説明

眼細胞におけるゼラチナーゼA活性を増大するための、カルボニル部分で置換されたアリールアジンを含む製剤

眼内圧を調整する製剤は、水分流出を促進するために小管近傍網(juxtacanalicular meshwork)を減少させることによる、眼の「薬理学的線維柱帯管切開術(trabeculocanalotomy)」に効果を発揮しうる化合物である、カルボニル部分で置換されたアリールアジンを活性化合物として含む。上記有機活性化合物は、緑内障(例、初期原発性開放隅角緑内障)の治療として、膜型マトリクスメタロプロテイナーゼ(MT−MMP)の細胞膜発現を増加させることによって眼細胞中のゼラチナーゼA活性を増大させ、水分流出を増加させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、水分流出のバリアとしての小管近傍網(juxtacanalicular meshwork)を減少させることにより眼における「薬理学的線維柱帯管切開術(trabeculocanalotomy)」をもたらし得る有機小分子(例えば、分子量約1000未満あるいは約500未満)に関する。さらに詳細には、本発明は、膜型マトリクスメタロプロテイナーゼ(MT−MMP)の細胞膜の発現を増加させることにより眼細胞におけるゼラチナーゼA活性を上昇させ、原発性開放隅角緑内障の処置として水分流出を増加させる有機小分子に関する。本発明はさらに、これら有機小分子の製造方法および原発性開放隅角緑内障の処置における使用方法も包含する。
【背景技術】
【0002】
例えば眼などの組織の細胞外マトリクス(ECM)は、特定のタンパク質、糖タンパク質、およびプロテオグリカンの結合体であり、結合組織の生理学的機能に構造を付与する。細胞レベルでは、ECMは、構造、柔軟性を提供し支持するだけでなく、濾過バリアとしても作用し、細胞接着を媒介し、そして組織の形態形成および分化に影響を与える。ECMの正常な機能の一部は、ECMの厳重に調節された代謝回転と関係し、この代謝回転は、失活した分子の分解および除去と、種々の新しく合成されたECM成分の分泌および組み込みとのバランスをとっている。
【0003】
マトリクスメタロプロテイナーゼ(MMP)と呼ばれる特定の細胞外タンパク質分解酵素は、多くの細胞型によって生産される。MMPはコラーゲン、フィブロネクチンおよび種々のプロテオグリカンのようなECM分子の初期分解において重要な役割を果たす。MMP活性は、不活性な酵素前駆体としての分泌および、より低分子量形態へのタンパク質分解過程による活性化を通して、部分的に調節される。この調節されたMMP活性は、一般にプロテアーゼ活性ならびに自己分解機構を必要とする。MMPは、内因性のマトリクスメタロプロテイナーゼ組織阻害剤(TIMP)によって阻害される。MMPであるゼラチナーゼA(GelA)(MMP−2;72kDゼラチナーゼ;IV型コラゲナーゼ;E.C.3.4.24.24)にとって、特異的なタンパク質分解活性剤は、MMPファミリーの他のメンバー(すなわち、MT−MMP)であることが公知である。他のMMPとは対照的に、MT−MMPは、内在性膜タンパクとして優位に発現される。MT−MMPには6つの既知のサブタイプが存在し、MMP−14についてはMT1−MMP、MMP−15についてはMT2−MMP、MMP−16についてはMT3−MMP、MMP−17についてはMT4−MMP、MMP−24についてはMT5−MMP、MMP−25についてはMT6−MMPと命名されている。MT4−MMPを除くすべてのMT−MMPサブタイプは、72kD proGelAにおいて開裂を生じさせ、GelAの66kD(中間体)形態,59kD(活性)形態および43kD(「小型」)形態へのタンパク質分解「カスケード」を開始する。MT−MMPは、特異的な阻害タンパク質であるTIMP−2と複合体を形成するGelAを活性化させることが可能である。このことは、MT−MMP発現および/またはMT−MMPの活性を、ECM代謝回転の調節における主たる制御ポイントとして位置付ける。
【0004】
小柱網(TM)は、眼の前部の虹彩角膜に位置する組織である。TMは毛様体上皮によって分泌された水分が眼の外部へ流出する場所である。TMの細胞は、膠原性線束(collagenous beams)または小柱のどちらかに存在するか、あるいはシュレム管に関連したECMに埋め込まれている。シュレム管は、水分が流れ込む内皮で囲まれた導管である。眼内の流体圧(IOP)は、水分の分泌と流出のバランスを介して維持される。正常なIOPは、TMでの流出抵抗に部分的に起因しており、静脈圧をわずかに超える。TMの流出抵抗は、TMのECM巨大分子および小柱に関連したECMの水力学的な特性の結果であると考えられる。
【0005】
潜在的盲目疾病には、原発性開放隅角緑内障(POAG)と呼ばれ、IOPにおける潜行性、進行性の上昇が特徴であるものが含まれる。その疾病は、TMのレベルでのECM代謝回転の調節における機能不全が原因である可能性がある。TMに限局した生化学的な病変が存在する。この病変はECMの一般的な過剰あるいはECMの特定成分に関する不均衡として現れ、このどちらかは、眼を正常な生理学的状態にさせておく流体の能力を損なう。蓄積されたECMを減少させるための薬理学的介入は、これらの疾病の高められたIOP特性の低下をもたらし得ると提唱されている。さらに、lOP減少薬を用いた治療は、眼圧が正常であると思われる場合(例:正常眼圧緑内障)にも治療効果があると考えられている。
【0006】
MT−MMPの発現を増加させることのできる治療用有機小分子は、Itoらによって記載されている[Itoら、Eur.J.Biochem.251,353−358(1998)]。Itoらによって記載されたように、ヒト頚部線維芽細胞のトリフロペラジン処置は、MT1−MMP誘導性のゼラチナーゼA(GelA)の活性化をもたらす。以前は、トリフロペラジンは治療用「抗精神病薬」に分類されていた。しかしながらItoらは、トリフロペラジンをカルモジュリン拮抗薬として分類し、別のカルモジュリン阻害剤(W−7)について同様の主張をしたが、この後者の化合物の効果については特に言明しなかった。Itoらは、カルモジュリンがMT−MMPの発現をマイナス方向に調節することを推論した。
【0007】
MT−MMPの存在は、ウエスタンブロット免疫化学を用いて、TM細胞以外のヒトの眼組織、ならびに新しいブタのTM細胞および培養されたブタのTM細胞において実証されている[Alexander,J.and Acott,T.S.,Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.40(ARVO Abstracts):S506,#2670(1999)][Smine,A.and Plantner,J.J.,Curr.Eye Res.16:925(1997)]。どちらの場合においてもGelAの活性化は実証されなかったが、AlexanderおよびAcottは、ホルボールエステル(ホルボール12−ミリステート13−アセテート)を用いたMT1−MMPの発現の増加について記載している。しかしながら、ホルボールエステルは公知の発癌物質であることから、治療上の有用性を有していない。
【0008】
トリフルオペラジンおよびホルボールエステルに加え、以下の薬剤が、TMの細胞以外の細胞においてMT−MMP発現および/またはGelA活性を上昇させることが示されている。その薬剤とは、コンカナバリンA、インターロイキン−1α、オルトバナデート、エラスチン由来ヘキサペプチド、サイトカラシンD、モネンシン、腫瘍壊死因子−α、細菌性ポリ多糖、過酸化水素、酸化型低密度リポタンパク質、肝細胞成長因子/散乱因子、β−アミロイドペプチド、活性タンパク質C、成長ホルモン、インターロイキン−8、グリシル−L−ヒスチジル−L−リジン−Cu2+、リゾホスファチジン酸である。
