい。例えば、電池BAT1のアナログ電圧データVb1が取得されるタイミングと、電池BAT2のアナログ電圧データVb2が取得されるタイミングとの間のタイミングで、アナログ温度データTが取得されるようにしてもよい。
【0090】
上述した一実施形態および変形例では、16個のデジタル電圧データVbおよび16個のデジタル電流データVcを一括してコントローラCNTに送信したが、個々のデジタル電圧データVbおよびデジタル電流データVcを送信するようにしてもよい。例えば、通信部20からコントローラCNTに終了信号が送信される際に、個々のデジタル電圧データVbおよびデジタル電流データVc(例えば、デジタル電圧データVb1およびデジタル電流データVc1)が終了信号と同時に送信されるようにしてもよい。
【0091】
上述した一実施形態および変形例において、蓄電モジュールMODとコントローラCNTとの間でなされる通信の内容は適宜、変更できる。例えば、コントローラCNTからの取得指示信号に応じて、それぞれの電池BATのデジタル電圧データVbおよびデジタル電流データVcが所定の間隔で順次、取得されるようにしてもよい。取得されたデジタル電圧データVbおよびデジタル電流データVcがメモリ21に記憶され、記憶されたデジタル電圧データVbおよびデジタル電流データVcがコントローラCNTに対して送信されるようにしてもよい。
【0092】
上述した一実施形態および変形例において、電池BATが電池ブロックで構成される場合には、電池ブロックを構成する個々の電池の電圧値が測定されると同時に、複数の電池ブロックに流れる電流値が測定される。
【0093】
なお、一実施形態および変形例における構成および処理は、技術的矛盾が生じない範囲で適宜組み合わせることができる。さらに、上述した一実施形態および変形例における処理は、監視方法、監視制御方法として構成できるほか、制御部等によって実行されるプログラム、そのプログラムが記録された記録媒体として構成できる。
【0094】
<3.応用例>
以下、蓄電モジュールMODの応用例について説明する。なお、蓄電モジュールMODの応用例は、以下に説明する応用例に限られることはない。
【0095】
「応用例としての住宅における蓄電システム」
本開示を住宅用の蓄電システムに適用した例について、図9を参照して説明する。例えば住宅101用の蓄電システム100においては、火力発電102a、原子力発電102b、水力発電102c等の集中型電力系統102から電力網109、情報網112、スマートメータ107、パワーハブ108等を介し、電力が蓄電装置103に供給される。これと共に、家庭内発電装置104等の独立電源から電力が蓄電装置103に供給される。蓄電装置103に供給された電力が蓄電される。蓄電装置103を使用して、住宅101で使用する電力が給電される。住宅101に限らずビルに関しても同様の蓄電システムを使用できる。
【0096】
住宅101には、発電装置104、電力消費装置105、蓄電装置103、各装置を制御する制御装置110、スマートメータ107、各種情報を取得するセンサ111が設けられている。各装置は、電力網109および情報網112によって接続されている。発電装置104として、太陽電池、燃料電池、風車等が利用され、発電した電力が電力消費装置105および/または蓄電装置103に供給される。電力消費装置105は、冷蔵庫105a、空調装置105b、テレビジョン受信機105c、風呂105d等である。さらに、電力消費装置105には、電動車両106が含まれる。電動車両106は、電気自動車106a、ハイブリッドカー106b、電気バイク106cである。電動車両106は、電動アシスト自転車等でもよい。
【0097】
蓄電装置103は、二次電池又はキャパシタから構成されている。例えば、リチウムイオン二次電池によって構成されている。リチウムイオン二次電池は、定置型であっても、電動車両106で使用されるものでも良い。この蓄電装置103に対して、上述した本開示の蓄電モジュールMOD(電源装置)が適用可能とされる。1または複数の蓄電モジュールMODが適用可能である。スマートメータ107は、商用電力の使用量を検出し、検出された使用量を、電力会社に送信する機能を備えている。電力網109は、直流給電、交流給電、非接触給電の何れか一つまたは複数を組み合わせても良い。
【0098】
