説明

破断開口容易なポリエステル樹脂製容器の製造方法

【課題】開口部を有する容器本体と、容器本体の開口部を封鎖する封鎖体とが、両者の境界に形成される破断容易な弱化部を介して一体的に形成された、ポリエステル樹脂からなる破断開口容易な容器について、弱化部を破断し易くして、容器の開口を容易に行なえるようにする。
【解決手段】容器本体2と封鎖体3との境界に破断容易な弱化部4を形成するための方法として、弱化部4となる部分の壁厚を薄くして薄壁部を形成してから、この薄壁部に対して(レーザー銃14で)レーザーを照射することにより、薄壁部に溝を形成すると共に、この溝とその周辺の部分で、樹脂の密度を変化させることなく、樹脂の極限粘度を低下させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口部を有する容器本体と、容器本体の開口部を封鎖する封鎖体とが、両者の境界に形成される破断容易な弱化部を介して一体的に形成された、所謂ツイストオフ容器またはスナップオフ容器と呼ばれる破断開口容易な容器に関し、特に、ポリエステル樹脂製の破断開口容易な容器について、その弱化部が破断され易く容易に開口できるような容器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
開口部を有する容器本体と、容器本体の開口部を封鎖する封鎖体とが、両者の境界に形成される破断容易な弱化部を介して一体的に形成されていて、封鎖体を摘んで捻ったり、封鎖体を押し倒したりすることで、弱化部を破断して容器本体から封鎖体を切り離すことにより、容器本体の開口部を開口させる、所謂ツイストオフ容器またはスナップオフ容器と呼ばれる破断開口容易な容器が、例えば、本出願人の出願に係る下記の特許文献1に開示されているように、従来から公知となっている。
【特許文献1】特開2002−321750号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、本出願人の出願に係る上記の特許文献1に記載されたような破断開口容易な容器は、チューブ容器のような内容物を徐々に使用する容器用に開発されたものであり、容器本体が内容物の絞り出しに適した可撓性を有するように、塑性変形し易いオレフィン樹脂から製造されるものであって、そのようなオレフィン樹脂製の容器では、ツイストオフやスナップオフによる開口が容易であって、破断跡も残らないことから、弱化部を破断して容器を開口することに特に問題はない。
【0004】
そのようなオレフィン樹脂の容器と比べて、ポリエステル樹脂の場合は、塑性変形し難く、粘りがあって、弱化部(被破断部)を形成しても破断し難いことから、従来は、上記のような破断開口容易な容器での使用を殆ど考慮していなかったが、ポリエステル樹脂の方がオレフィン樹脂よりも耐内容物性に優れていて、内容物に対して不活性で、樹脂臭がないことから、近年、チューブ容器のような柔らかい絞り出し容器ではなく、一回で内容物を使い切ってしまう飲料用や薬品用の容器として、ポリエステル樹脂製の破断開口容易な容器の出現が望まれている。
【0005】
しかしながら、上記のように、ポリエステル樹脂はオレフィン樹脂よりも粘りがあることから、破断開口容易な容器に使用した場合には、弱化部を破断して容器本体から封鎖体を切り離す際に、弱化部が破断され難く、弱化部の破断部分で糸を引くような現象を起こすことがある。
【0006】
本発明は、上記のような問題の解消を課題とするものであり、具体的には、開口部を有する容器本体と、容器本体の開口部を封鎖する封鎖体とが、両者の境界に形成される破断容易な弱化部を介して一体的に形成された、ポリエステル樹脂からなる破断開口容易な容器について、弱化部を破断し易くして、容器の開口を容易に行なえるようにするということを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するために、開口部を有する容器本体と、容器本体の開口部を封鎖する封鎖体とが、両者の境界に形成される破断容易な弱化部を介して一体的に形成された、ポリエステル樹脂からなる破断開口容易な容器について、容器本体と封鎖体との境界に破断容易な弱化部を形成するための方法として、弱化部となる部分の壁厚を薄くして薄壁部を形成してから、この薄壁部に対してレーザーを照射することにより、薄壁部に溝を形成すると共に、この溝とその周辺の部分で、樹脂の密度を変化させることなく、樹脂の極限粘度を低下させるようにしたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
