説明

移動体の速度計測装置

【課題】移動体の移動速度を検出できる範囲を大きく確保でき、かつ、打撃前後の移動体の移動速度、移動体を打撃する物体の速度を同時に計測する。
【解決手段】ドップラーセンサ14を用いて打撃領域の前方から打撃領域に向かって移動するボール2と、打撃領域でボール2を打撃するバット4と、打撃されたあとのボール2とに向けて送信波W1を送信し、バット4とボール2とで反射された反射波W2を受信してドップラー信号Sdを検出する。ドップラー信号Sdから変換された中間データは蓄積部30に時間経過に従って順番に予め定められた蓄積期間分蓄積される。計測部18は、蓄積部30に蓄積された中間データに基づいて打撃時点を特定し、ボール2がアンテナ12に接近する方向に移動する接近速度、ボール2がアンテナ12から離間する方向に移動する離間速度、バット4の速度である物体速度を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は移動体の速度計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人がゴルフクラブをスイングしてゴルフボールを打撃したときのゴルフクラブのスイング速度を検出する装置が提案されている(特許文献1参照)。この装置は、撮像装置によって得られたゴルフクラブの画像情報に基づいてスイング速度を求めている。
また、人が野球バットやテニスラケットなどのスイング部材をスイングしてボールを打撃したときのスイング部材のスイング速度を検出する装置が提案されている(特許文献2参照)。この装置は、光センサによって検出されたスイング部材の通過時間に基づいてスイング速度を算出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−90380号公報
【特許文献2】特開平02−249565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術では、撮像装置や光センサを用いているため、測定範囲が限定されている。したがって、定められた測定範囲内に置かれたボールをゴルフクラブやスイング部材で打撃しなくてはならない。
そのため、人やピッチングマシンなどから投球されたボールをバットで打撃するといったように、打撃する位置がばらついて撮像装置や光センサの測定範囲から逸脱するような場合は計測が困難である。
また、スイング速度を計測する場合と同様の原理によりボールの移動速度を測定することもできるが、従来は、例えば投球されたボールの速度のみを測定するか、バットのスイング速度のみを測定するか、打撃されたボールの速度のみを計測するかの何れかに留まっている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、移動体の移動速度を検出できる範囲を大きく確保でき、かつ、打撃される前の移動体の移動速度、打撃された後の移動体の移動速度、移動体を打撃する物体の速度を同時に計測することができる移動体の速度計測装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の移動体の速度計測装置は、打撃領域の前方から前記打撃領域に向かって移動する移動体と、前記打撃領域で前記移動体を打撃する物体と、前記打撃されたあとの前記移動体とに向けて前記打撃領域の後方から送信波をアンテナから送信すると共に、前記物体と前記移動体とで反射された反射波を前記アンテナで受信し、ドップラー周波数を有するドップラー信号を生成するドップラーセンサと、前記ドップラー信号を、前記ドップラー周波数に対応付けられた中間データに変換すると共に、前記中間データを予め定められたサンプリング周期でサンプリングする検出部と、前記検出部でサンプリングされた前記中間データを時間経過に従って順番に予め定められた蓄積期間分蓄積する蓄積部と、前記蓄積期間のうち前記物体が前記移動体を打撃した時点である打撃時点を特定する打撃時点特定部と、前記蓄積部に蓄積された前記中間データのうち前記蓄積期間の開始時点から前記打撃時点までの期間である第1期間T1に蓄積された中間データに基づいて前記移動体が前記アンテナに接近する方向に移動する接近速度を算出する接近速度算出部と、前記蓄積部に蓄積された前記中間データのうち前記打撃時点から前記蓄積期間の終了時点までの期間である第2期間T2に蓄積された中間データに基づいて前記移動体が前記アンテナから離間する方向に移動する離間速度を算出する離間速度算出部と、前記打撃時点に対応する中間データに基づいて前記打撃時点における前記物体の速度である物体速度を算出する物体速度算出部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によればドップラーセンサによって得られるドップラー信号に基づいて物体が移動体を打撃した打撃時点を特定し、特定した打撃時点を利用して移動体の近接速度、離間速度、物体の物体速度をそれぞれ算出するようにしたので、移動体および物体の移動速度を検出できる範囲を大きく確保でき、かつ、打撃される前の移動体の移動速度、打撃された後の移動体の移動速度、移動体を打撃する物体の速度を同時に計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施の形態の移動体の速度計測装置10の構成を示すブロック図である。
