眼科用液剤の容器のためのクロージャ
眼科用レンズ溶液を収容するために使用され得る本発明のクロージャ、及びその使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、非暫定出願である米国特許出願第61/286,937号(2009年12月16日出願)及び米国特許出願第12/967,822号(2010年12月14日出願)の優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、眼科用液剤の容器を閉じるために用いられる設計、及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
眼科用レンズ、特に1日使い捨て又は再使用可能のいずれかであるソフトコンタクトレンズは、消費者に非常に人気がある。レンズが目の中にあるとき又は洗浄するためにレンズを目から取り外す際に、レンズ着用者に更なる快適性をもたらすために用いられる様々な溶液が存在する。そうした溶液のほとんどは、開封され、長期にわたって再使用されることになる多目的ボトルで、消費者に販売される。このような溶液は目と接触することから、細菌、ウイルス等の有害な環境汚染物が患者を冒すことを防止するために、溶液は滅菌される。しかしながら、多目的ボトルを用いると、こうしたボトルは消費者によって開封されるので、ボトルを消費者が使用することにより、そのような汚染物質が溶液に取り込まれる場合が多い。例えば、一般にコンタクトレンズ溶液用に使用されるボトルは、溶液が分配される注ぎ口を覆う短いキャップを有している。消費者がこうしたボトルを開けるとき、消費者の指がボトルの注ぎ口を横断してこする場合が多く、消費者の手についた物質が溶液の汚染源となる。消費者がボトルを開閉する際に、消費者がボトルの注ぎ口に触れることを阻止するように使用することができるクロージャがあれば有用であろう。以下の発明はこうした要望に応えるものである。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】ボトルの上にある本発明のクロージャの斜視図。
【図2】基部の斜視図。
【図3】キャップの内部の斜視図。
【図4】開位置にある、ボトル上のクロージャの頂面図。
【図5】開位置にある、ボトル上のクロージャの断面図。
【図6】図5の拡大図。
【図7】閉位置にある、ボトル上のクロージャの断面図。
【図8】図7の拡大図。
【図9】角度付きクロージャ。
【図10】角度付きクロージャ。
【図11】ボタンクロージャ。
【図12】ボタンクロージャ。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明は、容器を覆うクロージャを包含し、そのクロージャは、
上面とネックとを含む基部であって、
ネックは、ボトルの開口部に締結されるように適合され、上面は、ボトルの開口部の上方に位置し、かつネックに取り付けられ、
上面は、注ぎ口を備える、基部と、
露出前面と、前側内面と、キャップ周縁とを含むキャップであって、
キャップは基部に対して開位置と閉位置との間で動くことができるように、キャップは基部に枢動可能に取り付けられ、
露出前面及び前側内面のそれぞれは、底端部と上端部とを含み、
ボトルが閉位置にある場合、露出前面及び内面の底端部は上面の近くに位置決めされ、ボトルが閉位置にある場合、上端部は上面から遠く離れて位置付けられ、
内部前面は注ぎ口キャップを備え、
キャップが閉じられると、注ぎ口キャップは注ぎ口と嵌合して液密シールを形成し、
キャップが開けられると、注ぎ口と注ぎ口キャップとの間の液密シールが開けられる、キャップと、を備える。
【0006】
以下の図面は本発明の実施形態を示している。図1は、ボトルに取り付けられた本発明のクロージャ1の斜視図を示す。図2は、基部2、ネック3、上面4、注ぎ口5、及びヒンジ6の斜視図を示す。図3は、キャップ7、注ぎ口キャップ8、及び周縁13を示す。キャップは、噛み合いヒンジ及びリビングヒンジなどの多くのヒンジ方法によって基部に連結されることができる。図4は、開位置にある、ボトル上のクロージャ1の頂面図を示す。注ぎ口キャップ8と注ぎ口5とは、線5−5に沿って一列に並んでいる。注ぎ口5の中心は、線A−Aから5.0mmに位置決めされている。注ぎ口キャップの図5は、線5−5に沿った断面図を示しており、円で囲まれた領域9内におけるネック3とボトルのネックとの相互連結を例示している。傾斜露出前面11は、周縁13から頂点12まで傾斜して示されている。露出前面11は、ボトルがユーザーの手で握持されたときに、握った方の手の親指がこの前面11に載置されることができるように傾斜が付けられるのが好ましい。キャップの上部はわずかに丸みが付けられ、頂点12は、キャップの上部の幾何学的中心点である。周縁13から頂点12までのキャップの高さは、28.42mmである。周縁13の周囲からヒンジ6の中心点(位置6a)まで線B−Bに沿って測定された周縁13の部分直径は、26.4mmである。図6は、円で囲まれた領域9のより詳細な図を示す。図7は、閉位置にあるクロージャ1の線5−5に沿った断面図を示しており、図中、注ぎ口5と注ぎ口キャップ8との噛み合いが、円10の中に見られる。図8は、円のより詳細な図を示している。この領域の噛み合いは、注ぎ口キャップ8が注ぎ口5の上に嵌合するスナップ嵌めである。しかしながら、この噛み合いは、圧力嵌合などの多くの方法によって達成されることができる。
【0007】
前述のクロージャは、エチレンビニルアルコール(「EVA」)、ポリテトラフルオロエチレン(「PTFE」)及びポリフッ化ビニリデン(「PVDF」)であるが、これらに限定されないフッ素化ポリマー、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイソブチレン、ナイロン、ポリウレタン、ポリアクリレート及びメタクリレート、ポリビニルパルミテート、ポリビニルステアレート、ポリビニルミリステート、シアノアクリレート、エポキシ、シリコーン、これらのコポリマーなどであるが、これらに限定されない様々なプラスチック材料によって作製されることができる。クロージャは、ポリプロピレンで作製されるのが好ましい。クロージャの各部品は、異なる材料又は同じ材料で作製され得る。これらの部材のいずれかを、ボトルと共に又はボトルなしで、一体構造に形成することができる。好ましい実施形態において、クロージャの全ての部品は、同じ材料で作製される。クロージャの構成要素いずれか、又は全てを射出成形によって形成することができる(2材料射出成形、被覆成形(over-molding)、サンドイッチ成形、又はインサート成形)。材料及び組立て方法の他の組み合わせは、プラスチック材料成形の当業者には周知であり、このような材料及び方法について本明細書では具体的に言及しないが、これらは本発明に含まれるものとみなされる。
