説明

眼の後部へのドラッグデリバリー

シクロデキストリン誘導体を含有する組成物の局所投与により、薬物または治療上活性な薬剤を眼の後部へ送達する方法を開示する。また、その方法に関連する組成物も開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬組成物に関する。具体的には、本発明はプレドニゾロンおよびそのプロドラッグを含有する組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
プレドニゾロンは強力なコルチコステロイドであり、多くの医学的状態の処置に有効である。脂質バリアを介する薬物の通過が必要な特定の適応症については、脂質親和性を増大させたプロドラッグがしばしば処方してバイオアベイラビリティーを改善する。但し、このことは、水溶性の液体製剤には厄介なことである。例えば、酢酸プレドニゾロンは現在液体の剤形で使用することができないが、懸濁液として使用することができる。残念なことに、眼科用製剤の場合には特に、懸濁剤中での化合物の使用はプレドニゾロンのバイオアベイラビリティーの障害であると考えられており、脂質親和性のプロドラッグの使用に伴う恩恵が減少する。したがって、完全に溶解した脂質親和性のプレドニゾロンプロドラッグの水性組成物を調製することは当分野に非常に寄与するものである。
【化1】

【0003】
シクロデキストリンは、6、7または8個のグルコピラノース単位を含む環状のオリゴ糖であり、それぞれα−シクロデキストリン(構造を以下に示す)、β−シクロデキストリンまたはγ−シクロデキストリンと称され、しばしば医薬製剤に用いられる。
【化2】

シクロデキストリンは、外側が親水性で水に可溶性であり、内側は疎水性で空洞を形成している。水性の環境においては、分子の疎水性部分がしばしばシクロデキストリンの疎水性の空洞に入り、インクルージョン化合物を形成する。インクルージョン化合物はしばしばシクロデキストリンと疎水性分子との間に形成されるが、シクロデキストリンは、疎水性の空洞のうち側にない分子とも、別のタイプの非結合的相互作用をすることも可能である。シクロデキストリンは、欠くグルコピラノース単位ににつき3個のフリーの水酸基、即ちα−シクロデキストリンでは18個、β−シクロデキストリンと称では21個、γ−シクロデキストリンでは24個の水酸基を有する。これらの水酸基の1個またはそれ以上が任意の数の試薬と反応し、様々なシクロデキストリン誘導体を形成し得る。シクロデキストリンの一般的な誘導体には、ヒドロキシプロピルエーテル類、スルホン酸類およびスルホアルキルエーテル類がある。
【0004】
医薬製剤では、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体はしばしば薬物の溶解度を改善するために用いられる。インクルージョン化合物は、溶解度の増大の多くに関与しているが、シクロデキストリンと不溶性の化合物との間の他の相互作用もまた溶解度を改善し得る。言及するように、医薬組成物におけるシクロデキストリンの使用は当分野において周知である。例えば、米国特許第6,407,079号はβ−シクロデキストリン誘導体を使用して薬物の溶解度を改善するインクルージョン化合物を形成することを教示している。
【0005】
米国特許第5,472,954号および欧州特許第579435号は「シクロデキストリン−薬物複合体の調製において、薬物に対するシクロデキストリン誘導体の可溶化および安定化作用を増大させるための手段として、ある特定のポリマーを使用すること」を教示しており、この点において「約0.001%〜約5%」の該ポリマーが有用であると具体的に記載している。さらにこの特許は、薬物を添加する前にポリマーとシクロデキストリンを共に溶解させること、およびポリマー、シクロデキストリンおよび薬物を共に加熱することを必要とする。この'954特許はまた、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルシクロデキストリンを使用してヒドロコルチソンを可溶化することを開示している。
【0006】
眼科用製剤におけるシクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体の使用もまた知られている。例えば、EP046682 A2は、眼科用組成物においてシクロデキストリンをプロスタグランジンと共に使用して高眼圧症を処置することを教示している。
【0007】
医薬および他の応用のためのシクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体の選択において、β−シクロデキストリンとその誘導体は、他のシクロデキストリンよりも好ましいと考えられる。例えば、EP0794783 B1によれば「β−シクロデキストリンはその空洞サイズのために特に興味深いものであるとされてきた」とある。
【0008】
上記の文献および本明細書において引用される他の文献を引用しても、これら文献のいずれかが先行技術を構成するかについて認めている出願はない。むしろ、何が先行技術を構成するかの決定は、これら文献が公衆に利用可能となった日付、その文献の著者または発明者、およびその開示されている内容の有効な出願日に基づいてなされる法的な判断である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
(発明の簡単な記載)
シクロデキストリンおよび治療上活性な薬剤、またはその製薬的に許容し得る塩もしくはプロドラッグを含有する組成物を、必要とする哺乳類の眼に局所投与することを含んでなる方法であって、該方法は、該治療上活性な薬剤の眼の後部への送達を改善するのに有効な方法。
【0010】
別の態様は、以下を含んでなる医薬品を包含する:
治療上活性な薬剤またはその塩もしくはプロドラッグおよびシクロデキストリンを含有する溶液(該溶液は眼科的に許容し得るpHである)、
該プロドラッグによる処置が必要な哺乳類の眼に該溶液を点眼するのに適した容器;および
該医薬品が眼の後部を冒している疾患または状態の処置に有用であることを表示した包装。
【0011】
さらに、眼の後部を冒している疾患または状態の処置のための医薬の製造における、治療上活性な薬剤およびシクロデキストリンの組み合わせの使用を開示する。
【0012】
さらに、治療上活性な薬剤およびシクロデキストリンを含有する組成物であって、該治療上活性な薬剤は眼の後部を冒している疾患または状態の処置または予防を
企図するものであり、該組成物は局所的な眼内投与に適している、組成物を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(発明の詳細な記載)
我々は、治療上活性な薬剤の眼の後部への送達の改善に、意外にもシクロデキストリンが有効であることを発見した。これは、治療上活性な薬剤またはその製薬的に許容し得る塩もしくはプロドラッグと、シクロデキストリンとを含有する組成物を局所的に投与することによって達成される。
【0014】
本明細書に開示する方法および製品に用いられる組成物は、治療上活性な薬剤またはその製薬的許容し得る塩もしくはプロドラッグと、シクロデキストリンとを含有する。
【0015】
これらの組成物および方法は、「それを必要する」哺乳類に対して実施される。言い換えれば、これらの組成物および方法を、眼の後部を冒している疾患または状態に罹患している、または罹患する危険性のある哺乳類に対して実施する。
【0016】
