説明

移動通信方法及び移動局

【課題】ユーザが「Logged MDT」に対する承諾を途中で止める場合、かかるユーザが所有する移動局UEによって行われている「Logged MDT」をすぐに停止する。
【解決手段】本発明に係る移動通信方法は、「Connected状態」の移動局UEが、「Idle状態」に遷移した後、かかる「Measurement Configuration」に応じて、上述の所定無線品質を測定して記憶しておく工程と、「Idle状態」の移動局UEが、MDTの実施に対する承諾が取り消された場合、記憶している所定無線品質の測定結果及び「Measurement Configuration」を削除し、かかる所定無線品質の測定を中止する工程とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信方法及び移動局に関する。
【背景技術】
【0002】
LTE(Long Term Evolution)方式では、移動局UEから、実環境における所定無線品質の測定結果を収集することによって、走行試験(Drive Test)による手間やコストを削減する「MDT(Minimisation of Drive Tests、測定走行試験)」という手法が規定されている。
【0003】
かかるMDTのうち、「Logged MDT」では、移動局UEは、「Idle状態」において、「Connected状態」の際に受信した「Logged MDT Configuration」に応じて、所定無線品質を測定して記憶しておき、「Connected状態」に遷移する際に、ネットワークに対して、かかる所定無線品質の測定結果を報告するように構成されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】3GPP 37.320
【非特許文献1】3GPP 36.331
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、かかる「Logged MDT」は、移動局UEにとってサービスではないため、移動局UEに対して、「Logged MDT」を実施させるためには、かかる移動局を所有するユーザの承諾が必要である。
【0006】
現状では、ネットワークが、かかるユーザによる承諾状況を管理しており、かかる承諾状況に応じて、移動局UEに対して「Logged MDT」を実施させるか否かについて制御するように構成されている。
【0007】
しかしながら、従来の移動通信システムでは、ユーザが「Logged MDT」に対する承諾を途中で止める場合、かかるユーザが所有する移動局UEによって行われている「Logged MDT」をすぐに停止することができないという問題点があった。
【0008】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、ユーザが「Logged MDT」に対する承諾を途中で止める場合、かかるユーザが所有する移動局UEによって行われている「Logged MDT」をすぐに停止することができる移動通信方法及び移動局を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の特徴は、移動通信方法であって、ネットワークが、測定走行試験の実施に対する承諾がなされている接続状態の移動局に対して、所定無線品質を測定するように指示する測定構成情報を送信する工程Aと、前記接続状態の移動局が、アイドル状態に遷移した後、前記測定構成情報に応じて、前記所定無線品質を測定して記憶しておく工程Bと、前記アイドル状態の移動局が、前記測定走行試験の実施に対する承諾が取り消された場合、記憶している前記所定無線品質の測定結果及び前記測定構成情報を削除し、該所定無線品質の測定を中止する工程Cとを有することを要旨とする。
【0010】
本発明の第2の特徴は、移動通信方法であって、ネットワークが、測定走行試験の実施に対する承諾が成されている接続状態の移動局に対して、所定無線品質を測定するように指示する測定構成情報を送信する工程Aと、前記接続状態の移動局が、アイドル状態に遷移した後、前記測定構成情報に応じて、前記所定無線品質を測定して記憶しておく工程Bと、前記アイドル状態の移動局が、前記測定走行試験の実施に対する承諾が取り消された後、接続状態に遷移する際に、前記ネットワークに対して、前記所定無線品質の測定結果を記憶していることを通知しない工程Cとを有することを要旨とする。
【0011】