【0008】
更に、本発明は、容器を覆うためのクロージャを包含し、そのクロージャは、
上面とネックとを含む基部であって、
ネックは、ボトルの開口部に締結されるように適合され、上面は、ボトルの開口部の上方に位置し、かつネックに取り付けられ、
上面は注ぎ口を備える、基部と、
傾斜露出前面と、傾斜前側内面と、頂点と、キャップ周縁とを含むキャップであって、
キャップが基部に対して開位置と閉位置との間で動くことができるように、キャップは基部に枢動可能に取り付けられ、
露出前面及び傾斜前側内面のそれぞれは、底端部と底端部とを含み、
傾斜露出前面は、底端部のキャップ周縁から上端部の頂点に向かって角度をなして位置し、
傾斜露出内面は、底端部のキャップ周縁から上端部の頂点に向かって角度をなして位置し、かつ傾斜露出内面は注ぎ口キャップを備え、
キャップが閉じられると、注ぎ口キャップは注ぎ口と嵌合して液密シールを形成し、
キャップが開けられると、注ぎ口と注ぎ口キャップとの間の液密シールは破られる、キャップと、を備える。
【0009】
更に、本発明は、クロージャを備えるボトルの中の眼科用レンズ溶液を保管する方法を包含し、そのクロージャは、
上面とネックとを含む基部であって、
ネックは、ボトルの開口部に締結されるように適合され、上面は、ボトルの開口部の上方に位置し、かつネックに取り付けられ、
上面は、注ぎ口を備える、基部と、
露出前面と、前側内面と、キャップ周縁とを含むキャップであって、
キャップが基部に対して開位置と閉位置との間で動くことができるように、キャップは基部に枢動可能に取り付けられ、
露出前面及び前側内面のそれぞれは、底端部と上端部とを含み、
ボトルが閉位置にある場合、露出前面及び内面の底端部は上面の近くに位置決めされ、ボトルが閉位置にある場合、上端部は上面から遠く離れて位置付けられ、
内部前面は注ぎ口キャップを備え、
キャップが閉じられると、注ぎ口キャップは注ぎ口と嵌合して液密シールを形成し、
キャップが開けられると、注ぎ口と注ぎ口キャップとの間の液密シールが開けられる、キャップと、を備える。
【0010】
更に、本発明は、クロージャを備えるボトルの中で眼科用レンズ溶液を保管する方法を包含し、そのクロージャは、
上面とネックとを含む基部であって、
ネックは、ボトルの開口部に締結されるように適合され、上面は、ボトルの開口部の上方に位置し、かつネックに取り付けられ、
上面は、注ぎ口を備える、基部と、
傾斜露出前面と、傾斜前側内面と、頂点と、キャップ周縁とを含むキャップであって、
キャップが基部に対して開位置と閉位置との間で動くことができるように、キャップは基部に枢動可能に取り付けられ、
露出前面及び傾斜前側内面のそれぞれは、底端部と上端部とを含み、
傾斜露出前面は、底端部のキャップ周縁から上端部の頂点に向かって角度をなして位置し、
傾斜露出内面は、底端部のキャップ周縁から上端部の頂点に向かって角度をなして位置し、かつ傾斜露出内面は注ぎ口キャップを備え、
キャップが閉じられると、注ぎ口キャップは注ぎ口と嵌合して液密シールを形成し、
キャップが開けられると、注ぎ口と注ぎ口キャップとの間の液密シールが破られる、キャップと、を備える。
【0011】
前述の用語は全て、規定された意味、及び好ましい範囲又は成分を有する。用語「眼科用レンズ溶液」とは、眼科用レンズがユーザーの目の中にあるかどうかを問わず、眼科用レンズ又はそうしたレンズのユーザーの目を洗浄、維持、又は潤すために使用される任意の溶液を意味する。かかる溶液の例には、目に直接滴下することができる、又は、目の中若しくは上に定置して使用することができる任意の眼科用デバイスを浸漬、洗浄、すすぎ、保管、又は処理するために用いることができる、任意の組成物が挙げられる。目に局所的に投与されてもよい眼科用組成物の例としては、眼科用デバイス包装溶液、洗浄液、装着液、保存液、点眼液、洗眼剤、並びに眼科用懸濁液剤、噴霧剤、ゲル、及び軟膏等が挙げられる。本発明の一実施形態において、眼科用組成物は多目的レンズケア溶液である。多目的レンズケア溶液は、消毒剤を含有していてもよい。殺菌剤は、使用濃度で目を痛める又は目に損傷を与えるべきではなく、他の組成物成分に対して不活性であるべきである。好適な殺菌成分としては、過酸化水素、高分子ビグアニド、高分子四級アンモニウム化合物、亜塩素酸塩、ビスビグアニド、四級アンモニウム化合物及びこれらの組み合わせが挙げられる。多目的レンズケア溶液はまた、眼科用組成物に同様に含まれてもよい1種又は2種以上の潤滑剤を含有してもよい。潤滑剤としては、水溶性セルロース性化合物、ヒアルロン酸及びヒアルロン酸誘導体、キトサン、水溶性ポリウレタンを含む水溶性有機ポリマー、ポリエチレングリコール、これらの組み合わせ等が挙げられる。好適な潤滑剤の具体例としては、ポリビニルピロリドン(「PVP」)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、グリセロール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、ポリエチレングリコール、これらの混合物等が挙げられる。多目的レンズケア溶液はまた、1種又は2種以上の界面活性剤、洗浄剤、又はこれらの組み合わせを含有してもよい。好適な例としては、BASFから市販されている、チロキサポール、ポロキソマー(ポリ(エチレンオキシド)−b−ポリ(プロピレンオキシド)−b−ポリ(エチレンオキシド))型界面活性剤及び、ポロキサミン型界面活性剤(BASFから商品名Tetronicとして市販されている、一級ヒドロキシル基で終端する、エチレンオキシド/ポリプロピレンオキシドに基づく、非イオン性、四官能性ブロックコポリマー)が挙げられる。具体例は、Pluronic F−147及びTetronic 1304である。チロキサポールは、非イオン性、低分子量界面活性剤であり、リン酸塩緩衝剤に完全に可溶性である。チロキサポールは、Pressure Chemical Companyから市販されている洗浄剤である。多目的レンズケア溶液はまた、1種又は2種以上の粘度調整剤又は増粘剤を含有してもよい。好適な粘度調整剤は当該技術分野において既知であり、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、グアーガム、これらの組み合わせ等が挙げられる。粘度調整剤は、所望の粘度を実現するのに必要な量で用いてもよい。多目的レンズケア溶液は、pH調整剤、張度調整剤、緩衝剤、活性剤、潤滑剤、消毒剤、粘度調整剤、界面活性剤、及びこれらの混合物等であるが、これらに限定されない追加成分を更に含んでもよい。眼科用組成物が眼科用溶液であるとき、本発明の眼科用溶液中の全ての成分は水溶性であるべきである。本明細書で使用される場合、水溶性とは、成分が、単独で又は他の成分と組み合わせて、選択された濃度で、眼科用組成物の製造、滅菌、及び保管に一般的な温度、及びpH状態(regime)にわたって、人間の目に見える沈殿物又はゲル粒子を形成しないことを意味する。
