説明

移動通信システムにおける無線リンク制御レイヤーのデータ送信方法及び装置

移動通信システムにおける無線リンク制御(RLC)レイヤーのデータ送信方法及び装置を開示する。送信バッファに格納されているRLC SDUを廃棄する前に、上記RLC SDUの送信が完了されなかった場合、又は上記RLC SDUに対応するRLC SDU廃棄タイマーが上記満了時点に近づく場合に、ポーリングトリガーにより受信側の受信状態を確認するための状態報告を要請することにより、RLCレイヤーのデータ送信性能を向上させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信システムに関し、特に、無線リンク制御(Radio Link Control:以下、“RLC”と称する。)レイヤーのデータ送信方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
第3世代の非同期移動通信システムであるユニバーサル移動通信サービス(Universal Mobile Telecommunication Service:以下、“UMTS”と称する。)システムは、ヨーロッパ式移動通信システムであるGSM(Global System for Mobile Communications)及びGPRS(General Packet Radio Services)に基づいて広帯域(Wideband)符号分割多元接続(Code Division Multiple Access:以下、“CDMA”と称する。)を使用する第3世代の非同期移動通信システムである。
【0003】
UMTS標準化を担当している第3世代パートナーシッププロジェクト(3rd Generation Partnership Project:以下、“3GPP”と称する。)において、次世代UMTSシステムのロングタームエボリューション(Long Term Evolution:以下、“LTE”と称する。)についての議論が進んでいる。LTEは、2010年ごろに商用化することを目標にしており、100Mbps程度の高速パケット基盤通信を実現するための技術である。このために、様々な方法が論議されている。例えば、ネットワークアーキテクチャーを簡素化することにより、通信経路上のノードの数を減少させる方法や無線プロトコルを無線チャネルにできるだけに近接させる方法などがある。
【0004】
図1は、次世代(Evolved)UMTS移動通信システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0005】
次世代UMTS無線アクセスネットワーク(Evolved Radio Access Networks:以下、“E-UTRANs”又は“E-RANs”と称する。)110及び112は、次世代ノードB(Evolved Node B:以下、“ENBs”又は“Node B”と称する。)120、122、124、126、及び128とアンカーノード130及び132との2ノード構成に簡素化される。ユーザー端末(User Equipment:以下、“UE”と称する。)101は、E-RAN110及び112を介してインターネットプロトコル(Internet Protocol:以下、“IP”と称する。)ネットワーク114にアクセスする。
【0006】
ENB120乃至128は、UMTSシステムの既存のノードBに対応し、無線チャネルを介してUE101に接続する。既存のノードBに比べて、ENB120乃至128は、さらに複雑な機能を行う。LTEシステムでは、IPを使用したVoIP(Voice over IP)のようなリアルタイムサービスだけではなく、全てのユーザートラフィックが共用チャネル(shared channel:SCH)を介して送信されるため、UEの状況情報を収集し、スケジューリング過程を実行することができる装置が必要とされる。ENB120乃至128は、この情報を収集し、スケジューリング過程を担当する。
【0007】
LTEシステムは、高速ダウンリンクパケットアクセス(High Speed Downlink Packet Access:HSDPA)及び拡張されたアップリンク専用チャネル(Enhanced uplink Dedicated Channel:E-DCH)と同様に、ENB120乃至128とUE101との間でハイブリッド自動再送要求(Hybrid Automatic Repeat ReQuest:以下、“HARQ”と称する。)を行う。しかしながら、LTEは、HARQ方式だけでは、様々なサービス品質(Quality of Service:QoS)の要求を満足することができないため、別個のARQ(すなわち、outer-ARQ)は、上位レイヤーで行われることができる。この別個のARQは、UE101とENB120乃至128との間でも行われる。
【0008】
最大100Mbpsの送信速度を実現するために、LTEシステムは、20MHzのシステム帯域幅で直交周波数分割多重化(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:以下、“OFDM”と称する。)方式の無線接続技術を使用するものと予想される。また、LTEシステムは、UEのチャネル状態に適合した変調方式及びチャネル符号化率を設定する適応変調符号化(Adaptive Modulation & Coding:以下、“AMC”と称する。)方式を使用するのであろう。
【0009】
