説明

硬化

【課題】放射線硬化型流体を硬化する。
【解決手段】発光ダイオード(102)のアレイから、硬化されるべきインクに向かって放射線を放射する。LEDは安価で、軽量で、電力の変換において高効率であり、フルパワーへ効果的に短時間でスイッチする。LEDの放射線スペクトルが名目上の周波数の付近に鋭いピークを有する。低酸素環境は、好ましくは、放射線供給源で提供され、硬化反応を加速する。硬化されるべきインクは、LEDの放射線放射スペクトルに反応するように特別に処方される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化に関する。本発明は、インクの硬化、特に放射線硬化型のインクの硬化
における特定の適用を見出す。本発明の好ましい例は、UV硬化に関する。本発明の特に
好ましい例は、インクジェットインクの硬化、特にUV硬化型インクジェットインクに関
する。本発明の他の面は、インク組成物に関する。
【0002】
本明細書中に記載される本発明の実施形態は、グラフィックイメージを印刷するために
使用されるインクに関するが、本発明は、他の硬化型流体への一般的な適用を有し、印刷
されたグラフィックイメージ、あるいは印字図形に必ずしも関する必要はない。例えば、
流体は、pcbエッチレジスト、プラスチック電子材料、または他の材料を含み得る。本
明細書中、「インク」に言及する場合、好ましくは、この用語は、必要に応じて他の流体
への言及も含むものと理解されるべきである。
【0003】
さらに、本明細書中に記載される実施例において、印刷によって流体が基材に塗布され
るが、他の方法も使用され得る。
【背景技術】
【0004】
硬化型のインクの印刷における使用は周知である。硬化型インクは、好ましくは、反応
(特に、例えば、重合および/または架橋)によって凝固するインクを含むものと理解さ
れるべきである。多くの硬化型インク用に、インク(例えば、液体インク)が放射線にイ
ンクを曝露することによって凝固される。特に興味深いのはUV硬化型インクである。
【0005】
UV硬化型インクの使用において、インクは、適切な方法を用いて基材に沈着される。
UV光に基材上のインクを曝露することにより、インクの硬化がもたらされる。いくつか
の例において、インクをUV光へ曝露することにより、液体インクを固体へと変化させる
化学反応を開始する。他の例では、硬化は、他の硬化放射線(例えば、γ線)を用いても
たらされ得る。放射線硬化型インクは、例えば電子銃からの、電子ビームを用いて硬化さ
れ得る。インクの中には、例えばIR源を用いて、単に熱を加えるだけで硬化され得るも
のもある。しかしながら、迅速な硬化のための温度を実現するために必要とされる加熱は
、しばしばこれには高すぎるため魅力的な方法ではない。インクは、水性UVインクを含
み得る。
【0006】
硬化型インクを用いて印刷するためのプリンタを設計する上での主要な問題のひとつは
、硬化をもたらすための適切な放射線供給源を提供することである。UV硬化のために、
最も広範に使用される技術は、水銀放電ランプである;このようなランプの例は、Pri
marc UV Technology(NJ,USA)により製造される水銀ランプで
る。しかしながら、このようなランプは、多くの不利点を有する。
【0007】
第一に、ランプによって消費される電気エネルギーのわずかしか、UVエネルギーへ変
換されない。典型的には、入力のわずか10〜15%が、250〜390nmの所望の波
長の放出をもたらすにすぎない。残りは、他の波長(主に、より長い波長)で放射される
か、または熱として放射される。この熱は、伝導または対流によってランプから除去され
なければならない。この浪費熱は問題を引き起こす。なぜなら、この熱はインクが塗布さ
れる基材を加熱し得、そしてランプを積極的に冷却する必要があるため(これは費用がか
かる)である。UVランプが印刷装置上の移動するキャリッジの上に取り付けられている
場合は特にそうである。
【0008】
第二に、ランプから得られるUV出力は、ランプの作動温度に高度に敏感である。作動
温度を正確に制御することは困難であり、したがって、放射されるUVを一定にすること
が困難である。より重要な問題は、ランプの反応速度である。冷たいところから開始する
と、完全な作動温度にランプを暖めるのに30秒以上かかり得、その間にUV出力がその
規定値にまで上昇する。これは、UVが基材の上をプリントヘッドアセンブリが走査して
いる間にUVが断続的に必要とされるプリンタにとっては特に問題である。UVランプを
常にフル出力に保つことは無駄であり、また安全性に対する影響を有し得る、ランプから
の迷UV放射線(stray UV radiation)に関連するさらなる問題を引
き起こし、プリントヘッド自体におけるインクの望ましくない硬化を導き得る。
【0009】
典型的には、UVランプのバルブ(bulb)は、使用されていない場合は「待機モー
ド」で、規定の入力のおそらく20%の減じたパワーレベルで保持される。これは、バル
ブを暖かい状態に維持するが、なお、除去されなければならない実質的な量の浪費熱が生
成される。実際には、ランプは冷たい状態から迅速にオンおよびオフを切り替えられない
ので、ランプが待機モードにある場合は、しばしば機械的なシャッターが、放射された迷
UVの量を減少させるために使用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
水銀アーク灯からのUV放射のスペクトルは、多数の非常に鋭いピーク(輝線)の中に
あり、これは、ある波長範囲にわたって広がっている。標的材料(例えば、UV硬化型イ
ンク)を考慮した場合、インクの感度を、ある周波数の範囲にわたって広がっている非常
に狭い輝線の組に整合させることが非常に困難であることが理解され得る。実際には、い
くつかの開始剤の組み合わせが、インクの中で使用されており、これは広範な周波数範囲
にわたって吸収するように設計されており、そのため、ランプのUV出力のほとんどを利
用し得る。このことが、インクを、しばしば幅の広いバンドである迷光(例えば、日光)
に対してより敏感にし易い。これは、インクが基材に沈着する前に、迷光によって硬化さ
れる傾向を増大し得る。
【0011】
また、多くの場合、水銀放電ランプの長さに沿ったUV出力の強度は不均一である。こ
れは、実際ランプの不可避的な特性であるようであり、最終的なインクフィルムの外観に
変化を生じ得る。
【0012】
さらに、ランプ(それらの反射板、冷却部、および堰板とともに)は、大きくて重い。
これは、ランプが可動キャリッジに取り付けられている場合に特に不利である。
【0013】
1つ以上のこれらの問題を解決または軽減することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の1つの面において、放射線硬化型流体を硬化する方法が提供され、この方法は
、放射線供給源から硬化されるべき流体に向かって放射線を放射する工程であって、少な
くとも90%の放射線が50nm未満の幅を有するバンドに波長を有する工程と、放射線
供給源の領域に不活化環境を提供する工程とを包含する。
【0015】
不活化環境(例えば、低酸素の環境)を提供することによって、環境中の酸素による流
体の硬化の阻害を低減し得、こうして、流体の酸素への曝露を減少させることによって、
硬化反応は加速され得る。
【0016】
好ましくは、用語「不活化」は、不活化ガスまたは環境がインクの硬化の阻害を低減す
る効果を有する配置(arrangement)のことをいうと理解される。不活化ガス
または環境は、それ自体が不活性であり得るが、多くの場合、それ自体が完全に不活性で
なくても十分に不活性である。したがって、低酸素ガスは、不活化環境を提供し得る。
【0017】
他の環境は、「不活性」または低酸素環境を作り出すために使用され得ると理解される
。例えば、アルゴン環境が使用され得る。不活化環境の組成は、特定のインクおよびLE
Dの配置に対する必要性に対して、システムを設置する費用、安全性、および複雑性に考
慮して選択されると理解される。例えば、窒素環境のために、窒素供給における酸素の量
は、いくつかの状況において許容され得る。
【0018】
二酸化炭素ガスが使用され得、これはアルゴンよりも安価であり、状況によっては、他
のガスは人に「窒息」(choking)反応を引き起こすので、このようなガスよりも
安全である。
【0019】
提供された環境は、所望の硬化が配置のLEDを用いて得られ得るように、好ましくは
、十分に「不活性」であることが理解される。いくつかの場合に、これは、インクの完全
な硬化である;他の場合には、例えば、それが塗布される基材の表面上に「固定する(f
ix)」ために、インクの部分的な硬化を含み得る。
【0020】
「不活化」環境を用いたこのような方法は、フリーラジカル機構を使用して硬化するイ
ンクが使用される配置のための特別な適用である。
【0021】
本発明の広範な面において、放射線硬化型流体を硬化する方法が提供され、この方法は
、放射線を流体に向かって放射する工程と、流体の硬化を促進する手段を提供する工程と
を包含する。
【0022】
好ましくは、本方法は、放射線供給源の領域において低酸素環境を提供することを包含
する。この特徴は、流体が硬化するメカニズムがフリーラジカル形成を含む場合に特に好
ましい。
【0023】
実際には、いくつかの供給源および流体にとっては、例えば、水銀アーク灯供給源の代
わりにLEDを使用する場合など、大気条件に供給源を単に備えただけでは、流体の完全
な硬化を達成することは不可能かもしれない。
【0024】
特に、フリーラジカルによってUV硬化が開始される場合、硬化は酸素阻害に対して敏
感である。酸素の存在は、光重合開始剤の活性な励起状態の沈静およびイニシエーターに
よって生成されるフリーラジカルの捕捉を導き得る。酸素阻害の割合の増大は、硬化の割
合を減少させるのみならず、「硬化された」流体(例えば、インク)のコーティング特性
にも影響を及ぼし得る。したがって、フリーラジカル硬化技術を含むメカニズムによって
硬化する流体を使用する場合、流体コーティングおよびに流体コーティングの外部表面の
近傍に存在する酸素の量を低減する(かまたは排除する)ことが好ましい。
【0025】
フリーラジカル硬化技術を用いて硬化する流体(例えば、フリーラジカル硬化型UVイ
ンク)の硬化は、硬化される流体の近傍の領域における酸素の存在によって妨害され得る
。従来の放射線供給源が使用される場合、供給源によって生成されるエネルギーの量は、
しばしば酸素の妨害効果を克服し得る。しかしながら、供給源によって放射される放射線
は、いくつかの場合には、大気条件で完全な硬化をもたらすための十分なフリーラジカル