各種のセンサ111は、例えば人感センサ、照度センサ、物体検知センサ、消費電力センサ、振動センサ、接触センサ、温度センサ、赤外線センサ等である。各種センサ111により取得された情報は、制御装置110に送信される。センサ111からの情報によって、気象の状態、人の状態等が把握されて電力消費装置105を自動的に制御してエネルギー消費を最小とすることができる。さらに、制御装置110は、住宅101に関する情報を、インターネットを介して外部の電力会社等に送信することができる。
【0099】
パワーハブ108によって、電力線の分岐、直流交流変換等の処理がなされる。制御装置110と接続される情報網112の通信方式としては、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter:非同期シリアル通信用送受信回路)等の通信インタフェースを使う方法、Bluetooth、ZigBee、Wi−Fi等の無線通信規格によるセンサネットワークを利用する方法がある。Bluetooth方式は、マルチメディア通信に適用され、一対多接続の通信を行うことができる。ZigBeeは、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers) 802.15.4の物理層を使用するものである。IEEE802.15.4は、PAN(Personal Area Network) またはW(Wireless)PANと呼ばれる短距離無線ネットワーク規格の名称である。
【0100】
制御装置110は、外部のサーバ113と接続されている。このサーバ113は、住宅101、電力会社、サービスプロバイダーの何れかによって管理されていても良い。サーバ113が送受信する情報は、たとえば、消費電力情報、生活パターン情報、電力料金、天気情報、天災情報、電力取引に関する情報である。これらの情報は、家庭内の電力消費装置(たとえばテレビジョン受信機)から送受信しても良いが、家庭外の装置(たとえば、携帯電話機等)から送受信しても良い。これらの情報は、表示機能を持つ機器、たとえば、テレビジョン受信機、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)等に、表示されても良い。
【0101】
各部を制御する制御装置110は、CPU(Central Processing Unit )、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等で構成され、この例では、蓄電装置103に格納されている。制御装置110は、蓄電装置103、家庭内発電装置104、電力消費装置105、各種センサ111、サーバ113と情報網112により接続され、例えば、商用電力の使用量と、発電量とを調整する機能を有している。なお、その他にも、電力市場で電力取引を行う機能等を備えていても良い。
【0102】
以上のように、電力が火力102a、原子力102b、水力102c等の集中型電力系統102のみならず、家庭内発電装置104(太陽光発電、風力発電)の発電電力を蓄電装置103に蓄えることができる。したがって、家庭内発電装置104の発電電力が変動しても、外部に送出する電力量を一定にしたり、または、必要なだけ放電するといった制御を行うことができる。例えば、太陽光発電で得られた電力を蓄電装置103に蓄えると共に、夜間は料金が安い深夜電力を蓄電装置103に蓄え、昼間の料金が高い時間帯に蓄電装置103によって蓄電した電力を放電して利用するといった使い方もできる。
【0103】
なお、この例では、制御装置110が蓄電装置103内に格納される例を説明したが、スマートメータ107内に格納されても良いし、単独で構成されていても良い。さらに、蓄電システム100は、集合住宅における複数の家庭を対象として用いられてもよいし、複数の戸建て住宅を対象として用いられてもよい。
【0104】
「応用例としての車両における蓄電システム」
本開示を車両用の蓄電システムに適用した例について、図10を参照して説明する。図10に、本開示が適用されるシリーズハイブリッドシステムを採用するハイブリッド車両の構成の一例を概略的に示す。シリーズハイブリッドシステムはエンジンで動かす発電機で発電された電力、あるいはそれをバッテリーに一旦貯めておいた電力を用いて、電力駆動力変換装置で走行する車である。
【0105】
このハイブリッド車両200には、エンジン201、発電機202、電力駆動力変換装置203、駆動輪204a、駆動輪204b、車輪205a、車輪205b、バッテリー208、車両制御装置209、各種センサ210、充電口211が搭載されている。バッテリー208に対して、上述した本開示の蓄電モジュールMODが適用される。蓄電モジュールMODが1または複数適用される。
