説明

磁気検出器構成及び対称磁界を得るための方法

本発明は、2つの等しく分極された磁石(4、5)であって、同一方向の極性を有して互いに隣り合わせて位置付けられた2つの磁石、及び磁気検知素子(18)を有する磁気検出器構成において、磁石(4、5)を、磁石(4、5)からの磁界が重なり合うようにする所定距離の間隔をおいて配置することを特徴とする磁気検出器構成に関する。本発明の利点は、永久磁石の磁界のずれに対して改善された裕度を備えた磁気検出器構成を提供することである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に従った磁気検出器構成、及び請求項10に従った、磁気検出器構成に適する、対称磁界を得るための方法に関する。この磁気検出器構成により、改良型の磁気スイッチ及びセンサが可能になる。
【背景技術】
【0002】
最近の車両には、電子的に制御される多くの機能がある。これらの機能の一部はオン/オフ式であり、また一部は幾つかの位置に切り換えられることができ、また一部はアナログ式である。直結されたスイッチ及びセンサがほとんどの機能を制御するが、一部の機能は無接点式動作を必要とする。無接点式動作が好ましい機能の一例は、たとえばABSセンサ(ABS=自動ブレーキシステム)、天候、汚染及び直接的摩擦にさらされるシャーシ高さ検出又はスイッチである。一種類の無接点式スイッチ及びセンサは、磁気原理に基づく。異なったタイプの磁気検出器、たとえばリード接点、ホールセンサ及び他の種類の一体型磁気検出器が存在する。検出器に影響を与えるために、磁界が使用される。したがって、検出器及び磁石がスイッチ又はセンサを形成する。
【0003】
高い分解能を有し、同時に外部磁界に鈍感であるスイッチ又はセンサを得るために、磁石及び検出器を互いに近接させて位置付けることが望ましい。このように、低感度の検出器を使用して、外部磁界に鈍感であるスイッチ又はセンサを得ることが可能である。
【0004】
磁気スイッチ及びセンサに伴う1つの問題は、検出距離の増加に伴って、検出器の感度を高めなければならないことである。一部の用例、特に磁気スイッチでは、より強い磁界を有するより大型の、又はより強力な磁石で距離の増加に打ち勝つことが可能であろう。
【0005】
感度が非常に高い検出器に伴う問題は、それが外部の妨害磁界によってより容易に乱されることである。これは、たとえばセンサが大電流ケーブル又は大型変圧器に近いときに発生する可能性がある。したがって、検出器の感度を過度に高めないことが好ましい。
【0006】
より大型の磁石を使用することによって磁界を増大させるときに生じる問題は、磁界がより強くなるだけでなく、それが空間的になおいっそう分散することである。これは、アナログ式検出器を使用するとき、不正確な磁界のために分解能が低下するという結果をもたらす。
【0007】
永久磁石の性質及び製造処理のために、それらが同一バッチで同時に製造された場合でも、磁石の磁性が相当に変化する可能性がある。変化する磁性は、たとえば残留磁気及び磁界の方向である。これらの変化する磁性により、磁気スイッチ及びセンサが、仕様が同一である場合でも、異なった挙動をする可能性がある。製造の際に、このことは調整及び不良品に関して相当に問題になるであろう。
【発明の開示】
【0008】
したがって、本発明の目的は、永久磁石の磁性の変化に対する感度を抑えた改良型磁気検出器構成、及び対称磁界を得るための方法を達成することである。
【0009】
この問題に対する本発明による解決策が、磁気検出器構成に関して請求項1、及び方法について請求項10に記載されている。その他の請求項は、本発明による磁気検出器構成の有利な実施形態及びさらなる発展を含む。
【0010】
2つの等しく分極された磁石であって、同一方向の極性を有して互いに隣り合わせて位置付けられた2つの磁石、及び磁気検知素子を有する磁気検出器構成において、本発明の目的は、磁石を、磁石からの磁界が重なり合うようにする所定距離の間隔をおいて配置することによって達成される。
【0011】
