説明

省エネルギー薄型面発光バックライト

【課題】 面発光バックライトを製作する時、厚さ5mm以下のプラスチックやガラスなどの導光板で、一方向からのLEDの発光で広範囲で均一な面発光を得る。
また、導光板は空間が無い構造として、静電容量変化感知型のタッチパネルのバックライトに使用可能な構造である省エネルギー薄型面発光バックライトを提供する。
【解決手段】 傾斜のついた導光板と、同じ傾斜のついた片面又は両面にシボや拡散処理をした拡散板を互いに組み合わせて、空間の無い並行面を構築し、静電容量変化型のセンシングを可能とする。
導光板の傾斜の厚い方から薄い方へ光源が向くように取付けられたLEDが、その斜面全体を発光させると、LEDから発光した光の波が反射を繰り返して、斜面に当たり発光する。またその際に組み合った拡散板が乱反射と光を吸収する事により、均一な面発光を実現する。その結果、最小限のLED光で、面全体を効率良く発光させ、省エネルギー・省電力にする事を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光の屈折や、反射を用いて、プラスチックやガラスなどを透過させた光を、少ない光量でプラスチックやガラスの表面へ均一に面発光させる事に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、面発光をさせるものにはLEDを使用したものや有機ELが採用されている。しかし、有機ELはLEDに比べて消費電力が大きい事や、湿度や酸素に弱いため、外気に触れると発光面が劣化してしまうため、完全に外気から遮断する必要があるなどの問題がある。LEDについても、多数のLEDを配列して使用する為、コストがかかる。
【0003】
従来、有機ELは薄型で均一に面で発光することができる。しかしLEDを使用したものよりも、消費電力が大きい。
【0004】
従来の面発光板は、エッジからLEDの光源を当てて面全体を光らせるが、エッジの厚みが足りないと面を充分に光らせる事が出来ず、面発光板はt8mm〜t10mm程度の厚みが理想となり、薄い物でもt5mm以下はない。
【0005】
従来、板状の直方体の導光板の表面をシボで荒らして乱反射を利用したり、特殊な反射材を利用したり、LEDを多数個利用している。これらの方法は、コストが高くなる問題がある。ムラがなく均一に面発光をさせるためには、コスト高などのリスクを背負わなければならない。
【0006】
基本的な技術については周知の技術だが、平行面が確保できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来、面発光バックライトは、面発光させるための特殊な反射材の利用や、LEDを多数個必要としていた。一列に羅列または複数個所への配置などで、均一な面発光を可能にしていたが、LEDの数が多い分、消費電力の消耗が大きいものであった。従来の技術では、更なる省エネルギーを必要としている。
【0008】
本発明は、LEDの発光指向角の特性を利用することにより1個のLEDでも均一で効率良い面発光を可能にする面発光バックライトを提供する事を課題としている。
【0009】
これは、角度を設けた成形品の形状により、光の反射の特性を利用した面発光バックライトである。
【0010】
しかしながらエネルギーが多くかかっても、コストがかかっても、均一に発光させるためには、LEDの数を多く必要とした面発光ユニットが採用されている。
本発明は、以上のような欠点をなくすためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
数のLEDで全体を均一に面発光して省エネルギー、省スペース化させる事により、これからの面発光バックライト技術に使用する事が可能である。
【0012】
面発光バックライト、に使用する形状を備え、LEDを使用した均一で効率的な発光について、光源の数を抑えて面発光させる状態をもつ形状であることを特徴とする。
【0013】
この場合の面発光の導光板は、LED光源を効率の良い反射・全反射を利用することにより生ずる均一な輝度を、角度を設けたプラスチックやガラスなどの成形品を用いて、可視光の波長(780nm〜380nm)を面で反射発光させる処理をする。
【0014】
