説明

移動通信システム、および位置検出方法

【課題】無線リソースの無駄な消費を抑制しつつ、高精度に移動局装置の位置を検出すること。
【解決手段】低精度位置取得部110は、移動局装置200の低精度位置を取得する。座標記憶部120は、すべてのフェムト基地局装置の座標をあらかじめ記憶している。フェムト基地局選択部130は、移動局装置200の近傍のフェムト基地局装置40を選択する。情報送信部140は、フェムト基地局選択部130によって選択されたフェムト基地局装置40に関する情報を移動局装置200へ送信する。測定結果受信部150は、フェムト基地局装置40から送信された基準信号の電波強度の測定結果を移動局装置200から受信する。高精度位置算出部160は、電波強度の測定結果から、移動局装置200の正確な位置を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信システムおよび位置検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信システムの1例として、近年、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)と呼ばれる無線通信方式に関して、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers:米国電気電子学会)における標準化作業が進められている。WiMAXには、移動しない加入者局(Subscriber Station)を対象としたIEEE802.16dと、移動する加入者局(Mobile Station:以下「移動局装置」という)を対象としたIEEE802.16eとの2つの規格がある。また、IEEE802.16eの次世代規格であるIEEE802.16mについても、現在標準化が行われている。
【0003】
IEEE802.16eなどにおける移動局装置は、ASN(Access Service Network)と呼ばれる有線ネットワーク上に配置されたマクロ基地局装置(Macro Base Station)と無線通信を行う。換言すれば、マクロ基地局装置は、それぞれ自装置から送信された電波が到達する範囲(以下「マクロセル」という)内の移動局装置と無線通信を行う。このように、マクロ基地局装置などの有線接続された基地局装置が配置される無線通信システムにおいては、移動局装置の位置を検出する様々な方法が検討されている。具体的には、例えば、基地局装置と移動局装置の間で送受信される信号の伝搬遅延や電力損失などから移動局装置の位置を検出する方法がある。これらの方法においては、移動局装置が複数の基地局装置と信号の送受信を行い、それぞれの基地局装置の座標と信号の伝搬遅延などとに基づいて移動局装置の位置が算出されている。また、このように移動局装置が複数の基地局装置との間の電波環境を測定することで、その測定結果に基づいて移動局装置の位置を算出する特許文献1および特許文献2のような技術がある。
【0004】
上述したIEEE802.16eにおいては、マクロ基地局装置が隣接するマクロ基地局装置に関する情報を含むメッセージ(MOB_NBR-ADV:mobile neighbor advertisement)を広報(ブロードキャスト)することと規定されているため、このメッセージを移動局装置がマクロ基地局装置から受信し、信号の送受信が可能な複数のマクロ基地局装置を決定することができる。すなわち、移動局装置の通信相手のマクロ基地局装置およびその隣接マクロ基地局装置が移動局装置との間で信号を送受信し、移動局装置の位置を検出することが可能となる。
【0005】
ところで、一般に、マクロ基地局装置は、大型で屋外に設置されており、マクロセルも比較的大きい。このため、マクロ基地局装置を設置すれば、比較的広範囲において無線通信が可能となる反面、建物内などの電波が届きにくい場所では、十分な通信品質が得られない。
【0006】
そこで、WiMAXにおいては、マクロ基地局装置よりも小型のフェムト基地局装置(Femto Base Station)を導入することが検討されている。フェムト基地局装置は、主に家屋などの建物内に設置され、送信される電波が到達する範囲(以下「フェムトセル」という)は比較的小さいが、移動局装置に対して無線通信サービスを提供することができる。
【0007】
【特許文献1】特表2003−520532号公報
【特許文献2】特開2004−301850号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、フェムト基地局装置に関する情報は、マクロ基地局装置が隣接するマクロ基地局装置に関する情報を広報する隣接基地局情報には含まれない。このため、移動局装置は、信号の送受信が可能なフェムト基地局装置を容易には確認することができず、移動局装置の位置検出にフェムト基地局装置を利用するのは困難である。
【0009】
そこで、本発明は、移動局装置の位置を精度よく検出することができる移動通信システム、および位置検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
手段としては、例えば、基地局と、該基地局が報知する隣接基地局情報に含まれる1又は複数の基地局とを備えた移動通信システムにおいて、該隣接基地局情報に含まれない1又は複数の基地局についての情報を移動局に送信する送信部と、該隣接基地局情報に含まれない1又は複数の基地局を用いて、該移動局の位置検出を行う位置検出部と、を備えたことを特徴とする移動通信システムを用いる。
【0011】
また、他の手段の例として、基地局と、該基地局が報知する隣接基地局情報に含まれる1又は複数の基地局とを備えた移動通信システムにおける移動局の位置測定方法において、該隣接基地局情報に含まれない1又は複数の基地局についての情報を該移動局に送信し、該移動局は、該隣接基地局情報に含まれない1又は複数の基地局についての情報を受信し、該隣接基地局情報に含まれない1又は複数の基地局を用いて、該移動局の位置検出を行う、ことを特徴とする移動通信システムにおける移動局の位置検出方法を用いる。
【発明の効果】
【0012】
移動局の位置を精度よく検出することができる移動通信システム、および位置検出方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
まず、本実施の形態として、第1の基地局群と第2の基地局群が存在する例について説明する。
【0015】
本実施の形態では、第1の基地局群は、少なくとも1つの基地局Aとこの基地局Aに隣接する複数の基地局を含み、隣接する複数の基地局についての情報(隣接基地局情報)が基地局Aから報知(送信)される。ただし、第2の基地局群がこの基地局Aに隣接する位置に存在していても、第2の基地局群についての情報(例えば、移動局が第2の基地局群に含まれる基地局との間で無線通信を行う際に用いられるパラメータ(通信周波数、タイミング、基地局識別情報等がパラメータの例として挙げられる)は、この隣接基地局情報には含まれない。
【0016】
従って、移動局は、基地局Aから報知される隣接基地局情報の受信によっては、第2の基地局群についての情報を取得しない。
【0017】
しかし、基地局Aから、別途、第2の基地局群に含まれる1又は複数の基地局についての情報を受信(好ましくは、個別に受信)することで、移動局と、第2の基地局群に含まれる1又は複数の基地局との間で無線通信を行って、この移動局の位置検出を行うようにする。ここで、基地局Aは、第2の基地局群に含まれる1又は複数の基地局についての情報の送信部として動作することとなる。尚、基地局Aは、移動局のサービング基地局であってもよい。
【0018】
ここで、第1の基地局群の形成するセルに対して、第2の基地局群の形成するセルの無線エリアはより小さいエリアとすると、位置検出精度を更に向上させることもできるが、それに限定されるものではない。
【0019】
また、第2の基地局群に含まれる1又は複数の基地局は、移動局の位置情報に基づいて、その位置情報により示される位置を基準とする所定の範囲内に位置する基地局を選択するようにしてもよい。その際、移動局の位置情報は、第1の基地局群を用いて測定することもでき、精度が低いものであってもよい。
【0020】
もちろん、移動局の位置情報に関わりなく、第2の基地局群から1又は複数の基地局を選択し、移動局と無線通信を試み、通信不可の場合は、選択する基地局を変更していき、無線通信が可能となるまで繰り返えし、無線通信が可能であった場合の測定結果に基づいて、移動局の位置を検出することもできる。
【0021】
なお、以下においては、WiMAXを採用する通信システムを例に挙げて説明するが、本発明は、WiMAX以外の無線通信方式を採用する通信システムにも適用することができる。また、第1の基地局群の例として、マクロ基地局装置、第2の基地局群の例として、フェムト基地局装置を用いる場合について説明する。また、低精度の位置検出を行ってから、更に、移動局の位置検出を行う例を示すが、先に説明したように、これに限定されるものではない。
【0022】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る通信システムの構成を示す図である。同図に示すように、本実施の形態に係る通信システムは、例えばインターネットなどのネットワークとの相互接続機能を提供するCSN(Connectivity Service Network)と広範囲にわたる無線通信機能を提供するASN(Access Service Network)とを含んでいる。CSNには、位置サーバ装置10が設置され、位置サーバ装置10は、ASNに設置されるASNゲートウェイ(以下「ASN−GW」と略記する)20と接続している。
【0023】
位置サーバ装置10は、移動局装置200の低精度な位置を示す低精度位置情報をASN−GW20内の位置制御装置100へ出力する。低精度位置情報は、例えば移動局装置200と通信中のマクロ基地局装置のマクロセルの位置や、マクロ基地局装置と移動局装置との間の無線信号伝播時間や、伝播ロス等の従来と同様の位置検出方法による位置検出結果から得られる。ASN−GW20は、位置制御装置100を含んでおり、マクロ基地局装置30−1〜30−3およびフェムト基地局装置40−1〜40−n(nは1以上の整数)に接続している。
【0024】
マクロ基地局装置30−1〜30−3は、マクロセル内の移動局装置と無線通信を行う。また、フェムト基地局装置40−1〜40−nは、フェムトセル内の移動局装置と無線通信を行う。ここで、マクロセルおよびフェムトセルのセル構成は、例えば図2に示すようになっている。すなわち、例えばマクロセル#1〜#3が互いに隣接しており、これらのマクロセル#1〜#3には、フェムトセル#1〜#9が含まれている。そして、それぞれのマクロセルの中心にはマクロ基地局装置が設置されており、それぞれのフェムトセルの中心にはフェムト基地局装置が設置されている。したがって、フェムトセル内の移動局装置は、フェムト基地局装置と通信可能であるとともに、このフェムトセルを含むマクロセルの中心に設置されたマクロ基地局装置とも通信可能である。