上記のような本発明の破断開口容易なポリエステル樹脂製容器の製造方法によれば、弱化部となる部分で、壁厚を薄くして薄壁部を形成してから、更に、レーザーを照射することにより、樹脂の昇華による溝を薄壁部に形成していることで、薄壁部で溝の部分が更に薄くなって、弱化部が破断され易いものになると共に、薄壁部の溝とその周辺で、樹脂の密度を変化させることなく、樹脂の極限粘度を低下させていることで、当該部分が脆くなって、弱化部が格段に破断され易いものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
開口部を有する容器本体と、容器本体の開口部を封鎖する封鎖体とが、両者の境界に形成される破断容易な弱化部を介して一体的に形成された、ポリエステル樹脂からなる破断開口容易な容器について、弱化部を破断し易くして、容器の開口を容易に行なえるようにするという目的を、最良の形態として以下の実施例に具体的に示すように、容器本体と封鎖体との境界に破断容易な弱化部を形成するための方法として、弱化部となる部分の壁厚を薄くして薄壁部を形成してから、この薄壁部に対してレーザーを照射することにより、薄壁部に溝を形成すると共に、この溝とその周辺の部分で、樹脂の密度を変化させることなく、樹脂の極限粘度を低下させる、ということで実現した。
【0010】
なお、本発明で容器の素材となるポリエステル樹脂については、例えば、酸成分として、アジピン酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4−ビフェニルカルボン酸、ショウ酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカジオン酸、トランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、イソフタル酸から選択された1種又は2種以上からなり、グリコール成分として、エチレングリコール、トリメチレングリコール(1,3−プロパンジオール)、テトラメチレングリコール(1,4−ブタンジオール)、ペンタメチレングリコール、へキサメチレングリコール、1,4−へキサンジメタノール、ビスフェノールA、スピログリコールから選択された1種又は2種以上からなるホモポリエステル樹脂、または共重合ポリエステル樹脂であり、その極限粘度が0.8〜1.5dl/g(好ましくは0.8〜1.3dl/g)のブロー成形に適したポリエステル樹脂である。
【0011】
上記のようなポリエステル樹脂を使用して実施される本発明の破断開口容易なポリエステル樹脂製容器の製造方法について、その一実施例を以下に説明する。
【実施例】
【0012】
本実施例の製造方法では、容器の素材となるポリエステル樹脂として、酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分として、エチレングリコール96モル%に対し、1,4−シクロヘキサンジメタノール又はビスフェノールAを4モル%添加したポリエステル樹脂を使用している。このポリエステル樹脂は、極限粘度が約1.0dl/gであり、ダイレクトブロー成形時にドローダウンすることがなく、融点が約235〜245℃であり、一般的なポリエステル樹脂よりも10〜30℃も低く、低温で成形できるので、急速な冷却が可能であり、さらに、結晶化速度が遅いので、成形性が良好である。
【0013】
そのようなポリエステル樹脂から製造される破断開口容易な容器について、本実施例では、後で述べるように、押出機から押し出された直径約25mm、厚さ約0.8mmの円筒形のパリソンを金型で挟んでブローするダイレクトブロー成形法により一体的に成形されるものであって、図1および図2に示すように、製造された破断開口容易な容器1では、内容物を収納する容器本体2と、容器本体2を封鎖する封鎖体3とが、両者の境界に形成される破断容易な弱化部(被破断部)4を介して一体的に形成されている。