治療上活性な薬剤は哺乳類に悪影響を及ぼす状態または疾患を処置または予防するのに有用な化合物である。言い換えれば、この状態または疾患はその哺乳類において望ましくない影響に伴うものである。限定を意図するものではないが、治療上活性な薬剤の例としては、レチノイド、プロスタグランジン、チロシンキナーゼ阻害剤、アデノレセプターアドニストまたはアンタゴニスト、ドーパミン作動薬、コリン作動薬、炭酸脱水酵素阻害剤、グアニル酸シクラーゼ活性化剤、カンナビノイド、エンドセリン、アデノシン作動薬および神経保護物質:鎮痛薬/解熱薬(例えば、アスピリン、アセタミノフェン、イブプロフェン、ナプロキセンナトリウム、ブプレノルフィンハイドロクロライド、プロポキシフェンハイドロクロライド、プロポキシフェンナプシル酸塩、メペリジンハイドロクロライド、ヒドロモルフォンハイドロクロライド、モルヒネ硫酸塩、オキシコドンハイドロクロライド、コデインリン酸塩、ジヒドロコデイン酒石酸水素塩、ペンタゾシンハイドロクロライド、ヒドロコドン酒石酸水素塩、レボルファノール酒石酸塩、ジフルニサル、トロールアミンサリチル酸塩、ナルブフィンハイドロクロライド、メフェナミン酸、ブトルファノール酒石酸塩、コリンサリチル酸塩、ブタルビタール、フェニルトロクサミンクエン酸塩、ジフェンヒドラミンクエン酸塩、メトトリメプラジン、シンナメドリンハイドロクロライド、およびメプロバメート;抗生物質(例えば、ネオマイシン、ストレプトマイシン、クロロアムフェニコール、セファロスポリン、アンピシリン、ペニシリン、およびテトラサイクリン);抗鬱薬(例えば、ネオパム、オキシペルチン(pertine)、ドキセピンハイドロクロライド、アモキサピン、トラゾドンハイドロクロライド、アミトリプチリンハイドロクロライド、マプロチリンハイドロクロライド、フェネルジン硫酸塩、デシプラミンハイドロクロライド、ノルトリプチリンハイドロクロライド、トラニルシプロミン硫酸塩、フルオキセチンハイドロクロライド、ドキセピンハイドロクロライド、イミプラミンハイドロクロライド、イミプラミンパモ酸塩、ノルトリプチリン、アミトリプチリンハイドロクロライド、イソカルボキサジド、デシプラミンハイドロクロライド、トリミプラミンマレイン酸塩、およびプロトリプチリンハイドロクロライド);抗糖尿病薬(例えば、ビグアニド、ホルモン、およびスルホニル尿素誘導体);降圧剤(例えば、プロパノール、プロパフェノン、オキシプレノロール、ニフェジピン、レセルピン、トリメタファンカンシル酸塩、フェノキシベンズアミンハイドロクロライド、パーギリンハイドロクロライド、デセルピジン、ジアゾキシド、グアネチジンモノ硫酸塩、ミノキシジル、レシナミン、ナトリウムニトロプルシド、インドジャボク、アルサーオキシロン、フェントラミンメシラート、およびレセルピン);抗炎症薬(例えば、インドメタシン、ナプロキセン、イブプロフェン、ラミフェナゾン、ピロキシカム、コルチゾン、デキサメタゾン、フルアザコルト、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、およびプレドニゾン);抗新生物薬(例えば、アドリアマイシン、シクロホスファミド、アクチノマイシン、ブレオマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、マイトマイシン、メトトレキセート、フルオロウラシル、カルボプラチン、カルムスチン(BCNU)、メチル−CCNU、シスプラチン、エトポシド、インターフェロン、カンプトセシンおよびそれらの誘導体、フェネステリン、タキソールおよびそれらの誘導体、タキソテールおよびそれらの誘導体、ビンブラスチン、ビンクリスチン、タモキシフェン、エトポシド、およびピポスルファン);抗不安薬(例えば、ロラゼパム、ブスピロンハイドロクロライド、プラゼパム、クロルジアゼポキシドハイドロクロライド、オキサゼパム、クロラゼプ酸二カリウム、ジアゼパム、ヒドロキシジンパモ酸塩、ヒドロキシジンハイドロクロライド、アルプラゾラム、ドロペリドール、ハラゼパム、クロロメザノン、およびダントロレン);免疫抑制剤(例えば、シクロスポリン、アザチオプリン、ミゾリビン、およびタクロリムス);抗片頭痛薬(例えば、エルゴタミン酒石酸塩、プロパノールハイドロクロライド、イソメテプテンムケート、およびジクロラールフェナゾン);抗狭心症薬(例えば、ベータ−アドレナリン遮断薬、ニフェジピン、ジルチアゼムハイドロクロライド硝酸塩、ニトログリセリム、イソソルビド二硝酸塩、ペンタエリトリトール、テトラ硝酸塩、エリトリチルおよびテトラ硝酸塩);抗精神病薬(例えば、ハロペリドール、ロキサピンコハク酸塩、ロキサピンハイドロクロライド、チオリダジン、チオリダジンハイドロクロライド、チオチキセン、フルフェナジンハイドロクロライド、フルフェナジンデカン酸塩、フルフェナジンエナント酸塩、トリフルオペラジンハイドロクロライド、クロルプロマジンハイドロクロライド、パーフェナジン、リチウムクエン酸塩、およびプロクロルペラジン);抗躁薬(例えば、リチウム炭酸塩);抗抗不整脈薬(例えば、ブレチリウムトシラート、エスモロールハイドロクロライド、ベラパミルハイドロクロライド、アミオダロン、エンカイニドハイドロクロライド、ジゴキシン、ジギトキシン、メキシレチンハイドロクロライド、ジソピラミドリン酸塩、プロカインアミドハイドロクロライド、キニジン硫酸塩、キニジングルコン酸塩、キニジンポリガラクツロン酸塩、フレカイニドアセテート、トカイニドハイドロクロライド、およびリドカインハイドロクロライド);抗関節炎薬(例えば、フェニルブタゾン、スリンダク、ペニシラミン、サルサレート、ピロキシカム、アザチオプリン、インドメタシン、メクロフェナメイトナトリウム、金チオリンゴ酸ナトリウム、ケトプロフェン、オーラノフィン、オーロチオグルコース、およびトルメチンナトリウム);抗痛風薬(例えば、コルヒチンおよびアロプリノール);抗凝血剤(例えば、ヘパリン、ヘパリンナトリウム、およびワルファリンナトリウム);血栓溶解剤(例えば、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、およびアルトプレース(altoplase));抗線維素溶解薬(例えば、アミノカプロン酸);血液レオロジー剤(例えば、ペントキシフィリン);抗血小板物質(例えば、アスピリン、エンピリン、およびクリプチン);鎮痙剤(例えば、バルプロ酸、ジバルプロエートナトリウム、フェニトイン、フェニトインナトリウム、クロナゼパム、プリミドン、フェノバルビトール、フェノバルビトールナトリウム、カルバムアゼピン、アモバルビタールナトリウム、メトスクシミド、メタルビタール、メフォバルビタール、メフェニトイン、フェンスクシミド、パラメタジオン、エトトイン、フェナセミド、セコバルビトールナトリウム、クロラゼプ酸二カリウム、およびトリメタジオン);抗パーキンソン病薬(例えば、エトスクシミド);抗ヒスタミン薬、かゆみ止め薬(例えば、ロラダチン、ヒドロキシジンハイドロクロライド、ジフェンヒドラミンハイドロクロライド、クロロフェニラミンマレイン酸塩、ブロロフェニラミンマレイン酸塩、シプロヘプタジンハイドロクロライド、テルフェナジン、クレマスチンフマル酸塩、トリプロリジンハイドロクロライド、カルビノキサミンマレイン酸塩、ジフェニルピラリンハイドロクロライド、フェニンダミン酒石酸塩、アザタジンマレイン酸塩、トリペレナミンハイドロクロライド、デキサクロロフェニラミンマレイン酸塩、メタジラジンハイドロクロライド、およびトリムプラジン酒石酸塩);カルシウム調節に有用な