説明

磁石を製造するための方法ならびに磁石および電気機械

本発明は、磁石(1)を少なくとも磁石材料(3)とバインダ(4)とから成形し、次いで、硬化させて、磁石(1)を製造するための方法に関する。本発明によれば、バインダ(4)から、硬化の間、磁石材料(3)に化学的に結合される金属酸化物(8)を生成する。さらに、本発明は、磁石(1)ならびに電気機械に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁石を少なくとも磁石材料とバインダとから成形し、次いで、硬化させて、磁石を製造するための方法に関する。
【0002】
さらに、本発明は、前述した方法を使用して製造された磁石であって、該磁石が、少なくとも磁石材料とバインダとから成形されていて、次いで、硬化させられている磁石に関する。
【0003】
さらに、本発明は、電気機械、特に電動モータであって、該電気機械が、前述した方法を使用して製造された、前述した少なくとも1つの磁石を備えており、該磁石が、少なくとも磁石材料とバインダとから成形されていて、次いで、硬化させられている電気機械に関する。
【0004】
背景技術
冒頭で述べた方法は、公知先行技術に基づき公知である。磁石材料は、たとえば鉄もしくはフェライトである。磁石材料は、しばしば粉末として提供される。この粉末は焼結されるかもしくは加圧焼結され、これによって、磁石が製造される。択一的または付加的には、磁石材料がバインダと混合されてもよい。次いで、磁石材料−バインダ混合物から、磁石が成形され、硬化させられる。この場合、成形は、たとえば流込みまたは射出を包含していてよい。バインダはプラスチック、特にPPS(ポリフェニレンスルフィド)、またはこれに類するものを包含していてよい。磁石の硬化後、磁石材料はバインダによって物理的に取り囲まれているかもしくはバインダ内に含み込まれている。しかし、このように製造された磁石は、酸素もしくは腐食性の媒体に接触すると、著しく腐食する傾向にある。このために、磁石の防護が必要となる。この場合、金属から成る防護層が広く普及している。この防護層は、たとえばニッケルおよび/または亜鉛を含有している。このニッケルおよび/または亜鉛によって、特に加圧焼結された磁石が腐食に対して防護される。また、酸化物から成る防護層も公知である。この防護層は、溶媒に含まれた金属アルコキシドの溶液の形で磁石に被着される。磁石材料とバインダとの混合下での磁石の製造は、多くの使用例に対する磁石材料の直接的な焼結に比べて、著しく高いフレキシビリティを有していて、したがって、推奨することができる。また、バインダ、たとえば(プラスチック造粒物の形の)プラスチック内への磁石材料の組込みによって、腐食に対する磁石材料のある程度の防護が保証される。しかし、特に磁石と燃料および燃料の添加剤との接触時には、このような磁石の場合でも、短時間後には著しい腐食を招いてしまう。このことは、最終的には、磁石を有するシステムの故障に繋がることがある。
【0005】
発明の開示
本発明に係る方法によれば、バインダから、硬化の間、磁石材料に化学的に結合される金属酸化物を生成する。
【0006】
本発明に係る方法の有利な態様によれば、金属酸化物をゾル−ゲル法で生成する。
【0007】
本発明に係る方法の有利な態様によれば、磁石材料として、少なくとも一種類の希土類材料を使用する。
【0008】
本発明に係る方法の有利な態様によれば、バインダの成分として、少なくとも一種類のシロキサン、少なくとも一種類のシラン、特にアルコキシシランまたはエトキシシラン、特に有利にはテトラエトキシシラン、少なくとも一種類の金属ハロゲン化物、少なくとも一種類の金属アルコキシドおよび/または金属酸化物ナノ粒子を使用する。
【0009】
本発明に係る方法の有利な態様によれば、バインダおよび/または磁石材料を溶媒内に供給する。
【0010】
本発明に係る方法の有利な態様によれば、バインダと磁石材料とに、特にナノ粒子、ポリマ溶液および/またはケイ酸から成る添加剤を供給する。
【0011】
本発明に係る方法の有利な態様によれば、磁石材料、バインダおよび/または溶媒を、硬化が実施される型内に流し込む。
【0012】
本発明に係る方法の有利な態様によれば、磁石に少なくとも部分的に被覆層、特にゾル−ゲル被覆層を設ける。
【0013】
本発明に係る磁石によれば、磁石材料が、硬化の間に生成された、該磁石材料に化学的に結合された金属酸化物内に囲い込まれている。
【0014】
