説明

直動装置

【課題】可動部に変形が発生した場合であっても、この変形を確実に吸収してスライダの円滑な摺動を確保することができる直動装置を提供する。
【解決手段】直動装置1は、一定の距離を空けて平行かつ直線状に敷設される複数の案内レール12,13と、複数の案内レール12,13のそれぞれに少なくとも1つ以上配置されて案内レール12,13上を移動可能な複数のスライダ22と、複数の案内レール12,13の間に架け渡されると共に複数のスライダ22に支持されて複数の案内レール12,13に沿って移動可能な可動部80と、複数のスライダ22のうちの一のスライダ22dを除いた他のスライダ22aと可動部80との間にそれぞれ配置されて、可動部80と他のスライダ22aとを回転可能かつ可動部80の架渡方向に直進可能に支持する複数の第一軸受部30と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種荷物等が載置されたテーブル等の可動部を直線状に移動させる直動装置として、例えば、床面等に対して直線かつ平行に敷設された複数の案内レールと、この案内レールのそれぞれに配置された複数のスライダと、この複数のスライダに支持されると共に複数の案内レールの全てに架け渡された可動部と、から構成されたものがある。
このような構成により、可動部に外力が加えられると、複数のスライダが案内レール上を摺動して、可動部が案内レールに沿って直線状に移動できるようになっている。
【0003】
ところで、このような直線ガイド装置を温度差が大きい環境下において使用すると、可動部に熱変形が生じる。また、可動部上に載置した荷物等が大重量の場合には、可動部に荷重変形が発生する。
特に、複数の案内レールの敷設間隔が大きく、可動部の全長が大きい場合には、可動部が変形するとスライダが案内レールに押し付けられたりして、スライダの摺動が困難となってしまう。更に、スライダ又は案内レールが損傷・破損してしまうおそれもある。
【0004】
このため、一般に、熱変形に対しては、可動部を冷却したり、可動部を線膨張係数の小さい材料で形成したりする対策が採られる。荷重変形に対しては、可動部の剛性を向上させる対策が採られる。
また、特許文献1に開示されるように、熱変形及び荷重変形の両方に対応できるように、可動部とスライダの間に可動部の変形を機械的に吸収可能な変形吸収機構を設けて、スライダの円滑な摺動を確保する技術がある。
【特許文献1】特開2004−330449号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術では、可動部を冷却する冷却装置を用意したり、可動部を線膨張係数の小さい材料で形成したりすると、装置コストが増大してしまうという問題がある。
また、可動部の剛性を向上させると重量が増加して、スライダの円滑な摺動を阻害したり、装置が大型化したりする等の問題がある。
また、特許文献1に開示された変形吸収機構では、可動部の変形量に応じて適切なバネ等を選定しなければ変形を良好に吸収することができない等の問題がある。
【0006】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、複数の案内レール上をそれぞれ摺動する複数のスライダに支持された可動部に熱変形や荷重変形が発生した場合であっても、この変形を確実に吸収してスライダの円滑な摺動を確保することができる直動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る直動装置では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
本発明に係る直動装置は、一定の距離を空けて平行かつ直線状に敷設される複数の案内レールと、前記複数の案内レールのそれぞれに少なくとも1つ以上配置されて該案内レール上を移動可能な複数のスライダと、前記複数の案内レールの全てに架け渡されると共に前記複数のスライダに支持されて前記複数の案内レールに沿って移動可能な可動部と、前記複数のスライダのうちの一のスライダを除いた他のスライダと前記可動部との間にそれぞれ配置されて、前記可動部と前記他のスライダとを回転可能かつ前記可動部の架渡方向に直進可能に支持する複数の第一軸受部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
これにより、第一軸受部により他のスライダと可動部とが回転及び直進可能に支持されているので、可動部に熱変形や荷重変形が発生しても、一のスライダを除く他のスライダに連結された第一軸受部が可動部の変形量に応じて作動して、その変形が機械的に吸収される。
【0009】
また、前記可動部と前記一のスライダとの間に配置されて、前記可動部と前記一のスライダとを回転可能に支持する第二軸受部を備えるものでは、可動部に発生した曲げ変形や捻り変形に対して、全てのスライダと可動部との間で第一軸受部及び第二軸受部が作動して、その変形が機械的に吸収される。
【0010】
また、前記第一軸受部が、球面軸受を含むものでは、可動部に発生した多方向の曲げや捻り変形を吸収することができる。
【0011】
また、前記第一軸受部が、前記球面軸受と一体的に構成された直進機構を含むものでは、可動部に発生した架渡方向の伸縮の吸収と装置のコンパクト化を実現することができる。
【0012】
また、前記第二軸受部が、球面軸受を含むものでは、全てのスライダと可動部との間で、可動部に発生した多方向の曲げや捻り変形を吸収することができる。