本発明の第3の特徴は、移動通信方法であって、ネットワークが、測定走行試験の実施に対する承諾がなされている接続状態の移動局に対して、所定無線品質を測定するように指示する測定構成情報を送信する工程Aと、前記接続状態の移動局が、アイドル状態に遷移した後、前記測定構成情報に応じて、前記所定無線品質を測定して記憶しておく工程Bと、前記アイドル状態の移動局が、前記測定走行試験の実施に対する承諾が取り消された後、接続状態に遷移する際に、前記ネットワークに対して、前記所定無線品質の測定結果を記憶していることを通知した後、該所定無線品質の測定結果を通知しない工程Cとを有することを要旨とする。
【0012】
本発明の第4の特徴は、移動局であって、測定走行試験の実施に対する承諾がなされているか否かについて管理するように構成されている承諾管理部と、前記移動局が、接続状態である場合で、前記測定走行試験の実施に対する承諾がなされている場合で、かつ、ネットワークから所定無線品質を測定するように指示する測定構成情報を受信した場合、アイドル状態に遷移した後、該測定構成情報に応じて、該所定無線品質を測定して記憶しておくように構成されている測定走行試験機能部とを具備しており、前記移動局が、アイドル状態である場合で、かつ、前記測定走行試験の実施に対する承諾が取り消された場合、前記測定走行試験機能部は、記憶している前記所定無線品質の測定結果及び前記測定構成情報を削除し、該所定無線品質の測定を中止するように構成されていることを要旨とする。
【0013】
本発明の第5の特徴は、移動局であって、測定走行試験の実施に対する承諾がなされているか否かについて管理するように構成されている承諾管理部と、前記移動局が、接続状態である場合で、前記測定走行試験の実施に対する承諾がなされている場合で、かつ、ネットワークから所定無線品質を測定するように指示する測定構成情報を受信した場合、アイドル状態に遷移した後、該測定構成情報に応じて、該所定無線品質を測定して記憶しておくように構成されている測定走行試験機能部とを具備しており、前記移動局が、前記測定走行試験の実施に対する承諾が取り消された後、アイドル状態から接続状態に遷移する場合に、前記測定走行試験機能部は、前記ネットワークに対して、前記所定無線品質の測定結果を記憶していることを通知しないように構成されていることを要旨とする。
【0014】
本発明の第6の特徴は、移動局であって、測定走行試験の実施に対する承諾がなされているか否かについて管理するように構成されている承諾管理部と、前記移動局が、接続状態である場合で、前記測定走行試験の実施に対する承諾がなされている場合で、かつ、ネットワークから所定無線品質を測定するように指示する測定構成情報を受信した場合、アイドル状態に遷移した後、該測定構成情報に応じて、該所定無線品質を測定して記憶しておくように構成されている測定走行試験機能部とを具備しており、前記移動局が、前記測定走行試験の実施に対する承諾が取り消された後、アイドル状態から接続状態に遷移する場合に、前記測定走行試験機能部は、前記ネットワークに対して、前記所定無線品質の測定結果を記憶していることを通知した後、該所定無線品質の測定結果を通知しないように構成されていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明によれば、ユーザが「Logged MDT」に対する承諾を途中で止める場合、かかるユーザが所有する移動局UEによって行われている「Logged MDT」をすぐに停止することができる移動通信方法及び移動局を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの全体構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る移動局の機能ブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システム)
図1乃至図4を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムについて説明する。
【0018】
図1に示すように、本実施形態に係る移動通信システムは、加入者情報管理サーバHSS(Home Subscriber Server)と、移動管理ノードMME(Mobility Management Entity)と、LTE方式の無線アクセスネットワーク装置としての無線基地局eNBとを具備している。
【0019】
図2に示すように、本実施形態に係る移動局UEは、Consent管理部11と、MDT機能部12とを具備している。
【0020】
Consent管理部11は、MDTの実施に対して承諾がなされているか否かについて管理するように構成されている。
【0021】
例えば、Consent管理部11は、アプリケーションレイヤにおける機能であって、ユーザは、Consent管理部11を介して、MDTの実施に対して承諾を行うか否かについて設定することができる。
【0022】
