説明

移動通信方法

【課題】効率的に「RA」の送信を実現する。
【解決手段】本実施形態に係る移動通信方法は、UEが、定期的に、MMEに対して、「TAU Request」を送信する工程と、MMEが、「TAU Request」を受信した場合で、かつ、UEに割り当てるIPアドレスに係る情報を通知する「RA」を送信する必要があると判定した場合に、UEとeNBとの間の無線アクセスベアラ、及び、eNBとS-GWとの間のS1ベアラを設定する工程と、MMEが、S-GWに対して、「RA」を送信するように要求する要求信号を送信する工程と、S-GWが、かかる要求信号に応じて、設定されたS1ベアラ及び無線アクセスベアラを介して、UEに対して、「RA」を送信する工程とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1に記載のGTP(GPRS Tunneling Protocol)が適用されているEPC(Evolved Packet Core)ネットワークでは、「RA(Router Advertisement、ルータ通知信号)」が、P-GW(PDN-Gateway、パケットデータネットワークゲートウェイ装置)から、UE(User Equipment、移動局)に通知されるように構成されている。
【0003】
「RA」は、UEに割り当てる「IPv6 Prefix」や、かかる「IPv6 Prefix」が有効である時間を示す「router lifetime」や、「default gateway情報(パケット転送情報)」を含む。
【0004】
UEは、定期的に「RA」を受信することで、UEが保持するIPv6アドレスの有効性について更新するように構成されている。
【0005】
すなわち、UEは、「RA」を受信した場合、かかる「RA」に含まれる「router lifetime」に基づいて「Router lifetime(所定タイマ)」を設定して、かかる「RA」に含まれる「default gateway情報」を保持するように構成されている。
【0006】
ここで、UEは、かかる「Router lifetime」が満了するまでに「RA」を受信した場合には、受信した「RA」に基づいて、保持するIPv6アドレスの有効性について更新し、かかる「default gateway情報」を更新するように構成されている。
【0007】
一方、UEは、UEが保持するIPv6アドレスが有効でないと判断した場合、すなわち、「Router lifetime」が満了するまでに「RA」を受信しなかった場合、保持する「default gateway情報」を削除するように構成されている。
【0008】
言い換えると、かかるUEは、「RA」で通知された「Router lifetime(例えば、18時間)」が満了するまで、「default gateway情報」を保持し、「Router lifetime」が満了した後に、「default gateway情報」を削除するように構成されている。
【0009】
ここで、「Router lifetime」は、UEによって保持されるタイマであり、デフォルト値として、「MaxRtrAdvInterval(ネットワーク側タイマ)」の3倍の時間が定義されている(例えば、非特許文献2参照)。
【0010】
また、「MaxRtrAdvInterval」は、移動局UEの接続するP-GWによって保持されるタイマ(最大RA送信間隔)であり、デフォルト値として、「21600秒(6時間)」が定義されている(例えば、非特許文献3参照)。
【0011】
同様に、非特許文献4に記載のPMIP(Proxy Mobile IP)が適用されているEPCネットワークでは、「RA」が、S-GW(Serving Gateway、サービングゲートウェイ装置)から、UEに通知されるように構成されている。
【0012】
ここで、「MaxRtrAdvInterval」は、UEの接続するS-GWによって保持されるタイマ(最大RA送信間隔)であり、デフォルト値として、「21600秒(6時間)」が定義されている(例えば、非特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】3GPP TS23.401
【非特許文献2】RFC4861 6.2.1
【非特許文献3】3GPP TS29.061
【非特許文献4】3GPP TS23.402
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従来の移動通信システムでは、UEは、定期的に(例えば、1時間ごとに)、MME(Mobility Management Entity、移動管理ノード)に対して、「TAU(Tracking Area Update) Request(位置登録エリア更新要求信号)」を送信するように構成されている。
【0015】
また、従来の移動通信システムでは、UEは、発信トリガ或いは着信トリガを検出した場合に、MMEに対して、「Service Request(サービス要求信号)」を送信するように構成されている。
【0016】
ここで、従来の移動通信システムでは、「RA」の送信は、かかる「位置登録エリア更新処理」や「サービス要求手順」が行われる場合とは独立して行われるように構成されている。
【0017】
