磁気共鳴装置
【課題】被検体に掛かる負担をできるだけ軽減することを提供する。
【解決手段】クレードル3aの内部に、受信コイル4を移動、回転させるための移動・回転機構を備える。移動・回転機構は、コンベヤー30Aおよび30Bを有している。コンベヤー30Aおよび30Bのモータ33aおよび33bを正回転させると、ベルト31aおよび31bが正周りに循環し、受信コイル4がS方向に移動する。一方、モータ33aおよび33bを逆回転させると、ベルト31aおよび31bは逆周りに循環し、受信コイル4がI方向に移動する。
【解決手段】クレードル3aの内部に、受信コイル4を移動、回転させるための移動・回転機構を備える。移動・回転機構は、コンベヤー30Aおよび30Bを有している。コンベヤー30Aおよび30Bのモータ33aおよび33bを正回転させると、ベルト31aおよび31bが正周りに循環し、受信コイル4がS方向に移動する。一方、モータ33aおよび33bを逆回転させると、ベルト31aおよび31bは逆周りに循環し、受信コイル4がI方向に移動する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信コイルを有する磁気共鳴装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴装置で被検体をスキャンする方法として、受信コイルが有する複数のコイルエレメントの中から、スキャンを行う時に使用されるコイルエレメントを選択する技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−175058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の方法では、被検体の撮影部位などを考慮して、オペレータが手作業で受信コイルを被検体に設置している。しかし、コイルの設置作業はオペレータにとっても負担のかかる作業となる。そこで、クレードルに多数のコイルエレメントが埋め込まれた磁気共鳴装置が提案されている。この装置では、コイルエレメントがクレードルに埋め込まれているので、被検体をクレードルに寝かせることで、被検体をコイルエレメントの上に位置決めすることができる。したがって、オペレータの作業負担を軽減することができる。そして、被検体をスキャンする場合は、クレードルに埋め込まれたコイルエレメントの中から、撮影に使用されるコイルエレメントが選択される。
【0005】
しかし、この方法では、被検体の撮影部位が、選択されたコイルエレメントの位置に対して、大きくずれてしまう場合がある。この場合、オペレータは、被検体の撮影部位と、選択されるコイルエレメントとの位置ずれができるだけ小さくなるように、クレードル上における被検体の位置を調整する必要がある。このとき、被検体もクレードル上で自分の身体を動かす必要があるので、被検体に負担が掛かるという問題がある。特に、高齢者や、身体に障害がある人にとっては、クレードル上で身体を動かすことは大きな負担となる。したがって、被検体に掛かる負担をできるだけ軽減することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、被検体を支持するクレードルを有する磁気共鳴装置であって、
前記クレードルは、前記クレードルの内部を移動又は回転することが可能な受信コイルを有している。
【発明の効果】
【0007】
クレードルは、移動又は回転することが可能な受信コイルを有している。したがって、受信コイルを移動又は回転させることによって、受信コイルと被検体の撮影部位との位置関係を調整することができるので、被検体自身が動く必要がなく、被検体の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の形態の磁気共鳴装置の概略図である。
【図2】クレードル3aの内部を透視して見たときの斜視図である。
【図3】受信コイル4の斜視図である。
【図4】筐体41の上面図、側面図、および下面図である。
【図5】クレードル3aの内部に備えられた移動・回転機構30を示す図である。
【図6】受信コイル4が基準位置z=z0に位置しているときの様子を示す図である。
【図7】受信コイル4をSI方向に移動させたときの様子を示す図である。
【図8】受信コイル4を回転させる方法の説明図である。
【図9】被検体を撮影するときMR装置100の動作フローを示す図である。
【図10】被検体がクレードル3aに寝たときの様子を示す図である。
【図11】ランドマークLMを設定したときの様子を示す図である。
【図12】ΔD=dになるように受信コイル4の位置を調整した後の様子を示す図である。
【図13】被検体をボア21に搬送したときの様子を示す図である。
【図14】オペレータによって設定されたスキャン領域Rの一例を示す図である。
【図15】受信コイル4を移動させた後の様子を示す図である。
【図16】受信コイルを回転させる場合の一例を示す図である。
【図17】受信コイル4をSI方向およびRL方向に移動させる場合の機構の一例を示す図である。
【図18】第2の形態におけるクレードル3aの内部を透視して見た上面図である。
【図19】第3の形態におけるクレードル3aの内部を透視して見た上面図である。
【図20】受信コイル4をI方向に移動させたときの様子を示す図である。
【図21】受信コイル4を角度θだけ回転させたときの様子を示す図である。
【図22】受信コイル4をSI方向およびRL方向に移動させる機構の一例を示す図である。
【図23】受信コイル4をI方向に移動させたときの様子を示す図である。
【図24】受信コイル4をR方向に移動させたときの様子を示す図である。
【図25】第4の形態におけるクレードル3aの内部を透視して見た上面図である。
【図26】受信コイルをS方向に移動させたときの様子を示す図である。
【図27】受信コイルを、SI方向およびRL方向に移動させ、更に回転させた場合の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、以下の形態に限定されることはない。
【0010】
(1)第1の形態
図1は、本発明の第1の形態の磁気共鳴装置の概略図である。
磁気共鳴装置(以下、「MR装置」と呼ぶ。MR:Magnetic Resonance )100は、マグネット2、テーブル3などを有している。
【0011】
マグネット2は、被検体12が収容されるボア21を有している。また、マグネット2には、超伝導コイル、勾配コイル、送信コイルなどが内蔵されている。
【0012】
テーブル3は、クレードル3aと、クレードル3aを支持するクレードル支持台3bとを有している。クレードル3aは、ボア21内に移動できるように構成されている。クレードル3aには、受信コイル4が内蔵されており、クレードル支持台3bには、制御部31が内蔵されている。受信コイル4および制御部31については後述する。
【0013】
MR装置100は、更に、シーケンサ5、送信器6、勾配磁場電源7、受信器8、中央処理装置9、操作部10、および表示部11を有している。
【0014】
シーケンサ5は、中央処理装置9の制御を受けて、パルスシーケンスを実行するための情報を送信器6および勾配磁場電源7に送る。
【0015】
送信器6は、シーケンサ5から送られた情報に基づいて、RFコイル24を駆動するための駆動信号を出力する。
【0016】
勾配磁場電源7は、シーケンサ5から送られた情報に基づいて、勾配コイル23を駆動するための駆動信号を出力する。
【0017】
受信器8は、受信コイル4で受信された磁気共鳴信号を信号処理し、中央処理装置9に出力する。
【0018】
中央処理装置9は、シーケンサ5および表示部11に必要な情報を伝送したり、受信器8から受け取ったデータに基づいて画像を再構成するなど、MR装置100の各種の動作を実現するように、MR装置100の各部の動作を制御する。中央処理装置9は、例えばコンピュータ(computer)によって構成される。
【0019】
操作部10は、オペレータにより操作され、種々の情報を中央処理装置9に入力する。表示部11は種々の情報を表示する。
MR装置100は、上記のように構成されている。
【0020】
次に、クレードル3aの構造について、具体的に説明する。
図2は、クレードル3aの内部を透視して見たときの斜視図である。
【0021】
クレードル3aの内部は空洞になっており、この空洞に受信コイル4が収容されている。
