説明

神経変性または神経・筋変性疾患の治療方法およびその治療薬

【課題】人間または動物における神経変性または神経・筋変性の障害および疾患を予防、除去、治療および管理するための組成物および方法を提供する。
【解決手段】神経変性および神経・筋変性障害および疾患、特に筋萎縮側索硬化症(ALS)、多発性硬化症(MS)、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)、筋ジストロフィー(MD)治療用の、1日1グラム以上の高用量のアスコルビン酸またはその誘導体の使用について開示する。用量中にはアスコルビン酸の脳内標的細胞への供給を容易にするマンニトールが含まれることが好ましい。さらに、前記用量中には腎臓結石の形成を妨げるためのクエン酸亜鉛が含まれる。経口投与、静脈内投与、筋内投与、経鼻、経皮パッチ型など種々の投与経路のための用量中の組成について説明した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人間または動物における神経変性または神経・筋変性の障害および疾患を予防、除去、治療および管理するための組成物および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の組成物および方法が特に適用される、人間および動物における、神経変性および神経・筋変性の障害および疾患の中には以下のようなものがある。
1.筋萎縮側索硬化症(ALS)
2.多発性硬化症(MS)
3.アルツハイマー病(AD)
4.パーキンソン病(PD)
5.筋ジストロフィー(MD)
【0003】
本発明者は、本発明の組成物および方法の適用範囲が、前記障害および疾患全般、特に、上記5つの障害および疾患に及ぶものと考えている。本発明の組成物および方法は、前記神経変性および神経・筋変性の障害および疾患の全域に亘る広範囲な適用性を有するものであるが、以下では、前記5つの障害および疾患への適用性だけに基づいて説明を行なうことにする。これは、簡潔化のためであり、本発明の範囲に限定を加えるものではない。さらに、「障害(disorders)」の用語は、本明細書中で、以下、「障害および疾患(disorders
and diseases)」を省略した語として使用される。従って、本明細書中で該用語が使用される場合、いずれも、「障害」または「疾患」または両方のいずれかを意味するものとする。文脈に基づき、最も広い意味にとられたい。
【0004】
上記障害の全てと、脳および中枢神経系(CNS)のその他の障害において、神経・筋変性には神経変性が関わっていることがわかっている。このため、本明細書中で、これ以降使用される「神経変性(neurodegenerative)」の用語は、それら両方を意味するものとし、「神経変性および神経・筋変性(neurodegenerative and neuro
muscular-degenerative)」を省略した語と考えてよい。これも、簡潔化のためであり、文脈に基づき、最も広い意味にとられたい。上記した障害については、本明細書中では、以後、それぞれの障害名の末端に記された略語で記載することにする。一般に前記神経変性障害、特に上記した各障害は、実際には、共通の原因または一連の症状またはその両方を有する障害のグループである。本発明の組成物および方法は、そのようなグループに属する障害それぞれに対して適用可能である。本明細書で使用される他の略語については、省略されていない名称または用語の後ろに括弧書きで示した。
【0005】
ALSは神経変性疾患の一つであり、運動ニューロン疾患(CMD)およびルー・ゲーリック病とも呼ばれている。この障害では、運動皮質、脳幹および脊髄の運動ニューロン(MN)の障害により、中枢神経系(CNS)の進行性機能障害が引き起こされる。ALSの原因は、遺伝子突然変異、特に銅・亜鉛スーパーオキシドジスムターゼ(SOD1)の突然変異である。ALS発症機序における酸化的ストレスの関与に関する報告がある。中枢神経系(CNS)の罹患部内のDNA、タンパク質、脂質に酸化的損傷が起こる。フリー・ラジカルによって引き起こされる直接的損傷の他にも、酸化的ストレスは、他のメカニズムも妨害し、ALSにおける神経変性に寄与する。つまり、酸化的ストレスは、神経変性における直接的および間接的損傷の原因になっていると考えられる。ALSが本発明の重要な治療標的であり主題であるのは、このためである。家族性ALS(FALS)と孤発性ALS(SALS)の両方がある。
【0006】
パーキンソン病(PD)は、一般に約65才以上の高齢者が罹患する、別の主要な神経障害である。パーキンソン症候群という用語は、振戦、筋強剛および動作の緩慢化の症状に用いられる。ドーパミンレベルの低下によって引き起こされる。ドーパミン産生神経細胞の減少およびその他の要素を原因とし、ゆっくりと進行する疾患である。酸化的ストレスがPDの一次的原因であろうと二次的原因であろうと、酸化的損傷がこの疾患の進行のための重要な要因であることは確かである。従って、適切な抗酸化剤を効果的に供給することは、この障害の予防、除去、治療および管理において考慮すべき重要事項である。
【0007】
アルツハイマー病(AD)は、記憶障害と、論理性、言語および認知の混乱を特徴とし、加齢に関連した、また別の疾患である。仕事および社交の両面で、患者の通常の生活に重大な支障をきたす恐れがある。アルツハイマー病では、脳内での特定のタンパク質(ベータアミロイドタンパク質)の産生量あるいは蓄積量の増加が原因となって、神経細胞の機能とシグナル伝達を阻害し、ついには神経細胞の死に至ると言われている。アルツハイマー病の他の危険因子には、高血圧、冠状動脈性心臓病、糖尿病、血中コレステロールの上昇がある。酸化的ストレスは、原因としては挙げられていないが、寄与因子ではあり、抗酸化治療によって病気がある程度緩和し、進行が逆戻りするという報告がある。
