説明

硬質発泡合成樹脂の製造方法

【課題】発泡剤としてハイドロフルオロエーテル類を用いて、良好な特性を有する硬質フォームが得られるようにする。
【解決手段】ポリオール(A)を20〜99.998質量%、ポリマー粒子を0.002〜30質量%含み、平均水酸基数が2〜8、平均水酸基価が100〜800mgKOH/gであるポリオール組成物(P)と、ポリイソシアネート化合物とを、発泡剤、整泡剤および触媒の存在下で反応させて硬質発泡合成樹脂を製造する。発泡剤はC−O−C(a、bは1〜5、a+bは2〜6、c、dは0〜10、c+d≧1、e、fは0〜10、e+f≧2、c+d<e+f)で表されるハイドロフルオロエーテル類を含む。ポリオール(A)は、マンニッヒ縮合物を開始剤として、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルポリオールである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は硬質発泡合成樹脂の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリオール等の活性水素化合物とポリイソシアネート化合物とを整泡剤、触媒および発泡剤の存在下で反応させて、硬質ポリウレタンフォーム、硬質ウレタン変性ポリイソシアヌレートフォームまたは硬質ポリウレアフォーム等の硬質発泡合成樹脂(以下総称して、硬質フォームという。)を製造することは広く行われている。
【0003】
発泡剤に関しては、従来用いられてきた塩素化フッ素化炭素化合物(クロロフルオロカーボン化合物、CClF等のいわゆるCFC類)および塩素化フッ素化炭化水素化合物(ハイドロクロロフルオロカーボン化合物、CClFCH等のいわゆるHCFC類)は、環境保護(オゾン層保護)の観点から使用が規制されているため、これらに代わる発泡剤が求められてきた。
【0004】
上記問題の解決策として、水素化フッ素化炭化水素化合物(CHFCHCF、CHCFCHCF等のハイドロフルオロカーボン(HFC)類)が用いられている。しかしながら、該HFC類はオゾン層破壊係数(ODP)がゼロであるが、高い地球温暖化係数(GWP)を有するため、さらなる代替発泡剤が求められている。その候補物質の1つとしてハイドロフルオロエーテル(HFE)類が提唱されている。
【0005】
下記特許文献1、2には、大気中に放出された場合にもオゾン層を破壊しない発泡剤として、1,1,2,2−テトラフルオロメチルエーテル等のハイドロフルオロエーテル類を用いて硬質フォームを製造する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−23259号公報
【特許文献2】特開2009−13248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、前記特許文献1、2では、発泡剤であるハイドロフルオロエーテル類(以降HFEと記載することもある)、と組み合わせて用いるポリオールについての検討はなされておらず、必ずしも特性が良好な硬質フォームが得られるわけでない。特に近年求められるフォームの軽量化については検討がなされていない。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、発泡剤としてハイドロフルオロエーテル類を用いて、良好な特性を有する硬質フォームが得られるようにすることを目的とする。特にスプレー法を用いて良好な特性を有する硬質フォームを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は以下の[1]〜[10]である。
[1]ポリオール組成物(P)とポリイソシアネート化合物とを、発泡剤、整泡剤および触媒の存在下で反応させて硬質発泡合成樹脂を製造する方法であって、
前記ポリオール組成物(P)が下記ポリオール(A)を20〜99.998質量%、ポリマー粒子を0.002〜30質量%含み、該ポリオール組成物(P)の平均水酸基数が2〜8、平均水酸基価が100〜800mgKOH/gであり、前記発泡剤が下式(I)で表されるハイドロフルオロエーテル類(I)
−O−C …(I)
(式中、a、bはそれぞれ独立に1〜5の整数であり、a+bは2〜6であり、c、dはそれぞれ独立に0または1〜10の整数であり、c+d≧1であり、e、fはそれぞれ独立に0または1〜10の整数であり、e+f≧2であり、c+d<e+fである。)
を含むことを特徴とする硬質発泡合成樹脂の製造方法。
ポリオール(A):フェノール類、アルデヒド類、およびアルカノールアミン類を反応させて得られるマンニッヒ縮合物を開始剤として、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルポリオール。
【0009】
[2]前記ポリマー粒子が重合性不飽和基を有するモノマーを重合させて得られるポリマー粒子である、[1]に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
[3]前記ポリオール組成物(P)が、下記ポリオール(B)を0質量%超、70質量%以下含む、[1]または[2]の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
ポリオール(B):アミン化合物(マンニッヒ縮合物を除く)を開始剤として、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルポリオール。
[4]前記ポリオール組成物(P)が、下記ポリオール(C)を0質量%超、40質量%以下含む、[1]〜[3]の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
ポリオール(C):活性水素原子数が2〜6の多価アルコールを開始剤として、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルポリオール。
[5]前記ポリオール組成物(P)が、下記ポリオール(D)を0質量%超、70質量%以下含む、[1]〜[4]の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
ポリオール(D):芳香族化合物を含むモノマー混合物を重縮合して製造されたポリエステルポリオール。
[6]前記ポリオール組成物(P)がポリマー分散ポリオール(W)を含む、[1]〜[5]の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
【0010】
[7]前記ハイドロフルオロエーテル類(I)が、1,1,2,2−テトラフルオロメチルエーテル(HFE−254pc)を含む、[1]〜[6]の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
[8]前記ハイドロフルオロエーテル類(I)が、前記HFE−254pcと、該HFE−254pcよりも沸点が低い不燃性のハイドロフルオロエーテル類(I)を含む、[7]の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
[9]前記ハイドロフルオロエーテル類(I)が、前記HFE−254pcと、該HFE−254pcよりも沸点が高い不燃性のハイドロフルオロエーテル類(I)を含む、[7]の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
[10]スプレー法を用いる、[1]〜[9]のいずれかの硬質発泡合成樹脂の製造方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、発泡剤としてハイドロフルオロエーテル類を用いて、良好な特性、特に軽量化した場合でも寸法安定性が良好な硬質フォームを製造することができる。特にスプレー法において良好な特性を有する硬質フォームを製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書における「ポリオール組成物(P)」とは、ポリイソシアネート化合物との反応に用いるポリオール(ポリマー分散ポリオールを含む)の全部の混合物である。
本明細書における「ポリオールシステム液」とは、ポリイソシアネート化合物と反応させる相手の液であり、ポリオール組成物(P)のほかに発泡剤、整泡剤、触媒等、必要に応じた配合剤を含む液である。
本明細書における「マンニッヒ縮合物」とは、一般にアニリン、フェノール類等の芳香族化合物と、アルデヒド類と、アミン類とを縮合反応(以下、マンニッヒ縮合反応ということもある。)させて得られる化合物を意味する。
本発明における「ポリマー分散ポリオール」とは、ポリエーテルポリオールまたはポリエステルポリオール等のベースポリオール(W’)中で、重合性不飽和結合を有するモノマーを重合させてポリマー粒子を形成することによって得られるもので、該ベースポリオール(W’)中に該ポリマー粒子を分散させたポリオール(W)である。
【0013】
[ポリオール(A)]
本発明におけるポリオール組成物(P)は、少なくともポリオール(A)を含むポリオール混合物とポリマー粒子、またはポリオール(A)とポリマー粒子からなる。
ポリオール(A)は、フェノール類とアルデヒド類とアルカノールアミン類とを反応させて得られるマンニッヒ縮合物を開始剤として、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルポリオール(マンニッヒポリオール)である。該マンニッヒポリオールは難燃性向上に寄与する。
【0014】
フェノール類は、フェノール、およびフェノールの水酸基に対して少なくとも1か所のオルト位に水素原子を有するフェノール誘導体からなる群から選ばれる1種以上である。すなわち、フェノールの水酸基に対して少なくとも1か所のオルト位に水素原子を有していればよく、フェノールであってもよく、フェノール誘導体であってもよい。フェノール類は1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
フェノール誘導体としては、フェノールの水酸基に対して少なくとも1か所のオルト位に水素原子を有し、それ以外の、芳香環に結合した水素原子の1個以上が炭素数1〜15のアルキル基で置換されたアルキルフェノールが好ましい。アルキルフェノールにおけるアルキル基の置換位置はオルト位、メタ位、パラ位のいずれでもよい。アルキルフェノールの1分子中、アルキル基で置換された水素原子の数は1〜4個であり、1〜2個が好ましく、1個が特に好ましい。
アルキルフェノールにおけるアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜10である。該アルキルフェノールとして、ノニルフェノール、クレゾールが好ましく用いられる。特にノニルフェノールは、ポリオール(A)とポリイソシアネート化合物との相溶性を向上させ、セル外観を向上させる点で好ましい。
【0015】
アルデヒド類としては、ホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドの一方または両方の混合物が用いられる。これらのうちで、ホルムアルデヒドがマンニッヒ反応の反応性の点で好ましい。ホルムアルデヒドはどのような形態で使用してもよく、具体的にはホルマリン水溶液、メタノール溶液、またはパラホルムアルデヒドとして使用できる。パラホルムアルデヒドとして使用する場合は、パラホルムアルデヒドを加熱してホルムアルデヒドを生成させ、該ホルムアルデヒドを本工程の反応に用いてもよい。なお、使用量は、ホルムアルデヒド換算のモル数で計算する。
【0016】
アルカノールアミン類は、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンおよび1−アミノ−2−プロパノールからなる群から選ばれる1種以上である。これらのうちで、ジエタノールアミンが、低粘度のマンニッヒポリオールが得られやすい点で好ましい。
【0017】
開始剤として用いるマンニッヒ縮合物は、上記フェノール類と、アルデヒド類と、アルカノールアミン類とをマンニッヒ縮合反応させて得られる反応生成物である。該反応生成物には反応後に残存する未反応物も含まれるものとする。マンニッヒ縮合反応は公知の方法で実施できる。
マンニッヒ縮合反応に用いる原料において、フェノール類の1モルに対する、アルデヒド類の割合は0.3モル以上3モル以下が好ましい。該アルデヒド類の割合が上記範囲の下限値以上であると、硬質フォームの良好な寸法安定性が得られやすい。上限値以下であると低粘度のマンニッヒポリオールを得やすくなる。また、マンニッヒポリオールの粘度がより低くなりやすい点では、0.3モル以上0.9モル未満が好ましく、得られる硬質フォームの強度の点からは0.9モル以上1.5モル以下がより好ましい。
マンニッヒ縮合反応に用いる原料において、アルデヒド類の1モルに対する、アルカノールアミン類の割合は0.7モル以上12モル以下が好ましい。該アルカノールアミン類の割合が上記範囲の下限値以上であると、良好な強度の硬質フォームが得られやすい。上限値以下であると良好な難燃性の硬質フォームが得られやすい。また、得られる硬質フォームの難燃性の点からは、0.7モル以上5モル以下が好ましい。低粘度のマンニッヒポリオールを得る点からは、0.7モル以上5モル以下が好ましく、0.7モル以上3.5モル以下が特に好ましい。
【0018】
マンニッヒポリオールの製造に用いるアルキレンオキシドは、エチレンオキシド(以下、EOともいう。)、プロピレンオキシド(以下、POともいう。)、およびブチレンオキシドからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。該アルキレンオキシドがエチレンオキシドを含むことが好ましく、エチレンオキシドのみ、またはエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの組み合わせがより好ましい。
EOおよび/またはPOを使用する場合、以下のいずれの方法を用いてもよい。
(1)EOを単独で開環付加重合する方法。
(2)POを単独で開環付加重合する方法。
(3)POとEOの混合物を開環付加重合する方法。
(4)上記(1)〜(3)の方法を任意に組み合わせて開環付加重合する方法。
【0019】
開始剤に付加するアルキレンオキシドの付加量は、マンニッヒ縮合反応に使用するフェノール類の1モルに対して2〜30モルが好ましく、4〜20モルが特に好ましい。アルキレンオキシドの付加量が上記範囲の下限値以上であると、生成するマンニッヒポリオールの水酸基価および粘度が低くなりやすい。上記範囲の上限値以下であると、硬質フォームの収縮を抑えやすい。
開環付加重合反応に使用するアルキレンオキシドの全量中における、エチレンオキシドの含有量(以下、全エチレンオキシド含有量、または全EO含有量ともいう。)が10〜100質量%が好ましく、20〜100質量%が特に好ましい。上記範囲の下限値以上であるとマンニッヒポリオールの粘度が低くなりやすく、ポリオール組成物(P)の粘度およびポリオールシステム液の粘度を低くする上で好ましい。
なお、ポリオール(A)して、複数種のマンニッヒポリオールを組み合わせて用いる場合、上記全EO含有量は、ポリオール(A)全体としての値である。
【0020】
開始剤の活性水素原子にアルキレンオキシドを反応させることにより、アルキレンオキシドが開環付加してオキシアルキレン基を有するポリオールが生成する。活性水素原子に1分子のアルキレンオキシドが開環付加することによりヒドロキシアルキル基が生成し、また、その水酸基に引き続きアルキレンオキシドが開環付加し、この反応が繰り返されてオキシアルキレン基の連鎖が生成する。
【0021】
ポリオール(A)の水酸基価は100〜800mgKOH/gが好ましく、200〜550mgKOH/gがより好ましく、250〜450mgKOH/gが特に好ましい。
ポリオール(A)の水酸基価が上記範囲の下限値以上であると、得られる硬質フォームの強度が確保し易く、良好な寸法安定性が得られやすいため好ましい。一方、上記範囲の上限値以下であると、マンニッヒポリオール中に存在するアルキレンオキシド由来のオキシアルキレン鎖の量が増え、マンニッヒポリオールの粘度が下がりやすく好ましい。また、製造される硬質フォームの脆さが抑制され接着性が出やすい。
【0022】
ポリオール組成物(P)におけるポリオール(A)の含有量は、20〜100質量%であり、20〜70質量%が好ましく、25〜60質量%がより好ましく、30〜60質量%がさらに好ましく、30〜50質量%が特に好ましい。ポリオール(A)の含有量が、上記範囲の下限値以上であると、接着性および難燃性が良好な硬質フォームが得られる。上記範囲の上限値以下であるとポリオールシステム液の粘度が高くなりすぎず取り扱いが容易である。
【0023】
[ポリオール(B)]
ポリオール(B)は、アミン化合物(マンニッヒ縮合物を除く)を開始剤として、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルポリオールである。ポリオール(B)はウレタン化反応の初期の活性を高める効果に寄与する。ポリオール(B)は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
開始剤であるアミン化合物の活性水素原子数は2〜6が好ましく、3〜6がより好ましく、3〜4が特に好ましい。
【0024】
開始剤であるアミン化合物としては、アルカノールアミン類(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等)、アルキルアミン類(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン)等の脂肪族アミン化合物;N−アミノメチルピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジンなどの飽和環状アミン化合物;アニリン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミンなどの芳香族アミン化合物(マンニッヒ縮合物を含まない)が挙げられる。ウレタン化反応の初期の活性を高める効果の点から、脂肪族アミン化合物または飽和環状アミン化合物が好ましい。
【0025】
ポリオール(B)の製造に用いるアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等が例示できる。プロピレンオキシド単独の使用、またはエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの併用が好ましい。併用する場合、エチレンオキシドとプロピレンオキシドは、混合してから反応させても、順次反応させてもよい。
【0026】
ポリオール(B)の水酸基数は2〜6が好ましく、3〜6がより好ましく、3〜4が特に好ましい。上記範囲の下限値以上であると硬質フォームの収縮を抑制し、上限値以下であると粘度が適度な範囲となり、取り扱いが容易である。
ポリオール(B)の水酸基価は100〜800mgKOH/gが好ましく、200〜600mgKOH/gがより好ましく、300〜500mgKOH/gが特に好ましい。ポリオール(B)の水酸基価が上記範囲の下限値以上であると、硬質フォームの強度が向上し、収縮が抑制されて寸法安定性が向上する。上記範囲の上限値以下であると、粘度が高くなりすぎず取り扱いが容易である。
【0027】
本発明において、ポリオール(B)は必須ではないが、ポリオール(B)を用いる場合、ポリオール組成物(P)におけるポリオール(B)の含有量は、0質量%超、70質量%以下が好ましく、1〜40質量%がより好ましく、3〜35質量%がさらに好ましく、3〜30質量%が特に好ましい。ポリオール(B)の含有量が、上記範囲の下限値以上であると、硬質フォームの収縮が抑制されて、良好な寸法安定性が得られやすい。上記範囲の上限値以下であると硬質フォームの成形時において良好な硬化特性(キュアー性)を確保しやすい。
【0028】
[ポリオール(C)]
ポリオール(C)は、活性水素原子数が2〜8の多価アルコールを開始剤として、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルポリオールである。ポリオール(A)のほかにポリオール(C)を用いることによりポリオール組成物(P)の粘度が高くなりすぎるのを防止することができる。
ポリオール(C)は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0029】
