説明

監視装置

【課題】簡単に設置することができ、かつ持ち運び可能な監視装置を提供する。
【解決手段】監視装置1は、所定の場所を撮像するカメラ110と、通信ネットワークに無線で接続する通信機器と、カメラ110により撮像された動画像又は静止画像を、通信機器を用いて通信ネットワークに接続されている機器に送信する画像送信手段と、マイクと、前記マイクにより取得された音声を、前記通信機器を用いて通信ネットワークに接続されている機器に送信する音声送信手段と、スピーカと、アンプと、通信ネットワークに接続されている機器から送信された音声を受信し、受信した音声を前記アンプにより出力を調整し、出力を調整された音声を前記スピーカにより出力する音声受信手段と、これらすべてを収容する本体ケース10とで構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、所定地域を撮像する監視カメラと、監視カメラに関連して設置され、監視関連情報を処理する監視側制御機器と、監視側制御機器と通信して監視関連情報を処理する操作側制御機器とを含み、これら機器のうち、少なくとも監視カメラ及び監視側制御機器は、耐候性を有するケーシング内にそれぞれ収容される火災監視設備が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−250369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
簡単に設置することができ、かつ持ち運び可能な監視装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る監視装置は、所定の場所を撮像するカメラと、通信ネットワークに無線で接続する通信機器と、前記カメラにより撮像された動画像又は静止画像を、前記通信機器を用いて通信ネットワークに接続されている機器に送信する画像送信手段と、前記カメラ、前記通信機器、及び前記画像送信手段を収容する本体ケースとを有する。
【0006】
好適には、所定の場所の音声を取得するマイクと、前記マイクにより取得された音声を、前記通信機器を用いて通信ネットワークに接続されている機器に送信する音声送信手段と、音声を出力するスピーカと、音声の出力を調整するアンプと、通信ネットワークに接続されている機器から送信された音声を受信し、受信した音声を前記アンプにより出力を調整し、出力を調整された音声を前記スピーカにより出力する音声受信手段とをさらに有し、前記本体ケースは、前記マイク、前記音声送信手段、前記スピーカ、前記アンプ、及び前記音声受信手段をさらに収容する。
【0007】
好適には、前記本体ケース内に外部の空気を吸気する送風機と、前記本体ケース内の温度に応じて、前記送風機を制御する換気制御手段とをさらに有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、任意場所に持ち運んだ監視装置を簡単に設置でき、監視装置を設置された任意場所を遠隔地から監視することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】監視装置1を正面側から見た斜視図である。
【図2】監視装置1を背面側から見た斜視図である。
【図3】監視装置1の蓋20を開いた状態を例示する平面図である。
【図4】監視システム300の全体構成を例示する図である。
【図5】監視装置1の使用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0010】
図1及び図2は、監視装置1を正面側及び背面側から見た斜視図である。
図1及び図2に例示するように、監視装置1は、監視処理を実行する各機器(図3を用いて後述)を本体ケース10に収容する。本実施例では、本体ケース10には、開閉可能な蓋20が設けられている。この蓋20には、スピーカカバー30、カメラカバー40、マイクカバー50、及び錠つまみ70が設けられている。また、本体ケース10には、吸気カバー50、排気カバー70、及び電源ケーブル80が設けられている。
なお、本体ケース10及び蓋20の形状は、特に限定するものではない。また、本体ケース10及び蓋20は、収容する機器が外部と無線で通信できるように、電波を通す素材で形成される。例えば、本体ケース10及び蓋20の素材は、合成樹脂などである。
【0011】
スピーカカバー30は、本体ケース10に収容されているスピーカ130(図3を用いて後述)の外面を覆い、スピーカ130から出力される音声を通す。また、スピーカカバー30は、衝撃、塵、及び水などからスピーカ130を保護する。なお、スピーカカバー30の本体ケース10において設けられる位置、形状、及びサイズは、特に限定するものではない。
