真空容器
【課題】大型化しても、耐力が低下せず、溶接作業のコストが従来より低い真空容器を提供する。
【解決手段】
中空の箱形容器11と、箱形容器11の第一の壁面121より大きく、第一の壁面121に密着して固定された第一のフランジ板13aと、第一のフランジ板13aと第一の壁面121とを貫通して設けられ、箱形容器11の中空の部分14と外部空間とを連通させる第一の貫通孔15aと、箱形容器11の第一の壁面121に接続された第二の壁面122に設けられた第一の開口16aと、第一の開口16aより大きく、第一の開口16aを覆う位置に取り外し可能に配置された第一の扉板17aとを有する真空容器10であって、第一のフランジ板13aと第一の壁面121とは一体成形されている。そのため、繰り返し使用しても、第一のフランジ板13aと第一の壁面121との間に割れが起こらず、気密不良が生じない。
【解決手段】
中空の箱形容器11と、箱形容器11の第一の壁面121より大きく、第一の壁面121に密着して固定された第一のフランジ板13aと、第一のフランジ板13aと第一の壁面121とを貫通して設けられ、箱形容器11の中空の部分14と外部空間とを連通させる第一の貫通孔15aと、箱形容器11の第一の壁面121に接続された第二の壁面122に設けられた第一の開口16aと、第一の開口16aより大きく、第一の開口16aを覆う位置に取り外し可能に配置された第一の扉板17aとを有する真空容器10であって、第一のフランジ板13aと第一の壁面121とは一体成形されている。そのため、繰り返し使用しても、第一のフランジ板13aと第一の壁面121との間に割れが起こらず、気密不良が生じない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空容器に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、基板の成膜、熱処理等には真空容器を有する真空処理装置が用いられている。特許文献1には真空容器を有するスパッタ成膜装置が開示されている。近年では、基板の大型化に伴って、大型の真空容器が求められている。
【0003】
図9は従来の真空容器100の分解斜視図である。
従来の真空容器100は、第一、第二のフランジ板113a、113bと、天板123aと、底板123bと、背面板124と、扉受け板125とを有しており、図10に示すように、各板113a、113b、123a、123b、124、125は箱形状の6つの壁面を成すように組み立てられ、接合部分がそれぞれ溶接されて製缶されている。
【0004】
図11は真空容器100の天板123aと平行な平面による切断断面図である。符号1051〜1054は溶接部位を示している。
扉受け板125に設けられた開口116を覆う位置には、メンテナンス用の扉板117が配置されている。扉板117はヒンジ119を介して第一のフランジ板113aに折り曲げ可能に取り付けられ、扉板117がヒンジ119のヒンジ軸の中心軸線を中心に回動すると、開口116は開閉されるようになっている。符号118はシール部材を示している。
【0005】
従来の真空容器100では、各板113a、113b、123a、123b、124、125の溶接構造にて製缶されることにより、溶接作業による熱量が母材に多く入って、残留応力が多く残り、真空容器100のひずみが大きくなったり、耐力が低下するという問題があった。また、真空容器100の大型化に比例して、溶接作業に多くのコストがかかっていた。
【0006】
また、真空容器100の内部を真空排気すると、背面板124と扉板117とには大気圧との差圧が加わるのだが、真空容器100が大型化し、背面板124と扉板117とが大型化すると、大気圧による力も大きくなり、溶接部位1051〜1054にかかる負荷が大きくなる。真空容器100の内部を大気状態と真空状態にすることを繰り返すと、溶接部位1051〜1054が割れを起こし、気密不良が発生するという問題があった。
【0007】
また、扉板117が大型化して重量が増すと、扉板117を閉めたときに、扉受け板125のうち第二のフランジ板113bに近い部分には大きなモーメントがかかり、扉板117の開閉を繰り返すと、符号1054の溶接部位が割れを起こし、気密不良が発生するという問題あった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−228105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたものであり、その目的は、大型化しても、耐力が低下せず、溶接作業のコストが従来より低い真空容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明は、中空の箱形容器と、前記箱形容器の第一の壁面より大きく、前記第一の壁面に密着して固定された第一のフランジ板と、前記第一のフランジ板と前記第一の壁面とを貫通して設けられ、前記箱形容器の前記中空の部分と外部空間とを連通させる第一の貫通孔と、前記箱形容器の前記第一の壁面に接続された第二の壁面に設けられた第一の開口と、前記第一の開口より大きく、前記第一の開口を覆う位置に取り外し可能に配置された第一の扉板と、を有する真空容器であって、前記第一のフランジ板と前記第一の壁面とは一体成形された真空容器である。
本発明は真空容器であって、前記第一のフランジ板と前記第一の壁面とは一体に鋳造された真空容器である。
本発明は真空容器であって、前記第一の扉板は、前記第一のフランジ板に折り曲げ可能に取り付けられ、前記第一の開口を開閉できる真空容器である。
本発明は真空容器であって、前記箱形容器の前記第一の壁面とは逆側の第三の壁面より大きく、前記第三の壁面に密着して固定された第二のフランジ板と、前記第二のフランジ板と前記第三の壁面とを貫通して設けられ、前記箱形容器の前記中空の部分とを連通させる第二の貫通孔と、を有し、前記第二のフランジ板と前記第三の壁面とは一体成型された真空容器である。
本発明は真空容器であって、前記第二のフランジ板と前記第三の壁面とは一体に鋳造された真空容器である。
本発明は真空容器であって、前記箱形容器の前記第二の壁面とは逆側の第四の壁面に設けられた第二の開口と、前記第二の開口より大きく、前記第二の開口を覆う位置に取り外し可能に配置された第二の扉板と、を有する真空容器である。
本発明は真空容器であって、前記第二の扉板は、前記第一、第二のフランジ板のいずれか一方に折り曲げ可能に取り付けられ、前記第二の開口を開閉できる真空容器である。
【0011】
本発明で「一体成形」とは、「二次接着や機械的接合を用いないで、部材の接合と同時に製品を一体で成形すること」(JIS工業用語大辞典(第4版)第93頁の引用)をいう。
【発明の効果】
【0012】
第一のフランジ板と箱形容器の第一の壁面とは一体成形されているため、繰り返し使用しても第一のフランジ板と第一の壁面との間に割れは起こらず、気密不良は生じない。
溶接部分が従来より少ないので、溶接作業の熱による母材の残留応力を低減でき、真空容器のひずみや耐力の低下が起こらない。また溶接作業のコストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の真空容器の斜視図
【図2】本発明の真空容器の正面図
【図3】本発明の真空容器の右側面図
【図4】本発明の真空容器のA−A線切断断面図