を生成するために流体中の反応基(例えば、光重合開始剤分子)と反応するのに十分なエ
ネルギーを有していない場合も有り得る。
【0026】
低酸素環境を提供することにより、所望の硬化が、特にフリーラジカル硬化流体につい
て、もたらされ得る。好ましくは、酸素が低減されたガスのブランケット(blanke
t)が硬化されるべき流体の領域の上に提供される。
【0027】
好ましくは、供給源近傍のインクの領域における酸素の容量パーセントは、5%未満で
あり、好ましくは、2%未満であり、より好ましくは、1%未満である。流体表面での気
体中の酸素の許容可能なレベルは、放射線の強度、使用される流体の化学的性質(例えば
、インクに含まれる光重合開始剤の量および種類)、硬化されるフィルムの厚み、必要な
硬化の量、硬化されるべき流体近傍領域への大気の混入(entrainment)の程
度、およびその他の要因に依存する。
【0028】
好ましくは、この方法はさらに流体を基材に塗布する工程を包含し、放射線が基材上の
流体に向かって放射され、流体が基材に塗布される領域には低酸素環境は提供されない。
【0029】
多くの配置において、流体が基材上に沈着する前にその流体の硬化が加速されないこと
が重要である。例えば、流体が基材上に印刷される場合、好ましくは、低酸素環境は、プ
リントヘッドノズル、または流体の液滴がノズルから基材へ向かう際に通過する領域と関
連していない。
【0030】
好ましくは、低酸素/不活化環境は放射線供給源に対して局所的である。このようにし
て、好ましくは、大気が供給源下で制御され得る一方、プリントは正常な大気条件に留ま
る。
【0031】
好ましくは、本方法は、シュラウド(shroud)を放射線供給源の領域に備える工
程をさらに含む。
【0032】
シュラウドは、好ましくは、放射線供給源の近傍に不活化環境を含み得る。
【0033】
好ましくは、本方法は、窒素不活化環境を提供する工程をさらに含む。これを達成する
にはいくつかの選択肢がある。局所的な窒素雰囲気を使用することによって、流体表面へ
拡散する酸素の存在によるフリーラジカル反応の阻害を低減することができる。水銀アー
クランプは、酸素の拡散によりフリーラジカルの生成反応が阻害され得る速度をフリーラ
ジカルの生成速度が上回るような十分なパワーを放射することによって、酸素阻害の効果
を克服する。窒素雰囲気を使用する必要性から、このシステムは複雑なものとなるが、こ
れは低出力供給源(例えば、LED)を使用する他の利益によって十分以上に補償され得
る。
【0034】
好ましくは、本方法は、低酸素ガスを供給源の近傍領域に供給する工程を包含する。好
ましくは、窒素は、供給源に対して局部的に供給される。
【0035】
好ましくは、本方法はさらに、供給源の前面に気体カーテンを提供する工程を包含する
。気体カーテンを提供することは、境界層を破壊し得、したがって、供給源下に混入され
る酸素の量を低減し得る。基材は、「不活性な」雰囲気を提供する気体のブランケットの
下を通る際に新鮮な空気を伴う傾向がある。この伴われた空気は、高割合の酸素を有して
おり、それゆえ酸素阻害を低減するための気体のブランケットの効率を低減する。
【0036】
気体カーテン、例えば、供給源の上流の基材の表面に向けられた気体の噴流(jet)
を提供することにより、基材の移動によって伴われる空気の量が低減され得る。いくつか
の場合、「不活性な」気体(例えば、窒素ガス(酸素をほとんどか全く含まない))の噴
流が、基材の表面に向かって噴射され得る。
【0037】
好ましくは、窒素の供給源は、膜窒素供給源(a membrane nitroge
n source)、例えば、Hankinson InternationalのHN
Gシリーズ メンブレン窒素ジェネレーターを含む。このような供給源は、約95%と9
9.5%との間の純度を有する窒素ガスを提供し得る。
【0038】
好ましくは、本方法は、低酸素ガスの方向付けが可能な出口を提供する工程を包含する
。出口を方向付けることによって、供給源の近傍の気体の流れは、変更され得る。
【0039】
好ましくは、この方法は、放射線供給源(例えば、LED)の領域において正圧で気体
を供給する工程を包含する。正圧を供給することにより、例えば、供給源の近傍領域への
空気の進入が低減され得る。これは、不活化環境が、供給源の近傍に提供される場合に、
特に有益である。好ましくは、不活化気体は、供給源の近傍に供給され、そして正圧をも
たらす。気体の供給はまた、供給源の冷却において有益である。
【0040】
供給源が、キャビティに取り付けられた場合、好ましくは、この方法は、キャビティに
正圧をかける工程を包含する。1つの例において、不活化気体は、LEDアレイのLED
の間に配列された孔を通して供給され得る。
【0041】
正圧をかけることのもう一つの利点は、アレイの一部のみが、例えば、プリントスキャ
ンの開始時または終了時に厚い基材の上にある場合に、これがその領域を不活化気体でブ
ランケットされた状態に保つ役割をすることである。
【0042】
好ましくは、本方法は、放射線の供給源を冷却する工程を含む。
【0043】
好ましくは、放射線の供給源は、LEDを含む。
【0044】
本発明の広範な面は、放射線硬化型インクを硬化する方法を提供し、この方法は、発光
ダイオードからの放射線を、硬化されるべきインクに向かって放射する工程を包含する。
【0045】
発光ダイオード(LED)は周知である。このような放射線の供給源は、安価であり、
軽量であり、電力を変換するのに高度に効率的であり、そして効率的にフルパワーへの即
座な変換を行い得る。別の利点は、LEDの放射スペクトルが、通常鋭いピークであるこ
とである。代表的には、90%を超える放射が、ピークの約±15nm以内である。
【0046】
したがって、LED装置は、上記の現存する硬化装置の多くの不利点を克服する。
【0047】
LEDは、流体を完全に硬化するために使用され得る。または、流体を硬化する別の方
法、例えば、別の放射線供給源と共に使用して流体を硬化するために使用され得る。そし
て/または、流体を部分的に硬化し得る。
【0048】
供給源は、流体の硬化をもたらすために望ましい任意の波長の放射線を放射するように
選択され得る。放射される放射線は、必ずしも可視スペクトル内にある必要はないことが
理解される。
【0049】
好ましくは、供給源はUV放射線を放射する。このように、供給源は、UV硬化型イン
クを硬化するために使用され得る。好ましくは、供給源、例えば、LEDは、200と4
00nmとの間、好ましくは、400nm未満の波長を有する放射線を放射する。
【0050】
以下の記載は、LED供給源およびインクに関するが、好ましくは、これは他の供給源
、例えば、レーザー供給源、および他の流体にもまた適用されることが理解される。
【0051】
LED供給源は、通常、波長の広がりを有する放射線を放射する。この波長バンドの幅
は、LED供給源の場合、例えば、水銀供給源よりも有意により小さく、そして好ましい
LED供給源は、放射される放射線の少なくとも90%、好ましくは、少なくとも95%
が、約50nm以下のバンド内の波長を有する。
【0052】
特定の波長を有する放射線が本明細書中で参照される場合、好ましくは、供給源によっ
て放射される放射線のスペクトルのピークが、その特定の波長である。
【0053】
好ましくは、LEDの波長は、実質的に、インクの吸収プロファイル、例えば、インク
の光重合開始剤に整合するように(またはその逆)選択される。好ましくは、放射される
放射線の波長は、280〜450nmの範囲にあり、これは、通常周辺光では低強度での
み存在する。このようにして、迷放射線は、所望の硬化時間の前にインクを硬化すること
はほとんどないようである。例えば、プリントヘッド自体の中のインクは、周辺光に曝露
された場合にほとんど硬化しないようである。使用されるべきLEDは、使用されるイン
クの特定に基づいて選択されるか、またはインクがLEDの放射線に反応するように処方
され得るか、またはこれらの2つの場合の組み合わせである。
【0054】
可視スペクトルの青端(405nm付近)および近UV(370nmおよび385nm
)において放射するLED供給源が入手可能である。より短い波長で放射するLEDが入
手可能になっているというのが傾向である。したがって、UV−LEDは、以前に上記不
利点を有する水銀蒸気ランプが使用されていたかもしれない配置において使用され得る。
【0055】
LEDを使用して硬化することによって、光は、従来の放射線供給源と比較して、かな
りより狭い波長にわたって、そして典型的には330nmよりも上で、放射され得る。こ
れは、光重合開始剤と他のインク成分との間での利用可能な光についての競合に関連する
問題のほとんどを排除し得る。実際には、これは、いくつかの場合において、LED供給
源を使用して硬化されるように設計されたインクに、わずか1つの光重合開始剤のみが要
求されることを意味する。光重合開始剤の至適な効率、したがってインクの至適な効率は
、いくつかの場合には、LEDが300nmより上で放射される場合に得ることができる

【0056】
好ましくは、インクはUV硬化型インクである。
【0057】
好ましくは、本方法は、LEDのアレイからインクに向かって放射線を放射する工程を
包含する。LEDのアレイがインクの硬化に使用される場合、好ましくは、LEDは全て
実質的に同じ波長の放射線を放射するが、波長の選択は硬化をもたらすために使用され得
ることが予想される。
【0058】
現在利用可能なLEDを使用して、硬化に必要とされる放射線強度を与えるためには、
一つ以上のLEDを必要とすることが分かる。現在利用可能なLEDは、インクを硬化す
るために従来使用されていた放射線供給源と比較して比較的低出力を有し、いくつかの配
置においては、多くのLEDが、例えば、典型的な水銀供給源の総UV強度を達成するた
めに必要とされる。
【0059】
放射線供給源、例えば、LEDのアレイを使用することによって、インクの領域に向か
って放射される放射線の強度が、2,3個または1個のLEDが使用される場合と比較し
て、より均一になされ得る。1個のLEDは、領域において放射線の強力なスポットを与
える;LEDのアレイを使用することによって、インクの領域によって受けられる放射線
の強度が、より均一になされ得、したがって、硬化からのより良い結果を得る。
【0060】
好ましくは、放射線は、細長い供給源から放射される。供給源は、好ましくは、LED
のアレイを含む。好ましくは、供給源の幅は、ノズルの列(row)の適切な寸法に基づ
いて選択される。好ましくは、アレイの幅は、インクの「縞(しま)」(stripe)
が、プリントヘッドの通路において放射されるにつれて、供給源が前記縞の実質的に全幅