薬剤(例えば、カルシトニンおよび副甲状腺ホルモン);抗菌薬(例えば、アミカシン硫酸塩、アズトレオナム、クロロアムフェニコール、クロロアムフェニコールパルミチン酸塩、クロロアムフェニコールナトリウムコハク酸塩、シプロフロキサシンハイドロクロライド、クリンダマイシンハイドロクロライド、クリンダマイシンパルミチン酸塩、クリンダマイシンリン酸塩、メトロニダゾール、メトロニダゾールハイドロクロライド、ゲンタマイシン硫酸塩、リンコマイシンハイドロクロライド、トブラマイシン硫酸塩、バンコマイシンハイドロクロライド、硫酸ポリミキシンB、コリスチメスエートナトリウム、およびクリスチン硫酸塩);抗ウイルス薬(例えば、インターフェロンガンマ、ジドブジン、アマンタジンハイドロクロライド、リバビリン、およびアシクロビル);抗菌剤(例えば、セファゾリンナトリウム、セフラジン、セファクロル、セファピリンナトリウム、セフチゾキシムナトリウム、セフォペラゾンナトリウム、セフォテタン二ナトリウム、セフトキシムアゾチル、セフォタキシムナトリウム、セファドロキシル一水和物、セフタジジム、セファレキシン、セファロチンナトリウム、セファレキシンハイドロクロライド一水和物、セファマンドールナファート、セフォキシチンナトリウム、セフォニシドナトリウム、セフォラニド、セフトリアキソンナトリウム、セフタジジム、セファドロキシル、セフラジン、セフロキシムナトリウム、アンピシリン、アモキシシリン、ペニシリンGベンザチン、シクラシリン、アンピシリンナトリウム、ペニシリンGカリウム、ペニシリンVカリウム、ピペラシリンナトリウム、オキサシリンナトリウム、バカンピシリンハイドロクロライド、クロキサシリンナトリウム、チカルシリン二ナトリウム、アズロシリンナトリウム、カルベニシリンインダンylナトリウム、ペニシリンGカリウム、ペニシリンGプロカイン、メチシリンナトリウム、ナフシリンナトリウム、エリスロマイシンエチルコハク酸塩、エリスロマイシン、エリスロマイシンエストレート、ラクトビオン酸エリスロマイシン、エリスロマイシンシエアレート、エリスロマイシンエチルコハク酸塩、テトラサイクリンハイドロクロライド、ドキシサイクリンハイクレート、およびミノサイクリンハイドロクロライド);抗感染薬(例えば、GM−CSF);気管支拡張薬(例えば、エピネフリンハイドロクロライド、メタプロテレノール硫酸塩、テルブタリン硫酸塩、イソエタリン、イソエタリンメシラート、イソエタリンハイドロクロライド、アルブテロール硫酸塩、アルブテロール、ビトルテロール、メシレートイソプロテレノールハイドロクロライド、テルブタリン硫酸塩、エピネフリン酒石酸水素塩、メタプロテレノール硫酸塩、エピネフリン、エピネフリン酒石酸水素塩)、抗コリン薬、アミノフィリン、ダイフィリン、メタプロテレノール硫酸塩、アミノフィリン、肥満細胞安定化剤、フルリソリドベクロメタゾンジプロピオン酸塩、ベクロメタゾンジプロピオン酸塩一水和物、サルブタモール、ベクロメタゾンジプロピオン酸塩、イプラトロピウムブロミド、ブデソニド、ケトチフェン、サルメテロール、キシナホ酸、テルブタリン硫酸塩、トリアムシノロン、テオフィリン、ネドクロミナトリウム、メタプロテレノール硫酸塩、アルブテロール、およびフルニソリド);ホルモン(例えば、ダナゾール、テストステロンシピオネート、フルオキシムエステルロン、エチルトストステロン、テストステロンエナニヘート(enanihate)、メチルテストステロン、フルオキシムエステロン、テストステロンシピオネート、エストラジオール、エストロピペート、エストロゲンコンジュゲート、メトキシプロゲステロンアセテート、ノルエチンドロンアセテート、トリアムシノロン、ベタメタゾン、ベタメタゾンナトリウムリン酸塩、デキサメタゾン、デキサメタゾンナトリウムリン酸塩、デキサメタゾンアセテート、プレドニゾン、メチルプレドニゾロンアセテート懸濁液、トリアムシノロンアセトニド、メチルプレドニゾロン、プレニゾロンリン酸ナトリウムメチルプレドニゾロンナトリウムコハク酸塩、ヒドロコルチゾンナトリウムコハク酸塩、メチルプレドニゾロンナトリウムコハク酸塩、トリアムシノロンヘキサカトニド、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンシピオネート、プレドニゾロン、フルオロコルチゾンアセテート、パラメタゾンアセテート、プレドニゾロンテブレート、プレドニゾロンアセテート、プレニゾロンリン酸ナトリウム、ヒドロコルチゾンナトリウムコハク酸塩、および甲状腺ホルモン);血糖降下薬(例えば、ヒトインスリン、精製ウシインスリ
ン、精製ブタインスリン、グリブリド、クロルプロパミド、グリピザイド、トルブタミド、およびトラザミド);脂質低下薬(例えば、クロフィブレート、デキストロチロキシンナトリウム、プロブコール、ロバスタチン、およびナイアシン);および赤血球生成刺激に有用な薬剤(例えば、エリスロポエチン)
が挙げられる。一態様では、治療上活性な薬剤は水に不溶性であり、これは室温での水におけるその溶解度が0.1未満であることを意味する。別の態様では、治療上活性な薬剤は水に可溶性であり、これは室温での水における溶解度が0.1%以上であることを意味する。
【0017】
以下のタイプの治療上活性な薬剤は、眼の後部に影響を及ぼす疾患の処置において特に興味深い:レチノイド、プロスタグランジン、α−2−アドレナリン作動薬、βアドレナリン受容体アンタゴニスト、ドーパミン作動薬、コリン作動薬、チロシンキナーゼインヒビター、抗炎症薬、コルチコステロイド、NMDAアンタゴニスト、抗癌剤および抗ヒスタミン薬。
【0018】
眼の後部に影響を及ぼす疾患を処置するのに有用なさらなる治療上活性な薬剤はメマンチンである。
【0019】
本明細書に開示する「シクロデキストリン」なる用語は、天然のシクロデキストリン並びにアルキル化およびヒドロキシアルキル化された誘導体および分岐したシクロデキストリンを含むそれらの誘導体を包含するものと幅広く解釈される。ここで、薬物との複合体に有用であるとこれまでに開示されたシクロデキストリンおよびそれらの誘導体は特に興味深い。α−、β−およびγ−シクロデキストリンに加えて、エーテルおよび混合エーテル誘導体および糖残基を有する誘導体はとりわけ興味深い。ここで特に有用なものは、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル(2−および3−ヒドロキシプロピルを含む)、およびジヒドロキシプロピルエーテル、それらの対応する混合エーテルおよびメチルまたはエチル基とのさらなる混合エーテル(α−、β−およびγ−シクロデキストリンのメチル−ヒドロキシエチル、エチル−ヒドロキシエチルおよびエチル−ヒドロキシプロピルエーテル等)である。ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンおよびβ−シクロデキストリンへのプロピレンオキシド付加によるその調製、およびヒドロキシエチル−β−シクロデキストリンおよびβ−シクロデキストリンへのエチレンオキシド付加によるその調製は、20年以上も前にGerameraら(米国特許第3,459,731号、1969年8月発行)の特許に記載された。その他の有用なシクロデキストリン誘導体は、1またはそれ以上の糖残基(例えば、グルコシルまたはジグルコシル、マルトシルまたはジマルトシル)を含んでいてもよいβ−およびγ−シクロデキストリンのマルトシル、グルコシルおよびマルトトリオシル誘導体、並びにそれらの種々の混合物(例えば、マルトシルおよびジマルトシル誘導体の混合物)である。他の有用なシクロデキストリン誘導体は、アニオン官能基(例えばスルホブチルエーテル誘導体、スルホネート、ホスホネート等)を含んでなる。本発明において用いられるシクロデキストリン誘導体の具体例としては、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、およびそれらの混合物(マルトシル−β−シクロデキストリン/ジマルトシル−β−シクロデキストリン等)が挙げられる。そのようなシクロデキストリンを製造する方法は、例えば、本明細書の一部を構成するBodor、米国特許第5,024,998号(1991年6月18日)から周知である。
