説明

磁性ベルト駆動式軌道搬送方法及び装置

【課題】軌道走行型搬送体により物品を搬送する装置に於いて、搭載した物品を処理する装置の配列順序が物品の処理順序と一致しない場合でも、最短時間で物品を次の処理装置へ搬送でき、スループットを低下させることのない効率の良い搬送方法およびその装置を、低いコストで高い設備拡張性を持たせて、提供する。
【解決手段】物品を搭載した搬送体1を走行用軌道モジュール2の磁性金属製エンドレスベルト21により、複線軌道で駆動する。物品9を搭載の搬送体1が乗っている短尺軌道モジュール6aを平行移動機構7により通常走行位置、処理装置10のワーク授受位置、隣接走行用軌道モジュールの反対方向軌道位置の間で切替え、物品処理装置10で物品の処理を行った後、必要な場合には搬送体1が逆方向の軌道に移り、後続の搬送体の走行を妨げることなく、後戻りして搬送する。短尺軌道モジュール6bは6aがワーク授受位置に在る時に通常走行位置に在り、後続搬送体の通過走行を可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を載せた複数の搬送体が軌道等の固定搬送路上を走行して物品を搬送する技術に関し、搬送対象の物品に所定の処理を施す処理装置まで、前記搬送体が渋滞なしに短時間で効率よく到達するのに好適な、搬送方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば工業製品の製造工程において、製造に必要な加工処理を施す処理装置の間に軌道等の固定された搬送路を設け、当該搬送路上を走行する複数の搬送体に処理対象物を載せ、予め定められた加工処理の順序に従って、各処理装置の間を移動させる搬送方式がある。
【0003】
従来、このような搬送方式は、閉ループ状の搬送路を複数の搬送体が同一方向に走行する方式が一般的であるが、その場合に次のような問題が発生し、搬送効率を低下させる恐れがあった。
1.先行する搬送体が処理装置との間で処理対象物の授受を行う間、後続の搬送体は停止して待たされる場合があり、渋滞が発生する。
2.処理対象物を複数の処理装置の間で予め定められた順序で搬送するためには、搬送体の走行方向と処理装置の配列順序が一致することが望ましい。然しながら、処理対象物が多品種少量生産品の場合には、処理対象物の種類によって処理装置及び処理順序が異なることが多いため、全ての条件を満足させる処理装置の配列は困難である。このため搬送体は閉ループ状の搬送路を必要回数だけ周回しなければならず、全体的な搬送効率が低下し、結果的に搬送対象物の処理に要する時間や処理待ちの仕掛品が増え、処理工程の生産性が低下する。
これらは、例えば開発期間の短縮と製造コストの低減が厳しく求められるシステムLSI等の多品種少量生産の半導体製品の製造工程において、解決すべき問題であった。
【0004】
これらの問題を解決するために、例えば半導体等の基板製造工程においては、特許文献1、特許文献2に記載されている手段が考案されている。
【0005】
【特許文献1】特開平10−275017公報
【0006】
【特許文献2】特開2003−282669公報
【0007】
特許文献1では、搬送体が走行する閉ループ軌道に複数の分岐点とバイパス軌道を設け、搬送効率を上げるために計算により最適な分岐経路を選択する方法が取られている。
【0008】
特許文献2では、工程内搬送において閉ループ軌道を走行する台車により基板を枚葉式で搬送し、工程のスループットを上げるために、並搬送が可能な、もう一つの搬送ラインを設けている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述の従来技術では、特許文献1の場合には閉ループの軌道を分岐点で区分される領域に分け、領域毎の搬送車の数と運行状態に基づいて軌道領域の搬送能力の変化を算出し、搬送能力が低下しない場合にのみ搬送車を分岐点からバイパス軌道へ進入させることにより、装置全体の搬送能力を向上させている。
【0010】
この方法は、閉ループ軌道に設けられたバイパス軌道を活用して全体の搬送効率を上げるためには有効な方法であるが、基本的に、バイパス軌道を設置する位置とバイパス軌道の数により制約されるので、搬送対象物処理装置の位置や処理順序によっては、無駄な搬送距離が長くなり、搬送効率向上にも限界があるという技術的な課題がある。
【0011】
