説明

矢板壁構成部材の配置

【課題】矢板壁セクション12の末端は、互いに隣接して配置され連結用プロフィル16の2つのロック用プロフィル36、38にフックされるロック52を有し、このロック52は第三のロック用プロフィル34を介してアンカー部材14、20のロック26にそれぞれフックされ、矢板壁セクション12の末端はそれぞれ、各矢板壁セクション12が、オープンセル構造として機能する領域18を部分的に覆う、弧形または多角形に延びた2つの矢板壁セクション12を有する矢板壁構成部材の配置。
【手段】連結用プロフィル16のロック用プロフィル34、36、38の少なくとも一つと矢板壁構成部材22のロック26、52またはこれらと係合するアンカー部材14、20が連結用プロフィル16のロック用プロフィル34、36、38とこれらと係合するロック26、52が他方の中にフックされ、断面で見た時に互いに把持し合い、少なくとも1つのロック用プロフィルの設置位置で少なくとも3点で互いに支持し合うに構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、矢板(sheet piles)やキャリヤー要素のような矢板壁構成部材から成る請求項1の前提部分に記載の配置(arrangment、アレンジメント)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記タイプの壁構成部材の配置は例えば特許文献1等で公知である。
【特許文献1】米国特許第6、715、964−B2号明細書
【0003】
この場合、弧状に延びた互いに隣接する複数の矢板壁セクションは連結用プロフィルを用いて互いに連接され、地面に保持される側の矢板壁セクションはアンカー部材として機能する。弧状に延びた矢板セクションに部分的に取り囲まれた領域(オープンセルと呼ばれる)は少なくとも矢板壁セクションの高さまで土で埋められ、この取り囲まれた部分と矢板壁セクションで分離された外側は上記より低い高さまで土で埋められる。従って、外側方向を向いた矢板壁セクションの側は部分的に土からはみ出ることになる。このいわゆるオープンセル構造は例えば港の建設などに使用され、建立した矢板セクションの側面は水に面する港の壁を形成する。
【0004】
特許文献1に記載の配置では断面が楕円形のヘッダーバールとC字型爪バールの単純なロックを有する矢板が弧状に広がる平らな矢板壁セクションとして用いられる。末端に断面が楕円形のヘッダーバールがロックとして形成されている星形プロフィルが連結用プロフィルとして機能し、矢板壁はアンカー部材に固定される。この特許で用いられる矢板壁部材の欠点は、矢板壁に取り囲まれた領域からの土の圧力のために矢板壁セクションをアンカー部材に連結している連結用プロフィルに極度に大きな張力が加わることである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、従来技術の上記問題に鑑み、矢板壁セクションとアンカー部材とを連結する連結用プロフィル(connecting profile、異形断面部材)が、極度に高い張力に耐えることができ、しかも、係合したロックが外れないような改良された配置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の前記目的は、請求項1の特徴を有する本願発明の配置によって達成される。特に、矢板壁構成部材またはこの矢板壁と係合するアンカー部材と一緒に少なくとも一つの連結用プロフィルのロック用プロフィルを、連結用プロフィルのロック用プロフィル及びそれに係合されるロックが相互に接続され、これらが隣接し、断面で見た時に、互いに少なくとも1つの設置位置において少なくとも3点で当節するように互いに取り囲むように設計することで達成される。
【0007】
本発明は、連結用プロフィルの少なくとも一つのロック用プロフィルと矢板壁構成部材のロックまたはこれらと係合するアンカー部材が、断面で見た時に、少なくとも一つのいわゆる3点接続を形成するように設計することを提案する。連結用プロフィルのロック用プロフィルと矢板壁構成部材のロックまたはこれらと係合するアンカー部材は、断面で見た時に、ロックが少なくとも3点で互いに隣接し、互いに取り囲み合い、互いにフックするように設計する。矢板壁構成部材とアンカー部材に接触方向の張力が加わった時には、上記の3点で2つのロックが互いに支持し合うので張力は3点の全てに分散される。このように、連結用プロフィルと矢板壁構成部材またはこれらと係合するアンカー部材は相対的に高い張力に耐えることができ、ロック接続が外れることはない。
【0008】
本発明の上記以外の有利な改善点は以下の記載、従属項、図面に示されている。
【0009】
本発明は、前記の3点接続が、連結用プロフィルの各ロック用プロフィルと矢板壁構成部材のロックとの間にこれらをそれぞれ係合するように形成された場合に特に有用である。この場合にはロック用プロフィルやロックの一つが不意に開いてしまうことがなく、連結用プロフィルと矢板壁構成部材とアンカー部材との組み合わせによって大きな耐張力性が得られる。
【0010】
本発明では、矢板壁セクションの2つの矢板壁セクションがフックしている連結用プロフィルが重心表面に対しミラー対称の形状をした連結用プロフィルであるのが特に好ましい。そうすることによって、矢板壁セクションが鏡対称の方向から連結用プロフィルに力が加わり、その結果、矢板壁セクションに力が加わった場合、連結用プロフィルのロック用プロフィルに少なくともほぼ同等な張力となり、通常は力同士が互い部分的に打ち消し合う。これによって連結用プロフィルが大きさ力の変化によって歪んだり捩れたりするのが防止できる。
