説明

硬質表面洗浄用殺菌性水系組成物および使用方法

【課題】 硬質表面洗浄用殺菌性水系組成物および使用方法。
【解決手段】 殺菌有効量の第四級アンモニウム化合物、
芽胞形成有効量のバチルス属微生物組成物、および
水分散有効量の第四級アンモニウム化合物以外の界面活性剤、
を含んで成る硬質表面洗浄用殺菌性水系組成物を記述する。この組成物を用いて多様な微生物フローラを含有する硬質表面を洗浄する。この組成物は、嫌な臭いの原因に成り得る望ましくない微生物を死滅させることで洗浄および殺菌を行いそしてバチルス属の芽胞を後に残し、この芽胞は後で発芽して、いくらか継続して残存する残渣の分解を嫌な臭いを発することなく起こさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芽胞形成性微生物学的細菌(spore forming microbiological bacteria)を用いて硬質表面を殺菌して洗浄する組成物に関する。
【発明の背景】
【0002】
数多くの施設を管理する環境には一般に汚れた表面が数多く存在する。
【0003】
数多くの施設を管理する環境には、一般に、管理職員が充分な洗浄および保守を行うのが困難な表面が数多く存在する。そのような表面の組成および/または機能は、典型的に、標準的な洗浄手順を用いたのでは有効に除去されない有機汚れおよび多様な微生物フローラ(flora)が住み着くような組成および/または機能である。そのような表面には、これらに限定するものでないが、台所、便所、ロッカーローム、動物飼育施設、犬小屋または獣医診療所、荷積み港湾施設、ごみ収集箱および公共トランジットオペレーション(transit operations)などの如き領域の床および壁が含まれる。
【0004】
洗浄が充分でないことが原因で表面に汚れが集積して天然微生物のフローラが増殖すると、そのような施設は以下に示す2つの結果に苦しむことになる。1番目として、そのような材料に見られる汚れ負荷(soil load)が原因で前記施設の外観上の奇麗さが低下する。2番目として、住み着いた微生物集団によって有機物が生物学的分解を起こすことが原因でそのような汚れ負荷が不快な臭いの主要な源になり得る。
【0005】
現在の技術を用いてそのような洗浄作業を解決しようとしても有効かつ効率の良い様式は得られない。用いられている基本的洗浄方法は負荷が軽度から中程度の洗剤および/または洗剤/殺菌剤に頼っている。
【0006】
そのような種類の製品は大部分の表面汚れを除去する能力を有し、かつ殺菌剤の場合、住み着いている細菌集団のいくらかを死滅させる能力を有する。しかしながら、それらは表面の中に染み込んでいる汚れに対しては有効でなくかつ臭いを隠す目的でそれらに香料を用いたとしてもそれらが与える不快さ制御にはいくらか限度がある。このことから、洗浄が有効には成されないか或は洗浄を成功裏に行うには多段階過程を要する。最も利用されている洗浄技術は、この上に示した種類の製品(類)を表面に塗布してそれを奇麗にした後に浄水で濯ぎそして生物学的活性を示す製品を用いて前記表面を「深洗浄(deep
clean)」して臭いを制御することを伴う。バチルス属に属する細菌を基とする生物学的製品を用いて基質に捕捉されている有機物の生物学的分解を起こさせることを通して「深洗浄」と臭いの制御を行う。
【0007】
本発明の目的は、そのような表面の洗浄を達成する単一段階方法を提供することにある。本発明は、洗浄と殺菌と微生物学的活性の組み合わせを1つの水性製品の中に入れたものである。
【0008】
微生物材料を用いて、表面に存在し得る嫌な臭いとそれの源を壊す。抗菌成分の目的は、表面に存在することが確認されて健康の懸念を与え得るか或は不快な臭いの一因になり得るいろいろな種類の微生物を死滅させることにある。前記微生物材料(microbials)は前記表面に残存(使用後)して、残存する有機物を分解させることを通して洗浄過程を継続する。抗菌性製品を配合する特に重要な面は、それらが長期間に渡って安定に残存する点にある。このような微生物学的材料は、洗浄用組成物に含める他の成分、例
えば抗菌活性剤、例えば第四級アンモニウム化合物などが存在していても同様に安定である必要がある。
