説明

真偽判定用媒体およびそれを有する物品、真偽判定用媒体ラベル、真偽判定用媒体転写シートならびに真偽判定用媒体転写箔

【課題】高い偽造防止効果および真偽判定の容易性を兼ね備えた真偽判定用媒体を提供すること。
【解決手段】入射光のうち左円偏光および右円偏光のいずれか一方を反射する光選択反射性を有する光選択反射層、ホログラム形成層および反射層をこの順に有する真偽判定用媒体。反射層は反射性パターン層および可視光透過性反射層を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偽造や改ざん等を容易に判定することができ、しかも偽造困難な真偽判定用媒体および前記真偽判定用媒体を有する物品に関する。更に、本発明は、前記真偽判定用媒体を含む真偽判定用媒体ラベル、真偽判定用媒体転写シート、および真偽判定用媒体転写箔に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、クレジットカード、預貯金用カード、各種金券、身分証明書等は、偽造されたり改ざんされて不正に使用されると様々な支障を招く。そのため、偽造や改ざんによる損害を防止するために、そのものの真正性を識別できる機能を有することが望まれる。また、例えば、腕時計、皮革製品、貴金属製品、宝飾品等の高級品、とりわけ、高級ブランド品と言われるもの、オーディオ製品、電化製品、または媒体に記録された音楽ソフト、映像ソフト、ゲームソフト、コンピュータソフト等も、やはり偽造の対象となるので、同様に、真正性を識別できる機能を有することが望まれる。
【0003】
従来、上記の物品を含めた種々の物品の真正性の識別を可能にする目的で、ホログラムが多用されている。また、近年、ホログラムに代わるものとして、コレステリック液晶層を有する真偽判定体(特許文献1参照)が提案された。コレステリック液晶層を形成するための液晶材料は一般に入手困難であり、またコレステリック液晶層の色彩可変効果を正確に再現するためにはきわめて高度な技術を要する。そのため、コレステリック液晶層を有する真偽判定体の偽造防止効果は高い。
【0004】
しかし、近年、偽造技術はますます高度化している。そこで、よりセキュリティ性を高めるために、コレステリック液晶層とホログラムを積層した真偽判定体が提案されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2000−25373号公報
【特許文献2】特開2006−276090号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ホログラムおよびコレステリック液晶層を有する真偽判定体では、ホログラムの反射層が可視光を透過しない、いわゆる不透明反射層であると、コレステリック液晶層の色彩可変効果を目視で確認することが難しい場合がある。それに対し、特許文献2に記載の真偽判定体では、ホログラムを形成する金属反射層をパターン状にすることにより、下層に反射性金属層がある部分ではホログラムの見えやすさを確保でき、下層に反射性金属層がない部分では、コレステリック液晶層の色彩可変効果を活かすことができる。しかし、下層に反射性金属層がない部分では、ホログラム絵柄が見えにくい。そのため、ホログラムとコレステリック液晶層のそれぞれの特徴を活かし、偽造防止効果および真偽判定の容易性を更に向上するために、ホログラム絵柄の視認性を高めることが課題であった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、高い偽造防止効果および真偽判定の容易性を兼ね備えた真偽判定用媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた。その結果、ホログラムを形成する反射層を反射性パターン層と可視光透過性反射層との組み合わせにすることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、入射光のうち左円偏光および右円偏光のいずれか一方を反射する光選択反射性を有する光選択反射層、ホログラム形成層および反射層をこの順に有する真偽判定用媒体であって、反射層は反射性パターン層および可視光透過性反射層を含む真偽判定用媒体を提供する。
【0009】
更に、本発明の一態様によれば、光選択反射層、ホログラム形成層、反射性パターン層および可視光透過性反射層をこの順に有する前記真偽判定用媒体;光選択反射層はコレステリック液晶層である前記真偽判定用媒体;ホログラム形成層によって現される絵柄と反射層によって現される絵柄とにより連続絵柄が形成される前記真偽判定用媒体;光選択反射層は、少なくとも一部がパターン状である前記真偽判定用媒体、が提供される。
【0010】
更に、本発明は、前記真偽判定用媒体と、真偽判定用媒体の反射層側の最表面上に粘着層を有する真偽判定用媒体ラベル;剥離性面を有する基材と前記真偽判定用媒体ラベルを有する真偽判定用媒体転写シートであって、真偽判定用媒体ラベルの粘着層を有する面とは反対の面と、前記基材の剥離性面とが対向する、前記真偽判定用媒体転写シート;感熱性接着剤層、前記真偽判定用媒体、および基材フィルムをこの順に有する真偽判定用媒体転写箔;前記真偽判定用媒体を視認可能に有する物品、を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の真偽判定用媒体は、ホログラムの反射層を反射性パターン層と可視光透過性反射層との組み合わせとすることにより、全面でホログラムを可視化することができる。更に、反射性パターン層がいわゆる不透明反射層である場合も反射性パターン層が積層されていない部分において光選択反射層の色彩可変効果の確認が可能である。これにより、ホログラムおよび光選択反射層のそれぞれの特徴を活かし、偽造防止効果および真偽判定の容易性を両立することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明について更に詳細に説明する。
【0013】
[真偽判定用媒体]
本発明の真偽判定用媒体は、入射光のうち左円偏光および右円偏光のいずれか一方を反射する光選択反射性を有する光選択反射層、ホログラム形成層および反射層をこの順に有する真偽判定用媒体である。前記反射層は反射性パターン層および可視光透過性反射層を含む。
本発明において、「真偽判定用媒体」とは、真正品と偽造品や改ざん品を判別するために使用され得る媒体をいう。また、本発明において、「可視光透過性」とは、可視光(波長380nm〜780nm)の透過率が、例えば50%以上であることをいう。
【0014】
本発明の真偽判定用媒体は、光選択反射層を有する。光選択反射層は左円偏光板を重ねた場合と右円偏光板を重ねた場合で異なる反射性を示すため、円偏光板を使用して反射性を観察することにより、真偽判定を行うことができる。
前述のように、ホログラムおよびコレステリック液晶層を有する真偽判定用媒体では、ホログラムの反射層が可視光を透過しない、いわゆる不透明反射層であると、コレステリック液晶層の色調や色彩変化(見る角度により色彩が変化する効果)を目視で確認することが難しい場合がある。それに対し、本発明の真偽判定用媒体では、ホログラム形成層の下層に位置する反射層は、反射性パターン層と可視光透過性反射層との組み合わせである。反射性パターン層が、いわゆる不透明反射層であっても、反射性パターン層が積層されていない部分において光選択反射層の色彩変化を確認することができる。また、ホログラムの下層全面に反射層を配置することができるため、ホログラム絵柄を全面で可視化することができる。こうして、光選択反射層の色彩可変効果による真偽判定およびホログラム絵柄による真偽判定を全面で容易に行うことができる。更に、前述のように複雑な層構成を有することは偽造防止に効果的である。特に、光選択反射層は材料の入手が一般に困難である上に、組成や製造方法により色彩可変効果は変化するため色彩可変効果を正確に再現することは難しい。また、反射層をパターン化し、更にはホログラムの反射層のパターンとホログラム絵柄を同調させるためにはきわめて高度な技術が要求されるため、反射性パターン層を有することは偽造防止にきわめて有効である。