【0008】
多発性硬化症(MS)は、脊髄系および脳の軸索周りの髄鞘が損傷を受ける、炎症性の疾患である。また、四肢の筋力低下、視力低下、協調およびバランスの問題から始まり、重大な認識障害およびほぼ全身の麻痺に至る可能性のある進行性疾患である。この障害の原因は、自己免疫やウイルスの可能性がある。本発明者は、この障害に関しても、治療は無理であるとしても、障害の制御と管理には、酸化的ストレスと抗酸化治療が関係していると考えている。
【0009】
筋ジストロフィー(MD)の特徴は、健康な筋肉を維持するのに必要なタンパク質を体が作り出せなくなることである。筋肉細胞と筋肉組織を死に至らしめる遺伝子命令であり、影響は骨格筋に止まらない。主に幼児および小児が罹患するが、この疾患の型の一つは、もっと後になって現われる。本発明者は、酸化的ストレスが、この障害の発症と進行における寄与因子であり、この障害の予防、治療および管理に、抗酸化治療が適用できると考えている。
【0010】
知られているように、酸化的ストレスは、細胞および組織内に活性酸素種(ROS)が存在することによって起こる。細胞および組織の損傷を起こすもう一つの種は、酸化窒素(NO)である。ROSとNOは、いずれも前記神経変性疾患の原因または寄与因子またはその両方である。ROSとNOは、いずれもタンパク質凝集および脂質過酸化反応を起こす。前記タンパク質と脂質の劣化は、グルタミン酸塩、塩化物、カルシウムのレベルが高い場合、より顕著になる。これらの過程および、その結果としての生理学的不均衡により、最終的には細胞死につながる。
【0011】
神経・筋変性過程の一要因は、代謝性および筋肉性のアシドーシスである。アシドーシスの影響は、骨からカルシウムが溶出することによる骨格系の脆弱化、ATP+Ca結合の不良による筋肉疲労、その粘膜の崩壊、および、組織信号変換の異常である。この過程は、最終的に筋肉協調障害につながる。この段階では、自己免疫系が筋肉組織に更なる損傷を与える可能性がある。
【0012】
これら要因の多くは、酸化的ストレスの現れ、つまり酸化的ストレスによって起こるものであり、抗酸化治療を必要とする。前記神経変性における酸化的ストレスの問題に対する従来技術のアプローチの短所は、必要とされる抗酸化剤(特にアスコルビン酸)の血中濃度を達成し、抗酸化剤を適切な濃度で確実に脳およびCNSの標的部位に到達させるための方法にあった。
【0013】
前記神経変性障害におけるビタミンC(アスコルビン酸)の効果に関する研究が行なわれてきたが、前記高い血中濃度達成と前記標的部位到達の問題から、結論が出るに至っていない。前記血中濃度は、生理学的バランスメカニズムに呼応して横ばいになる傾向がある。
【0014】
本発明者は、脳関門を越えることのできるアスコルビン酸の適当な担体となる成分を探す必要があると考えた。好ましくは、該成分は、アスコルビン酸の血中濃度を上昇させるなど、前記生理学的制御メカニズムを変えられなければならない。該担体は、脳内の標的部位に高濃度のアスコルビン酸を蓄積できなければならない。好ましくは、前記第2の成分は、神経変性における細胞および組織損傷に対し、アスコルビン酸の治療活性を補うか、代替となる治療効果を有していなければならない。前記代替となる効果は、異なるメカニズムによるものであってもよい。
【0015】
前記障害における酸化的ストレスの影響の問題に取り組む一方で、本発明者の行なった実験により、アスコルビン酸の投与が、脳卒中、トラウマ、各種発作など他の障害/疾病に対しても適切であることが確認された。前記実験により、本発明の療法には、他にも以下の効果があることがわかった。
i. 不飽和脂肪酸の過酸化反応に対する保護を行う。
ii. コラーゲンおよびグルタチオンの合成を増加させる。
iii. ASまたはPSに罹患した患者のドーパミン産生神経細胞(SK−N−SH細胞)におけるドーパミンの合成を増加させる。
iv. 興奮毒性を中和するグルタチオンを合成することにより、カルシウム、塩化物、グルタミン酸塩およびROSによって引き起こされる興奮毒性に対抗する。
v. ビタミンEの抗酸化力を回復させる。
vi. 出血、筋肉の神経原性萎縮および神経の脱髄が起きた際に回復を助ける。
【0016】
前記ドーパミン産生の増加は、2つのメカニズムで起きる。一つは短期インキュベーション後の代謝レベルにおける増加、もう一つは長期インキュベーション後のチロシン・ヒドロキシラーゼ遺伝子発現を増加させることによる増加である。
【0017】
従来技術では、体内の生理学的制御によって余分なアスコルビン酸は代謝されるので、約1000mg/日を越える高用量のアスコルビン酸には意味が無いと考えていたようである。この理由または他の理由により、従来技術では、一般的に、神経障害およびその他上述の障害に関しては、前記高用量には治療的価値が無いと結論づけてきた。従来技術では更に、少なくとも腎臓結石の形成を促進したり酸化を促進したりする毒性がある点において、前記高用量は、有害であるとしてきた。
【0018】
本発明者は、上述の障害に対しては、実際には高用量が極めて重要であり、その治癒および管理の鍵であると考えている。また、確実に、神経細胞によって十分に取り込まれるためには、相当の期間に亘って前記高用量を継続的に投与することが必要である。たとえ腎臓結石のリスクがあるとしても、例えばクエン酸亜鉛のような適切な添加剤によって対処することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0019】
【非特許文献1】ミオグロビン尿症の急性腎不全に対するマンニトールの影響:機能的、生化学的、形態学的調査。1 Richard A.Zager, 2 Charles Foerder, and Charles Bredl (J.Am. Soc. Nephrol. 1991;2:848-855).
