説明

磁性材料

【課題】希少資源である希土類元素を使用せずに磁性材料の特性を改善すること。
【解決手段】磁粉の粒子の表面に、水素,窒素,フッ素,金属元素を含有し、窒素よりも水素が多くかつ金属元素よりフッ素が多いフッ素化合物の膜を形成させ、この膜に含まれる元素を磁粉の粒子を構成する結晶の格子間に侵入させることで、希土類元素を用いることなく磁粉の磁気特性を改善させた磁性材料を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、希土類元素を使用しない膜により磁気特性が向上した磁性材料とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1〜3には、従来のフッ素化合物あるいは酸フッ素化合物を含む希土類磁石について開示されている。また、特許文献4のブラジル特許には、Sm2Fe17をフッ化している例が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−027852号公報
【特許文献2】特開2008−147634号公報
【特許文献3】特開2007−116088号公報
【特許文献4】ブラジル国特許9701631−4A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の発明は、Nd−Fe−B系磁性材料やSm−Fe系磁性材料にフッ素を含有する化合物を反応させたものであり、これにより磁気特性の向上または低下の防止を行うものである。しかし開示されているフッ素化合物のうち、磁気特性を向上させているものはいずれもSc,Yを含む希土類元素を使用しており、これらの元素が磁性材料中に入り込むことを効果発現の原理としている。そのためフッ素は磁性材料中には入り込まず、希土類元素の単体として使用されているにすぎない。一方で希土類元素はいずれも地殻中の存在比が低く貴重な資源である上に、地域的な偏在があるためその供給は不安定であり、したがってその使用量の削減が求められている。対して、特許文献4のように希土類元素を使用せずにフッ素ガスを用いてSm2Fe17系磁性材料の特性を向上させることも開示されているが、そのキュリー温度は155℃と低く、主相にフッ素が侵入しているかは確認されていない。またフッ素ガスの反応性が極めて高いため、その濃度を極めて低く保ったまま反応を進行させる必要があり、そのため記載されている反応時間は数日から数十日に及ぶ。しかしそれでも反応の進行に伴いSm2Fe17構造の一部分解は避けられず、たとえ主相にフッ素が侵入していたとしても実用的な磁性材料を得ることはできない。
【0005】
希土類元素を用いず、代わりにフッ素を使用し磁性材料の特性を向上させるためには、磁性材料がもつ結晶構造を破壊することなくその格子間にフッ素原子を侵入させることが必要であり、そのためにはフッ素ガスのようなフッ素化剤は反応性が高すぎるために実用的ではない。
【0006】
したがって本発明は、磁性材料の持つ結晶構造を破壊させずにその格子間にフッ素原子を侵入させ、希土類元素を使用することなく磁性材料の磁気的性質を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する本発明の磁性材料は、反応性が高く磁性材料の分解を招くフッ素化剤との直接接触から保護する作用と、フッ素原子を透過させる作用の両方を持つ膜が磁性材料の粒子表面に形成され、結晶構造の破壊を招くことなく結晶格子間へのフッ素原子の侵入が行われ、その磁気的性質を向上されていることを特徴とする。
【0008】
このような性質を有する膜は、構成元素として水素,窒素,フッ素,金属元素を含有し、膜に含まれる原子数は窒素よりも水素が多くかつ金属元素よりフッ素が多いことを特徴とするものである。この条件が満たされることにより、膜はフッ素化剤を遮断できるち密なものとなり、同時にその結晶は十分なフッ素透過性を有するものとなる。そしてこのような膜を形成させた磁性材料にフッ素化剤を作用させることで希土類元素を使用せずに磁気特性を向上させた磁性材料を得る。
【発明の効果】
【0009】
本発明により希土類元素を用いることなく、フッ素原子が結晶格子間に侵入することで磁気特性のひとつであるキュリー温度が侵入前より50℃以上上昇した磁性材料を得ることができる。また従来の方法に比べて磁性材料の分解は少ない上、より短い時間で磁気特性の向上を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係るフッ素化合物膜を有する強磁性粒子の典型的な組織を示す図。
【図2】本発明に係るフッ素化合物膜を有する強磁性粒子のXRDパターンを示す図。