【0014】
容器本体2では、円形板状の底部21から上方に円筒形の胴部22が形成され、胴部22の上端から曲面の肩部23を介して、胴部22よりも小径(パリソンの直径とほぼ同じ直径)の円筒形の頸部24が形成され、頸部24の上端から内方に天板部25が形成され、天板部25の中央から上方に突出するように円錐台形の口部26が形成されていて、この口部26の平坦な水平面に形成された上端に、封鎖体3との境界として破断容易な弱化部4が、上方から見て円環状に形成されている。
【0015】
封鎖体3では、容器本体2の開口部を封鎖する中空の釣鐘形部31と、容器を開封する際の摘み部分となる平板部32とが、パリソンの直径とほぼ同じ幅の平板部32が釣鐘形部31を上方から跨ぐように一体的に形成されている。この釣鐘形部31の下端は、平板部32の下端よりも少し下方に位置していて、平坦な水平面に形成された釣鐘形部31の下端に、容器本体2との境界として破断容易な弱化部4が形成されている。
【0016】
容器本体2と封鎖体3との境界に形成される弱化部4は、後で述べるように、通常のダイレクトブロー成形の後で壁厚を薄くして薄壁部に形成してから、さらに、レーザーを照射することにより、薄壁部に溝が形成されると共に、この溝とその周辺の部分で、樹脂の密度を変化させることなく、樹脂の極限粘度を低下させて、当該部分を脆くさせたものであって、薄壁部に形成された弱化部4にレーザーを照射できるように、封鎖体3の平板部32の下端両側は、容器の軸線方向に対して45°〜60°の角度で切り取られたような形状となっている。
【0017】
上記のように容器本体2と封鎖体3とが弱化部4を介して一体的に形成されたポリエステル樹脂製容器1では、封鎖体3の平板部32を指先で摘んで捻ったり、封鎖体3の平板部32を押し倒したりすることで、容器本体2と封鎖体3とを連結する弱化部4が破断され、それによって、容器本体2から封鎖体3が切り離されることで、封鎖体3の釣鐘形部31によって閉鎖されていた容器本体2の口部26が開口されることとなる。
【0018】
ところで、上記のようなポリエステル樹脂製容器1を製造するための本実施例の方法について以下に詳しく説明すると、ダイレクトブロー成形法による本実施例の方法では、先ず、パリソン押し出し工程において、熔融させたポリエステル樹脂が押し出し機のノズルから直径約25mm、厚さ約0.8mmの中空円筒形のパリソンとして押し出される。
【0019】
押し出されたパリソンを成形する金型は、図3に示すように、容器本体の底部と胴部と肩部と頸部の外面形状が内側に形成された二つ割りの下方成形金型7と、パリソン6の外面に接する内面形状を備えた二つ割りの補助金型8とからなり、直列的に連結された各金型7、8に対して、押し出し機5から押し出されたパリソン6は、各金型7、8の二つ割りに開いた間に押し出される。
【0020】
押し出されたパリソン6の先端が下方成形金型7の下端(底部)を超えて押し出されると、型閉め工程において、図4に示すように、下方成形金型7と補助金型8が同時に閉じて、下方成形金型7の下端が閉じられることで、中空円筒形のパリソン6の先端(下端)が密閉されて底部が形成されると共に、直ちに補助金型8の上方のカッター9が作動することで、パリソン6の上部が押し出し機5から切り離される。
【0021】
押し出し機5から切り離されたパリソン6を収納して閉じた状態の各金型7、8は、ブロー工程に移行され、ブロー工程において、図5に示すように、導管10aを備えた蓋10が補助金型8の上から被せられ、無菌状態で約10atmの圧縮空気のような加圧流体が導管10aからパリソンの内部に吹き込まれることで、パリソンの下部は、下方成形金型7によって容器本体2の底部21と胴部22と肩部23と頸部24に成形される。
【0022】
次いで、下部が成形されたパリソンを収納した各金型7、8は、蓋10が外されて内容物充填工程に移行され、内容物充填工程において、図6に示すように、パリソンの内部に充填ノズル11が挿入されて、機能性飲料や液状医薬品等のような内容物が、パリソンの下部の成形された容器本体の部分に充填される。そして、内容物の充填が完了すると、充填ノズル11が抜き出され、補助金型8が開いて、下部が容器本体に成形されて内容物が充填されたパリソンを収納した下方成形金型7は、封鎖体成形工程に移行される。
