説明

硫黄−炭素材料

炭素及び硫黄を有する電極材料が提供される。炭素は、ナノ多孔性を有する多孔質マトリックス状であり、硫黄は、炭素のマトリックスのナノ多孔性内に吸着されている。炭素マトリックスが、10〜99%のナノ多孔性の体積を有することができる。さらに、硫黄が、ナノ多孔性の少なくとも5%〜99%を占めることができる。硫黄で部分的にのみ充填された炭素構造の一部が、電解質の放出を可能とする空隙を保持する。いくつかの例において、ナノ多孔性が、1ナノメートル〜999ナノメートルの平均直径を有するナノ細孔及びナノチャネルを有する。電子導電性の炭素構造と電気活性な硫黄との間の密接な接触を有する材料を提供する液体輸送または他のメカニズムを用いて、硫黄がナノ多孔性内に吸着される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、参照によって本明細書に組み込まれる2008年3月12日に出願された、米国仮特許出願第61/035,783号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、硫黄電極、特にリチウム−イオン電池用の硫黄カソードに関する。
【背景技術】
【0003】
より高いエネルギー密度、より低い毒性、及びより低い材料コストを有するより新しい電池材料の必要性があり、研究者及び電池製造業者が、リチウム−硫黄ベースの系について検討を行っている。リチウム−硫黄の化学的性質は、現在の電池系によって達成される理論エネルギー密度の約10倍の理論エネルギー密度をもたらす。残念ながら、リチウム−硫黄電池は、従来から、低容量及び厳しい容量低下をもたらす硫黄の低利用、それによる短寿命に悩まされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
硫黄系カソードのサイクリングの際の容量損失を抑制する3つの主な方法が開発されている。容量低下を避ける1つの方法は、有機分枝鎖を用いてカソード材料内に硫黄を拘束することである。この方法は、有機分枝鎖を用いて硫黄及び/または硫黄含有種に付着させることによって、カソード材料の外部に硫黄がマイグレーションすることを防ぎ、電気化学的に廃物になることを防ごうとするものである。そのような方法が調査されてきており、米国特許第4,833,048号;同第5,162,175号;同第5,516,598号;同第5,529,860号;同第5,601,947号;同第6,117,590号;及び同第6,309,778号に開示されている。カソードからの硫黄のマイグレーションによるリチウム電池の容量低下を抑制する第2の方法は、添加剤を用いて、電池系内に生成するポリ硫化物を結合させることである。この方法は、米国特許第5,532,077号;同第6,210,831号;及び同第6,406,814号に開示されている。この方法に用いられる材料には、炭素、シリカ、金属酸化物、遷移金属カルコゲナイド、及び金属が含まれる。第3の方法は、米国特許第6,300,009号;同第6,319,633号;及び同第6,376,127号に開示されるように、カソード内に電気化学的活物質として硫黄を含有する混合金属カルコゲナイドを使用することである。しかしながら、カソード内に硫黄を含むリチウム電池の性能を改良する多くの試みにもかかわらず、容量をあまり制限することなくサイクル寿命を大幅に改良することは、困難なままである。したがって、改良されたサイクル寿命を備えた比較的高い容量を有する硫黄カソードが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
