説明

移動局のハンドオーバの制限

基地局は、移動局が関与するパケット交換セッションに関連するデータを移動局と通信する。移動局からのハンドオーバ要求に応じて、基地局は、移動局について提供された情報にアクセスし、移動局がモビリティの制限の対象になっているか否かを決定する。アクセスされた情報に基づいて、基地局は、移動局のハンドオーバを許可するか否かを決定する。要求されたハンドオーバが許可されないことを基地局が決定した場合に、ハンドオーバ要求が許可されないことを示すメッセージが移動局に送信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、移動局のハンドオーバの制限に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的には、無線通信ネットワークは、移動局が無線通信ネットワークに関連するサービスエリアを自由に移動することを可能にする。移動局が他の移動局又は有線ネットワークに結合された有線端末との通信を実行可能にするために、様々な無線アクセス技術が提案又は実装されている。無線アクセス技術の例は、3GPP(Third Generation Partnership Project)により規定されているGSM(Global System for Mobile communications)若しくはUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)技術、3GPP2により規定されているCDMA2000(Code Division Multiple Access 2000)技術、又は他の無線アクセス技術を含む。無線アクセス技術のCDMA2000ファミリーは、1xRTT無線アクセス技術(一般的には回線交換通信を実行するために使用される)と、1xEV DO(又はEV-DO)無線アクセス技術(パケットデータの通信に使用され、IS856仕様としても知られるHRDP(High Rate Packet Data)仕様により規定されている)とを含む。
【0003】
スペクトル効率を向上するため、サービスを向上するため、コストを低減するため等の無線アクセス技術の継続する進展の一部として、新しい標準が提案されている。1つのこのような新しい標準は、3GPPからのLTE(Long Term Evolution)標準である。LTE標準は、UMTS無線ネットワークを拡張することを試みる。
【0004】
他の種類の無線アクセス技術は、WiMax(Worldwide Interoperability for Microwave Access)技術である。WiMaxはIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.16標準に基づく。WiMax無線アクセス技術は、無線ブロードバンドアクセスを提供するように設計されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常では、標準は、移動局のモビリティ(移動性)を制限する効率的な機構を提供していない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
概して、実施例によれば、基地局は、移動局が関与するパケット交換セッションに関連するデータを移動局と通信する。移動局からのハンドオーバ要求に応じて、基地局は、移動局について提供された情報にアクセスし、移動局がモビリティの制限の対象になっているか否かを決定する。アクセスされた情報に基づいて、基地局は、移動局のハンドオーバを許可するか否かを決定する。要求されたハンドオーバが許可されないことを基地局が決定した場合に、ハンドオーバ要求が許可されないことを示すメッセージが移動局に送信される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】好ましい実施例に従って制限されたモビリティのハンドオーバを実行することができる基地局を含む例示的な構成のブロック図
【図2】好ましい実施例に従って制限されたハンドオーバを実行する手順を示すメッセージフロー図
【図3】好ましい実施例に従って制限されたハンドオーバを実行する手順を示すメッセージフロー図
【図4】好ましい実施例に従って制限されたハンドオーバを実行する手順を示すメッセージフロー図
【図5】好ましい実施例に従って制限されたハンドオーバを実行する手順を示すメッセージフロー図
【発明を実施するための形態】
【0008】
他の特徴又は代替の特徴は、以下の説明、図面及び特許請求の範囲から明らかになる。
【0009】