【0011】
さらに、本発明配置では、2つの矢板壁セクションの少なくとも1方をそのセクションの矢板壁構成部材の他端に係止し、追加の連結用プロフィルを追加の矢板壁セクションと追加のアンカー部材とにフックする方法で延長または拡張することもできる。このモジュール建設によって、対応する大きさの構造物を建設することができ、矢板壁セクションの自由端を例えばダブルT型キャリアやT型キャリアおよびパイプパイル等のキャリア要素に直接固定することができる。
【0012】
さらに、所定数の矢板壁セクションを用い、矢板壁セクションをアーチ状や多角形状に拡張し、各セクションを矢板壁構成部材で構成し、各矢板壁セクションが連結用プロフィルを用いてすぐ隣りの矢板壁セクションに接続し、各連結用プロフィルを地中に埋め込んだ各アンカー部材に係合することができる。
【0013】
上記2つの適用例では、用いる連結用プロフィルを同一にするのが有利である。すなわち、そうすることで配置が容易になり、さらに、全ての連結用プロフィルが同一形状であるため本発明配置のジョイントで脆い箇所が無くなる。
【0014】
アンカー部材は、地中に固定されるキャリア要素、好ましくはラミングやバイブレーションで地中に埋め込まれるダブルTキャリア、Tキャリア、パイプパイル等からなるのが望ましい。連結用プロフィルをキャリア要素に直接固定し、対応するロックバール、例えば溶接プロフィルを設ける。あるいは、連結用プロフィルをキャリア要素に間接的に結合または接続する。これには矢板壁構成部材から成る追加矢板壁セクションが適しており、支持壁または保持壁として機能する。アンカー部材の力をさらに増大させるため、他の矢板壁セクション用の矢板壁構成部材としてZ−パイルまたはU−パイルを用いることもできる。矢板がZ字型またはU字型であるので、Z型またはU型の矢板と地面との間にかかる追加の摩擦力と保持力によって連結用プロフィルとアンカー部材との間の張力および剪断力の一部が減衰され、それによってアンカー部材に加わる負担は減少する。それによって配置全体が外部からの力に対しより強固な抵抗力を示す。
【0015】
本発明配置を例えば岸壁として建設する場合、アーチ状又は多角形状に延びた矢板壁セクションによって部分的に囲まれた領域は土で満たし、矢板壁セクションの取り囲まれた領域の外側の部分は土から突き出し、矢板壁セクションで前記の取り囲まれた領域中に収容された土を支持する。
【0016】
本発明配置に用いられる連結用プロフィルの特に好ましい実施例では、各連結用プロフィルを、アンカー部材と接続される矢板壁構成部材に加わる主たる衝撃力の方向と一致する接触方向が互いに120°となる角度にする。接触方向に延びたフックした矢板壁構成部材に加わる張力またはフックしたアンカー部材に加わる張力の衝撃に耐えるために、全てのロック用プロフィルの作動点は連結用プロフィルの重心表面から他の2つのロック用プロフィルの作動点と同じ半径方向距離にある。連結用プロフィルをこの構造にして、作動点を連結用プロフィルの重心表面から同一半径方向距離する効果の一つは、矢板壁セクションおよびアンカー部材がフックされた連結用プロフィルに加わる張力を連結用プロフィルの全域に均等に分配させ、それによってその力の少なくとも一部が打ち消し合うことにある。第2の効果は、連結用プロフィルの設置位置に影響を受けないことである。すなわち、連結用プロフィルのいずれの面を作業基準面で地面に打ち込んでもよい。さらに、矢板壁構成部材またはアンカー部材を連結用プロフィルのいずれのロック用プロフィルに係合しても問題がない。3つの矢板壁構成部材を接続する非対称な連結用プロフィルを使用した過去の試みは全て失敗に終わっている。連結用プロフィルはそれが正しい位置にある限りチェックせずに建設地の地中に埋め込まれることが多い。しかし、非対称な連結用プロフィルが正しい位置にない場合、各矢板壁セクションの向きは最適な力の向きには対応しなくなる。その結果、最悪の場合には、矢板壁セクションに加わる力がアンカー部材に十分に逃がされない危険も考えられる。
【0017】
本発明配置の構成に可能な限りの柔軟せいを与えるために、矢板壁構成部材のロックと連結用プロフィルのロック用プロフィルがフックされるアンカー部材が少なくとも15°回動運動できるように設計された連結用プロフィルを用いるのが好ましい。
【0018】
連結用プロフィルのこの効果によって、矢板壁構成部材とアンカー部材が連結用プロフィルのロック用プロフィルの内部ロックチェンバー中で相対的に自由に運動して、パイルを地面を突き立てた時にロックが連結用プロフィルのロック用プロフィルの方向に斜くのがほぼ完全に不可能になる。さらに、連結用プロフィルにフックされた矢板壁セクション及びアンカー部材の不正確さもカバーできる。
【0019】
本発明配置の連結用プロフィルを用いる場合に特に有利なのは、各ロック用プロフィルがミドルリッジを有し、このサムバールはサムバールと曲がったフィンガーバールとを備え、サムが縦方向に対して直角かつミドルリッジから突き出て形成され、サムバール方向の向いた自由端はフィンガーバールの方向を向いたサムの末端と一緒に少なくともほぼ楕円形または卵形の断面を有する内部ロックチェンバーを形成し、矢板壁セクションがアンカー部材のロックにフックされる開口が規定される。フックされる矢板壁セクションのロックとアンカー部材のロックは対応する寸法を有する曲がったフィンガーとサムバールで構成する。
【0020】
