移動通信システムにおける基地局及びリソース割当方法
【課題】周期的に発生するデータを少なくとも含むユーザデータに対して、ユーザの状況に応じて無線リソースを過不足無く割り当てること。
【解決手段】移動通信システムにおける基地局は、ユーザ装置の無線チャネル状態を示す品質情報を取得する品質情報取得部と、周期的に発生する周期データに無線リソースを割り当てる割当周期の複数の選択肢各々と無線チャネル状態を示す品質情報の値との所定の対応関係から、ユーザ装置の品質情報に対応する割当周期を選択する割当周期選択部と、選択された割当周期においてユーザ装置に割り当てる無線リソースを決定するスケジューリング部と、スケジューリング部により決定された無線リソースを利用して、ユーザ装置の周期データを含むユーザデータを無線通信する無線通信部とを有する。
【解決手段】移動通信システムにおける基地局は、ユーザ装置の無線チャネル状態を示す品質情報を取得する品質情報取得部と、周期的に発生する周期データに無線リソースを割り当てる割当周期の複数の選択肢各々と無線チャネル状態を示す品質情報の値との所定の対応関係から、ユーザ装置の品質情報に対応する割当周期を選択する割当周期選択部と、選択された割当周期においてユーザ装置に割り当てる無線リソースを決定するスケジューリング部と、スケジューリング部により決定された無線リソースを利用して、ユーザ装置の周期データを含むユーザデータを無線通信する無線通信部とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信システムにおける基地局及びリソース割当方法に関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信システムにおける周波数利用効率を向上させる技術の1つとして、周波数スケジューリングがある。
【0003】
ダイナミックスケジューリング方式の場合、データ種別に応じた優先度及び無線チャネル状態の良否に応じて、無線リソースがユーザに動的に割り当てられる。例えば、どのユーザにどの無線リソースを割り当てるかが、1msのサブフレーム(TTI)毎に決定される。ユーザに対する無線リソースの割り当て方が頻繁に変わるので、無線リソースを柔軟に活用できる。
【0004】
一方、ユーザがやり取りするデータ種別は様々であり、音声データ又は音声パケット(VoIP)や等のようにデータ量は少ないが遅延は短く制限されるものや、データ通信等のようにデータ量は多いが遅延はそれほど短くは制限されないものがある。音声データ(VoIP)等の場合、データ量の少ないデータが周期的に発生する。このような音声データについて、上記のダイナミックスケジューリング方式によりスケジューリングを行うと、周期的に発生する少ないデータ量の音声データ各々について、無線リソースを一々指定しなければならなくなる。この場合、通信するデータ全体に対して、無線リソースの通知に要するシグナリングのオーバーヘッドの占める割合が大きくなり、無線リソースの利用効率が悪化してしまうことが懸念される。また、ダイナミックスケジューリングではユーザ装置で送信すべきデータが発生すると、ユーザ装置は、まず、スケジューリングリクエスト(SR)を基地局へ送信する。基地局はSRを受けて初めてスケジューリングを行い、その結果に基づいてユーザ装置にデータの送信を指示するシグナリングを通知する.したがって,上りデータが発生してから実際に送信するまでの遅延が大きくなる.
セミパーシステントスケジューリング方式(SPS)は、このような懸念に対応できる方式である。セミパーシステントスケジューリング方式の場合、1回の無線リソースの割り当てが、1サブフレームだけでなく、以後の多数のサブフレームにも適用されるようにする。すなわち、ある一定の無線リソースを周期的に割り当てることで、無線リソースのシグナリングに要するオーバーヘッドを削減する。したがって、移動通信システムにおける全てのユーザ装置が、セミパーシステントスケジューリング方式(SPS)に対応していれば、音声データについてSPSを使用することで、上記の懸念を解消できる。また、周期的に無線リソースの割当てが行われるので、ダイナミックスケジューリングのようにデータ発生の都度SRを送信する必要がなく遅延を短縮できる。
【0005】
しかしながら、セミパーシステントスケジューリング方式(SPS)は3GPP規定上必須ではないため、移動体通信システムにおけるユーザ装置がセミパーシステントスケジューリングに対応しているとは限らない。すべてのユーザ装置がSPSに対応していなければ、結局ダイナミックスケジューリング方式で無線リソース割り当てを行う必要がある。そうすると、周期的に発生する少ないデータ量の音声データ各々について無線リソースを一々指定しなければならず、オーバーヘッドが大きくなってしまうという上記の問題が懸念される。
【0006】
さらに、オーバーヘッドが大きくなることに起因して、音声サービスを利用できるユーザ数が少なく制限されてしまうという問題も懸念される。1msのサブフレーム(TTI)毎にスケジューリングが行われ、1サブフレームにおいて無線リソースを指定できるユーザ数がNであったとする。音声データは、周期的に発生するので、その周期をTとすると、同時に音声サービスを利用できるユーザ数(すなわち、音声容量)は、N×Tとなる。例えば、N=3人及びT=20msの場合、音声容量は、3×20=60人となる。容量を増やす技術の1つに、ディレイパッキング方式(delay packing)がある。例えば、あるユーザの音声データがT=20ms毎に音声データが発生したとしても、そのユーザには2T=40ms毎にしか音声データを送信しないようにする。このようにすることで、音声容量を2倍に増やすことができる。ディレイパッキングについては、非特許文献1に記載されている(非特許文献1では、packet bundlingという名称が用いられている)。非特許文献1ではEULで音声容量を増やす手法が提示されている。
一般に音声データの復号の際には、符号化された音声データを一定周期で復号器に入力する必要がある。ディレイパッキング方式により音声データの発生周期より長い周期で送信を行うと、受信側で音声データの到着間隔に揺らぎ(ジッタ)が生じる。しかしながら、揺らぎの範囲がある一定の範囲に収まっていればデジッタバッファによりその影響を取り除くことが可能である。
【0007】
非特許文献1では、EULにおいてDelay packingを適用する方法が開示されている。EULでは帯域幅は固定であるためデータ送信時には送信電力制御、データ送信タイミングを制御することにより無線リソース割り当て周期を変更しDelay packingを実現している(ただし、EULでは送信フォーマットの選択は移動機が行うため、非特許文献1に記載の方法で意図したとおりにDelay packingが実現されるかは疑問である)。一方、LTE方式の上りリンクは可変帯域幅制御が適用されるため、帯域幅あたりの電力密度も考慮して、所用のデータサイズ(=Packing後のデータサイズ)を伝送できるように送信帯域幅、送信電力、および、変調方式とTBSを選択する必要がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Oscar Fresan, et al., "Dynamic Packet Bundling for VoIP Transmission Over Rel'7 HSUPA with 10ms TTI Length,"IEEE ISWCS 2007, pp.5008-512
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、ディレイパッキング方式は、音声データを送受信するための無線リソースの割当周期を、音声データの発生周期よりも長くすることで、シグナリングのオーバーヘッドを削減し、音声容量を向上させている。 無線通信環境では、一度に送信できるデータ量は、無線品質により異なる。そのため、すべてのユーザにディレイパッキングを適用すると無線品質の悪いユーザはデータ誤りが生じ、結局再送などを行わなければならない。よって、無線品質に応じて、ディレイパッキングの適用/非適用、パッキングするパケット数を適応的に制御する必要がある。本発明は、LTEの上りリンクにおいて、無線品質に応じてディレイパッキングの適用/非適用、パッキングするパケット数を制御する方法について開示する。
ディレイパッキングでは、割当周期が長いほど音声容量は増加するが、割当周期が長すぎると音声品質の劣化が懸念される。この問題点を図1及び図2を参照しながら説明する。
【0010】
図1はディレイパッキングが行われなかった場合に、無線リソースが有効に利用されていない様子を示す。図示の例において、横軸は時間を示し、縦軸は上りリンクの送信を待機している音声データの滞留量を示す。0msにおいてデータは発生していないが、20ms以降の20ms毎に300ビットの音声データが発生し、20ms毎に450ビットのトランスポートブロックサイズ(TBS)が音声データに割り当てられている。この例の場合、割り当てられた無線リソースのうち一部分しか使用されておらず、残りの部分(150ビット分のTBS)は無駄になっている。
【0011】
図2は、ディレイパッキングを行うことの様子を示す。この例の場合、図1と同様に、0msにおいてデータは発生していないが、20ms以降の20ms毎に300ビットの音声データが発生するものとする。図1の場合とは異なり、データが発生する周期の2倍の周期である40ms毎に無線リソースが割り当てられている。このように、無線リソースの割当周期を、データが発生する周期の2倍にすることで、無駄になってしまう無線リソースを無くしつつ音声容量を増やすことができる。
【0012】
図2に示す例の場合、20msにおいて300ビットのデータが発生するが、割当周期の40msに至っていないので、この時点では無線リソー
スは割り当てられない。40msにおいてさらに300ビットのデータが発生し、この時点において450ビット分のデータに無線リソースが割り当てられ、150ビット分のデータはバッファに残る。60msにおいて300ビットのデータが発生するが、割当周期ではないのでこの時点では無線リソースは割り当てられない。80msにおいてさらに300ビットのデータが発生し、この時点において450ビット分のデータに無線リソースが割り当てられ、300ビット分のデータはバッファに残る。100msにおいて300ビットのデータが発生するが、割当周期ではないのでこの時点では無線リソースは割り当てられない。120msにおいてさらに300ビットのデータが発生し、この時点において450ビット分のデータに無線リソースが割り当てられ、450ビット分のデータはバッファに残る。
【0013】
このように、図示の例の場合、40ms、80ms、120msのように40ms毎に無線リソースが割り当てられているが、何れの場合もバッファに残っているデータを全て送信することはできず、いくらかのデータが残り、滞留するデータ量が時間とともに増えている。その結果、音声データにとって許容できないほど長い遅延(例えば、200ms以上の遅延)が生じ、音声データの品質が劣化してしまうことが懸念される。
【0014】
以上のように、無線リソースの割当周期が短かった場合、無線リソースが無駄になってしまうことに加えて、音声容量が少なくなってしまうことが懸念される。逆に、割当周期を長くすると音声容量は向上するが、割当周期が長すぎると音声品質の劣化が懸念される。
【0015】
本発明の課題は、周期的に発生するデータを少なくとも含むユーザデータに対して、ユーザの状況に応じて無線リソースを過不足無く割り当てることである。また、上りデータが発生してから実際に送信するまでの遅延が大きくならないように無線リソースを割り当てることである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
一実施例による基地局は、
ユーザ装置の無線チャネル状態を示す品質情報を取得する品質情報取得部と、
周期的に発生する周期データに無線リソースを割り当てる割当周期の複数の選択肢各々と無線チャネル状態を示す品質情報の値との所定の対応関係から、前記ユーザ装置の品質情報に対応する割当周期を選択する割当周期選択部と、
選択された前記割当周期において前記ユーザ装置に割り当てる無線リソースを決定するスケジューリング部と、
前記スケジューリング部により決定された無線リソースを利用して、前記ユーザ装置の周期データを含むユーザデータを無線通信する無線通信部と
を有する、移動通信システムにおける基地局である。
【発明の効果】
【0017】
一実施例によれば、周期的に発生するデータを少なくとも含むユーザデータに対して、ユーザの状況に応じて無線リソースを過不足無く割り当てることができる。周期的に発生するデータについてはスケジューリングリクエスト有無にかかわらず、周期に合わせて無線リソース割り当てを行うため、制御チャネルの節約できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】ディレイパッキングを行わなかった場合に無線リソースに無駄が生じてしまうことを説明するための図。
【図2】ディレイパッキングを行う場合において割当周期が長かった場合に遅延が長くなってしまうことを説明するための図。
【図3】実施例において使用される基地局の機能ブロック図。
【図4】トークスパート期間及びサイレント期間が交互に訪れる様子を示す図。
【図5】所定の対応関係の一例を示す図。
【図6】基地局における動作例を示すフローチャート。
【図7】図6に示すステップS623の詳細なフローチャート。
【図8】適切な割当周期で無線リソースを過不足無く割り当てる様子を示す図。
【図9】周期データだけでなく非周期データも送受信する様子を示す図。
【図10】割当周期以外のタイミングでも無線リソースを割り当てる変形例を示す図。
【図11】一定の条件を満たした場合に限って、割当周期以外のタイミングでも無線リソースを割り当てる動作を示す図(一定の条件を満たさなかった場合)。
【図12】一定の条件を満たした場合に限って、割当周期以外のタイミングでも無線リソースを割り当てる動作を示す図(一定の条件を満たした場合)。
【図13】変形例における動作例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0019】
一実施例による基地局は、ユーザ装置各々の無線チャネル状態に応じて、ディレイパッキングを適用するかどうかを音声データの発生周期より音声データに無線リソースを割り当てる周期を長くするかどうかで実現し、ディレイパッキングのパッキング数を変更させることを音声データに無線リソースを割り当てる周期とトランスポートブロックサイズ変更で実現する。実施例による基地局は、周期的に発生する周期データに無線リソースを割り当てる割当周期、その割当周期で割り当てるトランスポートブロックサイズ及びその割当周期で割り当てるリソースブロック数を決定する。パッキング数に相当する割当周期等が無線チャネル状態に応じて決定されるので、ユーザ装置の通信状況において相応しい無線リソース割り当てをすることができる。本実施例において、周期的に発生する周期データは、典型的には音声データであるが、これに限定されない。例えば、周期データの別の具体例として、機械やゲームの制御信号を送る場合がある。
【0020】
