説明

移動度シフトアッセイ干渉の低減

本発明は例えば移動度シフトアッセイにおける非特異的結合サンプル成分の干渉を低減するための方法及び組成物を提供する。例えば成分をヘパリン硫酸等の荷電ポリマーと結合することにより、サンプル成分とアフィニティー物質(例えばアフィニティー分子又はアフィニティー分子と荷電キャリヤー分子とのコンジュゲート)の非特異的結合に起因する干渉を防止する。本発明は対象分析物を高濃度に濃縮し、分析物を高感度で検出し、更に分析物を容易に濃縮できるように反応条件を最適化するための方法も提供する。本発明のこのような目的は例えばサンプル中の分析物をDNA等の荷電キャリヤー分子と結合したアフィニティー分子に接触させることにより形成される分析物とコンジュゲートとの複合体を濃縮することにより達成される。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル中の対象分析物の検出又は同定方法であって、
(i)分析物に対して親和性をもつ1個以上のアフィニティー分子に分析物を含有するサンプルを接触させて分析物と1個以上のアフィニティー分子の複合体を形成する段階と;
(ii)約0.1〜500ミクロンの少なくとも1個のマイクロスケール寸法をもつ少なくとも1個の分離チャネルを含むマイクロフルイディックデバイスの分離チャネルを使用することにより、荷電ポリマーの存在下に複合体と未結合アフィニティー分子を分離する段階と;
(iii)複合体を検出して分析物の存在を同定するか又はサンプル中の分析物の量を測定する段階を含み、荷電ポリマーは検出妨害を低減するものである前記方法。
【請求項2】
荷電ポリマーがポリアニオン性ポリマー又はポリカチオン性ポリマーである請求項1に記載の方法。
【請求項3】
荷電ポリマーが多糖類、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、合成高分子化合物、セラミック及びそれらの複合体からなる群から選択されるポリアニオン性ポリマーである請求項2に記載の方法。
【請求項4】
荷電ポリマーが、poly−dIdC、ヘパリン硫酸、デキストラン硫酸、ポリタングステン酸、ポリアネトールスルホン酸、ポリビニル硫酸、ポリアクリレート、コンドロイチン硫酸、プラスミドDNA、仔ウシ胸腺DNA、サケ精子DNA、セルロースに結合したDNA、ガラス粒子、コロイドガラス、及び乳白ガラスからなる群から選択されるポリアニオン性ポリマーである請求項1に記載の方法。
【請求項5】
荷電ポリマーが、ポリアリルアミン類、ポリリジン、ポリヒスチジン、キトサン、プロタミン、ポリエチレンイミン及びポリアルギニンからなる群から選択されるポリカチオン性ポリマーである請求項1に記載の方法。
【請求項6】
荷電ポリマーが正味電荷が負である請求項1に記載の方法。
【請求項7】
荷電ポリマーが正味電荷が正である請求項1に記載の方法。
【請求項8】
荷電ポリマーがヘパリン硫酸を含むものである請求項6に記載の方法。
【請求項9】
1個以上のアフィニティー分子の少なくとも1個が検出マーカーで標識されている請求項1に記載の方法。
【請求項10】
1個以上のアフィニティー分子の少なくとも1個が荷電キャリヤー分子と結合してアフィニティー分子と荷電キャリヤー分子とのコンジュゲートを形成しており、荷電キャリヤー分子は1個以上のアフィニティー分子を介して分析物と結合して分析物とアフィニティー分子と荷電キャリヤー分子の複合体を形成することにより分析物の分離特性に変化を生じさせる請求項1に記載の方法。
【請求項11】
アフィニティー分子が蛋白質−蛋白質相互作用、蛋白質−化学物質相互作用又は化学物質−化学物質相互作用により分析物と結合する分子である請求項1又は10に記載の方法。
【請求項12】
アフィニティー分子が抗原−抗体相互作用、糖鎖−レクチン相互作用、酵素−インヒビター相互作用、蛋白質−ペプチド鎖相互作用、染色体もしくは核酸鎖−核酸鎖相互作用、ヌクレオチド−リガンド相互作用又は受容体−リガンド相互作用により分析物と結合する分子である請求項1又は10に記載の方法。