【図5】第一の扉板が第一の開口を覆う位置から取り外された状態を説明するための図
【図6】本発明の真空容器の分解斜視図
【図7】本発明の真空容器の組み立て途中を説明するための図
【図8】本発明の真空容器を有するスパッタ成膜装置の内部平面図
【図9】従来の真空容器の分解斜視図
【図10】従来の真空容器の組み立て途中を説明するための図
【図11】従来の真空容器の天板と平行な平面による切断断面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
<真空容器の構造>
本発明の真空容器の構造を説明する。図1は真空容器10の斜視図、図2は同正面図、図3は同右側面図、図4は同A−A線切断断面図である。
真空容器10は、中空の箱形容器11と、箱形容器11の第一の壁面121より大きく、第一の壁面121に密着して固定された第一のフランジ板13aと、第一のフランジ板13aと第一の壁面121とを貫通して設けられ、箱形容器11の中空の部分14と外部空間とを連通させる第一の貫通孔15aとを有している。
【0015】
第一の貫通孔15aの開口はここでは細長形状であり、開口の長手方向の長さより幅の短い基板は、第一の貫通孔15aの内側を通って、外部空間から箱形容器11の中空の部分14に搬入され、又は中空の部分14から外部空間に搬出できるようになっている。
【0016】
本実施例では、真空容器10は、箱形容器の第一の壁面121とは逆側の第三の壁面123より大きく、第三の壁面123に密着して固定された第二のフランジ板13bと、第二のフランジ板13bと第三の壁面123とを貫通して設けられ、箱形容器11の中空の部分14と外部空間とを連通させる第二の貫通孔15bとを有している。
【0017】
第二の貫通孔15bの開口はここでは細長形状であり、第一の貫通孔15aの内側を通って中空の部分14に搬入された基板は、第二の貫通孔15bの内側を通って、箱形容器11の外部空間に搬出できるようになっている。
真空容器10は、箱形容器11の第一の壁面121に接続された第二の壁面122に設けられた第一の開口16aと、第一の開口16aより大きく、第一の開口16aを覆う位置に取り外し可能に配置された第一の扉板17aとを有している。
【0018】
第一の扉板17aの表面には、内周が第一の開口16aより大きい環状の第一のシール部材18aが設けられている。第一の扉板17aが第一の開口16aを覆う位置に配置されたとき、第一のシール部材18aは第一の開口16aの周囲を取り囲んで配置され、第一の扉板17aが第二の壁面122に向かって押圧されると、第一のシール部材18aは第一の開口16aの周囲を取り囲んで第二の壁面122に密着され、第一の開口16aは第一の扉板17aと第一のシール部材18aとによって密閉されるようになっている。
【0019】
本実施例では、第一の扉板17aは、第一のヒンジ19aを介して、第一のフランジ板13aに折り曲げ可能に取り付けられ、第一の開口16aを開閉できるようになっている。
第一のヒンジ19aは二枚のヒンジ板と、二枚のヒンジ板を連結するヒンジ軸とを有し、一方のヒンジ板は第一の扉板17aの端部に固定され、他方のヒンジ板は第一のフランジ板13aに固定されており、第一の扉板17aはヒンジ軸の中心軸線を中心に第一のフランジ板13aに対して回動できるようになっている。
【0020】
図4を参照し、第一の扉板17aが第一の開口16aを覆う位置に配置された状態で、第二の壁面122から離れる向きに回動すると、図5を参照し、第一の扉板17aは第一の開口16aを覆う位置から取り外され、第一の開口16aは開放されて、箱形容器11の中空の部分14は第一の開口16aから露出される。
【0021】
次いで、第一の扉板17aが第二の壁面122に近づく向きに回動すると、図4を参照し、第一の扉板17aは第一の開口16aを覆う位置に配置され、第一のシール部材18aが第一の開口16aの周囲を取り囲んだ状態で、第一の扉板17aは第一のシール部材18aを介して第二の壁面122に接触され、第一の開口16aは密閉される。
【0022】
第一の扉板17aが第一のフランジ板13aに折り曲げ可能に取り付けられていることにより、第一の扉板17aを第一の開口16aを覆う位置に配置すると、第一のシール部材18aは、位置合わせしなくても、第一の開口16aの周囲を取り囲む位置に配置されるようになっている。
【0023】
真空容器10は、箱形容器11の第二の壁面122とは逆側の第四の壁面124に設けられた第二の開口16bと、第二の開口16bより大きく、第二の開口16bを覆う位置に取り外し可能に配置された第二の扉板17bとを有している。
【0024】
第二の扉板17bの表面には、内周が第二の開口16bより大きい環状の第二のシール部材18bが設けられている。第二の扉板17bが第二の開口16bを覆う位置に配置されたとき、第二のシール部材18bは第二の開口16bの周囲を取り囲んで配置され、第二の扉板17bが第四の壁面124に向かって押圧されると、第二のシール部材18bは第二の開口16bの周囲を取り囲んで第四の壁面124に密着され、第二の開口16bは第二の扉板17bと第二のシール部材18bとによって密閉されるようになっている。
【0025】
本実施例では、第二の扉板17bは、第二のヒンジ19bを介して、第二のフランジ板13bに折り曲げ可能に取り付けられ、第二の開口16bを開閉できるようになっている。
図4を参照し、第二の扉板17bが第二の開口16bを覆う位置に配置された状態で、第四の壁面124から離れる向きに回動すると、図5を参照し、第二の扉板17bは第二の開口16bを覆う位置から取り外され、第二の開口16bは開放される。次いで、第二の扉板17bが第四の壁面124に近づく向きに回動すると、図4を参照し、第二の扉板17bは第二の開口16bを覆う位置に配置され、第二のシール部材18bが第二の開口16bの周囲を取り囲んだ状態で、第二の扉板17bは第二のシール部材18bを介して第四の壁面124に接触され、第二の開口16bは密閉される。
【0026】
本発明の真空容器10では、第一のフランジ板13aと第一の壁面121とは一体成形されており、第一のフランジ板13aと第一の壁面121との間には継ぎ目がない。また、第二のフランジ板13bと第三の壁面123とは一体成形されており、第二のフランジ板13bと第三の壁面123との間には継ぎ目がない。
【0027】
図6は真空容器10の分解斜視図である。
真空容器10は、第一、第二のフランジ部材21a、21bと、第一、第二の補助板23a、23bと、第一、第二の扉板17a、17bとを有している。
第一、第二のフランジ部材21a、21bは、第一、第二のフランジ板13a、13bと、第一、第二のフランジ板13a、13bの表面に設けられた凸状の第一、第二の扉受け部22a、22bとを有している。第一、第二の扉受け部22a、22bの平面形状は長方形状である。
第一、第二のフランジ部材21a、21bはここでは、一つの金型に材料を流し込んで一体に鋳造されており、第一、第二のフランジ板13a、13bと第一、第二の扉受け部22a、22bとの間には継ぎ目がない。
【0028】
なお、第一、第二のフランジ板13a、13bと第一、第二の扉受け部22a、22bとが一体成形されているならば、第一、第二のフランジ部材21a、21bの形成方法は鋳造に限定されず、母材の削り出しでもよい。