2つの磁石を有する磁気構成から磁気検出器構成内に対称磁界を得るための方法では、各磁石が対称軸に関して磁界の方向のずれを示す場合、そのずれが磁石間の中心線に関して対称的であるように磁石を位置付けることによって、その問題が解決される。
【0012】
本発明による磁気検出器構成のこの第1実施形態により、可能な限り広く、かつ磁石間の中心線に関してほぼ等しい磁界が複数の磁石によって形成される磁気検出器が得られる。複数の磁石を使用し、かつ磁石を所定の距離の間隔をおいて配置することにより、磁界を広げ、また同時に磁界強度を幅全体でほぼ等しく保つことが可能である。単一磁石の場合と比べて、磁界が広がって、平坦化している。したがって、検出器の性能が改善されて、永久磁石の磁性のずれに対する裕度が高まる。これにより、改善された分解能及び/又は外部磁界に対する改善された抵抗力を有する磁気センサが可能になる。
【0013】
本発明による構成の有利なさらなる発展では、磁石は、磁界が磁石間の中心線に関して対称的であるように配置される。この利点は、検出器の性能がさらに向上することである。
【0014】
本発明による構成の有利なさらなる発展では、磁石間の空間及び/又は磁石間の空間と反対側に強磁性材料が供給される。これにより、磁界を制御することによって磁気検出器を所望の要件に適応させることが可能である。
【0015】
2つの磁石を有する磁気構成から対称磁界を得るための方法の第1実施形態によれば、一方の磁石のずれが他方の磁石のずれを補償するように、磁石が位置付けられる。したがって、改善された磁界が得られる。
【0016】
本発明による方法の有利なさらなる発展では、単一の磁石が2つの磁石に分割される。この利点は、結果的に生じた2つの磁石の磁性が同一になることである。これにより、各磁石を測定する必要なく、2つの磁石から対称磁界を得ることが可能である。
【0017】
本発明による方法の有利なさらなる発展では、磁石間の距離が、臨界距離dである。これにより、等しい磁気密度を有する広い磁界が可能になる。
【0018】
本発明による方法の有利なさらなる発展では、磁石間の距離がゼロに近いか、ゼロに等しい。この利点は、単一磁石に似ており、磁界の方向が対称軸に平行である磁気構成を提供することである。
【0019】
次に、添付の図面に示されている実施形態を参照しながら、本発明をさらに詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に記載するさらなる発展を備える本発明の実施形態は、単に例示と見なされるべきであり、決して特許請求の範囲によって与えられる保護の範囲を制限するものではない。
【0021】
図1(a)は、既知の永久磁石1を示す。図1(b)は、磁石の中心を通る平面2に沿った磁石1の断面図であり、幾つかの概略的な磁力線が一点短鎖線で示されている。図示の磁石は矩形であって、対称的に分極されて、Nで表されたN極とSで表されたS極とを有する。磁石は任意の適当な材料から形成されることができる。
【0022】
以下に、磁気構成を断面として説明かつ図示するとき、それは、やはり一点短鎖線で示された概略的な磁力線を有する磁気構成の説明に使用される、磁気構成の中心を通る同様の断面である。また、磁界はその対称軸7に沿って対称的であり、中心線が磁石の中央をNからSまで延びていると仮定する。
【0023】
図2(a)には、2つの永久磁石4、5を有する磁気構成3が示されている。好ましくは、磁石はほぼ同一の磁性を有する。磁石が同一材料から形成され、かつ同一の幾何学的外形を有する場合、好都合であるが、多少のずれは容認できる。当業者であれば理解できるように、永久磁石の磁性についての「等しい」又は「同一」という用語は、永久磁石の性質及び製造処理によって「可能な限り近い」又は「ほぼ同一である」という意味を有するであろう。
【0024】