このような構造の成形品は、LED光の波形が効率良く届くよう、傾斜のついた導光板と、同じ傾斜角を持つ拡散板を重ね合わせて設け、導光板の傾斜の厚い方から薄い方へ光源が向くようにLEDを設置することにより、LEDを最小限の輝度と個数で効率良く反射させる事ができ、更に薄型化できる構造である。その構造は一定の角度で傾斜をつける構造となる。
【0015】
互い違いに合わせる導光板の傾斜と同じ角度の傾斜を持つプラスチックまたはガラス製の拡散板について、何ら処理をしないもの、或いは片面または両面にシボなど、乱反射や光の拡散機能を有する拡散板を使用し、発光ムラを緩和する。
【0016】
静電容量変化感知型のタッチセンサーの搭載された回路基板に対して、タッチパネル表面を並行面に保つ場合でも、導光板と拡散板が互いに重なり合い、密着しているので、利用が可能となる。
【0017】
本発明は、以上の構成からなる省エネルギー薄型面発光バックライトである。傾斜のついた導光板を設け同じ傾斜角度で片面又は両面にシボや拡散機能がついた板を互い違いに設ける。
本発明は、以上の構成よりなる省エネルギー薄型面発光バックライトである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の省エネルギー薄型面発光バックライトでは、導光板の傾斜の厚い方から薄い方へ光源が向くようにサイドビューやサイド発光のチップLEDを設置したので、導光板内部の反射と透過により均一な面発光を実現することができ、それによりLEDの数を減らす事が出来る。また、成形品を薄くすれば、製品に組込む時の省スペース化が可能になる。また、効率的な面発光の計算により、電子回路や基板設計段階からLEDの数や配置が予測できることから、設計を単純化することが可能である。
【0019】
さらに、傾斜を設けた導光板の成形品と、同じ角度の傾斜を設けた片面または両面にシボや拡散処理をした拡散板を重ねる事により、光のムラを緩和するだけでなく、平面性及び密接した空間を確保する事が可能である。
【0020】
一定の角度で一定の率で傾斜のついた導光板を組み合わせる事で、1枚が導光、もう1枚が拡散の役目を果たす。また、一定の角度で組み合わせる事で、平行性が保たれ、製品化する際に組込み易いものである。
【0021】
導光板を薄型化させた、省エネルギー薄型面発光バックライトについて、コンパクト化が求められる場合、充分に対応でき、例えば成形品では、3mm以下のユニットにする事が可能である。
【0022】
導光板の傾斜と同じ角度で傾斜した拡散板を使用し、傾斜の厚い方から薄い方へ光源が向くようにサイドビューのチップLEDを設置し、効率の良い拡散をする。可視光の波長(780nmから380nm)による角度の調整も可能である。
【0023】
組み合わせる事により一定の厚みの導光板とし、薄型で効率の良い発光が可能となる。LEDの光源色の進み方で長い製品にすることも可能である。
【0024】
プラスチックやガラスなどの成形品を用い、拡散板と同じ材料でも均一な発光を可能にするので、成形時に材料の無駄をなくすことが可能となる。
【0025】
また、拡散板を同じ角度で作る事で、空間のない構造で、静電量で変化を感知するタイプのタッチ画面のバックライトに利用できる。平面性及び密接した空間を確保する事により、静電容量変化感知型のタッチパネルとしても使用できる。また、静電動感知型のタッチパネルとして利用する場合の面の大きさが各種類のサイドビューLEDの発光面積と同等及び面積が小さい場合、拡散板が不要であり、一枚の板へシボを打つ事により均一な面発光を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の全体図である。
【図2】本発明の上側から見た図である。
【図3】本発明の基本的な発光原理の図である。
【図4】本発明の導光板の組合せと形状の例と光源の配置を表した図である。
【図5】本発明の拡散板として利用する成形品の横側から見た図と、拡散面を表したものである。
【図6】発光範囲内に導光板の大きさがおさまる場合の効率的な面発光の方法を表した図である。
【図7】小さい導光板全体を表したものである。