こうして、本発明によれば、真偽判定が容易であり、しかも優れた偽造防止効果を有する真偽判定用媒体を提供することができる。
次に、本発明の真偽判定用媒体に含まれる各層の詳細を説明する。
【0015】
基材
光選択反射層は、基材上に形成することができる。但し、ホログラム形成層上に光選択反射層を形成する場合や配向膜を設ける場合等は基材を設けることは必須ではない。
基材としては、可視光透過性を有するプラスチック基材および位相差性が少ない基材が望ましい。具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアリレート、トリアセチルセルロール(TAC)、ジアセチルセルロール、ポリエチレン−エチルビニルアルコールなどを例示できる。
【0016】
配向膜
光選択反射層とホログラム形成層との間、基材と光選択反射層との間等に配向膜を形成することもできる。この場合、配向膜は、光選択反射層中の液晶分子を配向させ所望の光反射性を付与する役割を果たす。
【0017】
配向膜は、一般に配向膜として使用し得るものであればいずれでもよいが、光選択反射層やホログラムの視認性に影響を与えないためには可視光透過性を有するものであることが好ましい。配向膜としては、例えば、ポリビニルアルコール樹脂(PVA)、ポリイミド樹脂等を用いることができる。配向膜は、これらの樹脂の溶剤溶液を、適宜な塗布法により塗布し、乾燥させた後に、布、ブラシ等を用いて摩擦するラビングを行って形成することができる。配向膜として、基材フィルムや光選択反射層と接着性のよいものを選ぶと該配向膜は接着層として機能し、他方、接着性に乏しいものを選ぶと該配向膜は剥離層として機能する。配向膜が剥離層として機能すれば、転写箔として使用できる。また、例えば基材/配向膜(剥離層)/光選択反射層/ホログラム形成層/反射層/粘着層の構成でラベルとして使用した場合、対象物に貼り付けた後に剥がそうとすると、剥離層より上が剥がれてしまうため、真偽判定用媒体全体として剥がすことが難しく、基材が剥がれてしまうので、ラベルが貼り替えられない。そのため、配向膜が剥離層として機能することは、改竄防止に有効である。
【0018】
但し、液晶層は、下層の物性によっては配向膜なしでも層内の液晶分子を配向させることができるので、上記配向膜は必須ではない。例えば、延伸フィルム(例えばPETフィルム)からなる基材を用いる場合には、配向層なしでも液晶層中の分子を配向させることができる。この場合、基材の少なくとも一方の面に剥離層を設けることにより、前記と同様の効果を得ることができる。剥離層としては、例えばアクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、シリコーン樹脂、塩化ゴム、カゼイン、各種界面活性剤、金属酸化物等から、1種または2種以上を混合したもの等を用いることができる。上記の中でも、分子量20000〜100000程度のアクリル系樹脂単独、またはアクリル系樹脂と分子量8000〜20000の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂とからなり、さらに添加剤として分子量1000〜5000のポリエステル樹脂が1〜5重量%含有する組成物からなることが特に好ましい。剥離層を介して積層された両層の間の剥離力が1〜5g/インチ(90°剥離)となるようなものであることが好ましい。また、その厚みは剥離力、箔切れ等の面から、0.1μm〜2μmの範囲内であることが好ましい。
【0019】
更に、基材の光選択反射層と対向する表面を易剥離化することによっても、前述と同様の効果を得ることができる。一般に基材として使用され得る透明フィルムは、他層と積層可能な程度の接着力を示すものもあるが、通常は接着力を向上させるための処理が行われる。そこで、この接着力向上処理を行わないか、またはその程度を調整することにより表面の接着力を意図的に低くした(易剥離化した)透明フィルムを使用することにより、透明フィルムと他層との接着力を低下させることができる。このような透明フィルムを基材として使用すれば、易剥離化された表面において剥離するため、前記と同様の効果を得ることができる。
【0020】
前記接着力向上処理としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、フレーム処理、プライマー塗布処理またはケン化処理を挙げることができる。いずれの処理も、公知の装置、方法を用いて行うことができる。処理条件は、基材フィルム表面に対し、他層と接着可能ではあるが剥離しようとしたときにその表面において剥離する程度の接着力を付与し得るように適宜設定することができる。また、ポリエチレンテレフタレートフィルムのように、未処理でも他層と接着可能な程度の接着力を有するフィルムを基材として使用する場合は、接着力向上処理を行わないことにより、基材表面で剥離することができる。
また、基材フィルムの膜厚を過度に薄くしたり成分を調整し、基材自体の強度を意図的に低下させれば、本発明の真偽判定用媒体を適用した物品に外力を加えて媒体を剥ぎ取ろうとすると基材が破壊されるため、前述と同様の効果を得ることができる。
【0021】
光選択反射層
光選択反射層は、入射光のうち左円偏光および右円偏光のいずれか一方を反射する光選択反射性を有するものであればよく、コレステリック液晶層であることが好ましい。また、可視光透過性を有するものであれば、下層のホログラムの絵柄を容易に視認することができる。ここで、コレステリック液晶層とは、コレステリック型液晶分子を含む層である。液晶材料は一般に入手困難であり、しかも高度な配向技術が要求されるので、前記光選択反射層がコレステリック液晶層であれば、高い偽造防止効果を得ることができる。
【0022】
光選択反射層がコレステリック液晶層である場合、使用する液晶材料は特に限定されず、公知のものを用いることができる。コレステリック液晶層は、コレステリック液晶材料を適当な溶媒に溶解し、各種の印刷方法によって適用し、乾燥させることによって形成することができる。このとき、重合性のコレステリック液晶を用いて紫外線重合性組成物を調製し、得られた紫外線重合性組成物を各種の印刷法によって適用し、乾燥後に紫外線を照射して重合させて形成することもできる。
【0023】
具体的には、コレステリック液晶層を形成するための材料としては、三次元架橋可能な液晶性の重合性モノマー分子または重合性オリゴマー分子を用いることができる。所定の重合性モノマー分子または重合性オリゴマー分子に任意のカイラル剤を添加することにより、コレステリック型液晶分子を含む層を得ることができる。
【0024】
三次元架橋可能なモノマー分子としては、例えば特開平7−258638号公報や特表平10−508882号公報で開示されているような、液晶性モノマーおよびキラル化合物の混合物がある。より具体的な例を示すと、例えば下記一般化学式(1)〜(11)に示されるような液晶性モノマーを用いることができる。尚、一般化学式(11)で示される液晶性モノマーの場合、Xは2〜5の範囲の整数であることが望ましい。
【0025】
【化1】