周期的に発生する周期データに加えて、周期的ではないタイミングで非周期データが発生した場合において、優先度の低い非周期データが、いつまでも送信バッファに残されてしまうことが懸念される。通常、周期データの優先度は非周期データの優先度より高いからである。一実施例による基地局は、ユーザ装置についての割当周期のサブフレームで無線リソースを割り当てることに加えて、そのような低優先度のデータが発生した場合、そのサブフレームに続く1つ以上のサブフレームにおいても無線リソースを割り当てる。
【0021】
しかしながら、ユーザ装置の割当周期のサブフレームとそれに続く1つ以上のサブフレームにおいても無線リソースを割り当てることにすると、その1つ以上のサブフレームにおいて送信するデータ量が少なかった場合、無線リソースが無駄になってしまうことが懸念される。この問題を解決するため、一実施例による基地局は、周期データに加えて非周期データが発生した場合、現在のデータ滞留量及び次回の割当周期までの間に生じる音声データのデータ量との合計と、次回の割当周期で送信可能なデータ量とを比較する。その結果、次回に送信可能なデータ量が、合計のデータ量より多かった場合、割当周期のサブフレームに続くサブフレームにおいて無線リソースは割り当てられない。仮に割り当てた場合、無駄な無線リソースが発生してしまうからである。逆に、送信可能なデータ量が、合計の情報量より少なかった場合、割当周期のサブフレームに続くサブフレームにおいて無線リソースが割り当てられる。この場合、無駄な無線リソースは発生しないからである。
【0022】
以下の観点から実施例を説明する。
【0023】
1.基地局
2.UE毎に最適な割当周期を決定する動作例
3.割当周期以外のタイミングでも無線リソースを割り当てる変形例
4.一定の条件を満たした場合に限って、割当周期以外のタイミングでも無線リソースを割り当てる変形例
【実施例1】
【0024】
<1.基地局>
図3は、実施例において使用される基地局の機能ブロック図を示す。図3には、移動通信システムの基地局に備わる様々な機能を実現する処理部の内、実施例に特に関連する処理部が示されている。図示の基地局は、説明の便宜上、例えばロングタームエボリューション(LTE)方式の移動通信システムにおける基地局であるとするが、他の移動通信システムの基地局でもよい。図3には、上り信号受信部301、品質情報取得部303、トークスパート状態管理部305、アップリンク/ダウンリンク(UL/DL)バッファ管理部307、記憶部311、割当周期選択部313、スケジューリング部315、TFR選択部317、下り信号生成部319、下り信号送信部321が示されている。
【0025】
上り信号受信部301は、ユーザ装置UEからの上り信号を受信し、ベースバンド信号に変換する。したがって、上り信号受信部301は、受信した無線信号をフィルタリングする機能、アナログ信号をディジタル信号に変換する機能、受信した信号をデータ復調する機能、受信した信号をチャネル復号化する機能等を有する。上り信号は、一般的には制御チャネル、パイロットチャネル及びデータチャネル等を含む。なお、ユーザ装置UEは、無線リンクを通じて基地局と通信する適切な如何なる通信装置でもよく、移動端末でも固定端末でもよい。ユーザ装置UEは、具体的には、携帯電話、情報端末、高機能携帯電話、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、パーソナルディジタルアシスタント、携帯用パーソナルコンピュータ等であるが、これらに限定されない。
【0026】
品質情報取得部303は、上り信号から、無線チャネル状態の良否を示す品質情報を取得する。品質情報は制御チャネルに含まれている。品質情報は、下りリンクの無線チャネル状態を示す情報でもよいし、上りリンクの無線チャネル状態を示す情報でもよいし、それら双方を含む情報でもよい。下りリンクの無線チャネル状態は、例えば、ユーザ装置が受信したパイロット信号の受信レベルから導出されたチャネル状態インジケータ(CQI)により表現されてもよい。上りリンクの無線チャネル状態は、基地局が受信したパイロット信号の受信レベルから導出されてもよい。基地局及びユーザ装置が受信したパイロット信号の受信レベルは、当業者に既知の適切な如何なる量で表現されてもよい。一例として、受信レベルは、瞬時値であるか平均値であるかを問わず、広く、無線チャネル状態の良否を表す量として定義され、例えば、受信電界強度RSSI、希望波受信電力RSRP、受信品質を表わすRSRQ、パスロス、SNR、SIR、SINR、Ec/N0等により表現されてもよい。RSRP、RSRQ、、SNR、SIR、SINR等における希望波は、例えば、共有データチャネル(PUSCH、PDSCH)の電力でもよいし、パイロット信号(サウンディングリファレンス信号(SRS)、復調用リファレンス信号(DMRS))の電力でもよい。
【0027】
トークスパート状態管理部305は、ユーザが音声データを通信していた場合に、通信状態がトークスパート期間であるか又はサイレント期間であるかを判別し、通信状態を管理する。人間が会話を行う場合、発生区間であるトークスパート期間(talk spurt)及び無音区間であるサイレント期間(silent period)が交互に生じる。
【0028】
以下の説明では簡明化のため、ユーザが音声データを通信する場合を例にとって説明するが、本実施例は音声データに限定されず、周期的に発生する如何なる信号が通信される場合にも適用可能である。例えば、本実施例において、機械やゲームの制御信号が使用されてもよい。
【0029】
図4はトークスパート期間とサイレント期間とが交互に生じている様子を示す。通常、0.4なし1.2秒程度のトークスパート期間内において、例えば20msの周期的な音声データが発生する。
【0030】
図3のトークスパート状態管理部305は、個々のユーザについて、現時点がトークスパート期間に該当するか否かを判断し、その結果を管理する。トークスパート期間であるか否かは、一例として、次のようにして判断されてもよい。例えば、トークスパート期間において、基地局が音声データを受信した場合にタイマを起動し、そのタイマが満了するまでの間に一度も音声データを受信しなかった場合、それ以降の期間はサイレント期間と判断されてもよい。あるいは、トークスパート期間において、音声データを含む上り共有データチャネルを所定の回数以上連続して受信しなかった場合、それ以降の期間はサイレント期間と判断されてもよい。また、サイレント期間において、音声データのバッファ滞留量が所定の数値範囲内であった場合、それ以降の期間はトークスパート期間であると判断されてもよい。タイマの値や数値範囲は、ユーザが発生しているか否かを判断するための量として、予め適切に設定されているものとする。本実施例による動作は、トークスパート期間において行われ、サイレント期間においては行われない。
【0031】
UL/DLバッファ管理部307は、上りリンク及び下りリンクにおいて送信されるデータのバッファの状態(データ滞留量)を管理する。下りリンクにおいて送信されるデータのバッファの状態(データ滞留量)は、基地局に備わっている送信バッファ(図示せず)の状態を調べることで判明する。これに対して、上りリンクにおいて送信されるデータのバッファの状態(データ滞留量)は、ユーザ装置UEに備わっている送信バッファの状態を示すバッファステータスレポートBSRを、ユーザ装置から受信することで判明する。基地局で管理されるデータ滞留量は、ユーザ装置に無線リソースが割り当てられると、割り当てたサイズの分だけ減少するように更新される。しかしながら、基地局が無線リソースを割り当てたことをユーザ装置UEに通知し、ユーザ装置UEがデータを送信し、そのデータを誤り無く基地局が受信したことを確認できるまでの間、いくらか時間がかかる。したがって、上りリンクの場合、ユーザ装置UEの送信バッファに溜まっている実際のデータ滞留量と、バッファステータスレポートBSRに基づいてUL/DLバッファ管理部が管理しているデータ滞留量とは、同一でない可能性がある。本実施例では、バッファステータスレポートBSRが示すバッファサイズから、既に割り当てた無線リソースのサイズを減算したものが、原則として、アップリンクのデータ滞留量となる。ただし、その値が負になる場合、アップリンクのデータ滞留量は0に設定される。
【0032】
なお、データ滞留量のサイズを算出する際、トランスポートブロックサイズTBSのサイズ(ビット数)だけでなく、ヘッダのサイズをも考慮することが好ましい。ヘッダのサイズは大きくないが(例えば、TBSの1/30)、より正確なバッファ管理を行う観点からは、ヘッダのサイズも考慮することが好ましい。
【0033】
記憶部311は、周期的に発生する周期データに無線リソースを割り当てる割当周期の複数の選択肢各々と、無線チャネル状態を示す品質情報の値と、割当周期において割り当てることが可能なトランスポートブロックサイズの値と、割当周期において割り当てることが可能なリソースブロック数との間の所定の対応関係を記憶する。
【0034】
図5は、そのような所定の対応関係の一例を示す。図示の例では、割当周期T1−T4と、一度に割当可能なトランスポートブロックサイズNTBS1−NTBS4と、一度に割当可能なリソースブロック数NRB1−NRB4と、上りリンクの品質SIR及び下りリンクの品質SIRが対応付けられている。割当周期とは周期的に発生するデータに対して無線リソースを割り当てる周期である。トランスポートブロックサイズは、一度に送信可能なデータサイズを表わす。リソースブロック数は、一度に割当可能なリソースブロックの数を表す。品質は上りリンク又は下りリンクの無線チャネル状態の良否を表す。これらの対応関係のうち、割当周期と品質(上り又は下り)は必須であるが、データ量(トランスポートブロックサイズ)との対応関係は必須ではない。ただし、ユーザの通信状況に相応しい割当周期を正確に選択する観点からは、図示されているようにトランスポートブロックサイズ及びリソースブロック数も周期に対応付けられていることが好ましい。なお、上り及び下りリンクの品質がSIRにより表現されているが、他の量により品質が表現されてもよい。
【0035】
概して、割当周期はT1が最も長く、T2、T3、T4の順に徐々に短くなっている。より一般的には、T1≧T2≧T3≧T4である。トランスポートブロックサイズはNTBS1が最も大きく、NTBS2、NTBS3、NTBS4の順に徐々に小さくなっている。より一般的には、NTBS1≧NTBS2≧NTBS3≧NTBS4である。リソースブロック数はNRB4が最も多く、NRB3、NRB2、NRB1の順に徐々に少なくなっている。より一般的には、NRB4≧NRB3≧NRB2≧NRB1である。上りリンクに関する品質の閾値は、YU1、YU2、YU3の順に低くなっている。下りリンクに関する品質の閾値は、YD1、YD2、YD3の順に低くなっている。したがって、上り又は下りの品質が良いほど、割当周期は長く、割当可能なデータ量トランスポートブロックサイズ)は大きい。逆に、上り又は下りの品質が悪いほど、割当周期は短く、割当可能なデータ量(トランスポートブロックサイズ)は少ない。ディレイパッキングを適用するかどうかを音声データの発生周期より音声データに無線リソースを割り当てる周期を長くするかどうかで実現し、ディレイパッキングのパッキング数を変更させることを音声データに無線リソースを割り当てる周期とトランスポートブロックサイズ変更で実現する。 図3の割当周期選択部313は、このような所定の対応関係から、ユーザ装置の品質情報に対応する割当周期を選択する。割当周期選択部313は、図5に示されるような所定の対応関係を参照し、ユーザ装置UE各々の品質SIRに対応する割当周期を選択する。
【0036】
スケジューリング部315は、通信するデータが存在するユーザ(ユーザ装置)についてスケジューリング係数を算出する。スケジューリング部315は、スケジューリング係数の値が相対的に大きい(または、硬判定的に優先度が高いと判定された)ユーザに対して、優先的に無線リソースを割り当てる。スケジューリング係数は、適切な如何なる方法で計算されてもよい。一例として、MaxC/I法やプロポーショナルフェアネス法(Proportional Fairness)により、スケジューリング係数が計算されてもよい。また、スケジューリング係数に限らずユーザ装置の優先度を決める如何なるパラメータが用いられてもよい。
【0037】
TFR(Transport Format and Resource)選択部317は、無線リソースが割り当てられたユーザ装置について、スケジューリング部315からの指示にしたがって、伝送フォーマット(データ変調方式及びチャネル符号化率)及びリソースブロックを決定する。
【0038】
下り信号生成部319は、制御チャネル及び共有データチャネルを含む下り信号を生成する。制御チャネルは、無線リソースがユーザ装置にどのように割り当てられているかを示す。LTE方式の移動通信システムの場合、この制御チャネルは、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)に対応する。具体的には、制御チャネルは、無線リソースが割り当てられているユーザの識別子、下りリンク及び/又は上りリンクにおいて割り当てられたリソースブロック、データフォーマット(データ変調方式及びチャネル符号化率)等の情報を含む。共有データチャネルは、ユーザデータを含み、一般的には、音声データ(VoIP)、リアルタイムデータ、データ通信用のデータ等を含む。LTE方式の移動通信システムの場合、このデータチャネルは、物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)に対応する。
【0039】
下り信号送信部321は、下り信号生成部319により生成された下り信号を送信する。したがって、下り信号送信部321は、送信するデータをチャネル符号化する機能、送信するデータをデータ変調する機能、ディジタル信号をアナログ信号に変換する機能、送信する信号をフィルタリングする機能、送信する信号を増幅する機能等を有する。
【0040】
<2.UE毎に最適な割当周期を決定する動作例>
図6は、図5に示されているような基地局における動作例を示すフローチャートである。フローはステップS601から始まり、ステップS603に進む。
【0041】
ステップS603において、基地局は、ベアラが設定されている何れかのユーザを指定するパラメータkを1に初期設定する。ベアラが設定されているユーザの総数はKであるとする。以下の動作の前提として、ベアラを設定している1つ以上のユーザ装置各々について、基地局は品質情報を取得しているものとする。上述したように、品質情報は、一般的には上りリンク又は下りリンクの無線チャネル状態を示すが、説明の便宜上、基地局が上りリンクの受信品質を測定することで、品質情報が得られたものとする。
【0042】
ステップS605において、基地局は、図5に示されるような所定の対応関係を参照し、k番目のユーザ装置UE#kの受信品質SIRkに対応付けられている割当周期、トランスポートブロックサイズ及びリソースブロック数を選択する。その結果、k番目のユーザ装置UE#kが音声データ(周期データ)を送信する場合における無線リソースの割当周期、トランスポートブロックサイズ及びリソースブロック数が決定される。
【0043】
