磁性素子の製造方法及び磁性素子
【課題】厚さが薄く、高インダクタンスを有し、且つコイル材料が制限されない磁性素子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも一つの凹溝43を有する磁性基板41を形成するステップ、及び前記凹溝43に少なくとも一つのコイル42を設置するステップを含む磁性素子の製造方法。
【解決手段】少なくとも一つの凹溝43を有する磁性基板41を形成するステップ、及び前記凹溝43に少なくとも一つのコイル42を設置するステップを含む磁性素子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁性素子の製造方法及び磁性素子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
磁性素子は、既に電子製品に必要なインダクタ、或いはノイズフィルターなどに広く応用されている。従来の磁性素子は、エナメル銅線で磁心に巻き線を施す方式で製作されるが、その体積が製造機械の能力、銅線の線径と、磁心のサイズによって制限されることから、小型化の限界を有する。従来の巻き線方式と比べて、マイクロ製造の方式を用いることで、既に市場にある、マイクロ製造の方式で製造されたコモンモードノイズフィルターのように、より体積の小さなインダクタ、或いはノイズフィルターを製造できる。
【0003】
一般の製造プロセスは、高周波の操作に適用するフェライトを基板とし、その上にマイクロ製造の方式で製作されたコイルを施して、インダクタとして機能する磁性素子を形成する。図1に示されるように、コイル13と二つの結合材料14、15を二つのフェライト基板11、12で挟み、磁性素子1を形成する。しかし、前記磁性素子1の表面が平坦化に達する必要があることから、前記結合材料14、15は、不可欠なものとなり、且つ一定の厚さ以上を達し、全体の素子の厚さを厚くする必要がある。この他に、前記コイル13の周囲が前記結合材料14、15に覆われることから、前記磁性素子1のインダクタンスを低下させる。
【0004】
図2に示されるように、スクリーン印刷の方式で基板21にフェライト22、コイル23、もう一つのフェライト24と、二つの外部電極25を順次に形成し、続いて焼結(sintering)を行い、磁性素子2を形成する。前記磁性素子2の前記コイル23は、直接、フェライト22、24より覆われているため、比較的薄い厚さと比較的高いインダクタンスを有することができるが、しかし、焼結の温度が1000〜1200℃に達することから、前記コイル23の材料を選択する時に制限される。例えば、アルミ二ウムでは、前記コイル23の材料とすることができない。
【0005】
図3に示されるように、電気メッキの方式で基板31にフェライト32、シード層35、コイル33、もう一つのフェライト34と保護層36を順次に形成し、磁性素子3を形成する。前記磁性素子3の前記コイル33は、前記フェライト32、34により直接覆われているため、比較的薄い厚さと比較的高いインダクタンスを有することができるが、しかし、電気メッキから製作された前記フェライト32、34の磁気的性質は、焼結で製作されたフェライトと比べることができないため、前記磁性素子3のインダクタンス、或いは品質係数(Q)のいずれも比較的悪い。
【0006】
よって、上述の問題を解決するには、コイルの材料を制限せずに、且つ厚さが薄く、高インダクタンスを有することができる磁性素子及びその製造方法が必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の課題に鑑み、本発明の目的は、厚さが薄く、高インダクタンスを有し、且つコイル材料が制限されない磁性素子の製造方法及び磁性素子を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するために、本発明に基づく磁性素子の製造方法は、少なくとも一つの凹溝を有する磁性基板を形成するステップ、及び前記凹溝に少なくとも一つのコイルを設置するステップを含む。
【0009】
上述の目的を達成するために、本発明に基づく磁性素子は、磁性基板と少なくとも一つのコイルを含む。前記磁性基板は、少なくとも一つの凹溝を有し、前記凹溝に前記コイルを設置する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の磁性素子とその製造方法は、まず、前記磁性基板を形成する。前記磁性基板は、前記凹溝を有し、前記コイルを収容する。従来技術と比べて、本発明の前記コイルは、前記磁性基板により直接覆われるため、比較的厚さが薄く、高インダクタンスを有することができる。また、本発明は、まず、前記磁性基板を形成してから、前記コイルを形成するので、仮に、焼結、或いは固化を選択して、製造された前記磁性基板は、相当良好な磁気的性質を有することができ、且つ前記コイルの材料も製造プロセスの温度による制限を受けないことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明についての目的、特徴、長所が一層明確に理解されるよう、以下に実施形態を例示し、図面を参照にしながら、詳細に説明する。
【0012】
図4Aに示されるように、本発明の好ましい実施例の磁性素子4は、磁性基板41と少なくとも一つのコイル42を含む。前記磁性基板41は、焼結、或いは固化方式で成型され、その内の一つ側は、少なくとも一つの凹溝43を有し、前記凹溝43は、前記コイル42を収容する。前記磁性基板41が焼結方式で成型される場合、その材料はフェライト(ferrite)を選択して、高分子材料と混合する。前記磁性基板41が固化方式で成型される場合、その材料は、金属系軟磁性粉末を選択して、高分子材料と混合する。フェライトは、例えば、ニッケル亜鉛フェライト(NiZn ferrite)、マンガン亜鉛フェライト(MnZn ferrite)である。前記コイル42の材料は、金属、或いは合金であり、例えば銅、アルミニウムなどである。