【0026】
【化2】

【0027】
【化3】

【0028】
【化4】

【0029】
【化5】

【0030】
【化6】

【0031】
【化7】

【0032】
【化8】

【0033】
【化9】

【0034】
【化10】

【0035】
【化11】

【0036】
また、カイラル剤としては、例えば下記一般化学式(12)〜(14)に示されるようなカイラル剤を用いることができる。尚、一般化学式(12)、(13)で示されるカイラル剤の場合、Xは2〜12の範囲の整数であることが望ましく、また、一般化学式(14)で示されるカイラル剤の場合、Xが2〜5の範囲の整数であることが望ましい。
【0037】
【化12】

【0038】
【化13】

【0039】
【化14】

【0040】
また、オリゴマー分子を用いる場合は、例えば特開昭57−165480号公報で開示されているようなコレステリック相を有する環式オルガノポリシロキサン化合物を用いることができる。例えば、重合性モノマー分子または重合性オリゴマー分子に、カイラル剤を数%〜10%程度添加することによりコレステリック液晶層を得ることができる。コレステリック液晶層は、ほぼ均一な厚みを有する層として形成することができるが、層の有無や厚みの違いによりパターンが形成されたパターン層とすることもできる。パターン層は、各種印刷方法を用いて形成することができる。
【0041】
光選択反射層は、異なる光反射性を有する2層以上の層から形成することもできる。例えば、複数のコレステリック液晶層の厚みを変えるか、または各層を螺旋ピッチが異なる液晶材料を用いて形成することにより、光反射性を変えることができる。上記のように重合性のコレステリック液晶を用いて紫外線重合性組成物からコレステリック液晶層を形成する場合には、重合性のネマチック液晶とカイラル剤を組み合わせて用い、このとき重合性のネマチック液晶とカイラル剤との配合比を異ならせた紫外線重合性組成物を調製して用いることにより、互いに螺旋ピッチの異なるコレステリック液晶層を形成することができる。このように2種以上のコレステリック液晶層を設ける場合にも、各コレステリック液晶層は、ほぼ均一な厚みを有する層として形成することができるが、層の有無や厚みの違いによりパターンが形成されたパターン層とすることもできる。
【0042】
また、二層の光選択反射層を設ける場合、両層の間に位相差層を設けることもできる。位相差層とは、入射した光を複屈折して、偏光方向によって異なる位相を生じさせ、位相差を付与する層である。複屈折は、媒質の屈折率が、偏光方向によって均質でないため生じる現象であり、このような媒質を透過した光の位相差σは、σ=2π(ne−no)d/λで、与えられることが知られている。ここで、neは異常光線屈折率、noは常光線屈折率、dは媒質の厚さ、λは光の波長である。すなわち、ある一定の厚さdの媒質に対して、位相差σは、光の波長λに依存する。位相差層に、波長λ=2(ne−no)dなる右円偏光を入射すると、その右円偏光を透過しながら、位相差σ=π(すなわち、1/2波長)を与える。そのため、入射した右円偏光は、左円偏光に変換されて出射し、また、入射した左円偏光は右円偏光に変換されて出射する。
【0043】
二層の光選択反射層が位相差層を介して積層されている場合、二層の光選択反射層は、一方の側から見て同じ方向の円偏光を反射する光反射性を有することが好ましい。以下に、この点について、図1に基づき、入射光のうち右円偏光を反射する光反射性を有する二層の光選択反射層が位相差層を介して積層されている場合を例にとり説明する。なお、図1では簡略化のため光選択反射層および位相差層以外の層は省略している。
【0044】
図1に示すように、光選択反射層A側から自然光を入射すると、自然光は、右円偏光および左円偏光を含んでいるので、光選択反射層Aの作用により、右円偏光のみが選択的に反射される。よって、光選択反射層Aの上に右円偏光板を重ねれば、右円偏光板を介して、この反射光(右円偏光)を観察することができる。
また、光選択反射層A側から入射した自然光のうち左円偏光は、光選択反射層Aにおいて反射されずに光選択反射層Aを透過する。透過した左円偏光は、位相差層を経て右円偏光に変換される(図中の「左→右」は、左円偏光から右円偏光への変換を示す。)。変換された右円偏光は光選択反射層Bで反射される。この反射光(右円偏光)は、再び位相差層2を透過して左円偏光に変換される(図中の「右→左」は、右円偏光から左円偏光への変換を示す。)。変換された左円偏光は、光選択反射層Aを経て出射する。よって、光選択反射層Aの上に左円偏光板を重ねれば、左円偏光板を介して、この出射光(左円偏光)を観察することができる。
このように、図1に示す態様では、右円偏光板または左円偏光板をそれぞれ単独で用いることにより、上記のような異なる経過を経た光を観測することができる。この性質は目視では視認できないため、このような偽造防止手段が施されていることは円偏光板を用いない限り確認できない。この点は偽造・改ざん防止に有効である。更に、前記2層の光選択反射層は、各々の反射光の中心波長が異なることが好ましい。反射光の中心波長が異なれば、右円偏光板を重ねた場合に観察される反射光の色と、左円偏光板を重ねた場合に観察される反射光の色が異なるため、右円偏光板使用時と左円偏光板使用時に観察される光の色の違いが出るため、偽造・改ざん防止効果を更に高めることができる。
【0045】
また、2つの光選択反射層が異なる方向の円偏光に対する反射性を有する場合には、右円偏光板または左円偏光板をそれぞれ単独で用いた場合、いずれか一方の円偏光板を重ねた場合に反射光が観察されず、黒色となる。よって、一方の円偏光板を重ねた場合には反射光が観察されるが、他方の円偏光板を重ねた場合には反射光が観察されない。この性質を偽造・改ざん防止に利用することも可能である。
【0046】
位相差層
位相差層は、入射した光を複屈折して、偏光方向によって異なる位相を生じさせ、位相差を付与することができれば特に限定されず、例えば、透明フィルム、ネマチック液晶層、またはネマチック液晶層と透明フィルムとの積層体で構成することができる。
【0047】
位相差層は、例えば、ネマチック液晶を用いて構成することができ、ネマチック液晶を含むインキ組成物、好ましくはネマチック液晶の溶剤溶液からなるインキ組成物を用いた各種印刷法により形成することができる。また、位相差層は、ネマチック液晶層のみから構成することもでき、または、それ自体で配向性を有する透明フィルムの表面にネマチック液晶層を積層形成した積層体を位相差層として用いることもできる。または、ネマチック液晶層を、配向膜を介して透明フィルム上に積層形成した積層体を位相差層として用いることもできる。
【0048】
透明フィルムとしては、高い機械的強度を有するものや真偽判定用媒体を製造する際の加工に耐え得る耐溶剤性および耐熱性を有するものが好ましい。使用目的にもよるので限定されるものではないが、フィルム状またはシート状のプラスチックが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアリレート、トリアセチルセルロース(TAC)、ジアセチルセルロース、ポリエチレン/ビニルアルコール等の各種のプラスチックフィルムを例示することができる。中でも、ポリエチレンテレフタレートフィルムは単独で位相差層として用いることができるため好ましい。