なお、個々のユーザ装置の割当周期等が頻繁に変更されることは、動作の安定化の観点からは好ましくない。このため、受信品質から割当周期等を選択する場合おける受信品質について、ヒステリシス特性が図5に示されるような所定の対応関係に加えられてもよい。すなわち、割当周期がTからT'へ変わる際の品質の閾値Yと、割当周期がT'からTへ変わる際の品質の閾値Y'とが異なっていてもよい。
【0044】
ステップS607において、基地局は、k番目のユーザ装置UE#kの上りデータ滞留量を計算する。上りデータ滞留量は、ユーザ装置から報告されるバッファステータスレポートBSRと、過去に割り当てた無線リソースのサイズに基づいて計算又は更新される。
【0045】
ステップS609において、基地局は、現在のサブフレームが、ステップS605において選択された割当周期に該当するか否かを判定する。例えば、選択された割当周期が30msであった場合、現在のサブフレームが、丁度30msのサブフレームに該当するか否かを判定する。該当していた場合、フローはステップS611に進み、該当していなかった場合、フローはステップS623に進む。
【0046】
ステップS611において、基地局は、k番目のユーザ装置UE#Kにおいて、上りデータが存在するか否かを判定する。具体的には、ステップS607で計算した上りデータ滞留量が正であるか否かが判定される。上りデータが存在していた場合、フローはステップS613に進む。
【0047】
ステップS613において、k番目のユーザ装置UE#kが、無線リソースの割当を受ける候補(スケジューリングの対象)として決定され、スケジューリング係数が計算される。優先度は、適切な如何なる方法で計算されてもよい。一例として、MaxC/I法やプロポーショナルフェアネス法(Proportional Fairness)により、スケジューリング係数が計算されてもよい。
【0048】
ステップS615において、パラメータkの値がインクリメントされる。
【0049】
ステップS611において、上りデータ滞留量が正でなかった場合、ステップS617において、上りデータ滞留量の値が0に設定される。上述したように、ユーザ装置UEの送信バッファにおける実際のデータ滞留量が、バッファステータスレポートBSRに基づいて基地局で管理されている上りデータ滞留量に反映されるまでに若干の時間差がある。このため、正の値でない上りデータ滞留量の値が、ステップS611において0に設定される。
【0050】
ステップS619において、上りデータ滞留量が正でなかったユーザ装置は、無線リソースの割当を受ける候補から除外される(スケジューリングの対象外となる)。
【0051】
ステップS621において、パラメータkの値が、ベアラを設定しているユーザ装置の総数K以下であるか否かが判定される。パラメータkの値がK以下であった場合、フローはステップS605に戻り、インクリメントされたk番目のユーザ装置について、説明済みの処理が行われる。パラメータkの値がKより大きくなった場合、フローはステップS623に進む。
【0052】
ステップS623において、基地局は、スケジューリングの対象となったユーザ装置のうち、1つ以上のユーザ装置に無線リソースを割り当てる。
【0053】
図7は、図6のステップS623における動作の詳細を示すフローチャートである。フローはステップS701から始まり、ステップS703に進む。
【0054】
ステップS703において、基地局は、ベアラが設定されているユーザを指定するパラメータkを1に初期設定する。
【0055】
ステップS705において、基地局は、k番目のユーザ装置UE#kが、スケジューリングの対象となっているか否かを判定する。これは図6のステップS613及びS619における結果から判定できる。k番目のユーザ装置UE#kが、スケジューリングの対象となっていなかった場合、フローはステップS711に進み、スケジューリングの対象となっていた場合、フローはステップS707に進む。
【0056】
ステップS707において、基地局は、スケジューリングの対象となったユーザ装置のうち、k番目のユーザ装置UE#kに無線リソースを割り当てるか否かを決定する。一例として、スケジューリング係数の値が相対的に大きい(または、硬判定的に優先度が高いと判定された)ユーザ装置に、無線リソースが割り当てられる。
【0057】
ステップS709において、無線リソースが割り当てられることに決まったユーザ装置UE#kについて、伝送フォーマット(MCS)、リソースブロック及びトランスポートブロックサイズ等を決定する。音声データのような周期データについてのリソースブロック数及びトランスポートブロックサイズは、図6のステップS605において決定されている。しかしながら、周期的に発生するデータ以外のデータについては、ステップS709において、トラスポートブロックサイズ等が決定される。
【0058】
ステップS711において、パラメータkの値がインクリメントされる。
【0059】
ステップS713において、パラメータkの値が、ベアラを設定している全ユーザ装置の数K以下であるか否かが判定される。パラメータkの値がK以下であった場合、フローはステップS703に戻り、インクリメントされたk番目のユーザ装置について、説明済みの処理が行われる。パラメータkの値がKより大きくなった場合、フローはステップS715及びS625に進み、現在のサブフレームに対する無線リソースの割り当て処理が終了する。その後、フローはステップS601に戻り、次のサブレームについて説明済みの処理が行われる。
【0060】
図8は、上記の動作例によりユーザ装置に無線リソースが割り当てられる様子を示す。0msにおいてデータは発生していないが、20ms以降の20ms毎に300ビットの音声データが発生している。このユーザ装置の場合、図6のステップS605において、割当周期が30msに設定され、データ量(トランスポートブロックサイズ)は300ビット及び450ビットのように適宜設定される。20msにおいて300ビットの音声データが発生するが、割当周期の30msに至っていないので、この時点では無線リソースは割り当てられない。30msにおいて、このサブフレームで決定された300ビット分の無線リソースが割り当てられ、データ滞留量は0になる。40msにおいて300ビットの音声データが発生するが、次の割当周期の60msに至っていないので、この時点では無線リソースは割り当てられない。60msにおいて300ビットの音声データが発生し、このサブフレームで決定された450ビット分の無線リソースが割り当てられ、150ビットのデータ滞留量が残る。80msにおいて300ビットの音声データが発生するが、次の割当周期の90msに至っていないので、この時点では無線リソースは割り当てられない。90msにおいて、450ビット分の無線リソースが割り当てられ、データ滞留量は0になる。100msにおいて300ビットの音声データが発生するが、次の割当周期120msではないので、この時点では無線リソースは割り当てられない。120msにおいてさらに300ビットの音声データが発生し、この時点において450ビット分の無線リソースが割り当てられ、150ビット分のデータ滞留量がバッファに残る。
【0061】
このように、本実施例によれば、個々のサブフレームにおけるステップS605において、ユーザ装置各自の品質情報に対応する割当周期及び割り当てのデータ量が選択されるので、そのユーザ装置の通信状況に相応しい周期で音声データ等を送受信することができる。その結果、図2に示す例において懸念された音声品質の劣化を効果的に防ぐことができる。
【0062】
<3.割当周期以外のタイミングでも無線リソースを割り当てる変形例>
図6ないし図8を参照しながら説明した動作例の場合、ユーザ装置の通信状況に応じで、ディレイパッキングをするかどうかと割当周期等が選択されるので、音声データのような周期データに対して無線リソースを過不足無く割り当てることができる。しかしながら、ユーザ装置が送受信するデータは、周期データだけではなく、周期的ではないタイミングで発生する非周期データもある。ユーザ装置において、送信すべき非周期データが発生すると、そのようなデータが存在していることがバッファステータスレポートBSRにより基地局に通知される。
【0063】
図9は、周期データだけでなく、非周期データも送受信する場合の様子を示す。概して、図8に示す例と同様であるが、60msにおいて、非周期データが発生している点が異なる。非周期データは、例えばインターネットを通じたデータや電子メールのデータ等であり、音声データのような周期データよりも優先度が低く設定されている。このため、90msにおいて無線リソースが割り当てられる際、音声データに優先的に無線リソースが割り当てられ、150ビットの非周期データが残る。100msにおいては300ビットの音声データが発生する。120msにおいては、その時点で発生した300ビットの音声データ及び滞留していた300ビットの音声データのうち450ビットの分に無線リソースが割り当てられ、150ビットの音声データ及び150ビットの非周期データが残る。このように、周期データよりも優先度が低い非周期データは、無線リソースの割り当てを受ける機会が少なくなり、送信バッファに長期間滞留してしまうことが懸念される。このような懸念を解消するため、本変形例による基地局は、一定の条件を満たした場合、割当周期以外のタイミングでも無線リソースを割り当てる。
【0064】
図10は、割当周期以外のタイミングでも無線リソースを割り当てる変形例による動作を示す。
【0065】
0msにおいてデータは発生していないが、20ms以降の20ms毎に300ビットの音声データが発生している。このユーザ装置の場合、図6のステップS605において、割当周期が30msに設定され、データ量(トランスポートブロックサイズ)は300ビット及び450ビットのように適宜設定される。
【0066】
20msにおいて300ビットの音声データが発生するが、割当周期の30msに至っていないので、この時点では無線リソースは割り当てられない。
【0067】
30msにおいて、このサブフレームで決定された300ビット分の無線リソースが割り当てられ、データ滞留量は0になる。
【0068】
40msにおいて300ビットの音声データが発生するが、次の割当周期の60msに至っていないので、この時点では無線リソースは割り当てられない。
【0069】
60msにおいて300ビットの音声データが発生していることに加えて、150ビットの非周期データが発生している。このサブフレームで決定された450ビット分の無線リソースが割り当てられ、150ビットの音声データと150ビットの非周期データとが残る。
【0070】
61msにおいて、残っている300ビットのデータ(150ビットの音声データ及び150ビットの非周期データ)に無線リソースが割り当てられ、データ滞留量は0になる。このように本変形例では、非周期データが発生した場合、割当周期だけでなく後続のタイミングにおいても無線リソースが割り当てられる。
【0071】
80msにおいて300ビットの音声データが発生するが、次の割当周期の90msに至っていないので、この時点では無線リソースは割り当てられない。
【0072】
90msにおいて、450ビット分の無線リソースが割り当てられ、データ滞留量は0になる。
【0073】
100msにおいて300ビットの音声データが発生するが、次の割当周期120msではないので、この時点では無線リソースは割り当てられない。
【0074】
120msにおいてさらに300ビットの音声データが発生する。このサブフレームで決定された450ビット分の無線リソースが割り当てられ、150ビットの音声データと150ビットの非周期データとが残る。
【0075】
121msにおいて、残っている150ビットの音声データに無線リソースが割り当てられ、データ滞留量は0になる。このように本変形例では、非周期データが発生した場合、割当周期だけでなく後続のタイミングにおいても無線リソースが割り当てられる。
【0076】
本変形例の場合、図6のフローチャートのステップS607において、割当周期以外のタイミングでも無線リソースの割り当てを行うか否かが判定される。この判定は、割当周期のサブフレームにおいて、データ滞留量が、一度に割り当て可能な情報量(目下の例では450ビット)を超えているか否かにより行われる。データ滞留量が一度に割り当て可能な情報量を超えていた場合、割当周期以外のタイミングでも無線リソースの割り当てを行うこととなり、ステップS609において、現在のサブフレームと後続のサブフレームの場合にフローがステップS611に進み、それ以外の場合にフローはステップS621に進む。なお、説明の便宜上、割当周期のサブフレームと後続の1つのサブフレームにおいて無線リソースが割り当てられているが、データ滞留量に応じて、割当周期のサブフレームに続く1つ以上のサブフレームにおいて無線リソースが割り当てられてよい。例えば、上記の例において、仮に、60msのサブフレームにおけるデータ滞留量が音声データ及び非周期データを合わせて1500ビットであったとする。この場合、60ms、61ms、62ms、63msのサブフレームにおいてそれぞれ450、450、450、150ビット分の無線リソースが割り当てられることになる。
【0077】
<4.一定の条件を満たした場合に限って、割当周期以外のタイミングでも無線リソースを割り当てる変形例>
上記の変形例の場合、データ滞留量が、一度に割り当て可能な情報量(目下の例では450ビット)を超えていた場合、割当周期以外のタイミングでも無線リソースが割り当てられる。しかしながら、割当周期以外のタイミングにおいて使用される無線リソースは、必ずしも有効に利用されていないという問題がある。図10に示す例において、61msのサブフレームで割り当てられる無線リソースが、450ビット分あった場合、150ビット分の無線リソースが無駄になってしまうことが懸念される。本変形例は、このような問題に対処する。
【0078】
図11及び図12は、一定の条件を満たした場合に限って、割当周期以外のタイミングでも無線リソースを割り当てる動作を示す。図11は一定の条件を満たしていない場合を示し、図12は一定の条件を満たしている場合を示す。説明の便宜上、一度に割り当て可能なデータ量が450ビットではなく、550ビットであるとする。
【0079】
0msにおいてデータは発生していないが、20ms以降の20ms毎に300ビットの音声データが発生している。このユーザ装置の場合、図6のステップS605において、割当周期が30msに設定され、データ量(トランスポートブロックサイズ)は300ビット及び550ビットのように適宜設定される。
【0080】
20msにおいて300ビットの音声データが発生するが、割当周期の30msに至っていないので、この時点では無線リソースは割り当てられない。
【0081】
30msにおいて、このサブフレームで決定された300ビット分の無線リソースが割り当てられ、データ滞留量は0になる。
【0082】
40msにおいて300ビットの音声データが発生するが、次の割当周期の60msに至っていないので、この時点では無線リソースは割り当てられない。
【0083】
60msにおいて300ビットの音声データが発生していることに加えて、150ビットの非周期データが発生している。このサブフレームで決定された550ビット分の無線リソースが割り当てられ、50ビットの音声データと150ビットの非周期データとが残る。
【0084】