磁石4、5は、等しく分極され、また、図2(a)からわかるように、それらの対称軸7を平行にし、かつ極性を同一方向にして、対称的に互いに隣り合わせて位置付けられている。磁石間の距離をDで表わす。このように位置付けられると、磁石は互いに反発し、より具体的には、磁石4のN極が磁石5のN極に反発し、磁石4のS極が磁石5のS極に反発するであろう。磁石は互いに対して固定されているので、磁石間の磁力は磁石を移動させることができない。代わりに、磁石からの磁界が、図2(b)に中心線6として示されている、磁石の間の平面に関して対称的に変形するであろう。
【0025】
本例では、矩形の磁石が使用されている。磁石の寸法は、たとえば所望の磁界強度によって決まる。所望の磁界に応じて、他の幾何学的形状も可能である。たとえば、1つの側部がその他の側部よりはるかに長いバー、又は円形リング磁石も使用することができる。磁石が互いに反発し、好ましくはN極及びS極が互いに横に隣り合って位置付けられるように、磁石を位置付けることが重要である。互いに最も近い側部は、好ましくは平坦である。
【0026】
図2(b)では、磁力線が幾分変形している。磁石間の距離Dを減少させると、磁石は互いに反発して、N極及びS極で外側磁界が増大する、すなわち、磁束密度が増加する。磁石についての磁束密度Bと距離Dとの間の大まかな関係が、図3(a)〜図3cに示されている。図3(a)は、磁石が互いに影響しない距離にある2つの磁石についての磁束密度Bを示す。
【0027】
一定の距離では、磁束密度Bが重なり合い、それにより、磁石の対称軸7間で磁界がほぼ等しいであろう。この距離では、磁界が可能な限り広く、密度が等しい。この距離は、臨界距離dを指す。距離Dがさらに減少すると、磁束密度Bが重なり合い続け、磁石が接触したとき、磁界は、結合した2つの磁石の寸法を有する単一磁石のものに等しいであろう。
【0028】
図3(b)は、磁界がほぼ等しく、可能な限り広い臨界距離dにある2つの磁石についての磁束密度Bを示す。図3(b)から生じる磁界を図3(c)に見ることができる。
【0029】
臨界距離dは、磁石のさまざまな磁性によって決まる。臨界距離dは、磁石と比べて短い。一例として、寸法が12・6・4mmである2つのセラミックタイプの磁石の場合の臨界距離dは、約0.9mmであることができる。臨界距離dを得るための最も簡単な方法は、経験的測定による。
【0030】
線6に沿った磁束密度の外観、すなわち、磁束密度の尖り方は、距離Dを調節することによって幾分変更することができる。臨界距離dでは、磁束密度はできる限り平坦かつ幅が広い。場合によっては、幾分より広く、かつ平坦でない磁束密度を有することが望ましいであろう。この場合、磁石間の距離が幾分伸びる。2つの磁石間の距離の好適な値は、臨界距離dの50%〜150%である。そのような距離は、容認可能な磁束密度分布を与える。
【0031】
図7及び図8は、円形リング磁石を有する磁気構成を示す。図7(a)では、一方のリング磁石が他方の内側に、好ましくは臨界距離dをおいて位置付けられている。図7(b)は、線15に沿った断面に生じる磁界を概略的に示す。図8(a)では、2つのリング磁石が、好ましくは臨界距離dをおいて互いに隣り合って位置付けられている。図8(b)は、線16に沿った断面に生じる磁界を概略的に示す。
【0032】
このうまく画定された磁界は、多くの用途に使用されることができ、そのうちの幾つかを以下に説明する。好ましくは、磁気構成は、さまざまな無接点式検出器用に使用される。
【0033】
以上に示したような磁気構成3を改善する1つの方法は、磁極片を使用することである。図4(a)は、2つの磁石4、5と2つの磁極片9、10とを有する磁気構成12を示す。好ましくは、磁石はほぼ同一の磁性を有する。磁石が同一材料から形成され、かつ同一の幾何学的外形を有していれば有利であるが、多少のずれは容認できる。結果的に得られる効果は、磁界の正規化である。
【0034】
磁極片は、強磁性材料で形成され、磁石の側部に位置付けられる。磁極片は、空気の代わりに磁極片を介して磁界を集めて導くであろう。これにより、磁界が磁極片内に集中することから、磁束密度が変化する。したがって、磁極片内に埋め込まれた高い磁束密度が得られる。磁極片の寸法は、それを配置する磁石に対応し、磁極片の厚さは、磁極片内に飽和が起きないように設定される。
【0035】
