説明

眼局所適用製剤

【課題】 コンタクトレンズの濡れ性を改善し、涙液量を増加させる局所投与製剤を提供する。
【解決手段】a)アルギン酸またはその塩、及びb)メントール及び/又はカンフルを含有する眼局所適用製剤において、コンタクトレンズの濡れ性が改善しており、涙液量が増加し、眼が潤う効果を奏する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点眼剤、洗眼剤などの眼局所適用製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
常に涙液で湿っている角膜上にコンタクトレンズを的確かつ安全に装着し長時間の装用を快適にするためには、コンタクトレンズの素材が親水性で表面が濡れ易い性質であることが望ましい。しかしながら、ハードコンタクトレンズおよび酸素透過性ハードコンタクトレンズは、それぞれ、疎水性のポリメチルメタクリレートおよびポリシロキサニルメタクリレートを基本素材としているために、本質的に濡れ難い。また、ソフトコンタクトレンズの場合には、含水率が高く親水性の素材を用いているために濡れ易い一方でタンパク質や脂質等の吸着が著しく、コンタクトレンズの使用に伴ってこれらの物質が付着し蓄積するにつれてソフトコンタクトレンズ表面の濡れ性が悪化する。
【0003】
コンタクトレンズを快適に装用するためには、十分な量の涙液の存在が欠かせないが、レンズの厚みは標準的なものでも約100μmあるのに対し、涙液の水層の厚みは通常7μm程度に過ぎないので、コンタクトレンズを涙液で濡らした状態に保つのは容易でない。その上、既述のようにコンタクトレンズの濡れ性が悪いと、薄い涙液層中におかれたコンタクトレンズの表面を涙液で安定に被うことは一層困難になる。涙液によってレンズ表面を十分に濡らすことができない状態が続くと、ドライアイや装用中の不快感を生じる。さらには、コンタクトレンズ表面の乾燥によって、機械的な摩擦等で結膜や角膜を傷つけ眼組織障害が引き起こされうる。
【0004】
上記のごとく、どのようなタイプのコンタクトレンズにも、素材の性質や付着物に起因してコンタクトレンズ表面の濡れ性が問題となり、装着時および装用中の眼組織の障害を招くという課題がある。この課題を解決するには、コンタクトレンズの素材にかかわらず十分な水濡れ効果を有する眼科用組成物が望ましい。さらに、涙液分泌が促進されるとコンタクトレンズを十分に濡らすことができるため望ましい。
【0005】
ところで、ドライアイすなわち涙液の質的又は量的な異常によって引き起こされた角結膜上皮障害が、コンタクトレンズ非装用者、装用者にかかわらず問題となっている。特にコンタクトレンズ装用者では、重篤な角膜上皮障害を引き起こしやすい。そのため、ドライアイの治療のために、乾いた眼に涙液を供給すること及びコンタクトレンズ装用中の涙液供給や涙液層の安定化が重要である。
【0006】
既にコンタクトレンズへの蓄積等の悪影響が無く眼科的に安全な界面活性剤として、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールおよびポリオキシエチレンポリオキシプロピレン置換エチレンジアミンが知られており、その洗浄および湿潤効果を利用したコンタクトレンズ洗浄剤が開示されている(特許文献1)。また、テルペノイドを有効成分として含有しているソフトコンタクトレンズの水濡れ増強方法及びその眼科用組成物が知られている(特許文献2)。さらに、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールと粘稠化剤を含有して20度での粘度を1cps以上8cps以下であることを特徴とする粘度を調節した眼科用組成物において、眼表面の水濡れをよくする効果に優れ、コンタクトレンズに持続的な水濡れ効果を奏することが知られている(特許文献3)。
【特許文献1】特開平4−313721号公報
【特許文献2】特開平11−130667号公報
【特許文献3】WO97/28827号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明は、涙液分泌を促進しコンタクトレンズの濡れ性を改善する眼局所適用製剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、課題解決のために鋭意検討の結果、a)アルギン酸、及びb)メントール及び/又はカンフルを含有することによって、コンタクトレンズの水濡れが改善した局所投与製剤を提供できることを見出し本発明を完成するに至った。また、かかる局所投与製剤は、涙液分泌量を増加させ目に潤いを与えるとともに、ドライアイの予防または治療に有用であることを見出した。
【0009】
本発明はかかる知見に基づいて開発されたものである。
すなわち本発明は、下記に掲げる発明である:
(1)a)アルギン酸またはその塩、及びb)メントール及び/又はカンフルを含有する眼局所適用製剤、