61msにおいて、図10に示す例では無線リソースが無条件に割り当てられていたが、本変形例では、非周期データが発生しかつ一定の条件を満たした場合に限って、割当周期以外の後続のタイミングで無線リソースが割り当てられる。非周期データが発生しても一定の条件を満たしていなかった場合、割当周期以外のタイミングで無線リソースは割り当てられない。一定の条件とは、現在残っているデータ滞留量と、次の割当周期のサブフレームまでの間に発生する音声データのデータ量との合計が、次の割当周期のサブフレームで全ては送信できないことである。すなわち、以下の不等式を満たすことである:
(現在残っているデータ滞留量)+(次の割当周期のサブフレームまでの間に発生する音声データのデータ量)>(次の割当周期のサブフレームで送信可能なデータ量)
目下の例の場合、現在残っているデータ滞留量(200ビット=音声データ50ビット+非周期データ150ビット)と、次の割当周期のサブフレームまでの間に発生する音声データのデータ量(300ビット)との合計(450ビット)が、次の割当周期のサブフレームで全ては送信できる。次の割当周期のサブフレーム90msで550ビット送信できるからである。この場合、割当周期の60ms以外の後続のサブフレーム61ms等において無線リソースは割り当てられない。
【0085】
80msにおいて300ビットの音声データが発生するが、次の割当周期の90msに至っていないので、この時点では無線リソースは割り当てられない。
【0086】
90msにおいて、550ビット分の無線リソースが割り当てられ、データ滞留量は0になる。
【0087】
100msにおいて300ビットの音声データが発生するが、次の割当周期120msではないので、この時点では無線リソースは割り当てられない。
【0088】
120msにおいてさらに300ビットの音声データが発生する。60msの場合と異なり、この場合は音声データしか発生していない。音声データについては、割当周期において通信されるので、上記の一定の条件を満たすか否かによらず、120msのサブフレームにおいて550ビット分の音声データに無線リソースが割り当てられ、121ms等のサブフレームにおいて無線リソースは割り当てられない。その結果、50ビットのデータ滞留量がバッファに残る。
【0089】
図12は、一定の条件を満たした場合に限って、割当周期以外のタイミングでも無線リソースを割り当てる動作を示す。図12は、概して図11と同様であるが、一定の条件を満たしている場合の動作である点が異なる。この例においても、一度に割り当て可能なデータ量が450ビットではなく、550ビットであるとする。
【0090】
0msにおいてデータは発生していないが、20ms以降の20ms毎に300ビットの音声データが発生している。このユーザ装置の場合、図6のステップS605において、割当周期が30msに設定され、データ量(トランスポートブロックサイズ)は300ビット及び550ビットのように適宜設定される。
【0091】
20msにおいて300ビットの音声データが発生するが、割当周期の30msに至っていないので、この時点では無線リソースは割り当てられない。
【0092】
30msにおいて、このサブフレームで決定された300ビット分の無線リソースが割り当てられ、データ滞留量は0になる。
【0093】
40msにおいて300ビットの音声データが発生するが、次の割当周期の60msに至っていないので、この時点では無線リソースは割り当てられない。
【0094】
60msにおいて300ビットの音声データが発生していることに加えて、300ビットの非周期データが発生している。このサブフレームで決定された550ビット分の無線リソースが割り当てられ、50ビットの音声データと300ビットの非周期データとが残る。
【0095】
上述したように本変形例では、61msにおいて、非周期データが発生しかつ一定の条件を満たした場合に限って、割当周期以外の後続のタイミングで無線リソースが割り当てられる。一定の条件とは、以下の不等式を満たすことである:
(現在残っているデータ滞留量)+(次の割当周期のサブフレームまでの間に発生する音声データのデータ量)>(次の割当周期のサブフレームで送信可能なデータ量)
目下の例の場合、現在残っているデータ滞留量(350ビット=音声データ50ビット+非周期データ300ビット)と、次の割当周期のサブフレームまでの間に発生する音声データのデータ量(300ビット)との合計(650ビット)は、次の割当周期のサブフレームで全ては送信できない。次の割当周期のサブフレーム90msで550ビットしか送信できないからである。したがって、割当周期の60ms以外の後続のサブフレーム61ms等において無線リソースが割り当てられる。
【0096】
61msにおいて、残っている350ビットのデータ(50ビットの音声データ及び300ビットの非周期データ)に無線リソースが割り当てられ、データ滞留量は0になる。このように本変形例では、非周期データが発生し、かつ一定の条件を満たしている場合、割当周期と後続のタイミングにおいて無線リソースが割り当てられる。
【0097】
80msにおいて300ビットの音声データが発生するが、次の割当周期の90msに至っていないので、この時点では無線リソースは割り当てられない。
【0098】
90msにおいて、300ビット分の無線リソースが割り当てられ、データ滞留量は0になる。
【0099】
100msにおいて300ビットの音声データが発生するが、次の割当周期120msではないので、この時点では無線リソースは割り当てられない。
【0100】
120msにおいてさらに300ビットの音声データが発生する。60msの場合と異なり、この場合は音声データしか発生していない。音声データについては、割当周期において通信されるので、上記の一定の条件を満たすか否かによらず、120msのサブフレームにおいて550ビット分の音声データに無線リソースが割り当てられ、121msのサブフレームにおいて無線リソースは割り当てられない。その結果、50ビットのデータ滞留量がバッファに残る。
【0101】
このように本変形例では、非周期データが発生しても一定の条件を満たしていなかった場合(図11)、割当周期以外の後続のサブフレームにおいて無線リソースは割り当てられず、非周期データが発生しかつ一定の条件を満たしていた場合(図12)に限って、割当周期以外の後続のサブフレームにおいて無線リソースが割り当てられる。これにより、無線リソースの無駄を削減することができる。
【0102】
図13は本変形例の動作例を示すフローチャートである。このフローは概して図6に示すものと同様であるが、ステップS609及びS131における処理が主に異なる。フローはステップS601から始まり、ステップS603に進む。
【0103】
ステップS603において、基地局は、ベアラが設定されているユーザを指定するパラメータkを1に初期設定する。
【0104】
ステップS605において、基地局は、図5に示されるような所定の対応関係を参照し、k番目のユーザ装置UE#kの受信品質SIRkに対応付けられている割当周期、トランスポートブロックサイズ及びリソースブロック数を選択する。
【0105】
ステップS607において、基地局は、k番目のユーザ装置UE#kの上りデータ滞留量を計算する。上りデータ滞留量は、ユーザ装置から報告されるバッファステータスレポートBSRと、過去に割り当てた無線リソースのサイズに基づいて計算又は更新される。ステップS607において、割当周期以外のタイミングでも無線リソースの割り当てを行うか否かが判定される。この判定は、割当周期のサブフレームにおいて、データ滞留量が、一度に割り当て可能な情報量(目下の例では550ビット)を超えているか否かにより行われる。超えていた場合、割当周期以外のタイミングでも無線リソースの割り当てを行う可能性がある。
【0106】
割当周期以外のタイミングでも無線リソースの割り当てを行う可能性がある場合、ステップS609において、基地局は、現在のサブフレームが、ステップS605において選択された割当周期のサブフレーム又は後続の所定数のサブフレームに該当するか否かを判定する。例えば、選択された割当周期が60msであった場合、現在のサブフレームが、60msのサブフレーム又は61msのサブフレームに該当するか否かを判定する。現在のサブフレームが、割当周期のサブフレーム又は後続のサブフレームに該当していた場合、フローはステップS611に進む。該当していなかった場合、フローはステップS623に進む。
【0107】
ステップS611において、基地局は、k番目のユーザ装置UE#Kにおいて、上りデータが存在するか否かを判定する。具体的には、ステップS607で計算した上りデータ滞留量が正であるか否かが判定される。上りデータが存在していた場合、フローはステップS613に進む。
【0108】
ステップS131において、基地局は、一定の条件を満たすか否かを判定する。一定の条件は以下の不等式を満たすことである:
(現在残っているデータ滞留量)+(次の割当周期のサブフレームまでの間に発生する音声データのデータ量)>(次の割当周期のサブフレームで送信可能なデータ量)
一定の条件を満たしていた場合、フローはステップS613に進み、一定の条件を満たしていなかった場合、フローはステップS617に進む。
【0109】
例えば、図11における60msのサブフレームの場合、750+300>550 となり、上記の不等式を満たすので、フローはステップS613に進み、k番目のユーザ装置UE#kは60msにおいてスケジューリングの対象となる。61msのサブフレームの場合、200+300<550 となり、上記の不等式を満たしていないので、フローはステップS617に進み、k番目のユーザ装置UE#kは61msにおいてスケジューリングの対象から除外される。
【0110】
また、図12における60msのサブフレームの場合、900+300>550 となり、上記の不等式を満たすので、フローはステップS613に進み、k番目のユーザ装置UE#kは60msにおいてスケジューリングの対象となる。61msのサブフレームの場合、350+300>550となり、上記の不等式を満たすので、フローはステップS613に進み、k番目のユーザ装置UE#kは61msにおいもスケジューリングの対象となる。
【0111】
ステップS613において、k番目のユーザ装置UE#kが、無線リソースの割当を受ける候補(スケジューリングの対象)として決定され、スケジューリング係数が計算される。
【0112】
ステップS615において、パラメータkの値がインクリメントされる。
【0113】
ステップS611において、上りデータ滞留量が正でなかった場合、ステップS617において、上りデータ滞留量の値が0に設定される。
【0114】
ステップS619において、上りデータ滞留量が正でなかったユーザ装置は、無線リソースの割当を受ける候補から除外される(スケジューリングの対象外となる)。
【0115】
ステップS621において、パラメータkの値が、ベアラを設定している全ユーザ装置の数K以下であるか否かが判定される。パラメータkの値がK以下であった場合、フローはステップS605に戻り、インクリメントされたk番目のユーザ装置について、説明済みの処理が行われる。パラメータkの値がKより大きくなった場合、フローはステップS623に進む。
【0116】
ステップS623において、基地局は、図7に示すようなフローにしたがって、スケジューリングの対象となったユーザ装置のうち、1つ以上のユーザ装置に無線リソースを割り当てる。以後、フローはステップS625に進み、現在のサブフレームに対する無線リソースの割り当て処理が終了する。その後、フローはステップS601に戻り、次のサブレームについて説明済みの処理が行われる。
【0117】
以上本発明は特定の実施例を参照しながら説明されてきたが、それらは単なる例示に過ぎず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。例えば、本発明は、周期的なデータを通信する適切な如何なる移動通信システムに適用されてもよい。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。発明の理解を促すため具体的な数式を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数式は単なる一例に過ぎず適切な如何なる数式が使用されてもよい。実施例又は項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。説明の便宜上、本発明の実施例に係る装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。ソフトウェアは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD−ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に用意されてもよい。本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が本発明に包含される。
【符号の説明】
【0118】
301 上り信号受信部
303 品質情報取得部
305 トークスパート状態管理部
307 UL/DLバッファ管理部
311 記憶部
313 割当周期選択部
315 スケジューリング部
317 TFR選択部
319 下り信号生成部
321 下り信号送信部
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信システムにおける基地局及びリソース割当方法に関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信システムにおける周波数利用効率を向上させる技術の1つとして、周波数スケジューリングがある。
【0003】
ダイナミックスケジューリング方式の場合、データ種別に応じた優先度及び無線チャネル状態の良否に応じて、無線リソースがユーザに動的に割り当てられる。例えば、どのユーザにどの無線リソースを割り当てるかが、1msのサブフレーム(TTI)毎に決定される。ユーザに対する無線リソースの割り当て方が頻繁に変わるので、無線リソースを柔軟に活用できる。
【0004】
一方、ユーザがやり取りするデータ種別は様々であり、音声データ又は音声パケット(VoIP)や等のようにデータ量は少ないが遅延は短く制限されるものや、データ通信等のようにデータ量は多いが遅延はそれほど短くは制限されないものがある。音声データ(VoIP)等の場合、データ量の少ないデータが周期的に発生する。このような音声データについて、上記のダイナミックスケジューリング方式によりスケジューリングを行うと、周期的に発生する少ないデータ量の音声データ各々について、無線リソースを一々指定しなければならなくなる。この場合、通信するデータ全体に対して、無線リソースの通知に要するシグナリングのオーバーヘッドの占める割合が大きくなり、無線リソースの利用効率が悪化してしまうことが懸念される。また、ダイナミックスケジューリングではユーザ装置で送信すべきデータが発生すると、ユーザ装置は、まず、スケジューリングリクエスト(SR)を基地局へ送信する。基地局はSRを受けて初めてスケジューリングを行い、その結果に基づいてユーザ装置にデータの送信を指示するシグナリングを通知する.したがって,上りデータが発生してから実際に送信するまでの遅延が大きくなる.