【0012】
カメラカバー40は、本体ケース10に収容されているカメラ110(図3を用いて後述)の外面を覆い、カメラ110の視野を阻害しないように透明な素材で形成されている。本実施例では、カメラカバー30は、カメラ110の視野角も阻害しないようにドーム状に形成されている。また、カメラカバー40は、衝撃、塵、及び水などからカメラ110を保護する。なお、カメラカバー40の本体ケース10において設けられる位置、形状、及びサイズは、特に限定するものではない。
【0013】
マイクカバー50は、本体ケース10に収容されているマイク140(図3を用いて後述)の外面を覆い、外部から発せられた音声を通す。また、マイクカバー50は、衝撃、塵、及び水などからマイク140を保護する。なお、マイクカバー50の本体ケース10において設けられる位置、形状、及びサイズは、特に限定するものではない。
【0014】
吸気カバー60は、本体ケース10に収容されている送風機150の吸気側の外面を覆い、吸気された外部の空気を通す。また、吸気カバー60は、衝撃、塵、及び水などから本体ケース10に収容されている機器を保護する。なお、吸気カバー60の本体ケース10において設けられる位置、形状、及びサイズは、特に限定するものではない。
【0015】
錠つまみ70は、蓋20の裏面に設けられた錠180(図3参照)と連動し、蓋20を本体ケース10に対して施錠するための操作部品である。なお、錠つまみ70の本体ケース10において設けられる位置、形状、及びサイズは、特に限定するものではない。
【0016】
排気カバー80は、吸気カバー60から吸気された外部の空気に反し、本体ケース10内から排出される空気を通す。また、排気カバー80は、衝撃、塵、及び水などから本体ケース10に収容されている機器を保護する。なお、排気カバー80の本体ケース10において設けられる位置、形状、及びサイズは、特に限定するものではない。
【0017】
電源ケーブル90は、本体ケース10に収容されている電源タップ170から延びており、電源に接続することにより、電源から供給される電気を通す。
【0018】
図3は、監視装置1の蓋20を開いた状態を例示する平面図である。
図3に例示するように、本体ケース10には、カメラ110、ルータ120、スピーカ130、マイク140、送風機150、アンプ160、及び電源タップ170が収容されている。
また、カメラ110は、通信ケーブル210によりルータ120に接続している。通信ケーブル210は、データを送るためのケーブルであり、例えば、LAN(Local Area Network)ケーブルなどである。
マイク140は、入力ケーブル220によりカメラ110に接続している。入力ケーブル220は、音声の電気信号を通すケーブルである。
スピーカ130は、出力ケーブル230によりアンプ160に接続している。アンプ160は、出力ケーブル230により、カメラ110に接続している。出力ケーブル230は、音声の電気信号を通すケーブルである。
カメラ110、ルータ120、送風機150、及びアンプ160は、電源ケーブル240により電源タップ170に接続している。電源ケーブル240は、電気を通すケーブルである。
【0019】
カメラ110は、カメラカバー40を通し、本体ケース10の外部を撮像する。本実施例では、カメラ110は、撮像した動画像又は静止画像(以下、「監視画像」という。)を、ルータ120を介して、通信ネットワークに接続されている機器に送信する(画像送信手段)。また、カメラ110は、マイク140により取得された音声を、ルータ120を介して、通信ネットワークに接続されている機器に送信する(音声送信手段)。また、カメラ110は、ルータ120を介して、通信ネットワークに接続されている機器から送信された音声を受信し、受信した音声をスピーカ130から出力する(音声受信手段)。なお、通信ネットワークは、携帯電話通信網320及びインターネット340(図4参照)などを含む。また、本実施例では、カメラ110が画像送信手段、音声送信手段、及び音声受信手段を有しているが、これら各手段をカメラ110以外の機器(例えば、コンピュータなど)に代替させてもよい。
【0020】
ルータ120(通信機器)は、通信ネットワークに接続する。カメラ110は、ルータ120を介して、通信ネットワークに接続されている機器と通信する。本実施例では、ルータ120は、無線により通信ネットワークに接続する。
【0021】
スピーカ130は、音声を外部に出力する。本実施例では、スピーカ130は、カメラ110から出力され、アンプ160により増幅された音声を外部に出力する。