【図3】本発明に係るフッ素化合物膜を有する強磁性粒子のキュリー温度測定結果を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明にかかる鉄系強磁性粒子はその表面にフッ素化合物の被膜が形成されており、そのフッ素化合物は構成元素として水素,窒素,フッ素、および鉄系強磁性粒子を構成する金属元素のうち少なくとも一種類以上を含有し、フッ素化合物を形成している化合物に含まれる原子数は窒素よりも水素が多くかつ前記金属元素よりフッ素が多いことを特徴とする。このような特徴を有するフッ素化合物膜は鉄系強磁性材料が分解し別の結晶構造へと変化してその磁気的性質を失うことを防ぎ、同時に膜中をフッ素原子が移動可能な性質を示す。これにより鉄系強磁性粒子を構成する結晶の格子間に前記フッ素化合物を構成する元素のうちフッ素を含む1種類以上が侵入し、結晶の格子体積が増大しそれに伴い結晶中の鉄原子同士の原子間距離が調整される結果として磁気特性すなわちキュリー温度等を上昇させることが可能である。
【0012】
フッ素化合物膜は、鉄系強磁性材料に適当なフッ素化剤を溶液中にて作用させることで形成させることができ、例えばフッ素化剤としてフッ化アンモニウムが使用可能である。一方フッ素ガスなど反応性の高すぎるフッ素化剤は鉄系強磁性粒子を構成する結晶の構造を破壊し、その磁気的性質を失わせるためにそのままでは適用できないが、本発明によるフッ素化合物膜を形成後であれば、磁気的性質を失わせる原因となる鉄系強磁性材料と反応性の高すぎるフッ素化剤との直接接触に伴う反応を防止しつつ、フッ素化剤由来のフッ素を、フッ素化合物膜を介して鉄系強磁性材料内部に拡散させることによりその磁気的性質の向上に利用することが可能となる。
【0013】
以下実施例を説明する。
【実施例1】
【0014】
本実施例では誘電率が10以下である非極性溶媒を用いた磁粉のフッ化処理により、表面に水素,窒素,フッ素,金属元素を含有し、前記フッ素化合物を形成している化合物に含まれる原子数は窒素よりも水素が多くかつ金属元素よりフッ素が多いことを特徴とする膜を有する磁性材料を得る手順について説明する。
【0015】
まず高沸点飽和炭化水素であるスクアラン(主成分2,6,10,15,19,23−ヘキサメチルテトラコサン)500mlに、粒径0.1〜50μmのSm2Fe17磁粉100gとフッ素化剤であるフッ化アンモニウム粉末25gを加え、容器中で20rpmにて撹拌しながら、オイルバスにより100〜300℃まで昇温し1〜10時間保持しフッ素化処理を行った。反応終了後はフラスコを放冷し上澄みを流しだし、残った粉末を回収し有機溶媒で洗浄後真空乾燥して磁性材料粉末を得た。
【0016】
この粉末を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、図1Aのように磁粉の粒子表面に0.1〜5μmのち密な膜と、さらにその外側に1μm以上の多孔質の膜が見られた。これらについて2次イオン質量分析による組成分析を行ったところ、粒子表面のち密な膜からは、磁粉の構成成分である金属元素Fe,Smおよび、フッ素化剤であるフッ化アンモニウムの構成成分であるH,N,Fが検出され、それぞれの濃度はNよりもHが多く、かつ金属元素よりフッ素が多かった。また、ち密膜で検出された元素H,N,Fについては濃度が低いものの磁粉粒子内部でも検出された。図2の反応後Aに示されるように粉末X線回折では、Sm2Fe17によるX線回折ピークの位置が、フッ素化処理により反応前よりも低角度側にシフトし、Sm2Fe17磁粉の結晶の一部で格子体積が反応前の793nm3に対して反応後は0.794〜0.904nm3となり、0.1〜13%増大していることから、これらH,N,Fの元素のいずれかまたはすべてがSm2Fe17磁粉を構成する結晶の格子間に侵入することでSmおよびFe間の距離を広げていることが分かる。そしてこの格子の膨張により、膨張前には近接しすぎていたFe原子同士が離れるために磁粉の磁気的性質、すなわちキュリー温度および磁化が増加する。各反応条件により得られた格子体積膨張率とキュリー温度は表1のようになった。また、このようなF元素侵入による磁気的性質の改善はF2ガスを使用した場合でも可能であるが、F2ガスの高い反応性によりSm2Fe17の結晶構造が破壊されることを防ぐためガス濃度を低く制御する必要があり、また反応に長時間を必要とする。一方本実施例で得られる膜はFeまたはSmおよびフッ素を含む化合物、たとえば結晶相としてNH4FeF3,(NH43FeF6,NH4Fe26,NH4SmF4などを含み、これらは結晶中の隙間が大きくフッ素が拡散しやすい一方、金属とフッ素の化合物であるためF2ガスよりも反応性が低いため、高濃度のフッ素化剤を用いた場合にもSm2Fe17のフッ素化反応を進行させることが可能である。
