説明

真空部品

【課題】高硬度、高いすべり特性、低いガス放出特性という、超高真空下で使用される部品にとって有効な特性を併せ持ち、従来よりも高い耐久性を持つ真空フランジそして真空稼動部品などの真空部品を提供する。
【解決手段】真空中の稼働部に用いられる真空部品であって、少なくとも表面層が炭素ドープ酸化チタン層からなると共に該炭素がTi−C結合の状態でドープされており且つ前記炭素ドープ酸化チタン層の炭素ドープ酸化チタン層のビッカース硬度を300以上とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は真空封止の役割を果たす真空フランジや真空中で使用される真空バルブなど真空中の稼動機構を有する真空稼働部品などに用いられる真空部品に関する。
【背景技術】
【0002】
超高真空(10−5Pa以下の真空度(圧力))以上の真空装置では、真空封止のための真空フランジ部はナイフエッジを持たせ、フランジ材料よりも柔らかい金属である銅などをパッキン(ガスケット)として挟み、締め付けることで真空封止を行っている。
【0003】
このような真空フランジとしては、超高真空を得るために、ステンレス鋼やアルミ合金と比較して放出ガス速度が低い純チタンやチタン合金が望ましい(非特許文献1など参照)。低硬度のチタンやチタン合金などの材料を用いた場合、真空フランジのナイフエッジが、繰り返し10回程度の締め付けにより磨耗してしまい、真空漏れが発生してしまうという問題があった。
【0004】
一方、真空中で稼動する真空部品では、大気中よりも摩擦係数が大きくなってしまい、真空部品の稼動機構の摺動部の劣化が問題となっている。特に、デバイス製造用真空装置では、真空部品の摺動部の劣化により発埃が発生し、デバイス生産の歩留まりの低下を招いてしまうという問題がある。
【0005】
また、真空部品を超高真空領域(10−5Pa以下の真空度(圧力))で使用する場合、真空材料のガス放出特性は低いことが望まれる。一般にステンレス鋼やアルミニウム合金などの真空用金属材料では、化学研磨や電解研磨などの表面処理を施し、そのガス放出量を低減させる。ところが、稼動機構を持つ真空部品では、摺動部の劣化を防止するために潤滑剤が使用される。この潤滑材のガス放出量は、表面処理した金属のガス放出量の数千倍であり、真空装置の圧力の高度化を妨げてしまうという問題がある。また、一般に真空中で摩擦係数が低い材料としては、フッ素樹脂などの有機物質があるが、これらのガス放出特性は金属材料よりも数桁も多く、超高真空装置には用いることができないという問題もある。
【非特許文献1】栗巣, 山本ら「チタン材料の真空特性と応用展開」真空誌, Vol.50, No.1 (2007), pp41-46.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の従来の問題点に鑑み、高硬度,高いすべり特性,低いガス放出特性という、超高真空下で使用される部品にとって有効な特性を併せ持ち、従来よりも高い耐久性を持つ真空フランジそして真空稼動部品などの真空部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成する本発明の第1の態様は、真空中の可動部に用いられる真空部品であって、少なくとも表面層が炭素ドープ酸化チタン層からなると共に該炭素がTi−C結合の状態でドープされており且つ前記炭素ドープ酸化チタン層の炭素ドープ酸化チタン層のビッカース硬度が300以上であることを特徴とする真空部品にある。
【0008】