開始剤である多価アルコールとしては、水、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の2価アルコール;グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール等の3価アルコール;ペンタエリスリトール、ジグリセリン、テトラメチロールシクロヘキサン、メチルグルコシド等の4価アルコール;ソルビトール、マンニトール、ズルシトール等の6価アルコール;シュークロース等の8価アルコールが挙げられる。
これらのうち、寸法安定性と粘度のバランスが良い点でグリセリンが好ましい。
【0030】
ポリオール(C)の製造に用いるアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等が例示できる。プロピレンオキシド単独の使用、またはエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの併用が好ましい。併用する場合、エチレンオキシドとプロピレンオキシドは、混合してから反応させても、順次反応させてもよい。
ポリオール(C)の製造にエチレンオキシドを併用する場合、アルキレンオキシドの全量中における、エチレンオキシドの含有量(全EO含有量)は0質量%超、50質量%以下が好ましく、5〜40質量%がより好ましく、10〜20質量%が特に好ましい。エチレンオキシドの含有量が上記範囲の下限値以上であると反応性が良好となり、上記範囲の上限値以下であると、得られる硬質フォームの脆性が抑制される。
【0031】
ポリオール(C)の水酸基数は2〜8であり、2〜6がより好ましく、2〜4が特に好ましい。上記範囲の下限値以上であると、硬質フォームの収縮が抑制されて寸法安定性が向上する。上限値以下であると、粘度が高くなりすぎず取り扱いが容易である。
ポリオール(C)の水酸基価は100〜800mgKOH/gが好ましく、200〜700mgKOH/gがより好ましく、300〜600mgKOH/gが特に好ましい。ポリオール(C)の水酸基価が上記範囲の下限値以上であると、硬質フォームの強度が良好となり、収縮が抑制される。上記範囲の上限値以下であると、粘度が高くなりすぎず取り扱いが容易であり、ポリイソシアネーと化合物との混合性も良好となる。
【0032】
本発明において、ポリオール(C)は必須ではないが、ポリオール(C)を用いる場合、ポリオール組成物(P)におけるポリオール(C)の含有量は、0質量%超、40質量%以下が好ましく、1〜35質量%がより好ましく、3〜30質量%が特に好ましい。ポリオール(C)の含有量が、上記範囲の下限値以上であると、ポリオールシステム液が低粘度化でき、良好な成形性が得られやすい。上記範囲の上限値以下であると、硬質フォームの良好な圧縮強度が得られやすい。
【0033】
[ポリオール(D)]
ポリオール(D)は、芳香族化合物を含むモノマー混合物を重縮合して製造されたポリエステルポリオールである。
ポリオール組成物(P)は、必要に応じてポリオール(D)を含有してもよい。ポリオール(D)は難燃性の向上に寄与する。
ポリオール(D)は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0034】
ポリオール(D)の製造に用いるモノマー混合物は、ジカルボン酸化合物と多価アルコールとを含み、該ジカルボン酸化合物および多価アルコールの一方または両方が、芳香環を有する化合物を含むことが好ましい。
特にポリオール(D)が、芳香環を有するジカルボン酸と、芳香環を有しない多価アルコールとを重縮合反応させて得られる芳香族ポリエステルポリオールを含むことが好ましい。
芳香環を有するジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸等が挙げられる。耐熱性が向上する点でテレフタル酸がより好ましい。
芳香環を有しない多価アルコールとしては、エチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール(DEG)、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール(DPG)、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール(1,6−HD)、ネオペンチルグリコール等のジオール化合物;グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール化合物が挙げられる。ポリオール(D)の粘度を低くでき、かつ、良好な難燃性向上効果が得られやすい点で、エチレングリコールまたはジエチレングリコールがより好ましく、ジエチレングリコールが特に好ましい。
【0035】
ポリオール(D)の平均水酸基数は2〜3が好ましく、2が特に好ましい。該平均水酸基数が3以下であると粘度を低く抑えることができ、取り扱いが容易である。
ポリオール(D)の水酸基価は100〜500mgKOH/gが好ましく、150〜350mgKOH/gがより好ましく、180〜300mgKOH/gが特に好ましい。ポリオール(D)の水酸基価が上記範囲の下限値以上であると硬質フォームの収縮が抑制されやすく、上記範囲の上限値以下であると硬質フォームの脆性が抑制されて良好な物性が得られやすい。
本発明において、ポリオール(D)は必須ではないが、ポリオール(D)を用いる場合、ポリオール組成物(P)におけるポリオール(D)の含有量は、0質量%超、70質量%以下が好ましく、10〜65質量%がより好ましく、30〜60質量%が特に好ましい。ポリオール(D)の含有量が、上記範囲の下限値以上であると、ポリオールシステム液の粘度の低減効果が得られやすい。上記範囲の上限値以下であると、硬質フォームの収縮が抑制されやすい。
【0036】
[ポリマー分散ポリオール(W)]
ポリオール組成物(P)はポリマー粒子を含有する。具体的には、ベースポリオール(W’)中にポリマー粒子が分散しているポリマー分散ポリオール(W)を調製し、該ポリマー分散ポリオール(W)をポリオール組成物(P)に含有させることが好ましい。
ポリオール組成物(P)中にポリマー粒子を存在させることにより、硬質フォームの収縮を抑制して、寸法安定性を向上させることができる。この効果は、より低密度の硬質フォームを製造する際に、特に有用である。ポリマー分散ポリオール(W)は1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
【0037】
ポリオール組成物(P)全体におけるポリマー粒子の含有量は0.002〜30質量%が好ましく、0.02〜20質量%がより好ましく、0.02〜10質量%が特に好ましい。上記範囲内であると、断熱性能を維持しながら、得られる硬質フォームの収縮を効果的に抑制できる。また、室温の貯蔵安定性および高温の貯蔵安定性が良好となる。
ポリマー分散ポリオール(W)の平均水酸基価は100〜800mgKOH/gが好ましく、150〜800mgKOH/gがより好ましい。本明細書におけるポリマー分散ポリオール(W)の平均水酸基価とは、ベースポリオール(W’)中にポリマー粒子が分散しているポリオールについて平均水酸基価を測定して得られる値であり、通常は、ベースポリオール(W’)の平均水酸基価よりも低くなる。
ポリマー分散ポリオール(W)の平均水酸基価が上記範囲の下限値以上であると、他のポリオールとの相溶性が良好であり、上記範囲の上限値以下であると、ポリマー粒子の分散安定性が良好である。
【0038】
ポリマー分散ポリオール(W)は、必要に応じて溶媒の存在下、ベースポリオール(W’)中で重合性不飽和基を有するモノマーを重合させてポリマー粒子を析出させる方法で製造される。
ポリマー粒子の形成に用いられる、重合性不飽和結合を有するモノマーとしては、通常、重合性不飽和結合を1個有するモノマーが使用されるが、これに限らない。
該モノマーの具体例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、2,4−ジシアノブテン−1等のシアノ基含有モノマー;スチレン、α−メチルスチレン、ハロゲン化スチレン等のスチレン系モノマー;アクリル酸、メタクリル酸またはそれらのアルキルエステルやアクリルアミド、メタクリルアミド等のアクリル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル系モノマー;イソプレン、ブタジエン、その他のジエン系モノマー;マレイン酸ジエステル、イタコン酸ジエステル等の不飽和脂肪酸エステル類;塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル;塩化ビニリデン、臭化ビニリデン、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル等のビニルエーテル系モノマー;およびこれら以外のオレフィン、ハロゲン化オレフィンなどがある。
好ましくはアクリロニトリル20〜90質量%と他のモノマー10〜80質量%の組み合わせであり、他のモノマーとして好ましいのはスチレン、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、または酢酸ビニルである。これら他のモノマーは2種以上併用してもよい。
【0039】
ポリマー粒子の形成に用いられる、重合性不飽和結合を有するモノマーの合計の使用量は特に限定されないが、ポリマー分散ポリオール(W)中におけるポリマー粒子の含有量が1〜50質量%、より好ましくは2〜45質量%、特に好ましくは10〜30質量%となる量であることが好ましい。
【0040】
また、上記に挙げたモノマーのほかに、該重合性不飽和基を有するモノマーの一部または全部として、含フッ素アクリレートまたは含フッ素メタクリレート(以下、「含フッ素モノマー」ということがある。)を用いることも好ましい。該含フッ素モノマーを用いることにより、ベースポリオール(W’)中でのポリマー粒子の分散安定性がより良好となる。また、ポリマー分散ポリオール(W)と他のポリオールとの相溶性が高まって、硬質フォームにおける寸法安定性の向上、断熱性能の向上が期待できる。
含フッ素モノマーの好適なものとしては、下記式(1)で表されるモノマーが挙げられる。
【0041】
【化1】

