説明

直線型変位計測装置

【課題】小型のリニアセンサを用いながら、正確に直線変位を計測することができ、したがって安価且つ防塵対策が容易であり、しかも原点位置の認識動作が不要で、ダンプ車などの特殊作業車のリフトシリンダのストローク量検出装置として採用して好適な直線型変位計測装置を得る。
【解決手段】ケーシング6に対して往復出退変位可能に構成された出退ロッド7のストローク量を計測する。出退ロッド7の出退変位に応じて変位する可動部51と、出退ロッド7のストローク量を少量化して可動部51に伝える変換機構と、可動部51の変位量を検出するアブソリュートタイプのリニアセンサ53とが、出退ロッド7およびケーシング6の内部に組み付けられている。可動部51の変位量をリニアセンサ53のセンサロッド59を介してセンサヘッド60で検出することにより、出退ロッド7のストローク量を検出できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーシングから往復出退される出退ロッドの出退量を計測する直線型変位計測装置に関する。この直線型変位計測装置は、例えばダンプ車、高所作業車などの特殊車両におけるリフトシリンダのストローク量の検出装置として適用される。
【背景技術】
【0002】
上述のような特殊車両においては、車台とリフトアームとの間に復動油圧シリンダからなるリフトシリンダが配されており、このリフトシリンダを伸長作動させることにより、リフトアームを起伏回動させて、コンテナ等を回動操作させている。かかるコンテナ等の姿勢状態を検出するセンサとしては、例えば特許文献1があり、そこではリミッタスイッチによりコンテナの中間回動位置などを検出している。
【0003】
【特許文献1】特開2000−62516号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者等は、より細かにコンテナの姿勢状態を検出することを考えた。しかし、特許文献1のようにリミッタスイッチを検出要素とする形態では、コンテナの角度姿勢を数度〜数十度単位で検出しようとすると、多数個のリミッタスイッチが必要でコスト的に不利がある。センサの個数が増えると、配線等の作業が煩わしく、製造コストの増加を招く。
【0005】
これに対して、リフトシリンダのストローク量を数センチメートル単位で計測することができれば、コンテナの姿勢状態をより詳細に検出することができる。リフトシリンダの動きのような直線変位を計測し得るセンサとしては、リニアセンサが知られており、かかるリフトセンサのセンサロッドがリフトシリンダの動きに合わせてセンサヘッドに対して出退するようにすれば、一個のセンサでコンテナの姿勢状態を正確且つ確実に検出することが可能となる。
【0006】
しかし、特殊作業車のリフトシリンダのストローク幅は数十センチメートル、場合によっては数メートル程度もあり、このようなロングレンジの直線変位に対応できるようにセンサロッドを長大化することは、センサの外形寸法の大型化を招き、コスト的に不利がある。センサロッドのような精密部品をダンプ車などの過酷な環境下に晒すことは、誤動作が生じやすく、信頼性という点でも難がある。一方、この種のリニアセンサでは、光学、磁気式ともにインクリメンタルタイプがコスト的に主流であるが、インクリメンタルタイプのセンサは、一端電源がオフとされると、再度原点位置を認識することが必要である。このため、コンテナが傾斜姿勢となったままで電源が切られると、原点復帰動作、つまり一度コンテナを横臥姿勢に戻さなければ、コンテナの姿勢状態を認識することができない。
【0007】
本発明は以上のような問題に鑑みてなされたものであり、小型のリニアセンサを用いながら、正確に直線変位を計測することができ、したがって安価且つ防塵対策が容易であり、しかも原点位置の認識動作が不要で、ダンプ車などの特殊作業車のリフトシリンダのストローク量検出装置として採用して好適な直線型変位計測装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ケーシングに対して往復出退変位可能に構成された出退ロッドのストローク量を計測する直線型変位計測装置を対象とする。出退ロッドの出退変位に応じて変位する可動部と、該出退ロッドのストローク量を少量化して該可動部に伝える変換機構と、該可動部の変位量を検出するセンサとが、出退ロッドおよびケーシングの内部に組み付けられている。センサは、可動部に連結されて出退変位するセンサロッドと、該センサロッドの出退変位量を検出するセンサヘッドとで構成されるアブソリュートタイプのリニアセンサである。そして、可動部の変位量をリニアセンサで検出することで、出退ロッドのストローク量を検出することができるようになっていることを特徴とする。
【0009】
変換機構は、中空筒状の出退ロッドの内部に配設された捻りコイル形の第1ばねと、可動部とケーシングとの間に配置された第2ばねとを含む。第1ばねの一端側が出退ロッドの内部の先端部に連結され、他端側が可動部に連結されており、出退ロッドの軸心方向の出退変位に応じて大小に変動する第1ばねの引っ張り付勢力を受けて、該可動部が該出退ロッドの軸心方向と同方向に変位するようになっている。第2ばねが、第1ばねの引っ張り付勢力に抗する方向に、可動部に付勢力を与える。
