説明

眼圧降下用の治療用置換シクロペンタン類

本明細書においては、下記の式を有する化合物を開示する:
【化1】


また、上記化合物に関連する治療方法、組成物および医薬品も開示する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本出願は、2007年7月3日に出願された米国出願第60/947,904号の権利を主張する;該出願は、その全体を参考として本明細書に合体させる。
【0002】
眼圧降下剤は、術後およびレーザー線維柱帯切除術後の高眼圧症エピソード、緑内障のような多くの各種高眼圧症状の治療において、さらに、術前補助薬として有用である。
緑内障は、眼圧上昇に特徴を有する眼の疾患である。その病因に基づき、緑内障は、原発性または続発性として分類されている。例えば、成人における原発性緑内障(先天性緑内障)は、開放隅角または急性もしくは慢性閉塞隅角のいずれかであり得る。続発性緑内障は、ブドウ膜炎、眼球腫瘍または膨化白内障のような先在眼疾患に由来する。
【0003】
原発性緑内障の根底にある原因は、今のところ未知である。眼圧上昇は、房水流出の障害に基づく。慢性開放隅角緑内障においては、前眼房およびその解剖構造は正常のようであるが、房水の排出が阻害されている。急性または慢性閉塞隅角緑内障においては、前眼房が浅く、濾過胞角が狭窄し、虹彩が小柱網をシュレム管の入口で遮断し得る。瞳孔散大は、虹彩の根元を隅角の前方へ押圧し得、また、瞳孔ブロックを発生させ得、従って、急性発作が生ずる。狭前眼房角を有する目は、種々の重篤度の急性閉塞隅角緑内障発作にかかりやすい。
【0004】
続発性緑内障は、房水の後眼房から前眼房への、そして、その後のシュレム管への流れによる何らかの干渉に起因する。前眼部の炎症性疾患は、膨隆虹彩内に完全虹彩後癒着を生じることによって房水散逸を妨げ得、排出チャンネルを滲出液で閉塞し得る。他の一般的な病因は、眼球腫瘍、膨化白内障、網膜中心静脈閉塞症、眼の外傷、手術処置および眼内出血である。
全てのタイプをまとめて検討すると、緑内障は、40歳以上の全人口の約2%において発症し、急速な失明に進行する前の数年間は無症状であり得る。手術が適応でない場合においては、局所β‐アドレナリン受容体拮抗薬が、伝統的に、緑内障治療における選択薬物である。
【0005】
ある種のエイコサノイド類およびその誘導体は、緑内障の管理に使用するのに現在商業的に入手可能である。エイコサノイド類および誘導体としては、プロスタグランジン類およびその誘導体のような多くの生物学的に重要な化合物がある。プロスタグランジン類は、下記の構造式を有するプロスタン酸の誘導体として説明することができる:
【化1】

【0006】
種々のタイプのプロスタグランジンが、プロスタン酸骨格の構造およびその脂環式環上に担持された置換基に応じて知られている。さらなる分類は、包括的タイプのプロスタグランジンの後の下付き数字[例えば、プロスタグランジンE1(PGE1)、プロスタグランジンE2(PGE2)]によって示される側鎖中の不飽和結合の数、およびαまたはβ[例えば、プロスタグランジンF(PGF)]によって示される脂環式環上の置換基の構造に基づく。
【発明の概要】
【0007】
本明細書においては、下記の式を有する化合物を開示する:
【化2】

(式中、点線は、結合の存在または不存在を示し;
Yは、有機酸官能基またはそのアミドもしくはエステルであるか;或いは、Yは、ヒドロキシメチルまたはそのエーテルであるか;或いは、Yは、テトラゾリル官能基であり;
Aは、‐(CH2)6‐、シス‐CH2CH=CH‐(CH2)3‐または‐CH2C≡C‐(CH2)3‐であり、これらにおいて、1個または2個の炭素原子は、SまたはOによって置換し得;或いは、Aは、‐(CH2)m‐Ar‐(CH2)o‐であり、式中、Arはインターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンであり、mとoの和は1、2、3または4であり、1個の‐CH2‐はSまたはOによって置換し得、1個の‐CH2‐CH2‐は‐CH=CH‐または‐C≡C‐によって置換し得;
U1およびU2は、個々に、‐H、=O、‐OH、‐F、‐Clおよび‐CNから選ばれ;
Bは、アリールまたはヘテロアリールである)。
【0008】
これらの化合物は、緑内障の治療および眼圧降下において有用である。上記化合物は、投与量剤形または医薬品に取込ませ、必要とするヒトのような哺乳類に投与する。例えば、液体組成物は点眼剤として投与し得、或いは、固体または液体投与量剤形は経口投与し得る。他のタイプの投与量剤形は、当該技術において周知であり、この場合も使用することができる。
【0009】
もう1つの実施態様は、本明細書において開示する化合物を含む組成物であり、該組成物は、眼科的に許容し得る液体である。
もう1つの実施態様は、本明細書において開示する化合物を含む医薬品であり、該医薬品は、眼科的に許容し得る液体である。
もう1つの実施態様は、本明細書において開示する化合物を、緑内障または眼圧上昇の治療のために、哺乳類に投与することを含む方法である。
もう1つの実施態様は、本明細書において開示する化合物含む組成物、容器、並びに上記組成物を緑内障または眼内圧上昇の治療のために哺乳類に投与するための使用説明書を含むキットである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において開示する化合物のような化合物を眼科および他の医薬製剤用に調合する方法は、当該技術において周知である。例えば、2006年9月18日に出願された米国特許出願第10/599,046号(本明細書に参考として合体させる)は、典型的な調合方法を記載している。
【0011】
本発明の目的においては、“処置する(treat)”“処置(treating)”または“処理(treatment)”とは、化合物、組成物、治療活性剤または薬物の、疾患または他の望ましくない症状の診断、治療、緩和、処置または予防における使用を称する。
特に断らない限り、化合物に関する言及は、上記構造または化学名を有する化学存在物の製薬上許容し得る塩、プロドラッグ、互変体、代替固体形状物、非共有複合体およびそれら混合物を包含するものと広く解釈すべきである。
【0012】
製薬上許容し得る塩とは、動物またはヒトに投与するのに適する親化合物の任意の塩である。また、製薬上許容し得る塩は、酸、他の塩、または酸もしくは塩に転換するプロドラッグの投与の結果として生体内で生じ得る任意の塩も称する。塩は、1種以上の相応する対イオンと結合した、共役酸または塩基のような化合物の1種以上のイオン形を含む。塩は、1個以上の脱プロトン化酸性基(例えば、カルボン酸)、1個以上のプロトン化塩基性基(例えば、アミン)、または双方(例えば、両性イオン)から生じるか或いはこれらを取込み得る。
【0013】
プロドラッグは、投与後に治療活性化合物に転換する化合物である。本発明の範囲を限定するつもりはないが、転換は、エステル基またはある種の他の生物学的に不安定な基の加水分解によって生じ得る。プロドラッグ製剤は、当該技術において周知である。例えば、Richard B. Silverman, Organic Chemistry of Drug Design and Drug Action, 2nd Ed., Elsevier Academic Press: Amsterdam, 2004, p p. 496‐557の1つの章である“Prodrugs and Drug Delivery Systems”は、その題材についてのさらなる詳細を提供している。
【0014】
互変体は、互いに急速に平衡にある異性体である。例えば、互変体は、プロトン、水素原子または水素化物イオンの移動に関連し得る。
立体化学的に明確に示さない限り、構造体は、純粋または任意の可能性ある混合物中双方の全ての可能性ある立体異性体を包含するものとする。
【0015】
代替固体形状物は、本明細書において説明する方法を実施することにより生じ得る形状物とは異なる固体形状物である。例えば、代替固体形状物は、多形体物、種々の種類の非晶質固体形状物、ガラス状物等であり得る。
非共有複合体は、上記化合物と1種以上のさらなる化学種間で形成され得、上記化合物とさらなる化学種間で共有結合相互作用を含まない複合体である。非共有複合体は、上記化合物とさらなる化学種間で特定の比率を有していても或いは有していなくてもよい。例としては、溶媒和物、水和物、電荷移動複合体等があり得る。
【0016】
化合物は、数個の可能性ある立体中心を有するので、数種の立体異性体があり得る。従って、下記に示す構造を有するような化合物を意図する。
【化3】

【0017】
二重結合は、シスまたはトランスであり得る。従って、下記に示す構造に従う化合物を意図する。
【化4】

【0018】
また、点線は結合の存在または不存在を示すので、下記に示す式に従う化合物も意図する。
【化5】

【0019】
Yは、有機酸官能基、またはそのアミドもしくはエステルであるか;或いは、Yは、ヒドロキシメチルまたはそのエーテルであるか;或いは、Yは、テトラゾリル官能基である。本開示の目的においては、Yは、0〜14個の炭素原子と任意の必要な水素原子に限られる。
【0020】
有機酸官能基は、有機分子上の酸性官能基である。限定するつもりはないが、有機酸官能基は、炭素、イオウまたはリンの酸化物を含み得る。従って、本発明の範囲を如何なる形でも限定するものではないが、ある種の化合物においては、Yは、カルボン酸、スルホン酸またはホスホン酸官能基である。
有機酸官能基のアミドおよびエステルは、窒素または酸素原子に直接結合したカルボニル基である。従って、カルボン酸、スルホン酸およびリン酸官能基のアミドまたはエステルを下記に示す。
【化6】

【0021】
また、1つのアミドは、‐SO2‐成分も有し得る。例えば、アミド‐CONHSO2R3(式中、R3は、1〜14個の炭素原子を有するヒドロカルビルである)を意図する。R、R1、R2およびR3は、Yが14個よりも多い炭素原子を有し得ないという限定を条件として、ヒドロカルビルである。
ヒドロキシメチルのエーテルは、‐CH2ORである。
【0022】
非置換テトラゾリル官能基は、2つの互変異性形を有し、水性または生物学的媒質中で急速に相互転換し得、従って、互いに等価である。これらの互変体を下記に示す。
【化7】

【0023】
さらに、R2がC1〜C6アルキル、フェニルまたはビフェニルである場合、下記に示すもののような他の異性体形のテトラゾリル官能基も可能であり、C12までの非置換およびヒドロカルビル置換テトラゾリルは、用語“テトラゾリル”の範囲内であるとみなす。
【化8】

【0024】
1つの実施態様においては、Yは、CO2R4、CONR5R6、CON(CH2CH2OH)2、CONH(CH2CH2OH)、CH2OH、P(O)(OH)2、CONHSO2R4、SO2NR5R6および下記である:
【化9】

(式中、R4、R5およびR6は、個々に、H、C1〜C6アルキル、非置換フェニルまたは非置換ビフェニルであるが、Yは14個よりも多い炭素原子を有さないことを条件とする)。
【0025】
Aは、‐(CH2)6‐、シス‐CH2CH=CH‐(CH2)3‐または‐CH2C≡C-(CH2)3‐であり、これらにおいて、1個または2個の炭素原子はSまたはOによって置換し得;或いは、Aは、‐(CH2)m‐Ar‐(CH2)o‐であり、式中、Arはインターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンであり、mとoの和は1、2、3または4であり、1個の‐CH2‐はSまたはOによって置換し得、1個の‐CH2‐CH2‐は‐CH=CH‐または‐C≡C‐によって置換し得る。
従って、Aは、‐(CH2)6‐、シス‐CH2CH=CH‐(CH2)3‐、または‐CH2C≡C‐(CH2)3‐であり得る。
【0026】
また、Aは、炭素のいずれかがSまたはOによって置換されているこれら3つの成分の1つに関連する基であり得る。例えば、Aは、Sにより1個または2個の炭素原子を置換している下記の1つ等のような成分であり得る。
【化10】

【0027】
また、Aは、Oにより1個または2個の炭素原子を置換している下記の1つ等のような成分であり得る。
【化11】

【0028】
また、Aは、下記の1つ等のような、1個の炭素原子を置換しているOおよびもう1個の炭素原子を置換しているSを有し得る。
【化12】

【0029】
また、ある種の実施態様においては、Aは、‐(CH2)m‐Ar‐(CH2)o‐であり、式中、Arはインターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンであり、mとoの和は1、2、3または4であり、1個の‐CH2‐はSまたはOによって置換し得、1個の‐CH2-CH2は‐CH=CH‐または‐C≡C‐によって置換し得る。換言すれば、
1つの実施態様においては、Aは、1) a) 1、2、3または4個の‐CH2‐成分、またはb) 0、1または2個の‐CH2‐成分および‐CH=CH‐または‐C≡C‐;および、2) Ar、例えば、‐CH2‐Ar‐、‐(CH2)2‐Ar‐、‐CH=CH‐Ar‐、‐C≡C-Ar‐、‐CH2‐Ar‐CH2‐、‐CH2Ar‐(CH2)2‐、‐CH2Ar‐CH=CH‐、‐CH2Ar-C≡C‐、‐(CH2)2‐Ar‐(CH2)2‐等を含み;
もう1つの実施態様においては、Aは、1) a) Oおよび0、1、2または3個の‐CH2‐成分、またはb) O、並びに0または1個の‐CH2‐成分および‐CH=CH‐または‐C≡C‐;および、2) Ar、例えば、‐O‐Ar‐、Ar‐CH2‐O‐、‐O‐Ar‐(CH2)2‐、‐OAr‐CH=CH‐、‐O‐Ar‐C≡C‐、‐O‐CH2‐Ar‐、‐O‐CH2‐Ar‐(CH2)2、‐O‐CH2Ar‐CH=CH‐、‐O‐CH2Ar‐C≡C‐等を含み;或いは、
もう1つの実施態様においては、Aは、1) a) Sおよび0、1、2または3個の‐CH2‐成分、またはb) S、並びに0または1個の‐CH2‐成分および‐CH=CH‐または‐C≡C‐;および、2) Ar、例えば、‐S‐Ar‐、Ar‐CH2‐S‐、‐S‐Ar‐(CH2)2‐、‐SAr‐CH=CH‐、‐S‐Ar‐C≡C‐、‐S‐CH2‐Ar‐、‐S‐CH2‐Ar‐(CH2)2、‐S‐CH2Ar‐CH=CH‐、‐S‐CH2Ar‐C≡C‐等を含む。
【0030】
もう1つの実施態様においては、mとoの和は、2、3または4であり;1個のCH2は、SまたはOによって置換し得;そして、1個の‐CH2‐CH2‐は、‐CH=CH‐または‐C≡C‐によって置換し得る。
もう1つの実施態様においては、mとoの和は、3であり;1個のCH2は、SまたはOによって置換し得;1個の‐CH2‐CH2‐は、‐CH=CH‐または‐C≡C‐によって置換し得る。
もう1つの実施態様においては、mとoの和は、2であり;1個のCH2は、SまたはOによって置換し得;1個の‐CH2‐CH2‐は、‐CH=CH‐または‐C≡C‐によって置換し得る。
もう1つの実施態様においては、mとoの和は、4であり;1個のCH2は、SまたはOによって置換し得;1個の‐CH2‐CH2‐は、‐CH=CH‐または‐C≡C‐によって置換し得る。
【0031】
インターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンとは、分子の2つの他の部分を連結しているアリール環もしくは環系またはヘテロアリール環もしくは環系を称する、即ち、上記2つの部分は、上記環に2つの異なる環位置において結合している。インターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンは、置換されていてもまたは置換されていなくてもよい。非置換インターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンは、これらのアリーレンが連結している分子の上記2つの部分以外の置換基を有さない。置換インターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンは、これらのアリーレンが連結している分子の上記2つの部分以外の置換基を有する。
【0032】
1つの実施態様においては、Arは、置換または非置換のインターフェニレン、インターチエニレン、インターフリレン、インターピリジニレン、インターオキサゾリレンおよびインターチアゾリレンである。もう1つの実施態様においては、Arは、インターフェニレン(Ph)である。もう1つの実施態様においては、Aは、‐(CH2)2‐Ph‐である。Arの置換基は、各々、0〜4個の炭素原子、0〜3個の酸素原子、0〜2個のイオウ原子、0〜2個の窒素原子、0〜3個のフッ素原子、0〜1個の塩素原子、0〜1個の臭素原子、0〜1個のヨウ素原子および0〜10個の水素原子を有する。
【0033】
もう1つの実施態様においては、Aは‐CH2‐Ar‐OCH2‐である。もう1つの実施態様においては、Aは、‐CH2‐Ph‐OCH2‐である。もう1つの実施態様においては、Phは、1および3位置で結合しており、或いは、Aが下記に示す構造を有するときのようなm‐インターフェニレンとして知られる。
【化13】