【0013】
また、前記第一軸受部が、前記架渡方向及び前記案内レールの敷設方向に直交する軸周りに回転支持する回転軸受を含むものでは、可動部に発生した架渡方向及び敷設方向に直交する軸周りの曲げや捻り変形を確実に吸収することができる。
【0014】
また、前記第一軸受部が、前記架渡方向に敷設されるサブレール及び前記サブレール上を移動可能なサブスライダからなる直進機構を含むものでは、可動部に発生した架渡方向の伸縮を確実に吸収することができる。
【0015】
また、前記第二軸受部が、前記架渡方向及び前記案内レールの敷設方向に直交する軸周りに回転支持する回転軸受を含むものでは、全てのスライダと可動部との間で、可動部に発生した架渡方向及び敷設方向に直交する軸周りの曲げや捻り変形を確実に吸収することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る直動装置によれば、第一軸受部により他のスライダと可動部とが回転及び直進可能に支持されており、一のスライダを基準とする可動部の変形量に応じてそれぞれの第一軸受部が作動してその変形を吸収できるので、複数の案内レールに配置された複数のスライダの全てが円滑な摺動を維持することができる。したがって、可動部を案内レールに沿って円滑に移動させることができる。よって、例えば、荷物等を良好に搬送することができる。
【0017】
更に、可動部と一のスライダとの間に配置された第二軸受部を設けて、可動部に発生した曲げ変形や捻り変形を全てのスライダと可動部との間で機械的に吸収するので、より確実に、全てのスライダの円滑な摺動を維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る直動装置の第一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る直動装置1の概略構成図である。
なお、案内レール12,13が敷設される方向をX方向、可動部80が架け渡される方向をY方向、床面Fに垂直な方向をZ方向とする。
【0019】
直動装置1は、X方向に延びる2本の案内レール12,13を備える案内レールユニット10と、案内レール12,13に対してそれぞれに2つずつ(計4つ)取り付けられたスライダユニット20と、4つのスライダユニット20に支持されると共に2本の案内レール12,13に沿って移動可能な可動部80と、から概略構成される。
【0020】
案内レールユニット10は、X方向に沿って平行かつ直線状に延びる2本の案内レール12,13と、案内レール12,13がそれぞれ固定される支持部材15,16と、から構成される。
【0021】
支持部材15,16は、床面F上おいてX方向に向けて直線状に、かつ、所定の間隔((例えば、10m程度)を空けて互いに平行に敷設された部材であって、例えばコンクリート等の堅固な材料により形成される。X方向の長さは、任意(例えば、数10m程度)に設定される。
支持部材15,16は、その縦断面形状が矩形に形成され、Y方向に対向し、かつ平行する内面15s,16sを有する。そして、この内面15s,16sに、それぞれ案内レール12,13が固定される。
【0022】
案内レール12,13は、断面形状が略長方形であって、互いに対向する短辺のそれぞれにくびれ部12a,13aを有するように形成されている。そして、案内レール12,13は、それぞれ、一方の長辺が内面15s,16sに密着するように、かつ、床面Fに対して平行となるように支持部材15,16に固着される。
したがって、案内レール12,13は、Y方向に一定の距離を空けて、また、X方向に対して平行かつ直線状になるように、支持部材15,16に敷設される。
なお、案内レール12,13の長さ(X方向)は、支持部材15,16と同様又はそれよりもやや短くなるように形成される。
【0023】
4つのスライダユニット20(20A〜20D)は、案内レール12,13上を円滑に摺動可能に構成されると共に、可動部80をそれぞれ支持するものである。
スライダユニット20A,20Bは案内レール12に、スライダユニット20C,20Dは案内レール13にそれぞれ配置される。また、スライダユニット20A,20Dが、スライダユニット20B,20Cよりも+X方向側に配置される。
【0024】
4つのスライダユニット20A〜20Dのうちのスライダユニット20A〜20Cは、同一の構成を有しており、それぞれスライダ22aと第一軸受部30とから構成される。
一方、スライダユニット20Dは、スライダ22dと第二軸受部70とから構成される。
【0025】
図2は、スライダユニット20A〜20Cを示す図であって、(a)は図1のIIa−IIa断面図、(b)は図1のIIb−IIb断面図である。
スライダユニット20Aは、上述したように、スライダ22aと第一軸受部30とから構成される(図2(a))。
【0026】
スライダ22a(他のスライダ)は、略C字型の断面形状を有し、案内レール12の両くびれ部12a及び一方の長辺側を覆うように、案内レール12に取り付けられる。案内レール12とスライダ22aとの間には、僅かな隙間が形成されており、グリス等の潤滑剤が供給されている。
これにより、スライダ22aは、案内レール12に対してY方向には移動せず、X方向には自在かつ円滑に摺動するようになっている。
なお、スライダ22aのX方向の長さは、例えば10cm程度であり、また、案内レール12とは反対側(−Y方向側)の外面に第一軸受部30が固着される。
【0027】