【0012】
多目的レンズケア溶液はまた、1種又は2種以上の活性剤を含有してもよい。選択された活性剤が過酸化物の存在下で不活性である限り、広範な治療剤を用いてもよい。好適な治療剤としては、目の前部及び後部を含む、眼球環境の任意の部分を治療する又は標的とするものが挙げられ、医薬品、ビタミン、栄養補助食品、これらの組み合わせ等が挙げられる。活性剤の好適な部類としては、抗ヒスタミン剤、抗生物質、緑内障の治療薬、炭酸脱水酵素阻害薬、抗ウイルス剤、抗炎症剤、非ステロイド抗炎症薬、抗真菌薬、麻酔薬、縮瞳薬、散瞳薬、免疫抑制剤、駆虫薬、抗原生動物薬、これらの組み合わせ等が挙げられる。活性剤が含まれる場合、それは所望の治療結果を得るのに十分な量(「治療的に有効な量」)含まれる。
【0013】
本発明の利点は多い。例えば、本発明のクロージャで閉じられる眼科用レンズ溶液の容器のユーザーは、実質的に、かかる容器の開口部の上のそうしたクロージャの注ぎ口に触れることを妨げられる。これにより、かかる容器の中に保存された眼科用液剤液を消費者が汚染する機会が減少する。
【実施例】
【0014】
(実施例1)
本発明のクロージャで閉じられたボトルは、ユーザーがコンタクトレンズ溶液のボトルを開けるときにユーザーが注ぎ口に触れることを妨げるかどうかを判定するために、次の試験が行われた。本発明のクロージャが取り付けられたボトル(図9及び図10(「角度付きクロージャ」))を、最も一般的なクロージャ図11及び図12(ボタンクロージャ)が取り付けられたボトルと比較した。図9及び図11は、ボトルを1本の指で開ける方法を示し、図10及び図12は、ボトルを2本の指で開ける手法を示している。ボトルは任意の溶液を収容しておらず、各ボトルの注ぎ口には、紫外線セキュリティーペン(UV security pen)(Dri−Mark Products Inc.)で印が付けられた。コンタクトレンズユーザー群は手を洗い、角度付きクロージャ及びボタンクロージャを有する開けた状態のボトルを見せられ、試験者は、一般的な操作を示すために、被験者の前でボトルのそれぞれを閉じた。被験者は、通常のレンズケアルーチンに従うが、レンズは取り外さないように指示された。ボトルを開けたときに被験者が注ぎ口に触れたかどうかを判定するために、各被験者はボトルを見る試験者によって目視で評価された。更に、各ボトルを開けた後、マーカーのいくらかが被験者の手に移行していないかを確かめるために、紫外線を用いて各被験者の手を評価した。12人の被験者の内10人が、ボタンクロージャを開けた時に注ぎ口に触れたことが認められた。見出された10人のうち9人は、被験者の手を紫外線で調べることによって確認された。同じ12人の被験者が角度付きクロージャを開ける場合、角度付きクロージャを開けるときに注ぎ口に触れた被験者は誰もいなかったことが、目視評価によって示された。この知見は、被験者の手を紫外線で調べることによって確認された。
【0015】
上記の実施形態は、あくまで本発明を説明するためのものであり、本発明を限定するためのものではない。閉鎖器具及び他の専門分野の当業者であれば、本発明を実施する他の方法も見出し得るものである。しかしながら、これらの方法は本発明の範囲に含まれるものと見なされる。
【0016】
〔実施の態様〕
(1) 容器を覆うためのクロージャであって、
上面とネックとを含む基部であって、
前記ネックが、ボトルの開口部に締結されるように適合され、前記上面が、ボトルの開口部の上方に位置し、かつ前記ネックに取り付けられ、
前記上面が注ぎ口を備える、基部と、
露出前面と、前側内面と、キャップ周縁とを含むキャップであって、
前記キャップが前記基部に対して開位置と閉位置との間で動くことができるように、前記キャップが前記基部に枢動可能に取り付けられ、
前記露出前面及び前記前側内面のそれぞれが、底端部と上端部とを含み、
前記ボトルが前記閉位置にある場合、前記露出前面及び前記内面の前記底端部が前記上面の近くに位置決めされ、前記ボトルが前記閉位置にある場合、前記上端部が前記上面から遠く離れて位置付けられ、
前記内部前面が注ぎ口キャップを備え、
前記キャップが閉じられると、前記注ぎ口キャップが前記注ぎ口と嵌合して液密シールを形成し、
前記キャップが開けられると、前記注ぎ口と前記注ぎ口キャップとの間の前記液密シールが開けられる、キャップと、を備える、クロージャ。
(2) 容器を覆うためのクロージャであって、
上面とネックとを含む基部であって、
前記ネックが、ボトルの開口部に締結されるように適合され、前記上面が、ボトルの開口部の上方に位置し、かつ前記ネックに取り付けられ、
前記上面が注ぎ口を備える、基部と、
傾斜露出前面と、傾斜前側内面と、頂点と、キャップ周縁とを含むキャップであって、
前記キャップが前記基部に対して開位置と閉位置との間で動くことができるように、前記キャップが前記基部に枢動可能に取り付けられ、
前記露出前面及び前記傾斜前側内面のそれぞれが、底端部と上端部とを含み、
前記傾斜露出前面が、前記底端部の前記キャップ周縁から前記上端部の前記頂点に向かって角度をなして位置し、
前記傾斜露出内面が、前記底端部の前記キャップ周縁から前記上端部の前記頂点に向かって角度をなして位置し、かつ前記傾斜露出内面が注ぎ口キャップを備え、
前記キャップが閉じられると、前記注ぎ口キャップが前記注ぎ口と嵌合して液密シールを形成し、
前記キャップが開けられると、前記注ぎ口と前記注ぎ口キャップとの間の前記液密シールが破られる、キャップと、を備える、クロージャ。
(3) クロージャを備えるボトルの中で眼科用レンズ溶液を保管する方法であって、該クロージャは、
上面とネックとを含む基部であって、
前記ネックが、ボトルの開口部に締結されるように適合され、前記上面が、ボトルの開口部の上方に位置し、かつ前記ネックに取り付けられ、
前記上面が注ぎ口を備える、基部と、
露出前面と、前側内面と、キャップ周縁とを含むキャップであって、
前記キャップが前記基部に対して開位置と閉位置との間で動くことができるように、前記キャップが前記基部に枢動可能に取り付けられ、
前記露出前面及び前記前側内面のそれぞれが、底端部と上端部とを含み、
前記ボトルが前記閉位置にある場合、前記露出前面及び前記内面の前記底端部が前記上面の近くに位置決めされ、前記ボトルが前記閉位置にある場合、前記上端部が前記上面から遠く離れて位置付けられ、
前記内部前面が注ぎ口キャップを備え、
前記キャップが閉じられると、前記注ぎ口キャップが前記注ぎ口と嵌合して液密シールを形成し、
前記キャップが開けられると、前記注ぎ口と前記注ぎ口キャップとの間の前記液密シールが開けられる、キャップと、を備える、方法。