【請求項13】
アフィニティー分子が、抗体、抗体のFab、F(ab’)又はFab’フラグメント、抗体可変領域、レクチン、アビジン、受容体、アフィニティーペプチド、アプタマー、及びDNA結合蛋白質からなる群から選択される請求項1又は10に記載の方法。
【請求項14】
荷電キャリヤー分子がアニオン性分子又はカチオン性分子である請求項10に記載の方法。
【請求項15】
荷電キャリヤー分子が荷電ポリマーと同じ正味電荷をもつ分子である請求項14に記載の方法。
【請求項16】
荷電キャリヤー分子が核酸鎖又はスルホン化ポリペプチドを含むアニオン性分子である請求項14に記載の方法。
【請求項17】
荷電キャリヤー分子が、DNA、RNA、カチオン性ポリマー、又はスルホン化ポリペプチドを含む請求項10に記載の方法。
【請求項18】
荷電キャリヤー分子が1種以上の合成配列を含むDNAを含む請求項17に記載の方法。
【請求項19】
1種以上の合成配列がリンカー基又はリンカー反応性基を含む1種以上のヌクレオチド類似体を含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
リンカー基又はリンカー反応性基がアミノ基、チオール、カルボキシル基、イミダゾール基、又はスクシンイミド基を含む請求項19に記載の方法。
【請求項21】
更に、検出マーカーをリンカー基又はリンカー反応性基に共有結合させる段階を含む請求項20に記載の方法。
【請求項22】
少なくとも1個のアフィニティー分子が検出マーカーで標識されている請求項1に記載の方法。
【請求項23】
少なくとも1個のコンジュゲート又はコンジュゲートを形成していない少なくとも1個のアフィニティー分子が検出マーカーで標識されている請求項10に記載の方法。
【請求項24】
コンジュゲートを形成するアフィニティー分子と荷電キャリヤー分子の少なくとも一方が検出マーカーで標識されている請求項10に記載の方法。
【請求項25】
コンジュゲートの荷電キャリヤー分子が検出マーカーで標識されている請求項10に記載の方法。
【請求項26】
コンジュゲートのアフィニティー分子が検出マーカーで標識されている請求項10に記載の方法。
【請求項27】
検出マーカーが蛍光色素、発光色素、燐光色素、蛍光蛋白質、発光蛋白質もしくは粒子、放射性トレーサー、化学発光化合物、レドックスメディエーター、起電性化合物、酵素、金コロイド粒子、又は銀粒子である請求項9、21、22、23、24、25又は26に記載の方法。
【請求項28】
分離が分離チャネル中の分離媒体によるコンジュゲート又は複合体の電気泳動分離を含む請求項10に記載の方法。
【請求項29】
分離媒体がサイズ排除樹脂、ポリアクリルアミドゲル、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンオキシド(PEO)、スクロースとエピクロロヒドリンのコポリマー、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリ−N,N−ジメチルアクリルアミド(pDMA)、又はアガロースゲルを含む請求項28に記載の方法。
【請求項30】
分離媒体が更に荷電ポリマーを含む請求項28に記載の方法。
【請求項31】
荷電ポリマーが分離媒体中に約0.01〜5%の濃度で存在する請求項30に記載の方法。
【請求項32】
荷電ポリマーが分離媒体中に約0.05〜2%の濃度で存在する請求項30に記載の方法。
【請求項33】
更に、サンプルを含有するバッファーに荷電ポリマーを導入する段階を含む請求項28に記載の方法。
【請求項34】
荷電ポリマーがサンプルバッファー中に約0.001〜2%の濃度で存在する請求項33に記載の方法。
【請求項35】
分離チャネルが約0.1〜200ミクロンの少なくとも1個の横断面マイクロスケール寸法をもつ請求項1に記載の方法。
【請求項36】
段階(i)が少なくとも1個が検出マーカーで標識された1個以上のアフィニティー分子に分析物を含有するサンプルを接触させ、分析物と検出マーカーで標識された1個以上のアフィニティー分子とを含む複合体を形成させる段階を含み;