MDT機能部12は、AS(Access Stratum)レイヤにおける機能であって、MDTに係る処理を行うように構成されている。
【0023】
具体的には、移動局UEが、「Connected状態」である場合で、MDTの実施に対する承諾がなされている場合で、かつ、ネットワークから所定無線品質を測定するように指示する「Measurement Configuration」を受信した場合、「Idle状態」に遷移した後、かかる「Measurement Configuration」に応じて、「Logged MDT」を実施するように構成されている、すなわち、上述の所定無線品質を測定して記憶しておくように構成されている。
【0024】
また、移動局UEが、「Idle状態」である場合で、かつ、MDTの実施に対する承諾が取り消された場合、MDT機能部12は、記憶している所定無線品質の測定結果及び「Measurement Configuration」を削除し、「Logged MDT」の実施を中止するように構成されている、すなわち、かかる所定無線品質の測定を中止するように構成されている。
【0025】
かかる場合、MDT機能部12は、記憶している全ての所定無線品質の測定結果を削除するように構成されていてもよい。
【0026】
また、かかる場合、MDT機能部12は、MDTの実施に対する承諾が取り消された時点までに記憶している所定無線品質の測定結果を保持し、記憶している「Measurement Configuration」を削除し、「Logged MDT」の実施を中止するように構成されてもよい。
【0027】
ここで、移動局UEが、次に「Connected状態」に遷移したときに、MDT機能部12は、ネットワークに対して、かかる所定無線品質の測定結果について報告するように構成されていもよい。
【0028】
なお、移動局UEが、「Logged MDT」の実施を中止した後、すなわち、上述の所定無線品質の測定を中止した後に、Detach(デタッチ)処理を行った場合であっても、Consent管理部11は、MDTの実施に対する承諾がなされていないことを記憶しておくように構成されていてもよい。
【0029】
また、移動局UEが、Detach処理を行った後に、Attach処理を行う際に、MDT機能部12は、ネットワークに対して、MDTに関連する能力を具備している旨を通知しないように構成されていてもよい。
【0030】
以下、図3及び図4を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作の一例について説明する。
【0031】
具体的には、図3及び図4を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムにおいて、MDTの実施に対する承諾がなされている移動局UEにおいて、MDTの実施に対する承諾が取り消される場合の動作について説明する。
【0032】
図3に示すように、「Idle状態」の移動局UEは、MDTの実施に対する承諾がなされており、ネットワークから「Logged MDT」に係る「Measurement Configuration」が受信されているため、ステップS1001において、「Logged MDT」を実施している。
【0033】
移動局UEは、ステップS1002において、ユーザによってMDTの実施に対する承諾が取り消されたことを検知すると、ステップS1003において、記憶している所定無線品質の測定結果及び「Logged MDT」に係る「Measurement Configuration」を削除し、「Logged MDT」の実施を中止する。
【0034】
その結果、移動局UEが、「Idle状態」から「Connected状態」に遷移した場合であっても、ネットワークに対して、「Logged MDT」による所定無線品質の測定結果を報告することができない。
【0035】
その後、図4に示すように、ステップS4001において、移動局UEは、Detach処理を行った場合であっても、上述のMDTの実施に対する承諾がなされていないことを記憶しておく。
【0036】
ステップS4002において、移動局UEは、無線基地局eNBに対して、「RRC Connection Request」を送信し、ステップS4003において、無線基地局eNBは、移動局UEに対して、「RRC Connection Setup」を送信する。
【0037】
ステップS4004において、移動局UEは、無線基地局eNBに対して、「AS UE Capability」を含む「NAS Attach Request」を含む「RRC Connection Setup Complete」を送信する。
【0038】
