説明

直流コンセント

【課題】負荷への供給電流の範囲を広げることができる直流コンセントを提供する。
【解決手段】直流コンセント1は、半導体スイッチ10と並列に接続された分流回路11と、半導体スイッチ10の温度を検知する温度センサ12と、温度センサ12での検知温度が規定温度を超えると半導体スイッチ10を流れる電流を分流回路11に分流させる制御回路13とを備えている。分流回路11は、半導体スイッチ10のドレイン−ソース間に接続された接点S0と抵抗R0との直列回路からなり、制御回路13では、温度センサ12での検知温度が規定温度を超えたときに接点S0をオンする。制御回路13は、一旦、分流回路11の接点S0をオンして半導体スイッチ10を流れる電流を分流回路11に分流させると、その後、直流コンセント1からプラグ5を抜く際に押釦スイッチ34がオフするまでは接点S0をオンに維持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、正極および負極の一対の栓刃を有するプラグを接続可能な直流コンセントに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種の直流コンセントにおいて、特に高電圧の負荷を電力供給の対象とする場合などには、プラグの挿抜時に発生するアークが問題となる。そこで、高電圧の負荷を電力供給の対象とするような場合でも、プラグ挿抜時にアークが発生することのない直流コンセントが提案されている(たとえば特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の直流コンセント1は、図4に示すように、直流電源の正極に接続されている第1接触子(第1の接点)21と、負極に接続される第2接触子(第2の接点)22とをそれぞれ栓刃挿入口31,32内に有し、第1接触子21側の栓刃挿入口31内で第1接触子21よりも奥に補助接触子(第3の接点)23を有する。そして、第2接触子22と直流電源の負極との間に挿入された半導体スイッチ10を、補助接触子23と直流電源の負極との間に挿入された分圧抵抗R11,R12に生じる電位にてオンするように構成されている。
【0004】
しかして、プラグ5の挿入時には、栓刃51,52が第1接触子21、第2接触子22にそれぞれ接触した後で、補助接触子23に栓刃51が接触し、補助接触子23が栓刃51および第1接触子21を介して直流電源の正極に接続されることで半導体スイッチ10がオンする。プラグ5を抜く際には、補助接触子23から栓刃51が離間し、半導体スイッチ10がオフした後で、栓刃51,52が第1接触子21、第2接触子22から離間する。つまり、第1接触子21、第2接触子22に栓刃51,52が接離する際には半導体スイッチ10がオフであって、第1接触子21、第2接触子22は通電状態にないので、プラグ5の挿抜時におけるアークの発生が防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−203721号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記構成の直流コンセント1においては負荷へ供給する電流は全て半導体スイッチ10を流れることになるから、当該電流が半導体スイッチ10の定格電流を超えない範囲で、負荷を使用する必要がある。そのため、消費電力の比較的大きな負荷については使用できないという問題を生じる。
【0007】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであって、負荷への供給電流の範囲を広げることができる直流コンセントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、一対の栓刃挿入口を有し正極および負極の一対の栓刃を有するプラグを接続可能な直流電源供給用の直流コンセントであって、一方の栓刃挿入口内に配置され直流電源の一方の極に接続された第1接触子と、他方の栓刃挿入口内に配置される第2接触子と、前記第2接触子と前記直流電源の他方の極との間に挿入される半導体スイッチと、前記一方の栓刃挿入口内で前記第1接触子より奥に配置され前記半導体スイッチの制御端子に接続されており、前記栓刃および前記第1接触子を介して前記直流電源に接続されたときに前記半導体スイッチをオンする補助接触子と、前記半導体スイッチと並列に接続された分流回路と、前記半導体スイッチの温度を検知する温度センサと、前記温度センサでの検知温度が規定温度を超えると前記半導体スイッチを流れる電流を前記分流回路に分流させ、前記プラグが抜かれるまで前記分流回路に電流を流し続ける制御回路とを備えることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、制御回路は、温度センサでの検知温度が規定温度を超えると、半導体スイッチを流れる電流を分流回路に分流させ、プラグが抜かれるまで分流回路に電流を流し続けるので、半導体スイッチを流れる電流が大きくなって前記検知温度が規定温度を超えた場合には、当該電流を分流回路に分流して半導体スイッチを流れる電流を低減することができる。