説明

直接接続用通信システム

【課題】 利用者が簡便に所望の連絡先と通信でき、且つ、サービス提供機関における処理負荷や設備負荷を低減できるようにすること。
【解決手段】 利用者の携帯電話機2における専用操作部3の操作により回線接続されたコールセンター装置5,6、7において、予め登録されている契約先の中から、該回線接続されている利用者が利用する契約先の指定を受付けて、該受付けた契約先の接続用識別情報(電話番号)を前記専用操作部3の操作による自動発呼先に設定変更することで、該専用操作部3が操作されたときに、該設定変更されている契約先の接続用識別情報(電話番号)に携帯電話機2が発呼して利用者を契約先との通信を可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者が、自身の状況や要望に応じた相手先との通話を簡便に実施することのできる直接接続用通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、急速に進む高齢化による高齢者人口の増加から、高齢者をサポートするサービス、例えば、利用者となる高齢者を補助するための相談や話し相手や高齢者の状況確認をコールセンターのオペレータが、高齢者からの通信(電話)により実施するサービスが提案されている。
【0003】
また、近年では、治安の低下による危険から子供を守るために、子供をサポートするサービス、例えば、緊急時に対応して、関連する各機関に連絡や通知をする等のサービスが提案されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらのサービスにおいては、利用者が機器操作に弱い高齢者や子供である場合が多いことから、コールセンターのオペレータが、例えば、高齢者の健康状況等に応じて専門の相談先である医療機関の連絡先を照会して、その照会先の医療機関に電話するように説明しても、利用者は、該医療機関の電話番号をメモして記録し、該記録した連絡先に電話機、例えば携帯電話を操作して電話を架ける必要があり、利用者である例えば高齢者の負担が非常に大きく、上手く照会先に連絡が取れない場合があるという問題があった。
【0005】
更には、これら利用者の連絡先への通話利用の利用制限や利用料金の把握等のコントロールを、サービスを提供するコールセンターで一元的に管理するために、該コールセンターで利用者と連絡先とを回線接続する方法が考えられるが、このようにした場合には、利用者が少ない場合には良いが、利用者数が多くなった場合には、これら回線接続するための処理負荷や設備負荷が非常に大きくなってしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、利用者に大きな負担をかけることなく、簡便に所望の連絡先と通信できるとともに、サービスを提供する機関における回線接続するための処理負荷や設備負荷が非常に大きくなることなく、サービスを提供することのできる直接接続用通信システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の直接接続用通信システムは、
利用者が携行可能とされ、少なくとも通信回線網を通じての通信機能を備える移動通信体と、
予め利用登録された利用者に対して通信サービスを行うコールセンターに設置され、通信回線網を通じて前記移動通信体を携行する利用者と当該コールセンターのオペレータとの通信が可能とされたコールセンター装置と、
から成る直接接続用通信システムであって、
前記移動通信体は、少なくとも前記コールセンター装置への接続要求操作を行うための専用操作部を備え、
前記コールセンター装置は、
予め利用登録された利用者の前記移動通信体の接続用識別情報を記憶するための利用者接続用識別情報記憶手段と、
前記専用操作部が操作されることにより前記移動通信体から送信される接続要求と当該移動通信体の接続用識別情報とを受付ける接続要求受付け手段と、
前記接続要求受付け手段により受付けた接続用識別情報が前記利用者接続用識別情報記憶手段に記憶されていることを条件として該接続用識別情報とともに受付けた接続要求に対する回線接続を実施する回線接続手段と、
予め利用契約された契約先の接続用識別情報を記憶するための契約先接続用識別情報記憶手段と、
前記契約先接続用識別情報記憶手段に記憶されている契約先の中から、前記回線接続手段にて接続されている利用者が利用する契約先の指定を受付ける利用契約先受付け手段と、
前記契約先接続用識別情報記憶手段に記憶されている前記利用契約先受付け手段にて受付けた契約先の接続用識別情報を、前記移動通信体の専用操作部の操作による接続要求先に設定変更するための処理を行う接続要求先設定変更処理手段と、
を備え、
前記移動通信体は、前記接続要求先設定変更処理手段により接続要求先の設定変更がなされているときには、前記専用操作部の操作により該設定変更されている前記契約先の接続用識別情報に接続要求することを特徴としている。
この特徴によれば、利用者に大きな負担をかけることなく、当該利用者が前記専用操作部を操作するのみで、簡便にコールセンター或いは設定変更がなされている時には所望の連絡先となる契約先と通信を実施することができるとともに、これら契約先と通信が全て移動通信体と契約先との間において、サービスを提供するコールセンターを介することなく直接実施されるようになるので、サービスを提供する機関における回線接続するための処理負荷や設備負荷が非常に大きくなることなく、サービスを提供することができる。
【0008】
本発明の請求項2に記載の直接接続用通信システムは、請求項1に記載の直接接続用通信システムであって、
前記利用契約先受付け手段は、受付けた契約先を利用する利用時刻をさらに受付け、
前記接続要求先設定変更処理手段は、前記利用契約先受付け手段にて受付けた利用時刻と前記契約先の接続用識別情報とを対応付けて変更設定し、
前記移動通信体は、前記専用操作部が操作されたときに、その時点の時刻が前記接続要求先設定変更処理手段により設定変更されている利用時刻に該当する時間であるときに該利用時刻に対応する契約先の接続用識別情報へ接続要求し、その時点の時刻が設定変更されている利用時刻に該当しないときには、前記コールセンター装置へ接続要求することを特徴としている。
この特徴によれば、利用者は、利用時刻において専用操作部を操作するのみで、当該利用時刻とともに設定変更されている各契約先と通信を簡便に実施することができ、利用者の利便性を更に向上できる。
【0009】
本発明の請求項3に記載の直接接続用通信システムは、請求項2に記載の直接接続用通信システムであって、
前記コールセンター装置は、前記利用契約先受付け手段にて受付けた利用時刻を、前記移動通信体における報知時刻に設定するための処理を行う報知時刻設定処理手段を備え、
