説明

着信不能時応対応答案内システム

【課題】 着信不能時でも発信側と着信側、それぞれの互いの意志を簡易にかつ可能な限り伝達可能とすることにより、通話目的をできる限り達成でき、意思疎通を円満かつ確実にする
【解決手段】 着信側携帯電話端末(10)が着信不能である場合、着信側で着信不能に関して告知条件に従い告知したい発信側を自動的に判別し、着信不能な理由及び着信不能な時間帯を告知手段により告知するとともに、応答プログラム添付手段により応答プログラムを送ることにより、発信側携帯電話端末(20)において着信不能に関する告知内容を判断し、送られた応答プログラムを起動して、応答手段により着信側へ簡易に応対を求めることを可能とするとともに、着信側も応対手段によりさらに発信側の応答内容を含む応答情報を判断し、応答情報に対応した対応方法で自動的に応対することができる着信不能時応対応答案内システムに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着信が行われる携帯電話端末(以下「着信側携帯電話端末」という)において様々な事情で着信不能である場合に、着信側で着信不能に関して告知したい発信側を自動的に判別して告知し、発信が行われた携帯電話端末(以下「発信側携帯電話端末」という)において着信不能な理由及び着信不能な時間帯の案内が可能で、かつ着信不能時でも発信側と着信側、それぞれの互いの意志を可能な限り伝達可能とし、通話目的をできる限り達成でき、意思疎通を円満かつ確実にすることができる着信不能時応対応答案内システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年普及している携帯電話システムにおいては、着信側携帯電話端末において様々な事情で着信不能である場合に、発信側携帯電話端末においてその旨の案内が行われる運用がなされている。例えば、着信不能である場合として、着信側携帯電話端末が電波圏外にある場合や着信側携帯電話端末の電源が入っていない場合には、発信側携帯電話端末において「おかけになった電話は、電波の届かない場所にあるか、電源が入っていないため、かかりません。」という案内が行われる。
また、着信側携帯電話端末においていわゆるドライブモード機能の設定が行われている場合には、発信側携帯電話端末において「ただ今運転中のため電話に出られません。後ほどおかけ直し下さい。」という案内が行われる。
これらの場合において、留守番電話センタで伝言を預かるいわゆる留守番電話サービス機能や、着信側携帯電話端末で伝言を録音する、いわゆる伝言メモ機能の設定が行われている場合には、発信側が伝言を行うことが可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の携帯電話システムでは、着信不能である場合において、形式的な通り一遍の回答が伝えられるだけであり、前記の場合以外についてはなぜ電話に出られないか(すなわち着信不能な理由)を案内するものではない。また、せっかく電話を掛けたにもかかわらず着信側との連絡が取れず、また緊急な場合にあっては、何とか連絡が取れないかと気持ちがせくだけで何もできない状態で不満が残るものであった。
【0004】
また、着信不能である場合において、自動的に着信を拒否するとともに着信不能な理由を案内する通信システムは、特開平8−251231号公報に開示されているが、該通信システムも、いつまで電話に出られないか(すなわち着信不能な時間帯)を案内するものではない。例えば、電車乗車中や会議中等の理由で、電話に出られないのが比較的短時間であるのか、又は電波圏外中や海外旅行中等の理由で、電話に出られないのが比較的長時間であるのか等を区別して案内をするものではないため、発信側に対する着信不能な案内としては不十分なものであった。
また、発信側は着信側とのコミュニケーションを期待していながら、着信不能な理由、通話可能となる時間、要件の重要度等を伝えること等できないものであった。
【0005】
そこで、本出願人は、前記課題を解決するために国際公開第02/063859号パンフレットに開示されているように着信側の着信不能な理由及び時間帯を発信側へ告知することを可能とし、発信側において着信不能時にあってもその理由及び時間帯を知り得るようにした。
しかしながら、着信不能な理由及び時間帯を知ったとしても、着信側は着信履歴を介して電話があったという事実を知ることができるものの、発信側が伝言を積極的に残そうと
しない限り、発信側の要件、要件の重要度などを知る機会を失したり、時機を失したり、あるいは要件に応じて的確な応対をすることができないなど、電話の適時的確な適応性が十分に生かせないものであった。同様に、発信側は、着信不能な理由及び時間帯等を知り得ても、着信側とのコミュニケーションを期待して電話したことの達成感に不満が残るものであった。
【特許文献1】特開平8−251231号公報
【特許文献2】国際公開第02/063859号パンフレット
【0006】
本発明は、このような背景のもとになされたものである。その目的は、着信側携帯電話端末において様々な事情で着信不能である場合に、簡単な操作を行うことにより、着信側にあっては、発信側へ着信不能な理由及び着信不能な時間帯の案内をすることが可能であることに加えて、着信側からの適時的確な応対が可能である。
また、発信側にあっては、着信不能時においても簡単操作で着信不能であることを意識せずに、着信側と最大限の応対・応答を行うことができる。また、1回の通話で発信側の所期の目的をある程度達成することが可能なシステムとすることにより、発信側の通話要求を最大限に引き出し、着信不能でありながらコミュニケーションの確立を図るとともに、発信側の利便性が向上し、携帯電話端末を利用した効率的なコミュニケーションを可能にする着信不能時応対応答案内システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するために、次のような手段を採る。
【0008】
本出願の第一発明は、入力された着信不能な理由及び時間帯並びに応答プログラムの起動を促す文言(告知内容)を記憶する告知内容記憶手段と、
発信側携帯電話端末に対して、着信不能な理由及び時間帯並びに応答プログラムを組み込み告知する場合に、応答プログラムの起動を促す文言及び応答プログラムを添付した状態で告知するための処理を行う告知手段と、
応答プログラムを添付する発信側を特定する告知条件に従って、告知内容に応答プログラムを起動可能に組み込み処理を行う応答プログラム添付手段と、
応答プログラムを利用した発信側の応答情報を判断し、設定した対応方法を実行するための処理を行う応答プログラム応対手段
を含む着信側携帯電話端末であって、
着信不能な理由及び時間帯並びに応答プログラムの起動を促す表示を含む告知内容を入力又は表示可能であり、応答プログラムを告知内容に起動可能に表示可能である着信側携帯電話端末と、
応答プログラムを利用して選択又は直接入力した発信側が今後取る行動を説明する文言(応答内容)を含む応答情報を記憶する応答内容記憶手段と
応答プログラムを利用して記憶させた応答内容を含む応答情報を応答するための処理を行う応答手段を含む発信側携帯電話端末と、
を少なくとも含む着信不能時応対応答案内システムであって、
着信側携帯電話端末は、告知条件を設定可能であり、告知するに当たり告知するか判断し、告知し、応答プログラムを利用した応答内容を含む応答情報及びその応答情報に応じた対応方法を設定及び表示可能であり、その設定内容を受け付け保持し、また、発信側の応答プログラムを利用した応答情報を判断し、設定した対応方法で応対すること、
発信側携帯電話端末は、着信側携帯電話端末からの告知内容及び組み込まれた応答プログラムを起動可能に表示可能であり、応答プログラムを起動し、応答内容を設定及び表示可能であり、その設定内容を受け付け保持し、また、応答プログラムを起動して応答内容を含む応答情報を着信側携帯電話端末へ応答することを特徴とする着信不能時応対応答案内システムである。
【0009】
本出願の第二発明は、第一発明における着信不能時応対応答案内システムであって、
前記応答プログラム添付手段は、登録された情報に基づく告知条件に基づいて、発信側に対し、個別に又は一括して自動的に応答プログラムを添付するかしないか選択し、設定可能とするものであって、告知内容記憶手段に記憶された告知内容に応答プログラムの起動を促す文言を追記して表示する処理をするとともに、応答プログラムを起動可能に告知手段に組み込み、添付するものであること、及び
前記応答プログラム応対手段は、発信側から応答プログラムを利用して応対を求めてきた場合のため、応答内容を選択又は直接入力し、かつ緊急度レベルを関連付けて設定するための入力が可能であるとともに、選択された応答内容及び緊急度レベルを含む応答情報に対応した対応方法を設定するための入力を受け付け可能であり、また、応答情報がどの告知内容に対応するものか判断し着信不能時でも設定した対応方法で発信側へ対応又は対応方法を実行することを特徴とする着信不能時応対応答案内システムである。
