監視装置選択プログラム、選択装置、および選択方法
【課題】膨大な台数のカメラが管理されているシステムでは、災害等が発生したときに、その災害に関連する範囲内のカメラの映像を見たくても、それらのカメラを迅速に選択することが難しかった。
【解決手段】選択の基準となる基準場所として災害等が発生した場所の位置を指定する。そして、基準場所に関連する範囲(選択範囲)を指定するための範囲指定情報を指定する。管理しているすべてのカメラのうち、選択範囲内にあるカメラのみを選択する。範囲指定情報は、基準場所からの直線距離や、基準場所を通る河川等からの距離や、基準場所が広がりを有する場合はその端点の位置などの情報を含む。
【解決手段】選択の基準となる基準場所として災害等が発生した場所の位置を指定する。そして、基準場所に関連する範囲(選択範囲)を指定するための範囲指定情報を指定する。管理しているすべてのカメラのうち、選択範囲内にあるカメラのみを選択する。範囲指定情報は、基準場所からの直線距離や、基準場所を通る河川等からの距離や、基準場所が広がりを有する場合はその端点の位置などの情報を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理システムによって設置位置が管理されている複数台の監視装置の中から、指定された基準場所に関連がある範囲に設置された監視装置を選択するプログラム、装置、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
道路や橋や河川など、各種機関が管理する施設や区域において、監視用のカメラが広範囲に多数設置されている。また、それらのカメラの設置位置やそれらのカメラで撮影した映像を管理するするシステム(以後「カメラ管理システム」とよぶ)が構築されている。
【0003】
図13は従来のカメラ管理システムの例を示す。図13では、複数台のカメラ(101−1と101−2)とカメラ管理サーバ102がネットワークで接続されており、カメラ管理サーバ102がカメラ情報データベース103(以後「データベース」を「DB」と書く)を使ってそれら複数台のカメラを管理している。カメラ情報DB103には、各カメラの名称、カメラで撮影した動画を見るためにアクセスすべきアドレスなどの映像情報、カメラの設置位置に関する位置情報などからなるカメラ情報が格納されている。
【0004】
カメラ管理システムの利用者はクライアント104から不図示のネットワークを介してカメラ管理サーバ102にアクセスすることができる。
カメラ管理サーバ102は、利用者がカメラを選択するのに必要な情報(カメラ名称や位置情報)をカメラ情報DB103から取得し、それらの情報をクライアント104に送信する。送信された情報にもとづき、クライアント104の画面107上には、カメラ一覧画面105や、カメラの位置を示すアイコンを地図上に重ねて表示した地図位置情報画面106などが表示される。利用者は、マウス操作などによりカメラ一覧画面105や地図位置情報画面106から所望のカメラを選択する。すると、どのカメラが選択されたかという情報がカメラ管理サーバ102に送信されるので、カメラ管理サーバ102は、選択されたカメラが撮影した映像をクライアント104に送信する。従来のカメラ管理システムにおいて利用者は、以上のようにしてカメラを選択することにより、必要な映像をクライアント104の画面107上に表示させることができる。
【0005】
図14は従来のカメラ管理システムの別の例を示す。図14の例では、図13のカメラ管理システムと同様の機能を備えた四つのカメラ管理システムA〜D(100A〜100D)がある。カメラ管理システム100Dは、他の三つのカメラ管理システム(100A〜100C)とネットワークを介して接続されており、他のカメラ管理システム(100A〜100C)で管理されているカメラ情報DB(103A〜103C)をカメラ管理サーバ102Dから参照することができるように、他の三つのカメラ管理システム(100A〜100C)と連携している。図14では、各カメラ管理システム(100A〜100D)につき一台のカメラ(101A〜100D)しか図示していないが、実際には各カメラ管理システム(100A〜100D)はそれぞれ複数台のカメラを管理している。
【0006】
例えば、カメラ管理システムD(100D)の利用者は、図13と同様に不図示のネットワークを介してカメラ管理システムD(100D)のカメラ管理サーバ102Dにアクセスすることができる。このとき、カメラ管理システムD(100D)のカメラ管理サーバ102Dは、利用者がカメラを選択するのに必要な情報を、カメラ管理システムD(100D)のカメラ情報DB(103D)から取得するだけではなく、連携している他の三つのカメラ管理システム(100A〜100C)のカメラ情報DB(103A〜103C)からも取得する。その結果、四つのカメラ管理システム(100A〜100D)で管理されているすべてのカメラ(101A〜101D)について、カメラ一覧画面105や地図位置情報画面106として利用者のクライアント104の画面107上に表示することができる。
【0007】
よって、利用者は、どのカメラ管理システムで管理されているカメラかという違いを気にせずに所望のカメラで撮影した映像を見ることができる。例えば図14では、利用者がカメラ管理システムD(100D)のカメラ管理サーバ102Dにアクセスしているが、カメラ管理システムC(100C)で管理されているカメラ101Cを所望のカメラとして選択することができる。このように複数のカメラ管理システムが連携することによって、既設のカメラに関する情報が共有化される。
【0008】
ところで、近年の技術向上により映像技術が一般化し、監視用のカメラの台数が飛躍的に増加している。つまり、図13のカメラ管理システムや図14の個々のカメラ管理システムがそれぞれ管理するカメラの台数が増加している。さらに、近年のIP(Internet Protocol)ネットワークの普及により、図14のように複数のカメラ管理システム(100A〜100D)が連携する仕組みも広まっている。その結果、図14において利用者が利用可能なカメラは広範囲に及ぶようになり、台数も大幅に増加している。
【0009】
このように利用可能なカメラの台数が膨大な場合、必要な映像を迅速に選択することが困難になるという問題がある。この問題は、いつも所定のカメラで撮影した映像のみを利用者が見る場合なら、例えばカメラ管理システムが利用者ごとに所定のカメラを記憶するなどの対策により解決することが可能である。しかし、どのカメラで撮影した映像が必要なのかが予め決まっておらず、しかも迅速に必要な映像を選択することが重要な場合には、それでは対応することができない。
【0010】
例えば、防災担当者が図14のカメラ管理システムD(100D)を利用する場合を考える。災害はいつどこで発生するかが不明であり、災害の種類や程度によって災害の影響を受ける範囲も異なる。しかし、災害発生時には、その範囲に含まれるカメラを利用者(防災担当者)が選択し、それらのカメラで撮影した映像を参考にしながら災害に対応することが望ましい。しかし、その範囲は予め決まっておらず不定である。また、災害への対応は迅速に行われるべきであるから、カメラの選択も迅速に行われなくてはならない。
【0011】
一方、図14のような従来のカメラ管理システムにおいては、利用可能なカメラの台数が膨大だと、どのカメラで撮影した映像が必要なのかという範囲が予め決まっていない場合、必要な映像を迅速に選択することが困難であるという問題があった。
【0012】
困難な理由として第一に、膨大な数の中から必要なもののみを選択するのには時間がかかることが挙げられる。第二の理由としては、選択に必要な知識を利用者が持ち、その知識にもとづいて選択する必要があるために、知識量等によっては選択を適切かつ迅速に行うことが不可能なことが挙げられる。例えば、利用可能なすべてのカメラが設置位置の住所とともにリストアップされていても、知識がない利用者は住所から地理的な位置関係を把握することができないため、いずれのカメラを選択すべきか判断することができない。これでは当然、迅速な選択はかなわない。
【0013】
なお、特許文献1は監視カメラを備えた防災システムについて記載しているが、この問題を解決するものではない。特許文献1に記載の防災システムでは、火災等の異常が発生すると、監視区域に設置された防災センサーからの発報信号により、予め準備された異常発生箇所の平面配置図を自動的に選択して表示画面に表示するともに、防災センサーに対応した監視カメラによって撮像された現場の映像も表示する。しかし、この防災システムでは災害発生場所という特定の点の情報に対応して当該箇所の映像を表示するだけであり、ある広がりを持った範囲に災害が及ぼす影響や波及を考慮していない。よって、上記の問題を解決することはできない。
【特許文献1】特許3196041号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の課題は、複数の監視装置について設置位置が管理されている場合、特にその台数が膨大である場合に、ある基準場所と関連のある範囲に設置された監視装置をそれら複数の監視装置の中から迅速に選択することができるようにすることである。
【0015】
例えば、上記監視装置は監視用のカメラであり、上記基準場所はある一つの災害の発生箇所であり、上記範囲はその災害の影響を受ける範囲である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明による監視装置選択プログラムは、複数の監視装置の中から一部の監視装置を選択する監視装置選択プログラムであって、選択の基準となる場所である基準場所を示す基準場所情報を指定する第一のステップと、前記基準場所に関連する範囲である選択範囲を規定するための範囲指定情報を指定する第二のステップと、前記複数の監視装置の各々について該監視装置の設置位置を示す設置位置情報を管理するデータベースを検索し、前記複数の監視装置の各々について、前記選択範囲に当該監視装置の前記設置位置が含まれるか否かを判定し、含まれると判定された前記監視装置を選択する第三のステップと、をコンピュータに実行させる。
【0017】
実施形態によって、前記基準場所情報および前記範囲指定情報の内容が異なり、それに応じて前記選択範囲が異なる。ある実施形態では、前記基準場所は一点であって前記基準場所情報は該一点の位置を示す情報であり、前記範囲指定情報は、前記基準場所からの距離bと、前記基準場所を通る線であって予め定義されている線からの距離を示す値gとを含む。別の実施形態では、前記基準場所は予め定められた特定範囲であって前記基準場所情報は該特定範囲を識別する情報であり、前記範囲指定情報は、前記特定範囲を含むn角形のn個の頂点の位置に関する情報を含み、前記選択範囲は前記n角形の内部である。
【0018】
本発明による監視装置選択装置は上記のプログラムにしたがって動作する装置であり、本発明による監視装置選択方法は上記のプログラムがコンピュータに実行させる方法である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、基準場所を示す基準場所情報を指定し、その基準場所に関連する範囲を定めるための範囲指定情報を指定することによって、その基準場所と関連がある一定の範囲内に設置された監視装置が自動的に選択される。つまり、基準場所だけでなく、一定の広がりを持つ範囲を考慮して選択がなされる。よって、災害発生時等、ある基準場所から一定の範囲に影響が及び、その範囲を考慮して監視装置を選択すべき場合に本発明は好適である。また、選択は自動的になされるので、前記複数の監視装置の台数が膨大であっても迅速な選択が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の原理を説明するフローチャートである。後述するとおり、本発明は様々な形態で実施することができるが、図1はそれらの実施形態に共通する原理を示す。
【0021】
図1に示した処理は、複数の監視装置(例えば監視用に設置した複数のカメラ)の設置位置情報を管理するデータベースにアクセス可能なコンピュータにより実行される。例えば監視装置がカメラである場合、図1の処理によって、必要な映像を撮影しているカメラをそれら複数のカメラの中から選択し、選択結果を出力する。
【0022】
ステップS101では、選択の基準となる場所である基準場所を示す基準場所情報を指定する。つまり、基準場所情報のデータをメモリに格納する。
基準場所は、一つの地点でもよく、一定の広がりを有する範囲でもよい。前者の例は災害が発生した地点であり、例えば、基準場所情報はその地点の緯度と経度で表現することができる。後者の例は気象警報が発令された地区であり、例えば、基準場所情報はその地区の識別番号で表現することができる。
【0023】
なお、基準場所情報として、人間が入力装置を介してコンピュータに入力したデータを指定してもよく、既存の防災情報管理サーバ108(図2とあわせて後述)等と連携して防災情報管理サーバ108から送信されたデータを指定してもよい。基準場所情報を指定したらステップS102に移行する。
【0024】
ステップS102では範囲指定情報を指定する。つまり、範囲指定情報のデータをメモリに格納する。範囲指定情報は、基準場所に関連する範囲である選択範囲を規定するための一つ以上のパラメータであり、実施の形態によって様々に異なる。
【0025】
例えば、地震発生時に、震源地から半径10km以内に設置されているカメラの映像を見たいことがある。この場合、基準場所は震源地であり、範囲指定情報は10kmという距離である。
【0026】
また、河川での水害発生時に、例えば警戒水位を超過する水位を観測した観測局から下流15kmまでの範囲に設置されているカメラの映像を見たいことがある。この場合、基準場所は当該観測局の地点である。範囲指定情報は、下流という方向と15kmという距離の組み合わせでもよく、当該河川に沿った15kmという距離のかわりに当該観測局からの距離で代用してもよく、また、当該河川からの距離をさらに含めてもよい。
【0027】
あるいは、気象警報発生時に、例えば警報が発令された地区内に設置されているカメラの映像を見たいことがある。気象警報は、都道府県をいくつかに分けた一次細分区域をさらにいくつかに分けた二次細分区域を単位として発表される。この場合、基準場所は当該二次細分区域である。ところで、二次細分区域は不定形である。そこで、処理の簡単化のために、範囲指定情報として、当該二次細分区域の最北端、最南端、最東端、最西端を示す情報(例えば最北端と最南端の緯度、および最東端と最西端の経度)を指定してもよい。
【0028】
なお、範囲指定情報として人間が入力装置を介してコンピュータに入力したデータを指定してもよく、既定値を指定してもよく、既存の防災情報管理サーバ108等と連携して防災情報管理サーバ108から送信されたデータを指定してもよい。例えば、既定値として予め「10km」という値を定めておき、それを範囲指定情報として指定することによって、上記の例のように基準場所から半径10km以内の範囲を選択範囲として規定することができる。また、防災情報管理サーバ108から、地震の震源地の位置とあわせて「震源地から半径20kmの範囲で大きな影響がある」などのデータが送信された場合に、その「20km」を範囲指定情報として指定してもよい。範囲指定情報を指定したらステップS103に移行する。
【0029】
ステップS103では、変数Lを初期化する。変数Lの値はメモリに格納される。変数Lは選択結果を表す変数である。例えば、選択した監視装置の識別子のリストにより選択結果を表してもよく、この場合ステップS103では変数Lに空リストを代入することにより初期化を行う。初期化後、ステップS104に移行する。
【0030】
ステップS104からステップS108は繰り返しループを形成している。このループは、利用可能なすべての監視装置の台数と同じ回数繰り返される。なお、利用可能なすべての監視装置とは、図1の処理を実行するコンピュータが利用可能なデータベースで設置位置情報が管理されているすべての監視装置のことである。詳しくは図2とあわせて後述する。
【0031】
ステップS104では、利用可能なすべての監視装置を調べたか否かを判定し、すべてを調べたならステップS109に移行し、まだ調べていない監視装置があればステップS105に移行する。
【0032】
ステップS105では、上記データベースを検索してまだ調べていない監視装置を一つ選択し、ステップS106に移行する。
ステップS106では、選択範囲比較処理を実行する。選択範囲比較処理は、ステップS101で指定した基準場所情報とステップS102で指定した範囲指定情報とにより定められる選択範囲に、ステップS105で選択した監視装置の設置位置が含まれるか否かを調べ、その結果を返す処理である。
【0033】
なお、選択範囲比較処理の具体的な内容は、ステップS102でどのような範囲指定情報を指定するかということと強く関連しており、実施の形態によって様々である。詳しくは図5、8、11とあわせて後述する。選択範囲比較処理の実行後、ステップS107に移行する。
【0034】
ステップS107では、ステップS106の選択範囲比較処理の結果による判定を行う。ステップS105で選択した監視装置が選択範囲内ならステップS108に移行し、選択範囲外ならステップS104に戻る。
【0035】
ステップS108では、ステップS105で選択した監視装置が選択範囲内にあると分かったので、これを変数Lに追加する。例えば、変数Lが監視装置の識別子のリストとして表現される場合は、ステップS105で選択した監視装置の識別子をリストに追加してLの値を更新する。その後、ステップS104に戻る。
【0036】
ステップS109は、利用可能なすべての監視装置を調べ終わったときに実行される。ステップS109では、選択結果が格納された変数Lを出力して一連の処理を終える。なお、変数Lは単に選択結果を保持しているだけであり、変数Lにもとづいて実際に利用者に何を提示するか(画面に何をどう表示するか)は、実施の形態によって異なる。