(2) さらに、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、酢酸リナリル又はメントンから選ばれる1種又は2種以上の化合物を含有する(1)に記載の眼局所適用製剤、
(3) さらに、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類またはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類から選択される1種又は2種以上の非イオン性界面活性剤を含有する(1)又は(2)に記載の眼局所適用製剤、
(4) 20℃での粘度が1.2〜1000mPa・s以下である(1)乃至(3)に記載の眼局所適用製剤、
(5) 点眼剤、洗眼剤、コンタクトレンズ装着液である(1)乃至(4)のいずれかに記載の眼局所適用製剤、
(6) コンタクトレンズ用点眼薬、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズ用洗眼薬である(1)乃至(5)のいずれかに記載の眼局所適用製剤、
(7)pHが4.0〜10.0である(1)乃至(6)のいずれかに記載の眼局所適用製剤、
(8)ソフトコンタクトレンズ用である(1)に記載の眼局所適用製剤、
(9)a)アルギン酸またはその塩、及びb)メントール及び/又はカンフルを含有する眼局所適用製剤をコンタクトレンズに適用することによって、コンタクトレンズの濡れ性を改善する方法。
(10)a)アルギン酸またはその塩、及びb)メントール及び/又はカンフルを眼局所適用製剤にともに含有することによって、メントール及び/又はカンフルのコンタクトレンズへの吸着を抑制する方法。
(11)ソフトコンタクトレンズである(9)又は(10)に記載の方法。
(12)a)アルギン酸またはその塩、及びb)メントール及び/又はカンフルを眼局所適用製剤にともに含有することによって、該製剤の涙液分泌量の増加効果を強化する方法。
なお、本明細書中、特に言及しない限り、%はw/v%を意味するものとする。また、本明細書中で単にコンタクトレンズと記載した場合には、ハード、酸素透過性ハード、ソフト、カラー等のあらゆるタイプのコンタクトレンズを包含する意味とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の眼局所適用製剤は、コンタクトレンズの濡れ性を改善し、涙液量を増加させて眼に潤いを与えドライアイ症状の改善に優れる。また、本発明の眼局所適用製剤を適用したコンタクトレンズは濡れ易く、また水濡れが持続し涙液層の安定化が図れ、汚れの付着を防止できる。本発明では、コンタクトレンズの濡れ性が改善し、涙液量が増加することから、コンタクトレンズを快適に装用することができ、異物感などの不快感を解消することができる。本発明の眼局所適用製剤は、ドライアイ治療用又は乾き眼改善用の眼局所適用製剤として用いることができる。また、本発明の眼局所適用製剤は、コンタクトレンズの濡れ性改善用の眼局所適用製剤として用いることができる。さらにまた、眼局所適用製剤にアルギン酸またはその塩を含有することによって、メントール及び/又はカンフルのコンタクトレンズへの吸着が抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明におけるアルギン酸またはその塩は、天然物、合成品のいずれを使用してもよい。代表的な天然物としては、アメリカ西海岸のマクロシスティス、南米チリのレッソニア、北欧のアスコフィラム等があるが、原料の海藻の種類、産地はいずれでもよい。また、抽出方法については、アルカリ抽出法等があるが、特に規定されない。また、マンヌロン酸/グルロン酸比(M/G比)は特に規定されず、MリッチなものからGリッチなものまで広範なアルギン酸を使用することができるが、4.0以下であることが好ましく、より好ましくは3.0以下、さらに好ましくは2.5以下、特に好ましくは2.0以下である。ここで、アルギン酸の塩としては、たとえば、アルギン酸のナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノール塩、アンモニウム塩などが挙げられる。なかでもアルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウムが好ましい。アルギン酸又はその塩は市販品も使用することができ、株式会社紀文フードケミファ、株式会社キミカ、富士化学工業株式会社などより市販されている。
【0012】
本発明の眼局所適用製剤におけるアルギン酸またはその塩の含有量は、その分子量、組成(M/G比)および製剤中に共存する他の成分に応じて適宜設定することができるが、通常0.001〜5%、さらに好ましくは0.005〜5%、より好ましくは0.005〜1%、よりさらに好ましくは0.005〜0.5%、特に好ましくは0.01〜0.5%である。
【0013】
