説明

磁気分離ろ過浄化装置

【課題】小型な磁気分離ろ過浄化装置を提供することにある。
【解決手段】回転式の磁石29は、回転体30の外面に複数の永久磁石体31を固定しものである。磁石29は、ろ過手段である回転ドラム20の前工程にて、磁性フロック16を含む処理流体から磁性フロック16を吸引するとともに、ろ過手段の後工程でも、ろ過された処理流体から磁性フロック16を磁気吸引する。磁石29は、モータにより回転される。回転ブラシ37及びへら38は、磁石29により吸引された磁性フロック16を汚泥として回収する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水質浄化や固液分離等を目的とした汚水の浄化装置に係り、特に、膜による磁性物質の捕捉および捕捉物の磁気分離を行う磁気分離ろ過浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
固液分離等を目的として、細めの金網や高分子繊維で編んだ網を通水分離膜として使用し、汚濁粒子を有する原水に凝集剤と磁性粉を添加して磁性フロックを生成し、この磁性フロックを膜で分離し、膜で捕集した磁性フロックを磁場発生手段で磁気分離、除去して高濃度スラッジを回収する磁気分離汚水浄化装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この膜分離浄化装置は、ステンレス鋼の細線やポリエステル繊維等で網を構成し、例えばその数十ミクロンメートルの目開きの開口部を有した膜分子部を有する。開口部の投影面積や投影直径よりも小さい微細な汚濁物質を分離するため、予め原水に例えば凝集剤の硫酸バン土やポリ塩化アルミニウムやポリ硫酸鉄と磁性粉を加えて撹絆し、原水中の微細な固形浮遊物や藻類,菌類,微生物を、凝縮剤によって数百ミクロンメートル程度の大きさに結合させた磁性フロックを形成させる。この磁性フロックは、数十ミクロンメートルの目開きを有した開口部を通過できず高い除去率で捕捉分離され、膜を透過した水はさらに水質が高い浄化水となる。
【0004】
膜上に捕集された磁性フロックは、洗浄水で膜から洗い流された後、水面近傍に停留する磁性フロックは、前記水面近傍に静止配置された磁石の磁気力で吸引して磁気分離され、スラッジ移送手段でスラッジ回収槽に移送され排除される。スラッジは最終的には、通常トラックで処分場や焼却場に運搬したり、コンポスト化する。
【0005】
【特許文献1】特開2002−273261号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の磁気分離汚水浄化装置では、原水中の微細な固形浮遊物の濃度が高い場合、大量の磁性フロックが生成される。この磁性フロックが膜に到達すると膜全面に磁性フロックがろ過捕捉され、膜の通水能力が極端に低下することになり、大量の原水を処理する場合大きなろ過面積が必要となり、ろ過手段の構成要素が大型化し、浄化装置が大型となり装置コストが増大するという問題が生じる。また、ろ過手段の構成要素が大型化すると、ろ過手段を複数個に分割配置するケースが生じ、この場合、ろ過手段から洗浄剥離された磁性フロックを磁気吸引する磁石要素の配置個数も増加し、磁石要素が大型化し、装置コストが増大するという問題が生じる。
【0007】
本発明の目的は、小型な磁気分離ろ過浄化装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、磁性物質,あるいは非磁性の被除去物と磁性体とを凝集させた磁性物質,または化学反応により生じさせた磁性物質を含む処理流体から磁性物質を吸引する第一磁場発生手段と、前記第一磁場発生手段の表面に設けられ、前記第一磁場発生手段から汚泥を回収するた第一汚泥回収手段と、前記第一磁場発生手段により磁性物質の吸引された前記処理流体をろ過するろ過手段と、前記ろ過手段でろ過された磁性物質を磁気吸引する第二磁場発生手段と、前記第ニ磁場発生手段の表面に設けられ、前記第二磁場発生手段から汚泥を回収するた第二汚泥回収手段と、前記第一磁場発生手段を回転させる第一磁場回転手段と、前記第二磁場発生手段を回転させる第二磁場回転手段とを備えるようにしたものである。
かかる構成により、磁気分離ろ過浄化装置を小型化し得るものとなる。
