説明

磁気記録媒体

【課題】垂直磁気記録媒体の磁気記録層に注入するイオンの垂直方向の濃度分布を、イオンを注入する層に応じた適切なものにすることで、書き込み特性および読み出し特性を向上させる。
【解決手段】垂直磁気記録媒体100の製造方法は、ディスク基体110上に、磁気記録層122を成膜する磁気記録層成膜工程と、磁気記録層の上にレジスト層130を成膜するレジスト層成膜工程と、レジスト層を加工することで当該レジスト層の厚みを部分的に変化させ凹部と凸部を有する所定のパターンを形成するパターニング工程と、レジスト層を介在させた状態で磁気記録層を含む複数の層にイオンを注入するイオン注入工程と、を含み、イオン注入工程において、イオンを注入するエネルギー量を調節してイオンを注入する層を決定し、そのエネルギー量を保持する時間を調節して各層へ注入されるイオンの総量を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、HDD(ハードディスクドライブ)などに搭載される磁気記録媒体の製造方法および磁気記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の情報処理の大容量化に伴い、各種の情報記録技術が開発されている。特に磁気記録技術を用いたHDDの面記録密度は年率100%程度の割合で増加し続けている。最近では、HDD等に用いられる2.5インチ径磁気ディスクにして、1枚あたり200GByteを超える情報記録容量が求められるようになってきており、このような要請にこたえるためには1平方インチあたり400GBitを超える情報記録密度を実現することが求められる。
【0003】
HDD等に用いられる磁気ディスクにおいて高記録密度を達成するために、近年、垂直磁気記録方式の磁気ディスク(垂直磁気記録ディスク)が提案されている。従来の面内磁気記録方式は磁気記録層の磁化容易軸が基体面の平面方向に配向されていたが、垂直磁気記録方式は磁化容易軸が基体面に対して垂直方向に配向するよう調整されている。垂直磁気記録方式は面内記録方式に比べて、高密度記録時に、より熱揺らぎ現象を抑制することができるので、高記録密度化に対して好適である。
【0004】
さらに記録密度および熱揺らぎ耐性を向上させた技術として、記録用の磁性トラックの間に非磁性トラックを平行させるようにパターニングして隣接した記録トラックの干渉を防ぐディスクリートトラックメディアや、任意のパターンを人工的に規則正しく並べたビットパターンメディアと呼ばれる磁気記録媒体が提案されている。
【0005】
上述したディスクリートトラックメディアやビットパターンメディアといったパターンドメディアは、非磁性基体の上に磁気記録層を形成した後、部分的にイオンを注入し、イオンを注入された部分の磁気記録層を非磁性化もしくは非晶質化することにより、かかる部分の磁気記録層を非記録部とし、非記録部により磁気的に分離した磁性記録部とすることで、磁性記録部と非記録部とからなる磁性パターンを形成する技術や、非磁性基体の上に磁気記録層を形成した後、部分的に当該磁気記録層をミリングすることにより凹凸を形成し、物理的に磁気記録層を分離させ、かかる磁性パターンを形成する技術が提案されている。
【0006】
具体的には、まず、磁気記録層の上にレジストを成膜し所望する凹凸パターンが形成されたスタンパをインプリントしてレジストに凹凸パターンを転写したり、磁気記録層の上にフォトレジストを成膜しフォトリソグラフィ技術により所望する凹凸パターンをフォトレジストに形成したりする。そして、形成された凹部を介して、磁気記録層にイオンを注入したり、凹部の表面に露出した磁気記録層をエッチングによってミリングしたりすることにより、磁気記録層を分離する。
【0007】
上述したパターンドメディアにおいては、ミリングによって物理的に磁気記録層に凹凸を形成した場合には、レジストの除去を行い、凹部に非磁性物質を充填した後に、平滑化を行っている。一方、イオン注入によってパターンを形成した場合には、レジストの除去を行うのみで平滑化が達成される。したがって、パターンドメディアの製造方法において、工程が少なく、基体表面の平滑度の高いイオン注入によるパターニングが注目を集めている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−77788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した特許文献1に記載されたイオン注入による磁気記録層のパターン化では、磁気記録層の磁性の領域(磁性記録部)を磁気的に分離するガードバンド領域(非記録部)には、所望の量のイオンが注入されるが、垂直方向(深さ方向)におけるイオンの濃度分布は、一様とならない。ガードバンド領域の、ある深さにおいてイオン濃度は最も高く、その深さから垂直方向に離れるに従って、イオン濃度は徐々に低下するという偏りが生じると考えられる。
【0010】