【0042】
式(1)中において、Rは、炭素数1〜18のポリフルオロアルキル基である。Rにおいて、炭素数は1〜18であり、1〜10が好ましく、3〜8がより好ましい。
は、アルキル基中のフッ素原子の割合(アルキル基中の水素原子がフッ素原子に置換されている個数の割合)が、80%以上であることが好ましく、全部の水素原子がフッ素原子で置換されていることが特に好ましい。炭素数が18以下であると、硬質フォーム製造における発泡時、フォームの安定性が良好となり好ましい。
Rは、水素原子またはメチル基である。
Zは、フッ素原子を含まない2価の連結基であり、炭化水素基が好ましく、たとえばアルキレン基、アリーレン基が挙げられ、アルキレン基がより好ましい。該アルキレン基は、炭素数1〜10のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基が特に好ましく、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。なお、式(1)におけるZとRはRの炭素数が少なくなるように区切る。
前記式(1)で表されるモノマーの具体例として、下記式(1−1)〜(1−3)で表される化合物が挙げられる。
【0043】
【化2】

【0044】
【化3】

【0045】
【化4】

【0046】
前記含フッ素モノマーは、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
含フッ素モノマーを用いる場合、その使用量は、重合性不飽和基を有する全モノマーに対し、10〜100質量%であることが好ましく、30〜80質量%であることがより好ましい。
特に、前記式(1)で表されるモノマーを用いる場合は、重合性不飽和基を有する全モノマー中において20〜100質量%であることが好ましく、30〜60質量%であることがより好ましく、40〜60質量%であることが最も好ましい。
該式(1)で表されるモノマーの割合が、20質量%以上、特に30質量%以上であると、硬質フォームとした際に良好な断熱性能が得られやすい。
【0047】
含フッ素モノマーを用いる場合、上記に挙げた重合性不飽和結合を有するモノマーのほかに、マクロモノマーを併用してもよい。「マクロモノマー」とは、片末端にラジカル重合性不飽和基を有する低分子量のポリマーまたはオリゴマーのことをいう。
【0048】
重合性不飽和結合を有するモノマーの重合は、遊離基を生成して重合を開始させる重合開始剤が好適に用いられる。該重合開始剤の具体例としては2,2’−アゾビス−イソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(AMBN)、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、アセチルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、過硫酸塩等が挙げられる。特にAMBNが好ましい。
【0049】
ベースポリオール(W’)としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、末端に水酸基を有する炭化水素系ポリマー等が挙げられる。特にポリエーテルポリオールのみからなるか、またはポリエーテルポリオールを主成分として、少量のポリエステルポリオールや末端に水酸基を有する炭化水素系ポリマー等を併用することが好ましい。
該ポリエーテルポリオールとしては、例えば多価アルコール、多価フェノール等のポリヒドロキシ化合物やアミン類等の開始剤にアルキレンオキシド等の環状エーテルを付加して得られるポリエーテルポリオールが挙げられる。ベースポリオール(W’)として用いるポリエーテルポリオールは、前記ポリオール(A)〜(D)のいずれかと同じであってもよい。
【0050】
ベースポリオール(W’)のうちの5質量%以上が、下記ポリエーテルポリオール(X)であることが好ましい。該ポリエーテルポリオール(X)は、水酸基価が84mgKOH/g以下であり、かつポリエーテルポリオール(X)全体に対するオキシエチレン基含有量が40質量%以上であるものをいう。
ポリエーテルポリオール(X)は、開始剤として多価アルコールを使用し、エチレンオキシドまたはエチレンオキシドと他の環状エーテルを付加して得られるものが好ましい。
多価アルコールとしてはグリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール等が好ましい。他の環状エーテルとしてはプロピレンオキシド、イソブチレンオキシド、1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシドが好ましく、プロピレンオキシドが特に好ましい。
ポリエーテルポリオール(X)において、水酸基価の上限は84mgKOH/g以下が好ましく、67mgKOH/g以下がより好ましく、60mgKOH/g以下が特に好ましい。上記上限であると、ポリマー粒子が安定に分散したポリマー分散ポリオール(W)が得られやすい。水酸基価の下限は5mgKOH/g以上が好ましく、8mgKOH/g以上がより好ましく、20mgKOH/g以上がさらに好ましく、30mgKOH/g以上が特に好ましい。上記下限であると、ポリマー粒子の分散安定性が良好になる。
ポリエーテルポリオール(X)において、ポリエーテルポリオール(X)全体に対するオキシエチレン基含有量が40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、55質量%以上が特に好ましい。上記下限であると、ポリマー分散ポリオール(W)におけるポリマー粒子の分散が安定しやすい。該オキシエチレン基含有量の上限は100質量%、すなわち開始剤にエチレンオキシドのみを付加させたポリエーテルポリオール(X)であってもよい。ポリマー粒子の分散安定性の点からは、該オキシエチレン基含有量が90質量%以下であることがより好ましい。
ベースポリオール(W’)のうちのポリエーテルポリオール(X)の含有量の下限は、5質量%以上が好ましく、10質量%以上が特に好ましい。上記下限であると、分散性のよいポリマー分散ポリオール(W)が得られやすい。該ポリエーテルポリオール(X)の含有量の上限は特にないが、ポリマー分散ポリオール(W)全体の水酸基価が上記の好ましい範囲となるように設定することが好ましい。
【0051】
ベースポリオール(W’)は、上記ポリエーテルポリオール(X)の5〜90質量%と、水酸基価が400〜850mgKOH/gであるポリオール(Y)の10〜95質量%との混合物であることが好ましく、ポリエーテルポリオール(X)の30〜80質量%と、前記ポリオール(Y)の20〜70質量%との混合物であることがより好ましい。
ポリオール(Y)の水酸基価は400〜800mgKOH/gがより好ましい。
【0052】
ポリエーテルポリオール(Y)は、上記ベースポリオール(W’)として挙げたポリエーテルポリオールのうち、水酸基価が上記の範囲であるものを用いることができる。そのうち、開始剤として多価アルコールまたはアミン類を用い、プロピレンオキシドを付加して得られるものが好ましい。ポリエーテルポリオール(Y)は1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
【0053】
ポリオール組成物(P)がポリマー分散ポリオール(W)を含有する場合、その含有量は、ポリオール組成物(P)全体におけるポリマー粒子の含有量が上記の好ましい範囲となるように設定される。例えばポリオール組成物(P)全体におけるポリマー分散ポリオール(W)の含有量は0.01〜5質量%が好ましく、0.1〜30質量%がより好ましく、0.1〜20質量%が特に好ましい。
【0054】
[その他のポリオール(E)]
ポリオール組成物(P)に、ポリオール(A)、ポリオール(B)、ポリオール(C)、ポリオール(D)、またはポリマー分散ポリオール(W)のいずれにも属さない、その他のポリオール(E)を含有させてもよい。
その他のポリオール(E)としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール等が例示できる。ポリオール(E)の水酸基価は5〜1,000mgKOH/gが好ましく、10〜800mgKOH/gがより好ましく、20〜700mgKOH/gが特に好ましい。
ポリオール組成物(P)におけるポリオール(E)の含有量は30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下が特に好ましい。
【0055】
<ポリオール組成物(P)>
ポリオール組成物(P)は、ポリオール(A)とポリマー粒子を含み、さらにポリオール(B)、ポリオール(C)、ポリオール(D)から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。任意にその他ポリオール(E)を含んでもよい。またポリマー粒子はポリマー分散ポリオール(W)由来であることが好ましい。
ポリオール組成物(P)全体としての平均水酸基数は2〜8であり、2.5〜7.5が好ましい。該平均水酸基数が上記範囲の下限値以上であると、硬質フォームの収縮が抑制され、寸法安定性が良好になる。上限値以下であると、ポリオールシステム液の粘度が適度となり成形性が良好となる。
ポリオール組成物(P)全体としての平均水酸基価は100〜800mgKOH/gであり、150〜700が好ましく、200〜600がより好ましい。該平均水酸基価が上記範囲の下限値以上であると、硬質フォームの収縮が抑制され、寸法安定性が良好になる。上限値以下であると、硬質フォームの脆性が抑制される。
【0056】
本発明において、ポリオール組成物(P)の全部がポリオール(A)とポリオール粒子からなる混合物であってもよい。ポリオール組成物(P)のより好ましい組成は以下の通りである。
後述のイソシアヌレート処方で硬質ポリイソシアヌレートフォームを製造する場合の好ましい組み合わせを以下に示す。
(組み合わせ1)
ポリオール組成物(P)が、
ポリオール(A)の30〜50質量%と、
ポリオール(B)の1〜30質量%と、
ポリオール(D)の30〜70質量%と、
ポリオール(W)とからなり、ポリマー粒子の含有量が0.02〜7質量%である。
(組み合わせ2)
ポリオール組成物(P)が、
ポリオール(A)の30〜50質量%と、
ポリオール(B)の1〜30質量%と、
ポリオール(C)の1〜30質量%と、
ポリオール(D)の10〜60質量%と、
ポリオール(W)とからなり、ポリマー粒子の含有量が0.02〜7質量%である。
【0057】
後述のウレタン処方で硬質ポリウレタンフォームを製造する場合の好ましい組み合わせを以下に示す。
(組み合わせ3)
ポリオール組成物(P)が、
ポリオール(A)の30〜70質量%と、
ポリオール(B)の10〜50質量%と、
ポリオール(C)の5〜30質量%と、
ポリオール(W)とからなり、ポリマー粒子の含有量が0.02〜7質量%である。
(組み合わせ4)
ポリオール組成物(P)が、
ポリオール(A)の30〜60質量%と、
ポリオール(B)の10〜60質量%と、
ポリオール(C)の5〜20質量%と、
ポリオール(W)とからなり、ポリマー粒子の含有量が0.02〜7質量%である。
【0058】
<ポリイソシアネート化合物>
ポリイソシアネート化合物としては、イソシアネート基を2以上有する、芳香族系、脂環族系、脂肪族系等のポリイソシアネート;これらを変性して得られる変性ポリイソシアネート等が挙げられる。
具体例としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(通称:クルードMDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)等のポリイソシアネートまたはこれらのプレポリマー型変性体、イソシアヌレート、ウレア変性体、カルボジイミド変性体等が挙げられる。このうち、クルードMDI、またはその変性体が好ましく、クルードMDIの変性体が特に好ましい。ポリイソシアネート化合物は1種でもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0059】
ポリイソシアネート化合物の使用量は、ポリオールシステム液中に存在する、ポリオール組成物(P)およびその他の活性水素化合物の活性水素原子の合計数に対するイソシアネート基の数の100倍で表して(以下、この100倍で表した数値を「イソシアネート指数」という)、50〜300が好ましい。