第一、第二の補助板23a、23bは細長形状であり、幅方向の長さは第一、第二の扉受け部22a、22bの幅方向の長さと同じである。
【0029】
図7を参照し、第一、第二の補助板23a、23bの幅方向の一方の側面と第一、第二の扉受け部22a、22bの幅方向の一方の側面とは同一の平面内に位置するように揃えられ、第一、第二の補助板23a、23bの幅方向の他方の側面と第一、第二の扉受け部22a、22bの幅方向の他方の側面とは他の同一の平面内に位置するように揃えられた状態で、第一の補助板23aの表面の長手方向の一端と他端はそれぞれ第一、第二の扉受け部22a、22bの長手方向の一方の側面に密着して固定され、第二の補助板23bの表面の長手方向の一端と他端は第一、第二の扉受け部22a、22bの長手方向の他方の側面にそれぞれ密着して固定されている。
【0030】
第一、第二の補助板23a、23bと第一、第二の扉受け部22a、22bとの密着部分は溶接されて固定されている。溶接部位は従来の真空容器100より小さいので、溶接作業で母材に入る熱量は従来より少なく、母材に応力(残留応力)が残って、真空容器10のひずみが大きくなったり、真空容器10の耐力(強度)が低下するという問題は起こらない。
【0031】
なお、第一の補助板23aの長手方向の一端と他端の側面がそれぞれ第一、第二の扉受け部22a、22bの表面の長手方向の一端にそれぞれ密着して固定され、第二の補助板23bの長手方向の一端と他端の側面が第一、第二の扉受け部22a、22bの表面の長手方向の他端にそれぞれ密着して固定されてもよい。
【0032】
ここでは箱形容器11は、第一、第二の扉受け部22a、22bと第一、第二の補助板23a、23bとから構成され、第二の壁面122は第一、第二の補助板23a、23bの幅方向の一方の側面と第一、第二の扉受け部22a、22bの幅方向の一方の側面とから成り、第四の壁面124は第一、第二の補助板23a、23bの幅方向の他方の側面と第一、第二の扉受け部22a、22bの幅方向の他方の側面とから成っている。
なお、ここでは第一の壁面121は第一の扉受け部22aの第一のフランジ板13aに密着する面であり、第三の壁面123は第二の扉受け部22bの第二のフランジ板13bに密着する面である。
【0033】
第一の扉板17aは第二の壁面122に設けられた第一の開口16aを覆う位置に配置されて、第一のヒンジ19aを介して第一のフランジ板13aに取り付けられ、第二の扉板17bは第四の壁面124に設けられた第二の開口16bを覆う位置に配置されて、第二のヒンジ19bを介して第二のフランジ板13bに取り付けられている。
【0034】
中空の部分14を真空雰囲気にすると、大気圧との差圧により第一、第二の扉板17a、17bは第二、第四の壁面122、124に向かってそれぞれ押圧されるが、第一のフランジ板13aと第一の壁面121とは一体成形されており、第一のフランジ板13aと第一の壁面121との間に割れは起こらない。また、第二のフランジ板13bと第三の壁面123とは一体成形されており、第二のフランジ板13bと第三の壁面123との間に割れは起こらない。そのため、真空容器10に気密不良は生じない。
【0035】
第一、第二の扉板17a、17bが第二、第四の壁面122、124を押圧する力は互いに同じ大きさで互いに逆向きであり、互いに打ち消しあう。
第一、第二の扉板17a、17bが第二、第四の壁面122、124を押圧する力は第一、第二の扉受け部22a、22bと第一、第二の補助板23a、23bとに分散される。第一、第二の扉受け部22a、22bには第一、第二の貫通孔15a、15bが開けられているが、第一、第二の補助板23a、23bにかかる力の方向は幅方向に平行な圧縮方向であり、力は第一、第二の補助板23a、23bで支えられるため、第一、第二の扉受け部22a、22bの変形は防止され、真空容器10に破損は生じない。
【0036】
本実施例では、第一の扉板17aが第一のヒンジ19aのヒンジ軸の中心軸線を中心に回動して第二の壁面122に接触するとき、第二の壁面122のうち第一のヒンジ19aから遠い部分、すなわち第三の壁面123に近い部分ほど大きなモーメント(トルク)を受けるが、第二のフランジ板13bと第三の壁面123とは一体に成形されており、第二のフランジ板13bと第三の壁面123との間に割れは起こらず、気密不良が生じない。
【0037】
また、第二の扉板17bが第二のヒンジ19bのヒンジ軸の中心軸線を中心に回動して第四の壁面124に接触するとき、第四の壁面124のうち第二のヒンジ19bから遠い部分、すなわち第一の壁面121に近い部分ほど大きなモーメント(トルク)を受けるが、第一のフランジ板13aと第一の壁面121とは一体に成形されており、第一のフランジ板13aと第一の壁面121との間に割れは起こらず、気密不良が生じない。
【0038】
<スパッタ成膜装置の構造>
本発明の真空容器10を有するスパッタ成膜装置の構造を説明する。図8はスパッタ成膜装置30の内部平面図である。
スパッタ成膜装置30は、上述の真空容器10と、真空容器10の中空の部分14に配置された平板形状のターゲット31と、ターゲット31に電圧を印加する電源装置32と、真空容器10の中空の部分14にスパッタガスを供給するガス供給部33と、スパッタガスをプラズマ化するプラズマ生成部34とを有している。
【0039】
ターゲット31の裏面には導電性のバッキングプレート51が密着して固定されている。
本実施例では、バッキングプレート51は、ターゲット31の表面が中空の部分14に露出する向きに向けられて、絶縁部材52を介して第二の扉板17bに取り付けられ、バッキングプレート51は真空容器10から電気的に絶縁されている。
【0040】
電源装置32はバッキングプレート51に電気的に接続され、バッキングプレート51を介してターゲット31に電圧を印加できるようになっている。
ガス供給部33はここでは第一の扉板17aに設けられた給気口35に接続され、中空の部分14にスパッタガスを供給できるようになっている。
【0041】
ガス供給部33から中空の部分14にスパッタガスを供給させ、電源装置32からバッキングプレート51を介してターゲット31に交流電圧を印加すると、スパッタガスは電離されてプラズマ化する。ここではプラズマ生成部34はバッキングプレート51と電源装置32とから構成されている。
【0042】
なお、プラズマ生成部34は、バッキングプレート51と電源装置32とからなる構成に限定されず、中空の部分14を取り囲むコイルと、コイルに高周波電力を供給する電源装置とを有し、電源装置からコイルに高周波電力を印加すると、コイルを流れる電流により中空の部分14に誘導磁場が形成され、誘導磁場によりスパッタガスがプラズマ化されるように構成してもよい。
【0043】
<スパッタ成膜装置の使用方法>
上述のスパッタ成膜装置30を使用した薄膜の成膜方法を説明する。
(準備工程)
真空容器10の第一のフランジ板13aに搬入室41を接続し、搬入室41の内部と真空容器10の中空の部分14とを第一の貫通孔15aを介して連通させる。また、第二のフランジ板13bに搬出室42を接続し、搬出室42の内部と真空容器10の中空の部分14とを第二の貫通孔15bを介して連通させる。
【0044】
真空容器10を接地電位に接続しておく。
