説明

着信対応システム

【課題】情報処理装置の操作を中断することなく、携帯端末の着信、メール通知にタイムリーに応対すること、及び携帯端末への入力を情報処理装置から効率よく行う。
【解決手段】メールを受信可能な携帯端末と、この携帯端末と通信可能な情報処理装置を有する着信対応システムであって、前記携帯端末へのメールの着信があった場合、前記携帯端末はメール着信を知らせるためのデータを前記情報処理装置に送信し、前記情報処理装置は前記データを受信すると、メール着信を示す出力を行い、またそのメールに対する返信を生成するための入力を受け付け、この入力に基づいて生成された返信メールデータを前記携帯端末に送信し、前記携帯端末は、前記返信メールデータに基づくメールを送信することを特徴とする着信対応システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着信対応システムに関し、より詳しくは携帯端末を情報処理装置により遠隔操作する着信対応システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の通信技術及び通信インフラの普及発展によって、携帯電話機やPDA(Personal Data Assistant)などの移動体通信網を利用可能な携帯端末が広く利用されるようになってきた。このような携帯端末は、電話による通信以外の利用用途が拡大しており、データ通信、とりわけEメール送受信などを行うことが多くなった。また、PC(Personal Computer)など情報処理装置の普及も顕著で、携帯端末と情報処理装置を共に使用する人も多い。このようなユーザのために、携帯端末と情報処理装置を有線で接続し、携帯端末に保存されているEmailのデータを情報処理装置から参照したり、返信メールを作成するソフトウェアが存在する(例えば、非特許文献1)。
【0003】
また、情報処理装置と携帯端末とを組み合わせて使用する別の技術として、情報処理装置を携帯端末で遠隔操作する従来技術が存在する(例えば、特許文献1)。この従来技術は、情報処理装置のリモコンとして携帯端末を利用し、情報処理装置及びこれに接続された外部の電子機器(例えば、TV、VTR、AV,エアコンなど)を遠隔操作することを目的とするものである。
【非特許文献1】(URL: http://www.webmailer.jp/参照、2007年3月24日検索)
【特許文献1】特開2002−101476号公開公報(段落[0045]〜[0049]、図8参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術は、下記の問題があった。
【0005】
すなわち、携帯端末は、一般のPC(Personal Computer)のような情報処理装置に比べて、入力デバイスの制限(キー数が少ないこと、など)から文章の入力には不向きで入力の効率が悪いという欠点がある。また、携帯電話機の通話着信に対応する手段がなく、またさらに携帯端末にEメールが着信した旨、情報処理装置から確認する手段がなく、タイムリーに返信・転送操作も行えない、などの問題点がある。
【0006】
本発明の目的は、情報処理装置の操作を中断することなく、携帯端末の着信、メール通知にタイムリーに応対すること、及び携帯端末への入力を情報処理装置から効率よく行うことにある。
【0007】
また、本発明の別の目的は、携帯端末に記憶されているアドレス帳(メールアドレス、メーリングリストなど)を情報処理装置に取り込むことなく、アドレス帳の宛先とメールの送受信を行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決する手段として、本発明は以下の特徴を有する。
【0009】
本発明の第1の態様は、着信対応システムとして提案される。このシステムは、メールを受信可能な携帯端末と、この携帯端末と通信可能な情報処理装置を有する着信対応システムであって、携帯端末へのメールの着信があった場合、携帯端末はメール着信を知らせるためのデータを情報処理装置に送信し、情報処理装置はデータを受信すると、メール着信を示す出力を行い、またそのメールに対する返信を生成するための入力を受け付け、この入力に基づいて生成された返信メールデータを携帯端末に送信し、携帯端末は、返信メールデータに基づくメールを送信する
ことを特徴としている。
【0010】
本発明の第2の態様は、着信対応システムとして提案される。このシステムは、通話を受けることが可能な携帯端末と、この携帯端末と通信可能な情報処理装置を有する着信対応システムであって、携帯端末に通話着信があった場合、携帯端末は通話着信を知らせるためのデータを情報処理装置に送信し、情報処理装置はデータを受信すると、通話着信を示す出力を行い、またその通話に対する対応方法をユーザに選択させる入力を受け付け、受け付けた入力に応じた対応選択データを携帯端末に送信し、携帯端末は、対応選択データに応じた対応方法を実行することを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、情報処理装置の操作を中断することなく、携帯端末の着信、メール通知にタイムリーに応対すること、及び携帯端末への入力を情報処理装置から効率よく行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
本実施の形態は、着信対応システム、より詳しくは携帯電話機などの携帯端末へのメール及び通話の着信の応答をPCなどの情報処理装置を利用して行うことができる着信応答システムとして提案される。
【0014】
[1.着信応答システムの構成例]
図1は、本実施の形態にかかる着信応答システム1の構成例を示すネットワーク図である。
【0015】
着信応答システム1は、携帯端末10と、携帯電話機10と通信可能な情報処理装置20とを有する。着信応答システム1は、携帯端末10による電子メールの着信、及び通話着信に対して、情報処理装置20がこれらメール着信、通話着信をユーザに通知するとともに、メール着信、通話着信に対する応答を、情報処理装置20を操作することによって行うことができるシステムである。、