本発明に係る電気機械によれば、磁石材料が、硬化の間に生成された、該磁石材料に化学的に結合された金属酸化物内に囲い込まれている。
【0015】
請求項1に記載の特徴を備えた方法は従来の方法に比べて、製造された磁石が、特に燃料および燃料の添加剤に対して、公知先行技術に基づき公知の磁石よりも良好な耐食性を有しているという利点を有している。このことは、本発明によれば、バインダから、硬化の間、磁石材料に化学的に結合される金属酸化物が生成されることによって達成される。すなわち、硬化後、金属酸化物から成るマトリックスが提供される。このマトリックス内には、磁石材料が囲い込まれているかもしくは埋め込まれている。金属酸化物マトリックスは磁石材料に化学的に結合されている。すなわち、磁石材料が金属酸化物マトリックスもしくは金属酸化物組織によって保持される。こうして製造された磁石の場合には、付加的な防護層を設けることが不要となる。公知先行技術に基づき公知のバインダ、特に有機バインダ、たとえばプラスチック(PPS)では、腐食性の媒体、たとえば燃料との接触時に膨潤が生じる。このことは、腐食促進性の物質、たとえば水および塩の透過を高める。さらに、すでに前述したように、磁石材料は単に物理的にバインダに含み込まれているだけである。磁石材料とバインダとの間に化学的な結合は提供されていない。これによって、磁石内への腐食促進性の物質の透過と同時に腐食の開始がさらに高められる。このような透過は、本発明に係る方法により製造される磁石の場合には生じないようになっている。なぜならば、磁石材料が金属酸化物に化学的に結合されているからである。
【0016】
たとえば、シロキサンベースのバインダが使用される。このようなバインダの化学的な構造に基づき、バインダもしくはシロキサンマトリックスへの磁石材料の化学的な結合が生じる。シロキサンマトリックスは不透過性である。バインダへの磁石材料の化学的な結合だけでなく、不透過性のシロキサンマトリックスへの磁石材料の化学的な結合も、著しく高められた防食に貢献する。付加的には、磁石材料の沈澱を阻止するために、増粘剤および/または流動制限形成剤(たとえば部分架橋されたポリアクリル酸)が使用されてよい。
【0017】
本発明の改良態様では、金属酸化物がゾル−ゲル法で生成される。すなわち、磁石材料が、ゾル−ゲル法によって製造された防食する金属酸化物マトリックス内に組み込まれるようになっている。ゾル−ゲル法は、コロイド分散系から非金属材料、無機材料またはハイブリッドポリマ材料を製造するために使用される。コロイド分散系はゾルとも呼ばれる。このゾルは、種々異なる前駆物質から形成することができる。ゾルはゲル化によってゲルに移行する。このゲルはコロイドを成している。ゾル−ゲル法の間、金属酸化物の網状結合形成もしくは金属酸化物への磁石材料の化学的な結合が生じる。
【0018】
本発明の改良態様では、磁石材料として、少なくとも一種類の希土類材料が使用される。この希土類材料から成る磁石は、鉄から成る従来の磁石の性能を何倍も凌駕していて、したがって、有利に使用される。スカンジウム、イットリウムおよびランタンならびにランタノイドが希土類の金属と呼ばれる。ランタノイドには、セリウム、プラセオジウム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウムおよびルテチウムが属している。希土類材料は、希土類の少なくとも一種類の金属を含有している。たとえば、ネオジムと、鉄と、ホウ素とから成る合金(NdFe14B)が使用される。しかし、希土類材料を含有する磁石は、従来の磁石よりも、さらに著しく腐食しやすい。したがって、特にこのような磁石材料から成る加圧焼結された磁石の場合には、金属から成る防護層、特にニッケルおよび/または亜鉛を含有した防護層が設けられる。択一的には、すでに前述したように、酸化物から成る防護層が使用されてよい。この防護層では、金属アルコキシド溶液が磁石に塗布される。酸化物から成る防護層は、金属酸化物マトリックス内への磁石材料の挿入時には通常省略することができるものの、より良好な防護の達成のために付加的に設けられていてよい。
【0019】