特に、触媒としてウレタン化触媒を主に用いるウレタン処方の場合、ポリイソシアネート化合物の使用量は、前記イソシアネート指数で50〜170が好ましく、70〜150が特に好ましい。
また、触媒としてイソシアネート基の三量化反応を促進させる触媒を主に用いるイソシアヌレート処方の場合、ポリイソシアネート化合物の使用量は、前記イソシアネート指数で100〜350が好ましく、100〜300がより好ましく、100〜180が特に好ましい。
【0060】
<発泡剤>
本発明では、発泡剤として、少なくとも上式(I)で表されるハイドロフルオロエーテル類(I)(以下、HFE類(I)ということもある。)の1種以上を用いる。すなわち、発泡剤は少なくともHFE類(I)を含む。
発泡剤の融点は10℃以下が好ましく、0℃以下が特に好ましい。また発泡剤の沸点は25〜80℃が好ましく、30〜60℃が特に好ましい。該沸点が上記範囲の下限値以上であると取り扱いが容易であり、上記範囲の上限値以下であると発泡効率が良い。
上式(I)において、a、bはそれぞれ独立に1〜5の整数であり、1〜4が好ましい。HFE類(I)の炭素原子数を表す(a+b)の値は2〜6であり、3〜5が好ましく、3または4が特に好ましい。
c、dはそれぞれ独立に0または1〜10の整数であり、0または1〜3の整数が好ましい。HFE類(I)の水素原子数を表すc+dは1以上であり、1〜4が好ましい。
e、fはそれぞれ独立に0または1〜10の整数であり、0または1〜9の整数が好ましい。HFE類(I)のフッ素原子数を表すe+fは2以上であり、5〜9が好ましい。
HFE類(I)において、水素原子数(c+d)よりも、フッ素原子数(e+f)の方が多い。
HFE類(I)は公知の方法で製造可能であり、市販品からも入手できる。
【0061】
HFE類(I)のうち、少なくとも1,1,2,2−テトラフルオロエチルメチルエーテル(本明細書では、HFE−254pcということもある。)を、発泡剤として用いることが好ましい。
HFE−254pcは可燃性であるため、不燃性の発泡剤と混合し、不燃性の発泡剤混合物として用いることが好ましい。
不燃性の発泡剤としては、下記のHFE−254pcよりも沸点が低い不燃性のHFE類(I)、またはHFE−254pcよりも沸点が高い不燃性のHFE類(I)が挙げられる。HFE−254pcの沸点は37℃である。
【0062】
HFE−245pcよりも沸点が低い不燃性のHFE類(I)としては、
CFCHFOCF(HFE−227me)、
CFCHFOCHF(HFE−236me)、
CFCHOCF(HFE−236mf)、
CHFCFOCHF(HFE−236pc)、
CFCFOCH(HFE−245mc)、
CFCHOCHF(HFE−245mf)、
CFCFCFOCH(HFE−247mcc)、
CFCFOCHCF(338mc−f)、または
(CFCFOCH(HFE−347mmy)が挙げられる。これらは1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
HFE−245pcと、これより沸点が低い不燃性のHFE類(I)との混合割合は、混合物が良好な不燃性を示すように調整することが好ましい。例えばHFE−245pcが1〜70質量%、沸点が低い不燃性のHFE類(I)が30〜99質量%が好ましい。
【0063】
HFE−245pcよりも沸点が高い不燃性のHFE類(I)としては、
CHFCFOCHF(HFE−245pc)、
CHFCFOCHF(HFE−245qc)、
CFCFCHOCHF(HFE−347mcf)、
CFCHFCFOCH(HFE−356mec)、
CHFCFCFOCH(HFE−356pcc)、
CHFCFCHOCHF(HFE−356pcf)、
CHFCFOCHCF(HFE−347pc−f)、
CFCHOCHCF(HFE−356mf−f)、
CHFCFOCHCF(HFE−356qc−f)、
(CFCHOCH(HFE−356mmz)、
OCH(HFE−7100)が挙げられる。これらは1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
HFE−245pcと、これより沸点が高い不燃性のHFE類(I)との混合割合は、混合物が良好な不燃性を示すように調整することが好ましい。例えばHFE−245pcが5〜40質量%、沸点が高い不燃性のHFE類(I)が60〜95質量%が好ましい。
【0064】
またHFE−254pcと、HFE類(I)以外の不燃性のフッ素系化合物を混合して不燃性の発泡剤混合物として用いることもできる。
不燃性のフッ素系化合物としては1,1,1,3,3−ペンタフルオロエタン(HFC−245fa)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン(HFC−125)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC−227ea)等のHFC類;1,1,1,3−テトラフルオロプロペン、1,1,1,2−テトラフルオロプロペン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロペン、1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロペン等の分子中に二重結合を有するオレフィンハイドロフルオロカーボン類が挙げられる。これらは1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上述のHFE類(I)、またはHFE類(I)以外の不燃性のフッ素系化合物のほかに、公知の発泡剤を、本発明の効果を損なわない範囲で使用してもよい。公知の発泡剤としては水が挙げられる。公知の発泡剤の使用量は、ポリオール組成物(P)の100質量部に対して1〜25質量部が好ましい。公知の発泡剤としての水の使用量は、ポリオール組成物(P)の100質量部に対して1〜25質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましく、1〜5質量部が特に好ましい。
本発明において、発泡剤の主成分がHFE類(I)であることが好ましく、具体的には発泡剤全体の50〜100質量%がHFE類(I)であることが好ましい。
発砲剤としてのHFE類(I)の使用量は、ポリオール組成物(P)の100質量部に対して1〜50質量部が好ましく、1〜40質量部がより好ましく、5〜40質量部が特に好ましい。
上記ハイドロフルオロエーテル類(I)に加え、その他発泡剤としてハイドロフルオロカーボン類(HFC類)を併用する場合、HFC類の使用量は、ポリオール組成物(P)の100質量部に対して0.01〜50質量部が好ましく、1〜40質量部がより好ましく、1〜20質量部が特に好ましい。
【0065】
<触媒>
触媒として、ウレタン化反応を促進するウレタン化触媒、および/またはイソシアネート基の三量化反応を促進させる三量化反応促進触媒が用いられる。ウレタン化触媒としては第3級アミンが好ましい。三量化反応促進触媒としては、錫塩、鉛塩および水銀塩を除く金属塩、および/または第4級アンモニウム塩が好ましい。イソシアヌレート処方の場合、ウレタン化触媒と三量化反応促進触媒の併用が好ましく、第3級アミンと、前記金属塩および/または第4級アンモニウム塩とを併用することがより好ましい。
【0066】
第3級アミンとしては、例えばN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチル−(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジプロピレントリアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルグアニジン、1,3,5−トリス(N,N−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1−ジメチルアミノプロピルイミダゾール、N−メチル−N−(N,N−ジメチルアミノエチル)エタノールアミン等の第3級アミン化合物が挙げられる。
【0067】
錫塩、鉛塩および水銀塩を除く金属塩としては、酢酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸ビスマス等のカルボン酸金属塩等が好ましい。
【0068】
第4級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムクロライド等のテトラアルキルアンモニウムハロゲン化物;水酸化テトラメチルアンモニウム塩等のテトラアルキルアンモニウム水酸化物;テトラメチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩、2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムギ酸塩、2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩等のテトラアルキルアンモニウム有機酸塩類;N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等の第3級アミンと炭酸ジエステル類とを反応して得られる4級アンモニウム炭酸塩を、2−エチルヘキサン酸とアニオン交換反応させることで得られる4級アンモニウム化合物等が挙げられる。
触媒の使用量は、ポリオール組成物(P)の100質量部に対して、触媒の合計量が0.1〜20質量部であることが好ましい。
触媒の使用量を調節することで、ポリオール組成物(P)とポリイソシアネート化合物、発泡剤、整泡剤の混合の開始時から目視で反応が開始するまでの時間(クリームタイム)、反応開始後から発泡が進行し、樹脂化の挙動を示すまでの時間(ゲルタイム)、発泡が終了するまでの時間(ライズタイム)を調整することができる。
【0069】
<整泡剤>
本発明においては良好な気泡を形成するため整泡剤を用いる。整泡剤としては例えば、シリコーン系整泡剤、含フッ素化合物系整泡剤が挙げられる。これらは市販品を使用できる。整泡剤の使用量は適宜選定できるが、ポリオール組成物(P)の100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましい。
【0070】
<その他の配合剤>
本発明では、上述したポリオール組成物(P)、ポリイソシアネート化合物、触媒、発泡剤、整泡剤の他に、公知の配合剤を使用できる。配合剤としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の充填剤;酸化防止剤、紫外線吸収剤等の老化防止剤;難燃剤、可塑剤、着色剤、抗カビ剤、破泡剤、分散剤、変色防止剤等が挙げられる。その他の配合剤の使用量は適宜選定できるが、ポリオール組成物(P)の100質量部に対して0.1〜30質量部が好ましい。
【0071】
<硬質フォームの製造方法>
本発明の硬質フォームの製造方法は、ポリオール組成物(P)とポリイソシアネート化合物とを、発泡剤、整泡剤および触媒の存在下で反応させて硬質発泡合成樹脂を製造する方法である。
特に、硬質フォームをスプレーで吹き付け施工するスプレー法を好適に用いることができる。スプレー法は、例えばポリオールシステム液と、ポリイソシアネート化合物とをそれぞれポンプで送液し、スプレーガンから施工対象となる壁面等の基材に吹きつけながら反応させ、その基材上で発泡させて断熱材等とする方法である。スプレー法は、大きく分けてエアスプレー法とエアレススプレー法がある。このうち特に配合液をミキシングヘッドで混合して発泡させるエアレススプレー法が好ましい。
例えば、建築現場等においてはスプレー法が多く採用される。このような建築材料としての硬質フォームは、防火性の観点から難燃性が必要である。特にスプレー法を採用する場合には、施工現場での溶接火花による火災事故防止の点からも難燃性が要求される。
本発明は、特に、ポリオール組成物(P)がマンニッヒポリオールを含むため、高い難燃性が得られやすい。またスプレー法に本発明を適用すると、寸法安定性が良好で、難燃性も良好なスプレー法による硬質合成発泡樹脂を得ることができる。
スプレー法においては、基材上でポリオールシステム液と、ポリイソシアネート化合物とを吹き付け後に早い速度で硬化するのが、液流れしない点で好ましい。例えばライズタイムが8〜25秒が好ましく、10〜20秒が特に好ましい。
基材としては、ベニヤ板、合板、スレート板、石膏板等が挙げられる。