セミパーシステントスケジューリング方式(SPS)は、このような懸念に対応できる方式である。セミパーシステントスケジューリング方式の場合、1回の無線リソースの割り当てが、1サブフレームだけでなく、以後の多数のサブフレームにも適用されるようにする。すなわち、ある一定の無線リソースを周期的に割り当てることで、無線リソースのシグナリングに要するオーバーヘッドを削減する。したがって、移動通信システムにおける全てのユーザ装置が、セミパーシステントスケジューリング方式(SPS)に対応していれば、音声データについてSPSを使用することで、上記の懸念を解消できる。また、周期的に無線リソースの割当てが行われるので、ダイナミックスケジューリングのようにデータ発生の都度SRを送信する必要がなく遅延を短縮できる。
【0005】
しかしながら、セミパーシステントスケジューリング方式(SPS)は3GPP規定上必須ではないため、移動体通信システムにおけるユーザ装置がセミパーシステントスケジューリングに対応しているとは限らない。すべてのユーザ装置がSPSに対応していなければ、結局ダイナミックスケジューリング方式で無線リソース割り当てを行う必要がある。そうすると、周期的に発生する少ないデータ量の音声データ各々について無線リソースを一々指定しなければならず、オーバーヘッドが大きくなってしまうという上記の問題が懸念される。
【0006】
さらに、オーバーヘッドが大きくなることに起因して、音声サービスを利用できるユーザ数が少なく制限されてしまうという問題も懸念される。1msのサブフレーム(TTI)毎にスケジューリングが行われ、1サブフレームにおいて無線リソースを指定できるユーザ数がNであったとする。音声データは、周期的に発生するので、その周期をTとすると、同時に音声サービスを利用できるユーザ数(すなわち、音声容量)は、N×Tとなる。例えば、N=3人及びT=20msの場合、音声容量は、3×20=60人となる。容量を増やす技術の1つに、ディレイパッキング方式(delay packing)がある。例えば、あるユーザの音声データがT=20ms毎に音声データが発生したとしても、そのユーザには2T=40ms毎にしか音声データを送信しないようにする。このようにすることで、音声容量を2倍に増やすことができる。ディレイパッキングについては、非特許文献1に記載されている(非特許文献1では、packet bundlingという名称が用いられている)。非特許文献1ではEULで音声容量を増やす手法が提示されている。
一般に音声データの復号の際には、符号化された音声データを一定周期で復号器に入力する必要がある。ディレイパッキング方式により音声データの発生周期より長い周期で送信を行うと、受信側で音声データの到着間隔に揺らぎ(ジッタ)が生じる。しかしながら、揺らぎの範囲がある一定の範囲に収まっていればデジッタバッファによりその影響を取り除くことが可能である。
【0007】
非特許文献1では、EULにおいてDelay packingを適用する方法が開示されている。EULでは帯域幅は固定であるためデータ送信時には送信電力制御、データ送信タイミングを制御することにより無線リソース割り当て周期を変更しDelay packingを実現している(ただし、EULでは送信フォーマットの選択は移動機が行うため、非特許文献1に記載の方法で意図したとおりにDelay packingが実現されるかは疑問である)。一方、LTE方式の上りリンクは可変帯域幅制御が適用されるため、帯域幅あたりの電力密度も考慮して、所用のデータサイズ(=Packing後のデータサイズ)を伝送できるように送信帯域幅、送信電力、および、変調方式とTBSを選択する必要がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Oscar Fresan, et al., "Dynamic Packet Bundling for VoIP Transmission Over Rel'7 HSUPA with 10ms TTI Length,"IEEE ISWCS 2007, pp.5008-512
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、ディレイパッキング方式は、音声データを送受信するための無線リソースの割当周期を、音声データの発生周期よりも長くすることで、シグナリングのオーバーヘッドを削減し、音声容量を向上させている。 無線通信環境では、一度に送信できるデータ量は、無線品質により異なる。そのため、すべてのユーザにディレイパッキングを適用すると無線品質の悪いユーザはデータ誤りが生じ、結局再送などを行わなければならない。よって、無線品質に応じて、ディレイパッキングの適用/非適用、パッキングするパケット数を適応的に制御する必要がある。本発明は、LTEの上りリンクにおいて、無線品質に応じてディレイパッキングの適用/非適用、パッキングするパケット数を制御する方法について開示する。
ディレイパッキングでは、割当周期が長いほど音声容量は増加するが、割当周期が長すぎると音声品質の劣化が懸念される。この問題点を図1及び図2を参照しながら説明する。
【0010】
図1はディレイパッキングが行われなかった場合に、無線リソースが有効に利用されていない様子を示す。図示の例において、横軸は時間を示し、縦軸は上りリンクの送信を待機している音声データの滞留量を示す。0msにおいてデータは発生していないが、20ms以降の20ms毎に300ビットの音声データが発生し、20ms毎に450ビットのトランスポートブロックサイズ(TBS)が音声データに割り当てられている。この例の場合、割り当てられた無線リソースのうち一部分しか使用されておらず、残りの部分(150ビット分のTBS)は無駄になっている。
【0011】
図2は、ディレイパッキングを行うことの様子を示す。この例の場合、図1と同様に、0msにおいてデータは発生していないが、20ms以降の20ms毎に300ビットの音声データが発生するものとする。図1の場合とは異なり、データが発生する周期の2倍の周期である40ms毎に無線リソースが割り当てられている。このように、無線リソースの割当周期を、データが発生する周期の2倍にすることで、無駄になってしまう無線リソースを無くしつつ音声容量を増やすことができる。
【0012】
図2に示す例の場合、20msにおいて300ビットのデータが発生するが、割当周期の40msに至っていないので、この時点では無線リソー
スは割り当てられない。40msにおいてさらに300ビットのデータが発生し、この時点において450ビット分のデータに無線リソースが割り当てられ、150ビット分のデータはバッファに残る。60msにおいて300ビットのデータが発生するが、割当周期ではないのでこの時点では無線リソースは割り当てられない。80msにおいてさらに300ビットのデータが発生し、この時点において450ビット分のデータに無線リソースが割り当てられ、300ビット分のデータはバッファに残る。100msにおいて300ビットのデータが発生するが、割当周期ではないのでこの時点では無線リソースは割り当てられない。120msにおいてさらに300ビットのデータが発生し、この時点において450ビット分のデータに無線リソースが割り当てられ、450ビット分のデータはバッファに残る。
【0013】
このように、図示の例の場合、40ms、80ms、120msのように40ms毎に無線リソースが割り当てられているが、何れの場合もバッファに残っているデータを全て送信することはできず、いくらかのデータが残り、滞留するデータ量が時間とともに増えている。その結果、音声データにとって許容できないほど長い遅延(例えば、200ms以上の遅延)が生じ、音声データの品質が劣化してしまうことが懸念される。
【0014】
以上のように、無線リソースの割当周期が短かった場合、無線リソースが無駄になってしまうことに加えて、音声容量が少なくなってしまうことが懸念される。逆に、割当周期を長くすると音声容量は向上するが、割当周期が長すぎると音声品質の劣化が懸念される。
【0015】
本発明の課題は、周期的に発生するデータを少なくとも含むユーザデータに対して、ユーザの状況に応じて無線リソースを過不足無く割り当てることである。また、上りデータが発生してから実際に送信するまでの遅延が大きくならないように無線リソースを割り当てることである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
一実施例による基地局は、
ユーザ装置の無線チャネル状態を示す品質情報を取得する品質情報取得部と、
周期的に発生する周期データに無線リソースを割り当てる割当周期の複数の選択肢各々と無線チャネル状態を示す品質情報の値との所定の対応関係から、前記ユーザ装置の品質情報に対応する割当周期を選択する割当周期選択部と、
選択された前記割当周期において前記ユーザ装置に割り当てる無線リソースを決定するスケジューリング部と、
前記スケジューリング部により決定された無線リソースを利用して、前記ユーザ装置の周期データを含むユーザデータを無線通信する無線通信部と
を有する、移動通信システムにおける基地局である。
【発明の効果】
【0017】
一実施例によれば、周期的に発生するデータを少なくとも含むユーザデータに対して、ユーザの状況に応じて無線リソースを過不足無く割り当てることができる。周期的に発生するデータについてはスケジューリングリクエスト有無にかかわらず、周期に合わせて無線リソース割り当てを行うため、制御チャネルの節約できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】ディレイパッキングを行わなかった場合に無線リソースに無駄が生じてしまうことを説明するための図。
【図2】ディレイパッキングを行う場合において割当周期が長かった場合に遅延が長くなってしまうことを説明するための図。
【図3】実施例において使用される基地局の機能ブロック図。
【図4】トークスパート期間及びサイレント期間が交互に訪れる様子を示す図。
【図5】所定の対応関係の一例を示す図。
【図6】基地局における動作例を示すフローチャート。
【図7】図6に示すステップS623の詳細なフローチャート。
【図8】適切な割当周期で無線リソースを過不足無く割り当てる様子を示す図。
【図9】周期データだけでなく非周期データも送受信する様子を示す図。
【図10】割当周期以外のタイミングでも無線リソースを割り当てる変形例を示す図。
【図11】一定の条件を満たした場合に限って、割当周期以外のタイミングでも無線リソースを割り当てる動作を示す図(一定の条件を満たさなかった場合)。
【図12】一定の条件を満たした場合に限って、割当周期以外のタイミングでも無線リソースを割り当てる動作を示す図(一定の条件を満たした場合)。
【図13】変形例における動作例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0019】
一実施例による基地局は、ユーザ装置各々の無線チャネル状態に応じて、ディレイパッキングを適用するかどうかを音声データの発生周期より音声データに無線リソースを割り当てる周期を長くするかどうかで実現し、ディレイパッキングのパッキング数を変更させることを音声データに無線リソースを割り当てる周期とトランスポートブロックサイズ変更で実現する。実施例による基地局は、周期的に発生する周期データに無線リソースを割り当てる割当周期、その割当周期で割り当てるトランスポートブロックサイズ及びその割当周期で割り当てるリソースブロック数を決定する。パッキング数に相当する割当周期等が無線チャネル状態に応じて決定されるので、ユーザ装置の通信状況において相応しい無線リソース割り当てをすることができる。本実施例において、周期的に発生する周期データは、典型的には音声データであるが、これに限定されない。例えば、周期データの別の具体例として、機械やゲームの制御信号を送る場合がある。
【0020】
周期的に発生する周期データに加えて、周期的ではないタイミングで非周期データが発生した場合において、優先度の低い非周期データが、いつまでも送信バッファに残されてしまうことが懸念される。通常、周期データの優先度は非周期データの優先度より高いからである。一実施例による基地局は、ユーザ装置についての割当周期のサブフレームで無線リソースを割り当てることに加えて、そのような低優先度のデータが発生した場合、そのサブフレームに続く1つ以上のサブフレームにおいても無線リソースを割り当てる。
【0021】
しかしながら、ユーザ装置の割当周期のサブフレームとそれに続く1つ以上のサブフレームにおいても無線リソースを割り当てることにすると、その1つ以上のサブフレームにおいて送信するデータ量が少なかった場合、無線リソースが無駄になってしまうことが懸念される。この問題を解決するため、一実施例による基地局は、周期データに加えて非周期データが発生した場合、現在のデータ滞留量及び次回の割当周期までの間に生じる音声データのデータ量との合計と、次回の割当周期で送信可能なデータ量とを比較する。その結果、次回に送信可能なデータ量が、合計のデータ量より多かった場合、割当周期のサブフレームに続くサブフレームにおいて無線リソースは割り当てられない。仮に割り当てた場合、無駄な無線リソースが発生してしまうからである。逆に、送信可能なデータ量が、合計の情報量より少なかった場合、割当周期のサブフレームに続くサブフレームにおいて無線リソースが割り当てられる。この場合、無駄な無線リソースは発生しないからである。
【0022】
以下の観点から実施例を説明する。
【0023】
1.基地局
2.UE毎に最適な割当周期を決定する動作例
3.割当周期以外のタイミングでも無線リソースを割り当てる変形例
4.一定の条件を満たした場合に限って、割当周期以外のタイミングでも無線リソースを割り当てる変形例
【実施例1】
【0024】
<1.基地局>
図3は、実施例において使用される基地局の機能ブロック図を示す。図3には、移動通信システムの基地局に備わる様々な機能を実現する処理部の内、実施例に特に関連する処理部が示されている。図示の基地局は、説明の便宜上、例えばロングタームエボリューション(LTE)方式の移動通信システムにおける基地局であるとするが、他の移動通信システムの基地局でもよい。図3には、上り信号受信部301、品質情報取得部303、トークスパート状態管理部305、アップリンク/ダウンリンク(UL/DL)バッファ管理部307、記憶部311、割当周期選択部313、スケジューリング部315、TFR選択部317、下り信号生成部319、下り信号送信部321が示されている。
【0025】
上り信号受信部301は、ユーザ装置UEからの上り信号を受信し、ベースバンド信号に変換する。したがって、上り信号受信部301は、受信した無線信号をフィルタリングする機能、アナログ信号をディジタル信号に変換する機能、受信した信号をデータ復調する機能、受信した信号をチャネル復号化する機能等を有する。上り信号は、一般的には制御チャネル、パイロットチャネル及びデータチャネル等を含む。なお、ユーザ装置UEは、無線リンクを通じて基地局と通信する適切な如何なる通信装置でもよく、移動端末でも固定端末でもよい。ユーザ装置UEは、具体的には、携帯電話、情報端末、高機能携帯電話、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、パーソナルディジタルアシスタント、携帯用パーソナルコンピュータ等であるが、これらに限定されない。
【0026】