【0025】
位置制御装置100は、低精度位置情報を取得すると、フェムト基地局装置40−1〜40−nから移動局装置200の近傍のフェムト基地局装置を選択し、選択したフェムト基地局装置に関する情報を含むメッセージを移動局装置200へ送信する。また、位置制御装置100は、選択されたフェムト基地局装置と移動局装置200との間において送受信された基準信号の電波強度の測定結果から、移動局装置200の高精度な位置を検出する。位置制御装置100の具体的な構成および動作については、後に詳述する。
【0026】
移動局装置200は、マクロ基地局装置30−1〜30−3またはフェムト基地局装置40−1〜40−nと無線通信を行う。そして、移動局装置200の位置検出を実行する場合には、移動局装置200は、フェムト基地局装置との間で基準信号を送受信する。このとき、移動局装置200は、フェムト基地局装置に関する情報を含むメッセージを位置制御装置100から受信し、このメッセージによって基準信号を送受信するフェムト基地局装置を決定する。移動局装置200の具体的な構成および動作については、後に詳述する。
【0027】
図3は、本実施の形態に係る位置制御装置100および移動局装置200を含む位置検出システムの要部構成を示すブロック図である。以下においては、移動局装置200がマクロ基地局装置30と通信中であり、移動局装置200の近傍にフェムト基地局装置40があるものとする。ただし、本発明はこれに限定されず、例えば移動局装置200がフェムト基地局装置40以外のフェムト基地局装置と通信中であっても良い。
【0028】
図3に示す位置制御装置100は、低精度位置取得部110、座標記憶部120、フェムト基地局選択部130、情報送信部140、測定結果受信部150、高精度位置算出部160を有している。
【0029】
低精度位置取得部110は、例えばCSNに設置された位置サーバ装置10などから移動局装置200の大まかな位置を示す低精度位置情報を取得し、移動局装置200の大まかな位置をフェムト基地局選択部130へ通知する。なお、低精度位置取得部110は、位置サーバ装置10から低精度位置情報を取得する代わりに、マクロ基地局装置30を含む複数のマクロ基地局装置と移動局装置200との間における信号の送受信に基づいて移動局装置200の大まかな位置を算出しても良い。
【0030】
座標記憶部120は、フェムト基地局装置40を含むすべてのフェムト基地局装置の座標をあらかじめ記憶している。なお、フェムト基地局装置は、個人的に所有されることもあるため、位置が固定されていないこともあるが、座標記憶部120は、位置が固定されたフェムト基地局装置の座標を記憶している。すなわち、座標記憶部120は、例えば図4に示すように、位置が固定されているフェムト基地局装置40−1、40−2については、それぞれ座標(x1,y1,z1)、(x2,y2,z2)を記憶しているが、位置が固定されていないフェムト基地局装置40−3については、座標を記憶していない。
【0031】
フェムト基地局選択部130は、移動局装置200の大まかな位置とフェムト基地局装置の座標とから、移動局装置200の近傍のフェムト基地局装置を選択する。このとき、フェムト基地局選択部130は、少なくとも1つのフェムト基地局装置を選択するが、位置検出の精度を向上するためには、複数のフェムト基地局装置を選択する。ただし、フェムト基地局選択部130は、移動局装置200と通信可能と判断される範囲に設置されたフェムト基地局装置を選択する。ここでは、フェムト基地局選択部130は、フェムト基地局装置40を選択したものとする。
【0032】
情報送信部140は、フェムト基地局選択部130によって選択されたフェムト基地局装置40に関する情報をマクロ基地局装置30を介して移動局装置200へ送信する。具体的には、情報送信部140は、選択されたフェムト基地局装置40の識別子、フェムト基地局装置40との同期に必要なプリアンブルインデクス、およびフェムト基地局装置40が送信する基準信号の周波数などを含む測定要求メッセージを送信する。この測定要求メッセージは、移動局装置200が通信中のマクロ基地局装置30を介して移動局装置200へ伝送される。
【0033】
測定結果受信部150は、測定要求メッセージの送信後、フェムト基地局装置40から送信された基準信号の電波強度の測定結果を移動局装置200からマクロ基地局装置30を介して受信する。なお、測定結果受信部150は、移動局装置200がフェムト基地局装置40以外のフェムト基地局装置から送信された基準信号の電波強度も測定している場合には、この測定結果も受信する。さらに、移動局装置200がマクロ基地局装置から送信された基準信号の電波強度を測定している場合には、この測定結果も受信する。要するに、測定結果受信部150は、移動局装置200が受信したすべての基準信号の電波強度の測定結果を取得する。
【0034】
高精度位置算出部160は、測定結果受信部150によって得られた電波強度の測定結果から、移動局装置200の正確な位置を算出する。すなわち、高精度位置算出部160は、基準信号の送信元の基地局装置の座標や基準信号の電波強度の測定結果を利用して、移動局装置200の位置を算出する。このとき、高精度位置算出部160は、移動局装置200が基準信号の送信元の基地局装置から離れているほど基準信号の電波強度が小さくなることを利用して移動局装置200の位置を算出する。高精度位置算出部160は、比較的到達範囲が狭いフェムト基地局装置40の基準信号に関する測定結果を用いるため、移動局装置200の高精度な位置を算出することになる。
【0035】
一方、図3に示す移動局装置200は、情報受信部210、受信設定部220、基準信号受信部230、電波強度測定部240、および測定結果送信部250を有している。
【0036】
情報受信部210は、フェムト基地局装置40に関する情報をマクロ基地局装置30を介して位置制御装置100から受信する。具体的には、情報受信部210は、例えば、フェムト基地局装置40の識別子、フェムト基地局装置40との同期に必要なプリアンブルインデクス、およびフェムト基地局装置40が送信する基準信号の周波数などを含む測定要求メッセージを受信する。
【0037】
受信設定部220は、情報受信部210によって測定要求メッセージが受信されると、フェムト基地局装置40から送信される基準信号が受信されるような受信設定を行う。具体的には、受信設定部220は、例えばフェムト基地局装置40との同期を確立し、基準信号受信部230における受信周波数をフェムト基地局装置40から送信される基準信号の周波数に設定する。
【0038】
基準信号受信部230は、フェムト基地局装置40から送信される基準信号を受信する。ここで、基準信号とは、基地局装置および移動局装置200において既知の信号であり、フェムト基地局装置40などの基地局装置から定期的に送信される信号である。具体的な基準信号としては、例えば、プリアンブルなどを用いることが可能である。すなわち、例えばフェムト基地局装置40から送信される無線フレームの先頭にはプリアンブルが付与されており、これを基準信号として使用することができる。また、具体的な基準信号としては、例えば、フレーム中に含まれるパイロット信号 (pilot signal)を用いることが可能である。
【0039】
電波強度測定部240は、基準信号受信部230において受信された基準信号の電波強度を測定する。そして、電波強度測定部240は、電波強度の測定結果を測定結果送信部250へ出力する。
【0040】
測定結果送信部250は、電波強度測定部240から出力された電波強度の測定結果をマクロ基地局装置30を介して位置制御装置100へ送信する。すなわち、測定結果送信部250は、移動局装置200が通信中のマクロ基地局装置30へ測定結果を送信し、マクロ基地局装置30から位置制御装置100へ転送させる。
【0041】
次いで、上記のように構成された位置検出システムにおける移動局装置200の位置検出方法の手順について、図5を参照しながら説明する。
【0042】
まず、位置制御装置100の低精度位置取得部110によって、移動局装置200の低精度な位置が取得される(ステップS101)。ここでは、CSNに設置された位置サーバ装置10にあらかじめ保持されていた低精度位置情報が低精度位置取得部110によって取得されても良いし、マクロ基地局装置と移動局装置200との間における信号の送受信に基づいた位置検出結果が低精度位置取得部110によって取得されても良い。ただし、この時点における移動局装置200の位置検出には、フェムト基地局装置は一切利用されていない。
【0043】
低精度位置取得部110によって低精度な位置が取得されると、移動局装置200の大まかな位置が把握されるため、フェムト基地局選択部130によって、移動局装置200の近傍にあるフェムト基地局装置が選択される(ステップS102)。すなわち、フェムト基地局選択部130によって、座標記憶部120に座標が記憶されたフェムト基地局装置のうち、移動局装置200の大まかな位置近傍に設置されたフェムト基地局装置が選択される。ここでは、フェムト基地局装置40が選択されたものとする。
【0044】
そして、フェムト基地局装置40の識別子やフェムト基地局装置40から送信される基準信号を受信するために必要なパラメータなどを含む測定要求メッセージが情報送信部140から移動局装置200へ送信される。こうして測定要求メッセージが位置制御装置100から送信されることにより、移動局装置200は、測定要求メッセージによって位置検出に利用すべきフェムト基地局装置40に関する情報を得ることができる。また、測定要求メッセージは、位置検出の対象となっている移動局装置200に対してのみ送信されるため、無線リソースが無駄に消費されることもない。
【0045】
位置制御装置100から送信された測定要求メッセージは、移動局装置200の情報受信部210によって受信され、受信設定部220によって、フェムト基地局装置40からの基準信号を受信するための受信設定が行われる。これにより、フェムト基地局装置40から送信された基準信号が、移動局装置200の基準信号受信部230によって受信される(ステップS103)。
【0046】
基準信号受信部230によって基準信号が受信されると、電波強度測定部240によって基準信号の電波強度が測定され(ステップS104)、測定結果が測定結果送信部250から送信される。そして、位置制御装置100の測定結果受信部150によって、電波強度の測定結果が受信され、高精度位置算出部160によって、電波強度の測定結果から移動局装置200の位置が算出される(ステップS105)。ここで算出される移動局装置200の位置は、フェムト基地局装置40から送信された基準信号の電波強度測定結果に基づいて求められているため、マクロ基地局装置と移動局装置200との間における信号の送受信のみに基づいて求められる位置よりも高精度となっている。