ここで、移動局UEは、MDTの実施に対する承諾がなされていないため、「AS UE Capability」として、「Logged MDT」を実施することができる能力やMDT用の位置情報を取得することができる能力といったMDTに関連する能力を具備している場合であっても、ネットワークに対して、かかるMDTに関連する能力を具備している旨を通知しない。
【0039】
すなわち、かかる場合、移動局UEは、無線基地局eNBに対して、上述のMDTに関連する能力を含まない「AS UE Capability」を含む「RRC Connection Setup Complete」を送信する。
【0040】
ステップS4005において、無線基地局eNBは、移動管理ノードMMEに対して、「AS UE Capability」を含む「NAS Attach Request」を含む「Initial Context Setup Request」を送信する。
【0041】
ここで、かかる「AS UE Capability」には、上述のMDTに関連する能力を含まれていない。
【0042】
ステップS4006において、移動管理ノードMMEは、無線基地局eNBに対して、「AS UE Capability」を含む「NAS Accept」を含む「Initial Context Setup Response」を送信する。
【0043】
ここで、かかる「AS UE Capability」には、上述のMDTに関連する能力を含まれていない。
【0044】
ステップS4007において、無線基地局eNBは、受信した「Initial Context Setup Response」内の「NAS Accept」に含まれる「AS UE Capability」に、上述のMDTに関連する能力が含まれていないため、移動局UEに対して、「Logged MDT」に関連する「MDT Configuration」の追加を指示する「RRC Connection Reconfiguration」を送信しない。
【0045】
本実施形態に係る発明によれば、ユーザによってMDTに対する承諾が取り消された場合には、かかるユーザが所有する移動局UEが、「Logged MDT」に関連する「MDT Configuration」及び「Logged MDT」による所定無線品質の測定結果を削除するように構成されているため、移動局UEによって行われている「Logged MDT」をすぐに停止することができる。
【0046】
(本発明の第2の実施形態に係る移動通信システム)
以下、図5を参照して、本発明の第2の実施形態に係る移動通信システムについて、上述の第1の実施形態に係る移動通信システムとの相違点に着目して説明する。
【0047】
本実施形態に係る移動通信システムでは、移動局UEが、MDTの実施に対する承諾が取り消された後、「Idle状態」から「Connected状態」に遷移する場合に、MDT機能部12は、ネットワークに対して、上述の所定無線品質の測定結果を記憶していることを通知しないように構成されている。
【0048】
以下、図5を参照して、本発明の第2の実施形態に係る移動通信システムの動作の一例について説明する。
【0049】
具体的には、図5を参照して、本発明の第2の実施形態に係る移動通信システムにおいて、MDTの実施に対する承諾がなされている移動局UEにおいて、MDTの実施に対する承諾が取り消される場合の動作について説明する。
【0050】
図5に示すように、「Idle状態」の移動局UEは、MDTの実施に対する承諾がなされており、ネットワークから「Logged MDT」に係る「Measurement Configuration」が受信されているため、ステップS2001において、「Logged MDT」を実施している。
【0051】
移動局UEは、ステップS2002において、ユーザによってMDTの実施に対する承諾が取り消されたことを検知すると、その旨を記憶しておく。
【0052】
ここで、移動局UEは、「Logged MDT」によって記憶された所定無線品質の測定結果や「Logged MDT」に関連する「MDT Configuration」について削除しなくてもよい。
【0053】
移動局UEは、ステップS2003において、「Idle状態」から「Connected状態」に遷移する際に、MDTの実施に対する承諾が取り消されたことを検出すると、ステップS2004において、「Logged MDT」による所定無線品質の測定結果を記憶している場合であっても、「Logged MDT」による所定無線品質の測定結果を記憶していることを示すLog有報告信号を送信しない。
【0054】
その結果、無線基地局eNBは、移動局UEに対して、Log報告要求信号を送信することができないため、「Logged MDT」による所定無線品質の測定結果は、ネットワークに対して報告されない。
【0055】
