説明

磁気共鳴イメージング装置および磁気共鳴画像生成方法

【課題】MRAにおいて撮影のスループットを向上可能であって、画像品質を向上させる。
【解決手段】カーディアック・コンペンセイション法を適用しないイメージング方法にて被検体の撮影領域についてイメージングを実施することによって第1の画像C1を生成する。そして、カーディアック・コンペンセイション法を適用したイメージング方法にて被検体の撮影領域についてイメージングを実施することによって第2の画像C2を生成する。その後、第1の画像C1と第2の画像C2との間において差分処理を実施することによって差分画像CGを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気共鳴イメージング(MRI:Magnetic Resonance Imaging)装置および磁気共鳴画像生成方法に関する。特に、被検体において動脈を含む撮影領域から磁気共鳴信号を収集するスキャン(scan)を実施することによって、その撮影領域についてイメージングする磁気共鳴イメージング装置、および、上記のスキャンの実施によって収集された磁気共鳴信号に基づいて、撮影領域について磁気共鳴画像を生成する磁気共鳴画像生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴イメージング装置は、静磁場が形成された撮像空間において、被検体にて撮影する撮影領域から磁気共鳴信号を収集するように、その撮影領域についてスキャンを実施する。ここでは、電磁波であるRFパルスを撮影領域に照射することにより、その撮影領域におけるプロトン(proton)のスピン(spin)による磁化ベクトルを、核磁気共鳴(NMR:Nuclear Magnetic Resonance)現象によって励起させ、その励起された磁化ベクトルが元の磁化ベクトルへ戻る際に発生する磁気共鳴信号を収集する。そして、このスキャンの実施によって収集された磁気共鳴信号を、ローデータ(Raw Data)とし、その被検体の撮影領域について磁気共鳴画像を再構成する。
【0003】
磁気共鳴イメージング装置は、医療分野、産業分野などのさまざまな分野において利用されており、その目的に応じて、さまざまなイメージング方法で被検体の撮影領域が撮像されている。
【0004】
たとえば、磁気共鳴イメージング装置において用いられるイメージング方法として、FIESTA(Fast Imaging Employing Steady state Precession)と呼ばれるBalanced SSFP法が知られている。このBalanced SSFP法は、グラディエント・エコー(Gradient Echo)系であって、繰返し時間(TR:Time of repetition)内において印加する勾配磁場によって生ずる横磁化の位相シフトを、そのTR内において完全に巻き戻すパルスシーケンス(pulse sequence)であって、FID(Free Induction Decay)信号とエコー信号とを含むように、磁気共鳴信号を収集できる。このため、その磁気共鳴信号の信号強度が大きくなるため、高いコントラスト(contrast)の磁気共鳴画像を高速に生成することが実現できる。特に、この方法においては、人体などの生体において流れる血流部分について、高いコントラストの磁気共鳴画像を生成することができる(たとえば、特許文献1参照)。
【0005】
また、生体である被検体の体動によって磁気共鳴画像に体動アーチファクト(artifact)が発生することを抑制するイメージング方法が提案されている。
【0006】
体動が生ずる部分を含む撮影領域から収集した磁気共鳴信号を、k空間において位相エンコード方向に並ぶ行を時間軸に沿って連続的に充填するように、スキャンを繰り返した場合には、それぞれの位置において信号強度が変動するので、磁気共鳴画像に体動アーチファクトが発生する場合がある。たとえば、シーケンシャル(sequential)法によって、k空間の位相エンコード方向における負の最大位置のビューから正の最大位置のビューに向かう順番で、k空間に磁気共鳴信号を充填した場合には、このような不具合が発生する場合がある。
【0007】
このため、被検体の体動を検出後に、その検出された検出データに応じて位相エンコードの順序を制御するように、ビュー・オーダリング(view ordering)を実施することによって、体動アーチファクトが発生することを抑制するイメージング方法が提案されている。たとえば、ハイ・ソート(High sort)法にてビュー・オーダリングを実施し、1ビューごとに体動が激しく生じた場合と同じように磁気共鳴信号をk空間に充填する場合には、その磁気共鳴画像の端部に体動アーチファクトを移動できるため、画像品質を向上させることができる。特に、目的とするFOV(Field Of View)よりもビュー数が多いFOVに対応するように、このハイ・ソート法にて磁気共鳴信号を収集した場合には、その目的のFOVの外部に体動アーチファクトが移動されるので、好適である(たとえば、特許文献2,特許文献3参照)。
【0008】
上記のようなビュー・オーダリングを被検体の呼吸運動による呼吸信号に応じるように実施するイメージング方法は、ROPE(Respiratory Ordered Phase Encoding)法と呼ばれている。また、上記のようなビュー・オーダリングを被検体の心拍運動による心拍信号に応じるように実施するイメージング方法は、カーディアック・コンペンセイション(Cardiac Compensation)法と呼ばれている。
【0009】