【図2】速度計測装置10の機能ブロック図である。
【図3】ドップラー信号Sdをウェーブレット解析した結果を示す図である。
【図4】速度計測装置10の動作を示すフローチャートである。
【図5】第2の実施の形態における速度計測装置10の機能ブロック図である。
【図6】第3の実施の形態における速度計測装置10の機能ブロック図である。
【図7】図3において周波数分布A,Bの双方が存在している時点tAにおけるドップラー信号Sdの周波数分布を示す模式図である。
【図8】第4の実施の形態における速度計測装置10の機能ブロック図である。
【図9】ドップラー信号Sdの連続FFT処理の一例を示す説明図である。
【図10】ドップラー信号Sdの連続FFT処理の他の例を示す説明図である。
【図11】時系列の周波数分布データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本実施の形態に係る移動体の速度計測装置10(以下速度計測装置10という)の構成を示すブロック図、図2は移動体の速度計測装置10の機能ブロック図である。
【0009】
本実施の形態では、移動体が野球用のボール2であり、速度計測装置10が、野球用のバット(物体)4によって打撃された際のボール2およびバット4の移動速度を計測する場合について説明する。なお、移動体は、様々な球技用のボールであってもよく、物体によって打撃されることで空間を移動するものであればよい。
【0010】
図1に示すように、本実施の形態の速度計測装置10は、アンテナ12と、ドップラーセンサ14と、信号処理回路16と、計測部18と、表示部22と、操作部24などを含んで構成されている。
【0011】
アンテナ12は、ドップラーセンサ14から供給される送信信号に基づいて送信波W1としてのマイクロ波をボール2とバット4とに向けて送信すると共に、ボール2とバット4とで反射された反射波W2を受信して受信信号をドップラーセンサ14に供給するものである。
また、バット4でボール2を打撃する空間を打撃領域とし、打撃領域は、ドップラーセンサ14の前方に設定されている。
したがって、アンテナ12は、打撃領域の前方から打撃領域に向かって移動するボール2と、打撃領域でボール2を打撃するバット4と、打撃されたあとのボール2とに向けて打撃領域の後方から送信波W1を送信すると共に、バット4とボール2とで反射された反射波W2を受信して受信信号をドップラーセンサ14に供給するものである。
【0012】
ドップラーセンサ14は、アンテナ12に前記送信信号を供給すると共に、アンテナ12から供給される前記受信信号を受け付けてドップラー信号Sdを検出するものである。
ドップラー信号とは、前記送信信号の周波数F1と前記受信信号の周波数F2との差分の周波数F1−F2で定義されるドップラー周波数Fdを有する信号である。
ドップラーセンサ14は、市販されている種々のものが使用可能である。
なお、前記の送信信号としては、例えば、24GHzのマイクロ波が使用可能であり、ドップラー信号Sdを得られるものであれば送信信号の周波数は限定されない。
【0013】
ここで、ドップラーセンサ14を用いた速度検出の原理について説明する。
従来から知られているように、ドップラー周波数Fdは式(1)で表される。
Fd=F1−F2=2・V・F1/c (1)
ただし、V:ボール2あるいはバット4の速度、c:光速(3・10m/s)
したがって、(1)式をVについて解くと、(2)式となる。
V=c・Fd/(2・F1) (2)
したがって、速度Vは、ドップラー周波数Fdに比例することになる。
したがって、ドップラー信号Sdからドップラー周波数Fdの周波数成分を検出し、検出したドップラー周波数成分から式(2)に基づいてボール2の速度Vを求めることができる。
【0014】
次に、ドップラーセンサ14によってボール2とバット4とを検出した場合のドップラー周波数Fdの計測結果について説明する。
図3は、ドップラー信号Sdをウェーブレット解析した結果を示す図である。
横軸は時間t(ms)、縦軸はドップラー周波数Fd(Hz)および移動体の速度V(m/s)を示す。
このような線図は、例えば、ドップラー信号Sdをサンプリングしてデジタルオシロスコープに取り込んでデジタルデータに変換し、該デジタルデータをパーソナルコンピュータなどを用いてウェーブレット解析、あるいは、連続FFT解析することで得られる。
【0015】
図3は、予め定められた打撃領域に向かって投げられたボール2が、スイングされたバット4によって打撃される前後の過程を示している。
符号Aで示される周波数分布(速度分布)は、ボール2が打撃領域(アンテナ12)に向かって近接する方向に移動する期間において、ボール2で反射された反射波に対応するドップラー周波数Fd(速度V)の検出結果を示している。
符号Bで示される周波数分布(速度分布)は、スイングされたバット4がボール2を打撃する前後の期間において、バット4で反射された反射波に対応するドップラー周波数Fd(速度V)の検出結果を示している。