本発明の眼局所適用製剤におけるメントール及び/又はカンフルは、メントール又はカンフルを単独で使用しても、メントール及びカンフルを併用してもよいが、これらの化合物の総量として、通常、0.0001〜5%、好ましくは0.0005〜3%、さらに好ましくは0.007〜3%、より好ましくは0.001〜3%、よりさらに好ましくは0.001〜2%、特に好ましくは0.005〜2%、より特に好ましくは0.01〜1%程度である。また、コンタクトレンズ用製剤や洗眼剤の場合には、0.5%を上限とすることがより好ましい。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。これらの化合物はすべて公知化合物であり、市販のものを用いることができる。また、メントール、カンフルを含有する精油(例えば、ペパーミント油、ユーカリ油など)を用いることもできる。
【0014】
本発明における眼局所適用製剤には、さらに、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、酢酸リナリル又はメントンから選ばれる1種又は2種以上の化合物を組み合わせて含有することが好ましい。メントール及び/又はカンフルの総量1重量部に対して、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、酢酸リナリル又はメントンから選ばれる1種又は2種以上の化合物の総量として、好ましくは0.001〜5重量部、より好ましくは0.01〜1重量部、特に好ましくは0.05〜0.8重量部程度で用いることができる。
【0015】
本発明における眼局所適用製剤は、さらに非イオン性界面活性剤を含有することが好ましい。例えばポリオキシエチレン(以下、POEともいう。)−ポリオキシプロピレン(以下、POPともいう。)ブロックコポリマー (例えば、ポロクサマー407 、ポロクサマー235 、ポロクサマー188 など) ;ポロキサミンなどのエチレンジアミンのPOE-POPブロックコポリマー付加物;モノラウリル酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート20) ,モノオレイン酸POE(20)ソルビタン (ポリソルベート80) ,POEソルビタンモノステアレート(ポリソルベート60),POEソルビタントリステアレート(ポリソルベート65) などのPOEソルビタン脂肪酸エステル類;POE硬化ヒマシ油5 ,POE硬化ヒマシ油10 ,POE硬化ヒマシ油20 ,POE硬化ヒマシ油40 ,POE硬化ヒマシ油50、POE硬化ヒマシ油60 ,POE硬化ヒマシ油100などのPOE硬化ヒマシ油類;POE(9) ラウリルエーテルなどのPOEアルキルエーテル類;POE(20)POP(4) セチルエーテルなどのPOE・POPアルキルエーテル類;POE(10)ノニルフェニルエーテルなどのPOEアルキルフェニルエーテル類などが挙げられる。なお、括弧内の数字は付加モル数を示す。
【0016】
なかでも好ましくは、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、POEソルビタン脂肪酸エステル類又はPOE硬化ヒマシ油類から選ばれる非イオン性界面活性剤であり、特に好ましくは、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60である。
【0017】
非イオン性界面活性剤の眼局所適用製剤中における含有量は、界面活性剤の種類などによって異なるので一概に規定できないが、通常、0.0001〜5%、好ましくは0.001〜1%、より好ましくは0.001〜0.8%、特に好ましくは0.005〜0.5%程度で用いられる。
【0018】
本発明における眼局所適用製剤は、さらに、セルロース誘導体を含有するのが好ましい。眼局所適用製剤に用いることができるセルロース誘導体が利用でき、たとえば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロースまたはこれらの薬理学的に許容される塩などを挙げることができる。なかでも好ましくは、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースまたはこれらの塩から選ばれる少なくとも1種である。ここで、薬理学的に許容される塩としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属、アルミニウムなどの金属との塩などが例示できる。
【0019】
セルロース誘導体の眼局所適用製剤に対する含有量は、分子量や種類などによって異なるので一概に規定できないが、通常、セルロース誘導体の製剤中の濃度として、0.001〜10%、好ましくは0.005〜5%、さらに好ましくは0.01〜2%、よりさらに好ましくは0.05〜2%、特に好ましくは0.1〜2%程度で用いることができる。また、コンタクトレンズ用製剤や洗眼剤の場合には、1%を上限とすることがより好ましい。
【0020】
本発明の眼局所適用製剤はの粘度を設定する場合において、通常、20℃における粘度が1.2mPa・s以上に保持して設計することが好ましく、通常1.2〜1000mPa・s、好ましくは、1.2〜500mPa・s、特に好ましくは1.5〜100mPa・s、更に好ましくは1.5〜80mPa・s程度に設計する。なかでも洗眼剤の場合には、通常1〜100mPa・s、好ましくは1〜50mPa・s、より好ましくは1〜30mPa・s、さらに好ましくは1〜20mPa・s程度に設計する。