【0034】
もう1つの実施態様においては、Aは、‐(CH2)6‐、シス‐CH2CH=CH‐(CH2)3‐または‐CH2C≡C‐(CH2)3‐であり、1個または2個の炭素原子はSまたはOによって置換し得;或いは、Aは、‐(CH2)2‐Ph‐であり、1個の‐CH2‐はSまたはOによって置換し得る。
もう1つの実施態様においては、Aは、‐(CH2)6‐、シス‐CH2CH=CH‐(CH2)3‐または‐CH2C≡C‐(CH2)3‐であり、1個または2個の炭素原子はSまたはOによって置換し得;或いは、Aは、‐(CH2)2‐Ph‐である。
1つの実施態様においては、Arは、チエニルである。
【0035】
他の実施態様においては、Aは、下記の構造の1つを有する。
【化14】

【0036】
もう1つの実施態様においては、Aは、‐CH2OCH2Ar‐である。
もう1つの実施態様においては、Aは、‐CH2SCH2Ar‐である。
もう1つの実施態様においては、Aは、‐(CH2)3Ar‐である。
もう1つの実施態様においては、Aは、‐CH2O(CH2)4‐である。
もう1つの実施態様においては、Aは、‐CH2S(CH2)4‐である。
もう1つの実施態様においては、Aは、‐(CH2)6‐である。
もう1つの実施態様においては、Aは、シス‐CH2CH=CH‐(CH2)3‐である。
もう1つの実施態様においては、Aは、‐CH2C≡C‐(CH2)3‐である。
もう1つの実施態様においては、Aは、‐S(CH2)3S(CH2)2‐である。
もう1つの実施態様においては、Aは、‐(CH2)4OCH2‐である。
【0037】
もう1つの実施態様においては、Aは、シス‐CH2CH=CH‐CH2OCH2‐である。
もう1つの実施態様においては、Aは、‐CH2CH≡CH‐CH2OCH2‐である。
もう1つの実施態様においては、Aは、‐(CH2)2S(CH2)3‐である。
もう1つの実施態様においては、Aは、‐CH2‐Ph‐OCH2‐であり、Phはインターフェニレンである。
もう1つの実施態様においては、Aは、‐CH2‐mPh‐OCH2‐であり、mPhはm‐インターフェニレンである。
もう1つの実施態様においては、Aは、‐CH2‐O‐(CH2)4‐である。
もう1つの実施態様においては、Aは、‐CH2‐O‐CH2‐Ar‐であり、Arは2,5‐インターチエニレンである。
もう1つの実施態様においては、Aは、‐CH2‐O‐CH2‐Ar‐であり、Arは2,5‐インターフリレンである。
【0038】
もう1つの実施態様においては、Aは、(3‐メチルフェノキシ)メチルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、(4‐ブチ‐2‐イニルオキシ)メチルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、2‐(2‐エチルチオ)チアゾール‐4‐イルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、2‐(3‐プロピル)チアゾール‐5‐イルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、3‐(メトキシメチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、3‐(3‐プロピルフェニル)である。
もう1つの実施態様においては、Aは、3‐メチルフェネチルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、4‐(2‐エチル)フェニルである。
【0039】
もう1つの実施態様においては、Aは、4‐フェネチルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、4‐メトキシブチルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、5‐(メトキシメチル)フラン‐2‐イルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、5‐(メトキシメチル)チオフェン‐2‐イルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、5‐(3‐プロピル)フラン‐2‐イルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、5‐(3‐プロピル)チオフェン‐2‐イルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、6‐ヘキシルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、(Z)‐6‐ヘキセ‐4‐エニルである。
【0040】
U1およびU2は、個々に、‐H、=O、‐OH、‐F、‐Clおよび‐CNから選択する。即ち、下記の構造式において示す化合物を意図する
【化15】

1つの実施態様においては、U1はClであり、U2はOHである。
【0041】
Bは、置換アリールまたはヘテロアリールである。
アリールは、フェニル、ナフチル、ビフェニル等のような芳香族環または環系である。
ヘテロアリールは、環中に1個以上のN、OまたはS原子を有するアリールである、即ち、1個以上の環炭素が、N、Oおよび/またはSによって置換されている。限定するつもりはないが、ヘテロアリールの例としては、チエニル、ピリジニル、フリル、ベンゾチエニル、ベンゾフリル、イミジゾールオリル(imidizololyl)、インドリル等がある。
【0042】
Bの置換基は、各々、0〜6個の炭素原子、0〜3個の酸素原子、0〜2個のイオウ原子、0〜2個の窒素原子、0〜3個のフッ素原子、0〜1個の塩素原子、0〜1個の臭素原子、0〜1個のヨウ素原子および0〜14個の水素原子を有する。
B上の各置換基は、同一または異なるものであり得る。例えば、Bは2個のクロロ置換基を有し得、或いは、Bはクロロとヒドロキシメチル置換基を有し得る。
【0043】
ArおよびBの置換基は独立しているが、意図する置換基のタイプは同様である。即ち、本明細書において説明している限定(即ち、置換基についての原子数の限定)を条件として、ArおよびBにおける置換基の例としては、限定するものではないが、下記がある:
限定するものではないが、下記のような炭素と水素のみからなる成分を意味するヒドロカルビル:
a. 限定するものではないが、下記のような、二重または三重結合を有さないヒドロカルビルを意味するアルキル:
・線状アルキル、例えば、メチル、エチル、n‐プロピル、n‐ブチル、n‐ペンチル、n‐ヘキシル等;
・枝分れアルキル、例えば、イソ‐プロピル、t‐ブチルおよび他の枝分れブチル異性体、各枝分れペンチル異性体等;
・シクロアルキル、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等;
・線状、枝分れおよび/またはシクロアルキルの組合せ;
b. アルケニル、例えば、線状、枝分れまたはシクロアルケニルのような、1個以上の二重結合を有するヒドロカルビル;
c. アルキニル、例えば、線状、枝分れまたはシクロアルケニルのような、1個以上の三重結合を有するヒドロカルビル;
d. アルキル、アルケニルおよび/またはアルキニルの組合せ。
【0044】
アルキル‐CN、例えば、‐CH2‐CN、‐(CH2)2‐CN、‐(CH2)3‐CN等;
ヒドロキシアルキル、即ち、アルキル‐OH、例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル等;
‐O‐アルキル、アルキル‐O‐アルキル等のような、エーテル置換基;
‐S‐アルキル、アルキル‐S‐アルキル等のような、チオエーテル置換基;
‐NH2、‐NH‐アルキル、‐N‐アルキル1アルキル2 (即ち、アルキル1およびアルキル2 は、同一または異なるものであって、共にNに結合している)、アルキル‐NH2、アルキル‐NH‐アルキル、アルキル‐N‐アルキル1アルキル2等のような、アミン置換基;
アミノメチル(‐CH2‐アミン)、アミノエチル等のようなアルキル‐アミンを意味するアミノアルキル;
‐CO2‐アルキル、‐CO2‐フェニル等のようなエステル置換基。
【0045】
アルデヒド類;アシル(即ち、下記:
【化16】

)等のようなケトン類等のような他のカルボニル置換基;とりわけ、アセチル、プロピオニルおよびベンゾイル置換基を意図する。
【0046】
フェニルまたは置換フェニル;
‐CF3、‐CH2CF3等のようなフルオロカーボンまたはヒドロフルオロカーボン類;および、
‐CN。
また、上記の組合せも、定義した限定を条件として可能である。
また、置換基は、‐F、‐Cl、‐Brまたは‐Iであり得る。
とりわけ、1〜6個の炭素原子を有するアルキルを置換基として意図する。
また、1〜4個の炭素原子を有するアルキルも意図する。
【0047】
置換基は、ボトル内で標準大気下に室温で少なくとも12時間保存するのに十分に安定であるか或いは本明細書において開示するいずれの目的においても有用であるために十分に安定でなければならない。
置換基が、例えばカルボン酸またはアミンの塩である場合、この塩の対イオン、即ち、分子の残余部に共有結合していないイオンは、置換基中の重原子数を目的としては計数しない。従って、例えば、塩‐CO2-Na+は、1個の炭素原子と2個の酸素原子からなる安定な置換基である、即ち、ナトリウムは計数しない。もう1つの例においては、塩‐NH(Me)2+Cl-は1個の窒素原子、3個の炭素原子および7個の水素原子からなる安定な置換基である、即ち、塩素は計数しない。
【0048】
1つの実施態様においては、Bは、置換または非置換フェニル、或いはピリジニルである。
1つの実施態様においては、Bの置換基は、Cl、F、CH3、CH2OHまたはOHである。
【0049】
もう1つの実施態様は、下記の式を有する化合物である。
【化17】

(式中、点線は、結合の存在または不存在を示し;
Yは、有機酸官能基またはそのアミドもしくはエステルであるか;或いは、Yは、ヒドロキシメチルまたはそのエーテルであるか;或いは、Yは、テトラゾリル官能基であり;
Aは、‐(CH2)6‐、シス‐CH2CH=CH‐(CH2)3‐または‐CH2C≡C‐(CH2)3‐であり、これらにおいて、1個または2個の炭素原子は、SまたはOによって置換し得;或いは、Aは、‐(CH2)m‐Ar‐(CH2)o‐であり、式中、Arはインターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンであり、mとoの和は1、2、3または4であり、1個の‐CH2‐はSまたはOによって置換し得、1個の‐CH2‐CH2‐は‐CH=CH‐または‐C≡C‐によって置換し得;
U1およびU2は、個々に、‐H、=O、‐OH、‐F、‐Clおよび‐CNから選ばれ;
Bは、アリールまたはヘテロアリールである;
但し、U1が=Oである場合、U2は、‐OHまたは‐Hではないことを条件とする)。
【0050】
もう1つの実施態様は、下記の式を有する化合物である。
【化18】

(式中、点線は、結合の存在または不存在を示し;
Yは、有機酸官能基またはそのアミドもしくはエステルであるか;或いは、Yは、ヒドロキシメチルまたはそのエーテルであるか;或いは、Yは、テトラゾリル官能基であり;
Aは、‐(CH2)6‐、シス‐CH2CH=CH‐(CH2)3‐または‐CH2C≡C‐(CH2)3‐であり、これらにおいて、1個または2個の炭素原子は、SまたはOによって置換し得;或いは、Aは、‐(CH2)m‐Ar‐(CH2)o‐であり、式中、Arはインターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンであり、mとoの和は1、2、3または4であり、1個の‐CH2‐はSまたはOによって置換し得、1個の‐CH2‐CH2‐は‐CH=CH‐または‐C≡C‐によって置換し得;
U1は、‐H、‐OH、‐F、‐Clまたは‐CNであり;
U2は、‐H、=O、‐OH、‐F、‐Clまたは‐CNであり;
Bは、アリールまたはヘテロアリールである)。
【0051】
もう1つの実施態様は、下記の式を有する化合物である。
【化19】

(式中、点線は、結合の存在または不存在を示し;
Yは、有機酸官能基またはそのアミドもしくはエステルであるか;或いは、Yは、ヒドロキシメチルまたはそのエーテルであるか;或いは、Yは、テトラゾリル官能基であり;
U1およびU2は、個々に、‐H、=O、‐OH、‐F、‐Clおよび‐CNから選ばれ;
Bは、アリールまたはヘテロアリールである)。
【0052】
もう1つの実施態様においては、U1は=Oである。
もう1つの実施態様においては、U1は‐Hである。
もう1つの実施態様においては、U1は‐OHである。
もう1つの実施態様においては、U1は‐Fである。
もう1つの実施態様においては、U1は‐Clである。
もう1つの実施態様においては、U1は‐CNである。
【0053】
もう1つの実施態様においては、U2は=Oである。
もう1つの実施態様においては、U2は‐Hである。
もう1つの実施態様においては、U2は‐OHである。
もう1つの実施態様においては、U2は‐Fである。
もう1つの実施態様においては、U2は‐Clである。
もう1つの実施態様においては、U2は‐CNである。
【0054】
もう1つの実施態様は、下記の式を有する化合物である。
【化20】