【0009】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記第一磁場発生手段と第一磁場回転手段および第二磁場発生手段と第二磁場回転手段は、同一の磁場発生手段と磁場回転手段により構成され、また第一および第二汚泥回収手段は、同一の汚泥回収手段により構成され、前記第一磁場回転手段および第二磁場回転手段は、同一の磁場回転手段により構成されるものである。
【0010】
(3)上記(2)において、好ましくは、前記磁場発生手段は、複数の永久磁石と、これらの永久磁石を固定する回転体と、前記複数の永久磁石を水密保護する保護筒で構成され、前記回転体は、前記保護筒に締結手段で固定されるものである。
【0011】
(4)上記(1)において、好ましくは、前記磁性物質を含む被処理流体の流動速度に合わせて、前記第一磁場発生手段を回転させる第一磁場回転手段の回転速度を制御する制御手段を備えるようにしたものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、磁気分離ろ過浄化装置を小型化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図1〜図3を用いて、本発明の一実施形態による磁気分離ろ過浄化装置の構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による磁気分離ろ過浄化装置の全体構成を示すシステム構成図である。 図2は、本発明の一実施形態による磁気分離ろ過浄化装置に用いる膜分離装置の拡大断面図である。図3は、図2のA−A断面図である。
【0014】
図1に示すように、原水貯槽1の内部に、数ミリメートルの大きなゴミを取り除いた被処理水である原水2を貯留する。貯留した原水2は、ポンプ3により、所定の量を配管4に送水される。シーディング剤調整装置5は、四酸酸化鉄等の磁性粉と、pH調整剤と、ポリ塩化アルミニウムや塩化鉄や硫酸第二鉄等の水溶液等のアルミニュウムイオンや鉄イオンを提供する凝集剤や高分子補強剤等を、導管6を通じて配管4の内部に加える。撹絆槽7では、モータ8で回転駆動される攪拌翼9により高速度で撹絆し、数百ミクロンメートルの磁性マイクロフロックを生成する。
【0015】
その後、高分子剤調整装置11は、高分子補強剤等を、導管12を通じて配管10の内部に加える。撹絆槽13では、モータ14で回転駆動される攪拌翼15で低速度でゆっくりと撹絆し、数ミリメートル程度の大きさの磁性フロック(図2に示す磁性フロック16)を含む前処理水17を生成する。
【0016】
このように生成した前処理水17は、導管18を通じて磁気分離および膜分離装置19に通水される。磁気分離および膜分離装置19は、ろ過用の回転ドラム20と、磁石29を備える。
【0017】
ここで、図2及び図3を用いて、磁気分離および膜磁気分離装置19の構造 について説明する。
【0018】
図1に示した回転ドラム20の外周面に、図2に示すように、網21を設ける。網21は、ステンレス鋼の細線や銅の細線やポリエステル繊維等からなり、数ミクロンメートルから数十ミクロンメートルの目開きを有した開口部を有する膜となる。
【0019】
一方、図1に示した、磁気分離の磁場発生手段として使用する回転式の磁石29は、図2に示すように、非磁性体の材料で製作した回転体30の外面の複数条の溝に複数の永久磁石体31を接着剤等で固定し、その周りを水密を確保する保護筒32で覆われた構造となっている。回転体30は、図3に示すモータ72で回転数を制御されて回転する。回転軸70は、水密軸受け71で支持されている。
【0020】
図1において、水槽22に流入した前処理水17は、隔壁33で構成される流路34(図2)の内部を流動し、図2に示すように、隔壁35で水槽22の内部と隔離される流路36の内部に流入する。流路36は、前処理水の流動方向に、ほぼ流れと同じ速度で回転する永久磁石体31に近距離に配置された流路である。流路36に流れ込んだ前処理水の内、磁性フロック16の大部分はここで磁気吸引されて、水密保護筒体32の表面に捕捉され前処理水から磁気分離される。
【0021】
図2において、磁性フロック16の大部分が磁気分離された前処理水は、流路36の出口から水槽22の内部に排出される。ここで、前処理水は回転ドラム20の網21を外から内に通過し、この時、前処理水中に残存する磁性フロック16は網21の内面に捕捉され、網21を通過し磁性フロック16を分離された水は、浄化水となって、図1に示す開口部23から排出され、配管24を通り浄化水槽25に溜り、配管80を通じて系外に放流される。
【0022】