本発明の第2の態様は、前記真空部品がナイフエッジを有する真空フランジであり、前記炭素ドープ酸化チタン層は、少なくともナイフエッジを有するフランジ面に形成されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の第3の態様は、前記真空部品が真空バルブであり、稼働するバルブ本体と、バルブ本体と当接して真空を保持する受け部材との表面に、前記炭素ドープ酸化チタン層が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の真空材料を用いて作製した真空部品によれば、従来よりも多数回の繰り返し使用が可能な真空フランジや、高い摺動特性を持つ真空稼動機構を持つ真空バルブなど真空稼動部品を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の真空部品は、少なくとも表面層がチタン、チタン合金、チタン合金酸化物又は酸化チタンからなる基体の表面を、例えば、炭化水素を主成分とするガスの燃焼炎を用いて高温で加熱処理することにより製造することができ、表面が炭素ドープ酸化チタン層からなると共に該炭素がTi−C結合の状態でドープされており且つ前記炭素ドープ酸化チタン層の炭素ドープ酸化チタン層のビッカース硬度が300以上のものである。
【0012】
本発明の真空部品は、表面に所定の炭素ドープ酸化チタン層を有するので、高硬度,高いすべり特性,低いガス放出特性という、超高真空下で使用される部品にとって有効な特性を併せ持ち、従来よりも高い耐久性を有するものとなる。
【0013】
ここで、少なくとも表面層がチタン、チタン合金、チタン合金酸化物又は酸化チタンからなる基体は、その基体の全体がチタン、チタン合金、チタン合金酸化物又は酸化チタンの何れかで構成されていても、或いは表面部形成層と心材とで構成されていてそれらの材質が異なっていてもよい。また、その心材の材質は本発明の製造方法における加熱処理の際に燃焼したり、溶融したり、変形したりするものでなければ、特に制限されることはない。例えば、心材として鉄、鉄合金、非鉄合金、セラミックス、その他の陶磁器、高温耐熱性ガラス等を用いることができる。このような薄膜状の表面層と心材とで構成されている基体としては、例えば、心材の表面にチタン、チタン合金、チタン合金酸化物又は酸化チタンからなる皮膜をスパッタリング、蒸着、溶射等の方法で形成したもの、あるいは、市販の酸化チタンゾルをスプレーコーティング、スピンコーティングやディッピングにより心材の表面上に付与して皮膜を形成したもの等を挙げることができる。
【0014】
また、本発明においては、チタン合金として公知の種々のチタン合金を用いることができ、特に制限されることはない。例えば、Ti−6Al−4V、Ti−6Al−6V−2Sn、Ti−6Al−2Sn−4Zr−6Mo、Ti−10V−2Fe−3Al、Ti−7Al−4Mo、Ti−5Al−2.5Sn、Ti−6Al−5Zr−0.5Mo−0.2Si、Ti−5.5Al−3.5Sn−3Zr−0.3Mo−1Nb−0.3Si、Ti−8Al−1Mo−1V、Ti−6Al−2Sn−4Zr−2Mo、Ti−5Al−2Sn−2Zr−4Mo−4Cr、Ti−11.5Mo−6Zr−4.5Sn、Ti−15V−3Cr−3Al−3Sn、Ti−15Mo−5Zr−3Al、Ti−15Mo−5Zr、Ti−13V−11Cr−3Al等を用いることができる。
【0015】
以下、本発明の真空部品の製造方法を説明しながら、さらに詳細に説明する。
【0016】
本発明の真空部品を製造する場合においては、表面層がチタン、チタン合金、チタン合金酸化物又は酸化チタンからなる基体の表面に炭化水素を主成分とするガスの燃焼炎を直接当てて高温で加熱処理するか、そのような基体の表面を炭化水素を主成分とするガスの燃焼ガス雰囲気中で高温で加熱処理するか、又はそのような基体の表面を炭化水素を主成分とするガス雰囲気中で高温で加熱処理して炭素ドープ酸化チタン層を形成するのであるが、この加熱処理は例えば炉内で実施することができる。燃焼炎を直接当てて高温で加熱処理する場合には、上記のような燃料ガスを炉内で燃焼させ、その燃焼炎を該基体の表面に当てればよい。燃焼ガス雰囲気中で高温で加熱処理する場合には、上記のような燃料ガスを炉内で燃焼させ、その高温の燃焼ガス雰囲気を利用する。又、炭化水素を主成分とするガス雰囲気中で高温で加熱処理する場合には、炉内に上記のような雰囲気ガスを入れ、炉の外部より加熱して炉内の雰囲気ガスを高温にすればよく、この場合には炭化水素を主成分とする高温ガスが基体の表面と接触する部分で反応し、炭素のドーピングが生じる。
