説明

着脱装置、テストヘッド、半導体試験装置及び着脱方法

【課題】基板をテストヘッドから取り外す際にコネクタが破損することを防止することのできる着脱装置を提供する。
【解決手段】基板3をテストヘッド11に対して着脱するための着脱装置は、基板3に設けられた凹部33と、テストヘッドに設けられた凸型部材23とを備えた嵌合機構を備え、また、凸型部材23を基板3に対して垂直方向に移動させる駆動機構24を備える。第1コネクタ32と第2コネクタ22とが嵌合した状態から、第1コネクタ32と第2コネクタ22との嵌合が解除される際には、凹部33に凸型部材23が挿入され、凸型部材23の側面から嵌合部材235が突出して凹部33の窪み部331に嵌合した状態で、駆動機構24が、基板3がテストヘッド11から離れる方向に、凸型部材23を移動させ、もって第1コネクタ32と第2コネクタ22との嵌合が解除される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェハに形成された集積回路の試験を行う半導体試験装置において、プローブカード等の基板をテストヘッドに着脱する着脱装置、当該着脱装置を備えたテストヘッド、および当該テストヘッドを備えた半導体試験装置に関するものである。また、本発明は、半導体ウェハに形成された集積回路の試験を行う半導体試験装置において、プローブカード等の基板をテストヘッドに着脱する着脱方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ICデバイス等の半導体電子部品を製造する場合、その製造歩留まりを向上させるために、通常、半導体ウェハの段階(前工程)で、半導体ウェハに形成された集積回路の動作テストを行っている。
【0003】
半導体ウェハに形成された集積回路の動作テストに使用される半導体試験装置として、試験装置のテストヘッドにプローブカードを装着し、プローバにより半導体ウェハをプローブカードに押し付け、プローブカード上のプローブを集積回路の電極に接触させた状態で、試験装置本体により半導体ウェハの集積回路の動作テストをするものが、従来から知られている。テストヘッドは、テストヘッド本体と、プローブカード等の基板とテストヘッド本体との間の電気的な接続を中継するウェハマザーボード等のインターフェース装置とから構成される。
【0004】
そのような半導体試験装置において、プローブカードをテストヘッドに備えられたインターフェース装置に装着するには、プローブカードに設けられた複数のコネクタを、インターフェース装置に設けられた複数の対応するコネクタに接続させる必要がある。両者のコネクタを接続させ、プローブカードをインターフェース装置に装着するための着脱装置として、例えば特許文献1や特許文献2に示されるような着脱装置が提案されている。
【0005】
プローブカード側のコネクタとインターフェース装置側のコネクタとの接続において、コネクタ相互の接触が不安定であると正常な試験を行うことができないため、コネクタの接触信頼性を高める必要がある。そこで、一方のメス側コネクタが他方のオス側コネクタを挟み込む際の接圧を高く保つ構造が、プローブカード側のコネクタとインターフェース装置側のコネクタとの接続において採用されている。具体的には、図5に示すような、オス側コネクタ4(インターフェース装置側のコネクタ)の接触部(ピン)41を挟み込むメス側コネクタ5(プローブカード側のコネクタ)の接触部51を板ばね形状としたコネクタが、プローブカードとインターフェース装置との接続においては一般的に利用されている。このようなオス側コネクタ4とメス側コネクタ5とが嵌合した状態において、メス側コネクタ5をオス側コネクタ4から抜き去ろうとすると、メス側コネクタ5の板ばね形状の接触部51が、オス側コネクタ4の接触部41をメス側コネクタ5の抜去方向とは逆の方向へ押すようにばねの戻り力が発生する。ここで、オス側コネクタ4はインターフェース装置に設けられており、インターフェース装置はテストヘッド本体に固定されているため、オス側コネクタ4に働くばねの戻り力の反作用により、メス側コネクタ5が抜去方向に跳ね上げられるような力がメス側コネクタ5に働く。コネクタの接触信頼性を高めるため、コネクタ同士の接圧をより高くすれば、オス側コネクタ4の接触部41に対して働くばねの戻り力もより大きくなり、その結果、メス側コネクタ5に対して働く抜去方向への力もより大きくなる。
【0006】
一方、近年、半導体ウェハの集積回路の動作テストにおける同時測定個数の増加に伴い、試験装置とプローブカードとの間でやりとりされる信号数も飛躍的に増加しており、プローブカードとインターフェース装置とに設けられるコネクタの多ピン化が進んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−084014号公報
【特許文献2】再表2007−077807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
コネクタの多ピン化が進んだ結果、コネクタを抜き去るときにコネクタ全体にかかる抜去方向へのばねの戻り力はかなり大きなものとなっており、コネクタからプローブカードに伝わるばねの戻り力は、プローブカードが受ける重力よりも大きなものとなっている。その結果、プローブカードをインターフェース装置から取り外すためにコネクタを抜き去る際には、プローブカードがばねの戻り力により跳ね上がり、跳ね上がったプローブカードのコネクタがインターフェース装置のコネクタに乗り上げるように落下するため、コネクタが破損してしまうという問題がある。
【0009】
このような問題を解消するためには、コネクタをZIF(ゼロ挿入力)タイプのものとして、コネクタを抜き去る際にプローブカードが跳ね上がらないようにすることが考えられる。しかしながら、安定した動作テストを行うためには、コネクタ端子を信号伝送距離が短くなるような構造とする必要があるため、コネクタをZIFタイプとすることには設計上無理があり、端子形状を変更することにより問題を解消することは難しい。また、プローブカードが跳ね上がらないように上からプローブカードを押さえつける機構を別途設けることも考えられるが、そのような機構は、試験を行う際にプローバと干渉してしまうため、円滑に試験を行うことができないといった新たな問題が生じてしまう。