【非特許文献2】外傷性脳損傷におけるマンニトール注入の初期反応。Kao-Chang Linl,,Chih-Ho Choul,, Wei-Lung Changl,, Der-Shin Kel and Jinn-Rung Kuo2 (Acta Neurol Taiwan 2008; 17:26-32)(ActaNeurologica Taiwanica Vol 17 No 1 March 2008).
【非特許文献3】心臓手術後の術後腎不全におけるマンニトール、フロセミドおよびドーパミン注入。Srikrishna Sirivella,MD, Isaac Gielchinsky, MD, and Victor Parsonnet, MD Department of Cardiovascular and ThoracicSurgery, Newark Beth Israel Medical Center, Newark, New Jersey (SIRIVELLA ET ALAnn Thorac Surg MANNITOLINFUSION IN ACUTE RENAL FAILURE 2000; 69:501-6).
【非特許文献4】神経外科患者における血清および尿電解質に対するマンニトールの影響。Jong Hoon Kim,M.D.,Kabsu Kim,M.D.,and YongTack Nam,M.D.and Kwang Won Park,M.D. Department of Anesthesiology, YonseiUniversity College of Medicie, Seoul, Korea. TheJournal of the Korean society of Anesthesiologists: Vl.25,No.3,1992.
【非特許文献5】ラットにおける亜鉛欠乏:血清および腸内のアルカリ性ホスフォターゼ活性に対する影響。1’2RICHARD W. LUECKE, MARY E. OLMAN ANDBETTY V. BALTZER Department ofBiochemistry, Michigan State University, East Lansing, Michigan (J. NUTRITION,94:’68.)
【非特許文献6】Lowry, O. H.,N. R. Robert, M-L. Wu, W. H. Hixonand E.J. Crawford 1954. 脳の定量的組織化学、II.酵素測定。J. Biol. Chem., 207:7.
【非特許文献7】ダイナミックMRIで測定した、酸素過剰によって誘発される血液脳関門の完全性喪失に対する亜鉛欠乏の悪影響(4477)。Michael D. Noseworthyand Tammy M.Bray. Department of Human Biology andNutritional Sciences, University of Guelph, Guelph, Ontario, Canada NIG 2WI;and Department of Human Nutrition, The Ohio state University, Columbus,ohio 43210-1295.(P.S.E.B.M. 2000,vol 223).
【非特許文献8】ラットの組織における脂質過酸化反応と金属含有量に対する亜鉛の影響。MILOS CHVAPIL,YEIMEI PENG ARTHUR L.ARONSON and CHARLES ZUKOSKI. Division of surgical Biology,Department of surgery, University of Arizona, College of Medicine, Tucson,Arizona 85724. Jn. nutrition.org by on August7, 2009.
【非特許文献9】ラットの肺ミクロソームにおける内因性フリーラジカル産生に対する食餌性亜鉛の影響。TAMMY M.BRAY, STAN KUBOW and WILLIAM. BETTGER. Department of Nutrition, college ofBiological Science, University of Guelph, Ontario, Canada NIG2Wl.Jn.nutrition.org August 7, 2009
【非特許文献10】活性化内皮細胞における亜鉛の抗酸化剤類似特性。Bernhard Hennig, PhD, FACN, Purushothaman Meerarani, PhD, Michel Toborek,MD, PhD,FACN and Craig J. McClain, MD,FACNDepartments of Nutrition and Food Science (B.H., P.M.), Neurosurgery (M.T.),and Medicine (C.J.M.), University of Kentucky, Lexington, Kentucky
【非特許文献11】銅・亜鉛スーパーオキシドジスムターゼのスーパーオキシドリダクターゼおよびスーパーオキシドオキシダーゼとしての作用可能性。Stefan I. Liochev and Irwin Fridovich. From the Department of Biochemistry, DukeUniversity Medical Center, Durham, North Carolina 27710. THE JOURNAL OFBIOLOGICAL CHEMISTRY Vol. 275, No. 49, Issue of December 8, pp. 38482-38485, 2000
【非特許文献12】神経の分化と発達におけるアスコルビン酸の重要な役割:高レベルのアスコルビン酸-2-グリコシドにより、PC12細胞における、神経成長因子に誘導される軸索の形成および伸長が効果的に高められる。(journal of health science:54(1)43-49(2008).)
