説明

着用型ディスプレーインターフェースクライエント装置

【課題】
電力を必要とせずに画像を連続的に表示できることである。
【解決手段】
作動時にサーバとの短距離(好適にはせいぜい10メーター)無線双方向通信状態にある着用型ディスプレーインターフェースと、関連する方法と、そのようなインターフェースおよびサーバを含むシステム。この着用型インターフェースは、作動式にビジュアルディスプレーにカップリングされているプロセッサ(通常プロセッサまたはグラフィックプロセッサ、メモリ搭載型または非搭載型、ディスプレー搭載型または非搭載型および他のI/Oドライバ)並びに無線インターフェースをドライブする電源を含んでいる。このインターフェースはディスプレーインターフェースをユーザの身体(手首または首)または着衣にリンクさせる取付インターフェースをさらに含んでいる。サーバは好適には、ディスプレーインターフェースがクライエントである携帯電話である。さらにインターフェースは、入力指示または通信コマンド等の言語化されたデータを受領するためのスピーカおよび/またはマイクロフォンとして機能することができる。このインターフェースは小型で効率的な形態ファクタを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は作動時にサーバとの短距離無線双方向通信状態にある着用型ディスプレーインターフェースと、関連する方法と、そのようなインターフェースおよびサーバを含むシステムとに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に従ったこの着用型インターフェースの基本的な一連の実施形態は、作動式にビジュアルディスプレーにカップリングされているプロセッサ(通常プロセッサまたはグラフィックプロセッサ、メモリ搭載型または非搭載型、ディスプレー搭載型または非搭載型および他のI/Oドライバ)並びに無線インターフェースをドライブする電源を含んでいる。このインターフェースは薄型クライエント装置をユーザの身体または着衣にリンクさせる取付手段をさらに含んでいる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この取付手段は1形態の実施例では好適にはブレスレットの手段によってユーザの手首と着用型インターフェースとをリンクさせるように機能し、別形態の実施例ではユーザの首と着用型インターフェースとをリンクさせるように機能する。前者の場合にはインターフェースは腕時計をエミュレートしており、後者の場合にはインターフェースはペンダントまたは首掛け用ロケットをエミュレートする。
【0004】
着用型インターフェースの基本的な機能はホストサーバまたはマスタサーバ(以降集合的に“サーバ”と呼称;“ホスト”あるいは“マスタ”が好まれる通信プロトコルコンベンションの場合も同様;着用型インターフェースは“クライエント装置”として引用;“スレーブ”が適当な場合も同様)のための無線ディスプレーとしての機能である。着用型インターフェースのためのディスプレーデータは画像ディスプレーで表示するためのホストサーバによって調製された少なくとも1つのビジュアル画像をコード化しているデータまたは着用型インターフェースによって変換されたホストサーバネーティブディスプレーデータの形態で利用が可能である。ビジュアルディスプレーに送られ、その画像に変換されるビジュアル画像の小型化によって前者の例の利点はそのビジュアル画像をコード化しているデータ無線伝達に必要なバンド幅が減少し、モーションエミュレーション画像の場合のビジュアルディスプレー再表示速度が増加することである。しかし後者の例の利点はホストサーバが着用型インターフェースのネーティブディスプレーバッファサイズの制限条件にマッチすべくそのビジュアルディスプレー出力を改変する必要がないことである。これらの操作はインターフェースによって行われる。
【0005】
着用型インターフェースのビジュアルディスプレーは好適には液晶ディスプレー技術または有機LED技術を使用して構築された高ピクセル密度(高解像度または小ピクセル間隔)ディスプレーから構築される。さらに別な技術はジャイリコンディスプレーを含む。
【0006】
このようなディスプレーを採用することの利点はディスプレーを再表示させるときだけに電力が消費されることである。極端に低電力であるディスプレーを使用する利点は画像が電力を必要とせずに連続的に表示できることである。この技術は腕時計をエミュレートする本発明の実施例のユーザに、例えば電力過消費を心配せずに望む画像を表示させることである。表示画像は時計面画像あるいは他のユーザが望む画像を含むことができる。
【0007】