ここで、図2に示すように、前処理水17が網21を通過する動力は、前処理水17とドラム20内の浄化水との液面位差である。網21に到達しなかった磁性フロックは水槽22の底方向に沈降しようとするので、水槽内に設けた回転軸37(回転駆動部は記載しない)に取り付けた攪拌翼38で生じる攪拌流で網21の近くに移動させ、ろ過の水流にのせてろ過捕捉させる。図2において、反時計回りに回転する網21の外面にろ過されて付着した磁性フロック16は、堆積物となって液面上の大気部に露出する。
【0023】
図1において、浄化水槽25の内部の浄化水は、ポンプ26で加圧され、導管27からシャワー管28に送られる。図2に示すように、シャワー管28の孔からシャワー水が、網21の内表面から外面側に吹き付けられる。網21の外表面に蓄積した磁性フロック16は、シャワー水で剥がれ、網21の面は再生される。洗い流された磁性フロック16は、水槽22内の前処理水17の水面上に停留する。
【0024】
図2において、洗い落ちて水面近傍に停留する磁性フロック16の群は、すでに流路36中で磁気吸引により捕捉した磁性フロック16を捕捉したまま、時計回りに回転する永久磁石体31の磁場により磁石側に吸引されて移動し、永久磁石体31の外側を回転する保護筒32の外表面に捕捉され付着したのち、永久磁石体31の回転にともなって、大気中に露出する。大気中において、磁性フロック16の群中の余分な水分は重力により流下し、水槽22の内部に戻り、磁性フロック16の群は更に濃縮される。ここで、磁性フロックの含水率は、約97%程度まで低下する。保護筒32の面上の濃縮された磁性フロック16の群は、保護筒32の回転により移動する。
【0025】
したがって、本例の構造により、ろ過する浄化の前工程で大半の磁性フロックを磁気分離することにより、ろ過手段のろ過の負荷を大幅に低減できるので後段のろ過手段を大型化することなく大量の原水を浄化することができる。また、ろ過で除去した磁性フロックを洗浄水でろ過膜から剥離させ、磁石で磁気分離できるので、高速に磁性フロックを装置外に排除できる。その結果、装置を小型化できる。さらに、磁気分離する磁石を別々に設けることなく、同一磁石29(永久磁石体31)により、流路36内の磁性フロックと膜21の洗浄水中の磁性フロックを同時に磁気分離できるので、装置を小型化できるとともに、装置コストを低減できる。
【0026】
図2に示すように、磁性フロック16の群は、掻き取り用に水槽22に一部に支持された回転ブラシ37とへら38によって、保護筒32の面上から剥離され、スラッジ回収槽39に重力で落下し、スラッジとして分離捕集される。
【0027】
図1において、スラッジ回収槽39に排出されたスラッジは、配管40の通じて遠心分離機やベルトプレス等の脱水装置41に導入され、運搬時にスラッジから水が漏れないように含水率を約85%以下に、またコンポスト時の有機物を分解する微生物の活性化を図れる含水率を約75%に濃縮された高濃度スラッジは、配管42の通じてスラッジ槽地43に貯められる。スラッジはトラックで処分場や焼却場や堆肥処理場に運搬される。
脱水装置で脱水された処理汚水は、配管44を通じて処理汚水槽45に入り、配管47を通り、ポンプ46で加圧された後、配管48を通って原水槽1に戻り、再び前処理工程に導入される。
【0028】
図1において、センサー49は、原水の液面,濁度,温度,pHm値等を計測し、その情報を運転制御装置48に信号線50で送信する。運転制御装置48は、その情報を基に、良好な磁性フロックを生成するに最適な薬剤(pH調整剤、磁性粉、凝集剤)の添加量を、前もって入力した最適量算出プログラムで計算し、その制御情報を薬剤槽5に信号線51を経由して送信し、最適量を添加する。
【0029】
また、同時に、運転制御装置48は、攪拌モータの回転数を算出し、その制御情報をモータ8に信号線52を経由して送信し、最適回転数で攪拌翼9を回転させる。また、運転制御装置48は、攪拌槽での停留時間を算出し、信号線53を経由して送信し、攪拌槽での停留時間を確定するポンプ3の吐出量を制御する。
【0030】
また、運転制御装置48は、良好な磁性フロックを生成するに最適な薬剤(高分子ポリマー)の添加量を、前もって入力した最適量算出プログラムで計算し、その制御情報を薬剤槽11に信号線54を経由して送信し、最適量を添加する。
【0031】
また、同時に、運転制御装置48は、攪拌モータの回転数を算出し、その制御情報をモータ14に信号線55を経由して送信し、最適回転数で攪拌翼15を回転させる。
【0032】