符号Cで示される周波数分布(速度分布)は、バット4で打撃されたボール2が打撃領域(アンテナ12)から離間する方向に移動する期間において、ボール2で反射された反射波に対応するドップラー周波数Fd(速度V)の検出結果を示している。
なお、図3に示す周波数分布A,B,Cにおいて、ハッチングで示した部分はドップラー信号Sdの強度が大きく、実線で示した部分はドップラー信号Sdの強度がハッチングで示した部分よりも小さいことを示している。
【0016】
周波数分布Aは、打撃領域に接近する方向に移動するボール2がドップラーセンサ14の検出領域内に進入した時点から計測されほぼ一定速度で移動する過程を示している。
周波数領域Bは、スイングされたバット4がドップラーセンサ14の検出領域内に進入した時点から計測され時間経過と共に増速し、バット4がボール2を打撃した時点を境として時間経過と共に減速する過程を示している。
また、周波数分布Cは、バット4で打撃されたボール2が打撃領域から離間する方向にほぼ一定速度で移動する過程を示している。本例では、周波数分布Aよりも周波数分布Cの周波数が高く、したがって、バット4で打撃される前のボール2の移動速度よりも、バット4で打撃された後のボール2の移動速度4が高い。
このようにボール2とバット4とが同時に移動している場合には、これら複数の周波数分布が混在して検出されることから、ボール2とバット4の移動速度を特定して計測することは困難である。
【0017】
そこで、本発明者らは図3に示す測定結果に基づいて以下の知見を得た。
(1)バット4の移動速度V(ドップラー周波数Fd)は、ボール2を打撃することで大きく減速する。
すなわち、バット4の移動速度V(ドップラー周波数Fd)の単位時間当たりの変化量は、ボール2の打撃時に大きく変化する。
バット4の最高速度(いわゆるヘッド速度)は、打撃前の期間におけるバット4の移動速度Vの最高速度となる。
すなわち、バット4の最高速度は、図3の周波数分布Bにおけるドップラー周波数Fdの最高周波数に対応する移動速度となる。
すなわち、ドップラー周波数Fdの変化率が正から負に反転する部分に対応する移動速度が最高速度であり、この最高速度が生じた時点でバット4がボール2を打撃している。
(2)一方、ボール2の移動速度V(ドップラー周波数Fd)は、バット4によって打撃される前の期間と、バット4によって打撃された後の期間とで、それぞれ、ほぼ一定速度とみなすことができる。
したがって、バット4で打撃される前のボール2の移動速度は、図3の周波数分布Aにおけるドップラー周波数Fdに対応する移動速度となる。
また、バット4で打撃された後のボール2の移動速度は、図3の周波数分布Cにおけるドップラー周波数Fdに対応する移動速度となる。
(3)上述のことから、バット4がボール2を打撃した打撃時点timpを特定することにより、周波数分布A,B,Cを判別することができる。
判別した周波数分布Bにおける最高速度を求めることでバット4の最高速度を計測できることになる。
また、判別した周波数分布A,Cにおける平均速度を求めることでボール2の打撃前後の移動速度をそれぞれ計測することができることになる。
本発明はこのようなこのような知見に基づいて、ボール2,バット4の移動速度の変化が互いに異なる傾向および特徴を有することに基づいてボール2,バット4の移動速度を的確に計測するものである。
【0018】
図1に戻って説明を続ける。
信号処理回路16は、ドップラーセンサ14から供給されるドップラー信号Sdを増幅するものである。
【0019】
計測部18は、信号処理回路16から供給される増幅処理されたドップラー信号Sdを入力して種々の処理を行うことにより、ボール2,バット4の速度を算出するものである。
本実施の形態では、計測部18は、マイクロコンピュータ26によって構成されている。
マイクロコンピュータ26は、CPU26Aと、不図示のインターフェース回路およびバスラインを介して接続されたROM26B、RAM26C、インターフェース26D、表示用ドライバ26Eなどを含んで構成されている。
ROM26BはCPU26Aが実行する速度計測用プログラムなどを格納し、RAM26Cはワーキングエリアを提供するものである。
インターフェース26Dは、信号処理回路16から供給される2値化信号を入力してCPU26Aに供給し、また、操作部24からの操作信号を受け付けてCPU26Aに供給するものである。
表示用ドライバ26EはCPU26Aの制御に基づいて表示部22を駆動するものである。
【0020】
図5はマイクロコンピュータ26の構成を機能ブロックで示した速度計測装置10のブロック図である。
マイクロコンピュータ26は、機能的には、検出部28と、蓄積部30と、打撃時点特定部32と、接近速度算出部34と、離間速度算出部36と、物体速度算出部38と、飛距離算出部40と、制御部44とを含んで構成されている。