或る場合には、移動局のモビリティ(移動性)を制限することが望ましいことがある。例えば、サービスプロバイダは、特定の地理的領域内のみでモビリティを提供するように、政府機関又は他の規制機関によりライセンスを受けている可能性がある。或いは、サービスプロバイダは、異なるレベルのサービスを規定する可能性がある。1つのサービスレベルは、加入者がサービスプロバイダにより提供される移動通信ネットワークの全サービスエリアを自由に移動することを示し、他のサービスレベルは、加入者が制限されたモビリティを提供されることを示す。
【0010】
好ましい実施例によれば、制限されたモビリティのハンドオーバは、パケット交換サービスを提供する移動又は無線通信ネットワークの基地局により実行される。無線通信ネットワークは、移動局が無線通信ネットワークの無線アクセスを実行することができる対応のサービスエリア(場合によってはセル又はセルセクタと呼ばれる)を提供する基地局を含む。基地局は、無線通信ネットワーク内で、少なくとも幾つかの移動局の制限されたモビリティのハンドオーバを提供することができる。制限されたモビリティのハンドオーバとは、移動局により行われたハンドオーバ要求が拒否されることを所定の基準が示すか否かを決定することを基地局が検査するハンドオーバを示す。
【0011】
所与の制限されたモビリティの移動局では、基地局がこのような移動局からハンドオーバ要求を受信すると、基地局は、移動局について提供された情報にアクセスし、移動局がモビリティの制限の対象になっているか否かを決定する。アクセスされた情報に基づいて、基地局は、移動局のハンドオーバを許可するか否かを決定する。要求されたハンドオーバが許可されないことを決定したことに応じて、基地局は、ハンドオーバ要求が拒否されたこと又は推奨されないことを示すメッセージを移動局に送信する。
【0012】
前述のように、移動局について提供される制限されたモビリティは、移動局へのパケット交換サービスの提供を可能にする移動通信ネットワークにより提供される。パケット交換サービスの例は、パケット交換通信プロトコルを使用する音声、データ、ビデオ又は他のトラヒックを通信するパケット交換通信セッションである。
【0013】
パケット交換通信サービスをサポートする無線技術の例は、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.16標準により規定されているWiMax(Worldwide Interoperability for Microwave Access)技術、又は3GPPからのLTE(Long Term Evolution)技術を含む。前述の無線アクセス技術は、4G(第4世代及びそれ以降の)パケット交換サービスをサポートする無線アクセス技術の例である。4G無線アクセス技術は、従来のVoice over IP(Internet Protocol)サービスと共に、無線ブロードバンドアクセス、マルチメディアメッセージングサービス、ビデオチャット、移動テレビ(TV)、HDTV(high definition television)コンテンツ、デジタルビデオ放送(DVB:digital video broadcasting)のようなアプリケーションのサービス品質(QoS)及びデータレート要件に対応するように設計される。4G無線アクセスは、前世代の3G以下の無線アクセス技術で利用可能なものより高い帯域及びデータレートを提供する。
【0014】
図1は、基地局102A及び102Bを有する無線アクセスネットワーク100を含む通信構成を示している。図1には2つのみの基地局が示されているが、他の実装では更なる基地局が提供されてもよい点に留意すべきである。各基地局102A及び102Bは、対応するサービスエリア104A、104B(場合によってはセル又はセルセクタと呼ばれる)を提供する。移動局106がサービスエリア104A内に存在する場合、移動局106は、移動局106と基地局102Aとの間の無線インタフェースで通信する。他方、移動局106がサービスエリア104Bに移動すると、移動局106は基地局102Bとの無線インタフェースで通信を実行する。
【0015】
各基地局102A、102Bは、システムコントローラ108に接続される。無線アクセスネットワーク100がWiMax無線アクセスネットワークである場合、システムコントローラ108は、アクセスサービスネットワーク(ASN:access service network)ゲートウェイでもよい。システムコントローラ108は、ゲートウェイノード110に接続され、ゲートウェイノード110は、無線アクセスネットワーク100を外部パケットデータネットワーク112(インターネット等)に接続する。WiMaxに関して、ゲートウェイノード110は、接続サービスネットワーク(CSN:connectivity service network)ノードと呼ばれる。
