説明

硬質ポリウレタン発泡体組成物、硬質ポリウレタン発泡体およびこれを用いた合成木材

【課題】 意匠性、切断加工性、ねじ打ち性に優れる硬質ポリウレタン発泡体組成物を提供する。
【解決手段】
ポリオール成分(A)と有機イソシアネート成分(B)とからなる硬質ポリウレタン発泡体組成物であって、ポリオール成分(A)が、水酸基数が4〜8であり平均水酸基価が400〜800mgKOH/gであるポリエーテルポリオール(A1)、水酸基数が2〜4であり平均水酸基価が20〜70mgKOH/gであるポリエーテルポリオール(A2)、水酸基数が2〜3であり平均水酸基価が600〜1800mgKOH/gであるポリオール(A3)を含有し、その配合割合(重量比)が、(A1)/(A2)/(A3)=30〜90/5〜35/5〜35である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬質ポリウレタン発泡体組成物、硬質ポリウレタン発泡体およびこれを用いた合成木材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家具、家屋装飾材に関しては、周知のごとく木材が広く用いられてきた。しかしながら、近年、環境保護の観点から南洋材を始めとする木材の伐採規制が強化されており、これまで木材が用いられてきた分野における非木材化が求められており、木材代替品の開発がなされている。
【0003】
このような木材代替品として、特許文献1では、繊維強化樹脂(FRP)板と硬質ポリウレタン発泡体からなる車両部材用のパネル材が開示されている。しかしながら、上記パネル材は異なる2種類の材料を用いていることから、FRP板の製造工程とFRP板に硬質ポリウレタン発泡体組成物を注入発泡する工程との2工程が必要であり、生産性が十分ではなかった。また、この硬質ポリウレタン発泡体を単独で使用した場合には、良好な切断加工性が得られない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−042653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、意匠性、切断加工性、ねじ打ち性に優れる硬質ポリウレタン発泡体を短時間で製造できる硬質ポリウレタン発泡体組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、硬質ポリウレタン発泡体組成物として特定のポリオール成分を特定の割合で用いることにより、上記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0007】
即ち、本発明の硬質ポリウレタン発泡体組成物は、ポリオール成分(A)と有機イソシアネート成分(B)からなる硬質ウレタン発泡体組成物であって、ポリオール成分(A)が、水酸基数が4〜8であり平均水酸基価が400〜800mgKOH/gであるポリエーテルポリオール(A1)、水酸基数が2〜4であり平均水酸基価が20〜70mgKOH/gであるポリエーテルポリオール(A2)および水酸基数が2〜3であり平均水酸基価が600〜1800mgKOH/gであるポリオール(A3)とを含有し、その配合割合(重量比)が、(A1)/(A2)/(A3)=30〜90/5〜35/5〜35であることを特徴とする。
【0008】
本発明の硬質ポリウレタン発泡体は、前記硬質ポリウレタン発泡体組成物を用いて得られることを特徴とする。
【0009】
本発明の合成木材は、前記硬質ポリウレタン発泡体からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の硬質ポリウレタン発泡体組成物を用いることにより、意匠性、切断加工性、ねじ打ち性に優れる硬質ポリウレタン発泡体を得ることかできる。また、硬質ポリウレタン発泡体のみで合成木材を製造することができるため、生産性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の硬質ポリウレタン発泡体組成物は、ポリオール成分(A)として、水酸基数が4〜8であり平均水酸基価が400〜800mgKOH/gであるポリエーテルポリオール(A1)、水酸基数が2〜4であり平均水酸基価が20〜70mgKOH/gであるポリエーテルポリオール(A2)および水酸基数が2〜3であり平均水酸基価が600〜1800mgKOH/gであるポリオール(A3)とを含有し、その配合割合(重量比)が、(A1)/(A2)/(A3)=30〜90/5〜35/5〜35を重量比である。
【0012】
なお、本発明のポリオールの水酸基数は1分子中に含まれる水酸基数のことであり、アルキレンオキサイドを付加したポリオールにおいては、アルキレンオキサイドを付加する前の出発原料に含まれる水酸基数を意味する。
【0013】
また、本発明のポリオールの平均水酸基価は、JIS K 1557に準じて測定したものである。
【0014】
本発明に用いるポリエーテルポリオール(A1)は、水酸基数が4〜8であり平均水酸基価が400〜800mgKOH/gである。また、好ましい水酸基数は6〜8、好ましい平均水酸基価は400〜600mgKOH/gである。上記範囲内とすることにより、得られる発泡体の意匠性、切断加工性、ねじ打ち性が良好なものとなる。