【0037】
次に、図2を参照して本発明のシステム構成の一例を説明する。図2の例では選択する対象の監視装置がカメラであり、災害発生時に当該災害の影響を受ける範囲に設置されたカメラを選択するのに本発明を利用している。
【0038】
図2は、図14の従来のカメラ管理システムの一部を変更した構成となっているので、以下では相違点を中心に説明する。図2において図14と異なるのは、第一に防災情報管理サーバ108とも連携している点、第二に利用者が手作業で膨大な数のカメラの中から所望のカメラを選択する必要がない点である。
【0039】
第一の相違点は、本発明を実施するのに必須の要件ではない。しかし、防災情報管理サーバ108と連携することにより、災害時に基準場所情報を指定する(図1のステップS101)のに人手が不要となる。よって、より迅速に必要なカメラを選択することができるとともに、利用者の知識量等に依存する度合いが減るので、望ましい。
【0040】
なお、ここで防災情報管理サーバ108とは、水害、地震、事故等に関する情報を管理しているサーバであって、災害の発生場所をネットワークを介して外部に通報する手段が備えられていればどのようなものでも構わない。例えば、気象計や震度計等の観測機器の設置位置と観測結果とを管理し、観測結果が災害発生を示していたらその災害発生場所の緯度と経度をカメラ管理サーバ102Dに通報するように構成された防災情報管理サーバ108を、本発明で利用することが可能である。また、防災情報管理サーバ108がさらに範囲指定情報をカメラ管理サーバ102Dに通報するようにしてもよい。
【0041】
第二の相違点は、膨大な数のカメラの中から必要なカメラを選択するのに、図13や図14のようなカメラ一覧画面105や地図位置情報画面106を利用者が使う必要がなくなった点である。利用者がクライアント104を介してカメラ管理サーバ102Dにアクセスすると、カメラ管理サーバ102Dが図1の処理を行うため、クライアント104の画面107には、基準場所情報と範囲指定情報にしたがって選択されたカメラのみの一覧または選択されたカメラで撮影した映像などが表示される。よって、一覧からさらに利用者が選択操作を行うにしても、カメラ管理サーバ102Dによって既に数が絞り込まれたカメラの中から選択すればよいので、従来よりも迅速に必要なカメラを選択することができる。また、図2の例のように、一つのカメラ101Bのみが選択された場合は、クライアント104の画面107にそのカメラ101Bで撮影した映像をそのまま出力してもよい。
【0042】
なお、図2のように複数のカメラ管理システム(100A〜100D)が連携している構成の場合、図1のステップS104では、図1の処理を実行しているサーバ自身(カメラ管理サーバ102D)が有するカメラ情報DB(103D)または他のカメラ管理サーバ(102A〜102C)が有するカメラ情報DB(103A〜103C)で管理されているカメラをすべて調べたか否か、を判定する。図2のように連携していれば、カメラ管理サーバ102Dから参照可能という点で、四つのカメラ情報DB(103A〜103D)は同等であるため、図1では区別していない。
【0043】
次に、図3を参照して本発明で選択の対象となる監視装置がデータベースでどのように管理されるかという例を説明する。図3の例において選択の対象となる監視装置はカメラであり、図3はカメラ情報のデータ構成の一例を示す。図3のカメラ情報は図2のカメラ情報DB(103A〜103D)に格納されている。
【0044】
図3の「項」列は参照の便宜のための番号である。カメラ情報のデータの各項目は「項目」列に示されている。「内容」列は内容の説明である。なお、意味的に関連する複数の項目についてその関連性を示すために、図3では階層的に表示している。例えば、「設置場所」(第5〜27項)は「緯度」(第6〜9項)や「経度」(第10項〜13項)などの情報からなり、「緯度」は「度」、「分」、「秒」からなる、という具合である。実際に管理するデータは、この階層において自分より下の層がない項目(例えば第7項の「度」)に対応する。
【0045】
図3のとおり、カメラ情報は、カメラを識別するための一意な「カメラ番号」、そのカメラの「名称」と「名称(読み)」、「設置場所」、「動画ストリーム情報」からなる。図3の例では、各カメラに対応する特定のURL(Uniform Resource Locator)にアクセスすることによって、そのカメラで撮影してMPEG2(Moving Picture Experts Group 2)またはMPEG4で符号化した映像(動画)を見ることができるようにしてある、という前提である。よって、「設置場所」以外に「動画ストリーム情報」も管理している。
【0046】
次に、図1のステップS102およびS106が実施形態によって様々に異なることを具体例に即して説明する。具体例として第一実施例、第二実施例、第三実施例、およびそれらの変形例を順に説明する。第一実施例、第二実施例、第三実施例は、選択する対象の監視装置がカメラ(監視カメラ)であり、災害発生時に当該災害の影響を受ける範囲に設置されたカメラを選択する場合の例であり、図2のシステム構成と図3のカメラ情報を前提としている。
【0047】
図4は第一実施例の説明図である。第一実施例では、基準場所201はある一点であり、選択範囲は基準場所からの距離が所定の値b以下となる範囲である。
例えば、地震発生や台風発生などの災害時に、震源地や台風の中心位置が基準場所201となる。災害時には、基準場所201の近隣に設置されたカメラの映像をクライアント104の画面に表示することが必要である。しかし、図13や図14などの従来のシステムでは、利用者が基準場所201の位置情報とカメラの設置位置情報とを数値として比較するか、地図上で比較する必要があり、カメラの選択を人手に頼っていた。そのため、誰もが迅速に必要なカメラを選択することはできなかった。
【0048】
そこで、本発明の第一実施例では、基準場所201の位置情報と、ある距離b(以下、この距離を絞込範囲とよぶ)とが与えられると、基準場所201からの距離が絞込範囲b以下の範囲(選択範囲。図4の網かけ部分)に設置されたカメラのみを自動的に選択する。図4の例では、カメラ甲101Xと基準場所201との直線距離d1は絞込範囲b以下であり、カメラ乙101Yと基準場所201との直線距離d2は絞込範囲bより大きいので、カメラ甲101Xは選択されるが、カメラ乙101Yは選択されない。
【0049】
この選択は、図1のフローチャートにおいて、ステップS106の選択範囲比較処理として、図5に示した処理を行うことによって実現される。
図1のステップS101では基準場所201の緯度と経度を基準場所情報として指定する。ステップS102では絞込範囲bを範囲指定情報として指定する。これらは、利用者が入力装置を介して入力したデータを指定してもよく、図2の防災情報管理サーバ108から取得したデータを指定してもよい。また、絞込範囲bの既定値を設けておき、それを指定することもできる。
【0050】
ステップS103からステップS105は、図1に関して前述したとおりだが、第一実施例において「監視装置」はカメラのことである。
第一実施例では図1のステップS106が図5の選択範囲比較処理の呼び出しに相当する。図5の選択範囲比較処理における引数は、ステップS105で選択されたカメラを識別する情報、ステップS101で指定された基準場所201の基準場所情報、ステップS102で指定された絞込範囲bである。
【0051】
なお、第一実施例は図2のようなシステム構成であるため、カメラを識別する情報は、そのカメラがいずれのカメラ情報DB(103A〜103D)で管理されているのかという情報と、そのカメラ情報DB内でのカメラ番号(図3の第2項)との組み合わせである。もし複数のカメラ管理システムが連携していないシステム構成であれば、カメラ番号だけでカメラを識別することができる。
【0052】
図5のステップS201では、引数で指定されたカメラを管理しているカメラ情報DB(103A〜103Dのいずれか)を検索し、そのカメラが設置されている緯度と経度(図3の第6〜13項)を求める。求めた値をメモリに格納し、ステップS202に移行する。
【0053】
ステップS202では、引数で指定されたカメラの設置位置と基準場所との距離dを算出する。距離dは直線距離である。ここで、引数として与えられた基準場所情報は緯度と経度であるため、ステップS201で求めた緯度と経度および基準場所情報から、緯度の差の2乗と経度の差の2乗との和の2乗根を算出することにより、距離dを算出することができる。算出した距離dをメモリに格納し、ステップS203に移行する。
【0054】
ステップS203では、距離dが絞込範囲b以下か否かを判定する。d≦bなら判定はYesとなってステップS204に移行し、d>bなら判定はNoとなってステップS205に移行する。
【0055】
ステップS204では、d≦bであること(つまり引数で指定されたカメラは選択範囲内にあること)を示す値としてTrueを返し、処理を終える。
ステップS205では、d>bであること(つまり引数で指定されたカメラは選択範囲外にあること)を示す値としてFalseを返し、処理を終える。
【0056】
以上のようにして選択範囲比較処理を終えると、図1に戻る。ステップS107では、ステップS106の返り値がTrueなら選択範囲内、Falseなら選択範囲外と判定する。ステップS108、ステップS109は上述したとおりである。
【0057】
なお、ステップS109で出力されるLはカメラの選択結果を示す。よって、その選択結果にもとづいて、選択されたカメラの一覧をクライアント104の画面107上に表示してもよく、選択されたカメラで撮影した映像をクライアント104の画面107上に表示してもよい。後者の場合で選択されたカメラが複数ある場合は、画面を複数の区画に分割して、それら複数のカメラの映像をそれぞれ表示してもよい。
【0058】
図6は第二実施例の説明図である。第二実施例では、基準場所201はある一点であり、河川や道路などの線202の沿線上にある場所である。この場合、基準場所201からの距離と線202からの距離の双方にもとづいて選択範囲を規定することが好ましい。しかし、一般に河川や道路は複雑な軌跡を描く線202であり、線202のデータ上の表現の仕方によっては、任意の地点と線202との実際の距離を算出することが不可能または困難である。そこで、第二実施例では、線202からの実際の距離の代用となる別の距離を利用している。
【0059】
例えば、河川の水位が警戒水位に達した時や道路で事故が発生した時などの災害時には、水位の計測場所や事故発生場所が基準場所201となる。また、これらの河川や道路の沿線に設置されているカメラの映像をクライアント104の画面に表示することが必要である。しかし、図13や図14などの従来のシステムでは、基準場所201の位置情報、カメラの設置位置情報、河川や道路がどこをどのように通っているかという情報を利用者が地図上で比較する必要があり、カメラの選択を人手に頼っていた。そのため、誰もが迅速に必要なカメラを選択することはできなかった。
【0060】
そこで、本発明の第二実施例では、複数の基点(203−1、203−2、……、203−11)の連なりとして河川や道路などの線202がデータ上表現されているという前提のもと、基準場所201の位置情報と、絞込範囲bと、基点からの距離g(以下、この距離gを沿線範囲gとよぶ)とが与えられると、図6の網かけ部分(選択範囲)に設置されたカメラのみを、基準場所201に関連のあるカメラとして自動的に選択する。具体的には、基準場所201からの距離が絞込範囲b以下となる位置にある基点(203−2、203−3、……、203−10のいずれか)からの距離が沿線範囲g以下となる範囲が、選択範囲である。
【0061】
つまり、第二実施例では、線202とカメラの距離を示すのに、線202とカメラの実際の距離自体を使うのではなく、基点(203−2、203−3、……、203−10のいずれか)とカメラの距離で代用している。基点同士の間隔が適切なら、基点(203−1、……、203−11)の連なりを折れ線状に結んだ線として線202を表現しても、実際の線202の軌跡とさほど大きくずれず、基点とカメラの距離が線202とカメラの距離と顕著に異なることもない。また、基点とカメラの距離は容易に算出することができる。よって、第二実施例において線202とカメラの距離を示すのに基点(203−2、203−3、……、203−10のいずれか)とカメラの距離を利用するのは、処理量、処理時間、結果の妥当性などのバランスを考慮してのことである。
【0062】
なお、図6では基準場所201が基点203−6でもあるが、基準場所201は必ずしも基点である必要はない。
図6の例では、基準場所201から基点203−8までの直線距離(以下、基準場所201からある基点までの直線距離をその基点の基点距離fとよぶ)が絞込範囲b以下であり、カメラ甲101Xは基点203−8からの直線距離d1が沿線範囲g以下であるから、カメラ甲101Xは選択される。一方、カメラ乙101Yは、基準場所201からの基点距離fが絞込範囲b以下となるいずれの基点(203−2〜203−10)からの直線距離d2も沿線範囲gより大きいため、選択されない。
【0063】
このように選択することにより、基準場所201と線202の双方からの距離を考慮して、基準場所201と関連する範囲に設置されたカメラのみを選択することができる。
この選択は、図1のフローチャートにおいて、ステップS106の選択範囲比較処理として図8に示した処理を行うことによって実現されるが、図8について説明する前に、第二実施例で利用するデータの構成について図7A〜図7Dを参照しながら説明する。なお、図7A〜図7Dでは図3と同様の形式でデータの構成を示している。
【0064】
図7Aは路線情報のデータ構成の一例を示す。線202が道路の場合、図7Aの路線情報は、路線を識別する一意の番号、名称、読み仮名からなる。
図7Bは水系情報のデータ構成の一例を示し、図7Cは河川情報のデータ構成の一例を示す。線202が河川の場合、河川情報とともに当該河川が属する水系を識別するための水系情報を管理する。図7Bの水系情報は、水系を識別する一意の番号、名称、読み仮名からなる。図7Cの河川情報は、河川を識別する一意の番号、名称、読み仮名のほかに、その河川が属する水系(水系情報の番号を使って表す)を含む。このように水系情報と河川情報の二段階に階層化して管理することによって、同一水系に属する複数の河川について、それらの河川が関連していることがデータ上でも表現される。このことは、後述する第二実施例の変形例において利用する。
【0065】
前述したとおり、第二実施例では、複数の基点(203−1、203−2、……)の連なりとして線202を表現する。例えば、線202が道路の場合、これら基点は道路上のキロポスト(距離標)であり、線202が河川の場合、これら基点は河川沿線に設けられたキロポストや、水位計等が設置された観測局である。なお、線202を基点の連なりとして表現するためには、基点がキロポストか観測局かという区別は重要ではないため、以下では特に区別しない。
【0066】
図7Dは沿線基点情報のデータ構成の一例を示す。図7Dの沿線基点情報は、どの線202に沿って(種別、沿線番号)、何が(番号)、どこにあるのか(緯度、経度、キロポスト表示)という情報からなる。例えば、図7Aの路線情報において「番号」が15の路線のデータ上の表現は、沿線基点情報で「種別」が道路、「沿線番号」が15となるレコード(各レコードが各基点に対応する)の集合である。つまり、これら各レコードの緯度と経度をキロポスト表示の大きさの順につないだものとして線202が表現されている。
【0067】
なお、図7A〜図7Dに示した路線情報、水系情報、河川情報、沿線基点情報は、図2において、例えば防災情報管理サーバ108で管理されていてもよく、カメラ管理システム100A〜100Dのいずれかで管理されていてもよい。あるいは、不図示の別のシステムで管理され、カメラ管理システム100Dからデータが参照可能となるようにしておいてもよい。
【0068】
次に、図1と図8のフローチャートを参照して第二実施例で行う処理について説明する。
図1のステップS101では基準場所201の緯度と経度を基準場所情報として指定する。ステップS102では、基準場所201がどの線202の沿線かを指定する情報、絞込範囲b、沿線範囲gを範囲指定情報として指定する。これらは、利用者が入力装置を介して入力したデータを指定してもよく、図2の防災情報管理サーバ108から取得したデータを指定してもよい。また、絞込範囲bや沿線範囲gの既定値を設けておき、それを指定することもできる。
【0069】
ステップS103からステップS105は、図1に関して前述したとおりだが、第二実施例において「監視装置」はカメラのことである。
第二実施例では図1のステップS106が図8の選択範囲比較処理の呼び出しに相当する。図8の選択範囲比較処理における引数は、ステップS105で選択されたカメラを識別する情報、ステップS101で指定された基準場所201の基準場所情報、ステップS102で指定された沿線の指定、絞込範囲b、沿線範囲gである。ここで、カメラを識別する情報は第一実施例と同様である。また、沿線を指定する情報は具体的には図7Dの「種別」と「沿線番号」に相当する情報である。
【0070】
図8のステップS301では、引数で指定されたカメラを管理しているカメラ情報DB(103A〜103Dのいずれか)を検索し、そのカメラが設置されている緯度と経度(図3の第6〜13項)を求める。求めた値をメモリに格納し、ステップS302に移行する。
【0071】
ステップS302では、引数で指定された沿線で、引数で指定された基準場所201からの距離が絞込範囲b以下の範囲にある基点の集合Zを求める。