垂直方向のイオン濃度分布に、かかる偏りが生じていると、SNR(Signal to Noise Ratio)は良いものの、磁性の領域(磁性記録部)へのデータの書き込みが困難になり、その結果読み出し特性も悪くなる。
【0011】
本発明は、このような問題に鑑み、垂直磁気記録媒体の磁気記録層に注入するイオンの垂直方向の濃度分布を、イオンを注入する層に応じた適切な濃度分布にすることで、良好なSNRを維持しつつ、磁性記録部への書き込み特性および読み出し特性(リードライト:Read Write特性)を向上させることが可能な磁気記録媒体の製造方法および磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明にかかる磁気記録媒体の製造方法の代表的な構成は、基体上に、磁気記録層を成膜する磁気記録層成膜工程と、磁気記録層の上にレジスト層を成膜するレジスト層成膜工程と、レジスト層を加工することでレジスト層の厚みを部分的に変化させ凹部と凸部を有する所定のパターンを形成するパターニング工程と、レジスト層を介在させた状態で磁気記録層を含む複数の層にイオンを注入するイオン注入工程と、を含み、イオン注入工程において、イオンを注入するエネルギー量を調節してイオンを注入する層を決定し、そのエネルギー量を保持する時間を調節して各層へ注入されるイオンの総量を決定することを特徴とする。
【0013】
上記の構成によれば、磁気記録層のうち、所望の層に、所望のイオン注入量(ドーズ量)を注入することができる。例えば磁気記録層が第1磁気記録層と、第1記録層の上に成膜され、第1磁気記録層より酸化物を多く含有する、主記録層たる第2磁気記録層とを含む場合を考える。この場合、第1磁気記録層より第2磁気記録層のほうがドーズ量(エネルギー保持時間)は少なくてよい。第2磁気記録層のほうが酸化物を多く含有するため、グラニュラーが細く、短時間に少量のイオンを注入しても、容易に磁気的な分離を達成できるからである。
【0014】
上記のレジスト層成膜工程の前に、磁気記録層の上下いずれかに隣接し面方向に磁気的に連続した薄膜からなる連続層を成膜する連続層成膜工程をさらに含み、上記のイオン注入工程では、イオンを注入するエネルギー量およびエネルギー量を保持する時間を調節して、連続層にもイオンを注入してよい。
【0015】
上記の構成によれば、エネルギー量を増減することによって、連続層が磁気記録層の上下いずれに成膜される場合であっても、連続層へイオンを注入可能である。これにより、主として磁気記録層によって調整される保磁力Hcと、主として連続層によって調整される逆磁区核形成磁界Hnとを、個別に調節することが可能となる。その結果、良好なSNRを維持しつつ、磁性記録部への書き込み特性および読み出し特性を向上させることができる。
【0016】
上記のイオン注入工程において、B、P、Si、F、C、In、Bi、Kr、Ar、Xe、W、As、Ge、Mo、Sn、N、Oからなる群から選択された1または複数のイオンを注入してよい。
【0017】
上記のイオン注入工程において、イオンを注入するエネルギー量は1〜50keVとしてよい。イオンを注入するエネルギー量が1keV未満であると、磁気記録層における磁性記録部を磁気的に分離することができず、パターンドメディアとして構成することができない。50keV以上であると、磁気記録層の非磁性化や非晶質化が促進されすぎてしまい、リードライト特性が低下したり、磁性記録部まで非磁性化されてしまったりする。
【0018】
上記のイオン注入工程において、注入されるイオンの総量は、1.0×1015〜1.0×1017atom/cmであってよい。
【0019】
上記の磁気記録層には、Fe、Pt、Ru、Co、Cr、Pdからなる群から選択された1または複数の元素を含んでよい。
【0020】
上記の磁気記録層は、柱状に成長した結晶粒子の間に非磁性物質からなる粒界部を形成したグラニュラー構造の強磁性層であってよい。特に磁気記録層がディスクリートトラックメディアである場合には、磁気記録層がグラニュラー構造であると、SNRが向上する。
【0021】
上記の磁気記録層は、イオン注入工程にてイオンを注入されると、レジスト層の凸部の下の記録領域としての磁性記録部と、レジスト層の凹部の下の非記録部とになり、磁気記録媒体は、磁性記録部を主表面に点在させたビットパターンドメディアとしてよい。
【0022】
上記の磁気記録層は、イオン注入工程にてイオンを注入されると、レジスト層の凸部の下の記録領域としての磁性記録部と、レジスト層の凹部の下の非記録部とになり、磁気記録媒体は、線状に形成した磁性記録部と非記録部とを半径方向に交互に配置したディスクリートトラックメディアとしてもよい。これにより、当該磁気記録媒体の熱揺らぎ耐性を向上し、高記録密度化を促進することが可能となる。
【0023】
上記のイオン注入工程において、イオンを注入するエネルギー量は、高い値から低い値へ次第に小さくなるよう調節して、深い層から次第に浅い層へ順番にイオンを注入してよい。
【0024】
上記のイオン注入工程において、イオンを注入するエネルギー量は、低い値から高い値へ次第に大きくなるよう調節して、浅い層から次第に深い層へ順番にイオンを注入してもよい。