携帯端末10は、基地局40と無線により通信可能であると共に、移動体通信網50を介して別の携帯端末(通話発信元携帯端末と呼ぶ)80と通話回線を接続可能であって、通話発信元携帯端末80からの着信を受けることができる。また、携帯端末10は、基地局40、移動体通信網50、ゲートウエイ60を介して通信網70と接続可能であり、通信網を介してメールサーバ30とデータ送受信を行うことができる。
【0016】
また、携帯端末10は、通信網70を介すことなく情報処理装置20と通信可能である。
【0017】
情報処理装置20は、携帯端末10と通信網を介すことなく通信可能である。なお、図1では、情報処理装置20は、通信網70と接続されていないが、通信網70に接続可能であっても構わない。
【0018】
また、通信網70には、メールサーバ30が接続されていると共に、情報処理装置20とは別の情報処理装置であるメール送信元PC90が接続され、メール送信元90と携帯端末10との間で、メールサーバ30を介して電子メールの送受信を行うことが可能である。
【0019】
以下、上記の構成要素について説明する。
【0020】
[1.1.携帯端末]
携帯端末10は、情報処理装置20と通信を行うための通信手段を有する携帯電話機、通信手段及び移動体通信手段を搭載したPDA(Personal Data Assistant)、携帯ゲーム機、無線LANを搭載したIP電話機などである。
【0021】
ここで、通信手段とは、有線、無線の如何を問わず携帯端末10及び情報処理装置20間のデータ送受信を可能とする通信装置であって、例えば、Bluetooth、無線LAN(IEEE802.11)、UWB(ultra wide band)、赤外線通信(IrDA)などである。なお、本実施の形態では、携帯端末10及び情報処理装置20間の通信手段として”Bluetooth”を用いるものとして説明するが、この通信手段が”Bluetooth”に限定される趣旨ではない。
【0022】
図2は、携帯端末10の構成例を示す機能ブロック図である。図2に示す例では、携帯端末10は、通信手段である携帯端末側通信処理部101と、この携帯端末側通信処理部101に接続された通話着信処理部103,メール着信処理部102と、通話着信処理部に接続された通話処理部105と、メール着信処理部102に接続されたメールクライアント104と、通話処理部105,メールクライアント104に接続された入力部107及び出力部108と、通話処理部105,メールクライアント104に接続された移動体通信網接続部106と、アドレス帳記憶部109とを有している。なお、ここにいう「接続」とは、物理的に配線等で接続されていることに限られず、プログラムモジュール相互でデータの受け渡しを行うことも含んでいる。
【0023】
携帯端末側通信処理部101は、後述する情報処理装置側通信処理部201と通信を行う機能を有し、例えばBluetooth無線技術によるRFトランシーバ、ベースバンド、プロトコル・スタックで構成されるシステムである。
【0024】
メール着信処理部102は、メールクライアント104がメールサーバ30からメールを着信した場合、メール着信を携帯端末側通信処理部101、情報処理装置側通信処理部201を介して後述するメール着信対応部202に通知し、またメール着信対応部202からの要求に応じて、指定されたメールのメール詳細情報(メール本文)を携帯端末側通信処理部101、情報処理装置側通信処理部201を介して後述するメール着信対応部202に送り、また、メール着信対応部202からの返信メール情報を受け取り、これをメールクライアント104に渡して宛先アドレス宛てに送信させる機能を有する。
【0025】
通話着信処理部103は、携帯端末10が通話発信元携帯端末80から通話を着信した場合、通話処理部105より発信元電話番号、発信者氏名などを取得してこれを後述する通話着信対応部203に通知すると共に、通話着信対応部203からその通話着信に対する対応選択データを受信し、これを通話処理部105にその対応選択データに応じた処理をするよう要求する機能を有する。
【0026】
メールクライアント104は、電子メールの作成や送受信、受信したメールの保存・管理を行なう機能を有する。
【0027】
通話処理部105は、携帯端末20による通話の発信、着信の処理、及び留守電メッセージによる対応、着信拒否などを含む通話に関する全ての処理を実行する機能を有する。
【0028】
ネットワーク通信処理部106は、移動体通信端末20が移動体通信網70に接続し、移動体通信網70を介した通信を実行する機能を有し、例えば変調回路、復調回路を有する無線通信回路である。移動体通信網70は、例えば、一般的な携帯電話の通信網である。
【0029】
入力部107は、メールクライアント104、通話処理部105などにユーザの指示を電気信号に変えて渡す機能を有し、例えば携帯電話機のキー、タッチペンとタッチパネル、ポインティングデバイスである。
【0030】
出力部108は、携帯端末10がユーザに情報を伝えるための情報出力機能を有し、例えば、携帯電話機の液晶ディスプレイ装置、音声出力装置(スピーカなど)などである。
【0031】
アドレス帳記憶部109は、いわゆるアドレス帳と呼ばれる、氏名、電話番号、メールアドレスを対応付けしたリストであるアドレス帳データを記憶する機能を有する。
【0032】
[1.2.情報処理装置]