前記移動通信体は、前記報知時間設定処理手段により設定された報知時刻となったときに、前記利用時刻となったことを報知することを特徴としている。
この特徴によれば、移動通信体において利用時刻となったことが報知されることで、該利用時刻における専用操作部の操作のし忘れを低減できる。
【0010】
本発明の請求項4に記載の直接接続用通信システムは、請求項1〜3のいずれかに記載の直接接続用通信システムであって、
前記接続要求先設定変更処理手段は、少なくとも変更設定する契約先の接続用識別情報の情報を、PBトーン信号により前記移動通信体に送信し、
前記移動通信体は、前記PBトーン信号の受信に応じて該受信したPBトーン信号から変換した契約先の接続用識別情報を、前記専用操作部の操作による接続要求先に設定変更することを特徴としている。
この特徴によれば、移動通信体からの接続要求にて接続された回線において契約先の接続用識別情報や利用時刻を移動通信体に送信して設定変更でき、これら設定変更を実施するための通信コストや通信負荷を低減できる。
【0011】
本発明の請求項5に記載の直接接続用通信システムは、請求項1〜3のいずれかに記載の直接接続用通信システムであって、
前記接続要求先設定変更処理手段は、少なくとも変更設定する契約先の接続用識別情報の情報を含むショートメッセージを前記移動通信体に送信し、
該ショートメッセージの受信に応じて移動通信体は、該ショートメッセージに対応する設定変更アプリケーションを起動して、該受信したショートメッセージに含まれる少なくとも契約先の接続用識別情報の設定変更を実施することを特徴としている。
この特徴によれば、ショートメッセージは、インターネット等のコンピュータネットワークとのデータ通信機能を有しない移動通信体においても利用できるとともに、これらショートメッセージにて起動する設定変更アプリケーションを個別とすることで、これらショートメッセージ機能を備える従来の移動通信体にこれらの移動通信体にて動作可能な設定変更アプリケーションを記憶させることで、本発明の移動通信体に必要となる機能を簡便に得ることができる。
【0012】
本発明の請求項6に記載の直接接続用通信システムは、請求項1〜3のいずれかに記載の直接接続用通信システムであって、
前記移動通信体は、インターネット網への接続機能を有し、
前記コールセンター装置は、インターネット網にデータ通信可能に接続され、
前記接続要求先設定変更処理手段は、前記インターネット網を介して前記移動通信体がアクセス可能な少なくとも変更設定する契約先の接続用識別情報の情報を含むアクセスデータを生成し、
前記移動通信体は、前記コールセンター装置との通信が終了したことを条件に、設定変更アプリケーションを起動して前記コールセンター装置にアクセスし、アクセス可能な前記アクセスデータが存在するときに、該アクセスにて取得したアクセスデータに含まれる少なくとも契約先の接続用識別情報の設定変更を実施することを特徴としている。
この特徴によれば、移動通信体が既にインターネット網への接続機能を有している場合においては、コールセンター装置のアクセスデータにアクセスして設定変更する契約先の接続用識別情報等を簡便に取得することが、例えば該移動通信体にて動作可能な専用のアプリケーション等をこれらインターネット網への接続機能を有している移動通信体に記憶させることで、本発明の移動通信体に必要となる機能を簡便に得ることができる。
【0013】
本発明の請求項7に記載の直接接続用通信システムは、請求項1〜6のいずれかに記載の直接接続用通信システムであって、
前記移動通信体は、前記接続要求先設定変更処理手段により接続要求先の設定変更がなされているときにおいて、通常の操作態様とは異なる第2の操作態様の操作がなされたときには、該設定変更がなされている契約先の接続用識別情報へ接続要求せずに前記コールセンター装置へ接続要求することを特徴としている。
この特徴によれば、移動通信体において変更設定されている場合でも、第2の操作態様の操作をすることで、利用者は簡便にコールセンターのオペレータと通信を実施することができる。
【0014】
本発明の請求項8に記載の直接接続用通信システムは、請求項1〜7のいずれかに記載の直接接続用通信システムであって、
前記移動通信体は、前記専用操作部の操作に基づいて接続要求することで回線接続された前記契約先の接続用識別情報と通信時間と当該移動通信体を携行する利用者を個々に識別可能な利用者識別情報とを少なくとも含む通信履歴を前記コールセンター装置に送信し、
前記コールセンター装置は、前記利用者識別情報に対応付けて当該利用者の利用情報を管理する利用情報記憶手段を備え、前記通信履歴の受信に基づいて、該利用情報記憶手段において受信した通信履歴に含まれる利用者識別情報に対応する利用情報を更新することを特徴としている。
この特徴によれば、コールセンターにおいて、契約先との通信時間を含む利用情報を正確に管理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施例を以下に説明する。
【実施例】
【0016】
本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、先ず図1は、本実施例の直接接続用通信システムの構成を示すシステム図である。
【0017】
本実施例の直接接続用通信システムは、図1に示すように、本発明の通信回線網としての公衆回線網4を介して接続された他の通話装置との通話が可能とされ、利用者が携行可能な本発明の移動通信体としての携帯電話機2と、利用者に通信サービスを提供するサービス提供会社のコールセンターに設置され、公衆回線網4を通じて携帯電話機2や、契約先企業に設置されている図示しない電話機に接続されて電話系宅内機器に関連する各種の交換付加サービスを提供する構内交換機(PBX)5と、携帯電話機2から本発明の接続要求としての発呼とともに送信される発呼元電話番号を受付けて、当該発呼元電話番号の利用者の担当オペレータに当該発呼を振り分ける端末振り分け制御を実施するCTI(CTI:Computer Telephony Integration、コンピュータ・テレフォニ)装置6と、振り分け制御先となる電話機能付きパソコンをもったクライアントである複数のコミュニケーション端末7a、7b…とによって本発明におけるコールセンター装置が形成されている。また、これら携帯電話機2の電話番号と、契約先企業に設置されている電話機の電話番号と、コールセンターの電話番号は、本発明の接続用識別情報に該当する。
【0018】
本実施例に用いた携帯電話機2は、図1に示すように、無線による通常の通話機能を有するものであって、その前面には、電話番号を入力するための入力キーに加えて、本実施例の通信サービスを受けるために、専用に割り当てられた比較的大きめの本発明における専用操作部となる専用ボタン3が設けられており、該専用ボタン3を入力操作することで、図示しない記憶部に記憶されている電話番号もしくは本実施例のコールセンターの電話番号に自動的に通信接続されるようになっている。