【0025】
上記課題を解決するために、本発明にかかる磁気記録媒体の代表的な構成は、上記のいずれかの磁気記録媒体の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
以上のように、磁気記録層に注入するイオンの垂直方向の濃度分布を、イオンを注入する層に応じた適切な濃度分布にし、保磁力Hcと、逆磁区核形成磁界Hnとを、個別に調節することで、良好なSNRを維持しつつ、磁性記録部への書き込み特性および読み出し特性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の構成を説明する図である。
【図2】本実施形態にかかる磁気トラックパターン形成工程について説明するための説明図である。
【図3】本実施例において行われるイオン注入の条件を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0029】
(実施形態)
本発明にかかる磁気記録媒体の製造方法の実施形態について説明する。図1は本実施形態にかかる磁気記録媒体としてのビットパターン型垂直磁気記録媒体100(以下、単に垂直磁気記録媒体100と称する。)の構成を説明する図である。図1に示す垂直磁気記録媒体100は、基体としてのディスク基体110、付着層112、第1軟磁性層114a、スペーサ層114b、第2軟磁性層114c、前下地層116、第1下地層118a、第2下地層118b、非磁性グラニュラー層120、磁気記録層122、連続層124、保護層126、潤滑層128で構成されている。なお第1軟磁性層114a、スペーサ層114b、第2軟磁性層114cは、あわせて軟磁性層114を構成する。第1下地層118aと第2下地層118bはあわせて下地層118を構成する。
【0030】
以下に説明するように、本実施形態に示す垂直磁気記録媒体100は、磁気記録層122に複数の種類の酸化物(以下、「複合酸化物」という。)を含有させることにより、非磁性の粒界に複合酸化物を偏析させている。
【0031】
[基体成型工程]
ディスク基体110は、アモルファスのアルミノシリケートガラスをダイレクトプレスで円板状に成型したガラスディスクを用いることができる。なおガラスディスクの種類、サイズ、厚さ等は特に制限されない。ガラスディスクの材質としては、例えば、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ソーダアルミノケイ酸ガラス、アルミノボロシリケートガラス、ボロシリケートガラス、石英ガラス、チェーンシリケートガラス、又は、結晶化ガラス等のガラスセラミックなどが挙げられる。このガラスディスクに研削、研磨、化学強化を順次施し、化学強化ガラスディスクからなる平滑な非磁性のディスク基体110を得ることができる。
【0032】
[成膜工程]
上述した基体成型工程で得られたディスク基体110上に、DCマグネトロンスパッタリング法にて付着層112、軟磁性層114、前下地層116、下地層118、非磁性グラニュラー層120、磁気記録層122(磁気記録層成膜工程)、連続層124(連続層成膜工程)を順次成膜し、保護層126(保護層成膜工程)はCVD法により成膜することができる。なお、生産性が高いという点で、インライン型成膜方法を用いることも好ましい。以下、各層の構成および本実施形態の特徴である、レジスト層成膜工程、パターニング工程、イオン注入工程、除去工程を含む磁気パターン形成工程について説明する。
【0033】
付着層112は非晶質であって、ディスク基体110に接して形成され、この上に成膜される軟磁性層114とディスク基体110との剥離強度を高める機能を備えている。付着層112は、ディスク基体110がアモルファスガラスからなる場合、そのアモルファスガラス表面に対応させる為にアモルファスの合金膜とすることが好ましい。付着層112としては、例えばCrTi系非晶質層を選択することができる。
【0034】
軟磁性層114は、垂直磁気記録方式において記録層に垂直方向に磁束を通過させるために、記録時に一時的に磁路を形成する層である。軟磁性層114は第1軟磁性層114aと第2軟磁性層114cの間に非磁性のスペーサ層114bを介在させることによって、AFC(Antiferro-magnetic exchange coupling:反強磁性交換結合)を備えるように構成することができる。これにより軟磁性層114の磁化方向を高い精度で磁路(磁気回路)に沿って整列させることができ、磁化方向の垂直成分が極めて少なくなるため、軟磁性層114から生じるノイズを低減することができる。第1軟磁性層114a、第2軟磁性層114cの組成としては、CoTaZrなどのコバルト系合金、CoCrFeBなどのCo−Fe系合金、[Ni−Fe/Sn]n多層構造のようなNi−Fe系合金などを用いることができる。
【0035】