したがって、従来の移動通信システムでは、かかる「位置登録エリア更新処理」や「サービス要求手順」が行われている場合に、「RA」を送信するタイミングが到来した場合であっても、「位置登録エリア更新処理」や「サービス要求手順」に係るベアラとは別のベアラを設定した上で「RA」が送信され、非効率であるという問題点があった。
【0018】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、効率的に「RA」の送信を実現することができる移動通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の第1の特徴は、移動通信方法であって、移動局が、定期的に、移動管理ノードに対して、位置登録エリア更新要求信号を送信する工程と、前記移動管理ノードが、前記位置登録エリア更新要求信号を受信した場合で、かつ、前記移動局に割り当てるIPアドレスに係る情報を通知する通知信号を送信する必要があると判定した場合に、該移動局と無線基地局との間の無線アクセスベアラ、及び、該無線基地局とサービングゲートウェイ装置との間のベアラを設定する工程と、前記移動管理ノードが、前記サービングゲートウェイ装置に対して、前記通知信号を送信するように要求する要求信号を送信する工程と、前記サービングゲートウェイ装置が、前記要求信号に応じて、前記ベアラ及び前記無線アクセスベアラを介して、前記移動局に対して、前記通知信号を送信する工程とを有することを要旨とする。
【0020】
本発明の第2の特徴は、移動通信方法であって、移動局が、定期的に、移動管理ノードに対して、位置登録エリア更新要求信号を送信する工程と、前記移動管理ノードが、前記位置登録エリア更新要求信号を受信した場合で、かつ、前記移動局に割り当てるIPアドレスに係る情報を通知する通知信号を送信する必要があると判定した場合に、該移動局と無線基地局との間の無線アクセスベアラ、及び、該無線基地局とサービングゲートウェイ装置との間のベアラを設定する工程と、前記移動管理ノードが、前記サービングゲートウェイ装置に対して、前記通知信号を送信するように要求する要求信号を送信する工程と、前記サービングゲートウェイ装置が、パケットデータネットワークゲートウェイ装置に対して、前記要求信号を送信する工程と、前記パケットデータネットワークゲートウェイ装置が、前記要求信号に応じて、前記サービングゲートウェイ装置と前記ベアラ及び前記無線アクセスベアラとを介して、前記移動局に対して、前記通知信号を送信する工程とを有することを要旨とする。
【0021】
本発明の第3の特徴は、移動通信方法であって、サービス要求手順が行われた際に、サービングゲートウェイ装置又はパケットデータネットワークゲートウェイ装置が、移動局に割り当てるIPアドレスに係る情報を通知する通知信号を送信する必要があると判定した場合に、該移動局に対して、該サービス要求手順において設定された該移動局と無線基地局との間の無線アクセスベアラ及び該無線基地局と該サービングゲートウェイ装置との間のベアラを介して、該通知信号を送信する工程を有することを要旨とする。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明によれば、効率的に「RA」の送信を実現することができる移動通信方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの全体構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るMMEの機能ブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図6】本発明の変更例1に係るS-GW及びP-GWの機能ブロック図である。
【図7】本発明の変更例1に係る移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システム)
図1乃至図5を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムについて説明する。
【0025】
図1に示すように、本実施形態に係る移動通信システムは、PCRF(Policy and Charging Rules Function、ポリシー及び課金ルールサーバ装置)や、P-GWや、S-GWや、MMEや、eNBや、HSS(Home Subscriber Server、加入者管理サーバ)等を具備している。
【0026】
なお、本実施形態に係る移動通信システムでは、S-GWとP-GWとの間で、PMIPが適用されていてもよいし、GTPが用いられていてもよい。
【0027】
図2に示すように、MMEは、受信部11と、判定部12と、送信部13とを具備している。
【0028】
受信部11は、UEやeNBやS-GW等から各種信号を受信するように構成されている。
【0029】
例えば、受信部11は、UEから「TAU Request」を受信したり、eNBから「(S1-AP)Initial Context Setup Response」を受信したり、S-GWから「Modify Bearer Response」を受信したりするように構成されている。
【0030】
判定部12は、受信部11によって「TAU Request」が受信された際に、UEに対して「RA」を送信する必要があるか否かについて判定するように構成されている。
【0031】