第一の扉板17aに設けられた排気口36に真空排気装置37を接続し、中空の部分14を真空排気させ、真空雰囲気を形成する。ここでは搬入室41と搬出室42の内部も一緒に真空排気され、真空雰囲気が形成される。以後、真空排気装置37による真空排気を継続して、真空雰囲気を維持する。
【0045】
大気圧との差圧により第一、第二の扉板17a、17bは第二、第四の壁面122、124に向かってそれぞれ押圧される。真空容器10が大型化し、第一、第二の扉板17a、17bが大きくなるほど、第二、第四の壁面122、124にかかる押圧力も大きくなるが、第一のフランジ板13aと第一の壁面121とは一体成形され、第二のフランジ板13bと第三の壁面123とは一体成形されており、第一のフランジ板13aと第一の壁面121との間と、第二のフランジ板13bと第三の壁面123との間とにそれぞれ割れは起こらず、気密不良は生じない。
【0046】
(成膜工程)
ガス供給部33から中空の部分14にスパッタガスを供給する。ここではスパッタガスにArガスを使用するが、他のガスを使用してもよい。
電源装置32からターゲット31に交流電圧を印加すると、供給されたスパッタガスは電離されてプラズマ化する。
ターゲット31に負電圧が印加されているとき、プラズマ中のイオンはターゲット31表面に入射して、ターゲット31表面の粒子を弾き飛ばす。
【0047】
スパッタ成膜装置30は、搬入室41内に配置された基板を、第一の貫通孔15aの内側を通って中空の部分14に搬入し、ターゲット31表面と対面する位置を通過させ、第二の貫通孔15bの内側を通って搬出室42に搬出する基板搬送装置39を有している。符号38は基板を示している。
搬入室41内に配置された基板38を、基板搬送装置39により、第一の貫通孔15aの内側を通って、真空容器10の中空の部分14に搬入する。
【0048】
次いで、基板38表面をターゲット31表面と対向させながら、ターゲット31表面と対面する位置を通過させる。このとき、ターゲット31表面から弾き飛ばされた粒子は基板38表面に到達して、基板38表面に薄膜が形成される。
【0049】
ターゲット31表面と対面する位置を通過させて成膜した後、成膜済みの基板38を第二の貫通孔15bの内側を通って、搬出室42に搬出し、後工程に回す。
次いで、搬入室41内に配置された別の未成膜の基板に対して、上述の成膜工程を繰り返し、複数枚の基板38に順に薄膜を形成する。
【0050】
(メンテナンス工程)
あらかじめ連続して成膜を行う基板38の枚数を定めておく。
所定枚数の基板38を成膜した後、電源装置32による電圧印加を停止する。ガス供給部33によるスパッタガスの供給を停止する。真空排気装置37による真空排気を停止する。
【0051】
第一の扉板17aを第一のヒンジ19aのヒンジ軸の中心軸線を中心に第二の壁面122から離れる方向に回動させて、第一の開口16aを覆う位置から取り外し、第一の開口16aを開放させる。
第一の開口16aから真空容器10の中空の部分14にアクセスして、メンテナンスを行う。
【0052】
メンテナンスを終えた後、第一の扉板17aを第一のヒンジ19aのヒンジ軸の中心軸線を中心に第二の壁面122に近づく方向に回動させて、第一の開口16aを覆う位置に配置し、第一のシール部材18aを介して第二の壁面122に接触させる。
第一のシール部材18aは第一の開口16aの周囲を取り囲んで第二の壁面122に密着され、第一の開口16aは第一の扉板17aと第一のシール部材18aによって密閉される。
【0053】
第一の扉板17aが第二の壁面122に接触するとき、第二の壁面122のうち第三の壁面123に近い部分ほど大きなモーメント(トルク)を受けるが、第二のフランジ板13bと第三の壁面123とは一体成形されており、割れは起こらず、気密不良は生じない。
【0054】
第二の扉板17bを開閉して、ターゲット31の交換を行ってもよい。第二の扉板17bを閉じるときに、第四の壁面124のうち第一の壁面121に近い部分ほど大きなモーメントを受けるが、第一のフランジ板13aと第一の壁面121とは一体成形されており、割れは起こらず、気密不良は生じない。
【0055】
次いで、第一、第二の扉板17a、17bを閉めて第一、第二の開口16a、16bを密閉した後、上述の準備工程と同様にして真空容器10の中空の部分14の真空排気を再開し、上述の成膜工程を繰り返す。
なお、本発明の真空容器10は、上述のスパッタ成膜装置30に用いる場合に限定されず、真空蒸着や真空加熱等の他の真空処理装置に用いることもできる。
【0056】
上述の説明では、真空容器10の第二の扉板17bは第二のフランジ板13bに折り曲げ可能に取り付けられていたが、第一のフランジ板13aに折り曲げ可能に取り付けられた構成も本発明に含まれる。
【0057】
また、第二のフランジ板13bと第二の貫通孔15bとが省略された構成も本発明に含まれる。この構成では、第一の貫通孔15aを通って中空の部分14に基板が搬入され、搬出される。
また、第二の扉板17bと第二の開口16bとが省略され、すなわち箱形容器11の第四の壁面124には開口が設けられていない構成も本発明に含まれる。この構成には、第二の扉板17bが第四の壁面124に溶接固定されて、第二の開口16bが塞がれた構成も含まれるが、溶接作業の熱量により母材に残留応力が残ってひずみや耐力の低下が起き、また溶接コストもかかるため、第二の扉板17bが第二の開口16bを覆う位置に取り外し可能に配置された構成の方が好ましい。
【符号の説明】
【0058】
10……真空容器
11……箱形容器
121〜124……第一〜第四の壁面
13a、13b……第一、第二のフランジ板
14……中空の部分
15a、15b……第一、第二の貫通孔
16a、16b……第一、第二の開口
17a、17b……第一、第二の扉板
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空容器に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、基板の成膜、熱処理等には真空容器を有する真空処理装置が用いられている。特許文献1には真空容器を有するスパッタ成膜装置が開示されている。近年では、基板の大型化に伴って、大型の真空容器が求められている。
【0003】
図9は従来の真空容器100の分解斜視図である。
従来の真空容器100は、第一、第二のフランジ板113a、113bと、天板123aと、底板123bと、背面板124と、扉受け板125とを有しており、図10に示すように、各板113a、113b、123a、123b、124、125は箱形状の6つの壁面を成すように組み立てられ、接合部分がそれぞれ溶接されて製缶されている。
【0004】
図11は真空容器100の天板123aと平行な平面による切断断面図である。符号1051〜1054は溶接部位を示している。
扉受け板125に設けられた開口116を覆う位置には、メンテナンス用の扉板117が配置されている。扉板117はヒンジ119を介して第一のフランジ板113aに折り曲げ可能に取り付けられ、扉板117がヒンジ119のヒンジ軸の中心軸線を中心に回動すると、開口116は開閉されるようになっている。符号118はシール部材を示している。
【0005】
従来の真空容器100では、各板113a、113b、123a、123b、124、125の溶接構造にて製缶されることにより、溶接作業による熱量が母材に多く入って、残留応力が多く残り、真空容器100のひずみが大きくなったり、耐力が低下するという問題があった。また、真空容器100の大型化に比例して、溶接作業に多くのコストがかかっていた。