【0049】
光選択反射層がコレステリック液晶層である場合、位相差層の片面または両面には、必要に応じて配向膜を積層することができる。配向膜の詳細は前述の通りである。但し、位相差層の物性によっては配向膜なしでもコレステリック液晶層中の液晶分子を配向させることができるので、配向層は必須ではない。例えば、位相差層として延伸フィルム(例えばPETフィルム)を用いる場合には、配向層なしでもコレステリック液晶層中の液晶分子を配向させることができる。
【0050】
(中間層)
また、光選択反射層を二層以上積層する場合、光選択反射層同士の相互作用による、発色トラブル等の悪影響を防止することを目的として、光選択反射層間に前記位相差層以外の中間層を設けることもできる。中間層を構成する樹脂としては、デンプン類、セルロース類、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール類、無水マレイン酸共重合体、アクリル類、スチレン−ブタジエン共重合体エマルジョン、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。上記のような樹脂と、必要に応じて各種補助剤を添加して、インキを調製し、オフセット印刷、活版印刷や、グラビアコーティング等の既知の塗布方法で形成できる。中間層は、観察者から見て、その中間層よりも下に位置する光選択反射層やホログラムを判別しやすくするために、可視光透過性を有する層とすることが好ましい。中間層としての機能維持、光選択反射層との密着性およびコスト面から、中間層の厚さは、例えば0.1μm以上、好ましくは1〜10μmであり、乾燥時の塗工量で約0.1〜10g/m2程度である。
【0051】
また、光選択反射層は、コレステリック液晶層だけでなく、種々の素材を用いて構成することができ、例えば、見る角度によって色が変化する顔料を用いる、蒸着薄膜を用いる、または二色性色素を用いることにより構成することができる。見る角度によって色が変化する顔料としては、高屈折率の酸化ケイ素、酸化チタン、酸化鉄などの層と、低屈折率のマイカ等の層を積層したパール顔料を例示することができ、具体的には、(株)資生堂製の商品名;インフィニットカラーや、メルク社(独国)製の商品名;イリオジン等が入手可能である。蒸着薄膜はアルミニウム等の金属やそのほかの素材を気相法により薄膜として形成したもので、水面に浮かんだ油の薄膜のようないわゆる干渉色を示すものである。二色性色素は、分子軸の方向によって光の吸収性を相違する長鎖色素分子からなり、例えば、色素分子の分子軸の方向に対して法線方向の光成分は吸収性がほぼなく光を透過するのに対して、分子軸の方向に対して平行方向の光成分は吸収性を有し、光を透過しない性質を有するもので、アントラキノン系、アゾ系、もしくはビスアゾ系の色素を例示することができる。上記のうち、見る角度によって色が変化する顔料または二色性色素は、適宜なバインダ樹脂中に分散し、溶剤で希釈して塗布用組成物としたものをシルクスクリーン印刷、グラビア印刷、または公知のコーティング法によって対象表面に適用すればよい。
【0052】
ホログラム形成層
ホログラム形成層としては、公知のホログラム形成層を用いることができるが、前述のように光選択反射層の色調変化を活かすためには、可視光透過性を有するものが好ましい。例えば、ホログラム形成層は、透明な樹脂素材からなる層の片面にレリーフホログラムの微細凹凸を形成することにより作製することができる。ホログラム形成層を構成するための透明な樹脂材料としては、各種の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、電離放射線硬化樹脂等の各種樹脂材料が選択可能である。例えば、熱硬化性樹脂として、不飽和ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂としてはアクリル酸エステル樹脂、アクリルアミド樹脂、ニトロセルロース樹脂、ポリスチレン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は単独、または2種類以上の共重合体として使用することができる。また、これらの樹脂は単独、または2種類以上を各種イソシアネート樹脂や、ネフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛等の金属石鹸ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフトキノン、アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルスルフィド等の熱または紫外線硬化剤を配合してもよい。また、電離放射線硬化型樹脂としては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、アクリル変性ポリエステル等が挙げられる。このような電離放射線硬化型樹脂に架橋構造、粘度調整等を目的として、他の単官能または多官能モノマー、オリゴマー等を抱合させることができる。
【0053】
ホログラム形成層は、感光性樹脂材料にホログラムの干渉露光を行って現像することによって直接的に形成することもできるが、予め作製したレリーフホログラムもしくはその複製物、またはそれらのメッキ型等を複製用型として用い、その型面を上記の樹脂材料に押し付けることにより、賦型を行うこともできる。熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂を用いる場合には、型面に未硬化の樹脂を密着させたまま、加熱または電離放射線照射により硬化を行い、硬化後に剥離することによって、硬化した透明な樹脂材料からなる層の片面にレリーフホログラムの微細凹凸を形成することができる。なお、本発明では、同様な方法によりパターン状に形成して模様状とした回折格子を有する回折格子形成層もホログラム形成層に含めるものとする。また、ホログラム形成層および回折格子形成層を合わせたものを光回折構造層と呼ぶこととする。
【0054】
反射性パターン層
本発明の真偽判定用媒体において、ホログラムを形成する反射層は反射性パターン層を含む。反射層を反射性パターン層と可視光透過性反射層との組み合わせとすることによる効果は先に説明した通りである。また、反射層をパターン化する技術はきわめて高度であり、更に反射性パターン層上に反射層を積層するためにはより高度な技術を要するため、上記反射層を有する真偽判定用媒体は偽造・改ざんすることは困難である。更に、ホログラム形成層が形成する絵柄と反射性パターン層を含む反射層が形成する絵柄が組み合わされ複雑な外観を有し、意匠性に優れる。
【0055】
反射性パターン層を、光を反射する金属等の材料から形成すると不透明タイプのホログラムを得ることができ、可視光透過性を有する材料から形成すると透明タイプのホログラムを得ることができる。本発明の真偽判定用媒体では、可視光透過性の反射性パターン層と可視光透過性反射層を組み合わせることも可能である。この場合は反射性パターン層と可視光透過性反射層との屈折率を変えることにより、反射性パターン層のパターンを目視で視認することが可能となる。