炭素及び硫黄を有する電極材料が提供される。炭素は、ナノ多孔性を有する多孔質マトリックス状であり、硫黄は、炭素のマトリックスのナノ多孔性内に吸着されている。炭素マトリックスは、10〜99%のナノ多孔性の体積を有することができる。さらに、硫黄が、ナノ多孔性の少なくとも5%、且つ100%未満を占めることができる。硫黄で部分的にのみ充填された炭素構造の一部が、電解質の放出を可能とする空隙を保持する。いくつかの例において、ナノ多孔性が、1ナノメートル〜999ナノメートルの平均直径を有するナノ細孔及びナノチャネルを有する。電子導電性の炭素構造と電気活性な硫黄との間の密接な接触を有する材料を提供する液体輸送または他のメカニズムを用いて、硫黄がナノ多孔性に吸着される。さらに、硫黄は、ナノチャネルまたはナノ細孔内に、硫黄及び/またはリチウム−硫黄の粒子及び/またはコーティングとして存在することができる。炭素材料のナノチャネル及びナノ細孔内に粒子として存在する場合、まったく防がない場合に比べて炭素マトリックスの外への粒子のマイグレーションが減少するように、粒子は、ナノチャネルまたはナノ細孔の最も狭い部分よりも大きい外径を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】一実地態様の構造を表した模式図である。
【図2】本発明の一実施態様の透過型電子顕微鏡のデジタル画像である。
【図3】本発明の一実施態様についての硫黄及び炭素の存在を表すエネルギー分散型X線分析のマッピングである。
【図4】本発明の一実施態様からの硫黄の質量減少を表す熱重量分析のプロットである。
【図5】本発明の一実施態様について、サイクル数の関数としての容量を示したプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、電気化学デバイス用の硫黄−炭素材料を開示する。そのようなものとして、硫黄−炭素材料は、電池における電気活性材料としての有用性を有する。
【0008】
硫黄−炭素材料は、炭素及び硫黄を含む含有体を含む。炭素は、高表面積であってナノ多孔性を有する多孔質マトリックス状である。本発明の目的のために、ナノ多孔性は、999ナノメートル以下の平均直径(average mean diameter)を有する細孔、経路(passage)、チャネルなどを有するマトリックス内の多孔性として定義される。硫黄は、元素状硫黄及び/または硫黄化合物の形態であることができ、特に断りがなければ、ここからは、その両方とも「硫黄」と呼ぶ。ナノ多孔性が硫黄で部分的にのみ充填されるように硫黄は多孔質マトリックスのナノ多孔性内に吸着され、硫黄は別個の粒子、コーティング、及びそれらの組み合わせとして存在することができる。本発明の目的のために、吸着されたという用語は、取り込まれ保持されたものとして定義される。さらに、硫黄は、多孔質マトリックス内の細孔及び/または経路(passageway)を部分的に充填することができる。硫黄でナノ多孔性を部分的にのみ充填することは、ナノ多孔性を介して電解質を拡散またはマイグレーションさせて硫黄に到達させることを可能にする。対照的に、ナノ多孔性が硫黄で充填されると、ナノ多孔性内の硫黄への電解質のマイグレーションは、不可能である。
【0009】
多孔質炭素マトリックスは、含有体内の移動性種について曲がりくねった拡散阻害経路を提供する。そのようなものとして、リチウム−イオン電池の放電の際、移動性硫黄及び/または硫黄−含有種は、電池のアノードへの拡散及び/またはマイグレーションを阻害され、それによって、放電/充電サイクリングの際の容量損失を減少する。
【0010】
次に図1を参照すると、硫黄−炭素電極の構造を表した説明に役立つ模式図が、概して参照番号10で示される。硫黄−炭素電極10は炭素マトリックス100を有し、炭素マトリックス100はチャネル110及び細孔120を有する。チャネル110及び細孔120は、炭素マトリックス100内の多孔性を画定する。当然のことながら、図1の図面は2次元であり、ナノチャネル110は紙面の内部及び外側に延在することが明らかである。いくつかの例において、チャネル110はナノチャネルであり、細孔120はナノ細孔であり、細孔及びチャネルとして定義されるナノ細孔及びナノチャネルはそれぞれ、999ナノメートル以下の平均直径を有する。平均直径は、細孔については3つの直交直径の寸法の平均として、及びチャネルについては2つの直交直径の寸法の平均として定義される。
【0011】