また、蓄積部30と、打撃時点特定部32と、接近速度算出部34と、離間速度算出部36と、物体速度算出部38と、飛距離算出部40と、制御部42とは、CPU26Aが前記速度計測用プログラムを実行することで実現されるものであるが、これらの部分は、回路等のハードウェアで構成されたものであってもよい。
【0021】
検出部28は、信号処理回路16から供給される増幅されたドップラー信号Sdを予め定められた閾値を基準としてローレベルとハイレベルとの2値をとる2値化信号に変換し、2値化信号をドップラー周波数Fdに対応付けられた中間データに変換すると共に、中間データを予め定められたサンプリング周期でサンプリングするものである。
ドップラー信号Sdの周期は2値化信号の周期に対応することになり、言い換えると、ドップラー信号Sdの周波数は2値化信号の周波数に対応することになる。
本実施の形態では、検出部28は、2値化信号の周期をカウンタを用いて計数することにより2値化信号の周期を中間データとして生成する。すなわち、中間データの変換は、ドップラー信号を2値化することにより得た2値化信号の周期を中間データとして得ることでなされる。
言い換えると、検出部28は、ドップラー信号Sdの周期をカウントすることにより時系列データとしての周期データを得ることにより、この周期データをドップラー周波数Fdに対応付けられた中間データとして生成する。
したがって、中間データの値とドップラー周波数Fdは反比例することになる。
【0022】
本実施の形態では、検出部28によって特許請求の範囲における「ドップラー信号を、ドップラー周波数に対応付けられた中間データに変換すると共に、中間データを予め定められたサンプリング周期でサンプリングする検出部」が構成されている。
なお、本実施の形態では、ドップラー周波数Fdに対応付けられた中間データが周期のデータである場合について説明するが、中間データはドップラー周波数Fdを表す周波数のデータであってもよい。
しかしながら、中間データとして周波数のデータを用いる場合には、信号処理としてFFT変換を行うなど処理回路の構成が複雑となりまた処理時間が長くなるなどの不利がある。これに対して本実施の形態のように、中間データとして周期のデータを用いると、処理回路の構成が簡素化され処理時間の短縮化を図る上でも有利となる。
【0023】
蓄積部30は、検出部28でサンプリングされた中間データを時間経過に従って順番に予め定められた蓄積期間分蓄積するものであり、本実施の形態では、記憶手段としてのRAM26Cで構成され、CPU26Aの制御により蓄積動作の開始と停止が制御される。
より詳細には、蓄積部30は、1回の計測動作が開始されると、中間データが垂れ流し方式で蓄積される。したがって、予め定められた蓄積期間に相当する中間データが蓄積されると、蓄積部30は、新たな中間データを既に蓄積された中間データに対して上書きしながら蓄積する。これにより、蓄積部30は、常に蓄積期間に相当する最新の中間データを蓄積する。
蓄積部30は、バット4が打撃領域(ドップラセンサ14の計測エリア)に進入することによりドップラー信号Sdのレベル(反射波の強度)が予め定められた値以上となったか否かを判定するように構成されている。
そして、ドップラー信号Sdのレベルが予め定められた値を検知した時点を起点(トリガー)として、蓄積期間が終了した時点で蓄積動作を停止する。これにより予め定められた蓄積期間に相当する中間データが蓄積部30に蓄積されることになる。
なお、蓄積期間は、バット4の離間速度を計測するに足る中間データを確保できるように予め設定しておく。
【0024】
打撃時点特定部32は、蓄積期間のうち物体が移動体を打撃した時点である打撃時点timpを特定するものである。
本実施の形態では、打撃時点特定部32は、蓄積部30に蓄積された中間データのうち変化率が正から負にあるいは負から正に反転する部分を特定し、かつ、該特定した中間データの部分に対応する時点を打撃時点timpとして特定する。
すなわち、図3に示した周波数分布Bのピーク、言い換えると、周波数分布Bのうち変化率が正から負にあるいは負から正に反転する部分に対応する時点を打撃時点timptとして特定する。
【0025】
接近速度算出部34は、蓄積部30に蓄積された中間データのうち蓄積期間の開始時点から打撃時点timpまでの期間である第1期間T1に蓄積された中間データに基づいてボール2がアンテナ12に接近する方向に移動する接近速度を算出するものである。
すなわち、図3に示した周波数分布Aに基づいてボール2がアンテナ12に接近する方向に移動する接近速度を算出する。
なお、周波数分布Bの影響を除くため、接近速度算出部34は、第1期間T1に周波数分布Bが含まれないように、打撃時点timpから予め定められた第1除外期間ΔT1遡った期間を除外した期間T1−ΔT1に蓄積された中間データに基づいてボール2がアンテナ12に接近する方向に移動する接近速度を算出する。
このような第1除外期間ΔT1は実測結果に基づいて適宜設定される。
【0026】
離間速度算出部36は、蓄積部30に蓄積された中間データのうち打撃時点timpから蓄積期間の終了時点までの期間である第2期間T2に蓄積された中間データに基づいてボール2がアンテナ12から離間する方向に移動する離間速度を算出する。