【0019】
この専用ボタン3の操作に基づく自動通信接続にあっては、記憶部(図示略)に電話番号が記憶されている場合には該記憶されている電話番号に通信接続し、記憶されていない場合には予め設定されている本実施例のコールセンターの電話番号に通信接続される。また、専用ボタン3を長時間押し続けた場合(いわゆる長押しを行った場合)には、常に予め設定されている本実施例のコールセンターの電話番号に通信接続される。
【0020】
つまり、後述の接続要求先設定変更処理手段により発呼先の設定変更がなされている(記憶部(図示略)に電話番号が記憶されている)ときにおいて、通常の操作態様(通常の押圧操作)とは異なる第2の操作態様(長時間の継続的な押圧操作)の操作がなされたときには、該設定変更がなされている契約先の電話番号へ発呼せずに前記コールセンター装置へ発呼する携帯電話機2は、本発明の請求項7における携帯電話機に該当する。
【0021】
また、本実施例の携帯電話機2に搭載されている図示しない制御マイコンが実施する制御プログラムには、前記専用ボタン3に関する処理プログラムを含み、制御マイコンは該処理プログラムに基づいて、前述したように、専用ボタン3の入力操作を検知した場合に、記憶部(図示略)に記憶されている電話番号もしくは本実施例のコールセンターの電話番号に発呼するとともに、当該携帯電話機2の電話番号を当該発呼とともに通知する自動発呼処理や、コールセンター側から送信されるPBトーン信号から電話番号と後述するアポイント時刻を復号化して取得する復号化処理や、取得した電話番号を記憶部(図示略)に記憶する電話番号設定処理や、取得したアポイント時刻を報知を行う時間として設定するタイマ設定処理を実施する。
【0022】
次に、本実施例に用いた前記CTI装置6について説明すると、本実施例のCTI装置6は、公衆回線網4からの音声ネットワークと、電話機能付きパソコンから成る前記コミュニケーション端末7が接続されたローカルエリアネットワーク(LAN)などのデータネットワークとが接続され、一般電話加入者である携帯電話機2や契約先企業の電話機とコミュニケーション端末7a、7b…との間での相互通話を可能とするための装置である。
【0023】
本実施例のCTI装置6は、データネットワーク上のコンピュータサーバの役割およびコミュニケーション端末7a、7b…と構内交換機5との間のインターフェース的な機能を有し、携帯電話機2から発呼とともに送信される発呼元の電話番号とを受付け、該発呼元の電話番号から特定される利用者の専任の担当オペレータが操作中のコミュニケーション端末7a、7b…へ当該発呼を振り分ける端末振り分け制御や、携帯電話機2と振り分けられたコミュニケーション端末(例えば7a)との通話回路を形成する制御や、利用者とオペレータの通話時間の計時制御を実施する。
【0024】
このCTI装置6には、図2(a)に示すように、携帯電話機2を携行する利用者に関する情報が記憶(管理)される利用者情報テーブルや、図2(b)に示すように、どのオペレータがどのコミュニケーション端末7a、7b…を利用しているかが管理されるオペレータ情報テーブルと、各契約企業に関する情報が記憶(管理)される契約企業情報テーブルと、図4に示すように、取り次ぎスケジュールテーブルが記憶されている。
【0025】
まず、本実施例に用いた利用者情報テーブルには、図2(a)に示すように、利用者を個々に識別可能な利用者識別情報となる利用者IDに対応付けて、当該利用者の氏名、住所、年齢等の個人情報と、各月毎の利用料金、当該利用者が携行する携帯電話機2の電話番号、電子メールアドレス、担当オペレータのオペレータIDが記憶されており、発呼とともに発呼元の電話番号、つまり、利用者が携行する携帯電話機2の電話番号を受付けることで、当該携帯電話機2の電話番号から利用者や担当オペレータを特定できるようになっている。
【0026】
つまり、本実施例の利用者情報テーブルにおいては、予め利用登録された利用者が携行する携帯電話機2の電話番号に対応付けて当該電話番号を携行する利用者の利用情報となる利用料金が記憶されており、該利用者情報テーブルによって本発明における利用者接続用識別情報記憶手段が形成されている。
【0027】
また、本実施例に用いたオペレータ情報テーブルには、図2(b)に示すように、個々のオペレータを識別可能に固有に付与されたオペレータIDに対応付けて、当該オペレータIDが付与されたオペレータの氏名と、コミュニケーション端末7a、7b…を使用する際に受付けてオペレータの本人確認を実施するためのパスワードと、当該オペレータが利用中のコミュニケーション端末7a、7b…の端末IDとが記憶されており、前述のように発呼を受付けた際に特定された、当該発呼を実施した利用者の担当オペレータが操作中のコミュニケーション端末7a、7b…が、どのコミュニケーション端末7a、7b…であるかを特定できるようになっている。
【0028】
また、本実施例に用いた契約企業情報テーブルには、図2(c)に示すように、各契約企業を個々に特定可能な企業IDに対応付けて、当該契約企業が該当する業種と、電話番号、担当者、そして、当該契約企業に利用者を取り次いだ時間が記憶(管理)されており、担当オペレータが利用者との応対において、利用者の状況や要望に応じた業種を選択して取り次ぎ先企業をコミュニケーション端末7a、7b…において該契約企業情報テーブルに管理されている契約企業の中から検索することができる。
【0029】
つまり、本実施例の契約企業情報テーブルにおいては、予め利用契約された契約先の電話番号が記憶されており、該契約企業情報テーブルによって本発明における契約先接続用識別情報記憶手段が形成されている。
【0030】
また、本実施例に用いた取り次ぎスケジュールテーブルには、図4に示すように、取り次ぎ対象となる利用者の利用者IDに対応付けて、当該利用者の携帯電話機2の電話番号と、アポイント時刻と、取り次ぎ先契約企業の電話番号とが記憶されており、該テーブルに記憶(登録)された取り次ぎスケジュールに基づいて、当該サービスの利用記録が管理される。
【0031】
以下、本実施例における直接接続用通信システムの利用状況について、図3、図5並びに図6に基づいて説明する。
【0032】
まず、利用者が、コールセンターの担当オペレータと連絡を取りたい場合には、携帯電話機機2に設けられている前記専用ボタン3を操作すれば良く、該専用ボタン3の操作により、携帯電話機2は、前述したように、予め設定されているコールセンターの電話番号に発呼するとともに、当該携帯電話機2の電話番号を当該発呼とともに通知する自動発呼処理を実施する。
【0033】
この発呼の受信に基づいて、コールセンターに設置されたCTI装置6は、前記自動発呼処理にて送信される発呼と携帯電話機2の電話番号とを受付ける発呼受付け処理を実施する。つまり、該発呼受付け処理を実施するCTI装置6によって本発明における接続要求受付け手段が形成されている。