【0010】
第2ばねが、出退ロッドの軸心方向と直交する方向に配された板ばねであり、板ばねの一端側が可動部に連結され、他端側がケーシングに連結されている形態を採ることができる。
【0011】
ケーシングは、出退ロッドの出入りを許す中空筒状のシリンダケースと、該シリンダケースに連結されたハウジングとからなり、ハウジングの内部に、可動部、第2ばね、およびリニアセンサが配置されており、第1ばねが、出退ロッドおよびシリンダケースの内部を通って、可動部に連結されている形態を採ることができる。
【0012】
別の変換機構は、出退ロッドに連結された第1ラックと、該第1ラックの動きを少量化して、可動部となる第2ラックに出力する減速機とからなる。減速機は、入力軸に固定されて第1ラックと噛み合い連動する第1ピニオンと、出力軸に固定されて第2ラックと噛み合い連動する第2ピニオンとを有し、出退ロッドの出退変位に応じて動く第1ラックのストローク量が、減速機により少量化されて第2ラックに伝動されるようになっている。第2ラックの変位量を、センサロッドを介してセンサヘッドで検出することで、出退ロッドのストローク量を検出する。
【0013】
ケーシングが、出退ロッドの出入りを許す筒状のシリンダケースと、第1ラックを収納する有底中空筒状の収納ケースと、これらシリンダケースと収納ケースとの間に配されたハウジングとからなり、ハウジングの内部に、第2ラック、減速機、およびリニアセンサが配置されており、第1ラックが、収納ケースおよびハウジングの内部を通って、出退ロッドの基端部に連結されている形態を採ることができる。
【0014】
もしくは、ケーシングの内部に、第2ラック、減速機、およびリニアセンサが配置され、出退ロッドの内部に第1ラックが配されている形態を採ることができる。
【0015】
さらに別の変換機構は、出退ロッドに連結されたガイド体と、該ガイド体の対向面に沿う可動部と、該可動部をガイド体の対向面に押し付け付勢する付勢部材とを含む。ガイド体の対向面は、出退ロッドの軸心方向に行くに従って、該対向面に対峙するケーシングの内壁面との間隔寸法が次第に大きくなる或いは小さくなる傾斜面に形成されており、該出退ロッドが出退変位されたとき、可動部の姿勢位置が、前記軸心方向と直交する方向で変動するようになっている。可動部にセンサロッドが連結されており、該センサロッドの出退変位量をセンサヘッドで検出することで、出退ロッドの出退変位量を検出することができるようになっている。
【0016】
センサロッドの一端側に、ガイド体の対向面に沿って随伴回転する摩擦ローラを含む可動部が固定され、該センサヘッドの他端側とケーシングの内壁面との間に付勢部材が配されている形態を採ることができる。
【0017】
ケーシングの内部に、可動部、リニアセンサ、および付勢部材が配置され、出退ロッドの内部にガイド体が固定されている形態を採ることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る直線型変位計測装置においては、変換機構により出退ロッドのストローク量を少量化して可動部に伝え、この可動部の変位量をリニアセンサで検出することで、出退ロッドのストローク量を検出するようにした。したがって本発明によれば、出退ロッドに直結されたセンサロッドの動きに基づいて、出退ロッドのストローク量を検出するセンサ形態に比べて、格段にセンサロッドの長さ寸法は小さなもので足り、したがって小さなリニアセンサを採用できる。しかるに本発明によれば、大型のリニアセンサを用いる場合に比べて安価に済み、直線型変位計測装置の製造コストの低減化を図ることができる。また、小型のリニアセンサを採用した分だけ、防塵対策が容易であり、この点でも直線型変位計測装置の製造コストの低減化を図ることが容易である。
アブソリュートタイプのリニアセンサを採用することで、原点復帰動作を要することなく、出退ロッドのストローク量を検出することができる。つまり、出退ロッドがケーシングから突出している状態でリニアセンサの電源がオフとなった場合でも、再度電源がオン状態となったときには、原点復帰動作を要することなく、ストローク量を検出することができる。
【0019】
以上のように、本発明に係る直線型変位計測装置は、特に防塵性に優れるという点において、過酷な環境下において使用に供される、ダンプ車などの特殊作業車のリフトシリンダのストローク量検出装置として好適なものとなる。また、原点復帰を必要としないという点でも、コンテナが傾斜姿勢となったままで電源がオフとされる可能性のあるダンプ車などの特殊作業車のリフトシリンダのストローク量検出装置として好適なものとなる。
【0020】
変換機構が、出退ロッドの内部に配設された第1ばねと、可動部とケーシングとの間に配された第2ばねとを含むものとしていると、例えば出退ロッドがケーシングから引き出されたときには、可動部は第1ばねの引っ張り付勢力を受けるため、出退ロッドの移動方向と同方向に変位移動するが、このとき可動部は、第2ばねの逆向きの付勢力を受けるため、可動部の変位量は僅かなものとなる。そして、この可動部の僅かな変位量をリニアセンサで検出するだけで、出退ロッドのストローク量を検出することができる。
