説明

着座検出スイッチ

【課題】薄い膜状の着座検出スイッチにおいて、この着座検出スイッチの各端子部にワイヤリングハーネス等に設けられた電線等の接続用端子を接続することが容易である着座検出スイッチを提供する。
【解決手段】各端子部9、15のそれぞれに導通している各接点を内部に備え、座席の表皮の裏側に配置され、上記座席に乗員が着座しているか否かを、上記各接点が互いに導通したか否かを上記各端子部9、15間で検出することによって検出可能な薄い膜状の着座検出スイッチ1において、上記各端子部9、15が、上記膜状の着座検出スイッチの一方の面に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座席に人が着座したか否かを検出するための着座検出スイッチに係り、特に、フィルム状の基材とフィルム状のスペーサとフィルム状の部材とを順に重ね合わせて3重構造に構成されているフィルム状の着座検出スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、座席に人が座ったことを検出可能な着座検出スイッチとして、一対のフィルムの一方のフィルム面に固着されかつ電気的に1本の線で接続された一方の電極部と、他方のフィルムの上記一方のフィルムとの対向面に固着されかつ電気的に1本の線で接続された他方の電極部と、上記各電極部が常時は離間対向するように両フィルム間に配されたスペーサとを有し、座席に座った人の体重で、上記対向する各電極部が互い接触導通するようになっている構成の薄い膜状の着座検出スイッチが知られている。(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
図52は、上記従来の着座スイッチとは異なる構成の従来の着座検出スイッチ300の概略構成を示す図であり、図53は、図52のLIIIA−LIIIB断面を示す図である。
【0004】
図54は、上記従来の着座検出スイッチ300を構成するフィルム状基材302の概略構成を示す図であり、図55は、上記従来の着座検出スイッチ300を構成するスペーサ304の概略構成を示す図である。
【0005】
また、図56は、上記従来の着座検出スイッチ300を構成するフィルム状部材306の概略構成を示す図であり、図57は、上記従来の着座検出スイッチ300の回路図である。
【0006】
従来の着座検出スイッチ300は、図53で示すように、絶縁体よりなるフィルム状のスペーサ304(図55参照)を間にして、このスペーサ304の一方の面にフィルム状基材302(図54参照)を配置し、上記スペーサ304の他方の面にフィルム状部材306(図56参照)を配置して構成されている。
【0007】
また、上記従来の着座検出スイッチ300は、たとえば、人が着座可能なシートの表皮の裏側に配して使用され、シートに着座した乗員の体重により動作し、シート(座席)へ乗員が着座しているか否かを検出する着座検出装置として使用される。
【0008】
乗員の着座を検知するため、図53、図54に示すように、上記フィルム状基材302の上記フィルム状部材306側の面(内側の面)の離れた複数箇所には、複数の接点部308A〜308Dがそれぞれ設けられている。
【0009】
上記各接点部308A〜308Dは、図54に示すように、上記内側の面に配線された導線(導通経路)310で互いに電気的に接続されており、上記導線310の一方の側には、上記従来の着座検出スイッチ300を他の電気機器に接続するための第1の端子部312が設けられている。
【0010】
なお、上記導線310は、上記端子部312から離れる方向へ向かう途中で複数に枝分かれして設けられていると共に、上記各接点部308A〜308Dは、枝分かれして延伸している配線部位に設けられている(図54参照)。
【0011】
上記フィルム状部材306は、上記フィルム状基材302と同様な形状に形成されている。そして、上記フィルム状基材302と同様に、上記フィルム状部材306の上記フィルム状基材302側の面(内側の面)の離れた複数箇所には、上記各接点部308A〜308Dに対応して複数の接点部314A〜314Dが設けられ、また、導線(導通経路)316、第2の端子部318が設けられている(図53、図56参照)。
【0012】
上記スペーサ304は、上記フィルム状基材302と同様な形状に形成されていると共に、複数の貫通孔320A〜320Dを備えている。上記各貫通孔320A〜320Dは、上記各接点部308A〜308D、314A〜314Dが設けられている位置に対応する位置に設けられている。
【0013】
そして、上記各接点部308A〜308D、314A〜314Dが、上記スペーサ304を間にして常時は離間しているが、乗員の着座時に上記フィルム状基材302、上記フィルム状部材306が撓んで上記各接点部308A〜308D、314A〜314Dが接触し(たとえば、接点部308Aと接点部314Aとが互いに接触し)、上記第1の端子部312と上記第2の端子部318とが互いに電気的に導通接続され、着座を検知することができるようになっている。
【0014】
なお、上記従来の着座検出スイッチ300に関連する着座検出スイッチとして特許文献2に記載の着座検出スイッチが知られている。
【特許文献1】特許第2909961号公報
【特許文献2】特開平9−315199号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
ところで、上記特許文献1に記載の従来の着座検出スイッチにおいて、上記一方の電極部が形成されている面を表面(おもて面)とし、上記他方の電極部が形成されている面を裏面とすると、上記一方の電極部に電線で導通している一方の端子部(上記着座検出スイッチからの信号を取り出すための端子部)は、上記従来の着座検出スイッチの表面(おもて面)に設けられていることになる。
【0016】
また、上記他方の電極部に電線で導通している他方の端子部(上記着座検出スイッチからの信号を取り出すための端子部)は、上記従来の着座検出スイッチの裏面に設けられていることになる。
【0017】
すなわち、上記一方の端子部と上記他方の端子部とのそれぞれが設けられている面が異なっている。
【0018】
したがって、上記一方の端子部にワイヤリングハーネス等に設けられた電線の接続用端子を接続した後、上記他方の端子部に上記ワイヤリングハーネス等に設けられた電線の接続用端子を接続するには、上記従来の着座検出スイッチを裏返す必要が生じる場合があり、上記各端子部にワイヤリングハーネス等に設けられた電線(信号線)の接続用端子を接続することが煩雑であるという問題がある。
【0019】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、座席に乗員が着座しているか否かを検出可能な薄い膜状の着座検出スイッチにおいて、この着座検出スイッチの各端子部にワイヤリングハーネス等に設けられた電線等の接続用端子を接続することが容易である着座検出スイッチを提供することを目的とする。
【0020】
また、上記特許文献1に記載の従来の着座検出スイッチをたとえば座席に設置し、この座席に人が座ると、上記従来着座検出スイッチの一部(たとえば、上記座席の背もたれ部近傍の部位)が大きく湾曲する。
【0021】
そして、上記従来の着座検出スイッチでは、一対のフィルムの間にスペーサが設けられた3層構造であるために、上記大きく湾曲する部分で上記従来の着座検出スイッチ内部に大きな応力が発生し、上記大きな湾曲によって上記着座検出スイッチの上記大きく湾曲する部分が破損する場合があるという問題がある。
【0022】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、座席に乗員が着座しているか否かを検出可能な薄い膜状の着座検出スイッチにおいて、上記着座によって大きく湾曲しても、この大きく湾曲する部位が破損しにくい着座検出スイッチを提供することを目的とする。
【0023】
さらに上記従来の着座検出スイッチ300では、各接点部308A〜308Dと各接点部314A〜314Dとで構成された各接点対(たとえば、接点部308Aと接点部314Aとで構成された接点対や接点部308Bと接点部314Bとで構成された接点対)のうちの1つの接点対において、対向している各接点部が互いに接触すると、上記第1の端子部312と上記第2の端子部318とが互いに電気的に導通するように構成されている。
【0024】
したがって、たとえば荷物のエッジが、1つの接点対の上側に存在していることにより、上記1つの接点対の各接点部が互いに接触し、実際には人が着座していないのに、人が着座したような誤った検出をするおそれがあるという問題がある。
【0025】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、座席に人が着座したか否かを検出するためのフィルム状の着座検出スイッチにおいて、誤検出を極力防ぐことができる着座検出スイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0026】
請求項1に記載の発明は、座席に乗員が着座しているか否かを検出するための着座検出スイッチにおいて、フィルム状基材と;前記フィルム状基材の一方の面に固定され、一方の端部に第1端子を備え、他方の端部に第1電極を備えた第1導体と;前記フィルム状基材の前記一方の面に固定され、一方の端部に第2端子を備え、他方の端部に第2電極を備え、前記第1導体とは絶縁された第2導体と;前記フィルム状基材の前記一方の面側に、スペーサを介して前記フィルム状基材から離隔して設けられたフィルム状部材と;前記フィルム状部材の前記フィルム状基材に面する面に固定され、一方の端部に第4電極を備え、他方の端部に第3電極を備えた第3導体と;
を有し、前記第1電極と前記第4電極が互いに対向して配置された電極対を含む第1スイッチが形成され、前記第2電極と前記第3電極が互いに対向して配置された電極対を含む第2スイッチが形成され、前記スペーサには、前記第1及び第2スイッチの各々に対応する各貫通孔が形成されていることを特徴とする。
【0027】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の着座検出スイッチにおいて、前記第1スイッチがオンになり且つ前記第2スイッチがオンになることにより、乗員が座席に着座していることを検出できるように、前記第1〜第3導体が配線されていることを特徴とする。
【0028】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の着座検出スイッチにおいて、前記第1電極と第4電極の各々が電気的に並列に接続された複数の電極を含み、前記第1電極の各電極が前記第4電極の各電極と対向して配置されてそれぞれ第1スイッチが形成されていることを特徴とする。
【0029】
請求項4に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の着座検出スイッチにおいて、前記第1電極と第4電極の各々および前記第2電極と第3電極の各々が電気的に並列に接続された複数の電極を含み、前記第1電極の各電極が前記第4電極の各電極と対向して配置されてそれぞれ第1スイッチが形成され、前記第2電極の各電極が前記第3電極の各電極と対向して配置されてそれぞれ第2スイッチが形成されていることを特徴とする。
【0030】
請求項5に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の着座検出スイッチにおいて、
前記第1スイッチと前記第2スイッチとが前記各導体によってアンド回路を形成するように接続されていることを特徴とする。
【0031】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の着座検出スイッチにおいて、前記第1スイッチと前記第2スイッチの少なくとも1つが複数のスイッチを含み、前記複数のスイッチがオア回路を形成するように並列に配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、座席に人が着座したか否かを検出するためのフィルム状の着座検出スイッチにおいて、誤検出を極力防ぐことができるという効果を奏する。
【0033】
なお、フィルム状基材上に第1及び第2端子部を共に形成した場合は、各端子部にワイヤリングハーネス等に設けられた電線等の接続用端子を接続することが容易になる。また、座席に乗員が着座することによって大きく湾曲する部分を保護テープで保護した場合は、その湾曲する部位の破損を回避し易い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る着座検出スイッチ1の概略構成を示す図である。
【0035】
図2は、着座検出スイッチ1のフィルム状基材3の概略構成を示す図であり、図3は、上記着座検出スイッチ1のスペーサ5の概略構成を示す図であり、図4は、上記着座検出スイッチ1のフィルム状部材7の概略構成を示す図である。
【0036】
また、図5は、図1におけるVA−VB断面を示す図であり、図6は、図1におけるVIA−VIB断面を示す図である。なお、図5や図6では着座検出スイッチ1の厚さ方向(図5の上下方向、図6の左右方向)を拡大して描いてある。
【0037】
着座検出スイッチ1は、たとえば自動車の座席(シート)の表皮の裏側に配置され、上記座席に乗員が着座しているか否かを検出可能な薄い膜状の着座検出スイッチであり、絶縁体で構成されたフィルム状基材3(図1、図2参照)を備える。
【0038】
上記フィルム状基材3の一方の面(図2の表側の面)には、一端部側に端子部(第1端子部)9を備えさらに他端部側に電極部(第1電極部)11A、11B、11C、11Dを備えた導体(第1導体)13が、固着して薄く長く設けられている。
【0039】
また、フィルム状基材3の上記一方の面には、一端部側に端子部(第2端子部)15を備え他端部側に電極部(第2電極部)17A、17B、17C、17Dを備え上記導体13とは絶縁している導体(第2導体)19が、固着して薄く長く設けられている(図2参照)。
【0040】
上記フィルム状基材3の上記一方の面側には、絶縁体で構成されたスペーサ5(図3参照)を介し上記フィルム状基材3から僅かに離隔して上記フィルム状基材3とほぼ平行に、絶縁体で構成されたフィルム状部材7(図4参照)が設けられている。なお、上記スペーサ5は、両面に粘着性を備え、上記フィルム状基材3と上記フィルム状部材7とを固定している(図5、図6参照)。
【0041】
上記フィルム状部材7における上記フィルム状基材3側の面(図4の裏面)には、導体(第3導体)21A、21B、21C、21Dが固着して薄く設けられている。
【0042】
なお、図1に示す着座検出スイッチ1は、図2に示すフィルム状基材3の上(おもて面)に、図3に示すスペーサ5を裏返すことなくそのまま重ね、さらにスペーサ5の上(おもて面)に図4に示すフィルム状部材7を裏返すことなくそのまま重ねて構成されている。
【0043】
電極部11Aと電極部17Aとはたとえば対向して互いが近接して設けられており、電極部11Bと電極部17Bも同様に設けられ、電極部11Cと電極部17Cも同様に設けられ、電極部11Dと電極部17Dも同様に設けられている。なお、上記各電極部は、たとえば、櫛歯状に形成されている。
【0044】
また、上記スペーサ5には各貫通孔23A、23B、23C、23Dが設けられている(図5参照)。そして、図1に示すように、上記フィルム状基材3の所定の位置に、上記スペーサ5をたとえば貼り付けることによって固定した場合、上記電極部11Aと電極部17Aとに対応する位置に上記貫通孔23Aが位置し、同様に、上記電極部11Bと電極部17Bとに対応して上記貫通孔23Bが位置し、上記電極部11Cと電極部17Cとに対応して上記貫通孔23Cが位置し、上記電極部11Dと電極部17Dとに対応して上記貫通孔23Dが位置するようになっている。
【0045】
なお、上記貫通孔23Aは、上記各電極部11A、17Aが設けられている部位を取り囲んで、上記各電極部11A、17Aが設けられている部位よりも大きく形成されている。また、その他の上記各貫通孔23B、23C、23Dも、上記貫通孔23Aとほぼ同様に、上記各電極部11B、17B等が設けられている部位を取り囲んで、上記各電極部11B、17B等よりも大きく形成されている。
【0046】
さらに、上記フィルム状基材3に貼り付けられた上記スペーサ5の所定の位置に、上記フィルム状部材7をたとえば貼り付けることによって固定した場合、上記電極部11Aと電極部17Aと上記貫通孔23Aとに対応する位置に上記導体21Aが位置し、同様に、上記電極部11Bと電極部17Bと上記貫通孔23Bとに対応して上記導体21Bが位置し、上記電極部11Cと電極部17Cと上記貫通孔23Cとに対応して上記導体21Cが位置し、上記電極部11Dと電極部17Dと上記貫通孔23Dとに対応して上記導体21Dが位置するようになっている。
【0047】