次に、情報処理装置20について説明する。情報処理装置20は、演算処理装置(CPU)、主メモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、入出力装置(I/O)、必要な場合にはハードディスク装置等の外部記憶装置を具備している装置であって、例えばコンピュータ、ワークステーションなどの装置である。前記ROM、若しくはハードディスク装置などにプログラムが記憶されており、このプログラムを主メモリ上に載せ、CPUがこれを実行することにより情報処理装置20が実現され。また、上記プログラムは必ずしも情報処理装置内の記憶装置に記憶されていなくともよく、外部の装置(例えば、ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダのサーバなど))から提供され、これを主メモリに乗せる構成であってもよい。さらに、この情報処理装置20は単体の装置で構成されていてもよいし、複数の装置をネットワークにより結合して構成されるものでもよい。
【0033】
以下、図3を参照しながら情報処理装置20の構成例について説明する。図3は、情報処理装置20の構成例を示す機能ブロック図である。
【0034】
図3に示す情報処理装置20は、情報処理装置側通信処理部201と、情報処理装置側通信処理部201に接続されたメール着信対応部202及び通話着信対応部203と、メール着信対応部202及び通話着信対応部203に接続された入力部204及び出力部205とを有している。なお、メール着信対応部202及び通話着信対応部203はプログラムを記憶した記憶装置、及びこのプログラムを実行するCPUなどによって実現される構成要素である。
【0035】
情報処理装置側通信処理部201は、前述した携帯端末側通信処理部101と通信を行う機能を有し、例えばBluetooth無線技術によるRFトランシーバ、ベースバンド、プロトコル・スタックで構成されるシステムである。
【0036】
携帯端末側通信処理部101及び情報処理装置通信処理部201をBluetoothとした場合、これらを最初に使用する際には、接続相手を特定するため、ペアリング(ボンディング、組み合わせ)と呼ばれる操作が必要になる。以下に一般的な手順を示す。
【0037】
一方を「探索(発見)可能状態」に設定する。また、認証・暗号化の設定を双方であわせておく。次に、他方から「探索(発見)」操作を行う。探索操作を行った側の出力部に探索可能状態にある周囲のBluetooth機器の一覧が提示される。ユーザは、その一覧に掲げられた機器リストから所望の接続相手(ここでは相手方となる通信処理部101又は201)を指定する。
【0038】
双方に同一のパスキー(認証鍵のこと、PINともいう)を入力する。パスキーの交換が終われば両通信処理部101及び201ペアリングが完了する。一度ペアリングを行った機器間では、通常次からは自動的或いは半自動的に接続が確立され、パスキーの入力は不要となるのが一般的である。
【0039】
上記のペアリングの完了の後は、携帯端末側通信処理部101は、情報処理装置側通信処理部201との通信が確立されていないとき、操作者からの指示、又は自動で定期的に周辺のBluetooth Deviceを探索する。Bluetoothデバイスにはユニークなアドレス値が設定されており、探索で得られたアドレスはリスト管理される。これらのデバイスのPINコードを順次取得し、自己のもつPINコードと一致する情報処理装置を探し出す。
情報処理装置、携帯端末には、予め、暗号化された同じ値のPINコードが与えられているので、値の同じPINコードを有するデバイス、情報処理装置を見つけたときは、携帯端末から情報処理装置、情報処理装置から携帯端末の順にBluetoothによる相互通信を確立、互いの情報をやりとりすることが可能になる。
【0040】
メール着信対応部202は、携帯端末10,より詳しくはメール着信処理部102から、携帯端末側通信処理部101及び情報処理装置通信処理部201を介してメール着信通知データを受信すると、これに応じてユーザにメールの着信を知らせるための情報(メール着信通知情報と呼ぶ;ここではメールの着信日時、差出人、件名等を表示するウインドウ)を生成し、出力部108にこのメール着信通知情報を表示させる機能と、メール着信通知情報に対応するメールの詳細情報(例えば、当該メールの本文、以下、メール詳細情報という)を要求した場合、このメール詳細情報のデータであるメール詳細データを携帯端末10から携帯端末側通信処理部101及び情報処理装置通信処理部201を介して取得し、このメール詳細情報を出力部108に表示させる機能と、前記メール詳細情報に対応するメールに対して、ユーザが返信を行うことを要求した場合に、返信するメールの入力を受け付けるインターフェイスを生成して出力部108に表示させる機能と、ユーザの指示に応じて、前記インターフェイスに入力された内容の返信メールを携帯端末10,より詳しくはメールクライアント104に送信するよう要求する機能とを有する。
【0041】
通話着信対応部203は、携帯端末10,より詳しくは通話着信処理部103から、携帯端末側通信処理部101及び情報処理装置通信処理部201を介して通話着信通知データを受信すると、これに応じてユーザに通話着信を知らせるための情報(通話着信通知情報と呼ぶ;ここではウインドウ)及びこの着信に対する応答選択を促すインターフェイスなど(例えば、アンカー、ボタン)を生成し、出力部108にこのメール着信通知情報及び応答選択肢に相当するインターフェイスを表示させ、ユーザによって選択され活性化された応答選択肢に応じた着信応答処理を実行するよう、携帯端末側通信処理部101及び情報処理装置通信処理部201を介して携帯端末10、より詳しくは通話着信処理部103に要求する機能を有する。
【0042】
入力部204は、メール着信対応部202,通話着信対応部203などにユーザの指示を電気信号に変えて渡す機能を有し、例えばPCのキーボード、マウスなどポインティングデバイス、タッチペンとタッチパネル、及びこれらの組合せなどである。
【0043】
出力部205は、情報処理装置20がユーザに情報を伝えるための情報出力機能を有し、例えば、PCの液晶ディスプレ装置、音声出力装置(スピーカなど)などである。
【0044】
[1.3.通信網]