以上のような直線型変位計測装置は、第1および第2ばねと、可動部と、リニアセンサとからなる簡単な構成であり、直線型変位計測装置の低コスト化を図ることが容易である。
【0021】
第2ばねを、出退ロッドの軸心方向と直交する方向に設けられて、可動部とケーシングとの間に配された板ばねとしていると、第1ばねの引っ張り付勢力に抗する大きな付勢力を、可動部に対して確実に付与することができる。また、捻りコイル形のばねを使用する場合に比べて、板ばねの方が小さな外形寸法で大きな付勢力を確実に可動部に与えることができ、してたがって、計測装置の小型化を図ることも容易である。
【0022】
ケーシングを、出退ロッドの出入りを許す中空筒状のシリンダケースと、該シリンダケースに連結されたハウジングとからなるものとし、ハウジングの内部に、可動部、第2ばね、およびリニアセンサが配置されている形態を採ることができる。これによれば、出退ロッドとケーシングとの間にシール機構を設けておけば、ハウジングに対する塵埃、或いは水分の侵入を確実に防ぐことができる。したがって、リニアセンサ等の動作不良の発生を抑えて、信頼性に優れた直線型変位計測装置を得ることができる。
【0023】
変換機構は、出退ロッドに連結された第1ラックと、該第1ラックの動きを少量化して、可動部となる第2ラックに出力する減速機とからなるものとすることができる。これによれば、出退ロッドが出退変位されると、これに応じて第1ラックが動き、この第1ラックの動きが第1ピニオンを介して減速機に入力され、さらに第2ピニオンを介して第2ラックに伝動される。そして、この第2ラックの変位量をリニアセンサのセンサヘッドで検出することで、出退ロッドのストローク量を検出できる。
以上のような直線型変位計測装置によれば、ラックピニオンおよび減速機といった確動型の動力伝動機構で、出退ロッドの動きが可動部である第2ラックに伝動される。このため、出退ロッドのストローク量を確実に少量化して第2ラックに伝動することができ、出退ロッドのストローク量をより正確に検出することができる。
【0024】
ケーシングは、出退ロッドの出入りを許す筒状のシリンダケースと、第1ラックを収納する有底中空筒状の収納ケースと、両ケースの間に配されたハウジングとからなるものとすることができる。これによれば、出退ロッドとケーシングとの間にシール機構を設けておけば、ハウジングの内部への塵埃、或いは水分の侵入を確実に防ぐことが可能となる。したがって、この直線型変位計測装置は、過酷な環境下で使用されるトラック等の特殊作業車のリフトシリンダのストローク量の検出装置として好適である。
【0025】
ケーシングの内部に、第2ラック、減速機、およびリニアセンサを配置し、出退ロッドの内部に、第1ラックが配された形態を採ることもできる。これによれば、収納ケースを廃する分だけ、計測装置の長さ寸法を小さくして、コンパクトな外形形状とすることができる。
【0026】
変換機構は、出退ロッドに連結された傾斜面を有するガイド体と、該ガイド体の対向面に沿う可動部と、該可動部を該ガイド体の対向面(傾斜面)に押し付け付勢する付勢部材とを含むものとすることができる。これによれば、出退ロッドが出退変位されると、ガイド体が出退ロッドの軸心方向に動き、これにより可動部が、該軸心方向と直交する方向に姿勢変位する。したがって、可動部の変位量をリニアセンサで検出することで、出力ヘッドのストローク量を検出することができる。この直線型変位計測装置は、変換機構がガイド体と可動部と付勢部材とを要素とする簡単な構成であり、安価である点で優れている。
【0027】
センサロッドの一端側に、傾斜面に沿って随伴回転する摩擦ローラを含む可動部が固定され、該センサヘッドの他端側とケーシングの内壁面との間に付勢部材が配されている形態を採ることができる。これによれば、傾斜面と可動部との摩擦抵抗力を小さくできるので、出退ロッドの出退動作の軽滑性を確保することができる。また、付勢力の大きな付勢部材を採用した場合にも、出退ロッドの軽滑な動作が損なわれることがなく、より大きな付勢力で摩擦ローラを傾斜面に押し付けて、確実に可動部を変位させることができる。
【0028】
ケーシングの内部に、可動部、センサ、および付勢部材が配置されており、出退ロッドの内部に、ガイド体が固定されている形態を採ることができる。これによれば、出退ロッドとケーシングとの間にシール機構を設けておけば、ケーシングに内部に対する塵埃、或いは水分の侵入を確実に防ぐことができる。したがって、この直線型変位計測装置は、過酷な環境下で使用されるトラック等の特殊作業車のリフトシリンダのストローク量の検出装置として好適である。また、ガイド体が収納される収納ケースが不要であり、計測装置の長さ寸法を小さくできる利点もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
(第1実施形態) 図1から図4に、本発明の直線型変位計測装置の第1実施形態を示す。図2に示すように、この直線型変位計測装置(以下、単に計測装置と記す)1は、ダンプ車2などの特殊作業車に適用されるものであり、コンテナ3を回動操作する復動油圧シリンダであるリフトシリンダ4のストローク量を計測する。
【0030】