したがって、半導体スイッチの定格電流を超える大きな電流を負荷に流すことが可能となり、負荷への供給電流の範囲を広げることができるという利点がある。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記分流回路が、前記制御回路から受ける制御信号に応じて両端間の抵抗値を変化させ、前記制御回路が、前記分流回路に電流を流して所定時間経過後における前記温度センサの検知温度が規定温度を超えていれば、制御信号により前記分流回路の抵抗値を低下させることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、負荷への供給電流が大きく、分流回路に電流を流しても半導体スイッチを流れる電流が十分に下がらないような場合には、分流回路の抵抗値が低下して分流回路に流す電流の割合を増加させることができる。したがって、より大きな供給電流にも対応できるようになる。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記プラグの挿入時において前記補助接触子に前記栓刃が接触した後で前記プラグにより押操作される位置に配置されており、前記プラグの挿抜を検知する押釦スイッチが設けられ、前記制御回路が、前記押釦スイッチが前記プラグの差込を検知している期間にのみ前記分流回路への分流を可能とすることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、分流回路へ分流されている状態でプラグを抜く際には、補助接触子から栓刃が離間する前に、押釦スイッチがプラグの差込を検知しなくなることで分流回路への分流は停止されることになる。すなわち、半導体スイッチがオフする前に分流回路への分流が停止されるから、プラグを抜く際に分流回路を流れる電流によってアークが発生することを確実に防止できるという利点がある。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、半導体スイッチを流れる電流が大きくなって半導体スイッチの温度が規定温度を超えた場合には、半導体スイッチを流れる電流を分流回路に分流させるので、半導体スイッチの定格電流を超える大きな電流を負荷に流すことができ、負荷への供給電流の範囲を広げることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態1を示す概略構成図である。
【図2】同上の動作例を示すタイムチャートである。
【図3】本発明の実施形態2の要部を示す概略回路図である。
【図4】従来例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施形態1)
本実施形態の直流コンセント1は、図1に示すように正極および負極の一対の栓刃51,52を有するプラグ5を接続対象とするものであって、これら一対の栓刃51,52が挿入される一対の栓刃挿入口31,32を前面側(図1では右側)に具備したケース30を有している。プラグ5は直流電源Eを電源とする直流機器(図示せず)に接続されており、当該プラグ5を通して負荷としての直流機器への電源供給が可能となる。
【0017】
ケース30において正極の栓刃51が挿入される正極側の栓刃挿入口31内には、直流電源Eの正極に接続された第1接触子21と、当該第1接触子21よりも奥に配置された補助接触子23とが設けられている。一方、負極の栓刃52が挿入される負極側の栓刃挿入口32内には、後述する半導体スイッチ10を介して直流電源Eの負極に接続された第2接触子22が設けられている。第1接触子21、第2接触子22、補助接触子23はいずれもばね性を有しており、栓刃挿入口31,32から挿入された栓刃51,52に対して弾接することによって接圧を確保する。しかして、プラグ5を挿入する際には、正極の栓刃51が第1接触子21に接触するとともに負極の栓刃52が第2接触子22に接触した後、正極の栓刃51が補助接触子23にも接触することとなる。
【0018】