品質情報取得部303は、上り信号から、無線チャネル状態の良否を示す品質情報を取得する。品質情報は制御チャネルに含まれている。品質情報は、下りリンクの無線チャネル状態を示す情報でもよいし、上りリンクの無線チャネル状態を示す情報でもよいし、それら双方を含む情報でもよい。下りリンクの無線チャネル状態は、例えば、ユーザ装置が受信したパイロット信号の受信レベルから導出されたチャネル状態インジケータ(CQI)により表現されてもよい。上りリンクの無線チャネル状態は、基地局が受信したパイロット信号の受信レベルから導出されてもよい。基地局及びユーザ装置が受信したパイロット信号の受信レベルは、当業者に既知の適切な如何なる量で表現されてもよい。一例として、受信レベルは、瞬時値であるか平均値であるかを問わず、広く、無線チャネル状態の良否を表す量として定義され、例えば、受信電界強度RSSI、希望波受信電力RSRP、受信品質を表わすRSRQ、パスロス、SNR、SIR、SINR、Ec/N0等により表現されてもよい。RSRP、RSRQ、、SNR、SIR、SINR等における希望波は、例えば、共有データチャネル(PUSCH、PDSCH)の電力でもよいし、パイロット信号(サウンディングリファレンス信号(SRS)、復調用リファレンス信号(DMRS))の電力でもよい。
【0027】
トークスパート状態管理部305は、ユーザが音声データを通信していた場合に、通信状態がトークスパート期間であるか又はサイレント期間であるかを判別し、通信状態を管理する。人間が会話を行う場合、発生区間であるトークスパート期間(talk spurt)及び無音区間であるサイレント期間(silent period)が交互に生じる。
【0028】
以下の説明では簡明化のため、ユーザが音声データを通信する場合を例にとって説明するが、本実施例は音声データに限定されず、周期的に発生する如何なる信号が通信される場合にも適用可能である。例えば、本実施例において、機械やゲームの制御信号が使用されてもよい。
【0029】
図4はトークスパート期間とサイレント期間とが交互に生じている様子を示す。通常、0.4なし1.2秒程度のトークスパート期間内において、例えば20msの周期的な音声データが発生する。
【0030】
図3のトークスパート状態管理部305は、個々のユーザについて、現時点がトークスパート期間に該当するか否かを判断し、その結果を管理する。トークスパート期間であるか否かは、一例として、次のようにして判断されてもよい。例えば、トークスパート期間において、基地局が音声データを受信した場合にタイマを起動し、そのタイマが満了するまでの間に一度も音声データを受信しなかった場合、それ以降の期間はサイレント期間と判断されてもよい。あるいは、トークスパート期間において、音声データを含む上り共有データチャネルを所定の回数以上連続して受信しなかった場合、それ以降の期間はサイレント期間と判断されてもよい。また、サイレント期間において、音声データのバッファ滞留量が所定の数値範囲内であった場合、それ以降の期間はトークスパート期間であると判断されてもよい。タイマの値や数値範囲は、ユーザが発生しているか否かを判断するための量として、予め適切に設定されているものとする。本実施例による動作は、トークスパート期間において行われ、サイレント期間においては行われない。
【0031】
UL/DLバッファ管理部307は、上りリンク及び下りリンクにおいて送信されるデータのバッファの状態(データ滞留量)を管理する。下りリンクにおいて送信されるデータのバッファの状態(データ滞留量)は、基地局に備わっている送信バッファ(図示せず)の状態を調べることで判明する。これに対して、上りリンクにおいて送信されるデータのバッファの状態(データ滞留量)は、ユーザ装置UEに備わっている送信バッファの状態を示すバッファステータスレポートBSRを、ユーザ装置から受信することで判明する。基地局で管理されるデータ滞留量は、ユーザ装置に無線リソースが割り当てられると、割り当てたサイズの分だけ減少するように更新される。しかしながら、基地局が無線リソースを割り当てたことをユーザ装置UEに通知し、ユーザ装置UEがデータを送信し、そのデータを誤り無く基地局が受信したことを確認できるまでの間、いくらか時間がかかる。したがって、上りリンクの場合、ユーザ装置UEの送信バッファに溜まっている実際のデータ滞留量と、バッファステータスレポートBSRに基づいてUL/DLバッファ管理部が管理しているデータ滞留量とは、同一でない可能性がある。本実施例では、バッファステータスレポートBSRが示すバッファサイズから、既に割り当てた無線リソースのサイズを減算したものが、原則として、アップリンクのデータ滞留量となる。ただし、その値が負になる場合、アップリンクのデータ滞留量は0に設定される。
【0032】
なお、データ滞留量のサイズを算出する際、トランスポートブロックサイズTBSのサイズ(ビット数)だけでなく、ヘッダのサイズをも考慮することが好ましい。ヘッダのサイズは大きくないが(例えば、TBSの1/30)、より正確なバッファ管理を行う観点からは、ヘッダのサイズも考慮することが好ましい。
【0033】
記憶部311は、周期的に発生する周期データに無線リソースを割り当てる割当周期の複数の選択肢各々と、無線チャネル状態を示す品質情報の値と、割当周期において割り当てることが可能なトランスポートブロックサイズの値と、割当周期において割り当てることが可能なリソースブロック数との間の所定の対応関係を記憶する。
【0034】
図5は、そのような所定の対応関係の一例を示す。図示の例では、割当周期T1−T4と、一度に割当可能なトランスポートブロックサイズNTBS1−NTBS4と、一度に割当可能なリソースブロック数NRB1−NRB4と、上りリンクの品質SIR及び下りリンクの品質SIRが対応付けられている。割当周期とは周期的に発生するデータに対して無線リソースを割り当てる周期である。トランスポートブロックサイズは、一度に送信可能なデータサイズを表わす。リソースブロック数は、一度に割当可能なリソースブロックの数を表す。品質は上りリンク又は下りリンクの無線チャネル状態の良否を表す。これらの対応関係のうち、割当周期と品質(上り又は下り)は必須であるが、データ量(トランスポートブロックサイズ)との対応関係は必須ではない。ただし、ユーザの通信状況に相応しい割当周期を正確に選択する観点からは、図示されているようにトランスポートブロックサイズ及びリソースブロック数も周期に対応付けられていることが好ましい。なお、上り及び下りリンクの品質がSIRにより表現されているが、他の量により品質が表現されてもよい。
【0035】
概して、割当周期はT1が最も長く、T2、T3、T4の順に徐々に短くなっている。より一般的には、T1≧T2≧T3≧T4である。トランスポートブロックサイズはNTBS1が最も大きく、NTBS2、NTBS3、NTBS4の順に徐々に小さくなっている。より一般的には、NTBS1≧NTBS2≧NTBS3≧NTBS4である。リソースブロック数はNRB4が最も多く、NRB3、NRB2、NRB1の順に徐々に少なくなっている。より一般的には、NRB4≧NRB3≧NRB2≧NRB1である。上りリンクに関する品質の閾値は、YU1、YU2、YU3の順に低くなっている。下りリンクに関する品質の閾値は、YD1、YD2、YD3の順に低くなっている。したがって、上り又は下りの品質が良いほど、割当周期は長く、割当可能なデータ量トランスポートブロックサイズ)は大きい。逆に、上り又は下りの品質が悪いほど、割当周期は短く、割当可能なデータ量(トランスポートブロックサイズ)は少ない。ディレイパッキングを適用するかどうかを音声データの発生周期より音声データに無線リソースを割り当てる周期を長くするかどうかで実現し、ディレイパッキングのパッキング数を変更させることを音声データに無線リソースを割り当てる周期とトランスポートブロックサイズ変更で実現する。 図3の割当周期選択部313は、このような所定の対応関係から、ユーザ装置の品質情報に対応する割当周期を選択する。割当周期選択部313は、図5に示されるような所定の対応関係を参照し、ユーザ装置UE各々の品質SIRに対応する割当周期を選択する。
【0036】
スケジューリング部315は、通信するデータが存在するユーザ(ユーザ装置)についてスケジューリング係数を算出する。スケジューリング部315は、スケジューリング係数の値が相対的に大きい(または、硬判定的に優先度が高いと判定された)ユーザに対して、優先的に無線リソースを割り当てる。スケジューリング係数は、適切な如何なる方法で計算されてもよい。一例として、MaxC/I法やプロポーショナルフェアネス法(Proportional Fairness)により、スケジューリング係数が計算されてもよい。また、スケジューリング係数に限らずユーザ装置の優先度を決める如何なるパラメータが用いられてもよい。
【0037】
TFR(Transport Format and Resource)選択部317は、無線リソースが割り当てられたユーザ装置について、スケジューリング部315からの指示にしたがって、伝送フォーマット(データ変調方式及びチャネル符号化率)及びリソースブロックを決定する。
【0038】
下り信号生成部319は、制御チャネル及び共有データチャネルを含む下り信号を生成する。制御チャネルは、無線リソースがユーザ装置にどのように割り当てられているかを示す。LTE方式の移動通信システムの場合、この制御チャネルは、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)に対応する。具体的には、制御チャネルは、無線リソースが割り当てられているユーザの識別子、下りリンク及び/又は上りリンクにおいて割り当てられたリソースブロック、データフォーマット(データ変調方式及びチャネル符号化率)等の情報を含む。共有データチャネルは、ユーザデータを含み、一般的には、音声データ(VoIP)、リアルタイムデータ、データ通信用のデータ等を含む。LTE方式の移動通信システムの場合、このデータチャネルは、物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)に対応する。
【0039】
下り信号送信部321は、下り信号生成部319により生成された下り信号を送信する。したがって、下り信号送信部321は、送信するデータをチャネル符号化する機能、送信するデータをデータ変調する機能、ディジタル信号をアナログ信号に変換する機能、送信する信号をフィルタリングする機能、送信する信号を増幅する機能等を有する。
【0040】
<2.UE毎に最適な割当周期を決定する動作例>
図6は、図5に示されているような基地局における動作例を示すフローチャートである。フローはステップS601から始まり、ステップS603に進む。
【0041】
ステップS603において、基地局は、ベアラが設定されている何れかのユーザを指定するパラメータkを1に初期設定する。ベアラが設定されているユーザの総数はKであるとする。以下の動作の前提として、ベアラを設定している1つ以上のユーザ装置各々について、基地局は品質情報を取得しているものとする。上述したように、品質情報は、一般的には上りリンク又は下りリンクの無線チャネル状態を示すが、説明の便宜上、基地局が上りリンクの受信品質を測定することで、品質情報が得られたものとする。
【0042】
ステップS605において、基地局は、図5に示されるような所定の対応関係を参照し、k番目のユーザ装置UE#kの受信品質SIRkに対応付けられている割当周期、トランスポートブロックサイズ及びリソースブロック数を選択する。その結果、k番目のユーザ装置UE#kが音声データ(周期データ)を送信する場合における無線リソースの割当周期、トランスポートブロックサイズ及びリソースブロック数が決定される。
【0043】
なお、個々のユーザ装置の割当周期等が頻繁に変更されることは、動作の安定化の観点からは好ましくない。このため、受信品質から割当周期等を選択する場合おける受信品質について、ヒステリシス特性が図5に示されるような所定の対応関係に加えられてもよい。すなわち、割当周期がTからT'へ変わる際の品質の閾値Yと、割当周期がT'からTへ変わる際の品質の閾値Y'とが異なっていてもよい。
【0044】
ステップS607において、基地局は、k番目のユーザ装置UE#kの上りデータ滞留量を計算する。上りデータ滞留量は、ユーザ装置から報告されるバッファステータスレポートBSRと、過去に割り当てた無線リソースのサイズに基づいて計算又は更新される。
【0045】
ステップS609において、基地局は、現在のサブフレームが、ステップS605において選択された割当周期に該当するか否かを判定する。例えば、選択された割当周期が30msであった場合、現在のサブフレームが、丁度30msのサブフレームに該当するか否かを判定する。該当していた場合、フローはステップS611に進み、該当していなかった場合、フローはステップS623に進む。
【0046】
ステップS611において、基地局は、k番目のユーザ装置UE#Kにおいて、上りデータが存在するか否かを判定する。具体的には、ステップS607で計算した上りデータ滞留量が正であるか否かが判定される。上りデータが存在していた場合、フローはステップS613に進む。
【0047】
ステップS613において、k番目のユーザ装置UE#kが、無線リソースの割当を受ける候補(スケジューリングの対象)として決定され、スケジューリング係数が計算される。優先度は、適切な如何なる方法で計算されてもよい。一例として、MaxC/I法やプロポーショナルフェアネス法(Proportional Fairness)により、スケジューリング係数が計算されてもよい。
【0048】
ステップS615において、パラメータkの値がインクリメントされる。
【0049】
ステップS611において、上りデータ滞留量が正でなかった場合、ステップS617において、上りデータ滞留量の値が0に設定される。上述したように、ユーザ装置UEの送信バッファにおける実際のデータ滞留量が、バッファステータスレポートBSRに基づいて基地局で管理されている上りデータ滞留量に反映されるまでに若干の時間差がある。このため、正の値でない上りデータ滞留量の値が、ステップS611において0に設定される。
【0050】
ステップS619において、上りデータ滞留量が正でなかったユーザ装置は、無線リソースの割当を受ける候補から除外される(スケジューリングの対象外となる)。
【0051】
ステップS621において、パラメータkの値が、ベアラを設定しているユーザ装置の総数K以下であるか否かが判定される。パラメータkの値がK以下であった場合、フローはステップS605に戻り、インクリメントされたk番目のユーザ装置について、説明済みの処理が行われる。パラメータkの値がKより大きくなった場合、フローはステップS623に進む。
【0052】
ステップS623において、基地局は、スケジューリングの対象となったユーザ装置のうち、1つ以上のユーザ装置に無線リソースを割り当てる。
【0053】
図7は、図6のステップS623における動作の詳細を示すフローチャートである。フローはステップS701から始まり、ステップS703に進む。
【0054】
ステップS703において、基地局は、ベアラが設定されているユーザを指定するパラメータkを1に初期設定する。
【0055】
ステップS705において、基地局は、k番目のユーザ装置UE#kが、スケジューリングの対象となっているか否かを判定する。これは図6のステップS613及びS619における結果から判定できる。k番目のユーザ装置UE#kが、スケジューリングの対象となっていなかった場合、フローはステップS711に進み、スケジューリングの対象となっていた場合、フローはステップS707に進む。
【0056】
ステップS707において、基地局は、スケジューリングの対象となったユーザ装置のうち、k番目のユーザ装置UE#kに無線リソースを割り当てるか否かを決定する。一例として、スケジューリング係数の値が相対的に大きい(または、硬判定的に優先度が高いと判定された)ユーザ装置に、無線リソースが割り当てられる。
【0057】