図1、図3および図4において計測装置1は、ケーシング6と、ケーシング6の上端から往復出退変位可能に構成された出退ロッド7とからなる。この計測装置1は、リフトシリンダ4に近接してリフトシリンダ4と平行に配されており、リフトシリンダ4が出退変位すると、出退ロッド7も同じストローク量だけケーシング6に対して出退変位する。つまり、出退ロッド7のストローク量を検出することにより、リフトシリンダ4のストローク量を間接的に計測することができる。
【0031】
図3に示すようにケーシング6は、中空円筒型のシリンダケース8と、シリンダケース8の下端に固定された四角箱状のハウジング9とからなり、シリンダケース8の内部に出退ロッド7が配されている。出退ロッド7は、図1(a)および図3に示すようにシリンダケース8内に収納される待機姿勢と、図1(b)および図4に示すようにシリンダケース8から繰り出される突出姿勢との間で、シリンダケース8に対して往復出退変位可能である。
【0032】
出退ロッド7は、ABS樹脂などのプラスチックを素材とするものであり、上下に長い中空円筒形のベース体11と、ベース体11の下端に装着された抜け止め用のリング12と、ベース体11の上端に装着されて、ベース体11の上端開口を閉じるキャップ13とを有する。図3に示すように、キャップ13の外周縁が、シリンダケース8の上端に装着された円環状の規制リング14(図4参照)の上面開口縁で受け止められることにより、出退ロッド7のシリンダケース8への進入限界が規制される。また、図4に示すように、リング12の周縁が規制リング14の下面開口縁で受け止められることにより、出退ロッド7の上方への突出限界が規制される。
【0033】
図2および図4に示すように、出退ロッド7の上面およびコンテナ3の下面のそれぞれには、ブラケット16・17が固定されており、これらブラケット16・17の軸受孔18・19にボルト20を挿通し、軸受孔19から突出する雌ねじ体21にワッシャ22を通すとともにナット23を締め込むことにより、ボルト20の軸まわりに計測装置1が揺動可能に軸支されている。同様に、ケーシング6の下面およびダンプ車2の車台の上面のそれぞれには、ブラケット26・27が固定されており、これらブラケット26・27の軸受孔28・29にボルト30を挿通し、軸受孔29から突出する雌ねじ体31にワッシャ32を通すとともにナット33を締め込むことにより、ボルト30の軸まわりに計測装置1が揺動可能に軸支されている。
【0034】
図4に示すようにシリンダケース8は、ABS樹脂などのプラスチックを素材とするものであり、上下に長い中空円筒形のケース本体35と、ケース本体35の上端に装着された上述の規制リング14と、ケース本体35の下端に装着された四角形状の封止板36とで構成される。ハウジング9は、上方開口を有する四角箱状を呈しており、その上方開口が封止板36により封止される。規制リング14は、ケース本体35に内嵌装着される筒部38と、筒部38の上端から水平外方向に張り出し形成されてケース本体35の上端を受け止めるフランジ部39とからなり、これら筒部38とフランジ部39とを一体に成形してなる。筒部38の外径寸法はケース本体35の内径寸法と一致し、フランジ部39の外径寸法はケース本体35の外径寸法と一致している。
【0035】
封止板36は、ハウジング9の上方開口縁に内嵌装着される蓋部41と、蓋部41の上端から水平外方向に張り出し形成されたフランジ部42とを備える。蓋部41の上面には、ケース本体35の下端を受け止める上向きの受面43が段付き状に凹み形成されており、受面43の中央部には、円状の開口部44が上下方向に通設されている。
【0036】
出退ロッド7は、キャップ13がシリンダケース8から突出する状態でケース本体35内に差し込まれ、ベース体11の外周と規制リング14の開口部分との隙間は、第1パッキン46および第2パッキン47でシールされている。封止板36の蓋部41とハウジング9の上端開口との隙間は、第3パッキン48でシールされている。キャップ13の外周と、ケース本体35の外周の上端近傍との間には、伸縮可能な蛇腹状のカバー49が設けられており、ベース体11および規制リング14を外側から覆い隠している。
【0037】
これら出退ロッド7およびケーシング6の内部には、出退ロッド7の出退変位に応じて変位する可動片(可動部)51と、出退ロッド7のストローク量を少量化して可動片51に伝える変換機構と、可動片51の変位量を検出するアブソリュートタイプのリニアセンサ53とが組み付けられている。
【0038】
変換機構は、出退ロッド7のベース体11の内部に組み付けられる、上下に長い捻りコイル形のコイルばね(第1ばね)55と、可動片51とケーシング6との間に配置された板ばね(第2ばね)56とで構成される。コイルばね55は、封止板36の開口部44を貫通しており、上端が連結片57を介してキャップ13の下面に連結され、下端が可動片51に連結されている。図1(a)および図3に示す出退ロッド7の待機姿勢において、コイルばね55は自然長よりも僅かに伸びて、可動片51に対して小さな引っ張り付勢力を発揮する。
【0039】
板ばね56は、一端が可動片51に連結され、他端が治具58を介してケーシング6に連結されており、図1(a)および図3に示す出退ロッド7の待機姿勢において、出退ロッド7の軸心方向と直交する水平姿勢にある。この状態から、図1(b)および図4に示すように、出退ロッド7がシリンダケース8から上方に引き出されると、板ばね56は上方に撓んで、コイルばね55の引っ張り付勢力に抗するように、下向きの付勢力を発揮する。