【0047】
ここで、上述した低精度位置取得部110における低精度位置取得処理について、図6から図8を参照して、3通りの方法を説明しておく。これらの低精度位置取得処理では、いずれもマクロ基地局装置と移動局装置200との間における通信の結果、位置制御装置100の低精度位置取得部110によって移動局装置200の低精度な位置が取得される。
【0048】
まず、図6に示す第1の方法は、移動局装置200が複数のマクロ基地局装置から送信される基準信号の電波強度を測定し、測定結果に基づいて低精度位置取得部110が移動局装置200の低精度な位置を算出する方法である。
【0049】
図6に示すように、低精度位置取得部110から移動局装置200が通信中のマクロ基地局装置30に対して低精度位置測定要求が送信されると(ステップS111)、マクロ基地局装置30によって、マクロ基地局装置30に隣接する隣接マクロ基地局装置の識別子を報知するメッセージが移動局装置200へ送信される(ステップS112)。
【0050】
送信されたメッセージは、移動局装置200によって受信され、移動局装置200は、マクロ基地局装置30の隣接マクロ基地局装置を識別する。そして、移動局装置200は、マクロ基地局装置30が送信する既知の基準信号を受信して(ステップS113)、その電波強度を測定するとともに(ステップS114)、隣接マクロ基地局装置が送信する既知の基準信号を受信して(ステップS115)、その電波強度を測定する(ステップS116)。それぞれの電波強度の測定結果は、マクロ基地局装置30を介して位置制御装置100へ送信される(ステップS117、S118)。
【0051】
送信された電波強度の測定結果は、位置制御装置100の低精度位置取得部110によって取得され、取得された測定結果から移動局装置200の低精度な位置が算出される(ステップS119)。
【0052】
次に、図7に示す第2の方法は、複数のマクロ基地局装置が移動局装置200から送信される基準信号の電波強度を測定し、測定結果に基づいて低精度位置取得部110が移動局装置200の低精度な位置を算出する方法である。なお、図7において、図6と同じ部分には同じ符号を付している。
【0053】
図7に示すように、低精度位置取得部110から移動局装置200が通信中のマクロ基地局装置30に対して低精度位置測定要求が送信されると(ステップS111)、マクロ基地局装置30によって、基準信号の送信を指示するメッセージが移動局装置200へ送信される(ステップS121)。送信されたメッセージは、移動局装置200によって受信され、移動局装置200は、マクロ基地局装置30に対して既知の基準信号を送信する(ステップS122)。この基準信号は、マクロ基地局装置30によって受信され、電波強度が測定される(ステップS123)。
【0054】
また、マクロ基地局装置30によって、隣接マクロ基地局装置に対する基準信号の送信を指示するメッセージが移動局装置200へ送信される(ステップS124)。送信されたメッセージは、移動局装置200によって受信され、移動局装置200は、隣接マクロ基地局装置に対して既知の基準信号を送信する(ステップS125)。この基準信号は、隣接マクロ基地局装置によって受信され、電波強度が測定される(ステップS126)。
【0055】
そして、マクロ基地局装置30による電波強度の測定結果が位置制御装置100へ送信されるとともに(ステップS127)、隣接マクロ基地局装置による電波強度の測定結果が位置制御装置100へ送信される(ステップS128)。送信された電波強度の測定結果は、位置制御装置100の低精度位置取得部110によって取得され、取得された測定結果から移動局装置200の低精度な位置が算出される(ステップS119)。
【0056】
次に、図8に示す第3の方法は、移動局装置200が複数のマクロ基地局装置から送信される基準信号の電波強度を測定し、測定結果に基づいて自装置の低精度な位置を算出し、位置制御装置100へ通知する方法である。なお、図8において、図6と同じ部分には同じ符号を付している。
【0057】
図8に示すように、マクロ基地局装置30は、定期的に自装置および隣接マクロ基地局装置の座標を報知するメッセージを送信している(ステップS131)。このため、移動局装置200は、通信中のマクロ基地局装置30とその隣接マクロ基地局装置との座標を把握している。そして、移動局装置200は、マクロ基地局装置30が送信する既知の基準信号が受信されると(ステップS113)、その電波強度を測定する(ステップS114)。
【0058】
そして、移動局装置200は、マクロ基地局装置30との通信を中断するためのメッセージ送受信を行った後(ステップS132)、隣接マクロ基地局装置が送信する既知の基準信号を受信し(ステップS115)、その電波強度を測定する(ステップS116)。その後、移動局装置200は、電波強度の測定結果から自装置の低精度な位置を算出し(ステップS133)、低精度位置情報を位置制御装置100へ送信する(ステップS134)。送信された低精度位置情報は、位置制御装置100の低精度位置取得部110によって取得される。
【0059】
以上の3通りの方法のいずれかによって、位置制御装置100の低精度位置取得部110は、移動局装置200の大まかな位置を把握することができ、フェムト基地局選択部130は、移動局装置200の近傍にあるフェムト基地局装置40を選択することができる。なお、低精度位置取得部110が移動局装置200の大まかな位置を把握するための処理は、上記の3通りに限定されず、任意の処理で良い。例えば、単に通信中のマクロ基地局装置30のマクロセルの範囲を移動局装置200の大まかな位置としても良い。特に、マクロ基地局装置30が指向性送信を行う場合などは、移動局装置200の低精度な位置をマクロセルよりも狭い範囲に特定することができる。また、例えば、衛星から送信される電波を用いる GPS(Global Positioning System; 全地球測位システム)を利用しても良い。例えば、衛星からの電波を受信する移動局装置200の受信回路が低価格な場合、低精度な位置しか得られないことがある。
【0060】
次に、移動局装置200の低精度位置が取得された後の位置検出方法について、図9に示すシーケンス図を参照しながら説明する。図9は、図5に示したステップS102〜S105における手順を示している。
【0061】
位置制御装置100の低精度位置取得部110によって移動局装置200の低精度な位置が取得されると、フェムト基地局選択部130によって、移動局装置200の近傍にあるフェムト基地局装置が選択される(ステップS201)。具体的には、フェムト基地局選択部130によって、座標記憶部120によって記憶された各フェムト基地局装置の座標が参照され、移動局装置200の低精度な位置から所定の範囲内にあるフェムト基地局装置40が選択される。そして、選択されたフェムト基地局装置40の識別子が情報送信部140へ通知され、情報送信部140によって、フェムト基地局装置40の識別子およびフェムト基地局装置40から送信される基準信号を受信するために必要なパラメータを含む測定要求メッセージがマクロ基地局装置30へ送信される(ステップS202)。
【0062】
送信された測定要求メッセージは、マクロ基地局装置30から移動局装置200へ転送され(ステップS203)、移動局装置200の情報受信部210によって受信される。具体的には、例えば、通信中の基地局装置以外の基地局装置が送信する電波をスキャンするように指示するスキャンメッセージに測定要求メッセージを重畳してもよい。すなわち、例えば、WiMAXでは、SCN−RSP (scan response) メッセージが前記スキャンメッセージに相当する。
【0063】
そして、測定要求メッセージに含まれるフェムト基地局装置40の識別子やパラメータが受信設定部220へ出力され、受信設定部220によって、フェムト基地局装置40から送信される基準信号を受信するための受信設定が行われる。具体的には、受信設定部220によって、例えば基準信号受信部230における受信周波数または受信タイミングがフェムト基地局装置40から送信される基準信号の周波数またはタイミングに設定される。
【0064】
受信設定部220によって、基準信号受信部230の受信設定が行われることにより、フェムト基地局装置40から基準信号が送信されると(ステップS204)、基準信号は、移動局装置200の基準信号受信部230によって受信される。そして、電波強度測定部240によって、受信された基準信号の電波強度が測定され(ステップS205)、測定結果送信部250によって、電波強度の測定結果がマクロ基地局装置30へ送信される(ステップS206)。
【0065】
送信された電波強度の測定結果は、マクロ基地局装置30から位置制御装置100へ転送され(ステップS207)、位置制御装置100の測定結果受信部150によって受信される。そして、測定結果が高精度位置算出部160へ出力され、高精度位置算出部160によって、移動局装置200の高精度な位置が算出される(ステップS208)。このとき、高精度位置算出部160によって、低精度位置取得部110における低精度位置取得処理時の電波強度の測定結果などが同時に用いられても良い。換言すれば、高精度位置算出部160は、マクロ基地局装置30と移動局装置200との間で伝送された基準信号の電波強度測定結果も同時に用いて移動局装置200の高精度な位置を算出しても良い。
【0066】
すなわち、高精度位置算出部160は、フェムト基地局装置40から送信された基準信号の電波強度測定結果のみではなく、他の基地局装置と移動局装置200との間で伝送された基準信号の電波強度測定結果も同時に利用する。したがって、当然ながら、フェムト基地局装置40以外のフェムト基地局装置と移動局装置200との間で伝送された基準信号の電波強度測定結果を利用することも可能である。この場合には、高精度位置算出部160は、さらに高精度な位置を算出することができる。
【0067】
以上のように、本実施の形態によれば、位置制御装置は、移動局装置の大まかな位置から、近傍にあるフェムト基地局装置を選択し、選択されたフェムト基地局装置を移動局装置へ通知する。移動局装置は、通知されたフェムト基地局装置から送信された基準信号の電波強度を測定し、位置制御装置が電波強度の測定結果を用いて移動局装置の位置を算出する。このため、個々の移動局装置に対して、位置検出に利用可能なフェムト基地局装置に関する情報のみを通知し、フェムト基地局装置と移動局装置との間の無線環境の測定結果から正確に移動局装置の位置を算出することができる。換言すれば、無線リソースの無駄な消費を抑制しつつ、高精度に移動局装置の位置を検出することができる。
【0068】
なお、上記実施の形態1においては、位置制御装置100が電波強度の測定結果に基づいて移動局装置200の高精度な位置を算出するものとしたが、移動局装置200が電波強度の測定結果に基づいて自装置の高精度な位置を算出したり、マクロ基地局装置30が電波強度の測定結果に基づいて移動局装置200の高精度な位置を算出したりしても良い。