技術的または費用の限定要因によって円形のビジュアルディスプレーを得ることは実際的ではないかも知れない。このような場合、本発明の実施例によっては円形ディスプレーに近似させるように方形ディスプレーを切り詰めるベゼルをさらに含むことができる。減少したディスプレーの幾何学図形データは着用型インターフェースにコード化でき、サーバが画像をコード化したデータを送るとき減少ディスプレーサイズが考慮される。または着用型インターフェースの内部グラフィック処理が前述のようにデータを変換する。さらに1つのビジュアルディスプレーが非技術的理由または金銭的理由、すなわちファッションの理由で改変できることは想定されている。スナップ留め式ベゼルが使用でき、着用型インターフェースの美的特徴を臨時に改変するのに利用することができる。
【0008】
着用型インターフェースにリンクされたベゼルのタイプを感知することでビジュアルディスプレーデータは観察可能なディスプレー内にフィットするように適正に調節できる。よって各ベゼルタイプは観察可能なディスプレーフィールドの境界を識別するコンタクタのごときユニークな識別手段を有することができ、観察可能なフィールドにマッチするように着用型インターフェースまたはサーバにビジュアルアウトプットの特性を改質させることができる。
【0009】
本発明はサーバと着用型インターフェースとの間の双方向通信のための比較的に短い作動距離を特徴とする。歴史的に無線通信インフラストラクチャ(以降“インフラ”)は無線ノード間の距離を増加させ、例えばLEO衛星通信と携帯電話タワーとの関係等の望むインフラの設立に必要な投資を低減させることに向けられてきた。あるいは多数の低コストであるリピータノードが利用できるが、この解決法はさらに優れた信号伝達技術並びにノードリンクインフラを必要とする。一方、本発明は、例えば10m以下であるような比較的に短距離に効果的な双方向通信距離を減少させることも意図している。着用型インターフェースはユーザ個人のものであり、ローカルな作動にのみ依存するため、望むサーバは必然的にユーザ近辺に存在し、一般的に一定のリソースである。以下でさらに詳細に解説するが本発明はローカルでの利用に最適であり、複数のサーバを利用するが、それらの間のコンフリクトが最低限であることが条件となる。
【0010】
よって本発明の別な特徴は着用型インターフェースがサーバを特定しないことである。1例ではホストサーバは携帯電話またはPCS電話のごとき無線通信装置を含むことができる。この例では、着用型インターフェースはグラフィック(静止画像または動画)表示装置としてのみ作用するが、ユーザはブルーツースイネーブル化ヘッドセットのごとき電話と(好適には無線で)作動式にカップリングされたスピーカ・マイクロフォン装置(オーディオ装置)を有することができる。しかしこのような場合、両装置のホストサーバとして機能する電話は両方との通信を調整しなければならない。もし電話が作動不能になればビジュアルおよびオーディオサービスの両方が終結してしまう。しかし、もし着用型インターフェースがオーディオ装置のホストとしても機能するなら、そのとき全面的なディスプレー機能性は着用型インターフェースの別の適したホストサーバに遭遇すると復活することができる(これは着用型インターフェースがサーバからサーバに送られる“リンクパス”と呼称される)。
【0011】
例えば、もし無線電話との接続が失われたら、適した無線イネーブル化パーソナルコンピュータで別接続が設立でき、無線電話セッション(着用型インターフェースに保存された呼出または受領電話番号、または保存オーディオインプット/アウトプット等)からの情報は新ホストサーバに送ることが可能であり、適した機能(呼出者または受領者とのVolP接続の設立等)が実行できる。提供されたプロトコルに従ってユーザ半透明ハンドオフ状態を創出でき、会話中の人物または情報交換中の人物間で音声及び/又はデータ通信の妨害はほとんどない。もし複数の実行可能なサーバが着用型インターフェースの双方向通信距離内に存在するならば動的あるいは静的優先化スキームが採用されなければならない。動的割当はクエリー応答セッションを介したユーザインプットを必要とし、静的割当は複数の可能サーバに優先値を提供するであろう。
【0012】
優先化は近接度を考慮できる。例えばユーザイネーブル化携帯電話は物理的にさらに遠い同様なイネーブル化キオスクよりも高い優先順位を有している。あるいはユニークID並びにそれぞれの可能なサーバと関連する解説ストリングの評価を介した目的別優先順位でもよい。
【0013】
本発明の別特徴は通話認識のごとき複雑なコンピュータ機能を実行するホストサーバの利用である。着用型装置に通話認識機能を提供する従来の努力は1つの回答を得ようとするものであったが、本発明の実施例はホストサーバと着用型インターフェースとの間で通話認識のごとき高度なアプリケーションのためのコンピュータオーバヘッドを利用する。着用型インターフェースは“ダムターミナル”としての最低限の機能のみを必要とするが、本発明の選択された実施例ではユーザ音声パターンに関するユーザ特有データを保存する着用型インターフェースが利用される。
