説明

睡眠傷害のための医薬組成物

呼吸障害の薬理学的治療のための医薬組成物、そして更に具体的には、睡眠時無呼吸(中枢性及び閉塞性)及び他の睡眠時呼吸障害の緩和のためのセロトニン受容体調節活性を有する薬剤を含有する組成物が提供され、ここにおいて活性成分は、睡眠の期間を通して有効な血液血漿中の濃度を示すように放出される。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の分野
本発明は、一般的に呼吸障害の薬理学的治療のための医薬組成物に、そして更に具体的には、睡眠時無呼吸(中枢性及び閉塞性)及び他の睡眠時呼吸障害の改善のためのセロトニン受容体調節活性を有する薬剤を含有する組成物に関する。
【0002】
発明の背景
眠気の形で就業時間を通して継続し、それによってそれ自体が、実質的な経済的損失(例えば、数千のマンアワーの損失)又は雇用の安全係数(例えば、重機械の操作中の従業員の不注意さ)の顕在化となる結果を伴う、主として睡眠中に起こる呼吸傷害の別個の群の研究に、多くの努力が充てられている。睡眠時呼吸障害は、呼吸の反復性の減少(低呼吸)、呼吸の定期的休止(無呼吸)、或いは換気の連続的又は持続性の減少によって特徴づけられる。
【0003】
一般的に、睡眠性無呼吸は、睡眠中の鼻及び口における空気の流れの間欠的休止と定義される。習慣によって、少なくとも10秒の時間の無呼吸が重要であると考えられるが、しかし殆んどの個体において、無呼吸は、20−30秒の時間であり、そして2−3分のように長いことができる。臨床的に重要であると考えなければならない無呼吸の最小の数について、ある程度の不確定さがあるが、当面、殆んどの個体は、彼等が、1時間の睡眠当り、少なくとも10ないし15回の発症を有する場合、医学界の注意を引く。
【0004】
睡眠時無呼吸は、三つの形:中枢性、閉塞性及び混合型に分類される。中枢性睡眠時無呼吸において、全ての呼吸器系筋肉への神経の刺激が過渡的に消滅する。閉塞性睡眠時無呼吸において、呼吸器系への刺激は継続しているにも関わらず、口咽頭の気道の閉塞のために、空気の流れは停止する。閉塞性成分が中枢性無呼吸に続くことからなる混合型無呼吸は、閉塞性睡眠時無呼吸の変種である。無呼吸の最も普通の形は、閉塞性睡眠時無呼吸である。
【0005】
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)は、24%のように多くの就労成人男性、そして9%の同様な女性において同定されており、罹病率のピークは60歳台である。OSASの殆んど不変の特徴である習慣的な重度の鼾は、中年の男性の24%、そして同様な年代の女性の14%までにおいて記載され、老齢の患者においてなお更に大きい罹病率である。
【0006】
閉塞性睡眠時無呼吸症候群の決定的現象は、しばしば中咽頭の水準における上部気道の閉塞である。結果としての無呼吸は、一般的に、個体が睡眠状態から短時間覚醒し、これによって気道の作用強度を回復し、そして従って気道を回復するまで、進行型の窒息に導く。
【0007】
OSASにおける上部気道の圧壊に導く重要な因子は、気道の安定性を維持する気道の開大筋及び外転筋の能力を超える、吸気の作用中の限界的な大気圧以下の圧力の発生である。睡眠は、開大筋及び外転筋を含む上部気道の筋肉の活性を減少することによって決定的な役割を演じる。
【0008】
OSASを持つ殆んどの個体において、気道の作用強度は、更に構造的にも損なわれ、そして従って閉塞しやすい。少数の個体において、構造的障害は、一般的に明らかな解剖学的異常、即ち、アデノ扁桃腺肥大、下顎後退症、又は巨舌症による。然しながら、OSASになりやすい個体の大部分において、構造的異常は、単純に気道の大きさの僅かな減少即ち、“咽頭の詰り”である。肥満も更にしばしば上部気道において見られる大きさの減少に寄与する。実際には、上部気道内腔の大きさの減少から起こる口蓋及び咽頭の軟質組織の高周波振動である鼾の作用は、一般的に軟質組織中の浮腫の産生による狭小化を悪化する。
【0009】
OSASを特徴づける夜間の窒息及び睡眠からの覚醒の反復性の発症は、一連の二次的生理学的現象に導き、これは続いて症候群の臨床的合併症を起こす。最も普通の徴候は、睡眠の断片化及び反復性の覚醒反応によって誘発される徐波睡眠の喪失から起こると考えられる、神経精神医学的及び行動的障害である。夜間の脳の低酸素症も、更に重要な役割を演じる。最も広範性の徴候は、過剰な日中の眠気である。OSASは、いまや日中の眠気の主要な原因として認識され、そして自動車事故のような問題の重要な危険因子として関係付けられている。他の関連する徴候は、知的機能障害、記憶喪失、人格障害、及び性交不能である。
【0010】
他の主要な徴候は、特質として心臓呼吸性であり、そして反復性の夜間の窒息の発症から起こると考えられる。殆んどの個体は、無呼吸中毎分30ないし50拍への心臓の周期的緩徐化、それに続く通気期間中の毎分90ないし120拍の頻脈を示す。少数の個体は、8ないし12秒の時間の心停止、又は非持続性心室性頻脈を含む危険な頻脈性不整脈を伴う重度の徐脈を発症する。OSASは、更に根底に心臓疾病を持つ患者における左心室不全を悪化する。この合併症は、それぞれの閉塞の発症中の左心室後負荷の増加、負の胸内圧増加の続発、反復性の夜間の低酸素血症、及び交換神経副腎活性の慢性的上昇の組合せの効果のための可能性が最もある。
【0011】
中枢性睡眠時無呼吸は、症候群としてOSASより蔓延していないが、しかし、昼間の肺胞性低換気又は周期的呼吸に伴う医学的、神経学的及び/又は神経筋疾患を持つ患者の広いスペクトルにおいて同定することができる。中枢性睡眠時無呼吸の決定的現象は、呼吸系筋肉への中枢性刺激の一過性の消滅である。結果としての無呼吸は、OSASのものと同様な主要な一連の現象に導く。いくつかの根底にある機構は、睡眠中の呼吸器系への刺激の休止となる。第1は、代謝性の呼吸器制御系及び呼吸器系の神経筋肉系における欠陥である。他の中枢性睡眠時無呼吸障害は、通常インタクトな呼吸器制御系における一過性の不安定から起こる。
【0012】
多くの健康な個体は、睡眠中、特に睡眠の開始時及びREM睡眠時中に少数の中枢性無呼吸を示す。これらの無呼吸は、いずれもの生理学的又は臨床的障害を伴わない。臨床的に有意な中枢性睡眠時無呼吸を持つ個体において、障害を特徴づける主要な一連の現象は、顕著な生理学的及び臨床的結果に導く。中枢性睡眠時無呼吸を持つ個体において、肺胞性低換気症候群、昼間高二酸化炭素血症及び低酸素血症が、通常明白であり、そして臨床像は、反復性呼吸器障害、赤血球増加症、肺高血圧症、及び右側心不全の経歴によって支配される。不良な睡眠、起床時の頭痛、並びに昼間の疲れ及び眠気の愁訴も、更に顕著である。対照的に、その中枢性睡眠時無呼吸が呼吸器系の刺激の不安定さから起こる個体において、臨床像は、反復性夜間覚醒、起床時の疲れ、及び昼間の眠気を含む睡眠障害に関連する特徴によって支配される。
【0013】
現時点で、睡眠時無呼吸及び他の睡眠時呼吸障害を持つ成人に対する、最も普通の、そして最も有効な治療は、正の気道圧力(PAP)を放出する機械式の形態の療法である。PAP治療において、個体は、睡眠時に鼻を覆う密着するプラスチックのマスクを着ける。マスクは、圧縮機に接続され、これは、空気を鼻に圧送し、患者の気道内に正の圧力を作りだす。方法の原理は、気道を加圧することが、機械的“副え木”作用を提供し、これが、軌道の圧壊を、そして従って閉塞性睡眠時無呼吸を防止する。PAP治療を受けた殆んどの患者において有効な治療反応が観察されているが、多くの患者は、装置又は圧力に耐えられず、そして治療を拒否する。更に最近の転換者モニター研究は、PAP治療の長期の遵守が、非常に不良であることを明白に証明している。
【0014】
各種の上部気道及び頭蓋顔面の外科的方法が、OSASの治療のために試みられている。アデノイド口蓋扁桃摘出術は、多くの小児におけるOSASの有効な治療法であるように見受けられるが、しかし上部気道手術は、OSASを持つ成人の患者においては、まれに治癒的である。外科的“成功”は、一般的に無呼吸の発症の50%減少であると考えられ、そして利益を得られなかったものであるものに対する、手術から利益を得た個体を同定するために有用なスクリーニングの方法は無い。
【0015】
いくつかの種類の薬理学的治療が、睡眠時無呼吸を持つ患者において試みられているが、しかし、これまで一般的に有用であるとして証明されたものは無い。これらの試みの一つの概観は、Hudgel[J.Lab.Clin.Med.,126:13−18(1995)]によって提供されている。多くの化合物が、これらの予期された呼吸器系の刺激剤特性のために試験されている。これらは、(1)主として中枢性無呼吸を持つ個体において各種の改良を生じるが、しかし閉塞性無呼吸の増加を起こす、炭酸脱水素酵素阻害剤であるアセタゾラミド、(2)OSASにおいて一貫した利益を示さなかったプロゲスチンである、メドロキシプロゲステロン、及び(3)通常、喘息の治療のために使用され、中枢性無呼吸を持つ患者に有益であることができるが、しかし閉塞性無呼吸を持つ成人の患者には無用であるように見受けられる化合物である、テオフィリンを含む。
【0016】
他の試みられた薬理学的治療は、アデノシン、アデノシン類似体及びアデノシン再取込み阻害剤の投与(米国特許第5,075,290号)を含む。具体的には、身体内に広範に分布する化合物であり、そしてその濃度がOSASを持つ個体において上昇するアデノシンが、呼吸を刺激し、そして睡眠時無呼吸の動物モデルにおいて無呼吸を減少することにおいてある程度有効であることを示している。
【0017】
OSASのための他の可能性のある選択肢は、脳の活性を刺激する、又はオピオイドのアンタゴニストである薬剤を含む。具体的には、脳の脊髄液のオピオイド活性の増加は、OSASにおいて同定されているために、中枢刺激剤又はオピオイドアンタゴニストが、OSASの有益な治療であるものであることは理論的結論である。実際には、中枢神経系を刺激するドキサプラム及び頚動脈小体化学受容体が、無呼吸の長さを減少するが、しかし閉塞性睡眠時無呼吸を持つ個体の平均動脈血酸素飽和度を変化しないことが見出された。通気を刺激することが知られているオピオイドアンタゴニストであるナロキソンが、閉塞性睡眠時無呼吸を持つ個体においてわずかに有益であるのみであった。
【0018】
OSASが高血圧の発症と強く相関しているために、アンギオテンシン転換酵素(ACE)阻害剤のような薬剤は、高血圧を持つOSASの個体の治療において有益であることができるが、しかしこれは、OSASそれ自体のための実行可能な治療であるようには見受けられない。
【0019】
最後に、呼吸に関連する神経伝達物質及び神経伝達物質系に作用するいくつかの薬剤が、OSASを持つ個体で試験されている。殆んどのこれらの化合物は、ノルエピネフリン、ドーパミン、及びセロトニンを含むモノアミン神経伝達物質の活性を増加することによって作用する高鬱剤薬物として開発されている。三環式抗鬱剤であるプロトリプチリンは、いくつかの小規模の試行において、実行可能な結果、並びに頻繁なそして有意な副作用を伴って試験されている。セロトニンが睡眠を促進し、そして呼吸を刺激することができるために、セロトニン前駆体であり、そして選択的セロトニン再取込み阻害剤であるトリプトファンが、OSASを持つ個体において試験されている。
【0020】
無呼吸を治療することにおけるセロトニン再取込み阻害剤であるフルオキセチンの使用は、特許(米国特許第5,356,934号)の主題であるが、しかし初期の証明は、これらの化合物が、OSASを持つ個体の約50%のみにおいて測定可能な利益を得ることができることを示唆する。従って、睡眠時呼吸障害に悩む個体のために実行可能な治療が患者の遵守が低い機械的形態の療法(PAP)のみであるという事実、そして薬理学的治療に対する希望がまだ結実に至らないことの観点から、ある範囲の睡眠時呼吸障害に悩む個体の広い地盤に対する利益を提供するものである簡単な薬理学に基づいた治療に対する必要性が残っている。更に、それ自体が高い率の患者の遵守を与えるものである睡眠時呼吸障害の実行可能な治療に対する必要性が残っている。
【0021】
更に最近になって、睡眠時無呼吸の治療におけるセロトニン受容体アンタゴニストの使用が、米国特許第6,331,536号及び6,727,242号中に開示されている。これらの特許は、更にセロトニン受容体アンタゴニスト及びアゴニストの組合せも開示している。米国特許第6,727,242号は、更に睡眠時無呼吸の治療のためのセロトニン受容体アンタゴニスト(特にオンダンセトロン)、及び選択的セロトニン再取込み阻害剤(SSRI)の組合せの使用も開示している。
【0022】
睡眠の期間にわたり活性剤の有効な濃度を可能にする製剤を提供することに対する必要性が残っている。いくつかの活性剤は、睡眠前の非常に高い投与量を、又は睡眠期間中の投与を必要とするものである好ましくない薬物動態を有する。
【0023】
本発明は、このような療法を、睡眠期間にわたって提供する改変放出医薬組成物を提供し、そして更に、このような療法を、互いに協調された投与管理での投与のための単一の組成物又は多数回の剤形で提供する。
【0024】
発明の概要
呼吸障害の薬理学的治療のための経口的に投与可能な医薬組成物が提供される。更に具体的には、睡眠時無呼吸(中枢性及び閉塞性)及び他の睡眠時呼吸障害の緩和のためのセロトニン受容体アンタゴニストを含有する組成物が開発された。一つの好ましい組成物は、セロトニン受容体アンタゴニスト及びSSRIを含んでなる。一つの好ましいセロトニン受容体アンタゴニストは、オンダンセトロンである。一つの好ましいSSRIは、フルオキセチンである。もう一つの態様は、セロトニン受容体アンタゴニスト及びSNRI、好ましくはオンダンセトロン及びミルナシプランを含んでなる。もう一つの態様は、セロトニン受容体アンタゴニスト及びセロトニン受容体アゴニストを含んでなる。いくつかの好ましい態様において、オンダンセトロンの放出は、薬物の血漿中濃度を治療的範囲内に12時間まで維持するために改変される。好ましくは、オンダンセトロンの製剤は、12時間までのオンダンセトロンの放出を与えることによって、比較的短い(3−5時間)オンダンセトロンの血漿中半減期を相殺する放出特性を与える。SSRI及びSNRI、又はセロトニン受容体アゴニストの放出は、睡眠の妨害を最小にするために、所望により遅延されてもよい。投与量単位及び説明書を含有するキットが提供される。更に呼吸障害の治療及び改善のための方法も、更に提供される。
【0025】
本発明の第1の側面において、セロトニン受容体アンタゴニストの改変放出を与えるための医薬組成物が提供され、ここにおいてアンタゴニストの放出は、セロトニン受容体アンタゴニストを必要とする患者の血液の血漿中のアンタゴニストの治療的に有効な濃度を、前記の患者による睡眠の期間に近似した継続した期間にわたって与える。好ましくは継続した期間は、少なくとも4時間であり、そして睡眠期間を1時間より長くは超えない。
【0026】
特に拮抗作用の期間は、組成物の投与から6ないし14時間、更に好ましくは7ないし12時間、そして最も好ましくは投与から8ないし10時間の範囲の期間にわたり提供される。
【0027】