連結用プロフィルのロック用プロフィルと矢板壁構成部材及びアンカー部材のロックが相補形状の適切な径所に設計した場合、係合したロック用プロフィルとロックの断面が上記の3点接続に対応する。矢板壁構成部材またはアンカー部材のロックのサムは連結用プロフィルのロック用プロフィルのロックチェンバー中に収まり、連結用プロフィルのサムは矢板壁構成部材とアンカー部材のロックのロックチェンバー中に収まる。矢板壁構成部材またはアンカー部材に接触方向に張力が加わった場合、互いに支え合う2つのサムと他のロックのフィンガーバールは、断面で見た時に、2つのロックが3点でそれぞれ接し、互いに支え合っている。
【0021】
3点接続は、互いに係合したサムバールとロックのフィンガーバールの相互作用によってフィンガーバールがほとんど曲がらず、また、サムバールが通常の張力では破壊されないので、数万キロニュートンに達する極めて高い張力にも耐えることができる。それと同時に、互いに係合したロックはこのロック構造によって少なくとも限られた範囲で弛むこと無しにピボット回転運動することができる。これによって配置の構成が簡単になるという利点がある。また、これによってオープンセル構造を構成するために、必要に応じて、連結用プロフィルの領域で矢板壁構成部材を互いに円形に構成することも容易になる。
【0022】
本発明配置に用いられる特に好ましい連結用プロフィルの実施例では、少なくとも一つのロック用プロフィルが所定の接触方向に対してある角度で延びるように設計され、断面で見た時に、例えばロック用プロフィルにフックされる矢板壁構成部材のロックに加わる主たる衝撃力の方向が、所定の接触方向に対し少なくとも8°〜12°の角度でピボット回転運動する。
【0023】
ロック用プロフィルがサムバールとフィンガーバールから形成され、所定の接触方向に対して基部と正確に整合している場合、矢板壁構成部材が所定の接触方向を外れてサムバール方向にピボット回転運動するのは限定される。一方、矢板壁構成部材の所定の接触方向と反対方向へのピボット回転運動は何度でも可能である。所定の接触方向に一定角度をなすように基部のロック用プロフィルを設計することで、矢板壁構成部材は、本発明の連結用プロフィルのロック用プロフィル中でロックと所定の接触方向に対して少なくともほぼ同じ最大角で両方向にピボット回転可能である。
【0024】
本発明配置に用いられる連結用プロフィルのロック用プロフィルが楕円形または卵形断面を有する内部ロックチェンバーの主軸方向へ延びている場合、サムバールが所定の接触方向に対して5°〜10°の角度で所定の接触方向から離れる方向に角度を成すことも有利である。ロックが基部に対してこの角度で延びている限り、矢板壁構成部材はほぼ同じ角度で所定の接触方向に対して別の方向にピボット回転できる。ロック用プロフィルが7°〜8°を成す場合が特に好ましい。
【0025】
全ての矢板壁構成部材が所定の接触方向に対して反対方向に少なくとも同じ角度だけピボット回転できるようにするために、全てのロック用プロフィルは接触方向に対して5°〜10°の角度で延びていなければならない。基部上で互いに直接隣接したサムバールがそれぞれ形成されている2つのロック用プロフィルは互いに向き合うような角度を成していなければならない。
【0026】
しかし、設置位置が問題にならない場合には、基部の互いに隣接して形成されたサムバールを有するロック用プロフィルとして、連結用プロフィルの重心表面から、他の3つのロック用プロフィルよりもより遠い位置にある連結用プロフィルを用いることもできる。これによって、互いに隣接したサムバールを有するロック用プロフィルにフックされる矢板壁構成部材の配置が連結用プロフィルの基部で衝突しないでピボット回転できるだけの十分な空間を有することができる。
【0027】
各ロック用プロフィルの開口部の開口幅とそれぞれのロック用プロフィルの内部チェンバーの最大開口幅との間の比は1:2から1:2.5の間にある。このため、本発明の連結用プロフィルの特に好ましい改良例では、矢板壁構成部材のロックが連結用プロフィルのロック用プロフィルの内部でピボット回転するのに十分なスペースを有する。この場合、ミドルリッジの縦方向に見たサムバールの長さと内部ロックチェンバーの最大開口幅との間の比は、連結用プロフィルの全てのロック用プロフィルにおいて1:1.2〜1:1.4の間にあるのが好ましい。サムが適切に形成された場合、矢板壁構成部材とアンカー部材のロックは内部ロックチェンバーの内部でピボット回転できることが保障され、それと同時に、ロックはロック用プロフィルに十分に接続することが保障され、それによって互いに係合したロックが不意に外れることを防ぐことができる。
【0028】
矢板壁構成部材のピボット回転能力を改善するために、連結用プロフィルの改良例として、サムバールのミドルリッジを縦方向に見たミドルリッジの厚さと開口部の開口幅との間の比が1:1.2〜1:1.4の間となるように形成するのが好ましい。
【0029】
前記の3つの設計上の特徴、すなわち、開口部の開口幅とロックチェンバー―の開口幅との間の比、サムの長さと内部ロックチェンバーの開口幅との間の比、ミドルリッジの厚さと開口部の開口幅との間の比は一緒にしたり、別々にぶしたり、少なくとも一つのロック用プロフィルで部分的にすることができる。
【0030】