さらに、上記の他に、血流によるアーチファクトの発生を抑制するイメージング方法として、フロー・コンペンセイション(Flow Compensation)法が提案されている。フロー・コンペンセイション法においては、血流によって変位するスピンの位相を、流れ補償パルスと呼ばれる勾配パルスを用いて補正することによって、血流によるアーチファクトの発生を抑制している(たとえば、特許文献4参照)。
【0010】
また、磁気共鳴イメージング装置を用いて、MRA(MR angiography)と呼ばれる血管撮影が実施されている。このMRAにおいて、造影剤を使用しないイメージング方法として、FBI(Fresh Blood Imaging)が知られている(たとえば、特許文献5,特許文献6参照)。
【0011】
【特許文献1】特開2003−10148号公報
【特許文献2】特許3696677号公報
【特許文献3】特開平4−82537号公報
【特許文献4】特開2007−90001号公報
【特許文献5】特開2000−5144号公報
【特許文献6】特開2004−129724号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
FBI法では、心拡張期と心収縮期とのそれぞれにおいて、被検体にて動脈を含む撮影領域について画像を生成する。そして、これらの画像間の差分値に基づいて、その撮影領域のMRA画像を得る。この方法は、FSE(Fast Spin Echo)法によって撮影領域をイメージングした際に、その撮影領域の磁気共鳴画像において、動脈に対応する部分にフローボイド(Flow Boid)と呼ばれる現象が生ずることを利用している。このため、FBI方法においては、心収縮期では動脈の血流速度が速いために動脈からの信号強度が低くなり、心拡張期では動脈の血流速度が遅いために動脈からの信号強度が高くなるため、その両者の画像の差分値に基づいて生成されたMRA画像は、動脈部分において高いコントラストになる。
【0013】
しかしながら、FBI法においては、上記のように複数のタイミングで複数の画像を撮影するために、各タイミングに対応するように心拍信号のR波からの遅延時間(Delay Time)を正確に求める必要が生じるため、撮影のスループット(throughput)が低下する場合がある。
【0014】
また、FBI法においては、心収縮期における動脈部分にフローボイドを生じさせるために、FSE法にてイメージングを実施する必要があり、上記のように血流部分のコントラストが高いイメージング方法として知られているFIESTAなどのBalanced SSFP法を用いることができない。このため、画像品質を向上することが困難な場合がある。
【0015】
したがって、本発明は、MRAにおいて撮影のスループットを向上可能であって、画像品質を向上可能な磁気共鳴イメージング装置および磁気共鳴画像生成方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、被検体において動脈を含む撮影領域から磁気共鳴信号を収集するスキャンを実施することによって、前記撮影領域についてイメージングする磁気共鳴イメージング装置であって、k空間において位相エンコード方向に並ぶ行を時間軸に沿って連続的に充填するように前記スキャンの実施にて収集された磁気共鳴信号を用いて、前記撮影領域について第1の画像を生成する第1画像生成部と、カーディアック・コンペンセイション法においてハイ・ソート法に対応するように前記スキャンの実施にてk空間に収集された磁気共鳴信号を用いて、前記撮影領域について第2の画像を生成する第2画像生成部と、前記第1画像生成部によって生成された第1の画像と、前記第2画像生成部によって生成された第2の画像との間において差分処理を実施することによって差分画像を生成する差分画像生成部とを有する。
【0017】
好適には、前記差分画像生成部によって生成された差分画像を画面に表示する表示部を有する。
【0018】
好適には、前記撮影領域は、静脈を含む。
【0019】
好適には、前記撮影領域のスピンがSSFP状態になるような繰り返し時間にてRFパルスを繰り返し送信すると共に、前記撮影領域においてスライス選択方向と位相エンコード方向と周波数エンコード方向とのそれぞれに、勾配パルスを前記繰り返し時間内において時間積分値がゼロになるように送信することによって、前記スキャンを実施する。
【0020】
また、本発明は、被検体において動脈を含む撮影領域について実施されたスキャンによって収集された磁気共鳴信号に基づいて、前記撮影領域について磁気共鳴画像を生成する磁気共鳴画像生成方法であって、前記スキャンの実施において時間軸に沿ってk空間における位相エンコードの行を連続的に充填するように収集された磁気共鳴信号を用いて、前記撮影領域について第1の画像を生成する第1画像生成ステップと、カーディアック・コンペンセイション法におけるハイ・ソートに対応するように前記スキャンの実施においてk空間に収集された磁気共鳴信号を用いて、前記撮影領域について第2の画像を生成する第2画像生成ステップと、前記第1画像生成ステップによって生成された第1の画像と、前記第2画像生成ステップによって生成された第2の画像との間において差分処理を実施することによって差分画像を生成する差分画像生成ステップとを有する。
【0021】
好適には、前記差分画像生成ステップによって生成された差分画像を画面に表示する表示ステップを有する。
【0022】
好適には、前記撮影領域は、静脈を含む。
【0023】
好適には、前記スキャンは、前記撮影領域のスピンがSSFP状態になるような繰り返し時間にてRFパルスを繰り返し送信すると共に、前記撮影領域においてスライス選択方向と位相エンコード方向と周波数エンコード方向とのそれぞれに、勾配パルスを前記繰り返し時間内において時間積分値がゼロになるように送信することによって、実施される。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、MRAにおいて撮影のスループットを向上可能であって、画像品質を向上可能な磁気共鳴イメージング装置および磁気共鳴画像生成方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下より、本発明にかかる実施形態の一例について図面を参照して説明する。