【0056】
反射性パターン層のパターンの一例を図2に示す。図2(a)に示すように、パターンは、左右方向の幅が狭く上下方向に長い四角形が等間隔で配列した反射層が等間隔に、例えば、四角形の左右方向の長さ(即ち幅)と等しい間隔を有して配列したことによる縞状のパターンであってもよいし、または、図2(b)に示すように、反射層5が幾何学形状(図では長方形と星形)であってもよい。また、パターンは、以上のような具体的なパターンをポジパターンとするとき、それらのネガパターンであってもよい。なお、これらのパターンは例示であって、パターンは、主に意匠的な観点から自由に決めることができ、幾何学形状以外の文字や記号であってもよく、任意の形状であってよい。また、パターンをホログラム形成層のホログラムに同調させたものとしてもよい。ここで、同調とは、例えば図3(a)に示すように、ホログラム形成層によって現される絵柄と反射性パターン層のパターンにより現される絵柄とにより連続絵柄が形成されること、好ましくは両絵柄が一体となって1つの連続絵柄を形成していることをいう。反射性パターン層のパターンをホログラム形成層の絵柄と同調させるには高度な技術を要するため、この技術を用いて形成された真偽判定用媒体の偽造防止効果はきわめて高い。一方、非同調とは、ホログラム形成層によって現される絵柄と反射性パターン層のパターンにより現される絵柄が一致していないことをいう。非同調の態様としては、例えば図3(b)に示すように、反射性パターン層のパターン絵柄が連続絵柄となっているものや、例えば図3(c)に示すように、ホログラム形成層が形成する絵柄が連続絵柄になっているものがある。
【0057】
パターンの大きさは、肉眼で解像し得るものであればよい。例えば形状が四角形であれば、縦横が1mm×1mm以上とすることができ、好ましくは3mm×3mm以上であり、より好ましくは5mm×5mm以上である。幾何学形状の場合には、円形であれば、直径を1mm以上とすることができ、好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上とすることができ、そのほかの形状の場合には、内接円の直径を、例えば1mm以上とすることができ、好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上とすることができる。
【0058】
反射性パターン層は、図2(c)および(d)に示すように、微細パターン状に積層されていてもよい。この場合のパターン(微細パターン)は、図2(c)に示すように、下方の向かって左側から上方の向かって右側を向いた有限幅の線条からなる反射層を、幅方向に幅の2倍程度のピッチで配列した万線パターン状の微細パターンを構成したものであってもよく、または、図2(d)に示すように、円形状もしくは四角形状の微細な形状の反射層を等ピッチで配列したものであってもよい。
これらの微細パターンは例示であって、微細パターンを構成するパターン自体は、自由に決めることができるので、万線パターン状や網点状以外の幾何学形状、文字または記号等の形状のものであってもよい。微細パターンを構成するパターンの大きさは、通常の観察では観察しにくいか、または観察不可能な微細なものであることが好ましく、万線パターン状の場合、線の幅を、例えば0.3mm以下、好ましくは0.1mm以下とすることができる。前記パターンは、形成可能である範囲で小さくすることもできるが、実際上0.01mm程度以上であることが好ましい。網点が円形状の場合には、直径を、例えば0.3mm以下、好ましくは0.1mm以下とすることができ、0.01mm程度以上であることが好ましい。また、網点が四角形状の場合には、縦横を、例えば0.3mm×0.3mm以下、好ましくは0.1mm×0.1mm以下とすることができ、0.01mm×0.01mm程度以上であることが好ましい。そのほかの形状の場合には、内接円の直径を、例えば0.3mm以下、好ましくは0.1mm以下とすることができ、0.01mm程度以上とすることが好ましい。
【0059】
パターンが微細パターンであるときは、微細パターンを形成する区域の形状である外形パターン(図2(c)または(d)であれば、外形の四角形)も任意に設定することができ、この外形パターンをホログラム形成層のホログラムの絵柄に同調させたものとしてもよい。
【0060】
反射性パターン層が微細パターンを構成する場合、反射性パターン層の面積率は、例えば20%〜80%であり、好ましくは30%〜60%である。
【0061】
反射性パターン層を形成するための金属材料としては、Al、Cr、Ti、Fe、Co、Ni、Cu、Ag、Au、Ge、Mg、Sb、Pb、Cd、Bi、Sn、Se、In、Ga、もしくはRb等の金属、またはそれら金属の酸化物もしくは窒化物等を用いることができ、これらのうちから1種もしくは2種以上を組み合わせ用いることができる。これらの中でも、Al、Cr、Ni、Ag、またはAu等が特に好ましく、その膜厚としては1nm〜10,000nmが好ましく、より好ましくは2nm〜200nmである。
【0062】
可視光透過性を有する反射性パターン層を形成するための材料としては、ホログラム形成層を構成する素材と光の屈折率の異なる透明材料を用いることができる。この透明材料の光の屈折率はホログラム層を形成する素材の光の屈折率より大きくてもよいし、小さくてもよいが、ホログラム形成層との光の屈折率の差が0.1以上であることが好ましく、より好ましくは0.5以上であり、特に好ましくは1.0以上である。好適に使用される素材の具体例としては、酸化チタン(TiO2)、硫化亜鉛(ZnS)、Cu・Al複合金属酸化物等を挙げることができる。なお、厚みが20nm以下の金属薄膜も透明性を有するので、ホログラム層とは光の屈折率の異なる透明層を構成する素材として使用できる。
【0063】
反射性パターン層を形成する方法としては、種々の方法が挙げられる。例えば、パターンマスクを介して、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などにより薄膜形成を行う方法、印刷法等を用いることができる。また、反射性層を全面に形成した後、不要部分を除去する方法を用いることもできる。
【0064】
以下に、図4および5に基づき、反射性層を全面に形成した後、不要部分を除去することより反射性パターン層を形成する方法の一例を説明する。
図4は、反射性層のパターン化を水溶性樹脂パターンを利用して行う方法の説明図である。なお、図4および以降に説明する際に引用する図5においては、ホログラム形成層以外の層、例えば、光選択反射層等は省略する。
【0065】
図4(a)に示すように、まず、下面にホログラムの微細凹凸を有するホログラム形成層を作製する。
次に、図4(b)に示すように、ホログラム形成層の微細凹凸が形成された面の反射性金属層が不要な部分に水溶性樹脂パターンを形成する。水溶性樹脂パターンの形成は、水溶性樹脂もしくは水膨潤性樹脂を溶解または分散した水溶性樹脂組成物、いわゆる水溶性インキを用いて印刷する等により行うことができる。