段階(ii)がマイクロフルイディックデバイスの分離チャネルで荷電ポリマーの存在下に複合体の形成に関与しない検出マーカーで標識された遊離のアフィニティー分子から複合体を分離する段階を含む;
段階(iii)が、
(a)分離された複合体の量を測定するか又は分離された複合体の存在を検出する段階と;
(b)測定量に基づいてサンプル中の分析物の量を決定するか又は検出された存在に基づいてサンプル中の分析物の存在を同定する段階を含み;
アフィニティー分子が分析物と結合することが可能な性質を有するものであって、2個以上のアフィニティー分子を使用する場合には、各アフィニティー分子が他の全アフィニティー分子と異なる分析物上の位置で分析物と結合することが可能な性質を有するものである請求項1に記載の方法。
【請求項37】
段階(i)がアフィニティー分子と荷電キャリヤー分子との1個以上のコンジュゲートの少なくとも1個が検出マーカーで標識された、1個以上のコンジュゲートに分析物を含有するサンプルを接触させ、分析物と検出マーカーで標識されたコンジュゲートとを含む複合体を形成させる段階を含み;
段階(ii)がマイクロフルイディックデバイスの分離チャネルで荷電ポリマーの存在下に複合体の形成に関与しない検出マーカーで標識された少なくとも1個のコンジュゲートから複合体を分離する段階を含み;
段階(iii)が、
(a)分離された複合体の量を測定するか又は分離された複合体の存在を検出する段階と;
(b)測定量に基づいてサンプル中の分析物の量を決定するか又は検出された存在に基づいてサンプル中の分析物の存在を同定する段階を含み;
コンジュゲートのアフィニティー分子が分析物と結合することが可能な性質を有するものであって、2個以上のコンジュゲートを使用する場合には、コンジュゲートの各アフィニティー分子が他の全アフィニティー分子と異なる分析物上の位置で分析物と結合することが可能な性質を有し、荷電キャリヤー分子がアフィニティー分子を介して分析物と結合して分析物とアフィニティー分子と荷電キャリヤー分子の複合体を形成することにより分析物の分離特性に変化を生じさせることが可能な性質を有するものである請求項10に記載の方法。
【請求項38】
段階(i)がアフィニティー分子の少なくとも1個又はコンジュゲートの少なくとも1個が検出マーカーで標識されたものであり、1個以上のアフィニティー分子及びアフィニティー分子と荷電キャリヤー分子との1個以上のコンジュゲートに分析物を含有するサンプルを接触させ、分析物とアフィニティー分子とコンジュゲートを含む複合体を形成させる段階を含み;
段階(ii)がマイクロフルイディックデバイスの分離チャネルで荷電ポリマーの存在下に複合体の形成に関与しない検出マーカーで標識された遊離のアフィニティー分子又は検出マーカーで標識されたコンジュゲートから複合体を分離する段階を含み;
段階(iii)が、
(a)分離された複合体の量を測定するか又は分離された複合体の存在を検出する段階と;
(b)測定量に基づいてサンプル中の分析物の量を決定するか又は検出された存在に基づいてサンプル中の分析物の存在を同定する段階を含み;
アフィニティー分子及びコンジュゲートのアフィニティー分子が分析物と結合することが可能な性質を有するものであって、各アフィニティー分子が他の全アフィニティー分子と異なる分析物上の位置で分析物と結合することが可能な性質を有し、荷電キャリヤー分子がアフィニティー分子を介して分析物と結合して分析物とアフィニティー分子と荷電キャリヤー分子の複合体を形成することにより分析物の分離特性に変化を生じることが可能な性質を有するものである請求項10に記載の方法。
【請求項39】
サンプル中の分析物の測定方法であって、
(i)検出マーカーで標識された分析物又は検出マーカーで標識された分析物の類似体及び1個以上のアフィニティー分子に分析物を含有するサンプルを接触させ、サンプル中の分析物とアフィニティー分子との第1の複合体及び標識分析物又は標識類似体とアフィニティー分子との第2の複合体を形成させる段階と;
