説明

真空注型装置

【課題】 注型材注入を効率的に行うことのできる真空注型装置を提供する。
【解決手段】
操作者は注型材を注型材カップ2に入れ、また硬化剤を硬化剤カップ5に入れる。また注型用型6を揺振動テーブル7上に載置する。そして、減圧室1を密閉し、注型材設定キー91により注型材の種類及び量の設定を行う。次に、注入口位置設定キー92により使用する注型用型6の注入口60左右位置と高さを設定する。該設定に基づいて支持装置3により注型材カップ2を設定された注入口60位置に移動し、該位置で昇降部33により注型材カップ2を傾動させて、注型材を注入口60から注型用型6に注入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、真空注型装置に関する。
【背景技術】
【0002】
反応型の注型液状樹脂である注型材を型内に注入し硬化させ成型する所謂注型法においては、注型材原液に含まれる気泡を除去し、該注型材に硬化剤を混ぜて注型材の攪拌を行い、その後所定の型内に注入するという作業が通常行われる。これらの作業は減圧室内で行われる。
上記作業の中、型に注型材を注入する注入作業は、型毎に異なる注入位置に合わせて注入作業を行う必要があり、そのため型の注入口を大きくしたり、樹脂だまりと称する注入用の漏斗状の物を注入口に装着するなどの必要があった。
また、特許文献1に示すように、供給ポットや樹脂供給管を使用して注入する装置も提案されている。
【0003】
【特許文献1】特公平2−55209号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前者の注入作業は手作業であるため、熟練を要し、樹脂だまりに付着する高価な注型材の無駄が出る問題がある。また、脱泡、攪拌、注入の作業を連続的に機械化の障害になっている問題がある。
また、後者の装置の場合、異なる注入口位置に対応できない問題がある。また供給ポットや樹脂供給管に付着する注型材の無駄がでる上、供給ポットや樹脂供給管の洗浄が必要である等の問題がある。
本発明は上記従来技術の問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の真空注型装置は、注型材を注入するための注入口を備えた型を収納可能な減圧室と、前記減圧室内に収納され、注型材を収納する注型材容器と、前記減圧室内に収納され、前記注型材容器を移動させる移動装置と、前記減圧室内に収納され、前記注型材容器の注型材を前記型に注入する注入装置と、前記型の注入口位置を設定する位置設定装置と、前記位置設定装置により設定された注入口位置に基づいて前記移動装置と注入装置を制御して、前記注型材容器から注型材を注入させる、制御装置と、を備えたことを特徴とする。
上記構成により、注入口位置の設定が可能であり、制御装置により該注入口位置において注入動作が確実に行われ、装置の自動化が可能になる。また、確実な注入位置あわせができるから、樹脂だまりが不要になるか必要としても小さくすることが可能であるから、注型材の無駄を抑制できる。
上記構成に加えて、更に前記注型材容器の注型材の量を設定する注型材量設定装置、を更に設け、前記制御装置は、前記注入口位置と注型材の量に基づいて注入動作を制御する、ように構成することも可能である。即ち注型材カップ1の注型材が流出を開始する角度はその量により異なるから、該角度に応じて注入位置を微調整し、また該角度までは例えば高速で傾動させ、該角度に達してからは、注入に適した傾動速度とする等の制御を行う。この構成により注型材の量に応じた注入動作を行わせることができ、更に確実な注入動作を得ることがきる。
更に前記注型材の種類を設定する注型材種類設定装置を設け、前記制御装置は、前記注入口位置と注型材の量と注型材の種類に基づいて、注型位置と注入動作を制御する、ように構成することも可能である。たとえば高粘度材の場合には、注型材カップ1の傾動速度を早め、粘度の低い注型材の場合は傾動速度を遅くする。この構成により上記に加えて注型材の種類に応じた注入動作を得ることができる。
なお前記注入動作の制御には上記の他に種々のものがあるが、少なくとも前記注型材容器の傾動角制御を含むことが望ましい。
【発明の効果】
【0006】
本発明の真空注型装置によれば、注型材の型への注入を効果的に行える効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2において、減圧室1が設けられ、その内部は真空ポンプ10により所定の圧力まで減圧される。減圧室1内部には、揺振動テーブル7が設置されており、減圧室1の外部に設けられた揺振動装置70により揺振動するようになっている。