【0010】
本出願の第三発明は、第一発明における着信不能時応対応答案内システムであって、前記応答手段は、告知内容とともに送られた起動可能に添付された応答プログラムを起動することで、着信側で設定した応答内容及び緊急度レベルを含む応答情報を選択入力可能であるか、又は発信側で独自に応答内容を直接入力可能であるとともに、応答内容に応じた緊急度レベルを設定可能であり、応答情報を応答内容記憶手段に記憶するとともに、応答するための処理をすることを特徴とする着信不能時応対応答案内システムである。
【0011】
本出願の第四発明は、第三発明における着信不能時応対応答案内システムであって、前記応答プログラム応対手段は、発信側の応答プログラムを利用した応答に対し、その応答内容が緊急の場合には、着信不能時の対応方法を設定した者の代理者を指定する手段又は送られてきた応答情報を転送する手段を対応方法として設定、実行することを特徴とする着信不能時応対応答案内システムである。
【0012】
本出願の第五発明は、第一〜第四発明のいずれか1つにおける着信不能時応対応答案内システムであって、発信側携帯電話端末からの着信不能な着信側携帯電話端末への着信に対し、告知内容及び対応方法で告知・応対するため着信側携帯電話端末が備える前記告知内容記憶手段、前記告知手段、前記応答プログラム添付手段及び前記応答プログラム応対手段を電話交換センタに備えることを可能にするとともに、着信側携帯電話端末の前記告知手段が電話交換を行う交換機と通信可能に接続され、告知内容を保持又は録音再生装置へ録音再生可能に保持することを特徴とする着信不能時応対応答案内システムである。
【0013】
本出願の第六発明は、第一〜第五発明のいずれか1つにおける着信不能時応対応答案内システムであって、着信不能な理由が着信側携帯電話端末の表示画面に表示されるあらかじめ設定された複数種類の文言から選択するか、又は直接入力することで所持者が希望する文言を入力設定可能であること及び発信側の今後取る行動を説明する内容(応答内容)が、着信側携帯電話端末から送られた応答プログラムを起動して発信側携帯電話端末の表示画面に表示されるあらかじめ設定された複数種類の文言から選択するか又は所持者が希望する文言を直接入力し、設定可能であることを特徴とする着信不能時応対応答案内システムである。
【0014】
本出願の第七発明は、第一〜第五発明のいずれか1つにおける着信不能時応対応答案内システムであって、前記告知手段は、発信側携帯電話端末から着信側携帯電話端末宛に電話を掛けた時刻が記憶されている着信不能な時間帯内である場合、該発信側携帯電話端末に対して、あらかじめ設定された所定の暗証番号の入力を要求するための処理を行い、該発信側携帯電話端末から、所定の暗証番号が入力された場合、該発信側携帯電話端末に対して、記憶されている着信不能な理由を説明する文言及び時間帯を告知するための処理を行うとともに、応答プログラムの起動を促す文言及び応答プログラムを起動可能に告知内
容に追加した状態で告知するための処理を行うことを特徴とする着信不能応対応答案内システムである。
【発明の効果】
【0015】
まず第一発明によれば、着信不能な理由及び時間帯の入力が支援され、簡易に入力できかつ着信側における着信不能な理由が明示されるとともに、着信不能な時間帯も知ることが可能である。
その上、応答プログラムを利用して発信側が今後の取る行動を簡単に応答可能となり、更に、発信者からの応答に対し、着信側が取る対応方法を知らせること又は対応方法を実行することができる。
このように、着信不能時でも着信不能な案内及び相互の応対・応答が十分に行われるため、発信側及び着信側の互いの意志を尊重し、意思疎通を円満かつ確実にすることができ、携帯電話システムの利便性が飛躍的に向上する。
【0016】
第二発明によれば、着信側が告知したい相手又は告知を必要としない相手に応じた告知内容を伝達できるとともに、応対が必要な相手に応答を簡単にする応答プログラムを送ることができ、発信側のさらなる応答を促し、着信不能時であっても発信側と十分なコミュニケーションを可能にする。
また、発信者側から応答プログラムを利用して応答があった場合には、応答情報に含まれる緊急度レベルに合わせた対応又は対応方法を設定してあることから、発信側の求めるレベルで対応することができるので、着信側及び発信側の互いの意志を尊重した意思疎通を確実にすることができる。
【0017】
第三発明によれば、告知内容とともに起動可能に添付された応答プログラムを起動することで、着信側又は発信側で設定した応答内容及び緊急度レベルからなる応答情報を着信側へ応答することができ、着信不能時であっても着信側の設定した対処又は対処方法で的確に応対できる。
【0018】
第四発明によれば、発信側の応答プログラムを利用した応答に対し、着信側又は発信側の設定した応答内容の緊急に当たる場合、着信不能時の対応方法を設定した者の代理者を発信側に連絡し直接代理者へ連絡するように伝えたり、発信側の応答情報を代理者に転送して対応をさせたり、又は代理者を介して直接着信側本人へ連絡が取れるように図るなどのきめ細かい対応を可能とすることができる。
【0019】
第五発明によれば、告知内容記憶手段、告知手段及び応答手段が、電話交換を行う交換機と通信可能に接続され、着信不能な状態の着信側携帯電話端末への伝言を録音可能な録音装置を有する留守番電話センタに備えられているので、該携帯電話端末が電波圏外にある場合や該携帯電話端末の電源が入っていない場合にも、留守番電話センタにより前記応対・応答案内が可能となる。
【0020】
第六発明によれば、告知条件に合った発信側の相手に、着信不能な理由を説明する文言及び発信者の今後の対応を説明する文言として、着信側携帯電話端末又は発信側携帯電話端末の所持者が希望する文言を設定可能であるので、着信側又は発信側の都合に合わせた着信不能な理由又は応答内容の設定が可能となり、着信側と発信側双方の意志で十分な意思の疎通を図ることができる。
【0021】
第七発明によれば、暗証番号が入力された場合に、発信側携帯電話端末に対して、記憶手段に記憶されている着信不能な理由を説明する文書及び着信不能な時間帯を告知するための処理並びに応答プログラムの起動を促す文言及び応答プログラムを起動可能に告知内容に追加した状態で告知するための処理を行うので、無差別に告知を行うのではなく、例
えばプライバシーに関する理由や時間帯等については告知を行わないようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
1.着信不能案内システムの構成
まず本発明に係る着信不能時応対応答案内システム1の構成について説明する。ここで図1は着信不能時応対応答案内システム1の一例を表す機能ブロック図である。以下においては、着信側携帯電話端末が携帯電話端末(以下着信側携帯電話端末10」という)であり、発信側携帯電話端末が携帯電話端末(以下「発信側携帯電話端末20」という)である場合、すなわち携帯電話システムに適用された場合の説明を行う。
【0023】
着信不能時応対応答案内システム1は、図1に示すように、無線基地局2と、交換機4、録音装置5、及びコンピュータ6を備える留守番電話センタ3と、着信側携帯電話端末10と、発信側携帯電話端末20とを含んでいる。
また着信不能時応対応答案内システム1は、告知内容記憶手段及び告知手段並びに応答プログラム添付手段及び応答プログラム応対手段を含むものであり、着信不能時応対応答案内システム1の第1実施形態においては、前記各手段は着信側携帯電話端末10に備えられており、第2実施形態においては、前記各手段はコンピュータ6に備えられている。
他方、着信不能時応対応答システムの第1及び第2実施形態において応答内容記憶手段及び応答手段は発信側携帯電話端末に備えられている。
着信側及び発信側携帯電話端末は、応答プログラムを動作可能であり、応答内容並びに応答内容に応対する対応方法を直接入力、登録可能である機能を備えている。
【0024】
ここで告知内容記憶手段は、着信側携帯電話端末10おいて入力された着信不能な理由及び時間帯並びに応答プログラムの起動を促す文言及び応答プログラムに応対するために選択又は直接入力された対応方法を記憶するものである。この記憶手段は、第1実施形態では着信側携帯電話端末10に備えられる後述するEEPROMであり、また第2実施形態ではコンピュータ6に備えられる後述するハードディスクである。
【0025】
告知手段は、発信側携帯電話端末20から着信側携帯電話端末10宛に電話を掛けた時刻が、着信不能な時間帯内である場合に、発信側携帯電話端末20に対して、告知内容記憶手段に記憶されている着信不能な理由及び時間帯を告知するための処理を行うとともに、応答プログラムの起動を促す文言及び応答プログラムを告知内容に追加して告知する処理を行うものである。