本発明の改良態様では、バインダの成分として、少なくとも一種類のシロキサン、少なくとも一種類のシラン、特にアルコキシシランまたはエトキシシラン、特に有利にはテトラエトキシシラン、少なくとも一種類の金属ハロゲン化物、少なくとも一種類の金属アルコキシドおよび/または金属酸化物ナノ粒子が使用される。これらの物質は、いわゆる「前駆物質」を成している。ただ一種類の前駆物質の使用または多種の前駆物質の組合せが可能である。特に種々異なるケイ素アルコキシド、たとえばテトラエトキシルシラン(TEOS)およびテトラエトキシルシランの別形が使用されてよい。この別形では、1つまたはそれ以上のアルコキシド基が有機分子によって置換される。この場合に生成される物質は、「有機官能性シラン」とも呼ばれる。また、複数のエトキシシランが使用されてもよい。これらのエトキシシランでは、形式的にケイ酸がエタノール基でエステル化される。択一的には、ケイ酸が、アルコール、たとえばメタノール、プロパノール、ブタノールおよびこれに類するもの、またはジオール、たとえばグリコール、プロパンジオールまたはこれに類するもの、またはトリオール、たとえばグリセリンでエステル化された物質が使用されてもよい。
【0020】
また、バインダが、ジルコニウム、アルミニウム、セリウム、チタンおよび/または別の遷移金属の前駆物質を含有していてもよい。付加的または択一的には、特にAl、ZrOおよび/またはTiOから成る金属酸化物ナノ粒子および/または無機ナノ粒子が使用されてよい。ケイ酸、特に熱分解法ケイ酸もバインダの成分であってよい。前述したシラン、特にアルコキシシランは水と反応して、ケイ酸を生成する。次いで、このケイ酸が自体縮合して、金属酸化物(この態様ではSiO)から成る三次元網状結合を形成する。次いで、特に揮発性反応生成物が除去される。水に対して敏感な磁石材料に対して、金属酸化物もしくは金属酸化物マトリックスへの水の添加なしに重合することができる前駆物質も提供される。この前駆物質には、金属ハロゲン化物(たとえばモノクロロメチルシラン、ジクロロメチルシランまたはトリクロロメチルシラン)と金属アロキシド(たとえばテトラエトキシシラン(TEOS)またはすでに前述した全ての別形)との組合せが含まれる。金属ハロゲン化物は金属アルコキシドよりも反応性である。したがって、このような組合せでは、重合を磁石材料−バインダ混合物の簡単な温度上昇によって開始することができる。こうして、やはり、磁石材料を閉じ込めていて、この磁石材料に化学的に結合された三次元金属酸化物マトリックスが形成される。副生成物としては、磁石の製造後、場合により存在する溶媒と一緒に除去されるハロゲンアルカンしか生成されない。前述したジルコニウム、アルミニウム、セリウム、チタンおよび別の遷移金属の代わりに、前駆物質として、これらの元素の化合物が使用されてもよい。
【0021】
本発明の改良態様では、バインダおよび/または磁石材料が溶媒内に供給される。この溶媒は、とりわけ磁石材料および/またはバインダの処理を簡単にする、特に磁石の成形を可能にするために設けられている。溶媒は、有利には磁石の硬化時にこの磁石から分離される。溶媒は水および/またはアルコールであってもよいし、水および/またはアルコールを含有していてもよい。択一的または付加的には、非プロトン性溶媒が使用されてもよい。磁石材料とバインダとは溶媒内に分散させられる。
【0022】
本発明の改良態様では、バインダと磁石材料とに、特にナノ粒子、ポリマ溶液および/またはケイ酸から成る添加剤が供給される。すなわち、磁石の成形前に添加剤が、磁石材料とバインダとから成る混合物に追加される。添加剤はナノ粒子、ポリマ溶液および/またはケイ酸を含有していてよい。ナノ粒子は、たとえば金属酸化物から成るナノ粒子であり、ポリマ溶液は、有利には有機ポリマ溶液であり、ケイ酸は熱分解法ケイ酸である。溶媒が設けられている場合には、添加剤も溶媒内に分散させられる。
【0023】
本発明の改良態様では、磁石材料、バインダおよび/または溶媒が、硬化が実施される型内に流し込まれる。したがって、磁石は成形構成部材である。硬化の間、磁石材料が金属酸化物に化学的に結合されるのに対して、この金属酸化物は金属酸化物マトリックスを形成する。すなわち、磁石は、型内への流込みによって簡単にほぼあらゆる形状に製造することができる。硬化は型内で実施される。硬化は、特に乾燥プロセスおよび/または焼結プロセスの前にまたは乾燥プロセスおよび/または焼結プロセスの間に行われてよい。前者の場合には、まず、金属酸化物が、たとえばゾル−ゲル法によって生成され、次いで、乾燥プロセスが実施され、これによって、場合により存在する溶媒が磁石から除去される。しかし、択一的には、特に硬化が磁石もしくは磁石材料−バインダ混合物への熱供給によって行われる場合、硬化が乾燥プロセスおよび/または焼結プロセスと同時に実施されることが提案されていてもよい。磁石材料とバインダとを、有利には溶媒内に溶解された状態で直接塗布することによって、所定の表面に磁気的な被覆層を被着することも可能である。この被覆層は、従来の塗布技術、たとえばスプレー、浸漬、ローラ掛け、スピンコートおよびこれに類するものによって、特に大面積にわたっても被着することができる。択一的には、区分された磁気的な表面が、たとえばマスクの使用下で選択的に形成されてよい。