揺振動テーブル7の上には注型用型6が載置可能になっており、この注型用型6に樹脂等を流し込んで硬化、成型するようになっている。
【0008】
揺振動テーブル7の上方には支持装置3が設置され、該支持装置3に樹脂等の注型材を入れる注型材容器である注型材カップ2が支持されている。
支持装置3は傾斜体30と昇降部33とを有する。傾斜体30は長尺体であり、その下端から4分の1程度の位置で軸支され、傾斜モータ31により図1において左右方向に傾斜可能になっている。また傾斜モータ31により連続的に左右方向に傾斜させることにより搖動可能であり、所謂振り子運動をするように構成されている。注型材カップ2は上下運動装置である昇降部33の下端に装着された容器保持具20上に載置される。
振り子運動はこの実施形態では振幅を30゜(±15゜)と40゜(±20゜)を選択できるようになっており、注型材の種類に応じて振幅を変えることができるように構成されている。
【0009】
昇降部33は傾斜体30に移動可能に装着され、昇降モータ32と注入/昇降モータ21により傾斜体30の長手方向に移動して、昇降するようになっている。この昇降を連続的に繰り返すことにより上下運動を行わせるようになっている。また昇降部33は、上下の往復運動だけではなく、傾斜体30の下端の上限位置から注型用型6の上方の下限位置まで移動可能であり、また傾斜体30は左右方向に搖動可能であるから、支持装置3に支持された注型材カップ2は減圧室1の任意の位置に移動可能になっている。従って、支持装置3は注型材カップ2の移動装置になっている。この移動装置としての支持装置3により注型材カップ2を注型用型6の注入口60近傍に移動し、後記する昇降装置33により注型材カップ2を傾動させて注入を行わせるようになっている。
【0010】
傾斜体30には、注型材カップ2内の注型材を攪拌するための撹拌プロペラ4が装着されており、図2に示すように、昇降部33の移動による注型材カップ2の移動により注型材カップ2内に挿入されるようになっている。撹拌プロペラ4は撹拌モータ40により駆動され、該駆動力はL字形状の撹拌伝達機構41により撹拌プロペラ4に伝えられる。
【0011】
撹拌プロペラ4の攪拌の際に、前記したように昇降部33により注型材カップ2を小刻みに連続的に上下動させることができるようになっている。この上下動は昇降モータ32を正逆駆動することにより行えるようになっている。
この上下動作については、後に詳細に説明する。
【0012】
昇降部33は一対のラック35を備えており、ここに前記昇降モータ32と注入/昇降モータ21がギアを介して係合し、昇降部33の昇降及び小刻みな上下動を行わせるようになっている。また、注入/昇降モータ21のみを駆動することにより、一方のラック35のみが移動して、容器保持具20を傾動させて注型材カップ2を傾けることができるようになっている。
この注型材カップ2の傾動動作により、傾斜体30の運動に合わせて注型材カップ2を傾動させて、注型材カップ2の姿勢を保つことができ、また前記したように注型材カップ2から注型用型6への注入動作等を行わせることが可能になっている。従ってこの昇降部33が注型材の注入装置を構成している。
【0013】
減圧室1内の適当な位置に、硬化剤カップ5が傾動可能に装着されている。硬化剤カップ5は硬化剤注入モータ50により傾動し、硬化剤を注型材カップ2内に注入できるように構成されている。
【0014】
注型用型6を載置する揺振動テーブル7は、揺振動装置70により振動可能になっている。揺振動装置70は減圧室1の外部に設けられている。揺振動テーブル7の振動により、載置された注型用型6が振動し、ここに注入される注型材が円滑に注型用型6内部に充填されるように構成されている。
注型用型6の注入口60の位置はその型により様々である。そのため、本発明においては該位置を制御装置9に設定することにより、種々の注入口60の位置に対応可能になっている。前記したように、注型材カップ2は傾斜体30の傾斜と昇降部33の昇降により減圧室1の任意の位置に移動可能であり、注入口60の左右方向位置と高さとを設定しておけば、該位置に自動的に移動させることが可能である。
【0015】