【0016】
代替として、無線アクセスネットワーク100がLTE無線アクセスネットワークである場合、ノード108及び110は他の名前で呼ばれる。
【0017】
一例では、パケット交換サービスドメイン114は、パケットデータネットワーク112に接続されてもよい。パケット交換サービスドメインの一例は、3GPPにより規定されているインターネットプロトコル(IP)マルチメディアシステム(IMS:IP Multimedia System)により提供されるドメインである。IMSは、パケット交換サービスの提供を可能にする様々な制御機能を規定する。パケット交換サービスドメイン114の制御機能は、制御メッセージ(セッションイニシエーションプロトコル(SIP:Session Initiation Protocol)に従った制御メッセージ等)に応じてパケット交換通信セッションを確立することができる。SIPは、2002年6月の“SIP: Session Initiation Protocol”という題のRFC(Request For Comments)3261により規定されている。
【0018】
移動局106は、無線アクセスネットワーク100を通じて、パケット交換サービスドメイン114の制御機能を使用して、パケット交換セッションを確立し、或いは他のパケット交換サービスにアクセスすることができる。
【0019】
好ましい実施例によれば、各基地局102A、102Bは、制限されたモビリティの移動局について制限されたハンドオーバの手順を実行することができる。図1に示すように、各基地局102は、制限されたモビリティの移動局について制限されたモビリティのハンドオーバを提供するハンドオーバ制御モジュール116を含む。ハンドオーバ制御モジュール116は、基地局102のソフトウェア118の一部でもよい。基地局は、基地局102のサービスエリア内で移動局との無線インタフェースで無線通信を可能にするインタフェーススタック120を更に含む。
【0020】
基地局のソフトウェア118は、基地局のプロセッサ122で実行可能である。プロセッサ122は、記憶媒体124に接続される。好ましい実施例によれば、記憶媒体124は、制限されたモビリティがユーザに対して提供されることを示し得るユーザモビリティ情報126を格納する。ユーザモビリティ情報126は、特定の移動局(個々の加入者)について提供される。複数の移動局(加入者)では、ユーザモビリティ情報126の複数のインスタンスが存在する。特定の移動局からのハンドオーバ要求に応じて、基地局102のハンドオーバ制御モジュール116は、特定の移動局について提供されているユーザモビリティ情報126にアクセスし、制限されたモビリティが適用されるか否かを決定し、そうである場合には、ハンドオーバ要求を拒否するか否かを決定する際にどのような基準がモビリティを制限するために使用されるかを決定する。
【0021】
それぞれ所与の移動局にユーザモビリティ情報126を提供することは、呼を確立することにより(呼を発信することにより又は呼を受け付けることにより)、又は他の基地局からハンドオーバされることにより、加入者が基地局のサービスエリアへのネットワーク参加を行ったときに実行されてもよい。初期のネットワーク参加を行うときに、移動局は、移動局の認証を行い、移動局に提供されるサービスを許可するために、AAAサーバ109との登録手順を実行する。この手順の一部として、AAAサーバ109は、移動局のモビリティが制限されるか否かを示す情報を提供してもよく、そうである場合には、どの基準が適用されるかを提供してもよい。
【0022】
AAAサーバ109の代わりに、移動局のための認証及び許可は、HLR(home location register)又はHSS(home subscriber server)にアクセスすることにより実行されてもよい。一般的に、AAAサーバ、HLR又はHSSは、“認証サーバ”と呼ばれてもよい。
【0023】
図2は、第1の好ましい実施例による制限されたハンドオーバの手順を示している。図2のメッセージフローは、周辺(neighbor)リストRに基づいてハンドオーバを制限する。周辺リストRは、所与の移動局について提供される。換言すると、複数の対応する移動局について提供された複数の周辺リストが存在する。
【0024】