【0040】
図4に示すようにリニアセンサ53は、上端が可動片51に連結されたセンサロッド59と、センサロッド59を上下動可能に支持して、センサロッド59の変位量を検出する中空筒状のセンサヘッド60とで構成される。センサヘッド60は、治具58と一体に設けられた支持具61を介して、ケーシング6に固定されている。センサヘッド60による検出値は、制御部62に入力されたのち、コントロールユニット63(図1参照)を介して、ダンプ車2の制御装置に送られる。
【0041】
以上のような構成からなる計測装置1の動作を、図1を用いて説明する。(a)に示す待機姿勢にある出退ロッド7が、(b)に示すように上方へ繰り出し操作されると、コイルばね55の伸長幅が大きくなり、上向きの大きな引っ張り付勢力が可動片51に作用する。かかる付勢力を受けて、可動片51が上方へ変位すると、板ばね56が上方に撓み、該付勢力に抗する下向きの付勢力が可動片51に作用する。そして、コイルばね55と板ばね56の付勢力が釣り合う位置で可動片51は静止する。つまり、可動片51がコイルばね55からの付勢力を受けて上方へ変位しようとしても、当該変位は板ばね56の付勢力により少量化される。可動片51の変位量は、出退ロッド7のストローク量に比例するものであるから、当該可動片51の変位量をセンサロッド59を介してセンサヘッド60で検出することにより、出退ロッド7のストローク量を検出することができる。
【0042】
このように、出退ロッド7のストローク量を少量化して可動片51に伝え、この可動片51の変位量を検出することで、出退ロッド7のストローク量を検出できるようにしていると、リニアセンサ53が小さく安価なもので足り、したがって、計測装置1の製造コストの低減化を図ることができる。小型のリニアセンサ53を採用した分だけ、防塵対策が容易であり、この点でも計測装置1の製造コストの低減化を図ることが容易である。
また、アブソリュートタイプのリニアセンサ53を採用したので、原点復帰動作を要することなく出退ロッド7のストローク量を検出することができる。つまり、出退ロッド7がケーシング6から突出している状態でリニアセンサ53の電源がオフとなった場合でも、再度電源がオン状態となったときには、原点復帰動作を要することなく、ストローク量を検出することができる。
【0043】
(第2実施形態) 本発明の第2実施形態を図5に示す。そこでは、出退ロッド7を多段構造とした点が第1実施形態と相違する。出退ロッド7は、径寸法が異なり、下端にフランジを有する断面ハット状の第1〜第3の筒状体65〜67で構成されており、下方側に位置する基端側の筒状体の先端にフランジが係合することで抜け止めが図られている。それ以外の点は第1実施形態と同様であるので、同様の部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0044】
上記第1および第2実施形態においては、板ばね56に代えて、例えば、コイルばね55とは逆向きの引っ張り付勢力を発揮するコイルばねを、センサロッド59とハウジング9との間に設けることができる。
【0045】
(第3実施形態) 本発明に係る直線型変位計測装置の第3実施形態を図6から図8に示す。そこではケーシング6が、中空の角丸四角柱状に形成されている。また変換機構は、出退ロッド7に連結された第1ラック71と、該第1ラック71の動きを少量化して、可動部51となる第2ラック72に出力する減速機73とで構成される。
【0046】
図6に示すようにケーシング6は、ABS樹脂などのプラスチックを素材とするものであり、上下に長い中空状のケース本体35と、ケース本体35の上端に装着された規制リング14と、ケース本体35の下端に装着された封止板75とで構成される。封止板75の下面にはブラケット26が固定されている。
【0047】
出退ロッド7は、ケーシング6と同様にプラスチックを素材とし、上下に長い角丸四角筒形のベース体11と、ベース体11の下端に装着された抜け止め用のリング12と、ベース体11の上端に装着されて、ベース体11の上端開口を閉じるキャップ76とを有する。キャップ76は、平面視での外形線がベース体11のそれと一致するように形成されており、キャップ76の上面にはブラケット16が固定されている。出退ロッド7と規制リング14との間には、第1パッキン46と第2パッキン47とで構成されるシール機構が設けられており、このシール機構により、ケーシング6の内部への塵埃、或いは水分の侵入を防止する。
【0048】
第1ラック71は、上下に長い断面四角棒状を呈しており、その一側面に、上下に並ぶ無数のラック歯が形成されている。図7に示すように第1ラック71は、出退ロッド7の内壁面に固定されており、出退ロッド7と一体に変位する。
【0049】
図6に示すように第2ラック72は、第1ラック71よりも上下寸法の小さい断面四角棒状を呈しており、上下方向にのみ変位可能にケーシング6の内部に配置されている。第2ラック72の一側面には、第1ラック71と同様に、上下に並ぶ多数のラック歯が形成されており、両ラック71・72のラック歯の形成面は同一方向に指向している。