例えば、判定部12は、所定回数(例えば、6回)、受信部11によって「TAU Request」が受信された際に、UEに対して「RA」を送信する必要があると判定するように構成されていてもよい。
【0032】
また、判定部12は、前回のMMEとS-GWとの間の信号交換時に取得したS-GWにおける「RA」の送信状況に基づいて、UEに対して「RA」を送信する必要があるか否かについて判定するように構成されていてもよい。
【0033】
ここで、S-GWにおける「RA」の送信状況は、最後に「RA」を送信してからの経過時間や、最後に「RA」を送信した時間等を示す情報であってもよい。
【0034】
或いは、判定部12は、前回のMMEとS-GWとの間の信号交換時に取得した「RA」を送信すべきであるか否かについて示す「RA」送信要否情報に基づいて、UEに対して「RA」を送信する必要があるか否かについて判定するように構成されていてもよい。
【0035】
なお、判定部12は、「位置登録エリア更新処理」が実施される場合であれば、UE用のベアラを管理するS-GWが変更しているか否かに関係なく、UEに対して「RA」を送信する必要があるか否かについて判定するように構成されている。
【0036】
送信部13は、UEやeNBやS-GW等に対して各種信号を送信するように構成されている。
【0037】
例えば、送信部13は、UEに対して「TAU Accept」を送信したり、eNBに対して「S1-AP Initial Context Setup Request」を送信したり、S-GWに対して「Modify Bearer Request」を送信したりするように構成されている。
【0038】
ここで、判定部12が、UEに対して「RA」を送信する必要があると判定した場合に、送信部13は、eNBに対して「S1-AP Initial Context Setup Request」を送信し、S-GWに対して、「RA」を送信するように要求する要求信号を送信するように構成されている。
【0039】
以下、図3乃至図5を参照して、本実施形態に係る移動通信システムにおいて、UEの位置登録エリア更新処理においてUEに対して「RA」を送信する動作について説明する。
【0040】
図3に示すように、ステップS1001において、UEは、TAU処理を開始することを決定すると、eNBを介して、MMEに対して、「TAU Request」を送信する。
【0041】
ステップS1002において、MMEは、受信部11によって「TAU Request」が受信された際に、UEに対して「RA」を送信する必要があるか否かについて判定する。
【0042】
MMEが、UEに対して「RA」を送信する必要があると判定した場合、ステップS1003において、UE用のS1ベアラ(eNBとS-GWとの間)及び無線アクセスベアラ(UEとeNBとの間)の設定処理が開始される。
【0043】
ここで、かかる設定処理について、図4及び図5を参照にして説明する。第1に、図4を参照して、かかる設定処理の例1について説明し、第2に、図5を参照して、かかる設定処理の例2について説明する。
【0044】
図4に示すように、ステップS1103Aにおいて、MMEは、eNBに対して、「TAU Accept」を含む「S1-AP Initial Context Setup Request」を送信し、ステップS1103Bにおいて、eNBは、UEに対して、「TAU Accept」を含む「RRC Connection Reconfiguration」を送信する。
【0045】
例えば、「TAU Accept」は、「S1-AP Initial Context Setup Request」内の情報要素「NAS-PDU」内に設定されてもよい。
【0046】
UEは、「TAU Accept」を含む「RRC Connection Reconfiguration」を受信すると、ステップ1103Cにおいて、eNBに対して、「RRC Connection Reconfiguration Complete」を送信する。
【0047】
ステップS1103Dにおいて、eNBは、MMEに対して、「S1-AP Initial Context Setup Response」を送信する。
【0048】
また、ステップS1103Eにおいて、UEは、eNBに対して、「TAU Complete」を含む「RRC UL Information Transfer」を送信し、ステップS1103Fにおいて、eNBは、MMEに対して、「TAU Complete」を含む「S1-AP Uplink NAS Transport」を送信する。
【0049】
図5に示すように、ステップS1203Aにおいて、MMEは、eNBに対して、「TAU Accept」を含む「S1-AP NAS Downlink NAS Transport」を送信し、ステップS1203Bにおいて、eNBは、UEに対して、「TAU Accept」を含む「RRC DL Infromation Transfer」を送信する。
【0050】
ステップS1203Cにおいて、UEは、eNBに対して、「TAU Complete」を含む「RRC UL Information Transfer」を送信し、ステップS1203Dにおいて、eNBは、MMEに対して、「TAU Complete」を含む「S1-AP Uplink NAS Transport」を送信する。
【0051】