LTEシステムをはじめた多くの次世代移動通信システムは、HARQ方式をエラー訂正方式として使用する。HARQは、以前に受信したデータを廃棄することなく、再送信されたデータと以前に受信したデータをソフトコンバイニングすることにより、受信成功率を増加させるための方式である。より詳細に、HARQ受信側は、受信したデータにエラーが存在するか否かを判定した後に、エラーが存在するか否かに従って肯定認知(positive Acknowledgement:以下、“HARQ ACK”と称する。)信号又は否定認知(negative Acknowledgement:以下、“HARQ NACK”と称する。)信号をHARQ送信側に送信する。HARQ送信側は、HARQ ACK/NACK信号に従って、HARQデータを再送信するか又は新たなHARQデータを送信する。その後に、HARQ受信側は、再送信されたデータを以前に受信したデータとソフトコンバイニングすることにより、エラー発生確率を減少させることができる。
【0010】
図2は、次世代移動通信システムのプロトコルスタックを示す図である。
【0011】
各パケットデータコンバージェンスプロトコル(Packet Data Convergence Protocol:以下、“PDCP”と称する。)レイヤー205及び240は、IPヘッダーの圧縮/復元などの動作を担当する。各RLCレイヤー210及び235は、複数のRLCサービスデータユニット(Service Data Unit:以下、“SDU”と称する。)を適切なサイズを有する複数のRLCプロトコルデータユニット(Protocol Data Unit:以下、“PDU”と称する。)に再構成し、複数のRLC PDUに対してARQ動作などを実行するARQ装置として動作する。上位レイヤーから特定のプロトコルエンティティーに入力されるデータを特定のプロトコルのSDUと呼ぶ。図2に示すように、PDCPレイヤー205及び240は、UE及び上位ノードに位置し、RLCレイヤー210及び235は、UE及びENBに位置する。
【0012】
媒体アクセス制御(Medium Access Control:以下、“MAC”と称する。)レイヤー215及び230は、1つのUEに構成されている複数のRLCエンティティーに接続され、各RLCエンティティーからの複数のRLC PDUをMAC PDUに多重化し、下位レイヤーからのMAC PDUを複数のRLC PDUに逆多重化する動作を実行する。特定のプロトコルエンティティーから出力されたデータを対応するプロトコルのPDUと呼ぶ。
【0013】
各物理レイヤー(PHY)220及び225は、上位レイヤーデータに対してチャネル符号化及び変調動作を実行することによりOFDMシンボルを生成し、OFDMシンボルを、無線チャネルを介して送信する。また、各物理レイヤー220及び225は、OFDMシンボルの復調及びチャネルデコーディングを行った後に、無線チャネルを介して受信したOFDMシンボルを上位レイヤーに送信する。受信データに対してチャネルデコーディングを実行し、このチャネルデコーディングされたデータを前に受信したデータとソフトコンバイニングし、このソフトコンバイニングされたデータに対して巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Checking:以下、“CRC”と称する。)演算を行う動作を含む大部分のHARQ動作は、物理レイヤー220及び225により行われ、MACレイヤー215及び230により制御される。
【0014】
上述したように、RLCレイヤー210及び235は、ARQ過程を介して信頼性あるデータ送受信を保証する。
【0015】
図3は、RLCレイヤーのデータ送受信及び再送信過程の一例を示すブロック図である。
【0016】
送信側RLCレイヤーの送信バッファ305は、複数のRLC SDU310が受信側RLCレイヤーに送信されるまで送信側PDCPレイヤーから提供された複数のRLC SDU310を格納する。フレーミング部315は、複数のRLC SDU310を適切な長さを有する複数のRLC PDU325に再構成し、1ずつ増加する一連番号を各RLC PDUに取り付けた後に、複数のRLC PDU325を受信側RLCレイヤーに送信する。この際に、複数のRLC SDU310は、受信側RLCレイヤーから肯定的認知(ACK)信号を受信するまで再送信バッファ320にバッファリングされる。受信側RLCレイヤーは、受信した複数のRLC PDUを受信バッファ330に格納し、この格納されている複数のRLC PDUの一連番号を検査することにより、送信の間に流失したRLC PDUを検出し、送信側RLCレイヤーにこの流失したRLC PDUの再送信を要請する。受信バッファ330で再整列されたRLC PDUは、再組立て部335を介して複数のRLC SDUに組み立てられた後に、上位レイヤーに送信される。
【0017】
図3に示す例に従うと、RLC PDU[7]乃至RLC PDU[10]が送信側RLCレイヤーから送信されたが、RLC PDU[7]及びRLC PDU[9]だけが受信側RLCレイヤーにより受信され、受信バッファ330に格納されている。受信側RLCレイヤーは、RLC PDU[7]及びRLC PDU[9]は正しく(correctly)受信されたが、RLC PDU[8]が受信されなかったことを知らせるACK及び/又は否定的認知(non-acknowledgement:NACK)情報を含む状態報告340を送信側RLCレイヤーに送信する。その後に、送信側RLCレイヤーは、状態報告340に基づいて、再送信バッファ320に記憶されていたRLC PDU[8]を再送信し、RLC PDU[7]及びRLC PDU[9]を廃棄する。
【0018】
未受信RLC PDUが存在する場合に、状態報告340は、受信側RLCレイヤー自体の判断に基づいて送信されるか、または送信側RLCレイヤーの要請により送信され得る。送信側RLCレイヤーによる状態報告の送信要請を“ポーリング”と呼ぶ。
【0019】
図4は、RLCレイヤーのポーリングトリガー及び状態報告送信過程の一例を示す図である。
【0020】