【0010】
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、プローブカード、パフォーマンスボード等の基板を、ウェハマザーボード等のインターフェース装置を備えたテストヘッドから取り外す際にコネクタが破損することを防止することができる着脱装置、当該着脱装置を備えたテストヘッド、および当該テストヘッドを備えた半導体試験装置を提供することを目的とする。また、プローブカード、パフォーマンスボード等の基板を、コネクタを破損させることなく、ウェハマザーボード等のインターフェース装置を備えたテストヘッドから取り外すことができる着脱方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、第一に本発明は、第1コネクタが設けられた基板を装着することができ、前記基板に設けられた前記第1コネクタと接続される第2コネクタが設けられたテストヘッドにおいて、前記基板を前記テストヘッドに対して着脱するための着脱装置であって、前記基板に設けられた凹部であって、前記凹部の側面内壁に窪み部が形成された前記凹部と、前記テストヘッドに設けられた凸型部材であって、前記基板における前記凹部の前記窪み部に嵌合する嵌合部材を前記凸型部材の側面から出入自在に有する前記凸型部材と、を備えた嵌合機構と、前記嵌合機構の前記凸型部材を前記基板に対して垂直方向に移動させる駆動機構と、を備え、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが嵌合した状態から、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの嵌合が解除される際には、前記凹部に前記凸型部材が挿入され、前記凸型部材の側面から前記嵌合部材が突出して前記凹部の前記窪み部に嵌合した状態で、前記駆動機構が、前記基板が前記テストヘッドから離れる方向に、前記凸型部材を移動させ、もって前記第1コネクタと前記第2コネクタとの嵌合が解除されることを特徴とする着脱装置を提供する(発明1)。
【0012】
上記発明(発明1)によれば、駆動機構が、基板がテストヘッドから離れる方向に、凸型部材を移動させ、第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が解除される際にも、基板側に形成された凹部にテストヘッド側に設けられた凸型部材が挿入され、凸型部材の側面から嵌合部材が突出して基板側の凹部の窪み部に嵌合した状態が維持されたままであるので、第1コネクタと第2コネクタとの間に生じる抜去方向へのばねの戻り力によって基板がテストヘッドから跳ね上がることが防止される。その結果、跳ね上がった基板の第1コネクタがテストヘッの第2コネクタに乗り上げるように落下して両コネクタが破損することを防止できる。
【0013】
なお、本願におけるテストヘッドとは、テストヘッド本体と、プローブカード等の基板とテストヘッド本体との間の電気的な接続を中継するウェハマザーボード等のインターフェース装置とを含む概念であり、テストヘッドには、テストヘッド本体のみで構成されるテストヘッドも、テストヘッド本体とインターフェース装置とから構成されるテストヘッドも含まれる。したがって、プローブカード等の基板がテストヘッドに装着されるということには、テストヘッドに備えられたインターフェース装置にプローブカード等の基板が装着される場合もあり、テストヘッド本体に直接プローブカード等の基板が装着される場合もある。
【0014】
上記発明(発明2)において、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが離れた状態から、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが嵌合する際には、前記凹部に前記凸型部材が挿入され、前記凸型部材の側面から前記嵌合部材が突出して前記凹部の前記窪み部に嵌合した後、前記駆動機構が、前記基板が前記テストヘッドに近づく方向に、前記凸型部材を移動させ、もって前記第1コネクタと前記第2コネクタとが嵌合することが好ましい(発明2)。
【0015】
上記発明(発明2)によれば、第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が解除される際に、第1コネクタと第2コネクタとの間に生じる抜去方向へのばねの戻り力によって基板がテストヘッドから跳ね上がることを防止しつつ、同じ着脱装置をもって第1コネクタと第2コネクタとを嵌合させることもできる。
【0016】
上記発明(発明1,2)において、前記嵌合部材は球状部材であることが好ましい(発明3)。
【0017】
上記発明(発明3)によれば、球状部材は転がして移動させることが可能であるため、基板における凹部の窪み部に嵌合する嵌合部材を、容易に凸型部材の側面から出入自在に設けることができる。
【0018】
上記発明(発明3)において、前記嵌合機構の前記凸型部材は、筒状で、中空部を有する凸型部材本体と、前記駆動機構と接続されており、前記凸型部材本体の前記中空部を相対的に上下動可能な内部シャフトと、を備えており、前記凸型部材本体の側壁には、前記球状部材が出入可能に設けられる貫通孔が形成されており、前記内部シャフトには、前記球状部材が前記貫通孔から突出している際に前記球状部材が接する拡径部と、前記球状部材が前記貫通孔に収容されている際に前記球状部材が接する縮径部とが形成されており、前記球状部材が前記内部シャフトの前記縮径部に接して前記貫通孔内に収容されている状態から、前記内部シャフトが前記凸型部材本体の前記中空部を下方に相対移動すると、前記球状部材が前記拡径部に接して前記貫通孔より突出することが好ましい(発明4)。
【0019】