【0026】
(装置構成)
図1は、本発明にかかる実施形態において、磁気共鳴イメージング装置1の構成を示す構成図である。
【0027】
図1に示すように、磁気共鳴イメージング装置1は、スキャン部2と、操作コンソール部3とを有しており、被検体SUについて撮影をする撮影領域から磁気共鳴信号を収集するスキャンを実施することによって、その撮影領域について画像を生成するように構成されている。
【0028】
具体的には、磁気共鳴イメージング装置1においては、静磁場が形成された撮像空間Bにおいて被検体の撮影領域へRFパルスを送信し、そのRFパルスが送信された撮影領域にて発生する磁気共鳴信号を受信するように、スキャン部2が被検体の撮影領域についてスキャンを実施する。その後、磁気共鳴イメージング装置1においては、そのスキャンの実施によって受信された磁気共鳴信号に基づいて、操作コンソール部3が撮影領域について磁気共鳴画像を生成する。
【0029】
本実施形態においては、被検体SUにおいて動脈と静脈とを含む撮影領域から磁気共鳴信号を収集するスキャンを実施し、その撮影領域についてMRA画像を磁気共鳴画像として生成する。
【0030】
スキャン部2について説明する。
【0031】
スキャン部2は、図1に示すように、静磁場マグネット部12と、勾配コイル部13と、RFコイル部14と、被検体移動部15と、RF駆動部22と、勾配駆動部23と、データ収集部24とを有しており、操作コンソール部3から出力される制御信号に基づいて、被検体SUの撮影領域についてスキャンを実施する。
【0032】
スキャン部2は、たとえば、円筒形状になるように形成されており、その中心部分の円柱状の空間を撮像空間Bとして、被検体SUを収容する。そして、スキャン部2は、被検体SUの撮影領域についてスキャンを実施する際には、静磁場マグネット部12によって静磁場が形成された撮像空間B内において、被検体移動部15において載置された被検体SUの撮影領域のスピンを励起するようにRFコイル部14がRFパルスを送信すると共に、そのRFパルスが送信された被検体SUの撮影領域に勾配コイル部13が勾配パルスを送信する。そして、被検体SUの撮影領域において発生する磁気共鳴信号をRFコイル部14が受信する。
【0033】
本実施形態においては、スキャン部2は、k空間において位相エンコード方向に並ぶ行を時間軸に沿って連続的に充填するように、被検体SUにおいて動脈と静脈とを含む撮影領域についてスキャンを実施する。また、この他に、スキャン部2は、カーディアック・コンペンセイション法においてハイ・ソート法に対応するように、この撮影領域についてスキャンを実施する。
【0034】
また、ここでは、FIESTAと呼ばれるBalanced SSFP法に対応したパルスシーケンスにて、このスキャンを実施する。具体的には、被検体SUの撮影領域のスピンがSSFP状態になるような繰り返し時間TRにてRFパルスを繰り返し送信すると共に、その撮影領域においてスライス選択方向と位相エンコード方向と周波数エンコード方向とのそれぞれに、勾配パルスを繰り返し時間TR内において時間積分値がゼロになるように送信することによって、このスキャンを実施する。
【0035】
スキャン部2の各構成要素について、順次、説明する。
【0036】
静磁場マグネット部12は、超伝導磁石(図示なし)を含み、被検体SUが収容される撮像空間Bに静磁場を形成するように構成されている。ここでは、静磁場マグネット部12は、被検体移動部15において載置されている被検体SUの体軸方向(z方向)に沿うように静磁場を形成する。すなわち、静磁場マグネット部12は、水平磁場型である。この他に、静磁場マグネット部12は、垂直磁場型であって、たとえば、一対の永久磁石が対面する方向に沿って静磁場を形成するように構成されていてもよい。
【0037】
勾配コイル部13は、静磁場マグネット部12によって静磁場が形成された撮像空間Bに勾配磁場を形成し、RFコイル部14が受信する磁気共鳴信号に空間位置情報を付加するように構成されている。ここでは、勾配コイル部13は、x方向とy方向とz方向との互いに直交する3軸方向のそれぞれに対応するように、3系統からなる。これらは、撮像条件に応じて、周波数エンコード方向と位相エンコード方向とスライス選択方向とのそれぞれに勾配磁場を形成するように、勾配パルスを送信する。具体的には、勾配コイル部13は、被検体SUの撮影領域に対応するように、その被検体SUのスライス選択方向に勾配磁場を印加し、RFコイル部14がRFパルスを送信することによって励起させる被検体SUのスライスを選択する。また、勾配コイル部13は、被検体SUの位相エンコード方向に勾配磁場を印加し、RFパルスにより励起されたスライスにおいて生ずる磁気共鳴信号を位相エンコードする。そして、勾配コイル部13は、被検体SUの周波数エンコード方向に勾配磁場を印加し、RFパルスにより励起されたスライスにおいて生ずる磁気共鳴信号を周波数エンコードする。
【0038】
RFコイル部14は、静磁場が形成される撮像空間B内において、電磁波であるRFパルスを送信して高周波磁場を形成し、被検体SUの撮影領域におけるプロトンのスピンを励起する。そして、RFコイル部14は、その励起された被検体SUの撮影領域内のプロトンから発生する電磁波を、磁気共鳴信号として受信する。
【0039】