【0009】
本発明の1つの目的は、水を基とする有効な硬質表面洗浄用殺菌性組成物を得ることにある。
【0010】
本発明の1つの目的は、長期間安定なばかりでなくまた微生物材料が本洗浄用組成物が乾燥した後でも前記硬質表面上で活性を示すままであるように殺菌剤と硬質表面洗浄剤と細菌を組み合わせた組成物を得て使用することにある。
【0011】
本発明の1つの目的は、バチルス属を殺菌剤、例えば第四級アンモニウム化合物などの存在下で含有させた水性組成物を用いることにある。
【0012】
本発明の1つの目的は、基質である硬質表面の洗浄、殺菌および臭い制御を行う多段階洗浄過程の数が少なくなるように、より効率の良い様式で一般的な洗浄作業を実施することにある。本発明を用いると労働時間の節約が可能になりかつ化学品の在庫を少なくすることが可能になる。
【0013】
本発明の1つの目的は、固有バイオマス(indigenous bio−mass)の生物学的増加を通して現場の廃棄物処理装置および自治体の処理プラントの両方により良好な環境運命属性(environmental fate attributes)を与える微生物内容物を含有させた組成物を用いることにある。
【0014】
以下に示す文献が本明細書に開示する発明に関係し得る。
【0015】
PCT公開WO97/25865は、界面活性剤とキレート剤と防腐剤と増粘剤とバチルス属微生物を含有する衛生用組成物に関する。
【0016】
米国特許第5,449,619号は、バチルス属微生物と界面活性剤に加えて防腐剤を含有するドレインオープナー(drain opener)調合物に関する。
【0017】
米国特許第4,839,373号は、第四級アンモニウム化合物に加えて特定の防腐剤(これはベンゾチアゾールの誘導体である)を特定比で含有する防腐剤組成物に関する。
【0018】
米国特許第4,404,128号は酵素洗剤組成物に関し、その酵素は蛋白分解酵素である。
【0019】
米国特許第4,655,794号は、研磨剤粒子に加えて生存可能な微生物、例えばバチルス属と洗剤と増粘剤と抗沈降剤を含有する液状の洗浄用化合物に関する。この組成物は洗浄用組成物である。
【0020】
米国特許第5,409,546号はコンタクトレンズを洗浄および殺菌する方法に関し、そこでは、バチルス属に属する細菌に由来するセリンプロテアーゼである防腐剤と金属キレート剤とホウ酸を存在させている。また、非イオン性界面活性剤も記述している。
【0021】
米国特許第5,731,278号には、界面活性剤と非表面活性液状担体組成物と粘度上昇剤と酵素を含有する高負荷洗濯(heavy−duty laundry)用洗剤が記述されている。
【0022】
PCT公開WO97/16541にはアルカリ性プロテアーゼが記述されていて、そこ
にはバチルス属の1つの菌株が記述されており、それは界面活性剤の存在下で安定性を示す。
【0023】
PCT公開WO97/38586には、サルモネラ菌以外の微生物が肉製品上で増殖するのを防止する方法が開示されており、そこでは、前記肉製品をバチルス属の如き微生物と一緒に微生物増殖阻害量の第四級アンモニウム化合物に接触させている。
【発明の要約】
【0024】
硬質表面洗浄用殺菌性水系組成物(aqueous disinfectant and hard surface cleaning composition)がここに記述される。この組成物は、
殺菌有効量(effective disinfecting amount)の第四級アンモニウム化合物、
有効量の芽胞形成性(spore forming)微生物組成物、および
水分散有効量(effective water dispersing amount)の界面活性剤、
を含んで成る。
【0025】
また、多様な微生物フローラを含有する汚れた硬質表面を洗浄する方法もここに記述される。この方法は、この上に記述した組成物を前記表面に塗布しそしてこの表面を乾燥させることで前記表面を奇麗にすることを含んで成る。
【0026】
また、水で希釈して用いるに有用な前記硬質表面洗浄用殺菌性水系組成物の濃縮組成物もここに記述される。このものは、前記組成物の量が1−10重量%で残りが水であるように希釈される。