【0069】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2の特徴は、移動局装置が選択されたフェムト基地局装置に対して基準信号を送信し、フェムト基地局装置が基準信号の電波強度を測定する点である。
【0070】
図10は、本実施の形態に係る位置制御装置100および移動局装置200を含む位置検出システムの要部構成を示すブロック図である。同図において、図3と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。以下においては、移動局装置200がマクロ基地局装置30と通信中であり、移動局装置200の近傍にフェムト基地局装置40があるものとする。ただし、本発明はこれに限定されず、例えば移動局装置200がフェムト基地局装置40以外のフェムト基地局装置と通信中であっても良い。
【0071】
図10に示す位置制御装置100は、図3に示す位置制御装置100の情報送信部140を情報送信部320に代え、帯域割当部310を新たに追加した構成を有している。
【0072】
帯域割当部310は、フェムト基地局選択部130によって選択されたフェムト基地局装置40に対して、移動局装置200から送信される基準信号を受信するための帯域(周波数や送信タイミングなど)の確保を指示する。そして、帯域割当部310は、フェムト基地局装置40が帯域を確保すると、確保された帯域を情報送信部320へ通知する。
【0073】
情報送信部320は、フェムト基地局選択部130によって選択されたフェムト基地局装置40に関する情報をマクロ基地局装置30を介して移動局装置200へ送信する。具体的には、情報送信部320は、選択されたフェムト基地局装置40の識別子、フェムト基地局装置40との同期に必要なプリアンブルインデクス、およびフェムト基地局装置40が基準信号の受信のために確保した帯域などを含む測定要求メッセージを送信する。この測定要求メッセージは、移動局装置200が通信中のマクロ基地局装置30を介して移動局装置200へ伝送される。
【0074】
本実施の形態においては、移動局装置200の通信相手ではないフェムト基地局装置40が移動局装置200から送信された基準信号を受信するため、帯域割当部310は、あらかじめフェムト基地局装置40に基準信号受信用の帯域を確保させる。そして、情報送信部320は、確保された帯域を移動局装置200へ通知する。
【0075】
一方、図10に示す移動局装置200は、情報受信部410、送信設定部420、および基準信号送信部430を有している。
【0076】
情報受信部410は、フェムト基地局装置40に関する情報をマクロ基地局装置30を介して位置制御装置100から受信する。具体的には、情報受信部410は、フェムト基地局装置40の識別子、フェムト基地局装置40との同期に必要なプリアンブルインデクス、フェムト基地局装置40が送信する基準信号の周波数、およびフェムト基地局装置40が基準信号の受信のために確保した帯域などを含む測定要求メッセージを受信する。
【0077】
送信設定部420は、情報受信部410によって測定要求メッセージが受信されると、フェムト基地局装置40へ送信する基準信号の送信設定を行う。具体的には、送信設定部420は、例えばフェムト基地局装置40との同期を確立し、基準信号送信部430における送信周波数や送信タイミングをフェムト基地局装置40が基準信号を受信するために確保した帯域に合わせて設定する。
【0078】
基準信号送信部430は、基準信号をフェムト基地局装置40へ送信する。本実施の形態において、基準信号は、フェムト基地局装置40および移動局装置200において既知の信号であり、具体的な基準信号としては、例えばレンジングコード(ranging code)などを用いることが可能である。すなわち、例えば本実施の形態に係る通信システムがOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access:直行周波数分割多元接続)方式を採用している場合には、144ビット長の256種類のPN(Pseudo Noise:擬似雑音)コードからランダムに選択されたコードをBPSK(Binary Phase Shift Keying)変調することにより得られたレンジングコードを基準信号として使用することができる。
【0079】
また、図10に示すフェムト基地局装置40は、帯域確保部41、基準信号受信部42、電波強度測定部43、および測定結果送信部44を有している。
【0080】
帯域確保部41は、位置制御装置100の帯域割当部310から帯域の確保が指示されると、移動局装置200から送信される基準信号を受信するための帯域を確保する。そして、帯域確保部41は、確保した帯域を基準信号受信部42に設定するとともに、帯域を確保した旨を位置制御装置100の帯域割当部310へ通知する。
【0081】
基準信号受信部42は、帯域確保部41によって帯域が適切に設定されることにより、移動局装置200から送信された基準信号を受信する。すなわち、基準信号受信部42は、移動局装置200がフェムト基地局装置40と通常のデータなどを送受信する通信相手に該当しない場合でも、移動局装置200が送信する基準信号を受信する。したがって、たとえフェムト基地局装置40が所有者などの特定ユーザのみが使用可能なフェムト基地局装置であっても、移動局装置200から送信された基準信号は、フェムト基地局装置40によって受信される。
【0082】
電波強度測定部43は、基準信号受信部42において受信された基準信号の電波強度を測定する。そして、電波強度測定部43は、電波強度の測定結果を測定結果送信部44へ出力する。
【0083】
測定結果送信部44は、電波強度測定部43から出力された電波強度の測定結果を位置制御装置100へ送信する。測定結果送信部44から送信された電波強度の測定結果は、位置制御装置100の測定結果受信部150によって受信される。
【0084】
次いで、上記のように構成された位置検出システムにおける位置検出方法について、図11に示すシーケンス図を参照しながら説明する。なお、本実施の形態においても、位置検出方法の手順は、図5に示すフロー図の通りである。また、図5に示したステップS101における低精度位置取得処理も、実施の形態1と同様の処理で良い。図11は、図5に示したステップS102〜S105における手順を示している。図11において、図9と同じ部分には同じ符号を付し、その詳しい説明を省略する。
【0085】
位置制御装置100の低精度位置取得部110によって移動局装置200の低精度な位置が取得されると、フェムト基地局選択部130によって、移動局装置200の近傍にあるフェムト基地局装置が選択される(ステップS201)。そして、選択されたフェムト基地局装置40の識別子が帯域割当部310および情報送信部320へ通知され、帯域割当部310によって、フェムト基地局装置40における基準信号受信用の帯域の割り当てが行われる。すなわち、帯域割当部310によって、帯域割当要求がフェムト基地局装置40へ送信されると(ステップS301)、フェムト基地局装置40の帯域確保部41によって、移動局装置200から送信された基準信号を受信するための帯域が確保される。
【0086】
フェムト基地局装置40においては、帯域確保部41によって帯域が確保されると、確保された帯域が基準信号受信部42の受信周波数および受信タイミングとして設定される。これにより、確保された帯域は、移動局装置200以外の他の移動局装置の通信には使用されることがなく、確実に移動局装置200から送信される基準信号の受信に用いることが可能となる。また、確保された帯域は、帯域確保部41から位置制御装置100の帯域割当部310へ通知される(ステップS302)。
【0087】
そして、フェムト基地局装置40において確保された帯域は、帯域割当部310から情報送信部320へ通知され、情報送信部320によって、フェムト基地局装置40の識別子、フェムト基地局装置40に対して基準信号を送信するために必要なパラメータ、およびフェムト基地局装置40において確保された帯域を含む測定要求メッセージがマクロ基地局装置30へ送信される(ステップS303)。
【0088】
送信された測定要求メッセージは、マクロ基地局装置30から移動局装置200へ転送され(ステップS304)、移動局装置200の情報受信部410によって受信される。そして、測定要求メッセージに含まれるフェムト基地局装置40の識別子、パラメータ、および確保帯域が送信設定部420へ出力され、送信設定部420によって、フェムト基地局装置40に対して基準信号を送信するための送信設定が行われる。具体的には、送信設定部220によって、例えば基準信号送信部430における送信周波数または送信タイミングがフェムト基地局装置40において確保された帯域に合わせて設定される。
【0089】
送信設定部420によって、基準信号送信部430の送信設定が行われた後、基準信号送信部430によって、基準信号がフェムト基地局装置40へ送信され(ステップS305)、送信された基準信号は、フェムト基地局装置40の基準信号受信部42によって受信される。そして、電波強度測定部43によって、受信された基準信号の電波強度が測定され(ステップS306)、測定結果送信部44によって、電波強度の測定結果が位置制御装置100へ送信される(ステップS307)。
【0090】
送信された電波強度の測定結果は、位置制御装置100の測定結果受信部150によって受信されると、高精度位置算出部160へ出力され、高精度位置算出部160によって、移動局装置200の高精度な位置が算出される(ステップS208)。
【0091】
以上のように、本実施の形態によれば、位置制御装置は、移動局装置の大まかな位置から、近傍にあるフェムト基地局装置を選択し、選択されたフェムト基地局装置を移動局装置へ通知する。移動局装置は、通知されたフェムト基地局装置へ基準信号を送信し、フェムト基地局装置が基準信号の電波強度を測定する。そして、位置制御装置は、電波強度の測定結果を用いて移動局装置の位置を算出する。このため、個々の移動局装置に対して、位置検出に利用可能なフェムト基地局装置に関する情報のみを通知し、フェムト基地局装置と移動局装置との間の無線環境の測定結果から正確に移動局装置の位置を算出することができる。換言すれば、無線リソースの無駄な消費を抑制しつつ、高精度に移動局装置の位置を検出することができる。また、基準信号の電波強度を基地局装置が測定するため、移動局装置の処理負荷を低減することができる。
【0092】
なお、上記実施の形態2においては、位置制御装置100が電波強度の測定結果に基づいて移動局装置200の高精度な位置を算出するものとしたが、フェムト基地局装置40が電波強度の測定結果に基づいて移動局装置200の高精度な位置を算出しても良い。