上記貫通孔23Aは、上記導体21Aを取り囲んで上記導体21Aよりも大きく形成され、また、その他の上記各貫通孔23B、23C、23Dも、上記貫通孔23Aとほぼ同様に上記各導体21B、21C、21Dを取り囲んで上記各導体21B、21C、21Dよりも大きく形成されている。また、上記導体21Aは、上記電極部11Aと電極部17Aとの外径(上記電極部11Aの外径と電極部17Aの外径との包絡線の外径)を取り囲む大きさに形成されている。同様に、各導体21B、21C、21Dも、各電極部11A、17A等の外径を取り囲む大きさに形成されている。
【0048】
また、着座検出スイッチ1では、フィルム状基材3の一方の面に、たとえば長方形状に形成された上記端子部9と、同様に長方形状に形成された端子部15とが、互いに近接して平行に設けられており、上記各端子部9、15の間では、上記フィルム状基材3が連続してつながって形成されている(図1、図2参照)。
【0049】
なお、上記各端子部9、15が設けられている箇所およびこの近傍には、スペーサ5およびフィルム状部材7が設けられておらず、したがって、図1で示すように、スペーサ5およびフィルム状部材7端面の25は、上記各端子部9、15からやや離れたところに位置しており、上記各端子部9、15や導体13、19の一部(各端子部9、15側の一部)は露出している。
【0050】
上記各端子部9、15は、コネクタまたはハトメ等によって、ワイヤリングハーネスの各信号線27、29に接続されている(図1、図6参照)。なお、上記露出している導体13、19の部分に薄い絶縁性の被覆を施し、上記露出している導体13、19の部分を保護するようにしてもよい。なお、各電極部、各端子部、各導体は、好適には印刷などによって形成される。
【0051】
次に、上記着座検出スイッチ1の動作について説明する。
【0052】
上記着座検出スイッチ1は、常態では、上記フィルム状部材7の導体21Aが、上記各電極部11A、17Aと絶縁していることによって(少なくとも、上記電極部11A、上記電極部17Aのいずれか一方と絶縁していることによって)、上記電極部11Aと上記電極部17Aとが互いに絶縁されている(図5参照)。
【0053】
また、その他の各導体21B、21C、21Dも、その他の各電極部11B、17B等と絶縁している。この状態では、着座検出スイッチ1がオフした状態になっている。
【0054】
そして、上記座席に設置され上記座席に乗員が着座したときに、乗員の体重で、上記フィルム状基材3の一部(各電極部11A、17A等が設けられている部位)、上記フィルム状部材7の一部(各導体21A等が設けられている部位)のうちの少なくとも一方が撓み(図5に示す矢印AR1、矢印AR3方向の力によって撓み)、上記各導体21A、21B、21C、21Dのうちの少なくとも1つによって、上記各電極部11A、17A、上記各電極部11B、17B、上記各電極部11C、17C、上記各電極部11D、17Dのうちの少なくとも1組の電極部が互いに導通する。
【0055】
そして、上記導通によって、上記端子部(第1端子部)9と上記端子部(第2端子部)15とが互いに導通し、ワイヤリングハーネスの信号線を介し、着座検出スイッチ1がオンした状態になったことが上記自動車のたとえば制御装置(図示せず)に伝達される。
【0056】
着座検出スイッチ1によれば、各端子部9、15が、着座検出スイッチ1(フィルム状基材3)の一方の面に設けられているので、着座検出スイッチ1の各端子部9、15にワイヤリングハーネス等に設けられた電線(信号線)の接続用端子を接続する場合、上記着座検出スイッチ1を裏返す必要がなく、着座検出スイッチ1の各端子部9、15にワイヤリングハーネス等に設けられた電線等の接続用端子を接続することが容易になる。
【0057】
また、着座検出スイッチ1によれば、端子部9と端子部15とが、互いに近接して設けられており、上記各端子部9、15の間では、上記フィルム状基材3が連続してつながって形成されているので、たとえば、各信号線27、29のうちのいずれか一方に引っ張り力が働いても、上記フィルム状基材3の連続してつながって形成されている部分で、上記引っ張り力を受けることができ、着座検出スイッチ1から延出している信号線によって加わる引っ張り等の外力に対する強度が高くなっている。
【0058】
ここで、着座検出スイッチ1において、各電極部11A、17Aと導体21Aとで構成された部分をスイッチ部(接点))31Aとし、同様に、各電極部11B、17B等と導体21B等とで構成された部分を、それぞれ、スイッチ部31B、スイッチ部31C、スイッチ部31Dとする(図1参照)。なお、上述の記載から理解されるように、各スイッチ部31A、31B、31C、31Dによってオア回路が形成されている。
【0059】
着座検出スイッチ1では、4つのスイッチ部31A、31B、31C、31Dが形成されているが、スイッチ部の個数は1つであってもよいし、2つ以上の複数であってもよい。
【0060】
また、着座検出スイッチ1では、フィルム状基材3(着座検出スイッチ1)が各端子部9、15側では1本になって長く延びており、各スイッチ部31A、31B、31C、31D側では2つに分かれて長く延びているが、後述する第2の実施形態のように、フィルム状基材(着座検出スイッチ)の形状を他の形状に適宜変更してもよい。
【0061】
また、上記フィルム状基材の形状や上記スイッチ部の個数を変更したことに応じて、導体13や導体19の形状や設置位置を変更してもよい。
【0062】
また、各スイッチ部31A、31B、31C、31Dが形成されるのであれば、スペーサ5やフィルム状部材7を、図1に二点鎖線で示すように、たとえば円形状の各部材33A、33B、33C、33Dで形成してもよい。
【0063】
[第2の実施形態]
図7は、本発明の第2の実施形態に係る着座検出スイッチ41の概略構成を示す図である。
【0064】
着座検出スイッチ41は、フィルム状基材43、スペーサ45、フィルム状部材47の形状が第1の実施形態に係る着座検出スイッチ1とは異なり、また、9つの各スイッチ部49A〜49Iが設けられている点が、着座検出スイッチ1とは異なり、その他の点は、着座検出スイッチ1とほぼ同様に構成されている。なお、上記各スイッチ部49A〜49Iは、オア回路を構成している。
【0065】
すなわち、着座検出スイッチ41では、フィルム状基材43、スペーサ45、フィルム状部材47が、各端子部9、15が設けられている側とは反対側で3つに枝分かれしており、各枝に3つずつスイッチ部が設けられている。
【0066】
また、フィルム状基材43の端子部9、15が設けられている側には、スペーサ45とフィルム状部材47とが削除されている部位(部分)51が長く設けられている。
【0067】
次に、着座検出スイッチ41を自動車の座席53に設置した状態について説明する。
【0068】
図9は、着座検出スイッチ41を自動車の座席53に設置した状態を示す図である。なお、図9は、座席53の外側を覆っていた表皮を取り除いた状態を示す。したがって、座席53が設けられた自動車が販売され使用される状態では、着座検出スイッチ41は、上記表皮で覆われて、外部からは見えないようになっている。
【0069】
座席53は、着座部55と背もたれ部57とによって構成されており、上記着座部55の幅方向の中央部は、乗員の乗り心地を快くするために、前側部位55A、中間部位55B、後側部位55Cの3つの部位に分割されている。
【0070】
そして、着座検出スイッチ41は、上記後側部位55Cの表面に沿って、スペーサやフィルム状部材が削除されている部位51側が座席53の後方を向くように設置されている。さらに、上記部位51の先端部(座席53の後方側の先端部)が、上記着座部55と上記背もたれ部57との間に入り込んでおり、上記部位51の先端部に設けられた各端子部9、15からはワイヤリングハーネスが延出している。なお、上記各端子部9、15および上記ワイヤリングハーネスは、座席53のかげに隠れ、図9には現れていない。
【0071】
上記座席53に乗員が座ると、この乗員の体重で、上記各スイッチ部49A〜49Iのうちの少なくとも1つが導通(オン)すると共に、後側部位55Cのうちで、上記乗員の体重が多くかかる部位、すなわち、座席53では、後側部位55Cと背もたれ57との境目よりも僅かに前方の部位から始まって後側部位55Cと中間部位55Bに至るまでの部位が大きく下側に凹む。この凹みに伴って、上記着座検出スイッチ41の部位51で、上記着座検出スイッチ41が大きく湾曲する(撓む)。
【0072】
ところで、上記部位51は上述したように、スペーサ45とフィルム状部材47とが削除され、フィルム状基材43とこれに固着した導線で構成され、上記部位51において厚さが薄くなっている。
【0073】
したがって、上述のように、上記部位51で上記着座検出スイッチ41が厚さ方向に大きく湾曲しても(撓んでも)、上記部位51におけるフィルム状基材43に発生する応力が小さくなり、乗員が座席53に座りそして座席53から立ち上がる動作を繰り返すことによって、上記部位51で大きな湾曲が繰り返されても、上記部位51が破損しにくいようになっている。
【0074】
また、上記部位51には、両面に粘着性を備えたスペーサ45が設けられていないことから、大きな湾曲を繰り返しても、上記フィルム状基材43に固着して形成された各導線(第1導体)59A、(第2導体)59Bが、上記フィルム状基材43からスペーサ45へ転写されて剥離するおそれがなくなっており、したがって、上記各導線59A、59Bの断線による上記着座検出スイッチ41の故障の発生を極力抑えることができる。
【0075】
なお、上述の説明では、上記部位51を薄く形成することによって、上記部位51を湾曲に対して補強しているが、その他の構成によって上記部位51を補強してもよい。
【0076】
ここで、上記補強について、具体例を掲げて説明する。
【0077】
図8は、図7のVIII部を拡大した斜視図である。
【0078】
上記大きく湾曲する部分である部位51では、上記スペーサ45と上記フィルム状部材47とが上述したように削除され、上記第1導体(導線)59Aと上記第2導体(導線)59Bとを覆うように上記フィルム状基材43の上記一方の面に絶縁性の薄いレジスト層200を設けたことによって、上記大きく湾曲する部分(部位)51が補強されている。
【0079】
上記レジスト層200は、ポリエステル等の合成樹脂で構成され、印刷によって上記フィルム状基材43の上記一方の面に設けられている。なお、上記レジスト層200の厚さは15μm程度であって柔軟性を備えている。
【0080】
また、上記レジスト層200は、上記フィルム状基材43の上記一方の面に導体59A、導体59Bを形成した後、着座検出スイッチ41の大きく湾曲する部分(部位51)で上記フィルム状基材43の上記一方の面に形成される。
【0081】
上記フィルム状部材47は厚さが100μm程度の絶縁性の部材で構成され、上記スペーサ45は、たとえば、厚さが150μm程度の絶縁性の部材で構成され、上記フィルム状基材43と上記フィルム状部材47とを互いに張り合わせるために上記スペーサ45は両面に粘着層を備えている。なお、上記スペーサ45の厚さは、上記フィルム状基材43の接点と上記フィルム状部材47の接点とを常態で互いに離反させておくために必要な厚さである。
【0082】
ここで、着座検出スイッチ41のような板状の部材を、一方の面が凸状になり他方の面が凹状になるように、曲げモーメントを加えて湾曲させると、上記板状部材の厚さ方向の中心線のところでは、変形量がほぼゼロであるが、上記中心線から上記一方の面や上記他方の面に向うにしたがって(たとえばほぼ比例して)変形量が増加する。なお、上記一方の面側では、上記板状部材が伸び、上記他方の面側では、上記板状部材が縮む。
【0083】
そして、上記フィルム状部材47と上記スペーサ45とを備えた部分、換言すれば、上記フィルム状基材43と上記フィルム状部材47とが上記スペーサ45を介して互いに張り合わされている部分で、着座検出スイッチ41が大きく湾曲すると、層間の撓みが大きくなる。すなわち、上記フィルム状基材43、上記スペーサ45、上記フィルム状部材47の重ね合わせによって着座検出スイッチ41が厚くなっており、この厚さの中心線から上記フィルム状基材43の上記一方の面までの距離が大きくなっているので、上記フィルム状基材43の上記一方の面に設けられた導体(導線59Aや導線59B)の変形量が大きい。
【0084】
そして、湾曲によって、または、湾曲の繰り返しによって、上記フィルム状基材43の上記一方の面に設けられた導線(導線59Aや導線59B)が破損し断線するおそれが大きくなる。
【0085】
さらに、低温時に上記着座検出スイッチ41を大きく湾曲させると、上記スペーサ45に設けられた粘着層が硬化し、この硬化によって、上記フィルム状基材43の上記一方の面に設けられた導体(導線59Aや導線59B)が上記粘着層に転写されて、上記導体(導線59Aや導線59B)が破損し断線するおそれがある。
【0086】
しかし、着座検出スイッチ41の大きく湾曲する部分(部位51;テール部51)では、上記スペーサ45と上記フィルム状部材47とが削除され、上記各導体(導線59Aや導線59B)を覆うように上記フィルム状基材43の上記一方の面に絶縁性の薄いレジスト層200を設けてあるので、上記大きく湾曲する部分の厚さ方向の中心線から上記フィルム状基材43の上記一方の面までの距離が小さくなっており、上記フィルム状基材43の上記一方の面に設けられた導体(導線59Aや導線59B)の変形量が小さい。
【0087】
したがって、上記フィルム状基材43の上記一方の面に設けられた導体(導線59Aや導線59B)の変形量が、スペーサ45、フィルム状部材47が設けてある部分よりも小さく、破損による断線が発生しにくくなっている。さらに、上記レジスト層200は粘性層を備えておらず、さらに柔軟性を備えているので、低温時でも上記レジスト層200に上記導体(導線59Aや導線59B)が転写されるおそれがなく、転写による上記導体(導線59Aや導線59B)の断線は発生しない。
【0088】
ここで、理解を容易にするために、具体的な数値を掲げて説明するが、本実施形態は、以下の数値に限定されるものではなく、フィルム状基材43の一方の面に形成された導体(導線59Aや導線59B)が、着座検出スイッチ41の部位51の湾曲によって断線しにくくなっていれば、以下の数値を適宜変更することが可能である。
【0089】
フィルム状基材43の厚さを100μm、スペーサ45の厚さを150μm、フィルム状部材47の厚さを100μm、レジスト層200の厚さを15μmとする。なお、上記各部材の厚さに比べて極めて薄い導体(導線59Aや導線59B)の厚さ、およびスペーサ45の粘着層の厚さは無視する。
【0090】
スペーサ45、フィルム状部材47が設けられている部分では、着座検出スイッチ41の厚さが、350μm(100μm+150μm+100μm)になっている。したがって、上記部分の厚さ方向の中心線の位置は、着座検出スイッチ41の一方の面(フィルム状基材43の面)から175μm(350μm/2)のところに位置しており、また、フィルム状基材43に設けられた導体導線59Aや導線59B)の位置は、上記着座検出スイッチ41の一方の面から75μm(175μm−100μm)のところに位置している。
【0091】
一方、スペーサ45、フィルム状部材47が削除されてレジスト層200が設けられている部分では、着座検出スイッチ41の厚さが、115μm(100μm+15μm)になっている。したがって、上記部分の厚さ方向の中心線の位置は、着座検出スイッチ41の一方の面(フィルム状基材43の面)から57.5μm(115μm/2)のところに位置しており、また、フィルム状基材43に設けられた導体(導線59Aや導線59B)の位置は、上記着座検出スイッチ41の一方の面から42.5μm(100μm−57.5μm)のところに位置している。
【0092】
したがって、着座検出スイッチ41を同じ量だけ湾曲させた場合、スペーサ45、フィルム状部材47が削除されてレジスト層200が設けられている部分のほうが、スペーサ45、フィルム状部材47が設けられている部分よりも、導線の変形量が少ない。
【0093】
また、着座検出スイッチ41では、上記レジスト層200が、上記スペーサ45と上記フィルム状基材43との間に僅かに入り込んで形成されている。
【0094】
換言すれば、上記スペーサ45と上記フィルム状部材47とが存在している部位と上記大きく湾曲する部分を補強するために上記スペーサ45と上記フィルム状部材47とが削除されている部位との境界よりも、上記スペーサ45と上記フィルム状部材47とが存在している部位側に、レジスト層200が僅かな長さ延伸して、上記スペーサ45と上記フィルム状基材43との間に形成されている(図8のレジスト層200A参照)。すなわち、僅かな距離だけ、上記スペーサ45、上記フィルム状部材47と、上記レジスト層200とがオーバーラップして形成されている。
【0095】
上記着座検出スイッチ41によれば、上記スペーサ45、上記フィルム状部材47と、上記レジスト層200とがオーバーラップして形成されているので、上記スペーサ45と上記フィルム状部材47とが存在している部位と上記大きく湾曲する部分を補強するために上記スペーサ45と上記フィルム状部材47とが削除されている部位との境界において、上記フィルム状基材43に設けられた導体(導線59Aや導線58B)に応力が集中することを回避することができ、上記導体(導線59Aや導線58B)が破損し断線するおそれを少なくすることができる。