【0009】
米国特許第5,260,059号には、マトリクスメタロプロテイナーゼ(MMP)活性を上昇させる薬剤が記載されている。上記米国特許’059には、マトリクスメタロプロテイナーゼ−1(MMP−1)、マトリクスメタロプロテイナーゼ−2(MMP−2)、およびマトリクスメタロプロテイナーゼ−3(MMP−3)を含む一連の巨大分子を、TM細胞に提供することにより、緑内障を治療する方法が開示されている。MT−MMPとして指定されたMMPのクラスは、米国特許’059が出願されたときには特徴付けられていなかった。米国特許’059が出願されたときには、GelAの生理学的な活性化は、自己触媒機構単独によってもたらされると思われていた。米国特許’059で具体的に記載されている他の分子は、塩基性ヘパリン結合成長因子、神経成長因子、インターロイキン−1、インターロイキン−6、ホルボールエステル、カルシウムイオン、亜鉛イオン、プラスミン、トリプシン、およびアミノフェニル酢酸水銀(APMA)である。
【0010】
米国特許出願公開第2004/0068017 A1号には、水分流出に対するバリアとしての小管近傍網(juxtacanalicular meshwork)を減少させることにより、眼細胞におけるゼラチナーゼA活性を上昇させる薬剤が記載されている。これらの分子には、9−(テトラヒドロ−2’−フリル)アデニン、2’,5’−ジデオキシアデノシンおよびミコナゾール等のアデニルシクラーゼ阻害剤;ロキシスロマイシン、フッ化物イオン、ブラジキニン、プロゲステロン、エンドセリン、バソプレッシン、4−ヒドロキシノネナール、インターロイキン−11、アンジオテンシンII、N−(6−アミノヘキシル)−5−クロロ−1−ナフタレンスルホンアミドおよび酸化型低密度リポタンパク等のホスホリパーゼD(PLD)活性剤;ホスファチジン酸(例えばジオレオイル、ジオクタノイルおよび1−ステアロイル−2−アラキドニル−sn−グリセロール−3−リン酸塩)、ホスファチジン酸アナログ[例えばチオホスファチジン酸および、エステル結合よりむしろアルキルエーテル、またはビニルエーテル結合を含むホスファチジン酸(PA)]およびピラジノイルグアニジン等の環状アデノシン一リン酸塩(cAMP)ホスホジエステラーゼ(CAP)活性剤;(N−[2−((p−ブロモシンナミル)アミノ)エチル]−5−イソキノリンスルホンアミド等のプロテインキナーゼA阻害剤;バナジウム塩[例えばビスペルオキソ(1,10−フェナントロリン)オキソバナジン酸カリウムおよびビスペルオキソ(ピコリネート)オキソバナジン酸二カリウム]、モリブデン酸オキソアニオン、タングステン酸オキソアニオン、およびデホスタチン(例えば3,4−ジヒドロキシ−N−メチル−N−ニトロソアニリンおよび3,6−ジヒドロキシ−N−メチル−N−ニトロソアニリン)等のプロテインホスファターゼ阻害剤;プロプラノロール、テトラカイン、メパクリン、デスメチルイミプラミン、クロプロマジンおよびデシプラミン等のホスファチジン酸ホスホヒドロラーゼ阻害剤/カチオン性両親媒性物質;スフィンゴシン−1−リン酸塩等のRho活性剤;2−テトラデシルグリシド酸、5−(テトラデシルオキシ)−2−フロ酸、3−チアジカルボン酸、3−(4−メチルピペラジン−1−イル)−1−フェニルプロパノン、6,7−ジヒドロ−5H−ジベンズ[c,e]アゼピン、N−2−n−ブチルインダゾロン、4−フェニル−5,5−ジカルベトキシ−2−ピロリジノン、4−(4−ヒドロキシ−3−ヨードフェノキシ)3,5−ジヨードヒドロ桂皮酸、1−メチル−4−ピペリジルビス(p−クロロフェノキシ)酢酸塩、2−[[1−メチル−2−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]アミノ]エタノール安息香酸エステルおよび5−メチルピラジンカルボン酸4−オキシド等の高脂血症治療薬または高リポタンパク血治療薬;およびアセチルコリンエステラーゼおよび補体タンパク質1q等のコンカナバリンA(ConA)受容体リガンドが含まれる。
【0011】
これらの化合物が知られていたにも関わらず、当該分野において原発性開放隅角緑内障という疾病の治療のためのさらなる組成物および治療方法を提供する必要性が未だ存在する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によると、有機小分子は、細胞および組織における薬理学的な効果を有することにより、原発性開放隅角緑内障と呼ばれる疾病の治療において有用である。対象となる有機小分子は、MT−MMPの発現または酵素活性、あるいはGelAを活性化させる、TMにおいて発現される類似酵素を増加させる。GelAの活性化によって、ECMの分解が増加し、結果として起こるIOPの減少を伴って、次に水分の流出が上昇する。
【0013】
本発明のカルボニル置換アリールアジン有機分子はまた、原発性開放隅角緑内障のような疾病の新しい薬物治療を発見するためのモデルシステムを構築することにおいても有用である。これを達成するため、対象となる有機小分子は、インビトロにおいてTM細胞および組織を調節するために用いられ、MT−MMPの発現上昇および/または活性上昇をもたらす。これについての根拠は、MT−MMP活性の増加を直接示す分析により提供されるであろう。この方法は、本発明に用いるのに適した化合物を決定するための一次スクリーニング法として、典型的に用いられる。あるいはこのような根拠は、proGelAからのGelA活性種の産生を測定することによっても提供され得た。GelAの活性化は、TM細胞により内因的に分泌されるproGelA、または精製された酵素として実験組織または実験細胞に外因的に加えられるproGelAのいずれかを利用して、実証され得る。この点において、房水が十分なproGelAを有することに注目することが重要である。眼の流出システムの細胞におけるMT−MMPレベルまたはMT−MMP活性の増強は、ECMのタンパク分解再構築のために局所的に利用可能なproGelAから、GelAを作るであろう。
【0014】
体の組織および臓器の全体にわたってECM調節が重要であると仮定すると、多くの疾病がこれらの病理の一部として、MMP活性上昇の結果生じるECMの過剰分解と関連性を有していることは、意外なことではない。MMP活性を阻害する薬物は、MMPの正常な機能と正常な調節の明らかな欠損に関連する疾病のための治療として有用であろう。従って本発明は、本発明の有機小分子を用いて、MT−MMP活性および/またはMT−MMP発現の細胞制御を介した特定の疾病を処置する治療方法を包含する。
【0015】
一つの態様において本発明は、活性化合物としてカルボニル部分で置換されたアリールアジンを含む眼内圧調整製剤に関する。この活性化合物は単環アリールおよび複素環アリールから選択されるアリール基を含み、この環はS、N、Oから選択される少なくとも一つの元素を含む。
【0016】
本発明のこの態様の一つの形態では、上記活性化合物はモノアジニルおよびジアジニルからなる群から選択されるアジニル部分を含む。典型的には、上記ジアジニルは1,3−ジアジニル、1,4−ジアジニルおよび2,3−ジアジニルからなる群から選択される。
【0017】
本発明のこの態様の別の形態では、上記活性化合物は下記一般式[1−6]から選択される。ここで1は1−ベンザジン(またはキノリン)から誘導され、2は2−ベンザジン(またはイソキノリン)から誘導され、3は1,4−ベンゾジアジン(またはキノキサリン)から誘導される。4および5はそれぞれ1,3−ベンゾジアジン(またはキナゾリン)から誘導され、6は2,3−ベンゾジアジン(またはフタラジン)から誘導される。
【0018】
【化1】