【0022】
図3は受信コイル4の斜視図である。
受信コイル4は、筐体41と、複数のコイルエレメント42とを有している。複数のコイルエレメント42は、筐体41に収容されている。
【0023】
図4は、筐体41の上面図、側面図、および下面図である。
筐体41の上面411には、2つの挿通孔41aおよび41bが形成されている。挿通孔41aおよび41bは、後述するベルトのピン34aおよび34b(図5参照)が挿通される孔である。また、筐体41の下面412にはガイド部材41cが形成されている。ガイド部材41cは、クレードル3aの内壁面に形成された後述するガイド溝35(図5参照)に挿通される部材である。
【0024】
筐体41に、複数のコイルエレメント42を収容することによって、受信コイル4が構成される。また、クレードル3aの内部には、受信コイル4を移動、回転させるための移動・回転機構が備えられている。次に、この移動・回転機構について、図5を参照しながら説明する。
【0025】
図5は、クレードル3aの内部に備えられた移動・回転機構30を示す図である。尚、図5では、説明の便宜上、受信コイル4を、移動・回転機構30から分離して示してある。
【0026】
移動・回転機構30は、コンベヤー30Aおよび30Bを有している。
コンベヤー30Aは、ベルト31aと、プーリー32aと、モータ33aとを有している。ベルト31aは、プーリー32aとモータ33aによって張設されている。モータ33aが回転することによって、ベルト31aが循環する。
【0027】
コンベヤー30Bは、ベルト31bと、プーリー32bと、モータ33bとを有している。ベルト31bは、プーリー32bとモータ33bによって張設されている。モータ33bが回転することによって、ベルト31bが循環する。
【0028】
ベルト31aおよび31bには、それぞれ、ピン34aおよび34bが設けられている。ピン34aは、受信コイル4の挿通孔41aに挿通されるピンであり、ピン34bは、受信コイル4の挿通孔41bに挿通されるピンである。また、クレードル3aの内壁面にはガイド溝35が形成されている。ガイド溝35は、受信コイル4のガイド部材41cが嵌合される溝である。
【0029】
受信コイル4の挿通孔41aはベルト31aのピン34aに挿通され、受信コイル4の挿通孔41bはベルト31bのピン34bに挿通される。また、受信コイル4のガイド部材41cはクレードル3aのガイド溝35に挿通される。したがって、図2に示すように、受信コイル4をクレードル3aの内部に収容することができる。本形態では、移動・回転機構30によって、受信コイル4をクレードル3aの内部で移動および回転させることができる。次に、受信コイル4をどのようにして移動および回転させているかについて、図6〜図8を参照しながら説明する。
【0030】
図6は、受信コイル4が基準位置z=z0に位置しているときの様子を示す図である。
コンベヤー30Aおよび30Bのモータ33aおよび33bは、クレードル支持台3bに備えられた制御部31(図1参照)によって制御される。制御部31は、モータ33aおよび33bの回転数を制御し、また、モータ33aおよび33bを正回転させるか逆回転させるかを制御する。モータ33aおよび33bを回転させることによって、ベルト31aおよび31bが循環するので、ベルト31aおよび31bに取り付けられた受信コイル4をSI方向に移動させることができる。
【0031】
図7は、受信コイル4をSI方向に移動させたときの様子を示す図である。
図7(a)は、受信コイル4をS方向に移動させたときの様子を示す図であり、図7(b)は、受信コイル4をI方向に移動させたときの様子を示す図である。
【0032】
コンベヤー30Aおよび30Bのモータ33aおよび33bを正回転させると、ベルト31aおよび31bが正周りに循環し、受信コイル4をS方向に移動させることができる(図7(a)参照)。一方、モータ33aおよび33bを逆回転させると、ベルト31aおよび31bは逆周りに循環し、受信コイル4をI方向に移動させることができる(図7(b)参照)。
【0033】
次に、受信コイル4を回転させる方法について説明する。
図8は、受信コイル4を回転させる方法の説明図である。
【0034】
図8(a)は、受信コイル4を回転させる前の図、図8(b)は受信コイル4を回転させた後の図である。
【0035】
受信コイル4を回転させる場合には、受信コイル4の挿通孔41aおよび41bのSI方向の位置が異なるように、コンベヤー30Aおよび30Bを循環させればよい。このようにコンベヤー30Aおよび30Bを循環させることによって、受信コイル4の回転角度θを調整することができる。
【0036】
次に、被検体12を撮影するときのMR装置100の動作について説明する。
図9は、被検体12を撮影するときMR装置100の動作フローを示す図である。
【0037】
ステップST1では、オペレータは、被検体12をクレードル3aに寝かせる。図10に、被検体12がクレードル3aに寝たときの様子を示す。図10(a)は、テーブル3およびマグネット2の上面から被検体12を見たときの図、図10(b)は、テーブル3およびマグネット2の側面から被検体12を見たときの図である。
被検体12を寝かせたら、ステップST2に進む。
【0038】
ステップST2では、オペレータは、ポジショニングライト22を用いて、被検体12をマグネット2のボアに搬入するときの目印となるランドマークを設定する。図11に、ランドマークLMを設定したときの様子を示す。本形態では、被検体12の腹部の上側にランドマークLMが設定されたとする。ランドマークLMを設定したら、ステップST3に進む。
【0039】
ステップST3では、受信コイル4の位置を調整する。本形態では、制御部31は、ランドマークLMと受信コイル4の中心との距離ΔDがΔD=dになるように、モータ33aおよび33bを制御する(図12参照)。
【0040】
図12は、ΔD=dになるように受信コイル4の位置を調整した後の様子を示す図である。
【0041】
dの値は、被検体12の撮影部位などによって、事前に決定されている値である。例えば、d=0でもよいし、d≠0であってもよい。受信コイル4の位置を調整した後、ステップST4に進む。
【0042】
ステップST4では、被検体12をボア21に搬入する。図13に、被検体12をボア21に搬送したときの様子を示す。被検体12をボア21に搬入した後、ステップST5に進む。
【0043】
ステップST5では、スライス位置の位置決めに使用される位置決め用画像データを取得するためのローカライザスキャンを実行する。ローカライザスキャンを実行した後、ステップST6に進む。
【0044】
ステップST6では、オペレータは、ローカライザスキャンにより取得された位置決め用画像データに基づいて、スキャン領域を設定する。図14に、オペレータによって設定されたスキャン領域Rの一例を示す。スキャン領域Rを設定したら、ステップST7に進む。
【0045】
ステップST7では、制御部31は、受信コイル4がスキャン領域Rの真下に移動するように、モータ33aおよび33bを制御する。図15に、受信コイル4を移動させた後の様子を示す。受信コイル4を移動させたら、ステップST8に進み、スキャン領域Rの画像データを取得するための本スキャンを行い、フローを終了する。
【0046】
本形態では、クレードル3aの内部で受信コイル4を移動させることができる。したがって、クレードル3a上で被検体12に動いてもらわなくても、受信コイル4を移動させることによって、受信コイル4と被検体12との位置関係を調整することができるので、被検体12の負担を軽減することができる。
【0047】
また、上記の例では、ベルト31aおよび31bを用いて受信コイル4を移動させているが、ベルトの代わりにワイヤーを用いてもよい。
【0048】
尚、上記の説明では、ステップST7において、受信コイル4をSI方向に移動させているが、必要に応じて、受信コイル4を回転させてもよい。
【0049】
図16は、受信コイル4を回転させる場合の一例を示す図である。
図16では、被検体12に対してスキャン領域Rが斜めに設定されている。このような場合は、設定されたスキャン領域Rに合わせて、受信コイル4を回転させればよい。このように受信コイル4を回転させることによって、スライス面に対して最適なSNRが得られるようにすることができる。
【0050】