【0055】
もう1つの実施態様においては、Bは、F、Cl、C1‐3アルキルおよび1〜3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキルから選ばれる置換基によって置換されている。
【0056】
もう1つの実施態様においては、Bは、下記から選ばれる。
【化21】

【0057】
もう1つの実施例は、下記から選ばれる化合物である。
【化22】

【0058】
有用な化合物の幾つかの想定例を、下記に示す。
【化23】

【0059】
【化24】

【0060】
合成方法
【化25】

【0061】
実施例1
5‐(3‐((1R,2R,3R,5R)‐5‐クロロ‐2‐(3,5‐ジクロロスチリル)‐3‐ヒドロキシシクロペンチル)プロペ‐1‐エニル)チオフェン‐2‐カルボン酸(8)
工程1:2を得るための1のメシル化
トリエチルアミン(4.2mL、30.0ミリモル)と塩化メタンスルホニル(1.9mL、24.1ミリモル)を、0℃のCH2Cl2 (100mL)中の1(米国仮特許出願第60/805,285号参照;10.1g、19.9ミリモル)の溶液に順次添加した。反応混合物を室温に温め、室温で3時間撹拌した。飽和NaHCO3水溶液(400mL)を添加し、混合物をCH2Cl2 (3×400mL)で抽出した。混ぜ合せた有機抽出物を水(200mL)と塩水(200mL)で洗浄し、その後、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮して、11.5g(約98%)の所望するメシラート2を得、これをさらに精製することなく使用した。
【0062】
工程2:メシラート2の塩化物3およびアルコール4への転換
塩化テトラブチルアンモニウム(26.5g、95.4ミリモル)を、トルエン(200 mL)中2(11.5g、19.5ミリモル)の溶液に添加した。反応混合物を45℃で18時間加熱した。TLC分析は、出発メシラートの多くが残存していることを示し、従って、反応混合物を50℃で4時間加熱した。冷却した混合物を水(200mL)とEtOAc(500mL)間に分配させた。相を分離し、有機相を水(4×20mL)で洗浄した。混ぜ合せた水性相をEtOAc (350mL)で逆抽出した。混ぜ合せた有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物を120gのシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、2.6g (25%)の塩化物3と1.8g (22%)のアルコール4を得た。
【0063】
工程3:アルコール4を得るための3の脱シリル化
フッ化テトラブチルアンモニウム(14.7mLの1.0M THF溶液、14.7ミリモル)を、室温のTHF(15mL)中3(2.6g、4.91ミリモル)の溶液に添加した。室温で18時間後、反応混合物をEtOAc (50mL)と水(50mL)間に分配させた。相を分離し、有機相を水(3×50mL)で洗浄した。混ぜ合せた水性相をEtOAc (100mL)で逆抽出した。混ぜ合せた有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物を40gのシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、1.23g (60%)のアルコール4を得た。
【0064】
工程4:5を得るための4の酸化
DMSO (1.5mL、21.1ミリモル)を、−78℃のCH2Cl2 (5mL)中の塩化オキサリル溶液(CH2Cl2中2.0M溶液の4.4mL、8.8ミリモル)の溶液に添加した。30分後、CH2Cl2 (42mL)中のアルコール4(3.03g、7.30ミリモル)の溶液をシリンジでゆっくり添加した。−78℃で15分後、トリエチルアミン(9.0mL、64.6ミリモル)を添加した。−78℃で1.5時間後、反応物を室温に温めた。室温で2時間後、反応混合物を飽和NaHCO3水溶液(100mL)とCH2Cl2 (300mL)間に分配させた。相を分離し、水相をCH2Cl2 (2×200mL)で抽出した。混ぜ合せた抽出物を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮し、約3.0gの粗アルデヒド5を得、これをさらに精製することなく使用した。
【0065】
工程5:ジエン6を得るための5のウィッティヒ反応
炭酸カリウム(99.99%、5.0g、36.2ミリモル)と3,5‐ジクロロフェニルメチルトリフェニルホスホニウムクロリド(Cullen等のUS 5,536,725号参照;6.7g、14.6ミリモル)を、室温のDMF (73mL)中のアルデヒド5(前工程からの粗生成物、約3.0g、約7.3ミリモル)の溶液に添加した。18時間後、反応混合物を水(100mL)とEtOAc (300mL)間に分配させた。相を分離し、有機相を水(9×100mL)で洗浄した。混ぜ合せた水性相をEtOAc (300mL)で逆抽出した。混ぜ合せた有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(CH2Cl2)により精製して、3.0g(74%)のジエン6を得た。
【0066】
工程6:7を得るための6の脱保護
ピリジニウム p‐トルエンスルホネート(PPTs;550mg、2.19ミリモル)を、窒素下室温のメタノール(100mL)中の6(3.0g、5.40ミリモル)の溶液に添加した。溶液を40℃で18時間加熱し、その後、冷却し、真空中で濃縮した。粗残留物を12gのシリカゲル上でのクロマトグラフィー(CH2Cl2)により精製して、1.7g(67%)のアルコール7をオレフィン異性体の混合物として得た。
【0067】
工程7:8を得るための7の鹸化
水酸化リチウム(0.89mLの1.0M水溶液、0.89ミリモル)を、THF (0.89mL)中のエステル7(84mg、0.18ミリモル)の溶液に添加した。溶液を40℃で18時間加熱し、その後、室温に冷却した。混合物を1.0MのHCl水溶液(5mL)とEtOAc (5mL)間に分配させた。相を分離し、有機相を水(5mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物を4gのシリカゲル上でのクロマトグラフィー(CH2Cl2→10%MeOH/CH2Cl2、勾配)により精製して、48mg(59%)の標示化合物をオレフィン異性体の混合物として得た。
【0068】
【化26】