【0022】
マイク140は、外部において発せられた音声を取得し、取得した音声をカメラ110に送信する。
【0023】
送風機150は、外部の空気を吸気し、本体ケース10の内部温度が上昇するのを防ぐ。本実施例では、送風機150は、本体ケース10内の温度に応じて、動作を制御する(換気制御手段)。より具体的には、送風機150は、温度センサに接続されており、この温度センサからの出力に応じて、本体ケース10内の温度が所定の温度を超えると、起動し、本体ケース10内の温度に応じて、一定時間に吸気する空気の量を変える。また、送風機150は、本体ケース10内の温度が所定の温度以下である場合に、停止する。
【0024】
アンプ160は、カメラ110から出力された音声を増幅する。具体的には、アンプ160は、利用者により設定された増幅量で、スピーカに出力される音声信号を増幅させる。
【0025】
電源タップ170は、電源ケーブル90により外部電源から供給された電気を、電源ケーブル240により接続している機器に分配する。なお、電源タップ170は、外部電源ではなく、本体ケース内部に設けたバッテリーから電気を供給してもらうようにしてもよい。
【0026】
以上説明したような機器を収容する監視装置1は、持ち運び可能なサイズ及び重量で構成されることができる。また、監視装置1は、監視処理を実行するための機器を一体的に収容しているので、持ち運びが容易である。さらに、監視装置1は、電源ケーブル90を電源に接続するだけで、自動的に通信ネットワークへ接続し、画像送信及び音声送受信などの監視処理を実行する。このため、監視装置1は、簡単に、かつ電源があり、無線の電波が届く場所であれば、任意の場所に設置されることができる。
【0027】
図4は、監視システム300の全体構成を例示する図である。
図4に例示するように、監視システム300は、監視装置1と、監視端末350と、監視情報配信サーバ360とを有する。
監視装置1は、ルータ120により、基地局310を介して携帯電話通信網320に、無線で接続する。そして、監視装置1は、ゲートウェイ330を介してインターネット340に接続する。基地局310は、携帯電話通信網320に接続している。ゲートウェイ330は、携帯電話通信網320及びインターネット340に接続している。監視装置350及び監視情報配信サーバ320は、インターネットに接続している。
【0028】
監視装置1は、カメラ110により撮像した監視画像、及びマイク140により取得した音声を、監視端末350に送信する。また、監視装置1は、監視端末350から送信された音声を受信し、受信した音声をスピーカ130により外部に出力する。
本実施例では、監視装置1に収容されているカメラ110は、Webサーバをインストールされている。監視装置1は、Webサーバにより、監視端末350のWebブラウザからの要求に応じて、カメラ110により撮像した監視画像、及びマイク140により取得した音声を、監視端末350のWebブラウザに送信する。また、監視装置1は、監視端末350のWebブラウザから送信された音声を受信し、受信した音声をスピーカ130により外部に出力する。
さらに、本実施例では、監視装置1は、カメラ110により撮像した監視画像、及びマイク140により取得した音声を、定期的に監視情報配信サーバ320に送信する。
【0029】
基地局310は、監視装置1と電波を送受信することにより、監視装置1と携帯電話通信網320及びインターネット340上の機器との間で行われる通信を中継する。
【0030】
ゲートウェイ330は、携帯電話通信網320とインターネット340とを相互接続し、これらネットワーク間で異なる通信プロトコルの変換を行いつつ、これらネットワーク間で行われる通信を中継する。
【0031】
監視端末350は、CPU及び記憶媒体などを備えるコンピュータである。監視端末350は、監視装置1から、監視画像及び音声を受信し、受信した監視画像及び音声を出力又は記憶媒体に格納する。また、監視端末350は、音声を取得し、取得した音声を監視装置1に送信する。
本実施例では、監視端末350は、Webブラウザをインストールされている。監視端末350は、Webブラウザにより、監視装置1のWebサーバに接続し、監視装置1のWebサーバに監視画像及び音声を要求する。そして、監視端末350は、Webブラウザにより、監視装置1のWebサーバから監視画像及び音声を受信し、受信した監視画像及び音声を、ディスプレイ及びスピーカにより出力し、さらに記憶媒体に格納する。また、監視端末350は、マイクにより音声を取得し、Webブラウザにより、取得した音声を監視装置1に送信する。