すなわち、図3に示した周波数分布Cに基づいてボール2がアンテナ12から離間する方向に移動する接近速度を算出する。
なお、周波数分布Bの影響を除くため、離間速度算出部36は、第2期間T2に周波数分布Bが含まれないように、打撃時点timpから予め定められた第2除外期間ΔT2後の期間を除外した期間T2−ΔT2に蓄積された中間データに基づいてボール2がアンテナ12から離間する方向に移動する離間速度を算出する。
このような第2除外期間ΔT2は実測結果に基づいて適宜設定される。
【0027】
物体速度算出部38は、打撃時点timpに対応する中間データに基づいて打撃時点timpにおけるバット4の速度である物体速度を算出するものである。
【0028】
飛距離算出部40は、離間速度に基づいてボール2の飛距離を算出するものである。
飛距離算出部40によるボール2の飛距離の算出は以下のようになされる。
予め離間速度とボール2の飛距離とを実測しておき、離間速度と飛距離との相関関係を示すマップ、あるいは、離間速度と飛距離との相関関係を示す相関式を作成し、飛距離算出部40にマップあるいは相関式を設定しておく。
飛距離算出部40は、算出された離間速度に基づいてマップあるいは相関式から飛距離を算出する。
【0029】
制御部42は、操作部24が受け付けた操作に応じて計測部18の制御を行う。
また、制御部42は、計測部18によって算出された接近速度、離間速度、物体速度、飛距離などの情報を表示部22に表示させる。
【0030】
操作部24は、速度計測装置10の電源スイッチや計測動作の設定などを行う際に操作されるものである。
表示部22は、速度計測装置10の動作状態や計測部18によって算出された前記の各情報を表示するものである。
【0031】
次に、速度計測装置10の動作に図4のフローチャートを参照して説明する。
以下では、バッティングセンターなどのように、ピッチングマシンから打撃領域に向けて投球されたボール2を打撃領域の近傍に立つ使用者がバット4をスイングして打撃する場合について説明する。
予め、速度計測装置10のアンテナ12は、打撃領域の後方箇所で打撃領域に向けて(前方に向けて)配置されている。
次いで、アンテナ12は、地面の上に載置してもよいし、あるいは、三脚などの固定具を介して設置してもよい。
【0032】
使用者が速度計測装置10の操作部24を操作して速度計測装置10を計測が可能な計測モードに設定する(ステップS10)。
これにより、計測動作が開始され、アンテナ12から送出された送信波W1がボール2およびバット4に当たり、反射波W2がアンテナ12に受信可能な状態となる。
したがって、ステップS10以降、送信波W1が送信されると共に、反射波W2が生じるとドップラーセンサ14で受信され、ドップラーセンサ14でドップラー信号Sdが生成され、ドップラー信号Sdは、信号処理回路16によって増幅されたのち、検出部28によってドップラー周波数Fdに対応付けられた中間データに変換され、この中間データがサンプリングされ、時系列データとして蓄積部30に蓄積される(ステップS12、S14)。
すなわち、速度計測装置10の計測動作が開始された以降、中間データは蓄積部30に垂れ流し方式で蓄積される。
【0033】
次に、ピッチングマシンから投球されたボール2を使用者がバット4をスイングして打ち出す(ステップS16)。
すると、ボール2の投球あるいはバット4のスイングにより、反射波W2が生じ、ドップラー信号Sb、中間データが生成される。
これにより、図3に示すような周波数分布A,B,Cに相当する中間データが蓄積部30に蓄積される。
打撃時点特定部32は、中間データが生成されたならば、蓄積部30の蓄積期間のうち物体が移動体を打撃した時点である打撃時点timpを特定する(ステップS18)。
接近速度算出部34は、ボール2がアンテナ12に接近する方向に移動する接近速度を算出する(ステップS20)。
離間速度算出部36は、ボール2がアンテナ12から離間する方向に移動する離間速度を算出する(ステップS22)。
物体速度算出部38は、打撃時点timpにおけるバット4の速度である物体速度を算出する(ステップS24)。
飛距離算出部40は、離間速度に基づいてボール2の飛距離を算出する(ステップS26)。
そして、制御部42は、接近速度、離間速度、物体速度、飛距離の情報を表示部22に表示させる(ステップS28)。
以上で一連の計測動作が終了する。
【0034】
以上説明したように本実施の形態によれば、ドップラーセンサによって得られるドップラー信号に基づいてバット4がボール2を打撃した打撃時点timpを特定し、特定した打撃時点timpを利用してボール2の近接速度、離間速度、バット4の物体速度をそれぞれ算出するようにした。
したがって、ボール2、バット4の移動速度を検出できる範囲を大きく確保でき、かつ、打撃される前の移動体の移動速度、打撃された後の移動体の移動速度、移動体を打撃する物体の速度を同時に計測することができ、ひいては使用者の利便性の向上を図る上で有利となる。
また、従来は、撮像装置や光センサを用いているため、計測環境における外光や照明の明るさの変化の影響を受けやすく、装置のキャリブレーションが煩雑であり、運用コストがかさむ欠点がある。