【好適な態様の説明】
【0027】
本発明の硬質表面洗浄用殺菌性水系組成物では第四級アンモニウム化合物を殺菌有効量で用いる。このアンモニウム化合物は、細菌、菌・カビおよび包膜ウイルスに対して優れた作用を示すカチオン性界面活性剤である。第四級品(quaternaries)は、追加的に存在させる水の品質が劣りかつ有機汚れ負荷条件下でも一定した効力を与える。包膜ウイルスのより詳細なリストに関してはFields Virology、第2版、1990を参照のこと。
【0028】
商業的に利用可能な抗菌性カチオン剤(cationics)
この種類の使用で活性を示すとしてEPAに登録されている第四級を基とする抗菌剤の主な供給業者は3社である。このような会社はLonza、StepanおよびMason Chemical Companyである。それらの市販品の商標名はそれぞれBardac、BTCおよびMaquatである。市販されている望ましいカチオン性材料は全部下記の系列の1つに一致する:
第一世代(generation):C65−CH2N(CH3)2
アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド
第二世代:(C25)C65−CH2N(CH3)2
アルキルジメチルエチルベンジルアンモニウムクロライド
第三世代:N(R)2(CH3)2
R−ジメチルアンモニウムクロライド
好適なカチオン性界面活性剤(detergent)は第四級アンモニウムクロライド系列の界面活性剤、例えばStepan ChemicalのBTC(商標)材料などであり、これには、炭素原子数が6−18のジアルキル,炭素原子数が1−4のジアルキルアンモニウムクロライド、好適にはジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチ
ルジメチルアンモニウムクロライド、オクチルデシルジメチルアンモニウムクロライドおよびアルキル(C14−50%、C12−40%、C16−10%)ジメチルベンジルアンモニウムクロライドが含まれる。以下に挙げる如きアンモニウムクロライド材料のブレンド物が更により好適である。
【0029】
この製品に用いられている系は、第四級アンモニウム化合物の有利な面の全部を最大限にするように計画された系であり、これは下記がそれぞれ1:1:2:2.67重量比のブレンド物で構成されている:
1. ジデシルジメチルアンモニウムクロライド(BTC 818)
(Stepan Chemicalの商標)
2. ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド(BTC 818)
(Stepan Chemicalの商標)
3. オクチルデシルジメチルアンモニウムクロライド(BTC 818)
4. アルキル(C14−50重量%、C12−40重量%、C16−10重量%)ジメチルベンジルアンモニウムクロライド(BTC 835)(Stepan Chemicalの商標)。
【0030】
このブレンド物(1−4)を殺菌用組成物として用いる間、それの全体レベルを好適には500から1000ppm(parts by weight per million)の範囲にする。
【0031】
使用可能な他の第四級材料はTomahの第四級品[Tomah Products(Milton、Wisconsin)の第四級アンモニウム材料の商標]である。
【0032】
Tomahの第四級品は、高分子量の第三級脂肪族アミンとアルキル化剤、例えば塩化メチルなどの反応を基にした第四級品である。第四級品は、他のアミンを基とする界面活性剤、例えばエトキシル化アミン類または酢酸アミン塩などより高いカチオン性を示しかつpHの変化に対して高い安定性を示す。分子構造が異なると溶解性、乳化特性およびカチオン強度特性も異なる。
【0033】
Tomahの大部分の第四級品は式
RO(CH2)3+(CH3)(C24OH)2Cl-
[式中、Rは脂肪族の疎水基(hydrophobe)である]
で表わすことが可能である。Rは、疎水性の脂肪族アルキル(炭素原子数が6−18)である。