この告知手段は第1実施形態では着信側携帯電話端末10に備えられる後述するCPUであり、また第2実施形態ではコンピュータ6に備えられる後述するCPUである。告知手段はCPUによる制御に基づいて、例えば、自動音声にて告知を行う自動音声合成手段や、文字情報にて告知を行う電子メール送信手段が作動することにより、着信不能な理由及び時間帯並びに前記応答プログラムの起動を促す文言及び応答プログラムを含む告知内容の告知が行われる。
【0026】
なお、着信不能な時間帯の簡易入力する変形例に係る演算手段として、着信側携帯電話端末10により入力された着信不能な時間に基づいて着信可能となる時刻を演算するようにしてもよい。
この演算手段は、着信側携帯電話端末10に備えられる後述するCPUである。
【0027】
応答プログラムは着信側携帯電話端末において、起動して発信側が今後取る行動を説明する内容(以下、「応答内容」と記載することもある。)に応対する対処方法を直接入力し登録可能とするとともに、応答プログラム添付手段により告知手段により告知される内容に起動可能に組み込まれ、発信側携帯電話端末において、発信側が今後取る行動を着信
不能状態にある着信側に説明するための簡易支援プログラムであって、着信側と発信側の両者の意志であたかも実際に応答しているかのような疑似的なコミュニケーション状況を作り上げ、プライバシーを守りつつ、着信側と発信側との間の互いの意志の疎通を円満かつ望む程度に実現するための簡易支援プログラムである。
【0028】
前記応答プログラムは、後述する図5のD213に示すように、応答内容を選択可能又は直接入力し登録可能とする動作をするもので、原則、緊急度順に配列し、メニューとして表示するものである。又は図示しないが、応答内容と緊急度レベルとを関連付けて入力可能とし、メニュー化することを可能とするものである。
応答プログラムは、起動することでメニューとして表示された応答内容を選択するか又は選択記号を入力することにより又は発信側が着信側へ応答する内容を直接入力することを受け付け可能とするものであり、また、選択又は直接入力された選択記号あるいは直接入力された応答内容を応答内容記憶手段に記憶できるようにするとともに、該記憶手段に記憶されている内容を着信側へ応答するための処理を行うものである。
応答プログラムは、更に、着信側及び発信側で応答内容と緊急度レベルを関連付けて応答情報として記憶する又は登録し、応答情報の表示メニューとして設定でき、応答プログラムを起動することで登録した応答内容を表示メニューとして表示できるようにするものである。
【0029】
具体的には、応答プログラムを利用して着信側携帯電話端末に対し、発信側の今後取る行動を説明する内容、例えば、「すぐに連絡して欲しい」、「会議終了後すぐ連絡を」、「後で連絡します」などを設定すること、及び緊急度レベル、例えば、緊急度レベルをメニュー表示の項番順に緊急度が高いものから低いものとなるように設定、表示すること、又はAランク、Bランク、Cランク・・・、あるいは最優先、優先、通常・・・などのランク付け情報により緊急度レベルを設定することができる。
そして、少なくとも応答内容とその緊急度レベルを関連付けて設定した内容を含むものを応答情報とし、なお、具体的な応答情報の情報形式については、緊急度レベルとの関連づけが可能であれば、特に限定されるものではなく、「すぐに連絡が欲しい」−Aあるいは最優先という一連の情報を含む応答情報を応答内容記憶手段に記憶するか、又は登録してメニュー化することができる。
【0030】
応答内容記憶手段は、発信側携帯電話端末20において入力された応答内容及び緊急度レベルを関連付けて、既に表示されている選択内容の選択記号又は入力された選択記号あるいは直接入力された応答内容を記憶するものである。
この記憶手段は、第1実施形態では着信側携帯電話端末10に備えられる後述するEEPROMであり、また第2実施形態ではコンピュータ6に備えられるハードディスクである。
【0031】
応答プログラム添付手段は、着信側携帯電話端末10により入力された着信不能な理由及び時間帯を告知する際、告知条件に従い、発信側に対し個別に、又は一括して自動的に応答プログラムを添付するかしないかを選択し、設定処理をするためのものである。また、告知内容記憶手段に記憶された告知内容に、応答プログラムの起動を促す文言を追記し表示する処理をするとともに、応答プログラムを起動可能に告知手段に組み込み、添付する処理をするものである。
着信側携帯電話端末の保持者が、あらかじめ着信不能時に応対応答する対象者、例えば、携帯電話端末の電話帳に正規に登録された者、暗証番号入力者限定、一時登録者限定又は正規登録ではないが名前と携帯電話番号のみ簡易登録した者などの告知条件を付与し、電話帳登録又は一時登録された情報に基づき、発信側に対し個別に又はグループ化して、又は一括して、応答プログラムを添付するかしないかを選択することを可能とする告知条件を設定するものである。
【0032】
応答プログラム添付手段は、全く知らない者、携帯電話端末に登録されていない者であって、連絡用パスワードを知らない者に対して、着信不能な理由及び時間帯並びに応答プログラムの添付を行わないように自動的に判断し、「電話に出られません」とのみ対応することで、着信側の着信不能な理由が何の制限もなく知られることを防止することができる。
また、携帯電話端末が備えている公知の機能により不特定多数の者からの着信に対して応答を行わない設定をした場合は、着信不能時応対応答案内システムでの告知条件の場合と異なり、例えば、電話番号非通知に対して何の応対もしないこともできる。もちろん、ここに挙げたのは1つの例示でありこれに限るものではない。
【0033】
応答プラグラム添付手段は着信側の所持者が上記以外の告知条件で設定した者(発信側)について、適宜、告知する先を選択又は直接入力することにより応対する発信側を選択又は登録可能とするものであり、告知する先に設定した者(発信側)に対して、告知内容記憶手段に記憶された着信不能な理由及び時間帯の告知内容に、応答プログラムの起動を促す文言を挿入追記し、表示可能とするとともに、応答プログラムを起動可能に挿入、表示、添付する処理を行うものである。
このような個別又はグループへの応答プログラムを添付するかしないかの設定内容は、EEPROMに記憶され、また、応答プログラム添付手段として機能するのは携帯電話端末のCPUである。
【0034】
応答プログラム応対手段は、発信側が着信側携帯電話端末から告知内容とともに送られた応答プログラムを起動して、応答プログラムを利用して応対を求めてきた場合に、発信側が選択した又は直接入力した応答内容及び緊急度レベルを含む応答情報を判断し、着信側で設定した応答情報に対応する対応方法を実行するための処理を行うものである。
また、前記応答プログラム応対手段では着信側又は発信側が、応答プログラムを利用して発信側の応答内容に対応するための対応方法を設定可能であり、設定した内容を告知内容記憶手段に記憶して保持するものである。
【0035】
対応方法の例としては、発信側から至急連絡を求めるような応答内容のときに、着信側携帯電話端末の所持者が緊急対応するため例えば、代理者に任せる場合であれば、設定する代理者は、個人的な事柄であれば、着信側の家族、近親者など、仕事上の事柄であれば、直属の上司、部下又は同僚などを具体的に指定し、代理者へ応答内容を伝達するとともに、発信者へとの旨応対することが考えられるが、これに限るものではない。
対応方法としては、「発信者への代理者連絡先の通知」、「直接代理者へ転送」、又は直接着信不能な状況にある者(着信側)へ、緊急連絡が入った場合、音、光、振動などで連絡できる「強制報知」処理すること、「会議後連絡」の場合であれば、着信不能な時間帯から外れた時点で、応答プログラムを利用した「応答内容の再報知」することなどの対応方法で応対するものであるが、これに限るものではない。
【0036】
さらに、詳細な応対例について説明すると、応答プログラムを利用して着信側携帯電話端末に応答情報が着信すると、まず、どの告知内容の応答プログラムに基づく応答情報かチェックする。次いで、応答情報の緊急度レベル毎に、例えば、「すぐに連絡が欲しい」−Aという情報を受け付けると、応答プログラム応対手段が、緊急度レベルをチェックし、その緊急度レベルにある設定した応答内容を照会する。その照会して得た応答内容に対し関連付けて設定した対応方法、例えば、「すぐ連絡が欲しい」という応答情報に対し、前もって部下に電話があったら会議中でも声を掛けるように依頼し、「部下に情報を
転送する」を関連づけて設定をしておくことにより、応答情報は設定した部下のところへ転送され、部下が直接応対し、かつ会議中でも直接声を掛けさせ、着信不能状態にあった本人が実際の応答を行うという応対が行える。対応方法はこれに限るものではない。
このような応答プログラムを利用した応答情報に対応する対応方法の設定内容はEEPROMに記憶され、また、応答プログラム応対手段として機能するのはCPUである。
【0037】