図1に戻り、本実施の形態にかかる着信応答システム1の説明を再開する。
【0045】
通信網70は、有線・無線、専用回線・交換回線を問わず、これに接続されている装置がそれぞれ目的とする装置に対しセッションを確立したときにその装置間での情報の送受を可能とするように作用する。通信網70は、インターネットのように、ゲートウエイを介して複数のネットワークが組み合わされて実現しても構わない。また、その接続についてもいわゆるバックボーンといわれる基幹線に直接接続せずとも、PPP接続などによって一時的に接続してあっても、セッションを確立したときにその間で情報の送受ができるようになっていれば構わない。なお、上記「通信網」は専用回線を固定的に張りめぐらせたような、交換機、スイッチ、ルータなど経路切り替え手段を用いない通信網も含むものとする。
【0046】
[1.4.移動体通信網、ゲートウエイ、基地局]
携帯端末10は、基地局(BS)40と無線通信により通信を確立し、基地局40は移動体通信網50に接続されている。移動体通信網50は別の基地局40と接続されており、他の携帯端末80と通信又は通話を行うことが可能となっている。通信網70には、メールサーバ30やメールの発信元や着信先となるPC90が接続されている。ここで、メールサーバ30は携帯端末30のメールアカウントに対応するメールボックスを有するメールサーバであって、送信メールサーバ、受信メールサーバ双方を兼ねているものとする。PC90から携帯端末30のメールアカウントに宛てて送信されたメールは、メールサーバ30の対応するメールボックスに格納され、通信網70,ゲートウエイ60,移動体通信網50,基地局40を順に介して所定のタイミングで携帯端末10のメールクライアント104によって受信され、記憶される。
【0047】
移動体通信網50は、プロトコル変換などを行うゲートウエイ60を介して通信網70と接続可能である。移動体通信網50は別の基地局40を介して別の携帯端末80と接続可能であり、携帯端末80が携帯端末10に宛てた発呼は、基地局40、移動体通信網50を経由して携帯端末10に送られ、着呼する。
【0048】
以上で着信応答システム1の構成例の説明を終了する。
【0049】
[2.着信応答システムの動作]
[2.1.メール着信時の動作]
次に、上記の構成を有する着信応答システム1の動作について、図4以下を参照しながら説明する。図4は、PC90或いは携帯端末80から携帯端末10のメールアカウントへメールが送信された場合の、着信応答システム1の動作例を示すシーケンス図である。
【0050】
まず、携帯端末10と情報処理装置20は、それぞれの携帯端末側通信処理部101と情報処理装置側通信処理部201とにより、通信接続を確立させる(S101)。具体的には、携帯端末10と情報処理装置20とが、携帯端末側通信処理部101、情報処理装置側通信処理部201相互の通信範囲内(例えば、10m以内)に位置するようになった場合に、一方が他方を認識して双方間の通信が確立する。
【0051】
携帯端末側通信処理部101と情報処理装置側通信処理部201との通信が確立すると、メール着信処理部102とメール着信対応部202,通話着信処理部103と通話着信対応部203は、情報、データ、メッセージなどの送受信を行うことができるようになる。
【0052】
なお、携帯端末側通信処理部101、情報処理装置側通信処理部201が互いの通信範囲から出てしまう、或いは電波状況の悪化などにより、携帯端末側通信処理部101、情報処理装置側通信処理部201との通信は切断されるが、再び通信範囲内になったり、電波状況が回復したりすると、携帯端末側通信処理部101と情報処理装置側通信処理部201との通信は自動的に再確立される。
【0053】
情報処理装置側通信処理部201は、通信が確立している場合、出力部205に通信確立中を示す情報(例えば、タスクバー上に表示されるアイコン)を表示させ、ユーザに通信確立中であることを伝える。
【0054】
さて、ここでPC80(図4において図示省略)より携帯端末10のメールアカウント宛てに電子メールが送信されたものとする。この電子メールはPC80が使用するメールアカウントを扱うメールサーバ(図略)に送られ、このメールサーバから携帯端末10のメールアカウントを扱うメールサーバ30に送信され(S102)、当該メールサーバ30に設けられた対応するメールボックスに格納される。
【0055】
次に、携帯端末10は、メールサーバ30にメール着信の有無を問い合わせるメッセージを送信する(S103)。メールサーバ30は、着信したメールのデータ(メールヘッダ、メール本文などを含むデータ、以下メールデータと呼ぶ)を携帯端末10(メールクライアント104)に送信する(S104)。上記の送信後、メールサーバ30は送信したメールデータを削除する(S105)。なお、本実施の形態ではメールサーバ30は、POPサーバであるとして説明するが、本発明はPOPサーバによるメール受信に限って成立する趣旨ではなく、その他のメール受信方式、例えばIMAP方式のメールサーバであっても本発明は成立する。
【0056】
メールデータを受信した携帯端末10(メールクライアント104)はこれを記憶保存する(S106)。メールデータが記憶されると、メール着信処理部102が起動される。起動されたメール着信処理部102は、携帯端末側通信処理部101と情報処理装置側通信処理部201との通信が接続されているかを確認する(S107)。メール着信処理部102は、通信が確立されていなければ処理を中断し、通信が確立されるまで待機する。一方、通信が確立されている場合、メール着信処理部102は、着信したメールデータに基づいてメール着信通知データ生成し、これを携帯端末側通信処理部101と情報処理装置側通信処理部201とを介して、情報処理装置20に送信する(S108)。メール着信通知データは、ユーザにどのようなメールが届いたかをユーザに知らしめることができるデータであって、必ずしもメールデータの全てを含む必要はなく、ここでは、メールデータからメール本文を除いたものをメール着信通知データとする。