前下地層116は非磁性の合金層であり、軟磁性層114を防護する作用と、この上に成膜される下地層118に含まれる六方細密充填構造(hcp構造)の磁化容易軸をディスク垂直方向に配向させる機能を備える。前下地層116は面心立方構造(fcc構造)の(111)面がディスク基体110の主表面と平行となっていることが好ましい。前下地層の材質としては、Ni、Cu、Pt、Pd、Zr、Hf、Nbから選択することができる。さらにこれらの金属を主成分とし、Ti、V、Ta、Cr、Mo、Wのいずれか1つ以上の添加元素を含む合金としてもよい。例えばfcc構造としてはNiW、CuW、CuCrを好適に選択することができる。
【0036】
下地層118はhcp構造であって、磁気記録層122のCoのhcp構造の結晶をグラニュラー構造として成長させる作用を有している。したがって、下地層118の結晶配向性が高いほど、すなわち下地層118の結晶の(0001)面がディスク基体110の主表面と平行になっているほど、磁気記録層122の配向性を向上させることができる。下地層118の材質としてはRuが代表的であるが、その他に、RuCr、RuCoから選択することができる。Ruはhcp構造をとり、また結晶の格子間隔がCoと近いため、Coを主成分とする磁気記録層122を良好に配向させることができる。
【0037】
下地層118をRuとした場合において、スパッタ時のガス圧を変更することによりRuからなる2層構造とすることができる。具体的には、上層側の第2下地層118bを形成する際に、下層側の第1下地層118aを形成するときよりもArのガス圧を高くする。ガス圧を高くするとスパッタリングされるRuイオンの自由移動距離(平均自由行程)が短くなるため、成膜速度が遅くなり、結晶分離性を改善することができる。また高圧にすることにより、結晶格子の大きさが小さくなる。Ruの結晶格子の大きさはCoの結晶格子よりも大きいため、Ruの結晶格子を小さくすればCoのそれに近づき、Coのグラニュラー層の結晶配向性をさらに向上させることができる。
【0038】
非磁性グラニュラー層120は非磁性のグラニュラー層である。下地層118のhcp結晶構造の上に非磁性のグラニュラー層を形成し、この上に第1磁気記録層122aのグラニュラー層を成長させることにより、磁性のグラニュラー層を初期成長の段階(立ち上がり)から分離させる作用を有している。非磁性グラニュラー層120の組成は、Co系合金からなる非磁性の結晶粒子の間に、非磁性物質を偏析させて粒界を形成することにより、柱状のグラニュラー構造とすることができる。特にCoCr−SiO、CoCrRu−SiOを好適に用いることができ、さらにRuに代えてRh(ロジウム)、Pd(パラジウム)、Ag(銀)、Os(オスミウム)、Ir(イリジウム)、Au(金)も利用することができる。また非磁性物質とは、磁性粒(磁性グレイン)間の交換相互作用が抑制、または、遮断されるように、磁性粒の周囲に粒界部を形成しうる物質であって、コバルト(Co)と固溶しない非磁性物質であればよい。例えば酸化珪素(SiOx)、クロム(Cr)、酸化クロム(CrO)、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコン(ZrO)、酸化タンタル(Ta)を例示できる。
【0039】
磁気記録層122は、Co系合金、Fe系合金、Ni系合金から選択される硬磁性体の磁性粒の周囲に非磁性物質を偏析させて粒界を形成した柱状のグラニュラー構造を有した強磁性層である。この磁性粒は、非磁性グラニュラー層120を設けることにより、そのグラニュラー構造から継続してエピタキシャル成長することができる。本実施形態では組成および膜厚の異なる第1磁気記録層122aと、第2磁気記録層122bとから構成されている。第1磁気記録層122aと第2磁気記録層122bは、いずれも非磁性物質としてはSiO、Cr、TiO、B、Fe等の酸化物や、BN等の窒化物、B等の炭化物を好適に用いることができる。
【0040】
なお、本実施形態にかかる垂直磁気記録媒体100は、ビットパターン型であるため、各記録ビットが分離独立していることから、必ずしも磁気記録層122をグラニュラー構造とする必要はない。しかし、磁気記録層122がグラニュラー構造をとる構成により、SNRを向上させることが可能となる。さらに垂直磁気記録媒体100がディスクリートトラック型である場合には、顕著にSNRを向上させることができる。
【0041】
本実施形態において、磁気記録層122の磁性粒は、CoCrPtで構成しているが、Fe、Pt、Ru、Co、Cr、Pdからなる群から選択された1または複数の元素を含んで(例えば、CoFeCrPt)構成してもよい。
【0042】
連続層124はグラニュラー構造を有する磁気記録層122の上に、面内方向に磁気的に連続した層である。連続層124を設けることにより磁気記録層122の高密度記録性と低ノイズ性に加えて、逆磁区核形成磁界Hnの向上、耐熱揺らぎ特性の改善、オーバーライト特性の改善を図ることができる。本実施形態では、連続層124は磁気記録層122の上に成膜されているが、下に成膜してもよい。なお、本実施形態のように垂直磁気記録媒体100がビットパターン型磁気記録媒体である場合には、必ずしも連続層124を備えなくともよい。