【0013】
本実施例では、前記磁性素子4は、いくつかの変化を有することができ、以下は、図4B〜図4Fを例に説明する。もちろん、その他にも更に多くの変化を有することができる。
【0014】
図4Bに示されるように、磁性素子4aの前記磁性基板41Aは、円柱状の磁心からなり、前記凹溝43Aは、前記磁心の外表面に位置し、前記コイル42Aは、前記凹溝43A内に収容される。
【0015】
図4Cに示されるように、前記磁性素子4bの前記凹溝43、43Bは、前記磁性基板41Bの相対する二つ側、すなわち両側面に位置し、前記コイル42、42Bは、前記凹溝43、43B内にそれぞれ設置することで、二つの側にいずれも前記コイル42、42Bの前記磁性素子4bを形成する。
【0016】
図4Dに示されるように、前記磁性素子4cは、前記磁性基板41と前記コイル42の上に形成された結合材料44を更に含み、前記コイル42を前記結合材料44と前記磁性基板41の間に位置させる。前記磁性素子4cは、前記結合材料44と結合したもう一つの磁性基板45を更に含み、前記結合材料44の材料は、酸化物、窒化物、スピンオンガラス、高分子材料、エポキシ樹脂、或いはその他の接着効果、或いは絶縁効果を有する材料であることができ、前記磁性基板45を前記結合材料44によって、前記磁性基板41に接着し、且つ前記磁性基板45の材料が前記コイル42の短絡を招くリスクを防ぐ。また、前記磁性基板45を増設することによって、前記磁性素子4cのインダクタンスを増加し、且つインダクタの損耗を下げることができる。
【0017】
図4Eに示されるように、前記磁性素子4dは、二つの磁性素子4によって、互いに結合して形成する。二つの磁性素子4間は、結合材料44によって、接合し、且つ隔てることができる。
【0018】
図4Fに示されるように、前記磁性素子4eは、前記磁性素子4bにより上、下側にもう一つの磁性基板45をそれぞれ接着して、成型される。前記結合材料44によって、前記磁性基板45を接着することができる。
【0019】
上述の片側コイルを有する前記磁性素子4、4a、4cは、インダクタ、或いは片側コイルだけを必要とする電子素子に応用することができる。両側コイルを有する前記磁性素子4b、4d、4eは、フィルター、変圧器、二重層インダクタ構造、或いは両側コイルを必要とする電子素子に応用することができる。
【0020】
図5A〜図5Dを参照下さい。以下は、前記磁性素子4、4cで本発明の好ましい実施例の磁性素子の製造方法を説明する。
【0021】
まず、図5Aに示されるように、磁性基板を焼結、或いは固化して、磁性基板41を形成する。前記磁性基板41は、少なくとも一つの凹溝43を有する。続いて、図5Bに示されるように、凹溝43に金属層46を形成する。さらに図5Cに示されるように、前記金属層46の一部を取り除き、前記コイル42を形成する。これによって、前記磁性素子4を製作することができる。前記金属層46は、電気メッキ、化学メッキ、或いは堆積方式で形成、或いは銅ぺースト、銀ぺーストを印刷した後に固化して形成することができる。尚、堆積方式は具体的な方法として、PVD(Physical vapor deposition)、またはCVD(Chemical vapor deposition)がある。また、前記金属層46の一部は、半導体製造プロセスにおけるエッチング方式、微小電気機械製造プロセスにおけるエッチング方式、或いは研磨によって、除去することができる。
【0022】
また、図5Dに示されるように、製造方法は、コイル42の片側に結合材料44を形成するステップを更に含み、前記コイル42を結合材料44と前記磁性基板41との間に位置させる。続いて、もう一つの磁性基板45を更に設置して、前記結合材料44と接合することによって、前記磁性素子4cを製作することができる。前記結合材料44は、堆積、或いは塗布によって形成することができ、前記磁性基板45は、接着、或いは係合によって、前記結合材料44と接合することができる。
【0023】
また、前記磁性素子4a、4b、4d、4eも上述の製造方法に沿って、成型することができる。注意すべきことは、前記磁性素子4aの前記磁性基板41Aが磁心であることから、前記金属層を形成する時に、前記磁性基板41Aを同時に回転することができ、前記金属層を均一に形成する。これは前記磁性基板41Aは、円柱形の基板であり、磁性基板41Aの軸心に従って回転することで、金属層を均一に形成できる。前記磁性素子4bの凹溝は、二つ側、すなわち両面側に位置しているため、二つの金属層を形成する必要がある。前記磁性素子4dは、二つの前記磁性素子4を製作した後に、前記結合材料44によって接着し、形成することができる。前記磁性素子4eは、前記磁性素子4bと前記磁性素子4cの製造プロセスを結合して製造することができる。
【0024】
上述の各実施例では、前記磁性基板41の凹溝43は、いくつかの方式で形成することができる。以下、図6A〜図6Cを参照に、第一の形成方式を説明する。
【0025】