【非特許文献13】酸化的損傷予防と慢性疾患阻止のための食物抗酸化剤の効能。1,2 Balz Frei, LinusPauling Institute, Oregon State University, Corvallis OR 97331-6512 (J. Nutr. 134:3196S-3198S, November 2004).
【非特許文献14】神経変性疾患におけるフリーラジカルおよび酸化的ストレス:食物抗酸化剤の関連性。Ravindra PratapSingh, Shashwat Sharad, Suman Kapur (JIACM 2004; 5(3):218-25).
【非特許文献15】アスコルビン酸補給後の糖尿病ラットの腸管筋神経細胞および腸粘膜。Priscila de Freitas,Maria Raquel Marcal Natali, Renata Virginia Fernandes Pereira, Marcilio HubnerMiranda Neto, Jacqueline Nelisis Zanoni. (World J Gastroenterol2008 November 14; 14(42): 6518-6524, World Journal of Gastroenterology ISSN1007-9327, (c)2008 The WJG Press. All rights reserved.).
【非特許文献16】パーキンソン病における酸化ストレス。Shashikant Nikam, Padmaja Nikam, S K Ahaley and Ajit V Sontakke Department ofBiochemistry, Government Medical College, Miraj andKIMS, Karad Maharashtra, India(Indian Journal ofClinical Biochemistry, 2009/24(1)98-101).
【非特許文献17】Kontush A, Mann U, Arlt S, UjeylA, Luhrs C, Muller-Thomsen T, BeisiegelU.アルツハイマー病患者におけるリポタンパク質酸化に対するビタミンEおよびC補給の影響。(Free Radic Biol Med.2001;31:345-354.).
【非特許文献18】Hitomi Takanaga et al., ナトリウム依存性アスコルビン酸輸送体ファミリーSLC23。Pflugers Arch-Eur J Physiol(2004)447:677-682
【非特許文献19】T. Caprile et Al., 脳幹細胞、神経細胞および神経芽腫細胞に発現するNa+依存性L-アスコルビン酸輸送体SVCT2のフラボノイドによる阻害。J. Neurochem. (2009) 108, 563-577
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
従って、本発明の目的は、アスコルビン酸の前記血中濃度を上昇させ、脳およびCNS内の標的領域へのアスコルビン酸の供給を容易にし、また向上させるために、アスコルビン酸と共に投与可能な、前記担体成分を提供することである。
【0021】
本発明のさらに別の目的は、より高い血中アスコルビン酸濃度と、脳神経細胞による、より多くの取り込みが達成できるように、アスコルビン酸と前記第2成分の用量を工夫することである。
【0022】
本発明のさらに別の目的は、腎臓結石のリスクを減少/最小化するための前記追加成分を提供することである。
【0023】
つまり、最重要課題は、脳およびCNS組織への前記アクセスを容易にするような担体成分をつきとめることである。そのような担体成分はまた、アスコルビン酸の単独投与によって得られるより高いレベルで、患者の血中アスコルビン酸を安定させる必要がある。毒性が無く、アスコルビン酸と反応せず、生理学的適合性があり、アスコルビン酸溶解性が良好な溶媒に対して、良好な溶解性を有していなければならない。好ましくは、前記溶媒は水または静脈用の水溶液でなければならない。組成物は、静脈内、筋内、経皮その他の経路によって人間および動物に対して投与できなければならない。
【0024】
本発明者は、これらの課題を念頭におきながら、多くの化合物および物質を試みた。思いがけなく、マンニトールが、前記要件を非常に高いレベルで満足させる化合物であることがわかった。その他に試したいくつかの化合物でも適していることがわかったが、罹患した脳細胞に迅速にアスコルビン酸を蓄積し濃縮するマンニトール程、良く要件を満たしたものはなかった。試験は、人間同様、体内でアスコルビン酸を合成できない水生動物種で行なった。マンニトールが、神経変性における補助的補完的な治療的役割を果たすだけではなく、標的組織への十分な量のアスコルビン酸の輸送と供給を促進するという、この驚くべき発見は、非常に重要な相乗作用であり、特定の治療的効果につながるものではないが、それでも重要性に変わりはない。本発明者は、前記の促進する役割は、重要かつ有益な相乗作用であり、組成物を相乗作用のある組成物にしていると考えている。また、本発明者は、本発明の組成物による治療効果および得られる疾患の好転が、マンニトールおよびアスコルビン酸を単独で用いた場合に可能な効果の和よりも顕著であることから、ある程度の有効な相乗作用が存在すると考えている。