【0043】
保護層126は、真空を保ったままカーボンをCVD法により成膜して形成することができる。保護層126は、磁気ヘッドの衝撃から垂直磁気記録層を防護するための保護層である。一般にCVD法によって成膜されたカーボンはスパッタ法によって成膜したものと比べて膜硬度が向上するので、磁気ヘッドからの衝撃に対してより有効に垂直磁気記録層を防護することができる。
【0044】
<磁気トラックパターン形成工程>
次に、本実施形態の磁気記録層122に、磁気的に分離した記録領域としての磁性記録部、および磁性記録部間に設けられ、かかる磁性記録部を磁気的に分離する非記録部を形成する磁気パターン形成工程について詳述する。ここで、磁気パターン形成工程は、上記磁気記録層成膜工程の直後に行ってもよいが、連続層成膜工程および保護層成膜工程を行った後に行ってもよい。なお、ここでは理解を容易にするために、特に記載がない場合は、磁性記録部および非記録部をあわせて磁性領域と称する。
【0045】
本実施形態で磁気パターン形成工程は、保護層成膜工程を行った後に行う。これにより、磁気パターン形成工程を行った後に保護層を成膜する必要がなくなり、製造工程が簡便になることで、生産性の向上および垂直磁気記録媒体100の製造工程における汚染の低減を図ることができる。
【0046】
図2は、本実施形態にかかる磁気パターン形成工程について説明するための説明図である。なお、図2において、理解を容易にするために磁気記録層122よりディスク基体110側の層の記載を省略する。磁気パターン形成工程は、レジスト層成膜工程、パターニング工程、イオン注入工程、除去工程を含んで構成される。以下、磁気パターン形成工程における各工程について説明する。
【0047】
<レジスト層成膜工程>
図2(a)に示すように、保護層126の上に、スピンコート法を用いてレジスト層130を成膜する。レジスト層130としてシリカを主成分とするSOG(Spin On Glass)、一般的なノボラック系のフォトレジスト等を好適に利用できる。
【0048】
<パターニング工程>
図2(b)に示すように、レジスト層130にスタンパ132を押し当てることによって、磁性パターンを転写する(インプリント法)。スタンパ132は、転写しようとする磁性記録部と、非記録部とのそれぞれのパターンに対応する磁性領域の凹凸パターンを有する。なお、スタンパ132は、磁性領域の凹凸パターン以外にも、プリアンブル部、アドレス部、およびバースト部等のサーボ情報を記憶するためのサーボ領域の凹凸パターンを有することも可能である。
【0049】
スタンパ132によってレジスト層130に磁性パターンを転写した後、スタンパ132をレジスト層130から取り除くことにより、レジスト層130に凹凸パターンが形成される。なお、本実施形態では、スタンパ132の表面にはフッ素系剥離剤を塗布している。これにより、レジスト層130から良好にスタンパ132を剥離することが可能となる。
【0050】
また本実施形態においてパターニング工程は、スタンパ132を用いたインプリント法を利用しているが、フォトリソグラフィ法も好適に利用することができる。ただし、フォトリソグラフィ法を利用する場合には、上記レジスト層成膜工程においては、フォトレジストをレジスト層として成膜し、成膜したフォトレジストをマスクを用いて露光・現像し、磁気トラック部としての所定のパターンを転写する。
【0051】
<イオン注入工程>
図2(c)に示すように、パターニング工程で所定のパターンにパターニングされたレジスト層130の凹部から、保護層126を介して、磁気記録層122へ、イオンビーム法を用いてイオンを注入する。これにより、イオンが注入された磁気記録層122におけるイオンが注入された部分の結晶を非晶質化することができ、レジスト層130の凸部の下にある部分を磁気的に分離することが可能となる。
【0052】
特に本実施形態では、以下のようにイオン注入を行う。すなわち、イオンを注入するエネルギー量を調節してイオンを注入する層を決定し、そのエネルギー量を保持する時間を調節して各層へ注入されるイオンの総量(ドーズ量)を決定する。
【0053】
したがって、レジスト層130の凹部の下にある領域134(図2中ハッチングで示す、非記録部となる領域)のうち、磁気記録層122に属する部分だけをターゲットとしてイオン注入可能であるし、連続層124に属する部分だけをターゲットとしてイオン注入することも可能である。
【0054】
上記の構成によれば、エネルギー量を増減することによって、連続層124が磁気記録層122の上下いずれに成膜される場合であっても、連続層124へイオン注入可能である。これにより、主として磁気記録層122によって調整される保磁力Hcと、主として連続層124によって調整される逆磁区核形成磁界Hnとを、個別に調節することが可能となる。その結果、良好なSNRを維持しつつ、磁性記録部への書き込み特性および読み出し特性を向上させることができる。
【0055】