【0034】
そして、前記発呼受付け処理にて発呼とともに受付けた発呼元の電話番号が、前記利用者情報テーブルに記憶されているか否かを判定し、受付けた電話番号が利用者情報テーブルに記憶されていない場合には該発呼の回線の接続を実施しない一方、受付けた電話番号が利用者情報テーブルに記憶されている場合には、該受付けた電話番号に対応して記憶されている利用者IDと担当オペレータのオペレータIDを特定し、該特定したオペレータIDの担当オペレータが、どのコミュニケーション端末7a、7b…にいるかをオペレータ情報テーブルのデータから特定し、特定したコミュニケーション端末、例えばコミュニケーション端末7j(10号端末)に、発呼の受付けと、前記にて特定した利用者IDとを通知することで、該コミュニケーション端末7j(10号端末)において、図3に示すように表示されている応対支援画面の待機中利用者の項目欄に、該通知されてきた利用者IDに対応付けて利用者情報テーブルに記憶されている氏名が特定されて表示されるとともに、電話機能を提供する付属の電話機にて着呼が報知される。
【0035】
このようにして利用者からの発呼の受付け(着呼)の報知により、担当オペレータが所定の接続操作を実施する(例えば、付属の電話機の受話器の取り上げや、ヘッドセット等の場合には、待機中利用者の項目欄に表示されている利用者名の選択操作)ことで、発呼してきた利用者との通話回路が形成されて、利用者と担当オペレータとの通話が可能とされる。つまり、利用者は専用ボタン3を操作することで、簡便に担当オペレータと連絡を取ることができる。
【0036】
つまり、本実施例におけるCTI装置6並びにコミュニケーション端末7jにおいて、前記発呼受付け処理にて受付けた電話番号が本発明における利用者接続用識別情報記憶手段となる利用者情報テーブルに記憶されていることを条件として該電話番号とともに受付けた発呼に対する回線接続が実施されており、該CTI装置6並びにコミュニケーション端末7jによって、本発明における回線接続手段が形成されている。
【0037】
これら通話回路が形成されて利用者との通話が開始されるとコミュニケーション端末7jは、該通話回路が形成された利用者の氏名を、現在応対中利用者の欄に移行表示するとともに、通話時間を計時して、該計時した通話時間を対応する通話時間に表示する。
【0038】
この際、現在応対中利用者の欄の下方位置には、「個人情報詳細」の選択入力部が設けられており、該「個人情報詳細」の選択入力部を選択入力することで、現在応対中の利用者の利用者IDに対応して利用者情報テーブルに記憶されている個人情報が、サブウインドウ内に表示されるようになっており、担当オペレータは、応対する利用者に関する情報を画面にて確認しながら応対を実施できるようになっている。
【0039】
これらの担当オペレータとの応対において、例えば、利用者が体調が優れない等の状況を訴えた場合で、医師に相談したい等の場合には、担当オペレータは、応対支援画面の下方に設けられている取り次ぎ先検索の対象業種の項目メニューにおいて、対象業種として「医療関係」をポップアップウインドウから選択して「検索」の選択入力部を選択入力することで、契約企業情報テーブル(図2(c)参照)に業種として「医療関係」が記憶されている契約企業が全て抽出されて、図3に示すように、検索結果として一覧表示される。
【0040】
そして、担当オペレータは、利用者に大まかに医師に相談できる時間帯を確認した後、該検索結果の中から、好適と思われる契約企業に対応する「発呼」の選択入力部を選択入力すると、利用者との通話が保留される一方、コミュニケーション端末7j並びにCTI装置6、構内交換機5を通じて、該選択した契約企業先への発呼が実施される。
【0041】
該発呼により契約企業先との通話が可能とされた時には、担当オペレータは、担当者である医師から利用者が相談することのできる利用可能時刻となる空きスケジュールの時刻を伺って取得(聴取)する利用可能時刻取得処理を実施した後、利用者との通話の保留を解除して、該利用者に契約企業である医師から聴取(取得)した空きスケジュールの時刻を提示して、利用者から当該時刻の可否回答を受付けて、該空きスケジュールの時刻の確認を実施する。
【0042】
該確認において該空きスケジュールの時刻がNGである場合には、図5のAに戻って、検索結果に含まれるその他の契約企業に対応する「発呼」の選択入力部を選択入力して、再度、他の契約企業である他の医師から空きスケジュール時刻を聴取(取得)して、該聴取(取得)した空きスケジュール時刻を利用者に再度確認する。
【0043】
また、前記空きスケジュール時刻の確認において該空きスケジュール時刻がOKである場合には、当該契約企業に対応する「アポ時刻」の項目に、該確認がとれた空きスケジュール時刻をアポイント時刻として入力した後、対応する「設定」の選択入力部を選択入力して該「アポ時刻」を設定する。
【0044】
つまり、本実施例におけるコミュニケーション端末7jにおいて、本発明における契約先接続用識別情報記憶手段となる契約企業情報テーブルから抽出された検索結果の契約企業(契約先)の中から、回線接続されている利用者が利用する契約企業(契約先)の指定が受付けられており、該コミュニケーション端末7j(応対支援画面)によって、本発明の請求項1における利用契約先受付け手段が形成されている。
【0045】
つまり、受付けた契約先を利用する利用時刻(応対支援画面(図4参照)にて「設定」の選択入力部が選択入力されることにより、当該「選択」に対応づけられた「アポ時刻」)をさらに受付けられており、該コミュニケーション端末7j(応対支援画面)によって、本発明の請求項2における利用契約先受付け手段を形成する。
【0046】
この「設定」の選択入力によりコミュニケーション端末7jは、CTI装置6に対して、その時点における現在応対中利用者の利用者IDと、入力されたアポイント時刻と、該入力されたアポイント時刻に対応する契約企業の電話番号(取り次ぎ先電話番号)とを含むスケジュール登録要求を送信することで、前記取り次ぎスケジュールテーブル(図4参照)に、利用者IDと、該利用者IDから特定される電話番号(利用者情報テーブルにて特定)と、アポイント時刻と、取り次ぎ先電話番号とを含む取り次ぎスケジュールを記憶(登録)させる。
【0047】
そして、担当オペレータは、契約企業である医師の氏名と、該設定したアポイント時刻と、その時間になったときに専用ボタン3を操作する旨を利用者に通知するとともに、コミュニケーション端末7jを操作して、契約企業である医師と通話するための取り次ぎ先電話番号並びにアポイント時刻の数値を変換した所定信列のPBトーン信号を、利用者の携帯電話機2に対して送信されるPBトーン信号送信処理を実施させた後、応対を終了する。
【0048】