【0014】
その際にホストサーバはコンバーセイCASSI通話認識エンジン(カンバーセーショナルコンピューティングコーポレーション、米国ワシントン州レッドモンド在)のごとき汎用通話認識ソフトウェアを有して操作するだけである。適したセッションが開始されるとホストサーバアプリケーションは着用型インターフェースで可能な特有ユーザ音声ファイルを検索する。サーバによりアクセスされると、あるいは好適には一次的にサーバにコピーされると、テキスト/アクションセッションに関する通話は特に高い翻訳精度を達成する。さらに保存されたユーザ特有音声ファイルを含むことは安全装置として機能する。承認されたユーザ音声および通話の特徴のみが認識アプリケーションを最適に駆動するであろう。この目的でユーザ音声ファイルは非揮発性EEPROMまたは着用型インターフェースの同様なメモリ内に保存でき、データファイルの非承認改変/取出し/交換を防止するためのパスコードにより安全化できる。
【0015】
本発明のさらに別な特徴はエネルギー保存装置または発生装置の利用並びに本発明の様々な実施例でのそれらの組み入れに関する。従来の金属系エネルギー保存装置に代わる有機系のエネルギー保存装置の急速な開発により着用型インターフェースはポリマー系リチウムイオン電池のごときフレキシブルなエネルギー保存装置、好適には充電式のエネルギー保存装置を利用できる。あるいは穀物アルコール(例えばウオッカ)のごとき容易に入手できる燃料源で電流を発生させる微小燃料電池技術が利用できる。もちろん乾電池(アルカリ電池等)の従来式電力保存装置も使用できる。解説した電源は容器内に収容することも容器外に置くこともできる。
【0016】
しかし理想的にはディスプレー要素と関連回路の容器サイズを最小とするため、電力保存および調整コンポーネントを着用型インターフェースが占める領域全体にわたって配分することが好ましい。ディスプレーが時計をエミュレートする実施例では電源は好適にはユーザを着用型インターフェースとリンクする取付手段上で収容し、あるいは取付手段を含む。そのような選択された実施例では容器はリストバンドまたはブレスレットのごとく取付手段から取り外し可能である。このようにユーザは2つのブレスレットを持つことができる。
【0017】
1つは着用用で1つは固定充電用である。着用ブレスレットの利用可能な電力が所定の閾値以下に低下するとユーザはその事実を知らされ、ブレスレットを交換する。バックアップ電源または非揮発性保存コンポーネントはインターフェース優先順位を保持するように作動し、この変更時に機能する。これら実施例の利点はインターフェースの操作が殆ど不要であり、電源の切替操作が非常に迅速で容易なことである。しかし容器とブレスレットとの間(あるいは電力コンタクトと環境との間)で適した封止技術を使用した封止手段が提供されるべきである。または専門家であれば理解するであろうが誘導性結合等の非接触式電力結合手段を利用する。
【0018】
前述の実施例の代替として他の実施例ではディスプレー容器を備えた着脱式電源を含むブレスレットが利用される。この組み入れで、電源容器(例えばブレスレット)とディスプレー容器との間に露出した電力移動コンタクタは必ずしも存在しないため事故的な短絡のリスクが低減される。しかし着脱式電源の交換または充電は交換または充電の期間その電源の取出しを必要とする。これは全ての利用者にとって実用的ではない。前述の実施例でのごとく誘導性充電システムは電源の適した環境からの絶縁維持に使用できる。さもなければ電源と環境との間に他の適したバリアを使用すべきである。
【0019】
ネックレス部分が機能的に手首の例のブレスレット部分と等しい場合にはペンダント形態ファクタの類似方法が使用可能である。さらにペンダント形態ファクタで追加の可能性が発生する。すなわち、1以上の電池がネックレス部分に装飾ファッション(ネックレス部分に沿って、あるいは直交的)で“取り付け可能”であり、電池切れになると交換される。電池の受領部はディスプレーのために容器に電気的にカップリングされている。
【0020】
非着脱式の充電式電源を有した実施例は望む小型形態ファクタを維持するために好適には装置外部に置かれる充電インターフェースを含んだ充電源をさらに必要とする。この充電インターフェースはドッキングステーションまたは別体のプラグ/コンセント形態で提供可能であり、その選択は設計の問題である。その手段は使用中に電源が収容される容器をエミュレートするものであろうが、着脱式の充電式電源を有した実施例では電源を充電する手段をも必要とする。
【0021】