【0050】
減速機73は、減速機構が組み込まれた本体部78と、本体部78から導出された入力軸79および出力軸80と、入力軸79に固定された第1ピニオン81と、出力軸80に固定された第2ピニオン82とで構成される。図7に示すように、第1ピニオン81が第1ラック71と噛み合い連動し、第2ピニオン82が第2ラック72と噛み合い連動する。本体部78は、支持具84と、封止板75の上面に立設された縦壁85とを介して、ケーシング6に対して変位不能に固定されている。
【0051】
図6に示すようにリニアセンサ53は、第2ラック72の下端に連結具87を介して連結されたセンサロッド59と、センサロッド59を上下動可能に支持して、センサロッド59の変位量を検出する中空筒状のセンサヘッド60とで構成される。図7に示すようにセンサヘッド60は、支持具61と縦壁85とを介して、ケーシング6に固定されている。制御部62は、封止板75の上面に配置されている。
【0052】
以上の構成によれば、出退ロッド7がケーシング6に対して変位すると、第1ラック71が出退ロッド7と一体に変位する。このときの第1ラック71のストローク量は、減速機73により少量化されて、第2ラック72に伝動される。つまり第2ラック72は、第1ラック71よりも小さなストロークで変位する。第2ラック72のストローク量は第1ラック71のストローク量に比例するので、第2ラック72のストローク量をセンサロッド59を介してセンサヘッド60で検出することにより、第1ラック71および出退ロッド7のストローク量を検出することができる。それ以外の点は、先の第1実施形態と同様であるので、同様の部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0053】
この第3実施形態のように、出退ロッド7のストローク量を少量化して第2ラック72に伝え、この第2ラック72のストローク量を検出することで、出退ロッド7のストローク量を検出できるようにしていると、リニアセンサ53が小さく安価なもので足り、したがって、計測装置1の製造コストの低減化を図ることができる。小型のリニアセンサ53を採用した分だけ、防塵対策が容易であり、この点でも計測装置1の製造コストの低減化を図ることが容易である。
また、アブソリュートタイプのリニアセンサ53を採用したので、原点復帰動作を要することなく出退ロッド7のストローク量を検出することができる。つまり、出退ロッド7がケーシング6から突出している状態でリニアセンサ53の電源がオフとなった場合でも、再度電源がオン状態となったときには、原点復帰動作を要することなく、ストローク量を検出することができる。
【0054】
更に、この第3実施形態によれば、ラックピニオンおよび減速機といった確動型の動力伝動機構で、出退ロッド7の動きが第2ラック72に伝動される。このため、出退ロッド7のストローク量を確実に少量化して第2ラック72に伝動することができ、出退ロッド7のストローク量をより正確に検出することができる。
【0055】
(第4実施形態) 本発明の第4実施形態を図9に示す。そこではケーシング6が、出退ロッド7の出入りを許す筒状のシリンダケース8と、第1ラック71を収納する有底中空筒状の収納ケース89と、両ケース8・89の間に配されたハウジング9とからなり、この点で第3実施形態と相違する。収納ケース89の下壁外面にはブラケット26が固定されている。
【0056】
出退ロッド7は、ABS樹脂などのプラスチックを素材とするものであり、上下に長い中空円筒形のベース体11と、ベース体11の上端に装着されて、ベース体11の上端開口を閉じるキャップ13と、ベース体11の下端に装着されて、ベース体11の下端開口を閉じる封止板90とを有する。第1ラック71は、収納ケース89およびハウジング9の内部を通っており、その上端が封止板90の下面に連結されている。キャップ13の上面にはブラケット16が固定されている。
【0057】
第2ラック72、減速機73およびリニアセンサ53は、ハウジング9の内部に配置されている。出退ロッド7とシリンダケース8との間には、先の第3実施形態と同様のシール機構が設けられており、このシール機構により、ハウジング9の内部への塵埃、或いは水分の侵入が防止されている。それ以外の点は第3実施形態と同様であるので、同様の部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0058】
(第5実施形態) 本発明に係る直線型変位計測装置の第5実施形態を図10および図11に示す。そこではケーシング6が、中空の角丸四角柱状に形成されている。また、出退ロッド7のストローク量を少量化する変換機構が、出退ロッド7に連結されたガイド体93と、ガイド体93の対向面94に沿う可動部51と、可動部51を対向面94に押し付け付勢する捻りコイル形のコイルばね(付勢部材)95とで構成されている。
【0059】
図10に示すようにケーシング6は、ABS樹脂などのプラスチックを素材とするものであり、上下に長い中空状のケース本体35と、ケース本体35の上端に装着された規制リング14と、ケース本体35の下端に装着された封止板75とで構成される。封止板75の下面にはブラケット26が固定されている。
【0060】