に向かって放射線を放射するような幅である。好ましい例では、供給源の幅は、使用され
るプリントヘッドのノズルアレイの幅に少なくともほぼ対応する。
【0061】
硬化の方向に平行な方向におけるアレイの長さは、例えば、基材および供給源の相対的
な移動の速度および硬化をもたらすために必要とされる放射線の強度に関して選択される

【0062】
好ましくは、供給源は、LEDのアレイを備え、硬化されるべきインクに対して硬化の
方向に向かって移動する。ここで、LEDは、硬化の方向に実質的に配列したカラム(c
olumn)を形成しない。LEDがそのように配列されると、硬化の方向に垂直なイン
クの領域の幅にわたって形成される放射線の強度の規則的なパターンが存在し得る。これ
は、次いで、その領域にわたって硬化されたインクに視認可能な変化を導く。アレイのL
EDをよろめかせることによってこのような状況は回避し得るか、または視認可能な変化
が形成される危険性が低減され得る。硬化の方向(好ましくは、放射線供給源と硬化中の
印刷されたインクとの間の相対的な移動の方向)および印刷の方向(好ましくは、基材と
印刷中の印刷ノズルとの間の相対的な移動の方向)は、例えば、放射線供給源がプリント
キャリッジの上に取り付けられている場合、同じ方向で有り得るが、他の配置ではその方
向は異なり得る。
【0063】
LEDの好ましいアレイは、硬化の方向に実質的に垂直な方向に実質的に配列された複
数の列を含み、この列は、LEDが硬化の方向に平行に配列しないようにオフセットされ
ている。
【0064】
好ましくは、人工物(artefacts)を、例えば、LEDのピッチに生じるLE
Dのカラムは存在しないように、アレイのLEDは、硬化の方向に実質的に垂直な方向に
オフセットされている。
【0065】
これを行うための1つの方法は、LEDの各隣接する列をw/Nの距離分だけオフセッ
トすることである。ここで、wは、硬化の方向に平行なLEDのピッチであり、Nは、硬
化の方向における列の数である。
【0066】
あるいは、列は、2w/N、4w/N、または6w/N、などだけオフセットされ得る
が、このような配置は、一般にあまり好ましくない。なぜなら、より多くのLEDがアレ
イの側端で使用され得るからである。好ましい配置において、アレイは、平行四辺形の一
般的な形状であるが、連続性のない(out of sequence)互い違いの列を
含み得る。
【0067】
したがって、好ましくは、供給源は、LEDのN列を含み、各列のLEDは、列の方向
にwのピッチを有し、ここでLEDの各列は、Yw/Nだけ隣接する列からオフセットさ
れ、ここで、Y、wおよびNは、整数である(YはNに等しくないことが好ましい)。
【0068】
好ましくは、アレイの端は、プリント包帯(print swathe)を横切る放射
線の強度が実質的に一定であるようになっている。好ましくは、アレイの端は、硬化の方
向に対して角度をなしている。好ましいアレイは、一般的に平行四辺形または不等辺四辺
形の形状であるが、他の形状も使用し得る。
【0069】
インクの硬化において流体を使用する重要な利益の1つは、LEDによって放射される
放射線が、他の供給源に比べて狭い波長帯内にあるということである。LED供給源の中
には、例えば、少なくとも90%が約30nmのバンド内にあるような波長を有する放射
線を生成するものもある。
【0070】
好ましくは、インク(または他の流体)は、供給源によって放射される放射線に反応す
るように適合された光重合開始剤、供給源によって放射される放射線に応答するように適
合された光増感剤(photosensitiser)、および/または放射線硬化型流
体のスペクトル応答を変化させる(好ましくは、範囲を広げる)ように適合された光増感
剤を含む。
【0071】
好ましくは、流体はインクを含み、好ましくは、インクジェットインクを含む。好まし
くは、インクは、UV硬化型インクジェットインクを含む。インクジェットインクは、好
ましくは、インクジェットプリントヘッドを使用する基材に塗布され得る任意のインクを
含む。
【0072】
好ましくは、本方法は、インクジェット印刷技術を使用してインクを基材に塗布するこ
とをさらに包含する。
【0073】
本発明の広範な面は、放射線硬化型流体を硬化する方法を提供し、この方法は、供給源
からの放射線を硬化されるべき流体に放射する工程を包含し、ここで、供給源から放射さ
れた放射線の少なくとも90%、好ましくは、少なくとも95%が、50nm未満の幅を
有するバンドにおける波長を有する供給源から放射される。好ましくは、バンドは、40
nm未満の幅を有し、好ましくは、30nm未満の幅を有する。放射線の供給源は、例え
ば、発光ダイオードまたはレーザーダイオードを含み得る。
【0074】
好ましくは、流体は、所定の波長(好ましくは、放射された放射線の波長)の放射線に
曝露された場合に、実質的に反応性であるように(および/または硬化がもたらされるよ
うに)適合される。好ましくは、流体は、所定の波長の放射線に曝露された場合に硬化さ
れるのに十分な反応性を有する。好ましくは、流体は、所定の波長の放射線に曝露された
場合に、強い反応性を有する。系の性能における大きな改善の可能性は、選択された供給
源の出力に整合するか、または密接に整合する吸収を有する流体を選択することによって
得られ得る。好ましくは、流体は、LEDの出力の狭い波長スペクトルに曝露された場合
、高い反応性を有するように適合される。
【0075】
好ましくは、硬化(または部分的硬化)をもたらし得る波長バンドは、必要とされる前
に硬化または部分的硬化をもたらす、例えば、日光からの迷放射線の危険性を低減するた
めに、狭い。好ましくは、少なくともバンドは、50nm未満であり、好ましくは、30
nm未満であり、好ましくは、20nm未満であり、好ましくは、10nmよりも大きい

【0076】
好ましくは、本方法はさらに、放射線供給源の出力を変化させる工程を包含する。
【0077】
好ましくは、入力パワーは、流体に適用される放射線の強度を変化させるために変化す
る。
【0078】
例えば、プリントされた基材上のインクの表面仕上げにおける変化は、インクが受ける
硬化放射線の量が変化する場合に起こりうることが見出されている。
【0079】
いくつかの場合において、所望の表面仕上げ(例えば、光沢またはつや消し)は、所望
の硬化放射線を選択することによって達成し得る。
【0080】
さらに、放射線供給源によって放射される硬化放射線は、表面仕上げにおける望ましく
ない変化が回避され得るように制御され得る。
【0081】
例えば、放射線供給源が、可動性プリントヘッドに取り付けられている場合、プリント
ヘッドの移動の速度の変化が、インクの表面仕上げにおける望ましくない変化を導き得る
。供給源の入力(したがって、放射線の強度)を変化させることによって、同様の(所望
の)レベルの光沢が維持され得る。プリントヘッドがより早く動く場合、放射線の強度は
増大する。
【0082】
さらに、例えば、いくつかの場合、放射線供給源は、画像に沿ったプリントヘッドイン
デックス(printhead index)にインデックス(index)するように
配置される。小さい画像がプリントされる場合、供給源は、より大きな画像が印刷される
場合と比較して、より短い時間でインデックスする。そのような配置において、硬化供給
源の強度は、完全な硬化を維持するために増大されることが必要であり得る。あるいは、
供給源のインデックスは、遅延され得、したがって、全体の印刷時間を遅らせる。
【0083】
好ましくは、本方法は、印刷の速度に依存して硬化のレベルを変更することを包含する
。好ましくは、流体の領域に適用される硬化放射線の線量は、硬化された流体の光沢のレ
ベルを変更するように変化される。
【0084】
いくつかの配置において、流体の第一の「部分的硬化」を行って、引き続く完全な硬化
を行う前に、基材上の流体を「固定する」ことが有利である。部分的硬化は、放射線の同
じかまたは異なる供給源によって実行され得る。好ましくは、部分的硬化の工程において
、硬化が加速されないように、不活化環境が供給されない。不活化環境は、好ましくは、
完全硬化工程において適用される。
【0085】
本発明のさらなる面は、少なくとも1つの放射線重合性モノマー、オリゴマー、または
プレポリマーを含むインク、および光重合開始剤を含む光重合開始剤系を提供し、ここで
、光重合開始剤系は、280〜450nmの間の波長を有する放射線を吸収し、そして5
0nmバンド幅以内の放射線を十分に吸収してインクを硬化させるように適合される。
【0086】
300nmより大きい波長を有する放射線は、一般に、インクコーティングを透過する
一方、300nm未満の波長を有する放射線は一般に透過しない点において非常に効率的
である。なぜなら、インク媒体を透過することは、しばしばこの領域においてアクリレー
トモノマーによる吸収があるために困難であるからである。
【0087】
実際に、インクの成分、特にUVモノマーは、300nmより小さい波長を有する放射
線を吸収する傾向があり、それゆえ、利用可能なUV光を求めて光重合開始剤と強く競合
し、しばしば厚い色素性のコーティングによる硬化を非常に困難なものにする。これは、
光重合開始剤の組み合わせが、UV硬化型インクにおいて典型的に使用される理由を説明
する。300nm未満を吸収するインクは、効果的な表面硬化に使用される一方、300
nmより上を吸収するものは、他のインク成分からの光との競合が低いために、インクコ
ーティングを透過するのが効率的である。
【0088】
もたらされた硬化は、インクの完全な硬化を含むか、またはいくつかの例では、部分的
な硬化を含み得る。
【0089】
好ましくは、インクは、水および/または揮発性有機溶媒を実質的に含まない。
【0090】
好ましくは、インクは更に、少なくとも1つの着色剤を含む。
【0091】
好ましくは、インクは、光重合開始剤系の存在下で放射線によって重合する不飽和有機
化合物である1つ以上の放射線重合性モノマー、オリゴマー、またはプレポリマーを含有
する。このような放射線重合性モノマー、オリゴマー、またはプレポリマーは、当該分野
で周知である。好ましくは、これらは、(メト)アクリレートを含み、ここで、用語(メ
ト)アクリレートは、好ましくは、アクリレートおよび/またはメタクリレートを意味す
る。適切なモノマーの例には、ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ポリエチレングリコール
ジアクリレート(例えば、テトラエチレングリコールジアクリレート)、ジプロピレング
リコールジアクリレート、トリ(プロピレングリコール)トリアクリレート、ネオペンチ