磁極片9、10は、磁石の外側に位置付けられる、すなわち、図4(a)からわかるように、磁極片9は磁石4の右側に密接しており、磁極片10は磁石5の左側に密接している。磁極片の厚さは、磁極片内に飽和が起きないように選択される。
【0036】
結果的に得られる構成12の概略図が、図4(b)に示されている。図3(b)の構成3と比較すると、この構成の外側の周囲の磁束密度が、構成のより近くに集中している。磁石間に得られた空間内分散磁界と組み合わされて、磁石の外側でのこの磁束密度集中は、磁石の磁界からの妨害影響の減少も助ける。磁石の2つの外側からの磁界は磁極片内に埋め込まれ、かつ対称的であるので、結果的に得られる磁界は、幾何学的に非常に安定している。
【0037】
別の磁気構成13が図5(a)に示されており、この場合、磁気構成13は2つの磁石4、5と1つの磁極片11とを有する。好ましくは、磁石はほぼ同一の磁性を有する。磁石が同一材料から形成され、かつ同一の幾何学的外形を有していれば有利であるが、多少のずれは容認できる。
【0038】
磁極片11は、2つの磁石4、5の間に積層されている、すなわち、それらと接触している。磁極片の厚さは、磁極片内に飽和が起きないように選択される。
【0039】
磁極片11は、空気の代わりに磁極片を介して磁界を集めて導くであろう。これにより、磁界がより集中することから、中心線6の周囲の磁界が変化する。したがって、磁極片内に埋め込まれた高い磁束密度が得られる。このタイプの磁気構成は、たとえば、軟磁性コアを飽和させようとするコイルを有する線形変位センサと組み合わせて使用されることができる。コアの飽和領域がコイルに影響を及ぼし、それにより、飽和領域の位置を、したがって、たとえば油圧シリンダ内のピストンヘッドの位置を検出することができる。
【0040】
別の磁気構成14が図6(a)に示され、この場合、磁気構成14は2つの磁石4、5と3つの磁極片9、10及び11とを有する。好ましくは、磁石はほぼ同一の磁性を有する。磁石が同一材料から形成され、かつ同一の幾何学的外形を有していれば有利であるが、多少のずれは容認できる。
【0041】
磁極片9及び10は、磁石の外側に配置される、すなわち、磁極片9は磁石4の右側に密接しており、磁極片10は磁石5の左側に密接している。磁極片9、10の厚さは、磁極片内に飽和が起きないように選択される。磁極片11は、2つの磁石4、5の間に積層されている、すなわち、それらと接触している。磁極片11の厚さは、磁極片内に飽和が起きないように選択される。この実施形態では、より等しく分布する高い分散磁束密度が得られる。
【0042】
うまく画定された磁界を得るために磁気構成を使用する異なった方法を以上に説明した。これらの磁気構成は好ましくは、磁気検出器及び磁気スイッチに使用される。
【0043】
しかしながら、上記磁気構成では、磁石の磁界がその対称軸7に沿って対称的であり、中心線が磁石の中心をNからSまで通っていると仮定している。しかしながら、これは、永久磁石の通常の製造ではまれである。むしろ、磁束の方向は、対称軸7に関して一定角度でずれている。このずれは、通常は比較的小さく、10度までの範囲内にあるが、30度の大きさもあり得る。このずれは結果として、そのような磁石を使用している磁気スイッチ又は磁気センサの機能に影響を与える。上記の磁気構成は、このずれを部分的に補償することができる。
【0044】
そのような磁気構成をさらに改善するために、磁界方向のずれをさらに補償することができる。これは、一方の磁石のずれが他方の磁石のずれを補償するように磁石を配置することによって行われる。一例では、磁石に20度のずれがある。一方の磁石の磁界が、たとえば図2(b)の中心線から離れる向きで一方向に20度ずれ、他方の磁石の磁界が、この場合もやはり図2(b)の中心線から離れる向きで反対方向に20度ずれるように磁石を配置することにより、結果的に得られる磁界は、中心線6、すなわち磁気構成の中心に関して対称的であろう。磁石のずれが中心線に向かう方向であるように磁石を配置することによっても、対称的な磁界が生じるであろう。臨界距離dは、磁石の磁界ずれに応じてわずかに変化するであろう。