(ii)マイクロフルイディックデバイスの分離チャネルで荷電ポリマーの存在下に第2の複合体の形成に関与しない遊離の標識分析物又は遊離の標識類似体から第2の複合体を分離する段階と;
(iii)分離された第2の複合体の量又は分離された遊離の標識分析物もしくは分離された遊離の標識類似体の量を測定する段階と;
(iv)測定量に基づいてサンプル中の分析物の量を決定する段階を含み;
アフィニティー分子がサンプル中の分析物及び標識分析物と結合することが可能な性質又はサンプル中の分析物及び標識類似体と結合することが可能な性質を有するものであって、2個以上のアフィニティー分子を使用する場合には、各アフィニティー分子が他の全アフィニティー分子と異なるサンプル中の分析物上の位置及び標識分析物上の位置でサンプル中の分析物及び標識分析物と結合することが可能な性質を有するか、又は各アフィニティー分子が他の全アフィニティー分子と異なるサンプル中の分析物上の位置及び標識類似体上の位置でサンプル中の分析物及び標識類似体と結合することが可能な性質を有するものである前記方法。
【請求項40】
段階(i)が検出マーカーで標識された分析物又は検出マーカーで標識された分析物の類似体及びアフィニティー分子と荷電キャリヤー分子との1個以上のコンジュゲートに分析物を含有するサンプルを接触させ、サンプル中の分析物とコンジュゲートとの第1の複合体及び標識分析物又は標識類似体とコンジュゲートとの第2の複合体を形成させる段階を含み;
段階(ii)がマイクロフルイディックデバイスの分離チャネルで荷電ポリマーの存在下に第2の複合体の形成に関与しない遊離の標識分析物又は遊離の標識類似体から第2の複合体を分離する段階を含み;
段階(iii)が分離された第2の複合体の量又は分離された遊離の標識分析物もしくは分離された遊離の標識類似体の量を測定する段階を含み;
段階(iv)が測定量に基づいてサンプル中の分析物の量を決定する段階を含み;
コンジュゲートのアフィニティー分子がサンプル中の分析物及び標識分析物又はサンプル中の分析物及び標識類似体と結合することが可能な性質を有するものであって、2個以上のコンジュゲートを使用する場合には、コンジュゲートの各アフィニティー分子が他の全アフィニティー分子と異なるサンプル中の分析物上の位置及び標識分析物上の位置でサンプル中の分析物及び標識分析物と結合することが可能な性質を有するか、又は各アフィニティー分子が他の全アフィニティー分子と異なるサンプル中の分析物上の位置及び標識類似体上の位置でサンプル中の分析物及び標識類似体と結合することが可能な性質を有し、荷電キャリヤー分子がアフィニティー分子を介して標識分析物又は標識類似体と結合して標識分析物又は標識類似体とアフィニティー分子と荷電キャリヤー分子との複合体を形成することにより標識分析物又は標識類似体の分離特性に変化を生じさせることが可能な性質を有するものである請求項39に記載の方法。
【請求項41】
段階(i)が検出マーカーで標識された分析物又は検出マーカーで標識された分析物の類似体、1個以上のアフィニティー分子及びアフィニティー分子と荷電キャリヤー分子との1個以上のコンジュゲートに分析物を含有するサンプルを接触させ、サンプル中の分析物とアフィニティー分子とコンジュゲートとの第1の複合体及び標識分析物又は標識類似体とアフィニティー分子とコンジュゲートとの第2の複合体を形成させる段階を含み;
段階(ii)がマイクロフルイディックデバイスの分離チャネルで荷電ポリマーの存在下に第2の複合体の形成に関与しない遊離の標識分析物又は標識類似体から第2の複合体を分離する段階を含み;
段階(iii)が分離された第2の複合体の量又は分離された遊離の標識分析物もしくは分離された遊離の標識類似体の量を測定する段階を含み;
段階(iv)が測定量に基づいてサンプル中の分析物の量を決定する段階を含み;