次に、発信側携帯電話端末に備えられている応答手段及び応答内容記憶手段に関する着信不能時応対応答案内システムの機能について説明する。
前記応答手段は、着信側携帯電話端末から発信側携帯電話端末に送られた応答プログラムを起動させ、着信側であらかじめ設定した応答内容を簡易入力表示画面に表示させ、表示された発信側が今後取る行動を説明する文言、すなわち応答内容の中から選択記号を選択するか、又は選択記号を入力することによって、あるいは、発信側で新たに直接入力した応答内容又は直接音声入力を選択した場合にあっては、自動的に入力モードとなって伝言内容を直接入力を行うことができるものである。
応答内容は、すでに応答プログラムについて説明したとおりその緊急度レベルを関連付けて設定されるが、緊急度レベルを設定しないこともできるものである。
また、応答手段は選択又は直接入力して設定した応答内容を応答内容記憶手段に記憶し、記憶された内容を応答情報として応答処理するものであり、更に、応答内容記憶手段に記憶された応答情報を応答内容の表示メニューとして登録処理することができる。
【0038】
前記応答内容記憶手段は、発信側携帯電話端末20において応答手段により選択又は直接入力された、応答内容及び緊急度レベルを含む応答情報を記憶するものである。この記憶手段は、第1実施形態では発信側携帯電話端末20に備えられるEEPROMであり、また第2実施形態ではコンピュータ6に備えられるハードディスクである。
【0039】
以下、各構成要素について説明を行う。図1に示すように、無線基地局2は、着信側携帯電話端末10や発信側携帯電話端末20と通信を行うものである。また交換機4は、留守番電話センタ3外の無線基地局2や加入者線電話網の中継交換機(図示せず)等と接続されるとともに、留守番電話センタ3内の録音装置5やコンピュータ6等と接続され、ダイヤル番号から回線を選んでつなぐものである。更に録音装置5は、着信不能な状態の着信側携帯電話端末10への伝言を録音可能なものである。これら無線基地局2、交換機4、及び録音装置5は、いずれも一般的なものである。
【0040】
コンピュータ6は、演算機能を備える中央演算処理装置(CPU)、メモリ機能を備えるRAM、所定のプログラムを記録しているROM、大容量記憶装置であるハードディスク等(いずれも図示せず)を有する一般的なものである。第2実施形態では、ハードディスクが記憶手段として機能し、CPUが告知手段、応答プログラム添付手段、応対手段及び応答手段として機能する。
【0041】
着信側携帯電話端末10は、前記CPU、RAM、ROM、及び不揮発性の半導体記憶素子であるEEPROM等(いずれも図示せず)を有する一般的なものである。第1実施形態ではEEPROMが記憶手段として機能し、CPUが告知手段、応答プログラム添付手段、応対手段として機能する。また変形例ではCPUが演算手段として機能する。
【0042】
着信側携帯電話端末10は、着信不能な理由を説明する文言及び時間帯の入力を受け付け可能なものであり、また、応答プログラムの起動を促す文言を告知内容に表示可能であるとともに、応答プログラムを告知内容に起動可能に表示し、組み込むことが可能なものである。
着信不能な理由及び時間帯については、後述する図3のD114又はD115に示すように、着信側携帯電話端末10に備えられる表示画面11に表示されるあらかじめ設定された複数種類の文言から選択されて入力され、又は同図のD115に示すように、着信側携帯電話端末10の所持者が希望する文言をキー(図示せず)操作することにより直接入力される。
【0043】
なお変形例に係る着信側携帯電話端末10では、前記着信不能な時間帯に代えて、着信不能な時間の入力を受け付け可能である。また、応答プログラムの起動を促す文言及び応答プログラムを起動可能に表示し、告知内容中に組み込んだ表示内容は、後述する図1のD211に示すように、着信側携帯電話端末10に備えられる表示画面11に表示される。
【0044】
また着信側携帯電話端末10は、着信不能な理由及び時間帯、並びに応答プログラムの起動を促す文言及び起動可能に表示された応答プログラム起動ボタンを表示するための応答プログラムを添付する対象者、すなわち告知内容を告知する発信側を特定するための告知条件を設定し、受け付け可能である(後述する図2のD111〜D113を参照)。
前記告知条件は、例えば、発信側携帯電話端末20の電話番号が着信側携帯電話端末10に登録されている場合、あらかじめ一時記憶させた場合、又は発信側携帯電話端末20からあらかじめ設定された所定の暗証番号が入力された場合等である。
なお告知条件はこれらの例には限定されず、例えば告知すべき電話番号を理由や時間帯毎に個別に登録可能としてもよく、また暗証番号を着信不能な理由及び時間帯毎に個別に変更可能としてもよいなど着信側携帯電話端末において告知条件を自由に設定可能になっている。
【0045】
更に、着信側携帯電話端末10は、応答プログラムを利用した発信側携帯電話端末からの発信側が今後取る行動を説明する内容に対応するための対応方法の入力を受け付け可能である(後述する図5、6のD122、D213〜D215を参照)。
【0046】
発信側携帯電話端末20も、着信側携帯電話端末10と同様の一般的なものであり、図1のD211(又はD211’)に示すように、着信不能な理由及び時間帯、並びに応答プログラムの起動を促す文言及び起動可能に表示された応答プログラム起動ボタンを文字情報等にて表示可能な表示画面21を備えている。
また、発信側携帯電話端末20は、発信側が今後取る行動を説明する内容の選択又は選択記号の直接入力あるいは応対内容の直接入力を受け付け可能である。
応答内容は、後述する図5、6のD212〜D215に示すように、前記した着信不能な理由及び時間帯の告知の場合と同じように、発信側携帯電話端末20に備えられたキー(図示せず)を操作することで、発信側携帯電話端末20の表示画面21に表示されるあらかじめ設定された複数種類の応答内容から選択又は選択記号を入力するか、又は図6のD216に示すように、発信側携帯電話端末20の所持者が希望する応答内容を直接入力することができる。
【0047】
2.着信不能時応対応答案内システムの作用
次に本発明に係る着信不能時応対応答案内システム1の作用(すなわち着信不能時応対応答案内方法)について説明する。ここで図2〜図6は着信側及び発信側携帯電話端末10、20の表示画面11、21に表示される表示内容の一例を表す図である。
以下においては、第1又は第2の両実施形態に係る着信不能時応対応答案内システム1について説明する。
【0048】
2−1.第1又は第2の両実施形態に係る着信不能時応対応答案内システム
第1又は第2の両実施形態に係る着信不能時応対応答案内システム1では、着信側携帯電話端末10の表示画面11に図2〜図6に示す画面が表示され、着信側携帯電話端末10で所定の操作(キーの操作による選択、テンキーの操作による入力、決定キーの操作による決定)が行われることにより、着信不能な理由の設定及び着信不能な時間帯の設定が行われる。
次いで、着信側携帯電話端末10では、応答プログラムの起動を促す文言を表示するか
しないか所定の選択操作が行われることにより、応答プログラムの起動を促す文言及び応答プログラムを起動可能に表示し、添付する設定が行われる。
【0049】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0050】
具体的には、表示画面11に待受画面(図示せず)が表示されている状態で、メニューボタン(図示せず)が操作され、着信不能時応対応答案内モードが選択されると、図2に示すD111でシステム設定又はシステム解除の選択を促す画面が表示される。
【0051】
D111の表示画面で、着信不能な状態が解消した場合又は着信不能状態を解除したい場合、「システム解除」を選択する操作を行うと、D112又は112’で現在の設定が表示される。「OK」を選択する操作を行うと、現在設定されている着信不能な理由及び時間帯並びに応答プログラムの起動を促す文言及び起動可能に表示された応答プログラム起動ボタンの設定が解除されてD111に戻る。
また「Cancel」を選択する操作を行うと、設定は解除されずにD111に戻る。このように、着信側携帯電話端末10の所持者が自ら操作を行うことにより、直ちに着信不能状態の設定の解除を行うことができる。
【0052】
一方、D111で「システム設定」を選択する操作が行われると、図2のD113で告知条件の設定を促す画面が表示される。このD113で告知条件として電話番号が住所録に登録されている者のみに告知する場合、「電話番号登録者」を選択する操作が行われると、発信側携帯電話端末20の電話番号が着信側携帯電話端末10の住所録に登録されている場合、発信側携帯電話端末20に対して着信不能な理由及び時間帯並びに応答プログラムの起動を促す文言及び起動可能に表示された応答プログラム起動ボタンを告知するための処理が行われるように設定され、図3のD114に進む。