上記発明(発明4)によれば、球状部材を、凸型部材本体の側壁に設けられた貫通孔から、内部シャフトの動きによって出入可能とする構造が実現できる。
【0020】
上記発明(発明4)において、前記内部シャフトには、径方向に突出した突起部が形成されており、前記凸型部材本体には、前記突起部に対応する位置に、軸方向に縦長形状の長孔が形成されており、前記突起部は前記長孔内に位置するとともに、前記長孔内において上下動可能となっており、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが離れた状態から、前記駆動機構が、前記内部シャフトを前記凸型部材本体に対して下方に相対移動させると、前記突起部が前記長孔の下部内壁に接し、前記駆動機構が、前記突起部が前記長孔の下部内壁に接した状態からさらに前記内部シャフトを下方に移動させると、前記突起部が前記長孔の下部内壁を押し下げることにより、前記凸型部材本体が前記内部シャフトに連動して下方に移動させられ、もって前記第1コネクタと前記第2コネクタとが嵌合することが好ましい(発明5)。
【0021】
上記発明(発明5)によれば、第1コネクタと第2コネクタとが離れた状態から、駆動機構が、内部シャフトを凸型部材本体に対して下方に相対移動させると、突起部が長孔の下部内壁に接し、駆動機構が、突起部が長孔の下部内壁に接した状態からさらに内部シャフトを下方に移動させると、突起部が長孔の下部内壁を押し下げることにより、凸型部材本体が内部シャフトに連動して下方に移動するため、球状部材が拡径部に接して貫通孔より突出した状態を維持したまま、基板が内部シャフト及び凸型部材本体の移動によってテストヘッドに近づけられ、第1コネクタと第2コネクタとを嵌合させることができる。
【0022】
また、上記発明(発明4)において、前記凸型部材本体の下部には、前記凸型部材本体を上方に付勢する弾性体が設けられており、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが嵌合した状態から、前記駆動機構が、前記内部シャフトを上方に移動させると、前記弾性体の付勢力により、前記凸型部材本体も前記内部シャフトに連動して上方に移動させられ、もって前記第1コネクタと前記第2コネクタとの嵌合が解除されることが好ましい(発明6)。
【0023】
上記発明(発明6)によれば、駆動機構が、内部シャフトを上方に移動させると、凸型部材本体も内部シャフトに連動して上方に移動させられるため、球状部材が拡径部に接して貫通孔より突出した状態を維持したまま、第1コネクタと第2コネクタとの嵌合を解除することができる。
【0024】
上記発明(発明6)において、前記凸型部材本体が前記内部シャフトに連動して上方に移動する距離は、少なくとも、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの嵌合が解除される距離であることが好ましい(発明7)。
【0025】
上記発明(発明6,7)において、前記凸型部材本体の上端部には、前記内部シャフトの上端が突出可能なように開口部が形成されており、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの嵌合が解除された後、前記駆動機構が、さらに前記内部シャフトを上方に移動させると、前記球状部材が前記内部シャフトの前記拡径部に接する位置から前記縮径部に接する位置まで移動して前記貫通孔内に収容されるとともに、前記内部シャフトの上端が、前記開口部から突出して前記凹部の上部内壁に当接することが好ましい(発明8)。
【0026】
上記発明(発明8)によれば、内部シャフトの上端が凸型部材本体の開口部から突出して凹部の上部内壁に当接することにより、内部シャフトが、基板を、嵌合が完全に解除された第1コネクタ及び第2コネクタを接触させることのない位置に支持することができるため、球状部材が内部シャフトの拡径部に接する位置から縮径部に接する位置まで移動して貫通孔内に収容される際に、基板がテストヘッド方向に落下することを防止することができる。
【0027】
上記発明(発明8)において、前記拡径部の軸方向の長さは、少なくとも、前記内部シャフトの上端が前記凹部の上部内壁に当接するまで、前記拡径部に前記球状部材が接し続ける長さであることが好ましい(発明9)。
【0028】
上記発明(発明1〜9)において、前記基板は、半導体ウェハに形成された集積回路の電極に電気的に接触するプローブを有するプローブカードであってもよい(発明10)。
【0029】
上記発明(発明10)において、前記嵌合機構の前記凹部は、前記プローブカードの補強枠の下部に設けられていてもよい(発明11)。
【0030】
上記発明(発明10,11)において、前記テストヘッドは、テストヘッド本体と前記プローブカードとの間の電気的な接続を中継するインターフェース装置とを備えていてもよい(発明12)。
【0031】
上記発明(発明12)において、前記嵌合機構の前記凸型部材は、前記テストヘッドにおける前記インターフェース装置上部に突出させるように設けられていてもよい(発明13)。
【0032】
第二に本発明は、第1コネクタが設けられた基板を着脱するための請求項1〜13の何れか一項に記載の着脱装置を備えたテストヘッドを提供する(発明14)。
【0033】
第三に本発明は、半導体ウェハに形成された集積回路の試験を行う半導体試験装置であって、請求項14に記載のテストヘッドと、前記テストヘッドを介して、前記集積回路に試験信号を供給して検査する試験装置本体と、を備えた半導体試験装置を提供する(発明15)。
【0034】
