説明

真空加熱炉の絶縁抵抗改善方法

【課題】バーンアウト工程に要する時間を短くし、真空浸炭処理の処理効率の向上を可能にする、真空加熱炉の絶縁抵抗改善方法を提供する。
【解決手段】加熱室3内にグラファイト製ヒーター5を有する真空加熱炉1の加熱室3内を予め設定した真空度に減圧するとともに、グラファイト製ヒーター5によって加熱室3内を予め設定した温度に加熱する減圧加熱工程と、減圧加熱工程後、加熱室3内に乾燥空気を導入するバーンアウト工程と、を備える真空加熱炉の絶縁抵抗改善方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空加熱炉の絶縁抵抗改善方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、真空加熱炉にて炭化水素系ガスを減圧高温化で分解し、得られた炭素を鉄やクロム等の金属表面で反応させる、真空浸炭法が知られている。このような真空浸炭法においては、鉄等の金属と反応しなかった炭素、すなわち断熱材(炉材)や使用ガス、処理材などから発生する炭素が煤化し、加熱室内に付着する。
すると、例えばヒーターと断熱材との間の絶縁材に煤(炭素)が付着することにより、ヒーターと断熱材との間の絶縁性が低下し、絶縁抵抗が小さくなることによって断熱材に接する加熱炉の外装体(炉体)に僅かながら電気が漏れ、ヒーターの加熱効率が低下してしまう。
【0003】
そこで、従来では、特にグラファイトを使用しない真空加熱炉の場合、加熱室内に空気を導入し、前記絶縁材等に付着した煤を燃焼させる方法、いわゆるバーンアウトを行っている(例えば、特許文献1参照)。
一方、加熱室内にグラファイト製の構造物を有する真空加熱炉では、このグラファイト製の構造物が酸化によって消耗するため、酸素を含有する空気を導入し燃焼させることができない。したがって、このような真空加熱炉では、COを導入し、「C+CO→2CO」の反応によって真空加熱炉のバーンアウトを行っている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−131936号公報
【特許文献2】特開昭56−98468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、COを導入して行う真空加熱炉のバーンアウトでは、煤となって付着した炭素を反応させて一酸化炭素にするのに多くの時間を要してしまい、バーンアウト工程に長時間が必要になることから、真空浸炭処理の処理効率を低下させる一因となっている。
【0006】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、バーンアウト工程に要する時間を短くし、真空浸炭処理の処理効率の向上を可能にする、真空加熱炉の絶縁抵抗改善方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の真空加熱炉の絶縁抵抗改善方法は、加熱室内にグラファイト製ヒーターを有する真空加熱炉の前記加熱室内を予め設定した真空度に減圧するとともに、前記グラファイト製ヒーターによって該加熱室内を予め設定した温度に加熱する減圧加熱工程と、
前記減圧加熱工程後、前記加熱室内に乾燥空気を導入するバーンアウト工程と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
この絶縁抵抗改善方法によれば、加熱室内を予め設定した真空度に減圧するとともに、グラファイト製ヒーターによって該加熱室内を予め設定した温度に加熱した後、加熱室内に乾燥空気を導入するバーンアウトを行うので、酸化によってグラファイト製ヒーターが消耗するのを抑えつつ、該ヒーターと断熱材との間の絶縁材に付着した煤(炭素)を迅速に酸化してガス化し、前記絶縁材から除去することができる。これにより、グラファイト製ヒーターと断熱材との間の絶縁性が改善し、グラファイト製ヒーターの加熱効率が向上する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の絶縁抵抗改善方法にあっては、バーンアウト工程に要する時間を短くし、真空浸炭処理の処理効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】真空加熱炉の概略構成図である。