スプレー法を用いて製造できる物品としては、住宅用結露防止断熱材、冷凍倉庫断熱材等が挙げられる。
【0072】
また本発明は、連続ボード成形法または注入法による硬質フォームの製造にも適用可能である。
連続ボード成形法とは、2枚の面材間に硬質フォーム原料を供給して発泡させることにより、これらの面材の間に硬質フォームが挟まれた積層体を製造する方法であり、建築用途の断熱材の製造等に用いられる。注入法とは、金型等の枠内に硬質フォーム原料を注入して発泡させる方法である。
【0073】
本発明によれば、発泡剤として、HFE類(I)を用いて、良好な特性を有する硬質フォームが得られる。
具体的に、硬質フォームにあっては、低密度化した場合にも、ポリオールシステム液の貯蔵安定性が良好であること、成形性が良好であること、寸法安定性が良好であることが望ましい。本発明によれば、これらの特性の全部が良好である硬質フォームを得ることができる。
また、HFE類(I)、ポリオール(A)およびポリマー粒子を用いることにより、環境負荷が小さく、断熱性能および物性が良好な硬質発泡合成樹脂を得ることができる。
また本発明によれば、ポリオールシステム液の高温貯蔵安定性が良好となる。
【実施例】
【0074】
以下に、実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。ポリオールの水酸基価は、JIS K 1557(1970年版)に準拠して測定した値である。
以下の例で用いた各原料は以下の通りである。
[ポリオール(A)]
ポリオールA1:ノニルフェノールの1モルに対し、ホルムアルデヒドの1.5モルおよびジエタノールアミンの2.2モルを反応させて得られた反応生成物を開始剤として、POを開環付加重合した後、水酸化カリウム触媒存在下でEOを開環付加重合させて得られた水酸基価が300mgKOH/gのポリエーテルポリオール。アルキレンオキシドの付加量はノニルフェノールの1モルに対し15.4モルである。付加させたPOとEOとの合計量に対するEOの割合は58質量%である。
ポリオールA2:ノニルフェノールの1モルに対し、ホルムアルデヒドの0.75モルおよびジエタノールアミンの2.2モルを反応させて得られた反応生成物を開始剤として、EOを開環付加重合した後、水酸化カリウム触媒存在下でPO、EOをこの順で開環付加重合させて得られた水酸基価300mgKOH/gのポリエーテルポリオール。アルキレンオキシドの付加量はノニルフェノールの1モルに対し18.0モルである。付加させたPOとEOとの合計量に対するEOの割合は75質量%である。
ポリオールA3:ノニルフェノールの1モルに対し、ホルムアルデヒドの2.2モルおよびジエタノールアミンの2.2モルを反応させて得られた反応生成物を開始剤として、POを開環付加重合した後、水酸化カリウム触媒存在下で、EOを開環付加重合させて得られた水酸基価が430mgKOH/gのポリエーテルポリオール。アルキレンオキシドの付加量はノニルフェノールの1モルに対し6.3モルである。付加させたPOとEOとの合計量に対するEOの割合は23質量%である。
ポリオールA4:ノニルフェノールの1モルに対し、ホルムアルデヒドの1.5モルおよびジエタノールアミンの2.2モルを反応させて得られた反応生成物を開始剤として、POのみを開環付加重合させて得られた水酸基価が470mgKOH/gのポリエーテルポリオール。アルキレンオキシドの付加量はノニルフェノールの1モルに対し5.5モルである。
【0075】
[ポリオール(B)]
ポリオールB1:エチレンジアミンにPOのみを開環付加重合させて得られた、水酸基価が760mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
ポリオールB2:モノエタノールアミンにPOのみを単独で開環付加重合させて得られた、水酸基価500mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
[ポリオール(C)]
ポリオールC1:グリセリンにPOを開環付加重合した後、水酸化カリウム触媒存在下でEOを開環付加重合させて得られた水酸基価が56mgKOH/gのポリエーテルポリオール。EOとPOの合計のうち、EOの含有量は13質量%である。
ポリオールC2:グリセリンにPOを開環付加重合した後、水酸化カリウム触媒存在下でEOを開環付加重合させて得られた水酸基価が56mgKOH/gのポリエーテルポリオール。EOとPOの合計のうち、EOの含有量は20質量%である。
ポリオールC3:グリセリンにPOのみを開環付加重合させて得られた、水酸基価400mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
[ポリオール(D)]
ポリオールD1:ジエチレングリコールとテレフタル酸とを重縮合して得られた、平均水酸基数が2、水酸基価が250mgKOH/gのポリエステルポリオール(製品名:Terol 563、オキシド社製)。
[その他のポリオール(E)]
ポリオールE1:開始剤としてビスフェノールAを用い、水酸化カリウム触媒存在下で開始剤にEOのみを開環付加重合させた、水酸基価が150mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
[ポリマー分散ポリオール(W)]
ポリマー分散ポリオール(W)として、下記表1に示す配合で、下記製造例の方法により製造したポリマー分散ポリオールW1〜W4を用いた。表1における配合比の単位は「質量部」である。
[重合性不飽和結合を有するモノマー]
ポリマー粒子を形成するための重合性不飽和結合を有するモノマーとしては、アクリロニトリル(AN)、酢酸ビニル(Vac)、メタクリル酸メチル(MMA)、前記式(1−1)で表わされるポリフルオロアルキルメタクリレート(FMA)を用いた。
【0076】
[マクロモノマー]
マクロモノマーとして以下の2種を用いた。
・マクロモノマーM1:下記のポリオールG、トリレンジイソシアネート(商品名:T−80、日本ポリウレタン工業社製)および2−ヒドロキシエチルメタクリレート(純正化学社製)を、ポリオールG/トリレンジイソシアネート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート=1/1/1のモル比率となるように仕込み、60℃で1時間反応させた後さらに80℃で6時間反応させることで得られた、水酸基価40mgKOH/gの重合性不飽和基を有するマクロモノマー。
・マクロモノマーM2:下記のポリオールF、トリレンジイソシアネート(商品名:T−80、日本ポリウレタン工業社製)および2−ヒドロキシエチルメタクリレート(純正化学社製)を、ポリオールF/トリレンジイソシアネート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート=1/1/1のモル比率となるように仕込み、60℃で1時間反応させた後さらに80℃で6時間反応させることで得られた、水酸基価21mgKOH/gの重合性不飽和基を有するマクロモノマー。
・上記ポリオールG:開始剤としてグリセリンを用い、該グリセリンに、EOを開環付加重合した後、POとEOとの混合物[PO/EO=46.2/53.8(質量比)]を開環付加重合させた、ポリオールF中のオキシエチレン基含有量65質量%、水酸基価が48mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオール。
・上記ポリオールF:開始剤としてグリセリンを用い、該グリセリンに、EOを開環付加重合した後、POとEOとの混合物[PO/EO=48.0/52.0(質量比)]を開環付加重合させた、ポリオールG中のオキシエチレン基含有量60質量%、水酸基価が28mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオール。
【0077】
[ポリイソシアネート化合物]
ポリイソシアネート化合物1:ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(クルードMDI)、(製品名:コロネート1130、日本ポリウレタン工業社製、イソシアネート基含有率:31質量%)。
ポリイソシアネート化合物2:ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(クルードMDI)、(製品名:ミリオネート MR−200、日本ポリウレタン工業社製、イソシアネート基含有率:31質量%)
[発泡剤]
発泡剤1:1,1,2,2−テトラフルオロメチルエーテル(製品名:HFE−254pc)、沸点37℃。
発泡剤2:2,2,2−トリフルオロエチルジフルオロメチルエーテル(製品名:HFE−245mf)、沸点29℃。
発泡剤3:2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルジフルオロメチルエーテル(製品名:HFE−347mcf)、沸点46℃。
発泡剤4:水。
混合発泡剤1:発泡剤1/発泡剤2の20/80(質量%比率)の混合物。
混合発泡剤2:発泡剤1/発泡剤3の20/80(質量%比率)の混合物。
[触媒]
触媒1:ウレタン化触媒(1,3,5−トリス(N,N−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン、製品名:ポリキャット41、エアプロダクツ社製)。
触媒2:第4級アンモニウム塩とエチレングリコールの混合物(製品名:TOYOCAT TRX、東ソー社製)。
触媒3:ウレタン化触媒(N,N,N’,N’,−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、製品名:TOYOCAT MR、東ソー社製)。
触媒4:ウレタン化触媒(トリエチレンジアミン、製品名:TEDA−L33、東ソー社製)。
触媒5:三量化反応促進触媒(オクチル酸カリウム塩、製品名:プキャット15G、日本化学産業社製)。
[整泡剤]
整泡剤1:シリコーン系整泡剤(製品名:SH−193、東レ・ダウコーニング社製)。
[難燃剤]
難燃剤1:トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート(製品名:ファイロールPCF、スプレスタジャパン社製)。
【0078】
[製造例1:ポリマー分散ポリオール(W1)の製造]
5L加圧反応容器に、下記ポリエーテルポリオール(X1)の300質量部、下記ポリエーテルポリオール(Y1)の150質量部、下記ポリエーテルポリオール(Y2)の300質量部、アクリロニトリルの50質量部、酢酸ビニルの200質量部、および重合開始剤として2,2−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(AMBN)の10質量部を仕込んだ後、撹拌しながら昇温を開始し、反応液を80℃に保ちながら10時間反応させた。モノマーの反応率は80%以上を示した。反応終了後、110℃、マイナス0.10MPa(ゲージ圧力)で2時間加熱減圧脱気して未反応モノマーを除去し、ポリマー分散ポリオール(ポリオールW1)を得た。得られたポリマー分散ポリオールW1の平均水酸基価、25℃における粘度、およびW1中のポリマー粒子の含有量を表1に示す(以下、同様。)。なお、表1中のFMAとは式(1−1)で表わされる含フッ素モノマーである。
ポリマー分散ポリオールの平均水酸基価は、JIS K 1557−1:2007に従って測定した値である。
【0079】
[製造例2:ポリマー分散ポリオール(W2)の製造]
5L加圧反応槽に、表1に示したベースポリオール(W’)の混合物のうちの70質量%を仕込み、120℃に保ちながら、残りのベースポリオール(W’)の混合物とモノマーと重合開始剤(AMBN)との混合物を撹拌しながら2時間かけてフィードし、全フィード終了後同温度下で約0.5時間撹拌を続けた。モノマーの反応率は80%以上を示した。反応終了後、未反応モノマーを120℃、20Paで2時間加熱減圧脱気にて除去し、ポリマー分散ポリオールW2を得た。
【0080】
[製造例3,4:ポリマー分散ポリオール(W3)、(W4)の製造]
5L加圧反応槽に、表1に示した配合で、ポリオールX1、ポリオールY1、およびマクロモノマーを仕込み、120℃に保ちつつ、モノマーおよび重合開始剤(AMBN)の混合物を、撹拌しながら2時間かけてフィードし、全フィード終了後、同温度下で約0.5時間撹拌を続けた。その後、未反応モノマーを減圧下、120℃で3時間除去することによりポリマー分散ポリオールW3およびW4を得た。
【0081】
【表1】