さらに、約数千キロニュートンの強さにも達するロック用プロフィルに加わる力がロック用プロフィルを損傷しないようにするために、本発明で用いる連結用プロフィルの各ロック用プロフィルでは縦方向に対して横方向で見た時に、ミドルリッジの厚さと、ミドルリッジの縦方向に対して横方向で見た時のサムの長さとの間の比は1:2.3〜1:2.5にするのが好ましい。サムの長さは矢板壁構成部材のロックのピボット回転能力を決める上で特に重要である。すなわち、ロックはサムバールのサムの周りをピボット回転し、特に部分的にそれを囲みながら係合し、それによって内部ロックチェンバーの内部で強固な接続が保障される。従って、サムが形成されるミドルリッジの厚さはロックが内部ロックチェンバーの内部で力を受けずにピボット回転できる範囲に限られる。これによってサムバールが歪んだり破損したりせずに済む。
【0031】
本発明で用いる連結用プロフィルを十分に安定化させるために、内部ロックチェンバーの最大開口幅領域内の各連結用プロフィルの曲がったフィンガーバールの壁厚は内部ロックチェンバーの最大開口幅領域内で縦方向に対して横方に見た場合、ミドルリッジの厚さよりも1.1〜1.3だけ大きくするのが好ましい。
【0032】
本発明の連結用プロフィルの特に好ましい実施例の一つでは、3つのロック用プロフィルの3つの接触方向を互いに120°離して延ばして、矢板壁セクションを互いに120°離れた連結用プロフィルで接続する。しかし、例えば2つのロック用プロフィルが基部の接触方向と反対方向(すなわち180°の方向)に延び、第三のロック用プロフィルが他の2つのロック用プロフィルに対してそれぞれ90°の角度で離れて延びるような本発明の連結用プロフィルの設計も考えられる。
【0033】
本発明で用いる連結用プロフィルの基部をロック用プロフィルが接触方向とは異なる方向に放射状に突き出てた円筒形に設計することもできる。さらには、基部を星型(すなわち3つの接触方向に突き出たリッジを有する星型)にし、その末端にロック用プロフィルを形成する設計でもよい。
【0034】
以下、図面を参照して本発明の実施例および変形例を詳細に説明する。
【実施例】
【0035】
[図1]は本発明の配置10の一つのセクションの平面図である。この配置10は連結用プロフィル16を用いて地面に固定された第一のアンカー部材14に接続する複数のアーチ状矢板壁セクション12で形成されている。各アーチ状矢板壁セクション12は2つの第一のアンカー部材14を有するいわゆるオープンセル18を形成する。[図1]に示す矢板壁セクション12の末端は、地面に打ち立てたパイプパイル20に接続され、このパイプパイル20は、以下に説明するように、本発明配置10の終端要素の役目をする。
【0036】
[図2]は[図1]のA−A線に沿った断面図である。この断面図に示すように、アーチ状矢板壁セクション12によって部分的に囲まれたオープンセル18には土が満たされ、一方、オープンセル18の外側部分([図2]の左側)は波際領域(この実施例では配置10によって固定されている)である。矢板壁セクション12はその一部が地中に打ち込まれているだけである。矢板壁セクション12を支持するのは一方の側の衝突する水Wの水圧と、他方の側のオープンセル18内側の接地圧である。下向き方向では矢板壁セクション12は地面に部分的に打ち込まれているのみである。矢板壁セクション12が地面から抜け出るのを防ぐために、アンカー部材14と20とを用いて土中に固定する。
【0037】
[図3]は本発明の配置10の構成をより詳細に説明するための配置10の1つのセクションを表す拡大平面図である。[図12]に示す矢板壁セクション12は合計で9枚の矢板22から成り、図示した場合はユニオンフラットプロフィルであり、アーチ構造で地面に打ち込まれ、互いに接続されている。矢板壁セクション14の末端に配置された最後の2枚の矢板は2つの連結用プロフィル16のロック用プロフィルにフックされている。この構成は以下で詳細に説明する。[図1]では追加のアーチ状矢板壁12が上記2つの連結用プロフィル16の他のロック用プロフィルにフックされている。
【0038】
各連結用プロフィル16の第三のロック用プロフィルは支持壁24と係合している。この支持壁24は矢板22で形成され、この場合もユニオンフラットパイルである。この支持壁24は溶接プロフィル26を用いて地面に固定されたダブルT型キャリア28に接続されている。支持壁26とそれに接続されたダブルT型キャリア28が第一のアンカー部材14を形成する。
【0039】
[図1]の配置から明確に分かるように、矢板壁セクション12の方向が途中でずれても連結用プロフィル16によって修正される。このことは複数の矢板壁セクションを共通点で接続しなければいけないという点で特に重要である。
【0040】
[図4]は本発明配置10のもう一方のセクションの拡大図である。このセクションは矢板壁セクション12の末端、例えば、波打ち際の固い地面への固定方法を示している。矢板壁セクション12の最後の矢板壁22はパイプパイル30の外側に溶接された溶接プロフィル26を用いて固定される。
【0041】
[図5]は[図3]に示した第一のアンカー部材14の一つの変形を示す。支持壁24を介して矢板壁セクション12からダブルT型キャリア28へ伝達される極めて高い張力と剪断力とを和らげるためと、アンカー部材14全体の耐張力および耐剪断力を高めるために、支持壁24は2枚ではなく合計4枚の矢板22から形成する。さらに、4枚の矢板22は、抵抗力と保持力を強化することで支持壁24の配置に影響を与える張力とせん断力を和らげるために、断面で見て、交互に10°ずらして地面に埋め込んである。支持壁24の支持に用いられる角度付き構成の矢板22の代わりに、地面に打ち込む矢板をU型又はZ型にすることもできる。
【0042】