【0093】
(実施の形態3)
ところで、上記実施の形態1、2においては、移動局装置200のみの位置を検出する場合について説明したが、同時に複数の移動局装置の位置を検出することも考えられる。そこで、本発明の実施の形態3の特徴は、複数の移動局装置の位置を検出する際に、フェムト基地局装置に関する不変のパラメータをブロードキャストする点である。
【0094】
図12は、本実施の形態に係る移動局装置200−1、200−2の位置関係を示す図である。同図に示すように、移動局装置200−1、200−2は、同一のマクロセル内に位置している。したがって、移動局装置200−1、200−2は、いずれもマクロセルの中心に設置されたマクロ基地局装置30aと通信中である。そして、移動局装置200−1の近傍には、フェムトセル#1およびフェムトセル#3が存在し、移動局装置200−2の近傍には、フェムトセル#2およびフェムトセル#3が存在している。すなわち、フェムトセル#3は、移動局装置200−1、200−2の双方の近傍に存在する。なお、フェムトセル#1の中心には、フェムト基地局装置40−1が設置され、同様に、フェムトセル#2、#3の中心には、それぞれフェムト基地局装置40−2、40−3が設置されているものとする。
【0095】
図13は、本実施の形態に係る位置制御装置100および移動局装置200−1、200−2を含む位置検出システムの要部構成を示すブロック図である。同図において、図3および図10と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。本実施の形態においては、位置制御装置100および移動局装置200−1、200−2の構成は、実施の形態2に係る位置制御装置100および移動局装置200(図10)と同様である。ただし、本実施の形態では、移動局装置200−1の近傍にフェムト基地局装置40−1、40−3があり、移動局装置200−2の近傍にフェムト基地局装置40−2、40−3があるものとし、移動局装置200−1、200−2の位置検出がほぼ同時に行われる。
【0096】
移動局装置200−1、200−2の位置検出が行われる場合、位置制御装置100の情報送信部320からは、それぞれの移動局装置200−1、200−2に対する測定要求メッセージが送信される。実施の形態2でも述べたように、測定要求メッセージには、それぞれの移動局装置の近傍にあるとして選択されたフェムト基地局装置の識別子、プリアンブルインデクス、および基準信号受信用の帯域などの情報が含まれている。これらの情報は、移動局装置200−1、200−2に個別に伝送すべきものとマクロセル内に広報しても問題ないものとの2種類に分けられる。すなわち、例えば基準信号受信用の帯域などは、それぞれのフェムト基地局装置において移動局装置を区別して確保されているため、個別に伝送するのが好ましい。一方、例えばプリアンブルインデクスなどは、それぞれのフェムト基地局装置に関する不変のパラメータであるため、マクロセル内に広報しても問題はない。
【0097】
そこで、本実施の形態に係るマクロ基地局装置30aは、測定要求メッセージに含まれる情報を選別し、移動局装置200−1、200−2に個別に伝送すべき情報を個別チャネルによって送信する一方、マクロセル内に広報しても問題ない情報をブロードキャストチャネルによって送信する。具体的には、マクロ基地局装置30aは、それぞれの移動局装置200−1、200−2の近傍にあるフェムト基地局装置の識別子、およびフェムト基地局装置において移動局装置ごとに確保された基準信号受信用の帯域などを移動局装置ごとの個別チャネルを使用して送信する。また、マクロ基地局装置30aは、各フェムト基地局装置40−1〜40−3のプリアンブルインデクスなど不変のパラメータをブロードキャストを使用して送信する。このとき、マクロ基地局装置30aは、隣接マクロ基地局装置の座標を報知するメッセージや隣接マクロ基地局装置の識別子を報知するメッセージなどとともに、フェムト基地局装置の不変のパラメータを広報しても良い。
【0098】
これにより、複数の移動局装置200−1、200−2に共通して通知すべき情報をブロードキャストチャネルを使用して伝送することができ、同内容の情報を別々の個別チャネルを使用して伝送する必要がなくなる。結果として、無線リソースの無駄な消費を抑制することができる。
【0099】
次いで、上記のように構成された位置検出システムにおける位置検出方法について、図14に示すシーケンス図を参照しながら説明する。なお、本実施の形態においても、位置検出方法の手順は、図5に示すフロー図の通りである。また、図5に示したステップS101における低精度位置取得処理も、実施の形態1と同様の処理で良い。図14は、図5に示したステップS102〜S105における手順を示している。図14において、図9と同じ部分には同じ符号を付し、その詳しい説明を省略する。
【0100】
位置制御装置100の低精度位置取得部110によって移動局装置200−1、200−2の低精度な位置が取得されると、フェムト基地局選択部130によって、移動局装置200−1、200−2それぞれの近傍にあるフェムト基地局装置が選択される(ステップS201)。ここでは、移動局装置200−1については、フェムト基地局装置40−1、40−3が選択され、移動局装置200−2については、フェムト基地局装置40−2、40−3が選択される。そして、それぞれ選択されたフェムト基地局装置40−1〜40−3の識別子が帯域割当部310および情報送信部320へ通知され、帯域割当部310によって、フェムト基地局装置40−1〜40−3における基準信号受信用の帯域の割り当てが行われる。すなわち、帯域割当部310によって、帯域割当要求がフェムト基地局装置40−1〜40−3へ送信されると(ステップS401)、フェムト基地局装置40−1〜40−3によって、それぞれ移動局装置200−1、200−2から送信された基準信号を受信するための帯域が確保される。このとき、特にフェムト基地局装置40−3においては、移動局装置200−1、200−2のそれぞれに対して異なる帯域が確保される。
【0101】
フェムト基地局装置40−1〜40−3によって帯域が確保されると、確保された帯域がそれぞれ移動局装置200−1、200−2からの基準信号の受信周波数および受信タイミングとして設定される。これにより、確保された帯域は、移動局装置200−1および200−2以外の他の移動局装置の通信には使用されることがなく、確実に移動局装置200−1、200−2から送信される基準信号の受信に用いることが可能となる。また、移動局装置200−1、200−2のそれぞれについて確保された帯域は、位置制御装置100の帯域割当部310へ通知される(ステップS402)。
【0102】
そして、フェムト基地局装置40−1〜40−3において確保された帯域は、帯域割当部310から情報送信部320へ通知され、情報送信部320によって、移動局装置200−1に対する測定要求メッセージがマクロ基地局装置30aへ送信される(ステップS403)。この測定要求メッセージには、フェムト基地局装置40−1、40−3の識別子、フェムト基地局装置40−1、40−3に対して基準信号を送信するために必要なパラメータ、およびフェムト基地局装置40−1、40−3において確保された帯域などが含まれている。
【0103】
送信された測定要求メッセージは、マクロ基地局装置30aによって受信され、測定要求メッセージに含まれる情報のうち、個別に移動局装置200−1へ伝送すべき情報がマクロ基地局装置30aから個別チャネルを使用して送信される(ステップS404)。具体的には、フェムト基地局装置40−1、40−3の識別子および確保帯域などが移動局装置200−1へ送信される。
【0104】
一方、位置制御装置100においては、情報送信部320によって、移動局装置200−2に対する測定要求メッセージがマクロ基地局装置30aへ送信される(ステップS405)。この測定要求メッセージには、フェムト基地局装置40−2、40−3の識別子、フェムト基地局装置40−2、40−3に対して基準信号を送信するために必要なパラメータ、およびフェムト基地局装置40−2、40−3において確保された帯域などが含まれている。
【0105】
送信された測定要求メッセージは、マクロ基地局装置30aによって受信され、測定要求メッセージに含まれる情報のうち、個別に移動局装置200−2へ伝送すべき情報がマクロ基地局装置30aから個別チャネルを使用して送信される(ステップS406)。具体的には、フェムト基地局装置40−2、40−3の識別子および確保帯域などが移動局装置200−2へ送信される。
【0106】
そして、移動局装置200−1、200−2が共通して利用可能な情報がマクロ基地局装置30aからブロードキャストチャネルを使用して送信される(ステップS407)。具体的には、例えば各フェムト基地局装置40−1〜40−3のプリアンブルインデクスなど、フェムト基地局装置40−1〜40−3に関する不変のパラメータがブロードキャストチャネルによって移動局装置200−1、200−2へ送信される。このとき、マクロ基地局装置30aは、隣接マクロ基地局装置の座標を報知するメッセージや隣接マクロ基地局装置の識別子を報知するメッセージなどに重畳して、フェムト基地局装置40−1〜40−3に関する不変のパラメータを広報しても良い。すなわち、例えば、WiMAXでは、基地局座標広報メッセージ(LBS-ADV; Location Based Service Advertisement)や隣接基地局広報メッセージ(MOB_NBR-ADV:mobile neighbor advertisement)に重畳して広報しても良い。
【0107】
ただし、隣接マクロ基地局装置の識別子を報知するメッセージは、主に移動局装置がハンドオーバ対象の基地局装置を決定するために用いられる。このため、上記のメッセージとフェムト基地局装置40−1〜40−3に関する不変のパラメータが同一のチャネルに重畳されると、フェムト基地局装置40−1〜40−3がハンドオーバ対象の基地局装置と混同される虞がある。これを防ぐために、フェムト基地局装置40−1〜40−3に関する不変のパラメータは、上記のメッセージとは別のチャネルに重畳されるのが好ましい。
【0108】
移動局装置200−1は、個別チャネルおよびブロードキャストチャネルからフェムト基地局装置40−1、40−3の識別子、パラメータ、および確保帯域に関する情報を取得し、フェムト基地局装置40−1、40−3に対して基準信号を送信するための送信設定を行う。そして、移動局装置200−1は、基準信号をフェムト基地局装置40−1、40−3へ送信し(ステップS408)、送信された基準信号は、フェムト基地局装置40−1、40−3によって受信される。そして、それぞれのフェムト基地局装置40−1、40−3においては、受信された基準信号の電波強度が測定され(ステップS409)、電波強度の測定結果が位置制御装置100へ送信される(ステップS410)。送信された電波強度の測定結果は、位置制御装置100の測定結果受信部150によって受信されると、高精度位置算出部160へ出力され、高精度位置算出部160によって、移動局装置200−1の高精度な位置が算出される(ステップS411)。