尚、上記の例では、クレードル3aに2つのコンベヤー30Aおよび30Bが内蔵されている。しかし、受信コイル4を回転させる必要がない場合は、クレードル3aに内蔵するコンベヤーは一つだけでもよい。また、3つ以上のコンベヤーを備えてもよい。
【0051】
また、上記の例では、受信コイル4の移動方向は、SI方向のみであるが、SI方向およびRL方向に移動できるようにしてもよい(図17参照)。
【0052】
図17は、受信コイル4をSI方向およびRL方向に移動させる場合の機構の一例を示す図である。
【0053】
クレードル3aの内部には、受信コイル4を収容するコイル収容ケース40が内蔵されている。コイル収容ケース40は、コンベヤー30Aおよび30Bに取り付けられており、コンベヤー30Aおよび30Bのベルト31aおよび31bが循環することによって、コイル収容ケース40はSI方向に移動する。受信コイル4はコイル収容ケース40に収容されているので、コイル収容ケース40をSI方向に移動させることによって、受信コイル4をSI方向に移動させることができる。また、コイル収容ケース40には、受信コイル4をRL方向に移動させるためのRL方向用のコンベア(図示せず)が内蔵されている。RL方向用のコンベアは、図5を参照しながら説明したコンベア30Aおよび30Bと同一の構成とすることができる。このように、受信コイル4を、SI方向とRL方向との両方向に移動できるようにすることにより、受信コイル4の位置を更に細かく制御することができるので、より高品質な画像データを取得することができる。尚、コイル収容ケース40に内蔵されるRL方向用のコンベアは、1つでもよいし、2つ以上でもよい。
【0054】
また、受信コイル4の移動方向は、SI方向やRL方向に限定されることはなく、SI方向およびRL方向に対して斜めの方向に移動させてもよい。更に、受信コイル4を2方向だけではなく、3方向以上の多方向に移動できるようにしてもよい。
【0055】
(2)第2の形態
第2の形態は、第1の形態と比較すると、受信コイル4を移動、回転させるための機構が異なっているが、その他の構成は、基本的には第1の形態と同じである。したがって、第2の形態の説明に当たっては、主に、受信コイル4を移動、回転させるための機構について説明する。
【0056】
図18は、第2の形態におけるクレードル3aの内部を透視して見た上面図である。
クレードル3aには、受信コイル4が内蔵されている。クレードル3aの内壁面にはガイド溝35が形成されている。ガイド溝35は、受信コイル4のガイド部材41cが嵌合される溝である。また、受信コイル4には、モータ33aが取り付けられている。
【0057】
第2の形態では、モータ33aを駆動させることによって、受信コイル4をガイド溝35に沿ってSI方向に移動させることができる。したがって、受信コイル4を移動させるためのベルトが不要となるので、受信コイル4をSI方向に移動させるための機構を簡略化することができる。
【0058】
(3)第3の形態
第3の形態は、第1の形態と比較すると、受信コイル4を移動、回転させるための機構が異なっているが、その他の構成は、基本的には第1の形態と同じである。したがって、第3の形態の説明に当たっては、主に、受信コイル4を移動、回転させるための機構について説明する。
【0059】
図19は、第3の形態におけるクレードル3aの内部を透視して見た上面図である。
クレードル3aには、SI方向に延在する溝15aおよび15bが設けられている。また、クレードル3aの内部には、受信コイル4を支持するための支持部材51が収容されている。支持部材51は、フレーム部51aと、フレーム部51aに固定されたアーム部51bとを有している。受信コイル4はフレーム部51aの内側に配置されている。アーム部51bは、受信コイル4が点Cを中心として回転できるように、受信コイル4を支持している。図19では、受信コイル4が、SI方向の基準位置Z0に位置している様子が示されている。
【0060】
また、受信コイル支持部材51のフレーム部51aには、4つの車輪52a、52b、52c、および52dが取り付けられている。車輪52aおよび52bはクレードル3aの溝15aに差し込まれており、車輪52cおよび52dはクレードル3aの溝15bに差し込まれている。
【0061】
更に、クレードル3aの内部には、引張りばね53が配置されている。引張りばね53の一端53aは、クレードル3aの内壁に固定されており、引張りばね53の他端53bは支持部材51のフレーム部51aに固定されている。更に、フレーム部51aにはワイヤー54が固定されている。クレードル支持台3bの制御部31(図1参照)は、ワイヤー54を引っ張るためのモータ(図示せず)を備えており、モータを正回転させると、ワイヤー54が引っ張られる。ワイヤー54が引っ張られると、引張りばね53が伸長し、支持部材51をI方向に移動させることができる。したがって、受信コイル4をI方向に移動させることができる。図20に受信コイル4をI方向に移動させたときの様子を示す。ワイヤー54を引っ張ることによって、受信コイル4を基準位置Z0から、位置Z1に移動させることができる。受信コイル4をS方向に戻す場合は、モータを逆回転させればよい。モータが逆回転すると、ワイヤー54の引っ張る力が小さくなるので、引張りばね53が支持部材51をS方向に引き戻す。したがって、受信コイル4をS方向に戻すことができる。
【0062】
また、支持部材51のフレーム部51aには、引張りばね55が取り付けられている。引張りばね55の一端55aはフレーム部51aに固定されており、引張りばね55の他端55bは受信コイル4の先端部4aに固定されている。更に、受信コイル4の先端部4aには、ワイヤー56が固定されている。クレードル支持台3bの制御部31は、ワイヤー56を引っ張るためのモータ(図示せず)を備えており、モータを正回転させると、ワイヤー56が引っ張られる。ワイヤー56が引っ張られると、引張りばね55が伸長し、点Cを中心にして、受信コイル4を回転させることができる。図21に受信コイル4を角度θだけ回転させたときの様子を示す。回転させた受信コイル4を元の回転位置に戻す場合は、モータを逆回転させればよい。モータが逆回転すると、ワイヤー56の引っ張る力が小さくなるので、引張りばね55が受信コイル4を元の回転位置に引き戻す。したがって、受信コイル4を元の回転位置に戻すことができる。
【0063】
尚、上記の例では、受信コイル4の移動方向は、SI方向のみであるが、SI方向およびRL方向に移動できるようにしてもよい(図22参照)。
【0064】
図22は、受信コイル4をSI方向およびRL方向に移動させる機構の一例を示す図である。
【0065】
クレードル3aには、SI方向に延在する溝15aおよび15bが設けられている。また、クレードル3aの内部には、外側支持部材61と内側支持部材62とが収容されている。
【0066】
外側支持部材61には、4つの車輪63a、63b、63c、および63dが取り付けられている。車輪63aおよび63bはクレードル3aの溝15aに差し込まれており、車輪63cおよび63dはクレードル3aの溝15bに差し込まれている。車輪63aおよび63bは溝15aに沿ってSI方向に移動できるように構成されており、車輪63cおよび63dは溝15bに沿ってSI方向に移動できるように構成されている。また、外側支持部材61には、RL方向に延在する溝61aおよび61bが設けられている。溝61aおよび61bは、内側支持部材62をRL方向に移動させるために設けられている。
【0067】
内側支持部材62は、外側支持部材61の内側に配置されている。内側支持部材62は、フレーム部62aと、フレーム部62aに固定されたアーム部62bとを有している。受信コイル4はフレーム部62aの内側に配置されている。アーム部62bは、受信コイル4が点Cを中心として回転できるように、受信コイル4を支持している。図22では、受信コイル4は、SI方向に関しては基準位置Z0に位置決めされており、RL方向に関しては基準位置X0に位置決めされている様子が示されている。
【0068】
内側支持部材62には、4つの車輪64a、64b、64c、および64dが取り付けられている。車輪64aおよび64bは外側支持部材61の溝61aに差し込まれており、車輪64cおよび64dは外側支持部材61の溝61bに差し込まれている。
【0069】