その後の動作は、図4に示すステップS4001乃至S4007の動作と同一である。
【0056】
本実施形態に係る発明によれば、ユーザによってMDTに対する承諾が取り消された場合には、かかるユーザが所有する移動局UEによって、「Logged MDT」による所定無線品質の測定結果がネットワークに対して報告されなくなるため、移動局UEによって行われている「Logged MDT」について実質的にすぐに停止されることになる。
【0057】
(本発明の第3の実施形態に係る移動通信システム)
以下、図6を参照して、本発明の第3の実施形態に係る移動通信システムについて、上述の第1の実施形態に係る移動通信システムとの相違点に着目して説明する。
【0058】
本実施形態に係る移動通信システムでは、移動局UEが、MDTの実施に対する承諾が取り消された後、「Idle状態」から「Connected状態」に遷移する場合に、MDT機能部12は、MDT機能部12は、ネットワークに対して、上述の所定無線品質の測定結果を記憶していることを通知した後、かかる所定無線品質の測定結果を通知しないように構成されている。
【0059】
以下、図6を参照して、本発明の第3の実施形態に係る移動通信システムの動作の一例について説明する。
【0060】
具体的には、図6を参照して、本発明の第3の実施形態に係る移動通信システムにおいて、MDTの実施に対する承諾がなされている移動局UEにおいて、MDTの実施に対する承諾が取り消される場合の動作について説明する。
【0061】
図6に示すように、「Idle状態」の移動局UEは、MDTの実施に対する承諾がなされており、ネットワークから「Logged MDT」に係る「Measurement Configuration」が受信されているため、ステップS3001において、「Logged MDT」を実施している。
【0062】
移動局UEは、ステップS3002において、ユーザによってMDTの実施に対する承諾が取り消されたことを検知すると、その旨を記憶しておく。
【0063】
ここで、移動局UEは、「Logged MDT」によって記憶された所定無線品質の測定結果や「Logged MDT」に関連する「MDT Configuration」について削除しなくてもよい。
【0064】
移動局UEは、ステップS3003において、「Idle状態」から「Connected状態」に遷移する際に、ステップS3004において、無線基地局eNBに対して、「Logged MDT」による所定無線品質の測定結果を記憶していることを示すLog有報告信号を送信する。
【0065】
ステップS3005において、無線基地局eNBは、Log有報告信号に応じて、移動局UEに対して、Log報告要求信号を送信する。
【0066】
ステップS3006において、移動局UEは、MDTの実施に対する承諾が取り消されたことを検出しているため、「Logged MDT」による所定無線品質の測定結果を記憶している場合であっても、Log報告要求信号に応じて、「Logged MDT」による所定無線品質の測定結果を報告しない。
【0067】
例えば、かかる場合、移動局UEは、無線基地局eNBに対して、「Logged MDT」による所定無線品質の測定結果を記憶していないことを示すLog Empty報告信号を送信するか、或いは、「Logged MDT」による所定無線品質の測定結果を含めないLog報告信号を送信する。
【0068】
その後の動作は、図4に示すステップS4001乃至S4007の動作と同一である。
【0069】
本実施形態に係る発明によれば、ユーザによってMDTに対する承諾が取り消された場合には、かかるユーザが所有する移動局UEによって、「Logged MDT」による所定無線品質の測定結果がネットワークに対して報告されなくなるため、移動局UEによって行われている「Logged MDT」について実質的にすぐに停止されることになる。
【0070】
以上に述べた本実施形態の特徴は、以下のように表現されていてもよい。
【0071】
本実施形態の第1の特徴は、移動通信方法であって、ネットワークが、MDT(測定走行試験)の実施に対する承諾がなされている「Connected状態(接続状態)」の移動局UEに対して、所定無線品質を測定するように指示する「Measurement Configuration(測定構成情報)」を送信する工程Aと、「Connected状態」の移動局UEが、「Idle状態(アイドル状態)」に遷移した後、かかる「Measurement Configuration」に応じて、上述の所定無線品質を測定して記憶しておく工程Bと、「Idle状態」の移動局UEが、MDTの実施に対する承諾が取り消された場合、記憶している所定無線品質の測定結果及び「Measurement Configuration」を削除し、かかる所定無線品質の測定を中止する工程Cとを有することを要旨とする。