【図2】絶縁抵抗を改善する方法の処理パターンの説明図である。
【図3】絶縁抵抗を改善する方法の処理パターンの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の絶縁抵抗改善方法に係る実施形態を詳しく説明する。
図1は、本実施形態の絶縁抵抗改善方法を説明するための図であり、図1中符号1は真空加熱炉である。この真空加熱炉1は、外装体となる炉体2内に加熱室3を有して構成されている。加熱室3は、炉体2に保持部材(図示せず)を介して保持されたもので、グラファイト(黒鉛や石墨)等の断熱材4によって形成されたものであり、内部にグラファイト製ヒーター5を有している。
【0012】
グラファイト製ヒーター5は、加熱室3の断熱材4に形成された貫通孔4a、4aから端部が引き出され、図示しない制御部を介して電源に接続されている。制御部は、グラファイト製ヒーター5への通電のオンオフ、及び印加する電圧を制御することにより、グラファイト製ヒーター5による加熱を制御する。
【0013】
貫通孔4aには、グラファイト製ヒーター5と断熱材4との間を絶縁するための絶縁材6が設けられている。
また、炉体2には配管を介して真空ポンプ7が接続されており、これによって炉体2内、すなわち加熱室3内を予め設定した所望の真空度に減圧できるようになっている。本実施形態の真空ポンプ7は、加熱室3内を160Pa以下に減圧できるようになっている。
【0014】
さらに、炉体2内の加熱室3には、配管を介して浸炭ガス源8と空気源9と不活性ガス源10とがそれぞれ接続されている。浸炭ガス源8は、アセチレン等の炭化水素ガスからなる浸炭ガスの供給源であり、加熱室3内に浸炭ガスを供給することにより、鉄やクロム等の金属からなる被処理体の表面を浸炭処理するためのものである。なお、浸炭ガス源8に接続された配管には減圧弁および開閉弁が設けられ、さらに流量計が設けられている。これにより、浸炭ガス源8から加熱室3内に供給される浸炭ガスの流量が調整可能になっている。
【0015】
空気源9は、例えば乾燥空気を充填した空気ボンベからなるもので、加熱室3内に空気を供給することにより、加熱室3内をバーンアウト処理するためのものである。なお、空気源9に接続された配管にも減圧弁および開閉弁が設けられ、さらに流量計が設けられている。これにより、空気源9から加熱室3内に供給される空気の流量も調整可能になっている。また、空気源9としては空気ボンベに限定されることなく、水蒸気を含まない乾燥空気を供給できるものであれば、種々のものが使用可能である。
【0016】
不活性ガス源10は、例えば窒素ガスを加熱室3内に供給するもので、主に加熱室3内を冷却するためのものである。なお、不活性ガス源10に接続された配管にも減圧弁および開閉弁が設けられ、さらに流量計が設けられている。これにより、不活性ガス源10から加熱室3内に供給され窒素(不活性ガス)の流量も調整可能になっている。
また、これら浸炭ガス源8、空気源9、不活性ガス源10と加熱室3とを接続する配管については、加熱室3から炉体2の外部まで一本で形成し、その後分岐して浸炭ガス源8、空気源9、不活性ガス源10にそれぞれ接続するように構成してもよい。
【0017】
真空加熱炉1には、加熱室3内の温度を検出する温度計11と、加熱室3内の圧力を検出する圧力計12とが設けられている。温度計11は、加熱室3内に温度センサ(図示せず)を有したものであり、圧力計12は、加熱室3内に圧力センサ(図示せず)を有したものである。
また、炉体2、加熱室3には、被処理体を搬入・搬出するための扉(図示せず)が設けられている。
【0018】