ブロック202は、所与の移動局によるネットワーク参加(network entry)又は所与の移動局による成功したハンドオーバについてのメッセージ交換を表す。ネットワーク参加の一部として、図1のAAAサーバ109は、MSモビリティ分類フラグ(又は他のインジケータ)を基地局に送信することができる。MSモビリティ分類フラグは、移動局が制限されたモビリティの移動局であるか、完全なモビリティの移動局であるかを示す。MSモビリティ分類フラグは、基地局により格納されるユーザモビリティ情報126の一部として格納されてもよい。AAAサーバ109はまた、制限されたモビリティを適用する基準のように、制限されたモビリティに関して他の情報を基地局に提供してもよい。前述のように、AAAサーバ109の代わりに、他のエンティティ(HLR又はHSS等)が所与の移動局についてユーザモビリティ情報126を提供してもよい。
【0025】
移動局が接続している現在の基地局(ソース基地局又はハンドオーバ元基地局)から他の基地局(ターゲット基地局又はハンドオーバ先基地局)へのハンドオーバが必要であることを移動局が検出すると、移動局は、ハンドオーバ要求を送信する(204)。ハンドオーバは、移動局とソース基地局との間の無線信号の強度が弱いことを移動局が検出した場合に必要になってもよく、他の理由で必要になってもよい。一実施例では、無線アクセスネットワーク100がWiMax無線アクセスネットワークである場合、ハンドオーバ要求は、MOB MSHO-REQ要求でもよい。ハンドオーバ要求を受信すると、基地局は、所与の移動局のユーザモビリティ情報126にアクセスし、移動局が制限されたモビリティの対象になっているか否かを決定し、そうである場合、基地局は、ユーザモビリティ情報126に含まれる周辺リストRにアクセスする。基地局は、要求されたターゲット基地局が周辺リストRの一部であるか否かを決定する(206)。そうでない場合、204で送信されたハンドオーバ要求を拒否するハンドオーバ応答が送信される(208)。一実施例では、応答メッセージは、HO拒否の指示を含むMOB BSHO-RSPメッセージでもよい。代替として、ハンドオーバが許可されないことが決定されると、ソース基地局は、HO非推奨の指示でハンドオーバ応答を送信してもよい。
【0026】
しかし、ターゲット基地局が周辺リストRの一部である場合、ハンドオーバ要求が許可され、基地局は、システムコントローラ108とのメッセージの交換を実行し(210)、ソース基地局からターゲット基地局への移動局のハンドオーバを完了する。図2には示されていないが、システムコントローラ108は、ターゲット基地局とハンドオーバメッセージの対応する交換を実行する。ソース基地局とターゲット基地局との間でシステムコントローラ108を通じてハンドオーバメッセージを交換することは、R6 HOメッセージング(WiMaxの場合)と呼ばれる。代替の実装では、ソース基地局とターゲット基地局との間に直接の接続(WiMaxの場合にはR8接続と呼ばれる)が存在してもよい。この代替の実装では、ハンドオーバメッセージは、ソース基地局とターゲット基地局との間で直接交換される(WiMaxの場合にはR8 HOメッセージングと呼ばれる)。
【0027】
移動局のハンドオーバを実行するためのソース基地局とターゲット基地局との間のメッセージの交換の一部として、移動局のコンテキストがターゲット基地局に転送される。移動局のコンテキストは、ターゲット基地局が再び認証を実行する必要がないように、移動局のセキュリティコンテキストを含む。また、移動局のコンテキストは、ターゲット基地局のネットワーク参加に必要な他の移動局に関するパラメータを含む。また、ユーザモビリティ情報126が移動局のコンテキストの転送に含まれる。
【0028】
ターゲット基地局が移動局を受け入れる準備ができると、ソース基地局は、移動局がターゲット基地局にうまくハンドオーバできたことを示すハンドオーバ応答メッセージを移動局に送信する(212)。
【0029】
ハンドオーバが許可されないことを示す応答(208)を受信したことに応じて、移動局は、2つの動作のうち1つを実行してもよい(214)。まず、移動局は、どの周波数がハンドオーバ要求を送信するのに利用可能であるかを決定するために、全ての周波数のスキャンを実行してもよい。移動局は、移動局がハンドオーバ要求を送信することができる他の基地局を識別するために、このスキャンを使用してもよい。代替として、移動局は、呼を切断し、移動局の選択のターゲット基地局の1つで完全なネットワーク再参加を実行してもよい。他の実装では、ソース基地局から受信した応答がハンドオーバ非推奨応答である場合、移動局は現在の基地局に留まり、後の時点でハンドオーバを要求してもよい。
【0030】