例えば、図7Aにおいて「番号」が15の路線(道路)上で事故が発生した場合を考える。基準場所201すなわち事故が発生した場所の緯度と経度は基準場所情報として引数で指定されている。集合Zを算出するには、まず、集合Zを初期化して空集合とする。次に、沿線を指定する情報として、「種別」が道路で「沿線番号」が15となるレコードを図7Dの沿線基点情報から検索する。検索条件に合致した各レコードはこの路線上の各基点に対応する。これら各基点について、設置場所の緯度と経度を沿線基点情報から読み出し、基準場所201との直線距離である基点距離fを算出し、f≦bならその基点を集合Zに追加し、f>bなら何もせずに次のレコードに進む。
【0072】
以上のようにして算出した集合Zは、例えば図6の例では{基点203−2,基点203−3,……,基点203−10}という9個の基点からなる集合である。具体的には、例えば、図7Dの沿線番号(第4項)のリストとして集合Zを表現してもよい。集合Zをメモリに格納したら、ステップS303に移行する。
【0073】
ステップS303からS306までは繰り返しループを形成しており、集合Zに含まれる基点ごとに処理が繰り返され、そのうち一つでもステップS306の判定がYesとなれば繰り返しループから抜け出すようになっている。
【0074】
ステップS303では、集合Zに含まれるすべての基点を調べたか否かを判定し、まだ調べていない基点があればステップS304に移行し、すべてを調べたならステップS308に移行する。
【0075】
ステップS304では、集合Zに含まれる基点のうちまだ調べていない基点を一つ選択し、その基点の緯度と経度を求める。なお、基点の緯度と経度は、ステップS302で読み出したときにそれらをローカルなメモリに格納しておいてステップS304で読み出してもよく、ステップS304で改めて図7Dの沿線基点情報を検索して読み出してもよい。いずれにしろ、ある一つの基点の緯度と経度を読み出したら、それをメモリに格納してステップS305に移行する。
【0076】
ステップS305では、引数で指定されたカメラの設置位置とステップS304で選択した基点との距離dを算出する。距離dは直線距離である。つまり、ステップS301で求めた緯度と経度およびステップS304で求めた緯度と経度から、距離dを算出する。算出した距離dはメモリに格納し、ステップS306に移行する。
【0077】
ステップS306では、距離dが沿線範囲g以下か否かを判定する。d≦gなら判定はYesとなってステップS307に移行し、d>gなら判定はNoとなってステップS303に戻る。
【0078】
ステップS307では、集合Zに含まれる基点のうち少なくとも一つの基点からの距離が沿線範囲g以下のところに引数で指定されたカメラがある(つまりこのカメラが選択範囲内にある)ことを示す値としてTrueを返し、処理を終える。
【0079】
ステップS308では、引数で指定されたカメラは、集合Zに含まれる基点のいずれからの距離も沿線範囲gより大きい(つまりこのカメラが選択範囲外にある)ことを示す値としてFalseを返し、処理を終える。
【0080】
以上のようにして選択範囲比較処理を終えると、図1に戻る。第二実施例では、基準場所201とカメラの直線距離や、線202とカメラの実際の直線距離は算出していない。そのかわりに、基準場所201からの距離を考慮するために基点距離fを利用し、線202からの距離を考慮するために基点からの直線距離を利用している。この方法は、利用可能な既存の沿線基点情報(図7D)があること、線202をデータ上表現する方法として図7Dのような形式が簡便であることを考慮して採用した方法である。
【0081】
なお、基点間があまりに離れすぎていると図6において網かけの小さな円が連続せず、カメラの選択漏れが生じることがあるので、沿線基点情報として適度な数の基点が管理されるようにすることが望ましい。
【0082】
さて、図8から図1に戻ると、ステップS107では、ステップS106の返り値がTrueなら選択範囲内、Falseなら選択範囲外と判定する。ステップS108、ステップS109は上述したとおりである。
【0083】
なお、ステップS109で出力されるLはカメラの選択結果を示す。よって、その選択結果にもとづいて、選択されたカメラの一覧をクライアント104の画面107上に表示してもよく、選択されたカメラで撮影した映像をクライアント104の画面107上に表示してもよい。後者の場合で選択されたカメラが複数ある場合は、画面を複数の区画に分割してそれら複数のカメラの映像をそれぞれ表示してもよい。
【0084】
図9は第三実施例の説明図である。第三実施例では、基準場所201はある広がりを持った地域であり、例えば、ある特定の地区、市町村等である。そして、選択範囲は基準場所201を含む長方形の範囲であり、図9の網かけ部分である。
【0085】
例えば、気象警報の発令時には、その警報の発令対象の二次細分区域が基準場所201となり、基準場所201は一定の広がりを有する場所である。また、この特定の二次細分区域内に設置されたカメラおよび近隣地域に設置されたカメラの映像を表示することが必要である。しかし、図13や図14などの従来のシステムでは、基準場所201の名称、カメラの設置位置情報に含まれる住所を利用者が比較してカメラを選択する必要があった。そのため、地理的な予備知識のない利用者(例えば、気象警報が発令されるときの単位となる二次細分区域の名称と住所の対応を知らなかったり、ある街区に隣接する街区の名称を知らなかったりする利用者)が迅速に必要なカメラを選択することはできなかった。
【0086】
そこで、本発明の第三実施例では、基準場所201の位置情報と、基準場所201を含む長方形の地域の四つの頂点を示す位置情報とが与えられると、図9の網かけ部分に設置されたカメラのみを、基準場所201に関連のあるカメラとして自動的に選択する。具体的には、基準場所201を含む長方形を指定すると、その長方形の内部が選択範囲となる。
【0087】
図9の例では、基準場所201は不定形な広がりを有している。経度をx軸、緯度をy軸としたとき、基準場所201の最北端b1の座標が(x1,y1)、最東端b2の座標が(x2,y2)、最南端b3の座標が(x3,y3)、最西端b4の座標が(x4,y4)であるとする。このとき、頂点c1(x4,y1)、頂点c2(x2,y1)、頂点c3(x2,y3)、頂点c4(x4,y3)の四点を頂点とする長方形は基準場所201を含む。この長方形が図9における選択範囲である。
【0088】
よって、基準場所201の内部にあるカメラ甲101Xが選択されるだけでなく、基準場所201の外部ではあるが基準場所201の近隣であって選択範囲の内部にあるカメラ丙101Zも選択される。一方、カメラ乙101Yは選択範囲の外部にあるため選択されない。
【0089】
このように選択することにより、地理的な予備知識を必要とせずに、基準場所201に関連する範囲に設置されたカメラのみを容易に選択することができる。
この選択は、図1のフローチャートにおいて、ステップS106の選択範囲比較処理として図11に示した処理を行うことによって実現される。また、第三実施例では図10に示す地域情報を利用する。
【0090】
図10は地域情報のデータ構成の一例を示す図である。図10では図3と同様の形式でデータの構成を示している。地域情報は、地域を識別するための一意の番号、名称、その読み仮名のほかに、当該地域の最北端の緯度(図9のy1に相当)、最東端の経度(図9のx2に相当)、最南端の緯度(図9のy3に相当)、最西端の経度(図9のx4に相当)を含む。
【0091】
なお、地域情報は図2において、例えば防災情報管理サーバ108で管理されていてもよく、カメラ管理システム100A〜100Dのいずれかで管理されていてもよい。あるいは、不図示の別のシステムで管理され、カメラ管理システム100Dからデータが参照可能となるようにしておいてもよい。
【0092】
次に、図1と図11のフローチャートを参照して第三実施例で行う処理について説明する。
図1のステップS101では基準場所201の「番号」(図10の第2項)を基準場所情報として指定する。これは、利用者が入力したものを指定してもよく、防災情報管理サーバ108から取得したものを指定してもよい。
【0093】
ステップS102では、ステップS101で指定された基準場所201の番号をキーにして図10の地域情報を検索し、基準場所201の最北端の緯度y1、最東端の経度x2、最南端の緯度y3、最西端の経度x4(これらをまとめて端点情報とよぶ)を読み出し、これらを範囲指定情報として指定する。
【0094】
ステップS103からステップS105は、図1に関して前述したとおりだが、第三実施例において「監視装置」はカメラのことである。
第三実施例では図1のステップS106が図11の選択範囲比較処理の呼び出しに相当する。図11の選択範囲比較処理における引数は、ステップS105で選択されたカメラを識別する情報、ステップS101で指定された基準場所201の基準場所情報、ステップS102で指定された端点情報である。ここで、カメラを識別する情報は第一実施例と同様である。
【0095】
図11のステップS401では、引数で指定されたカメラを管理しているカメラ情報DB(103A〜103Dのいずれか)を検索し、そのカメラが設置されている緯度と経度(図3の第6〜13項)の値を取得する。緯度を変数yで、経度を変数xで表すこととし、xとyの値をメモリに格納したら、ステップS402に移行する。
【0096】
ステップS402では、ステップS401で求めたxとyの値を、引数として与えられた端点情報と比較する。つまり、「y3≦y≦y1」かつ「x4≦x≦x2」が成立するか否かを判定する。この条件が成立すれば判定はYesとなってステップS403に移行し、成立しなければ判定はNoとなってステップS404に移行する。この条件が成立するのは、引数で指定されたカメラの設置位置(x,y)が図9の網かけ部分(選択範囲)に入っているときである。
【0097】
ステップS403では、引数で指定されたカメラが選択範囲内にあることを示す値としてTrueを返し、処理を終える。
ステップS404では、引数で指定されたカメラが選択範囲外にあることを示す値としてFalseを返し、処理を終える。
【0098】
以上のようにして選択範囲比較処理を終えると、図1に戻る。ステップS107では、ステップS106の返り値がTrueなら選択範囲内、Falseなら選択範囲外と判定する。ステップS108、ステップS109は上述したとおりである。
【0099】
なお、ステップS109で出力されるLはカメラの選択結果を示す。よって、その選択結果にもとづいて、選択されたカメラの一覧をクライアント104の画面上に表示してもよく、選択されたカメラで撮影した映像をクライアント104の画面上に表示してもよい。後者の場合で選択されたカメラが複数ある場合は、画面を複数の区画に分割してそれら複数のカメラの映像をそれぞれ表示してもよい。
【0100】
なお、本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、様々に変形可能である。以下にその例をいくつか述べる。
第一実施例では、絞込範囲bとして一つの値を指定するため、選択範囲は円形である(図4)。しかし、災害の種類によっては、方向によって絞込範囲が異なるような形状の選択範囲の方が好ましい。例えば、山火事の発生地点が基準場所201であるとき、風下の方向の絞込範囲が風上の方向の絞込範囲より大きいことが好ましい。そのようにするには、例えば、図5のステップS201とステップS202の間で、カメラの設置位置を、基準場所201を原点とする極座標に変換し(例えば、偏角θが0となる方向が風向に一致する極座標系とする)、ステップS203では、動径r(図5のdに相当)を絞込範囲b(固定値)ではなく、偏角θの関数f(θ)の値と比較するようにすればよい。
【0101】
第二実施例では、線202として河川や道路を例に挙げたが、本発明の適用対象はこれらに限られない。線状の何かに沿って影響を受けるような事象であれば、第二実施例と同様にして本発明を適用することができる。例えば、鉄道、地下鉄道、バス等の運行経路、送電線の送電路、断層等が線202の例として挙げられる。
【0102】
また、上記の第二実施例においては、線202上での基準場所201からの方向(河川の場合は上流/下流)を考慮していないが、考慮してもよい。例えば、図7Dの沿線基点情報でキロポスト表示(第13項)の大小を比べることにより、基準場所201よりも上流か下流かを判定することができる。あるいは、図7Dの番号(第4項)を、大きいほど下流となるように付番してある場合は、番号の大小で上流/下流を判定することもできる。
【0103】
線202上での基準場所201からの方向を考慮する場合、図8の選択範囲比較処理において、どの方向を考慮するかを表す引数(上流のみ、下流のみ、双方)を追加し、ステップS302で基点の集合Zを求める際に、その基点が基準場所201の上流側にあるのか下流側にあるのかも考慮すればよい。また、絞込範囲bや沿線範囲gを、上流側と下流側で異なる値を指定することができるようにしてもよい。
【0104】
第二実施例の変形例として、同一水系に属する複数の河川を考慮することも可能である。例えば、図8のステップS302で集合Zを算出する際に、引数で指定された河川の沿線にある基点だけでなく、当該河川と同一水系に属する別の河川の沿線にある基点についても、基準場所201からの距離が絞込範囲b以下であれば集合Zに含める、などの変更が可能である。また、河川以外の線202についても図7Bと図7Cのように階層化して管理すれば、同様の変更が可能である。
【0105】
また、河川の下流域では、海からの逆流が発生する場合がある。そのため、選択範囲の絞り込みのためのパラメータとして、絞込範囲bや沿線範囲gだけでなく潮位も考慮するようにしてもよい。また、例えば沿線範囲gを固定値ではなく、絞込範囲bと潮位の関数として定め、図8のステップS306ではその関数がとる値をdと比較してもよい。
【0106】
さらに、暴風雨や洪水の発生時などは、選択範囲の絞り込みのためのパラメータとして、カメラの設置位置の標高(図3の第15項)を考慮に入れてもよい。上記のいずれの実施例の場合でも、標高を考慮に入れる変形が可能である。例えば、図5のステップS203、図8のステップS306、図11のステップS402において、さらに「カメラの設置位置の標高が所定の高さ以下である」という条件を満たさないと判定がYesとならないようにすることができる。
【0107】
第三実施例では、ある広がりを有する基準場所201に対して、図9の頂点c1〜c4で定義される長方形(各辺が緯線または経線の方向となる長方形)を選択範囲としている。しかし一般には、基準場所201を含むn角形(n≧3)を選択範囲としてもよい。ただし、それには図10の地域情報のデータ構成を変え、図10の端点情報のかわりにn角形のn個の頂点の緯度と経度をそれぞれ管理する必要がある。
【0108】
また、第三実施例では、選択範囲の長方形がb1〜b4の四つの端点で基準場所201と接しているが、選択範囲が基準場所201と接していなくてもよい。
例えば、範囲指定情報としてm1、m2、m3、m4なる四つの正の数値をさらに図11の選択範囲比較処理の引数として指定し、図9において選択範囲の長方形を東西南北の各方向にそれぞれm2、m4、m3、m1ずつ拡張してもよい。つまり、頂点c1の座標を(x4−m4,y1+m1)とし、頂点c2の座標を(x2+m2,y1+m1)とし、頂点c3の座標を(x2+m2,y3−m3)とし、頂点c4の座標を(x4−m4,y3−m3)としてもよい。なお、第三実施例は、m1=m2=m3=m4=0が既定値として指定された特殊な場合と見ることもできる。
【0109】
また、第三実施例では基準場所201の例として地区、市町村、気象警報の発令対象である二次細分区域等を挙げた。しかし、本発明の適用対象はこれらに限られない。ある広がりを持ち、その広がりの範囲内での影響を調べる必要がある場合であれば、第三実施例と同様にして本発明を適用することができる。例えば、基準場所201として、スキー場等の施設や、地盤や国定公園など行政区画と無関係な輪郭を有するものを指定してもよい。
【0110】
また、上記において、カメラが選択範囲内にあるか否かの判定は、すべて数値の計算にもとづいていたが、一部の処理を画像処理に置き換えて判定してもよい。
例えば、第三実施例において、基準場所201として指定することができる地域について、基準場所201の内部と外部を二色に塗り分けた地図画像を予め用意しておく。図11の選択範囲比較処理では、引数として端点情報のかわりにその地図画像を与える。そして、ステップS401で求めたカメラの設置位置から、その地図画像上の該当画素を特定する。ステップS402では図11の処理のかわりに、その画素の色を調べ、内部を表す色ならYesと判定し、外部を表す色ならNoと判定する。
【0111】
もちろん、この変形例をさらに変形して、基準場所201の内部とその近隣の一定部分を「内部」の色とし、それ以外の部分を「外部」の色としてもよい。
このように画像処理を組み合わせる変形は、第二実施例にも適用することが可能である。例えば、線202が河川の場合、当該河川からの距離に応じて異なる色で塗り分けた地図画像を図7Dの沿線基点情報のかわりに用意しておき、その地図画像を使ってもよい。上記と同様にして、地図画像上でカメラの設置位置に該当する画素を特定し、その画素の色に応じて選択範囲内か否かを判定することが可能である。もちろん、画素の色と絞込範囲bの双方を考慮するなど、判定においては複数の基準を組み合わせることができる。
【0112】