また、クレードル3aの内部には、引張りばね65が配置されている。引張りばね65の一端65aは、クレードル3aの内壁に固定されており、引張りばね65の他端65bは外側支持部材61に固定されている。更に、外側支持部材61にはワイヤー66が固定されている。クレードル支持台3bの制御部31は、ワイヤー66を引っ張るためのモータ(図示せず)を備えており、モータを正回転させると、ワイヤー66が引っ張られる。ワイヤー66が引っ張られると、引張りばね65が伸長し、外側支持部材61をI方向に移動させることができる。したがって、受信コイル4をI方向に移動させることができる。図23に受信コイル4をI方向に移動させたときの様子を示す。ワイヤー66を引っ張ることによって、受信コイル4をSI方向の基準位置Z0から、位置Z1に移動させることができる。受信コイル4をS方向に戻す場合は、モータを逆回転させればよい。モータが逆回転すると、ワイヤー66の引っ張る力が小さくなるので、引張りばね65が外側支持部材61をS方向に引き戻す。したがって、受信コイル4をS方向に戻すことができる。
【0070】
図22に戻って説明を続ける。
外側支持部材61と内側支持部材62との間には、引張りばね67が配置されている。引張りばね67の一端は、外側支持部材61に固定されており、引張りばね67の他端は内側支持部材62に固定されている。更に、内側支持部材62にはワイヤー68が固定されている。クレードル支持台3bの制御部31は、ワイヤー68を引っ張るためのモータ(図示せず)を備えており、モータを正回転させると、ワイヤー68が引っ張られる。ワイヤー68が引っ張られると、引張りばね67が伸長し、内側支持部材62をR方向に移動させることができる。したがって、受信コイル4をR方向に移動させることができる。図24に受信コイル4をR方向に移動させたときの様子を示す。ワイヤー68を引っ張ることによって、受信コイル4をRL方向の基準位置x0から、位置x1に移動させることができる。受信コイル4をL方向に戻す場合は、モータを逆回転させればよい。モータが逆回転すると、ワイヤー68の引っ張る力が小さくなるので、引張りばね67が内側支持部材62をL方向に引き戻す。したがって、受信コイル4をL方向に戻すことができる。
【0071】
更に、内側支持部材62には、引張りばね55が取り付けられている。引張りばね55の一端は内側支持部材62に固定されており、引張りばね55の他端は受信コイル4の先端部4aに固定されている。また、受信コイル4の先端部4aには、ワイヤー56が固定されている。したがって、ワイヤー56を引っ張ることによって、点Cを中心にして、受信コイル4を回転させることができる(例えば、図21参照)。
【0072】
尚、第3の形態では、引張りばねが用いられているが、引張りばねの代わりに、圧縮ばねを用いてもよい。
【0073】
(4)第4の形態
第3の形態は、第1の形態と比較すると、受信コイル4を移動、回転させるための機構が異なっているが、その他の構成は、基本的には第1の形態と同じである。したがって、第3の形態の説明に当たっては、主に、受信コイル4を移動、回転させるための機構について説明する。
【0074】
図25は、第4の形態におけるクレードル3aの内部を透視して見た上面図である。
クレードル3aの内部には、受信コイル4と、受信コイル4を支持するための支持部材71A〜71Dとが収容されている。図25では、受信コイル4は、SI方向に関しては基準位置Z0に位置決めされており、RL方向に関しては基準位置X0に位置決めされている様子が示されている。
【0075】
支持部材71A〜71Dの各々は、ピストン72とシリンダー73とを有している。
ピストン72の先端72aは、受信コイル4の角部に取り付けられている。尚、ピストン72は、ピストンの先端72aを中心として、受信コイル4に対して回動できるように構成されている。
【0076】
シリンダー73は、クレードル3aの内壁に取り付けられた回動軸74を有している。シリンダー73は、回動軸74を中心として、クレードル3aの内壁に対して回動できるように構成されている。
【0077】
クレードル支持台3bの制御部31(図1参照)は、シリンダー73に空気を供給するためのポンプ(図示せず)を備えている。ポンプからシリンダー73に空気が供給されると、ピストン72がシリンダー73から押し出され、一方、シリンダー73の空気が抜き取られると、ピストン72がシリンダー73に引き戻される。したがって、支持部材71A〜71Dの各々について、ピストン72がシリンダー73から押し出される長さLa〜Ldを調整することができるので、受信コイル4を移動、回転させることができる。
【0078】
図26は、受信コイルをS方向に移動させたときの様子を示す図である。
受信コイル4をS方向に移動させる場合、支持部材71Aおよび71Bについては、ピストン72の押し出される長さLaおよびLbを短くし、支持部材71Cおよび71Dについては、ピストン72の押し出される長さLcおよびLdを長くする。このとき、ピストン72の押し出される長さLa〜Ldに応じて、支持部材71A〜71Dの各々が回動軸74を中心に回動する。したがって、支持部材71A〜71Dの各々の角度αa〜αdを調整することができるので、受信コイル4をS方向の位置z1に移動させることができる。同様に、受信コイル4は、RL方向にも移動させることができ、更に、回転させることもできる。図27に、受信コイルを、SI方向およびRL方向に移動させ、更に回転させた場合の例を示す。
【0079】
図25〜図27に示すように、シリンダーとピストンの構造を用いて受信コイル4を移動させてもよい。
【符号の説明】
【0080】
2 マグネット
3 テーブル
3a クレードル
4 受信コイル
5 シーケンサ
6 送信器
7 勾配パルス電源
8 受信器
9 中央処理装置
10 操作部
11 表示部
12 被検体
21 ボア
100 MR装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信コイルを有する磁気共鳴装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴装置で被検体をスキャンする方法として、受信コイルが有する複数のコイルエレメントの中から、スキャンを行う時に使用されるコイルエレメントを選択する技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−175058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の方法では、被検体の撮影部位などを考慮して、オペレータが手作業で受信コイルを被検体に設置している。しかし、コイルの設置作業はオペレータにとっても負担のかかる作業となる。そこで、クレードルに多数のコイルエレメントが埋め込まれた磁気共鳴装置が提案されている。この装置では、コイルエレメントがクレードルに埋め込まれているので、被検体をクレードルに寝かせることで、被検体をコイルエレメントの上に位置決めすることができる。したがって、オペレータの作業負担を軽減することができる。そして、被検体をスキャンする場合は、クレードルに埋め込まれたコイルエレメントの中から、撮影に使用されるコイルエレメントが選択される。
【0005】
しかし、この方法では、被検体の撮影部位が、選択されたコイルエレメントの位置に対して、大きくずれてしまう場合がある。この場合、オペレータは、被検体の撮影部位と、選択されるコイルエレメントとの位置ずれができるだけ小さくなるように、クレードル上における被検体の位置を調整する必要がある。このとき、被検体もクレードル上で自分の身体を動かす必要があるので、被検体に負担が掛かるという問題がある。特に、高齢者や、身体に障害がある人にとっては、クレードル上で身体を動かすことは大きな負担となる。したがって、被検体に掛かる負担をできるだけ軽減することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、被検体を支持するクレードルを有する磁気共鳴装置であって、
前記クレードルは、前記クレードルの内部を移動又は回転することが可能な受信コイルを有している。
【発明の効果】
【0007】
クレードルは、移動又は回転することが可能な受信コイルを有している。したがって、受信コイルを移動又は回転させることによって、受信コイルと被検体の撮影部位との位置関係を調整することができるので、被検体自身が動く必要がなく、被検体の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の形態の磁気共鳴装置の概略図である。