【0017】
一方で磁粉表面のち密膜より外側にある多孔質膜では、2次イオン質量分析にて他の部分に比べて多くの酸素が検出され、他にFeやFなどが検出された。この多孔質膜は反応環境中に存在した酸素により生成したと考えられる。フッ素化剤は通常吸湿性のものが多く、含有されている水分は酸素供給原となりSm2Fe17を表面から酸化させる。一方で、特にフッ素化剤から水を取り除くことは困難であり、またできたとしても湿気を含む大気中では取り扱うことができず操作性が悪いため、フッ素化反応進行中に酸素を除去できることが望ましい。酸化物膜の形成は反応環境中の酸素の量を減少させる効果があり、なおかつ膜を多孔質とすることによりフッ素化剤の移動経路が確保されるため、酸化反応の後でもフッ素化反応を進行させることが可能である。さらに、磁粉をバインダにより固めてボンド磁石を形成する場合には孔の間にバインダを入り込ませることで、アンカー効果により磁粉同士が強固に接着され、機械的強度の高い磁石を得るために利用できる。
【0018】
【表1】

【実施例2】
【0019】
本実施例では有極性溶媒を用いた磁粉のフッ化処理により、表面に水素,窒素,フッ素,金属元素を含有し、前記フッ素化合物を形成している化合物に含まれる原子数は窒素よりも水素が多くかつ金属元素よりフッ素が多いことを特徴とする膜を有する磁性材料を得る手順について説明する。
【0020】
まず高沸点飽和炭化水素であるスクアラン(主成分2,6,10,15,19,23−ヘキサメチルテトラコサン)450mlと、有極性溶媒である2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール50mlを混合し、均一な溶液とした。これに粒径0.1〜50μmのSm2Fe17磁粉100gとフッ素化剤であるフッ化アンモニウム粉末25gを加え、フラスコ中で20rpmにて撹拌しながら、オイルバスにより0.5〜2時間で100〜230℃まで昇温し1〜10時間保持しフッ素化処理を行った。有極性溶媒はフッ素化剤であるフッ化アンモニウムを溶媒中に溶解させる作用があり、溶解したフッ素化剤は固体の状態に比べて効率的に磁粉へ到達するため反応が進行しやすくなる。また、フラスコには溶媒蒸気を冷却するための管が取り付けられており、沸点が約230℃の2−(2−ブトキシエトキシ)エタノールは一部が蒸発してもここで凝縮し液体となって落下し混合溶液へと戻るため補充の必要はない。
【0021】
フラスコの加熱終了後はオイルバスを下げ、室温まで放冷し、溶液の上澄みを流しだした後、残った粉末を回収し、有機溶媒で洗浄するとともに真空乾燥した。
【0022】
得られた粉末の走査型電子顕微鏡像は図1Bであり、有極性溶媒を用いない実施例1と比較してち密膜の厚さは増加し、一方で多孔質膜の厚さは減少した。
【0023】
2次イオン質量分析にて組成分析を行ったところ、ち密膜では金属元素よりFの濃度が高く、かつ窒素よりも水素の量が少なかった。また、磁粉の粒子内部でもF,H,N元素が検出された。粉末X線回折は図2の反応後Bであり、実施例1(反応後A)と比較して格子膨張したSm2Fe17相の割合が増加しており、すなわち格子間へ元素が侵入した部分の割合が増加していることを示す。これらは有極性溶媒の添加によりフッ素化剤の反応性が向上に由来すると考えられる。
【0024】
一方振動試料型磁力計にてキュリー温度を測定したところ、図3に示されるように約240℃(Tc2)となり、反応前の約120℃(Tc1)に対して大幅に上昇していることを確認した。ここで、Sm2Fe17相の反応後の格子体積は反応前より4%以上増加している。
【0025】
また、この方法に適用できる極性溶媒としては、2−n−ブトキシエタノールのようなセロソルブ系の溶媒の他に、アルコール系溶媒,アミン系溶媒,グリコール系溶媒,ケトン系溶媒,アルデヒド系溶媒,カルボン酸系溶媒などが利用できる。
【実施例3】
【0026】
Sm2Fe17磁粉をN2およびNH3ガス雰囲気中にて400〜500℃で5〜24時間保持し、Sm2Fe17の格子間に窒素を侵入させてSm2Fe170.1~3.5粉末を得た。この粉末100gとフッ素化剤であるフッ化アンモニウム50gを有極性溶媒である2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール500mlに入れ、フラスコ中にて撹拌翼で20rpmの速度で撹拌しながら約230℃にて1〜24時間保持した。フラスコには冷却管が付属しており、これにより蒸発した溶媒が還流するため、内部の温度は自動的に溶媒の沸点近くに保たれる。この温度は、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノールの場合約230℃である。