第二実施例の別の変形例として、関数を利用して線202を表現する実施形態も可能である。つまり、線202をデータとして表現するのに、図7Dの沿線基点情報を利用するかわりに、所定の座標系(例えば緯度と経度をそれぞれy軸、x軸とする平面座標)における所定の関数f(x)を利用し、線202をy=f(x)なる曲線で近似してもよい。また、xをいくつかの範囲に分割し、i番目の範囲ではi番目の関数fi(x)によって線202を近似してもよい。各fi(x)が一次関数(aix+bi)ならば折れ線で線202を近似することになり、図7Dの沿線基点情報にもとづいて係数aiおよびbiを予め算出しておくことが可能である。もちろん、fi(x)は一次関数以外の関数でもよい。このように関数を使って線202を近似する場合は、線202からカメラへの直線距離を直接数値的に算出することが可能であるから、図8のように繰り返し処理を行う必要はない。つまり、カメラの設置位置から線202に下ろした垂線の足の位置を算出し、その足と基準場所201との距離が絞込範囲b以下かつその足とカメラの設置位置との距離が沿線範囲g以下であれば選択範囲内である、と判定すればよい。
【0113】
上記では、図2のようなシステム構成を前提としていたが、本発明はこれ以外の構成にも適用することが可能である。
例えば、図2のように複数のカメラ管理システム(100A〜100D)が連携したシステムに本発明を適用するのではなく、図13のような単一のカメラ管理システムに対しても本発明を適用することができる。また、クライアントサーバ型システムではなく、例えば図2のカメラ管理サーバ102Dを直接利用者が操作するようなシステムとして本発明を実施してもよい。
【0114】
また、図2において、カメラ管理サーバ102Dは必ずしもカメラ情報DB(103D)を有していなくともよい。すなわち、カメラ管理サーバ102Dは、自分自身でカメラ情報DB(103D)を有していなくとも、一つ以上のカメラ情報DB(103A〜103C)を参照可能であれば、本発明を実施することが可能である。クライアント104から見ると、カメラ管理サーバ102Dを介して参照可能でありさえすれば、具体的にどのカメラ管理システム(100A〜100D)で管理されているカメラ情報DB(103A〜103D)なのかということは無関係である。
【0115】
上記では、基準場所情報が利用者または防災情報管理サーバ108から与えられる例について説明したが、他の手段によって基準場所情報が与えられてもよい。例えば、カメラ管理サーバに画像認識部を設け、そのカメラ管理サーバ自身が管理しているカメラで撮影した映像を監視し、災害の発生を認識するように構成する。そして、あるカメラ管理サーバがあるカメラの映像において災害の発生を認識したら、災害発生の旨を当該カメラの位置情報とともに、連携している他のカメラ管理サーバに通報する。もちろん、このカメラ管理サーバ自身で動作している本発明のプログラムに対しても、災害発生を認識したカメラの位置情報を基準場所情報として与える。このようにして災害発生時に災害発生場所を基準場所情報として本発明のプログラムに与えることも可能である。
【0116】
なお、上記では選択の対象となる監視装置としてカメラを挙げたが、例えば各種の観測機器等、カメラ以外の監視装置を選択の対象としてもよい。例えば水位計は水位の監視のための観測機器であり、ある河川のある場所で異常な水位を観測したときに、その場所から一定範囲内にあり同一水系に属する河川に設置された水位計を、上記変形例で述べたようにして本発明により選択することも可能である。
【0117】
ところで、本発明によるプログラムは、図12に示すような一般的なコンピュータ上で実行される。例えば図12は図2のカメラ管理サーバ102Dに相当する。
図12のコンピュータは、CPU(Central Processing Unit)300、ROM(Read Only Memory)301、RAM(Random Access Memory)302、通信インターフェイス303、記憶装置304、入力装置305、出力装置306、可搬型記憶媒体310の駆動装置307を備え、これらのすべてがバス308によって接続されている。
【0118】
また、図12のコンピュータは通信インターフェイス303を介してネットワーク311に接続されている。ネットワーク311は、LAN(Local Area Network)やインターネットなど任意のネットワークでよい。ネットワーク311には、連携している他の監視装置管理システム100−0(図2の例では100A〜100Cに相当する)や、選択の対象となる監視装置101−0(図2の例では101A〜101Dのカメラに相当する)が接続されている。
【0119】
記憶装置304は、ハードディスクなどの磁気ディスク装置でもよく、他の種類の記憶装置でもよい。図2の例におけるカメラ情報DB(103D)は記憶装置304に格納されたDBである。記憶装置304に格納されたカメラ情報のデータは、必要に応じてRAM302に読み込まれ、CPU300で処理される。
【0120】
記憶装置304またはROM301には、本発明によるプログラムが格納されている。そのプログラムがCPU300によって実行されることにより、本発明が実現される。図1等のフローチャートの説明において、データをメモリに格納すると説明したが、データによっては、RAM302ではなくCPU300内のレジスタに格納してもよい。
【0121】
入力装置305は、例えばマウスなどのポインティングデバイスやキーボードである。出力装置306は、例えば液晶ディスプレイなどの表示装置である。
利用者が直接図12のコンピュータを操作するシステムとして本発明を実現する場合(例えば図2でカメラ管理サーバ102Dを直接利用者が操作する場合)、基準場所情報や範囲指定情報は、人間が入力装置305を介して入力し、それをRAM302に格納してもよい。また、本発明によって選択された監視装置は、リスト形式で出力装置306に出力されてもよく、その場合、利用者は入力装置305を介してリストから所望の監視装置を選択することができる。選択する対象の監視装置がカメラの場合は、選択されたカメラで撮影した映像を出力装置306に出力してもよい。
【0122】
本発明をクライアントサーバ型のシステムとして実現する場合は、利用者はクライアント104からネットワーク311を通じてサーバ(図12のコンピュータ)にアクセスする。なお、クライアント104も図12とほぼ同様の構成を備える。
【0123】
よって、実施形態によっては、クライアント104の入力装置、クライアント104の通信インターフェイス、ネットワーク311、サーバの通信インターフェイス303を介して基準場所情報や範囲指定情報が入力され、それらがサーバのRAM302に格納される。また、本発明によって選択された監視装置のリスト等がサーバの通信インターフェイス303、ネットワーク311、クライアント104の通信インターフェイスを介してクライアント104の出力装置に出力される。利用者がクライアント104の入力装置を使って所望の監視装置101−0を選択すると、選択内容がクライアント104の通信インターフェイス、ネットワーク311、サーバの通信インターフェイス303を介してサーバに通知される。例えば選択する対象の監視装置がカメラの場合、サーバは、選択されたカメラで撮影している映像のストリーミングデータあるいはそれにアクセスするためのURL等の情報を、サーバの通信インターフェイス303、ネットワーク311、クライアント104の通信インターフェイスを介してクライアント104に送信する。
【0124】
本発明によるプログラムは、プログラム提供者309からネットワーク311および通信インターフェイス303を介して提供され、例えば記憶装置304に格納され、CPU300によって実行されてもよい。また、可搬型記憶媒体310に本発明によるプログラムが格納され、可搬型記憶媒体310が駆動装置306にセットされ、格納されたプログラムが例えばRAM302にロードされてCPU300によって実行されてもよい。可搬型記憶媒体310としては、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disk)などの光ディスク、光磁気ディスク、フレキシブルディスクなど様々な形式の記憶媒体を使用することができる。
【0125】
以上説明したことを概観すれば本発明は以下のような構成を備えるものである。
(付記1)
複数の監視装置の中から一部の監視装置を選択する監視装置選択プログラムであって、
選択の基準となる場所である基準場所を示す基準場所情報を指定する第一のステップと、
前記基準場所に関連する範囲である選択範囲を規定するための範囲指定情報を指定する第二のステップと、
前記複数の監視装置の各々について該監視装置の設置位置を示す設置位置情報を管理するデータベースを検索し、前記複数の監視装置の各々について、前記選択範囲に当該監視装置の前記設置位置が含まれるか否かを判定し、含まれると判定された前記監視装置を選択する第三のステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする監視装置選択プログラム。
(付記2)
前記基準場所は一点であって前記基準場所情報は該一点の位置を示す情報であり、
前記範囲指定情報は、前記基準場所からの距離bであり、
前記第三のステップにおける判定では、前記監視装置の前記設置位置と前記基準場所との距離を算出し、該距離が前記b以下であれば前記選択範囲に含まれると判定する、
ことを特徴とする付記1に記載のプログラム。
(付記3)
前記基準場所は一点であって前記基準場所情報は該一点の位置を示す情報であり、
前記範囲指定情報は、前記基準場所からの距離bと、前記基準場所を通る線であって予め定義されている線からの距離を示す値gとを含む、
ことを特徴とする付記1に記載のプログラム。
(付記4)
前記線は、該線上に位置する複数の基点のそれぞれの位置情報を使って定義されており、
前記第三のステップにおける判定では、前記複数の基点のそれぞれについて前記基準場所との距離fを算出し、該fが前記b以下となる前記基点について、該基点と前記監視装置の前記設置位置との距離dを算出し、該dが前記g以下であれば前記選択範囲に含まれると判定する、
ことを特徴とする付記3に記載のプログラム。
(付記5)
前記線は所定の座標系における所定の関数を使って表現される線であり、
前記第三のステップにおける判定では、前記監視装置の前記設置位置から前記線に下ろした垂線の足の位置を算出し、該足と前記基準場所との距離fを算出し、前記足と前記監視装置の前記設置位置との距離dを算出し、前記fが前記b以下かつ前記dが前記g以下であれば前記選択範囲に含まれると判定する、
ことを特徴とする付記3に記載のプログラム。
(付記6)
前記基準場所は予め定められた特定範囲であって前記基準場所情報は該特定範囲を識別する情報であり、
前記範囲指定情報は、前記特定範囲を含むn角形のn個の頂点の位置に関する情報を含み、
前記第三のステップにおける判定では、前記監視装置の前記設置位置が前記n角形の内部にあれば前記選択範囲に含まれると判定する、
ことを特徴とする付記1に記載のプログラム。
(付記7)
前記nは4であり、
前記n個の頂点は、前記特定範囲の最北端の緯度y1および前記指定範囲の最西端の経度x4により定義される点(x4,y1)、前記y1および前記指定範囲の最東端の経度x2により定義される点(x2,y1)、前記x2および前記指定範囲の最南端の緯度y3により定義される点(x2,y3)、前記y3および前記x4により定義される点(x4,y3)の四点である、
ことを特徴とする付記6に記載のプログラム。
(付記8)
前記基準場所情報は、ある一点の位置を所定の座標系にしたがって示す情報であり、
前記範囲指定情報は、前記座標系において範囲を指定するための一つ以上のパラメータを含む、
ことを特徴とする付記1に記載のプログラム。
(付記9)
複数の監視装置の中から一部の監視装置を選択する監視装置選択装置であって、
選択の基準となる場所である基準場所を示す基準場所情報を指定する基準場所指定手段と、
前記基準場所に関連する範囲である選択範囲を規定するための範囲指定情報を指定する範囲指定手段と、
前記複数の監視装置の各々について該監視装置の設置位置を示す設置位置情報を管理するデータベースを検索し、前記複数の監視装置の各々について、前記選択範囲に当該監視装置の前記設置位置が含まれるか否かを判定し、含まれると判定された前記監視装置を選択する選択手段と、
を備えることを特徴とする監視装置選択装置。
(付記10)
複数の監視装置の中から一部の監視装置を選択する監視装置選択方法であって、
コンピュータが、選択の基準となる場所である基準場所を示す基準場所情報を指定し、
前記コンピュータが、前記基準場所に関連する範囲である選択範囲を規定するための範囲指定情報を指定し、
前記コンピュータが、前記複数の監視装置の各々について該監視装置の設置位置を示す設置位置情報を管理するデータベースを検索し、前記複数の監視装置の各々について、前記選択範囲に当該監視装置の前記設置位置が含まれるか否かを判定し、含まれると判定された前記監視装置を選択する、
ことを特徴とする監視装置選択方法。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】本発明の原理を示すフローチャートである。
【図2】本発明のシステム構成の一例を示す図である。
【図3】カメラ情報のデータ構成の一例を示す図である。
【図4】第一実施例の説明図である。
【図5】第一実施例における選択範囲比較処理のフローチャートである。
【図6】第二実施例の説明図である。
【図7A】第二実施例における路線情報のデータ構成を示す図である。
【図7B】第二実施例における水系情報のデータ構成を示す図である。
【図7C】第二実施例における河川情報のデータ構成を示す図である。
【図7D】第二実施例における沿線基点情報のデータ構成を示す図である。
【図8】第二実施例における選択範囲比較処理のフローチャートである。
【図9】第三実施例の説明図である。
【図10】第三実施例における地域情報のデータ構成を示す図である。
【図11】第三実施例における選択範囲比較処理のフローチャートである。
【図12】本発明のプログラムを実行するコンピュータのブロック図である。
【図13】従来のカメラ管理システムの例を示す図である。
【図14】従来のカメラ管理システムの別の例を示す図である。
【符号の説明】
【0127】
100A カメラ管理システムA
100B カメラ管理システムB
100C カメラ管理システムC
100D カメラ管理システムD
100−0 監視装置管理システム
101A、101B、101C、101D カメラ
101X カメラ甲
101Y カメラ乙
101−0 監視装置
102A、102B、102C、102D カメラ管理サーバ
103A、103B、103C、103D カメラ情報DB
104 クライアント
105 カメラ一覧画面
106 地図位置情報画面
107 画面
108 防災情報管理サーバ
201 基準場所
202 線
203−1、203−2、……、203−11 基点
300 CPU
301 ROM
302 RAM
303 通信インターフェイス
304 記憶装置
305 入力装置
306 出力装置
307 駆動装置
308 バス
309 プログラム提供者
310 可搬型記憶媒体
311 ネットワーク
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理システムによって設置位置が管理されている複数台の監視装置の中から、指定された基準場所に関連がある範囲に設置された監視装置を選択するプログラム、装置、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
道路や橋や河川など、各種機関が管理する施設や区域において、監視用のカメラが広範囲に多数設置されている。また、それらのカメラの設置位置やそれらのカメラで撮影した映像を管理するするシステム(以後「カメラ管理システム」とよぶ)が構築されている。
【0003】
図13は従来のカメラ管理システムの例を示す。図13では、複数台のカメラ(101−1と101−2)とカメラ管理サーバ102がネットワークで接続されており、カメラ管理サーバ102がカメラ情報データベース103(以後「データベース」を「DB」と書く)を使ってそれら複数台のカメラを管理している。カメラ情報DB103には、各カメラの名称、カメラで撮影した動画を見るためにアクセスすべきアドレスなどの映像情報、カメラの設置位置に関する位置情報などからなるカメラ情報が格納されている。
【0004】
カメラ管理システムの利用者はクライアント104から不図示のネットワークを介してカメラ管理サーバ102にアクセスすることができる。
カメラ管理サーバ102は、利用者がカメラを選択するのに必要な情報(カメラ名称や位置情報)をカメラ情報DB103から取得し、それらの情報をクライアント104に送信する。送信された情報にもとづき、クライアント104の画面107上には、カメラ一覧画面105や、カメラの位置を示すアイコンを地図上に重ねて表示した地図位置情報画面106などが表示される。利用者は、マウス操作などによりカメラ一覧画面105や地図位置情報画面106から所望のカメラを選択する。すると、どのカメラが選択されたかという情報がカメラ管理サーバ102に送信されるので、カメラ管理サーバ102は、選択されたカメラが撮影した映像をクライアント104に送信する。従来のカメラ管理システムにおいて利用者は、以上のようにしてカメラを選択することにより、必要な映像をクライアント104の画面107上に表示させることができる。
【0005】
図14は従来のカメラ管理システムの別の例を示す。図14の例では、図13のカメラ管理システムと同様の機能を備えた四つのカメラ管理システムA〜D(100A〜100D)がある。カメラ管理システム100Dは、他の三つのカメラ管理システム(100A〜100C)とネットワークを介して接続されており、他のカメラ管理システム(100A〜100C)で管理されているカメラ情報DB(103A〜103C)をカメラ管理サーバ102Dから参照することができるように、他の三つのカメラ管理システム(100A〜100C)と連携している。図14では、各カメラ管理システム(100A〜100D)につき一台のカメラ(101A〜100D)しか図示していないが、実際には各カメラ管理システム(100A〜100D)はそれぞれ複数台のカメラを管理している。