また参考文献2の場合には、従来の閉ループ搬送路をもつ枚葉式搬送装置の多くは搬送路が単一体であることを指摘し、その場合は搬送路に沿った基板処理装置の処理時間のバラつき、又は少量多品種生産に特有な処理時間の短い基板と長い基板の混在、が原因で基板処理工程のスループットが低下すること、更には特急品が来た場合に前にある通常品が邪魔になり処理できない問題があること等を述べ、これらの解決手段として並搬送路を設けることを提案している。
【0012】
この提案は、工程内の枚葉搬送における搬送効率を上げるためには有効な方法ではあるが、並搬送路を設けるために搬送装置がコスト高になるという問題があり、更に基本的な問題として、何れの搬送路においても搬送台車は閉ループ搬送路を一方向に走行するのみなので、例えば非常に生産性の高い基板処理装置を工程あるいは品種間で共用する場合には、搬送台車はループを何度も周回せねばならずスループットの低下を免れないという技術的な課題がある。
【0013】
本発明は、上述の技術的な課題を解決し、軌道等の固定された搬送路上を複数の搬送体が走行する搬送装置の技術に関して、従来の閉ループで一方向の搬送方式では実現できない柔軟で効率が良く、且つ低コストの搬送方法及び装置を提供するものであり、具体的には以下の目的を達成しようとするものである。
1.搬送体の走行軌道を単純な一体構造で複線化し、物品を搭載した搬送体が搬送経路に沿って配列された物品処理装置との間で物品の授受を行った後、必要な場合には逆方向の軌道に移り、後続の搬送体の走行を妨げることなく後戻りして搬送することを可能とする。これにより、前記処理装置の配列順序が搬送体に搭載された物品の処理順序と一致しない場合でも、スループットを低下させることのない効率の良い搬送を実現すること。
2.搬送体の走行軌道を単純な一体構造で複線化し、複数の搬送体による装置間の搬送を搬送経路を閉ループにせずに実現することにより、搬送体が搭載する物品を処理する装置を配置する際の搬送経路による制約条件の緩和、搬送経路長さと所要床面積の削減による搬送設備のコスト低減、等を可能にすること。
3.搬送体へ給電せずに駆動する方式を採用し、搬送体自走用給電設備という制約条件のない搬送体走行軌道を実現することにより、走行軌道構造の単純化及びモジュール構造化を容易にし、搬送設備のコスト低減と生産量に応じた設備の拡張性を実現すること。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するため、本発明では搬送体の走行軌道と平行で、且つ軌道上面に垂直なベルト面を持つ磁性金属製エンドレスベルトにより搬送体を駆動する方法を採用した。即ち当該エンドレスベルトの両側に搬送体の走行軌道を設け、搬送体に永久磁石を取付け当該ベルトに吸着させることによりベルトの両側で2つの搬送体を互いに反対方向に駆動可能とした。これにより、発塵が少ない金属ベルト駆動という方法で複線の双方向搬送を実現した。
【0015】
次いで適宜な長さの前記エンドレスベルトと複線走行軌道により走行用軌道モジュールを構成し、更に当該走行用モジュールより短尺で且つ全体を平行移動或いは回転させる機能を付加したモジュールを機能型軌道モジュールとして構成し、これらの軌道モジュールを必要に応じて組み合わせることにより搬送体の搬送経路を形成する方式を採用した。
【0016】
前記の搬送経路を形成する機能型軌道モジュールの中で平行移動軌道モジュールの役割は搬送体が搭載又は携行する例えば半導体製造工程における基板入りカセットなどの物品を物品の処理装置との間で授受する際に、平行移動軌道モジュール上に搬送体を乗せて当該装置の前に平行移動させること、或いは、搬送体を逆方向に走行させるために、隣接軌道モジュールとの接続位置を複線の軌道間隔だけシフトさせ、隣接軌道モジュール相互間の上り軌道と下り軌道を接続させることである。
【0017】
特に後者は、搬送対象物の処理順序と処理装置の配列順序が異なる場合など、搬送対象物を次の処理装置に送るために搬送体を搬送経路上で後戻りさせる必要がある場合に非常に効果を発揮する。これにより搬送体は、任意の処理装置において、軌道モジュールの複線走行軌道の上りと下りの間で乗り換えが可能になり、後続搬送体と衝突することなく後方へ戻り、目標の処理装置へ到達することが出来る。
【0018】