【0025】
本発明者は、マンニトールが、アスコルビン酸の輸送と供給における前記促進する役割を有する他に、タンパク質凝集を減少させるのに役立つこと、フリーラジカルの形成を減少させること、脳への酸素供給を向上させ、体液レベルを調整することを発見した。
【課題を解決するための手段】
【0026】
従って、本発明によれば、第1成分と第2成分を含み、前記第1成分が任意の型のマンニトール、または前記型の任意の混合物であり、前記第2成分が、酸化型、還元型、アスコルビン酸塩鉱物、アスコルビン酸の脂肪酸エステルその他、またはこれらの型の任意の混合物のような任意の型のアスコルビン酸である、筋萎縮側索硬化症(ALS)、多発性硬化症(MS)、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)、筋ジストロフィー(MD)その他のような、人間および動物における神経変性および神経・筋変性障害および疾患を予防、除去、治療および管理するための、相乗作用のある治療用組成物が提供される。
【0027】
従って、本発明によれば、第1成分と第2成分を含み、前記第1成分が任意の型のマンニトール、または前記型の任意の混合物であり、前記第2成分が、アスコルビン酸、または、酸化型、還元型、アスコルビン酸塩鉱物、アスコルビン酸の脂肪酸エステルその他、またはこれらの型の任意の混合物のような、アスコルビン酸の任意の型または誘導体である、組成物の適量を、所定期間にわたって投与することと、任意の選択として、その後所定期間にわたって前記組成物の維持量を投与することを含む、筋萎縮側索硬化症(ALS)、多発性硬化症(MS)、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)、筋ジストロフィー(MD)その他のような、人間および動物における神経変性および神経・筋変性障害を予防、除去、治療および管理するための、治療方法が提供される。
【0028】
従って、本発明によれば、第1成分と第2成分を含み、前記成分がそれぞれマンニトールとアスコルビン酸である組成物を製造するための、任意の型のマンニトールまたは前記型の任意の混合物である前記第1成分と、酸化型、還元型、アスコルビン酸塩鉱物、アスコルビン酸の脂肪酸エステルその他、またはこれらの型の任意の混合物のような、任意の型のアスコルビン酸である前記第2成分とを用意し、前者と後者を混合して前記組成物を生産することを含む、製造方法が提供される。
【0029】
従って、本発明によれば、アスコルビン酸の高用量を、所定期間にわたって投与することと、任意の選択として、その後所定期間にわたって前記アスコルビン酸の維持量を投与することを含み、前記用量が1日1グラム以上であり、アスコルビン酸、または、酸化型、還元型、アスコルビン酸塩鉱物、アスコルビン酸の脂肪酸エステルその他、またはこれらの型の任意の混合物のような、アスコルビン酸の任意の型または誘導体を含む、筋萎縮側索硬化症(ALS)、多発性硬化症(MS)、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)、筋ジストロフィー(MD)その他のような、人間および動物における神経変性および神経・筋変性障害を予防、除去、治療および管理するための、治療方法が提供される。
【0030】
上述のように、本発明の組成物は、重要な要素としてマンニトールとアスコルビン酸を含む。本発明の範囲内で、マンニトールは、D−マンニトールその他のような任意の型のマンニトール、または薬学的に受容可能であれば任意の既知の転換型であってよい。アスコルビン酸は、ビタミンCまたはDHA、アスコルビン酸の酸化型、アスコルビン酸塩その他、または薬学的に受容可能な転換型であってよい。これら2つの成分として好ましい型は、D−マンニトールとアスコルビン酸である。
【0031】
好ましくは、本発明の組成物はさらにクエン酸亜鉛を含む。クエン酸亜鉛はスーパーオキシド・ジスムターゼ(SOD)、神経障害標的エステラーゼ(NTE)その他の酵素の産生増加につながり、エネルギーレベルを増加させる。
【0032】
好ましくは、本発明の組成物は、静脈内投与に適したIV型である。該IV輸液は、血液のpHを好ましくは7.4に維持するのを助ける、リン酸カリウム緩衝剤を含むことが好ましい。
【0033】
追加成分、即ちクエン酸亜鉛とリン酸カリウム緩衝剤(7.4pH)を含むIV型の好ましい実施例においては、本発明の組成物はより良好な恒常性を保証し、神経変性および神経・筋変性の人間および動物の呼吸性および代謝性アシドーシスを最小化する。
【0034】