【0006】
例えば、カメラ管理システムD(100D)の利用者は、図13と同様に不図示のネットワークを介してカメラ管理システムD(100D)のカメラ管理サーバ102Dにアクセスすることができる。このとき、カメラ管理システムD(100D)のカメラ管理サーバ102Dは、利用者がカメラを選択するのに必要な情報を、カメラ管理システムD(100D)のカメラ情報DB(103D)から取得するだけではなく、連携している他の三つのカメラ管理システム(100A〜100C)のカメラ情報DB(103A〜103C)からも取得する。その結果、四つのカメラ管理システム(100A〜100D)で管理されているすべてのカメラ(101A〜101D)について、カメラ一覧画面105や地図位置情報画面106として利用者のクライアント104の画面107上に表示することができる。
【0007】
よって、利用者は、どのカメラ管理システムで管理されているカメラかという違いを気にせずに所望のカメラで撮影した映像を見ることができる。例えば図14では、利用者がカメラ管理システムD(100D)のカメラ管理サーバ102Dにアクセスしているが、カメラ管理システムC(100C)で管理されているカメラ101Cを所望のカメラとして選択することができる。このように複数のカメラ管理システムが連携することによって、既設のカメラに関する情報が共有化される。
【0008】
ところで、近年の技術向上により映像技術が一般化し、監視用のカメラの台数が飛躍的に増加している。つまり、図13のカメラ管理システムや図14の個々のカメラ管理システムがそれぞれ管理するカメラの台数が増加している。さらに、近年のIP(Internet Protocol)ネットワークの普及により、図14のように複数のカメラ管理システム(100A〜100D)が連携する仕組みも広まっている。その結果、図14において利用者が利用可能なカメラは広範囲に及ぶようになり、台数も大幅に増加している。
【0009】
このように利用可能なカメラの台数が膨大な場合、必要な映像を迅速に選択することが困難になるという問題がある。この問題は、いつも所定のカメラで撮影した映像のみを利用者が見る場合なら、例えばカメラ管理システムが利用者ごとに所定のカメラを記憶するなどの対策により解決することが可能である。しかし、どのカメラで撮影した映像が必要なのかが予め決まっておらず、しかも迅速に必要な映像を選択することが重要な場合には、それでは対応することができない。
【0010】
例えば、防災担当者が図14のカメラ管理システムD(100D)を利用する場合を考える。災害はいつどこで発生するかが不明であり、災害の種類や程度によって災害の影響を受ける範囲も異なる。しかし、災害発生時には、その範囲に含まれるカメラを利用者(防災担当者)が選択し、それらのカメラで撮影した映像を参考にしながら災害に対応することが望ましい。しかし、その範囲は予め決まっておらず不定である。また、災害への対応は迅速に行われるべきであるから、カメラの選択も迅速に行われなくてはならない。
【0011】
一方、図14のような従来のカメラ管理システムにおいては、利用可能なカメラの台数が膨大だと、どのカメラで撮影した映像が必要なのかという範囲が予め決まっていない場合、必要な映像を迅速に選択することが困難であるという問題があった。
【0012】
困難な理由として第一に、膨大な数の中から必要なもののみを選択するのには時間がかかることが挙げられる。第二の理由としては、選択に必要な知識を利用者が持ち、その知識にもとづいて選択する必要があるために、知識量等によっては選択を適切かつ迅速に行うことが不可能なことが挙げられる。例えば、利用可能なすべてのカメラが設置位置の住所とともにリストアップされていても、知識がない利用者は住所から地理的な位置関係を把握することができないため、いずれのカメラを選択すべきか判断することができない。これでは当然、迅速な選択はかなわない。
【0013】
なお、特許文献1は監視カメラを備えた防災システムについて記載しているが、この問題を解決するものではない。特許文献1に記載の防災システムでは、火災等の異常が発生すると、監視区域に設置された防災センサーからの発報信号により、予め準備された異常発生箇所の平面配置図を自動的に選択して表示画面に表示するともに、防災センサーに対応した監視カメラによって撮像された現場の映像も表示する。しかし、この防災システムでは災害発生場所という特定の点の情報に対応して当該箇所の映像を表示するだけであり、ある広がりを持った範囲に災害が及ぼす影響や波及を考慮していない。よって、上記の問題を解決することはできない。
【特許文献1】特許3196041号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の課題は、複数の監視装置について設置位置が管理されている場合、特にその台数が膨大である場合に、ある基準場所と関連のある範囲に設置された監視装置をそれら複数の監視装置の中から迅速に選択することができるようにすることである。
【0015】
例えば、上記監視装置は監視用のカメラであり、上記基準場所はある一つの災害の発生箇所であり、上記範囲はその災害の影響を受ける範囲である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明による監視装置選択プログラムは、複数の監視装置の中から一部の監視装置を選択する監視装置選択プログラムであって、選択の基準となる場所である基準場所を示す基準場所情報を指定する第一のステップと、前記基準場所に関連する範囲である選択範囲を規定するための範囲指定情報を指定する第二のステップと、前記複数の監視装置の各々について該監視装置の設置位置を示す設置位置情報を管理するデータベースを検索し、前記複数の監視装置の各々について、前記選択範囲に当該監視装置の前記設置位置が含まれるか否かを判定し、含まれると判定された前記監視装置を選択する第三のステップと、をコンピュータに実行させる。
【0017】
実施形態によって、前記基準場所情報および前記範囲指定情報の内容が異なり、それに応じて前記選択範囲が異なる。ある実施形態では、前記基準場所は一点であって前記基準場所情報は該一点の位置を示す情報であり、前記範囲指定情報は、前記基準場所からの距離bと、前記基準場所を通る線であって予め定義されている線からの距離を示す値gとを含む。別の実施形態では、前記基準場所は予め定められた特定範囲であって前記基準場所情報は該特定範囲を識別する情報であり、前記範囲指定情報は、前記特定範囲を含むn角形のn個の頂点の位置に関する情報を含み、前記選択範囲は前記n角形の内部である。
【0018】
本発明による監視装置選択装置は上記のプログラムにしたがって動作する装置であり、本発明による監視装置選択方法は上記のプログラムがコンピュータに実行させる方法である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、基準場所を示す基準場所情報を指定し、その基準場所に関連する範囲を定めるための範囲指定情報を指定することによって、その基準場所と関連がある一定の範囲内に設置された監視装置が自動的に選択される。つまり、基準場所だけでなく、一定の広がりを持つ範囲を考慮して選択がなされる。よって、災害発生時等、ある基準場所から一定の範囲に影響が及び、その範囲を考慮して監視装置を選択すべき場合に本発明は好適である。また、選択は自動的になされるので、前記複数の監視装置の台数が膨大であっても迅速な選択が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の原理を説明するフローチャートである。後述するとおり、本発明は様々な形態で実施することができるが、図1はそれらの実施形態に共通する原理を示す。
【0021】
図1に示した処理は、複数の監視装置(例えば監視用に設置した複数のカメラ)の設置位置情報を管理するデータベースにアクセス可能なコンピュータにより実行される。例えば監視装置がカメラである場合、図1の処理によって、必要な映像を撮影しているカメラをそれら複数のカメラの中から選択し、選択結果を出力する。
【0022】
ステップS101では、選択の基準となる場所である基準場所を示す基準場所情報を指定する。つまり、基準場所情報のデータをメモリに格納する。
基準場所は、一つの地点でもよく、一定の広がりを有する範囲でもよい。前者の例は災害が発生した地点であり、例えば、基準場所情報はその地点の緯度と経度で表現することができる。後者の例は気象警報が発令された地区であり、例えば、基準場所情報はその地区の識別番号で表現することができる。
【0023】
なお、基準場所情報として、人間が入力装置を介してコンピュータに入力したデータを指定してもよく、既存の防災情報管理サーバ108(図2とあわせて後述)等と連携して防災情報管理サーバ108から送信されたデータを指定してもよい。基準場所情報を指定したらステップS102に移行する。
【0024】
ステップS102では範囲指定情報を指定する。つまり、範囲指定情報のデータをメモリに格納する。範囲指定情報は、基準場所に関連する範囲である選択範囲を規定するための一つ以上のパラメータであり、実施の形態によって様々に異なる。
【0025】
例えば、地震発生時に、震源地から半径10km以内に設置されているカメラの映像を見たいことがある。この場合、基準場所は震源地であり、範囲指定情報は10kmという距離である。
【0026】
また、河川での水害発生時に、例えば警戒水位を超過する水位を観測した観測局から下流15kmまでの範囲に設置されているカメラの映像を見たいことがある。この場合、基準場所は当該観測局の地点である。範囲指定情報は、下流という方向と15kmという距離の組み合わせでもよく、当該河川に沿った15kmという距離のかわりに当該観測局からの距離で代用してもよく、また、当該河川からの距離をさらに含めてもよい。
【0027】
あるいは、気象警報発生時に、例えば警報が発令された地区内に設置されているカメラの映像を見たいことがある。気象警報は、都道府県をいくつかに分けた一次細分区域をさらにいくつかに分けた二次細分区域を単位として発表される。この場合、基準場所は当該二次細分区域である。ところで、二次細分区域は不定形である。そこで、処理の簡単化のために、範囲指定情報として、当該二次細分区域の最北端、最南端、最東端、最西端を示す情報(例えば最北端と最南端の緯度、および最東端と最西端の経度)を指定してもよい。
【0028】
なお、範囲指定情報として人間が入力装置を介してコンピュータに入力したデータを指定してもよく、既定値を指定してもよく、既存の防災情報管理サーバ108等と連携して防災情報管理サーバ108から送信されたデータを指定してもよい。例えば、既定値として予め「10km」という値を定めておき、それを範囲指定情報として指定することによって、上記の例のように基準場所から半径10km以内の範囲を選択範囲として規定することができる。また、防災情報管理サーバ108から、地震の震源地の位置とあわせて「震源地から半径20kmの範囲で大きな影響がある」などのデータが送信された場合に、その「20km」を範囲指定情報として指定してもよい。範囲指定情報を指定したらステップS103に移行する。
【0029】
ステップS103では、変数Lを初期化する。変数Lの値はメモリに格納される。変数Lは選択結果を表す変数である。例えば、選択した監視装置の識別子のリストにより選択結果を表してもよく、この場合ステップS103では変数Lに空リストを代入することにより初期化を行う。初期化後、ステップS104に移行する。
【0030】
ステップS104からステップS108は繰り返しループを形成している。このループは、利用可能なすべての監視装置の台数と同じ回数繰り返される。なお、利用可能なすべての監視装置とは、図1の処理を実行するコンピュータが利用可能なデータベースで設置位置情報が管理されているすべての監視装置のことである。詳しくは図2とあわせて後述する。
【0031】
ステップS104では、利用可能なすべての監視装置を調べたか否かを判定し、すべてを調べたならステップS109に移行し、まだ調べていない監視装置があればステップS105に移行する。
【0032】
ステップS105では、上記データベースを検索してまだ調べていない監視装置を一つ選択し、ステップS106に移行する。
ステップS106では、選択範囲比較処理を実行する。選択範囲比較処理は、ステップS101で指定した基準場所情報とステップS102で指定した範囲指定情報とにより定められる選択範囲に、ステップS105で選択した監視装置の設置位置が含まれるか否かを調べ、その結果を返す処理である。
【0033】
なお、選択範囲比較処理の具体的な内容は、ステップS102でどのような範囲指定情報を指定するかということと強く関連しており、実施の形態によって様々である。詳しくは図5、8、11とあわせて後述する。選択範囲比較処理の実行後、ステップS107に移行する。
【0034】
ステップS107では、ステップS106の選択範囲比較処理の結果による判定を行う。ステップS105で選択した監視装置が選択範囲内ならステップS108に移行し、選択範囲外ならステップS104に戻る。
【0035】
ステップS108では、ステップS105で選択した監視装置が選択範囲内にあると分かったので、これを変数Lに追加する。例えば、変数Lが監視装置の識別子のリストとして表現される場合は、ステップS105で選択した監視装置の識別子をリストに追加してLの値を更新する。その後、ステップS104に戻る。
【0036】
ステップS109は、利用可能なすべての監視装置を調べ終わったときに実行される。ステップS109では、選択結果が格納された変数Lを出力して一連の処理を終える。なお、変数Lは単に選択結果を保持しているだけであり、変数Lにもとづいて実際に利用者に何を提示するか(画面に何をどう表示するか)は、実施の形態によって異なる。
【0037】
次に、図2を参照して本発明のシステム構成の一例を説明する。図2の例では選択する対象の監視装置がカメラであり、災害発生時に当該災害の影響を受ける範囲に設置されたカメラを選択するのに本発明を利用している。
【0038】
図2は、図14の従来のカメラ管理システムの一部を変更した構成となっているので、以下では相違点を中心に説明する。図2において図14と異なるのは、第一に防災情報管理サーバ108とも連携している点、第二に利用者が手作業で膨大な数のカメラの中から所望のカメラを選択する必要がない点である。
【0039】
第一の相違点は、本発明を実施するのに必須の要件ではない。しかし、防災情報管理サーバ108と連携することにより、災害時に基準場所情報を指定する(図1のステップS101)のに人手が不要となる。よって、より迅速に必要なカメラを選択することができるとともに、利用者の知識量等に依存する度合いが減るので、望ましい。
【0040】
なお、ここで防災情報管理サーバ108とは、水害、地震、事故等に関する情報を管理しているサーバであって、災害の発生場所をネットワークを介して外部に通報する手段が備えられていればどのようなものでも構わない。例えば、気象計や震度計等の観測機器の設置位置と観測結果とを管理し、観測結果が災害発生を示していたらその災害発生場所の緯度と経度をカメラ管理サーバ102Dに通報するように構成された防災情報管理サーバ108を、本発明で利用することが可能である。また、防災情報管理サーバ108がさらに範囲指定情報をカメラ管理サーバ102Dに通報するようにしてもよい。
【0041】
第二の相違点は、膨大な数のカメラの中から必要なカメラを選択するのに、図13や図14のようなカメラ一覧画面105や地図位置情報画面106を利用者が使う必要がなくなった点である。利用者がクライアント104を介してカメラ管理サーバ102Dにアクセスすると、カメラ管理サーバ102Dが図1の処理を行うため、クライアント104の画面107には、基準場所情報と範囲指定情報にしたがって選択されたカメラのみの一覧または選択されたカメラで撮影した映像などが表示される。よって、一覧からさらに利用者が選択操作を行うにしても、カメラ管理サーバ102Dによって既に数が絞り込まれたカメラの中から選択すればよいので、従来よりも迅速に必要なカメラを選択することができる。また、図2の例のように、一つのカメラ101Bのみが選択された場合は、クライアント104の画面107にそのカメラ101Bで撮影した映像をそのまま出力してもよい。
【0042】
なお、図2のように複数のカメラ管理システム(100A〜100D)が連携している構成の場合、図1のステップS104では、図1の処理を実行しているサーバ自身(カメラ管理サーバ102D)が有するカメラ情報DB(103D)または他のカメラ管理サーバ(102A〜102C)が有するカメラ情報DB(103A〜103C)で管理されているカメラをすべて調べたか否か、を判定する。図2のように連携していれば、カメラ管理サーバ102Dから参照可能という点で、四つのカメラ情報DB(103A〜103D)は同等であるため、図1では区別していない。
【0043】
次に、図3を参照して本発明で選択の対象となる監視装置がデータベースでどのように管理されるかという例を説明する。図3の例において選択の対象となる監視装置はカメラであり、図3はカメラ情報のデータ構成の一例を示す。図3のカメラ情報は図2のカメラ情報DB(103A〜103D)に格納されている。
【0044】
図3の「項」列は参照の便宜のための番号である。カメラ情報のデータの各項目は「項目」列に示されている。「内容」列は内容の説明である。なお、意味的に関連する複数の項目についてその関連性を示すために、図3では階層的に表示している。例えば、「設置場所」(第5〜27項)は「緯度」(第6〜9項)や「経度」(第10項〜13項)などの情報からなり、「緯度」は「度」、「分」、「秒」からなる、という具合である。実際に管理するデータは、この階層において自分より下の層がない項目(例えば第7項の「度」)に対応する。