第四に本発明は、第1コネクタが設けられた基板を装着することができ、前記基板に設けられた前記第1コネクタと接続される第2コネクタが設けられたテストヘッドにおいて、前記基板に設けられた凹部であって、前記凹部の側面に窪み部が形成された前記凹部と、前記テストヘッドに設けられた凸型部材であって、前記基板における前記凹部の前記窪み部に嵌合させる嵌合部材を前記凸型部材の側面から出入自在に有する前記凸型部材とを備えた嵌合機構、及び前記嵌合機構の前記凸型部材を前記基板に対して垂直方向に移動させる駆動機構であって、前記凸型部材に接続された前記駆動機構を用いて、前記基板を前記テストヘッドに対して着脱するための着脱方法であって、前記基板を前記テストヘッドに装着する際には、前記基板における前記凹部に前記凸型部材を挿入し、前記凸型部材の側面から前記嵌合部材を突出させて前記基板における前記凹部の前記窪み部に嵌合させた後、前記駆動機構が、前記基板が前記テストヘッドに近づく方向に、前記凸型部材を移動させ、もって前記第1コネクタと前記第2コネクタとを嵌合させることにより、前記基板を前記テストヘッドに対して装着し、前記基板を前記テストヘッドから取り外す際には、前記凸型部材の側面から前記嵌合部材を突出させて前記基板における前記凹部の前記窪み部に嵌合させた状態のまま、前記駆動機構が、前記基板が前記テストヘッドから離れる方向に、前記凸型部材を移動させ、もって前記第1コネクタと前記第2コネクタとの嵌合が解除され、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの嵌合が解除された後、前記嵌合部材が前記凸型部材の側面に収容されることにより、前記基板を前記テストヘッドから取り外し可能とすることを特徴とする着脱方法を提供する(発明16)。
【0035】
上記発明(発明16)によれば、基板をテストヘッドに対して装着する際に第1コネクタと第2コネクタとを嵌合させることができる着脱装置を用いて、基板をテストヘッドから取り外す際に、第1コネクタと第2コネクタとの間に生じる抜去方向へのばねの戻り力によって基板がテストヘッドから跳ね上がることを防止することができ、その結果、跳ね上がったプローブカードのコネクタがインターフェース装置のコネクタに乗り上げるように落下してコネクタが破損することを防止できる。
【発明の効果】
【0036】
本発明に係る着脱装置、当該着脱装置を備えたテストヘッド、および当該テストヘッドを備えた半導体試験装置によれば、プローブカード、パフォーマンスボード等の基板を、ウェハマザーボード等のインターフェース装置を備えたテストヘッドから取り外す際にコネクタが破損することを防止することができる。また、本発明に係る着脱方法によれば、プローブカード、パフォーマンスボード等の基板を、コネクタを破損させることなく、ウェハマザーボード等のインターフェース装置を備えたテストヘッドから取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る半導体試験装置の構成を示す概略図である。
【図2】図2は、同実施形態におけるテストヘッド部を示す側面一部断面図であり、(a)はウェハマザーボードにプローブカードを装着する前の状態、(b)はウェハマザーボードにプローブカードを仮装着した状態、(c)はウェハマザーボードにプローブカードを本装着した状態を示す図である。
【図3】図3は、同実施形態における着脱装置を示す側面一部断面図であり、ウェハマザーボードにプローブカードを装着する過程を(a)〜(d)に経時的に示す図である。
【図4】図4は、同実施形態における着脱装置を示す側面一部断面図であり、ウェハマザーボードからプローブカードを取り外す過程を(a)〜(d)に経時的に示す図である。
【図5】図5は、ウェハマザーボード及びプローブカードに設けられるコネクタを示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態に係る半導体試験装置1は、図1に示すように、試験装置本体(テスタ)10、テストヘッド11、およびプローバ12により構成されている。
【0039】
テストヘッド11は回転装置13に支持されており、ケーブル14によって試験装置本体10と接続されている。また、テストヘッド11は、回転装置13によりメンテナンス位置(図1にて二点鎖線で示す)から反転され、プローバ12上に配置されるようになっている。
【0040】
図1に示すように、メンテナンス位置にあるテストヘッド11の上部には、ウェハマザーボード2が備えられており、当該ウェハマザーボード2にプローブカード3が装着される。本実施形態において、テストヘッド11は、テストヘッド本体とウェハマザーボード2等のインターフェース装置とを備えている。
【0041】
ウェハマザーボード2は、テストヘッド本体とプローブカード3との間の電気的な接続を中継するインターフェース装置であり、図2に示すように、ベース部20、固定枠21、コネクタ22、及び凸型部材23を備えている。
【0042】
ベース部20上には平面視略円形の固定枠21が設けられており、固定枠21の上部にはコネクタ22が複数設けられている。複数のコネクタ22には、それぞれ、テストヘッド11のテストヘッド本体に電気的に接続されたケーブル25が接続されている。
【0043】
図3及び図4に示すように、凸型部材23は、ベース部20に形成された貫通孔201に挿入され、ベース部20上に突出するように設けられている。貫通孔201に挿入された凸型部材23の下側に位置するベース部20の内部には、エアシリンダ24が設けられている。
【0044】
凸型部材23は、インナーシャフト233、ロックシャフト234、硬球235、およびスプリング236を備えている。
【0045】
インナーシャフト233は、筒状のロックシャフト234の中空部234aに挿入されている。インナーシャフト233の下端はエアシリンダ24に接続されており、インナーシャフト233は、エアシリンダ24によって、ロックシャフト234の内部を相対的に上下動可能になっている。ロックシャフト234の中空部234aの一部には、ロックシャフト234の側壁を貫通するように、貫通孔234bが形成されており、硬球235が、ロックシャフト234の側面から出し入れ可能なように、この貫通孔234bに設けられている。
【0046】
また、インナーシャフト233には、硬球235の近傍に凸状の拡径部233aが形成されており、その拡径部233aの下側には縮径部233bが形成されている。通常時は、インナーシャフト233の縮径部233bに硬球235が位置しているが(図3(a)参照)、インナーシャフト233がロックシャフト234内を下方に相対移動すると、拡径部233aが硬球235をロックシャフト234の側面から押し出す(図3(b)〜(d)参照)。