図3は、制限されたモビリティのハンドオーバを実行する代替実施例のメッセージフロー図である。この実施例では、モビリティの制限は、異なる基準(時間基準)に基づく。ネットワーク参加又はハンドオーバの成功の後に(202)、移動局は、ソース基地局から他の基地局へのハンドオーバが必要であることを検出する。これに応じて、移動局は、ハンドオーバ要求を送信する(302)。302で送信されるハンドオーバ要求は、ネットワーク参加又はハンドオーバの成功から時間Tである(202)。ハンドオーバ要求(302)に応じて、ソース基地局は、移動局について提供されたユーザモビリティ情報126にアクセスする。ユーザモビリティ情報126は、時間閾値THOを含む。閾値THOは、移動局が初期のネットワーク参加を行った後又は最新のハンドオーバの成功の後に、あまりにも早くハンドオーバを要求した場合に、移動局がハンドオーバされることを妨げる時間制限である。ソース基地局は、T(ネットワーク参加/ハンドオーバの成功と移動局が302でハンドオーバ要求を送信した時間との間の時間)がTHOより大きいか否かを検査する(304)。304の条件が真でない場合、移動局は、ネットワーク参加又はハンドオーバの成功の後にあまりにも早くハンドオーバ要求を提示していることになり、ハンドオーバ要求を拒否するハンドオーバ応答が送信される(306)。ハンドオーバ要求の拒否に応じて、移動局は、前述の動作を実行する(214)。代替として、ハンドオーバが推奨されないことを示す応答を移動局が受信した場合、移動局は、後の時点でハンドオーバを再び試みてもよい。
【0031】
しかし、移動局が制限された時間(THO)の後にハンドオーバを要求したことを示すT>THOである場合、ソース基地局は、タスク210及び212(前述の通り)を実行し、ハンドオーバを完了する。
【0032】
THOの値は、移動局があまりにも高速に移動することを妨げるように、比較的大きい値に設定されてもよい。移動局の高速移動は、移動局に制限されたモビリティを提供する目的と一致しない。THOの値は、サービスエリア間の距離と低速移動の移動局(例えば歩いているユーザに関連する)の予想速度とに基づいてもよい。
【0033】
図4は、制限されたモビリティのハンドオーバを実行する他の実施例のメッセージフロー図である。移動局によるネットワーク参加又はハンドオーバの成功の後に、移動局は、ハンドオーバが必要であることを検出し、ハンドオーバ要求メッセージを送信する(402)。ハンドオーバ要求メッセージを受信したことに応じて、ソース基地局は、移動局について提供されたユーザモビリティ情報にアクセスし、パラメータNHOを取得する。パラメータNHOは、移動局に許可されたハンドオーバの閾値数を示す。ソース基地局は、移動局について実行されたハンドオーバの数のカウント(N)がNHO未満であるか否かを検査する(404)。そうでない場合、このことは移動局について実行されたハンドオーバの数(N)が閾値NHOを超えていることを示すため、ソース基地局は、ハンドオーバ要求を拒否するハンドオーバ応答メッセージを送信する(406)。ハンドオーバ要求の拒否に応じて、移動局は、前述の動作を実行する(214)。代替として、ハンドオーバが推奨されないことを示す応答を移動局が受信した場合、移動局は、後の時点でハンドオーバを再び試みてもよい。しかし、N<NHOである場合、ハンドオーバが許可され、タスク210及び212が実行される。
【0034】
図5は、代替実施例のメッセージフロー図である。この実施例では、図2〜5について前述した制限されたモビリティの基準のそれぞれが、移動局からのハンドオーバ要求が許可されるか否かを決定するために適用される。ネットワーク参加又はハンドオーバの成功の後に(202)、移動局は、ハンドオーバが必要であることを検出し、移動局は、ネットワーク参加/ハンドオーバの成功の後の時間Tにハンドオーバ要求を送信する(502)。ソース基地局は、ハンドオーバ要求に応じて、移動局について提供されたユーザモビリティ情報にアクセスし、ハンドオーバ要求が許可されるか否かを決定する。ソース基地局は、T>THO且つN<NHOであり、要求されたターゲット基地局が周辺リストRの一部であるか否かを決定する検査を行う。3つの条件のいずれかが真でない場合、拒否の指示でハンドオーバ応答を送信することにより(506)、ハンドオーバ要求は拒否される。ハンドオーバ要求の拒否に応じて、移動局は、前述の動作を実行する(214)。代替として、ハンドオーバが推奨されないことを示す応答を移動局が受信した場合、移動局は、後の時点でハンドオーバを再び試みてもよい。
【0035】
しかし、504で検査した全ての条件が真である場合、ハンドオーバが許可され、タスク210及び212が実行される。
【0036】