【0045】
図3のとおり、カメラ情報は、カメラを識別するための一意な「カメラ番号」、そのカメラの「名称」と「名称(読み)」、「設置場所」、「動画ストリーム情報」からなる。図3の例では、各カメラに対応する特定のURL(Uniform Resource Locator)にアクセスすることによって、そのカメラで撮影してMPEG2(Moving Picture Experts Group 2)またはMPEG4で符号化した映像(動画)を見ることができるようにしてある、という前提である。よって、「設置場所」以外に「動画ストリーム情報」も管理している。
【0046】
次に、図1のステップS102およびS106が実施形態によって様々に異なることを具体例に即して説明する。具体例として第一実施例、第二実施例、第三実施例、およびそれらの変形例を順に説明する。第一実施例、第二実施例、第三実施例は、選択する対象の監視装置がカメラ(監視カメラ)であり、災害発生時に当該災害の影響を受ける範囲に設置されたカメラを選択する場合の例であり、図2のシステム構成と図3のカメラ情報を前提としている。
【0047】
図4は第一実施例の説明図である。第一実施例では、基準場所201はある一点であり、選択範囲は基準場所からの距離が所定の値b以下となる範囲である。
例えば、地震発生や台風発生などの災害時に、震源地や台風の中心位置が基準場所201となる。災害時には、基準場所201の近隣に設置されたカメラの映像をクライアント104の画面に表示することが必要である。しかし、図13や図14などの従来のシステムでは、利用者が基準場所201の位置情報とカメラの設置位置情報とを数値として比較するか、地図上で比較する必要があり、カメラの選択を人手に頼っていた。そのため、誰もが迅速に必要なカメラを選択することはできなかった。
【0048】
そこで、本発明の第一実施例では、基準場所201の位置情報と、ある距離b(以下、この距離を絞込範囲とよぶ)とが与えられると、基準場所201からの距離が絞込範囲b以下の範囲(選択範囲。図4の網かけ部分)に設置されたカメラのみを自動的に選択する。図4の例では、カメラ甲101Xと基準場所201との直線距離d1は絞込範囲b以下であり、カメラ乙101Yと基準場所201との直線距離d2は絞込範囲bより大きいので、カメラ甲101Xは選択されるが、カメラ乙101Yは選択されない。
【0049】
この選択は、図1のフローチャートにおいて、ステップS106の選択範囲比較処理として、図5に示した処理を行うことによって実現される。
図1のステップS101では基準場所201の緯度と経度を基準場所情報として指定する。ステップS102では絞込範囲bを範囲指定情報として指定する。これらは、利用者が入力装置を介して入力したデータを指定してもよく、図2の防災情報管理サーバ108から取得したデータを指定してもよい。また、絞込範囲bの既定値を設けておき、それを指定することもできる。
【0050】
ステップS103からステップS105は、図1に関して前述したとおりだが、第一実施例において「監視装置」はカメラのことである。
第一実施例では図1のステップS106が図5の選択範囲比較処理の呼び出しに相当する。図5の選択範囲比較処理における引数は、ステップS105で選択されたカメラを識別する情報、ステップS101で指定された基準場所201の基準場所情報、ステップS102で指定された絞込範囲bである。
【0051】
なお、第一実施例は図2のようなシステム構成であるため、カメラを識別する情報は、そのカメラがいずれのカメラ情報DB(103A〜103D)で管理されているのかという情報と、そのカメラ情報DB内でのカメラ番号(図3の第2項)との組み合わせである。もし複数のカメラ管理システムが連携していないシステム構成であれば、カメラ番号だけでカメラを識別することができる。
【0052】
図5のステップS201では、引数で指定されたカメラを管理しているカメラ情報DB(103A〜103Dのいずれか)を検索し、そのカメラが設置されている緯度と経度(図3の第6〜13項)を求める。求めた値をメモリに格納し、ステップS202に移行する。
【0053】
ステップS202では、引数で指定されたカメラの設置位置と基準場所との距離dを算出する。距離dは直線距離である。ここで、引数として与えられた基準場所情報は緯度と経度であるため、ステップS201で求めた緯度と経度および基準場所情報から、緯度の差の2乗と経度の差の2乗との和の2乗根を算出することにより、距離dを算出することができる。算出した距離dをメモリに格納し、ステップS203に移行する。
【0054】
ステップS203では、距離dが絞込範囲b以下か否かを判定する。d≦bなら判定はYesとなってステップS204に移行し、d>bなら判定はNoとなってステップS205に移行する。
【0055】
ステップS204では、d≦bであること(つまり引数で指定されたカメラは選択範囲内にあること)を示す値としてTrueを返し、処理を終える。
ステップS205では、d>bであること(つまり引数で指定されたカメラは選択範囲外にあること)を示す値としてFalseを返し、処理を終える。
【0056】
以上のようにして選択範囲比較処理を終えると、図1に戻る。ステップS107では、ステップS106の返り値がTrueなら選択範囲内、Falseなら選択範囲外と判定する。ステップS108、ステップS109は上述したとおりである。
【0057】
なお、ステップS109で出力されるLはカメラの選択結果を示す。よって、その選択結果にもとづいて、選択されたカメラの一覧をクライアント104の画面107上に表示してもよく、選択されたカメラで撮影した映像をクライアント104の画面107上に表示してもよい。後者の場合で選択されたカメラが複数ある場合は、画面を複数の区画に分割して、それら複数のカメラの映像をそれぞれ表示してもよい。
【0058】
図6は第二実施例の説明図である。第二実施例では、基準場所201はある一点であり、河川や道路などの線202の沿線上にある場所である。この場合、基準場所201からの距離と線202からの距離の双方にもとづいて選択範囲を規定することが好ましい。しかし、一般に河川や道路は複雑な軌跡を描く線202であり、線202のデータ上の表現の仕方によっては、任意の地点と線202との実際の距離を算出することが不可能または困難である。そこで、第二実施例では、線202からの実際の距離の代用となる別の距離を利用している。
【0059】
例えば、河川の水位が警戒水位に達した時や道路で事故が発生した時などの災害時には、水位の計測場所や事故発生場所が基準場所201となる。また、これらの河川や道路の沿線に設置されているカメラの映像をクライアント104の画面に表示することが必要である。しかし、図13や図14などの従来のシステムでは、基準場所201の位置情報、カメラの設置位置情報、河川や道路がどこをどのように通っているかという情報を利用者が地図上で比較する必要があり、カメラの選択を人手に頼っていた。そのため、誰もが迅速に必要なカメラを選択することはできなかった。
【0060】
そこで、本発明の第二実施例では、複数の基点(203−1、203−2、……、203−11)の連なりとして河川や道路などの線202がデータ上表現されているという前提のもと、基準場所201の位置情報と、絞込範囲bと、基点からの距離g(以下、この距離gを沿線範囲gとよぶ)とが与えられると、図6の網かけ部分(選択範囲)に設置されたカメラのみを、基準場所201に関連のあるカメラとして自動的に選択する。具体的には、基準場所201からの距離が絞込範囲b以下となる位置にある基点(203−2、203−3、……、203−10のいずれか)からの距離が沿線範囲g以下となる範囲が、選択範囲である。
【0061】
つまり、第二実施例では、線202とカメラの距離を示すのに、線202とカメラの実際の距離自体を使うのではなく、基点(203−2、203−3、……、203−10のいずれか)とカメラの距離で代用している。基点同士の間隔が適切なら、基点(203−1、……、203−11)の連なりを折れ線状に結んだ線として線202を表現しても、実際の線202の軌跡とさほど大きくずれず、基点とカメラの距離が線202とカメラの距離と顕著に異なることもない。また、基点とカメラの距離は容易に算出することができる。よって、第二実施例において線202とカメラの距離を示すのに基点(203−2、203−3、……、203−10のいずれか)とカメラの距離を利用するのは、処理量、処理時間、結果の妥当性などのバランスを考慮してのことである。
【0062】
なお、図6では基準場所201が基点203−6でもあるが、基準場所201は必ずしも基点である必要はない。
図6の例では、基準場所201から基点203−8までの直線距離(以下、基準場所201からある基点までの直線距離をその基点の基点距離fとよぶ)が絞込範囲b以下であり、カメラ甲101Xは基点203−8からの直線距離d1が沿線範囲g以下であるから、カメラ甲101Xは選択される。一方、カメラ乙101Yは、基準場所201からの基点距離fが絞込範囲b以下となるいずれの基点(203−2〜203−10)からの直線距離d2も沿線範囲gより大きいため、選択されない。
【0063】
このように選択することにより、基準場所201と線202の双方からの距離を考慮して、基準場所201と関連する範囲に設置されたカメラのみを選択することができる。
この選択は、図1のフローチャートにおいて、ステップS106の選択範囲比較処理として図8に示した処理を行うことによって実現されるが、図8について説明する前に、第二実施例で利用するデータの構成について図7A〜図7Dを参照しながら説明する。なお、図7A〜図7Dでは図3と同様の形式でデータの構成を示している。
【0064】
図7Aは路線情報のデータ構成の一例を示す。線202が道路の場合、図7Aの路線情報は、路線を識別する一意の番号、名称、読み仮名からなる。
図7Bは水系情報のデータ構成の一例を示し、図7Cは河川情報のデータ構成の一例を示す。線202が河川の場合、河川情報とともに当該河川が属する水系を識別するための水系情報を管理する。図7Bの水系情報は、水系を識別する一意の番号、名称、読み仮名からなる。図7Cの河川情報は、河川を識別する一意の番号、名称、読み仮名のほかに、その河川が属する水系(水系情報の番号を使って表す)を含む。このように水系情報と河川情報の二段階に階層化して管理することによって、同一水系に属する複数の河川について、それらの河川が関連していることがデータ上でも表現される。このことは、後述する第二実施例の変形例において利用する。
【0065】
前述したとおり、第二実施例では、複数の基点(203−1、203−2、……)の連なりとして線202を表現する。例えば、線202が道路の場合、これら基点は道路上のキロポスト(距離標)であり、線202が河川の場合、これら基点は河川沿線に設けられたキロポストや、水位計等が設置された観測局である。なお、線202を基点の連なりとして表現するためには、基点がキロポストか観測局かという区別は重要ではないため、以下では特に区別しない。
【0066】
図7Dは沿線基点情報のデータ構成の一例を示す。図7Dの沿線基点情報は、どの線202に沿って(種別、沿線番号)、何が(番号)、どこにあるのか(緯度、経度、キロポスト表示)という情報からなる。例えば、図7Aの路線情報において「番号」が15の路線のデータ上の表現は、沿線基点情報で「種別」が道路、「沿線番号」が15となるレコード(各レコードが各基点に対応する)の集合である。つまり、これら各レコードの緯度と経度をキロポスト表示の大きさの順につないだものとして線202が表現されている。
【0067】
なお、図7A〜図7Dに示した路線情報、水系情報、河川情報、沿線基点情報は、図2において、例えば防災情報管理サーバ108で管理されていてもよく、カメラ管理システム100A〜100Dのいずれかで管理されていてもよい。あるいは、不図示の別のシステムで管理され、カメラ管理システム100Dからデータが参照可能となるようにしておいてもよい。
【0068】
次に、図1と図8のフローチャートを参照して第二実施例で行う処理について説明する。
図1のステップS101では基準場所201の緯度と経度を基準場所情報として指定する。ステップS102では、基準場所201がどの線202の沿線かを指定する情報、絞込範囲b、沿線範囲gを範囲指定情報として指定する。これらは、利用者が入力装置を介して入力したデータを指定してもよく、図2の防災情報管理サーバ108から取得したデータを指定してもよい。また、絞込範囲bや沿線範囲gの既定値を設けておき、それを指定することもできる。
【0069】
ステップS103からステップS105は、図1に関して前述したとおりだが、第二実施例において「監視装置」はカメラのことである。
第二実施例では図1のステップS106が図8の選択範囲比較処理の呼び出しに相当する。図8の選択範囲比較処理における引数は、ステップS105で選択されたカメラを識別する情報、ステップS101で指定された基準場所201の基準場所情報、ステップS102で指定された沿線の指定、絞込範囲b、沿線範囲gである。ここで、カメラを識別する情報は第一実施例と同様である。また、沿線を指定する情報は具体的には図7Dの「種別」と「沿線番号」に相当する情報である。
【0070】
図8のステップS301では、引数で指定されたカメラを管理しているカメラ情報DB(103A〜103Dのいずれか)を検索し、そのカメラが設置されている緯度と経度(図3の第6〜13項)を求める。求めた値をメモリに格納し、ステップS302に移行する。
【0071】
ステップS302では、引数で指定された沿線で、引数で指定された基準場所201からの距離が絞込範囲b以下の範囲にある基点の集合Zを求める。
例えば、図7Aにおいて「番号」が15の路線(道路)上で事故が発生した場合を考える。基準場所201すなわち事故が発生した場所の緯度と経度は基準場所情報として引数で指定されている。集合Zを算出するには、まず、集合Zを初期化して空集合とする。次に、沿線を指定する情報として、「種別」が道路で「沿線番号」が15となるレコードを図7Dの沿線基点情報から検索する。検索条件に合致した各レコードはこの路線上の各基点に対応する。これら各基点について、設置場所の緯度と経度を沿線基点情報から読み出し、基準場所201との直線距離である基点距離fを算出し、f≦bならその基点を集合Zに追加し、f>bなら何もせずに次のレコードに進む。
【0072】
以上のようにして算出した集合Zは、例えば図6の例では{基点203−2,基点203−3,……,基点203−10}という9個の基点からなる集合である。具体的には、例えば、図7Dの沿線番号(第4項)のリストとして集合Zを表現してもよい。集合Zをメモリに格納したら、ステップS303に移行する。
【0073】
ステップS303からS306までは繰り返しループを形成しており、集合Zに含まれる基点ごとに処理が繰り返され、そのうち一つでもステップS306の判定がYesとなれば繰り返しループから抜け出すようになっている。
【0074】
ステップS303では、集合Zに含まれるすべての基点を調べたか否かを判定し、まだ調べていない基点があればステップS304に移行し、すべてを調べたならステップS308に移行する。
【0075】
ステップS304では、集合Zに含まれる基点のうちまだ調べていない基点を一つ選択し、その基点の緯度と経度を求める。なお、基点の緯度と経度は、ステップS302で読み出したときにそれらをローカルなメモリに格納しておいてステップS304で読み出してもよく、ステップS304で改めて図7Dの沿線基点情報を検索して読み出してもよい。いずれにしろ、ある一つの基点の緯度と経度を読み出したら、それをメモリに格納してステップS305に移行する。
【0076】
ステップS305では、引数で指定されたカメラの設置位置とステップS304で選択した基点との距離dを算出する。距離dは直線距離である。つまり、ステップS301で求めた緯度と経度およびステップS304で求めた緯度と経度から、距離dを算出する。算出した距離dはメモリに格納し、ステップS306に移行する。
【0077】
ステップS306では、距離dが沿線範囲g以下か否かを判定する。d≦gなら判定はYesとなってステップS307に移行し、d>gなら判定はNoとなってステップS303に戻る。
【0078】
ステップS307では、集合Zに含まれる基点のうち少なくとも一つの基点からの距離が沿線範囲g以下のところに引数で指定されたカメラがある(つまりこのカメラが選択範囲内にある)ことを示す値としてTrueを返し、処理を終える。
【0079】
ステップS308では、引数で指定されたカメラは、集合Zに含まれる基点のいずれからの距離も沿線範囲gより大きい(つまりこのカメラが選択範囲外にある)ことを示す値としてFalseを返し、処理を終える。
【0080】
以上のようにして選択範囲比較処理を終えると、図1に戻る。第二実施例では、基準場所201とカメラの直線距離や、線202とカメラの実際の直線距離は算出していない。そのかわりに、基準場所201からの距離を考慮するために基点距離fを利用し、線202からの距離を考慮するために基点からの直線距離を利用している。この方法は、利用可能な既存の沿線基点情報(図7D)があること、線202をデータ上表現する方法として図7Dのような形式が簡便であることを考慮して採用した方法である。
【0081】
なお、基点間があまりに離れすぎていると図6において網かけの小さな円が連続せず、カメラの選択漏れが生じることがあるので、沿線基点情報として適度な数の基点が管理されるようにすることが望ましい。
【0082】
さて、図8から図1に戻ると、ステップS107では、ステップS106の返り値がTrueなら選択範囲内、Falseなら選択範囲外と判定する。ステップS108、ステップS109は上述したとおりである。