本発明の範囲内で、本発明の組成物は、経口投与、静脈内投与、筋内投与、経皮パッチによる投与、経鼻投与またはその他既知の任意の経路による投与に適した、任意の薬学的型であってよい。好ましくは、前記組成物は、IV(静脈内)、IM(筋内)、皮下またはパッチ型であり、さらに好ましくはIV型である。これらの好ましい型は、いくつかの目的の面で効果的であるが、特に、アスコルビン酸が経口投与されるときに作用する生理学的制御を避けることができる。経口投与では、体が過剰なアスコルビン酸を代謝して低い血中濃度を維持するので、得られる血中濃度が低くなる。フリーラジカルに対する十分かつ効率的な除去作用を得るためには、血中および標的細胞内を高いアスコルビン酸濃度とすることが重要である。同様に、本発明の組成物は、錠剤、カプセル、ゲル、溶液、パッチその他のような任意の既知の型であってよく、補助的または補完的治療作用、追加的栄養、色、感触、臭い、味、香味およびその他の望ましい特性を目的とする、1つまたは複数の任意の追加成分を含んでもよい。
【0035】
本発明の組成物の投与は、生理学的制御作用を改善して、アスコルビン酸の血中濃度を高めることを可能にする。これにより、血液脳関門を越えることが容易になり、脳およびCNS内の標的細胞部位に、アスコルビン酸成分をより良く輸送、供給することができる。この結果、フリーラジカルをより良く除去および中和することができ、細胞死を防ぐことができる。
【発明を実施するための形態】
【0036】
3成分、つまりマンニトール、アスコルビン酸およびクエン酸亜鉛の比率は、どのような比率であっても治療効果を示す。好ましくは、本発明の組成物中のマンニトール:アスコルビン酸の比率は、重量比で約5:1から約80:1である。好ましくは、クエン酸亜鉛:マンニトールの比率は、重量比で約0.007:1から約0.014:1である。本発明の好ましいIV輸液の実施例の組成は以下の通りである。
マンニトール 約1.8%〜約25% w/v
アスコルビン酸 約0.2%〜約5.0% w/v
クエン酸亜鉛 約0.01%〜約0.1% w/v
追加でリン酸カリウム緩衝剤 7.4pH
【0037】
本発明の組成物は、その成分の混合工程によって作られてもよい。本発明は、1日1グラム以上のようなアスコルビン酸の高用量を提案する。本発明をより明確に理解するため、以下に実施形態または実施例をいくつか記載するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0038】
IV組成物
基準量:1リットルの静脈注射用溶液
マンニトール 1.8%〜25% w/v
クエン酸亜鉛 0.01%〜0.2% w/v
アスコルビン酸 0.2%〜5.0% w/v
リン酸カリウム緩衝剤 − 7.4pH
水 − 適量
防腐剤 − 適量
注:投与後最初の30分間、血清電解質の監視が必要である。尿中電解質のチェックも行なうことができる。
【実施例2】
【0039】
IM組成物
基準量:10mlの溶液
マンニトール 500〜1,000mg
クエン酸亜鉛 10〜100mg
アスコルビン酸 250〜2,000mg
水 − 適量
ベンジルアルコール − 防腐剤
pH調整用の水酸化ナトリウムおよびHCl
【実施例3】
【0040】
経皮パッチ用組成物
マンニトール 500〜1,000mg
クエン酸亜鉛 15〜75mg
アスコルビン酸 500〜2,000mg
吸収性ゲル 適量
防腐剤 適量
【実施例4】
【0041】
鼻スプレー用組成物
基準量:30mlのスプレー溶液
マンニトール 100〜500mg
クエン酸亜鉛 2〜15mg
デヒドロアスコルビン酸 200〜500mg
他の成分:クエン酸、クエン酸ナトリウム、グリセリンおよび塩化ベンザルコニウム、純水
嗅覚神経細胞には、嗅覚受容体/嗅球による直接的な取り込み機構があるので、必要なデヒドロアスコルビン酸を即座に脳の神経細胞に到達させることができ、非常に少ない用量でも大きな治療効果が得られる。
【実施例5】
【0042】
経口シロップ30ml用組成物
マンニトール 5〜15g
クエン酸亜鉛 120〜500mg
アスコルビン酸 5〜12g
他の成分:BHT、エチルアルコール、水、着色剤、香味剤、pH調整剤
当業者であれば、上記、本明細書中に記載した以外の実施例および変形例を実施可能であり、それらも本発明の精神と範囲の内に入る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1成分と第2成分を含み、前記第1成分が任意の型のマンニトール、または前記型の任意の混合物であり、前記第2成分が、酸化型、還元型、アスコルビン酸塩鉱物、アスコルビン酸の脂肪酸エステルその他、またはこれらの型の任意の混合物のような任意の型のアスコルビン酸である、筋萎縮側索硬化症(ALS)、多発性硬化症(MS)、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)、筋ジストロフィー(MD)その他のような、人間および動物における神経変性および神経・筋変性障害および疾患を予防、除去、治療および管理するための、相乗作用のある治療用組成物。
【請求項2】
クエン酸亜鉛をさらに含む、請求項1に記載の、相乗作用のある治療用組成物。
【請求項3】
補完的および/または補助的治療作用を付与するための、アジュバントを含む任意の既知の治療用化合物を、1つまたは複数追加で含む、請求項1または2に記載の、相乗作用のある治療用組成物。
【請求項4】
植物抽出物、アミノ酸その他のような、追加の食品および/または栄養因子および/または色、感触、味、香味を目的とする添加剤を含む、請求項1乃至3のいずれかに記載の、相乗作用のある治療用組成物。
【請求項5】