【0027】
窒素と反応させた後のSm2Fe17は格子間への元素侵入によりその化学的耐久性が向上しており、未反応のSm2Fe17に比べて酸化しにくくなっているが、同時にフッ素化剤との反応性は低下している。一方、実施例2と異なり溶媒としてスクアランを使用せず、有極性溶媒のみとすることで、フッ素化剤の溶解を促進させ反応性を向上することができる。ただし酸素や水が溶解しづらい性質を持つスクアランを使用しないことにより、溶媒が磁粉を酸化から保護する性能は低下するため、格子間に元素の侵入していないSm2Fe17を使用することは酸化が多く生じるため望ましくない。
【0028】
反応終了後は、上澄み液を流しだし、残留物を有機溶媒で洗浄し真空乾燥することで磁性材料粉末を得た。この粉末について走査型電子顕微鏡による断面観察を行ったところ、磁粉の粒子の表面0.1〜2μmの部分にち密な膜がみられ、波長分散型X線解析より組成を分析したところ、Feなどの金属元素の濃度が4〜20原子%、Fの濃度が20〜60原子%であった。また、粒子内部ではF濃度が0.1〜16原子%であり、その濃度は粒子中心部に近づくほど低くなった。これより、溶液中での加熱処理によりSm2Fe170.1~3.5の表面にFおよびFeを含有する膜が形成され、この膜の中をFが移動することで粒子内部のFを置換していったことが示される。また、粉末X線回折ではFeまたはSmおよびフッ素を含む化合物、たとえばNH4FeF3,(NH43FeF6,NH4Fe26,NH4SmF4などの結晶相が検出された。これらNH4を含む化合物中では、NH4はFeまたはSmとFからなる結晶格子の間に充填された構造をとっており、比較的動きやすい状態となっているため、粒子内部で置換されたNは比較的容易に膜中に取り込まれるため、置換されたNがN2ガスとなりこれら膜と粒子界面で剥離させるようなことはなく、結果として膜は粒子を酸素や高濃度のFなどの分解因子から保護しつつ、格子間の元素の置換に必要な物質移動を可能とする。結果として、Sm2Fe17の結晶格子間にNおよびFが侵入したことにより、その格子体積は0.5〜12%増加した。これに伴い磁粉の磁気的性質も向上し、キュリー温度は約280〜550℃の値を示した。ここで、キュリー温度は反応前より160℃以上上昇している。また、この方法に適用できる極性溶媒としては、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノールのようなセロソルブ系の溶媒の他に、アルコール系溶媒,アミン系溶媒,グリコール系溶媒,ケトン系溶媒,アルデヒド系溶媒,カルボン酸系溶媒などが利用できるが、反応の進行には高温とすることが有利であり、反応温度は溶媒の沸点により制限されるため、できる限り高沸点のものを選択することが望ましい。
【実施例4】
【0029】
Sm2Fe17磁粉100gをフッ素化剤であるフッ化アンモニウム10gと共にスクアラン中に入れ、フラスコ中で撹拌翼を20rpmで回転させて撹拌しながら170℃で1時間加熱した。次いで反応溶液中にフッ化スズ50gを追加し、同様に撹拌しながら270℃で1〜5時間保持した。フッ化スズは加熱により液体となり、フラスコ内部の液体は2層に分かれ、上層はスクアラン、下層はフッ化スズ液体であり、Sm2Fe17は比重が大きいためにフッ化スズ液体中に存在した。1回目のフッ化アンモニウムとの加熱によりSm2Fe17の表面には実施例1と同様の膜が形成され、安定したフッ素化が可能な状態になるが、フッ化アンモニウムの使用量を抑えてあるため粒子内部のフッ素化はそれほど進行しない。そこでここへ別のフッ素化剤であるフッ化スズを追加することで粒子内部のフッ素化を進行させることができる。フッ化スズは融点が230℃〜260℃であり、溶液の沸点以下でそれ自身の液化が可能でありフッ素濃度が高く反応性の高いフッ素化合物液体が得られる。しかしSm2Fe17に直接作用させると反応性が高すぎるためにSm2Fe17の一部分解を引き起こし、FeF2やFeF3などの常温非磁性のフッ素化合物に変化してしまい磁気的性質の低下を招いてしまう。対してフッ化スズを作用させる前にフッ化アンモニウムによりFの移動が可能な保護被膜を形成しておくことで、フッ化スズとSm2Fe17の直接の反応を避けつつ反応を進行させることができる。結果としてSm2Fe17粒子はフッ化アンモニウムにより形成した膜を介して、フッ化アンモニウムなどが溶解した溶液に比べてF濃度の高いフッ化スズ液体に囲まれることとなり、この大きなF濃度差が存在することにより大きな化学ポテンシャルが生じ、これを駆動力としてSm2Fe17粒子にFが拡散していき、同時にFeとFを含む膜を介しているためにSm2Fe17構造の分解は抑えられ、その格子間にFが侵入する反応が優先的に生じる。