(4) クロージャを備えるボトルの中で眼科用レンズ溶液を保管する方法であって、該クロージャは、
上面とネックとを含む基部であって、
前記ネックが、ボトルの開口部に締結されるように適合され、前記上面が、ボトルの開口部の上方に位置し、かつ前記ネックに取り付けられ、
前記上面が注ぎ口を備える、基部と、
傾斜露出前面と、傾斜前側内面と、頂点と、キャップ周縁と含むキャップであって、
前記キャップが前記基部に対して開位置と閉位置との間で動くことができるように、前記キャップが前記基部に枢動可能に取り付けられ、
前記露出前面及び前記傾斜前側内面のそれぞれが、底端部と上端部とを含み、
前記傾斜露出前面が、前記底端部の前記キャップ周縁から前記上端部の前記頂点に向かって角度をなして位置し、
前記傾斜露出内面が、前記底端部の前記キャップ周縁から前記上端部の前記頂点に向かって角度をなして位置し、かつ前記傾斜露出内面が注ぎ口キャップを備え、
前記キャップが閉じられると、前記注ぎ口キャップが前記注ぎ口と嵌合して液密シールを形成し、
前記キャップが開けられると、前記注ぎ口と前記注ぎ口キャップとの間の前記液密シールが破られる、キャップと、を備える、方法。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、非暫定出願である米国特許出願第61/286,937号(2009年12月16日出願)及び米国特許出願第12/967,822号(2010年12月14日出願)の優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、眼科用液剤の容器を閉じるために用いられる設計、及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
眼科用レンズ、特に1日使い捨て又は再使用可能のいずれかであるソフトコンタクトレンズは、消費者に非常に人気がある。レンズが目の中にあるとき又は洗浄するためにレンズを目から取り外す際に、レンズ着用者に更なる快適性をもたらすために用いられる様々な溶液が存在する。そうした溶液のほとんどは、開封され、長期にわたって再使用されることになる多目的ボトルで、消費者に販売される。このような溶液は目と接触することから、細菌、ウイルス等の有害な環境汚染物が患者を冒すことを防止するために、溶液は滅菌される。しかしながら、多目的ボトルを用いると、こうしたボトルは消費者によって開封されるので、ボトルを消費者が使用することにより、そのような汚染物質が溶液に取り込まれる場合が多い。例えば、一般にコンタクトレンズ溶液用に使用されるボトルは、溶液が分配される注ぎ口を覆う短いキャップを有している。消費者がこうしたボトルを開けるとき、消費者の指がボトルの注ぎ口を横断してこする場合が多く、消費者の手についた物質が溶液の汚染源となる。消費者がボトルを開閉する際に、消費者がボトルの注ぎ口に触れることを阻止するように使用することができるクロージャがあれば有用であろう。以下の発明はこうした要望に応えるものである。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】ボトルの上にある本発明のクロージャの斜視図。
【図2】基部の斜視図。
【図3】キャップの内部の斜視図。
【図4】開位置にある、ボトル上のクロージャの頂面図。
【図5】開位置にある、ボトル上のクロージャの断面図。
【図6】図5の拡大図。
【図7】閉位置にある、ボトル上のクロージャの断面図。
【図8】図7の拡大図。
【図9】角度付きクロージャ。
【図10】角度付きクロージャ。
【図11】ボタンクロージャ。
【図12】ボタンクロージャ。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明は、容器を覆うクロージャを包含し、そのクロージャは、
上面とネックとを含む基部であって、
ネックは、ボトルの開口部に締結されるように適合され、上面は、ボトルの開口部の上方に位置し、かつネックに取り付けられ、
上面は、注ぎ口を備える、基部と、
露出前面と、前側内面と、キャップ周縁とを含むキャップであって、
キャップは基部に対して開位置と閉位置との間で動くことができるように、キャップは基部に枢動可能に取り付けられ、
露出前面及び前側内面のそれぞれは、底端部と上端部とを含み、
ボトルが閉位置にある場合、露出前面及び内面の底端部は上面の近くに位置決めされ、ボトルが閉位置にある場合、上端部は上面から遠く離れて位置付けられ、
内部前面は注ぎ口キャップを備え、
キャップが閉じられると、注ぎ口キャップは注ぎ口と嵌合して液密シールを形成し、
キャップが開けられると、注ぎ口と注ぎ口キャップとの間の液密シールが開けられる、キャップと、を備える。
【0006】
以下の図面は本発明の実施形態を示している。図1は、ボトルに取り付けられた本発明のクロージャ1の斜視図を示す。図2は、基部2、ネック3、上面4、注ぎ口5、及びヒンジ6の斜視図を示す。図3は、キャップ7、注ぎ口キャップ8、及び周縁13を示す。キャップは、噛み合いヒンジ及びリビングヒンジなどの多くのヒンジ方法によって基部に連結されることができる。図4は、開位置にある、ボトル上のクロージャ1の頂面図を示す。注ぎ口キャップ8と注ぎ口5とは、線5−5に沿って一列に並んでいる。注ぎ口5の中心は、線A−Aから5.0mmに位置決めされている。注ぎ口キャップの図5は、線5−5に沿った断面図を示しており、円で囲まれた領域9内におけるネック3とボトルのネックとの相互連結を例示している。傾斜露出前面11は、周縁13から頂点12まで傾斜して示されている。露出前面11は、ボトルがユーザーの手で握持されたときに、握った方の手の親指がこの前面11に載置されることができるように傾斜が付けられるのが好ましい。キャップの上部はわずかに丸みが付けられ、頂点12は、キャップの上部の幾何学的中心点である。周縁13から頂点12までのキャップの高さは、28.42mmである。周縁13の周囲からヒンジ6の中心点(位置6a)まで線B−Bに沿って測定された周縁13の部分直径は、26.4mmである。図6は、円で囲まれた領域9のより詳細な図を示す。図7は、閉位置にあるクロージャ1の線5−5に沿った断面図を示しており、図中、注ぎ口5と注ぎ口キャップ8との噛み合いが、円10の中に見られる。図8は、円のより詳細な図を示している。この領域の噛み合いは、注ぎ口キャップ8が注ぎ口5の上に嵌合するスナップ嵌めである。しかしながら、この噛み合いは、圧力嵌合などの多くの方法によって達成されることができる。
【0007】