複数のRLC PDU415を受信側RLCレイヤー410に送信しつつ、受信側RLCレイヤー410のRLC PDU受信状態を確認する必要がある場合に、送信側RLCレイヤー405は、“ポーリングトリガー”417と呼ばれるポーリング過程をトリガーする。このポーリングトリガーは、次に送信するRLC PDU420にポーリングビット“p”を設定することを意味する。また、受信側RLCレイヤー410がこの設定されたポーリングビットを含むRLC PDU420を受信した場合に、受信側RLCレイヤー410は、状態報告の送信をトリガーする(参照符号423を参照)。その後に、受信バッファの受信状態を示すACK/NACK情報を含む状態報告425が構成され、送信側RLCレイヤーに送信される。
【0021】
送信側RLCレイヤーの送信バッファは、上位レイヤーから送信された複数のRLC SDUを格納する。この送信側RLCレイヤーは、この送信バッファの容量超過現象を防止するために廃棄機能を支援する。この廃棄機能は、タイマー動作を使用した方法により実現されてもよく、又は最大送信回数を設定する方法により実現されてもよい。しかしながら、従来技術による複数のRLC SDUの廃棄機能に従うと、受信側RLCレイヤーから肯定的に認知することができなかったRLC PDUが存在するとしても、送信側RLCレイヤーの送信バッファからRLC SDUを廃棄することによりデータ送信に失敗するという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
したがって、本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、送信側RLCレイヤーがRLC SDUを廃棄する前に、必要であれば、送信バッファに格納されているRLC SDUと関連したRLC PDUの再送信過程を実行する方法及び装置を提供することにある。
【0023】
本発明の他の目的は、送信側RLCレイヤーが送信バッファに格納されているRLC SDUを廃棄する前に受信側RLCレイヤーの受信状態を確認する方法及び装置を提供することにある。
【0024】
本発明のさらに他の目的は、送信側RLCレイヤーが送信バッファに格納されているRLC SDUを廃棄する前にRLCポーリングをトリガーする方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記のような目的を達成するために、本発明の実施形態の一態様によれば、移動通信システムにおける無線リンク制御(RLC)レイヤーのデータ送信方法を提供する。上記方法は、上位レイヤーから送信されたサービスデータユニット(SDU)を少なくとも一つのプロトコルデータユニット(PDU)を介して送信するステップと、上記SDUが廃棄される時点より所定の時間だけ前の時点でデータ受信状態に関する状態報告を受信側に要請するステップと、上記状態報告を受信し、上記状態報告に基づいて否定的に認知されたPDUを再送信するステップと、上記SDUの廃棄時点が経過すると、上記SDUを廃棄するステップと、を有することを特徴とする。
【0026】
本発明の実施形態の他の態様によれば、移動通信システムにおける無線リンク制御(RLC)レイヤーのデータ送信装置を提供する。上記装置は、上位レイヤーから送信されたサービスデータユニット(SDU)を上記SDUの送信のために格納するための送信バッファと、上記SDUが廃棄される時点より所定の時間だけ前の時点でデータ受信状態に関する状態報告を受信側に要請し、上記状態報告に基づいて否定的に認知されたプロトコルデータユニット(PDU)の再送信を決定し、上記SDUの廃棄時点が経過すると、上記SDUを上記送信バッファから廃棄する制御部と、上記SDUを上記受信側に送信するために、上記送信バッファから送信された上記SDUを少なくとも1つのPDUにフレーミングするフレーミング部と、を有することを特徴とする。
【0027】
本発明の実施形態のさらに他の態様によれば、移動通信システムにおける無線リンク制御(RLC)レイヤーのデータ送信方法を提供する。上記方法は、上位レイヤーから送信されたサービスデータユニット(SDU)を上記SDUの送信のために格納し、タイマーを始動するステップと、上記SDUを少なくとも1つのプロトコルデータユニット(PDU)を介して送信するステップと、次に送信するPDUがスケジューリングされると、上記タイマーが上記タイマーの満了時点に所定のしきい値だけ近づいたか否かを判定するステップと、上記タイマーが上記満了時点に近づいた場合には、データ受信状態に関する状態報告を送信することを受信側に要請するステップと、上記タイマーが満了した場合には、上記SDUを廃棄するステップと、を有することを特徴とする。
【0028】
本発明の実施形態のさらなる他の態様によれば、移動通信システムにおける無線リンク制御(RLC)レイヤーのデータ送信装置を提供する。上記装置は、上位レイヤーから送信されたサービスデータユニット(SDU)を上記SDUの送信のために格納するための送信バッファと、上記SDUが格納される際にタイマーを始動し、次に送信するプロトコルデータユニット(PDU)がスケジューリングされると、上記タイマーが上記タイマーの満了時点に所定のしきい値だけ近づいたか否かを判定し、上記タイマーが上記満了時点に近づいた場合には、データ受信状態に関する状態報告を送信することを受信側に要請し、上記タイマーが満了した場合には、上記SDUを上記送信バッファから廃棄する制御部と、上記SDUを上記受信側に送信するために、上記送信バッファから送信された上記SDUを少なくとも1つのPDUにフレーミングするフレーミング部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、送信側RLCレイヤーが送信バッファからのRLC SDUを廃棄する前にポーリングトリガーを実行することにより受信側RLCレイヤーの受信状態を確認する。RLC SDUに含まれているRLC PDUの送信が完了されなかった場合に、受信側RLCレイヤーは、未受信RLC PDUに対する再送信過程を実行する。したがって、本発明による装置及び方法は、RLC SDUの廃棄によるデータ送信の失敗を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】次世代移動通信システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図2】次世代移動通信システムのプロトコルスタックを示す図である。