告知条件の設定に際し、図示しないが、電話帳登録されているリストが表示され、全選択(一括)又は部分選択(グループ化)が可能となっている。例えば、家族、親戚、親族などのプライベートなグループ、仕事関係者のグループ、職場の友人グループなどのグループ識別情報を付加して告知条件の設定を簡単に又は組合せによる条件設定が行えるようにすることも可能である。また、着信不能な理由及び時間帯の告知内容を複数設定するとき、告知条件との組合せによりいろいろなパターンの応対応答を可能とする条件設定が可能となり、より利便性を向上することができる。
一方、発信側の電話番号が電話帳リストに登録されていない場合、告知は行われず、発信側携帯電話端末20に対して、単に「電話に出られません。」というメッセージが自動音声にて流されるとともに、該メッセージが表示画面21に表示される。なお電話番号が登録されていない場合、「電話に出られません。」というメッセージが表示されず、次に説明する「暗証番号入力者」に設定されている場合と同様の処理が行われるように構成することも可能である。
【0053】
図2のD113で告知条件として前もって知らせた暗証番号を知っている者に告知する場合、「暗証番号入力者」を選択する操作を行い、発信側携帯電話端末20からあらかじめ設定された所定の暗証番号が入力された場合に、発信側携帯電話端末20に対して着信不能な時間及び時間帯並びに応答プログラムの起動を促す文言及び起動可能に表示された応答プログラム起動ボタンを告知内容に組み込むための処理を行うように設定され、図3のD114に進む。
告知条件として「暗証番号入力者」の場合が設定されていると、発信側携帯電話端末20に対して、「暗証番号を入力してください。」というメッセージが自動音声にて流されるとともに、該メッセージが表示画面21に表示される。
発信側携帯電話端末20から所定の暗証番号が入力された場合には、発信側携帯電話端末20に対して、着信不能な理由及び時間帯並びに応答プログラムの起動を促すメッセー
ジが自動音声にて告知されるとともに、該メッセージ及び応答プログラム起動ボタンが図1のD211に示すように表示画面21に表示されて文字情報にて告知される。
しかし、暗証番号が入力されない場合や入力された暗証番号が間違っている場合には、告知は行わず、単に「電話に出られません。」というメッセージが自動音声にて流されるとともに、該メッセージが表示画面21に表示される。
【0054】
一時的に記憶させた、特定の電話番号の者に告知する場合、「一時電話番号登録者」の該当者へ直接特定の対応方法を設定し、きめ細かい対応を可能にするように設定できるようにしてもよい。この場合、着信時応対応答案内システムを設定すると、その特定電話番号以外の電話は一切受け付けない排他的状態で着信不能状態を持続するようにすることもできる。また、特定の範囲の者のみに対し、排他的状態で着信不能状態を持続することも、仕事上の相手に対して排他的ではあるが、家族等の近親者からの連絡には着信する混在型の設定を可能とすることもできる。
【0055】
告知条件として「一時電話番号登録者」の場合が設定されていると、発信側携帯電話端末20の電話番号が着信側携帯電話端末10に一時登録されている電話番号のみを確認し、一致した場合には、発信側携帯電話端末に対して、着信不能な理由及び時間帯並びに応答プログラムの起動を促すメッセージが自動音声にて流され、告知されるとともに、該メッセージ及び応答プログラム起動ボタンが、図1のD211に示す表示画面21に表示されて文字情報にて告知される。
「一時電話番号登録者」の場合、一時電話登録の電話番号から電話をかけた場合にのみ、すなわち、特定の者にのみ優先応対可能とし、外の電話番号からの電話に対しては一切の応対応答をしない状態にすることができる。こうすることで、特定の商談、特定の連絡のみを排他的に待ち受け可能となり、着信側携帯電話端末10の使用者の優先的応対の希望を実現することができる。
【0056】
告知画面において、「設定しない」を選択する操作が行われると、告知条件は設定されず、不特定の者に対して告知することとなり、D114に進み、この時点では、自動的に「電話に出られません。」などの単純な着信不能な理由を告知するものとなる。
そして、D114の着信不能な理由の設定画面で、表示されたメニューから告知内容を選択した場合、選択記号の内容で不特定の者に回答する内容として不適当な内容である場合は、告知内容も修正した内容、例えば、「会議中」、「旅行中」などと設定したとしても、自動的に設定される「電話に出られません」との告知が行われる。
このように告知については、無条件で行うのではなく、例えば、プライバシーに関連する理由又は時間帯等については告知を行わないこともできる。
【0057】
告知条件が設定され、D113で「OK」(図示せず)を選択すると、更にサブメニューが表示され、告知内容を設定する画面が表示され、告知内容が設定可能となる。
【0058】
具体的には、図3に移り、D114では、あらかじめ設定された複数種類の文言、例えば「電車乗車中」、「運転中」、「会議中」、「電波圏外中」、又は「旅行中」等を選択又は選択記号を入力する操作を行い、着信不能な理由が設定される例が示されている。この表示される告知内容は、プライベートと仕事上とを区別して前もって入力しておき、告知条件が家族、親族等の場合、自動的にプライベートな告知内容が表示され、仕事関係の告知条件の場合、仕事上の告知内容が表示されるようにすることもできる。
【0059】
D114画面で、「マイメニュー設定」を選択すると、D115画面のマイメニュー設定画面が表示され、着信不能な理由を選択又は直接入力する操作が可能となり、着信不能な理由を設定することができる。その後、「OK」を選択する操作が行われると、着信不能な理由が登録され、D117に進む。
「Cancel」を選択する操作が行われると、入力された着信不能な理由はマイメニューに登録されず、該着信不能な理由の設定が行われてD117に進む。
また、D115画面で「マイメニュー削除」を選択する操作が行われると、マイメニューに登録されている着信不能な理由の削除を行うことができる。なお、あらかじめ設定される着信不能な理由は、前記の例には限定されない。
【0060】
D114で「非通話時間帯設定」を選択する操作が行われると、D116で着信不能な時間帯として、着信側携帯電話端末10の所持者が希望する毎日一定の時間帯(以下「非通話時間帯」という)を設定可能な画面が表示され、非通話時間帯(ここでは夜間のプライベートタイムである21:30〜翌朝8:00)の入力、設定が可能である。非通話時間帯を設定後は、D114に戻り、「Cancel」を選択すると、入力された非通話時間帯は設定されずにD114に戻る。
携帯電話端末の所有権の所在に合わせて、「非通話時間帯」の設定すること又は該設定の解除を制限することで、仕事上の利用とプライベートな利用とを効率的に分けることができる。
【0061】
図3に移り、前記D114〜D115のいずれかの状態より進んだD117では、着信不能な時間帯の入力が可能となる。具体的には、現在の時刻が着信不能な時間帯の開始時刻及び終了時刻の項に表示され、カーソルが終了時刻のときの欄に移動、表示される。これにより各欄に移動して入力の受け付けが可能となり、着信不能な時間帯の設定が行われ、D119に進み、簡単な操作で、着信不能な時間帯の設定を行うことができる。
なお開始時刻及び終了時刻の項に表示される時刻は、現在の時刻には限定されない。また、カーソルが表示される位置は、終了時刻のときの欄には限定されない。
また、着信不能な時間帯を入力する仕方も、着信不能な時間を60分、2時間など入力することで時間帯の設定を行うようにしてもよい。
【0062】
D119画面では、現在の設定、すなわち前記D114〜D115のいずれかで設定が行われた着信不能な理由(「電車乗車中」)、及びD117で入力された着信不能な時間帯が表示されるとともに、設定の可否の選択を促す画面が表示される。D117で「OK」を選択操作すると、図4のD118の応答プログラムを添付の有無を確認する画面が表示され、「OK」を選択操作すると、D119の応答プログラムの起動を促すメッセージと起動ボタンが表示される。応答プログラムを添付することを選択し、確定する操作の後、設定された着信不能な理由及び時間帯が着信側携帯電話端末10のRAMに一時的に記憶されてD120の別の着信不能な場合を設定するための告知画面に進む。
【0063】
D113の告知条件が設定されている場合で応答プログラムを添付するとした場合又は告知条件が設定されていない場合で応答プログラムを添付するとした場合は、応答プログラムの起動を促す文言が表示され、かつ起動可能に表示された応答プログラム起動ボタンが表示される。
告知条件が設定されていない場合で応答プログラムを添付するとした場合又は告知条件が設定されている場合で応答プログラムを添付しないとした場合は、着信不能な理由が表示されるのみとすることもできる。