【0072】
本実施形態の第1の特徴において、工程Cにおいて、「Idle状態」の移動局UEが、記憶している全ての所定無線品質の測定結果を削除してもよい。
【0073】
本実施形態の第1の特徴において、工程Cにおいて、「Idle状態」の移動局UEが、MDTの実施に対する承諾が取り消された時点までの所定無線品質を記憶しておき、次に「Connected状態」に遷移したときに、ネットワークに対して報告してもよい。
【0074】
本実施形態の第2の特徴は、移動通信方法であって、ネットワークが、MDTの実施に対する承諾がなされている「Connected状態」の移動局UEに対して、所定無線品質を測定するように指示する「Measurement Configuration」を送信する工程Aと、「Connected状態」の移動局UEが、「Idle状態」に遷移した後、かかる「Measurement Configuration」に応じて、所定無線品質を測定して記憶しておく工程Bと、「Idle状態」の移動局UEが、MDTの実施に対する承諾が取り消された後、「Connected状態」に遷移する際に、ネットワークに対して、上述の所定無線品質の測定結果を記憶していることを通知しない工程Cとを有することを要旨とする。
【0075】
本実施形態の第3の特徴は、移動通信方法であって、ネットワークが、MDTの実施に対する承諾がなされている「Connected状態」の移動局UEに対して、所定無線品質を測定するように指示する「Measurement Configuration」を送信する工程Aと、「Connected状態」の移動局UEが、「Idle状態」に遷移した後、かかる「Measurement Configuration」に応じて、所定無線品質を測定して記憶しておく工程Bと、「Idle状態」の移動局UEが、MDTの実施に対する承諾が取り消された後、「Connected状態」に遷移する際に、ネットワークに対して、上述の所定無線品質の測定結果を記憶していることを通知した後、かかる所定無線品質の測定結果を通知しない工程Cとを有することを要旨とする。
【0076】
本実施形態の第1乃至第3の特徴において、上述の工程Cが行われた後、移動局UEが、デタッチ処理を行った場合であっても、MDTの実施に対する承諾がなされていないことを記憶しておく工程Dを更に有してもよい。
【0077】
本実施形態の第1乃至第3の特徴において、上述の工程Dが行われた後、移動局UEが、アタッチ処理を行う際に、ネットワークに対して、MDTに関連する能力(AS UE Capability)を具備している旨を通知しない工程Eを更に有してもよい。
【0078】
本実施形態の第4の特徴は、移動局UEであって、MDTの実施に対する承諾がなされているか否かについて管理するように構成されているConsent管理部11(承諾管理部)と、移動局UEが、「Connected状態」である場合で、MDTの実施に対する承諾がなされている場合で、かつ、ネットワークから所定無線品質を測定するように指示する「Measurement Configuration」を受信した場合、「Idle状態」に遷移した後、かかる「Measurement Configuration」に応じて、上述の所定無線品質を測定して記憶しておくように構成されているMDT機能部12(測定走行試験機能部)とを具備しており、移動局UEが、「Idle状態」である場合で、かつ、MDTの実施に対する承諾が取り消された場合、MDT機能部12は、記憶している所定無線品質の測定結果及び「Measurement Configuration」を削除し、かかる所定無線品質の測定を中止するように構成されていることを要旨とする。
【0079】
本実施形態の第5の特徴は、移動局UEであって、MDTの実施に対する承諾がなされているか否かについて管理するように構成されているConsent管理部11と、移動局UEが、「Connected状態」である場合で、MDTの実施に対する承諾がなされている場合で、かつ、ネットワークから所定無線品質を測定するように指示する「Measurement Configuration」を受信した場合、「Idle状態」に遷移した後、かかる「Measurement Configuration」に応じて、上述の所定無線品質を測定して記憶しておくように構成されているMDT機能部12とを具備しており、移動局UEが、MDTの実施に対する承諾が取り消された後、「Idle状態」から「Connected状態」に遷移する場合に、MDT機能部12は、ネットワークに対して、上述の所定無線品質の測定結果を記憶していることを通知しないように構成されていることを要旨とする。