【0109】
一方、移動局装置200−2は、個別チャネルおよびブロードキャストチャネルからフェムト基地局装置40−2、40−3の識別子、パラメータ、および確保帯域に関する情報を取得し、フェムト基地局装置40−2、40−3に対して基準信号を送信するための送信設定を行う。そして、移動局装置200−2は、基準信号をフェムト基地局装置40−2、40−3へ送信し(ステップS412)、送信された基準信号は、フェムト基地局装置40−2、40−3によって受信される。そして、それぞれのフェムト基地局装置40−2、40−3においては、受信された基準信号の電波強度が測定され(ステップS413)、電波強度の測定結果が位置制御装置100へ送信される(ステップS414)。送信された電波強度の測定結果は、位置制御装置100の測定結果受信部150によって受信されると、高精度位置算出部160へ出力され、高精度位置算出部160によって、移動局装置200−2の高精度な位置が算出される(ステップS415)。
【0110】
以上のように、本実施の形態によれば、位置制御装置によって複数の移動局装置それぞれに対して選択されたフェムト基地局装置に関する情報がマクロ基地局装置を介して送信される際、マクロ基地局装置は、複数の移動局装置が共通して利用可能な情報をブロードキャストする。このため、複数の移動局装置の位置検出が行なわれる際、それぞれの移動局装置に対して同一の情報を個別に伝送する必要がなく、無線リソースの無駄な消費をさらに抑制することができる。
【0111】
また、本実施の形態においては、フェムト基地局装置の不変のパラメータをブロードキャストチャネルで広報するものとしたが、本発明はこれに限定されず、例えばマルチキャストチャネルで広報しても良い。
【0112】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4の特徴は、移動局装置が自律的に位置検出に利用可能なフェムト基地局装置を選択し、選択したフェムト基地局装置から送信される基準信号の電波強度を測定して、自装置の位置を検出する点である。
【0113】
図15は、本実施の形態に係るセル構成の具体例を示す図である。同図に示すように、本実施の形態においては、マクロセルがさらに3つのエリアa〜cに分割されている。そして、エリアaには、フェムトセル#1の中心のフェムト基地局装置40−1が設置されており、エリアbには、フェムトセル#2の中心のフェムト基地局装置40−2が設置されており、エリアcには、フェムトセル#3、#4の中心のフェムト基地局装置40−3、4が設置されている。また、マクロセルの中心には、マクロ基地局装置30が設置されているものとする。
【0114】
本実施の形態においては、移動局装置200が自装置の低精度な位置から現在属しているエリアを判断し、このエリア内のフェムト基地局装置に関する情報を選択的に受信する。そして、移動局装置200は、エリア内のフェムト基地局装置から基準信号を受信し、電波強度を測定することによって、自装置の高精度な位置を算出する。
【0115】
図16は、本実施の形態に係る位置制御装置100および移動局装置200を含む位置検出システムの要部構成を示すブロック図である。同図において、図3と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。以下においては、移動局装置200がマクロ基地局装置30と通信中であり、移動局装置200の近傍にフェムト基地局装置40−1〜40−4のいずれかがあるものとする。ただし、本発明はこれに限定されず、例えば移動局装置200がフェムト基地局装置40−1〜40−4を含むいずれかのフェムト基地局装置と通信中であっても良い。
【0116】
図16に示す位置制御装置100は、座標記憶部120、エリア情報記憶部510、送信グループ情報生成部520、および情報送信部530を有している。
【0117】
エリア情報記憶部510は、それぞれのマクロセルを分割して設けられた各エリアの範囲や各エリア内に設置されているフェムト基地局装置を記憶している。すなわち、エリア情報記憶部510は、例えば図17に示すように、マクロ基地局装置30のマクロセル内には3つのエリアa〜cが設けられており、エリアaの範囲は、中心のマクロ基地局装置30から距離「L1」かつ始端角「Rad1」から終端角「Rad2」の領域で、内部にフェムト基地局装置40−1が設置されていることなどを記憶している。
【0118】
送信グループ情報生成部520は、エリア情報記憶部510によって記憶されたマクロセルごとのエリア分割状況から、各エリアに関する情報を組み合わせて、同時に送信される情報の送信グループを決定する。具体的には、送信グループ情報生成部520は、1つのエリア内のフェムト基地局装置に関する情報と他のすべてのエリアの範囲とを組み合わせて送信グループとする。したがって、送信グループ情報生成部520は、例えばエリアa内のフェムト基地局装置40−1に関する情報とエリアb、cの距離、始端角、および終端角とを組み合わせて1つの送信グループとする。そして、送信グループ情報生成部520は、各送信グループにおける情報の組み合わせを示す送信グループ情報を情報送信部530へ出力する。
【0119】
情報送信部530は、送信グループ情報生成部520から出力された送信グループ情報を参照し、各送信グループに含まれるフェムト基地局装置の座標を座標記憶部120から取得する。そして、情報送信部530は、送信グループごとのフェムト基地局装置の座標や通信用のパラメータとエリアの範囲とを組み合わせた情報をマクロ基地局装置30へ送信する。すなわち、情報送信部530は、例えばエリアa内のフェムト基地局装置40−1の座標や通信用のパラメータとエリアb、cの範囲との組み合わせのように、各送信グループに対応するフェムト基地局装置に関する情報とエリアに関する情報との組み合わせを示す情報をマクロ基地局装置30へ送信する。
【0120】
本実施の形態においては、マクロ基地局装置30は、情報送信部530から送信された情報を受信し、送信グループごとの情報を順番に繰り返してマクロセル内に広報する。すなわち、マクロ基地局装置30は、例えばフェムト基地局装置40−1に関する情報とエリアb、cに関する情報との組み合わせ、フェムト基地局装置40−2に関する情報とエリアa、cに関する情報との組み合わせ、およびフェムト基地局装置40−3、40−4に関する情報とエリアa、bに関する情報との組み合わせを順番に繰り返して送信する。これにより、各組み合わせの送信時には、1つのエリアに関する詳細な情報と残りのエリアの範囲とがマクロセル内に広報されることになる。
【0121】
このように、本実施の形態においては、マクロセルを複数のエリアに分割し、エリアごとのフェムト基地局装置に関する情報が分けて広報されるため、それぞれの広報時に送信される情報量を低減することができる。この結果、マクロセル内のすべてのフェムトセル基地局装置に関する情報を、無線リソースの無駄な消費を抑制しながら広報することができる。
【0122】
一方、図16に示す移動局装置200は、低精度位置取得部610、情報受信部620、受信対象選択部630、受信設定部220、基準信号受信部230、電波強度測定部240、および高精度位置算出部640を有している。
【0123】
低精度位置取得部610は、マクロ基地局装置30を含む複数のマクロ基地局装置と移動局装置200との間における信号の送受信に基づいて移動局装置200の大まかな位置を算出し、移動局装置200の大まかな位置を受信対象選択部630へ通知する。なお、低精度位置取得部610は、例えば実施の形態1で述べた3通りの低精度位置取得処理の方法のうち、第3の方法(図8)によって移動局装置200の低精度な位置を取得しても良い。
【0124】
情報受信部620は、マクロ基地局装置30から送信グループごとに広報される情報を受信し、フェムト基地局装置に関する情報およびエリアに関する情報を含む送信グループの情報を受信対象選択部630へ出力する。具体的には、情報受信部620は、いずれか1つのエリア内のフェムト基地局装置に関する情報と他のエリアの範囲に関する情報とを受信対象選択部630へ出力する。
【0125】
そして、情報受信部620は、今回受信した送信グループの情報が受信対象であることが受信対象選択部630から通知されると、今回受信した送信グループの情報からフェムト基地局装置の識別子、フェムト基地局装置との同期に必要なプリアンブルインデクス、およびフェムト基地局装置が送信する基準信号の周波数などを取得する。これらの識別子、プリアンブルインデクス、および基準信号の周波数などは、実施の形態1と同様に、受信設定部220による受信設定に使用される。
【0126】
受信対象選択部630は、情報受信部620から送信グループの情報が出力されると、移動局装置200の低精度な位置に対応する最適な送信グループの情報を受信対象として選択する。すなわち、受信対象選択部630は、情報受信部620によって今回受信された送信グループの情報に含まれるエリアの範囲に関する情報を参照し、移動局装置200がこれらのエリアに属しているか否かを判断する。この判断の結果、移動局装置200がこれらのエリアに属していなければ、移動局装置200は、今回受信された送信グループの情報に識別子が含まれるフェムト基地局装置と同じエリアに属していることになる。つまり、情報受信部620によって今回受信された送信グループの情報に含まれるフェムト基地局装置に関する情報が、移動局装置200の位置検出に利用可能であることになる。この場合には、受信対象選択部630は、情報受信部620に対して、今回受信した送信グループの情報が受信対象であることを通知する。
【0127】
一方、移動局装置200がエリアの範囲に関する情報に対応するエリアに属していれば、移動局装置200は、今回受信された送信グループの情報に識別子が含まれるフェムト基地局装置とは違うエリアに属していることになる。つまり、情報受信部620によって今回受信された送信グループの情報は、移動局装置200の位置検出に適していないことになる。この場合には、受信対象選択部630は、情報受信部620に対して、異なる送信グループの情報が次回受信されるまで待機するように指示する。
【0128】
高精度位置算出部640は、電波強度測定部240によって得られた電波強度の測定結果から、移動局装置200の正確な位置を算出する。すなわち、高精度位置算出部640は、基準信号の送信元の基地局装置の座標や基準信号の電波強度の測定結果を利用して、移動局装置200の位置を算出する。高精度位置算出部640は、比較的到達範囲が狭いフェムト基地局装置の基準信号に関する測定結果を用いるため、移動局装置200の高精度な位置を算出することになる。
【0129】