ステップS709において、無線リソースが割り当てられることに決まったユーザ装置UE#kについて、伝送フォーマット(MCS)、リソースブロック及びトランスポートブロックサイズ等を決定する。音声データのような周期データについてのリソースブロック数及びトランスポートブロックサイズは、図6のステップS605において決定されている。しかしながら、周期的に発生するデータ以外のデータについては、ステップS709において、トラスポートブロックサイズ等が決定される。
【0058】
ステップS711において、パラメータkの値がインクリメントされる。
【0059】
ステップS713において、パラメータkの値が、ベアラを設定している全ユーザ装置の数K以下であるか否かが判定される。パラメータkの値がK以下であった場合、フローはステップS703に戻り、インクリメントされたk番目のユーザ装置について、説明済みの処理が行われる。パラメータkの値がKより大きくなった場合、フローはステップS715及びS625に進み、現在のサブフレームに対する無線リソースの割り当て処理が終了する。その後、フローはステップS601に戻り、次のサブレームについて説明済みの処理が行われる。
【0060】
図8は、上記の動作例によりユーザ装置に無線リソースが割り当てられる様子を示す。0msにおいてデータは発生していないが、20ms以降の20ms毎に300ビットの音声データが発生している。このユーザ装置の場合、図6のステップS605において、割当周期が30msに設定され、データ量(トランスポートブロックサイズ)は300ビット及び450ビットのように適宜設定される。20msにおいて300ビットの音声データが発生するが、割当周期の30msに至っていないので、この時点では無線リソースは割り当てられない。30msにおいて、このサブフレームで決定された300ビット分の無線リソースが割り当てられ、データ滞留量は0になる。40msにおいて300ビットの音声データが発生するが、次の割当周期の60msに至っていないので、この時点では無線リソースは割り当てられない。60msにおいて300ビットの音声データが発生し、このサブフレームで決定された450ビット分の無線リソースが割り当てられ、150ビットのデータ滞留量が残る。80msにおいて300ビットの音声データが発生するが、次の割当周期の90msに至っていないので、この時点では無線リソースは割り当てられない。90msにおいて、450ビット分の無線リソースが割り当てられ、データ滞留量は0になる。100msにおいて300ビットの音声データが発生するが、次の割当周期120msではないので、この時点では無線リソースは割り当てられない。120msにおいてさらに300ビットの音声データが発生し、この時点において450ビット分の無線リソースが割り当てられ、150ビット分のデータ滞留量がバッファに残る。
【0061】
このように、本実施例によれば、個々のサブフレームにおけるステップS605において、ユーザ装置各自の品質情報に対応する割当周期及び割り当てのデータ量が選択されるので、そのユーザ装置の通信状況に相応しい周期で音声データ等を送受信することができる。その結果、図2に示す例において懸念された音声品質の劣化を効果的に防ぐことができる。
【0062】
<3.割当周期以外のタイミングでも無線リソースを割り当てる変形例>
図6ないし図8を参照しながら説明した動作例の場合、ユーザ装置の通信状況に応じで、ディレイパッキングをするかどうかと割当周期等が選択されるので、音声データのような周期データに対して無線リソースを過不足無く割り当てることができる。しかしながら、ユーザ装置が送受信するデータは、周期データだけではなく、周期的ではないタイミングで発生する非周期データもある。ユーザ装置において、送信すべき非周期データが発生すると、そのようなデータが存在していることがバッファステータスレポートBSRにより基地局に通知される。
【0063】
図9は、周期データだけでなく、非周期データも送受信する場合の様子を示す。概して、図8に示す例と同様であるが、60msにおいて、非周期データが発生している点が異なる。非周期データは、例えばインターネットを通じたデータや電子メールのデータ等であり、音声データのような周期データよりも優先度が低く設定されている。このため、90msにおいて無線リソースが割り当てられる際、音声データに優先的に無線リソースが割り当てられ、150ビットの非周期データが残る。100msにおいては300ビットの音声データが発生する。120msにおいては、その時点で発生した300ビットの音声データ及び滞留していた300ビットの音声データのうち450ビットの分に無線リソースが割り当てられ、150ビットの音声データ及び150ビットの非周期データが残る。このように、周期データよりも優先度が低い非周期データは、無線リソースの割り当てを受ける機会が少なくなり、送信バッファに長期間滞留してしまうことが懸念される。このような懸念を解消するため、本変形例による基地局は、一定の条件を満たした場合、割当周期以外のタイミングでも無線リソースを割り当てる。
【0064】
図10は、割当周期以外のタイミングでも無線リソースを割り当てる変形例による動作を示す。
【0065】
0msにおいてデータは発生していないが、20ms以降の20ms毎に300ビットの音声データが発生している。このユーザ装置の場合、図6のステップS605において、割当周期が30msに設定され、データ量(トランスポートブロックサイズ)は300ビット及び450ビットのように適宜設定される。
【0066】
20msにおいて300ビットの音声データが発生するが、割当周期の30msに至っていないので、この時点では無線リソースは割り当てられない。
【0067】
30msにおいて、このサブフレームで決定された300ビット分の無線リソースが割り当てられ、データ滞留量は0になる。
【0068】
40msにおいて300ビットの音声データが発生するが、次の割当周期の60msに至っていないので、この時点では無線リソースは割り当てられない。
【0069】
60msにおいて300ビットの音声データが発生していることに加えて、150ビットの非周期データが発生している。このサブフレームで決定された450ビット分の無線リソースが割り当てられ、150ビットの音声データと150ビットの非周期データとが残る。
【0070】
61msにおいて、残っている300ビットのデータ(150ビットの音声データ及び150ビットの非周期データ)に無線リソースが割り当てられ、データ滞留量は0になる。このように本変形例では、非周期データが発生した場合、割当周期だけでなく後続のタイミングにおいても無線リソースが割り当てられる。
【0071】
80msにおいて300ビットの音声データが発生するが、次の割当周期の90msに至っていないので、この時点では無線リソースは割り当てられない。
【0072】
90msにおいて、450ビット分の無線リソースが割り当てられ、データ滞留量は0になる。
【0073】
100msにおいて300ビットの音声データが発生するが、次の割当周期120msではないので、この時点では無線リソースは割り当てられない。
【0074】
120msにおいてさらに300ビットの音声データが発生する。このサブフレームで決定された450ビット分の無線リソースが割り当てられ、150ビットの音声データと150ビットの非周期データとが残る。
【0075】
121msにおいて、残っている150ビットの音声データに無線リソースが割り当てられ、データ滞留量は0になる。このように本変形例では、非周期データが発生した場合、割当周期だけでなく後続のタイミングにおいても無線リソースが割り当てられる。
【0076】
本変形例の場合、図6のフローチャートのステップS607において、割当周期以外のタイミングでも無線リソースの割り当てを行うか否かが判定される。この判定は、割当周期のサブフレームにおいて、データ滞留量が、一度に割り当て可能な情報量(目下の例では450ビット)を超えているか否かにより行われる。データ滞留量が一度に割り当て可能な情報量を超えていた場合、割当周期以外のタイミングでも無線リソースの割り当てを行うこととなり、ステップS609において、現在のサブフレームと後続のサブフレームの場合にフローがステップS611に進み、それ以外の場合にフローはステップS621に進む。なお、説明の便宜上、割当周期のサブフレームと後続の1つのサブフレームにおいて無線リソースが割り当てられているが、データ滞留量に応じて、割当周期のサブフレームに続く1つ以上のサブフレームにおいて無線リソースが割り当てられてよい。例えば、上記の例において、仮に、60msのサブフレームにおけるデータ滞留量が音声データ及び非周期データを合わせて1500ビットであったとする。この場合、60ms、61ms、62ms、63msのサブフレームにおいてそれぞれ450、450、450、150ビット分の無線リソースが割り当てられることになる。
【0077】
<4.一定の条件を満たした場合に限って、割当周期以外のタイミングでも無線リソースを割り当てる変形例>
上記の変形例の場合、データ滞留量が、一度に割り当て可能な情報量(目下の例では450ビット)を超えていた場合、割当周期以外のタイミングでも無線リソースが割り当てられる。しかしながら、割当周期以外のタイミングにおいて使用される無線リソースは、必ずしも有効に利用されていないという問題がある。図10に示す例において、61msのサブフレームで割り当てられる無線リソースが、450ビット分あった場合、150ビット分の無線リソースが無駄になってしまうことが懸念される。本変形例は、このような問題に対処する。
【0078】
図11及び図12は、一定の条件を満たした場合に限って、割当周期以外のタイミングでも無線リソースを割り当てる動作を示す。図11は一定の条件を満たしていない場合を示し、図12は一定の条件を満たしている場合を示す。説明の便宜上、一度に割り当て可能なデータ量が450ビットではなく、550ビットであるとする。
【0079】
0msにおいてデータは発生していないが、20ms以降の20ms毎に300ビットの音声データが発生している。このユーザ装置の場合、図6のステップS605において、割当周期が30msに設定され、データ量(トランスポートブロックサイズ)は300ビット及び550ビットのように適宜設定される。
【0080】
20msにおいて300ビットの音声データが発生するが、割当周期の30msに至っていないので、この時点では無線リソースは割り当てられない。
【0081】
30msにおいて、このサブフレームで決定された300ビット分の無線リソースが割り当てられ、データ滞留量は0になる。
【0082】
40msにおいて300ビットの音声データが発生するが、次の割当周期の60msに至っていないので、この時点では無線リソースは割り当てられない。
【0083】
60msにおいて300ビットの音声データが発生していることに加えて、150ビットの非周期データが発生している。このサブフレームで決定された550ビット分の無線リソースが割り当てられ、50ビットの音声データと150ビットの非周期データとが残る。
【0084】
61msにおいて、図10に示す例では無線リソースが無条件に割り当てられていたが、本変形例では、非周期データが発生しかつ一定の条件を満たした場合に限って、割当周期以外の後続のタイミングで無線リソースが割り当てられる。非周期データが発生しても一定の条件を満たしていなかった場合、割当周期以外のタイミングで無線リソースは割り当てられない。一定の条件とは、現在残っているデータ滞留量と、次の割当周期のサブフレームまでの間に発生する音声データのデータ量との合計が、次の割当周期のサブフレームで全ては送信できないことである。すなわち、以下の不等式を満たすことである:
(現在残っているデータ滞留量)+(次の割当周期のサブフレームまでの間に発生する音声データのデータ量)>(次の割当周期のサブフレームで送信可能なデータ量)
目下の例の場合、現在残っているデータ滞留量(200ビット=音声データ50ビット+非周期データ150ビット)と、次の割当周期のサブフレームまでの間に発生する音声データのデータ量(300ビット)との合計(450ビット)が、次の割当周期のサブフレームで全ては送信できる。次の割当周期のサブフレーム90msで550ビット送信できるからである。この場合、割当周期の60ms以外の後続のサブフレーム61ms等において無線リソースは割り当てられない。
【0085】
80msにおいて300ビットの音声データが発生するが、次の割当周期の90msに至っていないので、この時点では無線リソースは割り当てられない。
【0086】
90msにおいて、550ビット分の無線リソースが割り当てられ、データ滞留量は0になる。
【0087】
100msにおいて300ビットの音声データが発生するが、次の割当周期120msではないので、この時点では無線リソースは割り当てられない。
【0088】
120msにおいてさらに300ビットの音声データが発生する。60msの場合と異なり、この場合は音声データしか発生していない。音声データについては、割当周期において通信されるので、上記の一定の条件を満たすか否かによらず、120msのサブフレームにおいて550ビット分の音声データに無線リソースが割り当てられ、121ms等のサブフレームにおいて無線リソースは割り当てられない。その結果、50ビットのデータ滞留量がバッファに残る。
【0089】
図12は、一定の条件を満たした場合に限って、割当周期以外のタイミングでも無線リソースを割り当てる動作を示す。図12は、概して図11と同様であるが、一定の条件を満たしている場合の動作である点が異なる。この例においても、一度に割り当て可能なデータ量が450ビットではなく、550ビットであるとする。
【0090】
0msにおいてデータは発生していないが、20ms以降の20ms毎に300ビットの音声データが発生している。このユーザ装置の場合、図6のステップS605において、割当周期が30msに設定され、データ量(トランスポートブロックサイズ)は300ビット及び550ビットのように適宜設定される。
【0091】
20msにおいて300ビットの音声データが発生するが、割当周期の30msに至っていないので、この時点では無線リソースは割り当てられない。
【0092】
30msにおいて、このサブフレームで決定された300ビット分の無線リソースが割り当てられ、データ滞留量は0になる。
【0093】
40msにおいて300ビットの音声データが発生するが、次の割当周期の60msに至っていないので、この時点では無線リソースは割り当てられない。
【0094】
60msにおいて300ビットの音声データが発生していることに加えて、300ビットの非周期データが発生している。このサブフレームで決定された550ビット分の無線リソースが割り当てられ、50ビットの音声データと300ビットの非周期データとが残る。
【0095】
上述したように本変形例では、61msにおいて、非周期データが発生しかつ一定の条件を満たした場合に限って、割当周期以外の後続のタイミングで無線リソースが割り当てられる。一定の条件とは、以下の不等式を満たすことである:
(現在残っているデータ滞留量)+(次の割当周期のサブフレームまでの間に発生する音声データのデータ量)>(次の割当周期のサブフレームで送信可能なデータ量)
目下の例の場合、現在残っているデータ滞留量(350ビット=音声データ50ビット+非周期データ300ビット)と、次の割当周期のサブフレームまでの間に発生する音声データのデータ量(300ビット)との合計(650ビット)は、次の割当周期のサブフレームで全ては送信できない。次の割当周期のサブフレーム90msで550ビットしか送信できないからである。したがって、割当周期の60ms以外の後続のサブフレーム61ms等において無線リソースが割り当てられる。
【0096】
61msにおいて、残っている350ビットのデータ(50ビットの音声データ及び300ビットの非周期データ)に無線リソースが割り当てられ、データ滞留量は0になる。このように本変形例では、非周期データが発生し、かつ一定の条件を満たしている場合、割当周期と後続のタイミングにおいて無線リソースが割り当てられる。