つまり、前記契約先接続用識別情報記憶手段(契約企業情報テーブル、図2(c)参照)に記憶されている前記利用契約先受付け手段にて受付けた契約先の電話番号を、携帯電話機2の専用操作部(専用ボタン3)の操作による発呼先に設定変更するための処理(電話番号を変換したPBトーン信号を送信するPBトーン信号送信処理)を行うコミュニケーション端末7jは、本発明の請求項1における接続要求先設定変更処理手段を形成する。
【0049】
つまり、前記利用契約先受付け手段にて受付けた利用時刻(「アポ時刻」)と前記契約先の電話番号とを対応付けて変更設定するための処理(電話番号並びにアポイント時刻の数値を変換したPBトーン信号を送信するPBトーン信号送信処理)を行うコミュニケーション端末7jは、本発明の請求項2における接続要求先設定変更処理手段を形成する。
【0050】
つまり、コミュニケーション端末7jが実施するPBトーン信号送信処理において、対応支援画面にて受付けた利用時刻となるアポイント時刻を、携帯電話機2における報知時刻となるタイマに設定するためのPBトーン信号を送信しており、該PBトーン信号送信処理を実施するコミュニケーション端末7jによって、本発明における報知時刻設定処理手段が形成されている。
【0051】
つまり、少なくとも変更設定する契約先の電話番号の情報を、PBトーン信号により携帯電話機2に送信する処理(PBトーン信号送信処理)を行うコミュニケーション端末7jは、本発明の請求項4における接続要求先設定変更処理手段を形成する。
【0052】
尚、このPBトーン信号を受信した利用者の携帯電話機2は、設定処理を実施する。具体的に説明すると、携帯電話機2は、受信したPBトーン信号から電話番号とアポイント時刻を取得し、該取得した電話番号を記憶部(図示略)に設定する前述の電話番号設定処理と、該取得したアポイント時刻を設定する前述のタイマ設定処理を実施する。
【0053】
そして、図6に示すように、これらタイマ設定処理にて設定されたアポイント時刻になった時に携帯電話機2は、該アポイント時刻になったことを音声出力等により報知する。尚、これら報知の形態は音声出力に限らず、震動等でも良く、携行する利用者がアポイント時刻になったことを知覚できる形態であれば任意とされる。
【0054】
つまり、報知時間設定処理手段(PBトーン信号送信処理)により設定された報知時刻となったときに、利用時刻(アポイント時刻)となったことを報知する携帯電話機2は、本発明の請求項3における携帯電話機に該当する。
【0055】
これら報知によりアポイント時刻になったことを知覚した利用者は、専用ボタン3を入力操作する。この専用ボタン3の操作により、携帯電話機2は、前述したように、記憶部(図示略)に記憶されている電話番号に発呼するとともに、当該携帯電話機2の電話番号を当該発呼とともに通知する自動発呼処理を実施する。
【0056】
尚、報知に関わらず利用者は、専用ボタン3の入力操作が可能とされているが、記憶部(図示略)に電話番号が記憶されている場合には、言い換えると、コールセンター以外に発呼する場合には、その時点の時刻がタイマに設定されたアポイント時刻の近辺(前後15分以内)であることが条件とされている。また、記憶部(図示略)に電話番号が記憶されていない場合、もしくは、記憶部(図示略)に電話番号が記憶されており、タイマに設定されたアポイント時刻の近辺でない場合には、常時コールセンターの電話番号に発呼するようになっている。
【0057】
つまり、前記接続要求先設定変更処理手段(PBトーン信号送信処理)により発呼先の設定変更がなされているときには、前記専用操作部(専用ボタン3)の操作により該設定変更されている前記契約先の電話番号(記憶部(図示略)に記憶されている電話番号)に発呼する携帯電話機2は、本発明の請求項1における携帯電話機に該当する。
【0058】
つまり、前記専用操作部(専用ボタン3)が操作されたときに、その時点の時刻が前記接続要求先設定変更処理手段により設定変更されている利用時刻に該当する時間(タイマに設定されたアポイント時刻の近辺、前後15分以内)であるときに該利用時刻に対応する契約先の電話番号(記憶部(図示略)に記憶されている電話番号)へ発呼し、その時点の時刻が設定変更されている利用時刻に該当しないときには、前記コールセンター装置へ発呼する携帯電話機2は、本発明の請求項2における携帯電話機に該当する。
【0059】
つまり、前記PBトーン信号の受信に応じて該受信したPBトーン信号から変換した契約先の電話番号を、前記専用操作部(専用ボタン3)の操作による発呼先に設定変更(記憶部(図示略)に記憶)する携帯電話機2は、本発明の請求項4における携帯電話機に該当する。
【0060】
この発呼の受付けに基づいて、取り次ぎ先である医師が電話口に出ると、利用者との回線と、取り次ぎ先である契約企業である医師との回線が接続されるとともに、携帯電話機2の制御マイコン(図示略)は、取り次ぎ時間の計時を開始する。
【0061】
そして、利用者と医師との通話が終了して接続した回線が切断されることに基づいて、携帯電話機2の制御マイコン(図示略)は、開始した取り次ぎ時間の計時を終了した後、携帯電話機2は、コールセンターの電話番号に発呼するとともに、当該携帯電話機2の電話番号を当該発呼とともに通知し、回線接続後に、記憶部(図示略)に記憶されている電話番号と計時した本発明の通信時間としての取り次ぎ時間とからなる本発明の通信履歴としての通話履歴の数値とを変換した所定信列のPBトーン信号を、コールセンターのCTI装置6に対して送信した後、回線を切断する通話後処理を実施する。
【0062】
つまり、専用操作部(専用ボタン3)の操作に基づいて発呼することで回線接続された前記契約先の電話番号と通話時間(取り次ぎ時間)と当該携帯電話機2を携行する利用者を個々に識別可能な利用者識別情報(携帯電話機2の電話番号)とを少なくとも含む通話履歴を前記コールセンター装置(CTI装置6)に送信する通話後処理を実施する携帯電話機2は、本発明の請求項8における携帯電話機に該当する。
【0063】
通話後処理の実施後、携帯電話機2の制御マイコン(図示略)は、記憶部(図示略)に記憶されている電話番号を消去して、処理を終了する。
【0064】
また、携帯電話機2の通話後処理による発呼の受信に基づいて、コールセンターに設置されたCTI装置6は、まず、該発呼とともに受付けた発呼元の電話番号に対応して前記利用者情報テーブル(図2(a)参照)に記憶されている利用者IDを特定する。次に、回線接続後にPBトーン信号を受信したCTI装置6は、受信したPBトーン信号から取得した取り次ぎ時間に基づいて、当該利用者の利用者IDに対応する利用料金に所定の利用料金を加算更新する利用者料金更新処理を行うとともに、受信したPBトーン信号から取得した電話番号に基づいて、該電話番号に対応付けて契約企業情報テーブル(図2(c)参照)に記憶されている契約企業(医師)を特定し、該特定した契約企業(医師)の取り次ぎ時間に加算更新する。