特に医薬品は、組成物の投与から0ないし2時間において開始し、そして組成物の投与から6ないし14時間の間まで延長され、なお更に好ましくは組成物の投与から15分ないし1.5時間において開始し、そして組成物の投与から7ないし12時間まで延長される、なお更に好ましくは投与から15分ないし1.5時間において開始し、そして8ないし10時間まで延長される継続した期間、このような治療的に有効な濃度を提供する。
【0028】
本発明の第2の側面は、セロトニン受容体アンタゴニスト及び少なくとも一つのSSRI、セロトニン及びノルエピネフリン再取込み阻害剤(SNRI)、並びにセロトニン受容体アゴニストの組合せを含有し、それを必要とする患者に投与した場合、放出速度及び投与量が、睡眠時呼吸障害からの開放を与えるために有効である治療的効果を生じる医薬組成物を提供する。
【0029】
セロトニン受容体アンタゴニストは、好ましくは6時間より少ない、更に好ましくは3ないし5時間の血漿中の半減期を有するものであり、そして最も好ましくはオンダンセトロン又はその類似体である。
【0030】
SSRI、セロトニン及びノルエピネフリン再取込み阻害剤又はセロトニン受容体アンタゴニストは、フルオキセチンである。
第2の側面のこれらの組成物は、睡眠期間にわたる、第1の側面のセロトニン受容体アンタゴニストの放出特性を、前記のセロトニン及びノルエピネフリン再取込み阻害剤(SNRI)、並びにセロトニン受容体アゴニストの治療的に有効な血液の血漿中濃度をいっしょに伴って提供する。この濃度は、このような活性剤が、比較的長い半減期を有する傾向があるために、睡眠中及び覚醒中の両方の治療の全期間にわたって維持することができる。
【0031】
発明の詳細な説明
本発明は、睡眠時呼吸障害の予防又は改善のための医薬製剤に関し、製剤は、有効な投与量のセロトニン受容体アンタゴニストを、セロトニン受容体アゴニスト及び/又はSSRI及び/又はセロトニン及びノルエピネフリン再取込み阻害剤(SNRI)と共に含んでなる。製剤は、このような療法を必要とする患者への投与のために適している。組合せの成分は、単一のセロトニン受容体のサブタイプ又は一つより多いセロトニン受容体のサブタイプに方向づけることができる。
【0032】
前記の方法のための投与の経路は、経口、腹膜内、皮下、静脈内、筋肉内、経皮、又は投与の他の経路を含むいずれもの全身性の手段によることができる。浸透圧ミニポンプ及びタイムレリースペレット又は他のデポーの形態の投与も、更に使用することができる。唯一の制約は、投与の経路が、適当な受容体への薬理学的薬剤の最終的放出となることである。
【0033】
睡眠時呼吸障害は、制約されるものではないが、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、早産児の無呼吸、先天性中枢性低換気症候群、肥満性低換気症候群、中枢性睡眠時無呼吸症候群、チェイン−ストークス呼吸、及び鼾を含む。
【0034】
セロトニン受容体アンタゴニストは、その遊離塩基の形態で、又は第四アンモニウム塩の形態として使用することができる。これらのセロトニン受容体アンタゴニストの第四化合物化は、第三窒素原子の、例えばヨウ化メチル、ヨウ化エチル又は各種のベンジルハロゲン化物のような反応性アルキルハロゲン化物による、第四アンモニウム塩への転換によって起こる。セロトニンアンタゴニストのいくつかの第四化合物の形態、具体的にはメチル化されたザトセトロンは、血液脳関門を通る能力が欠如していることを示し(Gidda et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.273:695−701(1995))、そして従って末梢神経系においてのみ作用する。セロトニン受容体アンタゴニストは、化学化合物それ自体及びその医薬的に受容可能な塩の一つによって定義される。
【0035】
1. 定義
“遅延放出剤形”は、薬物(又は複数の薬物)を、投与後迅速に、以外の時点で放出するものである。
【0036】
“延長放出剤形”は、慣用的な剤形として(例えば、液体又は迅速薬物放出の慣用的な固体剤形として)与えられる薬物と比較して、投与頻度の少なくとも半分への減少を可能にするものである。
【0037】
“パルス状放出剤形”は、投与を繰返すことなく多数回投与の特性を模倣し、そして慣用的な剤形として(例えば、液体又は迅速な薬物放出の慣用的な固体剤形として)与えられる薬物と比較して、投与頻度の少なくとも半分への減少を可能にするものである。パルス状放出の特性は、無放出の時間(遅れ時間)、それに続く迅速な薬物放出によって特徴づけられる。
【0038】
“改変放出剤形”は、溶液、軟膏、又は迅速に溶解する剤形のような慣用的な剤形によって提供されない、治療的又は利便性の目的を達成するために、薬物放出の、時間、経路及び/又は位置の特徴が選択されるものである。遅延放出及び延長放出剤形並びにこれらの組合せは、改変放出剤形の種類である。本発明の医薬的組合せは、改変放出剤形のその成分のいずれか又は全てを有することができる。“改変放出医薬組成物”は、改変放出剤形のその成分の少なくとも一つを有する。
【0039】
本明細書中で使用する場合、“活性化合物”は、その遊離塩基及び第四化合物の形態に加えて、更に個々の鏡像異性体及びその医薬的に受容可能な塩、鏡像異性体の混合物及びその医薬的に受容可能な塩、並びに活性な化合物の活性な代謝産物及びその医薬的に受容可能な塩を、他に記述しない限り含む、活性な化合物の医薬的に受容可能な、薬理学的に活性な誘導体を包含する。ある場合には、鏡像異性体、誘導体、及び代謝産物の投与量は、活性化合物のラセミ混合物の相対的活性に基づいて調節する必要があることができることは理解されることである。
【0040】
本明細書中で使用される場合、“医薬的に受容可能な塩”は、母体化合物が、その酸又は塩基塩を製造することによって改変された、開示された化合物の誘導体を指す。医薬的に受容可能な塩の例は、制約されるものではないが、アミンのような塩基性残基の無機又は有機酸の塩;カルボン酸のような酸性残基のアルカリ又は有機塩を含む。医薬的に受容可能な塩は、例えば、非毒性の無機又は有機酸から形成された母体化合物の慣用的な非毒性の塩又は第四アンモニウム塩を含む。例えば、このような慣用的な非毒性の塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸等のような無機酸から誘導されたもの;並びに酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン(hydroxyrnaleic)酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、及びイセチオン酸のような有機酸から調製された塩を含む。
【0041】
化合物の医薬的に受容可能な塩は、塩基性又は酸性の分子を含有する母体化合物から、慣用的な化学的方法によって合成することができる。
一般的に、このような塩は、遊離酸又は塩基の形態のこれらの化合物を、水又は有機溶媒中或いは二つの混合物中の化学量論的量の適当な塩基又は酸と反応させることによって調製することができる;一般的にエーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、又はアセトニトリルのような非水性媒体が好ましい。適した塩の一覧は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,20th ed.,Lippincott Williams & Wilkins,Baltomore,MD,2000,p.704中に見出される。
【0042】
語句“医薬的に受容可能な”は、健全な医学的判断内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、又は他の問題或いは妥当な利益/危険性比で釣合う合併症を伴わない、ヒト及び動物の組織と接触する使用のために適している、化合物、物質、組成物、及び/又は剤形を指すために本明細書中で使用される。
【0043】
本明細書中で使用する場合、用語“立体異性体”は、同一結合によって結合された同一原子で構成されているが、しかし互換できない異なった空間構造を有する化合物を指す。三次元的構造は、立体配置と呼ばれる。本明細書中で使用される場合、用語“鏡像異性体”は、その分子が、互いに重ね合わせ不可能な鏡像である二つの鏡像異性体を指す。本明細書中で使用される場合、用語“光学異性体”は、用語“鏡像異性体”と同等である。用語“ラセミ化合物”、“ラセミ混合物”又は“ラセミ体”は、鏡像異性体の等部の混合物を指す。用語“キラル中心”は、四つの異なった基が接続した炭素原子を指す。用語“鏡像体富化”は、本明細書中で使用される場合、他と比較した場合の、一つの鏡像異性体の量の増加を指す。鏡像体富化は、当業者によって、ガス又はキラルカラムによる高性能液体クロマトグラフィーのような、標準的技術及び方法を使用して、容易に決定することができる。鏡像異性体の対の分離を行うために必要な適当なキラルカラムの選択、溶出剤及び条件は、J.Jacques,et al.,“Enantiomers,Racemates,and Resolutions”,John Wiley and Sons,Inc.,1981によって記載されているもののような当技術において公知の標準的技術を使用する、十分に当業者の知識の範囲内である。分割の例は、ジアステレオ異性体の塩/誘導体の再結晶化又は分離用キラルクロマトグラフィーを含む。
【0044】
2. セロトニン受容体アンタゴニスト
例示的なセロトニン受容体アンタゴニストは、制約されるものではないが、遊離塩基の形態又は第四化合物の形態のザトセトロン、トロピセトロン、ドラセトロン、ヒドロドラセトロン、メスカリン、オキセトロン、ホモクロルシクリジン、ペルラピン、オンダンセトロン、ケタンセリン、ロキサピン、オランザピン、クロルプロマジン、ハロペリドール、r(+)オンダンセトロン、シサピリド、ノルシサプリド、(+)シサプリド、(−)シサプリド、(+)ノルシサプリド、(−)ノルシサプリド、デスメチルオランザピン、2−ヒドロキシメチルオランザピン、1−(2−フルオロフェニル)−3−(4−ヒドロキシアミノエチル)−プロパ−2−エン−1−オン−O−(2−ジメチルア−ミノエチル)−オキシム、リスペリドン、シプロヘプタジン、クロザピン、メチセルジド、グラニセトロン、ミアンセリン、リタンセリン、シナンセリン(cnanserin)、LY−53,857、メテルゴリン、LY−278,584、メチオテピン、p−NPPL、NAN−190、ピペラジン、SB−206553、SDZ−205,557、3−トロパニル−インドール−3−カルボキシレート、3−トロパニル−インドール−3−カルボキシ−レートメチオジド、及び他のセロトニン受容体アンタゴニスト並びにその第四化合物の形態又はその医薬的に受容可能な塩を含む。好ましいセロトニン受容体アンタゴニストは、オンダンセトロンである。
【0045】
2.1 オンダンセトロン(CAS#116002−70−1)
二水和物としてのオンダンセトロン塩酸塩(HCl)、オンダンセトロンのラセミ型、そしてセロトニン5−HT3受容体型の選択的遮断剤。塩酸オンダンセトロン二水和物は、水及び通常の生理食塩水に可溶である白色ないしオフホワイト色の粉末である。化学的には、これは、(±)1,2,3,9−テトラヒドロ−9−メチル−3−[(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4H−カルバゾール−4−オン、一塩酸、二水和物である。実験式は、C18H19N3O・HCl−2H2Oで、365.9の分子量である。
【0046】
オンダンセトロンは、胃腸管から良好に吸収され、そしてある程度の初回通過代謝を受ける。単一の8mgの錠剤の投与後の、健康な被検者における平均の生体利用率は、約56%である。オンダンセトロンの全身性暴露は、投与量に比例的には増加しない。16mgの錠剤からのAUCは、8mg錠剤の投与から予測されたより24%大きかった。これは、より高い経口投与における初回通過代謝のある程度の減少が反映されていることができる。生体利用率は、更に食物の存在によってわずかに向上するが、しかし制酸剤によって影響されない。ヒトにおけるオンダンセトロンの半減期は3−5時間である。
【0047】
オンダンセトロンは、ヒトにおいて大量に代謝され、放射線標識された投与の約5%が母体化合物として尿から回収される。主たる代謝経路は、インドール環のヒドロキシル化であり、その後のグルクロニド又は硫酸塩の共役がそれに続く。ある程度の非共役代謝産物が薬理学的活性を有するが、これらは、オンダンセトロンの生物学的活性に有意に寄与する可能性のある濃度では血漿中に見出されない。
【0048】
単一投与として与えられたオンダンセトロンの処分において、性別による差が示された。オンダンセトロンの吸収の程度及び速度は、男性より女性において大きい。女性におけるより遅い浄化、より小さい見掛けの分布体積(体重に対して調節された)、及びより高い絶対的生体利用率は、より高い血漿中オンダンセトロン濃度となる。これらのより高い血漿中濃度は、部分的に男性及び女性間の体重の差によって説明することができる。これらの性別による差が、臨床的に重要であるか否かは知られていない。
【0049】
オンダンセトロンの臨床的薬理学に関する更なる情報は、Zofran(登録商標)の商標名の医師の卓上参考書、2005年版(GlaxoSmithKline)中に見出される。
【0050】
3. セロトニン受容体アゴニスト
例示的なセロトニン受容体アゴニストは、制約されるものではないが、8−OH−DPAT、スマトリプタン、L694247(2−[5−[3−(4−メチルスルホニルアミノ)ベンジル−1−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル]−1H−インドール−3−イル]エタンアミン)、ブスピロン、アルニチダン(alnitidan)、ザロスピロン、イプサピロン、ゲピロン、ゾルミトリプタン、リザトリプタン(risatriptan)、311C90、アルファ−Me−5−HT、BW723C86(1−[5(2−チエニルメトキシ)−1H−3−インドリル[プロパン−2−ア−ミン塩酸塩)、及びMCPP(m−クロロフェニルピペラジン)を含む。セロトニン受容体アゴニストは、化学化合物それ自体及びその医薬的に受容可能な塩の一つによって定義される。好ましいセロトニン受容体アゴニストは、ブスピロン、ゾルミトリプタン、及びリザトリプタン(risatriptan)を含む。
【0051】
4. 選択的セロトニン再取込み阻害剤
例示的な選択的セロトニン再取込み阻害剤は、制約されるものではないが、フルオキセチン、パロキセチン、フルボキサミン、セルトラリン、シタロプラム、ノルフルオキセチン、r(−)フルオキセチン、s(+)フルオキセチン、デメチルセルトラリン、デメチルシタロプラム、ベンラファキシン、ミルナシプラン、シブトラミン、ネファゾドン、R−ヒドロキシネファゾドン、(−)ベンラファキシン、及び(+)ベンラファキシンを含む。選択的セロトニン再取込み阻害剤は、化学化合物それ自体及びその医薬的に受容可能な塩の一つによって定義される。好ましいSSRIは、フルオキセチン、パロキセチン、及びミルナシプランを含む。
【0052】
4.1 フルオキセチン(CAS#54910−89−3)