【0017】
なお、本発明の真空部品の製造方法において、加熱処理する基体の表面層がチタン又はチタン合金である場合には、該チタン又はチタン合金を酸化する酸素が必要であり、その分だけ空気又は酸素を含んでいる必要がある。
【0018】
また、加熱処理して炭素ドープ酸化チタン層を形成した表面は、必要に応じて研磨して真空部材としてもよい。
【0019】
ここで、真空部材として、真空フランジや真空バルブなどを例示できるが、勿論、これに限定されるものではない。
【0020】
真空フランジの一例の模式図を図1に示す。図1に示すように、この超高真空用シール構造は、相対向する一対の真空フランジ10、20と、ガスケット30とからなるものである。真空フランジ10、20は、ガスケット30に対向する領域にそれぞれナイフエッジ11、21を具備し、両者はボルト孔12、22を介してボルトで締結されるようになっている。
【0021】
本発明の真空部材としての真空フランジ10、20は、少なくともガスケット側表面チタン又はチタン合金製となり、少なくともナイフエッジ11、21の領域に炭素ドープ酸化チタン層を具備するものであり、真空環境下でも高い摺動特性を有すると共にガス放出特性に優れ、チタン又はチタン合金と比較しても繰り返し使用可能回数が向上したものである。
【0022】
すなわち、このような超高真空用の真空フランジを有する真空シール構造では、ナイフエッジ11、21を有する真空フランジ10、20に銅製のガスケット30を挟み、これを締め付けることで真空封止する。このフランジのナイフエッジ11、21は、銅製のガスケット30の着脱により劣化してしまうが、真空装置使用の要請から数十回以上の多数回の銅製のガスケット30の着脱に対する耐久性が求められるが、少なくともナイフエッジ11、21に炭素ドープ酸化チタン層を設けることにより、チタン材料と比較してより多数回の繰り返し使用が可能となる。
【0023】
ここで、少なくともナイフエッジ11、21の領域に炭素ドープ酸化チタン層を有するとは、ナイフエッジ及びその周縁領域のみに炭素ドープ酸化チタン層を形成されていても、ガスケット30側の内面全体に炭素ドープ酸化チタン層が形成されていても、真空フランジ10、20の外周面全体に炭素ドープ酸化チタン層が形成されていてもよいことを意味し、炭素ドープ酸化チタン層を設ける範囲は特に限定されるものではない。
【0024】
図2には、真空バルブの一例を示す。真空バルブは、真空装置の開閉を切り替えるためのバルブであり、例えば、真空装置内部に連通する第1の流路41と、例えば、大気に連通する第2の流路42とを具備するハウジング40と、ハウジング40の内部に稼働可能に設けられて第1の流路41を開閉するためのバルブ50とを具備する。また、バルブ50は、第1の流路41の周縁部であるバルブ当接部43に当接又は離間して保持されるバルブ本体51と、バルブ本体51に一端部が連結されて他端部がハウジング外まで延びる軸52と、軸52の他端部に設けられたハンドル部53と、バルブ本体51をバルブ当接部43に向かって付勢する付勢手段54とを具備する。
【0025】
本発明に係る真空部材としての真空バルブは、バルブ本体51の少なくともバルブ当接部43との当接部及び/又はハウジング40の少なくともバルブ当接部43に炭素ドープ酸化チタン層を設けたものである。ここで、少なくともバルブ当接部43との当接部の領域に炭素ドープ酸化チタン層を有するとは、当接部及び周縁領域のみに炭素ドープ酸化チタン層を形成されていても、バルブ当接部43に対向する面全体に炭素ドープ酸化チタン層が形成されていても、バルブ本体51の外周面全体に炭素ドープ酸化チタン層が形成されていてもよいことを意味し、炭素ドープ酸化チタン層を設ける範囲は特に限定されるものではない。また、少なくともバルブ当接部43の領域に炭素ドープ酸化チタン層を有するとは、バルブ当接部43及びその周縁部のみに炭素ドープ酸化チタン層を形成されていても、バルブ当接部43を含むハウジング40の内面全体に炭素ドープ酸化チタン層が形成されていても、ハウジング40の全体に炭素ドープ酸化チタン層が形成されていてもよいことを意味し、炭素ドープ酸化チタン層を設ける範囲は特に限定されるものではない。