第一軸受部30は、スライダ22aと可動部80との間に配置され、スライダ22aに対して可動部80を回転可能かつ直進可能に支持するものである。
第一軸受部30は、スライダ22aに固着されるケーシング32と、ケーシング32の内部に配置される球面軸受40と、球面軸受40と一体的に形成されると共に可動部80に固着された直進機構60と、から構成される。
【0028】
ケーシング32は、略カップ形の有底円筒形部材であって、その中心軸がY方向に沿うようにして、底部をスライダ22aの外面に密着して固着される。
ケーシング32には、内周面32sを有する円柱形の内部空間が形成されており、一方の(−Y方向側)端面に形成された円孔32aを介して外部に連通している。そして、この内周面32sには、球面軸受40の外輪42が嵌合するようになっている。
なお、ケーシング32は、Y方向に二分割可能に構成されており、分割した際に球面軸受40を内部空間が挿入・嵌合できるようになっている。
【0029】
球面軸受40は、凹状球形内面42sを有する外輪42及び凸状球形外面44sを有する内輪44から構成され、凹状球形内面42sと凸状球形外面44sとが摺動可能に嵌合することで、外輪42に対して内輪44が任意の方向に回転自在に保持されている。
球面軸受40の外輪42は、ケーシング32の内周面32sに嵌合した状態で、一方の側端面が円孔32aが形成された端部に、他方の側端面が内周面32sに装着されたスナップリング45にそれぞれ当接して、ケーシング32に固着されている。
また、内輪44は、Y方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔の内周面44tに、可動部80に接続された連結部材62の一部(シャフト62a)が嵌合するようになっている。
これにより、球面軸受40は、連結部材62(ひいては可動部80)を、ケーシング32(スライダ22a)に対して、X,Y,Z軸方向周りの各回転方向に回転可能に支持するようになっている。
【0030】
直進機構60は、球面軸受40の内輪44と、及びシャフト62aを有する連結部材62とから構成される。すなわち、直進機構60と球面軸受40とは、内輪44を共通の構成部材として、一体的に構成されている。
連結部材62は、円柱形のシャフト62aと、その一端に形成されたフランジ62fとから形成される。そして、シャフト62aが内輪44の内周面44tに対して挿入方向(Y方向)に摺動可能に嵌合する一方、フランジ62fが可動部80に対して不図示のボルト等により固着される。
これにより、直進機構60は、連結部材62(ひいては可動部80)を、ケーシング32(スライダ22a)に対して、Y方向に直進可能に支持するようになっている。
【0031】
したがって、スライダユニット20Aは、第一軸受部30(球面軸受40及び直進機構60)により、スライダ22aに対して可動部80を、X,Y,Z軸方向周りの各回転方向に回転可能、かつ、Y方向に直進可能に支持するようになっている。
同様に、スライダユニット20Bは、第一軸受部30により、スライダ22aに対して可動部80を、X,Y,Z軸方向周りの各回転方向に回転可能、かつ、Y方向に直進可能に支持する。
また、図2(b)に示すように、スライダユニット20Cは、スライダユニット20Cもスライダユニット20A,20Bと構成は同一であるが取り付け方向が異なるに過ぎず、したがって、第一軸受部30により、スライダ22aに対して可動部80を、X,Y,Z軸方向周りの各回転方向に回転可能、かつ、Y方向に直進可能に支持するようになっている。
【0032】
図3は、スライダユニット20Dを示す図であって、図1のIII−III断面図である。
スライダユニット20Dは、上述したように、スライダ22dと第二軸受部70とから構成される。
このスライダ22d(一のスライダ)は、スライダユニット20A〜20Cにおけるスライダ22aと同一のものである。
【0033】
第二軸受部70は、スライダ22dと可動部80との間に配置され、スライダ22dに対して可動部80を回転のみ可能に支持するものである。
第二軸受部70は、スライダ22dに固着されるケーシング32と、ケーシング32の内部に配置される球面軸受40と、可動部80に固着されると共に球面軸受40の内輪44に連結される連結部材63と、から構成される。
ケーシング32及び球面軸受40は、スライダユニット20A〜20Dにおけるケーシング32、球面軸受40と同一のものである。
【0034】
連結部材63は、上述した第一軸受部30の連結部材62と同一形状の部材であって、円柱形のシャフト63aと、フランジ63fとから形成される。また、シャフト63aの先端面には、不図示のネジ穴が形成されている。
そして、連結部材63は、シャフト63aが内輪44の内周面44tに対して嵌合・挿入され、フランジ63fが可動部80に対して不図示のボルト等により固着される。
更に、シャフト63aの根本部にはスナップリング72が装着され、シャフト63aの先端面にはシャフト63aよりもやや大径の固定円板73がボルトにより装着される。
【0035】
これにより、球面軸受40の内輪44は、シャフト63aに嵌合した状態で、一方の側端面がスナップリング72に、他方の側端面が固定円板73にそれぞれ当接して、シャフト63aに固着される。言い換えれば、シャフト63a(連結部材63)は、球面軸受40の内輪44に固定されて、Y方向に摺動できないようになっている。
したがって、スライダユニット20Dは、球面軸受40により、スライダ22dに対して可動部80を、X,Y,Z軸方向周りの各回転方向に回転可能にのみ支持するようになっている。