【図3】RLCレイヤーのデータ送受信及び再送信過程の一例を示す図である。
【図4】RLCレイヤーのポーリングトリガー及び状態報告送信過程の一例を示す図である。
【図5】RLC SDUを廃棄する既存の動作を示すブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施形態による全動作を示すブロック図である。
【図7】本発明の第1の実施形態による送信側RLCレイヤーの動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施形態による全動作を示すブロック図である。
【図9】本発明の第2の実施形態による送信側RLCレイヤーの動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の好ましい実施形態による送信側RLCレイヤーの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の好適な一実施形態を、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。下記の説明において、本発明の要旨のみを明瞭にする目的で、関連した公知の機能または構成に関する具体的な説明は省略する。そして、後述する用語は、本発明での機能を考慮して定義された用語であり、これは、ユーザー及び運用者の意図又は慣例に従って変わっても良い。従って、これらの定義は、本発明の全体の内容に基づいて定義されなければならない。
【0032】
本発明の主な要旨は、送信装置がバッファリングされているデータを廃棄する前にこのデータの肯定的認知(ACK)信号を予め受信していなかった場合に、ポーリングトリガーを実行し、受信装置の受信状態を確認することにより、データ送信性能を高めることにある。
【0033】
以下、本発明は、UMTSシステムから進化したロングタームエボルーション(Long Term Evolution:LTE)システムの無線リンク制御(RLC)レイヤーについて説明するが、自動再送要求(ARQ)動作が適用されるすべての移動通信システムに何の修正なしにも適用可能である。
【0034】
本発明は、受信側RLCレイヤーから肯定的に認知することができなかったRLC PDUが存在するとしても、送信側RLCレイヤーでRLC SDUを廃棄することによりデータ送信に失敗する問題点を解決しようとする。図5を参照して本発明が解決しようとする問題点についてさらに詳細に説明する。
【0035】
図5は、RLC SDUを廃棄する動作を示すブロック図である。
【0036】
RLC SDU505が上位レイヤーから送信側RLCレイヤー530に送信された場合に、RLC SDU505は、送信バッファ510に格納される。タイマー動作を使用するRLC SDU廃棄機能を支援する場合に、送信側RLCレイヤー530は、ステップ515で、RLC SDU505を送信バッファ510に格納する時点でRLC SDU廃棄タイマーを始動する。RLC SDU廃棄タイマーは、RLC SDU505が受信側RLCレイヤー535に完全に到達したと判定されるまで動作する。RLC SDU505は、4個のRLC PDU[x]乃至[x+3]に再構成された後に、受信側RLCレイヤー535に送信され、送信側RLCレイヤー530と受信側RLCレイヤー535との間に複数のRLC PDUに対する送信及び/又は再送信動作が実行される。
【0037】
ステップ520で、この廃棄タイマーが満了した際に、送信側RLCレイヤー530は、ステップ525で、送信バッファ510のRLC SDU505を廃棄し、再送信バッファからRLC SDU505と関連した複数のRLC PDUを同時に廃棄する。しかしながら、この際に、ステップ520で、送信側RLCレイヤー530がこの廃棄タイマーの満了時点までRLC SDU505と関連した、肯定的に認知することができなかったRLC PDU[x+2]を受信せず、この後に受信側RLCレイヤー535からRLC PDU[x+2]の再送信を要請する状態報告540を受信する場合に、送信側RLCレイヤー530は、RLC PDU[x+2]を再送信できず(RLC PDU[x+2]がすでに廃棄されたため)、これにより、RLC SDU505の送信が失敗する。
【0038】
このような問題点は、この送信側がRLC SDU廃棄タイマーだけが満了した場合に、データ受信状態を確認せず条件なしに複数のRLC SDUを廃棄するために発生する。したがって、本発明によれば、送信側RLCレイヤーは、RLC SDUを廃棄する前に、受信側RLCレイヤーの受信状態を確認し、未受信データが存在する場合に再送信動作を実行することにより、RLC SDUの廃棄によるデータ送信失敗を防止する。具体的には、送信側RLCレイヤーは、RLC SDUが廃棄される時点より所定の時間だけ前の時点で、受信側RLCレイヤーがその受信状態を報告することを要請するためのポーリングトリガーを実行する。この所定の時間の開始を確認するために、タイマー又は時間しきい値が使用され得る。以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0039】
図6は、本発明の第1の実施形態の動作を示すブロック図である。
【0040】
RLC SDU605を上位レイヤーから受信する場合に、送信側RLCレイヤー635は、ステップ610で、RLC SDU検査タイマーを始動し、RLC SDU605を送信バッファに格納する。RLC SDU605は、4個のRLC PDU[x]乃至[x+3]に再構成された後に、受信側RLCレイヤー640に送信されるが、ステップ615で、受信側RLCレイヤー640がRLC PDU[x+2]を正常に受信し、これを受信バッファ645に格納しない状態でRLC SDU検査タイマーが満了する。