経口投与、経鼻投与、筋内投与、静脈内投与、経皮投与、舌下投与、皮下投与その他の経路の内の一つによって投与されるのに適した任意の既知の型である、請求項1乃至4のいずれかに記載の、相乗作用のある治療用組成物。
【請求項6】
粉末、シロップ、飲料、錠剤、カプレット、ソフトゲル、カプセル、ナノゲル、ナノ粒子、注射、非経口、経皮パッチ、吸収性ゲル、鼻スプレーその他のような、投与のための任意の既知の型である、請求項1乃至5のいずれかに記載の、相乗作用のある治療用組成物。
【請求項7】
マンニトール:アスコルビン酸が重量比で約5:1〜約80:1である、請求項1乃至6のいずれかに記載の、相乗作用のある治療用組成物。
【請求項8】
前記組成物は静脈内(IV)輸液型であり、その組成は、前記約100mlの輸液中に、マンニトール約1.8% w/vから約25% w/v、クエン酸亜鉛約0.01%
w/vから約0.2% w/v およびアスコルビン酸約0.1% w/vから約5% w/v、水適量、防腐剤適量、リン酸カリウム緩衝剤7.4pHであり、その他の容積に対してはそれに比例する、請求項1乃至7のいずれかに記載の、相乗作用のある治療用組成物。
【請求項9】
前記組成物が経口投与用シロップ型であり、約30mlの前記シロップに、マンニトール約5gから約15g、アスコルビン酸約5gから12g、クエン酸亜鉛約120mgから約500mgを含み、その他の容積に対してはそれに比例する量を含み、前記組成物が必要に応じてさらにBHT、エチルアルコール、水、着色剤、香味剤、pH調整剤、純粋を含む、請求項1乃至7のいずれかに記載の、相乗作用のある治療用組成物。
【請求項10】
前記組成物が筋内投与に適した溶液型であり、該溶液が、約10mlの該溶液に、マンニトール約500mgから約1,000mg、アスコルビン酸約250mgから2,000mg、クエン酸亜鉛約10mgから約100mg、水適量、ベンジルアルコール防腐剤およびpH調整用の水酸化ナトリウムおよび塩酸を含み、その他の容積に対してはそれに比例する量を含む、請求項1乃至7のいずれかに記載の、相乗作用のある治療用組成物。
【請求項11】
前記組成物が鼻スプレー型であり、約30mlのスプレー溶液に、マンニトール約100mgから約500mg、クエン酸亜鉛約2mgから約15mg、デヒドロアスコルビン酸約200mgから約500mgを含み、その他の容積に対してはそれに比例する量を含み、前記組成物が必要に応じてさらにクエン酸、クエン酸ナトリウム、グリセリンおよび塩化ベンザルコニウムを含む、請求項1乃至7のいずれかに記載の、相乗作用のある治療用組成物。
【請求項12】
既知の経皮パッチによる投与用の前記組成物が、マンニトール約500mgから約1,000mg、クエン酸亜鉛約15mgから約75mg、アスコルビン酸約500mgから約2000mg、吸収性ゲル適量、防腐剤適量を含み、それより大きい容積に対してはそれに比例する量を含む、請求項1乃至7のいずれかに記載の、相乗作用のある治療用組成物。
【請求項13】
筋萎縮側索硬化症(ALS)、多発性硬化症(MS)、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)、筋ジストロフィー(MD)その他のような、人間および動物における神経変性および神経・筋変性障害および疾患を予防、除去、治療および管理するための、実質的に明細書に記載された、相乗作用のある治療用組成物。
【請求項14】
第1成分と第2成分を含み、前記第1成分が任意の型のマンニトール、または前記型の任意の混合物であり、前記第2成分が、アスコルビン酸、または、酸化型、還元型、アスコルビン酸塩鉱物、アスコルビン酸の脂肪酸エステルその他、またはこれらの型の任意の混合物のような、アスコルビン酸の任意の型または誘導体である、組成物の適量を、所定期間にわたって投与することと、任意の選択として、その後所定期間にわたって前記組成物の維持量を投与することを含む、筋萎縮側索硬化症(ALS)、多発性硬化症(MS)、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)、筋ジストロフィー(MD)その他のような、人間および動物における神経変性および神経・筋変性障害を予防、除去、治療および管理するための、治療方法。
【請求項15】
前記組成物が、クエン酸亜鉛をさらに含む、請求項14に記載の治療方法。
【請求項16】
前記組成物が、経口投与、経鼻投与、筋内投与、静脈内投与、経皮投与、舌下投与、皮下投与その他の経路の内の一つによって投与される、請求項14または15に記載の、治療方法。
【請求項17】
請求項1乃至13のいずれかに記載の組成物の適量を、所定期間にわたって投与することと、任意の選択として、その後所定期間にわたって前記組成物の維持量を投与することを含む、筋萎縮側索硬化症(ALS)、多発性硬化症(MS)、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)、筋ジストロフィー(MD)その他のような、人間および動物における神経変性および神経・筋変性障害を予防、除去、治療および管理するための、治療方法。
【請求項18】