【0097】
80msにおいて300ビットの音声データが発生するが、次の割当周期の90msに至っていないので、この時点では無線リソースは割り当てられない。
【0098】
90msにおいて、300ビット分の無線リソースが割り当てられ、データ滞留量は0になる。
【0099】
100msにおいて300ビットの音声データが発生するが、次の割当周期120msではないので、この時点では無線リソースは割り当てられない。
【0100】
120msにおいてさらに300ビットの音声データが発生する。60msの場合と異なり、この場合は音声データしか発生していない。音声データについては、割当周期において通信されるので、上記の一定の条件を満たすか否かによらず、120msのサブフレームにおいて550ビット分の音声データに無線リソースが割り当てられ、121msのサブフレームにおいて無線リソースは割り当てられない。その結果、50ビットのデータ滞留量がバッファに残る。
【0101】
このように本変形例では、非周期データが発生しても一定の条件を満たしていなかった場合(図11)、割当周期以外の後続のサブフレームにおいて無線リソースは割り当てられず、非周期データが発生しかつ一定の条件を満たしていた場合(図12)に限って、割当周期以外の後続のサブフレームにおいて無線リソースが割り当てられる。これにより、無線リソースの無駄を削減することができる。
【0102】
図13は本変形例の動作例を示すフローチャートである。このフローは概して図6に示すものと同様であるが、ステップS609及びS131における処理が主に異なる。フローはステップS601から始まり、ステップS603に進む。
【0103】
ステップS603において、基地局は、ベアラが設定されているユーザを指定するパラメータkを1に初期設定する。
【0104】
ステップS605において、基地局は、図5に示されるような所定の対応関係を参照し、k番目のユーザ装置UE#kの受信品質SIRkに対応付けられている割当周期、トランスポートブロックサイズ及びリソースブロック数を選択する。
【0105】
ステップS607において、基地局は、k番目のユーザ装置UE#kの上りデータ滞留量を計算する。上りデータ滞留量は、ユーザ装置から報告されるバッファステータスレポートBSRと、過去に割り当てた無線リソースのサイズに基づいて計算又は更新される。ステップS607において、割当周期以外のタイミングでも無線リソースの割り当てを行うか否かが判定される。この判定は、割当周期のサブフレームにおいて、データ滞留量が、一度に割り当て可能な情報量(目下の例では550ビット)を超えているか否かにより行われる。超えていた場合、割当周期以外のタイミングでも無線リソースの割り当てを行う可能性がある。
【0106】
割当周期以外のタイミングでも無線リソースの割り当てを行う可能性がある場合、ステップS609において、基地局は、現在のサブフレームが、ステップS605において選択された割当周期のサブフレーム又は後続の所定数のサブフレームに該当するか否かを判定する。例えば、選択された割当周期が60msであった場合、現在のサブフレームが、60msのサブフレーム又は61msのサブフレームに該当するか否かを判定する。現在のサブフレームが、割当周期のサブフレーム又は後続のサブフレームに該当していた場合、フローはステップS611に進む。該当していなかった場合、フローはステップS623に進む。
【0107】
ステップS611において、基地局は、k番目のユーザ装置UE#Kにおいて、上りデータが存在するか否かを判定する。具体的には、ステップS607で計算した上りデータ滞留量が正であるか否かが判定される。上りデータが存在していた場合、フローはステップS613に進む。
【0108】
ステップS131において、基地局は、一定の条件を満たすか否かを判定する。一定の条件は以下の不等式を満たすことである:
(現在残っているデータ滞留量)+(次の割当周期のサブフレームまでの間に発生する音声データのデータ量)>(次の割当周期のサブフレームで送信可能なデータ量)
一定の条件を満たしていた場合、フローはステップS613に進み、一定の条件を満たしていなかった場合、フローはステップS617に進む。
【0109】
例えば、図11における60msのサブフレームの場合、750+300>550 となり、上記の不等式を満たすので、フローはステップS613に進み、k番目のユーザ装置UE#kは60msにおいてスケジューリングの対象となる。61msのサブフレームの場合、200+300<550 となり、上記の不等式を満たしていないので、フローはステップS617に進み、k番目のユーザ装置UE#kは61msにおいてスケジューリングの対象から除外される。
【0110】
また、図12における60msのサブフレームの場合、900+300>550 となり、上記の不等式を満たすので、フローはステップS613に進み、k番目のユーザ装置UE#kは60msにおいてスケジューリングの対象となる。61msのサブフレームの場合、350+300>550となり、上記の不等式を満たすので、フローはステップS613に進み、k番目のユーザ装置UE#kは61msにおいもスケジューリングの対象となる。
【0111】
ステップS613において、k番目のユーザ装置UE#kが、無線リソースの割当を受ける候補(スケジューリングの対象)として決定され、スケジューリング係数が計算される。
【0112】
ステップS615において、パラメータkの値がインクリメントされる。
【0113】
ステップS611において、上りデータ滞留量が正でなかった場合、ステップS617において、上りデータ滞留量の値が0に設定される。
【0114】
ステップS619において、上りデータ滞留量が正でなかったユーザ装置は、無線リソースの割当を受ける候補から除外される(スケジューリングの対象外となる)。
【0115】
ステップS621において、パラメータkの値が、ベアラを設定している全ユーザ装置の数K以下であるか否かが判定される。パラメータkの値がK以下であった場合、フローはステップS605に戻り、インクリメントされたk番目のユーザ装置について、説明済みの処理が行われる。パラメータkの値がKより大きくなった場合、フローはステップS623に進む。
【0116】
ステップS623において、基地局は、図7に示すようなフローにしたがって、スケジューリングの対象となったユーザ装置のうち、1つ以上のユーザ装置に無線リソースを割り当てる。以後、フローはステップS625に進み、現在のサブフレームに対する無線リソースの割り当て処理が終了する。その後、フローはステップS601に戻り、次のサブレームについて説明済みの処理が行われる。
【0117】
以上本発明は特定の実施例を参照しながら説明されてきたが、それらは単なる例示に過ぎず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。例えば、本発明は、周期的なデータを通信する適切な如何なる移動通信システムに適用されてもよい。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。発明の理解を促すため具体的な数式を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数式は単なる一例に過ぎず適切な如何なる数式が使用されてもよい。実施例又は項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。説明の便宜上、本発明の実施例に係る装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。ソフトウェアは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD−ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に用意されてもよい。本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が本発明に包含される。
【符号の説明】
【0118】
301 上り信号受信部
303 品質情報取得部
305 トークスパート状態管理部
307 UL/DLバッファ管理部
311 記憶部
313 割当周期選択部
315 スケジューリング部
317 TFR選択部
319 下り信号生成部
321 下り信号送信部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ装置の無線チャネル状態を示す品質情報を取得する品質情報取得部と、
周期的に発生する周期データに無線リソースを割り当てる割当周期の複数の選択肢各々と無線チャネル状態を示す品質情報の値との所定の対応関係から、前記ユーザ装置の品質情報に対応する割当周期を選択する割当周期選択部と、
選択された前記割当周期において前記ユーザ装置に割り当てる無線リソースを決定するスケジューリング部と、
前記スケジューリング部により決定された無線リソースを利用して、前記ユーザ装置の周期データを含むユーザデータを無線通信する無線通信部と
を有する、移動通信システムにおける基地局。
【請求項2】
前記所定の対応関係が、
周期的に発生する周期データに無線リソースを割り当てる割当周期の複数の選択肢各々と、
無線チャネル状態を示す品質情報の値と、
割当周期において割り当てることが可能なトランスポートブロックサイズの値と、
割当周期において割り当てることが可能なリソースブロック数と
の間の対応関係を含む、請求項1記載の基地局。
【請求項3】
前記無線通信部が、前記割当周期に対応するトランスポートブロックサイズ及びリソースブロック数を使用して前記ユーザデータを無線通信する、請求項2記載の基地局。
【請求項4】
選択された前記割当周期のサブフレームにおいて通信を待機しているデータの滞留量が、該サブフレームにおいて通信可能なデータ量より多かった場合、前記スケジューリング部は、該サブフレーム及び該サブフレームに続く1つ以上のサブフレームにおける無線リソースを前記ユーザ装置に割り当てる、請求項1ないし3の何れか1項に記載の基地局。
【請求項5】
前記周期データとは異なる非周期データが発生したことにより、通信を待機しているデータの滞留量と、次の割当周期のサブフレームまでに発生する周期データのデータ量との合計が、次の割当周期のサブフレームで通信可能なデータ量以上であった場合、前記スケジューリング部は、該サブフレーム及び該サブフレームに続く1つ以上のサブフレームにおける無線リソースを前記ユーザ装置に割り当てる、請求項4記載の基地局。
【請求項6】
前記周期データとは異なる非周期データが発生しているが、通信を待機しているデータの滞留量と、次の割当周期のサブフレームまでに発生する周期データのデータ量との合計が、次の割当周期のサブフレームで通信可能な情報量未満であった場合、前記スケジューリング部は、該サブフレームに続く1つ以上のサブフレームにおける無線リソースを前記ユーザ装置に割り当てない、請求項4又は5に記載の基地局。
【請求項7】
前記品質情報が、下りリンクの無線チャネル状態を示すチャネル品質インジケータにより表現されている、請求項1ないし6の何れか1項に記載の基地局。
【請求項8】
前記品質情報が、上りリンクの無線チャネル状態を示す、請求項1ないし6の何れか1項に記載の基地局。
【請求項9】
ユーザ装置の無線チャネル状態を示す品質情報を取得し、
周期的に発生する周期データに無線リソースを割り当てる割当周期の複数の選択肢各々と無線チャネル状態を示す品質情報の値との所定の対応関係から、前記ユーザ装置の品質情報に対応する割当周期を選択し、
選択された前記割当周期において前記ユーザ装置に割り当てる無線リソースを決定し、
決定された無線リソースを利用して、前記ユーザ装置の周期データを含むユーザデータを無線通信するステップ
を有する、移動通信システムにおけるリソース割当方法。
【請求項1】
ユーザ装置の無線チャネル状態を示す品質情報を取得する品質情報取得部と、
周期的に発生する周期データに無線リソースを割り当てる割当周期の複数の選択肢各々と無線チャネル状態を示す品質情報の値との所定の対応関係から、前記ユーザ装置の品質情報に対応する割当周期を選択する割当周期選択部と、
選択された前記割当周期において前記ユーザ装置に割り当てる無線リソースを決定するスケジューリング部と、
前記スケジューリング部により決定された無線リソースを利用して、前記ユーザ装置の周期データを含むユーザデータを無線通信する無線通信部と
を有する、移動通信システムにおける基地局。
【請求項2】
前記所定の対応関係が、
周期的に発生する周期データに無線リソースを割り当てる割当周期の複数の選択肢各々と、
無線チャネル状態を示す品質情報の値と、
割当周期において割り当てることが可能なトランスポートブロックサイズの値と、
割当周期において割り当てることが可能なリソースブロック数と
の間の対応関係を含む、請求項1記載の基地局。
【請求項3】
前記無線通信部が、前記割当周期に対応するトランスポートブロックサイズ及びリソースブロック数を使用して前記ユーザデータを無線通信する、請求項2記載の基地局。
【請求項4】
選択された前記割当周期のサブフレームにおいて通信を待機しているデータの滞留量が、該サブフレームにおいて通信可能なデータ量より多かった場合、前記スケジューリング部は、該サブフレーム及び該サブフレームに続く1つ以上のサブフレームにおける無線リソースを前記ユーザ装置に割り当てる、請求項1ないし3の何れか1項に記載の基地局。
【請求項5】
前記周期データとは異なる非周期データが発生したことにより、通信を待機しているデータの滞留量と、次の割当周期のサブフレームまでに発生する周期データのデータ量との合計が、次の割当周期のサブフレームで通信可能なデータ量以上であった場合、前記スケジューリング部は、該サブフレーム及び該サブフレームに続く1つ以上のサブフレームにおける無線リソースを前記ユーザ装置に割り当てる、請求項4記載の基地局。
【請求項6】
前記周期データとは異なる非周期データが発生しているが、通信を待機しているデータの滞留量と、次の割当周期のサブフレームまでに発生する周期データのデータ量との合計が、次の割当周期のサブフレームで通信可能な情報量未満であった場合、前記スケジューリング部は、該サブフレームに続く1つ以上のサブフレームにおける無線リソースを前記ユーザ装置に割り当てない、請求項4又は5に記載の基地局。
【請求項7】
前記品質情報が、下りリンクの無線チャネル状態を示すチャネル品質インジケータにより表現されている、請求項1ないし6の何れか1項に記載の基地局。
【請求項8】
前記品質情報が、上りリンクの無線チャネル状態を示す、請求項1ないし6の何れか1項に記載の基地局。
【請求項9】
ユーザ装置の無線チャネル状態を示す品質情報を取得し、
周期的に発生する周期データに無線リソースを割り当てる割当周期の複数の選択肢各々と無線チャネル状態を示す品質情報の値との所定の対応関係から、前記ユーザ装置の品質情報に対応する割当周期を選択し、
選択された前記割当周期において前記ユーザ装置に割り当てる無線リソースを決定し、
決定された無線リソースを利用して、前記ユーザ装置の周期データを含むユーザデータを無線通信するステップ
を有する、移動通信システムにおけるリソース割当方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−231263(P2012−231263A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−97572(P2011−97572)
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
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