ルグリコールジアクリレート、ビス(ペンタエリスリトール)ヘキサアクリレート、およ
びエトキシル化またはプロポキシル化グリコールおよびポリオールのアクリレートエステ
ル、例えば、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、エトキシル化トリ
メチロールプロパントリアクリレート、およびこれらの混合物が含まれる。特に好ましい
のは、分子量が200よりも大きい二官能性アクリレートである。メタクリル酸のエステ
ル(すなわち、メタクリレート)が含まれ、例えば、ヘキサンジオールジメタクリレート
、トリメチロールプロパントリマクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート
、ジエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,
4−ブタンジオールジメタクリレートである。(メト)アクリレートの混合物が使用され
得る。
【0092】
オリゴマーの例は、アクリル酸およびポリウレタンのエステル、エポキシ、ポリエステ
ル、ポリエーテル、およびメラミンである。
【0093】
好ましくは、放射線重合性のモノマー、オリゴマー、またはプレポリマーが、インク組
成物の重量に基づいて、50〜95重量%、好ましくは、60〜80重量%の量で存在す
る。
【0094】
光重合開始剤の役割は、放射線への曝露に関して反応性の種を生成することである。反
応性の種は、硬化をもたらす重合反応を開始する。これらの反応性の種は、インクに使用
されるモノマーに依存して、フリーラジカル(フリーラジカル硬化型インクについて)ま
たは酸(カチオン硬化型インクについて)であり得、ラジカル性またはカチオン性の重合
をもたらす。
【0095】
市販の光重合開始剤が、広範な波長スペクトルにわたって放射線を吸収するために組み
合わせて用いられ得、したがって、従来の媒体圧力水銀ランプ(上記の波長の比較的広範
なスペクトルにおいて放射線を放射する)とともに用いるのに適している。いくつかの放
射線供給源、例えば、LEDは、従来の供給源、例えば、水銀ランプよりずっと狭い放射
バンドを生成するため、硬化されるべきインクに含めるために選択された光重合開始剤ま
たは光重合開始剤の混合物が、供給源の特定の狭い波長バンドにおいて十分に強力に吸収
することは有利である。
【0096】
LEDを使用して硬化するために、光重合開始剤(単数または複数)が、LED放射ス
ペクトルにおける放射線を特異的に吸収するために好ましく選択される。
【0097】
現在市販されているLEDは、一般的に、従来のUVランプよりも高い波長で放射線を
生成し、一般的に、光重合開始剤は、このスペクトルバンドにおいて放射線を強く特異的
に吸収しない。
【0098】
LEDのような放射線供給源を用いた放射線硬化型インクの反応性を至適化するために
、インクにおける光重合開始剤のスペクトル感度を拡大させる増感剤を、インクに取り込
むことが可能である。これは、供給源のための放射放射線の波長が、従来の供給源(例え
ば、UVランプ)に比較して、相対的に高い場合(例えば、400nm)、特に好ましい

【0099】
光増感剤は、所望のスペクトルバンドにおいて強力に吸収するように選択された分子で
あり、吸収したエネルギーをインクの光重合開始剤に移動させることができる。したがっ
て、増感剤は、開始種(initiating species)をそれ自体直接生成し
ないかもしれないが、エネルギーを光重合開始剤に移動することによって、系の反応性を
増強し、次いでこれはより多くの開始種を生成し得る。
【0100】
本明細書中で使用される用語「光重合開始剤系」とは、1つ以上の光重合開始剤、また
は1つ以上の光重合開始剤と1つ以上の光増感剤との混合物のいずれかを意味する。好ま
しくは、光重合開始剤系は、インクの1〜10重量%、好ましくは、2〜8重量%存在す
る。実際、本発明の利点の一つは、例えば、低減した量の光重合開始剤および光増感剤(
これらは高価な構成要素である)がインクを硬化するのに十分であることである。なぜな
ら、使用されるLED供給源によって放射される特定の波長に応答する構成要素が選択さ
れ得るからである。
【0101】
光重合開始剤系は、少なくとも1つの光重合開始剤、および必要に応じて少なくとも1
つの光増感剤を含む。光重合開始剤系は、好ましくは、280〜450nmの領域におい
て放射線を吸収し、そして50nm以下の範囲内、好ましくは、30nm未満、特に好ま
しくは、20nm未満のバンド幅のインクを硬化するのに十分な放射線を吸収する。
【0102】
好ましくは、光重合開始剤系は、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−
ベンジル−2−ジメチルアミノ−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、ベン
ジルジメチルケタール、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル−2,4,4−トリメチルフ
ェニルホスフィンオキシド、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン
、2−メチル−1(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オ
ン、ビス(エタ5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオ
ロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、またはこれらの混合物
から選択されるラジカル光重合開始剤;またはジアリールヨードニウム塩、トリアリール
スルホニウム塩、もしくはこれらの混合物から選択されるカチオン性光重合開始剤;ある
いはケトクマリン、チオキサントン、もしくはこれらの混合物から選択される光増感剤と
ともに1つ以上の光重合開始剤を含む。
【0103】
いくつかの場合において、放射線供給源での硬化のためのインクの適切さは、放射線供
給源の適切な放射波長でのインクの光学密度(または吸光度)を測定することによって評
価し得る。好ましくは、吸光度は、供給源のピーク放射波長で測定され、好ましくは、供
給源の最大放射波長で測定される。
【0104】
吸光度は、サンプルを通過する透過放射線の強度と比較した、サンプルに向かって放射
される入射放射線の強度の尺度である。特定の波長でのインクの吸光度は、例えば、有機
溶媒(例えば、アセトニトリル)中に1対5000の比で希釈したUV吸収スペクトルを
得ることによって測定され得る。UV吸収スペクトルは、選択された波長領域にわたって
UV分光計で測定し得る。本実施例では、パーキンエルマー(Perkin Elmer
)製のLambda40装置が使用された。
【0105】
好ましくは、放射線供給源のピーク放射波長(好ましくは、最大放射波長)で記載され
たような1〜5000希釈でのインクの吸光度は、少なくとも0.05、より好ましくは
、少なくとも0.1、より好ましくは、少なくとも0.2である。本発明の広範な面は、
このような吸光度を有するインクを提供し、好ましくは、LEDを使用して硬化されるよ
うに適合されたインクを提供する。吸光度が大きいほど、放射線供給源を使用してより良
く硬化し得る。
【0106】
好ましくは、このようなインクは、10重量%以下の、好ましくは、8重量%以下の光
重合開始剤系を含む。
【0107】
好ましい例のインクジェットインクはまた、着色剤を含み、これは、インクの液体媒体
中に溶解または分散され得る。好ましくは、着色剤は、当該分野で公知のタイプの分散性
の顔料であり、例えば、パリオトール(Paliotol)(BASF plcから入手
可能)、シンクアジア(Cinquasia)、イルガライト(Irgalite)(い
ずれもCiba Speciality Chemicalsから入手可能)、およびホ
スタパーム(Hostaperm)(Clariant UKから入手可能)の商品名で
市販されている。顔料は、任意の所望の色、例えば、Pgment Yellow 13
、Pgment Yellow 83、Pigment Red 9、Piment R
ed 184、Pigment Blue 15:3、Pigment Green 7
、Pigment Violet 19、Pigment Black 7であり得る。
特に有用なものは、黒であり、三色工程印刷に必要な色である。顔料の混合物が使用され
得る。存在する顔料の総比率は、好ましくは、0.5〜15重量%であり、より好ましく
は、1〜5重量%である。
【0108】
インクジェットへの適用のために、インクは、プリントヘッドから迅速に流れることが
できるべきであり、これが起こることを確実にするために、それらは使用時に低粘度(典
型的には、25℃で100mPas未満)であることを必要とするが、ほとんどの適用に
おいて、粘度は、50mPas未満、好ましくは、25mPas未満であるべきである。
【0109】
当該分野で公知のタイプの他の構成成分が、特性または性能を改善するために、インク
中に存在し得る。これらの構成成分は、例えば、界面活性剤、消泡剤、分散剤、熱または
光による劣化に対する安定剤、脱臭剤、流れまたはすべり助剤(flow or sli
p aids)、殺生剤、および同定用トレーサーであり得る。
【0110】
好ましくは、インクは、実質的に、水または揮発性有機溶媒を含まず、そして好ましく
は、少なくとも1つの放射線重合性のモノマー、オリゴマー、またはプレポリマー、少な
くとも1つの着色剤、および少なくとも1つの光重合開始剤を含む光重合開始剤系を含む
。必要に応じて、少なくとも1つの光増感剤が使用され得、ここで、光重合開始剤/光増
感剤系は、280〜450nmの領域において放射線を吸収し、そして50nmバンド幅
の範囲内の十分な放射線を吸収してインクを硬化する。
【0111】
本発明のさらなる面は、放射線硬化型インクの硬化において狭いスペクトル出力を有す
る放射線供給源の使用を提供する。好ましくは、その供給源は、LEDを備える。
【0112】
本発明のさらなる面は、放射線硬化型インクを提供し、ここで、そのインクは、インク
が所定の波長の放射線に曝露されたときに硬化するように適合されている。好ましくは、
そのインクは、上記の1つ以上の特徴を有する。
【0113】
本発明のさらなる面は、放射線硬化型インクを硬化するための装置を提供する。この装
置は、硬化されるべきインクに向かって放射線を放射するように配置されている発光ダイ
オードを備える。
【0114】
本発明のさらなる面は、放射線硬化型の流体を硬化するための装置を提供する。この装