【0057】
次に、携帯端末側通信処理部101は、メール着信通知データが正しく情報処理装置20に転送されたかを確認する(S109)。正しく転送されたことが確認できない場合は、携帯端末側通信処理部101は、情報処理装置側通信処理部201との通信を切断し処理を中断して、通信の再確立を試みる。一方、正しく転送されたことが確認できた場合は、携帯端末側通信処理部101は通信を確立したままとする。
【0058】
さて、ステップS108において送信されたメール着信通知データを受信した情報処理装置20,より詳しくはメール着信対応部202はこのメール着信通知データを取得し、記憶する(S110)。
【0059】
次に、情報処理装置20のメール着信対応部202は、メール着信通知データに基づいてメール着信通知情報を出力部205に出力させる(S111)。具体的には、メール着信対応部202は、メール着信通知情報であるメール件名表示ウインドウを生成し、出力部205である液晶ディスプレイ装置に表示させる。
【0060】
図5,図6を参照して、メール着信通知情報であるメール件名ウインドウの表示例を示す。図5は、メール着信通知情報であるメール件名ウインドウが表示される前の画面例を示す図である。図5では、出力部205である液晶ディスプレイ装置の表示領域、右下部が示されている。表示領域205Aには、マルチウインドウで動作するOSにおいてボリュームやファイルを表示する領域であるデスクトップ領域205B及び画面最下部にある、OS(Operating System)の機能をまとめた帯状部分であるタスクバー205Cが表示されている。タスクバー205C上には、起動中のアプリケーションや常駐しているアプリケーションなどのアイコンが表示される。図5では、通信処理部101及び情報処理装置通信処理部201間での通信確立中を示すアイコン401、その他のアイコン402が表示されている。なお、通信処理部101及び情報処理装置通信処理部201間の通信が切断されると、アイコン401は非表示状態或いは通信が切断されたことを示す図柄に変化し、ユーザは通信が切断したことを知ることができるようになっている。
【0061】
図6は、図5の状態の後、メールが携帯端末10に着信し、その旨が情報処理装置20に伝達され、メール着信対応部202が着信日時、差出人、件名等を表示するためのメール着信通知情報であるメール件名ウインドウが表示された画面例である。なお、複数メールが着信したときは、メール着信対応部202は、複数のメール件名ウインドウを表示するカスケード表示を行う。
【0062】
メール件名ウインドウ601は、着信日時、差出人、件名等を表示すると共に、その後の操作選択のためのアンカーとして”詳細”ボタン602,及び”閉じる”ボタン603を含んでいる。
【0063】
”閉じる”ボタン603がポインティングデバイスによるクリックやエンターキー押下など所定の操作により活性化された場合、メール着信対応部202はメール件名ウインドウ601を閉じさせる。一方、”詳細”ボタン602がポインティングデバイスによるクリックやエンターキー押下など所定の操作により活性化された場合、メール着信対応部202は後述するメールの詳細を表示する処理に移行する。
【0064】
次に、上記の”詳細”ボタン602が活性化された場合の、着信応答システム1の動作例を図7を参照しながら説明する。図7は、”詳細”ボタンが活性化された場合の着信応答システム1の動作例を示したシーケンス図である。
【0065】
まず、図6に示す画面の状態で、ユーザは入力部204を操作して”詳細”ボタン602を活性化させる(S201)。”詳細”ボタン602の活性化に応じて、メール着信対応部202は、携帯端末側通信処理部101と情報処理装置側通信処理部201との通信が接続されているかを確認する(S202)。メール着信対応部202は、通信が確立されていなければ処理を中断し、通信が確立されるまで待機する。一方、通信が確立されている場合、メール着信対応部202は、”詳細”ボタン602に対応するメールを特定する情報であるメールIDを携帯端末側通信処理部101と情報処理装置側通信処理部201とを介して、携帯端末10に送信する(S203)。
【0066】
次に、情報処理装置側通信処理部201は、メールIDが正しく携帯端末10に転送されたかを確認する(S204)。正しく転送されたことが確認できない場合は、情報処理装置側通信処理部201は、携帯端末側通信処理部101との通信を切断し処理を中断して、通信の再確立を試みる。一方、正しく転送されたことが確認できた場合は、情報処理装置側通信処理部201は通信を確立したままとする。
【0067】
一方、携帯端末10、より詳しくはメール着信処理部102は、情報処理装置20から送信されたメールIDを携帯端末側通信処理部101を介して取得する(S205)。
【0068】
次に、メール着信処理部102は、取得したメールIDをキーとして、記憶しているメールデータの中から対応するメール詳細データであるメール本文データを検索してこれを取得する(S206)。
【0069】
ステップS206におけるメール詳細データの取得後、メール着信処理部102は、携帯端末側通信処理部101と情報処理装置側通信処理部201との通信が接続されているかを確認する(S207)。メール着信処理部102は、通信が確立されていなければ処理を中断し、通信が確立されるまで待機する。一方、通信が確立されている場合、メール着信処理部102は、メールIDに対応するメール詳細データを携帯端末側通信処理部101と情報処理装置側通信処理部201とを介して、情報処理装置20に送信する(S208)。
【0070】
次に、携帯端末側通信処理部101は、メール詳細データが正しく情報処理装置20に転送されたかを確認する(S209)。正しく転送されたことが確認できない場合は、携帯端末側通信処理部101は、情報処理装置側通信処理部201との通信を切断し処理を中断して、通信の再確立を試みる。一方、正しく転送されたことが確認できた場合は、携帯端末側通信処理部101は通信を確立したままとする。