【0020】
ある特定の状況では、シクロデキストリン誘導体をしようすることが望ましいかもしれない。「シクロデキストリン誘導体」なる語は、当分野において一般に理解されている幅広い意味を有し、α−、β−またはγ−シクロデキストリンのフリーの水酸基の1個またはそれ以上が任意の他の基で置換されている化合物または化合物の混合物を意味する。「水溶性の」シクロデキストリン誘導体は、少なくとも300mg/mLの濃度で水に可溶である。本明細書に開示する組成物に用いられるシクロデキストリン誘導体は様々である。α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリンおよびγ−シクロデキストリンの誘導体を用いることができる。ある特定の組成物では、カルシウムスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン、ナトリウムスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン、およびヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン等のβ−シクロデキストリン誘導体を用いることができる。あるいは、カルシウムスルホブチルエーテル−γ−シクロデキストリン、ナトリウムスルホブチルエーテル−γ−シクロデキストリン、およびヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン等のγ−シクロデキストリン誘導体を用いることができる。本明細書において具体的に意図されるものとしては、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンまたはヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン等のシクロデキストリンのヒドロキシプロピル誘導体がある。
【0021】
本明細書に開示する組成物および方法に用いられるシクロデキストリンの濃度は、生理化学的特性、薬物動態学的特性、副作用または有害事象、処方上考慮する点、または治療上活性な薬剤またはその塩もしくはプロドラッグに関連するその他の因子に応じて変更することができる。組成物中の他の添加剤の特性もまた重要であるかもしれない。このように、本明細書に開示する組成物および方法にしたがって用いられるシクロデキストリンの濃度または量は変更することができる。ある特定の組成物では、シクロデキストリンの濃度は10〜25%である。他の態様では、シクロデキストリンの濃度は10%を超える。ある特定の液体組成物では、シクロデキストリンの濃度は約10%より高く40%より低い。他の組成物では、シクロデキストリンの濃度は約1%〜約30%である。他の組成物では、シクロデキストリン濃度は約10%〜約30%である。他の組成物では、シクロデキストリンの濃度は20%〜25%である。他の組成物では、シクロデキストリンの濃度は約10%である。他の組成物では、シクロデキストリンの濃度は、約15%である。他の組成物では、シクロデキストリンの濃度は、約25%である。他の組成物では、シクロデキストリンの濃度は、約30%である。
【0022】
1つの組成物は、5%〜35%のヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンまたはヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリンを含有する。
【0023】
「製薬的の許容し得る塩」は、親化合物の活性を保持し、それが投与される対象に対して、そしてそれを投与することにおいて、親化合物と比較して何らかの有害な作用をさらにもたらすことのない任意の塩である。
【0024】
酸性官能基の製薬的に許容し得る塩は、有機または無機の塩基から誘導することができる。その塩は一価または多価のイオンであってよい。特に興味深いものは、無機イオン、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウムである。有機の塩は、アミンと共に製することができる(具体的には、モノ−、ジ−およびトリ−アミンまたはエタノールアミン等のアンモニウム塩)。塩はまた、カフェイン、トロメタミンおよび同様の分子と共に形成させてもよい。塩酸または他のいくつかの製薬的に許容し得る酸は、アミンまたはピリジン環等の塩基性の基を含む化合物と塩を形成することができる。
【0025】
「プロドラッグ」は、投与後に治療上活性な化合物に変換される化合物であり、この用語は、本明細書において、当分野において一般に理解されている範囲として解釈される。本発明の範囲の限定を意図するものではないが、エステル基または他のいくつかの生物学的に不安定な基の加水分解により変換を行うことができる。一般に、必須ではないが、プロドラッグは、それが変換されるところの治療上活性な化合物よりも不活性であるかまたは活性が低い。
【0026】
「水に不溶性の」プロドラッグは、水性の液体組成物において治療上有効な濃度で溶解しないプロドラッグである。「非イオン性の」プレドニゾロンプロドラッグは、リン酸、硫酸または炭酸等のイオン性の基を有しないプロドラッグである。本明細書に開示する組成物に有用なプロドラッグの一例は酢酸プレドニゾロンであり、以下に示す構造を有する。
【化3】

【0027】
プレドニゾロンまたはそのプロドラッグの治療上有効な濃度の決定は当業者の能力の範囲内である。「有効な濃度」の意味は広く解釈され、広く、処置する状態、化合物を投与する哺乳類、投与の方法、処方上考慮すべき点、製造上考慮すべき点、その化合物を投与する人および投与される人の好みおよび利便性によって変わる。ある組成物は約0.5%の酢酸プレドニゾロンを含有する。別の組成物は0.5%を超える酢酸プレドニゾロンを含有する。別の組成物は約0.4%の酢酸プレドニゾロンを含有する。別の組成物は0.1%〜1.5%の酢酸プレドニゾロンを含有する。別の組成物は0.2%〜0.7%の酢酸プレドニゾロンを含有する。別の組成物は約0.6%の酢酸プレドニゾロンを含有する。別の組成物は約1%の酢酸プレドニゾロンを含有する。別の組成物は約1.2%の酢酸プレドニゾロンを含有する。
【0028】
治療上活性な薬剤の眼の後部への送達に関連して、「眼の後部」なる語は、硝子体および眼球血管膜、網膜、斑(macula)、窩(fovia)、脈絡膜、視神経、網膜色素上皮等の硝子体に対して後部にあるものを含む、任意の眼の構造または構造の組み合わせを意味する。他の態様のいずれかに関連する本明細書に開示した任意の組成物は、本方法に用いることができる。一態様では、酢酸プレドニゾロンおよびヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンを含有する溶液を投与する。別の態様では、酢酸プレドニゾロンおよびヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリンを含んでなる溶液を投与する。