[図6]と[図7]は本発明の配置10に用いられる全長を通じて一定の断面を有する連結用プロフィル16の実施例を説明するための平面図である。この連結用プロフィル16は2つの矢板壁セクション12と支持壁24とを接続する役割をする。[図6]及び[図7]に示す連結用プロフィル16はそれぞれ120°の角度を成す3つの所定の接触方向X、Y、Zを有している。この接触方向X、Y、Zとはパイルが接続された時に、断面で見て、矢板22が連結用プロフィル16にいわゆる3点接続を形成する方向を意味する。
【0043】
連結用プロフィル16は基部を有し、この基部から3つのロック用プロフィル34、36、38が接触方向X、Y、Zへ突き出ている。ロック用プロフィル34、36、38は同一形状なので、以下ではロック用プロフィル34、36、38の構造をロック用プロフィル34のみを用いて[図6]で説明する。
【0044】
ロック用プロフィル34は基部32から突き出たサムバール(thumb bar、親指棒)40と、そこから離れた位置にあるフィンガーバール(finger bar、指)42とを有し、これら2つは基部32からともに突き出て、ロックチェンバー44の内部を部分的に取り囲んでいる。
【0045】
サムバール40は基部32から突き出たミドルリッジ(middle ridge、中間峰)46で形成され、サム48が形成される自由端でミドルリッジの縦方向に対して横方向に延び、ミドリッジ46よりも幅広く延びている。
【0046】
フィンガーバール42も基部32から突き出ており、サムバール40に向かうようにカーブしている。フィンガーバール42はサム48の外表面と同一の接線面(図示せず)まで延び、フィンガーバール42側のサム48の端と一緒に開口部50を形成している。
【0047】
基部32とミドルリッジ46との間と、ミドルリッジ42とサム48との間と、基部32とフィンガーバール42との間の移行部分は丸みを帯びている。これらの形状は楕円形状なので、内部ロックチェンバー44は少なくともほぼ楕円形の内部断面を有する。
【0048】
連結用プロフィル16内では、フックされる矢板22はロック用プロフィル34、36、38の内部ロックチェンバー44内でロック52によって上記定義のピボット回転運動ができる。このピボット回転運動中、連結用プロフィル16のチェンバー44中にある矢板22のロック52は矢板22の全てのピボット回転部で確実に接続されている。
【0049】
ピボット回転を容易にするために、本発明の連結用プロフィル16はさらに以下の設計上の特徴を有する。まず、開口部50の開口幅aと内部ロックチェンバー24の最大開口幅bとの間の比は約1:2.1である。ミドルリッジ46の左右方向の厚さcと開口部50の開口幅aとの間の比はそれぞれ1:1.3である。ミドルリッジ46の左右方向の厚さcと、ミドルリッジ46に左右方向のサム48の長さdとの間の比は、1:2.3である。さらに、ミドルリッジ46に左右方向のサム48の長さと内部ロックチェンバー44の最大開口幅bとの間の比は1:2.5である。
【0050】
上記の設計上の特徴によって矢板22のロック52は約16°のピボット回転でき、しかも、矢板22のロック52は連結用プロフィル16のロック用プロフィル34、36、38から飛び出ることはない。
【0051】
しかし、ロック用プロフィル34、36、38が生じる保持力に耐え、矢板壁構成部材がピボット回転できるようにしても破損しないようにするために、ロック用プロフィル34、36、38を形成するバール40と42の寸法を正しく計算して設計する。
【0052】
ロック用プロフィル34、36、38の各曲がったフィンガーバール42の厚さeは、内部ロックチェンバー44の最大開口幅bの位置においてミドルリッジ46の同位置における左右方向の厚さcよりも係数で1.2大きい。ミドルリッジ46の左右方向に沿ってサムバール40に力を加える張力の分力が横方向の力分力よりも大きいため、サムバール40のミドルリッジ46はフィンガーバール42よりも弱い構造にすることができる。これとは対照的に、フィンガーバール42では横方向力が大きいので比較的大きな屈曲モーメントがフィンガーバールにかかり、フィンガーバールはそれに耐えなければいけない。
【0053】
フックされる矢板22が接触方向X、Y、Zそれぞれに対して少なくともほぼ同じ角度の範囲でピボット回転できるようにするため、3つのロック用プロフィル34、36、38は、以下に説明するように接触方向X、Y、Zに対して角度を成して基部32に付けられる。
【0054】
[図6]の上側に示したロック用プロフィル34は、コンタクトXに対して角度α(この場合、7.5°)を成し、サムバール42はコンタクトXと遠ざかるような角度を成す。
【0055】
他の2つのロック用プロフィル36と38も、接触方向Y、Zそれぞれに対して7.5°を成して基部32に形成されている。さらに、サムバール32は、この場合も接触方向Y、Zから遠ざかるような角度を成している。
【0056】
[図6]の下側に示した2つのロック用プロフィル36と38が互いに角度を成しているという利点から、両者は互いにより近く配置されている。従って、2つのロック用プロフィル36と38から連結用プロフィル16の重心表面Sまでの距離は、先端ロック用プロフィル34と重心との間の距離よりも大きい。これによって2つのロック用プロフィル36と38にフックされる矢板22は互いにどれだけ近付いても接触することはない。
【0057】