ここでは、RFコイル部14は、図1に示すように、送信コイル14aと、受信コイル14bとを有する。ここで、送信コイル14aは、たとえば、バードケージ(birdcage)型のボディコイル(body coil)であって、被検体SUの撮影領域を囲むように配置されており、RFパルスを送信する。一方、受信コイル14bは、たとえば、着脱自在な表面コイルであり、被検体SUの撮影領域に対応するように配置され、その撮影領域から磁気共鳴信号を受信する。たとえば、受信コイル14bは、被検体SUの撮影領域を収容する収容空間(図示なし)が形成されており、その収容空間において被検体SUの撮影領域を収容するように配置される。
【0040】
被検体移動部15は、クレードル15aとクレードル移動部15bとを有しており、制御部30から出力される制御信号に基づいて、撮像空間Bの内部と外部との間において、クレードル15aをクレードル移動部15bが移動させるように構成されている。
【0041】
ここで、被検体移動部15のクレードル15aは、被検体SUが載置される載置面を備えたテーブルであり、図1に示すように、クレードル移動部15bによって、水平方向xzと上下方向yとのそれぞれの方向に移動され、静磁場が形成される撮像空間Bに搬出入される。そして、図1に示すように、クレードル15aは、その載置面に載置された被検体SUの撮影領域から磁気共鳴信号を受信する受信コイル14bが、その載置面に配置されるように構成されている。
【0042】
また、被検体移動部15のクレードル移動部15bは、クレードル15aを撮像空間Bの内部と外部との間において移動するように構成されている。つまり、クレードル移動部15bは、クレードル15aを撮像空間Bの外部から内部へ移動させることによって、撮像空間Bの内部へ収容させるように構成されている。クレードル移動部15bは、たとえば、ローラー式駆動機構を備えており、アクチュエータによりローラーを駆動させてクレードル15aを水平方向xzに移動する。また、クレードル移動部15bは、たとえば、アーム式駆動機構を備えており、交差した2本のアーム間の角度を可変することにより、クレードル15aを上下方向yに移動する。
【0043】
RF駆動部22は、RFコイル部14を駆動させて撮像空間B内にRFパルスを送信させて、撮像空間Bに高周波磁場を形成させるように構成されている。具体的には、RF駆動部22は、操作コンソール部3から出力される制御信号に基づいて、ゲート変調器(図示なし)を用いてRF発振器(図示なし)から出力される信号を所定のタイミングおよび所定の包絡線の信号に変調した後に、そのゲート変調器により変調された信号を、RF電力増幅器(図示なし)によって増幅してRFコイル部14に出力し、RFパルスを送信させる。
【0044】
勾配駆動部23は、操作コンソール部3から出力される制御信号に基づいて、勾配パルスを勾配コイル部13に印加して駆動させ、静磁場が形成されている撮像空間B内に勾配磁場を発生させるように構成されている。勾配駆動部23は、3系統の勾配コイル部13に対応して3系統の駆動回路(図示なし)を有する。
【0045】
データ収集部24は、操作コンソール部3から出力される制御信号に基づいて、RFコイル部14が受信する磁気共鳴信号を収集するように構成されている。ここでは、データ収集部24は、RFコイル部14が受信する磁気共鳴信号をRF駆動部22のRF発振器(図示なし)の出力を参照信号として位相検波器(図示なし)が位相検波する。その後、A/D変換器(図示なし)を用いて、このアナログ信号である磁気共鳴信号をデジタル信号に変換して出力する。
【0046】
操作コンソール部3について説明する。
【0047】
操作コンソール部3は、図1に示すように、制御部30と、データ処理部31と、操作部32と、表示部33と、記憶部34とを有している。操作コンソール部3は、スキャン部2が被検体SUの撮影領域についてスキャンを実施するように制御する。そして、操作コンソール部3は、そのスキャン部2がスキャンを実施することによって収集した磁気共鳴信号に基づいて、被検体SUの撮影領域について磁気共鳴画像を生成すると共に、その生成した磁気共鳴画像を表示する。
【0048】
操作コンソール部3の各構成要素について、順次、説明する。
【0049】
制御部30は、コンピュータと、コンピュータに所定のデータ処理を実行させるプログラムを記憶するメモリとを有しており、各部を制御する。ここでは、制御部30は、設定されたスキャン条件に対応するように、RF駆動部22と勾配駆動部23とデータ収集部24とのそれぞれに制御信号を出力することによって、スキャンを実行させる。そして、これと共に、データ処理部31と表示部33と記憶部34とへ、制御信号を出力し、制御を行う。
【0050】
データ処理部31は、コンピュータと、そのコンピュータを用いて所定のデータ処理を実行するプログラムを記憶するメモリとを有しており、制御部30から出力された制御信号に基づいて、データ処理を実施する。ここでは、データ処理部31は、操作部32においてオペレータによって入力された指令に基づいて、被検体SUについてスキャンを実施する際のスキャン条件を設定するように構成されている。また、データ処理部31は、上記にて設定されたスキャン条件に対応するように、スキャン部2がスキャンを実行することによって収集された磁気共鳴信号をローデータとし、その被検体SUの撮影領域について磁気共鳴画像を生成するように構成されている。具体的には、スキャンの実施によってデータ収集部24が収集した磁気共鳴信号をデジタル信号として取得し、そのデジタル信号に変換された磁気共鳴信号に対して画像再構成処理を実施して、被検体SUの撮影領域について磁気共鳴画像を生成する。たとえば、k空間に対応するように収集された磁気共鳴信号を、逆フーリエ変換することによって、この磁気共鳴画像を再構成する。そして、その生成した磁気共鳴画像の画像データを表示部33に出力する。