置は、硬化されるべき流体に向かって放射線を放射するための放射線供給源と、放射線供
給源の領域に不活化環境を提供するための手段を備える。ここで、少なくとも90%の放
射線は、50nm未満の幅を有するバンドに波長を有する。
【0115】
好ましくは、放射線供給源は、LEDを備える。
【0116】
好ましくは、その供給源は、UV放射線を放射するように適合されている。好ましくは
、その装置は、供給源のアレイを備える。
【0117】
好ましくは、その装置は、放射線の細長い供給源を備える。好ましくは、その供給源は
、LEDのアレイを備え、そして硬化されるべきインクに対して硬化の方向に移動するよ
うに配置される。ここで、LEDは硬化の方向に実質的に配列されたカラムを形成しない

【0118】
好ましくは、装置は、酸素が低減されたガスの供給源、好ましくは、窒素供給源を備え
る。
【0119】
好ましくは、装置はさらに、プリントヘッドを備え、ここで、その配置は、不活化環境
がプリントヘッドの領域に提供されないような配置である。
【0120】
好ましくは、装置はさらに、放射線供給源の領域にシュラウドを備える。
【0121】
好ましくは、装置は、供給源の前面に気体カーテンを提供するための手段を備える。こ
れは、好ましくは、気体(例えば、空気または低酸素ガス(例えば、窒素))を、硬化配
置の上流にある基材に方向付けるためのノズルを備える。
【0122】
好ましくは、装置は、気体の出口を備え、その出口は方向付けることが可能である。
【0123】
好ましくは、装置は、供給源の領域に正圧で気体を供給するために、供給源の近傍に気
体の出口を備える。放射線供給源がLEDのアレイを備える場合、装置は、LEDの間に
複数の出口(例えば、穴)を含んでもよい。
【0124】
装置は、キャビティを備えていてもよく、そのキャビティに供給源が取り付けられ、そ
の装置は、キャビティに正圧を加える手段を備えている。
【0125】
好ましくは、その装置は、放射線供給源を冷却するための手段(例えば、ファン、ヒー
トシンク、および/または冷却用フィン)を備える。
【0126】
好ましくは、流体はインクである。
【0127】
本発明はさらに、放射線硬化型流体を硬化するための装置を提供する。この装置は、硬
化されるべき流体に向かって放射線を放射するための放射線供給源を備え、その供給源か
ら放射された放射線の少なくとも95%が、50nm未満の幅を有するバンドに波長を有
する。
【0128】
好ましくは、流体は、所定の波長の放射線に曝露されたときに反応するように適合され
る。
【0129】
本発明は、任意のUV硬化型流体を硬化するために適用可能であるが、UV硬化型イン
クジェット用に特に有利である。なぜなら、LED硬化装置は、通常使用される水銀ハロ
ゲンランプと比較して軽量であり得るからである。これは、硬化装置がインクジェットプ
リントヘッドの移動可能なキャリッジに取り付けられている場合、特に有利である。イン
クジェットインクは、好ましくは、インクジェットプリントヘッドを使用して基材に塗布
可能な任意のインクを含む。
【0130】
好ましくは、装置はさらに、基材にインクを放射するためのインクジェットプリントヘ
ッドを備える。
【0131】
本明細書中に記載したような装置を備えるプリンタもまた、本発明により提供される。
放射線供給源は、プリンタに移動可能に、例えば、インクがいくつかの経路に沈着するよ
うな配置で、取り付けられ得る。他の配置において、放射線供給源は、固定されていても
よい。そのような配置は、単一経路印刷を含む適用のために使用され得る。
【0132】
好ましくは、プリンタは、インクジェットプリンタを含む。
【0133】
本発明のさらなる面は、インクジェットプリンタにおいてインクの硬化用に適合された
発光ダイオードのアレイを提供する。
【0134】
本発明はまた、1つ以上の添付の図面を参照して本明細書中に実質的に記載した方法お
よび/または装置および/またはインクを提供する。
【0135】
本発明の1つの面における任意の特徴は、任意の適切な組み合わせで、本発明の他の面
に適用され得る。特に、方法の面は、装置の面に適用され得、その逆も可能である。
【0136】
好ましい装置は、発光ダイオード、LEDにエネルギーを供給するための適切な電力供
給源、酸素を低割合で含むかまたは実質的に全く含まない気体(例えば、窒素またはアル
ゴン)の供給源、硬化されるべきインクが、LEDによって放射される放射線に曝露され
たときに大気中の酸素を排除するように覆われるように、気体を放出するための手段、な
らびにその気体のブランケットの下にインクで印刷されるべき基材を運ぶための手段を備
える硬化用放射線の供給源を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0137】
以下、本発明の好ましい特徴が、添付の図面を参照して実施例によって記載される。
【0138】
硬化型インクが基材に印刷される実施例が以下に記載される。記載されるように硬化を
もたらす放射線供給源の使用はまた、他の流体の硬化に対しても適用されることが理解さ
れる。
【0139】
以下に記載する放射線供給源は、LEDを備える。しかしながら、他の供給源が使用さ
れ得る。特に、比較的狭いスペクトル出力分布を有するUV光の供給源(例えば、レーザ
ー源)が使用され得る。例えば、OSRAM XERADEX(RTM)エキシマー放出
ランプが使用され得る。
【0140】
図1は、インクジェットプリンタの一部を模式的に示す。この図は、プリントヘッド1
4のアレイおよび硬化アセンブリ16を備えるプリントキャリッジ12の一部を示す。プ
リントヘッド14および硬化アセンブリ16は、相互に移動(20)するように配置され
た共通の支持体18上に取り付けられている。
【0141】
使用時、プリントキャリッジ12は、プリントヘッドの相互の移動20の方向と実質的
に垂直な方向に、相互に移動(24)するように配置された基材22の上に配置される。
【0142】
印刷中、インクは、アレイ14のプリントヘッドから基材22に向かって公知の様式で
放出される。基材22は、印刷中は24の方向に(図に示されるように左から右へ)移動
し、その結果、所望の画像が放出されたインクによって基材22上に形成される。印刷が
進行するにつれ、インクが基材上に印刷され、次いで、印刷されたインクが、硬化アセン
ブリ16の下を通過する。プリント包帯(print swathe)の終わりに、基材
はその開始位置に待避する;この待避動作の間、プリントヘッドは不活性であり、そして
プリントキャリッジは、次の包帯を印刷するための位置までインデックスする。
【0143】
フルカラー印刷のために、プリントヘッド14のアレイは、シアン、マゼンタ、イエロ
ー、およびブラックのインクそれぞれのプリントヘッドの4つのセットを備える。インク
が基材22に放出された後、それは硬化アセンブリ16を使用して硬化され、インクをそ
の位置に固定する。
【0144】
図2aおよび図2bは、硬化配置16を更に詳細に示す。その配置は、ルーフ34およ
び2つの下向きに垂れ下がる(dwonwardly depending)側壁36を
有するハウジング32を備える。ルーフ34および壁36は、側壁36によって2つの側
が閉じられ、他の2つの側が解放された、囲まれた領域38を形成する。硬化用の配置は
、ハウジング32の解放された側の1つがプリントヘッド配置14のすぐ下流にあるよう
にプリンタに取り付けられる。この配置は、実験に使用された設定を示す。囲まれた部分
の屋根および壁は、その配置がLEDと基材との間の固定された距離を保ちながら手動で
動かされることが可能なように配置される。印刷のために実際に使用される配置について
は、好ましくは、壁36は、酸素の進入を最小にするようにハウジングの4つ全ての側の
まわりに延びる。
【0145】
硬化領域39は、LED供給源40の下の囲まれた領域内で規定される。
【0146】
ベンチテストの目的で、基材22が硬化用配置16によって横切られ、ハウジング32
の解放側は、基材が硬化されていないインクを汚すことがないように横切られることを可
能にする。側壁36のベースおよび基材22の下側は、ベンチトップ上(同じ平面上の)
に乗っており、LED供給源40の下面が、インクのサンプルがその上に置かれる基材2
2の上面に近くなるようになっている。動的な試験のために、ハウジング32は、側壁3
6を排除し、そしてユニットは、プリントキャリッジ12上に取り付けられる。LED供
給源40の下面およびプリントヘッド14のノズルプレートは、印刷される基材22より
上の同じ高さにある。印刷される基材22の上面は、LED供給源40の面の約1.5m
m下にある。
【0147】
印刷が進行するにつれ、硬化用配置16は、プリントヘッド14によって排出されたイ
ンクの上を通過する。硬化用配置16が基材22に対して移動するにつれ、ハウジング3
2は、インクが塗布された基材の領域の直接上に位置するようになる。
【0148】
硬化用配置16はさらに、LED供給源40を備える。新たに排出されたインクがハウ
ジング32の下を通過するにつれ、LED供給源から放射される放射線によって硬化され
る。LEDに出力を加えるための電気は、2つのワイヤ42を介して供給される(図2b
においてより明確に観察される)。
【0149】
硬化用配置16は、窒素供給源に連結され、窒素をハウジング32内の硬化領域38に
導入するた2つの窒素フィード44をさらに備える。これは、窒素ブランケットを硬化さ
れるべきインクの上に提供する。このようにして、硬化されるべきインクの近傍の酸素の
量は、周囲の条件と比較して低減され、そしてこのようにしてインクのUV硬化の酸素阻
害の割合が低減される。
【0150】
図1はさらに、硬化用配置16の上流に配置され得る清浄用配置26を模式的に示す。
清浄用配置26は、LED配置16の上流の基材22に向かって窒素の噴流を方向付けす
る。窒素の噴流は、硬化用配置の下に取り込まれた空気の量を低減し、したがって、硬化
されるべきインクの領域において酸素の豊富な気体の量を低減し得る。
【0151】
図3は、インクジェットプリントヘッドによって据え付けられるインクを硬化するため
に使用するLEDのアレイの形状を模式的に示す。アレイ60は、おおむね平行四辺形の
形状である。基材22および硬化用配置16の相対的な移動の方向が示されている(硬化
方向62)。アレイのLEDは、硬化方向62に対してほぼ垂直な列に配置される。列は
、幅64を有し、そして図4により詳細に示されるように均等に間隔を置いた50個のL
EDを備える。異なる配置が可能であり、例えば、図6aおよび6bに示されるアレイは
、20個のLEDを平行に5列、備える。各列は、隣接する列とはわずかにオフセットに
なっており、平行四辺形の形状を形成する。