図6Aに示されるように、まず、磁性粉末を金型5に入れる。前記金型5は、前記凹溝43に対応する構造を有し、続いて、前記金型5によって、磁性粉末を加圧し、磁性基板47を形成する。前記金型5の前記凹溝43に対応する構造は、一般の機械加工、エッチング、放電加工、或いはUVLIGAのマイクロ電鋳方式によって製作することができる。尚、UVLIGA(UV−LIGA)のマイクロ電鋳方式とは、UV光またはX線により厚膜フォトレジストに対して露光を行い、更に露出されている部分にマイクロ電鋳によって金属膜を成膜して、金型5を形成することであり、いわゆる「ロールオーバー(rollover)」である。磁性粉末の材料は、フェライトと高分子材料の混合、或いは金属系軟磁性粉末と高分子材料の混合であることができる。続いて、図6Bに示されるように、前記金型5を取り除き、最後に、図6Cに示されるように、前記磁性基板47を加温焼結(フェライト粉末などの場合)、或いは固化(金属系軟磁性粉末などの場合)し、前記凹溝43を有する前記磁性基板41を形成する。注意すべきことは、この方式で前記凹溝43を形成するのは、焼結、或いは固化を行う前である。
【0026】
図7A〜図7Cを参照下さい。以下は、前記凹溝43の第二の形成方式を説明する。
【0027】
図7Aに示されるように、まず、未焼結、或いは未固化の磁性基板47Aを提供する。続いて、図7Bに示されるように、前記磁性基板47に前記凹溝43を形成する。本実施例では、前記凹溝43は、旋削加工、微小電気機械製造プロセス、半導体製造プロセス、インプリンティング、或いは研磨の方式によって形成することができる。前記微小電気機械製造プロセス、或いは前記半導体製造プロセスは、前記磁性基板47Aにフォトレジスト層の塗布を含むことができる。尚、インプリンティングは、凸起部のある金型によって、焼結されていないまたは固化されていない磁性基板47A(図7参照)に刷り込むことで、コイルパターン(凹溝43)を形成するものである。続いて、前記凹溝43を有するパターンのマスクを前記フォトレジスト層に設置し、続いて、マスクによって、フォトレジスト層に、露光と現像を行った後、前記磁性基板47Aにエッチングを行う。最後に、フォトレジスト層にフォトレジストの除去を行い、前記凹溝43を得る。図7Cに示されるように、前記磁性基板47Aに焼結、或いは固化を行い、前記凹溝43を有する前記磁性基板41を形成する。この方式で前記凹溝43を形成するのも、焼結、或いは固化を行う前である。
【0028】
図8A〜図8Cを参照下さい。以下は、前記凹溝43の第三の形成方式を説明する。
【0029】
図8Aに示されるように、まず、磁性基板を焼結、或いは固化し、磁性基板41を形成する。続いて、図8Bに示されるように、前記磁性基板41に前記凹溝43を形成する。前記凹溝43は、フライス加工、放電加工、レーザー加工、半導体製造プロセス、或いは微小電気機械製造プロセスによって、前記磁性基板41に形成することができる。前記微小電気機械製造プロセス、或いは前記半導体製造プロセスは、前記磁性基板41にフォトレジスト層PRの塗布を含むことができ、続いて、前記凹溝43を有するパターンのマスクを前記フォトレジスト層PRに設置した後、前記マスクによって、前記フォトレジスト層PRに、露光と現像を行い、さらに、前記磁性基板41に、エッチングを行う(図8Bの如く)。最後に、前記フォトレジスト層PRにフォトレジストの除去を行い、前記凹溝43を得る(図8Cの如く)。注意すべきことは、この方式で前記凹溝43を形成するのは、焼結、或いは固化を行った後である。
【0030】
上述をまとめると、本発明の磁性素子とその製造方法は、まず、前記磁性基板を形成する。前記磁性基板は、前記凹溝を有し、前記コイルを収容する。従来技術と比べて、本発明の前記コイルは、前記磁性基板により直接覆われるため、比較的厚さが薄く、高インダクタンスを有することができる。また、本発明は、まず、前記磁性基板を焼結、或いは固化してから、前記コイルを形成することから、製造された前記磁性基板は、相当良好な磁気的性質を有することができ、且つ前記コイルの材料も製造プロセスの温度による制限を受けないことができる。
【0031】
以上、本発明の好適な実施例を例示したが、これは本発明を限定するものではなく、本発明の精神及び範囲を逸脱しない限りにおいては、当業者であれば行い得る少々の変更や修飾を付加することは可能である。従って、本発明が保護を請求する範囲は、特許請求の範囲を基準とする。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】第一の従来磁性素子の概略図である。
【図2】第二の従来磁性素子の概略図である。
【図3】第三の従来磁性素子の概略図である。
【図4A】本発明の各種の好ましい第一の実施例の磁性素子の概略図である。
【図4B】本発明の各種の好ましい第二の実施例の磁性素子の概略図である。
【図4C】本発明の各種の好ましい第三の実施例の磁性素子の概略図である。
【図4D】本発明の各種の好ましい第四の実施例の磁性素子の概略図である。
【図4E】本発明の各種の好ましい第五の実施例の磁性素子の概略図である。
【図4F】本発明の各種の好ましい第六の実施例の磁性素子の概略図である。
【図5】本発明の好ましい実施例に基づいた二つの磁性素子の製造プロセス図である。
【図6】本発明の好ましい実施例に基づいた磁性素子の凹溝の第一の製造プロセス図である。
【図7】本発明の好ましい実施例に基づいた磁性素子の凹溝の第二の製造プロセス図である。
【図8】本発明の好ましい実施例に基づいた磁性素子の凹溝の第三の製造プロセス図である。
【符号の説明】
【0033】
1 磁性素子
11、12 フェライト基板
13 コイル
14、15、44 結合材料
2、3、4、4a、4b、4c、4d、4e 磁性素子
21、31 基板
22、24、32、34 フェライト
23、33、42、42A、42B コイル
25 外部電極
36 保護層
41、41A、41B、45 磁性基板
43、43A、43B 凹溝
46 金属層
47、47A 磁性基板
5 金型
PR フォトレジスト層