【0029】
特定の組成物は、水溶性のポリマーを含んでなる。決して本発明の範囲の限定を意図するものではないが、カルボキシメチルセルロースやヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体は、本明細書に開示したある特定の組成物のための有用な水溶性ポリマーである。ある組成物は、1%未満のヒドロキシプロピルメチルセルロールを含有する。別の組成物は、1%未満の濃度のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する。別の組成物は、0%〜1%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する。別の組成物は、0.05%〜0.4%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する。別の態様は、0.12%〜0.3%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する。別の態様は、0.1%〜0.25%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する。別の態様は、0%〜0.15%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する。
【0030】
本発明の範囲の限定を決して意図するものではないが、局所用眼科製剤はしばしば、pHを所望の範囲に維持するための有効量の緩衝剤、1またはそれ以上の等張化剤、保存剤およびキレート剤を含有する。
【0031】
緩衝剤は当業者に周知であり、有用な緩衝剤の例としては、酢酸、ホウ酸、炭酸およびリン酸緩衝剤がある。本発明の範囲の限定を決して意図するものではないが、本明細書に開示した特定の組成物は4〜8のpHを有する。他の組成物は4.5〜5.5のpHを有する。
【0032】
等張化剤は製剤を所望の張力範囲に維持するために用いる。等張化剤は、当業者には周知であり、グリシン、マンニトール、ソルビトール、塩化ナトリウムおよびその他の電解質等の例が挙げられる。
【0033】
保存剤は、複数回使用される眼科調製物における細菌汚染を防止するために用いられる。保存剤は当業者には周知であり、ポリヘキサメチレンビグアニジン(PHMB)、塩化ベンザルコニウム(BAK)、安定化されたオキシクロロ複合体(別名Purite(登録商標)として知られる)、酢酸フェニル水銀、クロロブタノール、ソルビン酸、クロルヘキシジン、ベンジルアルコール、パラベン、チメロサール、およびそれらの混合物が有用な保存剤の例であるが、これに限定されない。
【0034】
キレート化剤は、保存性を高めるために眼科用組成物においてしばしば用いられる。「キレート化剤」なる語は、当分野において一般に理解されている意味を有し、適当なキレート化剤には、エデト酸二ナトリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸ナトリウム、エデト酸ナトリウムおよびエデト酸二カリウム等のエデト酸塩が挙げられるが、これに限定されない。
【0035】
本明細書に開示する特定の組成物は、0.6%〜1.6%の酢酸プレドニゾロン、10%〜25%のヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、0%〜0.15%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、緩衝剤およびキレート化剤を含有し、該組成物は眼投与のために張力が調整され、該組成物のpHは4.5〜5.5である。
【0036】
別の組成物は約0.4%の酢酸プレドニゾロン、約10%のヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、および約0.5%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する。
【0037】
別の組成物は、0.1%〜1.5%の酢酸プレドニゾロン、5%〜35%のヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンまたはヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、および0%〜1%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する。
【0038】
ある特定の態様では、本明細書に開示する組成物は、そのような目的に滴した容器から液滴として分配される。そのような容器は、その組成物の個々の液滴として分配するために用いることができる任意の容器である。液滴のサイズは眼科的使用に従うサイズである。
【0039】
ある特定の態様では、治療上有効な薬剤は眼の前部に影響を及ぼす状態を処置するために投与されない。言い換えれば、眼の前部に影響を及ぼす状態を処置するための薬物の局所投与の結果として、薬物は眼の後部へ送達されない。そのような眼の前部の状態の例としては、眼内圧の上昇、アレルギー性結膜炎およびドライアイなどが挙げられる。一態様では、値養生活性な薬剤またはそれらの塩もしくはプロドラッグを緑内障患者における神経保護のために用いられるが、眼内圧の減少には使用されない。
【0040】
一態様では、処置される哺乳類はヒトである。
【0041】
眼の後部に影響を及ぼす疾患または状態の例としては、以下のものが挙げられるがこれに限定されない:
【0042】
黄斑症/網膜変性:非滲出性加齢黄斑変性症(ARMD)、滲出性加齢黄斑変性症(ARMD)、脈絡膜血管新生、糖尿病性網膜症、急性斑状視神経網膜症、中心性漿液性網脈絡膜症、類嚢胞黄斑浮腫、糖尿病性黄斑浮腫。
【0043】
ブドウ膜炎/網膜炎/脈絡膜炎:急性多発性小板状色素上皮症、ベーチェット病、バードショット網膜脈絡膜炎、感染症(梅毒、ライム病、結核、トキソプラズマ症)、中間部ブドウ膜炎(扁平部炎)、多発性脈絡膜炎、多発性一過性網膜白点症候群(MEWDS)、眼サルコイドーシス、後部強膜炎、蛇行性脈絡膜炎、網膜下線維症およびブドウ膜炎症候群、原田病(Vogt-Koyanagi-Harada Syndrome)。
【0044】
血管病/滲出性疾患:網膜動脈閉塞疾患、網膜中心静脈閉塞症、播種性血管内凝固障害、網膜静脈分枝閉塞症、高血圧性眼底変化、眼虚血症候群、網膜微細動脈瘤、コーツ病、傍中心窩毛細血管拡張症、半側網膜静脈閉塞症(Hemi- Retinal Vein Occlusion)、Papillo静脈炎、網膜中心動脈閉塞、網膜動脈分枝閉塞症、頸動脈疾患(CAD)、糖衣状分岐血管炎(Frosted Branch Arterial)、鎌状赤血球網膜症およびその他の異常血色素症、網膜色素線条、家族性滲出性硝子体網膜症、イ−ルズ病。
【0045】
外傷/外科手術:交感性眼炎、ブドウ膜炎性網膜疾患、網膜剥離、外傷、網膜レーザー光治療、光凝固、外科手術中の血流低下、放射線網膜症、骨髄移植網膜症。
【0046】
増殖障害:増殖性Vitreal網膜症および網膜上膜、増殖性糖尿病性網膜症。
【0047】