塩酸フルオキセチンは、経口投与のための向神経剤である。これは、更に月経前不快気分障害の治療のためにも市販されている(サラフェム(登録商標)、塩酸フルオキセチン)。これは、(±)−N−メチル−3−フェニル−3−[((アルファ),(アルファ),(アルファ)−トリフルオロ−p−トリル)オキシ]プロピルアミン塩酸塩と命名され、そしてC17H18F3NO HClの実験式を有する。その分子量は、345.79である。塩酸フルオキセチンは、白色ないしオフホワイト色の結晶質の固体であり、14mg/mLの水中の溶解度を持つ。
【0053】
男性において、単一の経口の40mgの投与後、15ないし55ng/mLのフルオキセチンのピーク血漿中濃度が、6ないし8時間後に観察される。フルオキセチンは、ノルフルオキセチン及び多くの他の同定されない代謝産物に、肝臓で大量に代謝される。唯一の同定された活性な代謝産物、ノルフルオキセチンは、フルオキセチンの脱メチルによって形成される。動物モデルにおいて、S−ノルフルオキセチンは、セロトニン再取込みの強力な、そして選択的阻害剤であり、そしてR−又はS−フルオキセチンと本質的に同等の活性を有する。R−ノルフルオキセチンは、セロトニン再取込みの阻害において母体薬物より有意に強力ではない。排除の主要な経路は、腎臓によって排泄される不活性な代謝産物への肝臓の代謝であると見受けられる。
【0054】
フルオキセチンは、急速眼球運動睡眠を抑制し、そして夜間の覚醒を増加することによって眠りの構造に影響する。健康な成人における夜間の睡眠及び昼間の即応力に対するフルオキセチンの影響(20、40及び60g)を調査することを目標とした研究において、薬物は、全睡眠時間及び急速眼球運動(REM)睡眠の時間を減少し、そして覚醒活性及び夜間の段階1(入眠)の睡眠を増加した。セロトニン作動性系が、睡眠−覚醒状態の連続体を通して広汎性の影響を有していることが示唆されている(Nicholson,A.N.and Pascoe,P.A.,Neuropharmacology,1988,27(6):597−602)。
【0055】
もう一つの研究において、フルオキセチンの治療は、眼球運動の数を増加し、そしてREM、段階1、2、及び除波睡眠中の治療に対するEOG及びEMG活性の振幅は、有意に増加した。全ての患者は、睡眠の少なくとも一つの段階でEOG及びEMGの異常を示した。患者の34パーセントは、治療に対するEOG及びEMG活性の増加をそれぞれの睡眠段階で示した。フルオキセチン誘導の眼球運動の異常が、セロトニン及び二次的ドーパミン作動性効果の増加した有効性の結果である可能性があることが示唆される(Armitage R,et al.,Neuropsychopharmacology,1995,12(2):159−165)。
【0056】
フルオキセチンの臨床的薬理に関する更なる情報は、プロザック(登録商標)の商標名の医師の卓上参考書の2005年版(Lilly)中に見出すことができる。
5. セロトニン及びノルエピネフリン再取込み阻害剤 例示的なSNPIは、ミルナシプラン、ベンラファキシン、デュロキセチンを含む。好ましいSNRIは、ミルナシプランである。
【0057】
本発明の好ましい組合せは、オンダンセトロン及び改変放出フルオキセチンである。本発明のもう一つの好ましい組合せは、改変放出オンダンセトロン及び即時放出フルオキセチンである。本発明のもう一つの好ましい組合せは、改変放出オンダンセトロン及び改変放出フルオキセチンである。もう一つの好ましい態様は、オンダンセトロン及び改変放出パロキセチンである。なおもう一つの好ましい態様は、改変放出オンダンセトロン及び改変放出パロキセチンである。更なる好ましい態様は、オンダンセトロン及び改変放出ミルナシプランである。別の好ましい態様は、慣用的な或いは改変放出剤形のフルオキセチン又はパロキセチン若しくはミルナシプランといっしょの、オンダンセトロン成分が改変放出剤形であるものである。
【0058】
6. 他の活性化合物との組合せ
セロトニン受容体アンタゴニスト及びセロトニン受容体アゴニスト、又はセロトニン受容体アンタゴニスト及びSSRIの医薬的組合せは、補助的に、鎮痛剤、抗炎症性薬物、解熱剤、抗鬱剤、抗癲癇剤、抗ヒスタミン剤、抗偏頭痛剤、抗ムスカリン剤、抗不安剤(anxiltyics)、鎮痛剤、催眠剤、統合失調症治療剤、気管支拡張剤、抗喘息剤、心血管系薬剤、副腎皮質ステロイド剤、ドーパミン系薬剤、電解質、胃腸薬、筋弛緩剤、栄養剤、ビタミン、副交感神経刺激剤、覚醒剤、食欲低下剤、及び抗過眠症剤のような他の活性化合物と投与することができる。
【0059】
オンダンセトロン又はオンダンセトロン−フルオキセチンの組合せと補助的に投与することができる化合物の具体的な例は、制約されるものではないが、アセクロフェナク、アセトアミノフェン、アドメキセチン(adomexetine)、アルモトリプタン、アルプラゾラム、アマンタジン、アムシノニド、アミノシクロプロパン、アミトリプチリン、アムロジピン(amolodipine)、アモキサピン、アンフェタミン、アリピプラゾール、アスピリン、アトモキセチン、アザセトロン、アザタジン、ベクロメタゾン、ベナクチジン、ベノキサプロフェン、ベルモプロフェン、ベタメタゾン、ビシファジン、ブロモクリプチン、ブデソニド、ブプレノルフィン、ブプロピオン、ブスピロン、ブトルファノール、ブトリプチリン、カフェイン、カルバマゼピン、カルビドパ、カリソプロドール、セレコキシブ、クロルジアゼポキシド、クロルプロマジン、サリチル酸コリン、シタロプラム、クロミプラミン、クロナゼパム、クロニジン、クロニタゼン、クロラゼプ酸、クロチアゼパム、クロキサゾラム、クロザピン、コデイン、コルチコステロン、コルチゾン、シクロベンザプリン、シプロヘプタジン、デメキシプチリン、デシプラミン、デソモルヒネ、デキサメタゾン、デキサナビノール、硫酸デキストロアンフェタミン、デキストロモラミド、デキストロプロポキシフェン、デゾシン、ジアゼパム、ジベンゼピン、ジクロフェナクナトリウム、ジフルニサル、ジヒドロコデイン、ジヒドロエルゴタミン、ジヒドロモルヒネ、ジメタクリン、ジヴァルプロエキス(divalproxex)、リザトリプタン(dizatriptan)、ドラセトロン、ドネペジル、ドチエピン、ドキセピン、デュロキセチン、エルゴタミン、エシタロプラム、エスタゾラム、エトスクシミド、エトドラク、フェモキセチン、フェナム酸、フェノプロフェン、フェンタニル、フルジアゼパム、フルオキセチン、フルフェナジン、フルラゼパム、フルルビプロフェン、フルタゾラム、フルボキサミン、フロバトリプタン、ガバペンチン、ガランタミン、ゲピロン、イチョウビロバ(bilboa)、グラニセトロン、ハロペリドール、フペルジンA、ヒドロコドン、ヒドロコルチゾン、ヒドロモルホン、ヒドロキシジン、イブプロフェン、イミプラミン、インディプロン、インドメタシン、インドプロフェン、イプリンドール、イプサピロン、ケタンセリン(ketaserin)、ケトプロフェン、ケトロラック、レソピトロン、レボドパ、リパーゼ、ロフェプラミン、ロラゼパム、ロキサピン、マプロチリン、マジンドール、メフェナム酸、メラトニン、メリトラセン、メマンチン、メペリジン、メプロバマート、メサラミン、メタプラミン、メタキサロン、メサドン、メサドン、メタンフェタミン、メトカルバモール、メチルドパ、メチルフェニデート、サリチル酸メチル、メチセルジド、メトクロプラミド、ミアンセリン、ミフェプリストン、ミルナシプラン、ミナプリン、ミルタザピン、モクロベミド、モダフィニル(modafonil)(抗過眠症剤)、モリンドン、モルヒネ、塩酸モルヒネ、ナブメトン、ナドロール、ナプロキセン、ナラトリプタン、ネファゾドン、ニューロナチン(neurontin)、ノミフェンシン、ノルトリプチリン、オランザピン、オルサラジン、オンダンセトロン、オピプラモール、オルフェナドリン、オキサフロザン、オキサプロジン(oxaprazin)、オキサゼパム、オキシトリプタン、オキシコドン、オキシモルホン、パンクレリパーゼ、パレコキシブ、パロキセチン、ペモリン、ペンタゾシン、ペプシン、ペルフェナジン、フェナセチン、フェンジメトラジン、フェンメトラジン、フェニルブタゾン、フェニトイン、ホスファチジルセリン、ピモジド、ピルリンドール、ピロキシカム、ピゾチフェン、ピゾチリン、プラミペキソール、プレドニゾロン、プレドニゾン、プレガバリン、プロプラノロール(propanolol)、プロピゼピン、プロポキシフェン、プロトリプチリン、クアゼパム、キヌプラミン、レボキセチン(reboxitine)、レセルピン、リスペリドン、リタンセリン、リバスチグミン、リザトリプタン、ロフェコキシブ、ロピニロール、ロチゴチン、サルサラート、セルトラリン、シブトラミン、シルデナフィル、スルファサラジン、スリンダク、スマトリプタン、タクリン、テマゼパム、テトラベナジン(tetrabenozine)、チアジド、チオリダジン、チオチキセン、チアプリド、チアシピロン(tiasipirone)、チザニジン、トフェナシン、トルメチン、トロキサトン、トピラメート、トラマドール、トラゾドン、トリアゾラム、トリフルオペラジン、トリメトベンズアミド、トリミプラミン、トロピセトロン、バルデコキシブ、バルプロ酸、ベンラファキシン、ビロキサジン、ビタミンE、ジメルジン、ジプラシドン、ゾルミトリプタン、ゾルピデム、ゾピクロン並びにこれらの異性体、塩、及び組合せを含む。
【0060】
補助的投与によって、同一剤形中の化合物の同時投与、別個の剤形中の同時投与、および化合物の別個投与を意味する。
7. 製剤
製剤は、安全及び有効であると考えられる物質から構成され、そして所望しない生物学的副作用又は希望しない相互作用を起こすことなく個体に投与することができる医薬的に受容可能な“担体”を使用して調製される。“担体”は、活性成分又は複数の活性成分以外の医薬製剤中に存在する全ての成分である。用語“担体”は、制約されるものではないが、希釈剤、結合剤、潤滑剤、崩壊剤、充填剤、及び被覆組成物を含む。
【0061】
“担体”は、更に可塑剤、顔料、着色剤、安定剤、及び滑剤を含むことができる、被覆組成物の全ての成分を含む。遅延放出投与製剤は、錠剤及びカプセル並びに遅延放出剤形の錠剤、カプセル、及び顆粒を調製するための担体、物質、機器及び方法に対する情報を提供している、“Pharmaceutical dosage form tablets”,eds.Liberman et al.(New York,Marcel Dekker,Inc.,1989)、“Remington−The science and practice of pharmacy”,20th ed.,Lippincott Williams & Wilkins,Baltimore,MD,2000、及び“Pharmaceutical dosage forms and drug delivery systems”,6th Edition,Ansel et al.,(Media,PA:Williams and Wilkins,1995)のような参考文献中に記載されているように調製することができる。
【0062】
適した被覆物質の例は、制約されるものではないが、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなセルロース系ポリマー;ポリ酢酸フタル酸ビニル、アクリル酸ポリマー及びコポリマー、並びに商標名オイドラギット(登録商標)(Roth Pharma,Westerstadt,Germany)で商業的に入手可能であるメタクリル樹脂、ゼイン、シェラック、及び多糖類を含む。
【0063】
更に、被覆物質は、可塑剤、顔料、着色剤、滑剤、安定剤、細孔形成剤及び界面活性剤のような慣用的な担体を含有することができる。
薬物を含有する錠剤、ビーズ、顆粒又は粒子中に存在する所望による医薬的に受容可能な賦形剤は、制約されるものではないが、希釈剤、結合剤、潤滑剤、崩壊剤、着色剤、安定剤、及び界面活性剤を含む。更に“充填剤”とも呼ばれる希釈剤は、典型的には、錠剤の圧縮、又はビーズ及び顆粒の形成のために実際的な大きさが得られるように、固体の剤形の嵩を増加するために必要である。適した希釈剤は、制約されるものではないが、リン酸二カルシウム二水和物、硫酸カルシウム、ラクトース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース、微結晶セルロース、カオリン、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、加水分解デンプン、アルファ化デンプン、二酸化ケイ素、酸化チタン、ケイ酸アルミニウムマグネシウム及び粉末の糖を含む。
【0064】
結合剤は、凝集性の品質を固体の投与製剤に分け与え、そして従って錠剤又はビーズ或いは顆粒が剤形の形成後インタクトなままであることを確実にするために使用される。適した結合剤物質は、制約されるものではないが、デンプン、アルファ化デンプン、ゼラチン、糖(スクロース、グルコース、デキストロース、ラクトース及びソルビトールを含む)、ポリエチレングリコール、ワックス、アラビアゴム、トラガカントゴムのような天然の及び合成のゴム、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロースを含むセルロース、並びにビーガム、並びにアクリル酸及びメタクリル酸コポリマー、メタクリル酸コポリマー、メタクリル酸メチルコポリマー、メタクリル酸アミノアルキルコポリマー、ポリアクリル酸/ポリメタクリル酸及びポリビニルピロリドンのような合成ポリマーを含む。
【0065】
潤滑剤は、錠剤の製造を容易にするために使用される。適した潤滑剤の例は、制約されるものではないが、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、ベヘン酸グリセロール、ポリエチレングリコール、タルク、及び鉱油を含む。
【0066】
崩壊剤は、投与後の剤形の崩壊又は“分解”を容易にするために使用され、そして一般的に、制約されるものではないが、デンプン、グリコール酸デンプンナトリウム、カルボキシメチルデンプンナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、アルファ化デンプン、粘土、セルロース、アルギニン、ゴム又は架橋PVP(GAF Chemical Corpから入手のPolyplasdone)のような架橋ポリマーを含む。
【0067】
安定剤は、例として酸化反応を含む薬物の分解反応を阻害又は防止するために使用される。