【0051】
図2は、本発明にかかる実施形態において、磁気共鳴イメージング装置1の操作コンソール部3を構成するデータ処理部31の機能ブロック図である。
【0052】
図2に示すように、データ処理部31は、第1画像生成部311と、第2画像生成部312と、差分画像生成部313とのそれぞれとして、コンピュータがプログラムによって機能するように構成されている。
【0053】
データ処理部31において第1画像生成部311は、k空間において位相エンコード方向に並ぶ行を時間軸に沿って連続的に充填するように、スキャンが実施されてk空間に収集された磁気共鳴信号を用いて、被検体SUの撮影領域について第1の画像を生成する。
【0054】
データ処理部31において第2画像生成部312は、カーディアック・コンペンセイション法においてハイ・ソート法に対応するように、スキャンが実施されてk空間に収集された磁気共鳴信号を用いて、被検体SUの撮影領域について第2の画像を生成する。
【0055】
データ処理部31において差分画像生成部313は、第1画像生成部311によって生成された第1の画像と、第2画像生成部312によって生成された第2の画像との間において差分処理を実施することによって差分画像をMRA画像として生成する。
【0056】
操作部32は、キーボード(keyboard)やポインティングデバイス(pointing device)などの操作デバイスにより構成されている。操作部32は、オペレータによって操作データが入力され、その操作データを制御部30に出力する。
【0057】
表示部33は、LCD(Liquid Cristal Display)などの表示デバイスにより構成されており、制御部30から出力された制御信号に基づいて、表示画面に画像を表示する。ここでは、表示部33は、オペレータが操作データを入力する入力項目を示す操作画像を、表示画面に表示する。具体的には、被検体SUについてスキャンを実施する際のスキャンパラメータについて入力する入力項目を示すメニュー画像を表示画面に表示する。この他に、表示部33は、データ処理部31において被検体SUについて生成された磁気共鳴画像の画像データを受けて、表示画面に表示する。
【0058】
本実施形態においては、表示部33は、差分画像生成部313によって生成された差分画像を、その表示画面に表示する。
【0059】
記憶部34は、メモリにより構成されており、各種データを記憶している。記憶部34は、その記憶されたデータが必要に応じて制御部30によってアクセスされる。
【0060】
(動作)
以下より、上記の磁気共鳴イメージング装置1を用いて、人体である被検体SUの撮影領域をイメージングする方法について説明する。
【0061】
図3は、本発明にかかる実施形態において、被検体SUの撮影領域をイメージングする際の動作を示すフロー図である。また、図4は、本発明にかかる実施形態において、被検体SUの撮影領域をイメージングする際に生成する画像を示す図である。
【0062】
被検体SUの撮影領域をイメージングする際には、図3に示すように、被検体の撮影領域について第1の画像C1を生成する(S11)。
【0063】
ここでは、カーディアック・コンペンセイション法を適用しないイメージング方法にてイメージングを実施することによって、被検体の撮影領域について第1の画像C1を生成する。具体的には、k空間において位相エンコード方向に並ぶ行を時間軸に沿って連続的に充填するように収集された磁気共鳴信号を用いて、第1画像生成部311が被検体SUの撮影領域について第1の画像C1を生成する。
【0064】
図5は、本発明にかかる実施形態において、第1の画像C1を生成する際にk空間に磁気共鳴信号を充填するときのビュー番号viewと、その被検体の心拍運動による心拍信号Eとの関係を示す図である。図5において、図5(a)は、心拍信号Eを示しており、横軸が時間軸tであって、縦軸が心拍信号Eの信号強度ESである。また、図5(b)は、図5(a)に示す心拍信号が測定される際におけるビュー番号viewの順序を示している。図5(c)は、図5(a)に示す心拍信号が測定される際に収集される磁気共鳴信号を示しており、横軸がビュー番号viewであり、縦軸が信号強度MSである。なお、説明の都合上、図5においては、心拍信号Eを一定周期の正弦波として示している。また、ビュー番号viewは、k空間の位相エンコード方向における負の位置(たとえば、番号1)のビューから正の位置のビューに向かう順位にて番号(たとえば、番号15)を付した場合について示している。
【0065】
図5(a)に示すように周期的な挙動で測定される心拍信号の時間軸tに沿って、図5(b)に示すようなビュー番号viewの順でk空間に磁気共鳴信号を充填するように、位相エンコードを繰り返し時間TRごとに実施することによって、被検体SUにおいて動脈と静脈とを含む撮影領域について、スキャン部2がスキャンを実行する。具体的には、図5(b)に示すように、たとえば、ビュー番号が、1,2,3,4,5,・・・のように、時間軸tに沿って順次増加して位相エンコードを行うように、スキャンを実施する。つまり、心拍信号の変位とは無関係に、シーケンシャル法によって、位相エンコードの順位とビュー番号の順位とが互いに対応するように、磁気共鳴信号を繰り返し時間TRごとに収集する。この場合には、図5(c)に示すように、心拍信号の変位に対応するように、磁気共鳴信号が収集される。
【0066】
また、このスキャンの実施においては、FIESTAと呼ばれるBalanced SSFP法に対応したパルスシーケンスにて磁気共鳴信号の収集を実行する。
【0067】