ナノチャネル及びナノ細孔は、1ナノメートル〜999ナノメートルの平均直径を有することができる。いくつかの例において、ナノチャネル及びナノ細孔は、1ナノメートル〜50ナノメートルの平均直径を有することができる。他の例において、ナノチャネル及びナノ細孔は、1ナノメートル〜30ナノメートルの平均直径を有することができる。さらに他の例において、ナノチャネル及びナノ細孔は、1ナノメートル〜20ナノメートルの平均直径を有することができる。図1に示す模式図は、例示のみを目的とするものであり、高表面積の炭素構造、例えば、制限されるものではないが、エアロゲル、キセロゲル、吸収剤、分子篩、触媒担体などが、本明細書に開示した硫黄−炭素電極の範囲内に含まれることが明らかである。
【0012】
いくつかの例において、炭素マトリックス100内に少なくとも部分的にある硫黄200は、当業者に公知の任意の液相及び/または気相成長法、例示的には、硫黄溶解物からの液体浸透(liquid intrusion)、溶液浸透(solution intrusion)、化学気相成長法(CVD)法、及び物理気相成長(PVD)法などの方法を用いて、炭素マトリックスの空隙スペースに吸収され得る。他の例において、硫黄200を少なくとも部分的にその中に有する炭素マトリックス100は、単一ステップで形成される。図1には別個の粒子として表したが、これは必須ではない。しかしながら、硫黄200が元素状硫黄粒子として存在する場合、元素状硫黄粒子は、元素状硫黄粒子が配置される箇所におけるナノ多孔性の最小直径または最も狭い部分よりも大きな外側直径または外径寸法(outer or external outer dimension)を有することができる。硫黄200はまた、硫黄化合物、例えばリチウム−硫黄化合物として炭素マトリックス100内に存在することができる。硫黄化合物が、粒子の形態であるとき、硫黄化合物粒子はまた、硫黄化合物粒子が存在する箇所のナノ多孔性の最小直径または最も狭い部分よりも大きな外側直径または外径寸法を有することができる。この方法においては、硫黄が炭素マトリックス100の外側にマイグレーションするために通過しなければならない蛇行経路に加えて、元素状硫黄及び/または硫黄化合物粒子の物理的大きさが、炭素マトリックスの外側への粒子のマイグレーションが、全く妨げられない場合の従来の材料と比較して、減少するような大きさである。
【0013】
硫黄は、チャネル110及び/若しくは細孔120内にコーティングとして存在することができ、並びに/または硫黄200は、チャネル110及び/若しくは細孔120を部分的に充填することができる。いくつかの例において、硫黄200は、チャネル110及び/または細孔120を、5%〜100%未満で部分的に充填する。他の例において、硫黄200は、チャネル110及び/または細孔120を、50%〜100%未満で部分的に充填し、さらに他の例においては75%〜100%未満で部分的に充填する。さらに他の例において、硫黄200は、チャネル110及び/または細孔120を、90%〜100%未満で部分的に充填する。硫黄で充填されないチャネル110及び/または細孔120の自由体積としても知られる残りの体積は、空隙であることができ、電解質の浸透を可能とすることが明らかである。別の言い方をすれば、硫黄200が、炭素マトリックス100のナノ多孔性を部分的に充填した後、チャネル110及び細孔120内に利用可能な自由体積がある。また、硫黄−炭素電解質10の一部として存在する硫黄200の量は、硫黄200の液相成長または気相成長の程度または範囲によって、変化し得ることが明らかである。
【0014】
理論に束縛はされないが、炭素マトリックス100の空隙スペースへの硫黄の導入は、硫黄−炭素電極10内に導入された硫黄及び/または硫黄含有種が炭素マトリックス100から抜け出し得る前に通り抜けなければならない蛇行経路をもたらす。別の方法では、炭素マトリックス100は、硫黄200及び/または硫黄含有種が抜け出ることを妨げる寸法を有するチャネル110及び/または細孔120を提供する。例えば、硫黄200の粒子は、チャネル110及び/または細孔120を抜け出るには大きすぎる直径を有する得られた粒子で、細孔120を介してチャネル110内に堆積され得る。あるいは、他の例については、リチウム電池の放電の際に、硫黄200がリチウムと反応してLixyを形成し、その得られた硫黄含有種が、チャネル110及び/または細孔120を抜け出るには大きすぎる直径または外側の物理的寸法(outer physical dimension)を有する。蛇行経路及び/または通り抜けるには物理的に困難な経路を提供することに加えて、炭素構造100は、硫黄などの絶縁試料を用いるときに必要な電子伝導率を提供し、電気化学的に活性な硫黄との密接な接触を保持する。