【0036】
図1に戻り、可動部80は、不図示の荷物を載置した状態で、2本の案内レール12,13に沿ってX方向に移動するものである。
可動部80は、Y方向に向けて案内レール12,13の間に架け渡された2本の平行なメインフレーム82,84と、メインフレーム82,84の間に架け渡されてY方向に等間隔に配置された5つのサブフレーム86と、から構成される。
メインフレーム82,84及びサブフレーム86は、それぞれ角型、丸型、H型等若しくは角型管、丸型管等の鉄鋼材料であって、これらを組み合わせて溶接することで可動部80が形成されている。
【0037】
そして、メインフレーム82の+Y側端面にはスライダユニット20Aが、−Y側端面にはスライダユニット20Dがそれぞれ連結されている。また、メインフレーム84の+Y側端面にはスライダユニット20Bが、−Y側端面にはスライダユニット20Cがそれぞれ連結されている。
これにより、可動部80は、2本の案内レール12,13に沿ってX方向に円滑に移動可能となっている。
【0038】
次に、以上のような構成を備える直動装置1の作用について説明する。
図4は、可動部80の変形例を説明する図である。
上述したように、直動装置1は、可動部80上に各種荷物(不図示)を載置して、X方向に自在に搬送(移動)することができる。
【0039】
この際、可動部80は、荷物の重量に応じて、図4(a)に示すように、−Z方向に凸形に撓む荷重変形が発生する。また、この荷重変形量は、荷物の揚げ降ろしの際に変化する。
また、例えば、搬送経路上に熱源が存在する場合には、その熱源の近傍を可動部80が通過したり、停止したりすると、可動部80が加熱されて熱変形が発生する。また、この熱変形量は、可動部80が熱源から遠ざかる(すなわち冷却される)と変化する。
【0040】
このように、可動部80に荷重変形や熱変形が発生すると、可動部80があらゆる方向に伸縮、曲げ、捻られて、複合的に変形する。
しかし、可動部80があらゆる方向に複合的に変形した場合であっても、可動部80が連結される4つのスライダユニット20A〜20Dに設けられた第一軸受部30,第二軸受部70が作用して、可動部80の変形を機械的に吸収する。
したがって、可動部80の変形がスライダユニット20A〜20Dのそれぞれのスライダ22(スライダ22a,22d)に伝達されないので、全てのスライダ22は案内レール12,13に対して円滑に摺動可能であり、可動部80のX方向への円滑な移動が維持される。
【0041】
例えば、図4(a)に示すように、可動部80がZ方向に凸形状、又は凹形状に撓んだ場合には、スライダユニット20A〜20Dに設けられた第一軸受部30,第二軸受部70の球面軸受40が作動して、このような撓みが吸収される。すなわち、球面軸受40の外輪42に対して内輪44が、可動部80に応じてX軸周りに微少回転する。
【0042】
また、可動部80がZ方向に凸形状、又は凹形状に撓むと、同時に、可動部80のY方向の見かけ上の長さが短くなる。このような伸縮は、スライダユニット20A,20Bに設けられた第一軸受部30の直進機構60が作動して吸収される。すなわち、直進機構60のシャフト62aが内輪44に対してY方向に微少摺動する。
なお、スライダユニット20Dに設けられた第二軸受部70には直進機構が存在しないので、可動部80のY方向の変形量の全てが、スライダユニット20A,20Bに設けられたそれぞれの第一軸受部30(直進機構60)により機械的に吸収される。言い換えれば、可動部80は、スライダユニット20Dを基準にしてY方向に伸縮できる。
このように、可動部80のZ方向の撓み(曲げ)は、機械的に吸収される。
【0043】
また、Z方向の撓み(曲げ)が解消される場合や、更に、撓みが増加する場合にも、第一軸受部30と第二軸受部70の球面軸受40、直進機構60がそれぞれ作用して、可動部80の変形が吸収される。
こうして、可動部80のX方向への円滑な移動が維持される。
【0044】
また、図4(b)に示すように、可動部80がX方向に凸形状、又は凹形状に撓んだ場合も同様である。
すなわち、スライダユニット20A〜20Dに設けられた第一軸受部30,第二軸受部70の球面軸受40が、Z軸周りに微少回転するように作動して、このような撓みが吸収される。
また、可動部80のY方向の見かけ上の伸縮も、スライダユニット20A,20Bに設けられた第一軸受部30の直進機構60が作動して吸収される。なお、スライダユニット20Cに設けられた第一軸受部30の直進機構60も作動する場合もある。
更に、Z方向の撓み(曲げ)が解消される場合や、撓みが増加する場合にも、第一軸受部30と第二軸受部70の球面軸受40、直進機構60がそれぞれ作用して、可動部80の変形が、機械的に吸収される。
【0045】
また、図4(c)に示すように、可動部80がY方向に撓んだ(Y方向の両端でX方向の伸縮量が異なるように変形した)場合等には、スライダユニット20A〜20Dに設けられた第一軸受部30,第二軸受部70の球面軸受40,直進機構60が作動すると同時に、スライダユニット20A〜20Dの各スライダ22(スライダ22a,22d)が案内レール12,13に沿ってX方向への微少移動するよう作動する。
これにより、可動部80のY方向の撓みも機械的に吸収される。
【0046】
なお、可動部80がY方向に単純に伸縮した場合には、スライダユニット20A〜20Cに設けられた第一軸受部30の直進機構60が作動して、この変形が機械的に吸収される。