モビリティの分類の細かさは、AAAサーバ109(又はHLR若しくはHSS)において増加してもよい。前述のように、モビリティ分類フラグは、移動局が制限されたモビリティの対象になっているか、完全なモビリティを有しているかを示すために使用される。これは、2つの可能な状態のうち1つを有するバイナリフラグでもよい。更なる細かさが望ましい場合、モビリティ分類フラグは、セル端に位置する移動局に対して基地局に近い移動局についてのモビリティの制限のように、異なるクラスのモビリティの制限を識別してもよい。異なるモビリティの制限の基準は、これらの異なるクラスについて異なるモビリティの制限を指定するために使用されてもよい。
【0037】
前述のタスクは、図1のハンドオーバ制御モジュール116のようなソフトウェアにより実行されてもよい。このようなソフトウェアの命令は、プロセッサ(例えば、プロセッサ122)で実行される。プロセッサは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、プロセッサモジュール若しくはサブシステム(1つ以上のマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラを含む)、又は他の制御若しくは計算装置を含む。“プロセッサ”は、単一の構成要素を示してもよく、複数の構成要素を示してもよい(例えば、1つのCPUを示してもよく、複数のCPUを示してもよい)。
【0038】
(ソフトウェア)のデータ及び命令は、各記憶装置に格納される。各記憶装置は、1つ以上のコンピュータ可読又は機械可読記憶媒体として実装される。記憶媒体は、半導体メモリ装置(ダイナミック又はスタティックランダムアクセスメモリ(DRAM又はSRAM)、消去可能及びプログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能及びプログラム可能読み取り専用メモリ(EEPROM)及びフラッシュメモリ等)、磁気ディスク(固定ディスク、フロッピーディスク及び取り外し可能ディスク等)、他の磁気媒体(テープを含む)、及び光学媒体(コンパクトディスク(CD)又はデジタルビデオディスク(DVD)等)を含む異なる種類のメモリを含む。
【0039】
前述の説明では、本発明の理解を提供するために複数の詳細が示されている。しかし、本発明はこれらの詳細なしに実施されてもよいことが、当業者によりわかる。本発明は、限られた数の実施例に関して開示されているが、当業者は複数の変更及び変形を認識する。特許請求の範囲は、本発明の真の要旨及び範囲内に入るこのような変更及び変形をカバーすることを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局により、移動局が関与するパケット交換セッションに関連するデータを移動局と通信し、
前記移動局からのハンドオーバ要求に応じて、前記基地局が、前記移動局について提供された情報にアクセスし、前記移動局がモビリティの制限の対象になっているか否かを決定し、
前記アクセスされた情報に基づいて、前記基地局が、前記移動局のハンドオーバを許可するか否かを決定し、
要求されたハンドオーバが許可されないことを前記基地局が決定した場合に、前記ハンドオーバ要求が許可されないことを示すメッセージを前記移動局に送信することを有する方法。
【請求項2】
前記ハンドオーバを許可するか否かを決定することは、前記移動局がハンドオーバを許可される一式の周辺を特定する前記アクセスされた情報に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パケット交換セッションに関連するデータを通信することは、4Gパケット交換セッションに関連するデータを通信することを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記移動局のネットワーク参加又はハンドオーバの成功の場合に、前記基地局が、モビリティの制限が前記移動局に適用されるか否かを示すユーザモビリティ情報を受信することを更に有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ユーザモビリティ情報を受信することは、認証サーバから前記ユーザモビリティ情報を受信することを有する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ユーザモビリティ情報を受信することは、前記移動局が制限されたモビリティの対象になっているか、完全に移動できるかを示す複数の値の1つを有するモビリティ分類インジケータを含む前記ユーザモビリティ情報を受信することを有する、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記基地局により、前記基地局から他の基地局への前記移動局のハンドオーバ中に、移動局のコンテキストの転送の一部として前記ユーザモビリティ情報を送信することを更に有する、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記基地局により、前記要求されたハンドオーバが拒否されたことに応じて前記移動局により開始されるネットワーク再参加を実行する要求を前記移動局から受信することを更に有する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ハンドオーバを許可するか否かを決定することは、ネットワーク参加又はハンドオーバの完了から測定された所定の時間を特定する前記アクセスされた情報に基づき、