これに対して本実施の形態では、ドップラーセンサを用いるため、計測環境における外光や照明の明るさの変化の影響を受けることがなく、装置の運用コストを抑制する上で有利となる。
【0035】
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について説明する。
第1の実施の形態では、蓄積部30に蓄積された中間データのうち変化率が正から負にあるいは負から正に反転する部分を特定し、かつ、該特定した中間データの部分に対応する時点を打撃時点timpとして特定する場合について説明した。
しかしながら、このように中間データの変化率に基づいて打撃時点timpを特定する処理は必ずしも簡単ではないことが考えられる。
そこで、第2の実施の形態では、ボール2がバット4で打撃される前と後とで移動する方向が反転することに着目して、より簡単な構成によって打撃時点timpを特定できるようにしたものである。
なお、以下の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の部分、部材について同一の符号を付してその説明を省略し、あるいは、簡単に行う。
【0036】
図5は第2の実施の形態における速度計測装置10の機能ブロック図である。
第2の実施の形態では、ドップラーセンサとして、位相が90度異なる第1ドップラー信号Sd1と第2ドップラー信号Sd2とを出力するいわゆるデュアルタイプのドップラーセンサ(ドップラーモジュール)と呼ばれるものを使用する。このようなデュアルタイプのドップラーセンサ(ドップラーモジュール)は、例えば、「小電力マイクロ波応用技術と装置(電気書院 平成17年10月20日発行)」の72p〜77pに記載されているように公知のものであり市販されている。
このデュアルタイプのドップラーセンサでは、送信波W1を送信する対象となる移動体がドップラーセンサ(アンテナ12)に近接する方向に移動しているのか、離間する方向に移動しているのかを、第1ドップラー信号Sd1の位相が第2ドップラー信号Sd2の位相に対してπ/2進むか遅れるかに基づいて判別することができる。
そこで、第2の実施の形態では、図5に示すように、ドップラーセンサ50が第1ドップラー信号Sd1と第2ドップラー信号Sd2とを出力するもので構成されている。
それら第1,第2ドップラー信号Sd1、Sd2の位相の関係(位相差)に基づいてボール2がドップラーセンサ50に近接する方向に移動しているか、移動体がドップラーセンサ50から離間する方向に移動しているかを判別する方向判別部52を設けた。
打撃時点特定部32は、方向判別部52による判別結果に基づいて打撃時点timpを特定するように構成されている。
なお、信号処理回路16は、第1,第2ドップラー信号Sd1、Sd2の何れか一方のドップラー信号に基づいて中間データを生成する。
このような第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果が奏されることは無論のこと、打撃時点timpの特定を第1,第2ドップラー信号Sd1、Sd2の位相の関係に基づいて簡単に行うことができるため、構成の簡素化を図れ、コストダウンを図る上で有利となる。
【0037】
(第3の実施の形態)
次に第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態は、バット4でボール2を打撃したときに発生する打撃音に基づいて打撃時点timpを特定するようにしたものである。
図6は第3の実施の形態における速度計測装置10の機能ブロック図である。
図6に示すように、第3の実施の形態では、打撃音を収音するマイク64と、マイク64から出力される音声信号が予め定められた大きさを超えたならばトリガ信号を生成して打撃時点特定部32に供給するトリガ信号生成部66とが設けられている。
これらマイク64およびトリガ信号生成部66によって特許請求の範囲における物体が移動体を打撃したときに発生する打撃音を検出する打撃音検出部が構成されている。
打撃時点特定部32は、トリガ信号生成部66から供給されるトリガ信号に基づいて打撃時点timpを特定するように構成されている。
なお、打撃音が発生してからトリガ信号が生成されるまでには音波の伝達時間などの時間的な遅れがあるため、打撃時点特定部32は、このような遅れ時間を考慮して打撃時点timpを特定する。
このような第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果が奏されることは無論のこと、打撃時点timpの特定を打撃音の発生に基づいて簡単に行うことができるため、構成の簡素化を図れ、コストダウンを図る上で有利となる。
【0038】
(第4の実施の形態)
次に第4の実施の形態について説明する。
第4の実施の形態は、ボール2とバット4とが同時に移動している状況においてバット2とバット4の移動速度が異なることを利用して、バットスイングの有無を判定することができるようにしたものである。
【0039】
以下、バットスイングの有無を判定する原理について説明する。