【0024】
本発明の改良態様では、磁石に少なくとも部分的に被覆層、特にゾル−ゲル被覆層が設けられる。磁石材料と、この磁石材料に化学的に結合された金属酸化物とから成る磁石は、特にゾル−ゲル被覆層が設けられている場合、被覆層の化学的な結合に極めて良好に適している。有利には、この被覆層を被着するために、ゾル−ゲル塗料が使用される。付加的な表面効果を得るために、機能的なゾル−ゲル塗料が使用される。こうして、磁石の耐食性をさらに高めることができる。しかし、基本的には、あらゆる種類の被覆層が設けられていてよい。
【0025】
さらに、本発明では、磁石材料が、硬化の間に生成された、この磁石材料に化学的に結合された金属酸化物内に囲い込まれている。磁石は、特に燃料および燃料の添加剤との接触に際して、付加的な被覆層なしで極めて高い耐食性を有している点で優れている。この理由から、磁石は電気機械、特に電動モータ、たとえば燃料ポンプの一部としての電動モータに好適である。通常、磁石は、場合により燃料に接触することがあるあらゆる磁石構成部材に使用可能であるかまたはプラスチック射出成形法または焼結法によって決して製造することができないかまたは困難にしか製造することができない複雑なジオメトリ(幾何学形状)を有するあらゆる磁石構成部材に使用可能である。
【0026】
さらに、本発明では、磁石材料が、硬化の間に生成された、この磁石材料に化学的に結合された金属酸化物内に囲い込まれている。硬化の間、バインダから金属酸化物が生成される。この金属酸化物は磁石材料に結合され、金属酸化物マトリックスを形成する。こうして、磁石の優れた形状安定性だけでなく、良好な耐食性も保証されている。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】磁石の実施の形態を示す図である。
【図2】磁石の第1の製造ステップの概略図である。
【図3】磁石の更なる製造ステップの概略図である。
【図4】磁石材料と、この磁石材料に化学的に結合された金属酸化物とから成る磁石の組織の概略図である。
【0028】
以下に、本発明を図面に示した実施の形態につき、本発明の限定を行うことなく詳しく説明する。
【0029】
図1には、磁石1が示してある。この磁石1は、金属から成る軸2に固定されている。有利には、磁石1は流込み成形により軸2に被着されていて、ひいては、この軸2に固定されている。磁石1は磁石材料3(図示せず)とバインダ4(図示せず)とを含有している。この磁石材料3とバインダ4とは一緒に成形され、次いで、硬化させられる。硬化の間、バインダ4から金属酸化物が生成される。この金属酸化物は磁石材料3に化学的に結合されていて、金属酸化物マトリックスを形成している。この金属酸化物マトリックスは磁石材料3を取り囲んでいる。こうして、磁石1の磁石材料3が外的な影響、特に腐食影響に対して防護されている。
【0030】
図2には、磁石1を製造するための第1の製造ステップが示してある。磁石材料3と、バインダ4と、一種類またはそれ以上の種類の添加剤6とが、溶媒5内に分散させられ、これによって、磁石材料3と、バインダ4と、溶媒5と、添加剤6とから成る均質な分散系が提供される。この分散系はゾルとしてゾル−ゲル法に使用される。このゾル−ゲル法では、ゾルがゲル化されて、ゲル7(「湿潤ゲル」)が生成される。この場合、バインダ4から金属酸化物8が生成される。この金属酸化物8の金属は、たとえばSiO,ZrO,Alまたはこれに類するものである。金属酸化物8は、少なくとも硬化後に磁石材料3に化学的に結合されている。このような化合物9は、図3において明らかであり、図4に拡大して示してある。
【0031】
図4には、磁石材料3と金属酸化物8とから成る化合物9の一部が示してある。図示の実施の形態では、金属酸化物8はSiOである。溶媒5として、水(HO)が使用される。しかし、原理的には、ケイ素が別の金属、たとえばジルコニウムまたはアルミニウムによって置換可能である。磁石材料3として、有利には希土類材料、たとえばネオジムを含有したNdFe14Bが使用される。このような磁石1は、従来の磁石材料、たとえば鉄またはフェライトから成る磁石よりも著しく高性能である。磁石材料3と金属酸化物8との間の化学的な結合によって、磁石1が極めて耐食性となる。有利には、金属酸化物8によって形成されたマトリックス10が付加的に不透過性であり、これによって、このマトリックス10内への腐食促進性の媒体の透過が少なくとも部分的に阻止される。