ケース30における両栓刃挿入口31.32の間には、棒状の操作子33が挿通される操作孔(図示せず)が形成されており、プラグ5の挿入時にプラグ5によって当該操作子33がケース30内に押し込まれることで、ケース30内に設けた後述の押釦スイッチ34が押操作されるようにしてある。ここで、操作子33はその一端部を操作孔からケース30外に突出させる形で設けられており、当該突出した一端部がプラグ5に押されることで他端部にて押釦スイッチ34を押操作するものとするが、操作子33は、プラグ5と一体に形成されていて操作孔からケース30内に挿入されるものであってもよい。
【0019】
直流電源Eの負極と第2接触子22との間に挿入された半導体スイッチ10は、その制御端子10aが補助接触子23に接続されており、これにより、補助接触子23が栓刃51および第1接触子21を介して直流電源Eに接続されたときにオンする。本実施形態では、半導体スイッチ10としてNチャネルのMOSFETを用いており、その制御端子10aたるゲート端子を補助接触子23に接続するとともに、ドレイン端子を第2接触子22に接続し、ソース端子を直流電源Eの負極に接続してある。ただし、この構成に限らず、背景技術の欄で説明した従来例と同様に、補助接触子23と直流電源Eの負極との間に挿入された分圧抵抗に生じる電位にて半導体スイッチ10をオンする構成としてもよい。なお、半導体スイッチ10にPチャネルのMOSFETを用い、図1の構成とは直流電源Eの正負の極性を逆にすることも考えられる。
【0020】
これにより、直流コンセント1へのプラグ5の挿入時においては、栓刃51,52が第1接触子21、第2接触子22にそれぞれ接触した後、補助接触子23に対して栓刃51が接触する。このとき、補助接触子23は正極の栓刃51と第1接触子21とを介して直流電源Eの正極に接続されることになるので、補助接触子23に制御端子10aを接続した半導体スイッチ10がオンする。一方、直流コンセント1からプラグ5を抜く際には、補助接触子23から栓刃51が離間して半導体スイッチ10がオフした後で、栓刃51,52が第1接触子21、第2接触子22から離間する。このように、第1接触子21、第2接触子22に対して栓刃51,52が接離する際には既に半導体スイッチ10がオフしているのであって、第1接触子21、第2接触子22は通電状態にないので、プラグ5の挿抜時に第1接触子21−栓刃51間および第2接触子22−栓刃52間にアークが生じることを防止できる。
【0021】
ところで、本実施形態の直流コンセント1は、半導体スイッチ10と並列に接続された分流回路11と、半導体スイッチ10の温度を検知する温度センサ12と、温度センサ12での検知温度が規定温度を超えると半導体スイッチ10を流れる電流を分流回路11に分流させる制御回路13とを備えている。
【0022】
分流回路11は、半導体スイッチ10のドレイン−ソース間に接続された接点S0と抵抗R0との直列回路からなり、制御回路13では、温度センサ12のセンサ出力を受けて制御信号により前記接点S0をオンオフ制御する。分流回路11の接点S0としてはリレーの接点S0を用いており、制御回路13は、検知温度が規定温度を超えたときに、制御信号によりリレーの励磁コイル(図示せず)を駆動して接点S0をオンする。しかして、温度センサ12で検知される半導体スイッチ10の温度が前記規定温度を上回ると、半導体スイッチ10を流れる電流の一部Iを分流回路11に流すことができ、結果的に、半導体スイッチ10を流れる電流Isを低減することができる。
【0023】
たとえば、半導体スイッチ10のオン抵抗を0.5Ω、定格電流を3Aと仮定した場合において、直流機器に対して4Aの電流を供給するためには、分流回路11には1Aの電流Iを流す必要がある。この場合、半導体スイッチ10の両端電圧は0.5(Ω)×3(A)=1.5(V)となることから、分流回路11の抵抗R0としては1.5(V)/1(A)=1.5(Ω)のものを用いればよい。
【0024】
また、制御回路13は、上述したようにプラグ5の差込時に押操作される押釦スイッチ34が接続されており、押釦スイッチ34の出力によりプラグ5の挿抜を検知するように構成される。ここで、押釦スイッチ34は、プラグ5の挿入時において補助接触子23に対し栓刃51が接触した後で操作子33に押されてオンするように位置決めされており、プラグを抜く際には押釦スイッチ34がオフした後で補助接触子23から栓刃51が離間するものとする。制御回路13は、押釦スイッチ34がプラグ5の差込を検知している期間にのみ、分流回路11への分流を可能とする。
【0025】