その後、図4(c)に示すように、水溶性樹脂パターンが形成された面の一面に反射性層を形成する。その後、反射性層が形成された面に、水または酸性もしくはアルカリ性の水溶液等を接触させて、水溶性樹脂パターンを除去すると共に、水溶性樹脂パターンが積層されていた部分の反射性層を除去することにより、図4(d)に示すように、水溶性樹脂パターンが積層されていなかった部分の反射性層が残り、反射性層がパターン状に形成される。
【0066】
図5は、反射性層のパターン化をレジストパターンを利用して行う方法の説明図である。
まず、図5(a)に示すように、下面にホログラムの微細凹凸を有するホログラム形成層を形成する。
次に、図5(b)に示すように、ホログラム形成層の微細凹凸が形成された面の一面に反射性層を形成する。
その後、図5(c)に示すように、反射性層の下面の、反射性層が必要な部分にレジストパターンを形成する。その後、レジストパターンが形成された面にエッチング液を作用させ、レジストパターンで被覆された部分以外の部分の反射性層をエッチングして除去する。これにより、図5(d)に示すように、レジストパターンで被覆された部分の反射性層が残り、反射性層がパターン状に形成される。なお、パターン状に形成された反射性層上に残ったレジストパターンは、残したままでもよいが、除去したい場合には、残ったレジストパターンを溶解等すればよい。
【0067】
上記の水溶性樹脂パターンまたはレジストパターンを用いる方法は、同じパターンを有する真偽判定用媒体を量産する際に好適である。反射性層のパターン化は、上記の種々の方法以外にも、反射性層を部分的に加熱し、加熱された部分の反射性層を、サーマルヘッドによる加熱またはレーザー光の照射等により、溶融または蒸発させて除去する方法がある。この方法は、各層を積層した後にも行うことができ、また、どちらかと言うと、個別の情報に基づいたパターン化を行う際に好適である。
以上説明した反射性層をパターン化するための種々の方法は、任意に組み合わせて用いることができる。
【0068】
可視光透過性反射層
本発明の真偽判定用媒体は、ホログラムを形成する反射層に、反射性パターン層と可視光透過性反射層とを含む。反射層積層のバリエーションを図6に示す。本発明の真偽判定用媒体では、図6(a)に示すように反射性パターン層が積層されていない部分に可視光透過性反射層をパターン状に設けてもよい。但し、製造の容易性の点では図6(b)および(c)に示すように全面に設けることが好ましい。反射性パターン層と可視光透過性反射層の積層順序は、図6(b)に示すように、ホログラム形成層/反射性パターン層/可視光透過性反射層の順でもよく、図6(c)に示すように、ホログラム形成層/可視光透過性反射層/反射性パターン層の順でもよい。但し、層形成の容易性の点では図6(b)に示すように反射性パターン層を積層した上に可視光透過性反射層を形成することが好ましい。
【0069】
可視光透過性反射層は、透明タイプのホログラムを形成するための反射層材料として先に説明した各種材料を用いて、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、印刷法等により、例えば反射性パターン層を形成した積層体表面に成膜処理を施すことによって作製することができる。可視光透過性反射層の膜厚は、特に限定されないが、例えば1〜10000nmとすることができる。
【0070】
下地層
反射層のホログラム形成層を有する面とは反対の面上に下地層を設けることもできる。ホログラム形成層が可視光透過性を有する場合、ホログラムによって遮断されることなく下地層の色を視認できるため、下地層に所望の色を付すことにより、光選択反射層の色彩との組み合わせによって多様な色調の真偽判定用媒体を得ることができる。また、下地層として着色層を設けることにより、光選択反射層やホログラムの視認性を高めることもできる。なお、下地層に文字や図形等のデザインを付すことも可能である。前記下地層は、後述する粘着層を構成する材料から形成することができる。いずれの場合も、顔料、染料等を適量添加することにより、所望の色調を有する下地層とすることができる。添加する顔料としては、グンジョウ、カドミウムエロー、ベンガラ、クロムエロー、鉛白、チタン白、カーボンブラックなどの無機顔料やアゾ系、トリフェニルメタン系、キノリン系、アントラキノン系、フタロシアニン系、その他の有機顔料を挙げることができ、染料としては、アゾ染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、硫化染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、キサンテン染料、アリザリン染料、アクリジン染料、キノンイミン染料(アジン染料、オキサジン染料、チアジン染料)、チアゾール染料、メチン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料などを挙げることができる。添加する染料、顔料の濃度は所望の色調に応じて調整することができる。
【0071】
本発明の真偽判定用媒体は、必要に応じて、前述の層以外の層を任意の位置に有してもよい。例えば、公知の保護層や各種機能層を有することもできる。
【0072】
本発明の真偽判定用媒体において、各層の厚さは適宜設定されるものであり特に限定されるものではないが、例えば、光選択反射層の厚さは、0.1〜30μm、ホログラム形成層の厚さは、0.1〜20μmである。反射層の厚さについては前述の通りである。また、基材、配向膜、下地層を設ける場合、基材の厚さは、例えば3〜250μm、配向膜の厚さは、例えば0.05〜20μm、下地層の厚さは、例えば0.1〜50μmとすることができる。
【0073】
[真偽判定用媒体ラベル、真偽判定用媒体転写シート]
更に、本発明は、本発明の真偽判定用媒体と、真偽判定用媒体の反射層側の最表面上、例えば可視光透過性反射層上に粘着層を有する真偽判定用媒体ラベルに関する。前記真偽判定用媒体ラベルは、本発明の真偽判定用媒体に粘着層を積層することによって作製することができる。前記粘着層は特に限定されず、アクリル系接着剤、天然ゴム系接着剤、合成ゴム系接着剤、シリコーンゴム系接着剤等の公知の接着剤を用いて形成することができる。前記粘着層は、好ましくは感熱接着剤層または粘着剤層である。粘着層の厚さは、例えば0.1〜40μm程度とすることができる。前記粘着層は、前述の下地層の機能を兼ねることができるが、前述の下地層と別に粘着層を設けることもできる。
【0074】
更に、前記真偽判定用媒体ラベルには、使用時まで粘着層を保護するため粘着層上に剥離紙を設けることもできる。剥離紙としては、例えば、シリコン系樹脂、ワックス、パラフィン類等を紙またはフィルム等の基材塗工したものを用いることができる。真偽判定用媒体ラベルは、型抜き等で適当な大きさに切断して使用することができる。
【0075】
更に、本発明は、剥離性面を有する基材と本発明の真偽判定用媒体ラベルを有する真偽判定用媒体転写シートに関する。前記真偽判定用媒体転写シートにおいては、前記真偽判定用媒体ラベルの粘着層を有する面とは反対の面と、前記基材の剥離性面とが対向している。剥離性面を有する基材としては、公知のものを用いることができる。
【0076】
本発明の真偽判定用媒体ラベルおよび真偽判定用媒体転写シートは、種々の物品に適用することができる。前記ラベルは、粘着層を被着体となる物品側に向けて貼り付けることにより適用し、また、前記転写シートは、粘着層を被着体となる物品側に向けて接着させた後、基材を剥離することにより適用することができる。