また、可動部80がX方向に単純に伸縮した場合には、スライダユニット20A〜20Dの各スライダ22(スライダ22a,22d)が案内レール12,13に沿ってX方向への微少移動するよう作動して、この変形が機械的に吸収される。
更に、可動部80にY軸周りに捻りが発生した場合にも、スライダユニット20A〜20Dに設けられた第一軸受部30,第二軸受部70の球面軸受40,直進機構60、更に、スライダユニット20A〜20Dの各スライダ22(スライダ22a,22d)がそれぞれ作動して、Y軸周りの捻りが機械的に吸収される。
【0047】
以上のように、可動部80に荷重変形や熱変形が発生して、可動部80があらゆる方向に伸縮、曲げ、捻られて、複合的に変形した場合であっても、可動部80が連結される4つのスライダユニット20A〜20Dに設けられた第一軸受部30,第二軸受部70が作用して、可動部80の変形を機械的に吸収するので、可動部80のX方向への円滑な移動が維持される。
【0048】
なお、第一実施形態では、スライダユニット20Dに、可動部80を回転支持する第二軸受部70を配置する場合について説明したが、スライダユニット20Dのスライダ22dが可動部80に直接固着される場合であっても、可動部80のX方向への円滑な移動は維持可能である。他のスライダユニット20A〜20Cにより、可動部80のスライダユニット20Dのスライダ22dを基準にした変形(伸縮、曲げ、捻り)が吸収可能だからである。
【0049】
続いて、本発明に係る直動装置の第二実施形態について、図面を参照して説明する。
図5は、本発明の第二実施形態に係る直動装置101の概略構成図である。
直動装置101は、X方向に延びる3本の案内レール112,113,114を備える案内レールユニット110と、案内レール112,113,114に対してそれぞれに2つずつ(計6つ)取り付けられたスライダユニット120と、6つのスライダユニット120に支持されると共に3本の案内レール112,113,114に沿って移動可能な可動部180と、から概略構成される。
【0050】
案内レールユニット110は、X方向に沿って平行かつ直線状に延びる3本の案内レール112,113,114と、案内レール112,113,114がそれぞれ固定される支持部材115,116,117と、から構成される。
【0051】
支持部材115,116,117は、床面F上おいてX方向に向けて直線状に、かつ、均等な間隔(例えば、10m程度)を空けて互いに平行に敷設された部材であって、例えばコンクリート等の堅固な材料により形成される。X方向の長さは、任意(例えば、数10m程度)に設定される。
支持部材115,116,117は、その縦断面形状が矩形に形成され、床面Fに平行でZ方向の高さが同一な上面115s,116s,117sを有する。そして、この上面115s,116s,117sに、それぞれ案内レール112,113,114が固定される。
【0052】
案内レール112,113,114は、第一実施形態の直動装置1における案内レール12,13と同一のものであり、互いに平行かつ直線状になるように、支持部材115,116,117の上面115s,116s,117sに敷設される。
【0053】
6つのスライダユニット120(120A〜120F)は、案内レール112,113,114上を円滑に摺動可能に構成されると共に、可動部180をそれぞれ支持するものである。
スライダユニット120A,120Bは案内レール112に、スライダユニット120C,120Fは案内レール113に、スライダユニット120D,120Eは案内レール114に、それぞれ配置される。
また、スライダユニット120A,120F,120Eが、スライダユニット120B,120C,120Dよりも+X方向側に配置される。
【0054】
6つのスライダユニット120A〜120Fのうちのスライダユニット120A〜120Eは、同一の構成を有しており、それぞれスライダ122aと第一軸受部130とから構成される(図6参照)。
一方、スライダユニット120Fは、スライダ122fと第二軸受部170とから構成される(図7参照)。
【0055】
図6は、スライダユニット120A〜120Eを示す図であって、(a)は図5のVIa−VIa断面図、(b)は図5のVIb−VIb断面図である。
上述したように、スライダユニット120Aは、スライダ122aと第一軸受部130とから構成される。
スライダ122a(他のスライダ)は、第一実施形態の直動装置1におけるスライダ22aと略同一のものが用いられ、その上面に第一軸受部130が固着される。
【0056】
第一軸受部130は、スライダ122aと可動部180との間に配置され、スライダ122aに対して可動部180をZ方向に回転可能、かつ、Y方向に直進可能に支持するものである。
第一軸受部130は、スライダ122a上に取付部材131を介して配置された直進機構140と、直進機構140及び可動部180に連結された回転機構160と、から構成される。
【0057】
直進機構140は、取付部材131を介してスライダ122a上に固着されたサブスライダ142と、サブスライダ142上においてY方向に延びるサブレール144と、から構成される。
サブスライダ142及びサブレール144は、スライダ122aと案内レール112とは幅高さ等はやや異なるが、その機能は同一である。すなわち、サブレール144に対してその一部を覆うようにサブスライダ142が装着されて、サブレール144に対してサブスライダ142が円滑に摺動するようになっている。
そして、サブレール144の上面に回転機構160が固着されている。