感染性障害(眼ヒストプラスマ症、眼トクソカリアシス、推定眼ヒストプラスマ症症候群(POHS)、眼内炎、トキソプラスマ症、HIV感染に関連する網膜疾患、HIV感染に関連する脈絡膜疾患、HIV感染に関連するブドウ膜炎性疾患、ウイルス性網膜炎、急性網膜壊死、進行性網膜外層壊死、真菌性網膜疾患、眼梅毒、眼結核、片側性瀰漫性亜急性視神経網膜炎、ハエウジ病)。
【0048】
遺伝病:網膜色素変性、網膜ジストロフィーに関連する全身性障害、先天性静止性夜盲症、錐体ジストロフィー、スタルガルト病および黄色斑眼底、ベスト病、網膜色素上皮のパターンジストロフィー、X線に関連する網膜分離、Sorsby's基底ジストロフィー、良性求心性黄斑、Bietti's crystallineジストロフィー、弾性線維性仮性黄色腫。
【0049】
網膜裂傷/円孔:網膜剥離、黄斑円孔、大きな網膜裂傷。
【0050】
腫瘍:腫瘍に関連する網膜疾患、前部および後部ぶどう膜メラノーマの先天性肥大、脈絡膜血管腫、脈絡膜骨腫、脈絡膜転移、網膜および網膜色素上皮の複合性過誤腫、網膜芽腫、眼底の血管増殖性腫瘍、網膜星状細胞腫、および眼内リンパ球腫瘍。
【0051】
その他:Punctate Inner Choroidopathy、急性後部多発性小板状色素上皮症、近視性網膜変性、急性網膜色素上皮炎等。
【0052】
本発明の実施および使用の最良の形態を以下の実施例に記載する。これらの実施例は、本発明の製法および使用方法における指針を提供するものに過ぎず、本発明の範囲の限定を意図するものでも、それら実施例に関連するものを意図するものでもない。
【実施例】
【0053】
実施例1
Table1に開示したβ−シクロデキストリン誘導体を含有する組成物を、以下の手順にしたがって製造した。パートIは、酢酸ナトリウムおよび酢酸それぞれ3.15gを、10L容の瓶内で8993.7gの純水と混合し、溶解するまで攪拌した後、適宜酢酸でpHを4.5に調整することにより調製した。パートIIは、25.00gのHPMCを、65℃の1225.0gのパートI酢酸緩衝液(10mM)にプロペラで攪拌しながらゆっくりと加えることにより調製した。溶液を一晩冷却して水和を完了した。パートIIIは、1.00gに秤量したEDTA二ナトリウムを10L瓶に入れることにより調製した。パートIIIを入れたこの10L瓶にパートII(1250g)を量り入れた。予めパートIIおよびIIIが入ったこの瓶にパートI(酢酸緩衝液、6881.01g)と保存剤(ポリヘキサメチレンビグアニジン[PHMB]、1−4mg)を量り入れ、加熱せずに溶解するまで混合した。ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(2587.99g)を、スクレーパーおよび混合デバイスを取り付けた20L容のステンレススチール製のウォータージャケットタンク(VME−20)に加え、酢酸緩衝液、HPMCおよびEDTAを含む混合溶液(パートI、IIおよびIII)をVME−20に加えた。スクレーパーを50%のスピードでスタートさせ、適宜スピードを調整しながら、成分が完全に濡れるまで混合した。静減圧(static vacuum)を適用してスクレーパーのスピードを100%に上げ、すべての材料が溶解するまで混合を継続した。次いで、減圧を解除し、スクレーパーをストップさせた。次いで、酢酸プレドニゾロン(130.00g)を加え、混合物をスクレーパーのスピード100%および溶解機のスピード20%で分散するまで混合した。スピードを適宜調整して粉末が浮遊するのを最小限に抑えた。酢酸プレドニゾロンが湿ったら、静減圧を適用し、混合物を120℃に加熱しながら混合を継続し、混合物を120℃で20分間攪拌し、混合しながら30℃まで冷却した後、混合物が30℃になった後、さらに30分間混合した。
【表1】

【0054】
上記の酢酸プレドニゾロンのバイオアベイラビリティーを、該製剤をウサギに局所的に眼内投与することにより評価した。5つの処置群の各サンプリング時間につき2羽の雌性ニュージーランド白ウサギを用い、35μLの一回用量を両目の低部の結膜嚢内に局所的に投与した。房水サンプル(100μL)を、投与後0.5、1、2および4時間に4つの眼から採取した。酢酸プレドニゾロン、プレドニゾロンおよびプレドニソンを房水サンプル(300μLメタノール:アセトニトリル、50:50v/v)から抽出し、抽出液を、液体クロマトグラフィータンデム質量分析(LC−MS/MS)により、5〜200ng/mLの量子化レンジで解析した。
【0055】
各製剤の曲線下総面積(AUC)を図1に示す。これらの結果は、意外にもβ−シクロデキストリン誘導体が房水中の薬物のバイオアベイラビリティーを増大したことを示している。ほぼすべてのケースで、β−シクロデキストリン誘導体を含有する製剤についての房水中の薬物濃度は、シクロデキストリンまたはその誘導体を含有していない対照の懸濁液と比較して高かった。スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリンの場合に1つだけ例外があった。但し、この場合は、製剤中の活性成分の濃度は対照(製剤1e)と比較して20%に過ぎないものの、房水中の濃度は対照のおよそ半分であるので、酢l−ブチルエーテル−β−CDを含有する製剤についてのバイオアベイラビリティーにおける改善は約2.5倍である。
【0056】
決して限定を意図するものではないが、これらの結果はまた、水溶性ポリマー(製剤1c)は、酢酸プレドニゾロンのバイオアベイラビリティーについて対照に対する改善には必ずしも必要でないということも示している。また、β−シクロデキストリン誘導体の場合には、ヒドロキシプロピル誘導体はスルホブチルエーテル誘導体と比較して優れていると考えられる。本発明の範囲の限定または理論に拘束されることを決して意図するものではないが、これらの結果は、本明細書に開示する組成物によって薬物のバイオアベイラビリティーの2倍を超える増大を達成し得る問うことも示している(製剤1aおよび1b)。また、本発明の範囲の限定を意図するものではないが、酢酸プレドニゾロン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースの組合せに関して、0.4%を超える酢酸プレドニゾロン濃度の増大およびヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン濃度の10%を超える増大は、最小限のさらなる利益をもたらすに過ぎない。結論として、理論によって限定されることを意図するものではないが、これらの結果は、本明細書に開示した組成物は、酢酸プレドニゾロンの房水への局所的な眼内送達において現時点での技術に対して有意の改善を示すということを明白に示している。
【0057】
実施例2
Table2に記載したγ−シクロデキストリン誘導体を含有する組成物2a−2cを実施例4の手順により調製した。比較のため、HPβCDを含有する組成物2fもまた、実施例4の手順より調製した。組成物2dおよび2eは実施例6の手順より調製した。組成物2gは市販の製剤(Pred Forte(登録商標)懸濁液、Allergan, Inc., Irvine, CA)である。記載した試薬に加え、組成物2a〜2fはEDTA0.05%、PHMB2ppmを含有し、pHは4.8であり、等張化剤として適宜NaClを用いた。対照として用いた組成物2gは、EDTA0.0127%、BAK60ppmを含有し、pHは5.3であり、等張化剤としてNaClを用いた。
【表2】

【0058】