【0069】
実施例2
5‐(3‐((1R,2R,3R,5R)‐5‐クロロ‐2‐(3‐クロロ‐5‐(ヒドロキシメチル)スチリル)‐3‐ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)‐チオフェン‐2‐カルボン酸(15a)
工程1:10を得るための9の酸化
DMSO (32μL、0.45ミリモル)を、−78℃のCH2Cl2 (0.3mL)中の塩化オキサリル溶液(CH2Cl2中2.0M溶液の0.1mL、0.2ミリモル)の溶液に添加した。30分後、CH2Cl2 (0.54mL)中のアルコール9(米国仮特許出願第60/805,285号参照;70mg、0.17ミリモル)の溶液をシリンジにより添加した。−78℃で15分後、トリエチルアミン(187μL、1.34ミリモル)を添加し、反応物を室温に温めた。室温で5時間後、反応混合物を、飽和NaHCO3水溶液(10mL)とCH2Cl2 (20mL)間に分配させた。相を分離し、水性相をCH2Cl2 (2×10mL)で抽出した。混ぜ合せた有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮し、69mgの粗アルデヒド10を得、これをさらに精製することなく使用した。
【0070】
工程2:11aを得るための10のウィッティヒ反応
炭酸カリウム(99.99%、232mg、1.68ミリモル)を、室温のDMF (1.6mL)中のアルデヒド10(前工程からの粗生成物;69mg、約0.17ミリモル)と3‐クロロ‐5‐(ヒドロキシメチル)ベンジルトリフェニルホスホニウムクロリド(下記の調製例1;150mg、0.33ミリモル)の溶液に添加した。18時間後、反応混合物を水(30mL)とEtOAc (50mL)間に分配させた。相を分離し、有機相を水(3×30mL)と塩水(30mL)で洗浄し、その後、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物を4gのシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、35mg (38%)のアルケン11a (約5%のシス‐オレフィン12aの混在)を得た。
【0071】
工程3:13aを得るための11aの脱保護
PPTs (16mg、0.006ミリモル)を、窒素下室温のメタノール(0.6mL)中の11a (35mg、0.06ミリモル)の溶液に添加した。溶液を40℃で18時間加熱し、その後、冷却し、真空中で濃縮した。粗残留物を4gのシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、28mg (94%)のアルコール13a (約5%のシス‐オレフィン14aの混在)を得た。
【0072】
工程4:15aを得るための13aの鹸化
水酸化リチウム(0.04mLの1.0M水溶液、0.04ミリモル)を、THF (0.05mL)中のエステル13a (5mg、0.011ミリモル)の溶液に添加した。18時間後、混合物を1.0MのHCl水溶液(1mL)とCH2Cl2 (5mL)間に分配させた。相を分離し、水生相をCH2Cl2 (5mL)で抽出した。混ぜ合せた有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物を4gのシリカゲル上でのクロマトグラフィー(CH2Cl2→20%MeOH/CH2Cl2、勾配)により精製して、3mg (62%)の標示化合物(約5%のシス‐オレフィン16aの混在)を得た。
【0073】
実施例3
5‐(3‐((1R,2R,3R,5R)‐5‐クロロ‐2‐((E)‐2‐(5‐クロロピリジン‐3‐イル)ビニル)‐3‐ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)‐チオフェン‐2‐カルボン酸(15b)
工程1:11bを得るための10のウィッティヒ反応
実施例2の工程2の手順に従い、アルデヒド10(190mg、0.46ミリモル)と((5‐クロロ‐3‐ピリジニル)メチル)トリフェニルホスホニウムクロリド(下記の調製例2;100mg、0.24ミリモル)を、104mg (84%)のアルケン11b (約5%のシス‐オレフィン12bの混在)に転換した。
【0074】
工程2:13bを得るための11bの脱保護
実施例2の工程3の手順に従い、THP‐エーテル11b (104mg、0.20ミリモル)を、40mg (46%)のアルケン13b (約5%のシス‐オレフィン14bの混在)に転換した。
【0075】
工程3:15bを得るための13bの鹸化
実施例2の工程4の手順に従い、エステル13b (10mg、0.023ミリモル)を、3mg (31%)の標示化合物(約5%のシス‐オレフィン16bの混在)に転換した。
【0076】
実施例4
5‐(3‐((1R,2R,3R,5R)‐5‐クロロ‐2‐((E)‐2‐(2,6‐ジクロロピリジン‐4‐イル)ビニル)‐3‐ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)‐チオフェン‐2‐カルボン酸(15c)
工程1:11cおよび12cを得るための10のウィッティヒ反応
実施例2の工程2の手順に従い、アルデヒド10(290mg、0.70ミリモル)と((2,6‐ジクロロ‐4‐ピリジニル)メチル)トリフェニルホスホニウムクロリド(下記の調製例3;325mg、0.71ミリモル)を、200mg (51%)のアルケン11c、8mg (2%)のアルケン12c、および108mg (28%)の11cと12cの混合物に転換した。
【0077】
工程2:13c/14cを得るための11c/12cの脱保護
実施例2の工程3の手順に従い、11cと12cの混合物(229mg、0.41ミリモル)を、169mg (87%)のアルケン13cと22mg (11%)のアルケン14cに転換した。
【0078】
工程3:15cを得るための13cの鹸化
水酸化リチウム(0.23mLの1.0M水溶液、0.23ミリモル)を、THF (0.46mL)中のエステル13c(14mg、0.029ミリモル)の溶液に添加した。66時間後、混合物を窒素流下に濃縮し、水(2mL)で希釈し、1.0MのHCl水溶液(1mL)で酸性化した。混合物をEtOAc (3×10mL)で抽出した。混ぜ合せた有機相を塩水(5mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物を4gのシリカゲル上でのクロマトグラフィー(CH2Cl2→15%MeOH/CH2Cl2、勾配)により精製して、4.5mg (33%)の標示化合物を得た。
【0079】
実施例5
5‐(3‐((1R,2R,3R,5R)‐5‐クロロ‐2‐((Z)‐2‐(2,6‐ジクロロピリジン‐4‐イル)ビニル)‐3‐ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)‐チオフェン‐2‐カルボン酸(16c)
実施例4の工程3の手順に従い、エステル14c (22mg、0.046ミリモル)を、18時間の反応時間を使用して、3.5mg (16%)の標示化合物を得た。
【0080】
実施例6
5‐(3‐((1R,2R,3R,5R)‐5‐クロロ‐2‐((E)‐3,5‐ジフルオロスチリル)‐3‐ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸(15d)
工程1:11dおよび12dを得るための10のウィッティヒ反応
実施例2の工程2の手順に従い、アルデヒド10(250mg、0.60ミリモル)と((3,5‐ジフルオロフェニル)メチル)トリフェニルホスホニウムクロリド(下記の調製例4;422mg、0.90ミリモル)を、200mg (63%)のアルケン11dとアルケン12dの分離不能な混合物に転換した。
【0081】
工程2:13d/14dを得るための11d/12dの脱保護
実施例2の工程3の手順に従い、11dと12dの混合物(200mg、0.38ミリモル)を、120mg (71%)のアルケン13dと20mg (12%)のアルケン14dに転換した。
【0082】
工程3:15dを得るための13dの鹸化
実施例2の工程4の手順に従い、エステル13d (20mg、0.045ミリモル)を、5mg (26%)の標示化合物に転換した。
【0083】
実施例7
5‐(3‐((1R,2R,3R,5R)‐5‐クロロ‐2‐((Z)‐3,5‐ジフルオロスチリル)‐3‐ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸(16d)
実施例2の工程4の手順に従い、エステル14d (20mg、0.045ミリモル)を、3.9mg (20%)の標示化合物に転換した。
【0084】
実施例8
5‐(3‐((1R,2R,3R,5R)‐5‐クロロ‐2‐(3,5‐ジメチルスチリル)‐3‐ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸(15e)
工程1:11eを得るための10のウィッティヒ反応
実施例2の工程2の手順に従い、アルデヒド10(250mg、0.60ミリモル)と((3,5‐ジメチルフェニル)メチル)トリフェニルホスホニウムクロリド(下記の調製例5;375mg、0.90ミリモル)を、250mg (80%)のアルケン11e (約10%のシス‐オレフィン12eの混在)に転換した。
【0085】
工程2:13eを得るための11eの脱保護
実施例2の工程3の手順に従い、11e (250mg、0.48ミリモル)を、195mg (93%)のアルケン13e (約10%のシス‐オレフィン14eの混在)に転換した。
【0086】
工程3:15eを得るための13eの鹸化
実施例2の工程4の手順に従い、エステル13e (10mg、0.023ミリモル)を、3mg (31%)の標示化合物(約10%のシス‐オレフィン16eの混在)に転換した。
【0087】
調製例1
(3‐クロロ‐5‐(ヒドロキシメチル)ベンジル)トリフェニルホスホニウムクロリド
工程1:メチル 3‐クロロ‐5‐(ヒドロキシメチル)ベンゾエート
水素化ホウ素ナトリウム(1.1g、29.1ミリモル)を、メタノール(10mL)とCH2Cl2 (10mL)中のジメチル 5‐クロロイソフタレート(2.0g、8.7ミリモル)の溶液に添加した。反応混合物を35℃で18時間加熱し、その後、室温に冷却した。混合物を水(50mL)で処理し、CH2Cl2 (3×200mL)で抽出した。混ぜ合せた有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮して、粗メチル 3‐クロロ‐5‐(ヒドロキシメチル)ベンゾエートを得、これをさらに精製することなく使用した。
【0088】
工程2:メチル 3‐((tert‐ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)‐5‐クロロベンゾエート
イミダゾール(3.6g、52.9ミリモル)とTBSCl (4.0g、26.5ミリモル)を、DMF (100mL)中の粗メチル 3‐クロロ‐5‐(ヒドロキシメチル)ベンゾエート(約8.7ミリモル)の溶液に添加した。18時間後、反応混合物を水(100mL)とEtOAc (200mL)間に分配させた。相を分離し、有機相を水(4×100mL)と塩水(100mL)で洗浄し、その後、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮して、粗メチル 3‐((tert‐ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)‐5‐クロロベンゾエートを得、これをさらに精製することなく使用した。
【0089】
工程3:(3‐((tert‐ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)‐5‐クロロフェニル)メタノール
水素化ホウ素ナトリウム(1.1g、29.1ミリモル)を、メタノール(10mL)とCH2Cl2 (10mL)中の粗メチル 3‐((tert‐ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)‐5‐クロロベンゾエート(約8.7ミリモル)の溶液に添加した。室温で18時間後、反応混合物を真空中で濃縮した。クエン酸(5%水性、50mL)を添加し、混合物をCH2Cl2 (50mL)で抽出した。有機相を水(50mL)と塩水(50mL)で洗浄し、その後、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物を12gのシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、920mg (3工程に亘って37%)の(3‐((tert‐ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)‐5‐クロロフェニル)メタノールを得た。
【0090】
工程4:tert‐ブチル‐(3‐クロロ‐5‐(クロロメチル)ベンジルオキシ)ジメチルシラン
トリエチルアミン(0.78mL、5.6ミリモル)と塩化メタンスルホニル(0.31mL、4.0ミリモル)を、0℃のCH2Cl2 (1.6mL)中の(3‐((tert‐ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)‐5‐クロロフェニル)メタノール(460mg、1.6ミリモル)の溶液に添加し、混合物を室温に温めた。室温で18時間後、反応物を飽和NaHCO3水溶液(50mL)で処理し、CH2Cl2 (3×20mL)で抽出した。混ぜ合せた有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物を4gのシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、100mg (20%)のtert‐ブチル‐(3‐クロロ‐5‐(クロロメチル)ベンジルオキシ)ジメチルシランを得た。
【0091】
工程5:3‐クロロ‐5‐(ヒドロキシメチル)ベンジル)トリフェニルホスホニウムクロリド
トリフェニルホスフィン(128mg、0.49ミリモル)を、トルエン(0.6mL)中のtert‐ブチル‐(3‐クロロ‐5‐(クロロメチル)ベンジルオキシ)ジメチルシラン(100mg、0.33ミリモル)の溶液に添加し、反応混合物を100℃に加熱した。18時間後、反応物を室温に冷却し、固形物を濾過によって単離した。過剰のトルエンで洗浄した後、真空中で乾燥させ、150mg(定量)の標示化合物を、無色固形物として単離した。
【0092】
調製例2
((5‐クロロ‐3‐ピリジニル)メチル)トリフェニルホスホニウムクロリド
工程1:メチル 5‐クロロニコチネート
濃H2SO4 (105μL、1.26ミリモル)を、メタノール(12.7mL)中5‐クロロニコチン酸(1.0g、6.35ミリモル)の溶液に添加し、混合物を還流下に加熱した。18時間後、混合物を室温に冷却し、その後、水(200mL)とCH2Cl2 (200mL)間に分配し、固形K2CO3によって慎重に中和した。相を分離し、水相をCH2Cl2 (200mL)で抽出した。混ぜ合せた有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮して、1.2gの粗メチル 5‐クロロニコチネートを得、これをさらに精製することなく使用した。
【0093】
工程2:(5‐クロロピリジン‐3‐イル)メタノール
水素化ホウ素ナトリウム(790mg、20.9ミリモル)を、メタノール(10mL)とCH2Cl2 (10mL)中の粗メチル 5‐クロロニコチネート(約6.35ミリモル)の溶液に添加した。室温で18時間後、反応混合物を真空中で濃縮した。水(50mL)を添加し、混合物をCH2Cl2 (3×50mL)で抽出した。有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物を40gのシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、510mg (2工程に亘って56%)の(5‐クロロピリジン‐3‐イル)メタノールを得た。
【0094】
工程3:3‐クロロ‐5‐(クロロメチル)ピリジン
トリエチルアミン(1.75mL、12.6ミリモル)と塩化メタンスルホニル(0.69mL、8.9ミリモル)を、0℃のCH2Cl2 (3.5mL)中の(5‐クロロピリジン‐3‐イル)メタノール(510mg、3.6ミリモル)の溶液に添加し、反応物を室温に温めた。室温で18時間後、反応物を水(50mL)とCH2Cl2 (50mL)間に分配させた。相を分離し、有機相をCH2Cl2 (20mL)で抽出した。混ぜ合せた有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物を12gのシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、300mg (52%)の3‐クロロ‐5‐(クロロメチル)ピリジンを得た。
【0095】
工程4:((5‐クロロ‐3‐ピリジニル)メチル)トリフェニルホスホニウムクロリド
調製例1の工程5の手順に従い、3‐クロロ‐5‐(クロロメチル)ピリジン(300mg、1.85ミリモル)を、100mg (13%)の標示化合物に転換した。
【0096】
調製例3
((2,6‐ジクロロ‐4‐ピリジニル)メチル)トリフェニルホスホニウムクロリド
調製例1の工程5の手順に従い、2,6‐ジクロロ‐4‐(クロロメチル)ピリジン(1.0g、5.1ミリモル)を、2.0g (86%)の標示化合物に転換した。
【0097】
調製例4
((3,5‐ジフルオロフェニル)メチル)トリフェニルホスホニウムクロリド
調製例1の工程5の手順に従い、1‐(ブロモメチル)‐3,5‐ジフルオロベンゼン(1.0g、4.8ミリモル)を、1.8g (79%)の標示化合物に転換した。
【0098】
調製例5
((3,5‐ジメチルフェニル)メチル)トリフェニルホスホニウムクロリド
工程1:1‐(クロロメチル)‐3,5‐ジメチルベンゼン
トリエチルアミン(7.2mL、51.7ミリモル)と塩化メタンスルホニル(2.86mL、36.8ミリモル)を、0℃のCH2Cl2 (25mL)中の(3,5‐ジメチルフェニル)メタノール(2.0g、14.7ミリモル)の溶液に添加し、混合物を室温に温めた。室温で18時間後、反応物を飽和NaHCO3水溶液(100mL)で処理し、CH2Cl2 (3×100mL)で抽出した。混ぜ合せた有機相を塩水(100mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物を40gのシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、1.5g (66%)の1‐(クロロメチル)‐3,5‐ジメチルベンゼンを得た。
【0099】
工程2:((3,5‐ジメチルフェニル)メチル)トリフェニルホスホニウムクロリド
調製例1の工程5の手順に従い、5,1‐(クロロメチル)‐3,5‐ジメチルベンゼン(1.5g、9.7ミリモル)を、600mg (15%)の標示化合物に転換した。
この手順は、通常人によって容易に適応化して、侏儒の他の化合物を得ることができる。例えば、2006年7月11日に出願された米国仮特許出願第60/806,947号(本明細書に参考として合体させる)は、A、U1およびU2について種々の異なる成分を有する化合物を調製するように適応化し得る方法を記載している。
【0100】
調製例6
((3‐(ブテ‐3‐エニル)フェニル)メチル)トリフェニルホスホニウム クロリド
工程1:(3‐(ブテ‐3‐エニル)フェニル)メタノール
LiAlH4 (10.0mLのTHF中1.0M溶液、10.0ミリモル)を、THF (35mL)中のエチル 3‐(ブテ‐3‐エニル)ベンゾエート(Reike Metals, Inc社から商業的に入手し得る;1.94g、9.5ミリモル)の0℃の溶液に添加した。0℃で2時間後、反応物を水(50mL)で慎重に失活させた。10%NaOH水(50mL)を添加し、混合物をCH2Cl2 (3×50mL)で抽出した。抽出物を塩水(50mL)で洗浄し、その後、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物を40gのシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、1.7g (若干不純、定量的粗生成物)の(3‐(ブテ‐3‐エニル)フェニル)メタノールを得た。
【0101】
工程2:1‐(ブテ‐3‐エニル)‐3‐(クロロメチル)ベンゼン
トリエチルアミン(2.0mL、14.4ミリモル)と塩化メタンスルホニル(0.90mL、11.6ミリモル)を、0℃のCH2Cl2 (20mL)中の(3‐(ブテ‐3‐エニル)フェニル)メタノール(約9.5ミリモル)の溶液に添加し、混合物を室温に温めた。室温で18時間後、反応物を飽和NaHCO3水溶液(50mL)で処理し、CH2Cl2 (3×50mL)で抽出した。混ぜ合せた有機相を塩水(50mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物を40gのシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、1.6g (93%)の1‐(ブテ‐3‐エニル)‐3‐(クロロメチル)ベンゼンを得た。
【0102】
工程3:((3‐(ブテ‐3‐エニル)フェニル)メチル)トリフェニルホスホニウムクロリド
調製例1の工程5の手順に従い、1‐(ブテ‐3‐エニル)‐3‐(クロロメチル)ベンゼン(1.6g、8.9ミリモル)を、2.2g (56%)の標示化合物に転換した。
【0103】
実施例9
5‐(3‐((1R,2R,3R,5R)‐2‐(3‐(ブテ‐3‐エニル)スチリル)‐5‐クロロ‐3‐ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸(15f)
工程1:11fを得るための10のウィッティヒ反応
実施例2の工程2の手順に従い、アルデヒド10(250mg、0.60ミリモル)と((3‐(ブテ‐3‐エニル)フェニル)メチル)トリフェニルホスホニウムクロリド(調製例6;450mg、1.02ミリモル)を、220mg (67%)のアルケン11f (約5%のシス‐オレフィン12fの混在)に転換した。
【0104】
工程2:13fを得るための11fの脱保護
実施例2の工程3の手順に従い、THP‐エーテル11f (220mg、0.41ミリモル)を、164mg (88%)のアルケン13f(約5%のシス‐オレフィン14fの混在)に転換した。
【0105】
工程3:15fを得るための13fの鹸化
実施例2の工程4の手順に従い、エステル13f (30mg、0.065ミリモル)を、8.3mg (29%)の標示化合物(15f;約5%のシス‐オレフィン16fの混在)に転換した。
【0106】
調製例7
(E)‐(3‐クロロ‐5‐(プロペ‐1‐エニル)ベンジル)トリフェニルホスホニウムブロミド
工程1:メチル 3‐クロロ‐5‐((テトラヒドロ‐2H‐ピラン‐2‐イルオキシ)メチル)ベンゾエート
ジヒドロピラン(1.5mL、16.4ミリモル)とPPT (290mg、1.15ミリモル)を、CH2Cl2 (20mL)中のメチル 3‐クロロ‐5‐(ヒドロキシメチル)ベンゾエート(調製例1の工程1参照;1.30g、6.5ミリモル)の溶液に添加した。混合物を40℃で加熱した。18時間後、反応混合物を冷却し、真空中で濃縮し、40gのシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、1.80g (98%)のメチル 3‐クロロ‐5‐((テトラヒドロ‐2H‐ピラン‐2‐イルオキシ)メチル)ベンゾエートを得た。
【0107】
工程2:(3‐クロロ‐5‐((テトラヒドロ‐2H‐ピラン‐2‐イルオキシ)メチル)フェニル)メタノール
水素化ホウ素ナトリウム(834mg、22.0ミリモル)を、メタノール(20mL)とCH2Cl2 (20mL)中のメチル 3‐クロロ‐5‐((テトラヒドロ‐2H‐ピラン‐2‐イルオキシ)メチル)ベンゾエート(1.80g、6.3ミリモル)の溶液に添加した。室温で3日後、反応混合物を真空中で濃縮した。水(100mL)を添加し、混合物をCH2Cl2 (3×100mL)で抽出した。有機相を塩水(100mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物を40gのシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、790mg (49%)の(3‐クロロ‐5‐((テトラヒドロ‐2H‐ピラン‐2‐イルオキシ)メチル)フェニル)メタノールを得た。
【0108】
工程3:3‐クロロ‐5‐((テトラヒドロ‐2H‐ピラン‐2‐イルオキシ)メチル)ベンズアルデヒド
DMSO (0.70mL、9.06ミリモル)を、−78℃のCH2Cl2 (3 mL)中の塩化オキサリル溶液(2.0mLのCH2Cl2中2.0M溶液、4.0ミリモル)に添加した。−78℃で1時間後、CH2Cl2 (6mL)中の(3‐クロロ‐5‐((テトラヒドロ‐2H‐ピラン‐2‐イルオキシ)メチル)フェニル)メタノール(600mg、2.33ミリモル)の溶液を、シリンジによりゆっくり添加した。−78℃で5分後、トリエチルアミン(2.4mL、17.2ミリモル)を添加し、反応物を室温に温めた。3時間後、反応混合物を飽和NaHCO3水溶液(50mL)とCH2Cl2 (150mL)間に分配させた。相を分離し、水性相をCH2Cl2 (2×50mL)で抽出した。混ぜ合せた抽出物を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮して、粗3‐クロロ‐5‐((テトラヒドロ‐2H‐ピラン‐2‐イルオキシ)メチル)ベンズアルデヒドを得、これをさらに精製することなく使用した。
【0109】
工程4:(E)‐2‐(3‐クロロ‐5‐(プロペ‐1‐エニル)ベンジルオキシ)テトラヒドロ‐2H‐ピラン
カリウム t‐ブトキシド(1.11g、9.89ミリモル)を、0℃のTHF (20mL)中のエチルトリフェニルホスホニウムブロミド(2.39g、6.44ミリモル)の溶液に添加した。この赤/橙色混合物に、0℃のTHF (20mL)中の粗3‐クロロ‐5‐((テトラヒドロ‐2H‐ピラン‐2‐イルオキシ)メチル)ベンズアルデヒド(約2.33ミリモル)の溶液を添加した。5分後、反応混合物を0.1N HCl (50mL)とCH2Cl2 (200mL)間に分配させた。相を分離し、水性相をCH2Cl2 (3×100mL)で抽出した。混ぜ合せた有機相を塩水(100mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物を40gのシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、400mg (64%)の(E)‐2‐(3‐クロロ‐5‐(プロペ‐1‐エニル)ベンジルオキシ)テトラヒドロ‐2H‐ピランを得た。
【0110】
工程5:(E)‐(3‐クロロ‐5‐(プロペ‐1‐エニル)フェニル)メタノール
実施例2の工程3の手順に従い、(E)‐2‐(3‐クロロ‐5‐(プロペ‐1‐エニル)ベンジルオキシ)テトラヒドロ‐2H‐ピラン(470mg、1.76ミリモル)を、240mg (75%)の(E)‐(3‐クロロ‐5‐(プロペ‐1‐エニル)フェニル)メタノールに転換した。
【0111】
工程6:(E)‐1‐(ブロモメチル)‐3-クロロ‐5‐(プロペ‐1‐エニル)ベンゼン
臭素(72μL、1.40ミリモル)を、0℃のCH2Cl2 (1.5mL)中のトリフェニルホスフィン(415mg、1.58ミリモル)とイミダゾール(110mg、1.62ミリモル)の溶液に添加した。15分後、CH2Cl2 (4.5mL)中の(E)‐(3‐クロロ‐5‐(プロペ‐1‐エニル)フェニル)メタノール(240mg、1.31ミリモル)の溶液を添加した。0℃で30分後、反応混合物を真空中で濃縮した。粗残留物を40gのシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、240mg (74%)の(E)‐1‐(ブロモメチル)‐3‐クロロ‐5‐(プロペ‐1‐エニル)ベンゼンを得た。
【0112】
工程7:(E)‐(3‐クロロ‐5‐(プロペ‐1‐エニル)ベンジル)トリフェニルホスホニウムブロミド
調製例1の工程5の手順に従い、(E)‐1‐(ブロモメチル)‐3‐クロロ‐5‐(プロペ‐1‐エニル)ベンゼン(240mg、0.98ミリモル)を、430mg (87%)の標示化合物を得た。
【0113】
実施例10
5‐(3‐((1R,2R,3R,5R)‐5‐クロロ‐2‐((E)‐3‐クロロ‐5‐((E)‐プロペ‐1‐エニル)スチリル)‐3‐ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸(15g)
工程1:11gを得るための10のウィッティヒ反応
実施例2の工程2の手順に従い、アルデヒド10(250mg、0.60ミリモル)と(E)‐(3‐クロロ‐5‐(プロペ‐1‐エニル)ベンジル)トリフェニルホスホニウムブロミド(調製例7;430mg、0.85ミリモル)を、204mg (60%)のアルケン11gと12gの混合物に転換した。
【0114】
工程2:13gおよび14gを得るための11gおよび12gの脱保護
実施例2の工程3の手順に従い、THP‐エーテル11gと12g(204mg、0.36ミリモル)を、107mg (62%)のアルケン13gと21mg (12%)のアルケン14gに転換した。
【0115】
工程3:15gを得るための13gの鹸化
実施例2の工程4の手順に従い、エステル13g (49mg、0.10ミリモル)を、35mg (74%)の標示化合物(15g)に転換した。
【0116】
実施例11
5‐(3‐((1R,2R,3R,5R)‐5‐クロロ‐2‐((Z)‐3‐クロロ‐5‐((E)‐プロペ‐1‐エニル)スチリル)‐3‐ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸(16g)
実施例2の工程4の手順に従い、エステル14g (実施例10の工程2;21mg、0.044ミリモル)を、10mg (49%)の標示化合物(16g)に転換した。
【0117】
実施例12
5‐(3‐((1R,2R,3R,5R)‐5‐クロロ‐3‐ヒドロキシ‐2‐(3‐メチルスチリル)シクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸(15hおよび16h)
工程1:11hを得るための10のウィッティヒ反応
実施例2の工程2の手順に従い、アルデヒド10(250mg、0.60ミリモル)と(3‐メチルベンジル)トリフェニルホスホニウムクロリド(483mg、1.20ミリモル)を、210mg (69%)のアルケン11h(約10%のシス‐アルケン12hの混在)に転換した。
【0118】
工程2:13hを得るための11hの脱保護
実施例2の工程3の手順に従い、不純なTHP‐エーテル11h(207mg、0.41ミリモル)を、166mg (96%)のアルケン13h(約10%のシス‐アルケン14hの混在)に転換した。
【0119】
工程3:15hを得るための13hの鹸化
実施例2の工程4の手順に従い、不純なエステル13h(45mg、0.11ミリモル)を、5mg (11%)の標示化合物(15h;約10%のシス‐アルケン16hの混在)に転換した。
【0120】
調製例8
((2‐プロピルピリジン‐4‐イル)メチル)トリフェニルホスホニウムブロミド
工程1:メチル 2‐プロピルイソニコチネート[Furstner, et al Angew. Chem Int. Ed. 2002, 41, 609‐612の手順に従う]
0℃で、n‐プロピルマグネシウムクロリド(16.0mLのTHF中2.0N溶液、32.0ミリモル)を、0℃のメチル 2‐クロロイソニコチネート(4.77g、27.8ミリモル)、Fe(acac)3 (610mg、1.73ミリモル)、THF(150mL)およびNMP(17mL)の溶液に添加した。1時間後、反応物をMTBE (200mL)で希釈し、1.0N HCl (20mL)でゆっくり失活させた。混合物を水(50mL)で希釈し、相を分離した。水性相をMTBE (2×200mL)で抽出した。混ぜ合せた有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物を200gのシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(20%ヘキサン/EtOAc)により精製して、2.3g(46%)のメチル 2‐プロピルイソニコチネートを得た。
【0121】
工程2:(2‐プロピルピリジン‐4‐イル)メタノール
調製例6の工程1の手順に従い、メチル 2‐プロピルイソニコチエート(2.15g、12.0ミリモル)を、1.2g (66%)の(2‐プロピルピリジン‐4‐イル)メタノールに転換した。
【0122】
工程3:4‐(ブロモメチル)‐2‐プロピルピリジン
調製例7の工程6の手順に従い、(2‐プロピルピリジン‐4‐イル)メタノール(700mg、4.63ミリモル)を、600mg (61%)の4‐(ブロモメチル)‐2‐プロピルピリジンに転換した。
【0123】
工程4:((2‐プロピルピリジン‐4‐イル)メチル)トリフェニルホスホニウムブロミド
調製例1の工程5の手順に従い、4‐(ブロモメチル)‐2‐プロピルピリジン(350mg、1.64ミリモル)を、710mg (91%)の標示化合物に転換した。
【0124】
実施例13
5‐(3‐((1R,2R,3R,5R)‐5‐クロロ‐3‐ヒドロキシ‐2‐((E)‐2‐(2‐プロピルピリジン‐4‐イル)ビニル)シクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸(15i)
工程1:11iを得るための10のウィッティヒ反応
実施例2の工程2の手順に従い、アルデヒド10(250mg、0.60ミリモル)と((2‐プロピルピリジン‐4‐イル)メチル)トリフェニルホスホニウムブロミド(430mg、0.90ミリモル)を、250mg (78%)のアルケン11i (約10%のシス‐アルケン12iの混在)に転換した。
【0125】
工程2:13iを得るための11iの脱保護
実施例2の工程3の手順に従い、不純なTHP‐エーテル11i (250mg、0.47ミリモル)を、201mg (95%)のアルケン13i (約10%のシス‐アルケン14iの混在)に転換した。
【0126】
工程3:15iを得るための13iの鹸化
実施例2の工程4の手順に従い、不純なエステル13i (20mg、0.045ミリモル)を、8mg (41%)の標示化合物(15i;約10%のシス‐アルケン16iの混在)に転換した。
【0127】
【化27】