これにより、直進機構140は、回転機構160(ひいては可動部180)を、スライダ122aに対して、Y方向に直進可能に支持するようになっている。
なお、サブレール144の両端には、サブスライダ142がサブレール144から脱落しないように不図示のストッパが設けられている。
【0058】
回転機構160は、サブレール144の上面に固着されるシャフト部材162と、シャフト部材162に内輪が嵌合される回転軸受164と、回転軸受164の外輪に嵌合されると共に可動部180の底面に固着されるケーシング132と、から構成される。
なお、回転軸受164には、ボールベアリング、ローラーベアリング、クロスローラーベアリング等が用いられる。
【0059】
シャフト部材162は、Z方向に立設する円柱形の部材であって、回転軸受164の内輪に嵌合する本体部162aと、本体部162aよりも大径で本体部162aの一端において回転軸受164の内輪が当接可能な当接部162bと、当接部162bよりも大径でサブレール144の上面に密着する固定部162cと、がこの順に一体に形成される。
本体部162aの先端側外周にはネジ部162dが形成されており、本体部162aに回転軸受164(内輪)を嵌合した状態で、このネジ部162dにベアリング止めナット158を螺合することで、回転軸受164の内輪が当接部162bとベアリング止めナット158とにより挟持されてシャフト部材162に固定されるようになっている。
【0060】
ケーシング132は、カップ形の部材であって、その中心軸がZ方向に沿うようにして、底部を可動部180に密着して固着される。
ケーシング132は、Z方向に二分割可能な下側部材132aと上側部材132bとから構成されている。そして、下側部材132aと上側部材132bと分離して、下側部材132aの内周面に回転軸受164の外輪を嵌合し、その後に結合すると、下側部材132aと上側部材132bとにより回転軸受164の外輪の両端を挟持するようになっている。
また、ケーシング132の内部空間には、回転軸受164、シャフト部材162の本体部162aの先端側及びベアリング止めナット158が収容されるようになっている。
【0061】
そして、ケーシング132(上側部材132b)は、可動部180の底面に形成された円穴に挿入されて固着される。
これにより、回転機構160は、直進機構140(ひいてはスライダ122a)に対して、可動部180をZ軸周りに回転可能に支持するようになっている。
【0062】
したがって、スライダユニット120Aは、第一軸受部130(直進機構140及び回転機構160)により、スライダ122aに対して可動部180を、Z軸方向周りに回転可能、かつ、Y方向に直進可能に支持するようになっている。
同様に、スライダユニット120B〜120Eは、第一軸受部130により、スライダ122aに対して可動部180を、Z軸方向周りに回転可能、かつ、Y方向に直進可能に支持するようになっている。
【0063】
図7は、スライダユニット120Fを示す図であって、(a)は図5のVIIa−VIIa断面図、(b)は図5のVIIb−VIIb断面図である。
スライダユニット120Fは、上述したように、スライダ122fと第二軸受部170とから構成される。
このスライダ122f(一のスライダ)は、スライダユニット120A〜120Eにおけるスライダ122aと同一のものである。
【0064】
第二軸受部170は、スライダ122fと可動部180との間に配置され、スライダ122fに対して可動部180をZ方向に回転可能にのみ支持するものである。
第二軸受部170は、回転機構160のみから構成される。すなわち、第二軸受部170とは、直進機構140を備えていない点で異なっている。
【0065】
また、第二軸受部170における回転機構160は、第一軸受部130における回転機構160とは、Z方向の高さ(長さ)のみが異なっている。
具体的には、回転機構160を構成するシャフト部材162、回転軸受164及びケーシング132等のうち、ケーシング132の上側部材132cのZ方向の高さが異なっている。つまり、上側部材132cは、第一軸受部130における回転機構160の上側部材132bよりも、直進機構140のZ方向の高さ分だけ、Z方向に長く形成されている。
これにより、第二軸受部170は、可動部180を第一軸受部130と同一のZ方向の位置(高さ)で支持するようになっている。
【0066】
したがって、スライダユニット120Fは、第二軸受部170(回転機構160)により、スライダ122fに対して可動部180を、Z軸方向周りに回転可能にのみ支持し、Y方向等には直進できないようになっている。
【0067】
図5に戻り、可動部180は、不図示の荷物を載置した状態で、3本の案内レール112,113,114に沿ってX方向に移動するものであって、第一実施形態に係る直動装置101の可動部80と略同一構成、形状となっている。
すなわち、Y方向に向けて案内レール112〜114の間に架け渡された2本の平行なメインフレーム182,184と、メインフレーム182,184の間に架け渡されてY方向に等間隔に配置された5つのサブフレーム186と、から構成される。各種鉄鋼材料を組み合わせて溶接することで形成されている。
【0068】
そして、メインフレーム182の+Y側端部底面にはスライダユニット120Aが、中央部底面にはスライダユニット120Fが、−Y側端部底面にはスライダユニット120Eが、それぞれ連結されている。また、メインフレーム184の+Y側端部底面にはスライダユニット120Bが、中央部底面にはスライダユニット120Cが、−Y側端部底面にはスライダユニット120Dが、それぞれ連結されている。