【0019】
式中、
Aは六員環ホモアリールまたはヘテロアリール環、
9はヒドリド、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルケンオキシ、ヒドロキシ、カルボキシ、アミノ、(N−アルキルカルボニル)アミノ、(N−アルキルカルボニル)−N−アルキルアミノ、(N−アルキルカルボニルアルキル)アミノ、シアノ、ニトロ、硝酸塩、アリールアゾ、スルホ、スルフィノ、スルフヒドリル、ハロ、ハロアルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルアルキル、アリールアルキル、N−アルキルアミノ、N−ジアルキルアミノ、(N−アルキル−N−アルケニル)アミノ、N−ジアルケニルアミノ、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、アルキルチオ、シアノアルキル、アシル、アルキルカルボニルオキシ、アルケニルカルボニルオキシ、ニトロソ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、チオカルボキシ、チオカルボキシアルキル、アルキルチオカルボニル、アルキルチオカルボニルアルキル、アルコキシチオカルボニル、アルコキシチオカルボニルアルキル、スルファモイル、スルフィナモイル、N−アルキルスルファモイル、N−ジアルキルスルファモイル、N−アルキルスルフィナモイル、N−ジアルキルスルフィナモイル、スルファモイルアルキル、スルフィナモイルアルキル、アミノカルボニル、アミノカルボニルアルキル、N−アルキルアミノカルボニル、N−ジアルキルアミノカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、チオカルバモイル、チオカルバモイルアルキル、(N−アルキル)チオカルバモイル、(N−ジアルキル)チオカルバモイル、アミノチオ、アルキルアミノチオ、N−ジアルキルアミノチオ、アルコキシカルボニルアルキル、アミノアルキル、N−アルキルアミノアルキル、N−ジアルキルアミノアルキル、N−アルキルアミノカルボニルアルキル、N−アルキルアミノカルボニルアルコキシから選択される、環A上にある単一または複数の非干渉置換部分;ここでこれらの置換基のいずれかが、アルキル、アルケニルまたはアルキニルラジカルを含む場合、これらのラジカルは直鎖でも分岐していてもよく、長さ方向の炭素数は1から8であってよい;さらにここで上記アルキル、アルケニル、またはアルキニルラジカルは、これらの置換基において、一つまたは二つの環を有するC6−C15アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、CまたはNを介して結合している一つまたは二つの環あるいは複素環基を有するC3−C16ヘテロアリールで置き換えられていてもよく;さらに許容されれば、二つのN−ジアルキルラジカルおよび一つのトリアミン窒素を含むこれらの置換基はいずれも、複素環アミンまたはアミドで置き換えられていてもよい;
【0020】
10
【0021】
【化2】

【0022】
で表され、
ここで(Y)は(R4)、(−O−R4)、(−S−R4)、または
【0023】
【化3】

【0024】
であり、nyは0または1である;ただしny=1の時、R4は直鎖または分岐のC1ーC8アルキル、直鎖または分岐のC2ーC8アルケニル、直鎖または分岐のC2ーC8アルキニル、C3ーC8単環シクロアルキル、C3ーC8単環シクロアルケニル、C3ーC8単環アリール、C3ーC8単環ヘテロシクリルおよびC3ーC8単環ヘテロアリールから選択される;
【0025】
14は(1)−OH、−NH2、(2)直鎖または分岐のC1ーC20アルコキシ、直鎖または分岐のC2ーC20アルケンオキシまたはアルキンオキシ、(3)三環系以下のアリールオキシ、一環あたりの原子数が5から8で三環系以下のヘテロアリールオキシ、三環系以下のC3ーC8シクロアルコキシ、一環あたりの原子数が3から8で三環系以下のヘテロシクロオキシ、(4)アルキルアミノまたはジアルキルアミノ(−NR67)(ここでR6およびR7は下記の通りで、独立であって、許容されればそれぞれ水素、直鎖または分岐のC1ーC8アルキル、直鎖または分岐のC2ーC8アルケニルあるいは直鎖または分岐のC2ーC8アルキニルのいずれかである)、(5)複素環またはヘテロアリール(−NR6LR7)(ここでLはN、(N−N)、(N−O)、O、S、S(O)、S(O2)、−(CH2)−または(=C−)であって、ここでR6およびR7はアルキルまたはアルケニル鎖で、R6およびR7の合計炭素原子数が2から16であり、さらにR6およびR7はいずれもアミド窒素に結合しておりLを介して環化している);
【0026】
13は(1)−OH、C1ーC8アルコキシ、C2ーC8アルケンオキシ、C2ーC8アルキンオキシ、一つまたは二つの環を有するC6ーC15アリールオキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクロオキシ、および一つまたは二つの環を有するC3ーC16ヘテロアリールオキシ(ヒドロキシ、ハロ、C1ーC8アルキル、C2ーC8アルケニル、C2ーC8アルキニル、ニトロ、シアノ、スルホ、スルフィノ、アミノ、炭素数3から8の環を有するシクロアルキル、炭素数3から8の環を有するシクロアルコキシ、カルボキシルC1ーC8アルキル、ヒドロキシチオカルボニル、ヒドロキシチオカルボニルC1ーC8アルキル、アシル、C1ーC8アルキルアミノ、C1ーC8アルコキシ、C2ーC8アルケンオキシ、C2ーC8アルキンオキシ、C1ーC8アルキルチオ、総炭素原子数が2から16であるジアルキルアミノ、アミノスルホニル、およびハロC1ーC8アルキルからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で置換されたそれらのアナログであってもよい);
【0027】
(2)ヒドロキシC1ーC8アルキル、ヒドロキシC2ーC8アルケニル、ヒドロキシC2ーC8アルキニル(ヒドロキシ、ハロ、C1ーC8アルキル、C2ーC8アルケニル、C2ーC8アルキニル、ニトロ、シアノ、スルホ、スルフィノ、アミノ、炭素数3から8の環を有するシクロアルキル、炭素数3から8の環を有するシクロアルコキシ、カルボキシルC1ーC8アルキル、ヒドロキシチオカルボニル、ヒドロキシチオカルボニルC1ーC8アルキル、アシル、C1ーC8アルキルアミノ、C1ーC8アルコキシ、C2ーC8アルケンオキシ、C2ーC8アルキンオキシ、C1ーC8アルキルチオ、総炭素原子数が2から16であるジアルキルアミノ、アミノスルホニル、およびハロC1ーC8アルキルからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で置換されたそれらのアナログであってもよい)から選択される;
【0028】
さらにここで、(1)および(2)の脂肪族基は許容されれば、直鎖または分岐である;ただし上記アルキル、アルケニル、アルキニル、一つまたは二つの環を有するC6ーC15アリール、一つまたは二つの環を有するC3ーC16ヘテロアリール、シクロアルキル、またはR10およびR13のヘテロシクリル要素は、Lと同様に(ここでLは窒素および硫黄から選択される)独立に干渉されない方法で、ヒドロキシ、ハロ、C1ーC8アルキル、C2ーC8アルケニル、C2ーC8アルキニル、ニトロ、シアノ、スルホ、スルフィノ、アミノ、炭素数3から8の環を有するシクロアルキル、炭素数3から8の環を有するシクロアルコキシ、カルボキシルC1ーC8アルキル、ヒドロキシチオカルボニル、ヒドロキシチオカルボニルC1ーC8アルキル、アシル、C1ーC8アルキルアミノ、C1ーC8アルコキシ、C2ーC8アルケンオキシ、C2ーC8アルキンオキシ、C1ーC8アルキルチオ、総炭素原子数が2から16であるジアルキルアミノ、アミノスルホニル、およびハロC1ーC8アルキルからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で置換されていてもよく、これら置換基の脂肪族基は直鎖または分岐である;
【0029】
12はR9に記載した一般環置換基をあらわし、さらに
【0030】
【化4】