【0128】
調製例9
エチル 2‐(2‐((1R,2S,3R,5R)‐5‐クロロ‐2‐(ヒドロキシメチル)‐3‐(テトラヒドロ‐2H‐ピラン‐2‐イルオキシ)シクロペンチル)エチルチオ)チアゾール‐4‐カルボキシレート(24)
工程1:ラクトン17のジオール18への還元
LiAlH4 (13.5mLのTHF中1.0M溶液、13.5ミリモル)を、窒素下0℃のTHF (45mL)中のラクトン17(5.0g、13.5ミリモル)の溶液にゆっくり添加した(活発なガス発生が観察された)。0℃で3時間後、tlc分析は反応が完了したことを示し、水(50mL)をゆっくり添加した。室温への加温時に、CH2Cl2 (250mL)を、次いで、15%NaOH水(100mL)を添加した。相を分離し、水性相をCH2Cl2 (3×100mL)で抽出した。混ぜ合せた有機相を塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。得られた粗ジオール18(約5g)を、さらに精製することなく次の反応に使用した。
【0129】
工程2:ジ‐メシラート19を得るためのジオール18のメシル化
トリエチルアミン(4.4mL、31.6ミリモル)と塩化メタンスルホニル(1.8mL、23.2ミリモル)を、0℃のCH2Cl2 (100mL)中の18(3.57g、9.53ミリモル)の溶液に順次添加した。反応混合物を室温に温め、室温で3日間撹拌した(注:この反応時間は、1日程度に短くてもよい)。飽和NaHCO3水溶液(100mL)を添加し、混合物をCH2Cl2 (300mL)で抽出した。有機相を塩水(50mL)で洗浄し、その後、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物を80gのシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、4.44g (88%)のジ‐メシラート19を得た。
【0130】
工程3:メシラート19のチオアセテート20への転換
チオ酢酸カリウム(1.51g、13.2ミリモル)を、室温のDMF (100mL)中のジ‐メシラート19(4.44g、8.37ミリモル)の溶液に添加した。室温で18時間撹拌した後、混合物をEtOAc (400mL)と水(50mL)間に分配させた。相を分離し、有機相を水(10×100mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物をシリカゲル上での伝統的なフラッシュカラムクロマトグラフィー(30%EtOAc/ヘキサン)により精製して、2.93g (69%)のチオアセテート20を得た。
【0131】
工程4:チアゾール22を得るための20と21との反応
トリ‐n‐ブチルホスフィン(0.25mL、1.0ミリモル)を、無水EtOH (20mL)中のチオアセテート20(2.42g、4.74ミリモル)の溶液に添加した。窒素下に室温で5分後、エチル 2‐ブロモチアゾール‐4‐カルボキシレート(21、CombiBlocks, Inc社から商業的に入手可能;1.30g、5.51ミリモル)と炭酸カリウム(1.09g、7.89ミリモル)を、続けざまに添加した。窒素雰囲気を再確立し、混合物を40℃で1夜加熱した。混合物を室温に冷却し、その後、EtOAc (700mL)と水(200mL)間に分配させた。相を分離し、有機相を塩水(100mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物を80gのシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、1.10g (37%)のチアゾール22を得た。
【0132】
工程5:メシラート22のクロリド23への転換
トリエチルアミン(2.5mL、17.9ミリモル)と塩化テトラブチルアンモニウム(2.5g、9.0ミリモル)を、トルエン(20mL)中の22(1.10g、1.76ミリモル)の溶液に添加した。反応混合物を40℃で18時間加熱した。冷却した混合物のTLC分析は、反応が不完全であることを示していた。さらなるトリエチルアミン(1.2mL、8.6ミリモル)と塩化テトラブチルアンモニウム(1.2g、4.3ミリモル)を添加し、混合物を40℃で18時間加熱した。冷却した混合物を水(100mL)で希釈し、EtOAc (300mL)で抽出した。有機相を塩水(50mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物を40gのシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、720mg (72%)のクロリド23を得た。
【0133】
工程6:アルコール24を得るための23の脱シリル化
フッ化テトラブチルアンモニウム(1.8mLのTHF中1.0M溶液、1.8ミリモル)を、室温のTHF (7mL)中の23(720mg、1.28ミリモル)の溶液に添加した。室温で1時間後、反応混合物をEtOAc (200mL)とH2O (100mL)間に分配させた。相を分離し、有機相を塩水(2×50mL)で洗浄し、その後、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物を12gのシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、510mg (89%)の標示化合物(24)を得た。
【0134】
【化28】

【0135】
実施例14
2‐(2‐((1R,2R,3R,5R)‐5‐クロロ‐2‐(3,5‐ジクロロスチリル)‐3‐ヒドロキシシクロペンチル)エチルチオ)チアゾール‐4‐カルボン酸(30a)
工程1:25を得るための24のスワン酸化
実施例2の工程1の手順に従い、アルコール24(調製例9;150mg、0.34ミリモル)を、粗アルデヒド25に転換し、これをさらに精製することなく次の工程で使用した。
【0136】
工程2:26aおよび27aを得るための25のウィッティヒ反応
実施例2の工程2の手順に従い、アルデヒド24(約0.17ミリモル)と3,5‐ジクロロフェニルメチルトリフェニルホスホニウムクロリド(210mg、0.46ミリモル)を、91mg (33%)のアルケン26aと27aの分離不能な混合物に転換した。
【0137】
工程3:28aおよび29aを得るための26aおよび27aの脱保護
実施例2の工程3の手順に従い、THP‐エーテル26aと27a (91mg、0.15ミリモル)を、40mg (51%)のアルケン28aと21mg (27%)のアルケン29aに転換した。
【0138】
工程4:30aを得るための28aの鹸化
実施例2の工程4の手順に従い、エステル28a (10mg、0.020ミリモル)を、2mg (21%)の標示化合物(30a)に転換した。
【0139】
実施例15
2‐(2‐((1R,2R,3R,5R)‐2‐((E)‐3‐(ブテ‐3‐エニル)‐5‐クロロスチリル)‐5‐クロロ‐3‐ヒドロキシシクロペンチル)エチルチオ)チアゾール‐4‐カルボン酸(30b)
工程1:26bおよび27bを得るための25のウィッティヒ反応
実施例2の工程2の手順に従い、アルデヒド25(141mg、0.31ミリモル)と3‐(ブテ‐3‐エニル)フェニル)メチル)トリフェニルホスホニウムクロリド(調製例6;317mg、0.72ミリモル)を、105mg (58%)のアルケン26bと27bの混合物に転換した。
【0140】
工程2:28bおよび29bを得るための26bおよび27bの脱保護
実施例2の工程3の手順に従い、THP‐エーテル26bと27b (105mg、0.18ミリモル)を、67mg (75%)のアルケン28bと12mg(13%)のアルケン29bに転換した。
【0141】
工程3:30bを得るための28bの鹸化
実施例2の工程4の手順に従い、エステル28b (67mg、0.14ミリモル)を、30mg (47%)の標示化合物(30b)に転換した。
【0142】
実施例16
2‐(2‐((1R,2R,3R,5R)‐2‐((Z)‐3‐(ブテ‐3‐エニル)‐5‐クロロスチリル)‐5‐クロロ‐3‐ヒドロキシシクロペンチル)エチルチオ)チアゾール‐4‐カルボン酸(31b)
実施例2の工程4の手順に従い、エステル29b (12mg、0.24ミリモル)を、5mg (44%)の標示化合物(31b)に転換した。
【0143】
【化29】