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁性素子の製造方法及び磁性素子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
磁性素子は、既に電子製品に必要なインダクタ、或いはノイズフィルターなどに広く応用されている。従来の磁性素子は、エナメル銅線で磁心に巻き線を施す方式で製作されるが、その体積が製造機械の能力、銅線の線径と、磁心のサイズによって制限されることから、小型化の限界を有する。従来の巻き線方式と比べて、マイクロ製造の方式を用いることで、既に市場にある、マイクロ製造の方式で製造されたコモンモードノイズフィルターのように、より体積の小さなインダクタ、或いはノイズフィルターを製造できる。
【0003】
一般の製造プロセスは、高周波の操作に適用するフェライトを基板とし、その上にマイクロ製造の方式で製作されたコイルを施して、インダクタとして機能する磁性素子を形成する。図1に示されるように、コイル13と二つの結合材料14、15を二つのフェライト基板11、12で挟み、磁性素子1を形成する。しかし、前記磁性素子1の表面が平坦化に達する必要があることから、前記結合材料14、15は、不可欠なものとなり、且つ一定の厚さ以上を達し、全体の素子の厚さを厚くする必要がある。この他に、前記コイル13の周囲が前記結合材料14、15に覆われることから、前記磁性素子1のインダクタンスを低下させる。
【0004】
図2に示されるように、スクリーン印刷の方式で基板21にフェライト22、コイル23、もう一つのフェライト24と、二つの外部電極25を順次に形成し、続いて焼結(sintering)を行い、磁性素子2を形成する。前記磁性素子2の前記コイル23は、直接、フェライト22、24より覆われているため、比較的薄い厚さと比較的高いインダクタンスを有することができるが、しかし、焼結の温度が1000〜1200℃に達することから、前記コイル23の材料を選択する時に制限される。例えば、アルミ二ウムでは、前記コイル23の材料とすることができない。
【0005】
図3に示されるように、電気メッキの方式で基板31にフェライト32、シード層35、コイル33、もう一つのフェライト34と保護層36を順次に形成し、磁性素子3を形成する。前記磁性素子3の前記コイル33は、前記フェライト32、34により直接覆われているため、比較的薄い厚さと比較的高いインダクタンスを有することができるが、しかし、電気メッキから製作された前記フェライト32、34の磁気的性質は、焼結で製作されたフェライトと比べることができないため、前記磁性素子3のインダクタンス、或いは品質係数(Q)のいずれも比較的悪い。
【0006】
よって、上述の問題を解決するには、コイルの材料を制限せずに、且つ厚さが薄く、高インダクタンスを有することができる磁性素子及びその製造方法が必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の課題に鑑み、本発明の目的は、厚さが薄く、高インダクタンスを有し、且つコイル材料が制限されない磁性素子の製造方法及び磁性素子を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するために、本発明に基づく磁性素子の製造方法は、少なくとも一つの凹溝を有する磁性基板を形成するステップ、及び前記凹溝に少なくとも一つのコイルを設置するステップを含む。
【0009】
上述の目的を達成するために、本発明に基づく磁性素子は、磁性基板と少なくとも一つのコイルを含む。前記磁性基板は、少なくとも一つの凹溝を有し、前記凹溝に前記コイルを設置する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の磁性素子とその製造方法は、まず、前記磁性基板を形成する。前記磁性基板は、前記凹溝を有し、前記コイルを収容する。従来技術と比べて、本発明の前記コイルは、前記磁性基板により直接覆われるため、比較的厚さが薄く、高インダクタンスを有することができる。また、本発明は、まず、前記磁性基板を形成してから、前記コイルを形成するので、仮に、焼結、或いは固化を選択して、製造された前記磁性基板は、相当良好な磁気的性質を有することができ、且つ前記コイルの材料も製造プロセスの温度による制限を受けないことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明についての目的、特徴、長所が一層明確に理解されるよう、以下に実施形態を例示し、図面を参照にしながら、詳細に説明する。
【0012】
図4Aに示されるように、本発明の好ましい実施例の磁性素子4は、磁性基板41と少なくとも一つのコイル42を含む。前記磁性基板41は、焼結、或いは固化方式で成型され、その内の一つ側は、少なくとも一つの凹溝43を有し、前記凹溝43は、前記コイル42を収容する。前記磁性基板41が焼結方式で成型される場合、その材料はフェライト(ferrite)を選択して、高分子材料と混合する。前記磁性基板41が固化方式で成型される場合、その材料は、金属系軟磁性粉末を選択して、高分子材料と混合する。フェライトは、例えば、ニッケル亜鉛フェライト(NiZn ferrite)、マンガン亜鉛フェライト(MnZn ferrite)である。前記コイル42の材料は、金属、或いは合金であり、例えば銅、アルミニウムなどである。
【0013】
本実施例では、前記磁性素子4は、いくつかの変化を有することができ、以下は、図4B〜図4Fを例に説明する。もちろん、その他にも更に多くの変化を有することができる。
【0014】
図4Bに示されるように、磁性素子4aの前記磁性基板41Aは、円柱状の磁心からなり、前記凹溝43Aは、前記磁心の外表面に位置し、前記コイル42Aは、前記凹溝43A内に収容される。