アフィニティー分子及びコンジュゲートのアフィニティー分子がサンプル中の分析物及び標識分析物又はサンプル中の分析物及び標識類似体と結合することが可能な性質を有するものであって、各アフィニティー分子が他の全アフィニティー分子と異なるサンプル中の分析物上の位置及び標識分析物上の位置でサンプル中の分析物及び標識分析物と結合することが可能な性質を有するか、又は各アフィニティー分子が他の全アフィニティー分子と異なるサンプル中の各分析物上の位置及び標識類似体上の位置でサンプル中の分析物及び標識類似体と結合することが可能な性質を有し、荷電キャリヤー分子がアフィニティー分子を介して標識分析物又は標識類似体と結合して標識分析物又は標識類似体とアフィニティー分子と荷電キャリヤー分子の複合体を形成することにより標識分析物又は標識類似体の分離特性に変化を生じることが可能な性質を有するものである請求項39に記載の方法。
【請求項42】
サンプル中の分析物の測定方法であって、
(i)荷電キャリヤー分子と結合した分析物又は荷電キャリヤー分子と結合した分析物の類似体及び検出マーカーで標識された1個以上のアフィニティー分子に分析物を含有するサンプルを接触させ、荷電キャリヤー分子と結合した分析物又は荷電キャリヤー分子と結合した類似体と標識アフィニティー分子との第1の複合体及びサンプル中の分析物と標識アフィニティー分子との第2の複合体を形成させる段階と;
(ii)マイクロフルイディックデバイスの分離チャネルで荷電ポリマーの存在下に第1の複合体を第2の複合体から分離する段階と;
(iii)分離された第1の複合体の量又は第2の複合体の量を測定する段階と;
(iv)測定量に基づいてサンプル中の分析物の量を決定する段階を含み;
アフィニティー分子がサンプル中の分析物及び荷電キャリヤー分子と結合した分析物又はサンプル中の分析物及び荷電キャリヤー分子と結合した類似体と結合することが可能な性質を有するものであって、2個以上のアフィニティー分子を使用する場合には、各アフィニティー分子が他の全アフィニティー分子と異なるサンプル中の分析物上の位置及び荷電キャリヤー分子と結合した分析物上の位置でサンプル中の分析物及び荷電キャリヤー分子と結合した分析物と結合することが可能な性質を有するか、又は各アフィニティー分子が他の全アフィニティー分子と異なるサンプル中の分析物上の位置及び荷電キャリヤー分子と結合した類似体上の位置でサンプル中の分析物及び荷電キャリヤー分子と結合した類似体と結合することが可能な性質を有し、荷電キャリヤー分子が分析物又は類似体と結合して分析物とアフィニティー分子と荷電キャリヤー分子の複合体を形成することにより第1の複合体の分離特性に変化を生じさせることが可能な性質を有するものである前記方法。
【請求項43】
サンプルが血清、血漿、全血、組織抽出物、細胞抽出物、核抽出物、培地、微生物培養抽出物、分子ライブラリーのメンバー、臨床サンプル、唾液検体、大便検体、脳髄液、尿サンプル、尿道−性器スワブ、咽喉スワブ、又は環境サンプルを含む請求項1に記載の方法。
【請求項44】
分析物がAFP、hCG、TSH、FSH、LH、インターロイキン、Fasリガンド、CA19−9、CA125、PSA、HBsAg、抗HIV抗体、又はT4を含む請求項1に記載の方法。
【請求項45】
荷電キャリヤー分子とアフィニティー分子との遊離のコンジュゲートと、サンプル中の分析物とコンジュゲートとの複合体の分離用組成物であって、組成物が分離媒体と荷電ポリマーを含む前記組成物。
【請求項46】
荷電ポリマーが多糖類、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、合成高分子化合物、セラミック及びそれらの複合体からなる群から選択されるポリアニオン性ポリマーである請求項45に記載の組成物。
【請求項47】
荷電ポリマーがpoly−dIdC、ヘパリン硫酸、デキストラン硫酸、ポリタングステン酸、ポリアネトールスルホン酸、ポリビニル硫酸、ポリアクリレート、コンドロイチン硫酸、プラスミドDNA、仔ウシ胸腺DNA、サケ精子DNA、セルロースに結合したDNA、ガラス粒子、コロイドガラス、及び乳白ガラスからなる群から選択されるポリアニオン性ポリマーである請求項45に記載の組成物。
【請求項48】