出退ロッド7は、ケーシング6と同様にプラスチックを素材とし、上下に長い角丸四角筒形のベース体11と、ベース体11の下端に装着された抜け止め用のリング12と、ベース体11の上端に装着されて、ベース体11の上端開口を閉じるキャップ76とを有する。キャップ76は、平面視での外形線がベース体11のそれと一致するように形成されており、キャップ76の上面にはブラケット16が固定されている。出退ロッド7と規制リング14との間には、第1パッキン46と第2パッキン47で構成されるシール機構が設けられており、このシール機構により、ケーシング6の内部への塵埃、或いは水分の侵入を防止する。
【0061】
ガイド体93は、出退ロッド7の内壁面に固定されており、出退ロッド7に固定する面の裏側が対向面94となっている。対向面94は、該対向面94に対峙するケーシング6の内壁面との間隔寸法が、下方へ行くに従って次第に一定量ずつ小さくなる傾斜面に形成されている。可動部51は、対向面94に沿って随伴回転する摩擦ローラ97と、該摩擦ローラ97を軸支する中心軸98とで構成されている。
【0062】
リニアセンサ53は、センサロッド59と、センサロッド59の変位量を検出する中空筒状のセンサヘッド60とで構成される。センサヘッド60は、センサロッド59を出退ロッド7の軸心方向と直交する方向で変動可能に支持しており、支持具61と、封止板75の上面に立設された縦壁85とを介して、ケーシング6に固定されている。センサロッド59は、一端が中心軸98に連結され、他端がコイルばね95の一端に連結されている。コイルばね95の他端は、治具99と縦壁85とを介して、ケーシング6に連結されている。制御部62は、封止板75の上面に配置されている。
【0063】
以上の構成によれば、出退ロッド7がケーシング6に対して変位すると、ガイド体93が出退ロッド7と一体に変位する。これにより可動部51が、対向面94に沿って随伴回転しながら、出退ロッド7の軸心方向と直交する方向で姿勢変位する。このときの可動部51の変位量は、ガイド体93のストローク量に比例するので、可動部51の変位量をセンサロッド59を介してセンサヘッド60で検出することにより、ガイド体93および出退ロッド7のストローク量を検出することができる。それ以外の点は、先の第1実施形態と同様であるので、同様の部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0064】
この第5実施形態のように、出退ロッド7のストローク量を少量化して可動部51に伝え、この可動部51の変位量を検出することで、出退ロッド7のストローク量を検出できるようにしていると、リニアセンサ53が小さく安価なもので足り、したがって、計測装置1の製造コストの低減化を図ることができる。小型のリニアセンサ53を採用した分だけ、防塵対策が容易であり、この点でも計測装置1の製造コストの低減化を図ることが容易である。
また、アブソリュートタイプのリニアセンサ53を採用したので、原点復帰動作を要することなく出退ロッド7のストローク量を検出することができる。つまり、出退ロッド7がケーシング6から突出している状態でリニアセンサ53の電源がオフとなった場合でも、再度電源がオン状態となったときには、原点復帰動作を要することなく、ストローク量を検出することができる。
【0065】
更に、この第5実施形態によれば、変換機構がガイド体93と可動部51とコイルばね95とを要素とする簡単な構成であり、安価である点で優れている。また可動部51が、対向面94に沿って随伴回転する摩擦ローラ97を含んでいると、ガイド体93と可動部51との摩擦抵抗力を小さくできるので、出退ロッド7の出退動作の軽滑性を確保することができる。なお、対向面94に関して本実施形態では、ケーシング6の内壁面との間隔寸法が下方へ行くに従って次第に小さくなるものとしたが、該間隔寸法が次第に大きくなるものであっても、同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の第1実施形態に係る直線型変位計測装置を示す図であり、(a)は出退ロッドの待機姿勢を示し、(b)は出退ロッドの突出姿勢を示している。
【図2】第1実施形態に係る直線型変位計測装置の適用例を示す図である。
【図3】第1実施形態に係る直線型変位計測装置の全体構成図である。
【図4】第1実施形態に係る直線型変位計測装置の要部を示す図である。
【図5】第2実施形態に係る直線型変位計測装置の全体構成図である。
【図6】第3実施形態に係る直線型変位計測装置の要部を示す図である。
【図7】図6のA−A線断面図である。
【図8】第3実施形態に係る直線型変位計測装置の全体構成図である。
【図9】第4実施形態に係る直線型変位計測装置の全体構成図である。
【図10】第5実施形態に係る直線型変位計測装置の要部を示す図である。
【図11】第5実施形態に係る直線型変位計測装置の全体構成図である。
【符号の説明】
【0067】
1 直線型変位計測装置
6 ケーシング
7 出退ロッド
8 シリンダケース
9 ハウジング
51 可動部(可動片)
53 リニアセンサ
55 第1ばね(コイルばね)
56 第2ばね(板ばね)
59 センサロッド
60 センサヘッド
71 第1ラック
72 第2ラック
73 減速機