【0065】
つまり、利用者識別情報(携帯電話機2の電話番号)に対応付けて当該利用者の利用情報(利用料金)を管理する利用情報記憶手段(利用者情報データベース、図2(a)参照)を備え、前記通話履歴の受信に基づいて、該利用情報記憶手段において受信した通話履歴に含まれる利用者識別情報に対応する利用情報を更新する利用者料金更新処理を実施するCTI装置6は、本発明の請求項8におけるコールセンター装置を形成する。
【0066】
次いで、本実施例の第1の変形例としての直接接続用通信システムについて説明していく。
【0067】
例えば、前記実施例では、図5に示す前述の設定処理において、公衆回線網4を介してPBトーン信号を用いて電話番号とアポイント時刻をコールセンターから携帯電話機2に送信する構成としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、図7(a)に示すような構成としても良い。
【0068】
この構成を説明すると、契約企業に取り次ぐアポイント時刻を決定するためにコールセンターのコミュニケーション端末7jと携帯電話機2との間で行われる応対の終了後に、コミュニケーション端末7jは、公衆回線網4を介して電話番号とアポイント時刻とを含むショートメッセージを携帯電話機2に送信するショートメッセージ送信処理を実施する。ショートメッセージを受信した携帯電話機2は、ショートメッセージの受信に基づいて設定用のアプリケーションプログラム(以下、アプリと略称する)を起動する。そして、設定用のアプリは、受信したショートメッセージから電話番号とアポイント時刻とを取得して、記憶部(図示略)に電話番号を設定する前述の電話番号設定処理と、アポイント時刻を設定する前述のタイマ設定処理とを実施するようになっている。
【0069】
つまり、少なくとも変更設定する契約先の電話番号の情報を含むショートメッセージを携帯電話機2に送信するショートメッセージ送信処理を実施するコミュニケーション端末7jは、本発明の請求項5における接続要求先設定変更処理手段を形成する。
【0070】
つまり、該ショートメッセージの受信に応じて、該ショートメッセージに対応する設定変更アプリケーション(設定用のアプリ)を起動して、該受信したショートメッセージに含まれる少なくとも契約先の電話番号の設定変更を実施する電話番号設定処理を実施する携帯電話機2は、本発明の請求項5における携帯電話機に該当する。
【0071】
このようにすれば、インターネット等のコンピュータネットワークとのデータ通信機能を有しない携帯電話機においてもショートメッセージは利用できるとともに、これらショートメッセージにて起動する設定変更アプリケーションを、携帯電話機にて実施される制御プログラム等とは個別とすることで、これらショートメッセージ機能を備える従来の携帯電話機にこれらの携帯電話機にて動作可能な設定変更アプリケーションを記憶させることで、本発明の携帯電話機に必要となる機能を簡便に得ることができる。
【0072】
次いで、本実施例の第2の変形例としての直接接続用通信システムについて説明していく。
【0073】
例えば、前記実施例では、図5に示す前述の設定処理において、公衆回線網4を介してPBトーン信号を用いて電話番号とアポイント時刻をコールセンターから携帯電話機2に送信する構成としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、図7(b)に示すような構成としても良い。
【0074】
この構成を説明すると、インターネットを介した通信機能を備えた本発明の請求項6におけるコールセンターのCTI装置6と携帯電話機2とを、図1に示すようにインターネット網10を介してデータ通信可能に接続しておき、契約企業に取り次ぐアポイント時刻を決定するためにコールセンターのコミュニケーション端末7jと携帯電話機2との間で行われる応対の終了後に、携帯電話機2は、設定取得用のアプリを起動する。例えば、携帯電話機2が、待受状態となることを条件に起動される待受アプリとして当該設定取得用のアプリを登録しておけば、応対の終了後に携帯電話機2が待受状態になった後、直ちに設定取得用のアプリが起動される。
【0075】
そして、設定取得用のアプリは、当該携帯電話機2の利用者の利用者IDを含み、電話番号とアポイント時刻とを要求する旨の取得要求を、インターネット網10を介してコールセンターのCTI装置6に送信する。
【0076】
取得要求を受信したコールセンターは、当該取得要求に含まれる利用者IDに対応付けて取り次ぎスケジュールテーブル(図4参照)に記憶されている取り次ぎスケジュールを特定し、該特定した取り次ぎスケジュールに含まれる取り次ぎ先電話番号とアポイント時刻とを含む設定情報を、インターネット網10を介して携帯電話機2に送信する。尚、利用者IDに対応付けて取り次ぎスケジュールテーブル(図4参照)に記憶されている取り次ぎスケジュールを特定できなかった場合には処理を終了する。
【0077】
つまり、前述のようにオペレータによる応対支援画面(図3参照)の操作に基づいて、インターネット網10を介して携帯電話機2がアクセス可能な少なくとも変更設定する契約先の電話番号の情報を含むアクセスデータ(取り次ぎスケジュール)を生成して、CTI装置6の取り次ぎスケジュールテーブル(図4)に記憶させる処理を行うコミュニケーション端末7jは、本発明の請求項6における接続要求先設定変更処理手段を形成する。
【0078】
設定情報を受信した携帯電話機2の設定取得用のアプリは、受信した設定情報から電話番号とアポイント時刻とを取得して、記憶部(図示略)に電話番号を設定する前述の電話番号設定処理と、アポイント時刻を設定する前述のタイマ設定処理とを実施する。
【0079】
つまり、コールセンター装置(コミュニケーション端末7j)との通話が終了したことを条件に、設定変更アプリケーション(設定取得用のアプリ)を起動して前記コールセンター装置(CTI装置6)にアクセスし、アクセス可能な前記アクセスデータ(当該携帯電話機2の利用者の利用者IDに対応付けて記憶された取り次ぎスケジュール)が存在するときに、該アクセスにて取得したアクセスデータに含まれる少なくとも契約先の電話番号の設定変更を実施(記憶部(図示略)に記憶)する携帯電話機2は、本発明の請求項6における携帯電話機に該当する。
【0080】
このようにすれば、携帯電話機が既にインターネット網への接続機能を有している場合においては、コールセンター装置を成すCTI装置6にアクセスして設定変更する契約先の接続用識別情報(電話番号)等を簡便に取得することが、例えば該携帯電話機にて動作可能な専用のアプリケーションとなる設定変更アプリケーション等をこれらインターネット網への接続機能を有している携帯電話機に記憶させることで、本発明の携帯電話機に必要となる機能を簡便に得ることができる。
【0081】