D119で「Cancel」を選択する操作が行われると、設定された着信不能な理由及び時間帯は記憶されずにD111に戻る。
【0064】
図4のD120では、別の着信不能な理由や時間帯を設定するか否かの選択を促す画面が表示される。
「理由設定」を選択するとD113に戻り、告知条件の有無、別の着信不能な理由及び時間帯の設定及び告知条件に対応した応答プログラムの添付が受け付けられる。
「時間帯設定」を選択する操作が行われるとD117に戻り、先に設定された着信不能
な理由で別の時間帯の設定が受け付けられる。
従って、着信側の都合に合わせた複数種類の着信不能な理由及び時間帯の設定が可能であり、かつ応答プログラムの添付の有無が可能となる。なお、D120で「設定しない」を選択する操作が行われると、表示画面11に待受画面が表示され、以下に説明する記憶及び告知のステップ(図示せず)に進む。
【0065】
着信不能時応対応答案内システム1の第1実施形態では、D120で別の理由を「設定しない」を選択する操作が行われると、着信側携帯電話端末10のRAMに一時的に記憶されている着信不能な理由及び時間帯が、着信側携帯電話端末10のEEPROMに記憶される。
【0066】
発信側携帯電話端末20から着信側携帯電話端末10宛に電話が掛かると、該電話が掛った時刻(例えば10:30)が着信不能な時間帯内であり、かつ前記告知条件が設定された場合又は設定されていない場合であって、応答プログラムを添付するとした場合、着信側携帯電話端末10から発信側携帯電話端末20に対して、EEPROMに記憶されている着信不能な理由及び時間帯並びに応答プログラムの起動を促す文言及び起動可能に表示された応答プログラム起動ボタンの告知内容が通信され、告知される。
前記告知内容を受信した発信側携帯電話端末20においては、着信側携帯電話端末10により入力された告知条件に基づいて、告知内容が図1のD211に示す表示画面21に、着信不能な理由及び時間帯並びに応答プログラムの起動を促す文言及び起動可能に表示された応答プログラム起動ボタンの告知内容が表示される。必要な場合、告知内容を自動音声により合わせ、告知されるようにしてもよい。
【0067】
着信不能時応対応答案内システム1の第2実施形態では、図4のD120画面で別の理由を「設定しない」を選択する操作が行われると、着信側携帯電話端末10から無線基地局2を経由して留守番電話センタ3に対して、着信側携帯電話端末10のRAMに一時的に記憶されている、設定した着信不能な理由及び時間帯並びに応答プログラムの起動を促す文言及び起動可能に表示された応答プログラム起動ボタンの告知内容が通信され、設定した告知内容がコンピュータ6のハードディスクに記憶される。
【0068】
ここで発信側携帯電話端末20から着信側携帯電話端末10宛に電話が掛かると、該電話がかかった時刻(例えば10:30)が着信不能な時間帯内であり、かつ前記告知条件が設定された場合又は設定されていない場合であって、応答プログラムを添付するとした場合に、留守番電話センタ3から無線基地局2を経由して発信側携帯電話端末20に対して、コンピュータ6のハードディスクに記憶されている着信不能な理由及び時間帯並びに応答プログラムの起動を促す文言及び起動可能に表示された応答プログラム起動ボタンの告知内容が通信されて告知される。
該告知内容を受信した発信側携帯電話端末20においては、告知内容が自動音声にて告知されるとともに、告知内容が図1のD211に示すように表示画面21に表示される。なお自動音声にて告知することは、必ず併用される告知手段ではなく、この例に限定されるものではない。
【0069】
次に、着信側携帯電話端末10からの着信不能な理由及び時間帯、並びに応答プログラムの起動を促す文言及び起動可能に表示された応答プログラム起動ボタンが告知内容として告知され、その告知内容を受信した発信側携帯電話端末20において、本発明の特徴とする応答プログラムを起動して応答する場合についての具体的な作用を以下に説明する。
ここで図1及び5のD211〜D214は発信側携帯電話端末の表示画面21に表示される表示内容の一例を示す図である。
着信不能時応対応答案内システム1の第1又は第2の両実施形態における発信側携帯電話端末では同じ動作を行うので、両実施形態について同じ説明となるので、重複する説明
を省略する。
【0070】
発信側携帯電話端末20からの連絡に対し、着信不能状態である着信側携帯電話端末10では、着信側告知条件に合致した発信側携帯電話端末であることが判断され、自動的に図211のとおりの告知内容のメッセージが発信側携帯電話端末に文字情報にて表示画面21が表示されるとともに、該メッセージが自動音声にて告知される。
発信側携帯電話端末20において、D212画面が表示され、応答プログラムを起動することを促すメッセージが表示され、又は音声メッセージが流れることから、発信側が更に着信側へ対応又は連絡を求めたい場合、その指示に従い応答プログラム起動ボタンをクリックすることによりさらなる、応答応対を行うことができる。
【0071】
このD212画面において、「応答プログラム起動」のボタンを操作すると、発信側が今後取る行動を説明する文言(応答内容)がメニューとしてD213画面に表示され、自分が今後取る行動を説明する応答内容を選択することで、着信不能状態にある着信側携帯電話端末10へ迅速に、そして簡単かつ確実に応答することが可能となる。
D213画面に表示される応答内容は、着信側で応答プログラムを起動し、D122画面の対応方法の確認画面において「YES」を選択すると表示され、「7.マイメニュー設定」を選択し、下記適当な応答内容を伝える表示がない場合の説明と同様の操作によりD214のサブメニュー画面でメインメニューの応答内容の表示項目を登録することで作成が可能であるとともに、応答内容の表示項目は発信側でも登録することができる(D213〜D216)。その他、使用頻度の応答内容を集め表示すること、着信不能時のケース毎に対応する応答内容の表示画面を準備しておき、着信不能時の設定に合った応答内容を自動的に表示できるようにするなど例示したものに限られるものではない。
【0072】
D213のメインメニューに適当な発信側の応答内容を伝える表示項目がない場合には、D213画面のメインメニュー表示項目の「7.マイメニュー設定」を選択することで、D214画面が表示し、自分で適当な応答内容を説明する文言を登録し、設定内容を応答内容とするか、自分で登録した文言をマイメニュー表示項目として登録し、文言を選択可能に表示し、該当する応答内容を選択することで応答内容とすることができる。
また、D213画面のメインメニュー表示項目の「対応方法入力」を選択することで、D215画面が表示され、あらかじめ用意された対応方法を選択することで対応方法を設定できる。適当な対応方法がない場合は、D215画面でマイメニューを選択し、D216画面を表示して直接対応方法を入力し、対応方法を設定し、登録することができる。
設定した応答内容又は対応方法は、マイメニューとして一時登録(RAM)又はマイメニュー項目として登録(EEPROM)することができる。更に、メインメニューの表示項目とすることもできる。
【0073】
前記応答内容に関して、着信側からの告知内容を表示するD211画面を見て、発信側では応答内容の選択又は登録を行うことのみ主に述べているが、本発明では、図示しないが以下に説明するとおり、発信側からの応答は、応答内容に緊急度レベルの情報を関連付けた応答情報を応答するものである。
応答内容に緊急度レベルを関連付けることで、着信不能時応対応答案内システムは、着信側及び発信側の意志でより一層の意思の疎通を実現できるシステムとなる。
【0074】
緊急度レベルの必要性は、例えば、応答内容に重み付けがない場合、発信側がすぐに連絡を取りたいと思い、「すぐに連絡してください」と応答しても、「後で連絡してください」と応答しても、携帯電話端末が自動的に判断するため、「応答」の有無という事実のみが判断されることとなる。状況が着信不能時であり、着信側は発信側からの応答内容を直ちに知ることができない状況にあるため、単に応答の有無だけの情報の場合、発信側の応答内容に込めた意志に対応した対応方法を自動的に選択し、的確に応対できないことと
なる。
【0075】
本発明では、発信側、着信側の意志を的確に反映できるように、応答内容と緊急度レベルをメニュー表示画面の表示順序として表示する方法、又は緊急度レベルを応答内容と直接関連付けて一体の情報とし入力することで、応答内容とその応答内容に緊急度レベルを関連付けたものを含む応答情報とし、直接作成した応答情報を応答内容記憶手段(例えば、RAM)に保持し、着信側へ応答とすることも、あるいは、応答情報を作成するマイメニューに又は応答内容を選択できるメインメニューに応答情報として選択可能にし、応答することもできる(図示せず)。
【0076】