を含む。
【0031】
ここでna=0、1、または2であり;R8はC1ーC8アルキル、C3ーC8アリーロイルアルキル、C3ーC8アリーロイルC3ーC8アリール、C3ーC8アリール、C1ーC8アルキルカルボニルC3ーC8アリール、C1ーC8アルコキシカルボニルC3ーC8アリール、およびC1ーC8アルコキシカルボニルC1ーC8アルキルから選択され(ヒドロキシ、ハロ、C1ーC8アルキル、C2ーC8アルケニル、C2ーC8アルキニル、ニトロ、シアノ、スルホ、スルフィノ、アミノ、炭素数3から8の環を有するシクロアルキル、炭素数3から8の環を有するシクロアルコキシ、カルボキシルC1ーC8アルキル、ヒドロキシチオカルボニル、ヒドロキシチオカルボニルC1ーC8アルキル、アシル、C1ーC8アルキルアミノ、C1ーC8アルコキシ、C2ーC8アルケンオキシ、C2ーC8アルキンオキシ、C1ーC8アルキルチオ、総炭素原子数が2から16であるジアルキルアミノ、アミノスルホニル、およびハロC1ーC8アルキルからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で置換されたアナログであってもよく、これらの置換基の脂肪族基は直鎖でも分岐でもよい)、さらにアルケニルまたはアルキニルはR8のアルキルに置き換えてもよく、ヘテロアリールはR8のアリールに置き換えてもよい、ただし脂肪族基は直鎖でも分岐でもよい。
【0032】
本発明のこの態様のさらに別の形態では、Aにおいてホモアリールがフェニルであり、ヘテロアリールがピリジニルであり、ハロがフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードから選択される。好ましくは、少なくとも一つのハロC1−C8アルキル基がトリフルオロメチルである。
【0033】
本発明のこの態様の一つの実施例では、上記活性化合物は式1の化合物、ヒドロキシキノリンカルボン酸または4−ヒドロキシ−2−キノリンカルボン酸としても知られているキヌレン酸、あるいは4−ヒドロキシキナルジン酸である。
【0034】
本発明のこの態様の別の実施例では、上記活性化合物は式2の化合物である。
【0035】
本発明のこの態様の別の実施例では、上記活性化合物は式3の化合物である。
【0036】
本発明のこの態様の別の実施例では、上記活性化合物は式4の化合物である。
【0037】
本発明のこの態様の別の実施例では、上記活性化合物は式5の化合物である。
【0038】
本発明のこの態様の別の実施例では、上記活性化合物は式6の化合物である。
【0039】
本発明のこの態様の別の形態では、上記活性化合物はキヌレン酸の誘導体である。典型的には上記キヌレン酸誘導体は、5,7−ジクロロキヌレン酸および3−ヒドロキシ−2−メチル−4−キノリンカルボン酸からなる群から選択される。
【0040】
本発明のこの態様のさらに別の形態では、上記製剤は、上記活性化合物の平衡を保つための対イオンをさらに含み、上記対イオンは下記a)からd)から選択される:
a)A’−L1−NH−L3−NH−L2−B、式中
【0041】
1およびL2は独立にメチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレンおよびシクロプロピレンから選択され;
【0042】
3は直鎖または分岐のC1ーC6アルキルであり、一部あるいは全体をC3ーC6シクロアルキルで置き換えてもよく、あるいはL3のアルキル部分は、L3中の最大総炭素原子数が6となるようなスピロ構造のC3ーC6シクロアルキルで置換されていてもよく;A’およびBは独立にフェニル、ナフチル、またはヘテロアリールである;
b)A’−L1−NH−L2−B、式中、A’、B、L1、L2は上記の通り;
c)
【0043】
【化5】

式中、
【0044】
A’、BおよびMは独立にフェニル、ナフチル、またはヘテロアリールであり;
2は上記の通り;
4、L5、L6は独立にCn、ここでn=0、1、または2;
7は−H、一部あるいは全体をC3−C6シクロアルキルで置き換えられていてもよい直鎖または分岐のC1−C6アルキルから選択される;
d)
【0045】
【化6】