このような構成の真空加熱炉1によって浸炭処理を行うには、まず、炉体2、加熱室3の扉を開いて被処理体(図示せず)を加熱室3内に搬入し、続いて各扉を閉める。次に、真空ポンプ7によって炉体2内を減圧(真空引き)し、加熱室3内を所望の真空度にするとともに、グラファイト製ヒーター5に通電することで加熱室3内を加熱し、被処理体を所望温度に加熱する。そして、真空ポンプ7の作動を停止し、浸炭ガス源8から浸炭ガスを予め設定した流量で所定時間供給する。これにより、被処理体に対して浸炭処理を行う。その後、グラファイト製ヒーター5への通電をオフにし、加熱室3内を所定温度に降温したら、加熱室3内、炉体2内を大気圧に戻す。そして、炉体2、加熱室3の扉を開き、浸炭処理を行った被処理体を炉外に搬出する。
【0019】
このような浸炭処理を繰り返し行うと、被処理体と反応しなかった炭素、すなわち浸炭ガスから発生した炭素等が煤化し、加熱室3内に付着する。
すると、発生した煤はグラファイト製ヒーター5と断熱材4との間の絶縁材6にも付着し、これによってグラファイト製ヒーター5と断熱材4との間の絶縁性が低下し、絶縁抵抗が小さくなる。
【0020】
そこで、本発明では、このような浸炭処理によって小さくなったグラファイト製ヒーター5と断熱材4との間の絶縁抵抗を改善し、元の大きな抵抗に回復すべく、以下の工程からなる処理を図2に示すパターンで行う。
まず、本実施形態の減圧加熱工程として、真空ポンプ7を作動させて炉体2内および加熱室3内を予め設定した真空度、本実施形態では160Paに減圧する。そして、この真空度に減圧した後、グラファイト製ヒーター5に通電し、該加熱室3内を予め設定した温度、本実施形態では800℃に加熱する。ここで、グラファイト製ヒーター5による加熱室3内の加熱は、昇温速度を8℃/分程度で行い、56分かけて800℃に加熱する。
【0021】
本実施形態の減圧加熱工程では、このようにして加熱室3内を減圧・加熱した後、安定化工程として、前記グラファイト製ヒーター5への通電をオフにし、加熱室3内の温度を安定化させ、均熱化する。具体的には、グラファイト製ヒーター5への通電をオフにした後、その状態、すなわち160Pa、800℃の状態で10分間保持する。このような安定化工程を行うと、グラファイト製ヒーター5自体の温度も加熱室3内の温度にほぼ等しい温度にまで降温し、これらの間で温度差がほとんどなくなり、グラファイト製ヒーター5や断熱材4、絶縁材6を含めた加熱室3全体がほぼ均一な温度(800℃)となる。
【0022】
次いで、バーンアウト工程として、真空ポンプ7の作動を停止し、さらにほぼ均一な温度になった加熱室3内に空気源9から乾燥空気を導入し、加熱室3内を60分間バーンアウト処理する。乾燥空気の導入量としては、減圧弁によって空気源9からの二次圧を0.2〜0.25MPa程度に調整することで、予め設定した適宜量とする。このようなバーアウト処理を行うことにより、浸炭処理の際に発生して絶縁材6等に付着した煤が酸化され、「C+O→CO」の反応によって迅速にガス化される。これにより、絶縁材6等に付着した煤は除去される。また、予め加熱室3内を高真空度(160Pa)に保持しているので、導入された乾燥空気によってグラファイト製ヒーター5が酸化され、消耗するのが抑えられる。
なお、このようなバーンアウト工程の間、グラファイト製ヒーター5への通電をオフにしているので、加熱室3の温度は徐々に低下する。
【0023】
その後、冷却工程として、不活性ガス源10から加熱室3内に窒素を導入する。導入する窒素の圧力を87kPaとし、1分間窒素の導入を行う。これにより、加熱室3内を冷却し、例えば60℃に降温する。
【0024】
また、本実施形態では、前記の絶縁抵抗改善のための処理の前後で、グラファイト製ヒーター5と炉体2との間の抵抗(絶縁抵抗)を、テスターで測定した。なお、グラファイト製ヒーター5の測定点については、ヒーター回路の前と後ろの2点で行った。測定結果を以下に示す。
・「ヒーター回路の前」絶縁抵抗改善処理前:6.9Ω→絶縁抵抗改善処理後:7.1Ω
・「ヒーター回路の後」絶縁抵抗改善処理前:6.8Ω→絶縁抵抗改善処理後:7.1Ω