【0071】
さて、ステップS208において送信されたメール詳細データを受信した情報処理装置20,より詳しくはメール着信対応部202はこのメール詳細データを取得し、記憶する(S210)。
【0072】
次に、情報処理装置20のメール着信対応部202は、メール詳細データに基づいてメール詳細情報を出力部205に出力させる(S211)。具体的には、メール着信対応部202は、メール詳細情報であるメール詳細表示ウインドウを生成し、出力部205である液晶ディスプレイ装置に表示させる。
【0073】
図8を参照して、メール詳細ウインドウの表示例を示す。図8は、図6の画面例の状態で、”詳細”ボタン602が活性化された後に遷移して表示される画面例である。
【0074】
図8に示すように、メール件名ウインド601の上方に新たにメール詳細ウインドウ801が生成され表示されている。メール詳細ウインドウ801内には、対応するメールのメール本文が表示される。ユーザはメール詳細ウインドウ801の内容を閲覧することにより、メール内容を確認することができる。
【0075】
また、メール詳細ウインドウ801には、返信ボタン802が設けられている。返信ボタン802が、入力部204であるポインティングバイスによるクリックなどの所定の処理によって活性化すると、メール着信対応部202は後述するメール編集ウインドを生成し(S302)、ユーザに返信内容の入力を促す。
【0076】
次に、メール詳細ウインドウ801を閲覧したユーザが、そのメールに返信する場合の着信応答システム1の動作について図9を参照しながら説明する。図9は、メール詳細ウインド801の表示後の着信応答システム1の動作例を示すシーケンス図である。
【0077】
まず、ユーザはメール詳細ウインド801に表示されたメールに応答したい場合、返信ボタン801を所定の操作を行うことにより活性化させる(S301)。返信ボタン801の活性化をトリガとして、メール着信対応部202は、ユーザに返信内容を入力させるためのインターフェイスであるメール編集ウインドを生成し、出力部205に表示させる(S302)。図10に、図8の画面から遷移して、メール編集ウインドが表示された状態の画面例を示す。図示の例では、メール詳細ウインド801の上に、さらにメール編集ウインド1001が重なった状態で生成されている。メール編集ウインド1001は、返信内容を入力するための入力ボックス1002と、入力された内容を送信させるための送信ボタン1003が設けられている。また、図示していないが、転送先アドレスを入力するための転送先アドレスボックスや追加の送信先アドレスを入力する宛先ボックスをさらに設けるようにしても構わない。この場合には、単に返信するだけでなく、転送や同報送信を実行することが可能となる。
【0078】
ユーザは情報処理装置20の入力部204を用いて入力ボックス1002に返信内容である文字や画像などを適宜入力する。情報処理装置20の入力部204は、携帯端末10の入力部107に比べて一般に操作しやすいので、ユーザはより快適な環境で返信内容の入力を行うことが可能となる。なお、ここで示した例では、メール詳細ウインドウ801と、メール編集ウインド1001は別のウインドウであるものとして説明したが、メール詳細ウインドウ801をメール編集ウインド1001として使用する態様をとっても本発明は成立する。
【0079】
図9に戻り、着信応答システム1の動作例の説明を続ける。ユーザが入力ボックス1002への返信内容の入力を完了すると、メールの返信を送信できる状態となる。この状態で、ユーザは入力部204を操作して”送信”ボタン1003を活性化させる(S303)。”送信”ボタン1003の活性化に応じて、メール着信対応部202は、携帯端末側通信処理部101と情報処理装置側通信処理部201との通信が接続されているかを確認する(S304)。メール着信対応部202は、通信が確立されていなければ処理を中断し、通信が確立されるまで待機する。一方、通信が確立されている場合、メール着信対応部202は、入力ボックス1002への入力内容を含むデータである返信メールデータを携帯端末側通信処理部101と情報処理装置側通信処理部201とを介して、携帯端末10に送信する(S305)。返信メールデータは、そのままメールクライアント104が送信できる形式にされたデータ(メールヘッダ、メール本文が完成しているデータ)であってもよいし、メールクライアント104、及び/又はメール着信処理部102によって編集加工して送信する形式のデータ(例えば、メールID及び本文のみのデータ)であってもよい。
【0080】
次に、情報処理装置側通信処理部201は、返信メールデータが正しく携帯端末10に転送されたかを確認する(S306)。正しく転送されたことが確認できない場合は、情報処理装置側通信処理部201は、携帯端末側通信処理部101との通信を切断し処理を中断して、通信の再確立を試みる。一方、正しく転送されたことが確認できた場合は、情報処理装置側通信処理部201は通信を確立したままとする。
【0081】
一方、携帯端末10、より詳しくはメール着信処理部102は、情報処理装置20から送信された返信メールデータを携帯端末側通信処理部101を介して取得する(S307)。メール着信処理部102は、返信メールデータをメールクライアント104に渡し、送信元への返信メール、或いはメール編集ウインド1001によって追加的に入力された宛先アドレスへのメールとして送信するよう要求する。
【0082】
返信メールデータを受け取ったメールクライアント104は、返信メールデータに基づいてメール送信可能なデータを生成し(S308)、これをメールサーバ30に宛てて送信する(S309)。メールを受信したメールサーバ30は、送信元に対応する別のメールサーバ(図略)に宛てて当該メールを転送する(S310)。