【0015】
このようなポリエーテルポリオールとしては、例えば、ペンタエリスリトールなどの4つの水酸基を有するポリオール、ソルビトールなどの6つの水酸基を有するポリオール、蔗糖などの8つの水酸基を有するポリオールを出発原料とし、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを平均水酸基価が上記範囲内となるように付加重合したものが挙げられる。
【0016】
本発明に用いるポリエーテルポリオール(A2)は、水酸基数が2〜4であり、平均水酸基価が20〜70mgKOH/gである。また、好ましい平均水酸基価は30〜60mgKOH/gである。上記範囲内とすることにより、得られる発泡体の意匠性、切断加工性、ねじ打ち性が良好なものとなる。
【0017】
このようなポリエーテルポリオールとしては、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの2つの水酸基を有するポリオール、グリセリン、トリメチロールプロパンなどの3つの水酸基を有するポリオール、ペンタエリスリトールなどの4つの水酸基を有するポリオールを出発原料とし、ポリエーテルポリオール(A1)と同様のアルキレンオキサイドを平均水酸基価が上記範囲内となるように付加重合したものが挙げられる。
【0018】
本発明に用いるポリオール(A3)は、水酸基数が2〜3であり、平均水酸基価が600〜1800mgKOH/gである。上記範囲内とすることにより、得られる発泡体の意匠性、切断加工性、ねじ打ち性が良好なものとなる。このようなポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール(A2)の出発物質として例示した2つの水酸基を有するポリオールや3つの水酸基を有するポリオールのほか、ジエタノールアミンやトリエタノールアミンなどのアミノアルコールが挙げられる。また、これらを出発物質として、平均水酸基価が600〜1800mgKOH/gとなるようにポリエーテルポリオール(A1)と同様のアルキレンオキサイドを付加重合したものも挙げられる。
【0019】
本発明のポリエーテルポリオール(A1)とポリエーテルポリオール(A2)とポリオール(A3)との配合割合(重量比)は、(A1)/(A2)/(A3)=30〜90/5〜35/5〜35であり、好ましくは40〜80/5〜30/15〜30である。各ポリオールの配合割合を上記範囲内とすることにより、得られる発泡体の意匠性、切断加工性、ねじ打ち性が良好なものとなる。
【0020】
本発明に用いる有機イソシアネート成分(B)に用いるイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルジイソシアネート、ポリメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のイソシアネート化合物を挙げることができる。また、ポリエーテルポリオール、トリメチロールプロパンなどの多価アルコールなどで変性したウレタンプレポリマー変性物、二量化変性物、三量化変性物、ウレア変性物、カルボジイミド変性物などを使用してもよい。これらのイソシアネート化合物は、2種類以上併用してもよい。これらのうち、得られる硬質ポリウレタン樹脂の意匠性がより良好となることから、TDI、MDIおよびこれらをポリエーテルポリオールで変性したものが好ましい。
【0021】
本発明の硬質ポリウレタン発泡体組成物には、発泡剤として、通常、硬質ポリウレタン発泡体組成物に用いられるものが使用される。このような発泡剤としては、例えば、水、HFC−134a、HFC−152a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−365−mfcなどのハイドロフルオロカーボン、塩化メチレン、ペンタンおよびシクロペンタンなどの低沸点炭化水素、液化炭酸ガスなどが挙げられる。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を併用して使用してもよい。これらのうち、非可燃性であり、地球温暖化係数が小さいことから、水および液化炭酸ガスが好適に用いられる。
【0022】
本発明のポリオール成分(A)には、本発明の効果を損なわない程度に、他のポリオールを使用することができる。このようなポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールなどが挙げられる。
【0023】
本発明に用いるポリオール成分(A)と有機イソシアネート成分(B)との配合割合は、NCO/OH比(活性水素基に対するイソシアネート基の当量比)が0.9〜3.0が好ましく、0.9〜1.5がさらに好ましい。上記範囲内とすることにより、得られる発泡体の切断加工性、ねじ打ち性が良好なものとなる。
【0024】
本発明の硬質ポリウレタン発泡体組成物には、反応性や硬化時間を調整するために触媒を使用することができる。このような触媒としては、硬質ポリウレタン発泡体組成物に通常使用される3級アミンやジアザビシクロアルケン類およびその塩類、有機金属化合物などが挙げられる。