したがって、グラファイト製ヒーター5と断熱材4との間の絶縁材6に付着した煤(炭素)がバーンアウト処理によって除去され、該絶縁材6の絶縁性が改善されたことが確認された。
【0025】
また、グラファイト製ヒーター5についても、絶縁抵抗改善のための処理の前後で表面抵抗を測定したところ、以下に示すように前記ヒーター5と炉体2との間の抵抗と同様の傾向を示すことが分かった。なお、該ヒーター5の測定は、「ヒーター受け」、「ハンガ」、「パワーリード」の3点で行った。
・「ヒーター受け」 絶縁抵抗改善処理前:93Ω → 絶縁抵抗改善処理後:92Ω
・「ハンガ」 絶縁抵抗改善処理前:77Ω → 絶縁抵抗改善処理後:94Ω
・「パワーリード」 絶縁抵抗改善処理前:66Ω → 絶縁抵抗改善処理後:76Ω
【0026】
グラファイト製ヒーター5はその表面がポーラスになっており、微小な孔が多く形成されているため、浸炭処理によって発生した炭素(煤)は前記の孔内に多く付着する。しかし、前記結果からも分かるように、バーンアウト処理によってこのように付着した炭素(煤)がグラファイト製ヒーター5より先に酸化され、除去される。したがって、バーンアウト処理によるグラファイト製ヒーター5の消耗が抑制される。
【0027】
なお、前記実施形態とは別に、前記方法の減圧加熱工程において加熱温度を700℃とし、それ以外は前記方法と同様にして各工程を行った。その結果、絶縁抵抗の改善は見られたものの、加熱温度を800℃とした前記実施形態に比べると効果が小さかった。
【0028】
以上説明したように、本実施形態の真空加熱炉の絶縁抵抗改善方法にあっては、加熱室3内を予め設定した真空度に減圧するとともに、グラファイト製ヒーター5によって該加熱室3内を予め設定した温度に加熱した後、加熱室3内に乾燥空気を導入するバーンアウトを行うので、酸化によってグラファイト製ヒーター5が消耗するのを抑えつつ、該ヒーター5と断熱材4との間の絶縁材6に付着した煤(炭素)を迅速に酸化してガス化し、絶縁材6から除去することができる。これにより、グラファイト製ヒーター5と断熱材4との間の絶縁性を改善し、グラファイト製ヒーター5の加熱効率を向上することができる。
また、空気を導入して酸素で煤(炭素)を直接酸化するので、二酸化炭素を用いて酸化を行う従来法に比べてより迅速に煤(炭素)の酸化を行うことができ、したがってバーンアウト工程に要する時間を短くし、真空浸炭処理の処理効率を向上することができる。
【0029】
また、加熱室3内を減圧・加熱した後、グラファイト製ヒーター5への通電をオフにして加熱室3内の温度を安定化させる、安定化工程を行っているので、グラファイト製ヒーター5自体の温度を加熱室3内の温度とほぼ等しい温度にまで降温させることにより、これらの間の温度差をほとんどなくすことができる。したがって、この後のバーンアウトの際、グラファイト製ヒーター5の温度が他より高いことで反応し易くなり、消耗し易くなるのを防止することができる。
【0030】
次に、本発明の絶縁抵抗改善方法に係る他の実施形態を説明する。
本実施形態が先に示した実施形態と異なるところは、本実施形態では、先の実施形態におけるバーンアウト工程を複数回繰り返す点である。
すなわち、本実施形態では、浸炭処理によって小さくなったグラファイト製ヒーター5と断熱材4との間の絶縁抵抗を、図3に示すパターンにしたがって各処理を行う。
【0031】
図3に示すように、本実施形態ではまず、先の実施形態と同様にして減圧加熱工程を行う。具体的には、所定の真空度(160Pa)に減圧し、800℃に加熱した後、グラファイト製ヒーター5への通電をオフにして、加熱室3内の温度を安定化させる。
次いで、先の実施形態と同様にしてバーンアウト工程を行う。ただし、本実施形態では、前記したようにバーンアウト工程を複数回繰り返すため、この工程1回当たりの処理時間を短くする。本実施形態では、図3に示すようにバーンアウト工程を3回繰り返すようにし、したがって工程1回当たりの処理時間を20分間とする。なお、バーンアウト工程については、複数回行う場合、2回または4回以上としてもよい。
【0032】