【0034】
Tomahから入手可能な他の有用な第四級アンモニウム材料は下記である:
Q−14−2
75%活性の(75% active)イソデシルオキシプロピルジヒドロキシエチルメチルアンモニウムクロライド;
Q−14−2PG
75%活性のイソデシルオキシプロピルジヒドロキシエチルメチルアンモニウムクロライド(プロピレングリコールに入れて供給);
Q−17−2
75%活性のイソトリデシルオキシプロピルジヒドロキシエチルメチルアンモニウムクロライド;
Q−17−2PG
75%活性のイソトリデシルオキシプロピルジヒドロキシエチルメチルアンモニウムクロライド(プロピレングリコールに入れて供給);
Q−18−2(50)
50%活性のオクタデシルジヒドロキシエチルメチルアンモニウムクロライド;
Q−18−15
100%活性のオクタデシルポリ(15)オキシエチレンメチルアンモニウムクロライド;
Q−D−T
50%活性のタロウ(tallow)ジアミンジ第四級品(diquaternary);
Q−DT−HG
70%活性のタロウジアミンジ第四級品(ヘキシレングリコールに入れて供給);
Q−C−15
100%活性のココ(coco)ポリ(15)オキシエチレンメチルアンモニウムクロライド;および
Q−ST−50
50%活性のトリメチルステアリル第四級アンモニウム材料。
【0035】
本発明では芽胞形成性微生物組成物を有効量で用いる。本発明で用いるに望ましい生物学的製品は、一般にバチルス属に属する細菌を基とする液状または凍結乾燥形態の製品である。このような有機体は休止芽胞状態になり得ることが理由で調合が容易なことから好適である。加うるに、バチルス属に属する特定種は有機物を分解する能力を有することから、本明細書に記述する種類の用途の洗浄目的で用いるに適する。更に、バチルス属の細菌は、それ自身を容易に大規模に発酵させるに適する。本明細書に記述する如き調合物に含める細菌は、この調合物に含める他の成分、特に抗菌性の第四級材料の存在下で安定であることを基にするのが望ましい。好適な有機体は、バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)、巨大菌(Bacillus megaterium)および枯草菌(Bacillus subtilis)である。このような製品は数多くの給源から商業的に入手可能である。バチルス属の好適な材料はSemco Laboratoreis,Inc.から名称Sporzyme IB,Sporzyme Ultra Base 2,Sporzyme EB およびSporzyme BCC[全部Semco Laboratoreisの商標であり、バチルス属の細菌芽胞を含有する液体材料である]の下で入手可能である。また、バチルス属の材料をSybron Chemicals,Inc.(Wilmington、DE)から入手することも可能である。
【0036】
本発明の洗浄用殺菌性組成物で用いる追加的成分は界面活性剤である。水の表面張力を小さくして汚れを基質から除去する補助で界面活性剤を用いる。特に望ましい群の界面活性剤は、前記カチオン性殺菌剤および微生物学的材料の安定性を維持する界面活性剤である。好適に用いる界面活性剤は非イオン性および両性材料である。このような材料は奇麗にすべき基質を充分に湿らせ、油状の汚れを乳化させかつ本洗浄用組成物に含めるカチオン性成分とイオン的に適合し得る。
【0037】
使用可能な非イオン性材料には脂肪アミン類またはオキサイド類、脂肪アルカノールアミド類、アルキルポリグルコシド類および線状アルコールのエトキシレート類が含まれる。好適な界面活性剤は第二アルコールのエトキシレート類、ベタイン類、スルテイン類(sultaines)およびアミンオキサイド類である。好適なアルコールエトキシレート類およびエトキシスルフェート類をNeodol Chemical Companyの商標(Shellの界面活性剤の商標)の下で入手することができる。Neodolの製品には、アルキルがC9−C15の範囲の線状第一アルコール類、非イオン界面活性剤であるエトキシレート、およびエトキシスルフェートが含まれる。
【0038】