ニュージーランド白ウサギの35μLの一回要領での眼内投与後に、製剤2a〜2fからの酢酸プレドニゾロンおよびその代謝物、プレドニゾロンおよびプレドニソンの比眼吸収率について製剤2gと比較した(Table2)。21羽の雌性のウサギの両目に一滴点眼し、投与から60分後に房水および硝子体液のサンプルを採取した(各製剤につきn=3)。房水および硝子体液サンプルから抽出した酢酸プレドニゾロン、プレドニゾロンおよびプレドニソンを、液体クロマトグラフィータンデム質量分析(LC−MS/MS)法により、5〜200ng/mLの量子化レンジで解析した。
【0059】
Table2の各組成物についてのプレドニゾロンおよび酢酸プレドニゾロン房水濃度を図2に示す。理論に束縛されることを決して意図するものではないが、シクロデキストリンを含有する組成物は、シクロデキストリンを含有しない市販の製剤と比較して、明らかに薬物が房水へより良好に送達された。
【0060】
本発明の範囲の限定を決して意図するものではなく、また理論に束縛されることを決して意図するものではないが、我々は、房水から硝子体液へのプレドニゾロンの通過が、意外にも、シクロデキストリン誘導体によって有意に増大するということを発見した。図3は、Table2の組成物についてプレドニゾロンの硝子体液中の濃度をまとめたものである。シクロデキストリン誘導体を含有する製剤(2a〜2f)は、明らかに、市販の製剤と比較して有意により多くの薬物を硝子体液に送達した。即ち、本発明の範囲の限定を決して意図するものではないが、本明細書に開示した組成物は、当分野において現在用いられている侵襲的な外科手術または注射法を必要としない、硝子体送達システムであることを示している。
【0061】
本発明の範囲の限定を決して意図するものではなく、理論に束縛されることを決して意図するものではないが、この結果は、シクロデキストリン誘導体が、房水−硝子体バリアを介する薬物の輸送において積極的な役割を有していると考えられると言う点において、特に予想し得ないものである。即ち、シクロデキストリン誘導体の役割は、薬物を単に安定化するということ以上のものであり、その結果高い濃度の薬物が標的組織へと拡散すると考えられる。この仮説は、シクロデキストリン誘導体を含有しない2gの製剤が他の製剤との比較において測定可能な濃度の薬物を房水へと送達したものの、硝子体液への薬物の送達が検出されなかったことを考えれば、データによって明白に支持されている。対照的に、シクロデキストリン誘導体を含有する製剤はいずれも、測定可能な量で薬物を硝子体へ送達した。したがって、硝子体液中濃度は、房水中濃度と結びつくとは思えないが、シクロデキストリン誘導体による薬物の送達には関連している。硝子体液中の薬物の濃度が房水中の薬物濃度によって決まらないという事実は、房水中のプレドニゾロン濃度を各組成物について硝子体液中の濃度と比較した、図4によってもサポートされる。比較しやすくするため薬物の硝子体液中濃度に65を乗じた。明かに、薬物の房水中濃度と硝子体液中濃度との間の相関関係についてデータには証拠は見つからなかった。限定を意図するものでも理論に束縛されることを意図するものではないが、シクロデキストリン誘導体は、バリアを通過する薬物の送達において積極的な役割を担っているということになる。理論に束縛されることを決して意図するものでないが、市販の製剤が、被検製剤と同じ濃度のHPMCを含有しているという事実は、本明細書に開示した組成物について見られた改善された送達にHPMCが関わっていないということを示している。理論に束縛されることを決して意図するものではないが、当業者は、これらの結果はシクロデキストリンが多くの脂溶性薬物を眼の後部へ送達するのに用いることができることを示唆するものであると認識するであろう。
【0062】
実施例3
4種類のシクロデキストリンの浸透圧を以下の手順によって純水中の濃度の関数として決定した。種々の量のシクロデキストリンを室温の水に溶解した。図5に示した結果は、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン(NaSBECD)のナトリウム塩は、試験した他のβ−シクロデキストリンと比較して有意により高い浸透圧を有することを示している。本発明の範囲の限定を決して意図するものではないが、NaSBECDの水溶液中での浸透圧は、その用途をより高い濃度に限定することができるほど十分に高いものである。
【0063】
実施例4
Table4に開示した組成物を有する水溶液を以下の手順により調製した。ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)をプロペラで混合しながら40℃の水にゆっくりと加えた。熱源を取り外し、溶液を室温に冷却しながら混合を継続した。HP−γ−シクロデキストリンおよび酢酸プレドニゾロン以外のすべて添加剤を、HPMC溶液または純水に加え、混合物を固形物がすべて完全に溶解するまで攪拌した。HP−γ−シクロデキストリン(HPγCD)を加え、混合物をHPγCDが完全に溶解するまで攪拌した。酢酸プレドニゾロンを加え、混合物を2、3分攪拌した。溶液全体を120℃にて20分間オートクレーブに付した。溶液をオートクレーブから取り出したら室温で攪拌を続けた。次いでHClおよび/またはNaOHの添加によりpHを調製し、溶液を0.45μmの酢酸セルロースメンブレンで濾過した。
【表3】

【0064】
実施例5
水溶性ポリマーの存在下でのヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン(HPγCD)中の酢酸プレドニゾロンの溶解度を調べた。結果を図6に示す。本発明の範囲の限定を決して意図するものではないが、意外にも、HPγCDは、治療上有効な濃度である0.6%を超える酢酸プレドニゾロンを溶解することが可能であることが見出された。本発明の範囲の限定を決して意図するものではないが、この結果は、ある特定の状況ではポリマーの使用が必要でないということを示している。しかしながら、限定を意図するものではないが、試験したポリマー濃度で、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)とナトリウムカルボキシメチルセルロース(NaCMC)はいずれも、酢酸プレドニゾロンの溶解度を増大させるので、これらの結果は、ポリマーの使用がある特定の状況では有益であり得ることも示している。本発明の範囲の限定を決して意図するものではないが、意外にも、これらの結果はまた、酢酸プレドニゾロンの溶解度の改善において、より良好な可溶化特性を有するHPMCが4分の1の濃度で、NaCMCと比較して優れているということも示している(図6)。
【0065】
ポリマーの使用は、適切な状況下では有益となりうるが、我々は、意外にも、酢酸プレドニゾロンの溶解度に関して最適な結果をもたらすポリマー濃度の範囲が存在することを発見した。図7は、実施例2の手順にしたがって調製した25%HPγCD製剤中の酢酸プレドニゾロンの溶解度に対するHPMCの効果を示すプロットである。本発明の範囲の限定を決して意図するものでも、理論に束縛されることを意図するものではないが、図7のデータは、予想外にも、HPMCの濃度が約0.25%であるときに酢酸プレドニゾロンの溶解度が最大になるということ、そしてHPMCの濃度をそれ以上高くするとプレドニゾロンの溶解度は実際に減少することを示している。本発明の範囲の限定を決して意図するものではないが、このように、酢酸プレドニゾロンの最適な溶解度のためには、製剤は可溶性ポリマーなしに調製するか、またはポリマーの濃度を約1%未満にすべきである。