【0083】
以上の処理により携帯端末10に宛てて送信されたメールを、情報処理装置20によって閲覧し、且つ返信を作成して送信させることが可能となる。
【0084】
[2.2.通話着信時の動作]
次に、携帯端末10への着信があったときの、着信応答システム1の動作について説明する。
【0085】
図11は、携帯端末80から携帯端末10へ発呼された場合の、着信応答システム1の動作例を示すシーケンス図である。なお、携帯端末10と情報処理装置20との通信は、予め確立されているものとする(図4、S101参照)。
【0086】
まず、携帯端末80からの発呼がなされ呼び出し信号が移動体通信網50,基地局40を介して携帯端末10に送信される(S401)。呼び出し信号を受信した携帯端末10、より詳しくは通話処理部103は着信を受け(S402)、通話着信処理部103を起動させる。通話着信処理部103は、呼び出し信号に含まれる発信元電話番号(この例では、携帯端末80の電話番号)が含まれているか否かを検査する(S403)。発信元電話番号が含まれていない場合は、直ちに後述するS405に移行する。一方、発信元電話番号が含まれている場合は、通話着信処理部103は、アドレス帳記憶部109に記憶されたアドレス帳データを検索して、この電話番号が記憶されている場合は対応する氏名(発信者氏名)を、この電話番号が記憶されていないときは電話番号を読み出す(S404)。
【0087】
通話着信処理部103は、携帯端末側通信処理部101と情報処理装置側通信処理部201との通信が接続されているかを確認する(S405)。通話着信処理部103は、通信が確立されていなければ処理を中断し、通信が確立されるまで待機する。一方、通信が確立されている場合、通話着信処理部103は、ステップS404で詠み出した氏名若しくは電話番号を含む通話着信通知データ、或いはいずれも含まない通話着信通知データを、携帯端末側通信処理部101と情報処理装置側通信処理部201とを介して、情報処理装置20に送信する(S406)。次に、携帯端末側通信処理部101は、通話着信通知データが正しく情報処理装置20に転送されたかを確認する(S407)。正しく転送されたことが確認できない場合は、携帯端末側通信処理部101は、情報処理装置側通信処理部201との通信を切断し処理を中断して、通信の再確立を試みる。一方、正しく転送されたことが確認できた場合は、携帯端末側通信処理部101は通信を確立したままとする。
【0088】
さて、ステップS406において送信された通話着信通知データを受信した情報処理装置20,より詳しくは通話着信対応部203はこの通話着信通知データを取得し、記憶する(S408)。
【0089】
次に、情報処理装置20の通話着信対応部203は、通話着信通知情報を出力部205に出力させる(S409)。具体的には、通話着信対応部203は、通話着信通知ウインドウを生成し、出力部205である液晶ディスプレイ装置に表示させる。
【0090】
図12を参照して、通話着信通知情報である通話着信通知ウインドウの表示例を示す。図12に示す例は、基本的に、図5に示した構成と同様である。すなわち、出力部205である液晶ディスプレイ装置の表示領域、右下部に相当する表示領域205Aには、マルチウインドウで動作するOSにおいて、ボリュームやファイルを表示する領域であるデスクトップ領域205B及び画面最下部にあるOS(Operating System)の機能をまとめた帯状部分であるタスクバー205Cが設けられている。タスクバー205C上には、起動中のアプリケーションや常駐しているアプリケーションなどのアイコンが表示される。図12では、通信処理部101及び情報処理装置通信処理部201間での通信確立中を示すアイコン401、その他のアイコン402が表示されている。なお、通信処理部101及び情報処理装置通信処理部201間の通信が切断されると、アイコン401は非表示状態或いは通信が切断されたことを示す図柄に変化し、ユーザは通信が切断したことを知ることができるようになっている。
【0091】
通話着信対応部203は、着信日時、差出人、件名等を表示するためのメール着信通知情報である通話着信通知ウインドウ1201を生成し、表示させている。通話着信通知ウインドウ1201には、通話着信通知データに含まれている氏名、若しくは電話番号が着信があったことを示すメッセージに組み入れられて表示されていると共に、この通話着信に対し取りうる対応選択肢に対応する対応選択肢ボタン1202,1203,1204が設けられている。対応選択肢ボタン1202,1203,1204は携帯端末10が実行できる対応方法を実行させるアンカーであって、例えば、留守電メッセージのパターン1を再生させる対応方法、留守電メッセージのパターン2を再生させる対応方法、着信拒否メッセージを再生させるなどである。なお、携帯端末10には設定されていない対応方法を、通話着信対応部203に設定しておいて、これを携帯端末10に実行させる対応選択ボタンを設けるようにしても構わない。
【0092】
次に、ユーザが対応選択ボタンのいずれかを活性化させて着信に対する応答を携帯端末10に行わせる場合の、着信対応システム1の動作について図13を参照しながら説明する。図13は、ユーザが対応選択ボタンのいずれかを活性化させた場合の着信対応システム1の動作例を示すシーケンス図である。
【0093】
この状態で、ユーザは入力部204を操作して対応選択ボタン1202,1203,1204のいずれかを活性化させる(S501)。ユーザによって指定された対応選択ボタンの活性化に応じて、通話着信対応部203は、携帯端末側通信処理部101と情報処理装置側通信処理部201との通信が接続されているかを確認する(S502)。通話着信対応部203は、通信が確立されていなければ処理を中断し、通信が確立されるまで待機する。一方、通信が確立されている場合、通話着信対応部203は、ユーザによって指定された対応選択ボタンを通知するための対応選択データを携帯端末側通信処理部101と情報処理装置側通信処理部201とを介して、携帯端末10に送信する(S503)。