【0015】
図4Cに示されるように、前記磁性素子4bの前記凹溝43、43Bは、前記磁性基板41Bの相対する二つ側、すなわち両側面に位置し、前記コイル42、42Bは、前記凹溝43、43B内にそれぞれ設置することで、二つの側にいずれも前記コイル42、42Bの前記磁性素子4bを形成する。
【0016】
図4Dに示されるように、前記磁性素子4cは、前記磁性基板41と前記コイル42の上に形成された結合材料44を更に含み、前記コイル42を前記結合材料44と前記磁性基板41の間に位置させる。前記磁性素子4cは、前記結合材料44と結合したもう一つの磁性基板45を更に含み、前記結合材料44の材料は、酸化物、窒化物、スピンオンガラス、高分子材料、エポキシ樹脂、或いはその他の接着効果、或いは絶縁効果を有する材料であることができ、前記磁性基板45を前記結合材料44によって、前記磁性基板41に接着し、且つ前記磁性基板45の材料が前記コイル42の短絡を招くリスクを防ぐ。また、前記磁性基板45を増設することによって、前記磁性素子4cのインダクタンスを増加し、且つインダクタの損耗を下げることができる。
【0017】
図4Eに示されるように、前記磁性素子4dは、二つの磁性素子4によって、互いに結合して形成する。二つの磁性素子4間は、結合材料44によって、接合し、且つ隔てることができる。
【0018】
図4Fに示されるように、前記磁性素子4eは、前記磁性素子4bにより上、下側にもう一つの磁性基板45をそれぞれ接着して、成型される。前記結合材料44によって、前記磁性基板45を接着することができる。
【0019】
上述の片側コイルを有する前記磁性素子4、4a、4cは、インダクタ、或いは片側コイルだけを必要とする電子素子に応用することができる。両側コイルを有する前記磁性素子4b、4d、4eは、フィルター、変圧器、二重層インダクタ構造、或いは両側コイルを必要とする電子素子に応用することができる。
【0020】
図5A〜図5Dを参照下さい。以下は、前記磁性素子4、4cで本発明の好ましい実施例の磁性素子の製造方法を説明する。
【0021】
まず、図5Aに示されるように、磁性基板を焼結、或いは固化して、磁性基板41を形成する。前記磁性基板41は、少なくとも一つの凹溝43を有する。続いて、図5Bに示されるように、凹溝43に金属層46を形成する。さらに図5Cに示されるように、前記金属層46の一部を取り除き、前記コイル42を形成する。これによって、前記磁性素子4を製作することができる。前記金属層46は、電気メッキ、化学メッキ、或いは堆積方式で形成、或いは銅ぺースト、銀ぺーストを印刷した後に固化して形成することができる。尚、堆積方式は具体的な方法として、PVD(Physical vapor deposition)、またはCVD(Chemical vapor deposition)がある。また、前記金属層46の一部は、半導体製造プロセスにおけるエッチング方式、微小電気機械製造プロセスにおけるエッチング方式、或いは研磨によって、除去することができる。
【0022】
また、図5Dに示されるように、製造方法は、コイル42の片側に結合材料44を形成するステップを更に含み、前記コイル42を結合材料44と前記磁性基板41との間に位置させる。続いて、もう一つの磁性基板45を更に設置して、前記結合材料44と接合することによって、前記磁性素子4cを製作することができる。前記結合材料44は、堆積、或いは塗布によって形成することができ、前記磁性基板45は、接着、或いは係合によって、前記結合材料44と接合することができる。
【0023】
また、前記磁性素子4a、4b、4d、4eも上述の製造方法に沿って、成型することができる。注意すべきことは、前記磁性素子4aの前記磁性基板41Aが磁心であることから、前記金属層を形成する時に、前記磁性基板41Aを同時に回転することができ、前記金属層を均一に形成する。これは前記磁性基板41Aは、円柱形の基板であり、磁性基板41Aの軸心に従って回転することで、金属層を均一に形成できる。前記磁性素子4bの凹溝は、二つ側、すなわち両面側に位置しているため、二つの金属層を形成する必要がある。前記磁性素子4dは、二つの前記磁性素子4を製作した後に、前記結合材料44によって接着し、形成することができる。前記磁性素子4eは、前記磁性素子4bと前記磁性素子4cの製造プロセスを結合して製造することができる。
【0024】
上述の各実施例では、前記磁性基板41の凹溝43は、いくつかの方式で形成することができる。以下、図6A〜図6Cを参照に、第一の形成方式を説明する。
【0025】
図6Aに示されるように、まず、磁性粉末を金型5に入れる。前記金型5は、前記凹溝43に対応する構造を有し、続いて、前記金型5によって、磁性粉末を加圧し、磁性基板47を形成する。前記金型5の前記凹溝43に対応する構造は、一般の機械加工、エッチング、放電加工、或いはUVLIGAのマイクロ電鋳方式によって製作することができる。尚、UVLIGA(UV−LIGA)のマイクロ電鋳方式とは、UV光またはX線により厚膜フォトレジストに対して露光を行い、更に露出されている部分にマイクロ電鋳によって金属膜を成膜して、金型5を形成することであり、いわゆる「ロールオーバー(rollover)」である。磁性粉末の材料は、フェライトと高分子材料の混合、或いは金属系軟磁性粉末と高分子材料の混合であることができる。続いて、図6Bに示されるように、前記金型5を取り除き、最後に、図6Cに示されるように、前記磁性基板47を加温焼結(フェライト粉末などの場合)、或いは固化(金属系軟磁性粉末などの場合)し、前記凹溝43を有する前記磁性基板41を形成する。注意すべきことは、この方式で前記凹溝43を形成するのは、焼結、或いは固化を行う前である。