【0046】
式中、
A’、B、MおよびQは独立にフェニル、ナフチル、またはヘテロアリールであり;
2は上記の通り;
4、L5、L6、L8は独立にCn、ここでn=0、1、または2;
ただし上記a)からd)について:
1)許容されれば、すべてのアルキルまたはシクロアルキル基上の水素は(1)直鎖または分岐のC1−C6アルキル、C2−C8アルケニル、C2−C8アルキニル、C3−C8シクロアルキル、C3−C8シクロアルケニル、またはこれらの組み合わせ;あるいは(2)脂肪族基が直鎖または分岐である、直鎖または分岐のC1−C6アルコキシ、C2−C8アルケンオキシ、C2−C8アルキンオキシまたはC3−C8シクロアルコキシで置換されていてもよく;
2)許容されれば、すべての芳香環上の水素は(1)脂肪族基が直鎖または分岐である、C1−C8アルキル、C2−C8アルケニル、C2−C8アルキニル、C3−C8シクロアルキル、C3−C8シクロアルケニル、C1−C8アルコキシ、C2−C8アルケンオキシ、C2−C8アルキンオキシ、C2−C8チオアルキル、C2−C8チオアルケニル、およびC2−C8チオアルキニル;および(2)ヒドロキシ、ハロ、ニトロ、シアノおよびハロメチルから選択される置換基で置換されていてもよく;
3)すべての光学異性体が許容される。
【0047】
上記対イオンは、許容されるアニオンとの塩基または塩としてのベンザチン(Ph−CH2−NH−(CH22−NH−CH2−Ph、ここでPh=フェニル)であってもよい。
【0048】
本発明のこの形態の実施例では、上記製剤は活性化合物としてキヌレン酸および/またはキヌレン酸誘導体を含む。
【0049】
本発明のこの形態の別の実施例では、上記アニオンは塩化物、プロピオン酸塩および酢酸塩から選択される。
【0050】
本発明のこの形態の別の実施例では、対イオンに対する活性化合物のモル比は約3:1以下、つまり約1:1と約2:1の間である。
【0051】
本発明のこの態様の別の形態では、上記活性化合物は眼細胞におけるゼラチナーゼA活性を上昇させるのに有用である。好ましくは、上記活性化合物はキヌレン酸およびその誘導体から選択される。
【0052】
さらに別の態様では、本発明は、眼細胞におけるゼラチナーゼA活性を上昇させるために治療効果のある量で上記活性化合物を含有する上記製剤のいずれかを含む、薬学的に許容可能な組成物に関する。
【0053】
さらに別の態様では、本発明は、上記組成物を無菌水溶液または非水性溶液として作成し、上記溶液を眼上または眼の内部に適用することを含む、上記薬学的に許容可能な組成物の投与方法に関する。
【0054】
さらに別の態様では、本発明は、上記組成物を眼球インプラントの形で提供し、上記眼球インプラントを眼の内部に移植することを含む、上記薬学的に許容可能な組成物の投与方法に関する。典型的には、上記インプラントは生分解性マトリクスおよび薬剤溶出容器から選択することができる。
【0055】
さらに別の態様では、本発明は、上記組成物を無菌軟膏として作成し、上記軟膏を眼上または眼の付近に塗布することを含む、上記薬学的に許容可能な組成物の投与方法に関する。
【0056】
さらに別の態様では、本発明は、上記組成物を無菌ゲルとして作成し、上記ゲルを眼上または眼の付近に塗布することを含む、上記薬学的に許容可能な組成物の投与方法に関する。
【0057】
またさらに別の態様では、本発明は、上記組成物を生分解性ポリマーマトリクスと組み合わせて、最大寸法が10μm未満の粒子として提供し、上記粒子を眼上または眼の付近に適用することを含む、上記薬学的に許容可能な組成物の投与方法に関する。
【0058】
以下の詳細な説明は、本発明の属する技術分野における当業者が作成および使用できるように記載されており、本発明者等が熟慮した、本発明の主旨を実行する最良の形態を説明している。
【0059】
本発明は、細胞および組織において酵素活性および/または一つまたはそれ以上の膜型マトリクスメタロプロテイナーゼ(MT−MMP)の発現、あるいは類似酵素を増加させる(すなわち、初期原発性開放隅角緑内障の治療のため、眼の小柱網(TM)においてゼラチナーゼA(GeIA)を活性化する)ための、薬理学的効果を有する有機小分子の使用に関する。
【0060】
本発明の主題となる有機小分子の、MT−MMPの細胞膜発現のため(結果としてGeIAを活性化するため)の使用は、代謝回転を増加させ、細胞外マトリクスの蓄積を減少させる。TMにおけるGeIAの活性化は、水分流出を増加させ、眼圧を低下させる。これにより初期原発性開放隅角緑内障の治療に可能性が見いだせる。
【0061】
本発明の主題となる有機小分子のさらなる使用は、インビトロモデルでの発現において一つまたはそれ以上のMT−MMPの細胞膜発現を増加させることであり、これは新しい医療の発見に用いられる可能性がある。一般に、本発明の有機小分子は、一つまたはそれ以上のMT−MMPの発現およびGeIAの活性化において変化を伴う病態生理を有する、いかなる眼疾病の新しい治療の発見にも寄与しうるであろう。
【0062】
本発明では、すべてのこのような異性体を、その物質だけの形およびラセミ化合物の混合物を含む混和剤の形で独立に検討した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0063】
以下の実施例において、本発明の活性化合物についてさらに詳細に述べる。
実施例:チオペプトライド基質の加水分解を測定する細胞ベースのスクリーニングアッセイを用いて検出される、ゼラチナーゼ活性を有する細胞関連成分の発現または活性を増大させる、カルボニル置換アリールアジン
【0064】
A.MT−MMPに起因する細胞関連ゼラチナーゼ活性の検出に用いられる、チオペプトライドアッセイ
【0065】
アカゲザルTM細胞を培養し、ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)に1%子ウシ血清を含有する15%(v/v)ウシ胎仔血清(FBS)を加えたもの等の成長培地または、内皮細胞成長助剤、1%またはそれ以下のFBSまたは子ウシ血清、およびKnedlerおよびHamによってIn Vitro Cellular and Dev.Biol.23:481(1987)に記載された規定の助剤を補ったMCDB 131などの、血清含有量が少ないため内皮細胞により適した培地の96ウェルマイクロタイタープレート中に、少なくとも2週間保持した。分子テストの2日前に上記培地を、SchachtschabelおよびBinningerによってZ.f.Gerontol.26:243(1993)に記載された規定の助剤を含有する最小必須培地(MEM)等の規定の血清を含まない培地に置き換えたが、テスト化合物と結合または競合しうる妨害物質がなく、天然の構造的機能的属性の発現を最適化する際の安定非増殖単一層であるTM細胞等の内皮様細胞を維持する能力があるため、規定の助剤を含むMCDB131等の基礎培地を用いるのが好ましい。特に記載のない限り、すべてのテスト分子は、終末濃度が10mg/mlであるジメチルスルホキシド(DMSO)中に、貯蔵溶液として調製された。これらの貯蔵溶液はデシケーター中マイナス20℃で保管された。分子のテストにおいて、上記分子はコンカナバリンA(Con A)調整培地(CACM)と呼ばれる、エームズ培地を基にした簡易培地中で、終末濃度0.3ug/mlおよび15ug/mlにまで希釈された。上記サルTM細胞をテスト分子とともに48時間培養した。
【0066】
CACMにDMSOを加えた対照媒体および5ug/mlのCon Aを含みDMSOを加えた陽性対照を、平行して実行した。培養時間の最後に、実験培地をチオペプトライドアッセイ混合物(50mmol/L HEPES、5mmol/L CaCl2、3.5mmol/L KCl、106mmol/L NaCl、0.02%(v/v)Brij 35、pH7.5)の一部であるバッファー100uLで置き換えた。次にチオール試薬[5,5’ジチオビス(2−ニトロ安息香酸(DTNB)20倍(20X)濃縮DMSO貯蔵溶液から、1mmol/Lに調製]とともに新しく混合した上記チオペプトライド基質の2倍(2X)濃縮混合物[40倍(40X)濃縮DMSO貯蔵溶液から、1mmol/L終末濃度に調製]100uLを各ウェルに加え、摂氏37℃で2時間緩やかに撹拌しながら培養した。
【0067】
培養時間の最後に、細胞を含まない反応混合物を含有するウェルについて空試験値を自動減算した後、分光測光プレートリーダーを用いて、それぞれのウェルについて410nmにおける光学濃度(OD)を測定した。すべての濃度で各テスト分子について、2時間の終点における三連での平均ODを算出した。この計算を細胞関連MT−MMPレベルの測定と解釈し、同等にそれらの活性(酵素の触媒活性)または発現(機能分子の数)と規定した。各サンプルと対照CACMとのODの%の違いは、MT−MMPレベル増加の誘発における、各テスト分子または分子の組み合わせの有効性を反映している。終点OD読み取りの代替として、吸光度対時間のデータに最もよく合う直線から計算される、反応生成物出現の平均速度(平均V)を用いても良い。その場合には、初めの時点からできるだけ最後の時点(これらはよく合う直線に寄与せず、通常除外される)まで5分毎に測定を行う。
【0068】
B:関連MT−MMP活性に関する有機小分子のテスト:
別々の貯蔵溶液から培養培地への同時添加によって、TM細胞を分子および分子の組み合わせに暴露させる。
【0069】
1.グループ1 分子:キヌレン酸
米国ミズーリ州セントルイスのSigma-Aldrich社製キヌレン酸のMT−MMP活性を、上記手順に従ってテストした。結果を下記表1に示す。
【0070】
【化7】