【0096】
また、着座検出スイッチ41では、上記レジスト層200の表面が柔軟性を備えた薄いフィルム状の保護テープ202で覆われている。
【0097】
なお、上記保護テープ202は、一方の面に粘着層を備えている。そして、上記フィルム状基材43の上記一方の面に導体(導線59Aや導線58B)を形成し、レジスト層200を形成し、スペーサ45、フィルム状部材47を設けた後、上記粘着層を用いて、上記レジスト層200の表面に上記保護テープ202が貼り付けられる。
【0098】
また、上記保護テープ202は、上記スペーサ45と上記フィルム状部材47とが存在している部位にオーバーラップして形成されていても(図8に示す202Aの部位が形成されていても)よいし、着座検出スイッチ41の上記レジスト層200、上記フィルム状部材47側の全面に形成されていてもよい。
【0099】
上記保護テープ202が設けられたことによって、レジスト層200を保護することができる。なお、上記レジスト層200が設けられていることによって、上記保護テープ202の粘着部が、上記フィルム状基材43の一方の面に設けられた導体(導線59Aや導線58B)と直接接触することがなく、したがって、着座検出スイッチ41を湾曲させた場合でも、上記導体(導線59Aや導線58B)の剥離を防止することができる。
【0100】
さらに、たとえば、保護テープ202の厚さを50μmとすると、スペーサ45、フィルム状部材47が設けられている部分では、着座検出スイッチ41の厚さが、350μm(100μm+150μm+100μm)になっている。したがって、上記部分の厚さ方向の中心線の位置は、着座検出スイッチ41の一方の面(フィルム状基材の面)から175μm(350μm/2)のところに位置しており、また、フィルム状基材43に設けられた導体の位置は、上記着座検出スイッチ41の一方の面から75μm(175μm−100μm)のところに位置している。
【0101】
一方、スペーサ45、フィルム状部材47が削除されてレジスト層200と保護テープ202とが設けられている部分では、着座検出スイッチ41の厚さが、165μm(100μm+15μm+50μm)になっている。したがって、上記部分の厚さ方向の中心線の位置は、着座検出スイッチ41の一方の面(フィルム状基材43の面)から82.5μm(165μm/2)のところに位置しており、また、フィルム状基材43に設けられた導体(導線59Aや導線58B)の位置は、上記着座検出スイッチ41の一方の面から17.5μm(100μm−82.5μm)のところに位置している。
【0102】
したがって、着座検出スイッチ41を同じ量だけ湾曲させた場合、保護テープ202が設けられている場合のほうが、保護テープ202が設けられていない場合よりも、導体(導線59Aや導線58B)の変形量が一層少ない。そして、湾曲による、導線の破損は一層おこりにくくなっている。
【0103】
[第3の実施形態]
図10は、本発明の第3の実施形態に係る着座検出スイッチ61の概略構成を示す図である。
【0104】
着座検出スイッチ61は、スペーサとフィルム状部材が削除されている各部位63A、63B、63Cが、各端子部9、15からさらに離れて、3つに枝分かれしたフィルム状基材63の中間部にそれぞれ長く形成されている点が、上記第2の実施形態に係る着座検出スイッチ41とは異なり、その他の点は、着座検出スイッチ41とほぼ同様に構成されている。
【0105】
次に、着座検出スイッチ61を自動車の座席73に設置した状態について説明する。
【0106】
図11は、着座検出スイッチ61を自動車の座席73に設置した状態を示す図である。
【0107】
座席73は、着座部75と背もたれ部77とによって構成されており、上記着座部75の幅方向の中央部は、乗員の乗り心地を快くするために、前側部位75A、中間部位75B、後側部位75Cの3つの部位に分割されている点は、上記座席53と同様であるが、上記中間部位75Bと上記後側部位75Cとの境目PL1が、上記座席53よりも後側に設けられている点が異なる。
【0108】
そして、着座検出スイッチ61の上記各部位63A、63B、63Cが、上記境目PL1にまたがって、着座検出スイッチ61が設置されている。
【0109】
上記座席73に乗員が座ると、この乗員の体重で、各スイッチ部49A〜49Iのうちの少なくとも1つが導通(オン)すると共に、後側部位75Cまたは中間部位75Bのいずれかに、上記乗員の体重が多くかかり、上記境目PL1に段差が生じ、この段差で、上記着座検出スイッチ61の上記各部位63A、63B、63Cが大きく湾曲する。
【0110】
上述のように、各部位63A、63B、63Cで上記着座検出スイッチ61が大きく湾曲しても、上記着座検出スイッチ41と同様に、薄く形成されている各部位63A、63B、63Cでの着座検出スイッチ61の破損や断線を極力防ぐことができる。また、第2の実施形態に係る着座検出スイッチ61と同様に、各部位63A、63B、63Cに、レジスト層や保護テープを設けてもよい。
【0111】
[第4の実施形態]
図12は、本発明の第4の実施形態に係る着座検出スイッチ81の概略構成を示す図である。
【0112】
なお、図12では、フィルム状基材に設けられた各導体、各電極部、各端子部のみを表示してある。
【0113】
着座検出スイッチ81は、スイッチ部83Aとスイッチ部83Bとがアンド回路83Cを構成し、スイッチ部85Aとスイッチ部85Bとがアンド回路85Cを構成し、さらに上記アンド回路83Cと上記アンド回路85Cとがオア回路を構成している点が、第1の実施形態に係る着座検出スイッチ1とは異なり、その他の点は、着座検出スイッチ1とほぼ同様に構成されている。
【0114】
すなわち、着座検出スイッチ81は、絶縁体で構成されたフィルム状の基材(図示せず)と、上記フィルム状基材の一方の面に固着して薄く長く設けられ、一端部側に端子部(第1端子部)86を備え、他端部側に電極部(第1電極部)87を備えた導体(第1導体)89と、上記フィルム状基材の上記一方の面に固着して薄く長く設けられ、一端部側に端子部(第2端子部)91を備え、他端部側に電極部(第2電極部)93を備え、上記第1導体89とは絶縁している導体(第2導体)95と、上記フィルム状基材の上記一方の面に固着して薄く設けられ、一端部側に第1電極部87に対応した電極部96を備え、他端部側に第2電極部93に対応した電極部97を備え、上記第1導体89および上記第2導体95とは絶縁している導体99を有する。
【0115】
また、着座検出スイッチ81は、上記フィルム状基材の上記一方の面側で、スペーサ(図示せず)を介し上記フィルム状基材から僅かに離隔し上記フィルム状基材とほぼ平行に設けられたフィルム状部材(図示せず)と、上記フィルム状部材における上記フィルム状基材側の面に固着して薄く設けられた導体(第3導体)101と、上記フィルム状部材における上記フィルム状基材側の面に固着して薄く設けられ、上記導体101とは絶縁している導体103とを有する。
【0116】
そして、着座検出スイッチ81が設置された座席に乗員が着座したときに、乗員の体重で、上記フィルム状基材の一部、上記フィルム状部材の一部のうちの少なくとも一方が撓み、上記導体101によって、上記電極部87と上記電極部96とが互いに導通し(スイッチ部83Aが導通し)、上記導体103によって、上記電極部93と上記電極部97とが互いに導通する(スイッチ部83Bが導通する)ように構成されている。
【0117】
なお、スイッチ部85A、85Bも、上記各スイッチ部83A、83Bとほぼ同様に構成されている。
【0118】
また、着座検出スイッチ81は、スイッチ部の一部がアンド回路を構成している点を除いて、第1の実施形態に係る着座検出スイッチ1とほぼ同様に動作し、ほぼ同様の効果を奏する。
【0119】
[第5の実施形態]
図13は、本発明の第5の実施形態に係る着座検出スイッチ111の概略構成を示す図である。
【0120】
図14は、上記着座検出スイッチ111のフィルム状基材113の概略構成を示す図であり、図15は、上記着座検出スイッチ111のスペーサ115の概略構成を示す図であり、図16は、上記着座検出スイッチ111のフィルム状部材117の概略構成を示す図である。
【0121】
なお、図13に示す着座検出スイッチ111は、図14に示すフィルム状基材113の上(おもて面)に、図15に示すスペーサ115を裏返すことなくそのまま重ね、さらにスペーサ115の上(おもて面)に図16に示すフィルム状部材117を裏返すことなくそのまま重ねて構成されている。
【0122】
着座検出スイッチ111では、一方の電極部とこの一方の電極部から延出している一方の導体と2つの端子部とがフィルム状基材に設けられ、他方の電極部とこの他方の電極部から延出している他方の導体とが他方のフィルム状部材(フィルム状基材)に設けられ、上記各電極部がスイッチ部を構成している点が、第1の実施形態に係る着座検出スイッチ1とは異なり、その他の点は、着座検出スイッチ1とほぼ同様に構成されている。
【0123】
すなわち、着座検出スイッチ111は、絶縁体で構成されたフィルム状基材113を備え、このフィルム状基材113の一方の面(図14のおもて面)には、一端部側に端子部(第1端子部)119を備え、他端部側に各電極部(第1電極部)121A〜121Dを備えた導体(第1導体)123が固着されて長く薄く設けられている。
【0124】
また、絶縁体で構成されたフィルム状部材117が、上記フィルム状基材113の上記一方の面側で、絶縁体で構成されたスペーサ115を介し、上記フィルム状基材113から僅かに離隔し上記フィルム状基材113とほぼ平行に設けられている(図13参照)。
【0125】
フィルム状部材117の上記フィルム状基材113側の一方の面には、一端部側に各電極部(第4電極部)125A〜125Dを備え他端部側に電極部(第3電極部)127を備えた導体(第3導体)129が固着されて長く設けられている(図13、図16参照)。
【0126】
また、上記フィルム状基材113の上記一方の面には、一端部側に端子部(第2端子部)131を備え、他端部側に上記導体129の電極部127と導通した電極部(第2電極部)133を備え、上記導体123とは絶縁している導体(第2導体)135が、固着されて長く設けられている(図14参照)。
【0127】
そして、着座検出スイッチ111が設けられた座席に乗員が着座したときに、乗員の体重で、上記フィルム状基材113の一部、上記フィルム状部材117の一部のうちの少なくとも一方が撓み、上記各電極部121A〜121Dと上記電極部125A〜125Dとが互いに導通するように構成されている。
【0128】
なお、上記各電極部121A〜121D、125A〜125Dに対応する上記スペーサ115の位置には、上記各電極部よりも大きな各貫通孔137A〜137Dが形成され、各電極部127、133に対応する位置には、上記各電極部よりも大きな貫通孔137Eが形成されている(図13、図15参照)。
【0129】
このように構成されていることによっても、上記第1の実施形態にかかる着座検出スイッチ1とほぼ同様に動作し、ほぼ同様の効果を奏する。
【0130】
なお、上記着座検出スイッチ111においては、必ずしも上述のように構成されている必要はない。すなわち、各端子部119、131のそれぞれに導通している各接点(各スイッチ部)を内部に備え、座席の表皮の裏側に配置されて上記座席に乗員が着座しているか否かを上記各接点が互いに導通したか否かによって上記各端子部119、131間で検出可能な薄い膜状の着座検出スイッチを形成し、しかも、上記各端子部119、131が、上記膜状の着座検出スイッチの一方の面に設けられていれば、上記着座検出スイッチ111の構成を適宜変更してもよい。
【0131】
また、上記第1の実施形態に係る着座検出スイッチ、上記第4の実施形態に係る着座検出スイッチ、上記第5の実施形態に係る着座検出スイッチにおいても、大きく湾曲する部位を、上記第2の実施形態に係る着座検出スイッチ61と同様に補強することができる。
【0132】
また、上記各実施の形態では、自動車の座席を例に掲げ説明しているが、自動車以外に乗り物の座席、その他乗り物以外に使用される座席(たとえば、事務用の椅子)等にも、上記各実施形態に係る座席を適用することができる。
【0133】
次に、第6の実施形態から第9の実施形態に係る着座検出スイッチについて説明する。
【0134】
本発明の第6の実施形態から第9の実施形態に係る着座検出スイッチは、フィルム状基材と板状のスペーサとフィルム状部材と第1端子部と第2端子部とを具備する。また、上記着座検出スイッチは、上記フィルム状基材と上記フィルム状部材とが、上記スペーサを間にして(上記スペーサの両面のそれぞれと接触して)互いに離反して平行に設けられており、座席に設置され上記座席に乗員が着座したときに、乗員の体重で上記フィルム状基材の一部、上記フィルム状部材の一部のうちの少なくとも一方が撓み、上記第1端子部と上記第2端子部とが互いに導通する構成の着座検出スイッチである。
【0135】
また、着座検出スイッチの、乗員が座ることによって大きく湾曲する部分には、上記スペーサに代えて、上記スペーサよりも薄い両面テープが設けられている。
【0136】
ここで、本発明の実施形態に係る上記着座検出スイッチの具体例を、以下に示す第6の実施形態〜第9の実施形態を用いて説明する。
【0137】
[第6の実施形態]
図17は、本発明の第6の実施形態に係る着座検出スイッチ401の概略構成を示す図である。
【0138】
図18は、着座検出スイッチ401のフィルム状基材403の概略構成を示す図であり、図19は、上記着座検出スイッチ401のスペーサ405の概略構成を示す図であり、図20は、上記着座検出スイッチ401のフィルム状部材407の概略構成を示す図である。
【0139】
また、図21は、図17におけるXXIA−XXIB断面を示す図であり、図22は、図17におけるXXIIA−XXIIB断面を示す図である。なお、図21や図22では着座検出スイッチ401の厚さ方向(図21の上下方向、図22の左右方向)を拡大して描いてある。
【0140】
着座検出スイッチ401は、上述したように、たとえば自動車の座席(シート)の表皮の裏側に配置され、上記座席に乗員が着座しているか否かを検出可能な薄い膜状の着座検出スイッチであり、絶縁体で構成されたフィルム状基材403(図17、図18参照)を備える。
【0141】
上記フィルム状基材403の一方の面(図18の表側の面;着座検出スイッチ401に組み込まれた場合に、後述するスペーサ405に接してフィルム状部材407の側に位置する面)には、一端部側に端子部(第1端子部)409を備えさらに他端部側に電極部(接点部;第1電極部)411A、411B、411C、411Dを備えた導体(導通経路;第1導体)413が、固着して薄く長く設けられている(図18参照)。
【0142】
また、フィルム状基材403の上記一方の面には、一端部側に端子部(第2端子部)415を備え他端部側に電極部(第2電極部)417A、417B、417C、417Dを備え上記導体413とは絶縁している導体(第2導体)419が、固着して薄く長く設けられている(図18参照)。
【0143】
上記フィルム状基材403の上記一方の面側には、絶縁体で構成されたスペーサ405(図19参照)を介し上記フィルム状基材403から僅かに離隔して上記フィルム状基材403とほぼ平行に、絶縁体で構成されたフィルム状部材407(図20参照)が設けられている。なお、上記スペーサ405は、両面に粘着性を備え、上記フィルム状基材403と上記フィルム状部材407とを固定している(図17、図21、図22参照)。
【0144】
上記フィルム状部材407の一方の面(図20の裏側の面;着座検出スイッチ401に組み込まれた場合に、上記スペーサ405に接して上記フィルム状基材403の側に位置する面)には、導体(第3導体)421A、421B、421C、421Dが固着して薄く設けられている。
【0145】
なお、図17に示す着座検出スイッチ401は、図18に示すフィルム状基材403の上(おもて面)に、図19に示すスペーサ405を裏返すことなくそのまま重ね、さらにスペーサ405の上(おもて面)に図20に示すフィルム状部材407を裏返すことなくそのまま重ねて構成されている。したがって、上記フィルム状基材403の上記一方の面と上記フィルム状部材407の上記一方の面とは互いに対向している。
【0146】
上記フィルム状基材403では、電極部411Aと電極部417Aとはたとえば対向して互いが近接して設けられており、電極部411Bと電極部417Bも同様に設けられ、電極部411Cと電極部417Cも同様に設けられ、電極部411Dと電極部417Dも同様に設けられている。なお、上記各電極部は、たとえば、櫛歯状(図示せず)に形成されている。
【0147】