次いで、本実施例の第3の変形例としての直接接続用通信システムについて説明していく。
【0082】
例えば、前記実施例では、図6に示す前述の通話後処理において、公衆回線網4を介してPBトーン信号を用いて電話番号と取り次ぎ時間からなる通話履歴をコールセンターから携帯電話機2に送信する構成としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、図7(c)に示すような構成としても良い。
【0083】
この構成を説明すると、インターネットを介した通信機能を備えたコールセンターのCTI装置6と携帯電話機2とを、図1に示すようにインターネット網10を介してデータ通信可能に接続しておき、携帯電話機2と契約企業との間で行われる通話の終了後に、携帯電話機2は、通話履歴送信用のアプリを起動する。例えば、携帯電話機2が、待受状態となることを条件に起動される待受アプリとして当該通話履歴送信用のアプリを登録しておけば、応対の終了後に携帯電話機2が待受状態になった後、直ちに通話履歴送信用のアプリが起動される。または、タイマにより通話履歴送信用のアプリを1日1回起動するようにしても良い。
【0084】
そして、通話履歴送信用のアプリは、当該携帯電話機2の利用者の利用者IDを含み、電話番号と取り次ぎ時間とを含む通話履歴を、インターネット網10を介してコールセンターのCTI装置6に送信する。尚、送信方法としては、電子メールによる送信や、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)によるアップロード等を適宜に用いればよい。
【0085】
通話履歴を受信したコールセンターは、受信した通話履歴から取得した取り次ぎ時間に基づいて、当該利用者の利用者IDに対応する利用料金に所定の利用料金を加算更新するとともに、受信した通話履歴から取得した取り次ぎ先電話番号に基づいて、該取り次ぎ時間を取り次ぎ先である契約企業(医師)の企業IDに対応する取り次ぎ時間に加算更新する。
【0086】
以上、本実施例の直接接続用通信システムによれば、利用者に大きな負担をかけることなく、当該利用者が専用ボタン3を操作するのみで、簡便にコールセンター或いは設定変更がなされている時には所望の連絡先となる契約企業(契約先)と通話を実施することができるとともに、これら契約企業(契約先)と通話が全て携帯電話機2と契約企業(契約先)の電話機との間において、サービスを提供するコールセンターを介することなく直接実施されるようになるので、サービスを提供する機関における回線接続するため処理負荷や設備負荷が非常に大きくなることなく、サービスを提供することができる。
【0087】
また、本実施例の直接接続用通信システムによれば、利用者は、アポイント時刻において専用ボタン3を操作するのみで、当該アポイント時刻とともに設定変更されている電話番号である契約企業(契約先)と通話を簡便に実施することができ、利用者の利便性を更に向上できる。
【0088】
また、本実施例の直接接続用通信システムによれば、携帯電話機において利用時刻であるアポイント時刻となったことが報知されることで、該アポイント時刻における専用ボタン3の操作のし忘れを低減できる。
【0089】
また、本実施例の直接接続用通信システムによれば、PBトーン信号を発呼にて接続された回線において携帯電話機2に送信して設定変更を実施しており、これらの設定変更においてPBトーン信号を使用することで、これら発呼にて接続された回線とは個別に設定変更をするためのデータやメール等を送信する必要がなく、よって、これらタイマをセットするための通信コストや通信負荷を低減できる。
【0090】
また、本実施例の直接接続用通信システムによれば、携帯電話機2において変更設定されている場合でも、第2の操作態様(長押し)の操作をすることで、利用者は簡便にコールセンターのオペレータと通話を実施することができる。
【0091】
また、本実施例の直接接続用通信システムによれば、契約企業(契約先)との通話時間に基づいて、利用情報記憶手段となる前記利用者情報テーブルに、契約企業(契約先)へ発呼した利用者の携帯電話器2の電話番号に対応付けて記憶されている利用情報となる利用金額が更新されるので、コールセンターにおいて、これら契約企業(契約先)との通話時間を含む利用情報である利用金額を正確に管理することができる。
【0092】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0093】
例えば、前記実施例では、契約先からの空きスケジュールの取得をオペレータが実施するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら空きスケジュールの取得を、例えばCTI装置6が空きスケジュールの入力を要請する音声ガイダンスを送信して、PBトーン信号にて空きスケジュールの時刻を受付けて、利用可能時刻を自動的に取得するようにしても良い。
【0094】
また、前記実施例では、携帯電話機2において設定変更される内容としてアポイント時刻を含むようにしておき、当該アポイント時刻に該当する時間であるときに専用ボタン3が操作されることで、該設定変更される契約企業(契約先)への発呼が自動的になされるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら契約企業(契約先)への自動発呼を、アポイント時刻に関係なく、設定変更がなされた後に再度専用ボタン3が操作されることで一義的に実施するようにしても良い。
【0095】
また、前記実施例では、携帯電話にてアポイント時刻において報知を実施しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらアポイント時刻となったことの報知を実施しない構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の実施例における直接接続用通信システムの全体像を示すシステム図である。
【図2】(a)は、本発明の実施例に用いた利用者情報テーブルを示す図であり、(b)は、本発明の実施例に用いたオペレータ情報テーブルを示す図であり、(c)は、本発明の実施例に用いた契約企業情報テーブルを示す図である。
【図3】本発明の実施例に用いたコミュニケーション端末に表示される応対支援画面を示す図である。
【図4】本発明の実施例に用いた取り次ぎスケジュールテーブルを示す図である。
【図5】本発明の実施例における直接接続用通信システムの動作を示す説明図である。
【図6】本発明の実施例における直接接続用通信システムの動作を示す説明図である。
【図7】(a)は設定処理における第1の変形例を示す図であり、(b)は設定処理における第2の変形例を示す図であり、(c)は通話後処理における変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0097】