【0082】
ポリエーテルポリオール(X1):グリセリンを開始剤として、水酸化カリウム触媒存在下、POとEOとをランダムに付加して得られる、水酸基価が50mgKOH/g、オキシエチレン基含有量70質量%のポリエーテルポリオール。
ポリエーテルポリオール(Y1):エチレンジアミンを開始剤として、POのみを付加して得られる、水酸基価が760mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
ポリエーテルポリオール(Y2):グリセリンを開始剤として、水酸化カリウム触媒存在下、POのみを付加して得られる、水酸基価が650mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
【0083】
<例1〜46>
例5〜20、29〜46は実施例、例1〜4、21〜28は比較例である。例1〜20はポリイソシアヌレートフォームの配合(イソシアヌレート処方)、例21〜46はポリウレタンフォームの配合(ウレタン処方)である。
表2〜6に示す配合で硬質フォームを製造した。表に示した配合の数値の単位は質量部である。表にポリオール組成物(P)の全体における平均水酸基数および平均水酸基価を示す。
まず、各ポリオール、触媒、整泡剤、混合発泡剤および発泡剤4(水)の所定量を混合してポリオールシステム液を調製した。ポリオールシステム液およびポリイソシアネート化合物の液温を、それぞれ10℃に調整した。
ポリイソシアネート化合物として、例1〜20では前記ポリイソシアネート化合物1を用い、例21〜46では前記ポリイソシアネート化合物2を用いた。
【0084】
[簡易発泡試験]
上記の手順で調整した、ポリオールシステム液とポリイソシアネート化合物とを、互いに同じ体積となるようにポリエチレン製カップ中に手早く投入し、毎分3,000回転で3秒間撹拌し、2Lカップ中で発泡させ、簡易発泡フォームを得た。得られた簡易発泡フォームのコア密度を下記の方法で測定した。また、発泡途中には、反応性(クリームタイム、ライズタイム)を下記の方法で測定した。結果を表7〜11に示す。
【0085】
[スプレー施工試験]
上記の手順で調整した、ポリオールシステム液とポリイソシアネート化合物とを、ガスマー社製スプレー発泡機(製品名:FF−1600)を用いて、吐出圧力70〜85kg/m、液温40℃、室温20℃の条件下で基材に吹き付け、発泡、反応させて硬質フォーム(スプレー施工フォーム)を製造した。ポリオールシステム液とポリイソシアネート化合物は互いに同じ体積となるように調整した。
該基材としては、縦が600mm、横が600mm、厚さが5mmのフレキシブル板を用いた。吹き付けは、厚さ1mmの下吹き層を施工した後に、一層の厚さが25〜30mmとなるように2層吹き付け施工し、合計で3層積層した。
下記の方法で各特性の評価を行った。結果を表4〜6に示す。
【0086】
<簡易発泡フォームの評価方法>
[コア密度]
得られた簡易発泡フォームの中央部を10cm角に切出し、JIS A 9511に準拠した方法で、簡易発泡フォームのコア密度(kg/m)を測定した。
[反応性]
ポリオールシステム液とポリイソシアネート化合物との混合開始時刻を0秒とし、混合液が泡立ちを始めるまでの時間をクリームタイム(秒)、混合液が発泡し始め、フォームの上昇が停止する時間をライズタイム(秒)とした。
【0087】
<スプレー施工フォームの評価方法>
[密度]
スプレー施工フォームの密度を、JIS K 9511に準拠する方法で測定した。
[成形性(フォーム内部の状態)]
スプレー施工フォームの端部をカットし、断面の状態を確認し以下の基準で評価した。
×(不良):フォーム内部にスコーチ等による着色や割れがあったり、セル不均一などの不良部分がある。
○(良好):フォーム内部にスコーチ等による着色や割れや、セル不均一などがない。
【0088】
[寸法変化率]
スプレー施工フォームのコア部から100mm×100mm×40mmの直方体に切り出したものを試験片とし、高温寸法変化率、低温寸法変化率の測定を行った。下記各条件での保存後、試験片の発泡方向に対して垂直方向について増加した長さを、保存前の長さに対する寸法変化率(%)とした。寸法変化率において、負の数値は収縮を意味し、絶対値が大きいことは、寸法変化が大きいことを意味する。
測定は以下の条件で行った。
高温寸法変化率:試験片を70℃の恒温槽中で24時間保存後に測定。
低温寸法変化率:試験片を−30℃の恒温槽中で24時間保存後に測定。
[圧縮強度]
スプレー施工フォームの圧縮強度を、JIS K 7220に準拠する方法で測定した。吹き付け方向に対して平行方向について測定した。
[熱伝導率]
スプレー施工フォームの熱伝導率(単位:W/m・K)は、JIS A 1412−2に準拠し、熱伝導率測定装置(製品名:オートラムダHC−074型、英弘精機社製)を用いて、平均温度20℃で測定した。熱伝導率が低い方が断熱性能に優れる。
[燃焼試験]
前記スプレー施工フォームをフレキシブル板も含め、厚み20mmとなるようカットし、ISO 5660に準拠したコーンカロリーメータによる試験を実施した。
ISO5660では、難燃材料の基準である5分間の試験において、最大発熱速度(HRR)が200kW/m以上を10秒以上継続する場合、総発熱量(THR)が8MJ/m以上の場合、あるいは防火上有害な裏面まで貫通する亀裂および穴がある場合は不合格である。亀裂および貫通については目視による外観で評価し、亀裂および/または貫通なきものは外観評価は○(良好)、判定は合格とした。亀裂および/または貫通のあるものは外観評価は×(不良)、判定は不合格とした。
【0089】
[貯蔵安定性(常温・高温)]
ポリオールシステム液を所定の保存温度で1ヶ月間保存した後、液の状態を目視で観察した。下記の基準で評価した。常温貯蔵安定性は保温温度20℃、高温貯蔵安定性は保存温度40℃とした。
○(良好):濁り、分離、沈殿、固化のいずれも発生せず、透明である。
×(不可):濁り、分離、沈殿、固化のうちの1つ以上が発生した。
××(より不可):濁り、分離、沈殿、固化のうち2つ以上が発生する。より不良。
【0090】
【表2】