これにより、可動部180は、3本の案内レール112,113,114に沿ってX方向に円滑に移動可能となっている。
【0069】
次に、以上のような構成を備える直動装置101の作用について説明する。
図8は、可動部180の変形例を説明する図である。
直動装置101は、可動部180上に各種荷物(不図示)を載置して、X方向に自在に搬送(移動)することができる。
この際、例えば、搬送経路上に熱源が存在すると、その熱源の近傍を可動部180が通過したり、停止したりすると、可動部180が加熱されて熱変形が発生する。また、この熱変形量は、可動部180が熱源から遠ざかる(冷却される)と変化する。
【0070】
このように、可動部180に熱変形が発生すると、可動部180が、図8(a)に示すように曲がったり、図8(b)に示すように伸縮したりする。また、単純に、Y方向やX方向に伸縮する。更に、これらの変形を組み合わせて複合的に変形する。
しかし、可動部180がこのように変形した場合であっても、可動部180が連結される6つのスライダユニット120A〜120Fに設けられた第一軸受部130,第二軸受部170が作用して、可動部180の変形を機械的に吸収する。
したがって、可動部180の変形がスライダユニット120A〜120Fのそれぞれのスライダ122に伝達されないので、全てのスライダ122(スライダ122a,122f)は案内レール112,113,114に対して円滑に摺動可能であり、可動部180のX方向への円滑な移動が維持される。
【0071】
例えば、図8(a)に示すように、可動部180がX方向に凸形状、又は凹形状に撓んだ場合には、スライダユニット120A〜120Fに設けられた第一軸受部130の回転機構160が作動して、このような曲げが吸収される。すなわち、回転機構160の回転軸受164が作動して、ケーシング132が、可動部180の変形に応じて、シャフト部材162に対してZ軸周りに微少回転する。
【0072】
このように可動部180がX方向に凸形状、又は凹形状に曲がると、同時に、可動部180のY方向の見かけ上の長さが短くなる。このような伸縮は、スライダユニット120A,120B,120D,120Eに設けられた第一軸受部130の直進機構140が作動して吸収される。すなわち、直進機構140のサブレール144が、可動部180の変形に応じて、サブスライダ142に対してY方向に微少移動する。
なお、スライダユニット120Fに設けられた第二軸受部170には直進機構が存在しないので、可動部180のY方向の変形量の全てが、残りのスライダユニット120A〜120Eに設けられたそれぞれの第一軸受部130(直進機構140)により機械的に吸収される。言い換えれば、可動部180は、スライダユニット120Fを基準にしてY方向に伸縮できる。
このように、可動部180のX方向の曲げは、機械的に吸収される。
【0073】
また、X方向の曲げが解消される場合や、更に、曲げが増加する場合にも、第一軸受部130と第二軸受部170の回転機構160、直進機構140がそれぞれ作用して、可動部180の変形が吸収される。
こうして、可動部180のX方向への円滑な移動が維持される。
【0074】
また、図8(b)に示すように、可動部180がY方向に撓んだ(Y方向の両端でX方向の伸縮量が異なるように変形した)場合等には、スライダユニット120A〜120Fに設けられた第一軸受部130,第二軸受部170の回転機構160,直進機構140が作動すると同時に、スライダユニット120A〜120Fの各スライダ122(スライダ122a,122f)が案内レール112,113,114に沿ってX方向への微少移動するよう作動する。
これにより、可動部180のY方向の撓みも機械的に吸収される。
【0075】
なお、可動部180がY方向に単純に伸縮した場合には、スライダユニット120A,120B,120D,120Eに設けられた第一軸受部130の直進機構140が作動して、この変形が機械的に吸収される。
また、可動部180がX方向に単純に伸縮した場合には、スライダユニット120A〜120Fの各スライダ122(スライダ122a,122f)が案内レール112,113,114に沿ってX方向への微少移動するよう作動して、この変形が機械的に吸収される。
【0076】
以上のように、可動部180に熱変形等が発生して、可動部180が伸縮、曲げにより複合的に変形した場合であっても、可動部180が連結される6つのスライダユニット120A〜120Fに設けられた第一軸受部130,第二軸受部170が作用して、可動部180の変形を機械的に吸収するので、可動部180のX方向への円滑な移動が維持される。
【0077】
なお、第二実施形態では、スライダユニット120Fに、可動部180を回転支持する第二軸受部170を配置する場合について説明したが、スライダユニット120Fのスライダ122fが可動部180に直接固着される場合であっても、可動部180のX方向への円滑な移動は維持可能である。他のスライダユニット120A〜120Eにより、可動部180のスライダユニット120Fのスライダ122fを基準にした変形(伸縮、曲げ)が吸収可能だからである。
【0078】
なお、上述した実施の形態において示した動作手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0079】