【0030】
反応終了後はフッ化スズが液体である270℃の時点でフラスコの外から磁石を用いて吸着させることで磁粉をスクアラン相へ移動させ、そのまま室温まで放冷した。スクアラン相には酸素や水分が入り込みにくく、反応後の磁粉を大気から保護することができ、室温でも液体であるからその後の回収は容易である。もしフッ化スズ中に磁粉を置いたまま冷却するとフッ化スズは固化し回収は難しくなるが、粉砕しフッ化水素酸等で洗浄することで回収することも可能である。スクアラン中で冷却し回収した磁粉について走査型電子顕微鏡で観察すると、Sm2Fe17粒子表面には実施例1と同様のフッ化アンモニウムとの反応により生じたち密な膜が存在し、その外側にフッ化スズの残留成分からなる膜が存在しそのフッ素濃度は反応前のフッ化スズより10原子%以上低い値を示した。このフッ化スズ残留成分は金属Ca粉末などを混合し加熱することで高融点のフッ素化合物に変化するため、ボンド磁石を形成する場合のバインダ剤の原料としても使用可能であり、磁粉表面によく密着していることから高い機械的性質が期待できる。またSm2Fe17格子間へのFの侵入によりSm2Fe17相の格子体積は9〜14%増加し、磁粉の磁気的性質は改善し、振動試料型磁力計においてキュリー温度を測定したところ、330℃〜470℃の値を示した。ここで、キュリー温度は反応前より210℃以上上昇している。
【実施例5】
【0031】
Sm2Fe17磁粉50gをフッ素化剤であるフッ化アンモニウム10gと共にスクアラン中に入れ、フッ素樹脂製のフラスコ中で撹拌翼を20rpmで回転させて撹拌しながら170℃で1時間加熱した。次いで100℃まで冷却した後、反応溶液中に別のフッ素化剤としてフッ化キセノン粉末を30g添加し、90〜110℃で3〜12時間保持した。フラスコ中で液は2層に分かれ、上部はスクアラン、下部は液化したフッ化キセノンとなり、磁粉は下部のフッ化キセノン中に存在した。スクアランは吸湿性でかつ水との反応により分解するフッ化キセノンを保護し、またフッ化キセノン自身の揮発を抑える効果がある。反応中はフッ化キセノンの分解に伴いキセノンガスが気泡として放出されるため、フラスコにはキセノン回収用の管を設置したものを使用した。最初のフッ化アンモニウムとの反応により磁粉表面には実施例1と同様のち密膜が形成され、その厚さは0.1〜1μmであった。このち密膜は実施例4と同様にSm2Fe17が反応性の高いフッ素化剤であるフッ化キセノンと直接接触することを防ぎ、結晶の分解を抑制するとともにFを透過させることで反応を進行させる働きがある。ただしフッ化キセノンの沸点は約114℃であり、反応温度をこれ以上あげることができない点は不利であるが、フッ化スズ等よりもフッ素濃度が高く、反応性が大きいためこれらを用いた場合とそん色なくSm2Fe17の結晶格子中へのフッ素侵入が進行する。本実施例で使用したフッ化キセノンは、希ガスであるXeとFの化合物であり常温固体で取り扱いやすく、強力なフッ素化剤であるうえに対象をフッ素化させた後に残るのは極めて反応性の低い希ガスのみであるため、反応後のフッ素化剤残留物除去が容易である。反応後に残留物を残さないフッ素化剤としては他にフッ素ガスF2があげられるが、これは沸点が−188℃であり必然的に気体状態で扱う必要があり、同時に強い毒性を持っているため使用する場合には厳重な安全対策が必要となる。また、フッ化キセノンには、フッ素とキセノンの比の違いによりXeF2,XeF4,XeF6などの種類があるが、XeF2以外は爆発性を有するため取り扱いが難しく使用は推奨されない。さらに、キセノン以外の希ガスであるKrもフッ化クリプトンを形成するため、KrF2などの化合物も同様に使用可能であるが、フッ化キセノンよりも安定性が低いことおよびフッ化クリプトンの合成が難しく供給に不安があることから使用は望ましくない。
【0032】
反応後の磁粉は回収洗浄後、走査型電子顕微鏡で観察したところ、ち密膜は残存していた。一方でその周囲にはフッ化キセノンの残留は確認できず、反応せずキセノンガスとして飛散しなかったものも有機溶媒での洗浄により取り除くことができた。得られた磁粉はSm2Fe17相の格子体積が10〜14%増加していた。さらに振動試料型磁力計にてキュリー温度の測定を行ったところ300〜420℃となった。また2Tの磁場中における磁化は150〜170emu/gとなり、実施例4の場合と比較して10%以上高い値を示した。この磁化の増加は、非磁性の残留フッ素化剤が残留していないことによる。ここで、キュリー温度は反応前より180℃以上上昇している。