ステップS1203Eにおいて、MMEは、eNBに対して、「S1-AP Initial Context Setup Request」を送信し、ステップS1203Fにおいて、eNBは、UEに対して、「RRC Connection Reconfiguration」を送信する。
【0052】
UEは、「RRC Connection Reconfiguration」を受信すると、ステップ1203Fにおいて、eNBに対して、「RRC Connection Reconfiguration Complete」を送信する。
【0053】
ステップS1203Hにおいて、eNBは、MMEに対して、「S1-AP Initial Context Setup Response」を送信する。
【0054】
図3に戻り、ステップ1004において、MMEは、S-GWに対して、「RA」を送信するように要求する要求信号を含む「Modify Bearer Request」を送信する。
【0055】
ここで、MMEは、S-GWに対して、「Modify Bearer Request」以外の信号によって、かかる要求信号を送信してもよい。
【0056】
なお、S-GWとP-GWとの間で、GTPが用いられている場合、ステップS1005において、S-GWは、P-GWに対して、かかる要求信号を送信し、P-GWは、かかる要求信号に応じて、「MaxRtrAdvInterval」の値とは関係なく、S-GWに対して、「Modify Bearer Response」を送信すると共に、「RA」をS-GWを介してUEに対して送信し、S-GWは、ステップS1006において、MMEに対して、「Modify Bearer Response」を送信すると共に、ステップS1007において、ステップS1003において設定されたS1ベアラ及び無線アクセスベアラを介して、UEに対して、P-GWから受信した「RA」を送信する。
【0057】
一方、S-GWとP-GWとの間で、PMIPが用いられている場合、S-GWは、ステップS1006において、MMEに対して、「Modify Bearer Response」を送信すると共に、ステップS1007において、「MaxRtrAdvInterval」の値とは関係なく、ステップS1003において設定されたS1ベアラ及び無線アクセスベアラを介して、UEに対して、「RA」を送信する。
【0058】
本実施形態に係る移動通信システムによれば、既存のUEの位置登録エリア更新処理において、MMEが、「RA」の送信の要否について判定し、「RA」を送信する必要があると判定した場合には、UE用のS1ベアラ及び無線アクセスベアラを設定し、S-GW又はP-GWに対して、かかるS1ベアラ及び無線アクセスベアラを介して「RA」を通知するように指示することで、効率的に「RA」を送信することができる。
【0059】
(変更例1)
図6及び図7を参照して、本発明の変更例1に係る移動通信システムについて説明する。以下、本変更例1に係る移動通信システムについて、上述の第1の実施形態に係る移動通信システムとの相違点に着目して説明する。
【0060】
なお、本変更例1に係る移動通信システムでは、上述の第1の実施形態に係る移動通信システムと同様に、S-GWとP-GWとの間で、PMIPが適用されていてもよいし、GTPが適用されていてもよい。
【0061】
図6に示すように、S-GW又はP-GWは、受信部21と、判定部22と、送信部23とを具備している。
【0062】
S-GWの受信部21は、eNBやMMEやPCRFやP-GW等から各種信号を受信するように構成されている。例えば、S-GWの受信部21は、MMEから「Modify Bearer Request」を受信するように構成されている。
【0063】
P-GWの受信部21は、PCRFやS-GW等から各種信号を受信するように構成されている。例えば、P-GWの受信部21は、S-GWから「Modify Bearer Request」を受信するように構成されている。
【0064】
S-GWとP-GWとの間で、PMIPが適用されている場合、S-GWの判定部22は、受信部21によって「Service Request手順」に係る「Modify Bearer Request」が受信された際に、UEに対して「RA」を送信する必要があるか否かについて判定するように構成されている。
【0065】
また、S-GWとP-GWとの間で、GTPが適用されている場合、P-GWの判定部22は、受信部21によって「Service Request手順」に係る「Modify Bearer Request」が受信された際に、UEに対して「RA」を送信する必要があるか否かについて判定するように構成されている。
【0066】
S-GWの送信部23は、eNBやMMEやP-GW等に対して各種信号を送信するように構成されている。例えば、S-GWの送信部23は、P-GWに対して「Modify Bearer Request」を送信するように構成されている。
【0067】
ここで、S-GWの判定部22が、UEに対して「RA」を送信する必要があると判定した場合に、S-GWの送信部23は、「MaxRtrAdvInterval」の値とは関係なく、「Service Request手順」によって設定されたS1ベアラ及び無線アクセスベアラを介して、UEに対して「RA」を送信するように構成されている。
【0068】