界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、両性イオン性又は非イオン性表面活性剤であることができる。適したアニオン性界面活性剤は、制約されるものではないが、カルボン酸、スルホン酸及び硫酸イオンを含有するものを含む。アニオン性界面活性剤の例は、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムのようなナトリウム、カリウム、アンモニウムの長鎖アルキルスルホン酸塩及びアルキルアリールスルホン酸塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムのようなジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ビス−(2−エチルチオキシル)−スルホコハク酸ナトリウムのようなジアルキルスルホコハク酸ナトリウム;及びラウリル硫酸ナトリウムのようなアルキル硫酸塩を含む。カチオン性界面活性剤は、制約されるものではないが、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、臭化セトリモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウムのような第四アンモニウム化合物、ポリオキシエチレン及びココナツアミンを含む。非イオン性界面活性剤の例は、モノステアリン酸エチレングリコール、ミリスチン酸プロピレングリコール、モノステアリン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル、ポリグリセリル−4−オレエート、アシル化ソルビタン、アシル化スクロース、ラウリン酸PEG−150、モノラウリン酸PEG−400、モノラウリン酸ポリオキシエチレン、ポリソルベート、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、PEG−1000セチルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリプロピレングリコールブチルエーテル、Poloxamer(登録商標)401、ステアロイルモノイソプロパノールアミド、及びポリオキシエチレン水素化獣脂アミドを含む。両性イオン性界面活性剤の例は、N−ドデシル−ベータ−アラニンナトリウム、N−ラウリル−ベータ−イミノジプロピオン酸ナトリウム、ミリストアムホアセテート、ラウリルベタイン及びラウリルスルホベタインを含む。
【0068】
所望する場合、錠剤、ビーズ、顆粒又は粒子は、更に湿潤又は乳化剤、染料、pH緩衝剤、及び保存剤のような少量の非毒性補助物質を含有することもできる。
剤形の即時放出投与量単位−即ち、錠剤、複数の薬物を含有するビーズ、顆粒又は粒子、或いは被覆された核の剤形の外部層−は、治療的に有効な量の活性剤を、慣用的な医薬的賦形剤と共に含有する。即時放出投与単位は、被覆されていることができるか、又はできず、そして遅延放出投与単位若しくは複数の単位と混合することができるか(即時放出の薬物を含有する顆粒、粒子又はビーズ及び遅延放出の薬物を含有する顆粒又はビーズのカプセル化された混合物のように)、又はできない。即時放出錠剤(例えばカプセル中に組込まれるような)を調製するための好ましい方法は、薬物を含有する配合物、例えば直接配合、湿式顆粒化又は乾式顆粒化法を使用して調製された顆粒の配合物を圧縮することによる。即時放出錠剤は、更に圧縮ではなく、適した水溶性潤滑剤を含有する湿潤物質から出発して成形することもできる。然しながら、本明細書中の好ましい錠剤は、成形ではなく、圧縮を使用して製造される。即時放出の薬物を含有する配合物を形成するための好ましい方法は、薬物粒子を、一つ又はそれより多い希釈剤(又は充填剤)、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、滑剤、着色剤等のような賦形剤と直接混合することである。直接配合に対する別の方法として、薬物を含有する配合物は、湿式顆粒化又は乾式顆粒化法を使用して調製することができる。活性剤を含有するビーズも、更に多くの慣用的な技術のいずれか一つによって、典型的には流体の分散から出発して調製することができる。例えば、薬物を含有するビーズを調製するための典型的な方法は、活性成分を、微結晶セルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、タルク、金属ステアリン酸塩、二酸化ケイ素、等のような慣用的な医薬的賦形剤と配合することを含む。混合物は、約20ないし60メッシュの大きさを有する糖の球(又はいわゆる“ノンパレイユ”)のようなビーズの核を被覆するために使用される。
【0069】
薬物のビーズを調製するための別の方法は、薬物を、微結晶セルロース、ラクトース、セルロース、ポリビニルピロリドン、タルク、ステアリン酸マグネシウム、崩壊剤、等のような一つ又はそれより多い医薬的に受容可能な賦形剤と配合し、配合物を押出し、押出物を球状化し、乾燥し、そして所望により被覆して、即時放出ビーズを形成することによる。
【0070】
それぞれの投与において放出される活性剤の量は、治療的に有効な量であるものである。
7.1 遅延放出剤形
遅延放出製剤は、固体の剤形を、胃の酸性の雰囲気中で不溶性であり、そして小腸の中性の雰囲気中で可溶性であるポリマーのフィルムで被覆することによって造られる。
【0071】
遅延放出投与単位は、例えば薬物又は薬物を含有する組成物を、選択された被覆物質で被覆することによって調製することができる。薬物を含有する組成物は、例えば、カプセルへの組込みのための錠剤、“被覆核”剤形中の内部核として使用される錠剤、或いは錠剤又はカプセルのいずれかへの組込みのための薬物を含有する複数のビーズ、粒子若しくは顆粒であることができる。好ましい被覆物質は、生体内で侵食可能、徐々に加水分解可能、徐々に水に可溶、及び/又は酵素的に分解可能なポリマーを含み、そして慣用的な“腸溶性”ポリマーであることができる。腸溶性ポリマーは、当業者によって認識されるものであるように、下部胃腸管の高いpHの環境において可溶性となり、又は剤形が胃腸管を通過するに従ってゆっくりと侵食され、一方酵素的に分解可能なポリマーは、下部胃腸管、特に大腸中に存在する細菌性酵素によって分解される。遅延放出を行うために適した被覆物質は、制約されるものではないが、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸トリメリト酸セルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウムのようなセルロース系ポリマー;好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル及び/又はメタクリル酸エチルから形成されたアクリル酸ポリマー及びコポリマー、並びにオイドラギット(登録商標)L30D−55及びL100−55(pH5.5及びそれより上で可溶)、オイドラギット(登録商標)L−100(pH6.0及びそれより上で可溶)、オイドラギット(登録商標)S(pH7.0及びそれより上で可溶、高いエステル化の程度の結果として)、並びにオイドラギットNE、RL及びRS(異なった程度の透過性及び膨張性を有する水不溶性ポリマー)を含む商標名オイドラギット(登録商標)(Rohm Pharma;Westerstadt,Germany)で商業的に入手可能である他のメタクリル樹脂;ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル、酢酸フタル酸ビニル、酢酸ビニルクロトン酸コポリマー、及びエチレン−酢酸ビニルコポリマーのようなビニルポリマー及びコポリマー;アゾポリマー、ペクチン、キトサン、アミロース及びグアーガムのような酵素的に分解可能なポリマー;ゼイン並びにセラックを含む。異なった被覆物質の組合せも、更に使用することができる。異なったポリマーを使用する多層被覆も、更に適用することができる。ポリマーの配合物を、薬物放出の所望する遅延を達成するために使用することができる。
【0072】
特定の被覆物質に対する好ましい被覆重量は、異なった量の各種の被覆物質で調製した錠剤、ビーズ及び顆粒に対する個々の放出特性を評価することによって、当業者によって容易に決定することができる。所望する放出特性を生じる物質の組合せ、適用の方法及び形態は、臨床的研究からのみ決定することができる。
【0073】
被覆組成物は、可塑剤、顔料、着色剤、安定剤、滑剤、等のような慣用的な賦形剤を含むことができる。可塑剤は、通常被覆の脆弱性を減少するために存在し、そして一般的にポリマーの乾燥重量に対して約10重量%ないし50重量%を代表するものである。典型的な可塑剤の例は、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリアセチン、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、セバシン酸ジブチル、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリエチル、ヒマシ油及びアセチル化モノグリセリドを含む。安定剤は、好ましくは分散物中の粒子を安定するために使用される。典型的な安定剤は、ソルビタンエステル、ポリソルベート及びポリビニルピロリドンのような非イオン性乳化剤である。滑剤は、フィルム形成及び乾燥時の付着効果を減少するために推奨され、そして一般的に被覆溶液中のポリマーの重量の約25重量%ないし100重量%を代表するものである。一つの有効な滑剤は、タルクである。ステアリン酸マグネシウム及びモノステアリン酸グリセロールのような他の滑剤も、更に使用することができる。二酸化チタンのような顔料も、更に使用することができる。少量のシリコーン(例えば、シメチコン)のような消泡剤も、更に被覆組成物に加えることができる。
【0074】
7.2 パルス状放出剤形
活性成分のパルス状放出は、第2の及び規定された時点におけるいずれもの更なるパルスを放出するために選択されたポリマーで、活性成分を被覆することによって達成することができる。本発明のこの態様は、活性成分の第1の放出(パルス)が、活性成分の第2のパルスの前の所望する遅延によって追随される剤形の投与を可能にする。ポリマーは、第2のパルスが選択された時間間隔で放出されるように選択される。時間間隔は、活性成分の所望する血漿中濃度の薬物動態に基づいて選択することができ、及び/又は第2のパルスの放出部位に基づいて選択することができる。
【0075】
組成物は、治療的に有効な投与量のオンダンセトロンの初期の迅速放出、それに続く第2及び所望による第3の活性成分の遅延投与が、その剤形から放出されるような、いわゆる“遅延放出”パルスを提供する。活性剤の即時放出投与単位及び一つ又はそれより多い遅延放出投与単位の両方を組込むことによって、剤形は、投与を繰返すことなく、即ち、単一の投与のみによって、多数回投与特性を模倣する。例えば、剤形が即時放出投与単位及び単一の遅延放出投与単位の両方を含有する場合、剤形は、一日二回の投与特性を提供する。あるいは、剤形が即時放出投与単位及び二つの遅延放出投与単位を含有する場合、剤形は、一日三回の投与特性を提供する。製剤は、パルス状放出剤形を提供し、ここにおいて剤形は、即時放出投与単位、遅延放出投与単位及び所望による第2の遅延放出投与単位を含んでなる。即時放出投与単位は、患者への剤形の経口投与後、実質的に直ちに放出される活性成分の第1の投与量を含んでなる。遅延放出投与単位は、活性成分の第2の投与量、及び剤形の経口投与後、約3時間から14時間より短い時間までの第2の投与の遅延放出の手段を含んでなる。第2の遅延放出投与単位は、存在する場合、活性剤の第3の投与量、及び剤系の経口投与後、少なくとも5時間から約18時間までの第3の投与の遅延放出のための手段を含んでなる。
【0076】
それぞれの剤形は、治療的に有効な量の活性剤を含有する。一日二回の投与特性を模倣する剤形は、剤形中の活性成分の全量の約30重量%ないし80重量%、好ましくは40重量%ないし70重量%が初期のパルスで放出され、そして同様に剤形中の活性剤の全量の約70重量%ないし20重量%、好ましくは60重量%ないし30重量%が、第2のパルスで放出される。一日二回投与の特性を模倣する剤形において、第2のパルスは、投与後、好ましくは約3時間から14時間より短い時間、そして最も好ましくは約5時間ないし12時間に放出される。
【0077】
一日三回の投与特性を模倣する剤形において、剤形中の活性剤の全量の約25重量%ないし40重量%が初期のパルスで放出され、そして剤形中の活性剤の全量の約25重量%ないし40重量%が、第2及び第3のパルスのそれぞれで放出される。一日三回の投与特性を模倣する剤形において、第2のパルスの放出は、経口投与後、好ましくは約3時間ないし10時間に、そして最も好ましくは約4ないし9時間に起こる。第3のパルスの放出は、第2のパルス後、約2時間ないし約8時間に起こり、そして典型的には経口投与後、約5時間ないし約18時間である。
【0078】
一つの側面において、少なくとも二つの薬物を含有する投与単位を収容する密閉カプセルを含んでなる剤形が使用される。それぞれの投与単位は、二つ又はそれより多い圧縮された錠剤を含んでなるか、或いは複数のビーズ、顆粒又は粒子から構成されていることができ、但し、それぞれの投与単位が、異なった薬物放出特性を有することを条件とする。即時放出投与単位は、経口投与後、実質的に直ちに薬物を放出して、初期の投与量を提供する。遅延放出投与単位は、経口投与後、約3時間ないし14時間に、第2の投与として薬物を放出して、第2の投与量を提供する。最後に、所望による第2の遅延放出投与単位が、第2の投与の放出後、約2時間ないし8時間に薬物を放出し、そしてこれは、典型的には経口投与後、5時間ないし18時間である。
【0079】
もう一つの剤形は、薬物を含有する即時放出投与単位、遅延放出投与単位及び所望による第2の遅延放出投与単位を有する圧縮された錠剤を含んでなる。この剤形において、即時放出投与単位は、薬物を、経口投与後、実質的に直ちに放出して、最初の投与を提供する複数のビーズ、顆粒又は粒子を含んでなる。遅延放出投与単位は、経口投与後、約3時間ないし14時間に薬物を放出して、第2の投与量を提供する複数の被覆されたビーズ又は顆粒を含んでなる。
【0080】
所望による第2の遅延放出投与単位は、初期の遅延放出投与の投与後、約2ないし8時間に、典型的には経口投与後、5ないし18時間に薬物を放出する被覆されたビーズ又は顆粒を含んでなる。遅延放出投与単位(単数又は複数)中のビーズ又は顆粒は、生体内で侵食可能なポリマー物質で被覆されている。この被覆は、薬物が適当な時間、即ち、遅延放出剤形に対して経口投与後、約3時間から14時間より少ない時間まで、そして所望による第2の遅延放出投与単位に対して経口投与後少なくとも5時間から約18時間まで放出されることを防止する。この剤形において、成分は、錠剤中に混合することができ、或いは層状にして、積層錠剤を形成することができる。
【0081】
もう一つの剤形は、薬物を含有する即時放出投与単位、遅延放出投与単位、及び所望による第2の遅延放出投与単位を有する錠剤であり、ここにおいて即時放出投与単位は、経口投与後、実質的に直ちに薬物を放出する外部層を含んでなる。然しながら、残りの遅延放出投与(単数又は複数)の配置は、剤形が、一日二回の投与を、又は一日三回の投与を模倣して設計されるかによる。
【0082】