発信側は、選択可能な又は直接入力して作成した応答情報を応答することで、発信側からの応答内容に対応した着信側からの対応方法を応対として引き出すことができる。なお、キー操作による選択又は新しい応答内容の登録については、着信不能な理由及び時間帯の入力方法と同様に行うことが可能である。入力方法については、一例であって、例示したものに限られるものではない。
【0077】
次いで、着信側携帯電話端末10が、前記発信側からの応答プログラムを利用した応答情報を受け取る場合について説明する。発信側から送られた「応答内容」が着信側から送った応答プログラムを利用した応答かどうかを応答情報に含まれる識別情報により判断する。
識別情報が一致した場合、着信側が告知する際に、着信側携帯電話端末10で対応方法を設定した際に記憶させた記憶手段から呼び出し、呼び出した対応方法の中から発信側携帯電話端末20からの応答プログラムを利用した応答に一致するあらかじめ登録した対応方法を自動的に実行処理するか、又は応答プログラムを利用した発信側作成の応答情報を判断し、緊急度レベルに合わせて設定した対応方法の中から該当する応答内容と緊急度レベルのもの又は緊急度レベルを基準に対応方法を自動選択し、選択された対応方法を応答プログラム応対手段により実行処理をすることができるものである。
【0078】
前記着信側から送った応答プログラムによる応答かどうかを識別する識別情報(着信側識別情報)の組み込むタイミングとしては、応答プログラムを、例えば、告知内容に添付して告知すると設定するときに、自動的に付与されるか、応答プログラム添付手段により応答プログラムを組み込むと選択し、設定するときに付与されるなどのタイミングで行うことができる。
【0079】
着信側識別情報の構造自体は、着信側が設定した個々の着信不能時の設定のどの着信不能時に添付した応答プログラムか識別でき、かつ応答してきた応答情報が着信側から発信側への告知時に添付したものであることが判断できる識別情報の構造を有するものならどのように設定しようとも制限されるものではない。例えば、着信側での設定は、着信側電話番号をキーとし、更に応答プログラムを識別する情報を付加した着信側識別情報とすることができる(図示せず)。
【0080】
発信側の情報についても、応答内容に対応する対応方法により応対するために発信側を識別するための情報、例えば、発信側電話番号キーを応答プログラムの起動時に発信側識別情報として組み込み(図示せず)、その組み込んだ発信側識別情報を利用して着信側で設定した告知条件と合致した発信側からの応答であることを判断し、対応する対応方法で発信側に応対することができる識別情報であれば特に限定されるものではない。
【0081】
前記着信側携帯電話端末が、発信側からの応答に対応するために取る前記対応方法は、D215画面に表示したようなメインメニュー表示項目などが考えられるが、これに限られるものではない。
基本的には、メインメニュー表示項目には標準的にあらかじめ用意された内容が表示される。また、D215の表示画面において、マイメニュー設定の機能を用いて、着信側で的確な対応方法を設定、登録できるものである。
【0082】
着信側の対応方法の設定、登録について説明する。
まず、着信側で、図示しない対応方法の設定・登録を起動するか、応答プログラムを起動してD122画面を表示し、「対応方法を設定しますか」と問い合わせてくるので、「YES」を選択し、D213の応答プログラム起動画面を表示し、適宜メニューを選択して対応方法を設定、登録する。
D122で「YES」で表示したD213画面において「マイメニュー設定」を選択し、起動させることで、マイメニュー設定・登録画面D214画面が表示され、当該画面において、応答内容と関連付けて対応方法を入力し、登録すること(D215表示画面)ができる。この登録により応答プログラムを利用して応答した応答情報に関連付けた内容の対応方法で対応できることとなる。他に、「対応方法入力」の項目を選択し、D214画面を表示し、この画面で対応方法の設定、登録を行うこともできる。
【0083】
前記対応方法と応答内容との関連付け設定が行われていることから、着信側携帯電話端末10が、発信側携帯電話端末20から応答プログラムを利用した応答内容であると判断した場合であって、例えば、D213の表示画面において、発信側から「1.すぐに連絡を」と応答してきた場合、着信側の所持者は着信不能な理由が「会議中」で社内にいるので、発信者の便宜を図ろうと考え、部下、同僚又は課内の者などの「代理者へ転送して応対」する対応方法を設定すると、部下、同僚又は課内の者などの代理者へ自動的に応答情報を転送し、代理者が直接発信側と連絡をとり、応対することができるものである。それでも十分な対応ができない場合であれば、応答情報を転送された代理者が会議中である本人へ直接連絡することを依頼しておく又は直接、携帯電話端末が備える緊急連絡機能により光及び振動を組み合わせて緊急に連絡を取るように求められていることを報知するという選択内容を実行するものである。
【0084】
「2.何とか連絡を取りたい」という応答内容の場合、上記緊急時と、ほぼ同様であるが、代理者に転送し、ある程度発信側への対応を依頼することで、着信不能時に発信側との意思の疎通を取る対処方法を実行する対応も採用でき、着信側の設定時の選択によって対応方法も変わり得る。また、発信側で新たに設定した応答内容と緊急度レベルを含む応答情報である場合、着信側の対応方法の設定と必ずしも一致しないこともあるが、近似した対応方法を自動的に選択し、応対し得るものである。
【0085】
対応方法は、告知条件によっても変わってくる。告知条件が、特定の暗証番号入力者又は一時電話番号登録者の場合には、用件を把握している場合であるので、代理者を立てずに、留守電機能のように直接本人が音声入力した対応方法を実行し、応対することも選択できる。また、発信側として複数の用件で応答を求めてくる場合には、代理者を立てることで応対応答が行える対応方法を設定することが好ましい。
応答プログラムを用いた応答内容でない場合については、識別情報がないことから、着信不能応対応答案内システムの対応方法が作動しないことは当然のことである。
この場合は、通常の着信不能時のシステムが動作して応対応答を行うこととなる。
【0086】
なお着信側携帯電話端末10において、留守番電話サービス機能の設定がされている場合には、発信側携帯電話端末20から入力される伝言を録音装置5で預かることができ、伝言メモ機能の設定がされている場合には、発信側携帯電話端末20から入力される伝言を着信側携帯電話端末10のEEPROMで録音することができる。
着信側携帯電話端末10においては、着信不能な時間帯の範囲内に発信側携帯電話端末20から電話がかけられた場合に、電話の着信履歴がEEPROMに記憶される。
【0087】
一時電話番号登録モードのときに発信側携帯電話端末20から電話連絡があった場合、電話の着信履歴は留守番電話サービスの中央コンピュータ側に記憶され、一時電話番号登録モードの解除とともに、中央コンピュータから自動的に着信側携帯電話端末10に履歴更新情報としてダウンロードされ、着信側携帯電話端末10の履歴を更新し確実に着信不能時の電話連絡とに対して応対可能とすることができる。
【0088】
第1及び第2の両実施形態においては、着信不能時間帯を過ぎた場合に、自動的にシステム解除が行われる。具体的には、第1実施形態においては、着信側携帯電話端末10のEEPROMに記憶されている着信不能な理由、着信不能な時間、応答プログラムの起動関係の情報、告知条件等が消去され、また第2実施形態においては、コンピュータ6のハードディスクに記憶されている同様の情報が消去される。ただしD116で設定された非通話時間帯は自動的には解除されない。
【0089】
本発明は、着信側携帯電話端末10及び発信側携帯電話端末20が簡易型携帯電話(いわゆるPHS)である場合にも適用可能である。
【0090】
前記実施形態では、着信側携帯電話端末10で所定の操作(例えば十字キーの操作による選択、テンキーの操作による入力、決定キーの操作による決定等)が行われることにより、着信不能理由及び着信不能時間帯の入力が受け付けられる例について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、例えば入力が音声により受け付けられて音声識別ソフトにより文字に変換される、キーの特定動作、定型文割り付けなどの入力支援システムを組み込むことより告知内容等の入力を簡易化するように構成することも可能である。
【0091】
前記の第2実施形態では、記憶手段及び告知手段等が留守番電話センタに備えられた例について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば前記各手段が電話会社やその他の第三者機関に備えられるように構成することも可能である。
【0092】