【0144】
実施例17
5‐(3‐((1R,2S,3R)‐3‐ヒドロキシ‐5‐オキソ‐2‐(フェニルエチニル)シクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸(38)
工程1:33を得るための共役付加およびシリル化
トリメチルアルミニウム(4.1mLのトルエン中2.0M溶液、8.2ミリモル)を、THF (20mL)を収容するフラスコに添加し、フラスコを−78℃に冷却した。リチウムフェニルアセチリド(8.2mLのTHF中1.0M溶液、8.2ミリモル)を添加し、反応物を−78℃で30分間撹拌した。別のフラスコに、THF (20mL)中のエノン32(WO2007/115020号参照;該特許は、参考としてその全体を本明細書に合体させる)を投入し、−78℃に冷却し、TESOTf (1.80g、6.81ミリモル)を添加した(TESOTfの添加の前にエノンを−78℃冷却することが重要である)。−78℃で30分間撹拌した後、上記アルミニウム収容フラスコの内容物を、カニューレによって第2フラスコ(エノンを収容する)に−78℃で移し、反応物を30分間撹拌した。反応物を約−10℃に温め、飽和ロッシェル塩(Rochelle's Salt)水溶液(200 mL)を添加した(失活の5分後に、反応物が発泡した;最終フラスコは、この作用を可能にするように十分に大きくなければならない)。内容物の強い撹拌は数時間続行し、内容物を分液漏斗に移し、Et2OとCH2Cl2で1回洗浄した。混ぜ合せた有機相を乾燥させ(Na2SO4)、コンビフラッシュ(combiflash)クロマトグラフィーにより、1.20gの純粋生成物と5%ケトン混在の784mgの生成物を得た(約75%)。
【0145】
工程2:34および35を得るための33の脱保護
シリルエノールエーテル33(260mg、0.43ミリモル)とMeCN (10mL)を、プラスチックボトルに加え、0℃に冷却した。HF‐ピリジン(0.05mL)を添加し、反応物を0℃で2時間撹拌した。その後、反応物を、飽和NaHCO3水溶液でゆっくり失活させ、混合物をEtOAcで1回、CH2Cl2で1回抽出した。混ぜ合せた有機相を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、コンビフラッシュクロマトグラフィーによって75mg (35%)のケトン34を、その後、28.7mg (14%)の緩慢移動性の異性体ケトン35を得た。
【0146】
工程3:36を得るための34の脱保護
シリルエーテル34(75mg、0.15ミリモル)とMeCN (3mL)を、プラスチックバイアルに加え、0℃に冷却した。HF‐ピリジン(0.05mL)を添加し、反応物を、1夜撹拌しながら室温に温めた。その後、反応物を、飽和NaHCO3水溶液でゆっくり失活させ、混合物をEtOAcで1回、CH2Cl2で1回抽出した。混ぜ合せた有機相を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、コンビフラッシュクロマトグラフィーによって45.6mg (79%)のケトン36を得た。
【0147】
工程4:38を得るための36の鹸化
エステル36(10mg、0.026ミリモル)、DMSO (0.5mL)およびpH7.2のリン酸緩衝液(50mL)を100mLの丸底フラスコに添加し、その後、ウサギ肝臓エステラーゼ(RLE、Sigma社から商業的に入手可能、500単位)の添加を行った。室温で12時間の撹拌後、反応物を真空中で濃縮した。粗残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(50%EtOAc/ヘキサン→EtOAc中の1%AcOH)により精製して、7.3mg (76%)の標示化合物(38)を得た。
【0148】
実施例18
5‐(3‐((1S,2S,3R)‐3‐ヒドロキシ‐5‐オキソ‐2‐(フェニルエチニル)シクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸(39)
工程1:37を得るための35の脱保護
実施例17の工程3の手順に従い、シリルエーテル35(28.7mg、0.058ミリモル)を、17.1mg (77%)のケトン37に転換した。
【0149】
工程4:39を得るための37の鹸化
実施例17の工程4の手順に従い、エステル37(17.1mg、0.045ミリモル)を、14.4mg (87%)の標示化合物(39)に転換した。
【0150】
【化30】

【0151】
実施例19
5‐(3‐((1R,2S,3R,5R)‐5‐フルオロ‐3‐ヒドロキシ‐2‐(フェニルエチニル)シクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸(43)
工程1:40を得るための34の還元
L‐セレクトリド(1.14mLのTHF中1.0M溶液、1.14ミリモル)を、−78℃のTHF (5mL)中のケトン34(170mg、0.34ミリモル)の溶液に添加した。1時間後、3%H2O2 (25mL)を添加し、反応物を室温に温めた。室温で0.5時間の撹拌後、飽和NH4Cl水溶液を添加し、混合物をEtOAc (3×)で抽出した。混ぜ合せた有機相を塩水で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。粗残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、150mg (88%)の所望アルコール40を得た。
【0152】
工程2:アルコール40のフルオライド41への転換
(ジエチルアミノ)イオウトリフルオライド(DAST;17μL、0.13ミリモル)を、−78℃のCH2Cl2 (3mL)中のアルコール40(30mg、0.060ミリモル)の溶液に添加した。30分間撹拌した後、混合物を水で希釈し、CH2Cl2 (3×)とヘキサン(1×)で抽出した。混ぜ合せた有機相を塩水で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。粗残留物をコンビフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、23mg (76%)のフルオライド41を得た。
【0153】
工程3:42を得るための41の脱保護
HF‐ピリジン(0.15 mL)を、プラスチックバイアル内のMeCN (2mL)中の41(23mg、0.046ミリモル)の溶液に添加した。16時間撹拌した後、混合物を飽和NaHCO3水溶液で失活させ、EtOAcで抽出した。有機相を塩水で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物をコンビフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、16mg (90%)のアルコール42を得た。
【0154】
工程4:43を得るための42の鹸化
水酸化リチウム(6.5mg、0155ミリモル)を、1:0.5のTHF/水溶液(1.5mL)中のエステル11(8mg、0.021ミリモル)の溶液に添加した。72時間撹拌した後、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、8mg(定量)の標示化合物(43)を得た。
【0155】
【化31】

【0156】
実施例20
5‐(3‐((1R,2S,3R,5R)‐5‐クロロ‐3‐ヒドロキシ‐2‐(フェニルエチニル)シクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸(47)
工程1:44を得るための40のメシル化
塩化メタンスルホニル(37μL、0.48ミリモル)を、CH2Cl2 (3mL)中のアルコール40(120mg、0.24ミリモル)とトリエチルアミン(0.10mL、0.72ミリモル)の溶液に添加した。室温で1時間撹拌した後、混合物を飽和NaHCO3水溶液で失活させた。有機相を分離し、塩水で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。粗残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、110mg (79%)のメシラート44を得た。
【0157】
工程2:メシラート44の塩化物45への転換
TBAC (245mg、0.88ミリモル)を、トルエン(2mL)中のメシラート44(50mg、0.087ミリモル)の溶液に添加し、その後、混合物を45℃で6時間撹拌した。その後、混合物を室温に冷却し、水を添加した。水相をEtOAcで抽出し、有機相を塩水で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。粗残留物をコンビフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、45mg (定量)の塩化物45を得た。
【0158】
工程3:46を得るための45の脱保護
実施例19の工程3の手順に従い、シリルエーテル45(45mg、0.087ミリモル)を、31mg (89%)のアルコール46に転換した。
【0159】
工程4:47を得るための46の鹸化
実施例19の工程4の手順に従い、エステル46(31mg、0.077ミリモル)を、15.8mg (53%)の標示化合物(47)に転換した。
【0160】
実施例21
イソプロピル 5‐(3‐((1R,2S,3R,5R)‐5‐クロロ‐3‐ヒドロキシ‐2‐(フェニルエチニル)シクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボキシレート(48)
2‐ヨードプロパン(使用直前に活性化した塩基性のBrockman I、標準級150メッシュアルミナの短カラムに通した;43mg、0.26ミリモル)を、アセトン(0.4mL)中の酸47(5mg、0.013ミリモル)とDBU(7.8mg、0.051ミリモル)の混合物に添加した。16時間撹拌した後、混合物を濃縮し、EtOAcで抽出した。有機相を1%HCl水溶液、飽和NaHCO3水溶液、塩水で洗浄し、その後、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物をコンビフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、2.9mg (52%)の標示化合物(48)を得た。
【0161】
【化32】

【0162】
実施例22
5‐(3‐((1S,2S,3R,5R)‐5‐シアノ‐3‐ヒドロキシ‐2‐(フェニルエチニル)シクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸(51)
工程1:メシラート44のニトリル49への転換
シアン化カリウム(68mg、1.04ミリモル)を、DMSO (5mL)中のメシラート44(60mg、0.104ミリモル)の溶液に添加し、その後、混合物を65℃で24時間加熱した。混合物を室温に冷却し、水/塩水で希釈し、CHCl3 (4×)とEtOAcで抽出した。混ぜ合せた有機相を塩水で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物をコンビフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、13mg (25%)のニトリル49を得た。
【0163】
工程2:50を得るための49の脱保護
実施例19の工程3の手順に従い、シリルエーテル49(13mg、0.026ミリモル)を、7.3mg (72%)のアルコール50に転換した。
【0164】
工程3:51を得るための50の鹸化
実施例19の工程4の手順に従い、エステル50(7.3mg、0.019ミリモル)を、5mg (71%)の標示化合物(51)に転換した。
【0165】
【化33】

【0166】
実施例23
5‐(3‐((1R,2S,3R)‐3‐ヒドロキシ‐2‐(フェニルエチニル)‐5‐(トリフルオロメチル)シクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸(急速溶出性HPLCジアステレオマー58)
工程1:34の52への転換
トリフルオロメチルトリメチルシラン(Fluka社;8mLのTHF中2.0M溶液、16ミリモル)を、室温のTHF (17mL)中のケトン34(300mg、0.60ミリモル)の溶液に添加し、その後、4滴のフッ化テトラブチルアンモニウム(TBAF;THF中1.0M)を添加した;反応物は、薄黄色に変化した。45分後、反応物を飽和NH4Cl水溶液でゆっくり失活させ、EtOAc (3×)で抽出した。混ぜ合せた有機相を塩水で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。粗シラン52を、次の反応前に、高真空下に12時間乾燥させた。
【0167】
工程2:53を得るための52の脱シリル化
固形K2CO3 (248mg、1.79ミリモル)を、MeOH (40mL)中の粗シラン52に添加し、混合物を4時間撹拌した。その後、反応物を飽和NH4Cl水溶液で希釈し、EtOAcで抽出した。有機相を塩水で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。粗残留物をコンビフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、170mg (50%2工程以上)のアルコール53を得た。
【0168】
工程3:アルコール53のエステル54への転換
塩化メチルオキサリル(183mg、1.49ミリモル)を、アルコール53(170mg、0.30ミリモル)、ピリジン(0.73mL、9.0ミリモル)、4‐N,N‐ジメチルアミノピリジン(220mg、1.80ミリモル)およびCH2Cl2 (8mL)の混合物にゆっくり添加した。1.5時間撹拌した後、混合物を水で失活させ、EtOAc/ヘキサン(4:1;20mL)で抽出し、分配させた。有機相を再度水(20mL)で洗浄し、その後、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物をコンビフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、162mg (83%)のエステル54を得た。
【0169】
工程4:エステル54の55への転換
オキサリルエステル54(162mg、0.25ミリモル)、AIBN (40mg)およびトルエン(2mL)の混合物を、窒素ガスで20分間バブリングした。別個に、トルエン(10mL)中のBu3SnH (727mg、2.50ミリモル)の溶液を窒素ガスで20分間バブリングし、その後、120℃にした。上記AIBN含有混合物を滴下により急速添加した。20分後、TLCにより出発物質が無いことを確認し、反応物を濃縮して、129mg (約94%)の粗55を得た。
【0170】
工程5:56および57を得るための55の脱保護
実施例19の工程3の手順に従い、粗シリルエーテル55(129mg、約0.234ミリモル)を、HPLC分離(EtOAc/ヘキサン;1:3)の後、4mg (4%)の急速溶出性アルコール56と10.4mg (10%)の緩慢溶出性アルコール57に転換した。
【0171】
工程6:58を得るための56の鹸化
実施例19の工程4の手順に従い、エステル56(4mg、0.009ミリモル)を、2.2mg (57%)の標示化合物(58)に転換した。
【0172】
実施例24
5‐(3‐((1R,2S,3R)‐3‐ヒドロキシ‐2‐(フェニルエチニル)‐5‐(トリフルオロメチル)シクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2-カルボン酸(緩慢溶出性HPLCジアステレオマー59)
実施例19の工程4の手順に従い、エステル57(10.4mg、0.024ミリモル)を、5mg (50%)の標示化合物(59)に転換した。
【0173】
【化34】