【0047】
インナーシャフト233の縮径部233bの下側、すなわち、インナーシャフト233の略中央部には、径方向に突出している突起部233cが形成されている。これに対し、ロックシャフト234には、突起部233cに対応する位置に、軸方向に縦長になっている長孔234cが形成されている。インナーシャフト233の突起部233cは、ロックシャフト234の長孔234c内を上下方向に移動可能に挿入されている。通常時は、突起部233cは長孔234cの上部内壁に接するように位置しており(図3(a)参照)、インナーシャフト233がロックシャフト234内を下方に相対移動すると、突起部233cは長孔234cの下部内壁に接する(図3(c)参照)。
【0048】
ロックシャフト234の中空部234aの下側には、中空部234aよりも内径が大きくなっている大径部234dが形成されている。この大径部234dにはスプリング236が挿入されており、スプリング236の下端は、ベース部20に設けられているエアシリンダ24の上面に接触している。このスプリング236の弾性力により、ロックシャフト234は上方に向かって付勢されている。
【0049】
以上のような構成の凸型部材23は、ベース部20に形成された貫通孔201に挿入されている。また、貫通孔201の上部には段部201aが形成されている。上記の通り、ロックシャフト234はスプリング236によって上方に向かって付勢されているが、ロックシャフト234の大径部234dが段部201aに係止することで、スプリング236によるロックシャフト234の上方への付勢が制限されている。
【0050】
なお、ロックシャフト234がスプリング236によって上方に向かって付勢されていることにより、後述するように、ウェハマザーボード2のコネクタ22とプローブカード3のコネクタ32との嵌合が解除される際には、エアシリンダ24によってインナーシャフト233が上方に移動すると、ロックシャフト234もインナーシャフト233と連動して上方に移動する。このとき、ロックシャフト234がインナーシャフト233に連動して上方に移動する距離は、少なくとも、ウェハマザーボード2のコネクタ22とプローブカード3のコネクタ32との嵌合が解除される距離よりも長くなっている。
【0051】
また、ロックシャフト234の大径部234dが段部201aに係止することで、スプリング236によるロックシャフト234の上方への付勢が制限されていることにより、後述するように、ウェハマザーボード2のコネクタ22とプローブカード3のコネクタ32との嵌合が解除された後、ロックシャフト234の上方への移動は制限され、インナーシャフト233のみが上方に移動する。このとき、インナーシャフト233の上端が凹部33の上部内壁に当接するまで、硬球235がインナーシャフト233の拡径部233aによりロックシャフト234の貫通孔234bから押し出された状態を維持するべく、拡径部233aの軸方向の長さは、インナーシャフト233の上端が凹部33の上部内壁に当接するまで、拡径部233aに硬球235が接し続ける長さとなっている。
【0052】
本実施形態においては、図2に示すように、ウェハマザーボード2は、4つの凸型部材23(うち1つは図示せず)を備えている。4つの凸型部材23は、略円形の固定枠21の途中に、互いの距離が等間隔となるよう、固定枠21によって形成される円の中心点から見て略90度間隔に配置されている。なお、本発明は上記の構成に限られるものではなく、配置する凸型部材23の数を変えてもよいし、配置する場所を変えてもよい。
【0053】
プローブカード3は、半導体ウェハに形成された集積回路の電極に電気的に接触するプローブ(図示せず)を有する板状部材であり、図2に示すように、基板30、スティフナ31、およびコネクタ32を備えている。
【0054】
基板30は、プローブ(図示せず)が設けられる円形の板状部材であり、プローブカード3としての強度を高めるための補強枠であるスティフナ31に取り付けられている。
【0055】
コネクタ32は、プローブカード3をウェハマザーボード2に装着する際に、ウェハマザーボード2に設けられているコネクタ22と嵌合し、電気的に接続されるものであり、基板30の下側に複数設けられている。
【0056】
スティフナ31には、凸型部材23が嵌合する凹部33が形成されており、当該凹部33の側面内壁の一部には硬球235が係合し得る窪み部331が形成されている。本実施形態においては、窪み部331は、硬球235が窪み部331に係合した際に硬球235の遊びがないように形成されている。また、本実施形態においては、凸型部材23が4つ設けられているため、スティフナ31にも4つの凹部33が形成されている。
【0057】
プローブカード3をウェハマザーボード2に装着する際は、まず、テストヘッド11がメンテナンス位置にある状態で、プローブカード3のスティフナ31に設けられた凹部33を、ウェハマザーボード2に設けられた凸型部材23に嵌合させる、仮装着を行う(図2(b)参照)。この状態では、ウェハマザーボード2側のコネクタ22とプローブカード3側のコネクタ32とはまだ接触していない。続いて、凸型部材23が下方に移動することにより、プローブカード3をウェハマザーボード2に近寄らせ、ウェハマザーボード2側のコネクタ22とプローブカード3側のコネクタ32とを嵌合させ、電気的に接続させる、本装着を行う(図2(c)参照)。
【0058】
凸型部材23に設けられている硬球235は、プローブカード3がウェハマザーボード2に未装着の状態、および仮装着された状態では、図3(a)に示すように、インナーシャフト233の縮径部233bに接する位置している。しかし、仮装着後、インナーシャフト233がエアシリンダ24によって駆動されてロックシャフト234内を下方に移動すると、図3(b)に示すように、硬球235は拡径部233aにより貫通孔234bから押し出され、凹部33の窪み部331に係合する。