【0066】
実施例6
我々は、意外にも、活性成分とシクロデキストリン誘導体を加熱することなく溶液を調製することができることを見出した。Table6の組成の揺曳を以下の手順にしたがって調製した。
パート1
ポリマーを、プロペラで混合しながら40℃の水に添加することによりHPMC溶液を調製した。熱源を取り外し、溶液を室温に冷却しながら混合を継続した。
パート2
最終容量の20%の水にプロペラで混合しながら必要量のHP−γ−シクロデキストリンをすべて加え、混合物をシクロデキストリンが完全に溶解するまで攪拌した。この溶液に適当量の酢酸プレドニゾロンをプロペラで混合しながら加え、固形物が完全に溶解するまで攪拌した。HPMCを含有する溶液に、適当量のパート1で得たHPMC溶液を加えた。次いで他の添加物をすべて加え、混合物を攪拌して固形物がすべて溶解させた。次いで、濃縮した溶液を希釈して最終容量とし、pHをHClおよび/またはNaClで調整し、混合物を0.45μmの酢酸セルロースメンブレンで濾過した。
【表4】

【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】式1a〜1eの組成物をウサギの眼に局所投与した後の房水中のプレドニゾロン濃度を示すプロットである。
【図2】式2a〜2gの組成物をウサギの眼に局所投与した後の房水中のプレドニゾロンおよび酢酸プレドニゾロンの濃度を示すプロットである。
【図3】式2a〜2gの組成物をウサギの眼に局所投与した後の硝子体液中のプレドニゾロン濃度を示すプロットである。
【図4】式2a〜2gの組成物をウサギの眼に局所投与した後の房水(AH)のプレドニゾロン濃度を硝子体液における濃度(比較しやすくするため値を65倍に乗じた[VH(×65)])と比較したプロットである。
【図5】水溶液中の種々の濃度のβ−シクロデキストリン(β−CD)、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン(HPCD)、スルフォブリツエーテル−β−シクロデキストリン(CaSBECD)カルシウム塩、およびスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン(NaSBECD)ナトリウム塩の溶液の張力のプロットである。
【図6】種々のヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン(HPγCD)溶液中の酢酸プレドニゾロン(親水性ポリマーありおよびなし)の溶解度のプロットである。
【図7】種々の量のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)の存在下での25%ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン溶液中の酢酸プレドニゾロンのプロットである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シクロデキストリンおよび治療上活性な薬剤、またはその製薬的に許容し得る塩もしくはプロドラッグを含有する組成物を、必要とする哺乳類の眼に局所投与することを含んでなる方法であって、該方法は、該治療上活性な薬剤の眼の後部への送達を改善するのに有効な方法。
【請求項2】
哺乳類がヒトである請求項1記載の方法。
【請求項3】
治療上活性な薬剤、またはその製薬的に許容し得る塩もしくはプロドラッグが水溶性である、請求項1記載の方法。
【請求項4】
治療上活性な薬剤、またはその製薬的に許容し得る塩もしくはプロドラッグが水に不溶性である、請求項1記載の方法。
【請求項5】
治療上活性な薬剤が眼内圧を下げるために投与するものではない請求項1記載の方法。
【請求項6】
治療上活性な薬剤がアレルギー性結膜炎を処置するために投与するものではない請求項1記載の方法。
【請求項7】
治療上活性な薬剤がドライアイを処置するために投与するものではない請求項1記載の方法。
【請求項8】
治療上活性な薬剤が眼の前部に影響を及ぼす状態を処置するために投与するものではない請求項1記載の方法。
【請求項9】
β−シクロデキストリン誘導体を含有する請求項1記載の方法。
【請求項10】
β−シクロデキストリン誘導体および水溶性ポリマーを含有する請求項1記載の方法。
【請求項11】
酢酸プレドニゾロン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースを含んでなる請求項1記載の方法。
【請求項12】
γ−シクロデキストリン誘導体を含んでなる請求項1記載の方法。
【請求項13】
酢酸プレドニゾロンを含んでなる請求項5記載の方法。
【請求項14】
前記シクロデキストリン誘導体がヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリンである請求項5記載の方法。
【請求項15】
セルロース誘導体をさらに含んでなる請求項5記載の方法。
【請求項16】
濃度1%未満のヒドロキシプロピルメチルセルロースをさらに含んでなる請求項5記載の方法。
【請求項17】
0.05%〜0.4%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含んでなる請求項5記載の方法。
【請求項18】
約0.1%〜0.25%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含んでなる請求項5記載の方法。
【請求項19】
治療上活性な薬剤またはその塩もしくはプロドラッグおよびシクロデキストリンを含んでなる溶液であって、該溶液は眼科的に許容し得るpHを有し、
該プロドラッグによる処置が必要な哺乳類の眼に該溶液を点眼するのに適した容器;および
該医薬品が眼の後部を冒している疾患または状態の処置に有用であることを表示した包装を含んでなる医薬品。
【請求項20】
治療上活性な薬剤およびシクロデキストリンを含有し、該治療上活性な薬剤は眼の後部を冒している疾患または状態の処置または予防を企図するものであり、該組成物は局所的な眼内投与に適している組成物。
【請求項21】
前記治療上活性な薬剤が眼内圧を下げることを企図するものではない、請求項19記載の組成物。
【請求項22】
眼の前部に影響を及ぼす状態を処置することを企図するものではない、請求項19記載の方法。
【請求項23】
0.1%〜2%の酢酸プレドニゾロンおよび1%〜30%のシクロデキストリンを含有する請求項20記載の組成物。
【請求項24】
β−シクロデキストリン誘導体を含有する請求項23記載の組成物。
【請求項25】
γ−シクロデキストリン誘導体を含有する請求項23記載の組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−532648(P2007−532648A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−508400(P2007−508400)
【出願日】平成17年4月11日(2005.4.11)
【国際出願番号】PCT/US2005/011960
【国際公開番号】WO2005/105067
【国際公開日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(591018268)アラーガン、インコーポレイテッド (293)
【氏名又は名称原語表記】ALLERGAN,INCORPORATED
【Fターム(参考)】