【0026】
図7A〜図7Cを参照下さい。以下は、前記凹溝43の第二の形成方式を説明する。
【0027】
図7Aに示されるように、まず、未焼結、或いは未固化の磁性基板47Aを提供する。続いて、図7Bに示されるように、前記磁性基板47に前記凹溝43を形成する。本実施例では、前記凹溝43は、旋削加工、微小電気機械製造プロセス、半導体製造プロセス、インプリンティング、或いは研磨の方式によって形成することができる。前記微小電気機械製造プロセス、或いは前記半導体製造プロセスは、前記磁性基板47Aにフォトレジスト層の塗布を含むことができる。尚、インプリンティングは、凸起部のある金型によって、焼結されていないまたは固化されていない磁性基板47A(図7参照)に刷り込むことで、コイルパターン(凹溝43)を形成するものである。続いて、前記凹溝43を有するパターンのマスクを前記フォトレジスト層に設置し、続いて、マスクによって、フォトレジスト層に、露光と現像を行った後、前記磁性基板47Aにエッチングを行う。最後に、フォトレジスト層にフォトレジストの除去を行い、前記凹溝43を得る。図7Cに示されるように、前記磁性基板47Aに焼結、或いは固化を行い、前記凹溝43を有する前記磁性基板41を形成する。この方式で前記凹溝43を形成するのも、焼結、或いは固化を行う前である。
【0028】
図8A〜図8Cを参照下さい。以下は、前記凹溝43の第三の形成方式を説明する。
【0029】
図8Aに示されるように、まず、磁性基板を焼結、或いは固化し、磁性基板41を形成する。続いて、図8Bに示されるように、前記磁性基板41に前記凹溝43を形成する。前記凹溝43は、フライス加工、放電加工、レーザー加工、半導体製造プロセス、或いは微小電気機械製造プロセスによって、前記磁性基板41に形成することができる。前記微小電気機械製造プロセス、或いは前記半導体製造プロセスは、前記磁性基板41にフォトレジスト層PRの塗布を含むことができ、続いて、前記凹溝43を有するパターンのマスクを前記フォトレジスト層PRに設置した後、前記マスクによって、前記フォトレジスト層PRに、露光と現像を行い、さらに、前記磁性基板41に、エッチングを行う(図8Bの如く)。最後に、前記フォトレジスト層PRにフォトレジストの除去を行い、前記凹溝43を得る(図8Cの如く)。注意すべきことは、この方式で前記凹溝43を形成するのは、焼結、或いは固化を行った後である。
【0030】
上述をまとめると、本発明の磁性素子とその製造方法は、まず、前記磁性基板を形成する。前記磁性基板は、前記凹溝を有し、前記コイルを収容する。従来技術と比べて、本発明の前記コイルは、前記磁性基板により直接覆われるため、比較的厚さが薄く、高インダクタンスを有することができる。また、本発明は、まず、前記磁性基板を焼結、或いは固化してから、前記コイルを形成することから、製造された前記磁性基板は、相当良好な磁気的性質を有することができ、且つ前記コイルの材料も製造プロセスの温度による制限を受けないことができる。
【0031】
以上、本発明の好適な実施例を例示したが、これは本発明を限定するものではなく、本発明の精神及び範囲を逸脱しない限りにおいては、当業者であれば行い得る少々の変更や修飾を付加することは可能である。従って、本発明が保護を請求する範囲は、特許請求の範囲を基準とする。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】第一の従来磁性素子の概略図である。
【図2】第二の従来磁性素子の概略図である。
【図3】第三の従来磁性素子の概略図である。
【図4A】本発明の各種の好ましい第一の実施例の磁性素子の概略図である。
【図4B】本発明の各種の好ましい第二の実施例の磁性素子の概略図である。
【図4C】本発明の各種の好ましい第三の実施例の磁性素子の概略図である。
【図4D】本発明の各種の好ましい第四の実施例の磁性素子の概略図である。
【図4E】本発明の各種の好ましい第五の実施例の磁性素子の概略図である。
【図4F】本発明の各種の好ましい第六の実施例の磁性素子の概略図である。
【図5】本発明の好ましい実施例に基づいた二つの磁性素子の製造プロセス図である。
【図6】本発明の好ましい実施例に基づいた磁性素子の凹溝の第一の製造プロセス図である。
【図7】本発明の好ましい実施例に基づいた磁性素子の凹溝の第二の製造プロセス図である。
【図8】本発明の好ましい実施例に基づいた磁性素子の凹溝の第三の製造プロセス図である。
【符号の説明】
【0033】
1 磁性素子
11、12 フェライト基板
13 コイル
14、15、44 結合材料
2、3、4、4a、4b、4c、4d、4e 磁性素子
21、31 基板
22、24、32、34 フェライト
23、33、42、42A、42B コイル
25 外部電極
36 保護層
41、41A、41B、45 磁性基板
43、43A、43B 凹溝
46 金属層
47、47A 磁性基板
5 金型
PR フォトレジスト層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの凹溝を有する磁性基板を形成するステップ、及び
前記凹溝に少なくとも一つのコイルを設置するステップを含むことを特徴とする磁性素子の製造方法。
【請求項2】
磁性基板は、前記磁性基板を焼結、或いは固化することによって、形成され、且つ前記凹溝は、焼結、或いは固化する前に、或いは焼結、或いは固化した後に前記磁性基板に形成されることを特徴とする請求項1に記載の磁性素子の製造方法。
【請求項3】
前記磁性基板を焼結、或いは固化する前に、
前記凹溝に対応する構造を有する金型に磁性粉末を入れるステップ、
前記磁性粉末を、加圧し、前記磁性基板を形成するステップ、及び、