【0083】
なお、ステップS109で出力されるLはカメラの選択結果を示す。よって、その選択結果にもとづいて、選択されたカメラの一覧をクライアント104の画面107上に表示してもよく、選択されたカメラで撮影した映像をクライアント104の画面107上に表示してもよい。後者の場合で選択されたカメラが複数ある場合は、画面を複数の区画に分割してそれら複数のカメラの映像をそれぞれ表示してもよい。
【0084】
図9は第三実施例の説明図である。第三実施例では、基準場所201はある広がりを持った地域であり、例えば、ある特定の地区、市町村等である。そして、選択範囲は基準場所201を含む長方形の範囲であり、図9の網かけ部分である。
【0085】
例えば、気象警報の発令時には、その警報の発令対象の二次細分区域が基準場所201となり、基準場所201は一定の広がりを有する場所である。また、この特定の二次細分区域内に設置されたカメラおよび近隣地域に設置されたカメラの映像を表示することが必要である。しかし、図13や図14などの従来のシステムでは、基準場所201の名称、カメラの設置位置情報に含まれる住所を利用者が比較してカメラを選択する必要があった。そのため、地理的な予備知識のない利用者(例えば、気象警報が発令されるときの単位となる二次細分区域の名称と住所の対応を知らなかったり、ある街区に隣接する街区の名称を知らなかったりする利用者)が迅速に必要なカメラを選択することはできなかった。
【0086】
そこで、本発明の第三実施例では、基準場所201の位置情報と、基準場所201を含む長方形の地域の四つの頂点を示す位置情報とが与えられると、図9の網かけ部分に設置されたカメラのみを、基準場所201に関連のあるカメラとして自動的に選択する。具体的には、基準場所201を含む長方形を指定すると、その長方形の内部が選択範囲となる。
【0087】
図9の例では、基準場所201は不定形な広がりを有している。経度をx軸、緯度をy軸としたとき、基準場所201の最北端b1の座標が(x1,y1)、最東端b2の座標が(x2,y2)、最南端b3の座標が(x3,y3)、最西端b4の座標が(x4,y4)であるとする。このとき、頂点c1(x4,y1)、頂点c2(x2,y1)、頂点c3(x2,y3)、頂点c4(x4,y3)の四点を頂点とする長方形は基準場所201を含む。この長方形が図9における選択範囲である。
【0088】
よって、基準場所201の内部にあるカメラ甲101Xが選択されるだけでなく、基準場所201の外部ではあるが基準場所201の近隣であって選択範囲の内部にあるカメラ丙101Zも選択される。一方、カメラ乙101Yは選択範囲の外部にあるため選択されない。
【0089】
このように選択することにより、地理的な予備知識を必要とせずに、基準場所201に関連する範囲に設置されたカメラのみを容易に選択することができる。
この選択は、図1のフローチャートにおいて、ステップS106の選択範囲比較処理として図11に示した処理を行うことによって実現される。また、第三実施例では図10に示す地域情報を利用する。
【0090】
図10は地域情報のデータ構成の一例を示す図である。図10では図3と同様の形式でデータの構成を示している。地域情報は、地域を識別するための一意の番号、名称、その読み仮名のほかに、当該地域の最北端の緯度(図9のy1に相当)、最東端の経度(図9のx2に相当)、最南端の緯度(図9のy3に相当)、最西端の経度(図9のx4に相当)を含む。
【0091】
なお、地域情報は図2において、例えば防災情報管理サーバ108で管理されていてもよく、カメラ管理システム100A〜100Dのいずれかで管理されていてもよい。あるいは、不図示の別のシステムで管理され、カメラ管理システム100Dからデータが参照可能となるようにしておいてもよい。
【0092】
次に、図1と図11のフローチャートを参照して第三実施例で行う処理について説明する。
図1のステップS101では基準場所201の「番号」(図10の第2項)を基準場所情報として指定する。これは、利用者が入力したものを指定してもよく、防災情報管理サーバ108から取得したものを指定してもよい。
【0093】
ステップS102では、ステップS101で指定された基準場所201の番号をキーにして図10の地域情報を検索し、基準場所201の最北端の緯度y1、最東端の経度x2、最南端の緯度y3、最西端の経度x4(これらをまとめて端点情報とよぶ)を読み出し、これらを範囲指定情報として指定する。
【0094】
ステップS103からステップS105は、図1に関して前述したとおりだが、第三実施例において「監視装置」はカメラのことである。
第三実施例では図1のステップS106が図11の選択範囲比較処理の呼び出しに相当する。図11の選択範囲比較処理における引数は、ステップS105で選択されたカメラを識別する情報、ステップS101で指定された基準場所201の基準場所情報、ステップS102で指定された端点情報である。ここで、カメラを識別する情報は第一実施例と同様である。
【0095】
図11のステップS401では、引数で指定されたカメラを管理しているカメラ情報DB(103A〜103Dのいずれか)を検索し、そのカメラが設置されている緯度と経度(図3の第6〜13項)の値を取得する。緯度を変数yで、経度を変数xで表すこととし、xとyの値をメモリに格納したら、ステップS402に移行する。
【0096】
ステップS402では、ステップS401で求めたxとyの値を、引数として与えられた端点情報と比較する。つまり、「y3≦y≦y1」かつ「x4≦x≦x2」が成立するか否かを判定する。この条件が成立すれば判定はYesとなってステップS403に移行し、成立しなければ判定はNoとなってステップS404に移行する。この条件が成立するのは、引数で指定されたカメラの設置位置(x,y)が図9の網かけ部分(選択範囲)に入っているときである。
【0097】
ステップS403では、引数で指定されたカメラが選択範囲内にあることを示す値としてTrueを返し、処理を終える。
ステップS404では、引数で指定されたカメラが選択範囲外にあることを示す値としてFalseを返し、処理を終える。
【0098】
以上のようにして選択範囲比較処理を終えると、図1に戻る。ステップS107では、ステップS106の返り値がTrueなら選択範囲内、Falseなら選択範囲外と判定する。ステップS108、ステップS109は上述したとおりである。
【0099】
なお、ステップS109で出力されるLはカメラの選択結果を示す。よって、その選択結果にもとづいて、選択されたカメラの一覧をクライアント104の画面上に表示してもよく、選択されたカメラで撮影した映像をクライアント104の画面上に表示してもよい。後者の場合で選択されたカメラが複数ある場合は、画面を複数の区画に分割してそれら複数のカメラの映像をそれぞれ表示してもよい。
【0100】
なお、本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、様々に変形可能である。以下にその例をいくつか述べる。
第一実施例では、絞込範囲bとして一つの値を指定するため、選択範囲は円形である(図4)。しかし、災害の種類によっては、方向によって絞込範囲が異なるような形状の選択範囲の方が好ましい。例えば、山火事の発生地点が基準場所201であるとき、風下の方向の絞込範囲が風上の方向の絞込範囲より大きいことが好ましい。そのようにするには、例えば、図5のステップS201とステップS202の間で、カメラの設置位置を、基準場所201を原点とする極座標に変換し(例えば、偏角θが0となる方向が風向に一致する極座標系とする)、ステップS203では、動径r(図5のdに相当)を絞込範囲b(固定値)ではなく、偏角θの関数f(θ)の値と比較するようにすればよい。
【0101】
第二実施例では、線202として河川や道路を例に挙げたが、本発明の適用対象はこれらに限られない。線状の何かに沿って影響を受けるような事象であれば、第二実施例と同様にして本発明を適用することができる。例えば、鉄道、地下鉄道、バス等の運行経路、送電線の送電路、断層等が線202の例として挙げられる。
【0102】
また、上記の第二実施例においては、線202上での基準場所201からの方向(河川の場合は上流/下流)を考慮していないが、考慮してもよい。例えば、図7Dの沿線基点情報でキロポスト表示(第13項)の大小を比べることにより、基準場所201よりも上流か下流かを判定することができる。あるいは、図7Dの番号(第4項)を、大きいほど下流となるように付番してある場合は、番号の大小で上流/下流を判定することもできる。
【0103】
線202上での基準場所201からの方向を考慮する場合、図8の選択範囲比較処理において、どの方向を考慮するかを表す引数(上流のみ、下流のみ、双方)を追加し、ステップS302で基点の集合Zを求める際に、その基点が基準場所201の上流側にあるのか下流側にあるのかも考慮すればよい。また、絞込範囲bや沿線範囲gを、上流側と下流側で異なる値を指定することができるようにしてもよい。
【0104】
第二実施例の変形例として、同一水系に属する複数の河川を考慮することも可能である。例えば、図8のステップS302で集合Zを算出する際に、引数で指定された河川の沿線にある基点だけでなく、当該河川と同一水系に属する別の河川の沿線にある基点についても、基準場所201からの距離が絞込範囲b以下であれば集合Zに含める、などの変更が可能である。また、河川以外の線202についても図7Bと図7Cのように階層化して管理すれば、同様の変更が可能である。
【0105】
また、河川の下流域では、海からの逆流が発生する場合がある。そのため、選択範囲の絞り込みのためのパラメータとして、絞込範囲bや沿線範囲gだけでなく潮位も考慮するようにしてもよい。また、例えば沿線範囲gを固定値ではなく、絞込範囲bと潮位の関数として定め、図8のステップS306ではその関数がとる値をdと比較してもよい。
【0106】
さらに、暴風雨や洪水の発生時などは、選択範囲の絞り込みのためのパラメータとして、カメラの設置位置の標高(図3の第15項)を考慮に入れてもよい。上記のいずれの実施例の場合でも、標高を考慮に入れる変形が可能である。例えば、図5のステップS203、図8のステップS306、図11のステップS402において、さらに「カメラの設置位置の標高が所定の高さ以下である」という条件を満たさないと判定がYesとならないようにすることができる。
【0107】
第三実施例では、ある広がりを有する基準場所201に対して、図9の頂点c1〜c4で定義される長方形(各辺が緯線または経線の方向となる長方形)を選択範囲としている。しかし一般には、基準場所201を含むn角形(n≧3)を選択範囲としてもよい。ただし、それには図10の地域情報のデータ構成を変え、図10の端点情報のかわりにn角形のn個の頂点の緯度と経度をそれぞれ管理する必要がある。
【0108】
また、第三実施例では、選択範囲の長方形がb1〜b4の四つの端点で基準場所201と接しているが、選択範囲が基準場所201と接していなくてもよい。
例えば、範囲指定情報としてm1、m2、m3、m4なる四つの正の数値をさらに図11の選択範囲比較処理の引数として指定し、図9において選択範囲の長方形を東西南北の各方向にそれぞれm2、m4、m3、m1ずつ拡張してもよい。つまり、頂点c1の座標を(x4−m4,y1+m1)とし、頂点c2の座標を(x2+m2,y1+m1)とし、頂点c3の座標を(x2+m2,y3−m3)とし、頂点c4の座標を(x4−m4,y3−m3)としてもよい。なお、第三実施例は、m1=m2=m3=m4=0が既定値として指定された特殊な場合と見ることもできる。
【0109】
また、第三実施例では基準場所201の例として地区、市町村、気象警報の発令対象である二次細分区域等を挙げた。しかし、本発明の適用対象はこれらに限られない。ある広がりを持ち、その広がりの範囲内での影響を調べる必要がある場合であれば、第三実施例と同様にして本発明を適用することができる。例えば、基準場所201として、スキー場等の施設や、地盤や国定公園など行政区画と無関係な輪郭を有するものを指定してもよい。
【0110】
また、上記において、カメラが選択範囲内にあるか否かの判定は、すべて数値の計算にもとづいていたが、一部の処理を画像処理に置き換えて判定してもよい。
例えば、第三実施例において、基準場所201として指定することができる地域について、基準場所201の内部と外部を二色に塗り分けた地図画像を予め用意しておく。図11の選択範囲比較処理では、引数として端点情報のかわりにその地図画像を与える。そして、ステップS401で求めたカメラの設置位置から、その地図画像上の該当画素を特定する。ステップS402では図11の処理のかわりに、その画素の色を調べ、内部を表す色ならYesと判定し、外部を表す色ならNoと判定する。
【0111】
もちろん、この変形例をさらに変形して、基準場所201の内部とその近隣の一定部分を「内部」の色とし、それ以外の部分を「外部」の色としてもよい。
このように画像処理を組み合わせる変形は、第二実施例にも適用することが可能である。例えば、線202が河川の場合、当該河川からの距離に応じて異なる色で塗り分けた地図画像を図7Dの沿線基点情報のかわりに用意しておき、その地図画像を使ってもよい。上記と同様にして、地図画像上でカメラの設置位置に該当する画素を特定し、その画素の色に応じて選択範囲内か否かを判定することが可能である。もちろん、画素の色と絞込範囲bの双方を考慮するなど、判定においては複数の基準を組み合わせることができる。
【0112】
第二実施例の別の変形例として、関数を利用して線202を表現する実施形態も可能である。つまり、線202をデータとして表現するのに、図7Dの沿線基点情報を利用するかわりに、所定の座標系(例えば緯度と経度をそれぞれy軸、x軸とする平面座標)における所定の関数f(x)を利用し、線202をy=f(x)なる曲線で近似してもよい。また、xをいくつかの範囲に分割し、i番目の範囲ではi番目の関数fi(x)によって線202を近似してもよい。各fi(x)が一次関数(aix+bi)ならば折れ線で線202を近似することになり、図7Dの沿線基点情報にもとづいて係数aiおよびbiを予め算出しておくことが可能である。もちろん、fi(x)は一次関数以外の関数でもよい。このように関数を使って線202を近似する場合は、線202からカメラへの直線距離を直接数値的に算出することが可能であるから、図8のように繰り返し処理を行う必要はない。つまり、カメラの設置位置から線202に下ろした垂線の足の位置を算出し、その足と基準場所201との距離が絞込範囲b以下かつその足とカメラの設置位置との距離が沿線範囲g以下であれば選択範囲内である、と判定すればよい。
【0113】
上記では、図2のようなシステム構成を前提としていたが、本発明はこれ以外の構成にも適用することが可能である。
例えば、図2のように複数のカメラ管理システム(100A〜100D)が連携したシステムに本発明を適用するのではなく、図13のような単一のカメラ管理システムに対しても本発明を適用することができる。また、クライアントサーバ型システムではなく、例えば図2のカメラ管理サーバ102Dを直接利用者が操作するようなシステムとして本発明を実施してもよい。
【0114】
また、図2において、カメラ管理サーバ102Dは必ずしもカメラ情報DB(103D)を有していなくともよい。すなわち、カメラ管理サーバ102Dは、自分自身でカメラ情報DB(103D)を有していなくとも、一つ以上のカメラ情報DB(103A〜103C)を参照可能であれば、本発明を実施することが可能である。クライアント104から見ると、カメラ管理サーバ102Dを介して参照可能でありさえすれば、具体的にどのカメラ管理システム(100A〜100D)で管理されているカメラ情報DB(103A〜103D)なのかということは無関係である。
【0115】
上記では、基準場所情報が利用者または防災情報管理サーバ108から与えられる例について説明したが、他の手段によって基準場所情報が与えられてもよい。例えば、カメラ管理サーバに画像認識部を設け、そのカメラ管理サーバ自身が管理しているカメラで撮影した映像を監視し、災害の発生を認識するように構成する。そして、あるカメラ管理サーバがあるカメラの映像において災害の発生を認識したら、災害発生の旨を当該カメラの位置情報とともに、連携している他のカメラ管理サーバに通報する。もちろん、このカメラ管理サーバ自身で動作している本発明のプログラムに対しても、災害発生を認識したカメラの位置情報を基準場所情報として与える。このようにして災害発生時に災害発生場所を基準場所情報として本発明のプログラムに与えることも可能である。
【0116】
なお、上記では選択の対象となる監視装置としてカメラを挙げたが、例えば各種の観測機器等、カメラ以外の監視装置を選択の対象としてもよい。例えば水位計は水位の監視のための観測機器であり、ある河川のある場所で異常な水位を観測したときに、その場所から一定範囲内にあり同一水系に属する河川に設置された水位計を、上記変形例で述べたようにして本発明により選択することも可能である。
【0117】
ところで、本発明によるプログラムは、図12に示すような一般的なコンピュータ上で実行される。例えば図12は図2のカメラ管理サーバ102Dに相当する。
図12のコンピュータは、CPU(Central Processing Unit)300、ROM(Read Only Memory)301、RAM(Random Access Memory)302、通信インターフェイス303、記憶装置304、入力装置305、出力装置306、可搬型記憶媒体310の駆動装置307を備え、これらのすべてがバス308によって接続されている。
【0118】