また、上記スペーサ405には各貫通孔423A、423B、423C、423Dが設けられている(図21参照)。そして、図17に示すように、上記フィルム状基材403の所定の位置に、上記スペーサ405をたとえば貼り付けることによって固定した場合、上記電極部411Aと電極部417Aとに対応する位置に上記貫通孔423Aが位置し、同様に、上記電極部411Bと電極部417Bとに対応して上記貫通孔423Bが位置し、上記電極部411Cと電極部417Cとに対応して上記貫通孔423Cが位置し、上記電極部411Dと電極部417Dとに対応して上記貫通孔423Dが位置するようになっている。
【0148】
なお、上記貫通孔423Aは、上記各電極部411A、417Aが設けられている部位を取り囲んで、上記各電極部411A、417Aが設けられている部位よりも大きく形成されている。また、その他の上記各貫通孔423B、423C、423Dも、上記貫通孔423Aとほぼ同様に、上記各電極部411B、417B等が設けられている部位を取り囲んで、上記各電極部411B、417B等よりも大きく形成されている。
【0149】
さらに、上記フィルム状基材403に貼り付けられた上記スペーサ405の所定の位置に、上記フィルム状部材407をたとえば貼り付けることによって固定した場合、上記電極部411Aと電極部417Aと上記貫通孔423Aとに対応する位置に上記導体421Aが位置し、同様に、上記電極部411Bと電極部417Bと上記貫通孔423Bとに対応して上記導体421Bが位置し、上記電極部411Cと電極部417Cと上記貫通孔423Cとに対応して上記導体421Cが位置し、上記電極部411Dと電極部417Dと上記貫通孔423Dとに対応して上記導体421Dが位置するようになっている。
【0150】
上記貫通孔423Aは、上記導体421Aを取り囲んで上記導体421Aよりも大きく形成され、また、その他の上記各貫通孔423B、423C、423Dも、上記貫通孔423Aとほぼ同様に上記各導体421B、421C、421Dを取り囲んで上記各導体421B、421C、421Dよりも大きく形成されている。また、たとえば、上記導体421Aは、上記電極部411Aと電極部417Aとの外径(上記電極部411Aの外径と電極部417Aの外径との包絡線の外径)を取り囲む大きさに形成されている。同様に、各導体421B、421C、421Dも、各電極部411A、417A等の外径を取り囲む大きさに形成されている。
【0151】
また、着座検出スイッチ401では、フィルム状基材403の一方の面に、たとえば長方形状に形成された上記端子部409と、同様に長方形状に形成された端子部415とが、互いに近接して平行に設けられており、上記各端子部409、415の間では、上記フィルム状基材403が連続してつながって形成されている(図17、図18参照)。
【0152】
上記各端子部409、415が設けられている箇所およびこのごく近傍には、フィルム状部材407が設けられておらず、したがって、図17で示すように、フィルム状部材407の端面426は、上記各端子部409、415から僅かに離れたところに位置しており、上記各端子部409、415や導体413、419の一部(各端子部409、415側の一部)は露出している。
【0153】
また、上記各端子部409、415が設けられている箇所の近傍から、上記各端子部409、415から離れる方向へ一定の距離だけ向かった位置までの間の部位(図17に示すフィルム状部材407の端面426とスペーサ405の端面425との間の部位)428では、図22に示すように、上記スペーサ405に代えて、上記スペーサ405よりも薄い両面テープ430が設けられている。
【0154】
上記両面テープ430は、表(おもて)面および裏面に粘着性を備えてフィルム状に形成されており、したがって、上記両面テープ430によって、スペーサ405の場合と同様に、上記フィルム状基材403と上記フィルム状部材407とが固定されている。
【0155】
また、上記両面テープ430は、たとえば、柔軟性を備えた不織布等の基材に粘着剤を含浸して形成され、または、基材を用いないで、たとえば、粘性が高く流動しにくい粘着剤のみで形成されている。
【0156】
上記各端子部409、415は、コネクタまたはハトメ等によって、ワイヤリングハーネスの各信号線427、429に接続されている(図17、図22参照)。
【0157】
次に、上記着座検出スイッチ401の動作について説明する。
【0158】
上記着座検出スイッチ401は、常態では、上記フィルム状部材407の導体421Aが、上記各電極部411A、417Aと絶縁していることによって(少なくとも、上記電極部411A、上記電極部417Aのいずれか一方と絶縁していることによって)、上記電極部411Aと上記電極部417Aとが互いに絶縁されている(図21参照)。
【0159】
また、その他の各導体421B、421C、421Dも、その他の各電極部411B、417B等と絶縁している。この状態では、着座検出スイッチ401がオフした状態になっている。
【0160】
そして、上記座席に設置され上記座席に乗員が着座したときに、乗員の体重で、上記フィルム状基材403の一部(各電極部411A、417A等が設けられている部位)、上記フィルム状部材407の一部(各導体421A等が設けられている部位)のうちの少なくとも一方が撓み(図21に示す矢印AR1、矢印AR3方向の力によって撓み)、上記各導体421A、421B、421C、421Dのうちの少なくとも1つによって、上記各電極部411A、417A、上記各電極部411B、417B、上記各電極部411C、417C、上記各電極部411D、417Dのうちの少なくとも1組の電極部が互いに導通する。
【0161】
そして、上記導通によって、上記端子部と上記端子部415とが互いに導通し、ワイヤリングハーネスの信号線を介し、着座検出スイッチ401がオンした状態になったことが上記自動車のたとえば制御装置(図示せず)に伝達される。
【0162】
なお、上記着座検出スイッチ401を座席に設置した場合、たとえば、上記部位428(図17参照)が、乗員が座ることによって大きく湾曲する部分に該当する。
【0163】
着座検出スイッチ401によれば、上記大きく湾曲する部428では、スペーサ405の代わりに、このスペーサ405よりも薄い両面テープが設けられているので、上記部位428で着座検出スイッチ401の厚さが薄くなっている。
【0164】
ここで、着座検出スイッチ401のような板状の部材を、一方の面が凸状になり他方の面が凹状になるように、曲げモーメントを加えて湾曲させると、上記板状部材の厚さ方向の中心線のところでは、変形量がほぼゼロであるが、上記中心線から上記一方の面や上記他方の面に向うにしたがって(たとえばほぼ比例して)変形量が増加する。なお、上記一方の面側では、上記板状部材が伸び、上記他方の面側では、上記板状部材が縮む。
【0165】
そして、上記フィルム状基材403と上記フィルム状部材407と上記スペーサ405とを備えた部分、換言すれば、上記フィルム状基材403と上記フィルム状部材407とが上記スペーサ405を介して互いに張り合わされている部分で、着座検出スイッチ401が大きく湾曲すると、層間の撓みが大きくなる。
【0166】
すなわち、上記フィルム状基材403と上記フィルム状部材407と上記スペーサ405とを備えた部分では、上記フィルム状基材403、上記スペーサ405、上記フィルム状部材407の重ね合わせによって着座検出スイッチ401が厚くなっており、この厚さの中心線から上記フィルム状基材403の他方の面(スペーサ405とは反対側の面)までの距離、および、この厚さの中心線から上記フィルム状部材407の他方の面(スペーサ405とは反対側の面)までの距離は共に大きくなっている。
【0167】
一方、着座検出スイッチ401の部位428では、スペーサ405よりも薄い両面テープ430を用いたことによって、着座検出スイッチ401が薄くなっており、部位428における着座検出スイッチ401の厚さ方向の中心線から上記フィルム状基材403の他方の面(スペーサ405とは反対側の面)までの距離、および、上記中心線から上記フィルム状部材407の他方の面(スペーサ405とは反対側の面)までの距離は共に小さくなっている。
【0168】
したがって、上記部位428で、上記着座検出スイッチ401が厚さ方向に大きく湾曲しても(撓んでも)、上記部位428におけるフィルム状基材403やフィルム状部材407に発生する歪みと応力が小さくなり、乗員が座席に座りそして座席から立ち上がる動作を繰り返すことによって、上記部位428で大きな湾曲が繰り返されても、上記部位428が破損しにくいようになっている。
【0169】
つまり、座席に乗員が着座しているか否かを検出可能な薄い膜状の着座検出スイッチ401が座席に設置され、この座席への乗員の着座によって大きく湾曲しても、上記着座検出スイッチ401が破損しにくくなっている。
【0170】
また、上記部位428で、上記着座検出スイッチ401が厚さ方向に大きく湾曲しても(撓んでも)、上記部位428におけるフィルム状基材403に設けられている各導線413、419に発生する歪みと応力が、上記スペーサ405が存在している部位よりも小さくなり、乗員が座席に座りそして座席から立ち上がる動作を繰り返すことによって、上記部位428で大きな湾曲が繰り返されても、上記各導線413、419が両面テープ430に転写されて破損されるおそれが小さくなっている。
【0171】
つまり、上記部位428には、両面に粘着性を備えたスペーサ405の代わりに、上記スペーサ405よりも薄く、しかも柔軟性を備えた両面テープ430が設けられているので、上記部位428が大きな湾曲を繰り返しても、上記フィルム状基材403に固着して形成された各導体(上記両面テープ430と接する各導線)413、419が、上記フィルム状基材403から両面テープ430へ転写されて剥離するおそれが少なくなっており、したがって、上記各導線(導体)413、419の断線による上記着座検出スイッチ401の故障の発生を極力抑えることができる。
【0172】
さらに、上記両面テープ430は、低温時においても、一般的に柔軟性を損なわれないので、低温時に着座検出スイッチ401が部位428で大きく湾曲しても、上記各導線413、419が両面テープ430へ転写されるおそれは少なく、転写による上記各導線413、419の断線は発生しにくい。
【0173】
ここで、理解を容易にするために、具体的な数値を掲げて説明するが、本実施形態は、以下の数値に限定されるものではなく、フィルム状基材403の一方の面に形成された導体(導線413や導線419)等が、着座検出スイッチ401の部位428の湾曲によって断線しにくくなっていれば、以下の数値を適宜変更することが可能である。
【0174】
フィルム状基材403の厚さを100μm、スペーサ405の厚さを150μm、フィルム状部材407の厚さを100μm、両面テープ430の厚さを15μmとする。なお、上記各部材の厚さに比べて極めて薄い導体(導線413や導線419)の厚さ、およびスペーサ405の粘着層の厚さは無視する。なお、上記スペーサ405の厚さは、上記フィルム状基材403の接点と上記フィルム状部材407の接点とを常態で互いに離反させておくために必要な厚さである。
【0175】
スペーサ405、フィルム状部材407が設けられている部分では、着座検出スイッチ401の厚さが、350μm(100μm+150μm+100μm)になっている。したがって、上記部分の厚さ方向の中心線の位置は、着座検出スイッチ401の一方の面(フィルム状基材403の面)から175μm(350μm/2)のところに位置しており、また、フィルム状基材403に設けられた導体413や導線419の位置は、上記着座検出スイッチ401の一方の面から75μm(175μm−100μm)のところになっている。
【0176】
一方、スペーサ405が削除されて両面テープ430が設けられている部分では、着座検出スイッチ401の厚さが、215μm(100μm+15μm+100μm)になっている。したがって、上記部分の厚さ方向の中心線の位置は、着座検出スイッチ401の一方の面(フィルム状基材403の面)から107.5μm(215μm/2)のところに位置しており、また、フィルム状基材403に設けられた導体(導線413や導線419)の位置は、上記着座検出スイッチ401の一方の面から7.5μm(107.5μm−100μm)のところになっている。
【0177】
したがって、着座検出スイッチ401を同じ量だけ湾曲させた場合、スペーサ405が削除されて両面テープ430が設けられている部分のほうが、スペーサ405が設けられている部分よりも、フィルム状基材403、フィルム状部材407、各導線413、419の変形量が少なく、フィルム状基材403、フィルム状部材407、各導線413、419に発生する応力が小さいということになる。
【0178】
また、着座検出スイッチ401によれば、各端子部409、415が、着座検出スイッチ401(フィルム状基材403)の一方の面に設けられているので、着座検出スイッチ401の各端子部409、415にワイヤリングハーネス等に設けられた電線(信号線)の接続用端子を接続する場合、上記着座検出スイッチ401を裏返す必要がなく、着座検出スイッチ401の各端子部409、415にワイヤリングハーネス等に設けられた電線等の接続用端子を接続することが容易になる。
【0179】
また、着座検出スイッチ401によれば、端子部409と端子部415とが、互いに近接して設けられており、上記各端子部409、415の間では、上記フィルム状基材403が連続してつながって形成されているので、たとえば、各信号線427、429のうちのいずれか一方に引っ張り力が働いても、上記フィルム状基材403の連続してつながって形成されている部分で、上記引っ張り力を受けることができ、着座検出スイッチ401から延出している信号線によって加わる引っ張り等の外力に対する強度が高くなっている。
【0180】
ここで、着座検出スイッチ401において、各電極部411A、417Aと導体421Aとで構成された部分をスイッチ部(接点)431Aとし、同様に、各電極部411B、417B等と導体421B等とで構成された部分を、それぞれ、スイッチ部431B、スイッチ部431C、スイッチ部431Dとする(図17参照)。なお、上述の記載から理解されるように、各スイッチ部431A、431B、431C、431Dによってオア回路が形成されているが、各スイッチ部431A、431B、431C、431Dによってアンド回路を構成するようにしてもよい。
【0181】
また、着座検出スイッチ401では、4つのスイッチ部431A、431B、431C、431Dが形成されているが、スイッチ部の個数は1つであってもよいし、2つ以上の複数であってもよい。
【0182】
また、着座検出スイッチ401では、フィルム状基材403(着座検出スイッチ401)が各端子部409、415側では1本になって長く延びており、各スイッチ部431A、431B、431C、431D側では2つに分かれて長く延びているが、後述する第7の実施形態のように、フィルム状基材(着座検出スイッチ)の形状を他の形状に適宜変更してもよい。
【0183】
また、上記フィルム状基材の形状や上記スイッチ部の個数を変更したことに応じて、導体413や導体419の形状や設置位置を変更してもよい。
【0184】
また、各スイッチ部431A、431B、431C、431Dが形成されるのであれば、スペーサ405やフィルム状部材407を、図17に二点鎖線で示すように、たとえば円形状の各部材433A、433B、433C、433Dで形成してもよい。
【0185】
[第7の実施形態]
図23は、本発明の第7の実施形態に係る着座検出スイッチ441の概略構成を示す図である。
【0186】
着座検出スイッチ441は、フィルム状基材443、スペーサ445、フィルム状部材447の形状が第6の実施形態に係る着座検出スイッチ401とは異なり、また、9つの各スイッチ部449A〜449Iが設けられている点が、着座検出スイッチ401とは異なり、その他の点は、着座検出スイッチ401とほぼ同様に構成されている。なお、上記各スイッチ部449A〜449Iは、オア回路を構成している。
【0187】
すなわち、着座検出スイッチ441では、フィルム状基材443、スペーサ445、フィルム状部材447が、各端子部409、415が設けられている側とは反対側で3つに枝分かれしており、各枝に3つずつスイッチ部が設けられている。
【0188】
また、フィルム状基材443の端子部409、415が設けられている側には、スペーサ445の代わりに、このスペーサ445よりも薄い両面テープ(上記第6の実施形態に係る両面テープ430とほぼ同様に構成された両面テープ)430Aが設けられている部位(部分)451が長く形成されている。
【0189】
次に、着座検出スイッチ441を自動車の座席453に設置した状態について説明する。
【0190】
図24は、着座検出スイッチ441を自動車の座席453に設置した状態を示す図である。なお、図24は、座席453の外側を覆っていた表皮を取り除いた状態を示す。したがって、座席453が設けられた自動車が販売され使用される状態では、着座検出スイッチ441は、上記表皮で覆われて、外部からは見えないようになっている。
【0191】
座席453は、着座部455と背もたれ部457とによって構成されており、上記着座部455の幅方向の中央部は、乗員の乗り心地を快くするために、前側部位455A、中間部位455B、後側部位455Cの3つの部位に分割されている。