図6は、本発明にかかる実施形態において、被検体についてスキャンを実施する際のパルスシーケンスを示す図である。図6において、RFは、RFパルスを送信する時間軸であり、Gsliceは、スライス選択方向に勾配パルスを送信する時間軸であり、Greadは、周波数エンコード方向に勾配パルスを送信する時間軸を示しており、Gwarpは、位相エンコード方向に勾配パルスを送信する時間軸を示しており、それぞれは、横軸が時間軸tであり、縦軸がパルス強度を示している。
【0068】
Balanced SSFP法においては、被検体SUの撮影領域のスピンがSSFP状態になるような繰り返し時間TRにてRFパルスを繰り返し送信する。そして、図6に示すように、スライス選択方向と位相エンコード方向と周波数エンコード方向とのそれぞれに印加する勾配パルスを、その繰り返し時間TR内において時間積分値がゼロになるように送信することによって、その繰返し時間TR内にて生ずる横磁化の位相シフトを完全に巻き戻す。そして、このパルスシーケンスを繰返し実行する際には、上記のようなビュー番号に対応するように、位相エンコード方向に勾配パルスを繰り返し時間TRごとに印加する。
【0069】
そして、上記のように収集された磁気共鳴信号に基づいて、第1画像生成部311が、その被検体SUの撮影領域について第1の画像C1を生成する。
【0070】
具体的には、図4に示すように、第1の画像C1は、動脈部分DMと静脈部分JMとに対応する画素部分が、高い輝度であって、他の部分が低い輝度になるように形成される。すなわち、血流部分についてコントラストが高い磁気共鳴画像として、第1の画像C1が生成される。
【0071】
つぎに、図3に示すように、被検体の撮影領域について第2の画像C2を生成する(S21)。
【0072】
ここでは、カーディアック・コンペンセイション法を適用したイメージング方法にてイメージングを実施することによって、被検体の撮影領域について第2の画像C2を生成する。すなわち、カーディアック・コンペンセイション法においてハイ・ソート法に対応するようにk空間に収集された磁気共鳴信号を用いて、第2画像生成部312が被検体SUの撮影領域について第2の画像C2を生成する。本実施形態においては、カーディアック・コンペンセイション法を適用したことを除き、第1の画像C1の生成のためのスキャンと同じスキャン条件にて、スキャンを実施後、そのスキャンの実施にて収集された磁気共鳴信号に基づいて第2の画像C2を生成する。
【0073】
図7は、本発明にかかる実施形態において、第2の画像C2を生成する際にk空間に磁気共鳴信号を充填するときのビュー番号viewと、その被検体の心拍運動による心拍信号Eとの関係を示す図である。図7において、図7(a)は、心拍信号Eを示しており、横軸が時間軸tであって、縦軸が心拍信号Eの信号強度ESである。また、図7(b)は、図7(a)に示す心拍信号が測定される際におけるビュー番号viewの順序を示している。図7(c)は、図7(a)に示す心拍信号が測定される際に収集される磁気共鳴信号を示しており、横軸がビュー番号viewであり、縦軸が信号強度MSである。なお、図5と同様に、説明の都合上、図7においては、心拍信号Eを一定周期の正弦波として示している。また、ビュー番号viewは、k空間の位相エンコード方向における負の位置(たとえば、番号1)のビューから正の位置のビューに向かう順位にて番号(たとえば、番号15)を付した場合について示している。
【0074】
図7(a)に示すように周期的な挙動で測定される心拍信号の時間軸tに沿って、図7(b)に示すようなビュー番号viewの順でk空間に磁気共鳴信号を充填するように、位相エンコードを繰り返し時間TRごとに実施することによって、被検体SUにおいて動脈と静脈とを含む撮影領域について、スキャン部2がスキャンを実行する。具体的には、磁気共鳴信号を収集する際には予め検出した心拍信号Eを用いて、ハイ・ソート法に対応するように、図7(b)に示すように、その心拍信号Eの変位に応じてビュー番号viewを並び替えた後、その並び替えたビュー番号viewに対応するように、スキャン部2がスキャンを実行する。たとえば、3,5,7,9,11,13,15,14,12,10,8,6,4,2,1のビュー番号viewの順で、時間軸tに沿って位相エンコードを行うように、スキャンを実施する。これにより、図7(c)に示すように、1ビューごとに、心拍信号の位相が変動した場合と同様にして、磁気共鳴信号が収集される。
【0075】
このため、図4に示すように、上記のように収集された磁気共鳴信号に基づいて生成された第2の画像C2においては、動脈部分DMの血流が心拍に伴い大きく変化するので、その動脈部分DMに対応する画素の信号が、その画像の端部の側へ移動されるために、動脈部分DMに対応する画素は、低い輝度で表示される。
【0076】
図8は、本発明にかかる実施形態において、心拍周期Tにおいて流れる血液の速度vの時間軸tにおける推移を示す図である。図8においては、動脈を流れる血液の流速vdと、静脈を流れる血液の流速vjとのそれぞれを示している。
【0077】
図8に示すように、動脈を流れる血液の流速vdは、心拍周期Tの収縮期TSにおいて加速した後に、減速するように推移する。そして、その後、心拍周期Tの拡張期TKにおいて、動脈を流れる血液の流速vdは、ほぼ一定の速度になるように推移する。これに対して、静脈を流れる血液の流速vjは、図8に示すように、心拍周期Tの収縮期TSおよび拡張期TKの両者において、ほぼ一定の速度になるように推移する。つまり、動脈においては、脈流として血液が流れるが、静脈においては、定常流として血液が流れる。
【0078】
このため、第2の画像C2は、カーディアック・コンペンセイション法においてハイ・ソート法に対応するようにk空間に収集された磁気共鳴信号を用いて生成されているので、図4に示したように、静脈部分JMに対応する画素部分が高い輝度であって、動脈部分DMを含む他の部分が低い輝度になるように生成される。