【0006】
また、真空容器100の内部を真空排気すると、背面板124と扉板117とには大気圧との差圧が加わるのだが、真空容器100が大型化し、背面板124と扉板117とが大型化すると、大気圧による力も大きくなり、溶接部位1051〜1054にかかる負荷が大きくなる。真空容器100の内部を大気状態と真空状態にすることを繰り返すと、溶接部位1051〜1054が割れを起こし、気密不良が発生するという問題があった。
【0007】
また、扉板117が大型化して重量が増すと、扉板117を閉めたときに、扉受け板125のうち第二のフランジ板113bに近い部分には大きなモーメントがかかり、扉板117の開閉を繰り返すと、符号1054の溶接部位が割れを起こし、気密不良が発生するという問題あった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−228105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたものであり、その目的は、大型化しても、耐力が低下せず、溶接作業のコストが従来より低い真空容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明は、中空の箱形容器と、前記箱形容器の第一の壁面より大きく、前記第一の壁面に密着して固定された第一のフランジ板と、前記第一のフランジ板と前記第一の壁面とを貫通して設けられ、前記箱形容器の前記中空の部分と外部空間とを連通させる第一の貫通孔と、前記箱形容器の前記第一の壁面に接続された第二の壁面に設けられた第一の開口と、前記第一の開口より大きく、前記第一の開口を覆う位置に取り外し可能に配置された第一の扉板と、を有する真空容器であって、前記第一のフランジ板と前記第一の壁面とは一体成形された真空容器である。
本発明は真空容器であって、前記第一のフランジ板と前記第一の壁面とは一体に鋳造された真空容器である。
本発明は真空容器であって、前記第一の扉板は、前記第一のフランジ板に折り曲げ可能に取り付けられ、前記第一の開口を開閉できる真空容器である。
本発明は真空容器であって、前記箱形容器の前記第一の壁面とは逆側の第三の壁面より大きく、前記第三の壁面に密着して固定された第二のフランジ板と、前記第二のフランジ板と前記第三の壁面とを貫通して設けられ、前記箱形容器の前記中空の部分とを連通させる第二の貫通孔と、を有し、前記第二のフランジ板と前記第三の壁面とは一体成型された真空容器である。
本発明は真空容器であって、前記第二のフランジ板と前記第三の壁面とは一体に鋳造された真空容器である。
本発明は真空容器であって、前記箱形容器の前記第二の壁面とは逆側の第四の壁面に設けられた第二の開口と、前記第二の開口より大きく、前記第二の開口を覆う位置に取り外し可能に配置された第二の扉板と、を有する真空容器である。
本発明は真空容器であって、前記第二の扉板は、前記第一、第二のフランジ板のいずれか一方に折り曲げ可能に取り付けられ、前記第二の開口を開閉できる真空容器である。
【0011】
本発明で「一体成形」とは、「二次接着や機械的接合を用いないで、部材の接合と同時に製品を一体で成形すること」(JIS工業用語大辞典(第4版)第93頁の引用)をいう。
【発明の効果】
【0012】
第一のフランジ板と箱形容器の第一の壁面とは一体成形されているため、繰り返し使用しても第一のフランジ板と第一の壁面との間に割れは起こらず、気密不良は生じない。
溶接部分が従来より少ないので、溶接作業の熱による母材の残留応力を低減でき、真空容器のひずみや耐力の低下が起こらない。また溶接作業のコストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の真空容器の斜視図
【図2】本発明の真空容器の正面図
【図3】本発明の真空容器の右側面図
【図4】本発明の真空容器のA−A線切断断面図
【図5】第一の扉板が第一の開口を覆う位置から取り外された状態を説明するための図
【図6】本発明の真空容器の分解斜視図
【図7】本発明の真空容器の組み立て途中を説明するための図
【図8】本発明の真空容器を有するスパッタ成膜装置の内部平面図
【図9】従来の真空容器の分解斜視図
【図10】従来の真空容器の組み立て途中を説明するための図
【図11】従来の真空容器の天板と平行な平面による切断断面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
<真空容器の構造>
本発明の真空容器の構造を説明する。図1は真空容器10の斜視図、図2は同正面図、図3は同右側面図、図4は同A−A線切断断面図である。
真空容器10は、中空の箱形容器11と、箱形容器11の第一の壁面121より大きく、第一の壁面121に密着して固定された第一のフランジ板13aと、第一のフランジ板13aと第一の壁面121とを貫通して設けられ、箱形容器11の中空の部分14と外部空間とを連通させる第一の貫通孔15aとを有している。
【0015】
第一の貫通孔15aの開口はここでは細長形状であり、開口の長手方向の長さより幅の短い基板は、第一の貫通孔15aの内側を通って、外部空間から箱形容器11の中空の部分14に搬入され、又は中空の部分14から外部空間に搬出できるようになっている。
【0016】
本実施例では、真空容器10は、箱形容器の第一の壁面121とは逆側の第三の壁面123より大きく、第三の壁面123に密着して固定された第二のフランジ板13bと、第二のフランジ板13bと第三の壁面123とを貫通して設けられ、箱形容器11の中空の部分14と外部空間とを連通させる第二の貫通孔15bとを有している。
【0017】
第二の貫通孔15bの開口はここでは細長形状であり、第一の貫通孔15aの内側を通って中空の部分14に搬入された基板は、第二の貫通孔15bの内側を通って、箱形容器11の外部空間に搬出できるようになっている。
真空容器10は、箱形容器11の第一の壁面121に接続された第二の壁面122に設けられた第一の開口16aと、第一の開口16aより大きく、第一の開口16aを覆う位置に取り外し可能に配置された第一の扉板17aとを有している。
【0018】
第一の扉板17aの表面には、内周が第一の開口16aより大きい環状の第一のシール部材18aが設けられている。第一の扉板17aが第一の開口16aを覆う位置に配置されたとき、第一のシール部材18aは第一の開口16aの周囲を取り囲んで配置され、第一の扉板17aが第二の壁面122に向かって押圧されると、第一のシール部材18aは第一の開口16aの周囲を取り囲んで第二の壁面122に密着され、第一の開口16aは第一の扉板17aと第一のシール部材18aとによって密閉されるようになっている。
【0019】
本実施例では、第一の扉板17aは、第一のヒンジ19aを介して、第一のフランジ板13aに折り曲げ可能に取り付けられ、第一の開口16aを開閉できるようになっている。
第一のヒンジ19aは二枚のヒンジ板と、二枚のヒンジ板を連結するヒンジ軸とを有し、一方のヒンジ板は第一の扉板17aの端部に固定され、他方のヒンジ板は第一のフランジ板13aに固定されており、第一の扉板17aはヒンジ軸の中心軸線を中心に第一のフランジ板13aに対して回動できるようになっている。