選択された実施例では着用型インターフェースは無線ヘッドセットのごとき無線リンク、スピーカ及び/又はマイクロフォンのごとき一体型構造体、または引き込み式有線スピーカ及び/又はマイクロフォンのごときリンク構造体を介してオーディオを提供し、及び/又は受領する手段をさらに含む。以下の説明はまずオーディオアウトプット実施例に関し、続いてオーディオインプット実施例に関し、最後に組み合わせI/O装置に関する。開示された実施例は排他的なものではなく、開示技術のアプリケーションおよび組み合わせの多様性を具体的に示すことを意図している。
【0022】
オーディオアウトプット性能を備えた着用型インターフェースの基本的実施例は一体型スピーカ要素を含むことができる。
【0023】
オーディオアウトプット性能を備えた着用型インターフェースの基本的実施例は有線引き込み要素並びに、特に着用者の耳穴に差し込むようになったスピーカ要素をさらに含むことができる。オーディオアウトプット性能を備えた着用型インターフェースは前述したどのようなタイプのものであってもよい。例えば手首着用式あるいは首掛け式であり、ユーザに有線スピーカをそこから引き出させる。有線スピーカが不要になると、それは着用型インターフェース内に収容できる。これら実施例の一体型オーディオ実施例に勝る利点には増大したプライバシーの提供(オーディオアウトプットはユーザの耳穴に直接的に届けられ、ユーザ以外の他人が感知することは非常に困難)、オーディオがユーザの耳穴に直接的に届けられることによる電力消費の減少、オーディオ忠実度の増強および環境ノイズの拒絶、並びに専門家であれば理解するであろう他の利点が含まれる。
【0024】
インプット:通話認識アプリケーションは高品質マイクロフォンおよび関連インフラ(例えばマイクロフォンブーム、および好適には無線ヘッドセット)の利用を介したさらに高い変換精度を達成し、限定された語彙セットへのテキスト変換に通話を限定することで精度を大きく向上させ、変換精度を低下させる要因となり得るメカニカル限定要因を克服する。さらに電話での会話のごとき純粋な音声通信は一体型マイクロフォンに見られるであろう品質限定に対して大幅に改善された許容誤差を提供している。一体型スピーカは着用型インターフェースの望む小型形態ファクタ(容器サイズ、エネルギー保存限定要因、等)によるトランスジューササイズおよびアウトプットの限定にも遭遇する。この点で、および十分なフレキシビリティを提供するために、選択された実施例はオペレータに遠隔オーディオ入力および出力装置(有線、無線あるいは一体型)と作動式に通信させる双方向通信特性をさらに含んでいる。さらに別な実施例ではそのような遠隔オーディオ入力および出力装置は装置の着脱可能なコンポーネントである。装置とドッキングするとその装置は半一体型装置になり、ユーザによって取り外され、着用されるとその装置は着用型インターフェースと有線または無線通信する遠隔オーディオ入力および出力装置となる。
【0025】
選択実施例では着用型インターフェースは少なくとも1つのアナログ・デジタル変換装置を含む。よって心拍モニタや血圧モニタ等のアナログ入力装置は着用型インターフェースと作動式にカップリングできる。同様に、スピーカ(前述)またはバイブレータのごときアナログ出力装置もそこに作動式にカップリングできる。
【0026】
前述に加えて、ディスプレーのために複数のインプットモードが想定されている。本発明の1目的は通信データの受領並びに通信のためにユーザに便利な手段を提供することであるため、従来式メカニカルインターフェース操作は最小限度に押さえられるべきである。例えば特定の環境ではユーザはディスプレーを自分の衣服上に存在させ、さらに手袋をはめており、自分の指による正確な操作が不可能であることが起こり得る。例示的環境には、建築環境、水中環境、寒冷環境、飛行軌道環境が含まれる。これらの状況ではユーザが大抵の手首着用装置に存在する従来式のプッシュボタンを操作するのは不可能であろう。
【0027】
これらボタンは小さくて込み合っている。よって本発明の実施例は従来ではプッシュボタン式、回転ノブ式及び/又は回転円板式に反応する選択機能を実行する近接センサ手段を提供する。そのような近接センサ手段は方向性の熱センサ、光センサおよび超音波トランスジューサのごとき距離センサを含む(単独またはエミッタまたは他のサポートインフラと共に使用)。このソリッドステートアプローチのさらなる利点は装置の内部を環境内に存在する汚染から絶縁するために通常に使用される封止手段の排除である。
【0028】
近接センサ手段は1つのスイッチに近似させる一体型でもよい。あるいは複数のスイッチに近似させる複数のそのような近接センサ手段を利用することができる。複数が使用されている実施例ではディスプレー、容器及び/又は取付手段の一部は別々のセンサ手段のための位置に提供できる。あるいはディスプレースクリーンは例えば4分割にパースできる。このことでディスプレースクリーンの適した4分割部分のカバリングは対応するセンサ手段を活性化させる。