【0152】
したがって、アレイ中のLEDの配置は、LEDのカラムがないようになっており、こ
れらは硬化方向62に対して実質的に平行であることが理解される。このようにして、ア
レイの幅64を横切る基材によって受けられる放射線の強度における変化が、例えば、L
EDの通常の四角形のアレイと比較して、低減され得る。これにより、より良い硬化の性
能が得られる。
【0153】
図4は、LED71のアレイの例をより詳細に示す。LED71は、10個のLEDが
5列、配置され、本実施例では50個のLEDを有する。
【0154】
列のLEDは、5個のユニットのピッチ73(1つのLEDの端から、その列の隣接す
るLEDの対応する端へ列に沿って測定される)を有して間隔を置かれており、その列は
各々、1ユニットに等しいオフセット距離75の差でオフセットされている。これは、4
ユニットにおける第一列のLEDから最後列のLEDまでの総オフセットを1つのLED
の幅にする。
【0155】
したがって、各列の間のオフセットは、w/Nであり、ここで、wは、硬化方向に平行
なLEDのピッチであり、そしてNは、硬化方向の列の数である。
【0156】
図3を参照して、硬化の方向にLEDの全高さを有するアレイの中央領域66は、プリ
ントヘッドのノズルアレイの幅と等しいか、またはわずかに大きいように選択されること
が好ましい。
【0157】
好ましくは、LEDアレイの幅は、ノズルアレイによって据え付けられるプリントの「
包帯」の幅と実質的に同じである。アレイが四角形でない場合、好ましくは、プリントの
包帯の幅は、LEDの列の「全」数を有するアレイの部分の幅と実質的に等しい(例えば
、図5に示されるように)。異なる配置が使用され得る。1つ以上の包帯が同時に据え付
けられる場合、1つ以上のLEDアレイが使用され得る。図5は、プリントキャリッジの
レイアウトの例を模式的に示す。そのプリントキャリッジによって、2つの包帯が同時に
ノズルアレイ77、79の2つのセットによって据え付けられる。ノズルアレイの各セッ
トは、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックのインクを使用するカラー印刷のた
めのノズルの4つのアレイを含む。
【0158】
ノズルアレイ77、79の各セットの下流に取り付けられているのは、LEDアレイ8
0、81である。
【0159】
図6aは、インクジェットプリンタに使用されるLEDアレイの配置の下側からの外観
を示す。
【0160】
配置100は、LEDアレイ102のセットを、周囲106内のキャビティ104内に
備える。配置100は、さらに、LEDアレイ102に隣接して配置され、アレイの全幅
にわたって延びている気体清浄キャビティ108を備え、その気体清浄キャビティ108
およびLED周囲106は、使用されている基材の上のほぼ同じ高さにある。使用時、窒
素ガスは、窒素出口110を通して、気体清浄キャビティに窒素チューブ112および供
給ポート114から供給される(図6bを参照)。
【0161】
使用時、LED配置100は、基材に対して移動し、気体清浄キャビティ108が基材
の印刷される領域の上を通過し、その後にLEDアレイ102がその領域を通過し、イン
クの硬化をもたらす。
【0162】
図6bは、その配置の側面図を示す。図6bにおいて、気体清浄キャビティ108が示
され、LEDアレイがLED周囲106の後ろのキャビティ104内にセットされている
。図6bは、その配置が支持体120を備えることを示し、支持体120はプリンタにそ
の配置を取り付けるための取り付けブラケット122を各末端に備えることを示す。支持
体120の上面に、冷却フィン124があり、これは熱伝導性材料を含み、LEDアレイ
102からの熱を伝えるように作用する。ファン126は、冷却フィン124上に取り付
けられ、フィンを冷却する。
【0163】
図6bはまた、電気ワイヤ128、129を示し、これらはそれぞれファンおよびLE
Dアレイにつながっている。
【0164】
窒素ガスは、半透膜を使用して公知の方法で空気から窒素と酸素とを分離するデバイス
(不図示)から得られる。このような装置を使用して、瓶詰めの気体の必要性は避けられ
、部屋の中への窒素ガスの正味の放出はない。代替的な配置において、二酸化炭素の供給
源が使用され得、これは窒素よりも安全であり得る。なぜなら、窒素とは異なり、高濃度
において人に窒息反応を引き起こすからである。アルゴンは代替物として使用され得るが
、これは比較的高価である。
【0165】
図7aおよび図7bは、LED配置200の代替的な例を示す。その配置は、図6aお
よび図6bに示されたものと、LED202がキャビティ204中に設置されている点で
類似している。しかしながら、この配置では、窒素はLEDキャビティ204中へ直接供
給されている。金属パイプ210の対が、アレイのいずれかの側に(1つは上流に、そし
て1つは下流に)配置されている。窒素投入部214は、各パイプ210の各末端に提供
される。各パイプ210は、キャビティ204内のその長さに沿ってスロット211を備
え、パイプ210からの窒素がスロット211からキャビティ204へ放出される。パイ
プ210は、キャビティ内に回転可能に取り付けられ、その結果、パイプからの窒素の流
れが、硬化されるべきインクに向かって所望のように方向付けられ得る。
【0166】
図7bから明らかなように、配置は、取り付けブラケット222を各末端に、そして冷
却フィンをその上面に有する支持体220を備える。ファン226は、支持体を冷却する
ために冷却フィン上に取り付けられる。ワイヤ228および229は、それぞれファン2
26およびLED202と連結される。
【0167】
さらなる例において、多数の穴がLEDどうしの間のキャビティ内に導入される。酸素
が低減されたガスが、そのキャビティ内にその穴を介して導入され、斯くして、圧力が増
大され、そして放射線がインクに放射される領域においてガスの正圧を提供し、斯くして
硬化を改善する。
【0168】
システムの性能における大きな改善の可能性が、選択された放射線供給源(例えば、L
ED供給源)の出力に対するインクの特性を「チューニング」することによって得られう
る。硬化反応は、インクが放射線に曝露されたときに起こり、そしてそれゆえインクの吸
収特性が放射線供給源の放射出力に整合していることが非常に好ましい。
【0169】
上記の方法において使用されるのに適したLED硬化装置およびインクの例を以下に記
載する。
【実施例】
【0170】
実施例1−382nmLEDと共に使用するためのUV硬化型インク
インク処方A:
プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート 74.91部
Solsperse32000(Avecia製の分散剤) 0.48部
Irgalite Blue GLVO(Ciba製の青顔料) 1.44部
Genorad 16(Rahn AG製の安定剤) 0.12部
Rapi-cureDVE-3(ISP Europe製の2官能性ビニルエーテル) 15.0部
Lucerin TPO(BASF製の光重合開始剤) 8.0部
Byk 307(BYK Chemie製の消泡剤) 0.05部
【0171】
この組成物は、25℃で16mPasの粘度を有するインクであった。このインクは、
自己接着性ビニル上に被覆され、382nmのピーク波長を有する放射線を放射するLE
D供給源に曝露された場合、低減酸素環境下で首尾よく硬化された。使用したLEDは、
Roithner Lasertechnik製のEIS09−0P0A9−02であっ
た。
実施例2−405nmLEDと共に使用するためのUV硬化型インク
【0172】
実験を、Roithner Lasertechnikから入手可能なLED B95
−66−60供給源を使用して研究室で行った。供給源は、図2aおよび図2bに示され
るように窒素の送り込みを可能にするハウジング内に取り付けられた。使用した窒素供給
源は、Hankison Internationalから入手可能なHNG3−4Bで
あった。このような供給源の使用は、プリンタの領域において放出される正味の窒素がな
いという利点、および瓶詰めの気体を供給する必要がないという利点を有する。
【0173】
このような配置は、窒素出力中に、いくらかの残渣の酸素を残していたが、残渣の酸素
のレベルは、下記の条件を使用してインクを完全に硬化するのには十分に低かった(<1
%)ことがわかった:
インク Sericol UviJetインク(シアン、マゼ
ンタ、イエロー、およびブラック)−フリーラジカル硬化インク
LED入力パワー 18V 300mA
ピーク放射 405nm
窒素流速 0.18m/hr
硬化アセンブリの速度 基材に対して1.0m/s
基材に据え付けられるインク 18g/m
【0174】
この配置は、プリントヘッド14により据え付けられたインクを完全に硬化することが
見出された。
【0175】
インク:Sericol UviJetインク(シアン、マゼンタ、イエロー、および
ブラック)。インクの処方は、下記の処方Bに示される:
インク処方B:
プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート 74.91部
Solsperse32000(Avecia製の分散剤) 0.48部
Irgalite Blue GLVO(Ciba製の青顔料) 1.44部
Genorad 16(Rahn AG製の安定剤) 0.12部
Rapi-cureDVE-3(ISP Europe製の2官能性ビニルエーテル) 15.0部
Trgacure 369(BASF製の光重合開始剤) 8.0部
イソプロピルチオキサントン(Lambson製の増感剤) 2部
Byk307(BYK Chemie製の消泡剤) 0.05部
【0176】
光重合開始剤の吸光度は、405nmで概して低く、増感剤として使用することが好ま
しい。
【0177】
この組成物は、25℃で16.8mPasの粘度を有するインクであった。インクは、
自己粘着性のビニル上に被覆され、そして405nmのピーク波長を有する放射線を放射
するLED供給源に曝露された場合に、低酸素環境下で首尾よく硬化された。
【0178】
図8は、プリントヘッド上に取り付けられた放射線供給源によって「部分的硬化」が最
初に行われて、基材上にプリントされたインクを固定する、プリンタ配置を示す。次いで
、完全な硬化は、別の放射線供給源によって完了される。この配置において、部分的硬化
供給源および完全硬化供給源の両方がLEDを備えるが、他の供給源がこれらのいずれか
または両方に使用され得る。
【0179】
図8は、インクジェットプリンタ300の上面図を示す。示されるプリンタ300の構