P-GWの送信部23は、PCRFやS-GW等に対して各種信号を送信するように構成されている。例えば、P-GWの送信部23は、S-GWに対して「Modify Bearer Response」を送信するように構成されている。
【0069】
ここで、P-GWの判定部22が、UEに対して「RA」を送信する必要があると判定した場合に、P-GWの送信部23は、「MaxRtrAdvInterval」の値とは関係なく、S-GWと「Service Request手順」によって設定されたS1ベアラ及び無線アクセスベアラとを介して、UEに対して「RA」を送信するように構成されている。
【0070】
以下、図7を参照して、本変更例1に係る移動通信システムにおいて、UEの「Service Request手順」においてUEに対して「RA」を送信する動作について説明する。
【0071】
図7に示すように、ステップS2001において、UEは、「Service Request手順」を開始することを決定すると、eNBに対して、「NAS Service Request」を送信し、ステップS2002において、eNBは、MMEに対して、「NAS Service Request」を転送する。
【0072】
ステップS2003において、UEとMMEとHSSとの間で「Authentication/Security処理」が行われる。
【0073】
ステップS2004において、MMEは、eNBに対して、「S1-AP Initial Context Setup Request」を送信すると、 ステップS2005において、UEとeNBとの間で、UE用の無線アクセスベアラが設定され、ステップS2006において、UEは、eNB及びS-GWを介して、P-GWに対して、上りリンクデータを送信する。
【0074】
ステップS2007において、eNBは、MMEに対して、「S1-AP Initial Context Setup Response」を送信する。この結果、UE用のS1ベアラの設定が完了する。
【0075】
ステップS2008において、MMEは、S-GWに対して、「Modify Bearer Request」を送信し、ステップS2009において、S-GWは、P-GWに対して、「Modify Bearer Request」を送信する。
【0076】
ステップS2010において、P-GWとPCRFとの間で「PCEF Initial IP-CAN Session Modification処理」が行われる。
【0077】
ステップS2011において、P-GWは、S-GWに対して、「Modify Bearer Response」を送信し、ステップS2012において、S-GWは、MMEに対して、「Modify Bearer Response」を送信する。
【0078】
ここで、S-GWとP-GWとの間で、PMIPが適用されている場合、ステップS2013Aにおいて、S-GWが、UEに対して「RA」を送信する必要があるか否かについて判定する。
【0079】
S-GWは、UEに対して「RA」を送信する必要があると判定した場合には、「MaxRtrAdvInterval」の値とは関係なく、ステップS2014において、「Service Request手順」において設定されたUE用の無線アクセスベアラ及びS1ベアラを介して、UEに対して「RA」を送信する。
【0080】
一方、S-GWとP-GWとの間で、GTPが適用されている場合、ステップS2013Bにおいて、P-GWが、UEに対して「RA」を送信する必要があるか否かについて判定する。
【0081】
P-GWは、UEに対して「RA」を送信する必要があると判定した場合には、「MaxRtrAdvInterval」の値とは関係なく、ステップS2014において、S-GWと「Service Request手順」において設定されたUE用の無線アクセスベアラ及びS1ベアラとを介して、UEに対して「RA」を送信する。
【0082】
本変更例1に係る移動通信システムによれば、既存の「Service Request手順」において、S-GW又はP-GWが、「RA」の送信の要否について判定し、「RA」を送信する必要があると判定した場合には、「MaxRtrAdvInterval」の値とは関係なく、設定されたUE用のS1ベアラ及び無線アクセスベアラを介して、UEに対して「RA」を通知することができる。
【0083】
以上に述べた本実施形態の特徴は、以下のように表現されていてもよい。
【0084】
本実施形態の第1の特徴は、移動通信方法であって、UE(移動局)が、定期的に、MME(移動管理ノード)に対して、「TAU Request(位置登録エリア更新要求信号)」を送信する工程と、MMEが、「TAU Request」を受信した場合で、かつ、UEに割り当てるIPアドレスに係る情報を通知する「RA(通知信号)」を送信する必要があると判定した場合に、UEとeNB(無線基地局)との間の無線アクセスベアラ、及び、eNBとS-GW(サービングゲートウェイ装置)との間のS1ベアラを設定する工程と、MMEが、S-GWに対して、「RA」を送信するように要求する要求信号を送信する工程と、S-GWが、かかる要求信号に応じて、設定されたS1ベアラ及び無線アクセスベアラを介して、UEに対して、「RA」を送信する工程とを有することを要旨とする。
【0085】