第1成分と第2成分を含み、前記第1成分が任意の型のマンニトール、または前記型の任意の混合物であり、前記第2成分が、アスコルビン酸、または、酸化型、還元型、アスコルビン酸塩鉱物、アスコルビン酸の脂肪酸エステルその他、またはこれらの型の任意の混合物のような、アスコルビン酸の任意の誘導体である、組成物の適量を、所定期間にわたって投与することと、任意の選択として、その後所定期間にわたって前記組成物の維持量を投与することを含む、筋萎縮側索硬化症(ALS)、多発性硬化症(MS)、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)、筋ジストロフィー(MD)その他のような、人間および動物における神経変性および神経・筋変性障害を予防、除去、治療および管理するための、実質的に明細書に記載された、治療方法。
【請求項19】
第1成分と第2成分を含み、前記成分がそれぞれマンニトールとアスコルビン酸である組成物を製造するための、任意の型のマンニトールまたは前記型の任意の混合物である前記第1成分と、酸化型、還元型、アスコルビン酸塩鉱物、アスコルビン酸の脂肪酸エステルその他、またはこれらの型の任意の混合物のような、任意の型のアスコルビン酸である前記第2成分とを用意し、前者と後者を混合して前記組成物を生産することを含む、製造方法。
【請求項20】
前記マンニトールまたはアスコルビン酸またはその両方が、種々の前記それらの型または誘導体の任意の混合物である請求項19に記載の製造方法。
【請求項21】
追加の補完的または補助的治療作用を付与するため、前記マンニトールおよびアスコルビン酸の混合物に、1つまたは複数の追加の治療用化合物が追加された、請求項19または20に記載の製造方法。
【請求項22】
前記追加の化合物がクエン酸亜鉛である、請求項21に記載の製造方法。
【請求項23】
第1成分と第2成分を含み、前記成分がそれぞれマンニトールとアスコルビン酸である組成物を製造するための、任意の型のマンニトールまたは前記型の任意の混合物である前記第1成分と、酸化型、還元型、アスコルビン酸塩鉱物、アスコルビン酸の脂肪酸エステルその他、またはこれらの型の任意の混合物のような、任意の型のアスコルビン酸である前記第2成分とを用意し、前者と後者を混合して前記組成物を生産することを含む、実質的に明細書に記載された、製造方法。
【請求項24】
アスコルビン酸の高用量を、所定期間にわたって投与することと、任意の選択として、その後所定期間にわたって前記アスコルビン酸の維持量を投与することを含み、前記用量が1日1グラム以上であり、アスコルビン酸、または、酸化型、還元型、アスコルビン酸塩鉱物、アスコルビン酸の脂肪酸エステル、またはこれらの型の任意の混合物のような、アスコルビン酸の任意の型または誘導体を含む、筋萎縮側索硬化症(ALS)、多発性硬化症(MS)、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)、筋ジストロフィー(MD)その他のような、人間および動物における神経変性および神経・筋変性障害を予防、除去、治療および管理するための、治療方法。
【請求項25】
前記用量中に任意の型のマンニトールまたは前記型の任意の混合物をさらに含む、請求項24に記載の治療方法。
【請求項26】
前記用量中にクエン酸亜鉛をさらに含む、請求項24または25に記載の治療方法。
【請求項27】
前記用量が、経口投与、経鼻投与、筋内投与、静脈内投与、経皮投与、舌下投与、皮下投与またはその他の内の1つの経路によって投与される、請求項24乃至26のいずれかに記載の治療方法。
【請求項28】
前記用量が、粉末、シロップ、飲料、錠剤、カプレット、ソフトゲル、カプセル、ナノゲル、ナノ粒子、注射、非経口、経皮パッチ、吸収性ゲル、鼻スプレーその他の内の一つの型である、請求項24乃至27のいずれかに記載の治療方法。
【請求項29】
アスコルビン酸の高用量を、所定期間にわたって投与することと、任意の選択として、その後所定期間にわたって前記アスコルビン酸の維持量を投与することを含み、前記用量が1日1グラム以上であり、アスコルビン酸、または、酸化型、還元型、アスコルビン酸塩鉱物、アスコルビン酸の脂肪酸エステル、またはこれらの型の任意の混合物のような、アスコルビン酸の任意の型または誘導体を含む、筋萎縮側索硬化症(ALS)、多発性硬化症(MS)、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)、筋ジストロフィー(MD)その他のような、人間および動物における神経変性および神経・筋変性障害を予防、除去、治療および管理するための、実質的に明細書に記載された、治療方法。

【公表番号】特表2013−503853(P2013−503853A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−527449(P2012−527449)
【出願日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際出願番号】PCT/IN2010/000583
【国際公開番号】WO2011/027363
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(512026891)
【Fターム(参考)】