ここに、制御回路13は、一旦、分流回路11の接点S0をオンして半導体スイッチ10を流れる電流を分流回路11に分流させると、その後、直流コンセント1からプラグ5を抜く際に押釦スイッチ34がオフするまでは接点S0をオンに維持する。要するに、半導体スイッチ10を流れる電流を分流回路11に分流したことで、半導体スイッチ10を流れる電流Isが低減して温度センサ12の検知温度が規定温度を下回ったとしても、制御回路13は分流回路11の接点S0をオンに維持して分流を継続する。そのため、分流回路11の接点S0をオフすることにより半導体スイッチ10を流れる電流Isが増加し、再び検知温度が規定温度を超えるという不具合を回避できる。
【0026】
次に、上述した構成の直流コンセント1の動作例について図2のタイムチャートを参照して説明する。図2では半導体スイッチ10のオンオフ状態を(a)、温度センサ12の検知温度を(b)、分流回路11の接点S0のオンオフ状態を(c)に示している。
【0027】
プラグ5の挿入時(t1〜t3)においては、まず第1接触子21および第2接触子22にそれぞれ栓刃51,52が接触し(t1)、その後、補助接触子23に対して栓刃51が接触する(t2)。このとき、半導体スイッチ10がオンすることにより、直流電源Eから直流機器への電力供給が開始する。そして、プラグ5が奥まで差し込まれることにより、操作子33に押されて押釦スイッチ34がオンする(t3)。
【0028】
直流機器への電源供給時には、直流機器への供給電流はオン抵抗を有する半導体スイッチ10を流れるため、半導体スイッチ10で熱が発生し温度センサ12の検知温度は上昇する。供給電流の増加に伴い検知温度が規定温度Taを超えると、制御回路13は分流回路11の接点S0をオンする(t4)。これにより、半導体スイッチ10を流れる電流が低減し、半導体スイッチ10の発熱量が低下するため検知温度が低下する。
【0029】
その後、プラグ5を抜く際(t5〜t7)には、まず押釦スイッチ34がオフすることで制御回路13が分流回路11の接点S0をオフし(t5)、次いで補助接触子23から栓刃51が離間することで半導体スイッチ10がオフする(t6)。それから、第1接触子21、第2接触子22から栓刃51,52が離間する(t7)。
【0030】
以上説明した構成によれば、半導体スイッチ10を流れる電流Isによって半導体スイッチ10の温度が上昇し、温度センサ12の検知温度が規定温度Taを超えた場合、半導体スイッチ10を流れる電流の一部Iが分流回路11に分流されることになる。そのため、半導体スイッチ10の定格電流を超えるような比較的大きい電流を直流機器に流すことができ、直流コンセント1の供給電流の範囲を広げることができる。
【0031】
また、接点S0がオンして分流回路11へ分流されている状態でプラグ5が抜かれると、補助接触子23から栓刃51が離間する前に押釦スイッチ34がオフするため、制御回路13によって接点S0がオフされて分流回路11への分流は停止する。すなわち、プラグ5を抜く際、分流回路11への分流が停止した後、半導体スイッチ10がオフし、最後に第1接触子21、第2接触子22から栓刃51,52が離間することになるので、プラグ5を抜く際に分流回路11を流れる電流によってアークが発生することを確実に防止できるという利点がある。
【0032】
なお、本実施形態では制御回路13は押釦スイッチ34によってプラグ5の挿抜を検知するようにしているが、この例に限らず、補助接触子23に栓刃51が接触したことをもってプラグ5の挿抜を検知するようにしてもよい。この場合でも、プラグ5を抜く際には分流回路11の接点S0がオフされて分流回路11への分流が停止した後、第1接触子21、第2接触子22から栓刃51,52が離間することになるので、アークの発生を防止できる。
【0033】
(実施形態2)
本実施形態の直流コンセント1は、図3に示すように分流回路11の構成が実施形態1の直流コンセント1とは相違する。
【0034】
すなわち、本実施形態では分流回路11は、第1の接点S1および抵抗R1,R2の直列回路と、第2の接点S2および抵抗R3,R4の直列回路と、第3の接点S3および抵抗R5,R6の直列回路とを半導体スイッチ10と並列に接続している。そのため、第1〜第3の接点S1〜S3をオンオフすることにより、半導体スイッチ10の両端間には異なる組み合わせの抵抗R1〜R6が接続される。
【0035】
制御回路13は、第1〜第3の接点S1〜S3を各別にオンオフ制御することで、分流回路11の抵抗値を変化させることができる。たとえば、第1の接点S1がオンで第2,第3の接点S2,S3がオフの場合、抵抗R1,R2の合成抵抗で分流回路11の抵抗値が決まり、第1,第2の接点S1,S2がオンで第3の接点S3がオフの場合、抵抗R1〜R4の合成抵抗(<R1,R2の合成抵抗)で分流回路11の抵抗値が決まる。一方、第1〜第3の接点S1〜S3が全てオンの場合、抵抗R1〜R6の合成抵抗(<R1〜R4の合成抵抗)で分流回路11の抵抗値が決まる。ここで、制御回路13は温度センサ12の検知温度に基づいて分流回路11の抵抗値を決定する。