次いで、上記のように構成された位置検出システムにおける位置検出方法について、図18に示すシーケンス図を参照しながら説明する。なお、本実施の形態においても、位置検出方法の手順は、図5に示すフロー図の通りである。本実施の形態においては、図5に示したステップS101における低精度位置取得処理として、実施の形態1で述べた第3の方法などを用いることができる。図18は、図5に示したステップS102〜S105における手順を示している。
【0130】
本実施の形態においては、マクロセルが複数のエリアに分割されているため、送信グループ情報生成部520によって、1つのエリアと残りのエリアとの組み合わせが1つの送信グループに決定される。そして、送信グループ情報生成部520によってエリア情報記憶部510が参照されることにより、各送信グループについて、1つのエリアのフェムト基地局装置の識別子と残りのエリアの範囲とを含む送信グループ情報が生成され、情報送信部530へ出力される。そして、情報送信部530によって、1つのエリアに属するフェムト基地局装置の情報と残りのエリアの範囲の情報との組み合わせが送信グループごとにマクロ基地局装置30へ通知される(ステップS501)。
【0131】
この通知により、マクロ基地局装置30は、送信グループごとの情報をマクロセル内に繰り返して広報する。すなわち、マクロ基地局装置30は、例えば、最初にエリアa内のフェムト基地局装置40−1に関する情報とエリアb、cの範囲とを広報し(ステップS502)、次にエリアb内のフェムト基地局装置40−2に関する情報とエリアa、cの範囲とを広報し(ステップS503)、次にエリアc内のフェムト基地局装置40−3、40−4に関する情報とエリアa、bの範囲とを広報する(ステップS504)。マクロ基地局装置30は、これらの送信グループの情報を順番に繰り返して広報する。このとき、マクロ基地局装置30は、隣接マクロ基地局装置の座標を報知するメッセージなどと重畳して送信グループの情報を広報しても良い。
【0132】
マクロ基地局装置30から送信された送信グループの情報は、移動局装置200の情報受信部620によって受信される。このとき、移動局装置200の低精度位置取得部610によって、既に移動局装置200の低精度な位置が取得されているものとする。
【0133】
情報受信部620によって受信された送信グループの情報は、受信対象選択部630へ出力され、受信対象選択部630によって、今回受信された送信グループの情報が受信対象の情報であるか否かが判断される。具体的には、今回受信された送信グループの情報に含まれるエリアの範囲が参照され、移動局装置200がこれらのエリアに属しているか否かが判断される。そして、移動局装置200がこれらのエリアに属していない場合は、移動局装置200は、今回受信された送信グループの情報に識別子が含まれるフェムト基地局装置と同一のエリアに属していることになる。そこで、受信対象選択部630によって、今回受信された送信グループの情報が受信対象であると判断され、その旨が情報受信部620へ通知される。
【0134】
このように、本実施の形態においては、受信対象選択部630によって受信対象とする送信グループの情報が選択されることにより、移動局装置200の位置検出に利用するフェムト基地局装置が選択されたことになる。
【0135】
一方、今回受信された送信グループの情報に含まれるエリアの範囲に移動局装置200が属している場合は、移動局装置200は、今回受信された送信グループの情報に識別子が含まれるフェムト基地局装置と異なるエリアに属していることになる。このため、このフェムト基地局装置は、移動局装置200の位置検出には適しておらず、受信対象選択部630によって、今回受信された送信グループの情報が受信対象でないと判断される。この場合には、受信対象選択部630によって、次の送信グループの情報が受信されるまで待機するように情報受信部620へ指示される。
【0136】
以降、受信対象となる送信グループの情報が情報受信部620によって受信されるまで、上記の処理が繰り返され、情報受信部620によって受信対象となる送信グループの情報が受信されると、この情報に含まれるフェムト基地局装置に関する情報が取得される。すなわち、情報受信部620によって、移動局装置200と同一エリア内に設置されたフェムト基地局装置の識別子、プリアンブルインデクス、および基準信号の周波数などが取得される。これにより、受信設定部220によって、フェムト基地局装置から送信される基準信号を受信するための受信設定が行われ、基準信号受信部230は、移動局装置200の近傍のフェムト基地局装置から送信される基準信号を受信可能な状態になる。
【0137】
そして、移動局装置200とマクロ基地局装置30との通信を中断するためのメッセージ送受信が行われた後(ステップS505)、フェムト基地局装置から送信される基準信号が基準信号受信部230によって受信される(ステップS506)。そして、電波強度測定部240によって、受信された基準信号の電波強度が測定され(ステップS507)、高精度位置算出部640によって、移動局装置200の高精度な位置が算出される(ステップS508)。
【0138】
以上のように、本実施の形態によれば、マクロセルを複数のエリアに分割し、マクロ基地局装置がエリアごとのフェムト基地局装置に関する情報をマクロセル内に広報する。そして、移動局装置は、自装置の低精度な位置を取得した上で、自装置が属するエリアのフェムト基地局装置に関する情報を選択的に受信し、このフェムト基地局装置から送信された基準信号の電波強度を測定し、電波強度の測定結果を用いて自装置の位置を算出する。このため、無線リソースの無駄な消費を抑制しながらフェムト基地局装置に関する情報を広報することができるとともに、移動局装置が自律的に自装置の正確な位置を算出することができる。
【0139】
なお、上記実施の形態4においては、1つのエリアと残りのエリアとの組み合わせを送信グループとしたが、送信グループとするエリアの組み合わせは任意で良い。すなわち、例えば2つのエリアと残りのエリアとの組み合わせを送信グループとしても良く、これらの送信グループに応じて、送信グループ情報生成部520は、送信グループ情報を生成する。
【0140】
また、上記各実施の形態においては、基準信号の電波強度によって移動局装置200の位置を算出するものとしたが、本発明はこれに限定されず、例えば基準信号の伝搬遅延など、無線環境の指標となる測定値であれば移動局装置200の位置検出に利用することができる。伝搬遅延を用いる場合には、移動局装置200が基準信号の送信元の基地局装置から離れているほど基準信号の伝搬遅延が大きくなることを利用して移動局装置200の位置が算出される。同様の考え方で、例えば受信された基準信号の誤り率なども移動局装置200の位置検出に利用することが可能である。
【0141】
さらに、上記各実施の形態において説明した位置検出方法をコンピュータが実行可能な形式で記述した位置検出プログラムを生成し、この位置検出プログラムをコンピュータに実行させることにより、上記各実施の形態と同様の位置検出方法を実現することも可能である。このとき、位置検出プログラムをコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記憶させ、記録媒体を用いてコンピュータに位置検出プログラムを導入することも可能である。
【0142】
以上の実施の形態について、さらに以下の付記を開示する。
【0143】
(付記1)基地局と、該基地局が報知する隣接基地局情報に含まれる1又は複数の基地局とを備えた移動通信システムにおいて、
該隣接基地局情報に含まれない1又は複数の基地局についての情報を移動局に送信する送信部と、
該隣接基地局情報に含まれない1又は複数の基地局を用いて、該移動局の位置検出を行う位置検出部と、
を備えたことを特徴とする移動通信システム。
【0144】
(付記2)該隣接基地局情報に含まれない1又は複数の基地局は、
該移動局についての第1の位置推定結果に基づいて、複数の基地局の中から選択された基地局である、
ことを特徴とする付記1記載の移動通信システム。
【0145】
(付記3)前記移動通信システムは、
前記移動局を該移動通信システムの構成の一部として含み、
該移動局は、
前記隣接基地局情報に含まれない1又は複数の基地局についての情報に基づいて、該隣接基地局情報に含まれない1又は複数の基地局との間で無線通信を行う無線通信部、
を備えたことを特徴とする付記1記載の移動通信システム。
【0146】
(付記4)前記移動局は、
前記隣接基地局情報に含まれない1又は複数の基地局側にて確保した既知信号受信用の帯域を使用して、前記無線通信部にて前記隣接基地局情報に含まれない1又は複数の基地局との間で無線通信を行うことを特徴とする付記3記載の移動通信システム。
【0147】
(付記5)前記隣接基地局情報に含まれる1又は複数の基地局がそれぞれ形成する無線ゾーンに対して、該隣接基地局情報に含まれない1又は複数の基地局の無線ゾーンは相対的に小さい、
ことを特徴とする付記1記載の移動通信システム。
【0148】
(付記6)前記隣接基地局情報に含まれる1又は複数の基地局は、
マクロセルを形成し、
前記隣接基地局情報に含まれない1又は複数の基地局は、
フェムトセルを形成する、
ことを特徴とする付記1記載の移動通信システム。
【0149】
(付記7)基地局と、該基地局が報知する隣接基地局情報に含まれる1又は複数の基地局とを備えた移動通信システムにおける移動局の位置測定方法において、
該隣接基地局情報に含まれない1又は複数の基地局についての情報を該移動局に送信し、
該移動局は、該隣接基地局情報に含まれない1又は複数の基地局についての情報を受信し、
該隣接基地局情報に含まれない1又は複数の基地局を用いて、該移動局の位置検出を行う、
ことを特徴とする移動通信システムにおける移動局の位置検出方法。
【0150】
(付記8)第1の基地局装置の電波到達範囲内に配置され、前記第1の基地局装置が送信する隣接基地局装置の情報に含まれず、該第1の基地局装置に対して電波到達範囲の狭い第2の基地局装置であって、
前記第1の基地局装置の電波到達範囲内の移動局装置を電波到達範囲に含む第2の基地局装置を選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された第2の基地局装置と前記移動局装置との間の通信により得られる無線環境の指標値を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された指標値に基づいて前記移動局装置の位置を算出する算出手段と
を有することを特徴とする位置検出装置。
【0151】
(付記9)前記選択手段は、
前記第1の基地局装置と前記移動局装置との間の通信により得られる前記移動局装置の低精度位置を取得する低精度位置取得手段を含み、
前記低精度位置取得手段によって取得された低精度位置から所定範囲内に配置された前記第2の基地局装置を選択することを特徴とする付記8記載の位置検出装置。