キヌレン酸
【0071】
【表1】

【0072】
グループ1 分子:キヌレン酸とベンザチン対イオン
米国ミズーリ州セントルイスのFluka(Sigma-Aldrich)社製ベンザチン(ジ酢酸塩として)を、上記培養培地への同時添加によって、同じ重量のキヌレン酸と組み合わせ、上記手順に従ってテストした場合のMT−MMP活性を明らかにする。取り扱いの一貫性および容易性の目的で、テスト化合物の濃度は、全体のモル比を維持するのとは対照的に、ベンザチンの質量パーセントと一致させる。活性は、テスト化合物の濃度に関連した線量依存性を示す。最初のアッセイでは、対照レベルを超える十分な活性は、テスト化合物の15ug/ml量においてのみ観測された。
【0073】
TM細胞に適用する培養混合物にベンザチンを添加した場合、これら化合物の活性は一貫して増加した。
【0074】
DMSOが最も一般的に用いられる濃縮貯蔵溶液であった一方、いくつかの化合物については、水性貯蔵溶液からのベンザチンと組み合わせて同じく水性の貯蔵溶液を使用しても、これらの化合物がMT−MMP発現において著しい増加をもたらす能力を損なうことはなかった。
【0075】
眼細胞におけるゼラチナーゼA活性を増加するために、一つまたはそれ以上の本発明の有機分子を投与する形態としては、一つまたはそれ以上の有機分子あるいは前記有機分子の一つまたはそれ以上の水和物;一つまたはそれ以上の有機分子あるいは前記有機分子の一つまたはそれ以上の酸添加塩[これには例えば、ハロゲン化水素酸等の鉱酸、酢酸等の有機酸、またはやや溶けにくく、それらの塩に徐放性を与える酸(パモン酸など)等適当な酸が含まれるが、これらに限定されない];および一つまたはそれ以上の有機分子あるいは前記有機分子の一つまたはそれ以上の塩基添加塩(これには、アルカリまたはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩またはアルコキシド等の無機塩基、モノ−、ジ−、およびトリアルキルアミン、アルカノールアミン、アルケンジアミン、フェニルアルキルアミン、環状飽和塩基、環状不飽和塩基または第四級塩を形成するアルキルアミン等の有機塩基から形成された適当な塩を含む)のうち一つまたは複数を含む薬学的に許容可能な組成物を介して行うのが便利である。
【0076】
これらの塩を形成する有機塩基は、治療上許容可能な分子サイズである。本発明による酸添加塩および塩基添加塩は、当業者に知られた公知の方法で調製される。
【0077】
このような薬学的に許容可能な組成物を無菌溶液あるいは水中または他の水性媒体中懸濁液として形成する場合、上記処方には同様に生理食塩溶液を含むであろう。これによりpHが安定的に調整および/または緩衝され、眼上または眼の内部での作用部位における最適な吸収、配分、放出および/または有効性のために、緊張力が調整される。
【0078】
このような薬学的に許容可能な組成物を非水性溶液または懸濁液として形成する場合、上記処方には同様に油、有機溶剤またはメチルスルホキシドを含むであろう。さらに、本発明の処方は同様に、シクロデキストリン、洗浄剤または当業者に公知のポリマー等の生分解性または非腐食性の封入材料と共有結合的にまたは非共有結合的に組み合わさった、他の非毒性医薬品賦形剤を含むこともある。
【0079】
本発明の有機化合物は、眼の小柱網組織への送達方法を介して緑内障治療のために投与される。このような一つまたはそれ以上の本発明の有機分子の送達方法には、例えば、外部からの点眼薬、軟膏またはインプラントの適用、眼の前室または強膜への溶液、懸濁液、または徐放性インプラントの注入または挿入、眼の強膜表面への外部からの適用および/またはろ過手術を伴うものとして緑内障外科治療時の補助医療処置としての投与があるが、これらに限定されるものではない。種々の送達形式には、単一または複数の投与が含まれ、これにより、一度または特定期間経過後に断続的に行われる緊急の短期的治療計画を、持続的な治療の代替として有効にすることが可能である。このように、上記化合物は、小柱網および隣接構造を介した水分流出の倍率を変えるために有用であり得る。
【0080】
ここでは本発明の特定の実施例について述べたが、発明概念の根底にある精神とその範囲を逸脱することなく種々の変更を加えてもよいこと、および添付の特許請求の範囲に示される限りにおいて除かれる、ここに記載された特定の形式に限定されないことは、当業者には自明である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性化合物として、カルボニル部分で置換されたアリールアジンを含む、眼内圧を調整するための製剤。
【請求項2】
該活性化合物が、単環アリールおよび複素環アリールから選択されるアリール基を含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
該活性化合物が、モノアジニルおよびジアジニルからなる群から選択されるアジニル部分を含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項4】
該ジアジニルが、1,3−ジアジニル、1,4−ジアジニルおよび2,3−ジアジニルからなる群から選択される、請求項3に記載の製剤。
【請求項5】
該活性化合物が、下記一般式1−6から選択される、請求項1に記載の製剤:
【化1】

【化2】

式中、
Aは六員環ホモアリールまたはヘテロアリール環;
9はヒドリド、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルケンオキシ、ヒドロキシ、カルボキシ、アミノ、(N−アルキルカルボニル)アミノ、(N−アルキルカルボニル)−N−アルキルアミノ、(N−アルキルカルボニルアルキル)アミノ、シアノ、ニトロ、硝酸塩、アリールアゾ、スルホ、スルフィノ、スルフヒドリル、ハロ、ハロアルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルアルキル、アリールアルキル、N−アルキルアミノ、N−ジアルキルアミノ、(N−アルキル−N−アルケニル)アミノ、N−ジアルケニルアミノ、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、アルキルチオ、シアノアルキル、アシル、アルキルカルボニルオキシ、アルケニルカルボニルオキシ、ニトロソ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、チオカルボキシ、チオカルボキシアルキル、アルキルチオカルボニル、アルキルチオカルボニルアルキル、アルコキシチオカルボニル、アルコキシチオカルボニルアルキル、スルファモイル、スルフィナモイル、N−アルキルスルファモイル、N−ジアルキルスルファモイル、N−アルキルスルフィナモイル、N−ジアルキルスルフィナモイル、スルファモイルアルキル、スルフィナモイルアルキル、アミノカルボニル、アミノカルボニルアルキル、N−アルキルアミノカルボニル、N−ジアルキルアミノカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、チオカルバモイル、チオカルバモイルアルキル、(N−アルキル)チオカルバモイル、(N−ジアルキル)チオカルバモイル、アミノチオ、アルキルアミノチオ、N−ジアルキルアミノチオ、アルコキシカルボニルアルキル、アミノアルキル、N−アルキルアミノアルキル、N−ジアルキルアミノアルキル、N−アルキルアミノカルボニルアルキル、N−アルキルアミノカルボニルアルコキシから選択される、環A上にある単一または複数の非干渉置換部分;ここでこれらの置換基のいずれかが、アルキル、アルケニルまたはアルキニルラジカルを含む場合、これらのラジカルは直鎖でも分岐していてもよく、長さ方向の炭素数は1から8であってよい;さらにここでアルキル、アルケニルまたはアルキニルラジカルは、これらの置換基において、一つまたは二つの環を有するC6−C15アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、CまたはNを介して結合している一つまたは二つの環あるいは複素環基を有するC3−C16ヘテロアリールで置き換えられていてもよく;さらに許容されれば、二つのN−ジアルキルラジカルおよび一つのトリアミン窒素を含むこれらの置換基はいずれも、複素環アミンまたはアミドで置き換えられていてもよい;
10
【化3】