【0079】
なお、目的とするFOVよりもビュー数が多いFOVに対応するように、このハイ・ソート法にて磁気共鳴信号を収集した場合には、その目的のFOVの外部に動脈部分に対応する画素の信号が移動されるため、より好適な画像品質にて、第2の画像C2を生成することができる。
【0080】
つぎに、図3に示すように、第1の画像C1と第2の画像C2との差分画像CGを生成する(S31)。
【0081】
ここでは、上記のようにして生成した第1の画像C1の各画素値から、第2の画像C2の画素値を差分する差分処理を差分画像生成部313が実施することによって、差分画像CGを生成する。つまり、第1の画像C1と、第2の画像C2とにおいて、同じ画素位置(x,y)にある画素の画素値C1(x,y),C2(x,y)を減算した減算値CI(x,y)を算出後、その減算値CI(x,y)を画素値にすることによって、差分画像CGをMRA画像として生成する。
【0082】
上記したように、第1の画像C1においては、動脈部分DMと静脈部分JMとのそれぞれの画素が高い輝度であって、他の部分が低い輝度である。。これに対し、第2の画像C2は、静脈部分JMに対応する画素部分が高い輝度であって、動脈部分DMを含む他の部分が低い輝度である。
【0083】
このため、この第1の画像C1と第2の画像C2との間において差分処理を実施することによって生成された差分画像CGにおいては、図4に示すように、静脈部分JMの画素の画素値が、ほぼゼロの小さな値になるのに対して、動脈部分DMの画素が大きな値になり、動脈部分DMのみが高い輝度で描出される。このため、差分画像CGにおいては、動脈部分DMが分離されたように生成される。
【0084】
つぎに、図3に示すように、差分画像CGを表示する(S41)。
【0085】
ここでは、上記のように生成された差分画像CGを、表示部33が表示画面に表示する。
【0086】
以上のように、本実施形態は、カーディアック・コンペンセイション法を適用しないイメージング方法にて被検体SUの撮影領域についてイメージングを実施することによって第1の画像C1を生成する。そして、カーディアック・コンペンセイション法を適用したイメージング方法にて被検体SUの撮影領域についてイメージングを実施することによって第2の画像C2を生成する。この第2の画像C2は、カーディアック・コンペンセイション法においてハイ・ソート法を適用しているので、動脈部分の信号が端部または外部に移動された画像として生成される。その後、第1の画像C1と第2の画像C2との間において差分処理を実施することによって差分画像CGを生成する。この差分画像CGにおいては、上記のように、動脈部分DMのみが描出される。本実施形態においては、FBI法と異なり、遅延時間を正確に求める必要がない。このため、本実施形態は、撮影のスループットを向上させることができる。そして、心位相によらずに、データ収集をすることができるので、データ収集効率を向上できる。
【0087】
また、本実施形態は、FBI法のようにフローボイド現象を利用していないため、イメージング方法がFSE法などのパルスシーケンスに限定されない。このため、本実施形態において示したように、血流部分のコントラストが高いBalanced SSFP法に対応したパルスシーケンスを適用することができる。このため、本実施形態は、画像品質を向上することができる。
【0088】
さらに、本実施形態は、上記したように、動脈と静脈とを含む撮影領域について生成するMRA画像において、動脈と静脈とのそれぞれが分離して表示されるため、診断効率を向上させることができる。
【0089】
なお、本実施形態の磁気共鳴イメージング装置1は、本発明の磁気共鳴イメージング装置に相当する。また、上記の実施形態において、表示部33は、本発明の表示部に相当する。また、上記の実施形態において、第1画像生成部311は、本発明の第1画像生成部に相当する。また、上記の実施形態において、第2画像生成部312は、本発明の第2画像生成部に相当する。また、上記の実施形態において、差分画像生成部313は、本発明の差分画像生成部に相当する。また、上記の実施形態において、撮像空間Bは、本発明の静磁場空間に相当する。
【0090】
また、本発明の実施に際しては、上記した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形形態を採用することができる。
【0091】
たとえば、上記の実施形態においては、静脈がFOVに含む場合について説明したが、これに限定されない。
【0092】
また、上記の実施形態においては、Balanced SSFP法に対応するパルスシーケンスによってスキャンを実施する場合について説明したが、これに限定されない。
【0093】
また、上記の実施形態において示したパルスシーケンスに、フロー・コンペンセイション法の流れ補償パルスを適用しても良い。たとえば、カーディアック・コンペンセイション法を適用しないイメージング方法にて被検体の撮影領域についてスキャンを実施する際には、流れ補償パルスを適用し、一方で、カーディアック・コンペンセイション法を適用したイメージング方法にて被検体の撮影領域についてスキャンを実施する際には、流れ補償パルスを適用しないことが好ましい。カーディアック・コンペンセイション法を適用しないイメージング方法にて被検体の撮影領域についてスキャンを実施する際に流れ補償パルスを適用した場合には、動脈などの血流によってアーチファクトが第1の画像C1に発生することを防止できるため、好適である。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】図1は、本発明にかかる実施形態において、磁気共鳴イメージング装置1の構成を示す構成図である。