【0029】
センサ手段は時間独立型または時間依存型でよい。時間独立型ではセンサ手段は2状態機能を有する。センサ手段の活性化はユーザがどれだけ長くセンサ手段を“活性化”させるかには関係なくリンクされたロジックの状態を変化させる。時間依存型の実施例では“活性化”時間はリンクされたロジックの状態を変化させる。例えば1秒未満の“活性化”は機能“X”を実行させ、1秒以上で5秒未満の“活性化”は機能“Y”を実行させ、5秒以上の“活性化”は機能“Z”を実行させる。よって機能“X”は“スクリーン変化”コマンドであり、機能“Y”は“スクリーンスクロール”コマンドであり、機能“Z”は“スクリーンスリープ”コマンドであり得る。さらにこのようなセンサ手段を組み入れた本発明の実施例は一連の“活性化”を交互に利用し、または前述に加えて利用できる。例えば、5秒以内に3つの時間独立型“活性化”あるいは“ショート”、“ショート”、“ロング”のごとき3つの時間依存型活性を利用できる。
【0030】
前述に加えてこのセンサ手段はアレイ状に配列できる。これはリニアアレイの場合に1軸で、マトリックスアレイの場合に2軸での相対モーションの検出に力を貸す。ディスプレーのための小型形態ファクタを提供する望ましい目的が与えられると、リニアアレイを設立するために便利な位置はユーザの手首にディスプレーをリンクさせるための取付手段上である。ストラップ形態のごとき特定の取付手段のリニア性はリニアアレイに力を貸し、さらにはセンサ手段を“活性化”させながらユーザにディスプレーを感知させる。このアレンジは画像ディスプレー特性をコントロールするためにモーション誘導インプットから利益を受けるスクロール機能にとってさらに好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
図1は、腕時計エミュレーション形態の本発明の着用型ディスプレーの基本実施例(以降“時計インターフェース”)を、無線スピーカ・マイクロフォン(以降“ヘッドセット”)と公衆電話網によって、および公衆電話網にアクセス可能な携帯電話と合わせて図示している。時計インターフェース10は、視覚的情報を高ピクセル密度のマトリックスディスプレーを介してユーザに提示するための手段を提供し、携帯電話20内の通話認識ソフトウェアはヘッドセット30を使用するユーザにコマンド、クエリー、ステートメントおよびその他の表現をキーボードまたはその他の手動入力形態を必要とせずに音声にて入力可能にし、その結果をインターフェース10に表示できる。
【0032】
時計インターフェース10は視覚的および戦略的に従来の腕時計に似せて構成されているが、従来技術のように腕部に通信装置を搭載することを重視していない。このように時計インターフェースの形態ファクタは好適には従来の時計の範囲内である。新技術の採用は既知の受け入れられている技術を利用することで促進される。図1の実施例では厚みは好適には10mmであり、ケースの基本径はせいぜい約50mmである。
【0033】
ハードウェアの視点では、時計インターフェース10は従来の時計コンポーネントであるケース、背部およびガラス面を含む容器を含んでいる。実施例によっては、時計インターフェース10は非金属性ブレスレットまたは金属製ブレスレットを含んでいる。さらに、SPST瞬時接触型スイッチまたは多機能サムホイール等である1以上の機械的入力手段を選択された実施例で利用することもできる。機械的スイッチに加えて、またはその代わりに、時計インターフェース10は“ジェスチャー”センサを含むこともできる。これらのセンサは前述の瞬時スイッチの非接触式形態である。時計インターフェース10が照光環境にあるかぎり、“ジェスチャー”センサを覆うなどして遮断することは、インターフェース10内の制御回路によって認識される論理的状態の変化を招く可能性がある。この変化は適切な回路を含んだいかなるスイッチと同様に対応できる。さらに、例えば赤外線ポートのごとき二次ポートを採用することもできる。
【0034】
ケースには、LCD表示スクリーン、ARM7またはARM9プロセッサ、外部フラッシュメモリ、ピエゾ結晶および関連アンテナを有するブルーツーストランシーバチップが搭載されたICボードが内蔵されている。LCD表示スクリーンは好適には16ビット色深度である160×128ピクセルの表示特性を有している(256色ディスプレー用)。後述する作動システム内にあるソフトウェアドライバは必要なハードウェア−ソフトウェアサポートを提供する。発明の概要でも述べた通り、様々な代替表示スクリーンが有効であり、現在のところ白黒LCDディスプレー、有機LEDディスプレーおよびジャイリコンディスプレーが含まれる。本発明の実施例の操作には必要ではないが、ディスプレーはマトリックスディスプレーであることが非常に望ましいと考えられる。比較的に高ピクセル密度のディスプレーを利用することも望ましい。ディスプレーが比較的に小型形態であるため、高ピクセル密度を有することで使用性が大幅に向上する。