【0041】
RLC SDU検査タイマーが満了した場合に、送信側RLCレイヤー635は、ステップ620で、RLC SDU廃棄タイマーを始動し、受信側RLCレイヤー640の受信状態を確認するためにポーリングトリガー650を実行する。650で示すようにポーリングトリガーを実行することにより、ポーリングビット“p”は、次に送信するRLC PDU655に設定される。
【0042】
このポーリングビットが送信側RLCレイヤー635から設定されたRLC PDU655を受信する場合に、受信側RLCレイヤー640は、受信バッファ645の状態情報を示す状態報告660を送信側RLCレイヤー635に送信する。状態報告660は、RLC PDU[x+2]が正常に受信されなかったことを示すNACK[x+2]信号を含む。
【0043】
受信側RLCレイヤー640の状態報告660を介して、送信側RLCレイヤー635は、665で示すようにRLC PDU[x+2]が受信されなかったことを認識し、RLC PDU[x+2]を受信側RLCレイヤー640に再送信する。この後に、ステップ625で、RLC SDU廃棄タイマーが満了した場合に、送信側RLCレイヤー635は、ステップ630で、RLC SDU605を送信バッファから廃棄する。上述したように、RLC SDU605が廃棄される時点よりRLC SDU廃棄タイマーの時間だけ前の時点でポーリングトリガーを実行する。
【0044】
図7は、本発明の第1の実施形態による送信側RLCレイヤーの動作を示すフローチャートである。
【0045】
ステップ705で、RLC SDUを上位レイヤーから受信する場合に、ステップ710で、送信側RLCレイヤーは、RLC SDUと関連したRLC SDU検査タイマーを始動する。この際に、このRLC SDU検査タイマーは、RLC SDUに対して固有に存在する。ステップ710と並行して、送信側RLCレイヤーは、ステップ755で、RLC SDUを複数のRLC PDUに再構成し、ARQ動作に従ってこの複数のRLC PDUの受信側RLCレイヤーへの送信及び/又は再送信を行う。
【0046】
ステップ715で、RLC SDUに対するRLC SDU検査タイマーが満了した場合に、ステップ717で、送信側RLCレイヤーは、受信側RLCレイヤーから肯定的に認知することができなかったRLC SDUと関連した1つ又はそれ以上のRLC PDUが存在するか否かを判定する。肯定的に認知することができなかったRLC PDUが存在する場合に、ステップ720で、送信側RLCレイヤーがポーリングトリガーを実行することにより、ポーリングビットが次に送信するRLC PDUに設定される。
【0047】
このポーリングビットが設定されたRLC PDUを送信した後に、ステップ725で、送信側RLCレイヤーは、受信側RLCレイヤーの受信バッファの状態情報を含む状態報告を受信する。その後に、送信側RLCレイヤーは、ステップ730で、この状態報告を参照して再送信されるべきRLC PDUが存在するか否かを判定し、ステップ735で、この判定の結果に従って対応するRLC PDUを再送信する。
【0048】
一方、肯定的に認知することができなかったRLC PDUが存在する場合に、送信側RLCレイヤーは、ステップ740で、ステップ720と並行してRLC SDUに対してRLC SDU廃棄タイマーを始動する。このRLC SDU廃棄タイマーは、この肯定的に認知することができなかったRLC PDUの送信状態を確認する時点から予想される再送信動作を完了するまでRLC SDUをバッファリングするために動作する。この際に、RLC SDU廃棄タイマーは、各RLC SDUに対して1つずつ存在する。
【0049】
ステップ717で、このRLC SDUと関連したすべてのRLC PDUが受信側RLCレイヤーで肯定的に認知されたと判定されるか、ステップ730で、再送信が必要なRLC PDUが存在しないと判定されるか、又はステップ745で、RLC SDU廃棄タイマーが満了したと判定される場合に、このRLC SDUは、ステップ750で、この送信バッファから廃棄される。
【0050】
図8は、本発明の第2の実施形態の動作を示すブロック図である。
【0051】
RLC SDU805を上位レイヤーから受信する場合に、送信側RLCレイヤー835は、ステップ810で、所定の初期値を有するように設定されたRLC SDU廃棄タイマーを始動し、RLC SDU805を送信バッファに格納する。RLC SDU805は、4つのRLC PDU[x]乃至[x+3]に再構成された後に、受信側RLCレイヤー840に送信されるが、送信側RLCレイヤー835は、受信側RLCレイヤー840がRLC SDU805と関連したRLC PDU[x+2]を正常に受信せず受信バッファ845に格納しない状態で、次のRLC PDU855を送信する準備をする。例えば、RLC PDU855は、RLC SDU805の次にくるRLC SDUを構成する複数のRLC PDUの中の1つであってもよい。
【0052】
この際に、送信側RLCレイヤー835は、RLC PDU855を受信側RLCレイヤー840に送信する前に、RLC PDU855を送信する時点“T_TxNextPDU”をRLC SDU廃棄タイマーの満了時点“T_expired”と比較して満了時点“T_expired”に近づくか否かを判定する。この満了時点“T_expired”は、RLC SDU廃棄タイマーの現在値と所定の初期値との差から得られることができ、時点“T_TxNextPDU”は、RLC PDU855が送信されるようにスケジューリングされる時点から得られることができる。RLC SDU廃棄タイマーが“T_expired”に近づくと判定される場合、すなわち、時点“T_expired”と時点“T_TxNextPDU”との差がポーリングトリガーのために所定のしきい値である“Th_polling”820未満である場合に、送信側RLCレイヤー835は、850で示すように、受信側RLCレイヤー840の受信状態を確認するためにポーリングトリガーを実行する。このポーリングトリガーを実行することにより、ポーリングビット“p”は、次に送信するRLC PDU855に設定される。