【0021】
本発明の眼局所適用製剤は、発明の効果を利用するものであればその使用用途は特定されず、医薬品、医薬部外品、雑品等の各種分野において利用することができる。例えば、点眼薬(剤)(コンタクトレンズを装用中にも使用することができる点眼剤を含む、また、点眼剤ともいう。)、洗眼薬(剤)(コンタクトレンズを装用中にも使用することができる洗眼剤を含む、また、洗眼剤ともいう。)、眼軟膏剤、コンタクトレンズ装着液などが挙げられる。好ましくは、コンタクトレンズ用の眼局所適用製剤であり、コンタクトレンズ装用中に用いることができるコンタクトレンズ用点眼薬(人工涙液型点眼薬)、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズ装用中に用いることができるコンタクトレンズ用洗眼薬(コンタクトレンズ装用者が用いる洗眼薬であって、コンタクトレンズをしたまま洗眼するものやコンタクトレンズを外して洗眼するものを含む)であり、特に好ましくは、コンタクトレンズ装用中に用いることができるコンタクトレンズ用点眼薬、洗眼薬、コンタクトレンズ装着液である。特にソフトコンタクトレンズユーザーを対象とした点眼薬、洗眼薬、装着液が好適である。
【0022】
本発明の眼局所適用製剤は、特にコンタクトレンズ用に用いるのが好適である。コンタクトレンズのなかでも特に、ソフトコンタクトレンズ用に用いるのが好適である。ソフトコンタクトレンズは一般にハードコンタクトレンズ、酸素透過性ハードコンタクトレンズよりも、涙液の蒸発量の増加や浸透圧勾配の変化でレンズの含水性に変化をきたす。そのため、レンズの水濡れが低下しない場合においても目が乾き易くドライアイを誘発しやすいとされている。この傾向は高含水コンタクトレンズで高く、それ故汚れ易いグループIVのソフトコンタクトレンズでは顕著になる。一方、グループIのソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズ、酸素透過性ハードコンタクトレンズでは、含水率は低いものの、レンズの濡れ性が低い。本発明によれば、レンズの濡れ性を向上するだけでなく、涙液分泌を促進することから、いずれのレンズの装用時でも涙液量を増加させ、装用時の乾き感を軽減することができる。また、コンタクトレンズ、特にソフトコンタクトレンズにはメントールやカンフルが吸着しやすいことが知られているが、本発明の眼局所適用製剤においては、アルギン酸またはその塩の配合によって、かかる吸着が抑制又は防止されている。この点からも、本発明の眼局所適用製剤がコンタクトレンズ用に用いるのが好適である。
【0023】
本発明の眼局所適用製剤には、本発明の効果を妨げない限り、種々の成分(薬理活性成分や生理活性成分を含む)を組み合わせて含有してもよい。このような成分の種類は特に制限されず、例えば、充血除去成分、眼調節薬成分、抗炎症薬成分または収斂薬成分、抗ヒスタミン薬成分又は抗アレルギー薬成分、ビタミン類、アミノ酸類、抗菌薬成分、殺菌薬成分、糖類、多糖類またはその誘導体、前述以外の水溶性高分子、局所麻酔薬成分、ステロイド成分、緑内障治療薬などが例示できる。本発明において好適な成分としては、例えば、次のような成分が挙げられる。なお、これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
充血除去成分:例えば、α−アドレナリン作動薬、具体的にはエピネフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸オキシメタゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、塩酸フェニレフリン、塩酸メチルエフェドリン、酒石酸水素エピネフリン、硝酸ナファゾリンなど。
眼筋調節薬成分:例えば、アセチルコリンと類似した活性中心を有するコリンエステラーゼ阻害剤、具体的にはメチル硫酸ネオスチグミン、トロピカミド、ヘレニエン硫酸アトロピンなど。
抗炎症薬成分または収斂薬成分:例えば、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、アラントイン、イプシロン−アミノカプロン酸、インドメタシン、塩化リゾチーム、硝酸銀、プラノプロフェン、アズレンスルホン酸ナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、ジクロフェナクナトリウム、ブロムフェナクナトリウム、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリンなど。