前記移動局は、前記ハンドオーバ要求が前記所定の時間外に前記基地局により受信された場合に、他の基地局へのハンドオーバを許可される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ハンドオーバを許可するか否かを決定することは、前記移動局に許可されているハンドオーバの数を特定する前記アクセスされた情報に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ハンドオーバを許可するか否かを決定することは、所定の期間内に許可されているハンドオーバの数を特定する前記アクセスされた情報に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記ハンドオーバを許可するか否かを決定することは、ネットワーク参加又はハンドオーバの完了から測定された所定の時間と、許可されているハンドオーバの数と、ターゲット基地局が周辺リストに存在するか否かとを特定する前記アクセスされた情報に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
プロセッサにより実行されたときに、基地局に対して、
移動局のためにパケット交換セッションを確立させ、
前記移動局からハンドオーバ要求を受信させ、
前記移動局からの前記ハンドオーバ要求に応じて、前記移動局について提供された情報にアクセスさせ、前記移動局がモビリティの制限の対象になっているか否か及び前記移動局のハンドオーバを許可するか否かを決定させ、
要求されたハンドオーバが許可されないことを前記基地局が決定した場合に、要求されたハンドオーバが許可されないことを示すメッセージを前記移動局に送信させる
命令を含む少なくとも1つの機械可読記憶媒体を有する物品。
【請求項14】
前記基地局は、WiMax及びLTE無線アクセスネットワークの1つの一部である、請求項13に記載の物品。
【請求項15】
前記アクセスされた情報は、前記移動局がハンドオーバできる基地局に対応する周辺リストを含む、請求項13に記載の物品。
【請求項16】
前記アクセスされた情報は、時間に基づくモビリティの制限とカウントに基づくモビリティの制限とのうち1つ以上を示す情報を含む、請求項13に記載の物品。
【請求項17】
前記時間に基づくモビリティの制限は、前記移動局が指定の時間制限内にハンドオーバを実行することが許可されないことを示し、
前記カウントに基づくモビリティの制限は、前記移動局が所定のハンドオーバ数より多く実行することが許可されないことを示す、請求項16に記載の物品。
【請求項18】
インタフェースとプロセッサとを有する基地局であって、
前記インタフェースは、
移動局との無線通信を実行し、前記移動局のためにパケット交換通信セッションを確立し、
前記プロセッサは、
前記移動局からハンドオーバ要求を受信し、
前記移動局からの前記ハンドオーバ要求に応じて、前記移動局について提供された情報にアクセスし、前記移動局がモビリティの制限の対象になっているか否か及び前記移動局のハンドオーバを許可するか否かを決定し、
要求されたハンドオーバが許可されないことを前記基地局が決定した場合に、要求されたハンドオーバが許可されないことを示すメッセージを前記移動局に送信する基地局。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−518532(P2011−518532A)
【公表日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−506428(P2011−506428)
【出願日】平成21年4月22日(2009.4.22)
【国際出願番号】PCT/US2009/041427
【国際公開番号】WO2009/132118
【国際公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
2.フロッピー
【出願人】(390023157)ノーテル・ネットワークス・リミテッド (153)
【Fターム(参考)】