前記金型を取り除くステップを更に含むことを特徴とする請求項2に記載の磁性素子の製造方法。
【請求項4】
前記磁性基板を焼結、或いは固化する前に、旋削加工、エッチングプロセス、インプリンティング、或いは研磨の方式によって、前記磁性基板に前記凹溝を形成するステップを更に含むことを特徴とする請求項2に記載の磁性素子の製造方法。
【請求項5】
前記磁性基板を形成した後に、
フライス加工、放電加工、レーザー加工、半導体製造プロセス、或いは微小電気機械製造プロセスによって、前記磁性基板に前記凹溝を形成するステップを更に含むことを特徴とする請求項2に記載の磁性素子の製造方法。
【請求項6】
前記微小電気機械製造プロセス、或いは前記半導体製造プロセスは、
前記磁性基板にフォトレジスト層を塗布するステップ、
前記凹溝を有するパターンのマスクを前記フォトレジスト層に設置するステップ、
前記マスクによって、前記フォトレジスト層に、露光と現像を行うステップ、
前記磁性基板に、エッチングを行うステップ、及び
前記フォトレジスト層に、フォトレジストの除去を行い、前記凹溝を得るステップを含むことを特徴とする請求項4、或いは請求項5に記載の磁性素子の製造方法。
【請求項7】
前記コイルを形成するステップは、
前記凹溝に金属層を形成するステップ、及び
前記金属層の一部を取り除いて、前記コイルを形成するステップを含むことを特徴とする請求項1に磁性素子の記載の製造方法。
【請求項8】
前記金属層は、電気メッキ、化学メッキ、堆積方式、或いは銅ぺースト、或いは銀ぺーストを印刷した後に固化して形成されることを特徴とする請求項7に記載の磁性素子の製造方法。
【請求項9】
前記金属層の一部は、半導体製造プロセス、微小電気機械製造プロセス、或いは研磨によって、除去することを特徴とする請求項7に記載の磁性素子の製造方法。
【請求項10】
前記コイルを形成した後、
前記磁性基板と前記コイルに結合材料を形成するステップを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の磁性素子の製造方法。
【請求項11】
前記結合材料は、堆積、或いは塗布によって形成され、前記結合材料の材料は、酸化物、窒化物、スピンオンガラス、高分子材料、エポキシ樹脂、或いは絶縁材料であることを特徴とする請求項10に記載の磁性素子の製造方法。
【請求項12】
前記結合材料と接続、接着、或いは係合するもう一つの磁性基板を形成するステップを更に含むことを特徴とする請求項10に記載の磁性素子の製造方法。
【請求項13】
前記もう一つの磁性基板は、少なくとも一つの凹溝を有し、前記凹溝に少なくとも一つのコイルが設置されることを特徴とする請求項12に記載の磁性素子の製造方法。
【請求項14】
少なくとも一つの凹溝を有する磁性基板、及び
前記凹溝に設置される少なくとも一つのコイルを含むことを特徴とする磁性素子。
【請求項15】
前記磁性基板が複数の凹溝を有する時、前記凹溝は、前記磁性基板の相対する二つ側、或いはその内の一つ側に位置されることを特徴とする請求項14に記載の磁性素子。
【請求項16】
前記磁性基板のその内の一つ側に設置された前記コイルの前記磁性素子は、インダクタであり、前記磁性基板の相対する二つ側に設置された前記コイルの前記磁性素子は、フィルター、変圧器、或いは二重層インダクタであることを特徴とする請求項15に記載の磁性素子。
【請求項17】
前記磁性基板は、磁心、或いは円柱状磁心であり、前記凹溝は、前記磁心の外表面に設置されることを特徴とする請求項14に記載の磁性素子。
【請求項18】
前記磁性基板の材料は、フェライト、ニッケル亜鉛フェライト、マンガン亜鉛フェライト、或いは金属系軟磁性粉末と高分子材料の混合からなることを特徴とする請求項14に記載の磁性素子。
【請求項19】
前記コイルの材料は、銅、或いはアルミニウムなどの金属、合金であることを特徴とする請求項14に記載の磁性素子。
【請求項20】
前記コイルと前記磁性基板に設置される結合材料を更に含むことを特徴とする請求項14に記載の磁性素子。
【請求項21】
前記コイルは、前記結合材料と前記磁性基板の間に位置されることを特徴とする請求項20に記載の磁性素子。
【請求項22】
前記結合材料と結合されるもう一つの磁性基板を更に含むことを特徴とする請求項21に記載の磁性素子。
【請求項23】
前記もう一つの磁性基板は、少なくとも一つの凹溝を有し、前記凹溝に少なくとも一つのコイルが設置されることを特徴とする請求項22に記載の磁性素子。
【請求項24】
前記磁性基板の相対する二つ側に設置された二つの結合材料を更に含み、二つの磁性基板により前記二つの結合材料と接合されることを特徴とする請求項14に記載の磁性素子。
【請求項25】
前記結合材料の材料は、酸化物、窒化物、スピンオンガラス、高分子材料、或いはエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項20、或いは請求項24に記載の磁性素子。
【請求項1】
少なくとも一つの凹溝を有する磁性基板を形成するステップ、及び
前記凹溝に少なくとも一つのコイルを設置するステップを含むことを特徴とする磁性素子の製造方法。
【請求項2】
磁性基板は、前記磁性基板を焼結、或いは固化することによって、形成され、且つ前記凹溝は、焼結、或いは固化する前に、或いは焼結、或いは固化した後に前記磁性基板に形成されることを特徴とする請求項1に記載の磁性素子の製造方法。
【請求項3】
前記磁性基板を焼結、或いは固化する前に、
前記凹溝に対応する構造を有する金型に磁性粉末を入れるステップ、
前記磁性粉末を、加圧し、前記磁性基板を形成するステップ、及び、
前記金型を取り除くステップを更に含むことを特徴とする請求項2に記載の磁性素子の製造方法。
【請求項4】