減圧室1には大リーク弁11と小リーク弁12が備えられている。大リーク弁11は減圧室1の内部を大気圧に開放するためのものである。小リーク弁12は減圧室1内の圧力調整のために用いられる。後述する注型材の脱泡時や注型用型6への注入の際に、減圧室1内の圧力を上昇下降させて、脱泡作業や注入作業の効率化を図っている。
【0016】
上記した構成の駆動制御は制御装置9により行っており、操作パネル90により予め種々の設定を行うことにより、設定にしたがった動作を行うように構成されている。
制御装置9の概略を図3のブロック図に示す。
【0017】
制御装置9には、注型材設定キー91から注型材の種類と量の設定入力がなされるようになっており、注型材の種類と量に応じた注入動作やその他の種々の動作を行うようになっている。注型材の種類としては、代表的には、高粘度材、ウレタン材、エポキシ材、その他の材がある。この実施形態では、高粘度材、ウレタン材、エポキシ材については、それぞれ予めプログラムが用意されており、該プログラムに応じて所定の設定を行い、また任意の修正を行うようになっている。また、その他の材の場合には手動操作指定キー93により手動により動作を設定する。
【0018】
注入口位置設定キー92は注型用型6の注入口60の位置を設定するものであり、この実施形態では高さ方向位置と左右方向位置を設定するようになっている。
なお、この実施形態では奥行き方向位置は一定位置としているが、奥行き方向位置を可変とし、奥行き方向の移動機構を加えて、注型用型6を奥行き方向移動可能としても良い。
【0019】
図9に上記設定をおこなった場合の操作パネル90の表示状態を示す。
ここでは注型材量表示95がなされると共に、注入口60の左右方向位置表示96と高さ位置表示97がなされている。
またこの実施形態では注型材カップ2の容積の設定、攪拌プロペラ4の容積の設定、硬化剤カップ5の容積の設定が行われ、それぞれの設定値が表示されている。
【0020】
上記設定がなされると、制御装置9は脱泡動作プログラム記憶装置80と撹拌動作プログラム記憶装置81及び注入動作プログラム記憶装置82からプログラムを読み出し、モータ駆動装置55、弁駆動装置56、ポンプ駆動装置57及び揺振動駆動装置58を操作して、注型材の種類及び注入口60の位置に適合した脱泡、攪拌、注入動作を実行する。
【0021】
注入動作は、支持装置3により注型材カップ2を注入口60位置に移動し、該位置で昇降部33により注型材カップ2を傾動させて、注型材を注入口60から注型用型6に注入することにより実行される。
該注型材カップ2による注入動作は、注型材カップ2内の注型材の量と種類に応じて制御される。即ち注型材の量により注型材カップ2から流れ出す時の注型材カップ2の角度は異なるから、該角度に応じて注入位置を微調整した上で、該流れ出し角度まで昇降部33は最高速度で注型材カップ2を傾け、その後は注型材の種類に応じて傾動速度を制御する。高粘度材の場合注型材カップ2の傾動速度を早くし、粘度が低い注型材の場合は注型材カップ2の傾動速度を遅くするように制御する。これにより注入動作、即ち注入位置と注入速度の制御がなされる。
【0022】
次に動作を説明する。
最初に操作者は注型材を注型材カップ2に入れ、また硬化剤を硬化剤カップ5に入れる。また注型用型6を揺振動テーブル7上に載置する。そして、減圧室1を密閉し、注型材設定キー91により注型材の種類及び量の設定を行う。
注型材の種類に応じて操作パネル90の画面が変わり、該画面上から該注型材に対応した種々の設定を行う。
次に、注入口位置設定キー92により使用する注型用型6の注入口60の位置を設定する。この実施形態では奥行き方向は一定としているため、注入口60の左右位置と高さを設定する。
【0023】
上記設定が終わったら、制御装置9は減圧室1の減圧を行った上、脱泡、攪拌、注入動作を順次実行する。
この動作をフローチャートに基づいて説明する。
図4において、操作者により設定された注型材が高粘度材の場合(ステップS1)、高粘度材用の脱泡動作を実行する(ステップS2)。注型材カップ2を移動させ、注型材カップ2の内部に撹拌プロペラ4が装入される脱泡位置に注型材カップ2を設定する。
そして、撹拌プロペラ4を回動させて脱泡を行うが、高粘度材は粘度が非常に高いため、普通の動作では撹拌プロペラ4を回動させるのが困難である。そのため、本発明では、注型材カップ2を上下動させ、高粘度材を撹拌プロペラ4で切りつつ撹拌プロペラ4を正逆に回転させて攪拌し、脱泡を行う。この際、減圧室1は当然に真空に近くまで減圧されているが、高粘度材の膨張が大きくなる場合は、小リーク弁12を開として圧力を上げることも可能である。