【0053】
このポーリングビットが送信側RLCレイヤー835から設定されたRLC PDU855を受信する場合に、受信側RLCレイヤー840は、受信バッファ845の状態情報を含む状態報告860を送信側RLCレイヤー835に送信する。状態報告860は、RLC PDU[x+2]が正常に受信されなかったことを示すNACK[x+2]信号を含む。
【0054】
受信側RLCレイヤー840の状態報告860を介して、送信側RLCレイヤー835は、RLC PDU[x+2]が受信されなかったことを認識し、865で示すようにRLC PDU[x+2]を受信側RLCレイヤー840に再送信する。この後に、ステップ825で、このRLC SDU廃棄タイマーが満了した場合に、送信側RLCレイヤー835は、ステップ830で、RLC SDU805を送信バッファから廃棄する。上述したように、しきい値“Th_polling”は、RLC SDU805が廃棄される時点に近づくか否かを判定するために使用される。
【0055】
図9は、本発明の第2の実施形態による送信側RLCレイヤーの動作を示すフローチャートである。
【0056】
ステップ905で、RLC SDUを上位レイヤーから受信すると、送信側RLCレイヤーは、ステップ910で、このRLC SDUと関連したRLC SDU廃棄タイマーを始動する。このRLC SDU廃棄タイマーが始動する際に、このRLC SDU廃棄タイマーの正常の満了時点を示すT_expiredが計算されることができる。このRLC SDU廃棄タイマーは、このRLC SDUに対して固有に存在する。ステップ915で、このRLC SDU廃棄タイマーが満了した場合に、このRLC SDUは、ステップ920でこの送信バッファから廃棄される。
【0057】
ステップ910と並行して、送信側RLCレイヤーは、ステップ930で、RLC SDUを複数のRLC PDUに再構成し、ARQ動作に従ってこの複数のRLC PDUの受信側RLCレイヤーへの送信及び/又は再転送を行う。ステップ935で、次に送信するRLC PDUがスケジューリングされた場合、すなわち、次のRLC PDUを送信する時点“T_TxNextPDU”が決定された場合に、送信側RLCレイヤーは、ステップ940で、このRLC SDUと関連したRLC SDU廃棄タイマーが満了する時点“T_expired”に近づくか否かを判定する。具体的には、送信側RLCレイヤーは、T_expiredと次のRLC PDUを送信する時点“T_TxNextPDU”との差を所定のしきい値“Th_polling”と比較する。この差がしきい値“Th_polling”より小さくない場合に、時点T_expiredに近づかないことを意味する。この際に、送信側RLCレイヤーは、ステップ925で、次のRLC PDUにポーリングビットを設定せず送信する。
【0058】
一方、この差がしきい値“Th_polling”より小さい場合に、送信側RLCレイヤーは、T_expiredに近づくものと判定し、ステップ945で、ポーリングトリガーを実行する。このポーリングトリガーを実行することにより、ポーリングビットは、この次のRLC PDUに設定される。本発明の他の実施形態によれば、このポーリングビットの代わりに、状態報告が必要であることを示す個別の指示子は、この次のRLC PDUとともに送信される。
【0059】
このポーリングビットが設定されたRLC PDUを送信した後に、送信側RLCレイヤーは、ステップ950で、受信側RLCレイヤーの受信バッファに関する状態情報を含む状態報告を受信する。その後に、送信側RLCレイヤーは、ステップ955で、この状態報告を参照して再送信が必要なRLC PDUが存在するか否かを判定し、ステップ960で、この判定の結果に従って対応するRLC PDUを再送信する。他方、ステップ955で、再送信が必要なRLC PDUが存在しないと判定される場合に、送信側RLCレイヤーは、ステップ920で、このRLC SDUを送信バッファから廃棄する。
【0060】
図10は、本発明の好ましい実施形態による送信側RLCレイヤーの構成を示すブロック図である。送信側RLCエンティティー1040は、制御部1005と、送信バッファ1010と、フレーミング部1015と、再送信バッファ1020とを含む。
【0061】
送信側RLCエンティティー1040は、MACレイヤーとして動作する多重化部1025に接続され、多重化部1025は、複数の送信側RLCエンティティーから送信された複数のARQパケット(すなわち、RLC PDUs)を1つのHARQパケットに多重化する。HARQプロセッサー1030は、所定のHARQ動作を介してHARQパケットの送信を制御する。送受信部1035は、HARQプロセッサー1030から送信されたHARQパケットを無線信号に変換し、この無線信号を送信する。また、送受信部1035は、無線信号を復調することにより得られたHARQパケットをHARQプロセッサー1030に送信する。
【0062】
上位レイヤーから発生したパケット(すなわち、RLC SDU)は、送信バッファ1010に格納されている。このRLC SDUは、このRLC SDUが適切なサイズを有するようにフレーミングし、一連番号を含む必要とされるヘッダー情報をこのフレーミングされたRLC SDUに挿入することにより、フレーミング部1015内のARQパケット(RLC PDU)に再構成された後に、多重化部1025に送信される。この際に、このARQパケット(RLC PDU)のデュープリケート(duplicate)は、再送信バッファ1020に格納される。
【0063】
制御部1005は、HARQプロセッサー1030からローカルNACK信号を受信し、ARQ ACK/NACK信号を対応する受信側RLCエンティティーから受信し、ARQパケットの送信及び/又は再送信を制御する。