【図8】本発明のシボなどの拡散効果を設ける面の拡散板の図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、本発明の省エネルギー薄型面発光バックライトの構成の利用例である。この省エネルギー薄型面発光バックライトは、このプラスチックまたはガラスの導光板1の発光面に向けて傾斜の厚い方から薄い方向にLED3の光源を当てる。図8は、光の反射と屈折を表したものである。6は、光の色調により反射角は異なり、拡散板2は、傾斜面に当り光の反射6を、拡散・吸収するように密接して取付けられている。拡散板2には、光を拡散・吸収する事を可能とするために、片面又は両面にシボが打たれている。
面発光ユニットの形状として、平らなもの又は傾斜のついた取付部分に対しては、図3のように傾斜付きの導光板1個に平たい板状4の同じ又は別の材質の組合せのプラスチックまたはガラス等の材質のもので対応できる。
【0028】
必要な発光面に適したサイドビューLED1個以上を、導光板1の傾斜の厚い方から薄い方へ光源が向くように設け、更にその上に同じ角度を持った拡散板2を互い違いに設置し、さらにその角度を設けた導光板の幅や面発光を表示及び光源を隠すためのカバーを設けたユニットを設置し面発光バックライトとする。一般的な電気製品に組み込む際は、平行性を求められるものが主流となっている為、このユニットとして、製品へ組み込む事が容易である。
【0029】
例えば、静電動感知型のタッチパネルなどの利用も容易にする事が可能となる。
【0030】
静電動感知型のタッチパネルについて説明する。静電感知式の基板を使用する際に、密度が高い事が必要であるが、拡散板のシボ面7を荒くする事により、機密性が保たれ、センサーに反応する事が容易となる。
【0031】
この時の導光板1の厚さは、光の波長8にもよるが角度を調整し薄くする事で、より感度の良いタッチセンサーとしての機能を持つ。
【0032】
また、図6のように発光面積5がLEDの指向範囲であった場合、導光板の片側にシボを設ける事で、拡散板を使用しなくても充分な光度を確保できる。図7のように、1枚しか導光板を使用しない為、タッチセンサーを容易に反応させる事が可能となる。
【0033】
光の波長による光学の計算で、導光板の角度を決定することができる。LED3から発光した全反射8を利用する斜面9を決定する。その導光板の長さや大きさにより、指向角の範囲でサイドビューLEDの個数を予測し、基板や製品の設計を無駄なく時間の短縮を計る事が出来る。
【符号の説明】
【0034】
1 導光板
2 導光板と同じ傾斜角を持つ拡散板
3 LED
4 板状の拡散板
5 発光範囲
6 発光範囲程度の大きさの導光板
7 シボや拡散機能を持たせる面
8 光源から光の進み方
9 光の反射により発光する面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電光パネルなどの面が光る板において、プラスチックやガラスで作られた傾斜がある板と、同じ傾斜角がつき片面または両面の表面を荒らした板を備え、それらを組み合わせ、傾斜の厚い方から薄い方へ光源が向くようにLEDを設置し、そこから入射する光を効率良く反射させる事を特徴とした、省エネルギー薄型面発光バックライト。
【請求項2】
面が均一に発光するプラスチックやガラスの板において、同じ傾斜がある板の組み合わせた事により、製品の機構内部に適応して組込む事ができる構造を備え、入射した光を反射させて効率良い面発光を実現する、平行性を保ち組込める事を特徴とした、省エネルギー薄型面発光バックライト。
【請求項3】
面が均一に発光するプラスチックやガラスの、同じ傾斜を持つ板の組み合わせで片面または両面にシボなどの拡散処理をしたある構造の一組の板において、面発光の要素を備え、密度のある静電量で変化を感知する為の静電動感知型のタッチパネルに使用する、省エネルギー薄型面発光バックライト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−178323(P2012−178323A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−57187(P2011−57187)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(507294395)株式会社ホクシンエレクトロニクス (7)
【Fターム(参考)】