【図2】図2は、本発明にかかる実施形態において、磁気共鳴イメージング装置1の操作コンソール部3を構成するデータ処理部31の機能ブロック図である。
【図3】図3は、本発明にかかる実施形態において、被検体SUの撮影領域をイメージングする際の動作を示すフロー図である。
【図4】図4は、本発明にかかる実施形態において、被検体SUの撮影領域をイメージングする際に生成する画像を示す図である。
【図5】図5は、本発明にかかる実施形態において、第1の画像C1を生成する際にk空間に磁気共鳴信号を充填するときのビュー番号viewと、その被検体の心拍運動による心拍信号Eとの関係を示す図である。
【図6】図6は、本発明にかかる実施形態において、被検体についてスキャンを実施する際のパルスシーケンスを示す図である。
【図7】図7は、本発明にかかる実施形態において、第2の画像C2を生成する際にk空間に磁気共鳴信号を充填するときのビュー番号viewと、その被検体の心拍運動による心拍信号Eとの関係を示す図である。
【図8】図8は、本発明にかかる実施形態において、心拍周期Tにおいて流れる血液の速度vの時間軸tにおける推移を示す図である。
【符号の説明】
【0095】
1:磁気共鳴イメージング装置(磁気共鳴イメージング装置)
2:スキャン部、
3:操作コンソール部、
12:静磁場マグネット部、
13:勾配コイル部、
14:RFコイル部、
15:被検体移動部、
22:RF駆動部、
23:勾配駆動部、
24:データ収集部、
30:制御部、
31:データ処理部、
32:操作部、
33:表示部(表示部)、
34:記憶部、
311:第1画像生成部(第1画像生成部)、
312:第2画像生成部(第2画像生成部)、
313:差分画像生成部(差分画像生成部)、
B:撮像空間(静磁場空間)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体において動脈を含む撮影領域から磁気共鳴信号を収集するスキャンを実施することによって、前記撮影領域についてイメージングする磁気共鳴イメージング装置であって、
k空間において位相エンコード方向に並ぶ行を時間軸に沿って連続的に充填するように、前記スキャンの実施にて収集された磁気共鳴信号を用いて、前記撮影領域について第1の画像を生成する第1画像生成部と、
カーディアック・コンペンセイション法においてハイ・ソート法に対応するように、前記スキャンの実施にてk空間に収集された磁気共鳴信号を用いて、前記撮影領域について第2の画像を生成する第2画像生成部と、
前記第1画像生成部によって生成された第1の画像と、前記第2画像生成部によって生成された第2の画像との間において差分処理を実施することによって差分画像を生成する差分画像生成部と
を有する
磁気共鳴イメージング装置。
【請求項2】
前記差分画像生成部によって生成された差分画像を画面に表示する表示部
を有する、
請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項3】
前記撮影領域は、静脈を含む、
請求項1または2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項4】
前記撮影領域のスピンがSSFP状態になるような繰り返し時間にてRFパルスを繰り返し送信すると共に、前記撮影領域においてスライス選択方向と位相エンコード方向と周波数エンコード方向とのそれぞれに、勾配パルスを前記繰り返し時間内において時間積分値がゼロになるように送信することによって、前記スキャンを実施する、
請求項1から3のいずれかに記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項5】
被検体において動脈を含む撮影領域について実施されたスキャンによって収集された磁気共鳴信号に基づいて、前記撮影領域について磁気共鳴画像を生成する磁気共鳴画像生成方法であって、
前記スキャンの実施において時間軸に沿ってk空間における位相エンコードの行を連続的に充填するように収集された磁気共鳴信号を用いて、前記撮影領域について第1の画像を生成する第1画像生成ステップと、
カーディアック・コンペンセイション法におけるハイ・ソートに対応するように前記スキャンの実施においてk空間に収集された磁気共鳴信号を用いて、前記撮影領域について第2の画像を生成する第2画像生成ステップと、
前記第1画像生成ステップによって生成された第1の画像と、前記第2画像生成ステップによって生成された第2の画像との間において差分処理を実施することによって差分画像を生成する差分画像生成ステップと
を有する
磁気共鳴画像生成方法。
【請求項6】
前記差分画像生成ステップによって生成された差分画像を画面に表示する表示ステップ
を有する、
請求項5に記載の磁気共鳴画像生成方法。
【請求項7】
前記撮影領域は、静脈を含む、
請求項5または6に記載の磁気共鳴画像生成方法。
【請求項8】
前記スキャンは、前記撮影領域のスピンがSSFP状態になるような繰り返し時間にてRFパルスを繰り返し送信すると共に、前記撮影領域においてスライス選択方向と位相エンコード方向と周波数エンコード方向とのそれぞれに、勾配パルスを前記繰り返し時間内において時間積分値がゼロになるように送信することによって、実施される、
請求項5から7のいずれかに記載の磁気共鳴画像生成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−160344(P2009−160344A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−3313(P2008−3313)
【出願日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】