図7は、図3において周波数分布A,Bの双方が存在している時点tAにおけるドップラー信号Sdの周波数分布を示す模式図である。
図7に示すように、ボール2の速度に対応する周波数分布の山と、バット4の速度に対応する周波数分布の山の2つの山が存在している。
この場合、速度が異なる2つの物体、すなわち、ボール2とバット4とが同時に移動していることになる。
少なくともボール2が必ず移動しているのであれば、図7において周波数分布の山が1つしかなければ、バット4がスイングされていないことになる。これに対して、周波数分布の山が2つあれば、バット4がスイングされていることになる。
したがって、このような周波数分布の山の数に基づいてバット4のスイングの有無を判定することができる。
【0040】
上記の原理に基づいてバットスイングの有無を判定するためには、ドップラー周波数の周波数分布を正確に得る必要がある。
第1乃至第3の実施の形態では、ドップラー信号を2値化することにより得た2値化信号の周期を中間データとして扱うものとした。したがって、この中間データに基づいて図7に示すようなドップラー周波数の周波数分布を得ることが考えられる。
しかしながら、ドップラー信号を2値化すると、2つ以上の周波数の信号が混在している場合、それぞれの周波数を特定することが困難である。また、ドップラー信号を2値化すると、強度の小さな信号の周波数(周期)の情報が失われてしまうため、ドップラー周波数の周波数分布を正確に得ることが困難である。
【0041】
そこで、第4の実施の形態では、ドップラー信号Sdを連続FFT処理することによって時系列の周波数分布データを得ると共に、これら時系列の周波数分布データから時系列のピーク周波数を特定しこれらピーク周波数を中間データとして得るようにした。
このようにすることで、中間データを用いても、ドップラー信号Sdに混在する2つの周波数を特定することができ、したがって、ボール2とバット4とが同時に移動したときに、図7に示すようなボール2に対応する周波数分布の山と、バット4に対応する周波数分布の山とを正確に検出することができる。
【0042】
図8は第4の実施の形態における速度計測装置10の機能ブロック図である。
図8に示すように、第4の実施の形態が第1乃至第3の実施の形態と相違するのは、検出部50の機能と、新たにスイング判定部52が設けられていることである。
検出部50は、信号処理回路16から供給されたドップラー信号Sdを連続FFT処理することによって時系列の周波数分布データを得ると共に、これら時系列の周波数分布データから時系列のピーク周波数を特定しこれらピーク周波数を中間データとして得るものである。
【0043】
図9、図10はドップラー信号Sdの連続FFT処理の一例を示す説明図である。
すなわち、検出部50は、連続して得られたドップラー信号Sdを予め定められた区間Δt毎に区切り、区間毎にFFT処理を繰り返して行う。この場合、図9に示すように、各区間Δtを重なり合うことなく設定してもよいし、図10に示すように各区間Δtをオーバーラップさせて設定してもよい。
このように連続FFT処理することによって得られた図11に示すような時系列の周波数分布データから時系列のピーク周波数を特定しこれらピーク周波数を中間データとすれば、図3と同様の結果が得られる。
これ以降は、第1の実施の形態と同様に、蓄積部30、打撃時点特定部32、接近速度算出部34、離間速度算出部36、物体速度算出部38、飛距離算出部40、制御部42が機能する。
【0044】
スイング判定部52は、蓄積部30に蓄積された中間データの周波数解析を行うことにより得られた図7に示すような周波数の周波数分布を表す山の数に基づいてバット4のスイングの有無を判定するものである。
すなわち、図7において周波数分布の山が1つしかなければ、バット4がスイングされておらず、周波数分布の山が2つあれば、バット4がスイングされていることになる。
したがって、蓄積部30に蓄積された中間データの周波数解析を第1,第2期間T1,T2にわたって行うことにより山の数に基づいてバット4のスイングの有無を判定することができる。
制御部42は、接近速度、離間速度、物体速度、スイングの有無、ボール2の飛距離の情報に加えて、バットスイングの判定結果を表示部22に表示させる。
【0045】
第4の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果が奏されることは無論のこと以下の効果が奏される。
すなわち、ドップラー信号を連続FFT処理することによって時系列の周波数分布データを得ると共に、これら時系列の周波数分布データから時系列のピーク周波数を特定しこれらピーク周波数を中間データとして得るようにした。
したがって、ボール2とバット4とが同時に移動したときに、ボール2に対応する周波数分布の山と、バット4に対応する周波数分布の山とを中間データに基づいて正確に検出することができ、移動体と移動体を打撃する物体との双方の速度を同時に検出することができる。
また、スイング判定部52により山の数に基づいてバット4のスイングの有無を判定するようにしたので、使用者の利便性の向上を図る上で有利となる。