該上下運動のストロークは可変になっており、該ストロークを大きくすることにより注型材カップ2の底部までの攪拌が可能になる。制御装置9には、予め注型材カップ2の深さに応じた限界位置が設定されており、該位置まで攪拌プロペラ4の先端が到達できるようになっている。この構成により、注型材カップ2の底部又は底部近傍まで攪拌を行える。なお、センサ等を設けて底又は底近傍への到達を検出しても良い。
【0024】
次に注型材カップ2を硬化剤カップ5位置まで移動させる。この移動は、傾斜体30の傾斜と昇降部33の下降により行う。硬化剤カップ5を硬化剤注入モータ50により傾けて硬化剤を注型材カップ2に注入する(ステップS3)。そして、注型材カップ2を再び撹拌プロペラ4の位置まで戻し、攪拌動作を実行する(ステップS4)。
図7に示すように、攪拌動作においては脱泡と同様に撹拌プロペラ4の回転及び正逆回転と注型材カップ2の上下動を行うが、これらに加えて更に傾斜体30を左右方向に搖動させて、所謂振り子運動を同時に行わせる。
この振り子運動により、注型材カップ2の底部に付着した注型材が移動し、撹拌プロペラ4による攪拌が効率的に行える。
【0025】
攪拌が終了したら、注型材カップ2を予め設定した注入口60の位置まで移動させる。この移動は支持装置3の傾斜体30の傾斜と昇降部33の下降により行う。
そして前述した注入動作を実行し(ステップS6)。作業を終了する。
この注入動作においては、更に減圧室1の圧力制御を行っているが、これについては後に詳細に説明する。
【0026】
注型材が高粘度材ではない場合には、粘度がそれほど高くないため、撹拌プロペラ4の攪拌がそのまま可能であり、注型材カップ2の上下動を行わずに攪拌のみを行って脱泡する(ステップS7)。そして、同様に硬化剤を注入し(ステップS8)、攪拌動作を行う。この際にも注型材カップ2の上下動は行わずに撹拌プロペラ4の回動と、傾斜体30の搖動による振り子運動を行う(ステップS9)。この振り子運動により、同様に注型材カップ2の底部に付着した注型材が移動し、撹拌プロペラ4による攪拌が効率的に行える。攪拌が終了したらステップS5へ飛ぶ。
【0027】
次に図4のステップS2の攪拌による脱泡動作の詳細を図5のフローチャートにより説明する。
撹拌プロペラ4を回転させ(ステップS20)、注型材カップ2を所定のストロークNで上下動させる(ステップS21)。この注型材カップ2の上下動により撹拌プロペラ4は高粘度材の粘着により阻害されることなく回転可能となり、高粘度材を切るような動作を実行し、これにより高粘度材を攪拌して脱泡を行う。所定時間経過したら(ステップS22)、ストロークNを増加しN+aのストロークで上下動させる(ステップS23)。これにより、撹拌プロペラ4が注型材カップ2に深く入り、注型材カップ2の底部分の高粘度材の攪拌も行える。制御装置9は、撹拌プロペラ4が注型材カップ2の予め設定した底或いは底の近傍に到達したら(ステップS24)、撹拌プロペラ4の回転を停止し、注型材カップ2の上下動を停止する(ステップS25)。
上記動作終了後、図4の硬化剤注入動作(ステップS3)に移動する。
なお、脱泡動作の際にも上記した振り子運動を行っても良い。
【0028】
次に図4の攪拌動作(ステップS4)の詳細を図6のフローチャートにより説明する。
攪拌動作においては、脱泡動作に傾斜体30による振り子動作が加わる。
この振り子動作は傾斜体30による傾斜を動作を交互に方向を変えて連続的に行うことにより得られる。
傾斜体30により振り子運動を開始し(ステップS40)、同時に撹拌プロペラ4を回転させ(ステップS41)、更に注型材カップ2を所定のストロークNで上下動させる(ステップS42)。この注型材カップ2の上下動により高粘度材を切りつつ攪拌し、更に振り子運動により注型材カップ2の底部の注型材も効果的に攪拌される。所定時間経過したら(ステップS43)、ストロークNを増加しN+aのストロークで上下動させる(ステップS44)。これにより、撹拌プロペラ4が注型材カップ2に深く入り、注型材カップ2の底部分の高粘度材の攪拌が更に効果的に行われる。撹拌プロペラ4が注型材カップ2の底に到達或いは底の近傍に到達したら(ステップS45)、撹拌プロペラ4の回転を停止し、注型材カップ2の上下動を停止する(ステップS46)。また傾斜体30を停止し、振り子運動を停止する(ステップS47)。
【0029】
次に図8のフローチャートにより注入動作を詳説する。