例えば、可動部80,180をX方向に案内する機構としては、案内レール12等とスライダ22等からなるリニアスライダ機構に限らない。例えば、ネジ軸とナットとからなるボールネジ機構であってもよい。
また、案内レール12等とスライダ22等とがリニアモータを構成する場合であってもよい。
また、案内レール12等とスライダ22等とが非接触に支持(エア浮上等)される場合であってもよい。可動部80,180の変形により、案内レールとスライダとの距離(エア浮上量)が変化すると、案内レールとスライダとが接触して移動が困難となってしまう場合もあるからである。
【0080】
また、案内レール12等の数やスライダユニット20等の数は、上述した実施形態では、の場合に限られない。すなわち、案内レールが4本以上であったり、スライダユニットが例えば10組存在したりする場合であってもよい。
【0081】
また、スライダユニット20D,120F(すなわち可動部80,180を回転支持のみするスライダユニット)の配置は、上述した実施形態の場合に限られない。設計条件等に応じて、その配置を任意に設定してもよい。
【0082】
更に、可動部80を複数の鋼材(角鋼管や丸型鋼管等)を組み合わせて構成する場合について説明したが、これに限らない。平板状のテーブル部材により構成してもよい。また、鉄鋼に限らず、アルミニウム等や非金属材料であってもよい。
【0083】
また、上述した実施形態では、可動部80,180に変形が発生する場合として、荷物等を載置した荷重変形や加熱・冷却による熱変形の場合について説明したが、これに限らない。
例えば、可動部80,180上にドリル等の工具を搭載し、可動部80,180を被加工物に向けて移動して、機械加工するような場合であってもよい。このような場合にも、可動部80,180には外力が加わって変形するので、これを機械的に吸収することで、可動部80,180の円滑な移動が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の第一実施形態に係る直動装置1の概略構成図である。
【図2】スライダユニット20A〜20Cを示す図である。
【図3】スライダユニット20Dを示す図である。
【図4】可動部80の変形例を説明する図である。
【図5】本発明の第二実施形態に係る直動装置101の概略構成図である。
【図6】スライダユニット120A〜120Eを示す図である。
【図7】スライダユニット120Fを示す図である。
【図8】可動部180の変形例を説明する図である。
【符号の説明】
【0085】
1,101…直動機構
12,13,112,113,114…案内レール
22a,122a…スライダ(他のスライダ)
22d,122f…スライダ(一のスライダ)
30,130…第一軸受部
40…球面軸受
60,140…直進機構
70,170…第二軸受部
80,180…可動部
164…回転軸受

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定の距離を空けて平行かつ直線状に敷設される複数の案内レールと、
前記複数の案内レールのそれぞれに少なくとも1つ以上配置されて該案内レール上を移動可能な複数のスライダと、
前記複数の案内レールの全てに架け渡されると共に前記複数のスライダに支持されて前記複数の案内レールに沿って移動可能な可動部と、
前記複数のスライダのうちの一のスライダを除いた他のスライダと前記可動部との間にそれぞれ配置されて、前記可動部と前記他のスライダとを回転可能かつ前記可動部の架渡方向に直進可能に支持する複数の第一軸受部と、
を備えることを特徴とする直動装置。
【請求項2】
前記可動部と前記一のスライダとの間に配置されて、前記可動部と前記一のスライダとを回転可能に支持する第二軸受部を備えることを特徴とする請求項1に記載の直動装置。
【請求項3】
前記第一軸受部は、球面軸受を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の直動装置。
【請求項4】
前記第一軸受部は、前記球面軸受と一体的に構成された直進機構を含むことを特徴とする請求項3に記載の直動装置。
【請求項5】
前記第二軸受部は、球面軸受を含むことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の直動装置。
【請求項6】
前記第一軸受部は、前記架渡方向及び前記案内レールの敷設方向に直交する軸周りに回転支持する回転軸受を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の直動装置。
【請求項7】
前記第一軸受部は、前記架渡方向に敷設されるサブレール及び前記サブレール上を移動可能なサブスライダからなる直進機構を含むことを特徴とする請求項6に記載の直動装置。
【請求項8】
前記第二軸受部は、前記架渡方向及び前記案内レールの敷設方向に直交する軸周りに回転支持する回転軸受を含むことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の直動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−30764(P2009−30764A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−197472(P2007−197472)
【出願日】平成19年7月30日(2007.7.30)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】