【0026】
なお、真空フランジや真空バルブには種々の構造のものが知られているが、本発明の真空部材は、何れの構造のものにも適用できることはいうまでもない。
【実施例】
【0027】
(実施例1)
チタン製フランジを、エタノール中で超音波洗浄10分間、純水(Milli−Qにて製造した超純水)中で超音波洗浄10分間という順に前処理した後、アセチレン・空気燃焼火炎により750℃で20分処理し、炭素ドープ酸化チタン層を表面に形成した。このときのガス流量は、アセチレン5.0L/min、空気25.0L/minとした。その後、表面をエアロラップ研磨機(#3000研磨材)を用いて5分間研磨し、超高真空用フランジとした。
【0028】
(試験例1)
実施例1の超高真空用フランジの耐久性について、以下のように調べた。
【0029】
図1に示すような超高真空用の検査用真空シール構造の真空フランジ10として実施例1の真空フランジを用い、一方、真空フランジ20としては、ステンレス鋼フランジを用い、これらの真空フランジに銅ガスケットを挟んで真空封止部を形成し、ナイフエッジ部の耐久性について、ヘリウムリークディテクターを用いて真空リークの発生の有無により調べた。
【0030】
表1に実施例1の真空フランジと、比較としてJIS2種チタン製の真空フランジについて、銅ガスケットの着脱を40回まで繰り返した場合の真空リークの発生の有無の結果を示す。なお、リークの有無はヘリウムリークディテクターの検出限界であるリークレート1×10−11Pam/sで真空リークが検知されなかったものを○(合格)、リークが発生した場合を×(不合格)とした。
【0031】
実施例1の炭素ドープ酸化チタン層を有する真空フランジは実施した40回目までの試験で真空リークは発生しなかった。また、試験40回後の真空封止のためのナイフエッジ部は傷や癖などが観察されなかった。以上のことから、炭素ドープ酸化チタン層を有するチタン製真空フランジは、超高真空用の真空フランジに適用できることがわかった。
【0032】
(試験例2)
実施例1と同様に処理した炭素ドープ酸化チタン層を有する板(以下、炭素ドープ酸化チタン板という)について、真空中での摺動特性を以下のように調べた。
【0033】
比較として、既存の真空材料であるステンレス鋼及びチタン材料の平板材料を用い、上述した炭素ドープ酸化チタン板を同程度の表面粗さとなるように平滑化処理を施した。次に、真空デシケーター中で、これら材料に対して針状のステンレス鋼材料を多数回擦り合わせるスクラッチ試験により摺動特性を調べた。ここで、摺動による劣化具合は、多数回摺動させた対象物を実体顕微鏡観察することで行った。なお、試験時の針状のステンレス鋼は摺動特性を調べることから、その先端を機械加工により若干丸みを持たせたものを用いた。
【0034】
摺動特性の実験結果を表1に示す。ここで、スクラッチ試験により傷が認められなかったものを○、わずかに傷が認められたものを△、そして明らかに傷がみとめられたものを×とした。ステンレス鋼とチタン材料では、5回目までは合格であったが、10回目では若干の擦傷が、20回目以降は明らかな擦傷が認められた。これに対し、炭素ドープチタンでは、60回目まで合格で、その後100回目のところでわずかな擦傷が認められるに過ぎなかった。以上より炭素ドープ酸化チタンは、真空中において優れた摺動特性を持つことがわかった。
【0035】
【表1】

【0036】
(試験例3)
実施例1の真空部材の真空特性を以下の通り測定し、比較対象と比較した。真空特性は、図3に示すような放出ガス分析装置を用い、真空部材の表面から放出されるガス量により決定した。
【0037】
図3に示す装置は、サンプルチューブ101中に導入された試料が加熱ヒータ102で昇温された際に放出されるガス量とそのガス種を分析できる昇温脱離ガス分析装置である。なお、比較対象としたのは、超高真空仕様の処理である化学研磨処理したステンレス鋼(文献:真空,Vol. 41, pp. 96-99 (1998))と、通常高真空装置に多用されている機械研磨処理したステンレス鋼である。