本実施形態では、注入するイオンとしてAr、N、Oの1または複数を用いているが、B、P、Si,F、C、In、Bi、Kr、Ar、Xe、W、As、Ge、Mo、Sn、N、Oからなる群から選択されたいずれか1または複数のイオンを注入してもよい。
【0056】
また、イオンを注入するエネルギー量は1〜50keVである。イオンを注入するエネルギー量が1keV未満であると、磁気記録層122における磁性記録部の磁気的な分離が適切に行われず、ヘッドによる読み出しを行う際にノイズが発生原因となる。50keV以上であると、磁気記録層122の非磁性化や非晶質化が促進されすぎてしまい、リードライト特性が低下したり、レジスト層130の凸部の下にある磁性記録部となる部分まで非磁性化されてしまったりする。
【0057】
さらに、注入されるイオンの総量(ドーズ量)は、1E15〜1E17atom/cmである。これにより、良好なSNRを維持しつつ、磁性記録部のリードライト特性を向上させることが可能となる。
【0058】
また、サーボ情報を記憶するためのサーボ領域の凹凸パターンも形成する場合には、少なくとも磁気記録層122のサーボ領域におけるプリアンブル部、アドレス部、およびバースト部等を分離する領域の比透磁率を2から100にする。これにより、サーボ情報の読み出し特性(出力)を増大させることが可能となる。
【0059】
<除去工程>
図2(d)に示すように、レジスト層130をフッ素系ガスを用いたRIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)により除去する。本実施形態において、エッチングガスにSFを用いているが、これに限定されず、CF、CHF、Cからなる群から選択されたいずれか1種または複数の混合ガスも好適に利用することができる。
【0060】
本実施形態では、レジスト層130としてSOGを用いているため、フッ素系ガスを用いて、エッチングを行っているが、レジスト層130の材質によってガスの種類を適宜変更することはいうまでもない。例えば、レジスト層130としてノボラック系フォトレジストを用いた場合、酸素ガスを用いたRIEが好適である。
【0061】
本実施形態においてRIEのプラズマ源は、低圧で高密度プラズマが生成可能なICP(Inductively Coupled Plasma)を利用しているが、これに限定されず、ECR(Electron Cyclotron Resonance)プラズマや、一般的な平行平板型RIE装置を利用することもできる。
【0062】
(潤滑層成膜工程)
潤滑層128は、PFPE(パーフロロポリエーテル)をディップコート法により成膜することができる。PFPEは長い鎖状の分子構造を有し、保護層126表面のN原子と高い親和性をもって結合する。この潤滑層128の作用により、垂直磁気記録媒体100の表面に磁気ヘッドが接触しても、保護層126の損傷や欠損を防止することができる。
【0063】
(実施例と評価)
ディスク基体110上に、真空引きを行った成膜装置を用いて、DCマグネトロンスパッタリング法にてAr雰囲気中で、付着層112から連続層124まで順次成膜を行った。付着層112は、CrTiとした。軟磁性層114は、第1軟磁性層114a、第2軟磁性層114cの組成はCoCrFeBとし、スペーサ層114bの組成はRuとした。前下地層116の組成はfcc構造のNiW合金とした。下地層118は、第1下地層118aは高圧Ar下でRuを成膜し、第2下地層118bは低圧Ar下でRuを成膜した。非磁性グラニュラー層120の組成は非磁性のCoCr−SiOとした。磁気記録層122は、少なくともPtを含むCoCrPtで形成した。連続層124の組成はCoCrPtBとした。保護層126はCVD法によりCおよびCNを用いて成膜した。
【0064】
その後、保護層126の表面にレジスト層130としてシリカを主成分とするSOGをスピンコート法で成膜した。さらに、インプリント法で、レジスト層130にスタンパ132を押し当てることによって、磁性パターンを転写した。スタンパ132は、転写しようとする、記録領域としての磁性記録部と、磁性記録部間に設けられた非記録部とからなる記録再生を行うための磁性領域と、プリアンブル部、アドレス部、およびバースト部等のサーボ情報を記憶するためのサーボ領域と、のそれぞれのパターンに対応する凹凸パターンを有している。
【0065】
スタンパ132によってレジスト層130に磁性パターンを転写した後、スタンパ132をレジスト層130から取り除くことにより、レジスト層130に凹凸パターンを転写した。
【0066】
さらに、所定のパターンにパターニングされたレジスト層130の凹部から、保護層126を介して、磁気記録層122へ、イオンビーム法を用いてイオンを注入した。この際、注入するイオンとしてNイオン、エネルギー量約20keV、ドーズ量2E16atom/cmとしてイオン注入を行った。
【0067】
潤滑層128はディップコート法によりPFPEを用いて形成した。
【0068】