前述のクロージャは、エチレンビニルアルコール(「EVA」)、ポリテトラフルオロエチレン(「PTFE」)及びポリフッ化ビニリデン(「PVDF」)であるが、これらに限定されないフッ素化ポリマー、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイソブチレン、ナイロン、ポリウレタン、ポリアクリレート及びメタクリレート、ポリビニルパルミテート、ポリビニルステアレート、ポリビニルミリステート、シアノアクリレート、エポキシ、シリコーン、これらのコポリマーなどであるが、これらに限定されない様々なプラスチック材料によって作製されることができる。クロージャは、ポリプロピレンで作製されるのが好ましい。クロージャの各部品は、異なる材料又は同じ材料で作製され得る。これらの部材のいずれかを、ボトルと共に又はボトルなしで、一体構造に形成することができる。好ましい実施形態において、クロージャの全ての部品は、同じ材料で作製される。クロージャの構成要素いずれか、又は全てを射出成形によって形成することができる(2材料射出成形、被覆成形(over-molding)、サンドイッチ成形、又はインサート成形)。材料及び組立て方法の他の組み合わせは、プラスチック材料成形の当業者には周知であり、このような材料及び方法について本明細書では具体的に言及しないが、これらは本発明に含まれるものとみなされる。
【0008】
更に、本発明は、容器を覆うためのクロージャを包含し、そのクロージャは、
上面とネックとを含む基部であって、
ネックは、ボトルの開口部に締結されるように適合され、上面は、ボトルの開口部の上方に位置し、かつネックに取り付けられ、
上面は注ぎ口を備える、基部と、
傾斜露出前面と、傾斜前側内面と、頂点と、キャップ周縁とを含むキャップであって、
キャップが基部に対して開位置と閉位置との間で動くことができるように、キャップは基部に枢動可能に取り付けられ、
露出前面及び傾斜前側内面のそれぞれは、底端部と底端部とを含み、
傾斜露出前面は、底端部のキャップ周縁から上端部の頂点に向かって角度をなして位置し、
傾斜露出内面は、底端部のキャップ周縁から上端部の頂点に向かって角度をなして位置し、かつ傾斜露出内面は注ぎ口キャップを備え、
キャップが閉じられると、注ぎ口キャップは注ぎ口と嵌合して液密シールを形成し、
キャップが開けられると、注ぎ口と注ぎ口キャップとの間の液密シールは破られる、キャップと、を備える。
【0009】
更に、本発明は、クロージャを備えるボトルの中の眼科用レンズ溶液を保管する方法を包含し、そのクロージャは、
上面とネックとを含む基部であって、
ネックは、ボトルの開口部に締結されるように適合され、上面は、ボトルの開口部の上方に位置し、かつネックに取り付けられ、
上面は、注ぎ口を備える、基部と、
露出前面と、前側内面と、キャップ周縁とを含むキャップであって、
キャップが基部に対して開位置と閉位置との間で動くことができるように、キャップは基部に枢動可能に取り付けられ、
露出前面及び前側内面のそれぞれは、底端部と上端部とを含み、
ボトルが閉位置にある場合、露出前面及び内面の底端部は上面の近くに位置決めされ、ボトルが閉位置にある場合、上端部は上面から遠く離れて位置付けられ、
内部前面は注ぎ口キャップを備え、
キャップが閉じられると、注ぎ口キャップは注ぎ口と嵌合して液密シールを形成し、
キャップが開けられると、注ぎ口と注ぎ口キャップとの間の液密シールが開けられる、キャップと、を備える。
【0010】
更に、本発明は、クロージャを備えるボトルの中で眼科用レンズ溶液を保管する方法を包含し、そのクロージャは、
上面とネックとを含む基部であって、
ネックは、ボトルの開口部に締結されるように適合され、上面は、ボトルの開口部の上方に位置し、かつネックに取り付けられ、
上面は、注ぎ口を備える、基部と、
傾斜露出前面と、傾斜前側内面と、頂点と、キャップ周縁とを含むキャップであって、
キャップが基部に対して開位置と閉位置との間で動くことができるように、キャップは基部に枢動可能に取り付けられ、
露出前面及び傾斜前側内面のそれぞれは、底端部と上端部とを含み、
傾斜露出前面は、底端部のキャップ周縁から上端部の頂点に向かって角度をなして位置し、
傾斜露出内面は、底端部のキャップ周縁から上端部の頂点に向かって角度をなして位置し、かつ傾斜露出内面は注ぎ口キャップを備え、
キャップが閉じられると、注ぎ口キャップは注ぎ口と嵌合して液密シールを形成し、
キャップが開けられると、注ぎ口と注ぎ口キャップとの間の液密シールが破られる、キャップと、を備える。
【0011】
前述の用語は全て、規定された意味、及び好ましい範囲又は成分を有する。用語「眼科用レンズ溶液」とは、眼科用レンズがユーザーの目の中にあるかどうかを問わず、眼科用レンズ又はそうしたレンズのユーザーの目を洗浄、維持、又は潤すために使用される任意の溶液を意味する。かかる溶液の例には、目に直接滴下することができる、又は、目の中若しくは上に定置して使用することができる任意の眼科用デバイスを浸漬、洗浄、すすぎ、保管、又は処理するために用いることができる、任意の組成物が挙げられる。目に局所的に投与されてもよい眼科用組成物の例としては、眼科用デバイス包装溶液、洗浄液、装着液、保存液、点眼液、洗眼剤、並びに眼科用懸濁液剤、噴霧剤、ゲル、及び軟膏等が挙げられる。本発明の一実施形態において、眼科用組成物は多目的レンズケア溶液である。多目的レンズケア溶液は、消毒剤を含有していてもよい。殺菌剤は、使用濃度で目を痛める又は目に損傷を与えるべきではなく、他の組成物成分に対して不活性であるべきである。好適な殺菌成分としては、過酸化水素、高分子ビグアニド、高分子四級アンモニウム化合物、亜塩素酸塩、ビスビグアニド、四級アンモニウム化合物及びこれらの組み合わせが挙げられる。多目的レンズケア溶液はまた、眼科用組成物に同様に含まれてもよい1種又は2種以上の潤滑剤を含有してもよい。潤滑剤としては、水溶性セルロース性化合物、ヒアルロン酸及びヒアルロン酸誘導体、キトサン、水溶性ポリウレタンを含む水溶性有機ポリマー、ポリエチレングリコール、これらの組み合わせ等が挙げられる。好適な潤滑剤の具体例としては、ポリビニルピロリドン(「PVP」)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、グリセロール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、ポリエチレングリコール、これらの混合物等が挙げられる。多目的レンズケア溶液はまた、1種又は2種以上の界面活性剤、洗浄剤、又はこれらの組み合わせを含有してもよい。好適な例としては、BASFから市販されている、チロキサポール、ポロキソマー(ポリ(エチレンオキシド)−b−ポリ(プロピレンオキシド)−b−ポリ(エチレンオキシド))型界面活性剤及び、ポロキサミン型界面活性剤(BASFから商品名Tetronicとして市販されている、一級ヒドロキシル基で終端する、エチレンオキシド/ポリプロピレンオキシドに基づく、非イオン性、四官能性ブロックコポリマー)が挙げられる。具体例は、Pluronic F−147及びTetronic 1304である。