一日二回の投与を模倣する剤形において、遅延放出投与単位は、生体内で侵食可能なポリマー物質で被覆された内部核を含んでなる。被覆は、薬物の放出が、経口投与後、約3時間から14時間より少ない時間までに起こるように適用される。この形態において、外部層は、内部核を完全に囲む。一日三回の投与を模倣する剤形において、(第1の)遅延放出投与は、経口投与後、約3時間から14時間より少ない時間まで薬物を放出する内部層を含んでなる。この内部層は、外部層によって囲まれている。第2の遅延放出投与単位は、一般的に経口投与後、少なくとも5時間から約18時間までに薬物を放出する内部核を含んでなる。従って、この錠剤の層は、(外部表面から始まって)外部層、内部層及び内部核を含んでなる。内部核は、遅延放出ビーズ又は顆粒を含んでなる。更に、内部層は、生体内で侵食可能なポリマー物質で被覆された薬物を含んでなる。あるいは、一日三回の投与を模倣するこの特定の剤形において、遅延放出投与単位及び第2の遅延放出投与単位の両方は、内部層によって囲まれている。この内部層は、活性成分を含まない。従って、この錠剤の層は(外部表面から始めて)、外部層、内部層及び遅延放出投与単位の混合物を含んでなる。第1の遅延放出パルスは、内部層が実質的に侵食され、これによって遅延放出投与単位の混合物が放出された時に起こる。(第1の)遅延放出投与単位に対応する投与は、内部層が、適当な時間、例えば約3時間ないし10時間、この投与への接近を防止するために、直ちに放出される。然しながら、第2の遅延放出投与は、経口投与後少なくとも5時間から約18時間まで放出を有効に遅延するように処方される。
【0083】
あるいは、カプセル中のそれぞれの投与単位は、薬物を含有する複数のビーズ、顆粒又は粒子を含んでなることができる。当技術において知られるように、薬物を含有する“ビーズ”は、薬物及び一つ又はそれより多い賦形剤或いはポリマーと共に製造されたビーズを指す。薬物を含有するビーズは、薬物を不活性な支持体、例えば薬物で被覆された不活性な糖のビーズに適用することによって、或いは薬物及び一つ又はそれより多い賦形剤の両方を含んでなる“核”を造ることによって製造することができる。更に知られているように、薬物を含有する“顆粒”及び“粒子”は、一つ若しくはそれより多い更なる賦形剤又はポリマーを含むことができるか、或いは含むことができない薬物粒子を含んでなる。薬物を含有するビーズと対照的に、顆粒及び粒子は、不活性支持体を含有していない。顆粒は、一般的に薬物粒子を含んでなり、そして更なる加工を必要とする。一般的に、粒子は、顆粒より小さく、そして更に加工されない。ビーズ、顆粒及び粒子は、即時放出を提供するように処方することができるが、ビーズ及び顆粒は、一般的に遅延放出を提供するために使用される。
【0084】
なおもう一つの態様において、剤形は、被覆された核型の放出系を含んでなり、ここにおいて外部層は、その中の活性剤が経口投与後、直ちに放出されるように、即時放出投与単位から構成され、その下の中間層は、核を囲み、そして核は、第2の投与が、即時放出ビーズ又は顆粒によって提供され、そして第3の投与が遅延放出ビーズ又は顆粒によって提供されるように、即時放出ビーズ又は顆粒、及び遅延放出ビーズ又は顆粒から構成される。
【0085】
本発明の組成物において、第2のパルスの放出を意図する場合、投与及び第2のパルスの放出の時間の間に、3−8時間の遅延が所望される。第2のパルスを3−8時間で放出する適当なポリマーが選択される。この方法において、一連のパルスを、特定の時間間隔わたって又は特定の放出部位において達成することができる。前述のポリマーは、パルス状放出組成物の遅延放出部分(単数又は複数)を構築するために使用することができる。ポリマーの配合物は、所望する放出特性を達成するために使用することができる。
【0086】
従って、一つの態様において、セロトニン受容体アンタゴニストは、錠剤の形態中に、錠剤の外部部分(第1の放出パルスを達成するため)及び内部核(第2の放出パルスを達成するため)の両方に存在する。好ましい態様は、オンダンセトロンを、ポリマーで被覆され、そしてオンダンセトロンを含んでなる組成物で更に被覆された核中に含んでなる。
【0087】
本発明の全ての態様を被覆するために好ましいポリマーは、オイドラギットL−100、オイドラギットS−100、及びオイドラギットL−100とオイドラギットS−100の比が、約95/5ないし約75/25(重量/重量)、更に好ましくは90/10ないし80/20(重量/重量)であるこれらの混合物を、第2のパルスを3−8時間に達成するために含む。硬質ゼラチンカプセル中の、フルオキセチンの錠剤が、ポリマーによって所望により被覆されているオンダンセトロンの錠剤及びフルオキセチンの錠剤の組合せは、図4に描写されている。錠剤の被覆のために使用するポリマー組成物を変化することによって、フルオキセチンの放出が、オンダンセトロンの第2のパルスの放出と同時に又は異なった時間にのいずれかで起こることができることは理解されることである。
【0088】
もう一つの好ましい態様は、錠剤の患者への投与後、オンダンセトロンの第1のパルスが、オンダンセトロン及びフルオキセチンの3−8時間後のパルスによって追随されるように、内部核にフルオキセチンの投与を加えることである。この態様の錠剤の剤形は、図1に描写される。この態様は、投与時にオンダンセトロンを放出し、3−8時間後、フルオキセチンの放出及びオンダンセトロンの第2のパルスによって追随される。このような形態は、オンダンセトロンのパルス状放出、並びにフルオキセチンの時間遅延放出を可能にし、これによって就寝直前のフルオキセチンの投与に関連する睡眠妨害を最小にする。
【0089】
このようなパルス状放出剤形の更なる例は、これらの原理に基づいて、容易に構築される。
7.3 延長放出剤形
延長放出製剤は、一般的に拡散又は浸透圧系として、例えば“Remington−The science and practice of pharmacy”(20th ed.,Lippincott Williams & Wilkins,Baltimore,MD,2000)中に記載されているように調製される。拡散系は、典型的には二つの種類のデバイス、貯蔵器及びマトリックスからなり、そしてこれは、公知であり、そして当技術において説明されている。マトリックスデバイスは、一般的に薬物を、ゆっくりと溶解するポリマーの担体と共に錠剤の形態に圧縮することによって調製される。マトリックスデバイスの調製において使用される三つの主要な種類の物質は、不溶性プラスチック、親水性ポリマー、及び脂肪化合物である。プラスチックマトリックスは、制約されるものではないが、アクリル酸メチル−メタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル、及びポリエチレンを含む。親水性ポリマーは、制約されるものではないが、メチル及びエチルセルロースのようなセルロース系ポリマー ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及びカルボポール934のようなヒドロキシアルキルセルロース、ポリエチレンオキシド並びにこれらの混合物を含む。脂肪化合物は、制約されるものではないが、カルナウバワックス及びトリステアリン酸グリセリルのような各種のワックス、並びに水素化されたひまし油、又は水素化された植物油を含むワックス型物質、或いはこれらの混合物を含む。
【0090】
ある好ましい態様において、プラスチック物質は、制約されるものではないが、アクリル酸及びメタクリル酸コポリマー、メタクリル酸メチル、メタクリル酸メチルコポリマー、メタクリル酸エトキシエチル、メタクリル酸シアノエチル、メタクリル酸アミノアルキルコポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタクリル酸アルキルアミンコポリマー ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸)(酸無水物)、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリ(メタクリル酸無水物)、及びメタクリル酸グリシジルコポリマーを含む医薬的に受容可能なアクリル酸ポリマーである。
【0091】
ある好ましい態様において、アクリル酸ポリマーは、一つ又はそれより多いメタクリル酸アンモニオコポリマーから構成される。メタクリル酸アンモニオコポリマーは、当技術において公知であり、そしてNF XVII中に、低含有率の第四アンモニウム基を伴う、アクリル酸及びメタクリル酸のエステルの完全に重合したコポリマーとして記載されている。
【0092】
一つの好ましい態様において、アクリル酸ポリマーは、商標名オイドラギット(登録商標)でRohm Pharmaから商業的に入手可能であるもののようなアクリル樹脂ラッカーである。更なる好ましい態様において、アクリル酸ポリマーは、それぞれ商標名オイドラギット(登録商標)RL30D及びオイドラギット(登録商標)RS30Dで、Rohm Pharmaから商業的に入手可能である二つのアクリル樹脂ラッカーの混合物を含んでなる。オイドラギット(登録商標)RL30D及びオイドラギット(登録商標)RS30Dは、低い含有率の第四アンモニウム基を伴うアクリル酸及びメタクリル酸のコポリマーであり、アンモニウム基と残りの中性の(メタ)アクリル酸エステルのモル比は、オイドラギット(登録商標)RL30Dにおいて1:20であり、そしてオイドラギット(登録商標)RS30Dにおいて1:40である。平均分子量は、約150,000である。オイドラギット(登録商標)及びオイドラギット(登録商標)L−100も更に好ましい。コード名称RL(高透過性)及びRS(低透過性)は、これらの薬剤の透過特性を指す。オイドラギット(登録商標)RL/RSの混合物は、水及び消化液中で不溶性である。然しながら、これらを含んで形成された多粒子系は、水溶液及び消化液中で膨潤性であり、そして透過性である。
【0093】
オイドラギット(登録商標)RL/RSのような先に記載したポリマーは、最終的に所望する溶解特性を有する継続放出製剤を得るために、いずれもの所望する比でいっしょに混合することができる。好ましい継続放出多粒子系は、例えば100%のオイドラギット(登録商標)RL、50%のオイドラギット(登録商標)RL及び50%のオイドラギット(登録商標)RS、並びに10%のオイドラギット(登録商標)RL:オイドラギット(登録商標)90%RSから得ることができる。当業者は、例えばオイドラギット(登録商標)Lのような他のアクリル酸ポリマーも更に使用することができることを認識するものである。
【0094】
別の方法として、延長放出製剤は、浸透圧系を使用して、又は剤形に半透過性被覆を適用することによって調製することができる。後者の場合、所望する薬物放出特性は、低透過性及び高透過性被覆物質を、適した比率で組合わせることによって達成することができる。
【0095】
先に記載した異なった薬物放出機構によるデバイスは、単一又は多数の単位を含んでなる最終剤形中に組合せることができる。多数単位の例は、多層錠剤、錠剤、ビーズ、顆粒、等を含有するカプセルを含む。
【0096】
即時放出部分は、被覆又は圧縮法を使用して、即時放出層を延長放出核の上に適用することによるか、或いは延長及び即時放出ビーズを含有するカプセルのような多数単位系のいずれかによって、延長放出系に加えることができる。
【0097】
親水性ポリマーを含有する延長放出錠剤は、直接圧縮、湿式顆粒化、又は乾式顆粒化法のような当技術において普通に知られた技術によって調製される。これらの製剤は、通常活性な医薬的成分と同様に、ポリマー、希釈剤、結合剤、及び潤滑剤が組込まれる。通常の希釈剤は、デンプン、粉末セルロース、特に結晶質及び微結晶質セルロース、フルクトース、マンニトール及びスクロースのような糖、小麦粉並びに同様な食用粉末のような不活性の粉末の物質を含む。典型的な希釈剤は、例えば、各種のデンプン、ラクトース、マンニトール、カオリン、リン酸又は硫酸カルシウム、塩化ナトリウムのような無機塩及び粉末の糖を含む。粉末のセルロース誘導体も更に有用である。典型的な錠剤の結合剤は、デンプン、ゼラチン並びにラクトース、フルクトース、及びグルコースのような糖のような物質を含む。アラビアゴムを含む天然及び合成のゴム、アルギン酸塩、メチルセルロース、及びポリビニルピロリドンも更に使用することができる。ポリエチレングリコール、親水性ポリマー、エチルセルロース及びワックスも、更に結合剤として貢献することができる。潤滑剤は、錠剤の製剤において、錠剤及びパンチがダイに付着することを防止するために必要である。潤滑剤は、タルク、ステアリン酸マグネシウム及びカルシウム、ステアリン酸並びに水素化された植物油のような滑りやすい固体から選択される。
【0098】
ワックス物質を含有する延長放出錠剤は、一般的に直接配合法、凝固法、及び水性分散法のような当技術において既知の方法を使用して調製される。凝固法において、薬物は、ワックス物質と混合され、そして噴霧−凝固又は凝固及び篩い分けのいずれかをされ、そして加工される。
【0099】
本発明のオンダンセトロンの延長放出錠剤は、14時間までかけて、更に好ましくは12時間まで、オンダンセトロンを放出する。錠剤は、オンダンセトロンを含んでなる層で所望により被覆されて、投与時に即時放出(バースト)を提供することができる。後者の場合、即時のオンダンセトロンの放出は、次いで14時間までの間のその徐放又は延長された放出によって追随される。
【0100】
7.4 分離層
薬物を含有する核及び遅延放出層間の分離層(密封被覆)は、製剤の所望による特徴である。分離層の機能は、必要な場合、遅延放出層の適用のための平滑な基礎を提供し、酸性及び/又は中性の条件に対する核の抵抗性を延長し、そして薬物及び遅延放出ポリマー間のいずれもの相互作用を阻害することによって安定性を改良することである。一般的に、密封被覆は、多層錠剤のいずれもの二つの層を分離するために使用することができる。
【0101】
分離層の平滑化機能は、純粋に機械的であり、この目的は、遅延放出層の被覆性を改良し、そして核の突沸及び不規則性によって起こされたその中の薄い部分を回避することにある。従って、更に平滑な、そして不規則性がない核を製造することができた場合、より少ない物質が分離層において必要であり、そして薬物が極度に微細な粒子の大きさであり、そして核が可能な限り真の球に近く製造された場合、分離層の平滑な特質のための必要性は、完全に回避することができる。
【0102】
いずれもの錠剤の核/遅延放出層の相互作用の阻害は、機械的である。分離層(密封被覆)は、核及びポリマー層中の成分が、互いに直接接触しないように物理的に保つ。ある場合には、分離層は、産物の水分中に溶解した核又は分離層の成分の移動に対する拡散障壁としても更に作用することができる。分離層は、更にこれを二酸化チタン、酸化鉄等のような薬剤で不透明化することによって、光線障壁として使用することもできる。
【0103】
一般的に、分離層は、密着性又はポリマー物質、及び充填剤を構成する微細な粉末の固体賦形剤から構成される。分離層に還元糖が使用された場合、これは、水溶液の形態で使用され、そして分離層を、いっしょに接着する密着性物質の一部又は全体を構成する。還元糖に加えて、又はその代わりに、ポリマー物質も更に分離層中に使用することができる。例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース等のような物質を、分離層の付着性及び密着性を増加するために、少量使用することができる。
【0104】
層の平滑性及び固形性を増加するために、分離層に充填賦形剤を使用することは、更に得策である。微細な粉末化のタルク、二酸化ケイ素等は、医薬的賦形剤として普遍的に受入れられ、そして分離層を充填し、そして平滑化する状況において、都合よく加えることができる。