【図2】クレードル3aの内部を透視して見たときの斜視図である。
【図3】受信コイル4の斜視図である。
【図4】筐体41の上面図、側面図、および下面図である。
【図5】クレードル3aの内部に備えられた移動・回転機構30を示す図である。
【図6】受信コイル4が基準位置z=z0に位置しているときの様子を示す図である。
【図7】受信コイル4をSI方向に移動させたときの様子を示す図である。
【図8】受信コイル4を回転させる方法の説明図である。
【図9】被検体を撮影するときMR装置100の動作フローを示す図である。
【図10】被検体がクレードル3aに寝たときの様子を示す図である。
【図11】ランドマークLMを設定したときの様子を示す図である。
【図12】ΔD=dになるように受信コイル4の位置を調整した後の様子を示す図である。
【図13】被検体をボア21に搬送したときの様子を示す図である。
【図14】オペレータによって設定されたスキャン領域Rの一例を示す図である。
【図15】受信コイル4を移動させた後の様子を示す図である。
【図16】受信コイルを回転させる場合の一例を示す図である。
【図17】受信コイル4をSI方向およびRL方向に移動させる場合の機構の一例を示す図である。
【図18】第2の形態におけるクレードル3aの内部を透視して見た上面図である。
【図19】第3の形態におけるクレードル3aの内部を透視して見た上面図である。
【図20】受信コイル4をI方向に移動させたときの様子を示す図である。
【図21】受信コイル4を角度θだけ回転させたときの様子を示す図である。
【図22】受信コイル4をSI方向およびRL方向に移動させる機構の一例を示す図である。
【図23】受信コイル4をI方向に移動させたときの様子を示す図である。
【図24】受信コイル4をR方向に移動させたときの様子を示す図である。
【図25】第4の形態におけるクレードル3aの内部を透視して見た上面図である。
【図26】受信コイルをS方向に移動させたときの様子を示す図である。
【図27】受信コイルを、SI方向およびRL方向に移動させ、更に回転させた場合の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、以下の形態に限定されることはない。
【0010】
(1)第1の形態
図1は、本発明の第1の形態の磁気共鳴装置の概略図である。
磁気共鳴装置(以下、「MR装置」と呼ぶ。MR:Magnetic Resonance )100は、マグネット2、テーブル3などを有している。
【0011】
マグネット2は、被検体12が収容されるボア21を有している。また、マグネット2には、超伝導コイル、勾配コイル、送信コイルなどが内蔵されている。
【0012】
テーブル3は、クレードル3aと、クレードル3aを支持するクレードル支持台3bとを有している。クレードル3aは、ボア21内に移動できるように構成されている。クレードル3aには、受信コイル4が内蔵されており、クレードル支持台3bには、制御部31が内蔵されている。受信コイル4および制御部31については後述する。
【0013】
MR装置100は、更に、シーケンサ5、送信器6、勾配磁場電源7、受信器8、中央処理装置9、操作部10、および表示部11を有している。
【0014】
シーケンサ5は、中央処理装置9の制御を受けて、パルスシーケンスを実行するための情報を送信器6および勾配磁場電源7に送る。
【0015】
送信器6は、シーケンサ5から送られた情報に基づいて、RFコイル24を駆動するための駆動信号を出力する。
【0016】
勾配磁場電源7は、シーケンサ5から送られた情報に基づいて、勾配コイル23を駆動するための駆動信号を出力する。
【0017】
受信器8は、受信コイル4で受信された磁気共鳴信号を信号処理し、中央処理装置9に出力する。
【0018】
中央処理装置9は、シーケンサ5および表示部11に必要な情報を伝送したり、受信器8から受け取ったデータに基づいて画像を再構成するなど、MR装置100の各種の動作を実現するように、MR装置100の各部の動作を制御する。中央処理装置9は、例えばコンピュータ(computer)によって構成される。
【0019】
操作部10は、オペレータにより操作され、種々の情報を中央処理装置9に入力する。表示部11は種々の情報を表示する。
MR装置100は、上記のように構成されている。
【0020】
次に、クレードル3aの構造について、具体的に説明する。
図2は、クレードル3aの内部を透視して見たときの斜視図である。
【0021】
クレードル3aの内部は空洞になっており、この空洞に受信コイル4が収容されている。
【0022】
図3は受信コイル4の斜視図である。
受信コイル4は、筐体41と、複数のコイルエレメント42とを有している。複数のコイルエレメント42は、筐体41に収容されている。
【0023】
図4は、筐体41の上面図、側面図、および下面図である。
筐体41の上面411には、2つの挿通孔41aおよび41bが形成されている。挿通孔41aおよび41bは、後述するベルトのピン34aおよび34b(図5参照)が挿通される孔である。また、筐体41の下面412にはガイド部材41cが形成されている。ガイド部材41cは、クレードル3aの内壁面に形成された後述するガイド溝35(図5参照)に挿通される部材である。
【0024】
筐体41に、複数のコイルエレメント42を収容することによって、受信コイル4が構成される。また、クレードル3aの内部には、受信コイル4を移動、回転させるための移動・回転機構が備えられている。次に、この移動・回転機構について、図5を参照しながら説明する。
【0025】
図5は、クレードル3aの内部に備えられた移動・回転機構30を示す図である。尚、図5では、説明の便宜上、受信コイル4を、移動・回転機構30から分離して示してある。
【0026】
移動・回転機構30は、コンベヤー30Aおよび30Bを有している。
コンベヤー30Aは、ベルト31aと、プーリー32aと、モータ33aとを有している。ベルト31aは、プーリー32aとモータ33aによって張設されている。モータ33aが回転することによって、ベルト31aが循環する。
【0027】
コンベヤー30Bは、ベルト31bと、プーリー32bと、モータ33bとを有している。ベルト31bは、プーリー32bとモータ33bによって張設されている。モータ33bが回転することによって、ベルト31bが循環する。
【0028】
ベルト31aおよび31bには、それぞれ、ピン34aおよび34bが設けられている。ピン34aは、受信コイル4の挿通孔41aに挿通されるピンであり、ピン34bは、受信コイル4の挿通孔41bに挿通されるピンである。また、クレードル3aの内壁面にはガイド溝35が形成されている。ガイド溝35は、受信コイル4のガイド部材41cが嵌合される溝である。
【0029】
受信コイル4の挿通孔41aはベルト31aのピン34aに挿通され、受信コイル4の挿通孔41bはベルト31bのピン34bに挿通される。また、受信コイル4のガイド部材41cはクレードル3aのガイド溝35に挿通される。したがって、図2に示すように、受信コイル4をクレードル3aの内部に収容することができる。本形態では、移動・回転機構30によって、受信コイル4をクレードル3aの内部で移動および回転させることができる。次に、受信コイル4をどのようにして移動および回転させているかについて、図6〜図8を参照しながら説明する。
【0030】
図6は、受信コイル4が基準位置z=z0に位置しているときの様子を示す図である。
コンベヤー30Aおよび30Bのモータ33aおよび33bは、クレードル支持台3bに備えられた制御部31(図1参照)によって制御される。制御部31は、モータ33aおよび33bの回転数を制御し、また、モータ33aおよび33bを正回転させるか逆回転させるかを制御する。モータ33aおよび33bを回転させることによって、ベルト31aおよび31bが循環するので、ベルト31aおよび31bに取り付けられた受信コイル4をSI方向に移動させることができる。
【0031】
図7は、受信コイル4をSI方向に移動させたときの様子を示す図である。
図7(a)は、受信コイル4をS方向に移動させたときの様子を示す図であり、図7(b)は、受信コイル4をI方向に移動させたときの様子を示す図である。