【0059】
この状態で、インナーシャフト233がエアシリンダ24によって駆動され、ロックシャフト234内を更に下方に移動すると、図3(c)に示すように、インナーシャフト233に設けられた突起部233cが、ロックシャフト234に設けられた長孔234cの下壁部に係合するため、ロックシャフト234も、スプリング236の弾性力に抗しながら、インナーシャフト233と一体となって下方に移動する。
【0060】
ここで、上記の通り、硬球235が凹部33の窪み部331に係合しているため、インナーシャフト233およびロックシャフト234が一体化して、かつ4つの凸型部材23が同期して下方に移動することにより、プローブカード3がほぼ平行に支持された状態を保ったままウェハマザーボード2側に引き寄せられることになる。
【0061】
プローブカード3がウェハマザーボード2側に引き寄せられると、図3(d)に示すように、ロックシャフト234の下端が最終的にエアシリンダ24の上部に当接し、プローブカード3の移動が停止し、ウェハマザーボード2側のコネクタ22とプローブカード3側のコネクタ32とが嵌合して電気的に接続され、本装着が完了する(図2(c)参照)。
【0062】
なお、エアシリンダ24は、凸型部材23を駆動可能な装置であればこれに限られるものではなく、例えば、油圧式シリンダやモータ駆動式のものでもよいし、手動式のものでもよい。また、駆動源とシャフトとの間には、リンク機構やカム機構等の各種伝達機構が存在していてもよい。
【0063】
プローブカード3をウェハマザーボード2から取り外す際は、装着する際と同様にテストヘッド11がメンテナンス位置にある状態で、エアシリンダ24によってインナーシャフト233がプローブカード3方向に駆動される(図4(a)参照)。
【0064】
インナーシャフト233が上方に移動すると、スプリング236の弾性力により、ロックシャフト234も上方に移動する(図4(b)参照)。このとき、硬球235はインナーシャフト233の拡径部233aによりロックシャフト234の貫通孔234bから押し出された状態のままであり、硬球235が凹部33の窪み部331に係合しているため、インナーシャフト233とロックシャフト234とが連動して上方に移動することにより、プローブカード3も上方に押し上げられる。これにより、ウェハマザーボード2のコネクタ22とプローブカード3のコネクタ32との嵌合が解除され始める。
【0065】
インナーシャフト233とロックシャフト234とが連動して上方に移動していく過程で、ウェハマザーボード2のコネクタ22とプローブカード3のコネクタ32との嵌合が完全に解除される。ここで、前述のように、ウェハマザーボード2のコネクタ22とプローブカード3のコネクタ32との嵌合が解除されることにより、コネクタ間にはばねの戻り力が生じる。これにより、プローブカード3にはプローブカード3を上方に跳ね上げようとする力が加えられるが、依然硬球235が凹部33の窪み部331に係合しており、プローブカード3はインナーシャフト233及びロックシャフト234によって支持されている状態にあるため、プローブカード3がばねの戻り力により跳ね上がることが防止される。
【0066】
ウェハマザーボード2のコネクタ22とプローブカード3のコネクタ32との嵌合が完全に解除された後、ロックシャフト234の上方への移動は、ロックシャフト234の大径部234dが段部201aに当接したところで完了する。その後は、既にロックシャフト234の大径部234dが段部201aに当接してしまっているため、ロックシャフト234の上方への移動は制限され、インナーシャフト233のみが上方に移動する(図4(c)参照)。インナーシャフト233のみが上方に移動する段階においても、インナーシャフト233の上端が凹部33の上部内壁に当接するまで、硬球235はロックシャフト234の貫通孔234bから押し出された状態を維持する。
【0067】
ウェハマザーボード2のコネクタ22とプローブカード3のコネクタ32との嵌合が解除された後、プローブカード3は、硬球235がロックシャフト234の貫通孔234bから押し出されて凹部33の窪み部331に係合していることのみによって、ウェハマザーボード2上に支持されているが、インナーシャフト233の上端が凹部33の上部内壁に当接することにより、今度はインナーシャフト233が、プローブカード3を、嵌合が完全に解除された両コネクタを接触させることのない位置に支持することができる。つまり、このようにインナーシャフト233の上端が凹部33の上部内壁に当接した状態になったことにより、硬球235が凹部33の窪み部331に係合している状態を解除する準備が整うこととなる。
【0068】
インナーシャフト233の上端が凹部33の上部内壁に当接し、その後、インナーシャフト233の突起部233cがロックシャフト234の長孔234cの上部内壁に接するまで、インナーシャフト233はさらに上方に移動する。このとき、インナーシャフト233の拡径部233aによりロックシャフト234の貫通孔234bから押し出されていた硬球235がインナーシャフト233の縮径部233bに収容され、凹部33の窪み部331に対して硬球235が係合していた状態が解除される。(図4(d)参照)。この結果、プローブカード3をウェハマザーボード2から取り外すことが可能となる。
【0069】
なお、本実施形態においては、ウェハマザーボード2のコネクタ22とプローブカード3のコネクタ32との嵌合が完全に解除された後、まずインナーシャフト233の上端が凹部33の上部内壁に当接し、続いて凹部33の窪み部331に対して硬球235が係合していた状態が解除されるように、インナーシャフト233における拡径部233a及び縮径部233bの位置が定められているが、これに限られるものではない。例えば、嵌合が解除されたウェハマザーボード2のコネクタ22とプローブカード3のコネクタ32とが接触することがない限りにおいては、ウェハマザーボード2のコネクタ22とプローブカード3のコネクタ32との嵌合が完全に解除された後、インナーシャフト233の上端が凹部33の上部内壁に当接するよりも先に、凹部33の窪み部331に対して硬球235が係合していた状態が解除され、それによりプローブカード3が一時的にウェハマザーボード2側へ沈み込み、もってインナーシャフト233の上端が凹部33の上部内壁に当接するように、インナーシャフト233における拡径部233a及び縮径部233bの位置が定められていてもよい。