また、監視端末350は、監視装置1から直接、監視画像及び音声を受信する代わりに、監視情報配信サーバ360から監視画像及び音声を受信するようにしてもよい。
【0032】
監視情報配信サーバ360は、CPU及び記憶媒体などを備えるコンピュータである。監視情報配信サーバ360は、監視装置1から受信した監視画像及び音声を記憶媒体に蓄積し、監視端末350の要求に応じて、記憶媒体に蓄積している監視画像及び音声を監視端末350に送信する。
本実施例では、監視情報配信サーバ360は、Webサーバをインストールされている。監視情報配信サーバ360は、Webサーバにより、監視端末350のWebブラウザからの要求に応じて、記憶媒体に蓄積している監視画像及び音声を監視端末350に送信する。
【0033】
図5は、監視装置1の使用例を示す図である。
図5に例示するように、監視者420は、監視装置1を各作業現場(A、B、及びC)に設置することで、各作業現場における作業者410の作業状況を、遠隔地において監視端末350を用いて把握することができる。また、監視者420は、監視端末350を用いて、各作業現場に設置された監視装置1と、音声を送受信することで、各作業現場における作業者410と通話することもできる。このように、監視者420は、監視装置1を使用することにより、作業現場にいなくとも、各作業現場における作業者420を監督することができる。
なお、監視装置1を設置できる場所は、作業現場に限定するものではなく、電源があり、無線の電波が届く場所(電源をバッテリーに代用する場合は、電源も不要)であれば、何処でもよい。
【0034】
以上説明したように、監視装置1は、電源を投入されるだけの簡単な設置により、監視システム1の一部として動作し、設置された場所を監視することができる。また、監視装置1は、無線により通信ネットワークに接続するので、わざわざ有線の通信ケーブルを引いてくる必要がなく、特に工期の短い作業現場を監視する場合には、設置のための煩わしさがなくなる。また、監視装置1は、本体ケース10などにより防水及び防塵対策されているため、屋外に設置されても問題ない。
【符号の説明】
【0035】
1 監視装置
10 本体ケース
20 蓋
30 スピーカカバー
40 カメラカバー
50 マイクカバー
60 吸気カバー
70 錠つまみ
80 排気カバー
90 電源ケーブル
110 カメラ
120 ルータ
130 スピーカ
140 マイク
150 送風機
160 アンプ
170 電源タップ
210 通信ケーブル
220 入力ケーブル
230 出力ケーブル
240 電源ケーブル
300 監視システム
310 基地局
320 携帯電話通信網
330 ゲートウェイ
340 インターネット
350 監視端末
360 監視情報配信サーバ
410 作業者
420 監視者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の場所を撮像するカメラと、
通信ネットワークに無線で接続する通信機器と、
前記カメラにより撮像された動画像又は静止画像を、前記通信機器を用いて通信ネットワークに接続されている機器に送信する画像送信手段と、
前記カメラ、前記通信機器、及び前記画像送信手段を収容する本体ケースと
を有する監視装置。
【請求項2】
所定の場所の音声を取得するマイクと、
前記マイクにより取得された音声を、前記通信機器を用いて通信ネットワークに接続されている機器に送信する音声送信手段と、
音声を出力するスピーカと、
音声の出力を調整するアンプと、
通信ネットワークに接続されている機器から送信された音声を受信し、受信した音声を前記アンプにより出力を調整し、出力を調整された音声を前記スピーカにより出力する音声受信手段と
をさらに有し、
前記本体ケースは、前記マイク、前記音声送信手段、前記スピーカ、前記アンプ、及び前記音声受信手段をさらに収容する
請求項1に記載の監視装置。
【請求項3】
前記本体ケース内に外部の空気を吸気する送風機と、
前記本体ケース内の温度に応じて、前記送風機を制御する換気制御手段と
をさらに有する請求項1又は2に記載の監視装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2011−49916(P2011−49916A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−197580(P2009−197580)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(509243528)有限会社 後山電機 (1)
【Fターム(参考)】