抗ヒスタミン薬成分又は抗アレルギー薬成分:例えば、アシタザノラスト、アンレキサノクス、イブジラスト、トラニラスト、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸レボカバスチン、フマル酸ケトチフェン、クロモグリク酸ナトリウム、ペミロラストカリウム、マレイン酸クロルフェニラミンなど。
ビタミン類:例えば、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、リン酸ピリドキサール、シアノコバラミン、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、アスコルビン酸、酢酸トコフェロールなど。
アミノ酸類:例えば、アミノエチルスルホン酸(タウリン)、グルタミン酸、クレアチニン、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸マグネシウム・カリウム混合物、グルタミン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウムなど。
抗菌薬成分または殺菌薬成分:例えば、アルキルポリアミノエチルグリシン、スルファメトキサゾール、スルフイソキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイソミジンナトリウム、硫酸ベルベリン、塩化ベルベリン、ホウ酸など。
糖類:例えば単糖類、二糖類、具体的にはグルコース、トレハロースなど。
多糖類又はその誘導体:例えば、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウムなど。
前述以外の水溶性高分子:ポリビニルアルコール(完全又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドンなど。
局所麻酔薬成分:例えば、塩酸オキシブプロカイン、塩酸コカイン、塩酸コルネカイン、塩酸ジブカイン、塩酸テトラカイン、塩酸パラブチルアミノ安息香酸ジエチルアミノエチル、塩酸ピペロカイン、塩酸プロカイン、塩酸プロパラカイン、塩酸ヘキソチオカイン、塩酸リドカインなど。
ステロイド成分:例えば、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、フルオロメトロン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロキシメステロン(hydroxymesterone)、カプロン酸ヒドロコルチゾン、カプロン酸プレドニゾロン、酢酸コルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酢酸プレドニゾロン、デキサメタゾンメタスルホベンゾエートナトリウム、デキサメタゾン硫酸ナトリウム、デキサメタゾンリン酸ナトリウム、トリアムシノロンアセトニド、ベタメタゾンリン酸ナトリウム、メタスルホ安息香酸デキサメタゾンナトリウム、メチルプレドニゾロンなど。
【0024】
眼局所適用製剤中のこれらの成分の配合量は製剤の種類、活性成分の種類などに応じて適宜選択され、各種成分の配合量は当該技術分野で既知である。例えば、製剤全体に対して0.0001〜30%、好ましくは、0.001〜10%程度の範囲から選択できる。より具体的には、各成分の含有量は、例えば眼科用組成物について以下の通りである。
【0025】
充血除去成分(血管収縮薬又は交感神経興奮薬):例えば、0.0001〜0.5%、好ましくは、0.0005〜0.3%、さらに好ましくは0.001〜0.1%。
眼筋調節薬成分:例えば、0.0001〜0.5%、好ましくは、0.0005〜0.1%、さらに好ましくは0.0005〜0.01%。
抗炎症薬成分または収斂薬成分:例えば、0.0001〜10%、好ましくは0.0001〜5%。
抗ヒスタミン薬成分または抗アレルギー薬成分:例えば、0.0001〜10%、好ましくは0.001〜5%。
ビタミン類:例えば、0.0001〜1%、好ましくは、0.0001〜0.5%。
アミノ酸類:例えば、0.0001〜10%、好ましくは0.001〜3%。
抗菌薬成分または殺菌薬成分:例えば、0.00001〜10%、好ましくは、0.0001〜10%。
糖類:例えば、0.0001〜5%、好ましくは0.001〜5%、さらに好ましくは0.01〜2%。
多糖類又はその誘導体:例えば、0.0001〜2%、好ましくは0.01〜2%、さらに好ましくは0.01〜1%。
前述以外の水溶性高分子:例えば、0.001〜10%、好ましくは0.001〜5%、さらに好ましくは0.01〜3%。
局所麻酔薬成分:例えば、0.001〜1%、好ましくは0.01〜1%。
ステロイド成分:例えば、0.001〜1%、好ましくは0.01〜1%。
【0026】
また、本発明の眼局所適用製剤には、発明の効果を損なわない範囲であれば、その用途や形態に応じて、常法に従い、様々な成分や添加物を適宜選択し、一種またはそれ以上を併用して含有させてもよい。それらの成分または添加物として、例えば、半固形剤や液剤などの調製に一般的に使用される担体(水、水性溶媒、水性または油性基剤など)、増粘剤、糖類、界面活性剤、防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤、pH調節剤、等張化剤、香料または清涼化剤などの各種添加剤を挙げることができる。