【0032】
コンベヤー30Aおよび30Bのモータ33aおよび33bを正回転させると、ベルト31aおよび31bが正周りに循環し、受信コイル4をS方向に移動させることができる(図7(a)参照)。一方、モータ33aおよび33bを逆回転させると、ベルト31aおよび31bは逆周りに循環し、受信コイル4をI方向に移動させることができる(図7(b)参照)。
【0033】
次に、受信コイル4を回転させる方法について説明する。
図8は、受信コイル4を回転させる方法の説明図である。
【0034】
図8(a)は、受信コイル4を回転させる前の図、図8(b)は受信コイル4を回転させた後の図である。
【0035】
受信コイル4を回転させる場合には、受信コイル4の挿通孔41aおよび41bのSI方向の位置が異なるように、コンベヤー30Aおよび30Bを循環させればよい。このようにコンベヤー30Aおよび30Bを循環させることによって、受信コイル4の回転角度θを調整することができる。
【0036】
次に、被検体12を撮影するときのMR装置100の動作について説明する。
図9は、被検体12を撮影するときMR装置100の動作フローを示す図である。
【0037】
ステップST1では、オペレータは、被検体12をクレードル3aに寝かせる。図10に、被検体12がクレードル3aに寝たときの様子を示す。図10(a)は、テーブル3およびマグネット2の上面から被検体12を見たときの図、図10(b)は、テーブル3およびマグネット2の側面から被検体12を見たときの図である。
被検体12を寝かせたら、ステップST2に進む。
【0038】
ステップST2では、オペレータは、ポジショニングライト22を用いて、被検体12をマグネット2のボアに搬入するときの目印となるランドマークを設定する。図11に、ランドマークLMを設定したときの様子を示す。本形態では、被検体12の腹部の上側にランドマークLMが設定されたとする。ランドマークLMを設定したら、ステップST3に進む。
【0039】
ステップST3では、受信コイル4の位置を調整する。本形態では、制御部31は、ランドマークLMと受信コイル4の中心との距離ΔDがΔD=dになるように、モータ33aおよび33bを制御する(図12参照)。
【0040】
図12は、ΔD=dになるように受信コイル4の位置を調整した後の様子を示す図である。
【0041】
dの値は、被検体12の撮影部位などによって、事前に決定されている値である。例えば、d=0でもよいし、d≠0であってもよい。受信コイル4の位置を調整した後、ステップST4に進む。
【0042】
ステップST4では、被検体12をボア21に搬入する。図13に、被検体12をボア21に搬送したときの様子を示す。被検体12をボア21に搬入した後、ステップST5に進む。
【0043】
ステップST5では、スライス位置の位置決めに使用される位置決め用画像データを取得するためのローカライザスキャンを実行する。ローカライザスキャンを実行した後、ステップST6に進む。
【0044】
ステップST6では、オペレータは、ローカライザスキャンにより取得された位置決め用画像データに基づいて、スキャン領域を設定する。図14に、オペレータによって設定されたスキャン領域Rの一例を示す。スキャン領域Rを設定したら、ステップST7に進む。
【0045】
ステップST7では、制御部31は、受信コイル4がスキャン領域Rの真下に移動するように、モータ33aおよび33bを制御する。図15に、受信コイル4を移動させた後の様子を示す。受信コイル4を移動させたら、ステップST8に進み、スキャン領域Rの画像データを取得するための本スキャンを行い、フローを終了する。
【0046】
本形態では、クレードル3aの内部で受信コイル4を移動させることができる。したがって、クレードル3a上で被検体12に動いてもらわなくても、受信コイル4を移動させることによって、受信コイル4と被検体12との位置関係を調整することができるので、被検体12の負担を軽減することができる。
【0047】
また、上記の例では、ベルト31aおよび31bを用いて受信コイル4を移動させているが、ベルトの代わりにワイヤーを用いてもよい。
【0048】
尚、上記の説明では、ステップST7において、受信コイル4をSI方向に移動させているが、必要に応じて、受信コイル4を回転させてもよい。
【0049】
図16は、受信コイル4を回転させる場合の一例を示す図である。
図16では、被検体12に対してスキャン領域Rが斜めに設定されている。このような場合は、設定されたスキャン領域Rに合わせて、受信コイル4を回転させればよい。このように受信コイル4を回転させることによって、スライス面に対して最適なSNRが得られるようにすることができる。
【0050】
尚、上記の例では、クレードル3aに2つのコンベヤー30Aおよび30Bが内蔵されている。しかし、受信コイル4を回転させる必要がない場合は、クレードル3aに内蔵するコンベヤーは一つだけでもよい。また、3つ以上のコンベヤーを備えてもよい。
【0051】
また、上記の例では、受信コイル4の移動方向は、SI方向のみであるが、SI方向およびRL方向に移動できるようにしてもよい(図17参照)。
【0052】
図17は、受信コイル4をSI方向およびRL方向に移動させる場合の機構の一例を示す図である。
【0053】
クレードル3aの内部には、受信コイル4を収容するコイル収容ケース40が内蔵されている。コイル収容ケース40は、コンベヤー30Aおよび30Bに取り付けられており、コンベヤー30Aおよび30Bのベルト31aおよび31bが循環することによって、コイル収容ケース40はSI方向に移動する。受信コイル4はコイル収容ケース40に収容されているので、コイル収容ケース40をSI方向に移動させることによって、受信コイル4をSI方向に移動させることができる。また、コイル収容ケース40には、受信コイル4をRL方向に移動させるためのRL方向用のコンベア(図示せず)が内蔵されている。RL方向用のコンベアは、図5を参照しながら説明したコンベア30Aおよび30Bと同一の構成とすることができる。このように、受信コイル4を、SI方向とRL方向との両方向に移動できるようにすることにより、受信コイル4の位置を更に細かく制御することができるので、より高品質な画像データを取得することができる。尚、コイル収容ケース40に内蔵されるRL方向用のコンベアは、1つでもよいし、2つ以上でもよい。
【0054】
また、受信コイル4の移動方向は、SI方向やRL方向に限定されることはなく、SI方向およびRL方向に対して斜めの方向に移動させてもよい。更に、受信コイル4を2方向だけではなく、3方向以上の多方向に移動できるようにしてもよい。
【0055】
(2)第2の形態
第2の形態は、第1の形態と比較すると、受信コイル4を移動、回転させるための機構が異なっているが、その他の構成は、基本的には第1の形態と同じである。したがって、第2の形態の説明に当たっては、主に、受信コイル4を移動、回転させるための機構について説明する。
【0056】
図18は、第2の形態におけるクレードル3aの内部を透視して見た上面図である。
クレードル3aには、受信コイル4が内蔵されている。クレードル3aの内壁面にはガイド溝35が形成されている。ガイド溝35は、受信コイル4のガイド部材41cが嵌合される溝である。また、受信コイル4には、モータ33aが取り付けられている。
【0057】
第2の形態では、モータ33aを駆動させることによって、受信コイル4をガイド溝35に沿ってSI方向に移動させることができる。したがって、受信コイル4を移動させるためのベルトが不要となるので、受信コイル4をSI方向に移動させるための機構を簡略化することができる。
【0058】
(3)第3の形態
第3の形態は、第1の形態と比較すると、受信コイル4を移動、回転させるための機構が異なっているが、その他の構成は、基本的には第1の形態と同じである。したがって、第3の形態の説明に当たっては、主に、受信コイル4を移動、回転させるための機構について説明する。
【0059】
図19は、第3の形態におけるクレードル3aの内部を透視して見た上面図である。