【0077】
[真偽判定用媒体転写箔]
更に、本発明は、感熱性接着剤層、本発明の真偽判定用媒体および基材フィルムをこの順に有する真偽判定用媒体転写箔に関する。前記転写箔は、本発明の真偽判定用媒体の一方の面上に感熱性接着剤層を設け、他方に基材フィルムを設けることにより作製することができる。前記転写箔においては、前記感熱性接着剤層を反射層側の最表面上(例えば可視光透過性反射層上)に設け、前記基材フィルムを光選択反射層側の最表面上(例えば光選択反射層上)に設けることが好ましい。前記転写箔は、前記感熱性接着剤層と被着体とを接触させて、基材フィルム側から熱をかけることにより、本発明の真偽判定用媒体と被着体とを接着することができる。
【0078】
前記基材フィルムとしては、熱転写の際に加わる熱や圧力に対して耐性を有するものであれば、特に限定されるものではない。例えばポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリフッ化エチレン系フィルム、ポリフッ化ビニリデンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリアミドフィルム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム等の透明樹脂フィルムを用いることができる。
【0079】
前記感熱性接着剤層は、公知の熱圧着性接着剤を用いて形成することができる。そのような接着剤としては、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−イソブチルアクリレート共重合樹脂、ブチラール樹脂、ポリ酢酸ビニルおよびその共重合体樹脂、セルロース系樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体(SBS)、スチレンイソプレンスチレンブロック共重合体(SIS)、スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEPS)等の熱可塑性樹脂を用いることができる。上記の中でも、180℃以下の温度でヒートシール可能な層であることが好ましく、さらにエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)の酢酸含量25%以上のものを用いることが好ましい。
【0080】
前記転写箔は、基材フィルムと本発明の真偽判定用媒体との間に剥離層を有することもできる。これにより、熱圧着後に基材フィルムを除去することが可能となる。剥離層としては、例えばアクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、シリコーン樹脂、塩化ゴム、カゼイン、各種界面活性剤、金属酸化物等から、1種または2種以上を混合したもの等を用いることができる。上記の中でも、分子量20000〜100000程度のアクリル系樹脂単独、またはアクリル系樹脂と分子量8000〜20000の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂とからなり、さらに添加剤として分子量1000〜5000のポリエステル樹脂を1〜5重量%含有する組成物からなることが特に好ましい。また、前記剥離層は、上記基材フィルムと反射層との間の剥離力が1〜5g/インチ(90°剥離)となるようなものであることが好ましい。また、その厚みは剥離力、箔切れ等の面から、0.1μm〜2μmの範囲内であることが好ましい。
【0081】
本発明の真偽判定用媒体は、前述のようなラベル、シート、転写箔等の形態で種々の物品に適用することができる。本発明の真偽判定用媒体を適用する物品は、偽造、改ざん防止が求められる各種物品であることができる。具体的には、商品券、証券、株券、チケットなどの金券類、クレジットカード、プリペイドカード、IDカードなどの各種カード、切符、紙幣、パスポート、身分証明書、公共競技投票券、ビデオソフト、パソコン用ソフトなどに使用されている真偽判定シール、スレッド用紙などの漉き込み用紙であることができる。
【0082】
本発明の真偽判定用媒体は、真偽判定対象となる物品に視認可能に適用することができる。ここで、「視認可能」とは、真偽判定用媒体の存在を外部から認識できることをいう。図7に、本発明の真偽判定用媒体を視認可能に有する物品の具体例を示す。
【0083】
図7(a)は、表面の一部に本発明の真偽判定用媒体を有する、真偽判定可能な情報記録体である。情報記録体は、紙やプラスチックシート等を基材とするシート状物で、例えば図7(a)に示すように金券として利用するための金額、発行会社名、注意書等の文字、または彩紋等の情報が、印刷等の手段により形成され記録されたものである。
【0084】
図7(b)に示すものは、本発明の真偽判定用媒体をシート状物に予め内蔵させ、視認可能に構成したもので、紙やプラスチックシート等に貫通孔とはならない凹部状の開口部を形成し、開口部から真偽判定用媒体が見えるよう構成したものである。真偽判定用媒体は適用を容易にするため、例えば0.5mm〜5mm程度のごく狭い幅(図7(b)中縦長のスレッド状)に裁断されており、紙の場合であれば、紙を構成する数層を積層する際に、表層を構成する層に開口部を設けておき、シート状物の層間にスレッド状の真偽判定用媒体をはさむ等して適用することができる。スレッド状の真偽判定用媒体には、必要に応じて、円偏光照射時の視認性を高める目的で基材の片面等に暗色系等の着色を行い、また、シート状物に内蔵させた状態における、スレッド状の真偽判定用媒体とシート状物との接着性を確保するために、片面または両面に接着剤層、好ましくは感熱接着剤層を積層しておくとよい。このようなシート状物に真偽判定用媒体を適用したものは、情報記録体、特に金券やその他の経済的価値を有する印刷物に利用するのに適している。
【実施例】
【0085】
以下、本発明を実施例により説明する。但し、本発明は実施例に示す態様に限定されるものではない。
【0086】
[実施例1]
(1)光選択反射層(コレステリック液晶層)の形成
PETフィルムを準備し、その表面にコレステリック液晶インキを塗布し、乾燥させてコレステリック液晶相を発現させた後、紫外線照射して、右円偏光のみを反射する厚みが2μmのコレステリック液晶層を形成した。
【0087】
(2)ホログラム形成層の形成
PET基材のコレステリック液晶層を設けた面とは反対の面上に、透明紫外線硬化性樹脂組成物を塗布し、レリーフホログラムの複製用型の型面を接触させたまま紫外線を照射して、透明紫外線硬化性樹脂組成物を硬化させることにより、レリーフホログラムの形成を行った。これにより厚さ2μmのホログラム形成層が形成された。
【0088】
(3)反射層の形成
前記のレリーフホログラムの賦型された面に、水溶性グラビアインキを用いてグラビア印刷機により反射性パターン層を形成したい部分以外の部分に印刷を行った。その後、印刷面全面にAl蒸着を行った後に水洗いすると、水溶性インキ層上のAl蒸着層は水溶性インキ層とともに除去された。これにより、厚みが400Åの反射性パターン層が形成された。次いで、反射性パターン層表面を含む積層体表面全面に、TiO2蒸着を行い、厚さ500Åの可視光透過性反射層を形成した。