【0106】
ハイブリッド車両200は、電力駆動力変換装置203を動力源として走行する。電力駆動力変換装置203の一例は、モータである。バッテリー208の電力によって電力駆動力変換装置203が作動し、この電力駆動力変換装置203の回転力が駆動輪204a、204bに伝達される。なお、必要な個所に直流−交流(DC−AC)あるいは逆変換(AC−DC変換)を用いることによって、電力駆動力変換装置203が交流モータでも直流モータでも適用可能である。各種センサ210は、車両制御装置209を介してエンジン回転数を制御したり、図示しないスロットルバルブの開度(スロットル開度)を制御したりする。各種センサ210には、速度センサ、加速度センサ、エンジン回転数センサなどが含まれる。
【0107】
エンジン201の回転力は発電機202に伝えられ、その回転力によって発電機202により生成された電力をバッテリー208に蓄積することが可能である。
【0108】
図示しない制動機構によりハイブリッド車両が減速すると、その減速時の抵抗力が電力駆動力変換装置203に回転力として加わり、この回転力によって電力駆動力変換装置203により生成された回生電力がバッテリー208に蓄積される。
【0109】
バッテリー208は、ハイブリッド車両の外部の電源に接続されることで、その外部電源から充電口211を入力口として電力供給を受け、受けた電力を蓄積することも可能である。
【0110】
図示しないが、二次電池に関する情報に基いて車両制御に関する情報処理を行なう情報処理装置を備えていても良い。このような情報処理装置としては、例えば、電池の残量に関する情報に基づき、電池残量表示を行う情報処理装置などがある。
【0111】
なお、以上は、エンジンで動かす発電機で発電された電力、或いはそれをバッテリーに一旦貯めておいた電力を用いて、モータで走行するシリーズハイブリッド車を例として説明した。しかしながら、エンジンとモータの出力がいずれも駆動源とし、エンジンのみで走行、モータのみで走行、エンジンとモータ走行という3つの方式を適宜切り替えて使用するパラレルハイブリッド車に対しても本開示は有効に適用可能である。さらに、エンジンを用いず駆動モータのみによる駆動で走行する所謂、電動車両に対しても本開示は有効に適用できる。
【0112】
本開示は、以下の構成をとることもできる。
(1)
電池毎の電圧値を示す第1のアナログデータを第1のデジタルデータに変換する第1の変換器と、
複数の前記電池を流れる電流値を示す第2のアナログデータを第2のデジタルデータに変換する第2の変換器とを備え、
前記第1のアナログデータと前記第2のアナログデータとは、同一タイミングのデータである監視装置。
(2)
複数の電池または電池毎の温度を示す第3のアナログデータが、前記第1のアナログデータを検出する間隔より長い間隔で検出され、
前記第3のアナログデータが、前記第1および前記第2の変換器の何れか一方に供給される(1)に記載の監視装置。
(3)
前記第1のデジタルデータと、前記第2のデジタルデータとを記憶する記憶部を備える(1)または(2)に記載の監視装置。
(4)
前記第1のデジタルデータと、前記第2のデジタルデータとを外部に送信する通信部を備える(1)乃至(3)のいずれか1に記載の監視装置。
(5)
電池毎の電圧値を示す第1のアナログデータを第1のデジタルデータに変換する第1の変換器と、
複数の前記電池を流れる電流値を示す第2のアナログデータを第2のデジタルデータに変換する第2の変換器と、
前記第1の変換器から供給される前記第1のデジタルデータと、前記第2の変換器とから供給される前記第2のデジタルデータとに応じた制御を行う制御部とを備え、
前記第1のアナログデータと前記第2のアナログデータとは、同一タイミングのデータである監視制御装置。
(6)
複数の電池または電池毎の温度を示す第3のアナログデータが、前記第1のアナログデータを検出する間隔より長い間隔で検出され、
前記第3のアナログデータが、前記第1および前記第2の変換器の何れか一方に供給される(5)に記載の監視制御装置。
(7)
複数の電池と、
前記電池毎の電圧値を示す第1のアナログデータを第1のデジタルデータに変換する第1の変換器と、
複数の前記電池を流れる電流値を示す第2のアナログデータを第2のデジタルデータに変換する第2の変換器とを備え、
前記第1のアナログデータと前記第2のアナログデータとは、同一タイミングのデータである電源装置。
(8)
複数の電池と、