【0025】
3級アミンとしては、例えば、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、N−メチルモルホリン、ジメチルエタノールアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、1,2−ジメチルイミダゾールなどが挙げられる。
【0026】
有機金属化合物としては、例えば、亜鉛、錫、鉛、ジルコニウム、ビスマス、コバルト、マンガン、鉄などの金属とオクテン酸、ナフテン酸などの有機酸との金属塩、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、チタンアセチルアセトナート、アセチルアセトンアルミニウム、アセチルアセトンコバルト、アセチルアセトン鉄、アセチルアセトン銅、アセチルアセトン亜鉛などの金属キレート化合物が挙げられる。
【0027】
これらの触媒は、いずれも単独あるいは2種以上混合して使用することができる。
【0028】
また、本発明の硬質ポリウレタン発泡体組成物には、整泡剤を使用することができる。このような整泡剤としては、通常硬質ポリウレタン樹脂の製造に使用されるものが使用でき、例えば、ポリアルキルシロキサン−ポリオキシアルキレンブロックコポリマーなどのシリコーン製泡剤が挙げられる。
【0029】
さらに、本発明の硬質ポリウレタン発泡体組成物には、充填剤、界面活性剤、酸化防止剤、難燃剤、抗カビ剤、消臭剤、分散剤、変色防止剤、可塑剤、香料などの添加剤を使用することができる。
【0030】
本発明の硬質ポリウレタン発泡体の製造方法は特に限定されないが、一例として、下記の方法が挙げられる。
【0031】
まず、ポリオール成分(A)として、ポリエーテルポリオール(A1)、ポリエーテルポリオール(A2)、ポリエーテルポリオール(A3)および発泡剤、必要により触媒、整泡剤などの助剤を所定量混合する。続いて、ホモディスパーなどの攪拌機、または、低圧もしくは高圧発泡機を用いて、ポリオール成分(A)とポリイソシアネート成分(B)を所定量混合し、得られた混合液を密閉式モールドに注入し、所定時間養生して硬化させた後、脱型することにより硬質ポリウレタン発泡体が得られる。
【0032】
本発明の硬質ポリウレタン発泡体の圧縮強度は、1〜20MPaであることが好ましく、2〜15MPaであることがより好ましい。上記範囲内とすることにより、得られる発泡体の切断加工性が良好なものとなる。
【0033】
本発明の硬質ポリウレタン発泡体の曲げ弾性率は、1〜15MPaであることが好ましく、2〜10MPaであることがより好ましい。上記範囲内とすることにより、得られる発泡体の切断加工性が良好なものとなる。
【0034】
本発明の硬質ポリウレタン発泡体は、曲げ弾性率に対する圧縮強度の比(圧縮強度/曲げ弾性率)が1〜2であることが好ましい。上記範囲内とすることにより、得られる発泡体の切断加工性が良好なものとなる。
【0035】
本発明の硬質ポリウレタン発泡体は、さらに表面に耐光性塗料などを塗布することができる。
【0036】
本発明の合成木材は、硬質ポリウレタン発泡体製造時に使用するモールドとして、木目状に形状を付けたモールドを使用し、外観を木材と同様にしたものである。
【実施例】
【0037】
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。なお、後述する実施例、比較例中の「部」及び「%」は特に断らない限り各々、重量部、重量%を示す。
【0038】
<使用原料>
(ポリエーテルポリオールA1−1)
ソルビトールにプロピレンオキサイドを付加重合した平均水酸基価550mgKOH/gのポリエーテルポリオール
(ポリエーテルポリオールA1−2)
蔗糖にプロピレンオキサイドを付加重合した平均水酸基価450mgKOH/gのポリエーテルポリオール
(ポリエーテルポリオールA1−3)
グリセリンにプロピレンオキサイドを付加重合した平均水酸基価480mgKOH/gのポリエーテルポリオール
(ポリエーテルポリオールA2−1)
プロピレングリコールにプロピレンオキサイドを付加重合した平均水酸基価56mgKOH/gのポリエーテルポリオール
(ポリエーテルポリオールA2−2)
グリセリンにプロピレンオキサイドを付加重合した平均水酸基価56mgKOH/gのポリエーテルポリオール
(ポリエーテルポリオールA2−3)
ペンタエリスリトールにプロピレンオキサイドおよびエチレンオキサイドを付加重合した平均水酸基価39mgKOH/gのポリエーテルポリオール(商品名:ハイフレックス515、第一工業製薬社製)
(ポリオールA3−1)
1,5−ペンタンジオール(平均水酸基価1075mgKOH/g)
(ポリオールA3−2)
トリメチロールプロパンにプロピレンオキサイドを付加重合した平均水酸基価865mgKOH/gのポリエーテルポリオール
(ポリオールA3−3)
1,2−プロパンジオール(平均水酸基価1471mgKOH/g)
(発泡剤)
蒸留水
(触媒)