【0089】
[実施例2]
実施例1と同様の方法でコレステリック液晶層およびホログラム形成層を形成した。
レリーフホログラムの賦型された面に、シルク印刷用水溶性インキを用いて多色シルク印刷機によりホログラム形成層の絵柄と同調するように反射性パターン層を形成したい部分以外の全面に印刷を行った。その後、印刷面を含むホログラム形成層全面にAl蒸着を行った後に水洗いすると、水溶性インキ層上のAl蒸着層は水溶性インキ層とともに除去された。これによりホログラム形成層の絵柄と同調するようにパターン化された厚さ400Åの反射性パターン層が得られた。
次いで、反射性パターン層表面を含む積層体表面全面に、TiO2蒸着を行い厚さ500Åの可視光透過性反射層を形成した。
【0090】
[実施例3]
実施例1と同様の方法でコレステリック液晶層およびホログラム形成層を形成した。
レリーフホログラムの賦型された面に、Al蒸着を行った。Al蒸着面にエッチング用レジストインキを用いてホログラム形成層の絵柄と同調するように反射性パターン層を形成したい部分に印刷を行った。その後、印刷されたシートを1質量%水酸化ナトリウム液でアルカリエッチングすると、レジストインキ層が存在する部分にAl蒸着が残り、その他の部分のAl蒸着は除去された。これにより、ホログラム形成層の絵柄と同調するようにパターン化された厚さ500Åの反射性パターン層が得られた。
次いで、反射性パターン層表面を含む積層体表面全面に、TiO2蒸着を行い厚さ700Åの可視光透過性反射層を形成した。
【0091】
[実施例4]
PETフィルム上に形成したコレステリック液晶層上にパターン印刷用コレステリック液晶をグラビア印刷し、絵柄や文字などの情報を付加した以外は実施例2と同様の方法で真偽判定用媒体を製造した。
【0092】
[実施例5]
PETフィルムとホログラム形成層との間にコレステリック液晶インキを塗布し、乾燥させてコレステリック液晶相を発現させた後、紫外線照射して、右円偏光のみを反射する厚みが2μmのコレステリック液晶層を形成した以外は実施例2と同様の方法で真偽判定用媒体を製造した。
【0093】
図8に、本発明の真偽判定用媒体の層構成のバリエーションを示す。実施例1〜3において得られた真偽判定用媒体は、図8(a)に示す層構成を有する。実施例4において得られた真偽判定用媒体は、図8(b)に示す層構成を有する。実施例5において得られた真偽判定用媒体は、図8(c)に示す層構成を有する。本発明の真偽判定用媒体は、図8(d)に示すように基材の一方の面に光選択反射層、ホログラム形成層および反射層を有することももちろん可能である。
【0094】
実施例1〜5において得られた真偽判定用媒体を、コレステリック液晶層側から観察すると、反射性パターン層が積層されていない部分でコレステリック液晶層の色彩変化を鮮明に確認することができた。また反射性パターン層が積層されていない部分には可視光透過性反射層があるため、ホログラムの絵柄を全面で確認することができた。また、実施例4において得られた真偽判定用媒体では、パターン状のコレステリック液晶層による文字や絵柄も確認できた。
更に、実施例2〜5において得られた真偽判定用媒体では、ホログラム形成層の絵柄と反射層のパターンが同調した連続絵柄が観察された。
また、実施例1〜4において得られた真偽判定用媒体に右円偏光板を重ねたところ、コレステリック液晶層のらせんピッチに基づいて着色した明るい状態になった。一方、左円偏光板を重ねたところ反射が生じないため全面が暗く見えた。
実施例5において得られた真偽判定用媒体に右円偏光板を重ねたところ、PETフィルムが位相差板の役割を果たすことにより、主にPETフィルムの上層に位置するコレステリック液晶層のらせんピッチに基づいて着色した明るい状態となった。一方、左円偏光板を重ねたところ、PETフィルムの下層に位置するコレステリック液晶層のらせんピッチに基づいて着色した明るい状態となった。
【0095】
[実施例6]
実施例1〜5において得られた真偽判定用媒体の可視光透過性反射層上にヒートシールを塗工し、紙やプラスチックカードに転写を行った。
【0096】
[実施例7]
実施例1〜5において得られた真偽判定用媒体の両面にヒートシールを塗工し、コレステリック液晶層が表面側に位置するように紙に漉き込んでスレッド用紙を得た。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】位相差層を介して二層の光選択反射層を有する態様の説明図である。
【図2】反射性パターン層のパターンの一例を示す。
【図3】ホログラム絵柄と反射層パターンの組み合わせの一例を示す。
【図4】反射性層のパターン化の説明図である。
【図5】反射性層のパターン化の説明図である。
【図6】反射層積層のバリエーションを示す。
【図7】本発明の真偽判定用媒体を視認可能に有する物品の具体例を示す。
【図8】本発明の真偽判定用媒体の層構成のバリエーションを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射光のうち左円偏光および右円偏光のいずれか一方を反射する光選択反射性を有する光選択反射層、ホログラム形成層および反射層をこの順に有する真偽判定用媒体であって、
反射層は反射性パターン層および可視光透過性反射層を含む真偽判定用媒体。
【請求項2】
光選択反射層、ホログラム形成層、反射性パターン層および可視光透過性反射層をこの順に有する請求項1に記載の真偽判定用媒体。
【請求項3】
光選択反射層はコレステリック液晶層である請求項1または2に記載の真偽判定用媒体。
【請求項4】
ホログラム形成層によって現される絵柄と反射層によって現される絵柄とにより連続絵柄が形成される請求項1〜3のいずれか1項に記載の真偽判定用媒体。
【請求項5】
光選択反射層は、少なくとも一部がパターン状である請求項1〜4のいずれか1項に記載の真偽判定用媒体。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の真偽判定用媒体と、真偽判定用媒体の反射層側の最表面上に粘着層を有する真偽判定用媒体ラベル。
【請求項7】
剥離性面を有する基材と請求項6に記載の真偽判定用媒体ラベルを有する真偽判定用媒体転写シートであって、真偽判定用媒体ラベルの粘着層を有する面とは反対の面と、前記基材の剥離性面とが対向する、前記真偽判定用媒体転写シート。
【請求項8】
感熱性接着剤層、請求項1〜5のいずれか1項に記載の真偽判定用媒体、および基材フィルムをこの順に有する真偽判定用媒体転写箔。
【請求項9】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の真偽判定用媒体を視認可能に有する物品。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−203738(P2008−203738A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−42266(P2007−42266)
【出願日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】