図3は、本発明の実施例において行われるイオン注入の条件を例示する図である。図3(a)はイオン注入時のエネルギー量の変化を時間軸に沿って示すグラフである。図3(b)(c)は、本実施例および比較例によって得られる、磁気記録層122におけるイオン濃度の分布を模式的に示す図である。
【0069】
本実施例では、イオンを注入するエネルギー量を段階的に変化させ、各エネルギー量を保持する時間をそれぞれ変化させた。例えば、図3(a)に実線で示すように、13keVで5秒間、10keVで5秒間、7keVで5秒間、の合計15秒間にてイオン注入を行う。
【0070】
このようにイオン注入のエネルギー量を段階的に変化させることで、イオン注入の到達深度が段階的に変化する。本実施例の場合、深さの深い順番、すなわち第1磁気記録層122a(13keVで5秒間)、第2磁気記録層122b(10keVで5秒間)および連続層124(7keVで5秒間)を順番にターゲットとし、イオン注入を行う。
【0071】
このように、磁気記録層122の中央に位置する第2磁気記録層122bだけでなく、第1磁気記録層122a、連続層にも、それぞれ、均等なドーズ量(エネルギー保持時間)を与えることによって、磁気的な分離を確実にすることが可能だからである。
【0072】
ただし、第1および第2の磁気記録層122a、122bおよび連続層124のいずれも、比透磁率が2〜100以下(セミハードと称する)の非記録部134とすればよく、完全に非磁性とする必要はない。
【0073】
なお本実施例では3段階にしかイオン注入エネルギー量を変化させていないが、何段階に変化させてもよい。
【0074】
図3(b)に示すように、本実施例では、イオン濃度は、エネルギー保持時間と同様に、連続層≒第1磁気記録層≒第2磁気記録層となっている。一方、図3(a)の破線で示すように、比較例では、10keVのイオン注入エネルギーで15秒間注入を行っている。図3(a)および図3(c)に示す比較例に比較すると、本実施例は、イオンを注入する層に応じた適切な濃度分布であり、保磁力Hcと、逆磁区核形成磁界Hnとを、個別に調節し、良好なSNRを維持しつつ、磁性記録部への書き込み特性および読み出し特性を向上させることが可能となる。
【0075】
本実施例では、最初にイオン注入エネルギーを高くし、次第に低い値として、深い層から次第に浅い層へ順番(連続層124→第2磁気記録層122b→第1磁気記録層122a)にイオン注入しているが、逆の順序でイオン注入を行ってもよい。
【0076】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0077】
例えば、上記実施形態では、凹凸パターンが転写されたレジスト層130に別途処理を行わずイオン注入を行っているが、これに限定されず、凹凸パターンが転写されたレジスト層130の凹部底面に残存するレジスト層をエッチング等によって除去してからイオン注入を行ってもよい。
【0078】
また、上記実施形態では、イオン注入することによりこれに限定されず、凹凸パターンが転写されたレジスト層130をエッチングすることで、磁気記録層を所定のパターンに基づいて凸部と凹部を形成し、磁気記録層の凹部に構成をとってもよい。
【0079】
さらに、上述した実施形態では、ビットパターン型磁気記録媒体について説明したが、これに限定されず、線状に形成した磁性記録部と非記録部とを半径方向に交互に配置したディスクリートトラックメディアとしてもよい。これにより、当該磁気記録媒体の熱揺らぎ耐性を向上し、高記録密度化を促進することが可能となる。
【0080】
また、上記実施形態では、磁気記録層がグラニュラー構造を有する2層で構成しているが、これに限定されず、1層もしくは複数層で構成されてもよく、グラニュラー構造を有しなくてもよい。
【0081】
さらに、上述した実施形態において、磁気記録媒体として、垂直磁気記録媒体について説明したが、面内磁気記録媒体においても好適に用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、磁気記録方式のHDDなどに搭載される磁気記録媒体の製造方法および磁気記録媒体として利用可能である。
【符号の説明】
【0083】
100 …垂直磁気記録媒体
110 …ディスク基体
112 …付着層
114 …軟磁性層
114a …第1軟磁性層
114b …スペーサ層
114c …第2軟磁性層
116 …前下地層
118 …下地層
118a …第1下地層
118b …第2下地層
120 …非磁性グラニュラー層
122 …磁気記録層
122a …第1磁気記録層
122b …第2磁気記録層
124 …連続層
126 …保護層
128 …潤滑層
130 …レジスト層
132 …スタンパ
134 …イオン注入工程を遂行した後の凹部の下の領域(非記録部となる領域)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体上に、磁気記録層を成膜する磁気記録層成膜工程と、
前記磁気記録層の上にレジスト層を成膜するレジスト層成膜工程と、