クレードル3aには、SI方向に延在する溝15aおよび15bが設けられている。また、クレードル3aの内部には、受信コイル4を支持するための支持部材51が収容されている。支持部材51は、フレーム部51aと、フレーム部51aに固定されたアーム部51bとを有している。受信コイル4はフレーム部51aの内側に配置されている。アーム部51bは、受信コイル4が点Cを中心として回転できるように、受信コイル4を支持している。図19では、受信コイル4が、SI方向の基準位置Z0に位置している様子が示されている。
【0060】
また、受信コイル支持部材51のフレーム部51aには、4つの車輪52a、52b、52c、および52dが取り付けられている。車輪52aおよび52bはクレードル3aの溝15aに差し込まれており、車輪52cおよび52dはクレードル3aの溝15bに差し込まれている。
【0061】
更に、クレードル3aの内部には、引張りばね53が配置されている。引張りばね53の一端53aは、クレードル3aの内壁に固定されており、引張りばね53の他端53bは支持部材51のフレーム部51aに固定されている。更に、フレーム部51aにはワイヤー54が固定されている。クレードル支持台3bの制御部31(図1参照)は、ワイヤー54を引っ張るためのモータ(図示せず)を備えており、モータを正回転させると、ワイヤー54が引っ張られる。ワイヤー54が引っ張られると、引張りばね53が伸長し、支持部材51をI方向に移動させることができる。したがって、受信コイル4をI方向に移動させることができる。図20に受信コイル4をI方向に移動させたときの様子を示す。ワイヤー54を引っ張ることによって、受信コイル4を基準位置Z0から、位置Z1に移動させることができる。受信コイル4をS方向に戻す場合は、モータを逆回転させればよい。モータが逆回転すると、ワイヤー54の引っ張る力が小さくなるので、引張りばね53が支持部材51をS方向に引き戻す。したがって、受信コイル4をS方向に戻すことができる。
【0062】
また、支持部材51のフレーム部51aには、引張りばね55が取り付けられている。引張りばね55の一端55aはフレーム部51aに固定されており、引張りばね55の他端55bは受信コイル4の先端部4aに固定されている。更に、受信コイル4の先端部4aには、ワイヤー56が固定されている。クレードル支持台3bの制御部31は、ワイヤー56を引っ張るためのモータ(図示せず)を備えており、モータを正回転させると、ワイヤー56が引っ張られる。ワイヤー56が引っ張られると、引張りばね55が伸長し、点Cを中心にして、受信コイル4を回転させることができる。図21に受信コイル4を角度θだけ回転させたときの様子を示す。回転させた受信コイル4を元の回転位置に戻す場合は、モータを逆回転させればよい。モータが逆回転すると、ワイヤー56の引っ張る力が小さくなるので、引張りばね55が受信コイル4を元の回転位置に引き戻す。したがって、受信コイル4を元の回転位置に戻すことができる。
【0063】
尚、上記の例では、受信コイル4の移動方向は、SI方向のみであるが、SI方向およびRL方向に移動できるようにしてもよい(図22参照)。
【0064】
図22は、受信コイル4をSI方向およびRL方向に移動させる機構の一例を示す図である。
【0065】
クレードル3aには、SI方向に延在する溝15aおよび15bが設けられている。また、クレードル3aの内部には、外側支持部材61と内側支持部材62とが収容されている。
【0066】
外側支持部材61には、4つの車輪63a、63b、63c、および63dが取り付けられている。車輪63aおよび63bはクレードル3aの溝15aに差し込まれており、車輪63cおよび63dはクレードル3aの溝15bに差し込まれている。車輪63aおよび63bは溝15aに沿ってSI方向に移動できるように構成されており、車輪63cおよび63dは溝15bに沿ってSI方向に移動できるように構成されている。また、外側支持部材61には、RL方向に延在する溝61aおよび61bが設けられている。溝61aおよび61bは、内側支持部材62をRL方向に移動させるために設けられている。
【0067】
内側支持部材62は、外側支持部材61の内側に配置されている。内側支持部材62は、フレーム部62aと、フレーム部62aに固定されたアーム部62bとを有している。受信コイル4はフレーム部62aの内側に配置されている。アーム部62bは、受信コイル4が点Cを中心として回転できるように、受信コイル4を支持している。図22では、受信コイル4は、SI方向に関しては基準位置Z0に位置決めされており、RL方向に関しては基準位置X0に位置決めされている様子が示されている。
【0068】
内側支持部材62には、4つの車輪64a、64b、64c、および64dが取り付けられている。車輪64aおよび64bは外側支持部材61の溝61aに差し込まれており、車輪64cおよび64dは外側支持部材61の溝61bに差し込まれている。
【0069】
また、クレードル3aの内部には、引張りばね65が配置されている。引張りばね65の一端65aは、クレードル3aの内壁に固定されており、引張りばね65の他端65bは外側支持部材61に固定されている。更に、外側支持部材61にはワイヤー66が固定されている。クレードル支持台3bの制御部31は、ワイヤー66を引っ張るためのモータ(図示せず)を備えており、モータを正回転させると、ワイヤー66が引っ張られる。ワイヤー66が引っ張られると、引張りばね65が伸長し、外側支持部材61をI方向に移動させることができる。したがって、受信コイル4をI方向に移動させることができる。図23に受信コイル4をI方向に移動させたときの様子を示す。ワイヤー66を引っ張ることによって、受信コイル4をSI方向の基準位置Z0から、位置Z1に移動させることができる。受信コイル4をS方向に戻す場合は、モータを逆回転させればよい。モータが逆回転すると、ワイヤー66の引っ張る力が小さくなるので、引張りばね65が外側支持部材61をS方向に引き戻す。したがって、受信コイル4をS方向に戻すことができる。
【0070】
図22に戻って説明を続ける。
外側支持部材61と内側支持部材62との間には、引張りばね67が配置されている。引張りばね67の一端は、外側支持部材61に固定されており、引張りばね67の他端は内側支持部材62に固定されている。更に、内側支持部材62にはワイヤー68が固定されている。クレードル支持台3bの制御部31は、ワイヤー68を引っ張るためのモータ(図示せず)を備えており、モータを正回転させると、ワイヤー68が引っ張られる。ワイヤー68が引っ張られると、引張りばね67が伸長し、内側支持部材62をR方向に移動させることができる。したがって、受信コイル4をR方向に移動させることができる。図24に受信コイル4をR方向に移動させたときの様子を示す。ワイヤー68を引っ張ることによって、受信コイル4をRL方向の基準位置x0から、位置x1に移動させることができる。受信コイル4をL方向に戻す場合は、モータを逆回転させればよい。モータが逆回転すると、ワイヤー68の引っ張る力が小さくなるので、引張りばね67が内側支持部材62をL方向に引き戻す。したがって、受信コイル4をL方向に戻すことができる。
【0071】
更に、内側支持部材62には、引張りばね55が取り付けられている。引張りばね55の一端は内側支持部材62に固定されており、引張りばね55の他端は受信コイル4の先端部4aに固定されている。また、受信コイル4の先端部4aには、ワイヤー56が固定されている。したがって、ワイヤー56を引っ張ることによって、点Cを中心にして、受信コイル4を回転させることができる(例えば、図21参照)。
【0072】
尚、第3の形態では、引張りばねが用いられているが、引張りばねの代わりに、圧縮ばねを用いてもよい。
【0073】
(4)第4の形態
第3の形態は、第1の形態と比較すると、受信コイル4を移動、回転させるための機構が異なっているが、その他の構成は、基本的には第1の形態と同じである。したがって、第3の形態の説明に当たっては、主に、受信コイル4を移動、回転させるための機構について説明する。
【0074】
図25は、第4の形態におけるクレードル3aの内部を透視して見た上面図である。
クレードル3aの内部には、受信コイル4と、受信コイル4を支持するための支持部材71A〜71Dとが収容されている。図25では、受信コイル4は、SI方向に関しては基準位置Z0に位置決めされており、RL方向に関しては基準位置X0に位置決めされている様子が示されている。
【0075】
支持部材71A〜71Dの各々は、ピストン72とシリンダー73とを有している。