【0020】
図4を参照し、第一の扉板17aが第一の開口16aを覆う位置に配置された状態で、第二の壁面122から離れる向きに回動すると、図5を参照し、第一の扉板17aは第一の開口16aを覆う位置から取り外され、第一の開口16aは開放されて、箱形容器11の中空の部分14は第一の開口16aから露出される。
【0021】
次いで、第一の扉板17aが第二の壁面122に近づく向きに回動すると、図4を参照し、第一の扉板17aは第一の開口16aを覆う位置に配置され、第一のシール部材18aが第一の開口16aの周囲を取り囲んだ状態で、第一の扉板17aは第一のシール部材18aを介して第二の壁面122に接触され、第一の開口16aは密閉される。
【0022】
第一の扉板17aが第一のフランジ板13aに折り曲げ可能に取り付けられていることにより、第一の扉板17aを第一の開口16aを覆う位置に配置すると、第一のシール部材18aは、位置合わせしなくても、第一の開口16aの周囲を取り囲む位置に配置されるようになっている。
【0023】
真空容器10は、箱形容器11の第二の壁面122とは逆側の第四の壁面124に設けられた第二の開口16bと、第二の開口16bより大きく、第二の開口16bを覆う位置に取り外し可能に配置された第二の扉板17bとを有している。
【0024】
第二の扉板17bの表面には、内周が第二の開口16bより大きい環状の第二のシール部材18bが設けられている。第二の扉板17bが第二の開口16bを覆う位置に配置されたとき、第二のシール部材18bは第二の開口16bの周囲を取り囲んで配置され、第二の扉板17bが第四の壁面124に向かって押圧されると、第二のシール部材18bは第二の開口16bの周囲を取り囲んで第四の壁面124に密着され、第二の開口16bは第二の扉板17bと第二のシール部材18bとによって密閉されるようになっている。
【0025】
本実施例では、第二の扉板17bは、第二のヒンジ19bを介して、第二のフランジ板13bに折り曲げ可能に取り付けられ、第二の開口16bを開閉できるようになっている。
図4を参照し、第二の扉板17bが第二の開口16bを覆う位置に配置された状態で、第四の壁面124から離れる向きに回動すると、図5を参照し、第二の扉板17bは第二の開口16bを覆う位置から取り外され、第二の開口16bは開放される。次いで、第二の扉板17bが第四の壁面124に近づく向きに回動すると、図4を参照し、第二の扉板17bは第二の開口16bを覆う位置に配置され、第二のシール部材18bが第二の開口16bの周囲を取り囲んだ状態で、第二の扉板17bは第二のシール部材18bを介して第四の壁面124に接触され、第二の開口16bは密閉される。
【0026】
本発明の真空容器10では、第一のフランジ板13aと第一の壁面121とは一体成形されており、第一のフランジ板13aと第一の壁面121との間には継ぎ目がない。また、第二のフランジ板13bと第三の壁面123とは一体成形されており、第二のフランジ板13bと第三の壁面123との間には継ぎ目がない。
【0027】
図6は真空容器10の分解斜視図である。
真空容器10は、第一、第二のフランジ部材21a、21bと、第一、第二の補助板23a、23bと、第一、第二の扉板17a、17bとを有している。
第一、第二のフランジ部材21a、21bは、第一、第二のフランジ板13a、13bと、第一、第二のフランジ板13a、13bの表面に設けられた凸状の第一、第二の扉受け部22a、22bとを有している。第一、第二の扉受け部22a、22bの平面形状は長方形状である。
第一、第二のフランジ部材21a、21bはここでは、一つの金型に材料を流し込んで一体に鋳造されており、第一、第二のフランジ板13a、13bと第一、第二の扉受け部22a、22bとの間には継ぎ目がない。
【0028】
なお、第一、第二のフランジ板13a、13bと第一、第二の扉受け部22a、22bとが一体成形されているならば、第一、第二のフランジ部材21a、21bの形成方法は鋳造に限定されず、母材の削り出しでもよい。
第一、第二の補助板23a、23bは細長形状であり、幅方向の長さは第一、第二の扉受け部22a、22bの幅方向の長さと同じである。
【0029】
図7を参照し、第一、第二の補助板23a、23bの幅方向の一方の側面と第一、第二の扉受け部22a、22bの幅方向の一方の側面とは同一の平面内に位置するように揃えられ、第一、第二の補助板23a、23bの幅方向の他方の側面と第一、第二の扉受け部22a、22bの幅方向の他方の側面とは他の同一の平面内に位置するように揃えられた状態で、第一の補助板23aの表面の長手方向の一端と他端はそれぞれ第一、第二の扉受け部22a、22bの長手方向の一方の側面に密着して固定され、第二の補助板23bの表面の長手方向の一端と他端は第一、第二の扉受け部22a、22bの長手方向の他方の側面にそれぞれ密着して固定されている。
【0030】
第一、第二の補助板23a、23bと第一、第二の扉受け部22a、22bとの密着部分は溶接されて固定されている。溶接部位は従来の真空容器100より小さいので、溶接作業で母材に入る熱量は従来より少なく、母材に応力(残留応力)が残って、真空容器10のひずみが大きくなったり、真空容器10の耐力(強度)が低下するという問題は起こらない。
【0031】
なお、第一の補助板23aの長手方向の一端と他端の側面がそれぞれ第一、第二の扉受け部22a、22bの表面の長手方向の一端にそれぞれ密着して固定され、第二の補助板23bの長手方向の一端と他端の側面が第一、第二の扉受け部22a、22bの表面の長手方向の他端にそれぞれ密着して固定されてもよい。
【0032】
ここでは箱形容器11は、第一、第二の扉受け部22a、22bと第一、第二の補助板23a、23bとから構成され、第二の壁面122は第一、第二の補助板23a、23bの幅方向の一方の側面と第一、第二の扉受け部22a、22bの幅方向の一方の側面とから成り、第四の壁面124は第一、第二の補助板23a、23bの幅方向の他方の側面と第一、第二の扉受け部22a、22bの幅方向の他方の側面とから成っている。
なお、ここでは第一の壁面121は第一の扉受け部22aの第一のフランジ板13aに密着する面であり、第三の壁面123は第二の扉受け部22bの第二のフランジ板13bに密着する面である。
【0033】
第一の扉板17aは第二の壁面122に設けられた第一の開口16aを覆う位置に配置されて、第一のヒンジ19aを介して第一のフランジ板13aに取り付けられ、第二の扉板17bは第四の壁面124に設けられた第二の開口16bを覆う位置に配置されて、第二のヒンジ19bを介して第二のフランジ板13bに取り付けられている。
【0034】
中空の部分14を真空雰囲気にすると、大気圧との差圧により第一、第二の扉板17a、17bは第二、第四の壁面122、124に向かってそれぞれ押圧されるが、第一のフランジ板13aと第一の壁面121とは一体成形されており、第一のフランジ板13aと第一の壁面121との間に割れは起こらない。また、第二のフランジ板13bと第三の壁面123とは一体成形されており、第二のフランジ板13bと第三の壁面123との間に割れは起こらない。そのため、真空容器10に気密不良は生じない。
【0035】
第一、第二の扉板17a、17bが第二、第四の壁面122、124を押圧する力は互いに同じ大きさで互いに逆向きであり、互いに打ち消しあう。