また前記の搬送経路を形成する機能型軌道モジュールの中で回転軌道モジュールの役割は、搬送体を載せて任意の方向に回転し、所定の角度位置に設置された隣接軌道モジュールに接続して搬送体の走行方向を転換することである。之により搬送経路の分岐、合流、方向転換を実現することが出来、又、180度回転させれば搬送体の向きを変えて反対軌道に乗せ、後続の搬送体と衝突することなく逆方向に走行させる事が出来る。
【0019】
更に以上に述べた方法、方式、手段を用いれば、必ずしも搬送経路を閉ループ状にしなくても複数の搬送体に搭載した物品を任意の物品処理装置へ効率良く搬送出来る事は明白であり、従来の閉ループ搬送方式に較べて、建屋内に於いて処理装置の配置を決定する際に搬送装置による制約が少なくなるので、結果的に面積効率の良い工場を実現出来る。
【0020】
次に、従来の多くの搬送装置では搬送体に駆動モーターを搭載した自走式を採用しているため搬送体の走行軌道には搬送体へ電源と制御信号を供給する仕組みが必要であり、このため搬送体の走行軌道を部分的に切り離して回転や平行移動させることは、一般に装置の複雑化、信頼性低下、コスト上昇を招くため設備的に不利になる。これに対して本発明は各軌道モジュールの磁性金属性エンドレスベルトにより搬送体を駆動する方式を採用することで、従来の多くの軌道に不可欠であった搬送体へ走行用電力や制御信号等を供給する付帯設備を不要とした。之により、搬送体の搬送経路を前記の平行移動軌道モジュール、回転軌道モジュールを含む複数の軌道モジュールにより形成することが容易に可能になり、例えば生産規模に応じた搬送装置の増設など、柔軟な設備投資への対応が可能になった。
【0021】
また、本発明では搬送体の走行抵抗を減らし走行に伴う発塵を最小限に抑えるため、走行軌道面に静圧エアベアリングを設け、搬送体を当該静圧エアベアリングにより浮上させ、軌道と非接触で走行させる方式を採用した。之により、搬送体駆動に要する電力消費を少なくし、搬送体駆動用の磁性金属製エンドレスベルトに掛かる負荷を軽くすることが出来るので、搬送装置全体のコストを低減することができ、また例えば、半導体製造設備等に於いて要求される低発塵性の要求にも、対応することができる。
【発明の効果】
【0022】
以上述べたように、本発明によれば搬送体はコンパクトな構造の複線軌道上で磁性金属製エンドレスベルトにより駆動され静圧エアベアリングにより支持されるので、以下の効果を期待出来る。
1.搬送体に搭載した物品を処理した後、後続搬送体の走行を妨げることなく後戻り搬送が可能になり、前記物品の処理装置の配列順序が物品の処理順序と一致しない場合でも、最短時間で物品を次の処理装置へ搬送でき、スループットを低下させることのない効率の良い搬送を実現することが可能である。
2.搬送経路を閉ループにせずに、複数搬送体による装置間搬送を実現することが可能である。このため、搬送体が搭載する物品の処理装置を配置する際に、搬送経路の制約条件が緩和され、搬送経路長さと所要床面積の削減により搬送設備のコストを低減することが可能である。
3.走行駆動用に搬送体へ給電する必要がなく、搬送体自走用給電設備という制約条件のない走行軌道が可能になり、走行軌道の単純化とモジュール構造化を容易にし、搬送設備のコスト低減、及び、生産量に応じた設備の拡張性を実現することができる。
4.磁性金属製エンドレスベルト駆動方式、及び、静圧エアベアリングによる搬送体支持方式の採用により、発塵の少ないクリーンな搬送を実現することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明にかかる実施形態を図面により説明する。図1に、本発明の構成要素である搬送体1と走行用軌道モジュール2の一実施形態を示す。走行用軌道モジュール2が備える磁性金属製エンドレスベルト21に沿って複線の軌道22があり、搬送体1は軌道22に案内され、図示の永久磁石11の反対側の永久磁石が、ベルト21に吸着して駆動される。軌道22と搬送体1の関係を図2に示す。搬送体1は軌道の案内溝22aに嵌る脚部1aと軌道22の上面に接する底面1bを有する。軌道22の上面と案内溝22aの内側の面には、静圧エアベアリング3が適切な間隔で搬送体走行方向に配列されている。静圧エアベアリング3はポケット3aと周縁ランド3bを有し、ポケット3aには、図示しない絞り抵抗を介して外部から加圧エアが供給され静圧エアベアリング3と搬送体底面1b脚部1aの対向面との間に搬送体に掛かる荷重とバランスしたエアの静圧分布を発生させる。