ピストン72の先端72aは、受信コイル4の角部に取り付けられている。尚、ピストン72は、ピストンの先端72aを中心として、受信コイル4に対して回動できるように構成されている。
【0076】
シリンダー73は、クレードル3aの内壁に取り付けられた回動軸74を有している。シリンダー73は、回動軸74を中心として、クレードル3aの内壁に対して回動できるように構成されている。
【0077】
クレードル支持台3bの制御部31(図1参照)は、シリンダー73に空気を供給するためのポンプ(図示せず)を備えている。ポンプからシリンダー73に空気が供給されると、ピストン72がシリンダー73から押し出され、一方、シリンダー73の空気が抜き取られると、ピストン72がシリンダー73に引き戻される。したがって、支持部材71A〜71Dの各々について、ピストン72がシリンダー73から押し出される長さLa〜Ldを調整することができるので、受信コイル4を移動、回転させることができる。
【0078】
図26は、受信コイルをS方向に移動させたときの様子を示す図である。
受信コイル4をS方向に移動させる場合、支持部材71Aおよび71Bについては、ピストン72の押し出される長さLaおよびLbを短くし、支持部材71Cおよび71Dについては、ピストン72の押し出される長さLcおよびLdを長くする。このとき、ピストン72の押し出される長さLa〜Ldに応じて、支持部材71A〜71Dの各々が回動軸74を中心に回動する。したがって、支持部材71A〜71Dの各々の角度αa〜αdを調整することができるので、受信コイル4をS方向の位置z1に移動させることができる。同様に、受信コイル4は、RL方向にも移動させることができ、更に、回転させることもできる。図27に、受信コイルを、SI方向およびRL方向に移動させ、更に回転させた場合の例を示す。
【0079】
図25〜図27に示すように、シリンダーとピストンの構造を用いて受信コイル4を移動させてもよい。
【符号の説明】
【0080】
2 マグネット
3 テーブル
3a クレードル
4 受信コイル
5 シーケンサ
6 送信器
7 勾配パルス電源
8 受信器
9 中央処理装置
10 操作部
11 表示部
12 被検体
21 ボア
100 MR装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体を支持するクレードルを有する磁気共鳴装置であって、
前記クレードルは、前記クレードルの内部を移動又は回転することが可能な受信コイルを有する、磁気共鳴装置。
【請求項2】
前記クレードルは、前記受信コイルを移動又は回転させるための機構を有する、請求項1に記載の磁気共鳴装置。
【請求項3】
前記機構は、前記受信コイルを第1の方向に移動させるための第1のコンベヤーを有している、請求項2に記載の磁気共鳴装置。
【請求項4】
前記クレードルは、前記第1の方向に延在するガイド溝を有し、
前記受信コイルは、前記ガイド溝に嵌合するガイド部材を有する、請求項3に記載の磁気共鳴装置。
【請求項5】
前記機構は、前記第1のコンベヤーを2つ有しており、
2つの第1のコンベヤーを用いて、前記受信コイルを回転させる、請求項3又は4に記載の磁気共鳴装置。
【請求項6】
前記第1の方向はSI方向である、請求項3〜5のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
【請求項7】
前記機構は、前記受信コイルを第2の方向に移動させるための第2のコンベヤーを有している、請求項2〜6のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
【請求項8】
前記第2の方向はRL方向である、請求項7に記載の磁気共鳴装置。
【請求項9】
前記機構は、前記受信コイルを支持する支持部材を有し、
前記支持部材は、第1の方向に移動可能に構成されている、請求項2に記載の磁気共鳴装置。
【請求項10】
前記クレードルは、
前記支持部材と前記受信コイルとに接続されたばねと、
前記受信コイルに接続されたワイヤーと、を有し、
前記ワイヤーが引っ張られることによって、前記受信コイルが回転する、請求項9に記載の磁気共鳴装置。
【請求項11】
前記機構は、前記受信コイルを支持する第1の支持部材と、前記第1の支持部材を支持する第2の支持部材とを有し、
前記第1の支持部材は、第1の方向に移動可能に構成されており、
前記第2の支持部材は、第2の方向に移動可能に構成されている、請求項2に記載の磁気共鳴装置。
【請求項12】
前記クレードルは、
前記第1の支持部材と前記受信コイルとに接続されたばねと、
前記受信コイルに接続されたワイヤーと、を有し、
前記ワイヤーが引っ張られることによって、前記受信コイルが回転する、請求項11に記載の磁気共鳴装置。
【請求項13】
前記機構は、前記受信コイルを支持する複数の支持部材を有し、
前記複数の支持部材の各々は、
前記クレードルの内壁に対して回動するシリンダーと、
前記シリンダーに収容されるピストンであって、前記受信コイルに対して回動するピストンと、を有する、請求項2に記載の磁気共鳴装置。
【請求項1】
被検体を支持するクレードルを有する磁気共鳴装置であって、
前記クレードルは、前記クレードルの内部を移動又は回転することが可能な受信コイルを有する、磁気共鳴装置。
【請求項2】
前記クレードルは、前記受信コイルを移動又は回転させるための機構を有する、請求項1に記載の磁気共鳴装置。
【請求項3】
前記機構は、前記受信コイルを第1の方向に移動させるための第1のコンベヤーを有している、請求項2に記載の磁気共鳴装置。
【請求項4】
前記クレードルは、前記第1の方向に延在するガイド溝を有し、
前記受信コイルは、前記ガイド溝に嵌合するガイド部材を有する、請求項3に記載の磁気共鳴装置。
【請求項5】
前記機構は、前記第1のコンベヤーを2つ有しており、
2つの第1のコンベヤーを用いて、前記受信コイルを回転させる、請求項3又は4に記載の磁気共鳴装置。
【請求項6】
前記第1の方向はSI方向である、請求項3〜5のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
【請求項7】
前記機構は、前記受信コイルを第2の方向に移動させるための第2のコンベヤーを有している、請求項2〜6のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
【請求項8】
前記第2の方向はRL方向である、請求項7に記載の磁気共鳴装置。
【請求項9】
前記機構は、前記受信コイルを支持する支持部材を有し、
前記支持部材は、第1の方向に移動可能に構成されている、請求項2に記載の磁気共鳴装置。
【請求項10】
前記クレードルは、
前記支持部材と前記受信コイルとに接続されたばねと、
前記受信コイルに接続されたワイヤーと、を有し、
前記ワイヤーが引っ張られることによって、前記受信コイルが回転する、請求項9に記載の磁気共鳴装置。
【請求項11】
前記機構は、前記受信コイルを支持する第1の支持部材と、前記第1の支持部材を支持する第2の支持部材とを有し、
前記第1の支持部材は、第1の方向に移動可能に構成されており、
前記第2の支持部材は、第2の方向に移動可能に構成されている、請求項2に記載の磁気共鳴装置。
【請求項12】
前記クレードルは、
前記第1の支持部材と前記受信コイルとに接続されたばねと、
前記受信コイルに接続されたワイヤーと、を有し、
前記ワイヤーが引っ張られることによって、前記受信コイルが回転する、請求項11に記載の磁気共鳴装置。
【請求項13】
前記機構は、前記受信コイルを支持する複数の支持部材を有し、
前記複数の支持部材の各々は、
前記クレードルの内壁に対して回動するシリンダーと、
前記シリンダーに収容されるピストンであって、前記受信コイルに対して回動するピストンと、を有する、請求項2に記載の磁気共鳴装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2013−46665(P2013−46665A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−185897(P2011−185897)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】
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