【0023】
封鎖体成形工程では、図7に示すように、容器本体2の天板部25と口部26の外面形状が内側に形成された二つ割りの外側成形金型12と、封鎖体3の釣鐘形部31と平板部32の外面形状が内側に形成された二つ割りの内側成形金型13とが、外側成形金型12の内方に内側成形金型13を組み込んだ状態で設置されており、パリソンの未成形の上部を、各金型12、13の開いた間に挟んで各金型12、13を閉じることで、容器本体2の天板部25と口部26が成形され、封鎖体3の釣鐘形部31と平板部32が成形されると共に、内容物を充填した容器が完全に密封されることとなる。
【0024】
パリソンの上部を成形する外側成形金型12と内側成形金型13とは、外側成形金型12に対して内側成形金型13が容器の軸線方向(上下方向)で0.3〜1mm程度の距離を移動できるように設置されていて、封鎖体成形工程を完了して直ちに弱化部成形工程に移行されると、弱化部成形工程において、図8に示すように、外側成形金型12に対して内側成形金型13が僅かに(本実施例では、0.5mm)下方に移動することで、内側成形金型13の先端が、容器本体2(口部26)と封鎖体3(釣鐘形部31)の境界となる部分に食い込んで、弱化部4となる部分に、通常のブロー成形で得られる壁厚よりも薄くなった薄壁部を形成することとなる。
【0025】
なお、上記のように容器の成形が完了すると、内側成形金型13を上方に移動させながら外側成形金型12と内側成形金型13と下方成形金型7をそれぞれ型開きして、成形された容器1を取り出すことになるが、本実施例の場合、パリソン押し出し工程、型閉め工程、ブロー工程、内容物充填工程、封鎖体成形工程、弱化部成形工程の各工程を、何れも無菌ブース内で行っているため、容器の殺菌工程は省略されている。
【0026】
上記のように各工程を経て成形された容器に対して、本実施例の方法では、弱化部4に形成された薄壁部に対して、更に、図1に示すように、レーザー銃14から特定の条件でレーザー(本実施例では炭酸ガスレーザー)を照射している。なお、本実施例の方法では、弱化部4に形成される薄壁部は、口部26の上面から内方に沈み込んでいるため、照射するレーザーは、容器の軸線方向(上下方向)に対して45°〜60°の範囲で傾けて照射しているが、このレーザーの傾斜角度については、弱化部4の薄壁部にレーザーが到達する角度であれば、どのような角度であっても良いものである。
【0027】
レーザーを照射する条件について、本実施例の方法では、その出力を1.0〜100Wとし、そのレーザーパルス幅を6〜10μmとし、そのレーザー周期を60〜100μmとし、そのレーザースポット径を200〜400μmとすると共に、レーザーの照射に対して相対的に容器を0.1〜100rpm前後で回転させるようにしている。
【0028】
具体的には、最も好適なレーザー照射条件として、その出力を30W、そのレーザーパルス幅を8μm、そのレーザー周期を80μm、そのレーザースポット径を300μmとすると共に、レーザーの照射に対して相対的に容器を約1rpmで回転させるようにしている。そうした場合には、レーザーの照射後に、樹脂の結晶化を避けるために取り立てて冷却するような必要もなく、そのまま放置しておいて問題はなかった。
【0029】
なお、レーザーの照射に対して相対的に容器を回転させるということについては、例えば、固定されたレーザー銃から一定方向にレーザーを照射すると共に、容器をその軸線を中心に回転(自転)させるようにしても良いし、或いは、固定された容器の周りを回るようにレーザー銃を移動させつつ、レーザー銃の照射方向を常に容器の方に向けるようにしても良い等、適宜の方法が可能なものである。
【0030】