電池毎の電圧値を示す第1のアナログデータを第1のデジタルデータに変換する第1の変換器と、
複数の前記電池を流れる電流値を示す第2のアナログデータを第2のデジタルデータに変換する第2の変換器と、
前記第1の変換器から供給される前記第1のデジタルデータと、前記第2の変換器とから供給される前記第2のデジタルデータとに応じた制御を行う制御部とを備え、
前記第1のアナログデータと前記第2のアナログデータとは、同一タイミングのデータである電源装置。
(9)
第1の変換器と、第2の変換器とを備える監視装置における監視方法であり、
前記第1の変換器によって、電池毎の電圧値を示す第1のアナログデータが第1のデジタルデータに変換され、
前記第2の変換器によって、複数の前記電池を流れる電流値を示す第2のアナログデータが第2のデジタルデータに変換され、
前記第1のアナログデータと前記第2のアナログデータとは、同一タイミングのデータである監視方法。
(10)
第1の変換器と、第2の変換器と、制御部とを備える監視制御装置における監視制御方法であり、
前記第1の変換器によって、電池毎の電圧値を示す第1のアナログデータが第1のデジタルデータに変換され、
前記第2の変換器によって、複数の前記電池を流れる電流値を示す第2のアナログデータが第2のデジタルデータに変換され、
前記制御部によって、前記第1の変換器から供給される前記第1のデジタルデータと、前記第2の変換器とから供給される前記第2のデジタルデータとに応じた制御が行われ、
前記第1のアナログデータと前記第2のアナログデータとは、同一タイミングのデータである監視制御方法。
(11)
(7)または(8)に記載の電源装置を1または複数備え、前記電源装置が再生可能なエネルギーから発電を行う発電装置によって充電される蓄電システム。
(12)
(7)または(8)に記載の電源装置を1または複数備え、前記電源装置に接続される電子機器に電力を供給する蓄電システム。
(13)
(7)または(8)に記載の電源装置を1または複数備え、前記電源装置から電力の供給を受ける電子機器。
(14)
(7)または(8)に記載の電源装置を1または複数備え、前記電源装置から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、前記電源装置に関する情報に基づいて、車両制御に関する情報処理を行う制御装置とを有する電動車両。
(15)
1または複数の(7)または(8)に記載の電源装置と、
他の機器とネットワークを介して信号を送受信する電力情報送受信部とを備え、
前記電力情報送受信部が受信した情報に基づき、前記電源装置の充放電制御を行う電力システム。
(16)
(7)または(8)に記載の電源装置を1または複数備え、
前記電源装置から電力の供給を受け、または、発電装置または電力網から前記電源装置に電力を供給する電力システム。
【符号の説明】
【0113】
1・・・・電池システム
13・・・セル電圧マルチプレクサ
14、19・・・ADC
15・・・温度検出部
16・・・セル温度マルチプレクサ
17・・・電流検出抵抗
18・・・電流検出アンプ
20・・・通信部
21・・・メモリ
40・・・監視装置
50・・・監視制御装置
BAT1〜BAT16・・・電池ブロックまたは電池
MOD1〜MOD6・・・蓄電モジュール
CNT・・・コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池毎の電圧値を示す第1のアナログデータを第1のデジタルデータに変換する第1の変換器と、
複数の前記電池を流れる電流値を示す第2のアナログデータを第2のデジタルデータに変換する第2の変換器とを備え、
前記第1のアナログデータと前記第2のアナログデータとは、同一タイミングのデータである監視装置。
【請求項2】
複数の電池または電池毎の温度を示す第3のアナログデータが、前記第1のアナログデータを検出する間隔より長い間隔で検出され、
前記第3のアナログデータが、前記第1および前記第2の変換器の何れか一方に供給される請求項1に記載の監視装置。
【請求項3】
前記第1のデジタルデータと、前記第2のデジタルデータとを記憶する記憶部を備える請求項1に記載の監視装置。
【請求項4】
前記第1のデジタルデータと、前記第2のデジタルデータとを外部に送信する通信部を備える請求項1に記載の監視装置。
【請求項5】
電池毎の電圧値を示す第1のアナログデータを第1のデジタルデータに変換する第1の変換器と、
複数の前記電池を流れる電流値を示す第2のアナログデータを第2のデジタルデータに変換する第2の変換器と、