【0036】
本実施形態では、制御回路13は、プラグ5を接続後、温度センサ12の検知温度が最初に規定温度を超えた場合、制御信号により第1の接点S1のみをオンする。その後、所定時間が経過しても検知温度が規定温度以下に下がらない場合、制御回路13は制御信号により第1の接点S1に加えて第2の接点S2もオンにする。そして、さらに所定時間が経過しても検知温度が規定温度以下に下がらない場合、制御回路13は制御信号により第1,第2の接点S1,S2に加えて第3の接点S3もオンにする。
【0037】
たとえば、半導体スイッチ10のオン抵抗を0.5Ω、定格電流を3A、抵抗R1,R3,R5をそれぞれ1Ω、抵抗R2,R4,R6をそれぞれ0.5Ωと仮定した場合、第1の接点S1をオンすることで直流機器への供給電流を4Aまで拡大することができる。つまり、半導体スイッチ10に3Aの電流Is、分流回路11に1Aの電流Iを流すことにより、合計4Aの電流を直流機器に流すことができる。同様に、第1,第2の接点S1,S2をオンすれば同供給電流を5Aまで拡大することができ、第1〜第3の全接点S1〜S3をオンすれば同供給電流を6Aまで拡大することができる。これらの場合、各抵抗R1〜R6を流れる電流I〜Iは1A以下となるため、各抵抗R1〜R6の発熱量を1W以下に抑えることができる。
【0038】
以上説明したように、分流回路11の抵抗値を可変としたことにより、直流機器への供給電流が大きく、分流回路11に電流を流しても半導体スイッチ10を流れる電流が十分に下がらないような場合には、分流回路11の抵抗値を低下させて分流回路11に流す電流の割合を増加させることができる。その結果、半導体スイッチ10に流れる電流を半導体スイッチ10の定格電流以下に抑えながらも、より広範囲の供給電流に対応できるという利点がある。
【0039】
なお、上述した分流回路11は一例に過ぎず、抵抗の発熱量を考慮して各抵抗の抵抗値や接続関係を変更することで、より大きな供給電流に対応させることも可能である。その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
【符号の説明】
【0040】
1 直流コンセント
5 プラグ
10 半導体スイッチ
11 分流回路
12 温度センサ
13 制御回路
34 押釦スイッチ
E 直流電源
R0 抵抗
S0 接点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の栓刃挿入口を有し正極および負極の一対の栓刃を有するプラグを接続可能な直流電源供給用の直流コンセントであって、一方の栓刃挿入口内に配置され直流電源の一方の極に接続された第1接触子と、他方の栓刃挿入口内に配置される第2接触子と、前記第2接触子と前記直流電源の他方の極との間に挿入される半導体スイッチと、前記一方の栓刃挿入口内で前記第1接触子より奥に配置され前記半導体スイッチの制御端子に接続されており、前記栓刃および前記第1接触子を介して前記直流電源に接続されたときに前記半導体スイッチをオンする補助接触子と、前記半導体スイッチと並列に接続された分流回路と、前記半導体スイッチの温度を検知する温度センサと、前記温度センサでの検知温度が規定温度を超えると前記半導体スイッチを流れる電流を前記分流回路に分流させ、前記プラグが抜かれるまで前記分流回路に電流を流し続ける制御回路とを備えることを特徴とする直流コンセント。
【請求項2】
前記分流回路は、前記制御回路から受ける制御信号に応じて両端間の抵抗値を変化させ、前記制御回路は、前記分流回路に電流を流して所定時間経過後における前記温度センサの検知温度が規定温度を超えていれば、制御信号により前記分流回路の抵抗値を低下させることを特徴とする請求項1記載の直流コンセント。
【請求項3】
前記プラグの挿入時において前記補助接触子に前記栓刃が接触した後で前記プラグにより押操作される位置に配置されており、前記プラグの挿抜を検知する押釦スイッチが設けられ、前記制御回路は、前記押釦スイッチが前記プラグの差込を検知している期間にのみ前記分流回路への分流を可能とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の直流コンセント。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−3409(P2011−3409A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−145762(P2009−145762)
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】