荷電ポリマーがヘパリン硫酸である請求項47に記載の組成物。
【請求項49】
分離媒体がサイズ排除樹脂、ポリアクリルアミドゲル、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンオキシド(PEO)、スクロースとエピクロロヒドリンのコポリマー、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリ−N,N−ジメチルアクリルアミド(pDMA)、又はアガロースゲルを含む請求項45に記載の組成物。
【請求項50】
ヘパリン硫酸が分離媒体中に約0.01〜5%の濃度で存在する請求項48に記載の組成物。
【請求項51】
サンプル中の対象分析物の濃縮方法であって、
(i)アフィニティー分子と荷電キャリヤー分子との1個以上のコンジュゲートに分析物を含有するサンプルを接触させて分析物とコンジュゲートとの複合体を形成させる段階と;
(ii)約0.1〜500ミクロンの少なくとも1個のマイクロスケール寸法を有する少なくとも1個の濃縮チャネルを含むマイクロフルイディックデバイスの濃縮チャネルを使用することにより複合体を濃縮する段階;を含み
荷電キャリヤー分子がアフィニティー分子を介して分析物と結合して分析物とアフィニティー分子と荷電キャリヤー分子の複合体を形成することにより分析物の移動特性に変化を生じさせるものである前記方法。
【請求項52】
サンプル中のノイズ成分の濃度が低いか又はゼロである領域に複合体を移動させてこの領域で濃縮する請求項51に記載の方法。
【請求項53】
アフィニティー分子と荷電キャリヤー分子との1個以上のコンジュゲートに分析物を含有するサンプルを接触させて分析物とコンジュゲートとの複合体を形成させる段階が約0.1〜500ミクロンの少なくとも1個のマイクロスケール寸法を有する濃縮チャネルに流体的に接続されたマイクロチャネルで実施される請求項51に記載の方法。
【請求項54】
複合体を濃縮する段階が濃縮チャネルでバッファーを使用することにより実施され、バッファーが濃縮段階(ii)で適用される複合体を含有する溶液中の複合体の電気泳動移動度よりも濃縮チャネルにおけるバッファー中の複合体の電気泳動移動度を遅くさせる性質をもつ請求項51に記載の方法。
【請求項55】
複合体を濃縮する段階が荷電キャリヤー分子の電荷に基づいて複合体とノイズ成分の電気泳動移動度の差を利用することにより実施される請求項51に記載の方法。
【請求項56】
複合体を濃縮する段階が荷電キャリヤー分子の電荷に基づいて複合体とノイズ成分の吸着性の差を利用することにより実施される請求項51に記載の方法。
【請求項57】
複合体を濃縮する段階が電場増幅サンプルスタッキング法(FASS)、電場増幅サンプル注入法(FASI)、等速電気泳動法(ITP)、等電点電気泳動法(IF)及び固相抽出法(SPE)からなる群から選択される濃縮法により実施される請求項51に記載の方法。
【請求項58】
複合体を濃縮する段階が電場増幅サンプルスタッキング法(FASS)及び等速電気泳動法(ITP)からなる群から選択される濃縮法により実施される請求項51に記載の方法。
【請求項59】
荷電キャリヤー分子がアニオン性分子又はカチオン性分子である請求項51に記載の方法。
【請求項60】
荷電キャリヤー分子が核酸鎖又はスルホン化ポリペプチドを含むアニオン性分子である請求項59に記載の方法。
【請求項61】
荷電キャリヤー分子がDNA、RNA、カチオン性ポリマー、又はスルホン化ポリペプチドを含む請求項51に記載の方法。
【請求項62】
荷電キャリヤー分子が1種以上の合成配列を含むDNAを含む請求項61に記載の方法。
【請求項63】
1種以上の合成配列がリンカー基又はリンカー反応性基を含む1種以上のヌクレオチド類似体を含む請求項62に記載の方法。
【請求項64】
リンカー基又はリンカー反応性基がアミノ基、チオール、カルボキシル基、イミダゾール基、又はスクシンイミド基を含む請求項63に記載の方法。
【請求項65】
更に、検出マーカーをリンカー基又はリンカー反応性基に共有結合させる段階を含む請求項64に記載の方法。