非イオン性界面活性剤のさらなる例は、Igepal(Rhodia,Inc.のノニルフェノキシポリエトキシエタノールの商標)、Tergitol NP(Union Carbide Corp.のノニルフェノキシエトキシレートの商標)、Tergitol 15−S(Union Carbide Corp.の第二アルコールエトキシレート類の商標)、Triton Xシリーズ(Union Carbide Corp.のオクチルフェノールポリエトキシレートの商標)およびTween Materials[ICI Americas,Inc.のポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレートおよびポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートの商標]として知られる材料である。両性材料の例には、Mirataine CBCおよびMiranol C2MSF(Rhodia,Inc.の界面活性剤の商標)およびLexaine(Inolex Co.のココアミドプロピルベタインの商標)が含まれる。
【0039】
本件で用いる微生物学的芽胞の分散液が示す安定性を維持しかつ芽胞の沈降(沈降が起こると製品の有効性が失われる)が起こらないようにする目的で増粘剤を用いる。望ましい増粘剤は、カチオン系に適合し得る増粘剤である。好適な増粘剤はセルロース系材料、例えばヒドロキシエチルセルロースなどである。Natrosol(Herculesの非イオン性で水溶性の高分子ヒドロキシエチルセルロースの商標)およびCellosize(Union Carbideのヒドロキシメチルセルロースの商標)が好適である。
【0040】
使用可能な追加的増粘剤はAcusol 880/882[Rohm and Haas Co.の商標であり、ポリエチレングリコールとプロピレングリコールと水を含有していてpHが7−9で最大粘度が60,000CPSの非イオン結合高分子混合物(nonionic associative polymer mixture)である]である。
【0041】
本出願の洗浄用組成物の配合は下記の通りである:
【0042】
【表1】

【0043】
濃縮形態における組成物のpHは約6から8の範囲である。前記組成物を実際に使用する時のpHは約7から8の範囲である。
【0044】
好適な配合を以下に示す。以下に記述する如き材料を混合することで本組成物の調製を行う。
【0045】
【表2】

【0046】
混合指示:
前記材料を前記順で添加する。最初に水を加えて、この水にNatrosol 250
HRをゆっくりとむらなく分散させる。Natrosol 250 HRの大きな塊が生じないようにする。Natrosol 250 HRの全量を加え終わった後、この溶液に水酸化カリウムを加える。充分な混合を約10分間、またはNatrosol 250 HRが水和されるまで行う。Natrosol 250 HRが水和された後、前記塩を添加して継続し、そして混合を2分間、またはそれが溶解するまで行う。次に、Q−17−2およびNeodol 25−7を加えて、充分な混合を10分間、または分散していない界面活性剤の塊が存在しなくなるまで行う。BTC 818およびBTC 835を添加して継続する。前記界面活性剤が分散した後、香料を加えて混合を溶液が透明になるまで行う。細菌培養物を添加する前にクエン酸を添加してpHを調整する。最後に、別の容器内で最終的水と細菌培養物を混合する。この細菌培養物が完全に水和された後、これを前記バッチに加える。最後に染料を添加して混合をそれが完全に分散するまで行う。
【0047】
この上の表Iに記述した如き配合物に細菌安定性試験を受けさせた、即ち前記組成物に長期安定性試験を室温および100度Fの加熱箱温度で受けさせた。
【0048】
以下の表IIに本発明の組成物が示した長期安定性を示す。
【0049】
【表3】

【0050】