【0033】
また、本実施例ではフッ化キセノンの水に対する感受性が高いため、反応系に有極性溶媒を添加すると水分の浸入を招き反応が進行しないだけでなく、種類によっては有極性溶媒自身との反応が生じ危険なため推奨されない。
【実施例6】
【0034】
1mol%の水酸化セシウム水溶液200mlを0.2mol%のフッ化水素酸1000mlに、撹拌しながら徐々に滴下して混合し、この混合液を噴霧加熱乾燥することで粒径0.5〜2μmのフッ化セシウム粉末を約30g得た。この粉末をSm2Fe17磁粉200gおよびフッ化アンモニウム10gと共にスクアラン中に投入し、フラスコ中で撹拌翼にて250rpmで撹拌しながら250℃で0.1〜0.5時間保持した。反応の初期段階ではフッ化セシウムの白色粉末が液中で舞うことにより白濁が見られたが、終了後はほとんど見られず液はほぼ透明の上澄みとなり、容器下部に灰色の粉末状沈殿が残った。上澄みは流しだし、残留物を有機溶媒でろ過洗浄後真空乾燥した。こうして得られた粉末を走査型電子顕微鏡で観察したところ、Sm1Fe17粒子の表面に0.1〜2μmのち密な膜が形成され、さらにその膜の表面はフッ化セシウム粒子により覆われていた。すなわち、Sm2Fe17の保護性を有する被膜の表面にフッ素化剤となるフッ化セシウムの被膜を有する粒子を得た。これを金型に充填し、10MPaで加圧成形し仮成型体としたのちAr雰囲気中350℃の電気炉で3〜8時間加熱した。この処理により仮成型体内部に含まれるフッ化セシウム中のフッ素がち密膜を介してSm2Fe17中に拡散し、Sm2Fe17の結晶構造を損なうことなく結晶格子間に侵入する。またこの加熱処理時はスクアランなどの溶液が存在しないため、溶液の沸点に制限されることなく加熱温度を設定可能である。またフッ化セシウムは他のフッ素化剤に比べて吸湿性が低く、またたとえ吸湿してしまった場合でも100℃での真空乾燥により容易に乾燥させることができるため成型前の粉末は取り扱いおよび保存は容易である。加熱後の成形体は加熱前に比べて体積が5%収縮し、フッ化セシウム反応生成物により結着された。この成形体の断面を光学顕微鏡により観察したところ、1〜20μmの金属光沢を有するSm2Fe17粒子の表面に白色から茶色の色調を有する膜が密に形成されており、その中には反応前のフッ化セシウムに似た白色粒子は見られず、未反応フッ素化剤は残留していないと言える。一方でSm2Fe17相の格子体積は11〜15%増加していた。また振動試料型磁力計を用いてこの加熱後の成形体のキュリー温度を測定したところ、330℃〜440℃であった。ここで、キュリー温度は反応前より210℃以上上昇している。
【0035】
本実施例においてはフッ化セシウムの他に、フッ化リチウム,フッ化ナトリウム,フッ化カリウム,フッ化ルビジウムも使用可能であるが、これらはフッ化セシウムと比較して反応性が低く、また吸湿時に乾燥させにくいことから効率および取り扱いの点で不利である点に注意を要する。一方でフッ化ナトリウムおよびフッ化カリウムはフッ化セシウムに比べて安価であることから設備が十分な場合にはこれらを使用することは有効である。
【実施例7】
【0036】
Nd2Fe17磁粉50gをフッ化アンモニウム10gおよびトリメチルアミン・3フッ化水素200mlと混合しフッ素樹脂製容器に入れ、20rpmで撹拌しながら70℃にて3〜12時間保持した。反応に伴いアンモニアや水素などの気体が発生するため、容器には期待が流通できる管を接続し、その先にはこれらガスを処理するためのスクラバーを設置した。本実施例で用いているトリメチルアミンなどのアミン類はフッ化水素を溶解させる性質があり、トリメチルアミン・3フッ化水素ではその重量の約35%のF原子を含み、これらはすべて液体として存在しているために固体のフッ素化剤を使用する場合と比較してFが移動しやすく100℃以下での反応でも十分なフッ素の拡散が可能である。反応後、内容物中の上澄み液を流しだし、残留物を有機溶媒により洗浄し真空乾燥して磁性材料粉末を得た。この粉末を走査型電子顕微鏡により断面観察を行ったところ、Nd2Fe17粒子の表面に0.1〜0.3μmの薄いち密膜がみられた。さらに二次イオン質量分析ではこの膜の組成はCo4〜12原子,Nd10原子%以下,F20〜60原子%,N1〜14原子%,水素15〜40原子%であった。また、粉末X線回折による分析の結果、Th2Zn17構造を有するNd2Fe17の結晶の格子体積は反応前より1〜14%増加しており、これに伴い振動試料型磁力計によるキュリー温度の測定値は250〜290℃であった(反応前のNd2Fe17磁粉のキュリー温度は約60℃)。ここで、キュリー温度は反応前より190℃以上上昇している。