チロキサポールは、非イオン性、低分子量界面活性剤であり、リン酸塩緩衝剤に完全に可溶性である。チロキサポールは、Pressure Chemical Companyから市販されている洗浄剤である。多目的レンズケア溶液はまた、1種又は2種以上の粘度調整剤又は増粘剤を含有してもよい。好適な粘度調整剤は当該技術分野において既知であり、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、グアーガム、これらの組み合わせ等が挙げられる。粘度調整剤は、所望の粘度を実現するのに必要な量で用いてもよい。多目的レンズケア溶液は、pH調整剤、張度調整剤、緩衝剤、活性剤、潤滑剤、消毒剤、粘度調整剤、界面活性剤、及びこれらの混合物等であるが、これらに限定されない追加成分を更に含んでもよい。眼科用組成物が眼科用溶液であるとき、本発明の眼科用溶液中の全ての成分は水溶性であるべきである。本明細書で使用される場合、水溶性とは、成分が、単独で又は他の成分と組み合わせて、選択された濃度で、眼科用組成物の製造、滅菌、及び保管に一般的な温度、及びpH状態(regime)にわたって、人間の目に見える沈殿物又はゲル粒子を形成しないことを意味する。
【0012】
多目的レンズケア溶液はまた、1種又は2種以上の活性剤を含有してもよい。選択された活性剤が過酸化物の存在下で不活性である限り、広範な治療剤を用いてもよい。好適な治療剤としては、目の前部及び後部を含む、眼球環境の任意の部分を治療する又は標的とするものが挙げられ、医薬品、ビタミン、栄養補助食品、これらの組み合わせ等が挙げられる。活性剤の好適な部類としては、抗ヒスタミン剤、抗生物質、緑内障の治療薬、炭酸脱水酵素阻害薬、抗ウイルス剤、抗炎症剤、非ステロイド抗炎症薬、抗真菌薬、麻酔薬、縮瞳薬、散瞳薬、免疫抑制剤、駆虫薬、抗原生動物薬、これらの組み合わせ等が挙げられる。活性剤が含まれる場合、それは所望の治療結果を得るのに十分な量(「治療的に有効な量」)含まれる。
【0013】
本発明の利点は多い。例えば、本発明のクロージャで閉じられる眼科用レンズ溶液の容器のユーザーは、実質的に、かかる容器の開口部の上のそうしたクロージャの注ぎ口に触れることを妨げられる。これにより、かかる容器の中に保存された眼科用液剤液を消費者が汚染する機会が減少する。
【実施例】
【0014】
(実施例1)
本発明のクロージャで閉じられたボトルは、ユーザーがコンタクトレンズ溶液のボトルを開けるときにユーザーが注ぎ口に触れることを妨げるかどうかを判定するために、次の試験が行われた。本発明のクロージャが取り付けられたボトル(図9及び図10(「角度付きクロージャ」))を、最も一般的なクロージャ図11及び図12(ボタンクロージャ)が取り付けられたボトルと比較した。図9及び図11は、ボトルを1本の指で開ける方法を示し、図10及び図12は、ボトルを2本の指で開ける手法を示している。ボトルは任意の溶液を収容しておらず、各ボトルの注ぎ口には、紫外線セキュリティーペン(UV security pen)(Dri−Mark Products Inc.)で印が付けられた。コンタクトレンズユーザー群は手を洗い、角度付きクロージャ及びボタンクロージャを有する開けた状態のボトルを見せられ、試験者は、一般的な操作を示すために、被験者の前でボトルのそれぞれを閉じた。被験者は、通常のレンズケアルーチンに従うが、レンズは取り外さないように指示された。ボトルを開けたときに被験者が注ぎ口に触れたかどうかを判定するために、各被験者はボトルを見る試験者によって目視で評価された。更に、各ボトルを開けた後、マーカーのいくらかが被験者の手に移行していないかを確かめるために、紫外線を用いて各被験者の手を評価した。12人の被験者の内10人が、ボタンクロージャを開けた時に注ぎ口に触れたことが認められた。見出された10人のうち9人は、被験者の手を紫外線で調べることによって確認された。同じ12人の被験者が角度付きクロージャを開ける場合、角度付きクロージャを開けるときに注ぎ口に触れた被験者は誰もいなかったことが、目視評価によって示された。この知見は、被験者の手を紫外線で調べることによって確認された。
【0015】
上記の実施形態は、あくまで本発明を説明するためのものであり、本発明を限定するためのものではない。閉鎖器具及び他の専門分野の当業者であれば、本発明を実施する他の方法も見出し得るものである。しかしながら、これらの方法は本発明の範囲に含まれるものと見なされる。
【0016】
〔実施の態様〕
(1) 容器を覆うためのクロージャであって、
上面とネックとを含む基部であって、
前記ネックが、ボトルの開口部に締結されるように適合され、前記上面が、ボトルの開口部の上方に位置し、かつ前記ネックに取り付けられ、
前記上面が注ぎ口を備える、基部と、
露出前面と、前側内面と、キャップ周縁とを含むキャップであって、
前記キャップが前記基部に対して開位置と閉位置との間で動くことができるように、前記キャップが前記基部に枢動可能に取り付けられ、
前記露出前面及び前記前側内面のそれぞれが、底端部と上端部とを含み、
前記ボトルが前記閉位置にある場合、前記露出前面及び前記内面の前記底端部が前記上面の近くに位置決めされ、前記ボトルが前記閉位置にある場合、前記上端部が前記上面から遠く離れて位置付けられ、
前記内部前面が注ぎ口キャップを備え、
前記キャップが閉じられると、前記注ぎ口キャップが前記注ぎ口と嵌合して液密シールを形成し、
前記キャップが開けられると、前記注ぎ口と前記注ぎ口キャップとの間の前記液密シールが開けられる、キャップと、を備える、クロージャ。
(2) 容器を覆うためのクロージャであって、
上面とネックとを含む基部であって、
前記ネックが、ボトルの開口部に締結されるように適合され、前記上面が、ボトルの開口部の上方に位置し、かつ前記ネックに取り付けられ、
前記上面が注ぎ口を備える、基部と、
傾斜露出前面と、傾斜前側内面と、頂点と、キャップ周縁とを含むキャップであって、
前記キャップが前記基部に対して開位置と閉位置との間で動くことができるように、前記キャップが前記基部に枢動可能に取り付けられ、
前記露出前面及び前記傾斜前側内面のそれぞれが、底端部と上端部とを含み、
前記傾斜露出前面が、前記底端部の前記キャップ周縁から前記上端部の前記頂点に向かって角度をなして位置し、
前記傾斜露出内面が、前記底端部の前記キャップ周縁から前記上端部の前記頂点に向かって角度をなして位置し、かつ前記傾斜露出内面が注ぎ口キャップを備え、
前記キャップが閉じられると、前記注ぎ口キャップが前記注ぎ口と嵌合して液密シールを形成し、
前記キャップが開けられると、前記注ぎ口と前記注ぎ口キャップとの間の前記液密シールが破られる、キャップと、を備える、クロージャ。
(3) クロージャを備えるボトルの中で眼科用レンズ溶液を保管する方法であって、該クロージャは、
上面とネックとを含む基部であって、