【0080】
本実施形態の第5の特徴は、移動局UEであって、MDTの実施に対する承諾がなされているか否かについて管理するように構成されているConsent管理部11と、移動局UEが、「Connected状態」である場合で、MDTの実施に対する承諾がなされている場合で、かつ、ネットワークから所定無線品質を測定するように指示する「Measurement Configuration」を受信した場合、「Idle状態」に遷移した後、かかる「Measurement Configuration」に応じて、上述の所定無線品質を測定して記憶しておくように構成されているMDT機能部12とを具備しており、移動局UEが、MDTの実施に対する承諾が取り消された後、「Idle状態」から「Connected状態」に遷移する場合に、MDT機能部12は、ネットワークに対して、上述の所定無線品質の測定結果を記憶していることを通知した後、かかる所定無線品質の測定結果を通知しないように構成されていることを要旨とする。
【0081】
本実施形態の第4乃至第6の特徴において、移動局UEが、上述の所定無線品質の測定を中止した後に、デタッチ処理を行った場合であっても、Consent管理部11は、MDTの実施に対する承諾がなされていないことを記憶しておくように構成されていてもよい。
【0082】
本実施形態の第4乃至第6の特徴において、移動局UEが、デタッチ処理を行った後に、アタッチ処理を行う際に、MDT機能部12は、ネットワークに対して、MDに関連する能力(AS UE Capability)を具備している旨を通知しないように構成されていてもよい。
【0083】
なお、上述の移動局UEや無線基地局eNBや移動管理ノードMMEや加入者情報管理サーバHSSの動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【0084】
ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【0085】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、移動局UEや無線基地局eNBや移動管理ノードMMEや加入者情報管理サーバHSS内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとして移動局UEや無線基地局eNBや移動管理ノードMMEや加入者情報管理サーバHSS内に設けられていてもよい。
【0086】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0087】
UE…移動局
eNB…無線基地局
MME…移動管理ノード
HSS…加入者情報管理サーバ
11…Consent管理部
12…MDT機能部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークが、測定走行試験の実施に対する承諾がなされている接続状態の移動局に対して、所定無線品質を測定するように指示する測定構成情報を送信する工程Aと、
前記接続状態の移動局が、アイドル状態に遷移した後、前記測定構成情報に応じて、前記所定無線品質を測定して記憶しておく工程Bと、
前記アイドル状態の移動局が、前記測定走行試験の実施に対する承諾が取り消された場合、記憶している前記所定無線品質の測定結果及び前記測定構成情報を削除し、該所定無線品質の測定を中止する工程Cとを有することを特徴とする移動通信方法。
【請求項2】
前記工程Cにおいて、前記アイドル状態の移動局が、記憶している全ての前記所定無線品質の測定結果を削除することを特徴とする請求項1に記載の移動通信方法。
【請求項3】
前記工程Cにおいて、前記アイドル状態の移動局が、前記測定走行試験の実施に対する承諾が取り消された時点までの前記所定無線品質を記憶しておき、次に接続状態に遷移したときに、前記ネットワークに対して報告することを特徴とする請求項1に記載の移動通信方法。
【請求項4】
ネットワークが、測定走行試験の実施に対する承諾がなされている接続状態の移動局に対して、所定無線品質を測定するように指示する測定構成情報を送信する工程Aと、
前記接続状態の移動局が、アイドル状態に遷移した後、前記測定構成情報に応じて、前記所定無線品質を測定して記憶しておく工程Bと、
前記アイドル状態の移動局が、前記測定走行試験の実施に対する承諾が取り消された後、接続状態に遷移する際に、前記ネットワークに対して、前記所定無線品質の測定結果を記憶していることを通知しない工程Cとを有することを特徴とする移動通信方法。
【請求項5】
ネットワークが、測定走行試験の実施に対する承諾がなされている接続状態の移動局に対して、所定無線品質を測定するように指示する測定構成情報を送信する工程Aと、