第一、第二の扉板17a、17bが第二、第四の壁面122、124を押圧する力は第一、第二の扉受け部22a、22bと第一、第二の補助板23a、23bとに分散される。第一、第二の扉受け部22a、22bには第一、第二の貫通孔15a、15bが開けられているが、第一、第二の補助板23a、23bにかかる力の方向は幅方向に平行な圧縮方向であり、力は第一、第二の補助板23a、23bで支えられるため、第一、第二の扉受け部22a、22bの変形は防止され、真空容器10に破損は生じない。
【0036】
本実施例では、第一の扉板17aが第一のヒンジ19aのヒンジ軸の中心軸線を中心に回動して第二の壁面122に接触するとき、第二の壁面122のうち第一のヒンジ19aから遠い部分、すなわち第三の壁面123に近い部分ほど大きなモーメント(トルク)を受けるが、第二のフランジ板13bと第三の壁面123とは一体に成形されており、第二のフランジ板13bと第三の壁面123との間に割れは起こらず、気密不良が生じない。
【0037】
また、第二の扉板17bが第二のヒンジ19bのヒンジ軸の中心軸線を中心に回動して第四の壁面124に接触するとき、第四の壁面124のうち第二のヒンジ19bから遠い部分、すなわち第一の壁面121に近い部分ほど大きなモーメント(トルク)を受けるが、第一のフランジ板13aと第一の壁面121とは一体に成形されており、第一のフランジ板13aと第一の壁面121との間に割れは起こらず、気密不良が生じない。
【0038】
<スパッタ成膜装置の構造>
本発明の真空容器10を有するスパッタ成膜装置の構造を説明する。図8はスパッタ成膜装置30の内部平面図である。
スパッタ成膜装置30は、上述の真空容器10と、真空容器10の中空の部分14に配置された平板形状のターゲット31と、ターゲット31に電圧を印加する電源装置32と、真空容器10の中空の部分14にスパッタガスを供給するガス供給部33と、スパッタガスをプラズマ化するプラズマ生成部34とを有している。
【0039】
ターゲット31の裏面には導電性のバッキングプレート51が密着して固定されている。
本実施例では、バッキングプレート51は、ターゲット31の表面が中空の部分14に露出する向きに向けられて、絶縁部材52を介して第二の扉板17bに取り付けられ、バッキングプレート51は真空容器10から電気的に絶縁されている。
【0040】
電源装置32はバッキングプレート51に電気的に接続され、バッキングプレート51を介してターゲット31に電圧を印加できるようになっている。
ガス供給部33はここでは第一の扉板17aに設けられた給気口35に接続され、中空の部分14にスパッタガスを供給できるようになっている。
【0041】
ガス供給部33から中空の部分14にスパッタガスを供給させ、電源装置32からバッキングプレート51を介してターゲット31に交流電圧を印加すると、スパッタガスは電離されてプラズマ化する。ここではプラズマ生成部34はバッキングプレート51と電源装置32とから構成されている。
【0042】
なお、プラズマ生成部34は、バッキングプレート51と電源装置32とからなる構成に限定されず、中空の部分14を取り囲むコイルと、コイルに高周波電力を供給する電源装置とを有し、電源装置からコイルに高周波電力を印加すると、コイルを流れる電流により中空の部分14に誘導磁場が形成され、誘導磁場によりスパッタガスがプラズマ化されるように構成してもよい。
【0043】
<スパッタ成膜装置の使用方法>
上述のスパッタ成膜装置30を使用した薄膜の成膜方法を説明する。
(準備工程)
真空容器10の第一のフランジ板13aに搬入室41を接続し、搬入室41の内部と真空容器10の中空の部分14とを第一の貫通孔15aを介して連通させる。また、第二のフランジ板13bに搬出室42を接続し、搬出室42の内部と真空容器10の中空の部分14とを第二の貫通孔15bを介して連通させる。
【0044】
真空容器10を接地電位に接続しておく。
第一の扉板17aに設けられた排気口36に真空排気装置37を接続し、中空の部分14を真空排気させ、真空雰囲気を形成する。ここでは搬入室41と搬出室42の内部も一緒に真空排気され、真空雰囲気が形成される。以後、真空排気装置37による真空排気を継続して、真空雰囲気を維持する。
【0045】
大気圧との差圧により第一、第二の扉板17a、17bは第二、第四の壁面122、124に向かってそれぞれ押圧される。真空容器10が大型化し、第一、第二の扉板17a、17bが大きくなるほど、第二、第四の壁面122、124にかかる押圧力も大きくなるが、第一のフランジ板13aと第一の壁面121とは一体成形され、第二のフランジ板13bと第三の壁面123とは一体成形されており、第一のフランジ板13aと第一の壁面121との間と、第二のフランジ板13bと第三の壁面123との間とにそれぞれ割れは起こらず、気密不良は生じない。
【0046】
(成膜工程)
ガス供給部33から中空の部分14にスパッタガスを供給する。ここではスパッタガスにArガスを使用するが、他のガスを使用してもよい。
電源装置32からターゲット31に交流電圧を印加すると、供給されたスパッタガスは電離されてプラズマ化する。
ターゲット31に負電圧が印加されているとき、プラズマ中のイオンはターゲット31表面に入射して、ターゲット31表面の粒子を弾き飛ばす。
【0047】
スパッタ成膜装置30は、搬入室41内に配置された基板を、第一の貫通孔15aの内側を通って中空の部分14に搬入し、ターゲット31表面と対面する位置を通過させ、第二の貫通孔15bの内側を通って搬出室42に搬出する基板搬送装置39を有している。符号38は基板を示している。
搬入室41内に配置された基板38を、基板搬送装置39により、第一の貫通孔15aの内側を通って、真空容器10の中空の部分14に搬入する。
【0048】
次いで、基板38表面をターゲット31表面と対向させながら、ターゲット31表面と対面する位置を通過させる。このとき、ターゲット31表面から弾き飛ばされた粒子は基板38表面に到達して、基板38表面に薄膜が形成される。
【0049】
ターゲット31表面と対面する位置を通過させて成膜した後、成膜済みの基板38を第二の貫通孔15bの内側を通って、搬出室42に搬出し、後工程に回す。
次いで、搬入室41内に配置された別の未成膜の基板に対して、上述の成膜工程を繰り返し、複数枚の基板38に順に薄膜を形成する。
【0050】
(メンテナンス工程)
あらかじめ連続して成膜を行う基板38の枚数を定めておく。
所定枚数の基板38を成膜した後、電源装置32による電圧印加を停止する。ガス供給部33によるスパッタガスの供給を停止する。真空排気装置37による真空排気を停止する。
【0051】
第一の扉板17aを第一のヒンジ19aのヒンジ軸の中心軸線を中心に第二の壁面122から離れる方向に回動させて、第一の開口16aを覆う位置から取り外し、第一の開口16aを開放させる。
第一の開口16aから真空容器10の中空の部分14にアクセスして、メンテナンスを行う。
【0052】
メンテナンスを終えた後、第一の扉板17aを第一のヒンジ19aのヒンジ軸の中心軸線を中心に第二の壁面122に近づく方向に回動させて、第一の開口16aを覆う位置に配置し、第一のシール部材18aを介して第二の壁面122に接触させる。
第一のシール部材18aは第一の開口16aの周囲を取り囲んで第二の壁面122に密着され、第一の開口16aは第一の扉板17aと第一のシール部材18aによって密閉される。