【0070】
以上のように、本実施形態に係る着脱装置、当該着脱装置を備えたテストヘッド、および当該テストヘッドを備えた半導体試験装置によれば、プローブカード、パフォーマンスボード等の基板を、ウェハマザーボード等のインターフェース装置を備えたテストヘッドから取り外す際にコネクタが破損することを防止することができる。また、本実施形態に係る着脱方法によれば、プローブカード、パフォーマンスボード等の基板を、コネクタを破損させることなく、ウェハマザーボード等のインターフェース装置を備えたテストヘッドから取り外すことができる。
【0071】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0072】
例えば、本実施形態における硬球235の代わりに他の形状の嵌合部材を貫通孔234bから突出させてもよい。また、本実施形態におけるスプリング236の代わりにゴムやフォーム材などの他の弾性体を用いてもよいし、スプリング236の代わりにエアシリンダ等を用いてロックシャフト234をインナーシャフト233に連動して上方に移動させるようにしてもよい。
【0073】
また、本実施形態においては、テストヘッド11の上部にインターフェース装置であるウェハマザーボード2が備えられているが、これに限られるものではなく、テストヘッド11がウェハマザーボード2を備えずに、ウェハマザーボード2が持つ部材及び機能をテストヘッド11が直接備える形となっていてもよい。
【0074】
さらに、本実施形態では、ウェハマザーボード2に装着する基板としてプローブカード3を例示したが、プローブカード3の替わりにパフォーマンスボードをウェハマザーボード2に装着するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、半導体ウェハに形成された集積回路の試験を行う半導体試験装置において、プローブカード等をウェハマザーボードから取り外す際にコネクタが破損することを防止するのに有用である。
【符号の説明】
【0076】
1…半導体試験装置
10…試験装置本体
11…テストヘッド
12…プローバ
13…回転装置
14…ケーブル
2…ウェハマザーボード(インターフェース装置)
20…ベース部
201…貫通孔
201a…段部
21…固定枠
22…コネクタ(第2コネクタ)
23…凸型部材
233…インナーシャフト(内部シャフト)
233a…拡径部
233b…縮径部
233c…突起部
234…ロックシャフト(凸型部材本体)
234a…中空部
234b…貫通孔
234c…長孔
234d…大径部
235…硬球(嵌合部材、球状部材)
236…スプリング(弾性体)
24…エアシリンダ(駆動機構)
25…ケーブル
3…プローブカード(基板)
30…基板
31…スティフナ
32…コネクタ(第1コネクタ)
33…凹部
331…窪み部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コネクタが設けられた基板を装着することができ、前記基板に設けられた前記第1コネクタと接続される第2コネクタが設けられたテストヘッドにおいて、前記基板を前記テストヘッドに対して着脱するための着脱装置であって、
前記基板に設けられた凹部であって、前記凹部の側面内壁に窪み部が形成された前記凹部と、前記テストヘッドに設けられた凸型部材であって、前記基板における前記凹部の前記窪み部に嵌合する嵌合部材を前記凸型部材の側面から出入自在に有する前記凸型部材と、を備えた嵌合機構と、
前記嵌合機構の前記凸型部材を前記基板に対して垂直方向に移動させる駆動機構と、を備え、
前記第1コネクタと前記第2コネクタとが嵌合した状態から、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの嵌合が解除される際には、前記凹部に前記凸型部材が挿入され、前記凸型部材の側面から前記嵌合部材が突出して前記凹部の前記窪み部に嵌合した状態で、前記駆動機構が、前記基板が前記テストヘッドから離れる方向に、前記凸型部材を移動させ、もって前記第1コネクタと前記第2コネクタとの嵌合が解除されることを特徴とする着脱装置。
【請求項2】
前記第1コネクタと前記第2コネクタとが離れた状態から、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが嵌合する際には、前記凹部に前記凸型部材が挿入され、前記凸型部材の側面から前記嵌合部材が突出して前記凹部の前記窪み部に嵌合した後、前記駆動機構が、前記基板が前記テストヘッドに近づく方向に、前記凸型部材を移動させ、もって前記第1コネクタと前記第2コネクタとが嵌合することを特徴とする、請求項1に記載の着脱装置。
【請求項3】
前記嵌合部材は球状部材であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の着脱装置。
【請求項4】
前記嵌合機構の前記凸型部材は、
筒状で、中空部を有する凸型部材本体と、
前記駆動機構と接続されており、前記凸型部材本体の前記中空部を相対的に上下動可能な内部シャフトと、を備えており、
前記凸型部材本体の側壁には、前記球状部材が出入可能に設けられる貫通孔が形成されており、
前記内部シャフトには、前記球状部材が前記貫通孔から突出している際に前記球状部材が接する拡径部と、前記球状部材が前記貫通孔に収容されている際に前記球状部材が接する縮径部とが形成されており、
前記球状部材が前記内部シャフトの前記縮径部に接して前記貫通孔内に収容されている状態から、前記内部シャフトが前記凸型部材本体の前記中空部を下方に相対移動すると、前記球状部材が前記拡径部に接して前記貫通孔より突出することを特徴とする、請求項3に記載の着脱装置。