前記ネックが、ボトルの開口部に締結されるように適合され、前記上面が、ボトルの開口部の上方に位置し、かつ前記ネックに取り付けられ、
前記上面が注ぎ口を備える、基部と、
露出前面と、前側内面と、キャップ周縁とを含むキャップであって、
前記キャップが前記基部に対して開位置と閉位置との間で動くことができるように、前記キャップが前記基部に枢動可能に取り付けられ、
前記露出前面及び前記前側内面のそれぞれが、底端部と上端部とを含み、
前記ボトルが前記閉位置にある場合、前記露出前面及び前記内面の前記底端部が前記上面の近くに位置決めされ、前記ボトルが前記閉位置にある場合、前記上端部が前記上面から遠く離れて位置付けられ、
前記内部前面が注ぎ口キャップを備え、
前記キャップが閉じられると、前記注ぎ口キャップが前記注ぎ口と嵌合して液密シールを形成し、
前記キャップが開けられると、前記注ぎ口と前記注ぎ口キャップとの間の前記液密シールが開けられる、キャップと、を備える、方法。
(4) クロージャを備えるボトルの中で眼科用レンズ溶液を保管する方法であって、該クロージャは、
上面とネックとを含む基部であって、
前記ネックが、ボトルの開口部に締結されるように適合され、前記上面が、ボトルの開口部の上方に位置し、かつ前記ネックに取り付けられ、
前記上面が注ぎ口を備える、基部と、
傾斜露出前面と、傾斜前側内面と、頂点と、キャップ周縁と含むキャップであって、
前記キャップが前記基部に対して開位置と閉位置との間で動くことができるように、前記キャップが前記基部に枢動可能に取り付けられ、
前記露出前面及び前記傾斜前側内面のそれぞれが、底端部と上端部とを含み、
前記傾斜露出前面が、前記底端部の前記キャップ周縁から前記上端部の前記頂点に向かって角度をなして位置し、
前記傾斜露出内面が、前記底端部の前記キャップ周縁から前記上端部の前記頂点に向かって角度をなして位置し、かつ前記傾斜露出内面が注ぎ口キャップを備え、
前記キャップが閉じられると、前記注ぎ口キャップが前記注ぎ口と嵌合して液密シールを形成し、
前記キャップが開けられると、前記注ぎ口と前記注ぎ口キャップとの間の前記液密シールが破られる、キャップと、を備える、方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を覆うためのクロージャであって、
上面とネックとを含む基部であって、
前記ネックが、ボトルの開口部に締結されるように適合され、前記上面が、ボトルの開口部の上方に位置し、かつ前記ネックに取り付けられ、
前記上面が注ぎ口を備える、基部と、
露出前面と、前側内面と、キャップ周縁とを含むキャップであって、
前記キャップが前記基部に対して開位置と閉位置との間で動くことができるように、前記キャップが前記基部に枢動可能に取り付けられ、
前記露出前面及び前記前側内面のそれぞれが、底端部と上端部とを含み、
前記ボトルが前記閉位置にある場合、前記露出前面及び前記内面の前記底端部が前記上面の近くに位置決めされ、前記ボトルが前記閉位置にある場合、前記上端部が前記上面から遠く離れて位置付けられ、
前記内部前面が注ぎ口キャップを備え、
前記キャップが閉じられると、前記注ぎ口キャップが前記注ぎ口と嵌合して液密シールを形成し、
前記キャップが開けられると、前記注ぎ口と前記注ぎ口キャップとの間の前記液密シールが開けられる、キャップと、を備える、クロージャ。
【請求項2】
容器を覆うためのクロージャであって、
上面とネックとを含む基部であって、
前記ネックが、ボトルの開口部に締結されるように適合され、前記上面が、ボトルの開口部の上方に位置し、かつ前記ネックに取り付けられ、
前記上面が注ぎ口を備える、基部と、
傾斜露出前面と、傾斜前側内面と、頂点と、キャップ周縁とを含むキャップであって、
前記キャップが前記基部に対して開位置と閉位置との間で動くことができるように、前記キャップが前記基部に枢動可能に取り付けられ、
前記露出前面及び前記傾斜前側内面のそれぞれが、底端部と上端部とを含み、
前記傾斜露出前面が、前記底端部の前記キャップ周縁から前記上端部の前記頂点に向かって角度をなして位置し、
前記傾斜露出内面が、前記底端部の前記キャップ周縁から前記上端部の前記頂点に向かって角度をなして位置し、かつ前記傾斜露出内面が注ぎ口キャップを備え、
前記キャップが閉じられると、前記注ぎ口キャップが前記注ぎ口と嵌合して液密シールを形成し、
前記キャップが開けられると、前記注ぎ口と前記注ぎ口キャップとの間の前記液密シールが破られる、キャップと、を備える、クロージャ。
【請求項3】
クロージャを備えるボトルの中で眼科用レンズ溶液を保管する方法であって、該クロージャは、
上面とネックとを含む基部であって、
前記ネックが、ボトルの開口部に締結されるように適合され、前記上面が、ボトルの開口部の上方に位置し、かつ前記ネックに取り付けられ、
前記上面が注ぎ口を備える、基部と、
露出前面と、前側内面と、キャップ周縁とを含むキャップであって、
前記キャップが前記基部に対して開位置と閉位置との間で動くことができるように、前記キャップが前記基部に枢動可能に取り付けられ、
前記露出前面及び前記前側内面のそれぞれが、底端部と上端部とを含み、
前記ボトルが前記閉位置にある場合、前記露出前面及び前記内面の前記底端部が前記上面の近くに位置決めされ、前記ボトルが前記閉位置にある場合、前記上端部が前記上面から遠く離れて位置付けられ、
前記内部前面が注ぎ口キャップを備え、
前記キャップが閉じられると、前記注ぎ口キャップが前記注ぎ口と嵌合して液密シールを形成し、
前記キャップが開けられると、前記注ぎ口と前記注ぎ口キャップとの間の前記液密シールが開けられる、キャップと、を備える、方法。
【請求項4】
クロージャを備えるボトルの中で眼科用レンズ溶液を保管する方法であって、該クロージャは、
上面とネックとを含む基部であって、
前記ネックが、ボトルの開口部に締結されるように適合され、前記上面が、ボトルの開口部の上方に位置し、かつ前記ネックに取り付けられ、
前記上面が注ぎ口を備える、基部と、
傾斜露出前面と、傾斜前側内面と、頂点と、キャップ周縁と含むキャップであって、
前記キャップが前記基部に対して開位置と閉位置との間で動くことができるように、前記キャップが前記基部に枢動可能に取り付けられ、
前記露出前面及び前記傾斜前側内面のそれぞれが、底端部と上端部とを含み、
前記傾斜露出前面が、前記底端部の前記キャップ周縁から前記上端部の前記頂点に向かって角度をなして位置し、
前記傾斜露出内面が、前記底端部の前記キャップ周縁から前記上端部の前記頂点に向かって角度をなして位置し、かつ前記傾斜露出内面が注ぎ口キャップを備え、
前記キャップが閉じられると、前記注ぎ口キャップが前記注ぎ口と嵌合して液密シールを形成し、
前記キャップが開けられると、前記注ぎ口と前記注ぎ口キャップとの間の前記液密シールが破られる、キャップと、を備える、方法。
【請求項1】