【0032】
有利には、磁石1は成形構成部材として流込み成形されている。このことは、硬化も実施される型内で行われる。択一的には、磁石材料3とバインダ4とが、特に溶媒5内への供給後、表面に直接被着され、これによって、磁気的な被覆層が形成されてよい。また、被着の間、マスク技術を使用し、これによって、たとえば区分された磁気的な表面を選択的に形成することも可能である。
【符号の説明】
【0033】
1 磁石
2 軸
3 磁石材料
4 バインダ
5 溶媒
6 添加剤
7 ゲル
8 金属酸化物
9 化合物
10 マトリックス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁石(1)を少なくとも磁石材料(3)とバインダ(4)とから成形し、次いで、硬化させて、磁石(1)を製造するための方法において、バインダ(4)から、硬化の間、磁石材料(3)に化学的に結合される金属酸化物(8)を生成することを特徴とする、磁石を製造するための方法。
【請求項2】
金属酸化物(8)をゾル−ゲル法で生成する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
磁石材料(3)として、少なくとも一種類の希土類材料を使用する、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
バインダ(4)の成分として、少なくとも一種類のシロキサン、少なくとも一種類のシラン、特にアルコキシシランまたはエトキシシラン、特に有利にはテトラエトキシシラン、少なくとも一種類の金属ハロゲン化物、少なくとも一種類の金属アルコキシドおよび/または金属酸化物ナノ粒子を使用する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
バインダ(4)および/または磁石材料(3)を溶媒(5)内に供給する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
バインダ(4)と磁石材料(3)とに、特にナノ粒子、ポリマ溶液および/またはケイ酸から成る添加剤(6)を供給する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
磁石材料(3)、バインダ(4)および/または溶媒(5)を、硬化が実施される型内に流し込む、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
磁石(1)に少なくとも部分的に被覆層、特にゾル−ゲル被覆層を設ける、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
特に請求項1から8までのいずれか1項記載の方法を使用して製造された磁石(1)であって、該磁石(1)が、少なくとも磁石材料(3)とバインダ(4)とから成形されていて、次いで、硬化させられている磁石において、磁石材料(3)が、硬化の間に生成された、該磁石材料(3)に化学的に結合された金属酸化物(8)内に囲い込まれていることを特徴とする、磁石。
【請求項10】
電気機械、特に電動モータであって、該電気機械が、特に請求項1から8までのいずれか1項記載の方法を使用して製造された、特に請求項9記載の少なくとも1つの磁石(1)を備えており、該磁石(1)が、少なくとも磁石材料(3)とバインダ(4)とから成形されていて、次いで、硬化させられている電気機械において、磁石材料(3)が、硬化の間に生成された、該磁石材料(3)に化学的に結合された金属酸化物(8)内に囲い込まれていることを特徴とする、電気機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−509734(P2013−509734A)
【公表日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−537351(P2012−537351)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【国際出願番号】PCT/EP2010/066432
【国際公開番号】WO2011/054746
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】