【0037】
本実施例で用いたトリエチルアミン以外のアミン類もフッ化水素の溶媒として使用でき、これにはたとえばトリメチルアミン,トリエタノールアミン,NN,−ジイソプロピルエチルアミン,ピペリジン,4−ジメチルアミノピリジンなどが使用可能である。また反応後のアミン溶液については、消費されたフッ化水素を補充することで再び反応溶液として使用することも可能であるが、その場合には取り扱い時に混入する水分をシリカゲルやモレキューシーブ等の吸着材、あるいは蒸留などの操作により分離しておくことが望ましい。
【実施例8】
【0038】
分子量が1000〜10000のパーフルオロポリエーテル油500mlにTh2Ni17構造を有するY2Fe17磁粉100gとフッ素化剤フッ化アンモニウム粉末40gを入れ、フラスコ中撹拌翼で20rpmにて撹拌しながら280℃で4〜20時間保持した。パーフルポリエーテルは末端がFで置換された分子構造を有し、化学的安定性が高く不燃性であるため安全性が高く、スクアラン等と比較して液体自体のコストは高いが再使用が可能である。さらに構造中に多数のフッ素を含むことからフッ化アンモニウムなどのフッ素化剤を溶解させることが可能である。反応終了後は上澄みを流しだし、残留物をハイドロクロロカーボンで洗浄後真空乾燥した。洗浄液は代替フロン類であり地球温暖化係数が大きいためすべて回収し、蒸留により元のパーフルオロポリエーテルとハイドロクロロカーボンに分離して再使用した。得られた粉末は0.2〜5μmのち密な被膜を有し、その組成はFe4〜18原子,Y10原子%以下,F20〜60原子%,N1〜12原子%,水素13〜40原子%であった。対して磁粉のY2Fe17相の格子体積は10〜12%増加していた。さらに振動試料型磁力計におけるキュリー温度測定において、220〜250℃を示し、処理前の42〜56℃に比べて大幅に上昇した。本方法では、パーフルオロポリエーテル以外のフッ素化油、例えばアルカンの水素の一部またはすべてがフッ素で置換されたフルオロアルカンおよびパーフルオロアルカンを使用することもできる。これらは分子が主に炭素とフッ素から構成されており、安定性はパーフルオロポリエーテルより高いものもあるがコストも高くなることから、工業的生産規模ではパーフルオロポリエーテルの使用が推奨される。
【実施例9】
【0039】
Sm2Fe17磁粉300gを酸性フッ化アンモニウム100gと共にスクアラン1000ml中に投入し、容器中で撹拌翼にて20rpmで撹拌しながら180℃で1時間保持した。その後室温まで放冷し、上澄み液を流しだし、残留物を有機溶剤で洗浄し真空乾燥した。こうして得られた粉末を、ガスの供給と内部の加熱が可能な真空容器中に入れ、一旦10-3Paまで排気した後、フッ素化剤としてHFガスを導入し内部の圧力を10kPaとした。その後内部の温度を200℃に保ち、内部の圧力を10±5kPaとなるようガスを適宜導入して調整しながら10時間保持した。その後HFガスの供給を止め、容器内部を室温まで冷却し、次いでArガスを10kPaまで導入し10-3Paまで排気する操作を3回繰り返して内部に残留していたHFガスを除去し、容器を開放し反応後の粉末を得た。HFガスはこのような圧力または分圧でそのままSm2Fe17粉に接触させた場合、Sm2Fe17を構成する結晶格子の破壊を引き起こしてしまうが、事前にフッ化アンモニウムを溶液中で作用させフッ素透過性を有する保護膜を形成させているため分解を伴わずにその結晶格子間にフッ素を導入させることが可能である。また、高濃度のフッ素化剤ガスを利用できるためにその反応は低濃度のガスで処理した場合に比べて短い時間で完了することができる。
【0040】
反応後の粉末はSm2Fe17相の格子体積が13〜15%増加していた。振動試料型磁力計によりキュリー温度を測定したところ、320℃〜350℃を示し、粉末X線回折による分析の結果、Sm2Fe17相の分解に伴い生じるα−Fe相を示すピークの強度は反応前後で有意な差は見られなかった。ここで、キュリー温度は反応前より200℃以上上昇している。
【0041】
本実施例と同様の手法でフッ素化剤となるガスにはHF以外のものも使用でき、例えばF2ガス,三フッ化ホウ素,三フッ化窒素,三フッ化塩素,フッ化カルボニル,四フッ化ケイ素等がある。
【実施例10】
【0042】