【0105】
一般的に、分離層中の糖の量は、実際に糖が使用される場合、産物の約2%ないし約10%の範囲であることができ、そしてポリマー又は他の接着性の物質の量は、約0.1ないし約5%の範囲であることができる。タルクのような充填剤の量は、最終産物の重量に基づいて、約5%ないし約15%の範囲でなければならない。
【0106】
8. 医薬組成物を含有するキット
本発明の医薬組成物が、説明書を伴って包装されたキットが提供される。包装材料は、箱、ビン、ブリスター包装、トレー、又はカードであることができる。キットは、規定の投与を規定の時間に、例えば第1の投与を一日目に、第2のより高い投与を二日目に、第3のより高い投与を三日目に、等、維持量に達するまで摂取することを患者に指導する包装挿入物含むものである。好ましいキットは、オンダンセトロン及びフルオキセチン組成物を投与説明書と共に含んでなる。
【0107】
9. 製造の方法
当業者によって認識され、そして関連する教本及び文献中に記載されているものであるように、各種の薬物放出特性を提供する、薬物を含有する錠剤、ビーズ、顆粒又は粒子の調製のために多くの方法が利用可能である。このような方法は、制約されるものではないが、次のこと:薬物又は薬物を含有する組成物を適当な被覆物質で被覆し、必ずしもではないが、典型的には、ポリマー物質を組込み、薬物粒子の大きさを増加し、薬物をマトリックス内に入れ、そして適した複合化剤と共に薬物の複合体を形成することを含む。
【0108】
遅延放出投与単位は、遅延放出ポリマー被覆で、慣用的な技術を使用して、例えば慣用的なコーティングパン、無気噴霧技術、流動床被覆装置(Wurster insertを伴い又は伴わず)、等を使用して被覆することができる。錠剤及び遅延放出剤形を調製するための、物質、機器及び方法に関する詳細な情報は、Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets,eds.Lieberman et al.(New York:Marcel Dekker,Inc.,1989)、及びAnsel et al.,Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery System,6th Ed.(Media,PA:Williams & Wilkins,1995)を参照されたい。
【0109】
延長放出錠剤を調製するための好ましい方法は、薬物を含有する配合物、例えば直接配合、湿式顆粒化、又は乾式顆粒化法を使用して調製された顆粒の配合物を圧縮することである。延長放出錠剤は、更に圧縮ではなく、適した水溶性潤滑剤を含有する湿潤物質から出発して成形することもできる。然しながら錠剤は、好ましくは成形ではなく、圧縮を使用して製造される。延長放出の薬物を含有する配合物を形成するための好ましい方法は、薬物粒子を、希釈剤(又は充填剤)、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、滑剤、及び着色剤のような一つ又はそれより多い賦形剤と直接混合することである。直接配合に対する別の方法として、薬物を含有する配合物は、湿式顆粒化又は乾式顆粒化法を使用することによって調製することができる。活性剤を含有するビーズは、更に多くの慣用的技術のいずれか一つを使用して、典型的には流体の分散から出発して調製することができる。例えば、薬物を含有するビーズを調製するための典型的な方法は、活性成分を、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、タルク、金属ステアリン酸塩、二酸化ケイ素、可塑剤等のような医薬的賦形剤を含有する被覆懸濁液又は溶液中に分散又は溶解することを含む。混合物は、約60ないし20メッシュの大きさを有する糖の球(又はいわゆる“ノンパレイユ”)のようなビーズの核を被覆するために使用される。
【0110】
薬物のビーズを調製するための別の方法は、薬物を、微結晶セルロース、ラクトース、セルロース、ポリビニルピロリドン、タルク、ステアリン酸マグネシウム、崩壊剤等のような一つ又はそれより多い医薬的に受容可能な賦形剤と配合し、配合物を押出し、押出し物を球状化し、乾燥し、そして所望により被覆して、即時放出ビーズを形成することによる。
【0111】
全ての引用された刊行物は、参考文献として援用される。
10. 呼吸障害の治療のための製剤の投与
製剤は、それを必要とするいずれもの患者に投与することができる。好ましい患者は、ヒトであるが、典型的には、イヌ、ネコ及びウマのような家畜を含むいずれもの哺乳動物も、更に治療することができる。
【0112】
投与される活性成分の量は、徴候を緩和し又は症状を治療するために、このような治療を必要とする患者に対して所望する投与量を提供する量に基づいて選択される。
実施例
本発明は、以下の非制約的実施例を参照することによって、更に理解されるものである。オンダンセトロン−フルオキセチンの組合せが、以下の実施例中に記載されているが、セロトニン受容体アンタゴニスト並びにセロトニン受容体アゴニスト、SSRI、及びSNRIからなる群から選択される一員を含んでなる各種の医薬組成物を、記載された製剤の一般的原理及び具体的な詳細を使用して構築することができることは理解されることである。
【0113】
実施例1: 即時放出オンダンセトロン錠剤
Symed Labs Ltd(インド)から入手のUSPのオンダンセトロンHCl二水和物を、即時放出(IR)オンダンセトロン錠剤を製造するために使用した。オンダンセトロンHCl二水和物は、Malvern Mastersizer 2000を使用して決定されるような、次の:10%の粒子は2.5ミクロンより小さく、50%の粒子が11.7ミクロンより小さく、そして90%の粒子が25.2ミクロンより小さい粒子大きさの分布を有していた。全ての粒子の%は、容量%で測定されている。
【0114】
錠剤製造過程の第1工程は、オンダンセトロンHCl、ラクトース、プロソルブ50、Ac−Di−Sol、及びSDSを40メッシュ(400μm)の篩を通して篩い分けることであった。第2の工程は、篩い分けされた物質の、V−コーンブレンダー中で20分間の乾燥混合からなっていた。次いで40メッシュの篩を通して篩い分けしたアエロジル及びステアリン酸Mgを加え、そして得られた配合物を更に10分間混合した。最終配合物を、75mgの平均錠剤重量を持つ錠剤に、4.76mmの丸型標準凹型パンチを使用して、10−12Kpの硬度で圧縮した。
【0115】
バッチの大きさは、12,000錠剤であり、そしてそれぞれの錠剤は、8mgのオンダンセトロン基剤に相当するオンダンセトロンHCl二水和物を含有していた。ロット#1の錠剤の組成を、以下に与える。
【0116】
【表1】

【0117】
得られた錠剤を、錠剤重量の変化、厚さ、破砕性、及び崩壊時間に対して評価した。錠剤重量変化の分析は、次のように行われた。10個の錠剤を無作為に選択し、そして個別に秤量した。全ての錠剤の重量は、73.7mgないし75.9mgの範囲であった。平均重量は74.8mgであり、そして相対標準偏差は1.09%であった。錠剤の厚さは、3.70ないし3.80mmの範囲であった。錠剤の破砕性は、0.1%であることが見出され、そして37℃の水中の崩壊時間は、1分20秒であった。
【0118】
IR錠剤の溶解を、USP溶解装置2(パドル)中の、1(重量/重量)%のSDSを含有する、900mlのpH6.8のリン酸緩衝液中で、50rpm及び37℃で試験した。オンダンセトロンの溶解を促進するために、界面活性剤を加えた。三つの錠剤に対して得られた溶解データを、以下に示す。
【0119】
【表2】

【0120】
実施例2: 遅延放出オンダンセトロン錠剤
ロット#1のIRオンダンセトロン錠剤を、遅延放出(DR)オンダンセトロン錠剤を製造するために使用した。IR錠剤を、溶媒被覆技術を使用して、オイドラギットL100/S100配合物で被覆した。密封被覆をオイドラギット被覆の前に適用した。密封被覆及びオイドラギット被覆の組成を以下に与える。
【0121】
【表3】

【0122】
密封被覆溶液を調製するために、純水及びイソプロピルアルコールを混合し、次いでオパドライYS−1 7006透明を、塊りの形成を回避するために、撹拌しながら、混合物にゆっくりと加えた。混合物を透明な溶液が形成されるまで攪拌した。
【0123】
【表4】

【0124】
遅延放出被覆溶液を調製するために、オイドラギットL100及びオイドラギットS100を、イソプロピルアルコール中に撹拌しながら加え、続いて純水を加えた。溶液が透明になった後、クエン酸トリエチルを加え、そして得られた混合物を30分間攪拌した。次いでタルクを加え、そして混合物を5分間攪拌した。得られた被覆溶液を被覆過程中、撹拌し続けた。
【0125】
IRオンダンセトロン錠剤を、最初密封被覆溶液で被覆して、3%の重量増を達成し、そして次いでオイドラギット溶液で、10%、15%、20%及び25%の重量増を達成した。被覆された錠剤を4時間40℃で硬化した。
【0126】
20%の被覆重量増を持つDRオンダンセトロン錠剤(ロット#2)の溶解を、USP溶解装置2(パドル)で50rpm及び37℃で試験した。溶解媒体は、最初の2時間0.1NのHClであり、続いて1(重量/重量)%のSDSを含有するpH6.8のリン酸緩衝液であった。SDSは、オンダンセトロンの溶解を促進するために加えられた。得られたデータを以下に与える。
【0127】
【表5】

【0128】
実施例3: 健康なヒトの志願者における遅延放出オンダンセトロン錠剤(ロット#2)の薬物動態学的パラメーター
実施例2に記載したオンダンセトロン遅延放出錠剤(20%の被覆重量増、ロット#2)を、単一投与の6患者交差のパイロット生体利用率研究において、実施例1に記載したIRオンダンセトロン錠剤(ロット#1)に対して、給餌状態下で試験した。それぞれの錠剤を、ヒトの被験者への投与の前に硬質ゼラチンカプセルに入れた。
【0129】
錠剤の投与後の時間の関数としての平均オンダンセトロン血漿中濃度を、図1に示す。平均の薬物動態学的パラメーターを、それぞれの個々の研究被験者に対する薬物動態学的パラメーターを決定し、そしてその後得られた値を平均することによって得た。即時放出オンダンセトロン錠剤に対して計算された薬物動態学的パラメーターは、次のとおりである:Tmaxは、4±1時間であり、Cmaxは、30±9ng/mlであり、そしてAUC(0−24)は、221±54ng時/mlである。遅延放出オンダンセトロン錠剤に対して計算された薬物動態学的パラメーターは、次のとおりである:Tmaxは、14±4時間であり、Cmaxは、10±6ng/mlであり、そしてAUC(0−24)は、101±67ng時/mlである。
【0130】
実施例4: 遅延放出オンダンセトロン錠剤(第2型)
別のDRオンダンセトロン錠剤を、更にオイドラギットL100で更に富化したオイドラギット被覆組成物により、実施例2に記載したように製造することができた。好ましいオイドラギットの組合せは、75−100(重量/重量)%のオイドラギットL100及び25−0%のオイドラギットS100を含有する。本発明において使用するために適したポリマー配合物の具体的な例は、80(重量/重量)%のオイドラギットL100及び20(重量/重量)%のオイドラギットS100;90(重量/重量)%のオイドラギットL100及び10(重量/重量)%のオイドラギットS100;並びに95(重量/重量)%のオイドラギットL100及び5(重量/重量)%のオイドラギットS100を含有する混合物である。
【0131】
実施例5: 遅延放出オンダンセトロン錠剤(第3型)
別のDRオンダンセトロン錠剤を、オイドラギットL100又はオイドラギットL100−55のいずれかを含有するオイドラギット被覆組成物により、実施例2に記載したように製造することができた。この実施例において、オイドラギットL100又はオイドラギットL100−55のいずれか一つのポリマーのみが遅延放出ポリマー層を形成するために使用されるために、製造過程は単純化された。
【0132】
実施例6: 遅延放出オンダンセトロン錠剤(第4型)
オンダンセトロンの即時放出錠剤を、慣用的な湿式顆粒化法を使用して調製した。それぞれの錠剤は、24mgのオンダンセトロンに相当するオンダンセトロンHCl二水和物を含有していた。製剤の賦形剤は、微結晶セルロース、結合剤としてのPVK30、及び潤滑剤としてのステアリン酸マグネシウムである。
【0133】
錠剤を、オイドラギットL100/S100配合物で被覆して、遅延放出被覆を形成した。30/70に等しいL/S比のオイドラギットL100及びオイドラギットS100のポリマー配合物を使用した。各種の遅延放出被覆厚さ(重量増、重量/重量)を持つ試料を収集した。
【0134】
実施例7: パルス状放出オンダンセトロン剤形
この実施例において、図1に示したものと同様な形態の錠剤を以下のように構築した。実施例2の、4−6に記載した遅延放出オンダンセトロン錠剤を、オンダンセトロンを含有する層で更に被覆した。このような錠剤は、患者に投与された場合、オンダンセトロンの二つのパルスを所望する吸収部位において提供する。第1のパルスは胃で放出され、そして第2のパルスは腸で放出される。第1と第2のパルスのオンダンセトロンの比は、約5/95ないし約95/5(重量/重量)、好ましくは約20/80ないし約80/20(重量/重量)、そして最も好ましくは約30/70ないし約70/30(重量/重量)の範囲である。オンダンセトロンの全投与量は、約1ないし100mg間である。好ましい態様において、オンダンセトロンの全投与量は、1ないし24mgである。所望により、オンダンセトロンの多層錠剤を腸溶性ポリマーで更に被覆してもよい。
【0135】
実施例8: パルス状放出オンダンセトロン剤形(第2型)
この実施例において、実施例2の、4−6に記載した遅延放出オンダンセトロン錠剤を、実施例1に記載した即時放出オンダンセトロン錠剤と組合わせた。このようなカプセルは、患者に投与された場合、オンダンセトロンの二つのパルスを所望する吸収部位において提供する。第1のパルスは胃で放出され、そして第2のパルスは腸で放出される。第1と第2のパルスのオンダンセトロンの比は、約5/95ないし約95/5(重量/重量)、好ましくは約20/80ないし約80/20(重量/重量)、そして最も好ましくは約30/70ないし約70/30(重量/重量)の範囲である。オンダンセトロンの全投与量は、約1ないし100mg間である。好ましい態様において、オンダンセトロンの全投与量は、1ないし24mgである。
【0136】
即時放出錠剤は、所望により、胃の酸性の雰囲気中で薬物が放出されないこととなる腸内放出ポリマーで被覆してもよい。別の方法として、カプセルは、所望により胃の酸性の雰囲気中で薬物が放出されないこととなる腸溶性ポリマーで更に被覆されていてもよい。
【0137】
実施例9: 即時放出オンダンセトロン−フルオキセチン錠剤