で表され、
ここで(Y)は(R4)、(−O−R4)、(−S−R4)、または
【化4】

であり、nyは0または1である;ただしny=1の時、R4は直鎖または分岐のC1ーC8アルキル、直鎖または分岐のC2ーC8アルケニル、直鎖または分岐のC2ーC8アルキニル、C3ーC8単環シクロアルキル、C3ーC8単環シクロアルケニル、C3ーC8単環アリール、C3ーC8単環ヘテロシクリルおよびC3ーC8単環ヘテロアリールから選択される;
14は(1)−OH、−NH2;(2)直鎖または分岐のC1ーC20アルコキシ、直鎖または分岐のC2ーC20アルケンオキシまたはアルキンオキシ;(3)三環系以下のアリールオキシ、一環あたりの原子数が5から8で三環系以下のヘテロアリールオキシ、三環系以下のC3ーC8シクロアルコキシ、一環あたりの原子数が3から8で三環系以下のヘテロシクロオキシ;(4)アルキルアミノまたはジアルキルアミノ(−NR67)(ここでR6およびR7は下記の通りで、独立であって、許容されればそれぞれ水素、直鎖または分岐のC1ーC8アルキル、直鎖または分岐のC2ーC8アルケニルあるいは直鎖または分岐のC2ーC8アルキニルのいずれかである);(5)複素環またはヘテロアリール(−NR6LR7)、ここでLはN、(N−N)、(N−O)、O、S、S(O)、S(O2)、−(CH2)−または(=C−)であって、ここでR6およびR7はアルキルまたはアルケニル鎖で、R6およびR7の合計炭素原子数が2から16であり、さらにR6およびR7はいずれもアミド窒素に結合しておりLを介して環化している;
13は(1)−OH、C1ーC8アルコキシ、C2ーC8アルケンオキシ、C2ーC8アルキンオキシ、一つまたは二つの環を有するC6ーC15アリールオキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクロオキシ、および一つまたは二つの環を有するC3ーC16ヘテロアリールオキシ(ヒドロキシ、ハロ、C1ーC8アルキル、C2ーC8アルケニル、C2ーC8アルキニル、ニトロ、シアノ、スルホ、スルフィノ、アミノ、炭素数3から8の環を有するシクロアルキル、炭素数3から8の環を有するシクロアルコキシ、カルボキシルC1ーC8アルキル、ヒドロキシチオカルボニル、ヒドロキシチオカルボニルC1ーC8アルキル、アシル、C1ーC8アルキルアミノ、C1ーC8アルコキシ、C2ーC8アルケンオキシ、C2ーC8アルキンオキシ、C1ーC8アルキルチオ、総炭素原子数が2から16であるジアルキルアミノ、アミノスルホニル、およびハロC1ーC8アルキルからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で置換されたそれらのアナログであってもよい);
(2)ヒドロキシC1ーC8アルキル、ヒドロキシC2ーC8アルケニル、ヒドロキシC2ーC8アルキニル(ヒドロキシ、ハロ、C1ーC8アルキル、C2ーC8アルケニル、C2ーC8アルキニル、ニトロ、シアノ、スルホ、スルフィノ、アミノ、炭素数3から8の環を有するシクロアルキル、炭素数3から8の環を有するシクロアルコキシ、カルボキシルC1ーC8アルキル、ヒドロキシチオカルボニル、ヒドロキシチオカルボニルC1ーC8アルキル、アシル、C1ーC8アルキルアミノ、C1ーC8アルコキシ、C2ーC8アルケンオキシ、C2ーC8アルキンオキシ、C1ーC8アルキルチオ、総炭素原子数が2から16であるジアルキルアミノ、アミノスルホニル、およびハロC1ーC8アルキルからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で置換されたそれらのアナログであってもよい)から選択される;
さらにここで(1)および(2)の脂肪族基は、許容されれば直鎖または分岐である;ただし上記アルキル、アルケニル、アルキニル、一つまたは二つの環を有するC6ーC15アリール、一つまたは二つの環を有するC3ーC16ヘテロアリール、シクロアルキル、またはR10およびR13のヘテロシクリル要素はLと同様に(ここでLは窒素および硫黄から選択される)独立に干渉されない方法で、ヒドロキシ、ハロ、C1ーC8アルキル、C2ーC8アルケニル、C2ーC8アルキニル、ニトロ、シアノ、スルホ、スルフィノ、アミノ、炭素数3から8の環を有するシクロアルキル、炭素数3から8の環を有するシクロアルコキシ、カルボキシルC1ーC8アルキル、ヒドロキシチオカルボニル、ヒドロキシチオカルボニルC1ーC8アルキル、アシル、C1ーC8アルキルアミノ、C1ーC8アルコキシ、C2ーC8アルケンオキシ、C2ーC8アルキンオキシ、C1ーC8アルキルチオ、総炭素原子数が2から16であるジアルキルアミノ、アミノスルホニル、およびハロC1ーC8アルキルからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で置換されていてもよく、これら置換基の脂肪族基は直鎖または分岐である;
12はR9に記載した一般環置換基をあらわし、さらに
【化5】

を含む;
ここでna=0、1、または2であり;R8はC1ーC8アルキル、C3ーC8アリーロイルアルキル、C3ーC8アリーロイルC3ーC8アリール、C3ーC8アリール、C1ーC8アルキルカルボニルC3ーC8アリール、C1ーC8アルコキシカルボニルC3ーC8アリール、およびC1ーC8アルコキシカルボニルC1ーC8アルキルから選択され(ヒドロキシ、ハロ、C1ーC8アルキル、C2ーC8アルケニル、C2ーC8アルキニル、ニトロ、シアノ、スルホ、スルフィノ、アミノ、炭素数3から8の環を有するシクロアルキル、炭素数3から8の環を有するシクロアルコキシ、カルボキシルC1ーC8アルキル、ヒドロキシチオカルボニル、ヒドロキシチオカルボニルC1ーC8アルキル、アシル、C1ーC8アルキルアミノ、C1ーC8アルコキシ、C2ーC8アルケンオキシ、C2ーC8アルキンオキシ、C1ーC8アルキルチオ、総炭素原子数が2から16であるジアルキルアミノ、アミノスルホニル、およびハロC1ーC8アルキルからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で置換されたアナログであってもよく、これら置換基の脂肪族基は直鎖でも分岐でもよい)、さらにアルケニルまたはアルキニルはR8のアルキルに置き換えてもよく、ヘテロアリールはR8のアリールに置き換えてもよい、ただし上記脂肪族基は直鎖でも分岐でもよい。
【請求項6】
Aについて該ホモアリールがフェニル、該ヘテロアリールがピリジニル、該ハロがフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードから選択される、請求項5に記載の製剤。
【請求項7】
該ハロC1ーC8アルキルがトリフルオロメチルである、請求項5に記載の製剤。
【請求項8】
該活性化合物がキヌレン酸(ヒドロキシキノリンカルボン酸)である、請求項5に記載の製剤。
【請求項9】
該活性化合物がキヌレン酸の誘導体である、請求項5に記載の製剤。
【請求項10】
該活性化合物が5,7−ジクロロキヌレン酸および3−ヒドロキシ−2−メチル−4−キノリンカルボン酸からなる群から選択される、請求項9に記載の製剤。
【請求項11】
該活性化合物の平衡を保つための対イオンをさらに含み、該対イオンが下記a)からd)から選択される、請求項5に記載の製剤:
a)A’−L1−NH−L3−NH−L2−B、
ここで
1およびL2は独立にメチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレンおよびシクロプロピレンから選択され;
3は直鎖または分岐のC1ーC6アルキルであり、一部あるいは全体をC3ーC6シクロアルキルで置き換えてもよく、あるいはL3のアルキル部分は、L3中の最大総炭素原子数が6となるようなスピロ構造のC3ーC6シクロアルキルで置換されていてもよく;A’およびBは独立にフェニル、ナフチル、またはヘテロアリールである;
b)A’−L1−NH−L2−B、
ここで
A’、B、L1、L2は上記の通り;
c)
【化6】