【0192】
そして、着座検出スイッチ441は、上記後側部位455Cの表面に沿って、スペーサやフィルム状部材が削除されている部位451側が座席453の後方を向くように設置されている。さらに、上記部位451側の先端部(座席453の後方側の先端部)が、上記着座部455と上記背もたれ部457との間に入り込んでおり、上記部位451の先端部に設けられた各端子部409、415からはワイヤリングハーネスが延出している。なお、上記各端子部409、415および上記ワイヤリングハーネスは、座席453のかげに隠れ、図24には現れていない。
【0193】
上記座席453に乗員が座ると、この乗員の体重で、上記各スイッチ部449A〜449Iのうちの少なくとも1つが導通(オン)すると共に、後側部位455Cのうちで、上記乗員の体重が多くかかる部位、すなわち、座席453では、後側部位455Cと背もたれ457との境目よりも僅かに前方の部位から始まって後側部位455Cと中間部位455Bに至るまでの部位が大きく下側に凹む。この凹みに伴って、上記着座検出スイッチ441の部位451で、上記着座検出スイッチ441が大きく湾曲する(撓む)。
【0194】
着座検出スイッチ441によれば、着座検出スイッチ401とほぼ同様に構成されているので、着座検出スイッチ401と同様に動作し、ほぼ同様の効果を奏することができる。
【0195】
すなわち、たとえば、上記部位451では上述したように、スペーサ445の代わりに両面テープ430Aが設けられ、着座検出スイッチ441は上記部位451において厚さが薄くなっている。
【0196】
したがって、着座検出スイッチ401のように、上記部位451で上記着座検出スイッチ441が厚さ方向に大きく湾曲しても(撓んでも)、上記部位451におけるフィルム状基材443に発生する応力が小さくなり、乗員が座席453に座りそして座席453から立ち上がる動作を繰り返すことによって、上記部位451で大きな湾曲が繰り返されても、上記部位451が破損しにくいようになっている。
【0197】
また、上記部位451には、両面に粘着性を備えたスペーサ445が設けられていないことから、大きな湾曲を繰り返しても、上記フィルム状基材443に固着して形成された各導線459A、459Bが、上記フィルム状基材443からスペーサ445へ転写されて剥離するおそれがなくなっており、したがって、上記各導線459A、459Bの断線による上記着座検出スイッチ441の故障の発生を極力抑えることができる。
【0198】
[第8の実施形態]
図25は、本発明の第8の実施形態に係る着座検出スイッチ461の概略構成を示す図である。
【0199】
着座検出スイッチ461は、スペーサが削除され代わりに両面テープ430Bが設けられている各部位463A、463B、463Cが、各端子部409、415からさらに離れて、3つに枝分かれしたフィルム状基材463の中間部にそれぞれ長く形成されている点が、上記第7の実施形態に係る着座検出スイッチ441とは異なり、その他の点は、着座検出スイッチ441とほぼ同様に構成されている。
【0200】
着座検出スイッチ461によれば、着座検出スイッチ401、441とほぼ同様に構成されているので、着座検出スイッチ401、441とほぼ同様に動作し、ほぼ同様の効果を奏することができる。
【0201】
ここで、着座検出スイッチ461を自動車の座席473に設置した状態について説明する。
【0202】
図26は、着座検出スイッチ461を自動車の座席473に設置した状態を示す図である。
【0203】
座席473は、着座部475と背もたれ部477とによって構成されており、上記着座部475の幅方向の中央部は、乗員の乗り心地を快くするために、前側部位475A、中間部位475B、後側部位475Cの3つの部位に分割されている点は、上記座席453と同様であるが、上記中間部位475Bと上記後側部位475Cとの境目PL1が、上記座席453よりも後側に設けられている点が異なる。
【0204】
そして、着座検出スイッチ461の上記各部位463A、463B、463Cが、上記境目PL1にまたがって、着座検出スイッチ461が設置されている。
【0205】
上記座席473に乗員が座ると、この乗員の体重で、各スイッチ部449A〜449Iのうちの少なくとも1つが導通(オン)すると共に、後側部位475Cまたは中間部位475Bのいずれかに、上記乗員の体重が多くかかり、上記境目PL1に段差が生じ、この段差で、上記着座検出スイッチ461の上記各部位463A、463B、463Cが大きく湾曲する。
【0206】
このように、各部位463A、463B、463Cで上記着座検出スイッチ461が大きく湾曲しても、上記着座検出スイッチ441と同様に、薄く形成されている各部位463A、463B、463Cでの着座検出スイッチ461の破損や断線を極力防ぐことができる。
【0207】
[第9の実施形態]
第9の実施形態では、フィルム状基材やフィルム状部材に設けられた導体や端子部の構成が、上記第6の実施形態から上記第8の実施形態とは異なり、その他の点は、上記第6の実施形態から上記第8の実施形態とほぼ同様に構成されている。
【0208】
すなわち、上記第6の実施形態から上記第8の実施形態では、フィルム状基材に各端子部と各導体とが設けられ、フィルム状部材に導体が設けられ、このフィルム状導体に設けられた導体によって、上記各端子部が互いに導通するように構成されているが、第9の実施形態では、フィルム状基材とフィルム状部材とのそれぞれに端子部および導体が設けられ、上記フィルム状基材に設けられた導体と上記フィルム状部材に設けられた導体とが互いに導通することによって、上記フィルム状基材に設けられた端子部と上記フィルム状部材に設けられた端子部とが互いに導通するようになっている。
【0209】
つまり、第9の実施形態に係る着座検出スイッチは、絶縁体で構成された上記フィルム状基材の一方の面(フィルム状部材側の面;上記スペーサ側の面)に固着して長く設けられ一端部側に上記第1端子部を備え他端部側に第1電極部を備えた第1導体と、絶縁体で構成された上記フィルム状部材の一方の面(フィルム状基材側の面;上記スペーサ側に面)に固着して長く設けられ一端部側に上記第2端子部を備え他端部側に第2電極部を備えた第2導体とを備え、(上記フィルム状基材の一方の面と上記フィルム状部材の一方の面とが互いに対向しており、)座席に設置され上記座席に乗員が着座したときに、上記第1電極部と上記第2電極部とが互いに接触し、上記第1端子部と上記第2端子部とが互いに導通するようになっている。
【0210】
したがって、第9の実施形態に係る着座検出スイッチによれば、上記各実施形態に係る着座検出スイッチと同様に、大きく湾曲する部位で、破損や断線等が発生しにくいという効果を奏する。
【0211】
[第10の実施形態]
図27は、本発明の第10の実施形態に係る着座検出スイッチ201の概略構成を示す図である。
【0212】
着座検出スイッチ201は、上記従来の着座検出スイッチ300や上記第5の実施形態に係る着座検出スイッチ111と同様に、たとえば、人が着座可能なシートの表皮の裏側に配して使用され、シートに着座した乗員の体重により動作し、シート(座席)へ乗員が着座しているか否かを検出する着座検出装置として使用される。
【0213】
着座検出スイッチ201は、上述した従来の着座検出スイッチ300のスペーサ304(図55参照)と同様のスペーサを備えており、このスペーサ304の一方の面にフィルム状基材203(図28参照)を配置し、上記スペーサ304の他方の面にフィルム状部材205(図29参照)を配置して構成されている。なお、上記フィルム状基材203と上記スペーサ304とは、たとえば、粘着剤によって接着され、上記フィルム状部材205と上記スペーサ304も、同様に、粘着剤によって接着されている。
【0214】
着座検出スイッチ201の接点部における断面(着座検出スイッチ201の厚さ方向に延伸している平面による断面;図27に示すLIIIA−LIIIB断面)は、従来の着座検出スイッチ300と同様に形成されている(図53参照)。
【0215】
次に、着座検出スイッチ201を構成しているフィルム状基材203について詳しく説明する。
【0216】
図28は、着座検出スイッチ201を構成するフィルム状基材203の概略構成を示す図である。
【0217】
フィルム状基材203は、PEN樹脂、PET樹脂等の絶縁体でフィルム状に薄く構成され、可撓性を備えている。
【0218】
また、フィルム状基材203は、薄く形成されていると共に所定の幅で帯状に長く形成されている基端部側部位203Aを備え、この基端部側部位203Aの先端部側には、薄く形成されていると共に所定の幅で帯状に長く形成されている中間部位203Bが一体的に設けられている。
【0219】
上記基端部側部位203Aの長手方向と上記中間部位203Bとの長手方向とはほぼ直交していると共に、上記中間部位203Bの長手方向の中央部が上記基端部側部位203Aの上記先端部側に接続しており、上記基端部側部位203Aと上記中間部位203Bとにより「T」字状の部位が形成されている。
【0220】
上記中間部位203Bの長手方向の一端部には、薄く形成されていると共に所定の幅で帯状に長く形成されている第1の先端部側部位203Cが一体的に設けられており、上記中間部位203Bの長手方向と上記第1の先端部側部位203Cとの長手方向とはほぼ直交していると共に、上記第1の先端部側部位203Cの長手方向の中央部が上記中間部位203Bの長手方向の一端部に接続している。
【0221】
また、上記中間部位203Bの長手方向の他端部には、上記第1の先端部側部位203Cと同様に構成された第2の先端部側部位203Dが、上記第1の先端部側部位203Cから大きく離れて上記第1の先端部側部位203Cと同様に一体的に設けられている。上記中間部位203Bと上記第1の先端部側部位203Cと上記第2の先端部側部位203Dとにより「H」字状の部位が形成されている。
【0222】
なお、上述のように構成されていることにより、上記フィルム状基材203は、基端部から先端部に向かうにしたがって複数に枝分かれしているということができ、また、上記基端部側部位203Aの幅方向の中央部を通り上記基端部側部位203Aの長手方向に延伸した中心線CL1に対して、上記フィルム状基材203が線対称の形状に形成され、上記第1、第2の各先端部側部位203C、203Dの各端末部は互いに大きく離れて配置されている。
【0223】
上記フィルム状基材203の一方の面であって、上記基端部側部位203Aの基端部側(上記中間部位203Bとは反対側)には、第1の端子部207が設けられており、さらに、上記第1の端子部207から離れて第2の端子部209が設けられている。なお、上記第1の端子部207は、上記第1の先端部側部位203Cが設けられている側に位置し、上記第2の端子部209は、上記第2の先端部側部位203Dが設けられている側に位置している。また、上記中心線CL1に対して線対称の位置に、上記第1の端子部207と上記第2の端子部209とが設けられている。
【0224】
上記第1の端子部207と上記第2の端子部209とは、他の電気機器(たとえば、自動車の制御装置)から延出しているコネクタに、上記着座検出スイッチ201を電気的に接続するときに使用されるものであり、上記第1の端子部207と上記第2の端子部209とは、たとえば、コネクタやハトメ等の接続手段によって上記他の電気機器に接続されるようになっている。
【0225】
上記フィルム状基材203の上記フィルム状部材5側の面(内側の面;上記フィルム状基材203の上記一方の面)には、上記第1の端子部207と電気的に導通している適数の第1の接点部211A、211Bが設けられており、上記第1の各接点部211A、211Bが第1の接点群211を構成している。
【0226】
より詳しく説明すると、上記第1の先端部側部位203Cの長手方向の両端部(端末)側であって上記第1の先端部側部位203Cの幅方向の中間部に、上記第1の各接点部211A、211Bがそれぞれ設けられている。また、上記フィルム状基材203の上記フィルム状部材205側の面には、第1の導通経路213が形成され、この第1の導通経路213によって、上記第1の端子部207と上記第1の各接点部211A、211Bとが互いに電気的に導通している。
【0227】
上記第1の導通経路213は、上記基端部側部位203Aの幅方向の上記先端部側部位203C寄りを、上記第1の端子部207から上記中間部位203Bの幅方向の中間部まで、上記基端部側部位203Aの長手方向に直線状に延伸し、上記中間部位203Bの幅方向の中間部から上記第1の先端部側部位203Cの幅方向の中間部まで、上記中間部位203Bの長手方向(上記基端部側部位203Aの長手方向と直交する方向)に直線状に延伸している。
【0228】
さらに、上記第1の導通経路213は、上記第1の先端部側部位203Cの幅方向の中間部まで延伸したところで2つに枝分かれし、この枝分かれした一方の部位が、上記第1の一方の接点部211Aまで、上記第1の先端部側部位203Cの長手方向(上記中間部位203Bの長手方向と直交する方向)に直線状に延伸し、上記第1の一方の接点部211Aに接続している。
【0229】
また、上記枝分かれした他方の部位が、上記第1の他方の接点部211Bまで、上記第1の先端部側部位203Cの長手方向(上記中間部位203Bの長手方向と直交する方向)に直線状に延伸し、上記第1の他方の接点部211Bに接続している。
【0230】
換言すれば、上記フィルム状基材203の上記中間部位203Bから上記第1の先端部側部位203Cへうつるときに上記フィルム状基材203が複数に枝分かれしていることに応じて、上記第1の導通経路213も複数に枝分かれし、この枝分かれした第1の導通経路213の各先端部に、第1の各接点部211A、211Bが設けられている。
【0231】
また、上記フィルム状基材203の上記フィルム状部材205側の面(内側の面;上記フィルム状基材203の上記一方の面)には、適数の第2の接点部215A、215Bが、上記中心線CL1に対して、上記第1の各接点部211A、211Bと対称な位置に設けられており、上記第2の各接点部215A、215Bが第2の接点群215を構成している。
【0232】
上記第2の各接点部215A、215Bは、上記第1の先端部側部位203Cから大きく離れた上記第2の先端部側部位203Dに設けられていることにより、上記第1の接点群201(上記第1の各接点部211A、211B)から大きく離れて設けられている。
【0233】
なお、着座検出スイッチ201では、各接点群211、215同士の間の距離が、1つの接点群を構成している各接点部同士の間の距離よりも長くなっている。すなわち、たとえば、第1の接点群211を構成している一方の第1の接点部211Aと、第2の接点群215を構成している一方の接点部215Aとの間の距離が、第1の接点群211を構成している一方の接点部211Aと他方の接点部211Bとの間の距離よりも長くなっている。
【0234】
また、上記フィルム状基材203の上記フィルム状部材205側の面には、第2の導通経路217が形成され、この第2の導通経路217によって、上記第2の端子部209と上記第2の各接点部215A、215Bとが互いに電気的に導通している。
【0235】
上記第2の導通経路217は、上記中心線CL1に対して、上記第1の導通経路213とは線対称に設けられており、また、すでに理解されるように、上記第2の各接点部215A、215Bも、上記中心線CL1に対して、上記第1の各接点部211A、211Bとは線対称の位置に配置されている。
【0236】
また、上記各接点部211A、211B、215A、215Bや上記各導通経路213、217は、たとえば、上記フィルム状基材203の表面に印刷によって薄く固着して設けられた銀の上に、カーボンを薄く設けて形成されている。
【0237】
上記スペーサ304(図55参照)は、フィルム状基材203と同様に、PEN樹脂、PET樹脂等の絶縁体でフィルム状に薄く構成され可撓性を備えている。
【0238】
また、上記スペーサ304の外形形状は、フィルム状基材203とほぼ同様の形状に形成されている。すなわち、着座検出スイッチ201を形成すべく、スペーサ304の一方の面にフィルム状基材203を貼り付けて設けた場合、スペーサ304の外形とフィルム状基材203の外形とが互いにほぼ一致するようになっている。
【0239】
ただし、スペーサ304の一方の面にフィルム状基材203を貼り付けて設けた場合、上記フィルム状基材203に設けられている各端子部207、209端子部が隠れないで露出するように、上記スペーサ304では、上記フィルム状基材203の基端部側部位203Aの基端部側に対応する部位(上記フィルム状基材203で各端子部207、209が設けられている部位に対応する部位)が削除されている。
【0240】
また、上記各接点部211A、211B、215A、215Bが設けられている部位に対応すするスペーサ304の部位には、上記スペーサ304の厚さ方向に貫通した各貫通孔320A〜320Dが設けられている。
【0241】
次に、フィルム状部材205について詳しく説明する。
【0242】