トリエチレンジアミンの33重量%ジプロピレングリコール溶液(商品名:TEDAL−33、東ソー社製)
(イソシアネート化合物1)
遊離イソシアネートを31重量%含むポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート
(イソシアネート化合物2)
遊離イソシアネートを29重量%含むポリオール変性ポリイソシアネート(商品名:DKシステムB−2711、第一工業製薬株式会社製)
【0039】
<実施例1〜8、比較例1〜3>
表1に記載の配合からなるポリオール成分(A)とイソシアネート成分(B)とを液温22℃に調整した。続いて、ポリオール成分(A)とイソシアネート成分(B)とを混合後、ただちにホモディスパー(東洋精機社製)を用いて、回転数4500rpmで10秒間激しく攪拌した。これを、あらかじめ55℃に調整した木目状に形状を付けた密閉型金属モールド(325mm×155mm×30mm)に投入し、55℃で10分間養生した後、脱型することにより硬質ポリウレタン発泡体を得た。
【0040】
得られた硬質ポリウレタン発泡体の評価は、下記の方法により行った。なお、各物性の測定は、硬質ポリウレタン発泡体を脱型後、25℃で24時間静置した硬質ポリウレタン発泡体を用いた。
<意匠性>
硬質ポリウレタン発泡体の表面を観察し、金型の木目が発泡体表面に表れるものを○とし、表れないものを×とした。
<ねじ打ち性>
振動ドリル&ドライバー(商品名:EZ6901、パナソニック電工社製、ネジ締め速度の目盛5)を用いて、呼び径3.5mmの木ネジを前記振動ドリル&ドライバーが自動停止するまで硬質ポリウレタン発泡体に打ち込んだ。ネジ頭頂部と硬質ポリウレタン発泡体表面との差が1mm以下である場合を○、ネジ頭頂部と硬質ポリウレタン発泡体表面との差が1mmを超える場合を×とした。
<切断加工性>
木工用パネルソー(商品名:KVPF−800FKLH1D1B、協和機工社製)を用いて硬質ポリウレタン発泡体を切断し、切断可能な場合を○、切断不可の場合を×とした。
<発泡体密度>
JIS K 7222に準拠して測定した。
<曲げ弾性率>
JIS A 9511に準拠して、硬質ポリウレタン発泡体から4mm×10mm×100mmの試験片を切り出し、インストロン万能試験機で測定した。
<圧縮強度>
JIS A 9511に準拠して、硬質ポリウレタン発泡体から30mm×30mm×20mmの試験片を切り出し、硬質ポリウレタン発泡体の発泡方向対して垂直方向の一軸圧縮強度をインストロン万能試験機で測定した。
【0041】
【表1】

【0042】
表1から明らかなように、実施例1〜8では、意匠性、ネジ打ち性および切断加工性に優れた硬質ポリウレタン発泡体が得られている。
【0043】
一方、比較例1のように、ポリオール成分(A)に含まれる各ポリオールの配合量が本発明の範囲外である場合には、意匠性、ネジ打ち性および切断加工性が不良であり、曲げ弾性率や圧縮強度が低くなることがわかる。
【0044】
また、比較例2のように、ポリエーテルポリオール(A2)を用いない場合には、ネジ打ち性が不良であり、曲げ弾性率や圧縮強度が低くなることがわかる。
【0045】
さらに、比較例3のように、ポリエーテルポリオール(A1)に代えて水酸基数が3であるポリエーテルポリオールを用いた場合には、ネジ打ち性および切断加工性が不良となることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明の硬質ポリウレタン発泡体組成物は、意匠性、切断加工性、ねじ打ち性に優れる硬質ポリウレタン発泡体を提供することができる。したがって、従来の合成木材が用いられている分野、例えば、家具、家屋装飾材などの用途に使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオール成分(A)と有機イソシアネート成分(B)とからなる硬質ポリウレタン発泡体組成物であって、ポリオール成分(A)が、水酸基数が4〜8であり平均水酸基価が400〜800mgKOH/gであるポリエーテルポリオール(A1)、水酸基数が2〜4であり平均水酸基価が20〜70mgKOH/gであるポリエーテルポリオール(A2)および水酸基数が2〜3であり平均水酸基価が600〜1800mgKOH/gであるポリオール(A3)を含有し、その配合割合(重量比)が、(A1)/(A2)/(A3)=30〜90/5〜35/5〜35であることを特徴とする硬質ポリウレタン発泡体組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の硬質ポリウレタン発泡体組成物から得られる硬質ポリウレタン発泡体。
【請求項3】
請求項2に記載の硬質ポリウレタン発泡体からなる合成木材。

【公開番号】特開2010−280839(P2010−280839A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−136061(P2009−136061)
【出願日】平成21年6月5日(2009.6.5)
【出願人】(000003506)第一工業製薬株式会社 (491)
【Fターム(参考)】