【0038】
測定は同一の真空排気と初期化ベーキングを施した後に、相対湿度50%±0.5で大気曝露を30mim行った後に、再度真空排気し、真空ベーキングを施さない条件で、昇温速度12℃/minで200℃まで昇温させて、試料表面から放出されるガス量を調べた。
【0039】
図4に実施例1と同様に処理した炭素トープ酸化チタン処理品(A)、比較品である超高真空用処理が施されたステンレス鋼(B)、及び機械研磨が施されたステンレス鋼(C)の室温から200℃までの放出ガス量の比較を示す。真空ベーキングを施さない条件下では、炭素トープ酸化チタン処理品の放出ガス量は超高真空仕様の処理である化学研磨されたステンレス鋼と同等で、高真空装置に多用されている機械研磨処理したステンレス鋼よりも1桁程度少なくなっていることがわかる。また、真空ベーキングを施した場合の炭素ドープ酸化チタン処理品の放出ガス量は化学研磨処理したステンレス鋼の約1/2の低い値を示す。化学研磨されたステンレス鋼では、そのガス放出率が真空ベーキングを施さない場合で10−8Pams−1台以下で真空ベーキング後では10−10Pams−1と非常に低くできることが知られている。したがって、炭素ドープ酸化チタン処理品は高い摺動特性と低いガス放出特性を持つ、超高真空にまで適用できる真空部材として最適であることがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の真空部材は、真空封止の役割を果たす真空フランジや真空中で使用される真空バルブ、ベアリング、ロードロック機構などの真空中の稼動機構を有する真空稼働部品などの他、真空中での高度な摺動特性、耐久性やガス放出特性が要求される真空部材に好適に適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の真空部材に係る真空フランジの一例を示す図である。
【図2】本発明の真空部材に係る真空バルブの一例を示す図である。
【図3】本発明の試験例3で用いた昇温脱離ガス分析装置の概略を示す図である。
【図4】本発明の試験例3の結果を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
10、20 真空フランジ
11、21 ナイフエッジ
40 ハウジング
43 バルブ当接部
50 バルブ
51 バルブ本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空中の稼働部に用いられる真空部品であって、少なくとも表面層が炭素ドープ酸化チタン層からなると共に該炭素がTi−C結合の状態でドープされており且つ前記炭素ドープ酸化チタン層の炭素ドープ酸化チタン層のビッカース硬度が300以上であることを特徴とする真空部品。
【請求項2】
前記真空部品がナイフエッジを有する真空フランジであり、前記炭素ドープ酸化チタン層は、少なくともナイフエッジを有するフランジ面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の真空部品。
【請求項3】
前記真空部品が真空バルブであり、稼働するバルブ本体と、バルブ本体と当接して真空を保持する受け部材との表面に、前記炭素ドープ酸化チタン層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の真空部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−133531(P2010−133531A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−311862(P2008−311862)
【出願日】平成20年12月8日(2008.12.8)
【出願人】(000173809)財団法人電力中央研究所 (1,040)
【出願人】(304020177)国立大学法人山口大学 (579)
【Fターム(参考)】