[図7]は、ロック用プロフィル34、36、38で矢板22がロック52中にフックされる時の[図1]〜[図5]に示すユニオンフラットプロフィルを備えた本発明の連結用プロフィル16を示す図である。矢板22が連結用プロフィル16に結合できるピボット回転運動の範囲は[図7]の上側のロック用プロフィル34について示してある。この実施例では、矢板22はピボット回転位置で連結用プロフィル16に接続でき、ピボット回転角度は第一の末端と第二の末端との間で約8.5°である。回転は矢板22に加わる主衝撃力の方向Fが接触方向Xに平行な部分から始まるので、ピボット回転角度の範囲は二本の矢印で示すように約8.5°の範囲であり、係合されたロック34と52は断面図で3点で接触する。
【0058】
[図8]は[図6]と[図7]に示した連結用プロフィル16の第一の変形例である。この変形例の連結用プロフィル16aでも、ロック用プロフィル34a、36a、38aは相互に120°ずれて基部32に形成されている。この連結用プロフィル10aの特徴は、接触方向X、Y、Zに延びるように矢板22が接続されたときに、加わる張力を受ける各ロック用プロフィル34a、36a、38aが連結用プロフィル16aの重心表面Sから、他の2つのロック用プロフィル34a、36a、38aの作動点Aと同じ半径方向距離fにある点にある。連結用プロフィル16aの構成では、作動点Aがロック用プロフィル16aの重心表面から同じ半径方向距離にあるので、矢板22が連結用プロフィル16aによって均等に配置され、少なくとも部分的に互いに相殺され、その結果、生じた張力が連結用プロフィル16aに加わることになる。また、連結用プロフィル16aの設置が位置は変わっても問題がないので、矢板22をフックした時にロック用プロフィル34a、36a、38aの方向を考慮する必要がなく、連結用プロフィル16aをどの部分にも一体化することができる。
【0059】
[図9]〜[図15]は基部32が、例えば自由末端にロック用プロフィル34、36、38を有する星型構造のリッジバールからなる連結用プロフィル16の他の変形例を示している。しかし、全ての変形例で、開口部50の幅、内部ロックチェンバー44の開口幅b、ミドルリッジ46の厚さc、サム48の長さd、フィンガーバール42の厚さの設計上の特徴は上記に類似したものにする点に注意されたい。図示した変形例では、ロック用プロフィル34、36、38は接触方向X、Y、Zに対して角度を成さず、内部ロックチェンバー44は最大開口幅bにおいて接触方向X、Y、Zに対してほぼ直角になるように延びている。
【0060】
しかし、[図6]と[図7]を参照して既に述べたように、これらの変形例でも、ロック用プロフィル34、36、38の少なくとも1つは接触方向X、Y、Zに対して角度を成して延びている。
【0061】
[図9]はロック用プロフィル34b、36b、38bが接触方向X、Y、Zに対して所定の角度を成さずに延びている本発明配置10で使用されるロック用プロフィル16の第二変形例16bを示している。
【0062】
これとは対照的に、[図10]は基部32cが曲がった形で延び、2つのロック用プロフィル36cと38cが曲がった基部32cの末端に形成されている本発明配置10で利用されるロック用プロフィル16の第三変形例16cを示している。第三のロック用プロフィル34cは曲がった基部32cの中心に形成されている。
【0063】
[図11]は本発明配置10で使用されるロック用プロフィル16の第四変形例16dを示す平面図で、リッジバール54dが基部32dに形成されており、このリッジバール54dの末端にロック用プロフィル34dが形成されている。
【0064】
[図12]は本発明配置10で使用されるロック用プロフィル16の第五変形例16eを示す平面図で、基部32eの末端にロック用プロフィル34e、36e、38eを有し、星型に延びた3つのリッジバール54eを有する、。リッジバール54が丸みを帯びて曲がっているのは、ロック用プロフィル34e、36e、38eに加わる圧力の負担を軽減するためである。
【0065】
[図13]は本発明の配置10に使用されるロック用プロフィル16の第六変形例16fを示す平面図であり、基部32fの末端にロック用プロフィル34f、36f、38fを有し、星型に延びた3つの真っ直ぐなリッジバール54fを有する。
【0066】
[図14]は本発明配置10で使用されるロック用プロフィル16の第七変形例16gを示す平面図で、基部32gの末端にロック用プロフィル34g、36g、38gを備え、星型に延びた3つの補強されたリッジバール54gを有する。リッジバール54gを補強することでロック用プロフィル34g、36g、38gはかなりの張力で破損しないようにできる。
【0067】
[図15]は本発明配置10で使用されるロック用プロフィル16の第八変形例16hを示す平面図で、基部32hの末端にロック用プロフィル34h、36h、38hを備え、星型に延びた3つの丸みを帯び且つ補強されたリッジバール54hを有する。ここでも、丸みを帯びた形であることで張力を弱めることができる。
【0068】
以上の実施例は単なる可能な構成の例であり、例えば、基部32をロック用プロフィル34、36、38がコンタクトと別方向に突き出るように形成してもよい。それによって本発明配置10のオープンセル18をそれぞれ異なった角度に配置するができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】末端がパイプパイルで地面に固定されている複数のオープンセルを有する本発明配置の平面図。
【図2】本発明の一つのオープンセルの構成を側面図で示す図1のA−A線での断面図。
【図3】各連結用プロフィルを用いて一つのアンカー部材に接続された2つの矢板壁セクションを有する3つの矢板壁セクションと2つのアンカー部材とを示す図1の配置の第一の拡大断面図。
【図4】矢板壁セクションとパイプパイル間の接続部を示す第1図の拡大図の概略図。