【0045】
1つの磁石について磁界のずれを、特に製造工場において検出することは困難であるので、対称磁界を得る1つの方法は、2つの所望の磁石分の寸法を有する1つの磁石で始めることである。その磁石をN−S方向の中心に沿って分割し、これによって得られた磁石の一方を対称軸を中心にして180度回転させることにより、このように得られた磁気構成から生じる磁界は、単一の出発磁石の磁界のずれに関係なく、常に対称的であろう。磁石の切断は当業者には周知であり、ここではさらなる説明を行わない。
【0046】
同一方法を使用して、単一の磁石に似ているが、磁界の方向が対称軸に常に平行である磁気構成を生じることも可能である。これは上記のように行われるが、分割後に磁石を合わせて位置付ける、すなわち、臨界距離がゼロに近い、又はゼロに等しいという点で異なる。出発磁石の磁界のずれに関係なく、このように得られた磁界は常に対称的であろう。
【0047】
本発明の磁気センサ17の第1実施形態では、センサは、2つの磁石4、5と、磁気的に敏感な線形センサ素子18とを有する。この線形センサ素子は、アナログ式、又は多数の個別ステップを備えることができる。センサ素子は好ましくは、線形コイル19と、飽和させるべき少なくとも1つの軟磁性コア20とを有するが、一体型磁気検出器を使用することもできる。これらの線形磁気センサは当業者には周知であり、ここではさらなる説明を行わない。磁気センサの一例が、図9に示されている。この例では、センサが油圧シリンダ(図示せず)内に組み込まれて、ピストンヘッドの位置を表示するために使用されている。シリンダ内が高圧であるため、電気ケーブルをピストンに対して出入りさせないことが有利である。したがって、2つの磁石を有する上記のような磁気構成が、ピストンヘッド内に組み込まれる。磁石は、図8に示されているような円形のリングの形状の外形を有し、外側にN極を、内側にS極を有する。2つの磁石は、臨界距離dの間隔をおいて隣り合わせて位置付けられる。
【0048】
油圧シリンダの外側に、線形検出器が配置される。磁気構成の磁界がコアに影響を与え、コイルを既知のように使用することにより、この影響を検出することができる。磁気構成からの磁界はうまく画定されているので、高い分解能を得ることができる。検出器は、ピストンヘッドの位置に比例した信号を出力し、それにより、ピストンヘッドの位置を検出することができる。油圧シリンダは、たとえばトラックの可動後車軸用に使用されて、ピストンヘッドの位置を、したがってハンドルをきった車輪角度を表すことができる。
【0049】
ピストンヘッドは、シリンダ内部で回転方向に固定されていないので、円形磁石が使用される。ピストンヘッドの回転が既知である、又は固定されている油圧シリンダでは、ピストンヘッドの外周全体を覆うことはない磁気構成を使用することも可能である。
【0050】
本発明の磁気検出器のさらなる実施形態では、たとえば異なった幾何学的形状及び異なったタイプのセンサ素子を有する磁気構成の異なった組み合わせを使用することができる。本発明の磁気検出器は、あらゆるタイプの線形及び回転測定に有用である。
【0051】
本発明は、上記実施形態に制限されないと見なされるべきであり、添付の特許請求範囲内において多数の追加的変更及び修正が可能である。磁気構成は、たとえば他のタイプの検出器又はスイッチに使用されることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】(a)は既知の磁石を示し、(b)は既知の磁石の断面を磁力線とともに示す。
【図2】(a)は本発明に含まれる磁気構成を示し、(b)は(a)に従った磁気構成の断面を磁力線とともに示す。
【図3】(a)〜(c)は磁石における磁束密度Bと距離Dとの間の概略的な関係を示す。
【図4】(a)は本発明に含まれる磁気構成の一実施形態を示し、(b)は(a)に従った実施形態の断面を磁力線とともに示す。
【図5】(a)は本発明に含まれる磁気構成の一実施形態を示し、(b)は(a)に従った実施形態の断面を磁力線とともに示す。