本実施形態の第2の特徴は、移動通信方法であって、UEが、定期的に、MMEに対して、「TAU Request」を送信する工程と、MMEが、「TAU Request」を受信した場合で、かつ、「RA」を送信する必要があると判定した場合に、UEとeNBとの間の無線アクセスベアラ、及び、eNBとS-GWとの間のS1ベアラを設定する工程と、MMEが、S-GWに対して、「RA」を送信するように要求する要求信号を送信する工程と、S-GWが、P-GW(パケットデータネットワークゲートウェイ装置)に対して、かかる要求信号を送信する工程と、P-GWが、かかる要求信号に応じて、S-GWと設定されたS1ベアラ及び無線アクセスベアラとを介して、UEに対して、「RA」を送信する工程とを有することを要旨とする。
【0086】
本実施形態の第3の特徴は、移動通信方法であって、「Service Request(サービス要求)手順」が行われた際に、S-GW又はP-GWが、「RA」を送信する必要があると判定した場合に、UEに対して、「Service Request手順」で設定されたS1ベアラ及び無線アクセスベアラを介して、「RA」を送信する工程を有することを要旨とする。
【0087】
なお、上述のUEやeNBやMMEやS-GWやP-GWやPCRFやHSS等の動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【0088】
ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【0089】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、UEやeNBやMMEやS-GWやP-GWやPCRFやHSS等内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとしてUEやeNBやMMEやS-GWやP-GWやPCRFやHSS等内に設けられていてもよい。
【0090】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0091】
UE…移動局
eNB…無線基地局
MME…移動管理ノード
SGSN…パケット交換機
S-GW…サービングゲートウェイ装置
P-GW…パケットデータネットワークゲートウェイ装置
PCRF…ポリシー及び課金ルールサーバ装置
HSS…加入者管理サーバ装置
11、21…受信部
12、22…判定部
13、23…送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動局が、定期的に、移動管理ノードに対して、位置登録エリア更新要求信号を送信する工程と、
前記移動管理ノードが、前記位置登録エリア更新要求信号を受信した場合で、かつ、前記移動局に割り当てるIPアドレスに係る情報を通知する通知信号を送信する必要があると判定した場合に、該移動局と無線基地局との間の無線アクセスベアラ、及び、該無線基地局とサービングゲートウェイ装置との間のベアラを設定する工程と、
前記移動管理ノードが、前記サービングゲートウェイ装置に対して、前記通知信号を送信するように要求する要求信号を送信する工程と、
前記サービングゲートウェイ装置が、前記要求信号に応じて、前記ベアラ及び前記無線アクセスベアラを介して、前記移動局に対して、前記通知信号を送信する工程とを有することを特徴とする移動通信方法。
【請求項2】
移動局が、定期的に、移動管理ノードに対して、位置登録エリア更新要求信号を送信する工程と、
前記移動管理ノードが、前記位置登録エリア更新要求信号を受信した場合で、かつ、前記移動局に割り当てるIPアドレスに係る情報を通知する通知信号を送信する必要があると判定した場合に、該移動局と無線基地局との間の無線アクセスベアラ、及び、該無線基地局とサービングゲートウェイ装置との間のベアラを設定する工程と、
前記移動管理ノードが、前記サービングゲートウェイ装置に対して、前記通知信号を送信するように要求する要求信号を送信する工程と、
前記サービングゲートウェイ装置が、パケットデータネットワークゲートウェイ装置に対して、前記要求信号を送信する工程と、
前記パケットデータネットワークゲートウェイ装置が、前記要求信号に応じて、前記サービングゲートウェイ装置と前記ベアラ及び前記無線アクセスベアラとを介して、前記移動局に対して、前記通知信号を送信する工程とを有することを特徴とする移動通信方法。
【請求項3】
サービス要求手順が行われた際に、サービングゲートウェイ装置又はパケットデータネットワークゲートウェイ装置が、移動局に割り当てるIPアドレスに係る情報を通知する通知信号を送信する必要があると判定した場合に、該移動局に対して、該サービス要求手順において設定された該移動局と無線基地局との間の無線アクセスベアラ及び該無線基地局と該サービングゲートウェイ装置との間のベアラを介して、該通知信号を送信する工程を有することを特徴とする移動通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−21464(P2013−21464A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−152267(P2011−152267)
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】