容器を覆うためのクロージャであって、
上面とネックとを含む基部であって、
前記ネックが、ボトルの開口部に締結されるように適合され、前記上面が、ボトルの開口部の上方に位置し、かつ前記ネックに取り付けられ、
前記上面が注ぎ口を備える、基部と、
露出前面と、前側内面と、キャップ周縁とを含むキャップであって、
前記キャップが前記基部に対して開位置と閉位置との間で動くことができるように、前記キャップが前記基部に枢動可能に取り付けられ、
前記露出前面及び前記前側内面のそれぞれが、底端部と上端部とを含み、
前記ボトルが前記閉位置にある場合、前記露出前面及び前記内面の前記底端部が前記上面の近くに位置決めされ、前記ボトルが前記閉位置にある場合、前記上端部が前記上面から遠く離れて位置付けられ、
前記内部前面が注ぎ口キャップを備え、
前記キャップが閉じられると、前記注ぎ口キャップが前記注ぎ口と嵌合して液密シールを形成し、
前記キャップが開けられると、前記注ぎ口と前記注ぎ口キャップとの間の前記液密シールが開けられる、キャップと、を備える、クロージャ。
【請求項2】
容器を覆うためのクロージャであって、
上面とネックとを含む基部であって、
前記ネックが、ボトルの開口部に締結されるように適合され、前記上面が、ボトルの開口部の上方に位置し、かつ前記ネックに取り付けられ、
前記上面が注ぎ口を備える、基部と、
傾斜露出前面と、傾斜前側内面と、頂点と、キャップ周縁とを含むキャップであって、
前記キャップが前記基部に対して開位置と閉位置との間で動くことができるように、前記キャップが前記基部に枢動可能に取り付けられ、
前記露出前面及び前記傾斜前側内面のそれぞれが、底端部と上端部とを含み、
前記傾斜露出前面が、前記底端部の前記キャップ周縁から前記上端部の前記頂点に向かって角度をなして位置し、
前記傾斜露出内面が、前記底端部の前記キャップ周縁から前記上端部の前記頂点に向かって角度をなして位置し、かつ前記傾斜露出内面が注ぎ口キャップを備え、
前記キャップが閉じられると、前記注ぎ口キャップが前記注ぎ口と嵌合して液密シールを形成し、
前記キャップが開けられると、前記注ぎ口と前記注ぎ口キャップとの間の前記液密シールが破られる、キャップと、を備える、クロージャ。
【請求項3】
クロージャを備えるボトルの中で眼科用レンズ溶液を保管する方法であって、該クロージャは、
上面とネックとを含む基部であって、
前記ネックが、ボトルの開口部に締結されるように適合され、前記上面が、ボトルの開口部の上方に位置し、かつ前記ネックに取り付けられ、
前記上面が注ぎ口を備える、基部と、
露出前面と、前側内面と、キャップ周縁とを含むキャップであって、
前記キャップが前記基部に対して開位置と閉位置との間で動くことができるように、前記キャップが前記基部に枢動可能に取り付けられ、
前記露出前面及び前記前側内面のそれぞれが、底端部と上端部とを含み、
前記ボトルが前記閉位置にある場合、前記露出前面及び前記内面の前記底端部が前記上面の近くに位置決めされ、前記ボトルが前記閉位置にある場合、前記上端部が前記上面から遠く離れて位置付けられ、
前記内部前面が注ぎ口キャップを備え、
前記キャップが閉じられると、前記注ぎ口キャップが前記注ぎ口と嵌合して液密シールを形成し、
前記キャップが開けられると、前記注ぎ口と前記注ぎ口キャップとの間の前記液密シールが開けられる、キャップと、を備える、方法。
【請求項4】
クロージャを備えるボトルの中で眼科用レンズ溶液を保管する方法であって、該クロージャは、
上面とネックとを含む基部であって、
前記ネックが、ボトルの開口部に締結されるように適合され、前記上面が、ボトルの開口部の上方に位置し、かつ前記ネックに取り付けられ、
前記上面が注ぎ口を備える、基部と、
傾斜露出前面と、傾斜前側内面と、頂点と、キャップ周縁と含むキャップであって、
前記キャップが前記基部に対して開位置と閉位置との間で動くことができるように、前記キャップが前記基部に枢動可能に取り付けられ、
前記露出前面及び前記傾斜前側内面のそれぞれが、底端部と上端部とを含み、
前記傾斜露出前面が、前記底端部の前記キャップ周縁から前記上端部の前記頂点に向かって角度をなして位置し、
前記傾斜露出内面が、前記底端部の前記キャップ周縁から前記上端部の前記頂点に向かって角度をなして位置し、かつ前記傾斜露出内面が注ぎ口キャップを備え、
前記キャップが閉じられると、前記注ぎ口キャップが前記注ぎ口と嵌合して液密シールを形成し、
前記キャップが開けられると、前記注ぎ口と前記注ぎ口キャップとの間の前記液密シールが破られる、キャップと、を備える、方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2013−514243(P2013−514243A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−544729(P2012−544729)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/060395
【国際公開番号】WO2011/084445
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(510294139)ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド (48)
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Vision Care, Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 Centurion Parkway, Jacksonville, FL 32256, United States of America
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/060395
【国際公開番号】WO2011/084445
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(510294139)ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド (48)
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Vision Care, Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 Centurion Parkway, Jacksonville, FL 32256, United States of America
【Fターム(参考)】
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