【0053】
第一の扉板17aが第二の壁面122に接触するとき、第二の壁面122のうち第三の壁面123に近い部分ほど大きなモーメント(トルク)を受けるが、第二のフランジ板13bと第三の壁面123とは一体成形されており、割れは起こらず、気密不良は生じない。
【0054】
第二の扉板17bを開閉して、ターゲット31の交換を行ってもよい。第二の扉板17bを閉じるときに、第四の壁面124のうち第一の壁面121に近い部分ほど大きなモーメントを受けるが、第一のフランジ板13aと第一の壁面121とは一体成形されており、割れは起こらず、気密不良は生じない。
【0055】
次いで、第一、第二の扉板17a、17bを閉めて第一、第二の開口16a、16bを密閉した後、上述の準備工程と同様にして真空容器10の中空の部分14の真空排気を再開し、上述の成膜工程を繰り返す。
なお、本発明の真空容器10は、上述のスパッタ成膜装置30に用いる場合に限定されず、真空蒸着や真空加熱等の他の真空処理装置に用いることもできる。
【0056】
上述の説明では、真空容器10の第二の扉板17bは第二のフランジ板13bに折り曲げ可能に取り付けられていたが、第一のフランジ板13aに折り曲げ可能に取り付けられた構成も本発明に含まれる。
【0057】
また、第二のフランジ板13bと第二の貫通孔15bとが省略された構成も本発明に含まれる。この構成では、第一の貫通孔15aを通って中空の部分14に基板が搬入され、搬出される。
また、第二の扉板17bと第二の開口16bとが省略され、すなわち箱形容器11の第四の壁面124には開口が設けられていない構成も本発明に含まれる。この構成には、第二の扉板17bが第四の壁面124に溶接固定されて、第二の開口16bが塞がれた構成も含まれるが、溶接作業の熱量により母材に残留応力が残ってひずみや耐力の低下が起き、また溶接コストもかかるため、第二の扉板17bが第二の開口16bを覆う位置に取り外し可能に配置された構成の方が好ましい。
【符号の説明】
【0058】
10……真空容器
11……箱形容器
121〜124……第一〜第四の壁面
13a、13b……第一、第二のフランジ板
14……中空の部分
15a、15b……第一、第二の貫通孔
16a、16b……第一、第二の開口
17a、17b……第一、第二の扉板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空の箱形容器と、
前記箱形容器の第一の壁面より大きく、前記第一の壁面に密着して固定された第一のフランジ板と、
前記第一のフランジ板と前記第一の壁面とを貫通して設けられ、前記箱形容器の前記中空の部分と外部空間とを連通させる第一の貫通孔と、
前記箱形容器の前記第一の壁面に接続された第二の壁面に設けられた第一の開口と、
前記第一の開口より大きく、前記第一の開口を覆う位置に取り外し可能に配置された第一の扉板と、
を有する真空容器であって、
前記第一のフランジ板と前記第一の壁面とは一体成形された真空容器。
【請求項2】
前記第一のフランジ板と前記第一の壁面とは一体に鋳造された請求項1記載の真空容器。
【請求項3】
前記第一の扉板は、前記第一のフランジ板に折り曲げ可能に取り付けられ、前記第一の開口を開閉できる請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の真空容器。
【請求項4】
前記箱形容器の前記第一の壁面とは逆側の第三の壁面より大きく、前記第三の壁面に密着して固定された第二のフランジ板と、
前記第二のフランジ板と前記第三の壁面とを貫通して設けられ、前記箱形容器の前記中空の部分とを連通させる第二の貫通孔と、
を有し、
前記第二のフランジ板と前記第三の壁面とは一体成型された請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の真空容器。
【請求項5】
前記第二のフランジ板と前記第三の壁面とは一体に鋳造された請求項4記載の真空容器。
【請求項6】
前記箱形容器の前記第二の壁面とは逆側の第四の壁面に設けられた第二の開口と、
前記第二の開口より大きく、前記第二の開口を覆う位置に取り外し可能に配置された第二の扉板と、
を有する請求項4又は請求項5のいずれか1項記載の真空容器。
【請求項7】
前記第二の扉板は、前記第一、第二のフランジ板のいずれか一方に折り曲げ可能に取り付けられ、前記第二の開口を開閉できる請求項6記載の真空容器。
【請求項1】
中空の箱形容器と、
前記箱形容器の第一の壁面より大きく、前記第一の壁面に密着して固定された第一のフランジ板と、
前記第一のフランジ板と前記第一の壁面とを貫通して設けられ、前記箱形容器の前記中空の部分と外部空間とを連通させる第一の貫通孔と、
前記箱形容器の前記第一の壁面に接続された第二の壁面に設けられた第一の開口と、
前記第一の開口より大きく、前記第一の開口を覆う位置に取り外し可能に配置された第一の扉板と、
を有する真空容器であって、
前記第一のフランジ板と前記第一の壁面とは一体成形された真空容器。
【請求項2】
前記第一のフランジ板と前記第一の壁面とは一体に鋳造された請求項1記載の真空容器。
【請求項3】
前記第一の扉板は、前記第一のフランジ板に折り曲げ可能に取り付けられ、前記第一の開口を開閉できる請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の真空容器。
【請求項4】
前記箱形容器の前記第一の壁面とは逆側の第三の壁面より大きく、前記第三の壁面に密着して固定された第二のフランジ板と、
前記第二のフランジ板と前記第三の壁面とを貫通して設けられ、前記箱形容器の前記中空の部分とを連通させる第二の貫通孔と、
を有し、
前記第二のフランジ板と前記第三の壁面とは一体成型された請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の真空容器。
【請求項5】
前記第二のフランジ板と前記第三の壁面とは一体に鋳造された請求項4記載の真空容器。
【請求項6】
前記箱形容器の前記第二の壁面とは逆側の第四の壁面に設けられた第二の開口と、
前記第二の開口より大きく、前記第二の開口を覆う位置に取り外し可能に配置された第二の扉板と、
を有する請求項4又は請求項5のいずれか1項記載の真空容器。
【請求項7】
前記第二の扉板は、前記第一、第二のフランジ板のいずれか一方に折り曲げ可能に取り付けられ、前記第二の開口を開閉できる請求項6記載の真空容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−7064(P2013−7064A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−138324(P2011−138324)
【出願日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【出願人】(000231464)株式会社アルバック (1,740)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【出願人】(000231464)株式会社アルバック (1,740)
【Fターム(参考)】
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