前記接続状態の移動局が、アイドル状態に遷移した後、前記測定構成情報に応じて、前記所定無線品質を測定して記憶しておく工程Bと、
前記アイドル状態の移動局が、前記測定走行試験の実施に対する承諾が取り消された後、接続状態に遷移する際に、前記ネットワークに対して、前記所定無線品質の測定結果を記憶していることを通知した後、該所定無線品質の測定結果を通知しない工程Cとを有することを特徴とする移動通信方法。
【請求項6】
前記工程Cが行われた後、前記移動局が、デタッチ処理を行った場合であっても、前記測定走行試験の実施に対する承諾がなされていないことを記憶しておく工程Dを更に有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の移動通信方法。
【請求項7】
前記工程Dが行われた後、前記移動局が、アタッチ処理を行う際に、前記ネットワークに対して、前記測定走行試験に関連する能力を具備している旨を通知しない工程Eを更に有することを特徴とする請求項6に記載の移動通信方法。
【請求項8】
移動局であって、
測定走行試験の実施に対する承諾がなされているか否かについて管理するように構成されている承諾管理部と、
前記移動局が、接続状態である場合で、前記測定走行試験の実施に対する承諾がなされている場合で、かつ、ネットワークから所定無線品質を測定するように指示する測定構成情報を受信した場合、アイドル状態に遷移した後、該測定構成情報に応じて、該所定無線品質を測定して記憶しておくように構成されている測定走行試験機能部とを具備しており、
前記移動局が、アイドル状態である場合で、かつ、前記測定走行試験の実施に対する承諾が取り消された場合、前記測定走行試験機能部は、記憶している前記所定無線品質の測定結果及び前記測定構成情報を削除し、該所定無線品質の測定を中止するように構成されていることを特徴とする移動局。
【請求項9】
移動局であって、
測定走行試験の実施に対する承諾がなされているか否かについて管理するように構成されている承諾管理部と、
前記移動局が、接続状態である場合で、前記測定走行試験の実施に対する承諾がなされている場合で、かつ、ネットワークから所定無線品質を測定するように指示する測定構成情報を受信した場合、アイドル状態に遷移した後、該測定構成情報に応じて、該所定無線品質を測定して記憶しておくように構成されている測定走行試験機能部とを具備しており、
前記移動局が、前記測定走行試験の実施に対する承諾が取り消された後、アイドル状態から接続状態に遷移する場合に、前記測定走行試験機能部は、前記ネットワークに対して、前記所定無線品質の測定結果を記憶していることを通知しないように構成されていることを特徴とする移動局。
【請求項10】
移動局であって、
測定走行試験の実施に対する承諾がなされているか否かについて管理するように構成されている承諾管理部と、
前記移動局が、接続状態である場合で、前記測定走行試験の実施に対する承諾がなされている場合で、かつ、ネットワークから所定無線品質を測定するように指示する測定構成情報を受信した場合、アイドル状態に遷移した後、該測定構成情報に応じて、該所定無線品質を測定して記憶しておくように構成されている測定走行試験機能部とを具備しており、
前記移動局が、前記測定走行試験の実施に対する承諾が取り消された後、アイドル状態から接続状態に遷移する場合に、前記測定走行試験機能部は、前記ネットワークに対して、前記所定無線品質の測定結果を記憶していることを通知した後、該所定無線品質の測定結果を通知しないように構成されていることを特徴とする移動局。
【請求項11】
前記移動局が、前記所定無線品質の測定を中止した後に、デタッチ処理を行った場合であっても、前記承諾管理部は、前記測定走行試験の実施に対する承諾がなされていないことを記憶しておくように構成されていることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか一項に記載の移動局。
【請求項12】
前記移動局が、前記デタッチ処理を行った後に、アタッチ処理を行う際に、前記測定走行試験機能部は、前記ネットワークに対して、前記測定走行試験に関連する能力を具備している旨を通知しないように構成されていることを特徴とする請求項11に記載の移動局。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−222665(P2012−222665A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−87593(P2011−87593)
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】