【請求項5】
前記内部シャフトには、径方向に突出した突起部が形成されており、
前記凸型部材本体には、前記突起部に対応する位置に、軸方向に縦長形状の長孔が形成されており、
前記突起部は前記長孔内に位置するとともに、前記長孔内において上下動可能となっており、
前記第1コネクタと前記第2コネクタとが離れた状態から、前記駆動機構が、前記内部シャフトを前記凸型部材本体に対して下方に相対移動させると、前記突起部が前記長孔の下部内壁に接し、
前記駆動機構が、前記突起部が前記長孔の下部内壁に接した状態からさらに前記内部シャフトを下方に移動させると、前記突起部が前記長孔の下部内壁を押し下げることにより、前記凸型部材本体が前記内部シャフトに連動して下方に移動させられ、もって前記第1コネクタと前記第2コネクタとが嵌合することを特徴とする、請求項4に記載の着脱装置。
【請求項6】
前記凸型部材本体の下部には、前記凸型部材本体を上方に付勢する弾性体が設けられており、
前記第1コネクタと前記第2コネクタとが嵌合した状態から、前記駆動機構が、前記内部シャフトを上方に移動させると、前記弾性体の付勢力により、前記凸型部材本体も前記内部シャフトに連動して上方に移動させられ、もって前記第1コネクタと前記第2コネクタとの嵌合が解除されることを特徴とする、請求項4に記載の着脱装置。
【請求項7】
前記凸型部材本体が前記内部シャフトに連動して上方に移動する距離は、少なくとも、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの嵌合が解除される距離であることを特徴とする、請求項6に記載の着脱装置。
【請求項8】
前記凸型部材本体の上端部には、前記内部シャフトの上端が突出可能なように開口部が形成されており、
前記第1コネクタと前記第2コネクタとの嵌合が解除された後、前記駆動機構が、さらに前記内部シャフトを上方に移動させると、前記球状部材が前記内部シャフトの前記拡径部に接する位置から前記縮径部に接する位置まで移動して前記貫通孔内に収容されるとともに、
前記内部シャフトの上端が、前記開口部から突出して前記凹部の上部内壁に当接することを特徴とする、請求項6又は7に記載の着脱装置。
【請求項9】
前記拡径部の軸方向の長さは、少なくとも、前記内部シャフトの上端が前記凹部の上部内壁に当接するまで、前記拡径部に前記球状部材が接し続ける長さであることを特徴とする、請求項8に記載の着脱装置。
【請求項10】
前記基板は、半導体ウェハに形成された集積回路の電極に電気的に接触するプローブを有するプローブカードであることを特徴とする、請求項1〜9の何れか一項に記載の着脱装置。
【請求項11】
前記嵌合機構の前記凹部は、前記プローブカードの補強枠の下部に設けられていることを特徴とする、請求項10に記載の着脱装置。
【請求項12】
前記テストヘッドは、テストヘッド本体と前記プローブカードとの間の電気的な接続を中継するインターフェース装置とを備えることを特徴とする、請求項10又は11に記載の着脱装置。
【請求項13】
前記嵌合機構の前記凸型部材は、前記テストヘッドにおける前記インターフェース装置上部に突出させるように設けられていることを特徴とする、請求項12に記載の着脱装置。
【請求項14】
第1コネクタが設けられた基板を着脱するための請求項1〜13の何れか一項に記載の着脱装置を備えたテストヘッド。
【請求項15】
半導体ウェハに形成された集積回路の試験を行う半導体試験装置であって、
請求項14に記載のテストヘッドと、
前記テストヘッドを介して、前記集積回路に試験信号を供給して検査する試験装置本体と、を備えた半導体試験装置。
【請求項16】
第1コネクタが設けられた基板を装着することができ、前記基板に設けられた前記第1コネクタと接続される第2コネクタが設けられたテストヘッドにおいて、前記基板に設けられた凹部であって、前記凹部の側面に窪み部が形成された前記凹部と、前記テストヘッドに設けられた凸型部材であって、前記基板における前記凹部の前記窪み部に嵌合させる嵌合部材を前記凸型部材の側面から出入自在に有する前記凸型部材とを備えた嵌合機構、及び前記嵌合機構の前記凸型部材を前記基板に対して垂直方向に移動させる駆動機構であって、前記凸型部材に接続された前記駆動機構を用いて、前記基板を前記テストヘッドに対して着脱するための着脱方法であって、
前記基板を前記テストヘッドに装着する際には、前記基板における前記凹部に前記凸型部材を挿入し、前記凸型部材の側面から前記嵌合部材を突出させて前記基板における前記凹部の前記窪み部に嵌合させた後、前記駆動機構が、前記基板が前記テストヘッドに近づく方向に、前記凸型部材を移動させ、もって前記第1コネクタと前記第2コネクタとを嵌合させることにより、前記基板を前記テストヘッドに対して装着し、
前記基板を前記テストヘッドから取り外す際には、前記凸型部材の側面から前記嵌合部材を突出させて前記基板における前記凹部の前記窪み部に嵌合させた状態のまま、前記駆動機構が、前記基板が前記テストヘッドから離れる方向に、前記凸型部材を移動させ、もって前記第1コネクタと前記第2コネクタとの嵌合が解除され、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの嵌合が解除された後、前記嵌合部材が前記凸型部材の側面に収容されることにより、前記基板を前記テストヘッドから取り外し可能とすることを特徴とする着脱方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−103154(P2012−103154A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252667(P2010−252667)
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(390005175)株式会社アドバンテスト (1,005)
【Fターム(参考)】