【0174】
実施例25
5‐(3‐((1R,2S,3R,5R)‐5‐クロロ‐2‐((3,5‐ジクロロフェニル)エチニル)‐3‐ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸(63a)
工程1:60を得るための10の還元(Roth, et al., Synthesis 2004, 59‐62の手順による)
MeCN (15mL)中のトシルアジド(240mg、1.22ミリモル)と炭酸カリウム(415mg、3.0ミリモル)の混合物に、ジメチル‐2‐オキソプロピルホスホネート(166μL、1.20ミリモル)を添加した。室温で2時間の撹拌後、MeOH (3mL)中の粗アルデヒド10(実施例2の工程1の手順に従って調製;約1.0ミリモル)の溶液をカニューレによって添加した。混合物を室温で1夜撹拌し、その後、真空中で濃縮した。水(10mL)を添加し、混合物をEtOAc (20mL)で抽出した。有機相を水(10mL)と塩水(10mL)で洗浄し、その後、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物を40gのシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、203mg (49%;トシルアミドが僅かに混在)のアルキン60を得た。
【0175】
工程2:61aを得るための60のアリール化(Gelman and Buchwald, Angew. Chem. Int. Ed. 2003, 42, 5993‐5996の手順による)
炭酸セシウム(80mg、0.25ミリモル)、ビス(アセトニトリル)パラジウム(II)クロリド(1.6mg、0.006ミリモル)、2‐ジシクロヘキシルホスフィノ‐2',4',6'‐トリイソプロピルビフェニル(Xphos;8.8mg、0.018ミリモル)および1‐ブロモ‐3,5‐ジクロロベンゼン(27.5mg、0.12ミリモル)を、1ドラム(3.696cc)バイアル中で混合した。混合物を窒素で掃気し、室温で25分間撹拌し、その後、MeCN (0.25mL)中のアルキン60(50mg、0.12ミリモル)の溶液を添加した。室温で3時間後、tlc分析は、反応が殆ど生じていないことを示し、従って、バイアルを窒素下に密閉し、50℃に加熱した。18時間後、混合物を冷却し、EtOAcで希釈し、セライトで濾過した。濾液を真空中で濃縮した。粗残留物を12gのシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、34.5mg (51%)の61aを得た。
【0176】
工程3:62aを得るための61aの脱保護
実施例2の工程3の手順に従い、THP‐エーテル61a (34mg、0.061ミリモル)を、25mg (87%)のアルコール62aに転換した。
【0177】
工程4:63aを得るための62aの鹸化
実施例4の工程3の手順に従い、エステル62a (25mg、0.053ミリモル)を、16.5mg (68%)の標示化合物(63a)に転換した。
【0178】
実施例26
5‐(3‐((1R,2S,3R,5R)‐5‐クロロ‐2‐((3‐エチルフェニル)エチニル)‐3‐ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸(63b)
工程1:61bを得るための60のアリール化
実施例24の工程2の手順に従い、60(50mg、0.12ミリモル)と1‐ブロモ‐3‐エチルベンゼン(26mg、0.14ミリモル)を、70℃で4時間加熱した後に、41mg (65%)の61bに転換した。
【0179】
工程2:62bを得るための61bの脱保護
実施例2の工程3の手順に従い、THP‐エーテル61b (41mg、0.080ミリモル)を、30mg (87%)のアルコール62bに転換した。
【0180】
工程3:63bを得るための62bの鹸化
実施例4の工程3の手順に従い、エステル62b (30mg、0.070ミリモル)を、40℃で18時間加熱した後に、27mg (93%)の標示化合物(63b)に転換した。
【0181】
実施例27
5‐(3‐((1R,2S,3R,5R)‐2‐((3‐(ブテ‐3‐エニル)フェニル)エチニル)‐5‐クロロ‐3‐ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸(63c)
工程1:61cを得るための60のアリール化
実施例24の工程2の手順に従い、60(36mg、0.088ミリモル)と1‐ブロモ‐3‐(ブテ‐3‐エニル)ベンゼン(18.5mg、0.088ミリモル)を、50℃で18時間加熱した後に、42mg (89%)の61cに転換した。
【0182】
工程2:62cを得るための61cの脱保護
実施例2の工程3の手順に従い、THP‐エーテル61c (42mg、0.078ミリモル)を、24mg (68%)のアルコール62cに転換した。
【0183】
工程3:63cを得るための62cの鹸化
実施例4の工程3の手順に従い、エステル62c (24mg、0.070ミリモル)を、40℃で18時間加熱した後に、16mg (69%)の標示化合物(63c)に転換した。
【0184】
実施例28
5‐(3‐((1R,2S,3R,5R)‐5‐クロロ‐3‐ヒドロキシ‐2‐(チオフェン‐2‐イルエチニル)シクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸(63d)
工程1:61dを得るための60のアリール化
実施例24の工程2の手順に従い、60(65mg、0.16ミリモル)と2‐クロロチオフェン(15μL、0.16ミリモル)を、50℃で18時間加熱した後に、15mg (19%)の61dに転換した。
【0185】
工程2:62dを得るための61dの脱保護
実施例2の工程3の手順に従い、THP‐エーテル61d (15mg、0.030ミリモル)を、10mg (80%)のアルコール62dに転換した。
【0186】
工程3:63dを得るための62dの鹸化
実施例4の工程3の手順に従い、エステル62d (5mg、0.012ミリモル)を、40℃で18時間加熱し且つ20%MeOH/CH2Cl2による分取り薄層クロマトグラフィー溶出によって精製した後に、2mg (41%)の標示化合物(63d)に転換した。
【0187】
実施例29
5‐(3‐((1R,2S,3R,5R)‐5-クロロ‐3‐ヒドロキシ‐2‐(チオフェン‐3‐イルエチニル)シクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸(63e)
工程1:61eを得るための60のアリール化
実施例24の工程2の手順に従い、60(65mg、0.16ミリモル)と3‐クロロチオフェン(15μL、0.16ミリモル)を、50℃で18時間加熱した後に、25mg (32%)の61eに転換した。
【0188】
工程2:62eを得るための61eの脱保護
実施例2の工程3の手順に従い、THP‐エーテル61e (25mg、0.051ミリモル)を、20mg (96%)のアルコール62eに転換した。
【0189】
工程3:63eを得るための62eの鹸化
実施例4の工程3の手順に従い、エステル62e (10mg、0.024ミリモル)を、40℃で18時間加熱し且つ20%MeOH/CH2Cl2による分取り薄層クロマトグラフィー溶出によって精製した後に、1mg (10%)の標示化合物(63e)に転換した。
【0190】
実施例30
5‐(3‐((1R,2S,3R,5R)‐5‐クロロ‐3‐ヒドロキシ‐2‐(ピリジン‐2‐イルエチニル)シクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸(63f)
工程1:61fを得るための60のアリール化
実施例24の工程2の手順に従い、60(107mg、0.26ミリモル)と2‐ブロモピリジン(50μL、0.52ミリモル)を、60℃で18時間加熱した後に、74mg (58%)の61fに転換した。
【0191】
工程2:62fを得るための61fの脱保護
実施例2の工程3の手順に従い、THP‐エーテル61f (74mg、0.15ミリモル)を、22mg (36%)のアルコール62fに転換した。
【0192】
工程3:63fを得るための62fの鹸化
実施例4、工程3の手順に従い、エステル62f (10mg、0.025ミリモル)を、30%MeOH/CH2Cl2による分取り薄層クロマトグラフィー溶出によって精製した後に、5mg (52%)の標示化合物(63f)に転換した。
【0193】
実施例31
5‐(3‐((1R,2S,3R,5R)‐5‐クロロ‐3‐ヒドロキシ‐2‐(ピリジン‐3‐イルエチニル)シクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸(63g)
工程1:61gを得るための60のアリール化
実施例24、工程2の手順に従い、60(150mg、0.37ミリモル)と3‐ブロモピリジン(116mg、0.73ミリモル)を、65℃で18時間加熱した後に、93mg (52%)の61gに転換した。
【0194】
工程2:62gを得るための61gの脱保護
実施例2の工程3の手順に従い、THP‐エーテル61g (93mg、0.19ミリモル)を、2回目の当量のPPTsを18時間後に添加し且つ45℃でさらに24時間の加熱を行った後に、34mg (44%)のアルコール62gに転換した。
【0195】
工程3:63gを得るための62gの鹸化
実施例4、工程3の手順に従い、エステル62g (11mg、0.027ミリモル)を、30%MeOH/CH2Cl2による分取り薄層クロマトグラフィー溶出によって精製した後に、7mg (66%)の標示化合物(63g)に転換した。
【0196】
実施例32
5‐(3‐((1R,2S,3R,5R)‐5‐クロロ‐3‐ヒドロキシ‐2‐(ピリジン‐4‐イルエチニル)シクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸(63h)
工程1:61hを得るための60のアリール化
実施例24の工程2の手順に従い、60(134mg、0.33ミリモル)と4‐ブロモピリジンヒドロクロリド(111mg、0.57ミリモル)を、、65℃で18時間加熱し且つ3.5当量のCs2CO3を使用した後に、107mg (67%)の61hに転換した。
【0197】
工程2:62hを得るための61hの脱保護
実施例2の工程3の手順に従い、THP‐エーテル61h (107mg、0.22ミリモル)を、2回目の当量のPPTsを18時間後に添加し且つ50℃でさらに24時間の加熱を行った後に、109mgの不純な粗アルコール62hに転換した。
【0198】
工程3:63hを得るための62hの鹸化
実施例4、工程3の手順に従い、不純なエステル62h (15mg、約0.037ミリモル)を、20%MeOH/CH2Cl2による分取り薄層クロマトグラフィー溶出によって精製した後に、8mg (約55%)の標示化合物(63h)に転換した。
【0199】
【化35】

【0200】
調製例10
(3‐(3‐ブロモフェニル)プロポキシ)(tert‐ブチル)ジメチルシラン
工程1:3‐(3‐ブロモフェニル)プロパン‐1‐オール
THF (2mL + 0.5mL)中の1‐アリル‐3‐ブロモベンゼン(998mg、5.1ミリモル)の溶液を、THF (6.6mL)中の9‐BBNダイマー(806mg、3.3モル)の溶液に添加した。混合物を室温で1夜撹拌し、その後、3.0M NaOH (2mL)と30%H2O2 (2mL)を、反応混合物を氷浴中で冷却して発熱を制御しながら添加した。混合物を室温で4時間撹拌し、その後、塩水(20mL)とEtOAc (20mL)間に分配させた。相を分離し、水相をEtOAc (20mL)で抽出した。混ぜ合せた有機相を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物を80gのシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ヘキサン→60%EtOAc/ヘキサン、勾配)により精製して、637mg (58%)の3‐(3‐ブロモフェニル)プロパン‐1‐オールを得た。
【0201】
工程2:(3‐(3‐ブロモフェニル)プロポキシ)(tert‐ブチル)ジメチルシラン
t‐ブチルジメチルシリルクロリド(3.26g、21.7ミリモル)を、CH2Cl2 (30mL)中の3‐(3‐ブロモフェニル)プロパン‐1‐オール(3.15g、14.7ミリモル)、トリエチルアミン(4.1mL、29.4ミリモル)およびDMAP (364mg、3.0ミリモル)の溶液に添加した。室温で18時間撹拌した後、反応物を飽和NaHCO3水溶液(100 mL)で失活させ、混合物をCH2Cl2 (50 mL)で抽出した。有機相を塩水(100mL)で洗浄し、その後、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物を120gのシリカゲル上でのクロマトグラフィー(10%EtOAc/ヘキサン→35%EtOAc/ヘキサン、勾配)により精製して、4.36g (90%)の標示化合物を得た。
【0202】
実施例33
5‐(3‐((1R,2S,3R,5R)‐5‐クロロ‐3‐ヒドロキシ‐2‐((3‐(3‐ヒドロキシプロピル)フェニル)エチニル)シクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸(63i)
工程1:64を得るための60の脱保護
実施例2の工程3の手順に従い、THP‐エーテル60(121mg、0.29ミリモル)を、40gのシリカゲル上(ヘキサン→50%EtOAc/ヘキサン、勾配)で精製した後に、62mg (65%)のアルコール64に転換した。
【0203】
工程2:62iを得るための64のアリール化
実施例24の工程2の手順に従い、64(292mg、0.89ミリモル)と(3‐(3‐ブロモフェニル)プロポキシ)(tert‐ブチル)ジメチルシラン(調製例10;286mg、0.87ミリモル)を、40gのシリカゲル上(ヘキサン→50%EtOAc/ヘキサン、勾配)で精製した後に、321mg (64%)の62iに転換した。
【0204】
工程3:63iを得るための62iの脱保護および鹸化
TBAF (0.10mLのTHF中1.0M溶液、0.10ミリモル)を、THF (0.10mL)中の62i (13mg、0.023ミリモル)の溶液に添加した。室温で21時間撹拌した後、反応物を飽和NH4Cl水溶液(10mL)とEtOAc (20mL)間に分配させた。相を分離し、水性相をEtOAc (20mL)で抽出した。混ぜ合せた有機相を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、真空中で濃縮した。その後、粗物質を実施例4の工程3の手順に従い処理し、5mg (49%)の標示化合物(63i)を、60℃で18時間加熱した後で、7.5%MeOH/CH2Cl2による薄層クロマトグラフィー溶出によって精製した後に得た。
【0205】
【化36】