【0064】
本発明の第1の実施形態によれば、RLC SDUが上位レイヤーから発生され、送信バッファ1010に格納されている場合に、制御部1005は、RLC SDU検査タイマーを始動し、このARQ動作に従ってこのRLC SDUに対する送受信手順を実行する。このRLC SDU検査タイマーの満了時点まで受信側RLCエンティティーから肯定的に認知することができなかったこのRLC SDUと関連したRLC PDUが再送信バッファ1020に存在する場合に、制御部1005は、このRLC SDUに対するRLC SDU廃棄タイマーを始動し、受信側RLCエンティティーのデータ受信状態を確認するためにポーリングトリガーを実行する。
【0065】
本発明の第2の実施形態によれば、次に送信するRLC PDUがスケジューリングされる場合に、制御部1005は、満了時点に近づくRLC SDU廃棄タイマーが存在するか否かを判定する。このRLC SDU廃棄タイマーがこの満了時点に近づく場合に、制御部1005は、受信側RLCエンティティーの受信状態を確認するためにポーリングトリガーを実行する。
【0066】
制御部1005は、このポーリングトリガーにより受信側RLCエンティティーから受信した状態報告に基づいて、ARQ NACK信号を受信した場合には、対応するRLC PDUを再送信し、ARQ ACK信号を受信した場合には、対応するRLC SDUを廃棄する。
【0067】
本発明の好ましい実施形態による受信側の動作に関する具体的な説明が省略されているが、本発明による再送信過程を図3に示したデータ送信/受信及び/又は再送信過程に適用することにより、この受信側装置の具体的な構成を容易に類推可能である。
【0068】
以上、本発明を具体的な実施形態を参照して詳細に説明してきたが、本発明の範囲及び趣旨を逸脱することなく様々な変更が可能であるということは、当業者には明らかであり、本発明の範囲は、上述の実施形態に限定されるべきではなく、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものの範囲内で定められるべきである。
【符号の説明】
【0069】
1005 制御部
1010 送信バッファ
1015 フレーミング部
1020 再送信バッファ
1025 多重化部
1030 HARQプロセッサー
1035 送受信部
1040 送信側RLCエンティティー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動通信システムにおける無線リンク制御(RLC)レイヤーのデータ送信方法であって、
上位レイヤーから送信されたサービスデータユニット(SDU)を少なくとも一つのプロトコルデータユニット(PDU)を介して送信するステップと、
前記SDUが廃棄される時点より所定の時間だけ前の時点でデータ受信状態に関する状態報告を受信側に要請するステップと、
前記状態報告を受信し、前記状態報告に基づいて否定的に認知されたPDUを再送信するステップと、
前記SDUの廃棄時点が経過すると、前記SDUを廃棄するステップと、を有することを特徴とするデータ送信方法。
【請求項2】
前記状態報告を要請するステップは、前記状態報告を要請するためのポーリングビットが次にスケジューリングされたPDUに設定され、この次にスケジューリングされたPDUが送信されることを特徴とする請求項1に記載のデータ送信方法。
【請求項3】
前記状態報告を要請するステップは、前記状態報告を要請するための指示子は、前記受信側に送信されることを特徴とする請求項1に記載のデータ送信方法。
【請求項4】
前記状態報告を要請するステップは、
前記SDUが送信されると、第1のタイマーを始動するステップと、
前記第1のタイマーが満了するまで、前記SDUと関連したすべてのPDUを肯定的に認知することができなかった場合に前記状態報告を要請し、第2のタイマーを始動するステップと、
前記第2のタイマーの満了の際に前記SDUを廃棄するステップと、
前記第1のタイマーが満了するまで前記SDUと関連したすべてのPDUを肯定的に認知することができなかった場合に前記SDUを廃棄するステップと、
を有することを特徴とする請求項1に記載のデータ送信方法。
【請求項5】
前記状態報告を要請するステップは、
前記SDUが送信されると、タイマーを始動するステップと、
次に送信するPDUがスケジューリングされると、前記タイマーが前記タイマーの満了時点に所定のしきい値だけ近づいたか否かを判定するステップと、
前記タイマーが前記満了時点に近づいた場合には、前記状態報告を要請するステップと、
前記タイマーが満了した場合には、前記SDUを廃棄するステップと、を有することを特徴とする請求項1に記載のデータ送信方法。
【請求項6】
前記判定するステップは、前記次に送信するPDUの送信時点と前記タイマーの満了時点との差が前記しきい値より小さい場合に、前記タイマーが前記満了時点に近づくものと判定することを特徴とする請求項5に記載のデータ送信方法。
【請求項7】
前記送信するステップは、前記SDUを少なくとも1つのPDUにフレーミングし、自動再送要求(ARQ)動作に従って各PDUを前記受信側に送信することを特徴とする請求項1に記載のデータ送信方法。
【請求項8】
移動通信システムにおける無線リンク制御(RLC)レイヤーのデータ送信装置であって、
上位レイヤーから送信されたサービスデータユニット(SDU)を前記SDUの送信のために格納するための送信バッファと、
前記SDUが廃棄される時点より所定の時間だけ前の時点でデータ受信状態に関する状態報告を受信側に要請し、前記状態報告に基づいて否定的に認知されたプロトコルデータユニット(PDU)の再送信を決定し、前記SDUの廃棄時点が経過すると、前記SDUを前記送信バッファから廃棄する制御部と、
前記SDUを前記受信側に送信するために、前記送信バッファから送信された前記SDUを少なくとも1つのPDUにフレーミングするフレーミング部と、