また、図12のコンピュータは通信インターフェイス303を介してネットワーク311に接続されている。ネットワーク311は、LAN(Local Area Network)やインターネットなど任意のネットワークでよい。ネットワーク311には、連携している他の監視装置管理システム100−0(図2の例では100A〜100Cに相当する)や、選択の対象となる監視装置101−0(図2の例では101A〜101Dのカメラに相当する)が接続されている。
【0119】
記憶装置304は、ハードディスクなどの磁気ディスク装置でもよく、他の種類の記憶装置でもよい。図2の例におけるカメラ情報DB(103D)は記憶装置304に格納されたDBである。記憶装置304に格納されたカメラ情報のデータは、必要に応じてRAM302に読み込まれ、CPU300で処理される。
【0120】
記憶装置304またはROM301には、本発明によるプログラムが格納されている。そのプログラムがCPU300によって実行されることにより、本発明が実現される。図1等のフローチャートの説明において、データをメモリに格納すると説明したが、データによっては、RAM302ではなくCPU300内のレジスタに格納してもよい。
【0121】
入力装置305は、例えばマウスなどのポインティングデバイスやキーボードである。出力装置306は、例えば液晶ディスプレイなどの表示装置である。
利用者が直接図12のコンピュータを操作するシステムとして本発明を実現する場合(例えば図2でカメラ管理サーバ102Dを直接利用者が操作する場合)、基準場所情報や範囲指定情報は、人間が入力装置305を介して入力し、それをRAM302に格納してもよい。また、本発明によって選択された監視装置は、リスト形式で出力装置306に出力されてもよく、その場合、利用者は入力装置305を介してリストから所望の監視装置を選択することができる。選択する対象の監視装置がカメラの場合は、選択されたカメラで撮影した映像を出力装置306に出力してもよい。
【0122】
本発明をクライアントサーバ型のシステムとして実現する場合は、利用者はクライアント104からネットワーク311を通じてサーバ(図12のコンピュータ)にアクセスする。なお、クライアント104も図12とほぼ同様の構成を備える。
【0123】
よって、実施形態によっては、クライアント104の入力装置、クライアント104の通信インターフェイス、ネットワーク311、サーバの通信インターフェイス303を介して基準場所情報や範囲指定情報が入力され、それらがサーバのRAM302に格納される。また、本発明によって選択された監視装置のリスト等がサーバの通信インターフェイス303、ネットワーク311、クライアント104の通信インターフェイスを介してクライアント104の出力装置に出力される。利用者がクライアント104の入力装置を使って所望の監視装置101−0を選択すると、選択内容がクライアント104の通信インターフェイス、ネットワーク311、サーバの通信インターフェイス303を介してサーバに通知される。例えば選択する対象の監視装置がカメラの場合、サーバは、選択されたカメラで撮影している映像のストリーミングデータあるいはそれにアクセスするためのURL等の情報を、サーバの通信インターフェイス303、ネットワーク311、クライアント104の通信インターフェイスを介してクライアント104に送信する。
【0124】
本発明によるプログラムは、プログラム提供者309からネットワーク311および通信インターフェイス303を介して提供され、例えば記憶装置304に格納され、CPU300によって実行されてもよい。また、可搬型記憶媒体310に本発明によるプログラムが格納され、可搬型記憶媒体310が駆動装置306にセットされ、格納されたプログラムが例えばRAM302にロードされてCPU300によって実行されてもよい。可搬型記憶媒体310としては、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disk)などの光ディスク、光磁気ディスク、フレキシブルディスクなど様々な形式の記憶媒体を使用することができる。
【0125】
以上説明したことを概観すれば本発明は以下のような構成を備えるものである。
(付記1)
複数の監視装置の中から一部の監視装置を選択する監視装置選択プログラムであって、
選択の基準となる場所である基準場所を示す基準場所情報を指定する第一のステップと、
前記基準場所に関連する範囲である選択範囲を規定するための範囲指定情報を指定する第二のステップと、
前記複数の監視装置の各々について該監視装置の設置位置を示す設置位置情報を管理するデータベースを検索し、前記複数の監視装置の各々について、前記選択範囲に当該監視装置の前記設置位置が含まれるか否かを判定し、含まれると判定された前記監視装置を選択する第三のステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする監視装置選択プログラム。
(付記2)
前記基準場所は一点であって前記基準場所情報は該一点の位置を示す情報であり、
前記範囲指定情報は、前記基準場所からの距離bであり、
前記第三のステップにおける判定では、前記監視装置の前記設置位置と前記基準場所との距離を算出し、該距離が前記b以下であれば前記選択範囲に含まれると判定する、
ことを特徴とする付記1に記載のプログラム。
(付記3)
前記基準場所は一点であって前記基準場所情報は該一点の位置を示す情報であり、
前記範囲指定情報は、前記基準場所からの距離bと、前記基準場所を通る線であって予め定義されている線からの距離を示す値gとを含む、
ことを特徴とする付記1に記載のプログラム。
(付記4)
前記線は、該線上に位置する複数の基点のそれぞれの位置情報を使って定義されており、
前記第三のステップにおける判定では、前記複数の基点のそれぞれについて前記基準場所との距離fを算出し、該fが前記b以下となる前記基点について、該基点と前記監視装置の前記設置位置との距離dを算出し、該dが前記g以下であれば前記選択範囲に含まれると判定する、
ことを特徴とする付記3に記載のプログラム。
(付記5)
前記線は所定の座標系における所定の関数を使って表現される線であり、
前記第三のステップにおける判定では、前記監視装置の前記設置位置から前記線に下ろした垂線の足の位置を算出し、該足と前記基準場所との距離fを算出し、前記足と前記監視装置の前記設置位置との距離dを算出し、前記fが前記b以下かつ前記dが前記g以下であれば前記選択範囲に含まれると判定する、
ことを特徴とする付記3に記載のプログラム。
(付記6)
前記基準場所は予め定められた特定範囲であって前記基準場所情報は該特定範囲を識別する情報であり、
前記範囲指定情報は、前記特定範囲を含むn角形のn個の頂点の位置に関する情報を含み、
前記第三のステップにおける判定では、前記監視装置の前記設置位置が前記n角形の内部にあれば前記選択範囲に含まれると判定する、
ことを特徴とする付記1に記載のプログラム。
(付記7)
前記nは4であり、
前記n個の頂点は、前記特定範囲の最北端の緯度y1および前記指定範囲の最西端の経度x4により定義される点(x4,y1)、前記y1および前記指定範囲の最東端の経度x2により定義される点(x2,y1)、前記x2および前記指定範囲の最南端の緯度y3により定義される点(x2,y3)、前記y3および前記x4により定義される点(x4,y3)の四点である、
ことを特徴とする付記6に記載のプログラム。
(付記8)
前記基準場所情報は、ある一点の位置を所定の座標系にしたがって示す情報であり、
前記範囲指定情報は、前記座標系において範囲を指定するための一つ以上のパラメータを含む、
ことを特徴とする付記1に記載のプログラム。
(付記9)
複数の監視装置の中から一部の監視装置を選択する監視装置選択装置であって、
選択の基準となる場所である基準場所を示す基準場所情報を指定する基準場所指定手段と、
前記基準場所に関連する範囲である選択範囲を規定するための範囲指定情報を指定する範囲指定手段と、
前記複数の監視装置の各々について該監視装置の設置位置を示す設置位置情報を管理するデータベースを検索し、前記複数の監視装置の各々について、前記選択範囲に当該監視装置の前記設置位置が含まれるか否かを判定し、含まれると判定された前記監視装置を選択する選択手段と、
を備えることを特徴とする監視装置選択装置。
(付記10)
複数の監視装置の中から一部の監視装置を選択する監視装置選択方法であって、
コンピュータが、選択の基準となる場所である基準場所を示す基準場所情報を指定し、
前記コンピュータが、前記基準場所に関連する範囲である選択範囲を規定するための範囲指定情報を指定し、
前記コンピュータが、前記複数の監視装置の各々について該監視装置の設置位置を示す設置位置情報を管理するデータベースを検索し、前記複数の監視装置の各々について、前記選択範囲に当該監視装置の前記設置位置が含まれるか否かを判定し、含まれると判定された前記監視装置を選択する、
ことを特徴とする監視装置選択方法。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】本発明の原理を示すフローチャートである。
【図2】本発明のシステム構成の一例を示す図である。
【図3】カメラ情報のデータ構成の一例を示す図である。
【図4】第一実施例の説明図である。
【図5】第一実施例における選択範囲比較処理のフローチャートである。
【図6】第二実施例の説明図である。
【図7A】第二実施例における路線情報のデータ構成を示す図である。
【図7B】第二実施例における水系情報のデータ構成を示す図である。
【図7C】第二実施例における河川情報のデータ構成を示す図である。
【図7D】第二実施例における沿線基点情報のデータ構成を示す図である。
【図8】第二実施例における選択範囲比較処理のフローチャートである。
【図9】第三実施例の説明図である。
【図10】第三実施例における地域情報のデータ構成を示す図である。
【図11】第三実施例における選択範囲比較処理のフローチャートである。
【図12】本発明のプログラムを実行するコンピュータのブロック図である。
【図13】従来のカメラ管理システムの例を示す図である。
【図14】従来のカメラ管理システムの別の例を示す図である。
【符号の説明】
【0127】
100A カメラ管理システムA
100B カメラ管理システムB
100C カメラ管理システムC
100D カメラ管理システムD
100−0 監視装置管理システム
101A、101B、101C、101D カメラ
101X カメラ甲
101Y カメラ乙
101−0 監視装置
102A、102B、102C、102D カメラ管理サーバ
103A、103B、103C、103D カメラ情報DB
104 クライアント
105 カメラ一覧画面
106 地図位置情報画面
107 画面
108 防災情報管理サーバ
201 基準場所
202 線
203−1、203−2、……、203−11 基点
300 CPU
301 ROM
302 RAM
303 通信インターフェイス
304 記憶装置
305 入力装置
306 出力装置
307 駆動装置
308 バス
309 プログラム提供者
310 可搬型記憶媒体
311 ネットワーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の監視装置の中から一部の監視装置を選択する監視装置選択プログラムであって、
選択の基準となる場所である基準場所を示す基準場所情報を指定する第一のステップと、
前記基準場所に関連する範囲である選択範囲を規定するための範囲指定情報を指定する第二のステップと、
前記複数の監視装置の各々について該監視装置の設置位置を示す設置位置情報を管理するデータベースを検索し、前記複数の監視装置の各々について、前記選択範囲に当該監視装置の前記設置位置が含まれるか否かを判定し、含まれると判定された前記監視装置を選択する第三のステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする監視装置選択プログラム。
【請求項2】
前記基準場所は一点であって前記基準場所情報は該一点の位置を示す情報であり、
前記範囲指定情報は、前記基準場所からの距離bと、前記基準場所を通る線であって予め定義されている線からの距離を示す値gとを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記基準場所は予め定められた特定範囲であって前記基準場所情報は該特定範囲を識別する情報であり、
前記範囲指定情報は、前記特定範囲を含むn角形のn個の頂点の位置に関する情報を含み、
前記第三のステップにおける判定では、前記監視装置の前記設置位置が前記n角形の内部にあれば前記選択範囲に含まれると判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
複数の監視装置の中から一部の監視装置を選択する監視装置選択装置であって、
選択の基準となる場所である基準場所を示す基準場所情報を指定する基準場所指定手段と、
前記基準場所に関連する範囲である選択範囲を規定するための範囲指定情報を指定する範囲指定手段と、
前記複数の監視装置の各々について該監視装置の設置位置を示す設置位置情報を管理するデータベースを検索し、前記複数の監視装置の各々について、前記選択範囲に当該監視装置の前記設置位置が含まれるか否かを判定し、含まれると判定された前記監視装置を選択する選択手段と、
を備えることを特徴とする監視装置選択装置。
【請求項5】
複数の監視装置の中から一部の監視装置を選択する監視装置選択方法であって、
コンピュータが、選択の基準となる場所である基準場所を示す基準場所情報を指定し、
前記コンピュータが、前記基準場所に関連する範囲である選択範囲を規定するための範囲指定情報を指定し、
前記コンピュータが、前記複数の監視装置の各々について該監視装置の設置位置を示す設置位置情報を管理するデータベースを検索し、前記複数の監視装置の各々について、前記選択範囲に当該監視装置の前記設置位置が含まれるか否かを判定し、含まれると判定された前記監視装置を選択する、
ことを特徴とする監視装置選択方法。
【請求項1】
複数の監視装置の中から一部の監視装置を選択する監視装置選択プログラムであって、
選択の基準となる場所である基準場所を示す基準場所情報を指定する第一のステップと、
前記基準場所に関連する範囲である選択範囲を規定するための範囲指定情報を指定する第二のステップと、
前記複数の監視装置の各々について該監視装置の設置位置を示す設置位置情報を管理するデータベースを検索し、前記複数の監視装置の各々について、前記選択範囲に当該監視装置の前記設置位置が含まれるか否かを判定し、含まれると判定された前記監視装置を選択する第三のステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする監視装置選択プログラム。
【請求項2】
前記基準場所は一点であって前記基準場所情報は該一点の位置を示す情報であり、
前記範囲指定情報は、前記基準場所からの距離bと、前記基準場所を通る線であって予め定義されている線からの距離を示す値gとを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記基準場所は予め定められた特定範囲であって前記基準場所情報は該特定範囲を識別する情報であり、
前記範囲指定情報は、前記特定範囲を含むn角形のn個の頂点の位置に関する情報を含み、
前記第三のステップにおける判定では、前記監視装置の前記設置位置が前記n角形の内部にあれば前記選択範囲に含まれると判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
複数の監視装置の中から一部の監視装置を選択する監視装置選択装置であって、
選択の基準となる場所である基準場所を示す基準場所情報を指定する基準場所指定手段と、
前記基準場所に関連する範囲である選択範囲を規定するための範囲指定情報を指定する範囲指定手段と、
前記複数の監視装置の各々について該監視装置の設置位置を示す設置位置情報を管理するデータベースを検索し、前記複数の監視装置の各々について、前記選択範囲に当該監視装置の前記設置位置が含まれるか否かを判定し、含まれると判定された前記監視装置を選択する選択手段と、
を備えることを特徴とする監視装置選択装置。
【請求項5】
複数の監視装置の中から一部の監視装置を選択する監視装置選択方法であって、
コンピュータが、選択の基準となる場所である基準場所を示す基準場所情報を指定し、
前記コンピュータが、前記基準場所に関連する範囲である選択範囲を規定するための範囲指定情報を指定し、
前記コンピュータが、前記複数の監視装置の各々について該監視装置の設置位置を示す設置位置情報を管理するデータベースを検索し、前記複数の監視装置の各々について、前記選択範囲に当該監視装置の前記設置位置が含まれるか否かを判定し、含まれると判定された前記監視装置を選択する、
ことを特徴とする監視装置選択方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図5】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図4】
【図6】
【図9】
【図2】
【図3】
【図5】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図4】
【図6】
【図9】
【公開番号】特開2008−35367(P2008−35367A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−208395(P2006−208395)
【出願日】平成18年7月31日(2006.7.31)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月31日(2006.7.31)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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