図29は、着座検出スイッチ201を構成するフィルム状部材205の概略構成を示す図である。
【0243】
上記フィルム状部材205は、フィルム状基材203やスペーサ304と同様に、PEN樹脂、PET樹脂等の絶縁体でフィルム状に薄く構成され可撓性を備えている。
【0244】
また、上記フィルム状部材205の外形形状は、上記スペーサ304と同様の形状に形成されている。
【0245】
上記フィルム状部材205の上記フィルム状基材203側の面(内側の面;上記フィルム状部材205の上記一方の面)には、上記第1の各接点部211A、211Bに対向して接触可能に設けられた適数の第3の接点部219A、219Bで構成された第3の接点群219と、上記第2の各接点部215A、215Bに対向して接触可能に設けられた適数の第4の接点部221A、221Bで構成された第4の接点群221とが設けられている。
【0246】
換言すれば、着座検出スイッチ201を形成すべく、フィルム状基材203とスペーサ304とフィルム状部材205を順に重ね合わせた場合、第1の接点群211を構成している一方の接点部211Aと第3の接点群219を構成している一方の第3の接点部219Aとが、スペーサ304を間にして(スペーサ304の貫通孔320Aを間にして)互いに離れて対向して存在し(図53参照)、同様に、第1の接点群211を構成している他方の接点部211Bと第3の接点群219を構成している他方の第3の接点部219Bとが互いに離れて対向して存在し、第2の接点群215を構成している一方の接点部215Aと第4の接点群221を構成している一方の第4の接点部221Aとが互いに離れて対向して存在し、第2の接点群215を構成している他方の接点部215Bと第4の接点群221を構成している他方の第4の接点部221Bとが互いに離れて対向して存在している。
【0247】
また、上記第3の接点群219の適宜の接点部と上記第4の接点群221の適宜の接点部とが直接電気的に導通している。たとえば、図29に示すように、上記フィルム状部材205の上記フィルム状基材203側の面に設けられた第3の導通経路223を介して、上記第3の接点群219および上記第4の接点群221を構成している総ての接点部219A、219B、221A、221Bが、互いに電気的に導通している。
【0248】
上記第3の導通経路223は、上記フィルム状部材205の上記フィルム状基材203側の面に設けられ、上記第3の接点群219の一方の接点部219Aと他方の接点部219Bを互いに結んでいる第1の直線状部位223Aと、上記第4の接点群221の一方の接点部221Aと他方の接点部221Bを互いに結んでいる第2の直線状部位223Bと、上記第1の直線状部位223Aの長手方向の中間部と、上記第2の直線状部位223Bの長手方向の中間部とを互いに結んでいる第3の直線状部位223Cとによって構成されており、第3の導通経路223の全体では「H」字状に形成されている。
【0249】
なお、上記各接点部219A、219B、221A、221Bや上記第3の導通経路223は、上記フィルム状基材203の上記各接点部211A、211B、215A、215Bや上記各導通経路213、217と同様に、上記フィルム状部材205の表面に印刷によって薄く固着して設けられた銀の上に、カーボンを薄く設けて形成されている。
【0250】
さらに、各実施形態における各接点部や各導通経路も、上記各接点部や上記各導通経路と同様に構成されているものとする。
【0251】
上述のように構成された着座検出スイッチ201を、回路図を用いて示すと図30で示すようになる。上記着座検出スイッチ201を座席に設け、この座席に人が座ると、上記着座検出スイッチ201(フィルム状基材203やフィルム状部材205)が撓む。
【0252】
そして、第1の接点群211を構成している一方の接点部211Aと上記第3の接点群219を構成している一方の接点部219Aとが互いに接触するかもしくは第1の接点群211を構成している他方の接点部211Bと上記第3の接点群219を構成している他方の接点部219Bとが互いに接触し、かつ、第2の接点群215を構成している一方の接点部215Aと上記第4の接点群221を構成している一方の接点部221Aとが互いに接触するかもしくは第2の接点群215を構成している他方の接点部215Bと上記第4の接点群221を構成している他方の接点部221Bとが互いに接触したときに、上記第1の端子部207と上記第2の端子部209とが互いに電気的に導通し、人の着座を検出することができる。
【0253】
すなわち、本実施形態においては、互いが大きく離れている2箇所の接点対において、各接点部が接触しなければ、上記第1の端子部207と上記第2の端子部209とが互いに電気的に導通しないようになっている。
【0254】
したがって、本実施形態の着座検出スイッチ201によれば、1箇所の接点対の各接点部のみが互いに接触するだけでは、各端子部同士が互いに電気的に導通することはなく、着座の誤検出を極力防ぐことができる。
【0255】
換言すれば、着座を検出するには、複数箇所の接点対における各接点部が互いに接触する必要があり、着座検出の条件としてAND回路を構成している。
【0256】
ところで、上記従来の着座検出スイッチ300では、走行中等の振動によって1つの接点対での各接点部同士の接触・離反が繰り返され、上記自動車等に設置されている警告灯(人が着座しているにもかかわらずシートベルトがされていない場合に点灯する警告灯)が点滅し、運転者が不快感を感じるおそれがある。
【0257】
しかし、本実施形態に係る着座検出スイッチ201では、互いが離れた2つの接点対で、各接点部同士が互いに接触しなければ、上記第1の端子部207と上記第2の端子部209とが互いに電気的に導通しないので、上記警告灯の誤った点滅を極力防ぐことができ、運転者が不快感を感じるおそれを極力回避することができる。
【0258】
また、上記従来の着座検出スイッチ300では、着座検出スイッチ300を構成している各部材(フィルム状基材302、スペーサ304、フィルム状部材306)の加工精度、これらの部材を互いに組立てるときの組立精度により、各接点対において接点部同士の間隔に差異が生じる場合がある。たとえば、常態(人が着座していない状態)において、接点部308Aと接点部314Aとの間の距離が、接点部308Bと接点部314Bとの間の距離や接点部308Cと接点部314Cとの間の距離の比べ小さくなる場合がある。
【0259】
そして、接点部同士の間隔が小さくなった接点対において、走行中の振動等により接点部同士が互いに接触し、人が着座していないにもかかわらず人が着座したような誤検出をするおそれがある。
【0260】
しかし、本実施形態に係る着座検出スイッチ201では、互いが離れた2つの接点対で、各接点部同士が互いに接触しなければ、上記第1の端子部207と上記第2の端子部209とが互いに電気的に導通しないので、上記加工精度や組立精度による誤検出を極力防ぐことができる。
【0261】
また、従来の着座検出スイッチ300では、着座検出スイッチ300の設置状態によって、上記加工精度や組立精度による場合と同様に、各接点対において接点部同士の間隔に差異が生じる場合がある。すなわち、たとえば、上記各接点対のうちの1つの接点対が、他の接点対よりも座席の曲率半径が小さな面の部位に位置した場合、この曲率半径の小さな面の部位に位置したことにより上記1つの接点対が設けられている部位で着座検出スイッチが僅かに撓み、上記1つの接点対における各接点部の間隔が、上記他の接点対における各接点部の間隔よりも小さくなる場合がある。
【0262】
そして、接点部同士の間隔が小さくなった接点対において、走行中の振動等により接点部同士が互いに接触し、人が着座していないにもかかわらず人が着座したような誤検出をするおそれがある。
【0263】
しかし、本実施形態に係る着座検出スイッチ201では、互いが離れた2つの接点対で、各接点部同士が互いに接触しなければ、上記第1の端子部207と上記第2の端子部209とが互いに電気的に導通しないので、上記設置状態による誤検出を極力防ぐことができる。
【0264】
[第11の実施形態]
図31は、本発明の第11の実施形態に係る着座検出スイッチ201aの概略構成を示す図である。
【0265】
図32は、本発明の第11の実施形態に係る着座検出スイッチ201aを構成するフィルム状部材206の概略構成を示す図である。
【0266】
第11の実施形態に係る着座検出スイッチ201aは、上記フィルム状部材205に相当するフィルム状部材206に設けられた各接点部219A、219B、221A、221Bを互いに導通する導通経路の構成が、第10の実施形態に係る着座検出スイッチ201とは異なり、その他の点は、第10の実施形態に係る着座検出スイッチ201と同様に構成され、同様の効果を奏する。
【0267】
すなわち、第11の実施形態に係る着座検出スイッチ201aを構成するフィルム状部材206では、第10の実施形態で設けられていた第3の導通経路223の代わりに、上記フィルム状部材206の形状に対応して「コ」字状に形成された第4の導通経路225と、上記第4の導通経路225とは離れ上記フィルム状部材206の形状に対応して「コ」字状に形成された第5の導通経路227とが設けられている。なお、上記フィルム状部材206の外形は、第10の実施形態に係るフィルム状部材205の外形と同様に構成されている。
【0268】
そして、上記第3の接点群219を構成している一部の接点部219Aと上記第4の接点群221を構成している一部の接点部221Aとが、第4の導通経路225を介して互いに電気的に導通され、上記第3の接点群219を構成している他の一部の接点部219Bと上記第4の接点群221を構成している他の一部の接点部221Bとが上記第5の導通経路227を介して互いに電気的に導通している。
【0269】
すなわち、第3の接点群219における接点部と対をなす第4の接点群221の接点部とが導通経路を介して互いに電気的に接続している。
【0270】
なお、上述のように構成された着座検出スイッチ201aを、回路図を用いて示すと図33に示すようになる。すなわち、複数のAND回路と複数のOR回路とを組み合わせて構成されている。上記着座検出スイッチ201aを座席に設け、この座席に人が座ると、上記着座検出スイッチ201aが撓む。
【0271】
そして、第1の接点群211を構成している一方の接点部211Aと上記第3の接点群219を構成している一方の接点部219Aとが互いに接触しかつ第2の接点群215を構成している一方の接点部215Aと上記第4の接点群221を構成している一方の接点部221Aとが互いに接触するか、または、第1の接点群211を構成している他方の接点部211Bと上記第3の接点群219を構成している他方の接点部219Bとが互いに接触しかつ第2の接点群215を構成している他方の接点部215Bと上記第4の接点群221を構成している他方の接点部221Bとが互いに接触したときに、上記第1の端子部207と上記第2の端子部209とが互いに電気的に導通し、人の着座を検出することができる。
【0272】
[第12の実施形態]
第12の実施形態に係る着座検出スイッチ201bは、フィルム状部材233に設けられている第3の接点群219の適宜の接点部と第4の接点群221の適宜の接点部とが、他の接点群を介して互いに電気的に導通するように構成されている点が、第10の実施形態に係る着座検出スイッチ201と異なり、その他の点は、第10の実施形態に係る着座検出スイッチ201とほぼ同様に構成されほぼ同様の効果を奏する。
【0273】
ここで、着座検出スイッチ201bについて詳しく説明する。
【0274】
図34は、本発明の第12の実施形態に係る着座検出スイッチ201bの概略構成を示す図である。
【0275】
なお、着座検出スイッチ201bの接点部における断面(着座検出スイッチ201の厚さ方向に延伸している平面による断面;図34に示すLIIIA−LIIIB断面)は、従来の着座検出スイッチ300や第10の実施形態に係る着座検出スイッチ201と同様に形成されている(図53参照)。
【0276】
次に、着座検出スイッチ201bを構成しているフィルム状基材229について詳しく説明する。
【0277】
図35は、着座検出スイッチ201bを構成するフィルム状基材229の概略構成を示す図である。
【0278】
なお、上述した構成と同一機能を奏する構成要素には、同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0279】
フィルム状基材229における上記フィルム状基材203との相違点は、上記中間部位203Bの長手方向の中間部の上記第1の先端部側部位203C寄りに、帯状の第1の突出部位229Aが設けられ、上記中間部位203Bの長手方向の中間部の上記第2の先端部側部位203D寄りには、上記第1の突出部位229Aと同様な帯状の第2の突出部位229Bが設けられている点にある。
【0280】
そして、上記フィルム状基材229の上記フィルム状部材233側の面であって上記第1の突出部位229Aの先端部側には、適数の第5の接点部235Aで構成された第5の接点群235が設けられている。なお、上記接点部235Aは、上記第1の接点群211および上記第2の接点群215から大きく離れて設けられている。
【0281】
さらに、上記フィルム状基材229の上記フィルム状部材233側の面であって上記第2の突出部位229Bの先端部側には、適数の第6の接点部237Aで構成された第6の接点群237が設けられている。なお、上記接点部237Aは、上記第1の接点群211、上記第2の接点群215および上記第5の接点群235から大きく離れて設けられている。
【0282】
上記第5の接点群235の接点部235Aと上記第6の接点群237の接点部237Aとは、上記第1の突出部位229A、上記第2の突出部位229B、上記中間部位203Bの形態に応じて「コ」字状に形成された第3の導通経路239を介して互いに電気的に導通している。
【0283】
次に、スペーサ231について説明する。
【0284】
図36は、スペーサ231の概略構成を示す図である。
【0285】
スペーサ231の外形は、第10の実施形態に係る着座検出スイッチ201の場合と同様に、上記フィルム状基材229の外形とほぼ同様に形成されている。したがって、上記第1の突出部位229Aに応じた第1の突出部位231Aと、上記第2の突出部位229Bに応じた第2の突出部位231Bとがスペーサ231に設けられており、上記各突出部位231A、231Bには、上記各接点部(上記フィルム状基材229に設けられた第5、第6の接点群を構成する各接点部)235A、237Aに対応して、各貫通孔231C、231Dが設けられている。
【0286】
次に、フィルム状部材233について説明する。
【0287】
図37は、フィルム状部材233の概略構成を示す図である。
【0288】
フィルム状部材233の外形は、第10の実施形態に係る着座検出スイッチ201の場合と同様に、上記フィルム状基材229の外形とほぼ同様に形成されている。したがって、上記第1の突出部位229Aに応じた第1の突出部位233Aと、上記第2の突出部位229Bに応じた第2の突出部位233Bとがフィルム状部材233に設けられている。
【0289】
また、上記フィルム状部材233には、第10の実施形態に係るフィルム状部材205と同様に、第3の各接点部219A、219Bで構成された第3の接点群219と、第4の各接点部221A、221Bで構成された第4の接点群221とが設けられている。
【0290】
さらに、上記フィルム状部材233の、上記第1の突出部位233Aの先端部側には、第7の接点群241を構成している適数の接点部241Aが、上記第5の接点群235を構成している第5の接点部235Aに対向して接触可能なように設けられている。
【0291】
同様に、上記第2の突出部位233Bの先端部側には、第8の接点群243を構成している適数の接点部243Aが、上記第6の接点群237を構成している第6の接点部237Aに対向して接触可能なように設けられている。
【0292】
また、上記第3の接点群219を構成している各接点部219A、219Bと上記第7の接点群241を構成している接点部241Aとが、第4の導通経路245を介して互いに電気的に導通している。
【0293】
同様に、上記第4の接点群221を構成している各接点部221A、221Bと上記第8の接点群243を構成している接点部243Aとが、第5の導通経路247を介して互いに電気的に導通している。
【0294】
換言すれば、上記フィルム状基材229に設けられた上記第5の接点群235および上記第6の接点群237を構成している総ての接点部235A、237Aが第3の導通経路239を介して互いに電気的に導通し、上記フィルム状部材に設けられた上記第3の接点群219および上記第7の接点群241を構成している総ての接点部219A、219B、241Aが上記第4の導通経路245を介して互いに電気的に導通し、上記第4の接点群221および上記第8の接点群243を構成している総ての接点部221A、221B、243Aが上記第5の導通経路247を介して互いに電気的に導通している。
【0295】