前記レジスト層を加工することで該レジスト層の厚みを部分的に変化させ凹部と凸部を有する所定のパターンを形成するパターニング工程と、
前記レジスト層を介在させた状態で前記磁気記録層を含む複数の層にイオンを注入するイオン注入工程と、
を含み、
前記イオン注入工程において、イオンを注入するエネルギー量を調節してイオンを注入する層を決定し、該エネルギー量を保持する時間を調節して各層へ注入されるイオンの総量を決定することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
【請求項2】
前記レジスト層成膜工程の前に、
前記磁気記録層の上下いずれかに隣接し面方向に磁気的に連続した薄膜からなる連続層を成膜する連続層成膜工程をさらに含み、
前記イオン注入工程では、前記イオンを注入するエネルギー量および該エネルギー量を保持する時間を調節して、前記連続層にもイオンを注入することを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
【請求項3】
前記イオン注入工程において、B、P、Si、F、C、In、Bi、Kr、Ar、Xe、W、As、Ge、Mo、Sn、N、Oからなる群から選択された1または複数のイオンを注入することを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録媒体の製造方法。
【請求項4】
前記イオン注入工程において、イオンを注入するエネルギー量は1〜50keVであることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録媒体の製造方法。
【請求項5】
前記イオン注入工程において、前記注入されるイオンの総量は、1.0×1015〜1.0×1017atom/cmであることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録媒体の製造方法。
【請求項6】
前記磁気記録層には、Fe、Pt、Ru、Co、Cr、Pdからなる群から選択された1または複数の元素を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録媒体の製造方法。
【請求項7】
前記磁気記録層は、柱状に成長した結晶粒子の間に非磁性物質からなる粒界部を形成したグラニュラー構造の強磁性層であることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録媒体の製造方法。
【請求項8】
前記磁気記録層は、前記イオン注入工程にてイオンを注入されると、前記レジスト層の凸部の下の記録領域としての磁性記録部と、前記レジスト層の凹部の下の非記録部とになり、
前記磁気記録媒体は、前記磁性記録部を主表面に点在させたビットパターンドメディアであることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録媒体の製造方法。
【請求項9】
前記磁気記録層は、前記イオン注入工程にてイオンを注入されると、前記レジスト層の凸部の下の記録領域としての磁性記録部と、前記レジスト層の凹部の下の非記録部とになり、
前記磁気記録媒体は、線状に形成した前記磁性記録部と前記非記録部とを半径方向に交互に配置したディスクリートトラックメディアであることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録媒体の製造方法。
【請求項10】
前記イオン注入工程において、イオンを注入するエネルギー量は、高い値から低い値へ次第に小さくなるよう調節して、深い層から次第に浅い層へ順番にイオンを注入することを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録媒体の製造方法。
【請求項11】
前記イオン注入工程において、イオンを注入するエネルギー量は、低い値から高い値へ次第に大きくなるよう調節して、浅い層から次第に深い層へ順番にイオンを注入することを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録媒体の製造方法。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする磁気記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−69173(P2012−69173A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−36233(P2009−36233)
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(000113263)HOYA株式会社 (3,820)
【出願人】(501259732)ホーヤ マグネティクス シンガポール プライベートリミテッド (124)
【住所又は居所原語表記】138 Cecil Street,#08−03 Cecil Court,Singapore 069538
【Fターム(参考)】