【0027】
以下に本発明の眼局所適用製剤に使用される代表的な成分を例示するが、これらに限定されない。
増粘剤:例えば、デキストラン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール(完全、又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン、マクロゴール、コンドロイチン硫酸ナトリウムなど。
糖類:例えば、グルコース、シクロデキストリンなど。
糖アルコール類:例えば、キシリトール、ソルビトール、マンニトールなど。
これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
界面活性剤:例えば、アルキルジアミノエチルグリシンなどのグリシン型両性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩(具体的には、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなどの陽イオン界面活性剤など。なお、括弧内の数字は付加モル数を示す。
防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤:例えば、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、安息香酸ナトリウム、エタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、クロロブタノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、ビグアニド化合物(具体的には、ポリヘキサメチレンビグアニドなど)、グローキル(ローディア社製 商品名)など。
pH調節剤:例えば、塩酸、ホウ酸、アミノエチルスルホン酸、イプシロン−アミノカプロン酸、酢酸、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、ホウ砂、トリエタノールアミン、モノエタノールアミンなど。
等張化剤:例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、グリセリン、プロピレングリコールなど。
安定剤:ジブチルヒドロキシトルエン、トロメタモール、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)、トコフェロール、ピロ亜硫酸ナトリウム、モノエタノールアミン、モノステアリン酸アルミニウムなど。
溶解剤、基剤:オクチルドデカノール、酸化チタン、臭化カリウム、パラフィン、ヒマシ油、ゴマ油、プラスチベース、ラノリン、ワセリンなど。
【0028】
増粘剤:例えば、0.0005〜50%、好ましくは、0.001〜10%
糖類:例えば、0.001〜10%、好ましくは、0.01〜5%
界面活性剤:例えば、0.0001〜10%、好ましくは、0.005〜5%
防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤:例えば、0.00001〜5%、好ましくは、0.0001〜2%
pH調節剤:例えば、0.00001〜5%、好ましくは、0.0001〜2%
等張化剤:例えば、0.001〜10%、好ましくは、0.01〜5%
【0029】
本発明の眼局所適用製剤は、必要に応じて、生体に許容される範囲内の浸透圧に調整して用いる。浸透圧は、100〜1200mOsm、好ましくは100〜600mOsm、特に好ましくは150〜400mOsm程度であり、生理食塩液に対する浸透圧比は、通常、0.3〜4.1、好ましくは0.3〜2.1、特に好ましくは0.5〜1.4程度である。
【0030】
本発明の眼局所適用製剤は、必要に応じて、生体に適用可能な範囲内の浸透圧に調整して用いる。pHは、通常、pH4.0〜10.0、好ましくは4.5〜9.5、特に好ましくは5.0〜9.0である。pHの調整は、緩衝剤、前記pH調節剤などを用いて行うことができる。
ここで、緩衝剤としては、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤などが挙げられる。好ましい緩衝剤は、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤及びクエン酸緩衝剤である。特に好ましい緩衝剤は、ホウ酸緩衝剤またはリン酸緩衝剤である。ホウ酸緩衝剤としては、ホウ酸、ホウ酸アルカリ金属塩、ホウ酸アルカリ土類金属塩などのホウ酸塩、ホウ酸とホウ酸塩との組み合わせが挙げられる。リン酸緩衝剤としては、リン酸、リン酸アルカリ金属塩、リン酸アルカリ土類金属塩などのリン酸塩、リン酸とリン酸塩との組み合わせが挙げられる。また、ホウ酸緩衝剤又はリン酸緩衝剤として、ホウ酸塩又はリン酸塩の水和物を用いてもよい。