上述したように構成されていることにより、第3の接点群219の適宜の接点部と第4の接点群221の適宜の接点部とが、他の接点群を介して互いに電気的に導通するようになっている。
【0296】
すなわち、たとえば、第3の接点群219の一方の接点部219Aと第4の接点群221の一方の接点部221Aとが、第4の導通経路245と、第7の接点群241の接点部241Aとこの接点部241Aに対向している第5の接点群235の接点部235Aと、第3の導通経路239と、第6の接点群237の接点部237Aとこの接点部237Aと対向している第8の接点群243の接点部243Aと第5の導通経路247とを介して、互いに電気的に導通するようになっている。
【0297】
上述のように構成された着座検出スイッチ201bを、回路図を用いて示すと図38に示すようになる。上記着座検出スイッチ201bを座席に設け、この座席に人が座ると、上記着座検出スイッチ201bが撓む。
【0298】
そして、第1の接点群211を構成している一方の接点部211Aと第3の接点群219を構成している一方の接点部219Aとが互いに接触しもしくは第1の接点群211を構成している他方の接点部211Bと第3の接点群219を構成している他方の接点部219Bとが互いに接触し、かつ、第2の接点群215を構成している一方の接点部215Aと第4の接点群221を構成している一方の接点部221Aとが互いに接触しもしくは第2の接点群215を構成している他方の接点部215Bと第4の接点群221を構成している他方の接点部221Bとが互いに接触し、かつ、第5の接点群235を構成している接点部235Aと第7の接点群241を構成している接点部241Aとが互いに接触し、かつ、第6の接点群237を構成している接点部237Aと第8の接点群243を構成している接点部243Aとが互いに接触したときに、上記第1の端子部207と上記第2の端子部209とが互いに電気的に導通し、人の着座を検出することができる。
【0299】
つまり、それぞれが大きく離れている4箇所の接点対において、各接点部が接触しなければ、上記第1の端子部207と上記第2の端子部209とが互いに電気的に導通しないようになっている。
【0300】
したがって、第12の実施形態に係る着座検出スイッチ201bによれば、第10の実施形態に係る着座検出スイッチ201と同様に着座の誤検出を極力防ぐことができると共に、誤検出の発生を一層抑制することができる。
【0301】
[第13の実施形態]
第13の実施形態に係る着座検出スイッチ201cは、フィルム状基材249に形成されている各接点部と、これらの各接点部と第1の端子部207、第2の端子部209とを電気的に導通接続している導通経路と、フィルム状部材251に形成されている接点部との形態が、上記第10の実施形態に係る着座検出スイッチ201と異なり、その他の点は、第10の実施形態に係る着座検出スイッチ201とほぼ同様に構成されほぼ同様の効果を奏する。
【0302】
ここで、着座検出スイッチ201cについて詳しく説明する。
【0303】
図39は、本発明の第13の実施形態に係る着座検出スイッチ201cの概略構成を示す図である。
【0304】
図40は、図39におけるXLA−XLB断面を示す図である。
【0305】
着座検出スイッチ201cは、図40に示すように、上記第10の実施形態に係る着座検出スイッチ201と同様に、フィルム状のスペーサ304(図55参照)を間にして、このスペーサ304の一方の面に、上記フィルム状基材203に相当するフィルム状基材249(図41参照)を配置し、上記スペーサ304の他方の面に、上記フィルム状部材205に相当するフィルム状部材251(図42参照)を配置して構成されている。
【0306】
次に、フィルム状基材249について詳しく説明する。
【0307】
図41は、着座検出スイッチ201cを構成するフィルム状基材249の概略構成を示す図である。
【0308】
第13の実施形態に係るフィルム状基材249は、上記第10の実施形態に係るフィルム状基材203とは異なる形態の接点部や導通経路が設けられている点が、上記フィルム状基材203とは異なり、その他の点は、上記フィルム状基材203とほぼ同様に構成されている。
【0309】
すなわち、フィルム状基材249は、第10の実施形態に係るフィルム状基材203と同様に、第1の端子部207と第2の端子部209とを備えていると共に、上記フィルム状基材249の上記フィルム状部材251側の面には、上記第1の端子部207と第1の導通経路255を介して電気的に導通している適数の第1の接点部253A、253Bで構成された第1の接点群253が設けられている。
【0310】
なお、上記第1の接点群253の一方の接点部253Aは、上記第1の先端部側部位203Cの長手方向の一端部側に設けられ、上記第1の接点群253の他方の接点部253Bは、上記第1の先端部側部位203Cの長手方向の他端部側に設けられている。
【0311】
また、上記フィルム状基材249の上記フィルム状部材251側の面には、上記第2の端子部209と第2の導通経路259を介して電気的に導通している適数の第2の接点部257A、257Bで構成された第2の接点群257が設けられている。
【0312】
なお、上記第2の接点群257の一方の接点部257Aや他方の接点部257Bも、上記一方の各接点部253A、253Bと同様に、上記第2の先端部側部位203Dの長手方向の一端部側、他端部側にそれぞれが設けられている。また、上記第2の先端部側部位203Dが上記第1の先端部側部位203Cから大きく離れていることにより、上記第2の接点部257A、257Bが上記第1の接点群253から大きく離れて設けられている。
【0313】
そして、上記フィルム状基材249の上記フィルム状部材251側の面には、上記フィルム状部材205の回路構成に準じて、上記第1の各接点部253A、253Bに対応しさらに上記第1の各接点部253A、253Bから僅かに離れて、適数の第3の接点部261A、261Bで構成された第3の接点群261が設けられている。
【0314】
より詳しく説明すると、上記第3の接点群261を構成している一方の接点部261Aは、上記第1の接点群253を構成している一方の接点部253Aから上記中間部位203B側(内側)へ僅かに離れたところに設けられ、また、他方の接点部261Bも上記第1の接点群253を構成している他方の接点部253Bから上記中間部位203B側へ僅かに離れて設けられている。
【0315】
上記フィルム状基材249の上記フィルム状部材251側の面には、上記第2の各接点部257A、257Bに対応しさらに上記第2の各接点部257A、257Bから僅かに離れて、適数の第4の接点部263A、263Bで構成された第4の接点群263が設けられている。なお、上記第3の接点群261の各接点部261A、261Bと同様に、上記第4の接点群263の各接点部263A、263Bも、上記第2の接点群257の各接点部257A、257Bの内側に設けられている。
【0316】
また、上記第3の接点群261の適宜の接点部と上記第4の接点群263の適宜の接点部とが、直接電気的に導通している。より詳しく説明すると、上記第3の接点群261と上記第4の接点群263との総ての接点部261A、261B、263A、263Dが、上記フィルム状基材249の上記フィルム状部材251側の面に設けられた第3の導通経路265を介して互いに電気的に導通している。
【0317】
上述したように構成されていることにより、上記フィルム状基材249の基端部側部位203Aの幅方向の中央部を通り上記基端部側部位203Aの長手方向に延伸した中心線CL1に対して、各導通経路255、259、265が線対称の形状に形成されている。また、各接点群253、257、261、263を構成している各接点部が、線対称の位置に配置されている。
【0318】
また、第1の接点群253の一方の接点部253Aと第3の接点群261の一方の接点部261Aとで構成された接点対262Aは、第10の実施形態に係る着座検出スイッチ201のフィルム状基材3に設けられた第1の接点群211の一方の接点部211Aに対応した位置に設けられている(図28参照)。同様に、他の接点部(たとえば、接点部253Bや接点部261B)で構成された他の接点対262Bも、第10の実施形態に係る着座検出スイッチ201のフィルム状基材203に設けられた他の接点部(たとえば、接点部211B)に対応した位置に設けられている。
【0319】
次に、フィルム状部材251について詳しく説明する。
【0320】
図42は、着座検出スイッチ201cを構成するフィルム状部材251の概略構成を示す図である。
【0321】
上記フィルム状部材251には、上記対をなす各接点部253Aと261A、253Bと261B、253Cと261C、253Dと261Dの通電を行なうための各接点部267A、267B、269A、269Bが設けられている。
【0322】
すなわち、上記フィルム状部材251の上記フィルム状基材249側の面には、適数の第5の接点部267A、267Bで構成された第5の接点群267が設けられている。
【0323】
上記第5の接点群267の各接点部267A、267Bは、上記第1の接点群253の第1の各接点部253A、253Bと上記第3の接点群261の第3の各接点部261A、261Bとで構成された適数の第1の接点対262A、262Bのそれぞれに対向して接触可能なように設けられている。
【0324】
たとえば、上記第1の接点群253の一方の第1の接点部253Aと上記第3の接点群261の一方の第3の接点部261Aとで構成された第1の接点対262Aに対向して、上記第5の接点群267の一方の接点部267Aが設けられている。
【0325】
同様にして、上記フィルム状部材251の上記フィルム状基材249側の面には、上記第2の各接点部257A、257Bと上記第4の各接点部263A、263Bとで構成された適数の第2の接点対264A、264B(図41参照)のそれぞれに対向して接触可能なように設けられた適数の第6の接点部269A、269Bで構成された第6の接点群269が設けられている。
【0326】
上述のように構成された着座検出スイッチ201cを、回路図を用いて示すと図43に示すように、上記第10の実施形態の回路図(図30参照)とほぼ同様の回路構成になる。
【0327】
このように、フィルム状基材249において、対をなす各接点部同士を近接させて設けた構成では、フィルム状部材の各接点部同士を互いに電気的に接続するための導通経路を設ける必要がなく、フィルム状部材251の構成を簡素化することができると共に、フィルム状部材251を用いなくても、フィルム状基材249で対をなす各接点部同士を容易に電気的に接続させることができ、フィルム状基材249の各導通経路255、259の断線の有無を容易に試験することができる。
【0328】
上記着座検出スイッチ201cを座席に設け、この座席に人が座ると、上記着座検出スイッチ201cが撓む。
【0329】
そして、第1の接点群253の一方の接点部253Aと第3の接点群261の一方の接点部261Aとが第5の接点群267の一方の接点部267Aに接触しもしくは第1の接点群253の他方の接点部253Bと第3の接点群261の他方の接点部261Bとが第5の接点群267の他方の接点部267Bに接触し、かつ、第2の接点群257の一方の接点部257Aと第4の接点群263の一方の接点部263Aとが第6の接点群269の一方の接点部269Aに接触しもしくは第2の接点群257の他方の接点部257Bと第4の接点群263の他方の接点部263Bとが第6の接点群269の他方の接点部269Bに接触したときに、上記第1の端子部207と上記第2の端子部209とが互いに電気的に導通し、人の着座を検出することができる。
【0330】
[第14の実施形態]
図44は、本発明の第14の実施形態に係る着座検出スイッチ201dの概略構成を示す図であり、図45は、上記着座検出スイッチ201dのフィルム状基材271の概略構成を示す図である。
【0331】
第14の実施形態に係る着座検出スイッチ201dは、フィルム状基材271に設けられた第3の接点群261を構成している各接点部261A、261B、第4の接点群263を構成している各接点部263A、263Bを導通している導通経路の構成が、第13の実施形態に係る着座検出スイッチ201cとは異なり、その他の点は、第13の実施形態に係る着座検出スイッチ201cと同様に構成され、同様の効果を奏する。
【0332】
なお、第14の実施形態に係る着座検出スイッチ201dのフィルム状基材271は、第13の実施形態に係る着座検出スイッチ201cのフィルム状基材249と同様な外形形状に形成されている。
【0333】
第14の実施形態に係る着座検出スイッチ201dを構成するフィルム状基材271には、第13の実施形態で設けられていた第3の導通経路265の代わりに、上記フィルム状基材271の形状に対応して「コ」字状に形成された第4の導通経路273と、上記第4の導通経路273とは離れ上記フィルム状基材271の形状に対応して「コ」字状に形成された第5の導通経路275とが設けられている。
【0334】
そして、上記第3の接点群261を構成している一部の接点部261Aと上記第4の接点群263を構成している一部の接点部263Aとが、第4の導通経路273を介して互いに電気的に導通し、上記第3の接点群261を構成している他の一部の接点部261Bと上記第4の接点群263を構成している他の一部の接点部263Bとが、第5の導通経路275を介して互いに電気的に導通している。
【0335】
なお、上述のように構成された着座検出スイッチ201dを、回路図を用いて示すと図46に示すようになる。上記着座検出スイッチ201dを座席に設け、この座席に人が座ると、上記着座検出スイッチ201d(フィルム状基材271やフィルム状部材)が撓む。
【0336】
そして、第1の接点群253を構成している一方の接点部253Aと上記第3の接点群261を構成している一方の接点部261Aとが上記第5の接点群267を構成している一方の接点部267Aに接触しかつ第2の接点群257を構成している一方の接点部257Aと上記第4の接点群263を構成している一方の接点部263Aとが上記第6の接点群269を構成している一方の接点部269Aに接触し、または、第1の接点群253を構成している他方の接点部253Bと上記第3の接点群261を構成している他方の接点部261Bとが上記第5の接点群267を構成している他方の接点部267Bに接触しかつ第2の接点群257を構成している他方の接点部257Bと上記第4の接点群263を構成している他方の接点部263Bとが上記第6の接点群269を構成している他方の接点部269Bに接触したときに、上記第1の端子部207と上記第2の端子部209とが互いに電気的に導通し、人の着座を検出することができる。
【0337】
なお、上記第13の実施形態に係る着座検出スイッチ201c、上記第14の実施形態に係る着座検出スイッチ201dでは、第3の接点群の接点部と第4の接点群の接点部とは、導通経路を介して直接電気的に接続されているが、上記第13の実施形態に係る着座検出スイッチ201c、上記第14の実施形態に係る着座検出スイッチ201dにおいて、上記第12実施形態に係る着座検出スイッチ201bのように、第3の接点群の接点部と第4の接点群の接点部とが、他の接点群を介して互いに電気的に導通するように構成してもよい。
【0338】
[第15の実施形態]
第15の実施形態に係る着座検出スイッチ201eは、フィルム状部材281に設けられている第3の接点群219の適宜の接点部と第4の接点群221の適宜の接点部とが、他の接点群を介して互いに電気的に導通するように構成されている点が、第10の実施形態に係る着座検出スイッチ201と異なり、その他の点は、第10の実施形態に係る着座検出スイッチ201とほぼ同様に構成されほぼ同様の効果を奏する。
【0339】
ここで、着座検出スイッチ201eについて詳しく説明する。
【0340】
図47は、本発明の第15の実施形態に係る着座検出スイッチ201eの概略構成を示す図である。
【0341】
なお、着座検出スイッチ201eの接点部における1つ断面(XLVA−XLB断面;図40、図44参照)は、着座検出スイッチ201cと同様に構成され、他の1つの断面(LIIIA−LIIIB断面;図44、図53参照)は、着座検出スイッチ201と同様に構成されている。
【0342】
次に、着座検出スイッチ201eを構成しているフィルム状基材277について詳しく説明する。
【0343】
図48は、着座検出スイッチ201eを構成するフィルム状基材277の概略構成を示す図である。
【0344】
上記フィルム状基材277と上記第10の実施形態に係るフィルム状基材203との相違点は、上記中間部位203Bの長手方向の中央部に、帯状の突出部位277Aが設けられ、上記突出部位277Aの先端部側には、適数の第7の接点部279Aで構成された第7の接点群279が設けられている点にある。なお、上記接点部279Aは、上記第1の接点群211および上記第2の接点群215から大きく離れて設けられている。
【0345】
次に、スペーサ280について説明する。
【0346】
図49は、スペーサ280の概略構成を示す図である。
【0347】