成要素は、プリント基材304を支持する実質的に平坦な基材テーブル302を備え、プ
リント基材304の上に、X軸ビーム306が、Y軸方向308に基材を横切って移動す
るために取り付けられている。多数のプリントヘッド312および部分的硬化LEDアレ
イ314を備えるインクジェットプリンタキャリッジ310は、ビーム306に取り付け
られる。キャリッジ310は、ビーム306に沿ってX軸方向316に上下に動くように
配置される。別の例において、部分硬化放射線供給源は、UVランプを備えていてもよい

【0180】
図8に示されるように、基材304は動かず、ビーム306のY軸方向308の右から
左への動作は、ビームに沿ったキャリッジ310の動きに対して実質的に垂直である。
【0181】
完全硬化LEDアレイ318は、ビーム306に取り付けられて提供される。LEDア
レイ318は、390〜400nmの領域における波長を有する硬化用放射線を放射する
。別の例において、完全硬化放射線供給源は、UVランプを備えていてもよい。完全硬化
LEDアレイ318は、X方向316において基材テーブル302の全幅に実質的に等し
い長さを有し、そしてビーム306上に取り付けられ、その結果、基材テーブル302の
上にあり、そのためその長さがX軸ビーム306に対して平行に、かつX方向366から
所定の横方向の距離を置いて、配置される。
【0182】
完全硬化LEDアレイ318には、不活化システム324が提供され、このシステムは
基材104において完全に硬化されるべきインクの表面で窒素不活化気体を提供する。例
えば、図6aおよび図6bに示される配置が使用され得る。この例において、インクの硬
化を阻害する酸素阻害効果がもはや必要とされない場合、またはインクの表面において望
まれる場合、窒素ガスは完全硬化の工程の間においてのみ基材において提供される。部分
硬化供給源に関しては、不活化は提供されない。
【0183】
完全硬化LEDアレイ318は、Y軸方向308に基材を横切って右から左に、X軸ビ
ーム306の移動とともに、移動する。あるいは、完全硬化LEDアレイ318は、ビー
ム306が完全硬化LEDアレイ318に対して移動し得るように取り付けられる。例え
ば、アレイは別の移送機構上で基材の上を通過してもよい。
【0184】
キャリッジ310は、インクジェットプリントヘッド312を含む。部分硬化LEDア
レイ314は、プリントヘッド312の後ろに取り付けられ、そのため印刷中に、キャリ
ッジ310が移動するにつれ、部分硬化LEDアレイ314は、キャリッジ310および
LEDアレイ314が基材304の上を移動するにつれ、プリントヘッド312の後を追
う。
【0185】
印刷は、基材テーブル302の右下隅にある開始位置320にあるキャリッジ310に
より開始する。キャリッジ310は、X軸方向316に、静止したX軸ビーム306に沿
って移動し、それによりプリントヘッド312および部分硬化LEDアレイ314が、機
材304を横切って移動し、その間、インクがインクジェットプリントヘッド312から
基材上へ噴出し、それにより、基材の特定の領域を横切る印刷ストロークをもたらし、各
プリントヘッドは、X軸ビーム306に対して平行な印刷された領域の四角形の「ストラ
イプ」を形成する。印刷された領域の四角形のストライプの幅は、大体プリントヘッドの
幅である。
【0186】
特定の印刷ストロークの間に基材上に沈着されるべき全てのインクが、インクジェット
プリントヘッド312から噴流されたとき、X軸ビーム306は、選択された印刷モード
」に依存して、Y軸方向308に所定の量(通常、プリントヘッド312の幅よりも小さ
い)インデックスする。次いで、キャリッジ310は、上記のように第二の印刷ストロー
クを行い、それにより、基材の領域を、各々がX軸ビーム306の左へインデックスした
後にさらなる印刷ストロークによって被う。印刷は、X軸ビーム306、キャリッジ31
0、部分硬化LEDアレイ314、および全長LEDアレイ318が基材テーブル302
の底の右隅の末端位置322にくるまで、続く。
【0187】
上記のように、いくつかの場合、例えば、放射線供給源がプリントヘッドに取り付けら
れ、プリントヘッドの移動速度が変化する場合、供給源からの放射線強度を変化させ、そ
うして所望のレベルの光沢が維持されることが望ましい。
【0188】
インクによって受けられる硬化用放射線の強度を変化させる1つの方法は、1つ以上の
放射線供給源の組み合わせを使用すること、および所望の数の供給源のスイッチをオンに
して所望の表面仕上げを達成するように配置された簡単なスイッチング回路を使用するこ
とによる。
【0189】
インクによって受けられる硬化放射線の強度を変化させる代替的な方法は、供給源によ
って放射される放射線のレベルを変化させることであり、これは、図9に関連して以下に
記載するように、供給源への出力を変化させることによって達成され得る。
【0190】
図9は、その入力を変化させるように配置された放射線供給源の例を模式的に示す。放
射線供給源460は、プリントヘッド478に固定される。供給源460は、硬化用放射
線476を基材474上に放射し、そして、電源レギュレータ464を介して電源462
により電力を供給される。電源レギュレータ464は、シグナルインタフェース468を
介してコントローラ466によって、および/または手動制御470によって、制御され
る。コントローラ466には、インタフェース472が提供され、これは、外部装置(例
えば、プリンタ制御回路(不図示))からのシグナルが、コントローラ466がレギュレ
ータ464を介して、供給源460への入力を調節するようにすることを可能にする。
【0191】
従来のインクジェットプリントヘッドは、印刷しながら、変化する速度で移動し得、こ
れは、異なる曝露時間および硬化放射線のレベルを受けるインクの異なる領域を生じるこ
とができる。プリントヘッドおよび供給源の基材に対する動作の相対的な速度は、供給源
の出力が与えられれば、基材上のインクが受ける放射線のレベルを決定することができる
。基材の異なる領域でのこの曝露の変動は、基材にわたる表面仕上げの不均一性を導き得
る。
【0192】
種々の速度で印刷している間の基材のある領域での固定されたレベルのインクの光沢は
、図9を参照して記載されるような設定を使用して、硬化のレベルを変化させることによ
って達成され得ることが理解される。
【0193】
硬化のレベルは、コントローラ466によって調節され得、これは、電源レギュレータ
462から部分的供給源460へ供給される出力を調節するために使用され得る。あるい
は、印刷システム(不図示)における印刷サーキットがインタフェース472またはイン
タフェース468によってインタフェースして、供給源への入力を、例えば、印刷する間
のプリントヘッドの速度または印刷されるべきイメージに基づいて制御するために使用さ
れ得る。
【0194】
それよりむしろ、いくつかの状況において、印刷されたインクの光沢のレベルを変化さ
せることが望まれ得る。これは、印刷速度とは独立に、例えば、手動制御470を調整す
ることによって、電源レギュレータを調節することによって、またはシグナルインタフェ
ース468によって受ける電気シグナルによって、印刷された基材上の硬化のレベルを変
化させて達成され得る。
【0195】
本発明は、純粋に例示によってのみ記載され、そして細部の改変が本発明の範囲内で行
われ得ることが理解される。
【0196】
明細書、特許請求の範囲、および図面に開示された各特徴は、独立して、または任意の
適切な組み合わせにおいて提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0197】
【図1】図1は、インクジェットプリンタの印刷および硬化装置を模式的に示す。
【図2a】図2aは、図1の硬化装置の配置をより詳細に示す。
【図2b】図2bは、図1の硬化装置の配置をより詳細に示す。
【図3】図3は、硬化装置において使用するための発光ダイオードのアレイの形状を模式的に示す。
【図4】図4は、発光ダイオードのアレイを模式的に示す。
【図5】図5は、プリントカートリッジのための例示的なレイアウトを模式的に示す。
【図6a】図6aは、LEDアレイの配置の底面図を示す。
【図6b】図6bは、LEDアレイの配置の側面図を示す。
【図7a】図7aは、LEDアレイの配置のさらなる例の底面図を示す。
【図7b】図7bは、LEDアレイの配置のさらなる例の側面図を示す。
【図8】図8は、硬化用放射線を供給するためのLEDを使用するプリンタの配置を示す。
【図9】図9は、出力可変放射線供給源を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線硬化型流体を硬化させる方法であって、
硬化されるべき前記流体に向かって放射線供給源から放射線を放射する工程であって、
当該放射線の少なくとも90%が、50nm未満の幅を有するバンドに波長を有する、工
程、および
前記放射線供給源の領域に不活化環境を提供する工程、
を包含する、方法。
【請求項2】
前記流体を基材に塗布する工程をさらに包含し、
前記放射線が、前記基材上の流体に向かって放射され、前記流体が前記基材に塗布され
る領域には不活化環境が提供されない、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記放射線供給源の前記領域にシュラウドを提供する工程をさらに包含する、請求項1
または2に記載の方法。
【請求項4】
窒素不活化環境を提供する工程をさらに包含する、請求項1〜3のいずれかに記載の方
法。
【請求項5】
前記供給源の近傍領域に対して低酸素ガスを供給する工程を包含する、請求項1〜4の
いずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記供給源の前面に気体カーテンを提供する工程をさらに包含する、請求項1〜5のい
ずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記低酸素ガスの方向付けが可能な出口を提供する工程を包含する、請求項5または6
に記載の方法。
【請求項8】
前記供給源の領域に正圧で気体を供給する工程を包含する、請求項1〜7のいずれかに
記載の方法。
【請求項9】
前記供給源がキャビティ内に取り付けられており、前記方法が当該キャビティに正圧を
かける工程を包含する、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記放射線の供給源を冷却する工程を包含する、請求項1〜9のいずれかに記載の方法

【請求項11】