Natco Pharma Ltd(インド)から入手のUSPのオンダンセトロンHCl二水和物を、即時放出(IR)オンダンセトロン−フルオキセチン錠剤を製造するために使用した。錠剤製造の前に、オンダンセトロンHCl二水和物を次の:10%の粒子は1.7ミクロンより小さく、50%の粒子は8.6ミクロンより小さく、そして90%の粒子は32.2ミクロンより小さい粒子の大きさに粉砕した。Divis Pharmaceuticals(インド)から入手のフルオキセチンHClを、受領したままで使用し、そして次の:10%の粒子は1.9ミクロンより小さく、50%の粒子は8.4ミクロンより小さく、そして90%の粒子は31.9ミクロンより小さい粒子の大きさの分布を有していた。
【0138】
錠剤の製造過程の第1の工程は、オンダンセトロンHCl、フルオキセチンHCl、ラクトース、プロソルブ50、Ac−Di−Sol、及びSDSを、40メッシュの篩を通して篩い分けることであった。第2の工程は、篩い分けされた物質をV−コーンブレンダー中で20分間乾燥混合することからなっていた。次いで40メッシュの篩を通して篩い分けされたアエロジル及びステアリン酸Mgを加え、そして得られた配合物を更に10分間混合した。最終配合物を、75mgの平均重量を持つ錠剤に、4.76mmの丸型標準凹型パンチを使用して10−12Kpの硬度で圧縮した。
【0139】
バッチの大きさは、1000錠剤であり、そしてそれぞれの錠剤は、8mgのオンダンセトロンに相当するオンダンセトロンHCl二水和物、及び10mgのフルオキセチンに相当するフルオキセチンHClを含有していた。ロット#3の錠剤の組成を、以下に与える。
【0140】
【表6】

【0141】
IR錠剤の溶解を、USP溶解装置2(パドル)中で、1(重量/重量)%のSDSを含有する、900mlのpH6.8のリン酸緩衝液中で、50rpm及び37℃で試験した。薬物の溶解を促進するために、界面活性剤を加えた。溶解試料を分析するために、HPLC法を使用した。三つの錠剤に対して得られた溶解データを、以下に与える。
【0142】
【表7】

【0143】
【表8】

【0144】
オンダンセトロン−フルオキセチン錠剤の、規模を拡大した12,000錠剤のバッチを製造した(ロット#4)。製造方法及び錠剤の組成は、ロット#3に対するものと同一であった。ロット#4の錠剤を、錠剤重量の変化、厚さ、破砕性、及び崩壊時間に対して評価した。錠剤重量変化の分析は、次のように行われた。10個の錠剤を無作為に選択し、そして個別に秤量した。全ての錠剤の重量は、74.5mgないし78.1mgの範囲であった。平均重量は75.9mgであり、そして相対標準偏差は2.63%であった。錠剤の厚さは、3.75ないし3.90mmの範囲であった。錠剤の破砕性は、0.15%であることが見出され、そして37℃の水中の崩壊時間は、4分32秒であった。
【0145】
実施例10: 遅延放出オンダンセトロン−フルオキセチン錠剤
ロット#4のIRオンダンセトロン−フルオキセチン錠剤を、遅延放出(DR)オンダンセトロン−フルオキセチン錠剤を製造するために使用した。IR錠剤を、溶媒被覆技術を使用して、オイドラギットL100/S100配合物で被覆した。密封被覆をオイドラギット被覆の前に適用した。密封被覆及びオイドラギット被覆の組成を以下に与える。
【0146】
【表9】

【0147】
密封被覆溶液を調製するために、純水及びイソプロピルアルコールを混合し、次いでオパドライYS−1 7006透明を、塊りの形成を回避するために撹拌しながら、混合物にゆっくりと加えた。混合物を透明な溶液が形成されるまで攪拌した。
【0148】
【表10】

【0149】
遅延放出被覆溶液を調製するために、オイドラギットL100及びオイドラギットS100を、イソプロピルアルコール中に撹拌しながら加え、続いて純水を加えた。溶液が透明になった後、クエン酸トリエチルを加え、そして得られた混合物を30分間攪拌した。次いでタルクを加え、そして混合物を5分間攪拌した。得られた被覆溶液を被覆過程中、撹拌し続けた。
【0150】
IRオンダンセトロン−フルオキセチン錠剤を、最初密封被覆溶液で被覆して、3%の重量増を達成し、そして次いでオイドラギット溶液で、10%、15%、20%及び25%の重量増を達成した。被覆された錠剤を2時間40℃で硬化した。
【0151】
20%の被覆重量増を持つDRオンダンセトロン−フルオキセチン錠剤(ロット#5)の溶解を、USP溶解装置2(パドル)で50rpm及び37℃で試験した。溶解媒体は、最初の2時間0.1NのHClであり、続いてpH6.8のリン酸緩衝液、そして次いで1(重量/重量)%のSDSを含有する、pH7.0のリン酸緩衝液によった。SDSは、オンダンセトロンの溶解を促進するためにリン酸緩衝液中に加えた。HPLC法を溶解試料を分析するために使用した。得られたデータを以下に与える。
【0152】
【表11】

【0153】
【表12】

【0154】
実施例11: 遅延放出オンダンセトロン−フルオキセチン錠剤(第2型)
この実施例において、別の遅延放出オンダンセトロン−フルオキセチン製剤を、実施例10に記載したように、オイドラギットL100で富化されたオイドラギット被覆組成物により構築した。好ましいオイドラギットの組合せは、75−95(重量/重量)%のオイドラギットL100及び25−5%のオイドラギットS100を含有する。本発明において使用するために適したポリマー配合物の具体的な例は、80(重量/重量)%のオイドラギットL100及び20(重量/重量)%のオイドラギットS100;90(重量/重量)%のオイドラギットL100及び10(重量/重量)%のオイドラギットS100;並びに95(重量/重量)%のオイドラギットL100及び5(重量/重量)%のオイドラギットS100を含有する混合物である。
【0155】
実施例12: 遅延放出オンダンセトロン−フルオキセチン錠剤(第3型)
この実施例において、別の遅延放出オンダンセトロン−フルオキセチン製剤を、オイドラギットL100又はオイドラギットL100−55のいずれかを含有するオイドラギット被覆組成物により、実施例10に記載したように構築することができた。この実施例において、オイドラギットL100又はオイドラギットL100−55のいずれか一つのポリマーのみが、遅延放出ポリマー層を形成するために使用されるために、製造過程は単純化された。
【0156】
実施例13: フルオキセチンの遅延放出製剤
フルオキセチンの迅速に崩壊する錠剤を、慣用的な湿式顆粒化法を使用して調製した。それぞれの錠剤は、11.17mgの塩酸フルオキセチンを含有し、これは10mgのフルオキセチンに相当する。錠剤の平均重量は200mgである。決定された物理的パラメーターは、次のとおりである:直径8mm、厚さ3.7−3.8mm、破砕性0.5%より小さい。製剤の賦形剤は、微結晶セルロース(87.9重量/重量%)、結合剤としてのPVPK30(2.5重量/重量%)、超崩壊剤としてのクロスポビドン(3重量/重量%)、及び潤滑剤としてのステアリン酸マグネシウム(1重量/重量%)である。錠剤の崩壊時間は、水及びpH6.8のリン酸緩衝液中で1分より短い。
【0157】
錠剤を最初オパドライ(登録商標)7006透明(Colorcon)で被覆して、HPMCの密封被覆を形成し、そして次いでオイドラギットL−100/S−100配合物で、遅延放出被覆を形成した。オパドライ(登録商標)被覆に対する重量増は、2(重量/重量)%であった。25/75に等しいL/S比の、オイドラギットL−100及びオイドラギットS−100のポリマー配合物を含有する遅延放出被覆組成物を使用した。各種の遅延放出被覆厚さ(重量増、重量/重量)を持つ試料を収集した。
【0158】
実施例14: フルオキセチンの遅延放出製剤(第2型)
フルオキセチンの即時放出錠剤を、慣用的な湿式顆粒化法を使用して調製した。れぞれの錠剤は、11.17mgの塩酸フルオキセチンを含有し、これは10mgのフルオキセチンに相当する。錠剤の平均重量は80mgである。製剤の賦形剤は、微結晶セルロース、結合剤としてのPVPK30、及び潤滑剤としてのステアリン酸マグネシウムである。
【0159】
錠剤をオイドラギットL−100及びオイドラギットS−100の配合物で被覆して、遅延放出被覆を形成した。35/65に等しいL/S比の、オイドラギットL−100及びオイドラギットS−100のポリマー配合物を使用した。各種の遅延放出被覆厚さ(重量増、重量/重量)を持つ試料を収集した。
【0160】
実施例15: パルス状放出オンダンセトロン及び遅延放出フルオキセチン剤形
この実施例において、図1に示した形態の錠剤を、次のように構築する。錠剤の核は、即時放出剤形の製造のために当技術において普通に使用される医薬成分といっしょに混合されるオンダンセトロン及びフルオキセチンの組合せを含んでなる(実施例10参照)。所望により、錠剤の核は、フルオキセチンのみを含有する一つの層、及びオンダンセトロンのみを含有するもう一つの層を持つ二層錠剤であってもよい。所望により、当技術において普通に使用される、崩壊剤又は超崩壊剤(更に容易に分散又は溶解されるより小さい粒子への固体の塊りの崩壊を促進するために使用される)、分散剤又は懸濁剤(製剤中の小さい粒子の分散を維持することの援助)、及び溶解向上剤(成分間の分子力を変化して、溶質の溶媒中への溶解を促進する)が、組成物に加えられる。錠剤の核は、遅延放出ポリマー又はポリマーの配合物で被覆される。好ましいポリマーは、オイドラギットL100−55、オイドラギットL100、オイドラギットS100及びこれらの混合物を含み、ここにおいてオイドラギットL100とオイドラギットS100の比は、約3−8時間における第2のパルスを達成するために、約95/5ないし約5/95(重量/重量)である。好ましいオイドラギットL100とオイドラギットS100の比は、約60/40ないし約10/90(重量/重量)、そして最も好ましいものは、約40/60ないし約20/80(重量/重量)である(実施例8及び9参照)。オイドラギットL100−55、オイドラギットL100、又はオイドラギットS100のような個々のポリマーを、これらをいっしょに配合せずに使用することが得策であることができる(実施例10参照)。
【0161】
次いで錠剤は、オンダンセトロン層で更に被覆される。このような錠剤は、患者に投与され、そして所望する吸収部位でオンダンセトロンの二つのパルスを提供する。第1のパルスは、胃で放出され、そして第2のパルスは、小腸で放出され、一方フルオキセチンは、オンダンセトロンの第2のパルスの時点で放出される。従って、このような錠剤が就寝時に摂取された場合、治療効果は、その最適血漿中濃度を維持するオンダンセトロンの二つのパルスによって達成され、そして睡眠中のフルオキセチンの一つのパルスも、更に最適濃度を維持するが、しかし睡眠の開始時の前のフルオキセチンの投与の所望されない影響を伴わない。所望により、多層錠剤は、腸溶性ポリマーで更に被覆されていてもよい。
【0162】
オンダンセトロンの全投与量は、二つのパルス間に分割される。第1と第2のパルスのオンダンセトロンの比は、約50/50ないし約95/5(重量/重量)、好ましくは約60/40ないし約90/10(重量/重量)、そして最も好ましくは約70/30ないし約80/20(重量/重量)の範囲である。
【0163】
オンダンセトロンの全投与量は、約1ないし100mg間であり、そしてフルオキセチンの全投与量は、約2ないし60mg間である。オンダンセトロンとフルオキセチンの比は、約10/1ないし約1/10(重量/重量)、好ましくは約5/1ないし約1/5(重量/重量)、そして最も好ましくは約2/1ないし約1/2(重量/重量)の範囲である。
【0164】
好ましい態様において、オンダンセトロンの投与量は24mgであり、そしてフルオキセチンの投与量は10mgである。一つの好ましい態様において、オイドラギットL100−55が使用された。もう一つの好ましい態様においてオイドラギットL100が使用された。
【0165】
別の方法として、パルス状放出オンダンセトロン及び遅延放出フルオキセチン剤形は、図4に描写されるカプセルである。この剤形は、オンダンセトロンの第2のパルス及びフルオキセチンの投与が異なった時点で放出される融通性を提供する。これは、錠剤を異なったポリマー及び/又はポリマーの配合物で被覆することによって達成される。
【0166】
実施例16: パルス状放出オンダンセトロン及び即時放出フルオキセチン剤形
この実施例において、図2に示す形態の錠剤が以下のように構築される。オンダンセトロンを含んでなる核は、遅延放出ポリマー又はポリマーの配合物で被覆され、そして次いでオンダンセトロン及びフルオキセチンで更に被覆される。パルス状放出オンダンセトロン錠剤及び即時放出フルオキセチン錠剤が、一つのカプセル中に組合された形態のカプセルを、図4に示す。実施例15に記載された組成物の詳細を、この剤形に適用することができることは理解されることである。
【0167】
実施例17: 延長放出オンダンセトロン及び即時放出フルオキセチン剤形
この実施例において、フルオキセチンで被覆された延長放出オンダンセトロン錠剤、又は一つの層が延長放出オンダンセトロンであり、そしてもう一つの層が即時放出フルオキセチンである二層錠剤のいずれかを含んでなる、本発明の錠剤が構築される。所望により、第1の層がフルオキセチンの即時放出を提供し、第2の層がオンダンセトロンの即時放出を提供し、そして第3の層がオンダンセトロンの延長放出を提供する三層錠剤を形成することができる。この形態のカプセルを図3に示す。実施例13中に記載した組成物の詳細を、この投与剤形に適用することができる。
【0168】
実施例18: 延長放出オンダンセトロン及び遅延放出フルオキセチン剤形
この実施例において、図3に示した形態のカプセルが調製される。オンダンセトロンの延長放出錠剤は、所望によりオンダンセトロンを含んでなる被覆によって囲まれていてもよい。フルオキセチン錠剤は、ポリマーの被覆によって囲まれた核からなる。錠剤被覆のために使用されるポリマー組成物を変化することによって、フルオキセチンの放出の時点を変更することができることは理解されることである。カプセルは、所望により、胃の酸性の雰囲気中で薬物が放出されないこととなる腸溶性ポリマーで更に被覆されていてもよい。
【0169】
実施例17: 患者を治療するための投与
本発明の製剤は、それを必要とする患者に投与される。特に、実施例1−18のいずれかに記載の製剤は、患者に投与される。患者は、発生頻度の減少又は睡眠時無呼吸の強度の減少、或いは症状の完全な停止を実感する。
【図面の簡単な説明】
【0170】
【図1】図1は、ポリマーの被覆で囲まれ、更にオンダンセトロンを含んでなる被覆によって囲まれたオンダンセトロン及びフルオキセチンの核を示す、本発明の錠剤の製剤の描写である。錠剤は、胃の酸性の環境において薬物が放出されないこととなる腸溶性ポリマーで、所望により更に被覆される。
【図2】図2は、ポリマーの被覆で囲まれ、更にオンダンセトロン及びフルオキセチンを含んでなる被覆によって囲まれたオンダンセトロンの核を示す、本発明の錠剤の製剤の描写である。錠剤は、胃の酸性の環境において薬物が放出されないこととなる腸溶性ポリマーで、所望により更に被覆されていてもよい。
【図3】図3は、オンダンセトロンの錠剤及びフルオキセチンの錠剤を含有するカプセルを示す、本発明のカプセルの製剤の描写である。オンダンセトロンの錠剤は、所望により延長放出錠剤であってもよい。オンダンセトロンの延長放出錠剤は、オンダンセトロンを含んでなる被覆によって所望により囲まれていてもよい。フルオキセチンの錠剤は、ポリマーの被覆によって所望により囲まれていてもよい核からなる。錠剤の被覆のために使用されるポリマー組成物を変化することによって、フルオキセチンの放出の時間を変化させることができることは理解されることである。カプセルは、胃の酸性の環境において薬物が放出されないこととなる腸溶性ポリマーで、所望により更に被覆されていてもよい。