最初に、制御装置9において、リークの繰り返しカウンタNを所定数に設定する(ステップS80)。次に注型材カップ2を注入口60位置に移動させたら、注入/昇降モータ21により一方のラック35を移動させて、注型材カップ2を傾けて攪拌した注型材を注入口60に注入する(ステップS81)。同時に揺振動装置70を駆動し、揺振動テーブル7を振動させる(ステップS82)。この時、減圧室1内は最も圧力の低い状態になっている。
そして、小リーク弁12を開とし(ステップS83)、所定の設定圧力まで減圧室1内部の圧力を上昇させる(ステップS84)。この圧力上昇により、注入口60に注入された注型材は注型用型6内部に効果的に進入する。そして小リーク弁12を閉じて、減圧室1を減圧し(真空ポンプ10は継続的に稼働している)(ステップS85)、上記動作をN回行う(ステップS86、87)。N回終了したら、大リーク弁11を開として(ステップS88)、動作を停止し(ステップS89)する。
上記した加圧動作の繰り返しと、揺振動テーブル7の搖動により、樹脂は注型用型6に効果的に進入する。特に高粘度材の場合、注入動作が難しかったが、上記構成により効率的な注入が行える。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態を示す概略正面図。
【図2】本発明の一実施形態を示す概略側面図。
【図3】本発明の一実施形態の制御装置の機能ブロック図。
【図4】本発明の一実施形態の動作を示すフローチャート図。
【図5】本発明の一実施形態の動作を示すフローチャート図。
【図6】本発明の一実施形態の動作を示すフローチャート図。
【図7】本発明の一実施形態の動作説明図。
【図8】本発明の一実施形態の動作を示すフローチャート図。
【図9】本発明の一実施形態の操作パネルの表示状態の説明図。
【符号の説明】
【0031】
1:減圧室、2:注型材カップ、3:支持装置、4:撹拌プロペラ、5:硬化剤カップ、6:注型用型、7:揺振動テーブル、9:制御装置、10:真空ポンプ、11:大リーク弁、12:小リーク弁、20:容器保持具、21:注入/昇降モータ、30:傾斜体、31:傾斜モータ、32:昇降モータ、33:昇降部、35:ラック、40:撹拌モータ、41:撹拌伝達機構、50:硬化剤注入モータ、55:モータ駆動装置、56:弁駆動装置、57:ポンプ駆動装置、58:揺振動駆動装置、60:注入口、70:揺振動装置、80:脱泡動作プログラム記憶装置、81:撹拌動作プログラム記憶装置、82:注入動作プログラム記憶装置、90:操作パネル、91:注型材設定キー、92:注入口位置設定キー、93:手動操作指定キー、95:注型材量表示,96:左右方向位置表示,97:高さ位置表示。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
注型材を注入するための注入口を備えた型を収納可能な減圧室と、
前記減圧室内に収納され、注型材を収納する注型材容器と、
前記減圧室内に収納され、前記注型材容器を移動させる移動装置と、
前記減圧室内に収納され、前記注型材容器の注型材を前記型に注入する注入装置と、
前記型の注入口位置を設定する位置設定装置と、
前記位置設定装置により設定された注入口位置に基づいて前記移動装置と注入装置を制御して、前記注型材容器から注型材を注入させる、制御装置と、
を備えたことを特徴とする真空注型装置。
【請求項2】
前記注型材容器の注型材の量を設定する注型材量設定装置、を更に設け、
前記制御装置は、前記注入口位置と注型材の量に基づいて注入動作を制御する、
請求項1の真空注型装置。
【請求項3】
前記注型材の種類を設定する注型材種類設定装置、を更に設け、
前記制御装置は、前記注入口位置と注型材の量と注型材の種類に基づいて注入動作を制御する、
請求項2の真空注型装置。
【請求項4】
前記注入動作の制御が、少なくとも前記注型材容器の傾動角制御を含む、
請求項1又は2又は3の真空注型装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2007−136806(P2007−136806A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−332558(P2005−332558)
【出願日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(000002244)蛇の目ミシン工業株式会社 (79)
【Fターム(参考)】