2 携帯電話機
3 専用ボタン
4 公衆回線網
5 構内交換機
6 CTI装置
7a、7b、… コミュニケーション端末
7j コミュニケーション端末
10 インターネット網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が携行可能とされ、少なくとも通信回線網を通じての通信機能を備える移動通信体と、
予め利用登録された利用者に対して通信サービスを行うコールセンターに設置され、通信回線網を通じて前記移動通信体を携行する利用者と当該コールセンターのオペレータとの通信が可能とされたコールセンター装置と、
から成る直接接続用通信システムであって、
前記移動通信体は、少なくとも前記コールセンター装置への接続要求操作を行うための専用操作部を備え、
前記コールセンター装置は、
予め利用登録された利用者の前記移動通信体の接続用識別情報を記憶するための利用者接続用識別情報記憶手段と、
前記専用操作部が操作されることにより前記移動通信体から送信される接続要求と当該移動通信体の接続用識別情報とを受付ける接続要求受付け手段と、
前記接続要求受付け手段により受付けた接続用識別情報が前記利用者接続用識別情報記憶手段に記憶されていることを条件として該接続用識別情報とともに受付けた接続要求に対する回線接続を実施する回線接続手段と、
予め利用契約された契約先の接続用識別情報を記憶するための契約先接続用識別情報記憶手段と、
前記契約先接続用識別情報記憶手段に記憶されている契約先の中から、前記回線接続手段にて接続されている利用者が利用する契約先の指定を受付ける利用契約先受付け手段と、
前記契約先接続用識別情報記憶手段に記憶されている前記利用契約先受付け手段にて受付けた契約先の接続用識別情報を、前記移動通信体の専用操作部の操作による接続要求先に設定変更するための処理を行う接続要求先設定変更処理手段と、
を備え、
前記移動通信体は、前記接続要求先設定変更処理手段により接続要求先の設定変更がなされているときには、前記専用操作部の操作により該設定変更されている前記契約先の接続用識別情報に接続要求することを特徴とする直接接続用通信システム。
【請求項2】
前記利用契約先受付け手段は、受付けた契約先を利用する利用時刻をさらに受付け、
前記接続要求先設定変更処理手段は、前記利用契約先受付け手段にて受付けた利用時刻と前記契約先の接続用識別情報とを対応付けて変更設定し、
前記移動通信体は、前記専用操作部が操作されたときに、その時点の時刻が前記接続要求先設定変更処理手段により設定変更されている利用時刻に該当する時間であるときに該利用時刻に対応する契約先の接続用識別情報へ接続要求し、その時点の時刻が設定変更されている利用時刻に該当しないときには、前記コールセンター装置へ接続要求することを特徴とする請求項1に記載の直接接続用通信システム。
【請求項3】
前記コールセンター装置は、前記利用契約先受付け手段にて受付けた利用時刻を、前記移動通信体における報知時刻に設定するための処理を行う報知時刻設定処理手段を備え、
前記移動通信体は、前記報知時間設定処理手段により設定された報知時刻となったときに、前記利用時刻となったことを報知することを特徴とする請求項2に記載の直接接続用通信システム。
【請求項4】
前記接続要求先設定変更処理手段は、少なくとも変更設定する契約先の接続用識別情報の情報を、PBトーン信号により前記移動通信体に送信し、
前記移動通信体は、前記PBトーン信号の受信に応じて該受信したPBトーン信号から変換した契約先の接続用識別情報を、前記専用操作部の操作による接続要求先に設定変更することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の直接接続用通信システム。
【請求項5】
前記接続要求先設定変更処理手段は、少なくとも変更設定する契約先の接続用識別情報の情報を含むショートメッセージを前記移動通信体に送信し、
該ショートメッセージの受信に応じて移動通信体は、該ショートメッセージに対応する設定変更アプリケーションを起動して、該受信したショートメッセージに含まれる少なくとも契約先の接続用識別情報の設定変更を実施することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の直接接続用通信システム。
【請求項6】
前記移動通信体は、インターネット網への接続機能を有し、
前記コールセンター装置は、インターネット網にデータ通信可能に接続され、
前記接続要求先設定変更処理手段は、前記インターネット網を介して前記移動通信体がアクセス可能な少なくとも変更設定する契約先の接続用識別情報の情報を含むアクセスデータを生成し、
前記移動通信体は、前記コールセンター装置との通信が終了したことを条件に、設定変更アプリケーションを起動して前記コールセンター装置にアクセスし、アクセス可能な前記アクセスデータが存在するときに、該アクセスにて取得したアクセスデータに含まれる少なくとも契約先の接続用識別情報の設定変更を実施することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の直接接続用通信システム。
【請求項7】
前記移動通信体は、前記接続要求先設定変更処理手段により接続要求先の設定変更がなされているときにおいて、通常の操作態様とは異なる第2の操作態様の操作がなされたときには、該設定変更がなされている契約先の接続用識別情報へ接続要求せずに前記コールセンター装置へ接続要求することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の直接接続用通信システム。
【請求項8】
前記移動通信体は、前記専用操作部の操作に基づいて接続要求することで回線接続された前記契約先の接続用識別情報と通信時間と当該移動通信体を携行する利用者を個々に識別可能な利用者識別情報とを少なくとも含む通信履歴を前記コールセンター装置に送信し、
前記コールセンター装置は、前記利用者識別情報に対応付けて当該利用者の利用情報を管理する利用情報記憶手段を備え、前記通信履歴の受信に基づいて、該利用情報記憶手段において受信した通信履歴に含まれる利用者識別情報に対応する利用情報を更新することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の直接接続用通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−252062(P2006−252062A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−66172(P2005−66172)
【出願日】平成17年3月9日(2005.3.9)
【出願人】(594170532)
【出願人】(304065857)
【Fターム(参考)】