上記のように弱化部の薄壁部に特定の条件でレーザーを照射することにより、弱化部4となる薄壁部のレーザーが照射された部分では、レーザーの照射により樹脂が昇華することで、残厚が元の薄壁部の厚さの約50%となって、約0.25mmの残厚を有する溝が形成されることとなる。また、樹脂の極限粘度については、元の極限粘度から約15%程低下して、元の極限粘度か約1.0dl/gであったのが、約0.85dl/gとなっているが、樹脂の密度については、レーザー照射前の値から殆ど変化しておらず、1.38g/cm以下の非結晶化状態の値を呈している。
【0031】
そのような本実施例の方法により製造された破断開口容易なポリエステル樹脂製容器によれば、弱化部4となる薄壁部のレーザーが照射された部分で、溝が形成されて壁厚が極めて薄くなっていると共に、樹脂の密度がそのままで、樹脂の極限粘度が減少していて、樹脂が脆くなっていることから、70〜80N・cmの小さな力でツイストオフまたはスナップオフすることができて、弱い力で容易に容器を開口することができる。
【0032】
以上、本発明の破断開口容易なポリエステル樹脂製容器の製造方法の一実施例について説明したが、本発明の方法は、上記のような実施例にのみ限定されるものではなく、例えば、弱化部の薄壁部について、上記の実施例では、封鎖体3を成形するための内側成形金型13を下方に移動させて、内側成形金型13の先端(下端)を、容器本体2(口部26)と封鎖体3(釣鐘形部31)との境界となる部分に食い込ませることで、当該部分の壁厚を薄くして薄壁部を形成しているが、そのような方法に限らず、封鎖体3を成形するための内側成形金型13を上方に移動させて、容器本体2(口部26)と封鎖体3(釣鐘形部31)との境界となる部分を引き延ばすことで、当該部分の壁厚を薄くして薄壁部を形成するようにしても良い等、適宜に変更可能なものであることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の製造方法によって製造される破断開口容易なポリエステル樹脂製容器の一例を示す正面図。
【図2】図1に示した容器の側面図。
【図3】本発明の製造方法の一実施例におけるパリソン押し出し工程を示す断面説明図。
【図4】本発明の製造方法の一実施例における型閉め工程を示す断面説明図。
【図5】本発明の製造方法の一実施例におけるブロー工程を示す断面説明図。
【図6】本発明の製造方法の一実施例における内容物充填工程を示す断面説明図。
【図7】本発明の製造方法の一実施例における封鎖体成形工程を示す断面説明図。
【図8】本発明の製造方法の一実施例における弱化部成形工程を示す断面説明図。
【符号の説明】
【0034】
1 破断開口容易なポリエステル樹脂製容器
2 容器本体
3 封鎖体
4 弱化部
14 レーザー銃

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する容器本体と、容器本体の開口部を封鎖する封鎖体とが、両者の境界に形成される破断容易な弱化部を介して一体的に形成された、ポリエステル樹脂からなる破断開口容易な容器について、容器本体と封鎖体との境界に破断容易な弱化部を形成するための方法として、弱化部となる部分の壁厚を薄くして薄壁部を形成してから、この薄壁部に対してレーザーを照射することにより、薄壁部に溝を形成すると共に、この溝とその周辺の部分で、樹脂の密度を変化させることなく、樹脂の極限粘度を低下させるようにしたことを特徴とする破断開口容易なポリエステル樹脂製容器の製造方法。
【請求項2】
レーザーを照射する条件として、その出力を1.0〜100Wとし、そのレーザーパルス幅を6〜10μmとし、そのレーザー周期を60〜100μmとし、そのレーザースポット径を200〜400μmとすると共に、レーザーの照射に対して相対的に容器を0.1〜100rpm前後で回転させるようにすることを特徴とする請求項1に記載の破断開口容易なポリエステル樹脂製容器の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−290762(P2008−290762A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−140116(P2007−140116)
【出願日】平成19年5月28日(2007.5.28)
【出願人】(000208455)大和製罐株式会社 (309)
【Fターム(参考)】