このエアの静圧分布により搬送体は軌道面から浮上し非接触走行が可能になる。図1に於いて、磁性金属製エンドレスベルト21はプーリー4を介して図示されていないモーターにより駆動され、当該磁性金属製エンドレスベルト21に永久磁石11により吸着した搬送体1を駆動する。なお前記の静圧エアベアリング3は、固定絞り付きポケット3aと周縁ランド3bを有するタイプに限定されず、例えばベアリング面に多孔質材を用いる分布タイプでもよい。また走行用軌道モジュール2は、本発明の趣旨によれば、図に示す床置き方式に限定されるものではなく、例えば天井吊下げ方式でもよいことは、言うまでもない。
【0024】
図3に、軌道上に搬送体を乗せ横方向に平行移動する平行移動軌道モジュール5を示す。このモジュールは短尺軌道モジュール6と平行移動機構7で構成され、平行移動機構7は低発塵タイプの直線式ガイドとアクチュエータの組合せであればどのような構成でもよい。搬送体1は、搭載している物品を物品処理装置との間で授受するため、或いは、隣接軌道モジュールとの間で複線走行軌道の乗り換えを行うため、短尺軌道モジュール6に乗った状態で横方向に平行移動する。
【0025】
図4に、本発明に関わる磁性ベルト駆動式軌道搬送装置の実施形態の一例を部分的に示す。走行用軌道モジュール2の複線軌道には2台の搬送体1が示されており、夫々の搬送体はプーリー4により駆動される磁性金属製エンドレスベルト21により互いに逆方向に駆動される。5は平行移動軌道モジュールであり、6a、6bは平行移動用の短尺軌道モジュールである。7は平行移動機構、8は回転軌道モジュールである。なお図示の実施形態は床置き方式であるが、天井吊下げ方式でこれらの搬送装置を構成してもよいことは、言うまでもない。
【0026】
図5により、平行移動軌道モジュールの機能を説明する。当初短尺軌道モジュール6aは隣接する走行用軌道モジュール2と通常走行位置で接続しており、搬送体1は搬送対象の物品9を搭載して、当該物品9に加工処理を施すため、処理装置10用の短尺軌道モジュール6aの上で停止する。なお搬送装置の搬送効率を高めるために、平行移動機構7には短尺軌道モジュール6aと6bの2式を乗せることが望ましい。
【0027】
図6に於いて物品9aを搭載した搬送体1を乗せた短尺軌道モジュール6aは、処理装置10との間のワーク授受位置まで平行移動し、同時にもう一方の短尺軌道モジュール6bは隣接する走行用軌道モジュール2と通常走行位置で接続するように平行移動する。物品9aの処理に要する時間の間は、短尺軌道モジュール6bが隣接する走行用軌道モジュール2の間を接続するため、物品9bを搭載した後続の搬送体は、物品9aの処理時間に関係なく装置10の前を通過し、遅滞無く目的の処理装置(図示せず)へ到達できる。なお、処理装置10と搬送体1との間の物品9aの授受は、装置の機側に別途備えられているロボット又は専用ハンドリング装置(図示せず)により行われる。
【0028】
次に、搬送体1に搭載された物品9の処理が処理装置10で完了し、次の工程へ送るため物品を搭載した搬送体を逆方向に戻す場合を図7に示す。図7に於いて物品9aを搭載した搬送体1を乗せた短尺軌道モジュール6aは、平行移動機構7により平行移動し、複線軌道の中の搬送体1がある側(上り方向とする)が、隣接する走行軌道モジュールの複線軌道の下り方向に接続する。この時短尺軌道モジュール6bは短尺軌道モジュール6aの平行移動を妨げぬように、平行移動機構7のストローク端に待避している。然る後に短尺軌道モジュール6aのベルト駆動プーリー4aを隣接する軌道モジュール2のベルト駆動プーリー4と逆方向に且つ同期した速度で駆動することにより、物品9aを搭載した搬送体1を、物品9bを搭載した後続の搬送体と衝突することなく、逆方向へ搬送することができる。
【0029】