前記第1の変換器から供給される前記第1のデジタルデータと、前記第2の変換器とから供給される前記第2のデジタルデータとに応じた制御を行う制御部とを備え、
前記第1のアナログデータと前記第2のアナログデータとは、同一タイミングのデータである監視制御装置。
【請求項6】
複数の電池または電池毎の温度を示す第3のアナログデータが、前記第1のアナログデータを検出する間隔より長い間隔で検出され、
前記第3のアナログデータが、前記第1および前記第2の変換器の何れか一方に供給される請求項5に記載の監視制御装置。
【請求項7】
複数の電池と、
前記電池毎の電圧値を示す第1のアナログデータを第1のデジタルデータに変換する第1の変換器と、
複数の前記電池を流れる電流値を示す第2のアナログデータを第2のデジタルデータに変換する第2の変換器とを備え、
前記第1のアナログデータと前記第2のアナログデータとは、同一タイミングのデータである電源装置。
【請求項8】
複数の電池と、
電池毎の電圧値を示す第1のアナログデータを第1のデジタルデータに変換する第1の変換器と、
複数の前記電池を流れる電流値を示す第2のアナログデータを第2のデジタルデータに変換する第2の変換器と、
前記第1の変換器から供給される前記第1のデジタルデータと、前記第2の変換器とから供給される前記第2のデジタルデータとに応じた制御を行う制御部とを備え、
前記第1のアナログデータと前記第2のアナログデータとは、同一タイミングのデータである電源装置。
【請求項9】
第1の変換器と、第2の変換器とを備える監視装置における監視方法であり、
前記第1の変換器によって、電池毎の電圧値を示す第1のアナログデータが第1のデジタルデータに変換され、
前記第2の変換器によって、複数の前記電池を流れる電流値を示す第2のアナログデータが第2のデジタルデータに変換され、
前記第1のアナログデータと前記第2のアナログデータとは、同一タイミングのデータである監視方法。
【請求項10】
第1の変換器と、第2の変換器と、制御部とを備える監視制御装置における監視制御方法であり、
前記第1の変換器によって、電池毎の電圧値を示す第1のアナログデータが第1のデジタルデータに変換され、
前記第2の変換器によって、複数の前記電池を流れる電流値を示す第2のアナログデータが第2のデジタルデータに変換され、
前記制御部によって、前記第1の変換器から供給される前記第1のデジタルデータと、前記第2の変換器とから供給される前記第2のデジタルデータとに応じた制御が行われ、
前記第1のアナログデータと前記第2のアナログデータとは、同一タイミングのデータである監視制御方法。
【請求項11】
請求項7または8に記載の電源装置を1または複数備え、前記電源装置が再生可能なエネルギーから発電を行う発電装置によって充電される蓄電システム。
【請求項12】
請求項7または8に記載の電源装置を1または複数備え、前記電源装置に接続される電子機器に電力を供給する蓄電システム。
【請求項13】
請求項7または8に記載の電源装置を1または複数備え、前記電源装置から電力の供給を受ける電子機器。
【請求項14】
請求項7または8に記載の電源装置を1または複数備え、前記電源装置から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、前記電源装置に関する情報に基づいて、車両制御に関する情報処理を行う制御装置とを有する電動車両。
【請求項15】
1または複数の請求項7または8に記載の電源装置と、
他の機器とネットワークを介して信号を送受信する電力情報送受信部とを備え、
前記電力情報送受信部が受信した情報に基づき、前記電源装置の充放電制御を行う電力システム。
【請求項16】
請求項7または8に記載の電源装置を1または複数備え、
前記電源装置から電力の供給を受け、または、発電装置または電力網から前記電源装置に電力を供給する電力システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−9514(P2013−9514A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140453(P2011−140453)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.ZIGBEE
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】