79 入力軸
80 出力軸
81 第1ピニオン
82 第2ピニオン
89 収納ケース
93 ガイド体
94 ガイド体の対向面
95 付勢部材(コイルばね)
97 摩擦ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングに対して往復出退変位可能に構成された出退ロッドのストローク量を計測する直線型変位計測装置において、
前記出退ロッドの出退変位に応じて変位する可動部と、該出退ロッドのストローク量を少量化して該可動部に伝える変換機構と、該可動部の変位量を検出するセンサとが、出退ロッドおよびケーシングの内部に組み付けられており、
前記センサは、前記可動部に連結されて出退変位するセンサロッドと、該センサロッドの出退変位量を検出するセンサヘッドとで構成されるアブソリュートタイプのリニアセンサであり、
前記可動部の変位量を前記リニアセンサで検出することで、前記出退ロッドのストローク量を検出することができるようになっていることを特徴とする直線型変位計測装置。
【請求項2】
前記変換機構は、中空筒状の前記出退ロッドの内部に配設された捻りコイル形の第1ばねと、前記可動部と前記ケーシングとの間に配置された第2ばねとを含み、
前記第1ばねの一端側が前記出退ロッドの内部の先端部に連結され、他端側が前記可動部に連結されており、前記出退ロッドの軸心方向の出退変位に応じて大小に変動する前記第1ばねの引っ張り付勢力を受けて、該可動部が該出退ロッドの軸心方向と同方向に変位するようになっており、
前記第2ばねが、前記第1ばねの引っ張り付勢力に抗する方向に、前記可動部に付勢力を与えるものである請求項1記載の直線型変位計測装置。
【請求項3】
前記第2ばねが、前記出退ロッドの軸心方向と直交する方向に配された板ばねであり、
前記板ばねの一端側が前記可動部に連結され、他端側が前記ケーシングに連結されている請求項2記載の直線型変位計測装置。
【請求項4】
前記ケーシングは、前記出退ロッドの出入りを許す中空筒状のシリンダケースと、該シリンダケースに連結されたハウジングとからなり、
前記ハウジングの内部に、前記可動部、前記第2ばね、および前記リニアセンサが配置されており、
前記第1ばねが、前記出退ロッドおよび前記シリンダケースの内部を通って、前記可動部に連結されている請求項3記載の直線型変位計測装置。
【請求項5】
前記変換機構は、前記出退ロッドに連結された第1ラックと、該第1ラックの動きを少量化して、前記可動部となる第2ラックに出力する減速機とからなり、
前記減速機は、入力軸に固定されて前記第1ラックと噛み合い連動する第1ピニオンと、出力軸に固定されて前記第2ラックと噛み合い連動する第2ピニオンとを有し、前記出退ロッドの出退変位に応じて動く該第1ラックのストローク量が、該減速機により少量化されて第2ラックに伝動されるようになっており、
前記第2ラックの変位量を、前記センサロッドを介して前記センサヘッドで検出することで、前記出退ロッドのストローク量を検出する請求項1記載の直線型変位計測装置。
【請求項6】
前記ケーシングは、前記出退ロッドの出入りを許す筒状のシリンダケースと、前記第1ラックを収納する有底中空筒状の収納ケースと、これらシリンダケースと収納ケースとの間に配されたハウジングとからなり、
前記ハウジングの内部に、前記第2ラック、前記減速機、および前記リニアセンサが配置されており、
前記第1ラックが、前記収納ケースおよび前記ハウジングの内部を通って、前記出退ロッドの基端部に連結されている請求項5記載の直線型変位計測装置。
【請求項7】
前記ケーシングの内部には、前記第2ラック、前記減速機、および前記リニアセンサが配置されており、
前記出退ロッドの内部に、前記第1ラックが配されている請求項5記載の直線型変位計測装置。
【請求項8】
前記変換機構は、前記出退ロッドに連結されたガイド体と、該ガイド体の対向面に沿う前記可動部と、該可動部を該ガイド体の対向面に押し付け付勢する付勢部材とを含み、
前記ガイド体の対向面は、前記出退ロッドの軸心方向に行くに従って、該対向面に対峙する前記ケーシングの内壁面との間隔寸法が次第に大きくなる或いは小さくなる傾斜面に形成されており、該出退ロッドが出退変位されたとき、前記可動部の姿勢位置が、前記軸心方向と直交する方向で変動するようになっており、
前記可動部に前記センサロッドが連結されており、該センサロッドの出退変位量を前記センサヘッドで検出することで、前記出退ロッドの出退変位量を検出することができるようになっている請求項1記載の直線型変位計測装置。
【請求項9】
前記センサロッドの一端側に、前記ガイド体の対向面に沿って随伴回転する摩擦ローラを含む前記可動部が固定され、該センサヘッドの他端側と前記ケーシングの内壁面との間に、前記付勢部材が配されている請求項8記載の直線型変位計測装置。
【請求項10】
前記ケーシングの内部には、前記可動部、前記リニアセンサ、および前記付勢部材が配置されており、
前記出退ロッドの内部に、前記ガイド体が固定されている請求項9記載の直線型変位計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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