次に、回転軌道モジュール8の機能を図8、図9により説明する。回転軌道モジュール8は、短尺軌道モジュールを回転機構(図示せず)の上に中心位置を合わせて取付けた構成であり、回転機構は回転角度の制御が可能な構成であれば、どの様な方式であってもよい。図8に於いて、回転軌道モジュール8は、走行用軌道モジュール2の間を連結しており、前記軌道モジュール2と直角に交差する走行用軌道モジュール2bは搬送体1の搬送経路として選択されていない状態である。前記搬送体1の搬送経路として走行用軌道モジュール2bが選択された場合は、図9に示す様に回転軌道モジュール8は反時計方向に90度回転し、分岐した走行用軌道モジュール2bの間を連結し、搬送体1は前記の分岐した走行用軌道モジュール上で図の左方向に走行する。同様に回転軌道モジュール8が時計方向に90度回転した場合は、搬送体1は走行用軌道モジュール2bの他方の複線軌道に入り図の右方向に走行し、180度回転した場合は、搬送体1は元の走行用軌道モジュール2の複線軌道のもう一方の軌道に入り最初とは反対方向に走行する。なお走行用軌道モジュール2と2bのなす分岐角度は90度に限らず、搬送の目的に応じて任意の角度に設定できることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明の方法及び装置は、システムLSI等の多品種少量生産の半導体製造工程に於けるウェハーの工程間搬送装置等に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】走行用軌道モジュールの構成と静圧エアベアリングの一例を示す図である。
【図2】搬送体走行軌道と搬送体の関係を示す図である。
【図3】機能型軌道モジュールのうち、平行移動軌道モジュールの構成を示す図である。
【図4】本発明に関わる磁性ベルト駆動式軌道搬送装置の実施形態の一例を部分的に示す図である。
【図5】平行移動軌道モジュールの機能を示す図である。図で、平行移動軌道はノーマル位置にある。
【図6】平行移動軌道モジュールの機能を示す図である。図で、平行移動軌道はワーク授受位置にある。
【図7】平行移動軌道モジュールの機能を示す図である。図で、平行移動軌道は逆方向への搬送位置にある。
【図8】機能型軌道モジュールのうち、回転軌道モジュールの機能を示す図である。図で、回転軌道はノーマル位置にある。
【図9】回転軌道モジュールの機能を示す図である。図で、回転軌道は分岐位置にある。
【符号の説明】
【0032】
1 搬送体
1a 搬送体の脚部(軌道案内溝に嵌る)
1b 搬送体の底面(静圧エアベアリングに支持される)
2 走行用軌道モジュール
2b 走行用軌道モジュール(分岐側)
3 静圧エアベアリング
3a 静圧エアベアリングのポケット
3b 静圧エアベアリングの周縁ランド
4 磁性金属製エンドレスベルト駆動プーリー
4a 平行移動用短尺軌道モジュール6aのベルト駆動プーリー
5 平行移動軌道モジュール
6 平行移動用短尺軌道モジュール
6a 平行移動用短尺軌道モジュール(処理装置側)
6b 平行移動用短尺軌道モジュール(退避側)
7 平行移動機構
8 回転軌道モジュール
9 搬送対象物品
9a 搬送対象物品(ワーク授受位置、又は処理済み物品)
9b 搬送対象物品(後続搬送体に搭載)
10 物品の処理装置
11 搬送体に取付けられた永久磁石
21 磁性金属製エンドレスベルト
22 走行用軌道モジュール上の複線軌道
22a 走行用軌道モジュール上の複線軌道の案内溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌道を走行する複数の搬送体に物品を搭載または携行させて搬送する搬送装置の搬送方法であって、前記搬送体に永久磁石を取り付け、前記軌道に沿って磁性金属製のエンドレスベルトをベルト面が軌道面と垂直をなすように設け、当該磁性金属製エンドレスベルトに前記搬送体の永久磁石が吸着するように構成し、前記磁性金属製エンドレスベルトを駆動することにより前記搬送体を前記軌道上で走行せしめ、このような方法を用いて走行する搬送体に物品を搭載または携行させて搬送することを特徴とする、磁性ベルト駆動式軌道搬送方法
【請求項2】
請求項1に記載の磁性ベルト駆動式軌道搬送方法において、磁性金属製エンドレスベルトの両側に搬送体走行用軌道を設けることにより複線軌道を形成し、当該複線軌道に於いて前記エンドレスベルトの両側のベルト面に搬送体に取り付けた永久磁石が吸着するように構成し、前記エンドレスベルトを駆動することにより前記搬送体を該エンドレスベルトの両側に形成された複線軌道上で互いに逆方向に走行せしめ、それにより搬送体が搭載または携行する物品を互いに逆方向に搬送することを特徴とする、磁性ベルト駆動式軌道搬送方法
【請求項3】