【0091】
【表3】

【0092】
【表4】

【0093】
【表5】

【0094】
【表6】

【0095】
【表7】

【0096】
【表8】

【0097】
【表9】

【0098】
【表10】

【0099】
【表11】

【0100】
表7〜11の結果より、ポリオール(A)およびポリマー粒子を含む例5〜20および例29〜46は、スプレー施工試験において良好な成形性および物性を有するポリイソシアヌレートスプレーフォームを得ることができた。ポリオールシステム液の貯蔵安定性も良好であり、高温の貯蔵安定性も良好だった。
一方、ポリオール(A)および/またはポリマー粒子を含まない例1〜4および例21〜28で得られた硬質フォームは成形性、寸法安定性、圧縮強度および難燃性が不充分であった。また、ポリマー粒子を含まない例1〜2、21〜26は高温の貯蔵安定性が不十分であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオール組成物(P)とポリイソシアネート化合物とを、発泡剤、整泡剤および触媒の存在下で反応させて硬質発泡合成樹脂を製造する方法であって、
前記ポリオール組成物(P)が下記ポリオール(A)を20〜99.998質量%、ポリマー粒子を0.002〜30質量%含み、該ポリオール組成物(P)の平均水酸基数が2〜8、平均水酸基価が100〜800mgKOH/gであり、前記発泡剤が下式(I)で表されるハイドロフルオロエーテル類(I)
−O−C …(I)
(式中、a、bはそれぞれ独立に1〜5の整数であり、a+bは2〜6であり、c、dはそれぞれ独立に0または1〜10の整数であり、c+d≧1であり、e、fはそれぞれ独立に0または1〜10の整数であり、e+f≧2であり、c+d<e+fである。)
を含むことを特徴とする硬質発泡合成樹脂の製造方法。
ポリオール(A):フェノール類、アルデヒド類、およびアルカノールアミン類を反応させて得られるマンニッヒ縮合物を開始剤として、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルポリオール。
【請求項2】
前記ポリマー粒子が重合性不飽和基を有するモノマーを重合させて得られるポリマー粒子である、請求項1に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
【請求項3】
前記ポリオール組成物(P)が、下記ポリオール(B)を0質量%超、70質量%以下含む、請求項1または2に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
ポリオール(B):アミン化合物(マンニッヒ縮合物を除く)を開始剤として、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルポリオール。
【請求項4】
前記ポリオール組成物(P)が、下記ポリオール(C)を0質量%超、40質量%以下含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
ポリオール(C):活性水素原子数が2〜6の多価アルコールを開始剤として、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルポリオール。
【請求項5】
前記ポリオール組成物(P)が、下記ポリオール(D)を0質量%超、70質量%以下含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
ポリオール(D):芳香族化合物を含むモノマー混合物を重縮合して製造されたポリエステルポリオール。
【請求項6】
前記ポリオール組成物(P)がポリマー分散ポリオール(W)を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
【請求項7】
前記ハイドロフルオロエーテル類(I)が、1,1,2,2−テトラフルオロメチルエーテル(HFE−254pc)を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
【請求項8】
前記ハイドロフルオロエーテル類(I)が、前記HFE−254pcと、該HFE−254pcよりも沸点が低い不燃性のハイドロフルオロエーテル類(I)を含む、請求項7に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
【請求項9】
前記ハイドロフルオロエーテル類(I)が、前記HFE−254pcと、該HFE−254pcよりも沸点が高い不燃性のハイドロフルオロエーテル類(I)を含む、請求項7に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
【請求項10】
スプレー法を用いる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。

【公開番号】特開2012−177109(P2012−177109A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−21052(P2012−21052)
【出願日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【出願人】(000000044)旭硝子株式会社 (2,665)
【Fターム(参考)】