【請求項66】
1種以上の合成配列がヌクレオチドのホスホロチオエート類似体、酸素の代わりにメチレン基をリボース環に含むヌクレオチド、又は2’−糖デオキシ置換基を2’−フルオロ、2’−O−メチル、2−O−アルコキシル−及び2’−O−アリル修飾で置換したヌクレオチドから構成される群から選択される請求項62に記載の方法。
【請求項67】
接触段階が、更に、サンプルを1個以上のアフィニティー分子と接触させて分析物とコンジュゲートとアフィニティー分子の複合体を形成させる段階を含む請求項51に記載の方法。
【請求項68】
アフィニティー分子が蛋白質−蛋白質相互作用、蛋白質−化学物質相互作用又は化学物質−化学物質相互作用により分析物と結合する分子である請求項51又は67に記載の方法。
【請求項69】
アフィニティー分子が抗原−抗体相互作用、糖鎖−レクチン相互作用、酵素−インヒビター相互作用、蛋白質−ペプチド鎖相互作用、染色体もしくは核酸鎖−核酸鎖相互作用、ヌクレオチド−リガンド相互作用又は受容体−リガンド相互作用により分析物と結合する分子である請求項51又は67に記載の方法。
【請求項70】
アフィニティー分子が抗体、抗体のFab、F(ab’)又はFab’フラグメント、抗体可変領域、レクチン、アビジン、受容体、アフィニティーペプチド、アプタマー、及びDNA結合蛋白質からなる群から選択される請求項51又は67に記載の方法。
【請求項71】
少なくとも1個のコンジュゲート又はコンジュゲートを形成していない少なくとも1個のアフィニティー分子が検出マーカーで標識されている請求項67に記載の方法。
【請求項72】
コンジュゲートを形成するアフィニティー分子と荷電キャリヤー分子の少なくとも一方が検出マーカーで標識されている請求項51に記載の方法。
【請求項73】
コンジュゲートの荷電キャリヤー分子が検出マーカーで標識されている請求項51に記載の方法。
【請求項74】
コンジュゲートのアフィニティー分子が検出マーカーで標識されている請求項51に記載の方法。
【請求項75】
検出マーカーが蛍光色素、発光色素、燐光色素、蛍光蛋白質、発光蛋白質もしくは粒子、放射性トレーサー、化学発光化合物、レドックスメディエーター、起電性化合物、酵素、金コロイド粒子、又は銀粒子である請求項67、71、72、73又は74に記載の方法。
【請求項76】
接触段階及び/又は濃縮段階を荷電ポリマーの存在下に実施する請求項51又は67に記載の方法。
【請求項77】
荷電ポリマーがポリアニオン性ポリマー又はポリカチオン性ポリマーである請求項76に記載の方法。
【請求項78】
荷電ポリマーが多糖類、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、合成高分子化合物、セラミック及びそれらの複合体からなる群から選択されるポリアニオン性ポリマーである請求項77に記載の方法。
【請求項79】
荷電ポリマーがpoly−dIdC、ヘパリン硫酸、デキストラン硫酸、ポリタングステン酸、ポリアネトールスルホン酸、ポリビニル硫酸、ポリアクリレート、コンドロイチン硫酸、プラスミドDNA、仔ウシ胸腺DNA、サケ精子DNA、セルロースに結合したDNA、ガラス粒子、コロイドガラス、及び乳白ガラスからなる群から選択されるポリアニオン性ポリマーである請求項76に記載の方法。
【請求項80】
荷電ポリマーがポリアリルアミン類、ポリリジン、ポリヒスチジン、キトサン、プロタミン、ポリエチレンイミン及びポリアルギニンからなる群から選択されるポリカチオン性ポリマーである請求項76に記載の方法。
【請求項81】
荷電ポリマーが正味電荷が負である請求項76に記載の方法。
【請求項82】
荷電ポリマーが正味電荷が正である請求項76に記載の方法。
【請求項83】
荷電キャリヤー分子と荷電ポリマーが同じ正味電荷である請求項76に記載の方法。
【請求項84】
荷電ポリマーがヘパリン硫酸を含む請求項81に記載の方法。
【請求項85】
濃縮段階が濃縮チャネル中の濃縮媒体によるコンジュゲート又は複合体の電気泳動濃縮を含む請求項51又は67に記載の方法。