一方、膜分離装置19では、水槽22の内部の前処理水17の液面をセンサー56で計測し、その情報を運転制御装置48に信号線57で送信する。運転制御装置48は、その情報を基に、前処理水の液面位置が、磁石29の設置位置のほぼ中央部、すなわち磁石29が発生する磁場の平均値が最大の位置に来るように、回転ドラム20の最適な回転数および磁性フロック16の群の回収速度の適正速度を、前もって入力した最適量算出プログラムで計算し、その制御信号を回転ドラムの回転モータ(図示せず)に信号線58を経由して送信し、また、信号線59を経由して回転磁石用モータ72(図3)に送信し、それぞれ最適の回転数に制御する。
【0033】
また、水槽22内の前処理水の液面が、網21の回転数の不足等により網21でのろ過量が流入量より低下した場合等に生じる、水槽22内の前処理水の液面が上昇した場合、水槽22内の前処理水側からスラッジ回収槽39内に前処理水が壁60を越えて越流しないように、越流水回収槽61を設け、越流水は配管62を通り、処理汚水槽45に入り、ポンプ46で加圧された後、配管47を通って原水槽1に戻る。
【0034】
本構造により、水槽22内の前処理水の液面が上昇し、図2に示す壁60を越えた前処理水17は、スラッジ槽39に流入せずに越流水回収槽61に流入する。したがって、スラッジ槽39に回収した高濃度のスラッジが前処理水の流入により水の含水率が上昇し、低濃度になりスラッジ体積が増加し、スラッジ処理コストの増加を防止する。
【0035】
以上説明したように、本実施形態により、流路36内で前処理水内の磁性フロック16の約90%は回転磁石29で磁気分離されるので、ろ過用の回転ドラム20がろ過する磁性フロックは約10%で済み、大幅に負荷が少なくて済み、回転ドラムの膜21の面積が少なくて済み、ろ過手段を小型化できる。また、ろ過で除去した磁性フロックを洗浄水でろ過膜から剥離させ磁石で磁気分離できるので、高速に磁性フロックを装置外に排除できる。その結果、装置を小型化できる。さらに、磁気分離する磁石を別々に設けることなく、同一の磁石29により、流路36内の磁性フロックと膜21洗浄水中の磁性フロックを同時に磁気分離できるので、装置を小型化できるとともに装置コストを低減できる。
次に、図4及び図5を用いて、本発明の他の実施形態による磁気分離ろ過浄化装置の構成について説明する。本実施形態による磁気分離ろ過浄化装置の全体構成は、図1に示したものと同様である。
図4は、本発明の他の実施形態による磁気分離ろ過浄化装置に用いる膜分離装置の拡大断面図である。図5は、図4のA−A断面図である。なお、図1〜図3と同一符号は、同一部分を示している。
【0036】
本実施形態が、図2および図3に示した実施形態と異なる点は、回転式磁石68の回転体67と保護筒69を分離し、回転体67を大気側から脱着できるようにした点にある。なお、回転式磁石68は、回転式磁石68と、回転体67に固定された永久磁石66とから構成される。
【0037】
保護筒69は、内側いっぱいに大きくしたものであり、モーター72により所定の方向に回転する。回転軸70は、水密軸受け71で、保護筒69は水密軸受け75で支持されている。回転式磁石68は、ボルト76等の締結手段で保護筒69に固定され、保護筒69と一体となって回転する。
【0038】
本構造により、運転中に現水中のたとえば微細鉄片ごみが磁気吸引されて保護筒69の外面に捕捉し、これが膜21に接触し、回転運転がされるような場合、回転式磁石68をボルト76を外して装置外に引き抜き、磁気力をなくして微細鉄片ごみを保護筒69の外面から離脱させることができる。また、回転式磁石68側に回転駆動系を設けないでも回転式磁石68にボルト等で一体化することにより回転機能を得られるので、別々に回転駆動手段を設ける場合に比べ、装置コストを低減できる。
【0039】
また、本実施形態では、流路36の内部の流速と回転式の磁石31の周速の速度差を無くすほうが、流路36内を水流とほぼ同じ速度で流動する磁性フロック16を磁気吸引する効率が向上する。流路36内の流速は、原水の流量によって変動する。したがって、図1に示した運転するポンプ3の運転条件もしくは流量計(図示せず)から流量を運転制御装置48で求め、流路36の寸法から算出された断面積を基に平均流速を求め、回転式磁石29の保護筒32の外径寸法から前記平均流速とほぼ一致する周速を得られる回転数を算出し、信号線59を通じてモータ72を回転数制御することにより、前記速度差を無くすことができ、磁性フロック16を磁気吸引する効率が向上する。したがって、ろ過する浄化の前工程で磁性フロックの磁気分離効率を向上させることにより、ろ過手段のろ過の負荷をさらに低減できるので、後段のろ過手段をさらに小型化できる。