前記放射線供給源がLEDを備える、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記LEDが、UV放射線を放射する、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
LEDのアレイからインクに向かって放射線を放射する工程を包含する、請求項12に
記載の方法。
【請求項14】
前記放射線が、細長い供給源から放射される、請求項1〜13のいずれかに記載の方法

【請求項15】
前記供給源が、LEDのアレイを備え、硬化されるべき前記インクに対して硬化の方向
に移動し、前記LEDが前記硬化される方向に実質的に配列されたカラムを形成しない、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記供給源がLEDの複数の列を備え、あるLEDの列は隣接するLEDの列からオフ
セットされている、請求項11〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記供給源がLEDのN個の列を備え、当該LEDの各列が列の方向に沿ってwのピッ
チを有し、LEDの各列は、隣接する列からYw/Nだけオフセットされており、Y、w
、およびNは、整数である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記流体がインクを含む、請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記流体が、所定の波長の放射線に曝露された場合に反応するように適合されている、
請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記流体が、前記放射線供給源からの放射線に曝露された場合にのみ実質的に反応する
ように適合されている、請求項1〜19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記流体が、前記放射線供給源によって放射される放射線に反応するように適合されて
いる成分を含有する、請求項1〜20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
前記流体が、前記供給源によって放射される放射線に反応するように適合されている光
重合開始剤を含有する、請求項19〜21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
前記流体が、前記供給源によって放射される放射線に対して反応するように適合されて
いる光増感剤を含有する、請求項19〜22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
前記流体が、前記放射線硬化型流体のスペクトル応答を延長するように適合された光増
感剤を含有する、請求項19〜23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
前記流体がインクジェットインクを含有する、請求項1〜24のいずれかに記載の方法

【請求項26】
インクジェット印刷技術を用いて前記インクを基材に塗布する工程をさらに包含する、
請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記放射線供給源の強度を変化させる工程をさらに包含する、請求項1〜26のいずれ
かに記載の方法。
【請求項28】
放射線硬化型流体を硬化させる方法であって、放射線供給源から硬化されるべき流体に
向かって放射線を放射する工程を包含し、前記放射線の少なくとも90%が、50nm未
満の幅を有するバンドに波長を有する、方法。
【請求項29】
少なくとも1つの放射線重合型モノマー、オリゴマー、またはプレポリマー、および光
重合開始剤を含有する光重合開始剤系を含有するインクであって、前記インクを硬化させ
るように、前記光重合開始剤系が、280〜450nmの間の波長を有する放射線を吸収
し、50nm以内のバンド幅の十分な放射線を吸収するように適合されている、インク。
【請求項30】
前記インクが水および揮発性の有機溶媒を実質的に含まない、請求項29に記載のイン
ク。
【請求項31】
少なくとも1つの着色剤をさらに含有する、請求項29または30に記載のインク。
【請求項32】
前記光重合開始剤系が、光増感剤をさらに含有する、請求項29〜31のいずれかに記
載のインク。
【請求項33】
前記インクがインクジェットインクである、請求項29〜32のいずれかに記載のイン
ク。
【請求項34】
前記光重合開始剤系が、前記インクを硬化するために、バンド幅が30nm以内、好ま
しくは、20nm以内の十分な放射線を吸収するように適合されている、請求項29また
は30のいずれかに記載のインク。
【請求項35】
前記光重合開始剤系が、
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−
(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、ビス(2
,6−ジメチルベンゾイル−2,4,4−トリメチルフェニルホスフィンオキシド、およ
びこれらの混合物から選択されるラジカル光重合開始剤;または
ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルフォニウム塩、およびこれらの混合物か
ら選択されるカチオン性光重合開始剤;または
1つ以上の光重合開始剤ならびにケトクマリン、チオキサントン、およびこれらの混合
物から選択される光増感剤、
を含む、請求項29〜34のいずれかに記載のインク。
【請求項36】
放射線硬化型流体を硬化するための装置であって、
硬化されるべき前記流体に向かって放射線を放射するための放射線供給源であって、前
記放射線の少なくとも90%が50nm未満の幅を有するバンドに波長を有する、放射線
供給源と、
前記放射線供給源の領域に不活化環境を提供する手段と、
を備える、装置。
【請求項37】
前記放射線供給源が、LEDを備える、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記供給源が、UV放射線を放射するように適合されている、請求項36または37に
記載の装置。
【請求項39】
前記装置が、供給源のアレイを備える、請求項36〜38のいずれかに記載の装置。
【請求項40】
細長い放射線供給源を備える、請求項36〜39のいずれかに記載の装置。
【請求項41】
前記供給源が、LEDのアレイを備え、硬化されるべきインクに対して硬化の方向に移
動するように配置されており、前記LEDが前記硬化の方向に実質的に沿って配列された
カラムを形成しない、請求項40に記載の装置。
【請求項42】
LEDの複数の列を備え、あるLEDの列は隣接するLEDの列からオフセットされて
いる、請求項36〜41のいずれかに記載の装置。
【請求項43】
前記供給源が、LEDのN個の列を備え、各列のLEDは、列の方向に沿ってwのピッ
チを有し、LEDの各列は、隣接する列からYw/Nだけオフセットされており、Y、w
、およびNは整数である、請求項42に記載の装置。
【請求項44】
酸素が低減されたガスの供給源を備える、請求項36〜43のいずれかに記載の装置。
【請求項45】
窒素供給源を備える、請求項36〜44のいずれかに記載の装置。
【請求項46】
前記不活化環境が前記プリントヘッドの領域に提供されないように配置された、プリン
トヘッドをさらに備える、請求項36〜45のいずれかに記載の装置。
【請求項47】
前記放射線供給源の領域にシュラウドをさらに備える、請求項36〜46のいずれかに
記載の装置。
【請求項48】
前記供給源の前面に気体カーテンを提供する手段をさらに備える、請求項36〜47の
いずれかに記載の装置。
【請求項49】
前記気体の出口を備えており、該出口が方向付け可能である、請求項36〜48のいず
れかに記載の装置。
【請求項50】
前記供給源の領域に正圧で気体を供給するための供給源の近傍に気体の出口を備える、
請求項36〜49のいずれかに記載の装置。
【請求項51】
キャビティを備え、前記供給源が前記キャビティ内に取り付けられており、前記装置が
前記キャビティに正圧をかけるための手段を備える、請求項36〜50のいずれかに記載
の装置。
【請求項52】
前記放射線の供給源を冷却する手段を備える、請求項36〜51のいずれかに記載の装
置。
【請求項53】
a)ファン;
b)ヒートシンク;および
c)冷却用フィン
のうちの1つ以上を備える、請求項46に記載の装置。
【請求項54】
前記流体がインクである、請求項36〜46のいずれかに記載の装置。
【請求項55】
放射線硬化型流体を硬化するための装置であって、
硬化されるべき流体に向かって放射線を放射する放射線供給源を備え、
前記供給源から放射される前記放射線の少なくとも95%が、50nm未満の幅を有す
るバンドに波長を有する、装置。
【請求項56】
前記流体が、所定の波長の放射線に曝露された場合に反応するように適合されている、
請求項36〜55のいずれかに記載の装置。
【請求項57】
基材上にインクを放射するためのインクジェットプリントヘッドをさらに備える、請求
項36〜56のいずれかに記載の装置。
【請求項58】
請求項36〜57のいずれかに記載の装置を備えるプリンタ。
【請求項59】
前記放射線供給源が可動的に取り付けられている、請求項58に記載のプリンタ。
【請求項60】
インクジェットプリンタを含む、請求項58または59に記載のプリンタ。
【請求項61】
インクジェットプリンタにおいてインクを硬化することに使用されるように適合されて
いる発光ダイオードのアレイ。
【請求項62】
添付の図1〜9の1つ以上を参照して本明細書中に実質的に記載されている方法。
【請求項63】
添付の図1〜9の1つ以上を参照され、かつそこに例示されて本明細書中に実質的に記
載されている装置。
【請求項64】
本明細書中に実質的に記載されているインク。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−188729(P2010−188729A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−33292(P2010−33292)
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【分割の表示】特願2005−502591(P2005−502591)の分割
【原出願日】平成15年12月22日(2003.12.22)
【出願人】(505229896)インカ デジタル プリンターズ リミテッド (2)
【出願人】(500007897)セリコル リミテッド (15)
【Fターム(参考)】