本出願の組成物を用いていろいろな試験技術の洗浄性能要求に合致させるのは容易であり得る。そのような試験技術の一例はASTM D 4488−95に記述されている如き洗浄確認であり、ここでは、汚れの自然または促進老化、例えばグリース状汚れを焼き固めること(baked on)による促進老化を用いてそれを実際の使用と相互に関係付けることができる。抗菌効力を測定する他の実際の使用試験は、殺菌剤の試験に関する実際のAOAC使用希釈方法(use−dilution method)およびそれをSARC(半自動的環担体)で修飾した方法である。AOAC Offical Methods Of Analysisの15版、1990を参照のこと。
【0051】
本出願者の組成物を試験する時、AOAC方法の組成物を修飾した組成物にナイシンを用いるのが特に有用であることを確認した。ナイシンは、ストレプトミセス・ラクチス(Streptomyces lactis)が産出する34アミノ酸残基を含有する抗生物質である。
ナイシンの説明:
ナイシンは本製品の配合に入れる材料ではない。これはAOAC試験方法の修飾である。具体的には、試験継代培養を組み立てる時、レシーンブロス(letheen broth)にナイシンを0.1μg/ml添加する。このレベルのナイシンは試験有機体に対して静菌効果を全く示さないが、試験溶液から担体の上にいくらか移植したバチルス芽胞の発芽後成長を抑制する。
【0052】
標準的な「使用−希釈」試験を黄色ブドウ球菌、緑膿菌、豚コレラ菌および大腸菌に対して行った。表Iに記述した本発明の組成物は前記試験に満足される様式で合格した。
【0053】
本組成物に実質的な変化を与えない限り他の成分、例えば着色剤および香料などを本組成物に添加することも可能である。
【0054】
本出願では全体として硬質表面を奇麗にして殺菌することを望むことから、この上に記述した如き組成物が特に有用である。
【0055】
好適な追加的配合を以下に示す。この上に記述した混合と同じ様式で下記の材料を混合することを通して本組成物の調製を行う。
【0056】
【表4】

【0057】
表IIIに示した配合の安定性を以下の表IVに記述する。
【0058】
【表5】

【0059】
また、表Vに示す如き回復%(% recovery)を用いて本組成物が示す長期安定性も示す。
【0060】
【表6】

【0061】
本明細書に開示した本発明の形態が現在のところ好適な態様を構成するが、他にも数多く可能である。本発明の可能な相当形態または分枝(ramification)の全部を本明細書に挙げることを意図しない。本明細書で用いる用語は限定ではなく単に説明的用語であり、本発明の精神からも範囲からも逸脱しない限りいろいろな変形を成し得ると理解する。
【0062】
本発明の特徴および態様は以下のとおりである。
【0063】
1. 硬質表面洗浄用殺菌性水系組成物であって、
殺菌有効量の第四級アンモニウム化合物、
有効量の芽胞形成性微生物組成物、および
水分散有効量の界面活性剤、
を含んで成る組成物。
【0064】
2. 水で希釈して用いるに有用な硬質表面洗浄用殺菌性濃水系組成物であって、
殺菌有効量の第四級アンモニウム化合物、
有効量の芽胞形成性微生物組成物、
水分散有効量の界面活性剤、および
有効量の増粘剤、
を含んで成る組成物。
【0065】
3. 前記洗浄用組成物が1から10重量%の量で存在していて前記組成物の残りが90から99重量%の量の水である第1項記載の組成物。
【0066】
4. 前記第四級アンモニウム化合物が5.5%の量で存在しており、
前記芽胞形成性微生物組成物が0.01%の量で存在しており、
前記界面活性剤が6.3%の量で存在しており、そして
pHが6から8の範囲である、
第3項記載の組成物。
【0067】
5. 下記の材料を下記の重量:
第四級材料 1−10%
微生物材料 1x109−1x1012CFU/ガロン
(コロニー形成単位)
界面活性剤 1−10%
増粘剤 0.1−5%
水 残りの量
総量100%
で含んで成る第1項記載の組成物。
【0068】
6. 下記の材料:
第四級材料 0.1−2重量%
微生物材料 1x108−1x1010CFU/ガロン
界面活性剤 0.1−5%
増粘剤 痕跡量
水 残りの量
総量100%
を含んで成る第1項記載の組成物。
【0069】
7. 多様な微生物フローラを含有する汚れた硬質表面を洗浄する方法であって、第1