【0206】
実施例34
2‐(2‐((1R,2S,3R,5R)‐5‐クロロ‐2‐((3,5‐ジクロロフェニル)エチニル)‐3‐ヒドロキシシクロペンチル)エチルチオ)チアゾール‐4‐カルボン酸(68a)
工程1:65を得るための25の反応
実施例24の工程1の手順に従い、粗アルデヒド25(実施例2および14の工程1の手順に従い調製;約5.85ミリモル)を、600mg (23%)のアルキン65に転換した。
【0207】
工程2:66aを得るための65のアリール化
実施例24、工程2の手順に従い、65(100mg、0.23ミリモル)と1‐ブロモ‐3,5‐ジクロロベンゼン(102mg、0.45ミリモル)を、60℃で18時間加熱した後に、21mg (16%)の66aに転換した。
【0208】
工程3:67aを得るための66aの脱保護
実施例2の工程3の手順に従い、THP‐エーテル66a (21mg、0.036ミリモル)を、4mg (22%)のアルコール67aに転換した。
【0209】
工程4:68aを得るための67aの鹸化
実施例4、工程3の手順に従い、エステル67a (3mg、0.059ミリモル)を、20%MeOH/CH2Cl2による分取り薄層クロマトグラフィー溶出によって精製した後に、2mg (71%)の標示化合物(68a)に転換した。
【0210】
実施例35
2‐(2‐((1R,2S,3R,5R)‐5‐クロロ‐3‐ヒドロキシ‐2‐(フェニルエチニル)シクロペンチル)エチルチオ)チアゾール‐4‐カルボン酸(68b)
工程1:66bを得るための65のアリール化
実施例24の工程2の手順に従い、65(100mg、0.23ミリモル)とブロモベンゼン(47μL、0.45ミリモル)を、60℃で18時間加熱した後に、20mg (17%)の66bに転換した。
【0211】
工程2:67bを得るための66bの脱保護
実施例2の工程3の手順に従い、THP‐エーテル66b (20mg、0.038ミリモル)を、11mg (66%)のアルコール67bに転換した。
【0212】
工程3:68bを得るための67bの鹸化
実施例4の工程3の手順に従い、エステル67b(6mg、0.014ミリモル)を、20%MeOH/CH2Cl2による分取り薄層クロマトグラフィー溶出によって精製した後に、4mg (71%)の標示化合物(68b)に転換した。
【0213】
生体外試験
2006年10月26日に出願された米国特許出願第11/553,143号(参考として本明細書にその全体を合体させる)は、下記の表における生体外データを得るのに使用した方法を記載している。
【表1】

【0214】
【表2】

【0215】
【表3】

【0216】
【表4】

【0217】
【表5】

【0218】
【表6】

【0219】
【表7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の式を有する治療上有効量の化合物を、必要とする対象に投与することを特徴とする眼圧の降下方法:
【化1】

(式中、点線は、結合の存在または不存在を示し;
Yは、有機酸官能基またはそのアミドもしくはエステルであるか;或いは、Yは、ヒドロキシメチルまたはそのエーテルであるか;或いは、Yは、テトラゾリル官能基であり;
Aは、‐(CH2)6‐、シス‐CH2CH=CH‐(CH2)3‐または‐CH2C≡C‐(CH2)3‐であり、これらにおいて、1個または2個の炭素原子は、SまたはOによって置換し得;或いは、Aは、‐(CH2)m‐Ar‐(CH2)o‐であり、式中、Arはインターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンであり、mとoの和は1、2、3または4であり、1個の‐CH2‐はSまたはOによって置換し得、1個の‐CH2‐CH2‐は‐CH=CH‐または‐C≡C‐によって置換し得;
U1およびU2は、個々に、‐H、=O、‐OH、‐F、‐Clおよび‐CNから選ばれ;
Bは、アリールまたはヘテロアリールである)。
【請求項2】
下記の式を有する化合物:
【化2】

(式中、点線は、結合の存在または不存在を示し;
Yは、有機酸官能基またはそのアミドもしくはエステルであるか;或いは、Yは、ヒドロキシメチルまたはそのエーテルであるか;或いは、Yは、テトラゾリル官能基であり;
Aは、‐(CH2)6‐、シス‐CH2CH=CH‐(CH2)3‐または‐CH2C≡C‐(CH2)3‐であり、これらにおいて、1個または2個の炭素原子は、SまたはOによって置換し得;或いは、Aは、‐(CH2)m‐Ar‐(CH2)o‐であり、式中、Arはインターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンであり、mとoの和は1、2、3または4であり、1個の‐CH2‐はSまたはOによって置換し得、1個の‐CH2‐CH2‐は‐CH=CH‐または‐C≡C‐によって置換し得;
U1およびU2は、個々に、‐H、=O、‐OH、‐F、‐Clおよび‐CNから選ばれ;
Bは、アリールまたはヘテロアリールである;
但し、U1が=Oである場合、U2は‐OHまたは‐Hではないことを条件とする)。
【請求項3】
下記の式を有する化合物:
【化3】

(式中、点線は、結合の存在または不存在を示し;
Yは、有機酸官能基またはそのアミドもしくはエステルであるか;或いは、Yは、ヒドロキシメチルまたはそのエーテルであるか;或いは、Yは、テトラゾリル官能基であり;
Aは、‐(CH2)6‐、シス‐CH2CH=CH‐(CH2)3‐または‐CH2C≡C‐(CH2)3‐であり、これらにおいて、1個または2個の炭素原子は、SまたはOによって置換し得;或いは、Aは、‐(CH2)m‐Ar‐(CH2)o‐であり、式中、Arはインターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンであり、mとoの和は1、2、3または4であり、1個の‐CH2‐はSまたはOによって置換し得、1個の‐CH2‐CH2‐は‐CH=CH‐または‐C≡C‐によって置換し得;
U1は、‐H、‐OH、‐F、‐Clまたは‐CNであり;
U2は、‐H、=O、‐OH、‐F、‐Clまたは‐CNであり;
Bは、アリールまたはヘテロアリールである)。
【請求項4】
下記の式を有する化合物:
【化4】

(式中、点線は、結合の存在または不存在を示し;
Yは、有機酸官能基またはそのアミドもしくはエステルであるか;或いは、Yは、ヒドロキシメチルまたはそのエーテルであるか;或いは、Yは、テトラゾリル官能基であり;
U1およびU2は、個々に、‐H、=O、‐OH、‐F、‐Clおよび‐CNから選ばれ;
Bは、アリールまたはヘテロアリールである)。
【請求項5】
Bが、置換フェニルまたはピリジニルである、請求項2〜4のいずれか1項記載の化合物。
【請求項6】
U1が=Oである、、請求項2〜5のいずれか1項記載の化合物。
【請求項7】
U1が‐Hである、請求項2〜5のいずれか1項記載の化合物。
【請求項8】
U1が‐OHである、請求項2〜5のいずれか1項記載の化合物。
【請求項9】
U1が‐Fである、請求項2〜5のいずれか1項記載の化合物。
【請求項10】
U1が‐Clである、請求項2〜5のいずれか1項記載の化合物。
【請求項11】
U1が‐CNである、請求項2〜5のいずれか1項記載の化合物。
【請求項12】
U2が=Oである、、請求項6〜11のいずれか1項記載の化合物。
【請求項13】
U2が‐Hである、請求項7〜11のいずれか1項記載の化合物。
【請求項14】
U2が‐OHである、請求項7〜11のいずれか1項記載の化合物。
【請求項15】
U2が‐Fである、請求項6〜11のいずれか1項記載の化合物。
【請求項16】
U2が‐Clである、請求項6〜11のいずれか1項記載の化合物。
【請求項17】
U2が‐CNである、請求項6〜11のいずれか1項記載の化合物。
【請求項18】
Bが、置換フェニルまたはピリジニルである、請求項1記載の方法。
【請求項19】
下記の式を有する請求項3記載の化合物:
【化5】

【請求項20】
Bが、F、Cl、C1‐3アルキルおよび1〜3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキルから選ばれる置換基によって置換されている、請求項5〜17のいずれか1項記載の化合物。
【請求項21】
Bが、下記から選ばれる、請求項19記載の化合物:
【化6】

【請求項22】
前記化合物が、下記から選ばれる、請求項21記載の化合物:
【化7】

【請求項23】
前記化合物が、下記からなる群から選ばれる、請求項3記載の化合物:
5‐(3‐((1R,2R,3R,5R)‐5‐クロロ‐2‐(3,5‐ジクロロスチリル)‐3‐ヒドロキシシクロペンチル)プロペ‐1‐エニル)チオフェン‐2‐カルボン酸;
5‐(3‐((1R,2R,3R,5R)‐5‐クロロ‐2‐(3‐クロロ‐5‐(ヒドロキシメチル)スチリル)‐3‐ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)‐チオフェン‐2‐カルボン酸;
5‐(3‐((1R,2R,3R,5R)‐5‐クロロ‐2‐((E)‐2‐(5‐クロロピリジン‐3‐イル)ビニル)‐3‐ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)‐チオフェン‐2‐カルボン酸;
5‐(3‐((1R,2R,3R,5R)‐5‐クロロ‐2‐((E)‐2‐(2,6‐ジクロロピリジン‐4‐イル)ビニル)‐3‐ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)‐チオフェン‐2‐カルボン酸;
5‐(3‐((1R,2R,3R,5R)‐5‐クロロ‐2‐((Z)‐2‐(2,6‐ジクロロピリジン‐4‐イル)ビニル)‐3‐ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)‐チオフェン‐2‐カルボン酸;
5‐(3‐((1R,2R,3R,5R)‐5‐クロロ‐2‐((E)‐3,5‐ジフルオロスチリル)‐3‐ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸;
5‐(3‐((1R,2R,3R,5R)‐5‐クロロ‐2‐((Z)‐3,5‐ジフルオロスチリル)‐3‐ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸;
5‐(3‐((1R,2R,3R,5R)‐5‐クロロ‐2‐(3,5‐ジメチルスチリル)‐3‐ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸;
5‐(3‐((1R,2R,3R,5R)‐2‐(3‐(ブテ‐3‐エニル)スチリル)‐5‐クロロ‐3‐ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸;
5‐(3‐((1R,2R,3R,5R)‐5‐クロロ‐2‐((E)‐3‐クロロ‐5‐((E)‐プロペ‐1‐エニル)スチリル)‐3‐ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸;
5‐(3‐((1R,2R,3R,5R)‐5‐クロロ‐2‐((Z)‐3‐クロロ‐5‐((E)‐プロペ‐1‐エニル)スチリル)‐3‐ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸;
5‐(3‐((1R,2R,3R,5R)‐5‐クロロ‐3‐ヒドロキシ‐2‐(3‐メチルスチリル)シクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸;
5‐(3‐((1R,2R,3R,5R)‐5‐クロロ‐3‐ヒドロキシ‐2‐((E)‐2‐(2‐プロピルピリジン‐4‐イル)ビニル)シクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸;
2‐(2‐((1R,2R,3R,5R)‐5‐クロロ‐2‐(3,5‐ジクロロスチリル)‐3‐ヒドロキシシクロペンチル)エチルチオ)チアゾール‐4‐カルボン酸;
2‐(2‐((1R,2R,3R,5R)‐2‐((E)‐3‐(ブテ‐3‐エニル)‐5‐クロロスチリル)‐5‐クロロ‐3‐ヒドロキシシクロペンチル)エチルチオ)チアゾール‐4‐カルボン酸;
2‐(2‐((1R,2R,3R,5R)‐2‐((Z)‐3‐(ブテ‐3‐エニル)‐5‐クロロスチリル)‐5‐クロロ‐3‐ヒドロキシシクロペンチル)エチルチオ)チアゾール‐4‐カルボン酸;
5‐(3‐((1R,2S,3R)‐3‐ヒドロキシ‐5‐オキソ‐2‐(フェニルエチニル)シクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸;
5‐(3‐((1S,2S,3R)‐3‐ヒドロキシ‐5‐オキソ‐2‐(フェニルエチニル)シクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸;
5‐(3‐((1R,2S,3R,5R)‐5‐フルオロ‐3‐ヒドロキシ‐2‐(フェニルエチニル)シクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸;
5‐(3‐((1R,2S,3R,5R)‐5‐クロロ‐3‐ヒドロキシ‐2‐(フェニルエチニル)シクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸;
イソプロピル 5‐(3‐((1R,2S,3R,5R)‐5‐クロロ‐3‐ヒドロキシ‐2‐(フェニルエチニル)シクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボキシレート;
5‐(3‐((1S,2S,3R,5R)‐5‐シアノ‐3‐ヒドロキシ‐2‐(フェニルエチニル)シクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸;
5‐(3‐((1R,2S,3R)‐3‐ヒドロキシ‐2‐(フェニルエチニル)‐5‐(トリフルオロメチル)シクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸(急速溶出性HPLCジアステレオマー);
5‐(3‐((1R,2S,3R)‐3‐ヒドロキシ‐2‐(フェニルエチニル)‐5‐(トリフルオロメチル)シクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2-カルボン酸(緩慢溶出性HPLCジアステレオマー);
5‐(3‐((1R,2S,3R,5R)‐5‐クロロ‐2‐((3,5‐ジクロロフェニル)エチニル)‐3‐ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸;
5‐(3‐((1R,2S,3R,5R)‐5‐クロロ‐2‐((3‐エチルフェニル)エチニル)‐3‐ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸;
5‐(3‐((1R,2S,3R,5R)‐2‐((3‐(ブテ‐3‐エニル)フェニル)エチニル)‐5‐クロロ‐3‐ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸;
5‐(3‐((1R,2S,3R,5R)‐5‐クロロ‐3‐ヒドロキシ‐2‐(チオフェン‐2‐イルエチニル)シクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸;
5‐(3‐((1R,2S,3R,5R)‐5-クロロ‐3‐ヒドロキシ‐2‐(チオフェン‐3‐イルエチニル)シクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸;
5‐(3‐((1R,2S,3R,5R)‐5‐クロロ‐3‐ヒドロキシ‐2‐(ピリジン‐2‐イルエチニル)シクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸;
5‐(3‐((1R,2S,3R,5R)‐5‐クロロ‐3‐ヒドロキシ‐2‐(ピリジン‐3‐イルエチニル)シクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸;
5‐(3‐((1R,2S,3R,5R)‐5‐クロロ‐3‐ヒドロキシ‐2‐(ピリジン‐4‐イルエチニル)シクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸;
5‐(3‐((1R,2S,3R,5R)‐5‐クロロ‐3‐ヒドロキシ‐2‐((3‐(3‐ヒドロキシプロピル)フェニル)エチニル)シクロペンチル)プロピル)チオフェン‐2‐カルボン酸;
2‐(2‐((1R,2S,3R,5R)‐5‐クロロ‐2‐((3,5‐ジクロロフェニル)エチニル)‐3‐ヒドロキシシクロペンチル)エチルチオ)チアゾール‐4‐カルボン酸;および、
2‐(2‐((1R,2S,3R,5R)‐5‐クロロ‐3‐ヒドロキシ‐2‐(フェニルエチニル)シクロペンチル)エチルチオ)チアゾール‐4‐カルボン酸。

【公表番号】特表2010−532379(P2010−532379A)
【公表日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−515212(P2010−515212)
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【国際出願番号】PCT/US2008/068716
【国際公開番号】WO2009/006370
【国際公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(390040637)アラーガン インコーポレイテッド (117)
【氏名又は名称原語表記】ALLERGAN,INCORPORATED
【Fターム(参考)】