より具体的には、ホウ酸又はその塩 (ホウ酸ナトリウム、テトラホウ酸カリウム、メタホウ酸カリウムなど) 、リン酸又はその塩 (リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウムなど)、炭酸又はその塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムなど)、クエン酸又はその塩(クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウムなど)が挙げられる。緩衝剤として、ホウ酸緩衝剤又はリン酸緩衝剤を用いる場合、本発明の眼局所適用製剤中におけるこれらの緩衝剤の濃度は、例えば、0.0001〜10.0%程度である。
【0031】
本発明の眼局所適用製剤は、公知の方法により製造できる。半固形剤、液剤は、基剤と各成分とを混合し、調製できる。さらに、必要により、ろ過滅菌処理工程や、容器への充填工程等を加えることができる。
【0032】
また、a)アルギン酸またはその塩、及びb)メントール及び/又はカンフルを含有する眼局所適用製剤をコンタクトレンズに装用に際し適用することによって、コンタクトレンズの濡れ性を改善する方法を包含する。さらに、a)アルギン酸またはその塩、及びb)メントール及び/又はカンフルを眼局所適用製剤にともに含有することによって、メントール及び/又はカンフルのコンタクトレンズへの吸着を抑制する方法をも包含する。さらにまた、眼局所適用製剤の涙液分泌量増加効果を強化する方法をも包含する。なお、含有するアルギン酸またはその塩、メントール、カンフルに関しては、本発明の眼局所適用製剤に関する前述の記載に従って行うことができる。
【実施例】
【0033】
以下に、試験例及び実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0034】
試験例1 コンタクトレンズ濡れ性改善試験
試験製剤を調整した。
試験製剤1:0.005gのメントール、0.35gホウ砂、1.8gホウ酸、0.05gのポリソルベート80、精製水/塩酸/水酸化ナトリウムを適量加えて全量100ml(pH=7.5)の試験製剤とした。
試験製剤2:0.005gのカンフル、0.35gホウ砂、1.8gホウ酸、0.05gのポリソルベート80、精製水/塩酸/水酸化ナトリウムを適量加えて全量100ml(pH=7.5)の試験製剤とした。
試験製剤3:0.1gのアルギン酸、0.005gのメントール、0.35gホウ砂、1.8gホウ酸、0.05gのポリソルベート80、精製水/塩酸/水酸化ナトリウムを適量加えて全量100ml(pH=7.5)の試験製剤とした。
試験製剤4:0.1gのアルギン酸、0.005gのカンフル、0.35gホウ砂、1.8gホウ酸、0.05gのポリソルベート80、精製水/塩酸/水酸化ナトリウムを適量加えて全量100ml(pH=7.5)の試験製剤とした。
試験製剤5:0.1gのアルギン酸、0.025gのメントール、0.025gのボルネオール、0.35gホウ砂、1.8gホウ酸、0.05gのポリソルベート80、精製水/塩酸/水酸化ナトリウムを適量加えて全量100ml(pH=7.5)の試験製剤とした。
【0035】
試験製剤1〜5をソフトコンタクトレンズ及び酸素透過性ハードコンタクトレンズ上に5μl滴下し、その10秒後に真横から液滴がアクリル板表面と接している部分と液滴の頂点にピントを合わせデジタルカメラで撮影する。同一の試験製剤についてこの作業を繰り返して5回撮影した。画像解析ソフトを用いてコンタクトレンズ表面と接している液滴の接触角を測定した。
【0036】
試験の結果、試験製剤1及び2に比較して、試験製剤3、4及び5においてソフトコンタクトレンズ及び酸素透過性ハードコンタクトレンズの濡れ性が顕著に向上していることが確認された。また、試験製剤3及び4において、コンタクトレンズへのメントール又はカンフルの吸着が抑制されていることが確認された。特に試験製剤5が顕著であった。
【0037】
試験例2 涙液量測定試験
試験製剤5を濾過し点眼容器に充填して、点眼薬や洗眼薬を30分以上使用していない状態の被験者(10名)について、試験製剤3の点眼薬を適用する前後の涙液量を測定した。涙液量の測定には、フェノールレッド糸(昭和薬品加工株式会社)を下眼瞼に挟み込み15秒経過後にフェノールレッド糸を取り出して赤く変色した部分の長さを測定して涙液量とした。各被験者の涙液量を測定した直後に、被験者に試験製剤3の点眼薬を両眼に点眼してもらい、点眼5分後に再度涙液量を測定し、両眼の平均値を点眼前後で比較した。
【0038】
試験の結果、試験製剤5を点眼した被験者の10名中9名において涙液量の増加が認められ、10名中1名は変化がなかった。したがって、本発明の眼局所適用製剤に涙液分泌量を増加させる効果があることが確認された。
【0039】
試験例3 潤い感試験