【0035】
プロセッサは好適には非ASICプロセッサであり、着用型インターフェース10と共に使用するためのアプリケーションの第3者開発を促進することを目的としている(産業基準のAPI用プログラムの構築はさらに容易である)。多くの有効なプロセッサが存在するが、PDAに要求される低電力消費性、グラフィック表示性および産業基準APIに合っている点で最適であることからPDA市場で一般に使用されているものが望ましいと考えられ、本発明の実施例はこのような市場を対象としている。よってARM7またはARM9プロセッサチップは現在のところ最適であると考えられる。これらのチップは好適にはプログラミングをさらに簡素化させるよう開発されたプログラムインターフェースを有する。さらに、少なくとも48MHzと少なくとも64KのオンボードRAMのクロックスピードが望ましいと考えられる。プロセッサは時計インターフェース10の全機能を実行するために必要なリソースも提供する。
【0036】
ピエゾ結晶トランスジューサは、サーバによる口頭および変換された指示、手動入力、および/または機能変換の少なくとも受領を確認するために存在する。さらに結晶トランスジューサは呼出音再生のために機能することができる。
【0037】
ブルーツースチップは時計インターフェース10に無線I/O機能を提供する。これは適切なドライバを介したプロセッサとの双方向通信状態であり、いずれにしろ当業者には周知であるエレクトロニクスパッケージと一体化される。
【0038】
発明の概要でも述べた通り、多くの電源オプションが利用できる。電源の位置に関係なく、作動電圧で少なくとも530のmAH定格の電源は、本発明の実施例を商業的に合理的な時間にわたり作動させるために十分な性能を有する。特に前述のエレクトロニクスパッケージはおよそ16時間にわたり、10%の平均通信負荷サイクルでほぼ静力学的なディスプレー画像を提供し、定格電圧範囲で約500mHAの電力を消費する。フルモード(以下で詳説する)で最小装備の時計インターフェースは約4時間作動するであろう。電源性能を倍にすることで作動時間はおよそ80%改善される。
【0039】
作動電源は時計インターフェース10のリストバンドまたはブレスレット内に形成された複数の電池によって提供される。多様な電源搬送モードが想定され、発明の概要で説明されているが、時計インターフェース10は誘導性外部充電器を介して充電可能な直リンク電源を使用している。
【0040】
前述のごとく時計インターフェース10(ここでは “eON”または“eON装置”とも呼称する)は、ブルーツース無線プロトコルを通じてJava(登録商標)イネーブル化携帯電話20とインターフェースするLCDディスプレーを備えた腕時計エミュレーションであり、システム環境内の電話並びにリンクされた装置に全音声制御機能を提供する。ホスト携帯電話20は好適には、J2ME MIDP2.0(Java(登録商標)プラットフォーム、マイクロエディション)(移動情報装置プロファイル JSR118)等のJava(登録商標)仮想マシン環境にある複数のスピーチベースアプリケーションを作動させるように設計されている。さらにこのような電話は好適には、スマートフォン等の小型コンピュータプラットフォームでのスピーチアプリケーションのために特別に創設されたJSAPI2(Java(登録商標)スピーチAPI2.0、JSR 113)環境を作動させる。好適にはファームウェアを利用するスピーチアプリケーションは、通話認識(SR)およびテキスト−スピーチ(TTS)プログラムを含んでいる。これらのプログラムは好適には、FTP等のホスト携帯電話による適切な通信プロトコルアクセスを介して遠隔式アップグレードが可能である。
【0041】
携帯電話(ホスト)と時計インターフェース(クライエント)との間の相互作用を図2に示した。ここではクライエントとホストソフトウェアインフラストラクチャおよびハードウェア相互作用を図示している。ブルーバード操作システムはクライエントレジデント操作システムであり、好適には非揮発性メモリ内に保存されている。これは、時計インターフェース10のエレクトロニクスパッケージとの通信のためのデバイスドライバプロトコルに加えてブルーツース無線プロトコルによる携帯電話との通信のためのイベントプロトコルを含んでいる。
【0042】