項記載の組成物を前記表面に塗布しそして前記表面を乾燥させることで前記表面を洗浄かつ殺菌することを含んで成る方法。
【0070】
8. 前記硬質表面が黄色ブドウ球菌、緑膿菌、豚コレラ菌および大腸菌から成る群から選択される微生物を含有する第7項記載の方法。
【0071】
9. 前記汚れた表面に血清が有機汚れとして含まれていて、この有機汚れが、CaCO3を100−400ppm含有する硬水で希釈した前記組成物に入り込むことで、前記組成物が1段階の殺菌性洗浄剤として効力を示す第7項記載の方法。
【0072】
10. 下記の材料:
第四級材料 1−10%
微生物材料 1x109−1x1012CFU/ガロン
(コロニー形成単位)
界面活性剤 1−10%
増粘剤 0.1−5%
水 残りの量
総量100%
を含める第7項記載の方法。
【0073】
11. 下記の材料:
第四級材料 0.1−2重量%
微生物材料 1x108−1x1010CFU/ガロン
界面活性剤 0.1−5%
増粘剤 痕跡量
水 残りの量
総量100%
を含める第7項記載の方法。
【0074】
12. 硬水表面洗浄用殺菌性水系組成物であって、本質的に下記の材料を下記の重量:
カチオン性材料 1−10%
微生物材料 1x109−1x1012CFU/ガロン
界面活性剤 1−10%
増粘剤 0.1−5%
水 残りの量
総量100%
で含んで成る組成物。
【0075】
13. 更にカルシウムイオンも含んで成る第1または12項記載の組成物。
【0076】
14. 前記イオンが塩化カルシウムである第13項記載の組成物。
【0077】
15. 前記アンモニウム化合物が炭素原子数が6−18のジアルキル,炭素原子数が1から4のジアルキルアンモニウム化合物である第1項記載の組成物。
【0078】
16. 前記アンモニウム化合物が炭素原子数が6−18のジアルキル,炭素原子数が1から4のジアルキルアンモニウム化合物である第2項記載の組成物。
【0079】
17. バチルス属材料が枯草菌で構成されている第1項記載の組成物。
【0080】
18. バチルス属材料が枯草菌で構成されている第2項記載の組成物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬質表面洗浄用殺菌性水系組成物であって、
殺菌有効量の第四級アンモニウム化合物、ただし該第四級アンモニウム化合物は、
ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロ
ライド、オクチルデシルジメチルアンモニウムクロライドおよびアルキル(C14
50重量%、C12−40重量%、C16−10重量%)ジメチルベンジルアンモニウ
ムクロライドのブレンド物である、
芽胞形成有効量のバチルス属微生物組成物、および
水分散有効量の第四級アンモニウム化合物以外の界面活性剤
を含んで成る組成物。
【請求項2】
塩化カルシウムを更に含んで成る請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
多様な微生物フローラを含有する汚れた硬質表面を洗浄する方法であって、請求項1記載の組成物を前記表面に塗布しそして前記表面を乾燥させることで前記表面を洗浄かつ殺菌することを含んで成る方法。
【請求項4】
硬質表面洗浄用殺菌性水系組成物であって、本質的に下記の材料を下記の重量:
カチオン性材料 1−10%
バチルス属微生物材料 1×109−1×1012CFU/3.785リ
ットル(ガロン)
非イオン性または両性界面活性剤 1−10%
カチオン系に適合し得る増粘剤 0.1−5%
水 残りの量
総量100%
で含んで成る組成物。

【公開番号】特開2012−149267(P2012−149267A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−67449(P2012−67449)
【出願日】平成24年3月23日(2012.3.23)
【分割の表示】特願2000−292189(P2000−292189)の分割
【原出願日】平成12年9月26日(2000.9.26)
【出願人】(500449031)スパータン・ケミカル・カンパニー・インコーポレーテツド (1)
【Fターム(参考)】