前記実施形態では、D113で告知条件の設定が促され、D120で複数種類の着信不能理由や着信不能時間帯の設定が促される例について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、より簡単な操作を実現するために、着信側携帯電話端末10に設けたマスタメニュー画面において設定が別個に行われ、通常の操作においては設定を促す画面が表示されないように構成することも可能である。
【0093】
着信不能な時間帯を直接入力する前記第1又は第2の両実施形態と、着信不能時間を入力して着信可能時刻を演算する前記変形例とが、着信側携帯電話端末10に設けたマスタメニュー画面において所定の操作を行うことにより切り換えられるように構成することも可能である。
【0094】
なお前記実施形態において、着信不能な理由や時間帯を設定せずに、単に着信不能である旨を設定することも可能であり、このような設定が行われた場合には、着信不能な理由や時間帯が特定されずに、例えば「所用により電話に出られません。」という案内が行われる。
【0095】
以上のように、本発明に係る着信不能時応対応答案内システムは、携帯電話システムにおいて、着信側携帯電話端末において様々な事情で着信不能である場合に、発信側電話携帯電話端末に対する着信不能な案内及びそれに対する発信側電話携帯端末の応答及び着信側携帯電話端末の応対とあたかもコミュニケーションを取ることができた状態を作り上げることができるため、携帯電話システムの利便性を飛躍的に向上させるためのシステムとして利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】図1は、着信不能時応対応答案内システムの一例を表す機能ブロック図である。
【図2】図2は、着信側携帯電話端末の表示画面に表示される表示内容の一例を表す図である。
【図3】図3は、図2に続く図である。
【図4】図4は、図3に続く図である。
【図5】図5は、図4に続く図である。
【図6】図6は、図5に続く図である。
【符号の説明】
【0097】
1 着信不能時応対応答案内システム
2 無線基地局
3 留守番電話センタ
4 交換機
5 録音装置
6 コンピュータ
10 着信側携帯電話端末
11 表示画面
20 発信側携帯電話端末
21 表示画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された着信不能な理由及び時間帯並びに応答プログラムの起動を促す文言(告知内容)を記憶する告知内容記憶手段と、
発信側携帯電話端末に対して、着信不能な理由及び時間帯並びに応答プログラムを組み込み告知する場合に、応答プログラムの起動を促す文言及び応答プログラムを添付した状態で告知するための処理を行う告知手段と、
応答プログラムを添付する発信側を特定する告知条件に従って、告知内容に応答プログラムを起動可能に組み込み処理を行う応答プログラム添付手段と、
応答プログラムを利用した発信側の応答情報を判断し、設定した対応方法を実行するための処理を行う応答プログラム応対手段
を含む着信側携帯電話端末であって、
着信不能な理由及び時間帯並びに応答プログラムの起動を促す表示を含む告知内容を入力又は表示可能であり、応答プログラムを告知内容に起動可能に表示可能である着信側携帯電話端末と、
応答プログラムを利用して選択又は直接入力した発信側が今後取る行動を説明する文言(応答内容)を含む応答情報を記憶する応答内容記憶手段と
応答プログラムを利用して記憶させた応答内容を含む応答情報を応答するための処理を行う応答手段
を含む発信側携帯電話端末と、
を少なくとも含む着信不能時応対応答案内システムであって、
着信側携帯電話端末は、告知条件を設定可能であり、告知するに当たり告知するか判断し、告知し、応答プログラムを利用した応答内容を含む応答情報及びその応答情報に応じた対応方法を設定及び表示可能であり、その設定内容を受け付け保持し、また、発信側の応答プログラムを利用した応答情報を判断し、設定した対応方法で応対すること、
発信側携帯電話端末は、着信側携帯電話端末からの告知内容及び組み込まれた応答プログラムを起動可能に表示可能であり、応答プログラムを起動し、応答内容を設定及び表示可能であり、その設定内容を受け付け保持し、また、応答プログラムを起動して応答内容を含む応答情報を着信側携帯電話端末へ応答すること
を特徴とする着信不能時応対応答案内システム。
【請求項2】
請求項1に記載した着信不能時応対応答案内システムであって、
前記応答プログラム添付手段は、登録された情報に基づく告知条件に基づいて、発信側に対し、個別に又は一括して自動的に応答プログラムを添付するかしないかを選択し、設定可能とするものであって、告知内容記憶手段に記憶された告知内容に応答プログラムの起動を促す文言を追記して表示する処理をするとともに、応答プログラムを起動可能に告知手段に組み込み、添付するものであること、及び
前記応答プログラム応対手段は、発信側から応答プログラムを利用して応対を求めてきた場合のため、応答内容を選択又は直接入力し、かつ緊急度レベルを関連付けて設定するための入力が可能であるとともに、選択された応答内容及び緊急度レベルを含む応答情報に対応した対応方法を設定するための入力を受け付け可能であり、また、応答情報がどの告知内容に対応するものか判断し着信不能時でも設定した対応方法で発信側へ応対又は対応方法を実行すること
を特徴とする着信不能時応対応答案内システム。
【請求項3】
請求項1に記載した着信不能時応対応答案内システムであって、
前記応答手段は、告知内容とともに送られた起動可能に添付された応答プログラムを起動することで、着信側で設定した応答内容及び緊急度レベルを含む応答情報を選択入力可能であるか、又は発信側で独自に応答内容を直接入力可能であるとともに、応答内容に応じた緊急度レベルを設定可能であり、応答情報を応答内容記憶手段に記憶するとともに、
応答するための処理をすることを特徴とする着信不能時応対応答案内システム。
【請求項4】
請求項3に記載した着信不能時応対応答案内システムであって、
前記応答プログラム応対手段は、発信側の応答プログラムを利用した応答に対し、その応答内容が緊急の場合には、着信不能時の対応方法を設定した者の代理者を指定する手段又は送られてきた応答情報を転送する手段を対応方法として設定、実行することを特徴とする着信不能時応対応答案内システム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つに記載した着信不能時応対応答案内システムであって、
発信側携帯電話端末からの着信不能な着信側携帯電話端末への着信に対し、告知内容及び対応方法で告知・応対するため着信側携帯電話端末が備える前記告知内容記憶手段、前記告知手段、前記応答プログラム添付手段及び前記応答プログラム応対手段を電話交換センタに備えることを可能にするとともに、着信側携帯電話端末の前記告知手段が電話交換を行う交換機と通信可能に接続され、告知内容を保持又は録音再生装置へ録音再生可能に保持することを特徴とする着信不能時応対応答案内システム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つに記載した着信不能時応対応答案内システムであって、
着信不能な理由が着信側携帯電話端末の表示画面に表示されるあらかじめ設定された複数種類の文言から選択するか、又は直接入力することで所持者が希望する文言を入力設定可能であること及び発信側の今後取る行動を説明する文言(応答内容)が、着信側携帯電話端末から送られた応答プログラムを起動して発信側携帯電話端末の表示画面に表示されるあらかじめ設定された複数種類の文言から選択するか又は所持者が希望する文言を直接入力し、設定可能であることを特徴とする着信不能時応対応答案内システム。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1つに記載した着信不能時応対応答案内システムであって、
前記告知手段は、発信側携帯電話端末から着信側携帯電話端末宛に電話をかけた時刻が記憶されている着信不能な時間帯内である場合、該発信側携帯電話端末に対して、あらかじめ設定された所定の暗証番号の入力を要求するための処理を行い、該発信側携帯電話端末から、所定の暗証番号が入力された場合、該発信側携帯電話端末に対して、記憶されている着信不能な理由を説明する文言及び時間帯を告知するための処理を行うとともに、応答プログラムの起動を促す文言及び応答プログラムを起動可能に告知内容に追加した状態で告知するための処理を行うことを特徴とする着信不能応対応答案内システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−130379(P2010−130379A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−303317(P2008−303317)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(501052214)
【Fターム(参考)】