【請求項86】
濃縮媒体がサイズ排除樹脂、ポリアクリルアミドゲル、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンオキシド(PEO)、スクロースとエピクロロヒドリンのコポリマー、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリ−N,N−ジメチルアクリルアミド(pDMA)、又はアガロースゲルを含む請求項85に記載の方法。
【請求項87】
濃縮媒体が更に荷電ポリマーを含む請求項85に記載の方法。
【請求項88】
荷電ポリマーが濃縮媒体中に約0.01〜5%の濃度で存在する請求項87に記載の方法。
【請求項89】
荷電ポリマーが濃縮媒体中に約0.05〜2%の濃度で存在する請求項87に記載の方法。
【請求項90】
更に、サンプルを含有するバッファーに荷電ポリマーを導入する段階を含む請求項85に記載の方法。
【請求項91】
荷電ポリマーがサンプルバッファー中に約0.001〜2%の濃度で存在するヘパリン硫酸を含む請求項90に記載の方法。
【請求項92】
濃縮チャネルが約0.1〜200ミクロンの少なくとも1個の横断面マイクロスケール寸法をもつ請求項51に記載の方法。
【請求項93】
サンプル中の対象分析物の検出又は同定方法であって、
(i)分析物を含有するサンプルをアフィニティー分子と荷電キャリヤー分子との1個以上のコンジュゲートに接触させて分析物とコンジュゲートとの複合体を形成させる段階と;
(ii)約0.1〜500ミクロンの少なくとも1個のマイクロスケール寸法を有する少なくとも1個の濃縮チャネルを含むマイクロフルイディックデバイスの濃縮チャネルを使用することにより複合体を濃縮する段階と;
(iii)約0.1〜500ミクロンの少なくとも1個のマイクロスケール寸法を有する少なくとも1個の分離チャネルを含み、分離チャネルに荷電ポリマーを含むマイクロフルイディックデバイスの分離チャネルを使用することにより複合体と未結合のコンジュゲートとを分離する段階と;
(iv)複合体を検出して分析物の存在を同定するか又はサンプル中の分析物の量を測定する段階を含み、接触、濃縮及び/又は分離段階が検出干渉を低減する荷電ポリマーの存在下に実施され;
荷電キャリヤー分子がアフィニティー分子を介して分析物と結合して分析物とアフィニティー分子と荷電キャリヤー分子の複合体を形成することにより分析物の移動特性に変化を生じさせるものである前記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図3G】
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【図3H】
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【図3I】
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【図3J】
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【図3K】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2006−524319(P2006−524319A)
【公表日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501260(P2006−501260)
【出願日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【国際出願番号】PCT/US2004/010914
【国際公開番号】WO2004/092733
【国際公開日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(505359333)カリパー・ライフ・サイエンシズ・インク. (4)
【出願人】(505384427)和光純薬工業株式会社 (2)
【Fターム(参考)】