請求項1及び2に記載の磁性ベルト駆動式軌道搬送方法において、適宜決められた長さの軌道と磁性金属製エンドレスベルトにより軌道モジュールを形成し、当該軌道モジュールを複数個接続することにより搬送体の搬送経路を構成し、隣接する前記軌道モジュールに備えた磁性金属製エンドレスベルトの速度を同期させることにより前記搬送体を前記隣接する軌道モジュールの間で受け渡し前記搬送経路に沿って走行させることを特徴とする、磁性ベルト駆動式軌道搬送方法
【請求項4】
請求項3に記載の磁性ベルト駆動式軌道搬送方法において、搬送経路を構成する複数個の軌道モジュールの一部を、長さが概ね搬送体長さの2倍以下の短尺で且つ全体を平行移動或いは回転させる機能を付加した機能型軌道モジュールにより構成することを特徴とする磁性ベルト駆動式軌道搬送方法
【請求項5】
請求項4に記載の磁性ベルト駆動式軌道搬送方法において、平行移動機能を有する機能型軌道モジュール上で搬送体を停止せしめた後、当該機能型軌道モジュールを横方向に移動させ、搬送体がある軌道を隣接軌道モジュールの複線軌道のうち逆方向の軌道に接続することにより、前記の搬送体を逆方向の軌道に乗せ逆方向に走行させることを特徴とする、磁性ベルト駆動式軌道搬送方法
【請求項6】
軌道を走行する複数の搬送体に物品を搭載または携行させて搬送する搬送装置であって、前記の軌道を複数の軌道モジュールを接続して構成し、更に前記の軌道モジュールを構成する要素として、搬送体を複線走行させるための2本の搬送体走行用軌道と、前記2本の搬送体走行用軌道の間にベルト面が前記2本の搬送体走行用軌道の面と垂直をなすようにして設置された磁性金属製エンドレスベルト、及び当該磁性金属製エンドレスベルト駆動用のモーターを備え、また、前記搬送体の側面に永久磁石を取り付け、前記2本の搬送体走行用軌道上において前記磁性金属製エンドレスベルトの両側のベルト面に前記永久磁石により搬送体が吸着するように構成し、隣接する前記軌道モジュールに備えた磁性金属製エンドレスベルトを同期して駆動することにより前記搬送体を前記軌道モジュールの間で順次受け渡し、前記軌道に沿って複線で対面走行させることを特徴とする、磁性ベルト駆動式軌道搬送装置
【請求項7】
請求項6に記載の磁性ベルト駆動式軌道搬送装置において、搬送体の走行軌道を構成する複数の軌道モジュールの一部を、長さが概ね搬送体長さの2倍以下の短尺で、且つ全体を平行移動或いは回転させる機能を付加した機能型軌道モジュールにより構成することを特徴とする、磁性ベルト駆動式軌道搬送装置
【請求項8】
請求項7に記載の磁性ベルト駆動式軌道搬送装置において、平行移動機能を有する機能型軌道モジュール上で搬送体を停止せしめた後、当該機能型軌道モジュールを横方向に移動させ、搬送体のある軌道を隣接軌道モジュールの複線軌道のうち逆方向の軌道に接続することにより、前記搬送体を逆方向の軌道に乗せ逆方向に走行させることを特徴とする磁性ベルト駆動式軌道搬送装置
【請求項9】
請求項6、7、8に記載の磁性ベルト駆動式軌道搬送装置において、2本の搬送体走行用軌道に、搬送体の重量を支える垂直荷重支持面及び搬送体に掛かる横荷重を支える横荷重支持面を設け、各々の支持面の走行方向に、適宜な間隔で静圧エアベアリングを配列し、搬送体に掛る荷重を当該静圧エアベアリングで受けることにより搬送体を前記支持面から浮上させ搬送体の非接触走行を可能ならしめることを特徴とする、磁性ベルト駆動式軌道搬送装置
【請求項10】
請求項6、7、8、9に記載の磁性ベルト駆動式軌道搬送装置において、搬送体走行軌道を構成する各々の軌道モジュールに搬送体の有無を検知するセンサーを設け、前記各々の軌道モジュールに隣接する軌道モジュールに搬送体が来たことを検知して前記各々の軌道モジュールの磁性金属製エンドレスベルト及び搬送体走行用軌道上の静圧エアベアリングが起動し、次いで前記各々の軌道モジュールから前記搬送体が去ったことを検知して前記各々の軌道モジュールの磁性金属製エンドレスベルト及び搬送体走行用軌道上の静圧エアベアリングが停止することを特徴とする、磁性ベルト駆動式軌道搬送装置

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2007−39237(P2007−39237A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−250223(P2005−250223)
【出願日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(505326807)
【Fターム(参考)】