調整した試験製剤を点眼容器に濾過充填して試験に用いる点眼剤を製し、点眼剤を20名の専用モニター(裸眼10名、酸素透過性ハードコンタクトレンズ装用者5名、ソフトコンタクトレンズ装用者5名)に点眼してもらい、潤い感を評価した。点眼剤(試験製剤1又は2)を両眼に1滴点眼した後、30分後に(試験製剤3又は4)を両眼に点眼して、先に点眼したアルギン酸を含まない点眼剤とアルギン酸を含む点眼剤との潤い感を比較して、どちらの点眼剤が潤った感じがするかを評価してもらった。
【0040】
試験の結果、試験製剤1及び3を比較すると、全員のモニターが試験製剤3(アルギン酸を含有する点眼剤)の方が潤っていると評価した。また、試験製剤2及び4の比較においても、全員のモニターが試験製剤4(アルギン酸を含有する点眼剤)の方が潤っていると評価した。
【0041】
試験例4 ソフトコンタクトレンズ濡れ性改善試験
表1〜10に記載の各実施例は、単位をg/100mLとして記載するものとする。
表1〜10に記載の各実施例について、試験例1コンタクトレンズ濡れ性改善試験の方法に従って、ソフトコンタクトレンズ上での接触角を測定した。接触角は、接触角が65°以下である場合を◎、接触角が65より大きく75°以下である場合を○、接触角が75°より大きい場合を△で表中に示す。
【0042】
試験例5 洗眼試験
表3、4及び5に記載の洗眼剤各実施例について、昼間にVDT作業に従事したモニター(ソフトコンタクトレンズ装用者)10名に、午後7時に、洗眼剤を使用してもらい使用感を確認した。洗眼前にソフトコンタクトレンズを外して洗眼した後、再びソフトコンタクトレンズを装用してもらった。結果は表に示す。レンズ装用直後の潤い感について判定したとき、潤い感が良好であったと判定したモニターが10名中8名以上である場合を◎、10名中6名以上である場合を○、10名中6名以下である場合を△で表中に示す。
【0043】
試験例6 ソフトコンタクトレンズ装着試験
表8に記載のソフトコンタクトレンズ装着液3について試験した。昼間にVDT作業に従事したモニター(ソフトコンタクトレンズ装用者)10名に、午後7時、ソフトコンタクトレンズを外して、表8記載のソフトコンタクトレンズ装着液3を外したレンズ上に2滴適用した後再び眼に装用してもらった。レンズ装用直後の潤い感について判定したとき、10名のモニター全員が潤い感が良好であったと判定した。
【0044】
【表1】

【0045】
【表2】

【0046】
【表3】

【0047】
【表4】

【0048】
【表5】

【0049】
【表6】

【0050】
【表7】

【0051】
【表8】

【0052】
【表9】

【0053】
【表10】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)アルギン酸またはその塩、及び
b)メントール及び/又はカンフルを含有する眼局所適用製剤。
【請求項2】
さらに、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、酢酸リナリル又はメントンから選ばれる1種又は2種以上の化合物を含有する請求項1に記載の眼局所適用製剤。
【請求項3】
さらに、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類またはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類から選択される1種又は2種以上の非イオン性界面活性剤を含有する請求項1又は2に記載の眼局所適用製剤。
【請求項4】
20℃での粘度が1.2〜1000mPa・sである請求項1乃至3に記載の眼局所適用製剤。
【請求項5】
洗眼剤、コンタクトレンズ装着液である請求項1乃至4のいずれかに記載の眼局所適用製剤。
【請求項6】
コンタクトレンズ用点眼薬、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズ用洗眼薬である請求項1乃至5のいずれかに記載の眼局所適用製剤。
【請求項7】
pHが4.0〜10.0である請求項1乃至6のいずれかに記載の眼局所適用製剤。
【請求項8】
ソフトコンタクトレンズ用である請求項1に記載の眼局所適用製剤。
【請求項9】
a)アルギン酸またはその塩、及び
b)メントール及び/又はカンフルを含有する眼局所適用製剤をコンタクトレンズに適用することによって、コンタクトレンズの濡れ性を改善する方法。
【請求項10】
a)アルギン酸またはその塩、及びb)メントール及び/又はカンフルを眼局所適用製剤にともに含有することによって、メントール及び/又はカンフルのコンタクトレンズへの吸着を抑制する方法。
【請求項11】
ソフトコンタクトレンズである請求項9又は10に記載の方法。



【公開番号】特開2006−219475(P2006−219475A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−380487(P2005−380487)
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(000115991)ロート製薬株式会社 (366)
【Fターム(参考)】