【0015】
当業者に明確なように、硫黄及び炭素の混合は、限定されるものではないが、ボールミル粉砕、グラインダー粉砕、溶融、蒸発、及び/または真空処理などの様々な方法を用いて達成され得る。活物質としてLiCoO2を含む電池と、活物質として硫黄を有し様々な量の炭素を添加した電池との理論エネルギー密度を比較した下記の表に示すように、炭素の密度は比較的低く、最大30質量%の炭素を電極へ添加することが、電池へ有益なエネルギーをさらに提供することができる。
【表1】

【0016】
限定するつもりではなく例示の目的で、より良く説明するために、本発明の範囲内における硫黄−炭素電極の例が、以下に提供される。
【実施例】
【0017】

炭素マトリックスを、Jun等(J.Am.Chem.Soc.2000,122,10712)によって詳述されるように、調製した。その後、30質量%の炭素マトリックス材料及び70質量%の元素状硫黄を含む粉末を、手動で粉砕し、ペレット形状にプレスした。次いで、硫黄が炭素マトリックス内の空隙スペースに流れ込むように、ペレットを120℃〜180℃、例えば155℃に加熱した。炭素−硫黄の混合物を手動で粉砕し、さらなる調製無しに、電池の活物質として使用した。比較の電極を、23質量%の硫黄粉末、10質量%の導電性炭素、20質量%のバインダー溶液、及び46質量%の溶媒を含むスラリーを用いて調製した。ドクターブレード法を用いてスラリーをアルミニウムの電流コレクタ上に流し込み、真空下で乾燥して、セルを作った。
【0018】
電池を、当業者に公知の方法を用いて作製し、典型的な一定電流プロファイルで試験した。
【0019】
図2は、硫黄−炭素電極材料の一部の透過型電子顕微鏡(TEM)写真を表す。この写真に示されるように、概して周辺の材料よりも暗い明度の平行線として見える硫黄含有ナノチャネルが、様々な位置にて見ることができる。図3は、図2に示す材料のエネルギー分散型X線分析(EDS)のマッピングを示し、炭素マトリックス内の硫黄の存在が示されている。この図に表されるように、硫黄は、炭素構造内の空隙スペースを占めている。
【0020】
硫黄−炭素電極材料の作成後に熱重量分析(TGA)を行った結果を、図4に示す。この図に表されるように、材料の約70質量%が硫黄によるものであることができる。
【0021】
また、図2及び3に表される硫黄−炭素材料を上述の比較電極に対して試験した。この試験の結果を図5に示す。波線によって示される比較電極と比べると、本明細書に開示した硫黄−炭素電極材料についてのサイクル数の関数としての高容量が実線によって明示される。特に、図2及び3に示した硫黄−炭素材料の容量が、比較電極よりも高い初期容量を有し、試験サイクルにわたって高い容量を保持している。そのようなものとして、多孔質且つ高表面積の炭素マトリックスの空隙スペース内に硫黄を堆積することによって作成される硫黄−炭素材料は、比較電極と比べて、増加した容量及びサイクルの関数としての減少した容量損失を提供する。
【0022】
本発明を詳細且つ特定の例を参照しながら説明したが、当然のことながら、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変化及び改変を行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素及び硫黄を含む材料であって、
前記炭素が、ナノ多孔性を有する多孔質マトリックス状であり、
前記ナノ多孔性内に利用可能な自由体積があるように、前記硫黄が、前記炭素のマトリックスの前記ナノ多孔性内の一部に吸着された、材料。
【請求項2】
前記マトリックスが、10〜99体積%の前記ナノ多孔性を有する、請求項1に記載の材料。
【請求項3】
前記硫黄が、前記ナノ多孔性の5%より多く100%未満を占める、請求項2に記載の材料。
【請求項4】
前記硫黄が、前記ナノ多孔性の50%より多く100%未満を占める、請求項2に記載の材料。