を有することを特徴とするデータ送信装置。
【請求項9】
前記制御部は、次にスケジューリングされるPDUに前記状態報告を要請するためのポーリングビットを設定することを特徴とする請求項8に記載のデータ送信装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記受信側に前記状態報告を要請するための指示子を設定して送信することを特徴とする請求項8に記載のデータ送信装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記SDUが送信されると第1のタイマーを始動し、前記第1のタイマーが満了するまで前記SDUと関連したすべてのPDUが肯定的に認知されなかった場合に、前記状態報告を要請し、第2のタイマーを始動し、前記第2のタイマーが満了する際に前記SDUを廃棄し、前記第1のタイマーが満了するまで前記SDUと関連したすべてのPDUが肯定的に認知された場合に、前記SDUを廃棄することを特徴とする請求項8に記載のデータ送信装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記SDUが送信されると、タイマーを始動し、次に送信するPDUがスケジューリングされると、前記タイマーが前記タイマーの満了時点に所定のしきい値だけ近づいたか否かを判定し、前記タイマーが前記満了時点に近づいた場合には前記状態報告を要請し、前記タイマーが満了した場合には前記SDUを廃棄することを特徴とする請求項8に記載のデータ送信装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記次に送信するPDUの送信時点と前記タイマーの満了時点との差が前記しきい値より小さい場合に、前記タイマーが前記満了時点に近づくものと判定することを特徴とする請求項12に記載のデータ送信装置。
【請求項14】
移動通信システムにおける無線リンク制御(RLC)レイヤーのデータ送信方法であって、
上位レイヤーから送信されたサービスデータユニット(SDU)を前記SDUの送信のために格納し、タイマーを始動するステップと、
前記SDUを少なくとも1つのプロトコルデータユニット(PDU)を介して送信するステップと、
次に送信するPDUがスケジューリングされると、前記タイマーが前記タイマーの満了時点に所定のしきい値だけ近づいたか否かを判定するステップと、
前記タイマーが前記満了時点に近づいた場合には、データ受信状態に関する状態報告を送信することを受信側に要請するステップと、
前記タイマーが満了した場合には、前記SDUを廃棄するステップと、
を有することを特徴とするデータ送信方法。
【請求項15】
前記状態報告を要請するステップは、前記状態報告を要請するためのポーリングビットを前記次に送信するPDUに設定して送信することを特徴とする請求項14に記載のデータ送信方法。
【請求項16】
前記状態報告を要請するステップは、前記状態報告を要請するための指示子を前記受信側に送信することを特徴とする請求項14に記載のデータ送信方法。
【請求項17】
前記判定するステップは、前記次に送信するPDUの送信時点と前記タイマーの満了時点との差が前記しきい値より小さい場合に、前記タイマーが前記満了時点に近づくものと判定することを特徴とする請求項14に記載のデータ送信方法。
【請求項18】
前記SDUを少なくとも1つのPDUにフレーミングし、自動再送要求(ARQ)動作に従って各PDUを前記受信側に送信するステップをさらに含むことを特徴とする請求項14に記載のデータ送信方法。
【請求項19】
移動通信システムにおける無線リンク制御(RLC)レイヤーのデータ送信装置であって、
上位レイヤーから送信されたサービスデータユニット(SDU)を前記SDUの送信のために格納するための送信バッファと、
前記SDUが格納される際にタイマーを始動し、次に送信するプロトコルデータユニット(PDU)がスケジューリングされると、前記タイマーが前記タイマーの満了時点に所定のしきい値だけ近づいたか否かを判定し、前記タイマーが前記満了時点に近づいた場合には、データ受信状態に関する状態報告を送信することを受信側に要請し、前記タイマーが満了した場合には、前記SDUを前記送信バッファから廃棄する制御部と、
前記SDUを前記受信側に送信するために、前記送信バッファから送信された前記SDUを少なくとも1つのPDUにフレーミングするフレーミング部と、
を有することを特徴とするデータ送信装置。
【請求項20】
前記制御部は、前記次に送信するPDUに前記状態報告を要請するためのポーリングビットを設定することを特徴とする請求項19に記載のデータ送信装置。
【請求項21】
前記制御部は、前記受信側に前記状態報告を要請するための指示子を設定して送信することを特徴とする請求項19に記載のデータ送信装置。
【請求項22】
前記制御部は、前記次に送信するPDUの送信時点と前記タイマーの満了時点との差が前記しきい値より小さい場合に、前記タイマーが前記満了時点に近づくものと判定することを特徴とする請求項19に記載のデータ送信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2010−511318(P2010−511318A)
【公表日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−538345(P2009−538345)
【出願日】平成19年11月27日(2007.11.27)
【国際出願番号】PCT/KR2007/006027
【国際公開番号】WO2008/066309
【国際公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(503447036)サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド (2,221)
【Fターム(参考)】