【0094】
次に、情報処理装置側通信処理部201は、対応選択データが正しく携帯端末10に転送されたかを確認する(S504)。正しく転送されたことが確認できない場合は、情報処理装置側通信処理部201は、携帯端末側通信処理部101との通信を切断し処理を中断して、通信の再確立を試みる。一方、正しく転送されたことが確認できた場合は、情報処理装置側通信処理部201は通信を確立したままとする。また、通話着信対応部203は、通話着信通知ウインドウ1201を消去する(S505)。
【0095】
一方、携帯端末10、より詳しくは通話着信処理部103は、情報処理装置20から送信された対応選択データを携帯端末側通信処理部101を介して取得する(S506)。対応選択データを取得した通話着信処理部103は、対応選択データで指定された対応方法を当該通話に対して実行するように通話処理部105に要求し、通話処理部105はこの要求に従って対応方法を実行する(S507)。例えば、留守電パターン1が対応選択データで指定されている場合は、通話処理部105は発信元である携帯端末80に対して、留守電パターン1の再生音声を送信する(S508)。
【0096】
以上の処理により携帯端末10に宛てた通話を、情報処理装置20によって対応方法を選択し、選択した方法により携帯端末10に対応させることが可能となる。
【0097】
[3.着信対応システムの利点]
本実施の形態にかかる着信対応システムによれば、情報処理装置20の操作中、その操作者がもつ携帯端末10を情報処理装置20から遠隔で操作できるようにし、携帯端末10に通話着信、メール通知等あった場合は、その旨情報処理装置20に通知することで、情報処理装置20の操作を中断することなく、携帯端末10の通話着信、メール通知にタイムリーに応対することが可能になる。
【0098】
また、情報処理装置20からの入力を行うことにより携帯端末10からの行う場合より操作性が高まる。
【0099】
また、携帯端末10に記憶されているアドレス帳(電話帳、メールアドレス、メーリングリストなど)を情報処理装置20に取り込むことなく、アドレス帳の宛先とメールの送受信を行うことができる。という利点がある。
【0100】
本発明の第1の態様によれば、情報処理装置20操作中に、携帯端末10にメールが着信したとき、その操作を中断することなく、携帯端末10のメールの参照、返信、転送操作と、情報処理装置20の操作を情報処理装置20から同時に行うことができる。また、携帯端末10を直接操作する場合に比べ、より情報の入出力、とりわけ文章の入力と参照(大きな液晶ディスプレイによる画面の見易さ)の利便性が高まる。
【0101】
また、本発明の第2の態様によれば、情報処理装置20の操作を中断することなく、携帯端末10の音声着信の宛先の参照、対応方法の選択とを情報処理装置から同時に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】着信対応システムの構成例を示すブロック図
【図2】携帯端末の構成例を示す機能ブロック図
【図3】情報処理装置の構成例を示す機能ブロック図
【図4】着信対応システムの動作例を示すシーケンス図
【図5】情報処理装置の出力部の出力例を示す図
【図6】図5から遷移した情報処理装置の出力部の出力例を示す図
【図7】図4に続く、着信対応システムの動作例を示すシーケンス図
【図8】図6から遷移した情報処理装置の出力部の出力例を示す図
【図9】図7に続く、着信対応システムの動作例を示すシーケンス図
【図10】図8から遷移した情報処理装置の出力部の出力例を示す図
【図11】着信対応システムの動作例を示すシーケンス図
【図12】情報処理装置の出力部の出力例を示す図
【図13】図11に続く、着信対応システムの動作例を示すシーケンス図
【符号の説明】
【0103】
1 … 着信応答システム
10 … 携帯端末
20 … 情報処理装置
101 … 携帯端末側通信処理部
102 … メール着信処理部
103 … 通話着信処理部
201 … 情報処理装置側通信処理部
202 … メール着信対応部
203 … 通話着信対応部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メールを受信可能な携帯端末と、この携帯端末と通信可能な情報処理装置を有する着信対応システムであって、
前記携帯端末へのメールの着信があった場合、前記携帯端末はメール着信を知らせるためのデータを前記情報処理装置に送信し、
前記情報処理装置は前記データを受信すると、メール着信を示す出力を行い、またそのメールに対する返信を生成するための入力を受け付け、この入力に基づいて生成された返信メールデータを前記携帯端末に送信し、
前記携帯端末は、前記返信メールデータに基づくメールを送信する
ことを特徴とする着信対応システム。
【請求項2】
通話を受けることが可能な携帯端末と、この携帯端末と通信可能な情報処理装置を有する着信対応システムであって、
前記携帯端末に通話着信があった場合、前記携帯端末は通話着信を知らせるためのデータを前記情報処理装置に送信し、
前記情報処理装置は前記データを受信すると、通話着信を示す出力を行い、またその通話に対する対応方法をユーザに選択させる入力を受け付け、受け付けた入力に応じた対応選択データを前記携帯端末に送信し、
前記携帯端末は、前記対応選択データに応じた対応方法を実行する
ことを特徴とする着信対応システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−242827(P2008−242827A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−82513(P2007−82513)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】