【請求項5】
前記硫黄が、前記ナノ多孔性の75%より多く100%未満を占める、請求項2に記載の材料。
【請求項6】
前記ナノ多孔性が、1ナノメートル〜999ナノメートルの平均直径を有するナノ細孔及びナノチャネルを有する、請求項1に記載の材料。
【請求項7】
前記硫黄の少なくとも一部が元素状硫黄粒子であり、前記元素状硫黄粒子が、前記元素状硫黄粒子が配置された前記ナノ多孔性の最も狭い部分よりも大きい外径寸法を有する、請求項6に記載の材料。
【請求項8】
前記硫黄の少なくとも一部が硫黄化合物として存在する、請求項6に記載の材料。
【請求項9】
前記硫黄化合物の少なくとも一部が硫黄化合物の粒子であり、前記硫黄化合物の粒子が、前記硫黄化合物の粒子が配置された前記ナノ多孔性の最も狭い部分よりも大きい外径寸法を有する、請求項8に記載の材料。
【請求項10】
前記ナノ細孔及び前記ナノチャネルが、1ナノメートル〜50ナノメートルの平均直径を有する、請求項6に記載の材料。
【請求項11】
前記ナノ細孔及び前記ナノチャネルが、1ナノメートル〜30ナノメートルの平均直径を有する、請求項6に記載の材料。
【請求項12】
前記ナノ細孔及び前記ナノチャネルが、1ナノメートル〜20ナノメートルの平均直径を有する、請求項6に記載の材料。
【請求項13】
請求項1に記載の材料を含む電極。
【請求項14】
結合化合物、他の添加剤、及びそれらの組み合わせをさらに含む、請求項13に記載の電極。
【請求項15】
負極;
電解質;及び
請求項13に記載の正極、
を有する電池。
【請求項16】
炭素及び硫黄を含む材料であって、
前記炭素が、多孔性を画定するナノ細孔及びナノチャネルを有する多孔質マトリックス状であり、前記ナノ細孔及び前記ナノチャネルが、1ナノメートル〜999ナノメートルの平均直径を有し、
前記多孔性内に利用可能な自由体積があるように、前記硫黄が、前記炭素マトリックスの前記ナノ細孔及び前記ナノチャネル内の一部に吸着され、前記多孔性の5%より多く100%未満を占める、
材料。
【請求項17】
前記マトリックスが、10〜99体積%の多孔性を有する、請求項16に記載の材料。
【請求項18】
前記硫黄の少なくとも一部が元素状硫黄粒子として存在し、前記元素状硫黄粒子が、前記元素状硫黄粒子が配置された前記ナノ多孔性の最も狭い部分よりも大きい外径寸法を有する、請求項17に記載の材料。
【請求項19】
前記硫黄の前記少なくとも一部が硫黄化合物粒子として存在し、前記硫黄化合物粒子が、前記硫黄化合物粒子が配置された前記ナノ多孔性の最も狭い部分よりも大きい外径寸法を有する、請求項17に記載の材料。
【請求項20】
硫黄−炭素電極を有する電池であって、前記電池が、
リチウムを含む負極;
電解質;及び
正極、
を含み、前記正極が、
多孔性を画定するナノ細孔及びナノチャネルを有する多孔質炭素のマトリックスであって、前記ナノ細孔及び前記ナノチャネルが、1ナノメートル〜999ナノメートルの平均直径を有する、多孔質炭素のマトリックス;並びに、
前記多孔性内に利用可能な自由体積があるように、前記炭素マトリックスの前記ナノ細孔及び前記ナノチャネル内の一部に吸着された硫黄であって、前記多孔性の5%より多く100%未満を占める硫黄、
を有する、電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−518743(P2011−518743A)
【公表日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−550752(P2010−550752)
【出願日】平成21年3月2日(2009.3.2)
【国際出願番号】PCT/US2009/035686
【国際公開番号】WO2009/114314
【国際公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【出願人】(507342261)トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド (135)
【出願人】(510238650)ユニバーシティ オブ ウォータールー (4)
【Fターム(参考)】