前記磁性基板を焼結、或いは固化する前に、旋削加工、エッチングプロセス、インプリンティング、或いは研磨の方式によって、前記磁性基板に前記凹溝を形成するステップを更に含むことを特徴とする請求項2に記載の磁性素子の製造方法。
【請求項5】
前記磁性基板を形成した後に、
フライス加工、放電加工、レーザー加工、半導体製造プロセス、或いは微小電気機械製造プロセスによって、前記磁性基板に前記凹溝を形成するステップを更に含むことを特徴とする請求項2に記載の磁性素子の製造方法。
【請求項6】
前記微小電気機械製造プロセス、或いは前記半導体製造プロセスは、
前記磁性基板にフォトレジスト層を塗布するステップ、
前記凹溝を有するパターンのマスクを前記フォトレジスト層に設置するステップ、
前記マスクによって、前記フォトレジスト層に、露光と現像を行うステップ、
前記磁性基板に、エッチングを行うステップ、及び
前記フォトレジスト層に、フォトレジストの除去を行い、前記凹溝を得るステップを含むことを特徴とする請求項4、或いは請求項5に記載の磁性素子の製造方法。
【請求項7】
前記コイルを形成するステップは、
前記凹溝に金属層を形成するステップ、及び
前記金属層の一部を取り除いて、前記コイルを形成するステップを含むことを特徴とする請求項1に磁性素子の記載の製造方法。
【請求項8】
前記金属層は、電気メッキ、化学メッキ、堆積方式、或いは銅ぺースト、或いは銀ぺーストを印刷した後に固化して形成されることを特徴とする請求項7に記載の磁性素子の製造方法。
【請求項9】
前記金属層の一部は、半導体製造プロセス、微小電気機械製造プロセス、或いは研磨によって、除去することを特徴とする請求項7に記載の磁性素子の製造方法。
【請求項10】
前記コイルを形成した後、
前記磁性基板と前記コイルに結合材料を形成するステップを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の磁性素子の製造方法。
【請求項11】
前記結合材料は、堆積、或いは塗布によって形成され、前記結合材料の材料は、酸化物、窒化物、スピンオンガラス、高分子材料、エポキシ樹脂、或いは絶縁材料であることを特徴とする請求項10に記載の磁性素子の製造方法。
【請求項12】
前記結合材料と接続、接着、或いは係合するもう一つの磁性基板を形成するステップを更に含むことを特徴とする請求項10に記載の磁性素子の製造方法。
【請求項13】
前記もう一つの磁性基板は、少なくとも一つの凹溝を有し、前記凹溝に少なくとも一つのコイルが設置されることを特徴とする請求項12に記載の磁性素子の製造方法。
【請求項14】
少なくとも一つの凹溝を有する磁性基板、及び
前記凹溝に設置される少なくとも一つのコイルを含むことを特徴とする磁性素子。
【請求項15】
前記磁性基板が複数の凹溝を有する時、前記凹溝は、前記磁性基板の相対する二つ側、或いはその内の一つ側に位置されることを特徴とする請求項14に記載の磁性素子。
【請求項16】
前記磁性基板のその内の一つ側に設置された前記コイルの前記磁性素子は、インダクタであり、前記磁性基板の相対する二つ側に設置された前記コイルの前記磁性素子は、フィルター、変圧器、或いは二重層インダクタであることを特徴とする請求項15に記載の磁性素子。
【請求項17】
前記磁性基板は、磁心、或いは円柱状磁心であり、前記凹溝は、前記磁心の外表面に設置されることを特徴とする請求項14に記載の磁性素子。
【請求項18】
前記磁性基板の材料は、フェライト、ニッケル亜鉛フェライト、マンガン亜鉛フェライト、或いは金属系軟磁性粉末と高分子材料の混合からなることを特徴とする請求項14に記載の磁性素子。
【請求項19】
前記コイルの材料は、銅、或いはアルミニウムなどの金属、合金であることを特徴とする請求項14に記載の磁性素子。
【請求項20】
前記コイルと前記磁性基板に設置される結合材料を更に含むことを特徴とする請求項14に記載の磁性素子。
【請求項21】
前記コイルは、前記結合材料と前記磁性基板の間に位置されることを特徴とする請求項20に記載の磁性素子。
【請求項22】
前記結合材料と結合されるもう一つの磁性基板を更に含むことを特徴とする請求項21に記載の磁性素子。
【請求項23】
前記もう一つの磁性基板は、少なくとも一つの凹溝を有し、前記凹溝に少なくとも一つのコイルが設置されることを特徴とする請求項22に記載の磁性素子。
【請求項24】
前記磁性基板の相対する二つ側に設置された二つの結合材料を更に含み、二つの磁性基板により前記二つの結合材料と接合されることを特徴とする請求項14に記載の磁性素子。
【請求項25】
前記結合材料の材料は、酸化物、窒化物、スピンオンガラス、高分子材料、或いはエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項20、或いは請求項24に記載の磁性素子。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2009−33106(P2009−33106A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−109537(P2008−109537)
【出願日】平成20年4月18日(2008.4.18)
【出願人】(596039187)台達電子工業股▲ふん▼有限公司 (192)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月18日(2008.4.18)
【出願人】(596039187)台達電子工業股▲ふん▼有限公司 (192)
【Fターム(参考)】
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