【図5】オープンセル構造のアンカー部材の変形例を示す図3に示すセクションに対応する断面図。
【図6】互いに180°ズレタ3つのロック用プロフィルを有する図1の配置で用いられる連結用プロフィルの実施例を説明する正面の平面図。
【図7】合計3つのフラット面が矢板壁構成部材として接続されている図6の連結用プロフィルの平面図。
【図8】ロック用プロフィルの作動点が重心表面から同一半径方向距離にある図6および図7に示した実施例の第一変形例の正面の平面図。
【図9】ロック用プロフィルが接触方向に対して所定の角度を成さない図6及び図7に示した実施例の第二変形例の平面図。
【図10】基部が曲がり、曲がった基部の末端にサムバールがそれぞれ向き合うように2つのロック用プロフィルが形成されている図6及び図7に記載の実施例の第三変形例の平面図。
【図11】基部にリッジバールが設けられ、このリッジバールの端部にロック用プロフィルの一つが形成された図6及び図7に記載の実施例の第四変形例の平面図。
【図12】基部が3つの丸みを帯びた星形のリッジバールから成り、このリッジバールの末端にロック用プロフィルが形成されている図6及び図7に記載の実施例の第五変形例の平面図。
【図13】基部が3つの真っすぐな星形のリッジバールから成り、このリッジバールの末端にロック用プロフィルが形成されている図6及び図7に記載の実施例の第六変形例の平面図。
【図14】基部が3つの補強された星形のリッジバールから成り、このリッジバールの末端にロック用プロフィルが形成されている図6及び図に記載の実施例の第七変形例の平面図。
【図15】基部が3つの丸みを帯び且つ補強された星形のリッジバールから成り、このリッジバールの末端にロック用プロフィルが形成されている図6及び図7に記載の実施例の第八変形例の平面図。(符号の説明)
【0070】
10:配置
12:矢板壁セクション
14:第一のアンカー部材
16:連結用プロフィル
18:オープンセル
20:第二のアンカー部材
22:ユニオンフラットプロフィル
24:支持壁
26:溶接面
28:ダブルT型キャリア
30:パイプパイル
32:基部
X:コンタクトの方向
Y:コンタクトの方向
Z:コンタクトの方向
34:ロック用プロフィル
36:ロック用プロフィル
38:ロック用プロフィル
40:サムバール
42:フィンガーバール
44:内部ロックチェンバー
46:ミドルリッジ
48:サム
50:開口部
a:開口部30の開口幅
b:内部ロックチェンバー24の開口幅
c:ミドルリッジ26の厚さ
d:サム28の厚さ
e:フィンガーバールの壁厚
a’:角度
S:重心表面
A:作動点
f:作動点と重心表面との距離
52:ロック
F:衝撃力の方向
54:リッジバール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロック(52)を用いて互いに結合された、アーチ状または多角形状に延び矢板壁構成部材から成る2つの矢板セクション(12)を有し、互いに隣接して配置されたこの矢板壁セクション(12)の両端に設けられた2つの矢板壁セクション(12)の矢板壁構成部材(22)が連結用プロフィル(16)の2つのロック用プロフィル(36、38)中にフックされ、このロック用プロフィル(36、38)は第三のロック用プロフィル(34)を介してアンカー部材(14、20)のロック(26)中にフックされ、矢板壁セクション(12)の反対側末端に設けられた矢板壁構成部材(22)は2枚の矢板壁セクション(12)がそれぞれオープンセル構造の役目をする領域(18)を部分的に取り囲むように固定されている、矢板やキャリア要素などの矢板壁構成部材の配置において、
連結用プロフィル(16)の少なくとも一つのロック用プロフィル(34、36、38)と矢板壁構成部材(22)またはそれと係合するアンカー部材(14、20)のロック(26、52)が、連結用プロフィル(16)のロック用プロフィル(34、36、38)及びこれと係合するロック(26、52)の少なくとも一方が他方の内部にフックされ、断面で見た時に、両者が互いに接触し、少なくとも1つの設置位置で少なくとも3点で互いに支持し合うような構造を有することを特徴とする矢板壁構成部材の配置。
【請求項2】
連結用プロフィル(16)を断面で見た時に、ロック(26、52)がロック用プロフィル(34、36、38)中にフックされ、連結用プロフィル(16)の3つのロック用プロフィル(34、36、38)がそれぞれ3点接続を形成することを特徴とする請求項1に記載の配置。
【請求項3】
2つの矢板壁構成部材(22)が接続される連結用プロフィル(16)の2つのロック用プロフィル(36、38)が、連結用プロフィル(16)の重心表面(S)に対してミラー対称に延びていることを特徴とする請求項1または2に記載の配置。
【請求項4】
2つの矢板壁セクション(12)の少なくとも1つが矢板壁セクション(12)のロック(52)で追加の連結用プロフィル(16)のロック用プロフィル(36、38)中にフックされ、追加の連結用プロフィル(16)は追加の矢板壁セクション(12)及び追加のアンカー部材(14、20)に接続されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の配置。
【請求項5】
矢板壁構成部材(22)から成る所定数のアーチ状又は多角形状に延びた矢板壁セクション(12)を有し、互いに隣接した矢板壁セクション(12)は連結用プロフィル(16)と接続され、各連結用プロフィル(16)は地面に固定されたアンカー部材(14、20)に係止されることを特徴とする請求項4に記載の配置。