スペーサ280の外形は、第10の実施形態に係る着座検出スイッチ201の場合と同様に、上記フィルム状基材277の外形とほぼ同様に形成されている。したがって、上記突出部位277Aに応じた突出部位280Aがスペーサ280に設けられており、上記突出部位280Aには、上記接点部(上記フィルム状基材277に設けられた第7の接点群279を構成する接点部)279Aに対応して、貫通孔280Dが設けられている。
【0348】
次に、フィルム状部材281について説明する。
【0349】
図50は、フィルム状部材81の概略構成を示す図である。
【0350】
フィルム状部材281の外形は、第10の実施形態に係る着座検出スイッチ201の場合と同様に、上記フィルム状基材277の外形とほぼ同様に形成されている。したがって、上記突出部位277Aに応じた突出部位281Aがフィルム状部材281に設けられている。
【0351】
また、上記フィルム状部材281には、第10の実施形態に係るフィルム状部材205と同様に、第3の各接点部219A、219Bで構成された第3の接点群219と、第4の各接点部221A、221Bで構成された第4の接点群221とが設けられている。
【0352】
さらに、上記フィルム状部材281の上記フィルム状基材277側の面であって、上記突出部位281Aの先端部側には、上記第3の接点群219および上記第4の接点群221から大きく離れて設けられた適数の第5の接点部283Aで構成された第5の接点群283と、上記第5の接点部283Aに対応して上記第5の接点部283Aから僅かに離れて設けられた適数の第6の接点部285Aで構成された第6の接点群285とが設けられている。
【0353】
なお、上記フィルム状基材277に設けられた第7の接点群279を構成している接点部279Aは、上記第5の接点群283を構成している第5の接点部283Aと上記第6の接点群285を構成している第6の接点部285Aとで構成された接点対286Aに対向して接触可能なように設けられている。
【0354】
また、上記第3の接点群219を構成している各接点部219A、219Bと上記第5の接点群283を構成している接点部283Aとが、第3の導通経路287を介して互いに電気的に導通している。
【0355】
同様に、上記第4の接点群221を構成している各接点部221A、221Bと上記第6の接点群285を構成している接点部285Aとが、第4の導通経路289を介して互いに電気的に導通している。
【0356】
上述のように構成されていることにより、第3の接点群219の適宜の接点部と第4の接点群221の適宜の接点部とが、他の接点群(第5〜第7の各接点群279、283、285)を介して互いに電気的に導通するようになっている。
【0357】
なお、上述のように構成された着座検出スイッチ201eを、回路図を用いて示すと図51に示すようになる。上記着座検出スイッチ201eを座席に設け、この座席に人が座ると、上記着座検出スイッチ201eが撓む。
【0358】
そして、第1の接点群211を構成している一方の接点部211Aと上記第3の接点群219を構成している一方の接点部219Aとが互いに接触しもしくは第1の接点群211を構成している他方の接点部211Bと上記第3の接点群219を構成している他方の接点部219Bとが互いに接触し、かつ、第5の接点群283を構成している接点部283Aと上記第6の接点群285を構成している接点部285Aとが上記第7の接点群279を構成している接点部279Aに接触し、かつ、第2の接点群215を構成している一方の接点部215Aと上記第4の接点群221を構成している一方の接点部221Aとが互いに接触しもしくは第2の接点群215を構成している他方の接点部215Bと上記第4の接点群221を構成している他方の接点部221Bとが互いに接触したときに、上記第1の端子部207と上記第2の端子部209とが互いに電気的に導通し、人の着座を検出することができる。
【0359】
つまり、着座検出スイッチ201eでは、それぞれが大きく離れている3箇所の接点対において、各接点部が接触しなければ、上記第1の端子部207と上記第2の端子部209とが互いに電気的に導通しないようになっている。
【0360】
したがって、着座検出スイッチ201eによれば、第10の実施形態に係る着座検出スイッチ201と同様に着座の誤検出を極力防ぐことができると共に、誤検出の発生を一層抑制することができる。
【0361】
ところで、上記第10の実施形態〜上記第15の実施形態に係る各スイッチ装置において、座席に設置されたときに、乗員が上記座席に座ることによって大きく湾曲する部分を、上記第2の実施形態に係るスイッチ装置41と同様に、補強してもよい。
【0362】
たとえば、上記第10の実施形態〜上記第15の実施形態に係る各スイッチ装置における上記大きく湾曲する部分において、スペーサとフィルム状部材とを削除し、各端子部や各接点部を電気的に接続するためにフィルム状基材に設けられている各導通経路を覆うように、上記フィルム状基材の一方の面に薄い絶縁性のレジスト層を設け、上記大きく湾曲する部分を補強してもよい。
【0363】
なお、上記レジスト層が、上記スペーサと上記フィルム状基材との間に僅かに入り込んで形成されていてもよい。
【0364】
また、上記レジスト層の表面を、柔軟性を備えた薄いフィルム状の保護テープで覆ってもよい。
【0365】
さらに、上記第10の実施形態〜上記第15の実施形態に係る各スイッチ装置における上記大きく湾曲する部分において、スペーサとフィルム状基材とを削除し、上記各接点部を電気的に接続するために、上記フィルム状部材に設けられている各導通経路を覆うように上記フィルム状部材の一方の面に薄い絶縁性のレジスト層を設け、上記大きく湾曲する部分を補強してもよい。
【0366】
なお、上記レジスト層が、上記スペーサと上記フィルム状部材との間に僅かに入り込んで形成されていてもよい。
【0367】
また、上記レジスト層の表面を、柔軟性を備えた薄いフィルム状の保護テープで覆ってもよい。
【0368】
さらに、上記第10の実施形態〜上記第15の実施形態に係る各スイッチ装置において、座席に設置されたときに、乗員が上記座席に座ることによって大きく湾曲する部分に、上記スペーサ304に代えて、上記スペーサ304よりも薄い両面テープを設けてもよい。
【0369】
また、上記両面テープとして、柔軟性を備えた不織布等の基材に粘着剤を含浸して形成されたテープや、粘着剤のみで形成されたテープを採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0370】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る着座検出スイッチの概略構成を示す図である。
【図2】着座検出スイッチのフィルム状基材の概略構成を示す図である。
【図3】着座検出スイッチのスペーサの概略構成を示す図である。
【図4】着座検出スイッチのフィルム状部材の概略構成を示す図である。
【図5】図1におけるVA−VB断面を示す図である。
【図6】図1におけるVIA−VIB断面を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る着座検出スイッチの概略構成を示す図である。
【図8】図7のVIII部を拡大した斜視図である。
【図9】着座検出スイッチを自動車の座席に設置した状態を示す図である。
【図10】本発明の第3の実施形態に係る着座検出スイッチの概略構成を示す図である。
【図11】着座検出スイッチを自動車の座席に設置した状態を示す図である。
【図12】本発明の第4の実施形態に係る着座検出スイッチの概略構成を示す図である。
【図13】本発明の第5の実施形態に係る着座検出スイッチの概略構成を示す図である。
【図14】着座検出スイッチのフィルム状基材の概略構成を示す図である。
【図15】着座検出スイッチのスペーサの概略構成を示す図である。
【図16】着座検出スイッチのフィルム状部材の概略構成を示す図である。
【図17】本発明の第6の実施形態に係る着座検出スイッチの概略構成を示す図である。
【図18】着座検出スイッチのフィルム状基材の概略構成を示す図である。
【図19】着座検出スイッチのスペーサの概略構成を示す図である。
【図20】着座検出スイッチのフィルム状部材の概略構成を示す図である。
【図21】図17におけるVA−VB断面を示す図である。
【図22】図17におけるVIA−VIB断面を示す図である。
【図23】本発明の第7の実施形態に係る着座検出スイッチの概略構成を示す図である。
【図24】着座検出スイッチを自動車の座席に設置した状態を示す図である。
【図25】本発明の第8の実施形態に係る着座検出スイッチの概略構成を示す図である。
【図26】着座検出スイッチを自動車の座席に設置した状態を示す図である。
【図27】本発明の第10の実施形態に係る着座検出スイッチの概略構成を示す図である。
【図28】本発明の第10の実施形態に係る着座検出スイッチを構成するフィルム状基材の概略構成を示す図である。
【図29】本発明の第10の実施形態に係る着座検出スイッチを構成するフィルム状部材の概略構成を示す図である。
【図30】本発明の第10の実施形態に係る着座検出スイッチの回路図である。
【図31】本発明の第11の実施形態に係る着座検出スイッチの概略構成を示す図である。
【図32】本発明の第11の実施形態に係る着座検出スイッチを構成するフィルム状部材の概略構成を示す図である。
【図33】本発明の第11の実施形態に係る着座検出スイッチの回路図である。
【図34】本発明の第12の実施形態に係る着座検出スイッチの概略構成を示す図である。
【図35】本発明の第12の実施形態に係る着座検出スイッチを構成するフィルム状基材の概略構成を示す図である。
【図36】本発明の第12の実施形態に係る着座検出スイッチを構成するスペーサの概略構成を示す図である。
【図37】本発明の第12の実施形態に係る着座検出スイッチを構成するフィルム状部材の概略構成を示す図である。
【図38】本発明の第12の実施形態に係る着座検出スイッチの回路図である。
【図39】本発明の第13の実施形態に係る着座検出スイッチの概略構成を示す図である。
【図40】図39におけるXLA−XLB断面を示す図である。
【図41】本発明の第13の実施形態に係る着座検出スイッチを構成するフィルム状基材の概略構成を示す図である。
【図42】本発明の第13の実施形態に係る着座検出スイッチを構成するフィルム状部材の概略構成を示す図である。
【図43】本発明の第13の実施形態に係る着座検出スイッチの回路図である。
【図44】本発明の第14の実施形態に係る着座検出スイッチの概略構成を示す図である。
【図45】本発明の第14の実施形態に係る着座検出スイッチのフィルム状基材の概略構成を示す図である。
【図46】本発明の第14の実施形態に係る着座検出スイッチの回路図である。
【図47】本発明の第15の実施形態に係る着座検出スイッチの概略構成を示す図である。
【図48】本発明の第15の実施形態に係る着座検出スイッチを構成するフィルム状基材の概略構成を示す図である。
【図49】本発明の第15の実施形態に係る着座検出スイッチを構成するスペーサの概略構成を示す図である。
【図50】本発明の第15の実施形態に係る着座検出スイッチを構成するフィルム状部材の概略構成を示す図である。
【図51】本発明の第15の実施形態に係る着座検出スイッチの回路図である。
【図52】従来の着座検出スイッチの概略構成を示す図である。
【図53】図52のLIIIA−LIIIB断面を示す図である。
【図54】従来の着座検出スイッチを構成するフィルム状基材の概略構成を示す図である。
【図55】従来の着座検出スイッチを構成するスペーサの概略構成を示す図である。
【図56】従来の着座検出スイッチを構成するフィルム状部材の概略構成を示す図である。
【図57】従来の着座検出スイッチの回路図である。
【符号の説明】
【0371】
1、41、81、111、201、201a、201b、201c、201d、201e、401、441、461 着座検出スイッチ
3、43、113、203、229、249、271、277、403、443 フィルム状基材
5、45、115、231、279、304、405、445 スペーサ
7、47、117、205、266、233、251、281、407、447 フィルム状部材
9、15、86、91、119、131、207、209、409、415 端子部
11A、11B、11C、11D、17A、17B、17C、17D、87、93、96、97、121A、121B、121C、121D、125A、125B、125C、125D、127、133、411A、411B、411C、411D、417A、417B、417C、417D 電極部
13、19、21A、21B、21C、21D、89、95、99、123、129、135 導体
27、29、427、429 信号線
200 レジスト層
202 保護テープ
211、215、219、221、235、237、241、243、253、257、261、263、267、269、279、283、285 接点群
211A、211B、215A、215B、219A、219B、221A、221B、235A、237A、241A、243A、253A、253B、257A、257B、261A、261B、263A、263B、267A、267B、269A、269B、279A、283A、285A 接点部
213、217、223、225、227、239、245、247、255、259、265、273、275、287、289 導通経路
413、419、421A、421B、421C、421D、459A、459B 導体
430、430A、430B 両面テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
座席に乗員が着座しているか否かを検出するための着座検出スイッチにおいて、
フィルム状基材と;
前記フィルム状基材の一方の面に固定され、一方の端部に第1端子を備え、他方の端部に第1電極を備えた第1導体と;
前記フィルム状基材の前記一方の面に固定され、一方の端部に第2端子を備え、他方の端部に第2電極を備え、前記第1導体とは絶縁された第2導体と;
前記フィルム状基材の前記一方の面側に、スペーサを介して前記フィルム状基材から離隔して設けられたフィルム状部材と;
前記フィルム状部材の前記フィルム状基材に面する面に固定され、一方の端部に第4電極を備え、他方の端部に第3電極を備えた第3導体と;
を有し、前記第1電極と前記第4電極が互いに対向して配置された電極対を含む第1スイッチが形成され、前記第2電極と前記第3電極が互いに対向して配置された電極対を含む第2スイッチが形成され、前記スペーサには、前記第1及び第2スイッチの各々に対応する各貫通孔が形成されていることを特徴とする着座検出スイッチ。
【請求項2】
前記第1スイッチがオンになり且つ前記第2スイッチがオンになることにより、乗員が座席に着座していることを検出できるように、前記第1〜第3導体が配線されていることを特徴とする請求項1に記載の着座検出スイッチ。
【請求項3】
前記第1電極と第4電極の各々が電気的に並列に接続された複数の電極を含み、前記第1電極の各電極が前記第4電極の各電極と対向して配置されてそれぞれ第1スイッチが形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の着座検出スイッチ。
【請求項4】
前記第1電極と第4電極の各々および前記第2電極と第3電極の各々が電気的に並列に接続された複数の電極を含み、前記第1電極の各電極が前記第4電極の各電極と対向して配置されてそれぞれ第1スイッチが形成され、前記第2電極の各電極が前記第3電極の各電極と対向して配置されてそれぞれ第2スイッチが形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の着座検出スイッチ。
【請求項5】
前記第1スイッチと前記第2スイッチとが前記各導体によってアンド回路を形成するように接続されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の着座検出スイッチ。
【請求項6】
前記第1スイッチと前記第2スイッチの少なくとも1つが複数のスイッチを含み、前記複数のスイッチがオア回路を形成するように並列に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の着座検出スイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【公開番号】特開2008−305809(P2008−305809A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−220436(P2008−220436)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【分割の表示】特願2004−145985(P2004−145985)の分割
【原出願日】平成16年5月17日(2004.5.17)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】