【図4】図4は、オンダンセトロンの錠剤及びフルオキセチンの錠剤を含有するカプセルを示す、本発明のカプセルの製剤の描写である。オンダンセトロンの錠剤は、ポリマーの被覆によって囲まれ、オンダンセトロンを含んでなる被覆によって更に囲まれているオンダンセトロンの核からなる。フルオキセチンの錠剤は、ポリマーの被覆によって所望により囲まれていてもよい核からなる。錠剤の被覆のために使用されるポリマー組成物を変化することによって、フルオキセチンの放出を、オンダンセトロンの第2のパルスの放出と同時に、又は異なった時間のいずれかで起こすことができることは理解されることである。カプセルは、胃の酸性の環境において薬物が放出されないこととなる腸溶性ポリマーで、所望により更に被覆されていてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンタゴニストの放出が4時間を超える継続した期間にわたる、患者の血液血漿中の治療的に有効な濃度のアンタゴニストを提供する、セロトニン受容体アンタゴニストの修飾された放出を提供するための経口的に投与可能な医薬組成物。
【請求項2】
期間が、組成物の投与から6ないし14時間の間に延長される期間を含んでなる、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記期間が、組成物の投与から7ないし12時間の間に延長される、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記期間が、組成物の投与から8ないし10時間の間に延長される、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物の投与の0ないし2時間に開始され、そして前記組成物の投与から6ないし14時間の間まで延長される、連続した期間に対して治療的に有効な濃度を提供する、請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物の投与の15分ないし1.5時間に開始され、そして前記組成物の投与から7ないし12時間の間まで延長される、連続した期間にわたって治療的に有効な濃度を提供する、請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
投与の15分ないし1.5時間に開始され、そして前記組成物の投与から8ないし10時間の間まで延長される、連続した期間にわたって治療的に有効な濃度を提供する、請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記アンタゴニストが、6時間より小さい血漿中の半減期を有する、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記アンタゴニストが、3ないし5時間の血漿中の半減期を有する、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記アンタゴニストが、オンダンセトロン(ondansatron)である、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
前記アンタゴニストが、2回又はそれより多いパルスで放出される、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の組成物を含んでなる医薬製剤。
【請求項12】
アンタゴニストの第1のパルスが、経口投与の30分以内に放出され、そして第2のパルスが、投与の1時間ないし4時間の間に放出される、請求項11に記載の組成物を含んでなる医薬製剤。
【請求項13】
前記アンタゴニストがオンダンセトロンであり、そしてオンダンセトロンの第1のパルスが、投与の30分以内に放出され、そしてオンダンセトロンの第2のパルスが、投与の1ないし3時間の間に放出される、請求項11に記載の組成物を含んでなる医薬製剤。
【請求項14】
更に一つ又はそれより多いSSRI、SNRI及びセロトニン受容体アゴニストの投与を含んでなる、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の組成物を含んでなる医薬製剤。
【請求項15】
更にフルオキセチン、パロキセチン、ミルナシプラン、セルトラリン、シタロプラム、エシタロプラム、及びフルボキサミンからなる群から選択されるSSRIを含んでなる、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の組成物を含んでなる医薬製剤。
【請求項16】
前記SSRIが、フルオキセチンである、請求項15に記載の製剤。
【請求項17】
更にSNRIを含んでなる、請求項14のいずれか一つに記載の医薬製剤。
【請求項18】
前記SNRIが、ベンラファキシン、デュロキセチン、及びミルナシプランからなる群から選択される一員である、請求項17に記載の製剤。
【請求項19】
前記セロトニン受容体アンタゴニストがオンダンセトロンであり、そしてSNRIがミルナシプランである、請求項17に記載の製剤。
【請求項20】
オンダンセトロンの即時放出を提供する、先のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項21】
オンダンセトロンの延長放出を提供する、先のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項22】
約1200ng/mlより低いCmaxによって特徴づけられるオンダンセトロンの血液血漿中濃度を提供する、先のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項23】
約800ng/mlより低いCm.によって特徴づけられるオンダンセトロンの血液血漿中濃度を提供する、請求項22に記載の製剤。
【請求項24】
約400ng/mlより低いCによって特徴づけられるオンダンセトロンの血液血漿中濃度を提供する、請求項22に記載の製剤。
【請求項25】
更に、鎮痛剤、抗炎症性薬物、解熱剤、抗鬱剤、抗癲癇剤、抗ヒスタミン剤、抗偏頭痛剤、抗ムスカリン剤、抗不安剤(anxiltyics)、鎮痛剤、催眠剤、統合失調症治療剤、気管支拡張剤、抗喘息剤、心血管系薬剤、副腎皮質ステロイド剤、ドーパミン系薬剤、電解質、胃腸薬、筋弛緩剤、栄養剤、ビタミン、副交感神経刺激剤、覚醒剤、食欲低下剤、及び抗過眠症剤からなる群から選択される少なくとも一つの他の活性化合物を含んでなる、先のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項26】
アセクロフェナク、アセトアミノフェン、アドメキセチン(adomexetine)、アルモトリプタン、アルプラゾラム、アマンタジン、アムシノニド、アミノシクロプロパン、アミトリプチリン、アムロジピン(amolodipine)、アモキサピン、アンフェタミン、アリピプラゾール、アスピリン、アトモキセチン、アザセトロン、アザタジン、ベクロメタゾン、ベナクチジン、ベノキサプロフェン、ベルモプロフェン、ベタメタゾン、ビシファジン、ブロモクリプチン、ブデソニド、ブプレノルフィン、ブプロピオン、ブスピロン、ブトルファノール、ブトリプチリン、カフェイン、カルバマゼピン、カルビドパ、カリソプロドール、セレコキシブ、クロルジアゼポキシド(chiordiazepoxide)、クロルプロマジン、サリチル酸コリン、シタロプラム、クロミプラミン、クロナゼパム、クロニジン、クロニタゼン、クロラゼプ酸、クロチアゼパム、クロキサゾラム、クロザピン、コデイン、コルチコステロン、コルチゾン、シクロベンザプリン、シプロヘプタジン、デメキシプチリン、デシプラミン、デソモルヒネ、デキサメタゾン、デキサナビノール、硫酸デキストロアンフェタミン、デキストロモラミド、デキストロプロポキシフェン、デゾシン、ジアゼパム、ジベンゼピン、ジクロフェナクナトリウム、ジフルニサル、ジヒドロコデイン、ジヒドロエルゴタミン、ジヒドロモルヒネ、ジメタクリン、ジヴァルプロエキス(divalproxex)、リザトリプタン(dizatriptan)、ドラセトロン、ドネペジル、ドチエピン、ドキセピン、デュロキセチン、エルゴタミン、エシタロプラム、エスタゾラム、エトスクシミド、エトドラク、フェモキセチン、フェナム酸、フェノプロフェン、フェンタニル、フルジアゼパム、フルオキセチン、フルフェナジン、フルラゼパム、フルルビプロフェン、フルタゾラム、フルボキサミン、フロバトリプタン、ガバペンチン、ガランタミン、ゲピロン、イチョウビロバ(bilboa)、グラニセトロン、ハロペリドール、フペルジンA、ヒドロコドン、ヒドロコルチゾン、ヒドロモルホン、ヒドロキシジン、イブプロフェン、イミプラミン、インディプロン、インドメタシン、インドプロフェン、イプリンドール、イプサピロン、ケタンセリン(ketaserin)、ケトプロフェン、ケトロラック、レソピトロン、レボドパ、リパーゼ、ロフェプラミン、ロラゼパム、ロキサピン、マプロチリン、マジンドール、メフェナム酸、メラトニン、メリトラセン、メマンチン、メペリジン、メプロバマート、メサラミン、メタプラミン、メタキサロン、メサドン、メサドン、メタンフェタミン、メトカルバモール、メチルドパ、メチルフェニデート、サリチル酸メチル、メチセルジド、メトクロプラミド、ミアンセリン、ミフェプリストン、ミルナシプラン、ミナプリン、ミルタザピン、モクロベミド、モダフィニル(modafonil)、モリンドン、モルヒネ、塩酸モルヒネ、ナブメトン、ナドロール、ナプロキセン、ナラトリプタン、ネファゾドン、ニューロナチン(neurontin)、ノミフェンシン、ノルトリプチリン、オランザピン、オルサラジン、オンダンセトロン、オピプラモール、オルフェナドリン、オキサフロザン、オキサプロジン(oxaprazin)、オキサゼパム、オキシトリプタン、オキシコドン、オキシモルホン、パンクレリパーゼ、パレコキシブ、パロキセチン、ペモリン、ペンタゾシン、ペプシン、ペルフェナジン、フェナセチン、フェンジメトラジン、フェンメトラジン、フェニルブタゾン、フェニトイン、ホスファチジルセリン、ピモジド、ピルリンドール、ピロキシカム、ピゾチフェン、ピゾチリン、プラミペキソール、プレドニゾロン、プレドニゾン、プレガバリン、プロプラノロール(propanolol)、プロピゼピン、プロポキシフェン、プロトリプチリン、クアゼパム、キヌプラミン、レボキセチン(reboxitine)、レセルピン、リスペリドン、リタンセリン、リバスチグミン、リザトリプタン、ロフェコキシブ、ロピニロール、ロチゴチン、サルサラート、セルトラリン、シブトラミン、シルデナフィル、スルファサラジン、スリンダク、スマトリプタン、タクリン、テマゼパム、テトラベナジン(tetrabenozine)、チアジド、チオリダジン、チオチキセン、チアプリド、チアシピロン(tiasipirone)、チザニジン、トフェナシン、トルメチン、トロキサトン、トピラメート、トラマドール、トラゾドン、トリアゾラム、トリフルオペラジン、トリメトベンズアミド、トリミプラミン、トロピセトロン、バルデコキシブ、バルプロ酸、ベンラファキシン、ビロキサジン、ビタミンE、ジメルジン、ジプラシドン、ゾルミトリプタン、ゾルピデム、ゾピクロン並びにこれらの異性体、塩、及び組合せからなる群から選択される化合物を含んでなる、請求項25に記載の製剤。
【請求項26】
前記アンタゴニストが、個々のオンダンセトロンの鏡像異性体又は医薬的に受容可能なその塩の、治療的に同等な投与量の形態であるオンダンセトロンである、先のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項27】
前記アンタゴニストが、オンダンセトロンの鏡像異性体又は医薬的に受容可能なその塩の混合物の、治療的に同等な投与量の形態であるオンダンセトロンである、先のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項28】
前記アンタゴニストのオンダンセトロンが、オンダンセトロン又は医薬的に受容可能なその塩の活性な代謝産物の治療的に同等な投与量の形態である、先のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項29】
腸溶性被覆を含んでなる、先のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項30】
投与可能なオンダンセトロンの単位投与量が、1ないし100mgである、先のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項31】
投与可能なオンダンセトロンの単位投与量が、4ないし40mgである、先のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項32】
4ないし40mgのオンダンセトロン及び2ないし20mgのフルオキセチンを含んでなる、請求項1に記載の製剤。
【請求項33】
投与量の増大を可能にするために、異なった投与量単位のアンタゴニストを含んでなる、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の組成物を含んでなるキット。
【請求項34】
前記アンタゴニストがオンダンセトロン(ondansatron)である、請求項33に記載のキット。
【請求項35】
製剤を一日一回就寝前に摂取することに対する説明書を含んでなる、請求項33に記載のキット。
【請求項36】
先のいずれか1項に記載の製剤を、それを必要とする患者に投与することを含んでなる、睡眠時呼吸障害を改善する方法。
【請求項37】
前記睡眠時呼吸障害が、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、早産児の無呼吸、先天性中枢性低換気症候群、肥満性低換気症候群、中枢性睡眠時無呼吸症候群、チェーンストークス呼吸、及び鼾からなる群から選択される、請求項36に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−524332(P2008−524332A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−548372(P2007−548372)
【出願日】平成17年12月20日(2005.12.20)
【国際出願番号】PCT/US2005/046049
【国際公開番号】WO2006/069030
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(505152055)コレジウム ファーマシューティカル, インク. (2)
【氏名又は名称原語表記】COLLEGIUM PHARMACEUTICAL, INC.
【住所又は居所原語表記】400 Highland Corporate Drive,Cumberland, RI 02864 (US).
【Fターム(参考)】