【請求項6】
アンカー部材(14、20)が地面に固定されたキャリア要素、好ましくはダブルT型キャリア(28)またはT型キャリアまたはパイプパイル(30)から成る請求項1〜5のいずれか一項に記載の配置。
【請求項7】
キャリア要素(28、30)が、少なくとも矢板壁構成部材(22)、好ましくは矢板を用いて連結用プロフィル(16)に接続されることを特徴とする請求項6に記載の配置。
【請求項8】
アーチ状又は多角形状に延びた矢板壁セクション(12)によって部分的に取り囲まれた区域(18)に土が充填され、取り囲まれた領域(18)から離れた側の矢板壁セクション(12)は地面から外に向って突出し、矢板壁セクション(12)が取り囲まれた領域(18)に収容した土を押し支えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の配置。
【請求項9】
矢板壁構成部材(22)をフックした時に加わる張力が接続方向(X、Y、Z)に延びる作動点(A)を連結用プロフィル(16)の各ロック用プロフィルが有し、ロック用プロフィル(34、36、38)の上記作動点(A)が連結用プロフィル(16)の重心表面(S)から同一の半径方向距離の所にあることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の配置。
【請求項10】
連結用プロフィル(16)のロック用プロフィル(34、36、38)にそれぞれフックされる矢板壁構成部材(22)のロック及びアンカー部材(14、20)がロック用プロフィル(34、36、38)において少なくとも15°の角度でピボット回転できるように、連結用プロフィル(16)のロック用プロフィル(34、36、38)が形成されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の配置。
【請求項11】
3点接続を形成する連結用プロフィル(16)のロック用プロフィル(34、36、38)が、サム(48)が形成される部分にミドルリッジ(middle ridge、46)を有するサムバール(thumb bar、40)と曲がったフィンガーバール(42)とを有し、このサムバール(40)はミドルリッジ(46)の縦方向に対して横方向へ延び、ミドルリッジ(46)を超えて突き出ており、フィンガーバール(42)の自由端はサムバール(40)の方向を向いており、サムバール(40)と一緒に少なくともほぼ楕円形または卵形の断面を有する内部ロックチェンバー(44)を形成し、フィンガーバール(42)の方向を向いたサム(48)の端部はフックされた矢板壁構成部材(22)のロック(52)とアンカー部材(28、30)のロック(26)のための開口部(50)を形成することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の配置。
【請求項12】
連結用プロフィル(12)の少なくとも1つのロック用プロフィル(34、36、38)が、断面で見た時に、所定の接触方向(X、Y、Z)に対して所定の角度を成して延び、ロック用プロフィル(34、36、38)にフックされるロック(26、52)が衝撃力(F)が主として加わる方向に対して少なくとも±8°〜±12°角度の範囲で所定の接触方向(X、Y、Z)の周りをピボット回転できることを特徴とする請求項11に記載の配置。
【請求項13】
すべてのロック用プロフィル(34、36、38)が所定の接触方向(X、Y、Z)に対して、断面が楕円形または卵形の内部ロックチェンバー(44)の主軸(b)と5°〜10°の角度を成して延びていることを特徴とする請求項12に記載の配置。
【請求項14】
ロック用プロフィル(34、36、38)が、そのロック用プロフィルの所定の接触方向(X、Y、Z)に対して5°〜10°の角度を成して延び、サムバール(40)が所定の接触方向(X、Y、Z)から遠ざかる角度を成すことを特徴とする請求項12または13に記載の配置。
【請求項15】
互いに直接隣接するサムバール(40)が基部(32)に形成されている2つのロック用プロフィル(36、38)が、3つのロック用プロフィルの中の残りのロック用プロフィル(34)に比べて、連結用プロフィル(16)の重心表面(S)から遠くに位置し、2つの矢板壁セクション(12)の矢板壁構成部材(22)のロック(52)がこれら2つのロック(36、38)にフックされることを特徴とする請求項12〜14のいずれか一項に記載の配置。
【請求項16】
前記基部(32)が3つの接触方向(X、Y、Z)に星型に突き出たリッジバール(54)から成り、このリッジバール(54)の末端にロック用プロフィル(34、36、38)が形成されていることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の配置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2009−504943(P2009−504943A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−525418(P2008−525418)
【出願日】平成18年7月21日(2006.7.21)
【国際出願番号】PCT/EP2006/007207
【国際公開番号】WO2007/017076
【国際公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(504455230)パイルプロ リミテッド ライアビリティー カンパニー (7)
【Fターム(参考)】