【図6】(a)は本発明に含まれる磁気構成の一実施形態を示し、(b)は(a)に従った実施形態の断面を磁力線とともに示す。
【図7】(a)は本発明に含まれる磁気構成の一実施形態を示し、(b)は(a)に従った実施形態の断面を磁力線とともに示す。
【図8】(a)は本発明に含まれる磁気構成の一実施形態を示し、(b)は(a)に従った実施形態の断面を磁力線とともに示す。
【図9】本発明に従った磁気センサを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの等しく分極された磁石(4、5)であって、同一方向の極性を有して互いに隣り合わせて位置付けられた2つの磁石(4、5)、及び磁気検知素子(18)を有する磁気検出器構成であって、
磁石(4、5)を、磁石(4、5)からの磁界が重なり合うようにする所定距離の間隔をおいて配置することを特徴とする、磁気検出器構成。
【請求項2】
所定距離は、臨界距離dであることを特徴とする、請求項1に記載の磁気検出器構成。
【請求項3】
所定距離は、ゼロに近いことを特徴とする、請求項1に記載の磁気検出器構成。
【請求項4】
磁石は、磁界が磁石間の中心線(6)に関して対称的であるように配置されることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の磁気検出器構成。
【請求項5】
磁石間の空間は、非磁性材料で満たされることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の磁気検出器構成。
【請求項6】
磁石間の空間は、強磁性材料で満たされることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の磁気検出器構成。
【請求項7】
磁石は、磁石間の空間と反対側に強磁性材料を供給されることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の磁気検出器構成。
【請求項8】
磁気検知素子(18)は、磁気的に敏感なアナログ素子であることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれかに記載の磁気検出器構成。
【請求項9】
磁気検知素子(18)は、コイル(19)及び少なくとも1つのコア(20)を有する磁気的に敏感な線形素子であることを特徴とする、請求項8に記載の磁気検出器構成。
【請求項10】
2つの磁石を有する磁気構成から磁気検出器構成内に対称磁界を得るための方法であって、
各磁石が対称軸(7)に関して磁界の方向のずれを示す場合、そのずれが磁石間の中心線に関して対称的であるように、磁石を位置付けるステップを含む、方法。
【請求項11】
単一の磁石を対称軸(7)に平行な線に沿って分割して2つの等しい部分にすることにより、2つの磁石を得るとともに、一方の磁石をその対称軸(7)を中心にして180度回転させるようにした、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
所定距離は、臨界距離dである、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
所定距離は、ゼロに近い、請求項10乃至12のいずれかに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−538401(P2007−538401A)
【公表日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−527124(P2007−527124)
【出願日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【国際出願番号】PCT/SE2005/000745
【国際公開番号】WO2005/112054
【国際公開日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(500277711)ボルボ ラストバグナー アーベー (163)
【Fターム(参考)】