Sm2Fe17磁粉100gにフッ素化剤としてフルオロ錯体である(NH42[CoF6]を50g添加し、イオン液体である1−オクチル−3−アリルイミダゾリウムヘキサフロロホスフェート300ml中に入れ、撹拌翼にて300rpmで撹拌しながら200℃で2〜7時間保持した。その後室温まで放冷し、上澄み液を流しだし、内容物を有機溶媒で洗浄後真空乾燥して磁性材料粉末を得た。得られた粉末について走査型電子顕微鏡で分析を行ったところ、Sm2Fe17粒子の表面にち密な膜が形成されていた。また2次イオン質量分析を用いた組成分析では、この膜の組成はFeおよびCoの合計が4〜12原子%,Sm10原子%以下,F20〜60原子%,N1〜14原子%,水素15〜40原子%であった。またSm2Fe17粒子中にもこれら膜中に見られた元素が検出され、粒子中央付近ではFは1原子%以上、Hは0.1原子%以上であり、その濃度は粒子の外周部に近づくにつれて高くなった。また、磁粉へのこれら元素の侵入に伴い、Sm2Fe17相の格子体積は13〜15%増加し、キュリー温度は320℃〜350℃まで上昇した。ここで、キュリー温度は反応前より200℃以上上昇している。
【0043】
フッ素化剤は本実施例で用いた[CoF62-の構造を持つフルオロ錯体以外も使用可能であり、中心金属イオンとしてFe2+,Co2+,Cu2+,Pb2+,Ti3+,V3+,Cr3+,Mn3+,Fe3+,Co3+,Ni3+,Cu3+,Ir3+,Al3+,Ti4+,V4+,Cr4+,Mn4+,Ni4+,Ru4+,Rh4+,Ir4+,Pd4+,Pt4+,Os4+,Zr4+,U4+,Mo5+,W5+,Ru5+,Ir5+,Re5+,Os5+,Ta5+,Nb5+,Cr5+,Mo5+,W5+,Rh5+,Os5+,Ir5+,Pt5+,U5+,Np5+,Pu5+等を有し、配位子としてF-を1つ以上持つものであれば使用可能である。また、イオン液体も上記のイミダゾリウム塩の他に、ピロリジニウム塩,ピリジニウム塩,アンモニウム塩,ホスホニウム塩,スルホニウム塩等が使用可能である。ただしこれらの中には融点が室温に近く高粘度のものもあり、これらは反応終了後に粉末からの分離が比較的困難なものもあるため、融点が低く低粘度のものを用いることが望ましい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄系強磁性粒子と、前記鉄系強磁性粒子の表面に存在するフッ素化合物の膜とから構成される磁性材料において、
前記フッ素化合物は水素,窒素,フッ素,金属元素を含有し、
前記フッ素化合物が含有する原子数は、窒素より水素が多く、かつ金属元素よりフッ素が多いことを特徴とする磁性材料。
【請求項2】
請求項1に記載の磁性材料において、
前記フッ素化合物に含有される原子種であるフッ素,水素または窒素のうちの少なくとも1種が、前記鉄系強磁性粒子を構成する合金の結晶格子間に侵入していることを特徴とする磁性材料。
【請求項3】
請求項1または2に記載の磁性材料において、
前記フッ素化合物に含有される原子種が0.1〜15原子%の濃度で侵入していることを特徴とする磁性材料。
【請求項4】
請求項3に記載の磁性材料において、
前記鉄系強磁性粒子を構成する合金の結晶格子の体積が侵入前より0.1〜15%膨張していることを特徴とする磁性材料。
【請求項5】
請求項3に記載の磁性材料において、
前記鉄系強磁性粒子のキュリー温度は侵入前よりも50℃以上上昇していることを特徴とする磁性材料。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の磁性材料において、
前記鉄系強磁性粒子の表面に存在するフッ素化合物はNH4FeF3,(NH43FeF6,NH4Fe26,NH4SmF4のうちいずれかの結晶相を含むことを特徴とする磁性材料。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の磁性材料において、
前記鉄系強磁性粒子はSm2Fe17磁粉,Nd2Fe17磁粉またはY2Fe17磁粉であることを特徴とする磁性材料。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の磁性材料において、
前記フッ素化合物は、鉄系強磁性材料にフッ化アンモニウムを溶液中にて作用させることで形成させることを特徴とする磁性材料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−151259(P2012−151259A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−8375(P2011−8375)
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】