ブルーバードOSで作動するビルトインまたはレジデントアプリケーションは時計インターフェース10ハードウェアで直に作動するアプリケーションであり、ホストまたはマスタとの無線接続とは無関係である。これらのアプリケーションは好適には望むダイアル画像同様、時間管理機能、カレンダー機能およびタスク特性を含んでいる。
【0043】
JVM環境で作動する遠隔またはホストベースアプリケーションはホストまたはマスタ装置で直に作動するアプリケーションであり、図示の実施例の場合は携帯電話20である。これらのアプリケーションは好適には、電話20上で表示するためのデータが、リダイレクトまたはデータの変換によって時計インターフェース10へ送信されるようデータパススルー特性を含んでいる。さらに、好適には時計インターフェース10が機能的使用状態でない場合(時計としての使用状態でない場合)に時計面画像を表示するための画像表示アプリケーションを含んでいる。
【0044】
スピーチ変換機能を有効化するため、時計インターフェース10の好適実施例はJSAPI2環境で機能するアプリケーションを有している。
【0045】
STT実施例では、音声入力を解析し、JSAPI2による実行のためには話し言葉を対応するインストラクションへ変換する少なくとも1つの適切なスピーチエンジンを利用しなければならない。
【0046】
最後に、ブルーバード同様にスピーチエンジン機能へのアクセスを提供するAPIのライブラリをソフトウェアデベロッパキット内にて携帯電話で利用できる。
【0047】
説明の実施例の特徴は、ユーザ入力で、あるいは自律的にて1つのホストサーバ(マスタ)から別のホストサーバ(マスタ)への切り替え能力である。自律的の場合、全ての利用可能な通信手段(例えばブルーツース信号)を検出し、ユーザ、あるいはホスト能力、信号強度、ホストタイプ(ホスト装置の性質)、ホスト目的(通信装置またはホームオートメーションコントローラ等のプライオリティ装置)等のデフォルトファクタのいずれかにもとづいてコミュニケーション手段の1つとの双方向通信に係わる信号コンパレータアルゴリズムを利用できる。切り替えがユーザ入力によってなされる場合、画面はユーザ選択のために様々なホストオプションのアイコンを表示する。選択がなされない場合、現存するホスト形態が維持される。言うまでも無くハイブリッドアプローチも利用でき、ユーザは新規ホストまたは現存ホストを選択するための時間を与えられ、その後、時計インターフェース10がそれを自律的に行なう。オプションの確認メッセージを視覚的および/または音声によってユーザに提示することもできる。
【0048】
以下の実施例は、時計インターフェース10のグラフィックユーザインターフェース(“GUI”)とボイスユーザインターフェース(“VUI”)に関する。GUIとVUIは、ユーザにGUIまたはVUIのいずれか、あるいは両方を使用してあらゆるタスクを完了させるべく共同作動するように設計されている。
【0049】
図3は時計インターフェースをエミュレートするために利用されるサンプルスタートアップスクリーンを図示している。これは従来のアナログ時計インターフェース背景画像に加えて複数のアプリケーションアイコンを含んでいる。この状態に対応する利用可能な高レベルAPIのサンプルリストを図3aに示す。携帯電話のウォールペーパーや呼出音のように、時計インターフェース10のユーザも “ウォッチトップ”画像(静的または動的)を取得、保存および表示することができる。これらの画像は、手首着用型時計のファッションファクタを再定義するであろう動的時計画面を創出する能力を企業やソフトウェアデベロッパに提供するブランドネーム製造者によって設計されたものを含む。
【0050】
ユーザが与えられたアイコンと関連するアプリケーションを行使しようとするなら、ユーザは1つまたは複数の機械的入力装置(例えばスイッチまたはサムホイール)を操作するなどしてそのアイコンを手動で選択することができる。あるいは、ユーザは少なくとも1つの音声発声、例えば”カレンダー”と発声して各アイコンと関連するVUIを利用して選択することができる。図示の実施例では、アイコンが選択されるとその選択の確認はそのアイコンが画面中央に大きく表示されることで行なわれる(図4)。ロード済みで作動中ではない場合、選択されたアプリケーションはテンポラリーメモリにロードされて作動される。そのプログラムと関連する追加的APIも行使される。図5、図6、図7および図8は時計インターフェース10に見られる複数の共通アプリケーション(時計、デスクトップ、カレンダー、コンタクト、メッセージ、リマインダーおよび質問)それぞれのための追加的音声コマンドを図示している。ユーザ選択の対象となる追加的アプリケーションには呼出音、呼出コントロール、天気、セッティング、インターネットブラウザ、計算機、スキン、電子メール、翻訳機能、音楽、フォーム、ビデオ、通過換算、タスク、ノートおよびSMSが含まれる。