【0040】
また以上では、磁場発生手段として永久磁石を使用した場合を示したが、常電導電磁石や冷凍機等で冷却した超電導電磁石を使用しても、同様な効果が生じる。
【0041】
なお、以上の実施形態では、網21をドラム状に形成した場合について説明したが、網21をディスク状に構成して、このディスクを縦方向に複数枚配置して装置を構成した場合でも同様な効果が生じる。
【0042】
なお、以上の実施形態では、非磁性の材料で製作した回転体30をドラム状に作成し、その円周上に永久磁石31を接着剤等で固定し、その周りを保護筒32で覆われた構造としているが、回転体30をディスク状にして、その円周面上及び両側面上に複数の永久磁石を接着剤等で固定し、その周りを保護筒32の代わりに蓋状の保護体で覆われた構造とし、これを所定の間隔で複数枚積層してディスク群体として車輪群のように構成して流路36に配置し、磁性フロック16を回転するディスク群体の円周上及び両側面面上に固定した永久磁石群の磁気力で捕捉し、ディスク群体の円周上及び両側面面上の保護体に沿って配置された所定のへらで捕捉されたスラッジを掻き取る様に構成した場合でも同様の効果が生じる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の一実施形態による磁気分離ろ過浄化装置の全体構成を示すシステム構成図である。
【図2】本発明の一実施形態による磁気分離ろ過浄化装置に用いる膜分離装置の拡大断面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態による磁気分離ろ過浄化装置に用いる膜分離装置の拡大断面図である。
【図5】図4のA−A断面図である。
【符号の説明】
【0044】
16…磁性フロック
17…前処理水
20…回転ドラム
21…網
22…水槽
29…磁石
30…回転体
31…磁石
32…保護筒
36…流路
37…回転ブラシ
38…へら
48…運転制御装置
68…回転式磁石
69…保護筒
76…ボルト
72…モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性物質,あるいは非磁性の被除去物と磁性体とを凝集させた磁性物質,または化学反応により生じさせた磁性物質を含む処理流体から磁性物質を吸引する第一磁場発生手段と、
前記第一磁場発生手段の表面に設けられ、前記第一磁場発生手段から汚泥を回収する第一汚泥回収手段と、
前記第一磁場発生手段により磁性物質の吸引された前記処理流体をろ過するろ過手段と、
前記ろ過手段でろ過された磁性物質を磁気吸引する第二磁場発生手段と、
前記第ニ磁場発生手段の表面に設けられ、前記第二磁場発生手段から汚泥を回収する第二汚泥回収手段と、
前記第一磁場発生手段を回転させる第一磁場回転手段と、
前記第二磁場発生手段を回転させる第二磁場回転手段とを備えることを特徴とする磁気分離ろ過浄化装置。
【請求項2】
請求項1に記載の磁気分離ろ過浄化装置において、
前記第一磁場発生手段と第一磁場回転手段および第二磁場発生手段と第二磁場回転手段は、同一の磁場発生手段と磁場回転手段により構成され、
また第一および第二汚泥回収手段は、同一の汚泥回収手段により構成され、
前記第一磁場回転手段および第二磁場回転手段は、同一の磁場回転手段により構成されることを特徴とする磁気分離ろ過浄化装置。
【請求項3】
請求項2記載の磁気分離ろ過浄化装置において、
前記磁場発生手段は、複数の永久磁石と、これらの永久磁石を固定する回転体と、前記複数の永久磁石を水密保護する保護筒で構成され、
前記回転体は、前記保護筒に締結手段で固定されることを特徴とする磁気分離ろ過浄化装置。
【請求項4】
請求項1記載の磁気分離ろ過浄化装置において、
前記磁性物質を含む被処理流体の流動速度に合わせて、前記第一磁場発生手段を回転させる第一磁場回転手段の回転速度を制御する制御手段を備えることを特徴とする磁気分離ろ過浄化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−238056(P2008−238056A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−82323(P2007−82323)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】