【0046】
なお、上述した実施の形態では、移動体が野球用のボール2であり、物体がバット4である場合について説明したが、移動体がテニスボールやサッカーボールであり、物体がラケットや人の足であってもよく、本発明はさまざまな移動体を物体で打撃した場合にも適用可能である。
【符号の説明】
【0047】
10……移動体の速度計測装置、12……アンテナ、14……ドップラーセンサ、16……信号処理回路、18……計測部、22……表示部、24……操作部、26……マイクロコンピュータ、28……検出部、30……蓄積部、32……打撃時点特定部、34……接近速度算出部、36……離間速度算出部、38……物体速度算出部、40……飛距離算出部、42……制御部、50……検出部、52……スイング判定部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
打撃領域の前方から前記打撃領域に向かって移動する移動体と、前記打撃領域で前記移動体を打撃する物体と、前記打撃されたあとの前記移動体とに向けて前記打撃領域の後方から送信波をアンテナから送信すると共に、前記物体と前記移動体とで反射された反射波を前記アンテナで受信し、ドップラー周波数を有するドップラー信号を生成するドップラーセンサと、
前記ドップラー信号を、前記ドップラー周波数に対応付けられた中間データに変換すると共に、前記中間データを予め定められたサンプリング周期でサンプリングする検出部と、
前記検出部でサンプリングされた前記中間データを時間経過に従って順番に予め定められた蓄積期間分蓄積する蓄積部と、
前記蓄積期間のうち前記物体が前記移動体を打撃した時点である打撃時点を特定する打撃時点特定部と、
前記蓄積部に蓄積された前記中間データのうち前記蓄積期間の開始時点から前記打撃時点までの期間である第1期間T1に蓄積された中間データに基づいて前記移動体が前記アンテナに接近する方向に移動する接近速度を算出する接近速度算出部と、
前記蓄積部に蓄積された前記中間データのうち前記打撃時点から前記蓄積期間の終了時点までの期間である第2期間T2に蓄積された中間データに基づいて前記移動体が前記アンテナから離間する方向に移動する離間速度を算出する離間速度算出部と、
前記打撃時点に対応する中間データに基づいて前記打撃時点における前記物体の速度である物体速度を算出する物体速度算出部と、
を備えることを特徴とする移動体の速度計測装置。
【請求項2】
前記検出部による前記中間データの変換は、前記ドップラー信号を2値化することにより得た2値化信号の周期を前記中間データとして得ることでなされる、
ことを特徴とする請求項1記載の移動体の速度計測装置。
【請求項3】
前記検出部による前記中間データの変換は、前記ドップラー信号を連続FFT処理することによって時系列の周波数分布データを得ると共に、これら時系列の周波数分布データから時系列のピーク周波数を特定しこれらピーク周波数を中間データとして得ることでなされる、
ことを特徴とする請求項1記載の移動体の速度計測装置。
【請求項4】
前記打撃時点特定部は、前記蓄積部に蓄積された前記中間データのうち変化率が正から負にあるいは負から正に反転する部分を特定し、かつ、該特定した中間データの部分に対応する時点を前記打撃時点として特定する、
ことを特徴とする請求項1乃至3に何れか1項記載の移動体の速度計測装置。
【請求項5】
前記ドップラーセンサは、位相が90度異なる第1ドップラー信号と第2ドップラー信号とを出力するものであり、
前記移動体が前記ドップラーセンサに近接する方向に移動しているか、前記移動体が前記ドップラーセンサから離間する方向に移動しているかを前記第1ドップラー信号の位相と前記第2ドップラー信号の位相との関係に基づいて判別する方向判別部を備え、
前記打撃時点特定部は、前記方向判別部による判別結果に基づいて前記打撃時点を特定する、
ことを特徴とする請求項1乃至4に何れか1項記載の移動体の速度計測装置。
【請求項6】
前記物体が前記移動体を打撃したときに発生する打撃音を検出する打撃音検出部を備え、
前記打撃時点特定部は、前記打撃音検出部による前記打撃音の検出に基づいて前記打撃時点を特定する、
ことを特徴とする請求項1乃至5に何れか1項記載の移動体の速度計測装置。
【請求項7】
前記離間速度に基づいて前記移動体の飛距離を算出する飛距離算出部を設けた、
ことを特徴とする請求項1乃至6に何れか1項記載の移動体の速度計測装置。
【請求項8】
前記蓄積部に蓄積された前記中間データの周波数解析を行うことにより得られた周波数分布を表す山の数に基づいて前記物体のスイングの有無を判定するスイング判定部を備える、
ことを特徴とする請求項3記載の移動体の速度計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−233773(P2012−233773A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−101956(P2011−101956)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】