【0051】
携帯電話メモリのスピーチエンジンのためのレキシコンは、選択されたアプリケーションに関連する共通ボキャブラリと文法を利用するように改良でき、検索エンジンの精度と速度を向上させることができる。この特徴は特定アプリケーションレキシコンと呼称される。この選択的ボキャブラリは計算オーバーヘッドを大幅に減少させることによって有限である電源の寿命を延長させる。
【0052】
図9はGUIとVUIインターフェースを利用したSMS交換のサンプルセッションを示している。SMS(ショートメッセージサービス)は、6千万人以上の米国民に利用されている電子メールおよびテキスト通信を含む多様なメッセージアプリケーションである。SMSは携帯電話間の短いテキストメッセージの交換を可能にするサービスである。十代によく利用されており、ビジネスでの利用も増えている。SMSは初心者ユーザおよび経験豊富なユーザ共々、小さくて狭いキーパッド上で文字をタイプするようにチャレンジさせる。この図では、時計インターフェース10での典型的なSMSセッション、特に時計インターフェースネットワークの多様なコンポーネント間の相互作用を示しており、ユーザが見て、発声し、聞くものを図示している。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】図1はネットワーク内の本発明の1実施例の概略図である。
【図2】図2は本発明の時計インターフェース実施例内に存在するソフトウェアとホスト携帯電話の機能ブロック図である。
【図3】図3は図1の時計インターフェースのディスプレーを示す詳細図である。
【図3a】図3aは図1の時計インターフェースの高レベルAPI(等級および階級)の部分的リストである。
【図4】図4はアプリケーション選択中に時計インターフェースのディスプレーに表示される多様なスクリーンを示しており、サンプル発話はVUI用である。
【図5】図5はアプリケーション選択中に時計インターフェースのディスプレーに表示される多様なスクリーンを示しており、サンプル発話はVUI用である。
【図6】図6はアプリケーション選択中に時計インターフェースのディスプレーに表示される多様なスクリーンを示しており、サンプル発話はVUI用である。
【図7】図7はアプリケーション選択中に時計インターフェースのディスプレーに表示される多様なスクリーンを示しており、サンプル発話はVUI用である。
【図8】図8はアプリケーション選択中に時計インターフェースのディスプレーに表示される多様なスクリーンを示しており、サンプル発話はVUI用である。
【図9】図9は図1の時計インターフェースを用いたサンプルSMSセッションを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動時に音声認識ソフトウェアを作動させるサーバとの短距離無線双方向通信状態にある着用型ビデオディスプレーインターフェースであって、
ユーザ身体の一部を実質的に取り囲む容器手段と、
前記容器に実質的に包囲されており、全てが共に作動式にカップリングされ電源から電力が供給されるプロセッサ、マトリックスディスプレー、メモリおよびコマンド入力手段を含んだエレクトロニクスパッケージと、
前記サーバからデータを受領および該サーバに送信すべく前記プロセッサに作動式にカップリングされた無線トランシーバと、
を含んでおり、
前記サーバは、従来型の電気通信サービスを提供することができ、音声発話をユーザが使用可能なテキストストリングへ変換するようプログラムされており、機能の1つ、データポピュレーション、あるいは機能およびデータポピュレーションの組合せを実行し、並びに視覚的画像をコード化したデータをマトリックスディスプレー上で表示するために前記エレクトロニクスパッケージの無線トランシーバへ通信することを特徴とするインターフェース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3a】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−524357(P2009−524357A)
【公表日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−551479(P2008−551479)
【出願日】平成19年1月22日(2007.1.22)
【国際出願番号】PCT/US2007/001804
【国際公開番号】WO2007/142703
【国際公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(508220249)カンバーセイショナル コンピューティング コーポレイション (1)
【Fターム(参考)】