【0152】
(付記10)前記選択手段によって選択された第2の基地局装置の識別子および当該第2の基地局装置との通信に必要なパラメータを前記移動局装置へ送信する送信手段をさらに有し、
前記取得手段は、
前記送信手段によって送信された識別子に対応する第2の基地局装置と、前記送信手段によって送信されたパラメータが設定された前記移動局装置との通信により得られる無線環境の指標値を取得することを特徴とする付記8記載の位置検出装置。
【0153】
(付記11)前記送信手段は、
前記第2の基地局装置との通信に必要なパラメータのうち不変のパラメータを、広報用のブロードキャストチャネル又はマルチキャストチャネルを用いて前記第1の基地局装置の電波到達範囲内に広報することを特徴とする付記10記載の位置検出装置。
【0154】
(付記12)前記送信手段は、
前記第2の基地局装置との通信に必要なパラメータを、前記通信中の基地局以外の基地局が送信する電波をスキャンするように指示するスキャンメッセージへ重畳して送信することを特徴とする付記10記載の位置検出装置。
【0155】
(付記13)前記送信手段は、
前記第2の基地局装置との通信に必要なパラメータのうち不変のパラメータを、隣接第1の基地局装置の座標を報知する基地局座標広報メッセージへ重畳して前記第1の基地局装置の電波到達範囲内に広報することを特徴とする付記11記載の位置検出装置。
【0156】
(付記14)前記送信手段は、
前記第2の基地局装置との通信に必要なパラメータのうち不変のパラメータを、隣接第1の基地局装置の識別子を広報する隣接基地局広報が用いるブロードキャストチャネル又はマルチキャストチャネルとは別のブロードキャストチャネル又はマルチキャストチャネルを用いて、前記第1の基地局装置の電波到達範囲内に広報することを特徴とする付記11記載の位置検出装置。
【0157】
(付記15)前記取得手段は、
前記第2の基地局装置および前記移動局装置のいずれか一方から他方へ送信された既知信号の受信状態に対応する無線環境の指標値を取得することを特徴とする付記8記載の位置検出装置。
【0158】
(付記16)前記取得手段は、
前記移動局装置から前記第2の基地局装置へ送信された既知信号の受信状態に対応する無線環境の指標値を取得する場合に、前記第2の基地局装置に対して既知信号受信用の帯域を確保するように指示することを特徴とする付記15記載の位置検出装置。
【0159】
(付記17)前記取得手段は、
前記第2の基地局装置によって確保された既知信号受信用の帯域を前記移動局装置へ通知することを特徴とする付記16記載の位置検出装置。
【0160】
(付記18)前記取得手段は、
既知信号の受信電波強度の測定結果を取得することを特徴とする付記15記載の位置検出装置。
【0161】
(付記19)前記取得手段は、
既知信号の伝搬遅延の測定結果を取得することを特徴とする付記15記載の位置検出装置。
【0162】
(付記20)前記選択手段は、
前記第1の基地局装置の電波到達範囲が分割されて得られる複数のエリアについて、各エリア内に配置された第2の基地局装置の識別子を含むエリア別情報を繰り返して受信する受信手段と、
前記第1の基地局装置と前記移動局装置との間の通信により得られる前記移動局装置の低精度位置を取得する低精度位置取得手段とを含み、
前記受信手段によって繰り返して受信されるエリア別情報のうち、前記低精度位置取得手段によって取得された低精度位置が属するエリアのエリア別情報に識別子が含まれる第2の基地局装置を選択することを特徴とする付記8記載の位置検出装置。
【0163】
(付記21)第1の基地局装置の電波到達範囲内に配置され、前記第1の基地局装置が送信する隣接基地局装置の情報に含まれず、該第1の基地局装置に対して電波到達範囲の狭い第2の基地局装置であって、
前記第1の基地局装置の電波到達範囲内の移動局装置を電波到達範囲に含む第2の基地局装置を選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された第2の基地局装置と前記移動局装置との間の通信により得られる無線環境の指標値を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された指標値に基づいて前記移動局装置の位置を算出する算出手段と
を有することを特徴とする位置検出システム。
【0164】
(付記22)コンピュータによって実行される位置検出プログラムであって、前記コンピュータに、
第1の基地局装置の電波到達範囲内に配置され前記第1の基地局装置が隣接する第1の基地局装置に関する情報を広報する隣接基地局広報に記載されない第2の基地局装置であって、
前記第1の基地局装置の電波到達範囲内の移動局装置を電波到達範囲に含む第2の基地局装置を選択する選択ステップと、
前記選択ステップにて選択された第2の基地局装置と前記移動局装置との間の通信により得られる無線環境の指標値を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにて取得された指標値に基づいて前記移動局装置の位置を算出する算出ステップと
を実行させることを特徴とする位置検出プログラム。
【0165】
(付記23)第1の基地局装置の電波到達範囲内に配置され前記第1の基地局装置が隣接する第1の基地局装置に関する情報を広報する隣接基地局広報に記載されない第2の基地局装置であって、
前記第1の基地局装置の電波到達範囲内の移動局装置を電波到達範囲に含む第2の基地局装置を選択する選択ステップと、
前記選択ステップにて選択された第2の基地局装置と前記移動局装置との間の通信により得られる無線環境の指標値を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにて取得された指標値に基づいて前記移動局装置の位置を算出する算出ステップと
を有することを特徴とする位置検出方法。
【図面の簡単な説明】
【0166】
【図1】実施の形態1に係る通信システムの構成を示す図である。
【図2】実施の形態1に係るセル構成の具体例を示す図である。
【図3】実施の形態1に係る位置検出システムの要部構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態1に係る座標記憶部の具体例を示す図である。
【図5】実施の形態1に位置検出方法の手順を示すフロー図である。
【図6】低精度位置取得処理を示すシーケンス図である。
【図7】他の低精度位置取得処理を示すシーケンス図である。
【図8】さらに他の低精度位置取得処理を示すシーケンス図である。
【図9】実施の形態1に係る位置検出方法を示すシーケンス図である。
【図10】実施の形態2に係る位置検出システムの要部構成を示すブロック図である。
【図11】実施の形態2に係る位置検出方法を示すシーケンス図である。
【図12】実施の形態3に係る移動局装置の位置関係を示す図である。
【図13】実施の形態3に係る位置検出システムの要部構成を示すブロック図である。
【図14】実施の形態3に係る位置検出方法を示すシーケンス図である。
【図15】実施の形態4に係るセル構成の具体例を示す図である。
【図16】実施の形態4に係る位置検出システムの要部構成を示すブロック図である。
【図17】実施の形態4に係るエリア情報記憶部の具体例を示す図である。
【図18】実施の形態4に係る位置検出方法を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0167】
110、610 低精度位置取得部
120 座標記憶部
130 フェムト基地局選択部
140、320、530 情報送信部
150 測定結果受信部
160、640 高精度位置算出部
210、410、620 情報受信部
220 受信設定部
230 基準信号受信部
240 電波強度測定部
250 測定結果送信部
310 帯域割当部
420 送信設定部
430 基準信号送信部
510 エリア情報記憶部
520 送信グループ情報生成部
630 受信対象選択部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局と、該基地局が報知する隣接基地局情報に含まれる1又は複数の基地局とを備えた移動通信システムにおいて、
該隣接基地局情報に含まれない1又は複数の基地局についての情報を移動局に送信する送信部と、
該隣接基地局情報に含まれない1又は複数の基地局を用いて、該移動局の位置検出を行う位置検出部と、
を備えたことを特徴とする移動通信システム。
【請求項2】
該隣接基地局情報に含まれない1又は複数の基地局は、
該移動局についての第1の位置推定結果に基づいて、複数の基地局の中から選択された基地局である、
ことを特徴とする請求項1記載の移動通信システム。
【請求項3】
前記移動通信システムは、
前記移動局を該移動通信システムの構成の一部として含み、
該移動局は、
前記隣接基地局情報に含まれない1又は複数の基地局についての情報に基づいて、該隣接基地局情報に含まれない1又は複数の基地局との間で無線通信を行う無線通信部、
を備えたことを特徴とする請求項1記載の移動通信システム。
【請求項4】
前記移動局は、
前記隣接基地局情報に含まれない1又は複数の基地局側にて確保した既知信号受信用の帯域を使用して、前記無線通信部にて前記隣接基地局情報に含まれない1又は複数の基地局との間で無線通信を行うことを特徴とする請求項3記載の移動通信システム。
【請求項5】
前記隣接基地局情報に含まれる1又は複数の基地局がそれぞれ形成する無線ゾーンに対して、該隣接基地局情報に含まれない1又は複数の基地局の無線ゾーンは相対的に小さい、
ことを特徴とする請求項1記載の移動通信システム。
【請求項6】
前記隣接基地局情報に含まれる1又は複数の基地局は、
マクロセルを形成し、
前記隣接基地局情報に含まれない1又は複数の基地局は、
フェムトセルを形成する、
ことを特徴とする請求項1記載の移動通信システム。
【請求項7】
基地局と、該基地局が報知する隣接基地局情報に含まれる1又は複数の基地局とを備えた移動通信システムにおける移動局の位置測定方法において、
該隣接基地局情報に含まれない1又は複数の基地局についての情報を該移動局に送信し、
該移動局は、該隣接基地局情報に含まれない1又は複数の基地局についての情報を受信し、
該隣接基地局情報に含まれない1又は複数の基地局を用いて、該移動局の位置検出を行う、
ことを特徴とする移動通信システムにおける移動局の位置検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−62770(P2010−62770A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−225306(P2008−225306)
【出願日】平成20年9月2日(2008.9.2)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】