ここで
A’、BおよびMは独立にフェニル、ナフチル、またはヘテロアリールであり;
2は上記の通り;
4、L5、L6は独立にCn、ここでn=0、1、または2;
7は−H、一部あるいは全体をC3−C6シクロアルキルで置き換えられていてもよい直鎖または分岐のC1−C6アルキルから選択される;
d)
【化7】

ここで
A’、B、MおよびQは独立にフェニル、ナフチル、またはヘテロアリールであり;
2は上記の通り;
4、L5、L6、L8は独立にCn、ここでn=0、1、または2;
ただし上記a)からd)について:
1)許容されれば、すべてのアルキルまたはシクロアルキル基上の水素は(1)直鎖または分岐のC1−C6アルキル、C2−C8アルケニル、C2−C8アルキニル、C3−C8シクロアルキル、C3−C8シクロアルケニル、またはこれらの組み合わせ;あるいは(2)脂肪族基が直鎖または分岐である、直鎖または分岐のC1−C6アルコキシ、C2−C8アルケンオキシ、C2−C8アルキンオキシ、またはC3−C8シクロアルコキシで置換されていてもよく;
2)許容されれば、すべての芳香環上の水素は(1)脂肪族基が直鎖または分岐である、C1−C8アルキル、C2−C8アルケニル、C2−C8アルキニル、C3−C8シクロアルキル、C3−C8シクロアルケニル、C1−C8アルコキシ、C2−C8アルケンオキシ、C2−C8アルキンオキシ、C2−C8チオアルキル、C2−C8チオアルケニル、およびC2−C8チオアルキニル;および(2)ヒドロキシ、ハロ、ニトロ、シアノおよびハロメチルから選択される置換基で置換されていてもよく;
3)すべての光学異性体が許容される。
【請求項12】
該対イオンが、許容されるアニオンとの塩基または塩としてのベンザチン(Ph−CH2−NH−(CH22−NH−CH2−Ph、ここでPh=フェニル)である、請求項11に記載の製剤。
【請求項13】
該活性化合物がキヌレン酸である、請求項12に記載の製剤。
【請求項14】
該活性化合物がキヌレン酸の誘導体である、請求項12に記載の製剤。
【請求項15】
該アニオンが塩化物、プロピオン酸塩、および酢酸塩から選択される、請求項12に記載の製剤。
【請求項16】
活性化合物の対イオンに対するモル比が約3:1以下である、請求項11に記載の製剤。
【請求項17】
活性化合物の対イオンに対するモル比が約1:1から約2:1の範囲である、請求項16に記載の製剤。
【請求項18】
該活性化合物が眼細胞におけるゼラチナーゼA活性を上昇させるのに有用である、請求項5に記載の製剤。
【請求項19】
該活性化合物がキヌレン酸から選択される、請求項18に記載の製剤。
【請求項20】
該活性化合物がキヌレン酸の誘導体から選択される、請求項18に記載の製剤。
【請求項21】
該活性化合物が眼細胞におけるゼラチナーゼA活性を上昇させるのに有用である、請求項5に記載の製剤。
【請求項22】
該活性化合物が眼細胞におけるゼラチナーゼA活性を上昇させるのに有用である、請求項11に記載の製剤。
【請求項23】
該活性化合物が眼細胞におけるゼラチナーゼA活性を上昇させるのに有用である、請求項13に記載の製剤。
【請求項24】
眼細胞におけるゼラチナーゼA活性を上昇させるために治療効果のある量で該活性化合物を含有する請求項5に記載の製剤を含む、薬学的に許容可能な組成物。
【請求項25】
眼細胞におけるゼラチナーゼA活性を上昇させるために治療効果のある量で該活性化合物を含有する請求項11に記載の製剤を含む、薬学的に許容可能な組成物。
【請求項26】
眼細胞におけるゼラチナーゼA活性を上昇させるために治療効果のある量で該活性化合物を含有する請求項13に記載の製剤を含む、薬学的に許容可能な組成物。
【請求項27】
該組成物を無菌水溶液または非水性溶液として作成し、該溶液を眼上または眼の内部に適用することを含む、請求項24に記載の薬学的に許容可能な組成物の投与方法。
【請求項28】
該組成物を無菌水溶液または非水性溶液として作成し、該溶液を眼上または眼の内部に適用することを含む、請求項25に記載の薬学的に許容可能な組成物の投与方法。
【請求項29】
該組成物を無菌水溶液または非水性溶液として作成し、該溶液を眼上または眼の内部に適用することを含む、請求項26に記載の薬学的に許容可能な組成物の投与方法。
【請求項30】
該組成物を眼球インプラントの形で提供し、該眼球インプラントを眼の内部に移植することを含む、請求項24に記載の薬学的に許容可能な組成物の投与方法。
【請求項31】
該インプラントが生分解性マトリクスを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
該インプラントが薬剤溶出容器を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
該組成物を眼球インプラントの形で提供し、該眼球インプラントを眼の内部に移植することを含む、請求項25に記載の薬学的に許容可能な組成物の投与方法。
【請求項34】
該インプラントが生分解性マトリクスを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
該インプラントが薬剤溶出容器を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
該組成物を眼球インプラントの形で提供し、該眼球インプラントを眼の内部に移植することを含む、請求項26に記載の薬学的に許容可能な組成物の投与方法。
【請求項37】
該インプラントが生分解性マトリクスを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
該インプラントが薬剤溶出容器を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
該組成物を無菌軟膏として作成し、該軟膏を眼上または眼の付近に塗布することを含む、請求項24に記載の薬学的に許容可能な組成物の投与方法。
【請求項40】
該組成物を無菌軟膏として作成し、該軟膏を眼上または眼の付近に塗布することを含む、請求項25に記載の薬学的に許容可能な組成物の投与方法。
【請求項41】
該組成物を無菌軟膏として作成し、該軟膏を眼上または眼の付近に塗布することを含む、請求項26に記載の薬学的に許容可能な組成物の投与方法。
【請求項42】
該組成物を無菌ゲルとして作成し、該ゲルを眼上または眼の付近に塗布することを含む、請求項24に記載の薬学的に許容可能な組成物の投与方法。
【請求項43】
該組成物を無菌ゲルとして作成し、該ゲルを眼上または眼の付近に塗布することを含む、請求項25に記載の薬学的に許容可能な組成物の投与方法。
【請求項44】
該組成物を無菌ゲルとして作成し、該ゲルを眼上または眼の付近に塗布することを含む、請求項26に記載の薬学的に許容可能な組成物の投与方法。
【請求項45】
該組成物を生分解性ポリマーマトリクスと組み合わせて、最大寸法が10ミクロン未満の粒子として提供し、該粒子を眼上または眼の付近に適用することを含む、請求項24に記載の薬学的に許容可能な組成物の投与方法。
【請求項46】
該組成物を生分解性ポリマーマトリクスと組み合わせて、最大寸法が10ミクロン未満の粒子として提供し、該粒子を眼上または眼の付近に適用することを含む、請求項25に記載の薬学的に許容可能な組成物の投与方法。
【請求項47】
該組成物を生分解性ポリマーマトリクスと組み合わせて、最大寸法が10ミクロン未満の粒子として提供し、該粒子を眼上または眼の付近に適用することを含む、請求項26に記載の薬学的に許容可能な組成物の投与方法。

【公表番号】特表2008−544988(P2008−544988A)
【公表日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519534(P2008−519534)
【出願日】平成18年6月28日(2006.6.28)
【国際出願番号】PCT/US2006/025240
【国際公開番号】WO2007/002781
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(506076640)ボーシュ アンド ローム インコーポレイティド (99)
【Fターム(参考)】