このようにして1回目のバーンアウト工程を行ったら、真空ポンプ7を作動させて一旦加熱室3内を所定の真空度(160Pa)に減圧し、さらにグラファイト製ヒーター5に通電して加熱室3内を800℃に加熱する。そして、800℃に加熱し、真空ポンプ7を停止した後、グラファイト製ヒーター5への通電をオフにし、加熱室3内の温度を安定化させる。
次いで、1回目のバーンアウト工程と同様にして2回目のバーンアウト工程を行い、さらに同様の処理を繰り返して3回目のバーンアウト工程を行う。
その後、先の実施形態と同様にして冷却工程を行う。
【0033】
このような真空加熱炉の絶縁抵抗改善方法にあっても、減圧加熱工程の後、加熱室3内に乾燥空気を導入するバーンアウトを行うので、酸化によってグラファイト製ヒーター5が消耗するのを抑えつつ、絶縁材6に付着した煤(炭素)を迅速に酸化してガス化し、除去することができる。これにより、グラファイト製ヒーター5と断熱材4との間の絶縁性を改善し、グラファイト製ヒーター5の加熱効率を向上することができる。
また、空気を導入して酸素で煤(炭素)を直接酸化するので、従来法に比べてより迅速に煤(炭素)の酸化を行うことができ、したがってバーンアウト工程に要する時間を短くし、真空浸炭処理の処理効率を向上することができる。
また、バーアウト工程を複数回繰り返し行い、1回当たりの処理時間を短くしているので、グラファイト製ヒーター5の酸化による消耗をより確実に抑えることができる。
【0034】
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、前記実施形態では減圧加熱工程での加熱室3の加熱温度を800℃としたが、この加熱温度については800℃に限定されることなく、任意の温度にすることができる。図2に示した実施形態において、その減圧加熱工程における加熱温度を850℃とし、それ以外は前記方法と同様にして各工程を行った結果、加熱温度を800℃とした前記実施形態と同等の効果が得られた。したがって、減圧加熱工程での加熱室3の加熱温度としては、800℃〜850℃の範囲とするのが好ましいことが分かった。
また、減圧加熱工程での加熱室3の圧力(真空度)を160Paとしたが、この圧力についても、充分な真空度となる範囲で任意に設定することができる。
【符号の説明】
【0035】
1…真空加熱炉、2…炉体、3…加熱室、4…断熱材、4a…貫通孔、5…グラファイト製ヒーター、6…絶縁材、7…真空ポンプ、8…浸炭ガス源、9…空気源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱室内にグラファイト製ヒーターを有する真空加熱炉の前記加熱室内を予め設定した真空度に減圧するとともに、前記グラファイト製ヒーターによって該加熱室内を予め設定した温度に加熱する減圧加熱工程と、
前記減圧加熱工程後、前記加熱室内に乾燥空気を導入するバーンアウト工程と、
を備えることを特徴とする真空加熱炉の絶縁抵抗改善方法。
【請求項2】
前記減圧加熱工程は、前記グラファイト製ヒーターによって加熱室内を予め設定した温度に加熱した後、該グラファイト製ヒーターへの通電をオフにし、加熱室内の温度を安定化させる安定化工程を有することを特徴とする請求項1記載の真空加熱炉の絶縁抵抗改善方法。
【請求項3】
前記減圧加熱工程では、前記加熱室内を160Pa以下に減圧するとともに、該加熱室内を800℃〜850℃に加熱することを特徴とする請求項1又は2に記載の真空加熱炉の絶縁抵抗改善方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−49898(P2013−49898A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−188630(P2011−188630)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【出願人】(000198329)株式会社IHI機械システム (27)
【Fターム(参考)】